JP5266789B2 - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体レーザ素子およびその製造方法に関し、より特定的には、2次元回折格子を備えた半導体レーザ素子およびその製造方法に関する。
従来、フォトニック結晶を2次元回折格子として用い半導体レーザ素子が知られている(たとえば、特開2000−332351号公報(以下、特許文献1と呼ぶ)参照)。
この半導体レーザ素子は、基板と、フォトニック結晶層である2次元回折格子と、n型閉じ込め層と、活性層と、p型閉じ込め層と、アノード電極と、カソード電極とを備えている。具体的には、InP(インジウムリン)よりなる基板上に2次元回折格子が形成されており、2次元回折格子上には、InPよりなるn型閉じ込め層と、InGaAs/InGaAsPよりなる多重量子井戸構造の活性層が形成されている。この活性層上には、InPよりなるp型閉じ込め層が形成されている。p型閉じ込め層の上面には円形のアノード電極が形成されており、基板の下面にはカソード電極が形成されている。2次元回折格子は、InPなどよりなる高屈折率部分と、低屈折率部分とを有している。低屈折率部分は、高屈折率部分の表面に周期的に複数の孔を形成することによって作成されている。孔内を埋めない(空間とする)場合には、低屈折率部分は空気よりなっており、また孔内を埋める場合には、低屈折率部分はシリコン窒化膜などよりなっている。
また、基板としてGaN(窒化ガリウム)基板を用いた半導体レーザ素子における2次元回折格子の製造方法も従来提案されている(たとえば、特開2007−67182号公報(以下、特許文献2と呼ぶ)参照)。特許文献2では、2次元回折格子を構成する孔部または柱部の製造方法として、ドライエッチングなどによりベースとなる孔部または柱部を形成した後、m面が反応律速面となるウエットエッチングを行なう、という方法が提案されている。このような方法を用いることで、平面形状がほぼ同一の孔部または柱部を形成できるとしている。
特開2000−332351号公報 特開2007−67182号公報
上述のように、2次元回折格子の低屈折率部分を、高屈折率部分の材質(たとえばInPやGaNなど)と異なる材料であるシリコン窒化膜などの屈折率の小さい誘電体で構成する場合、以下のような問題があった。すなわち、InPやGaNなどに比べて低屈折率の誘電体は、いずれもGaNやInPなどと格子定数や熱膨張係数が大きく異なる。そのため、たとえば低屈折率部分となるシリコン窒化膜などからなる柱部が、GaNなどからなる高屈折率部分に埋め込まれた構造を形成する際に、熱膨張係数の差に起因する大きな応力や歪みを発生することになる。また、たとえば先にシリコン窒化膜などからなる柱部を形成しておき、当該柱部を埋め込むようにGaNなどからなる高屈折率部分を形成する場合、柱部を構成する元素が高屈折率部分中へ拡散し、高屈折率部分の組成が目標とする組成からずれる可能性も考えられる。この場合、2次元回折格子における光学特性が設計値に比べて不十分となり、結果的に半導体レーザ素子の特性が劣化するといった問題の発生が考えられる。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、優れた特性の半導体レーザ素子およびその製造方法を提供することである。
発明者らは、GaN系材料を垂直エッチング性の高いドライエッチング工程によりメサ形状にエッチングした後に、所定の薬剤によるウエットエッチング処理を実施することにより、ドライエッチングによって荒れたメサ形状の側壁のみを平滑な面に変える技術を発見している。このウエットエッチング処理工程では、GaNの(0001)面(c面)に対してエッチングは全く起こらないが、c面に垂直な方向の面に対しては非常に遅いレートではあるがエッチングが進行する。さらに、当該ウエットエッチングでは、(1−100)面(m面;劈開面)とその等方位面である(−1100)面、(10−10)面、(−1010)面、(01−10)面、(0−110)面に対しては(つまり{1−100}面に対しては)エッチングが進行しない。つまり、{1−100}面が律速面となる。この作用により、エッチングされた側面の荒れた円柱は、当該側面が平滑面からなる六角柱となり、エッチングされた側面の荒れた円形孔は、当該側面が平滑面からなる六角形孔になる。
発明者らは、上記円柱を最表面に有する構造と、六角柱を最表面に有する構造とに対して、MOCVD法を用いてGaN系材料による埋め込み再成長を行なった。この結果、側面の荒れた円柱構造に対しては空隙が形成される、あるいは埋め込み層の表面に凹凸が形成されるなど一様な再成長埋め込みができないのに対して、平滑な側面を有する六角柱構造に対しては、空隙などの発生がなく、非常にスムースな再成長埋め込みが容易に実現できることを見出した。また、側面の荒れた円柱構造においては、側面にドライエッチング時のプラズマダメージが残存しているが、六角柱構造においては、上記ウエットエッチングを行なうことにより当該プラズマダメージが残存する部分をも除去できることが確認された。
上述した技術を用いれば、GaN系の低屈折率材料からなる六角柱を適当なピッチで配列させた構造を、GaN系の高屈折率材料で隙間無く埋め込むことが可能となり、光学特性の一様なGaN系フォトニック結晶を、素子中の自由な位置に導入することが可能となる。ここで、低屈折材料からなる構造を高屈折材料からなる層で埋め込む際に、空隙のある埋め込みではフォトニック結晶の本来の光学特性は期待できない。そのため、上記のように隙間の無い埋め込みを実現できれば、フォトニック結晶の光学特性の劣化を防止でき、優れた特性のフォトニック結晶を実現できる。
また、上述した技術によれば、低屈折材料により構成された構造においてドライエッチングによるプラズマダメージが残る部分を除去できる。さらに、高屈折材料および低屈折材料を構成する材料として、格子整合性の良い材料を選べる。このため、埋め込みの際に余分な応力や歪みがフォトニック結晶へ新たに導入される可能性を低減できる。さらに、低屈折材料と高屈折材料として同じGaN系材料を用いることで、フォトニック結晶の構造において余分な不純物の拡散の可能性は極めて低く、埋め込み層自体の特性を劣化させることはない。この結果、当該不純物の拡散に起因してフォトニック結晶構造の下部にある層の特性劣化が起こる可能性も低い。
特に、フォトニック結晶面発光レーザ構造について、エピタキシャル層を積層していく工程の途中でフォトニック結晶層を埋め込み再成長技術により形成した面発光レーザ構造を採用する場合、特性向上のため活性層とフォトニック結晶構造の近接化を行なう必要があった。これは埋め込み再成長を行なうフォトニック結晶層と発光する活性層の間の距離をできるだけ小さくすることを意味する。しかし、このようにフォトニック結晶層と活性層とを近接して配置する場合、フォトニック結晶層での埋め込み再成長に伴う応力や歪み、さらにドライエッチングによるダメージの残存などにより、活性層の発光特性が劣化するという問題があった。そこで、低屈折率材料としてGaN系の材料であるAlGaNを用い、微細柱を形成して当該微細柱を高屈折材料としてのGaNなどで埋め込む構造を用いれば、低屈折材料と高屈折材料との格子整合性が良いことから、SiO等により誘電体微細柱を用いる場合に比べてフォトノック結晶層における歪みが少ないことが期待できる。しかし、円柱状のAlGaN微細柱は、ドライエッチングで形成する際の側壁表面の乱れが大きく、上記のように埋め込み成長時に空隙が出来るなどの問題があった。そこで、円柱状の微細柱に対してウエットエッチングを行なうことで形成された六角形状柱をフォトニック結晶層に用いる本技術を採用すれば、埋め込み再成長時に空隙はほとんど形成されないので理想的な光学特性のフォトニック結晶構造を作製することができる。この結果、応力や歪み、ドライエッチングによるダメージの残存により活性層の品質が劣化する、という問題の発生も抑制される。このため、非常に特性の良いレーザ素子が出来ることが分かった。
なおフォトニック結晶としての作用を保証するには、六角柱を形成する低屈折率材料とそれを埋め込む高屈折率材料との屈折率差が大きいほど良いことが分かっているが、今回発明者らが検討した結果、フォトニック結晶層における埋め込み再成長が、隙間の発生などなく良好に実施された場合には、当該屈折率差がある程度小さくても、十分な光学特性のフォトニック結晶層を実現できることが分かった。たとえば、後述するように低屈折率材料により構成される六角柱の材料として、Al組成が0.02以上のAlGaNを用い、埋め込み層を構成する高屈折材料としてGaNもしくはIn組成0.2以下のInGaNを用いることで、充分な光結合係数κを有するフォトニック結晶が作製できる。
上記のような発明者の知見に基づいて、この発明に従った半導体レーザ素子は、2次元回折格子と発光層とを備える。2次元回折格子は、低屈折率部分と、当該低屈折率部分の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率部分とを有する。発光層は、2次元回折格子の一方の主面側に形成されている。低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか一方の平面形状は六角形状である。低屈折率部分と高屈折率部分とは隙間なく配置されている。低屈折率部分と高屈折率部分との主成分は窒化ガリウム成分である。低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか一方を構成するべき材料層を、ドライエッチングを用いて部分的に除去した後、さらにウエットエッチングを用いて部分的に除去することにより、低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか一方の平面形状が六角形状に加工されている。低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか他方は、2次元回折格子の一方の主面に対して垂直な方向に成長したエピタキシャル成長層である。
このようにすれば、低屈折率部分と高屈折率部分との格子定数や熱膨張係数を比較的近似したものとすることができるので、2次元回折格子において低屈折率部分と高屈折率部分との材質の違いによる格子不整合、また応力やひずみの発生を抑制することができる。この結果、2次元回折格子の特性の劣化を抑制できるので、半導体レーザ素子の特性の劣化を抑制できる。
また、低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか一方の平面形状が六角形状となっているため、当該平面形状の外周部を構成する側面を、所定の結晶面(たとえば等価な結晶面)により構成することができる。このため、平面形状が円形状などである場合より、低屈折率部分と高屈折率部分との接触界面において結晶の乱れや空隙などが形成される可能性を低減できる。そのため、2次元回折格子の特性の劣化を抑制できるので、半導体レーザ素子の特性の劣化を抑制できる。
上記半導体レーザ素子において、上述のように低屈折率部分と高屈折部分との主成分は窒化ガリウム(GaN)成分であってもよい。この場合、GaNを主体とする半導体レーザ素子に本発明を容易に適用できる。
上記半導体レーザ素子において、2次元回折格子の主表面は(0001)面であってもよい。低屈折率部分と高屈折率部分とのうち平面形状が六角形状である一方の、上記主表面に交差する方向に延びる側面は、{1−100}面であってもよい。この場合、上記{1−100}面(いわゆるm面)を反応律速面とするウエットエッチングを実施することで、上述した平面形状が六角形状の構造を容易に形成することができる。
上記半導体レーザ素子において、低屈折率部分はAlGa1−xN(0.02≦x≦0.5)より構成されていてもよい。また、高屈折率部分はInyGa1-yN(0≦y≦0.2)より構成されていてもよい。これらの材料は、物性が互いに類似しているので、高屈折率部分および低屈折率部分の材料として特に適している。
この発明に従った半導体レーザ素子の製造方法では、低屈折率部分と、当該低屈折率部分の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率部分とを有し、低屈折率部分と高屈折率部分とは隙間なく配置されており、低屈折率部分と高屈折率部分との主成分が窒化ガリウム成分である2次元回折格子を形成する工程を実施する。また、2次元回折格子の一方の主面側に形成された発光層を形成する工程を実施する。2次元回折格子を形成する工程では、低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか一方の平面形状が六角形状に形成される。さらに、2次元回折格子を形成する工程は、低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか一方を構成する材料層を形成する工程と、当該材料層をドライエッチングを用いて部分的に除去した後、さらにウエットエッチングを用いて部分的に除去することにより、材料層の平面形状を六角形状に加工する工程と、低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか他方を、2次元回折格子の一方の主面に対して垂直な方向にエピタキシャル成長させる工程とを含む。このようにすれば、本発明に従った半導体レーザ素子を容易に形成できる。
上記半導体レーザ素子の製造方法において、2次元回折格子の主表面は(0001)面であってもよい。ウエットエッチングは、材料層における{1−100}面でのエッチング速度が他の結晶面に対するエッチング速度より遅い条件で行なわれてもよい。この場合、ウエットエッチングにより{1−100}面を側面とする、平面形状が六角形状の部分を容易に形成できる。
上記半導体レーザ素子の製造方法において、ウエットエッチングは、加熱した硫酸と過酸化水素水の混合液、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液、有機系アルカリ洗浄液からなる群から選択される1つを処理液として用いて実施されてもよい。この場合、上述のエッチング液を用いることによりGaNの{1−100}面でのエッチング速度が他の結晶面に対するエッチング速度より遅い条件({1−100}面が反応律速面となるエッチング条件)を容易に実現できる。
この発明によれば、2次元回折格子の光学特性の劣化を抑制することにより、優れた特性の半導体レーザ素子を得ることができる。
次に図面を用いて、本発明の実施の形態および実施例について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の構成を示す斜視模式図である。図2は、図1に示した半導体レーザ素子の上面模式図である。図3は、図1および図2の線分III−III線における断面模式図である。図1〜図3を参照して、本実施の形態における半導体レーザ素子1の構成について説明する。
半導体レーザ素子1は、基板2と、n型バッファ層23と、n型クラッド層3と、ガイド層4と、活性層5と、p型電子ブロック層6と、2次元回折格子としてのフォトニック結晶層7と、p型クラッド層8と、p型コンタクト層9と、p型電極10と、n型電極11とを備えている。
基板2は、互いに対向する2つの上面21および下面22を有している。基板2の上面21側には、n型バッファ層23が形成されている。n型バッファ層23上にはn型クラッド層3が形成されている。n型クラッド層3上にはガイド層4が形成されている。ガイド層4上には発光層としての活性層5が形成されている。活性層5上にはp型電子ブロック層6が形成されている。また、p型電子ブロック層6上にはp型ガイド層としても機能するフォトニック結晶層7が形成されている。フォトニック結晶層7は活性層5よりも基板2から離れた位置に形成されている。さらに、フォトニック結晶層7上にはp型クラッド層8が形成されている。p型クラッド層8上にはp型コンタクト層9が形成されている。活性層5はn型クラッド層3とp型クラッド層8との間に挟まれている。
基板2の上面21側では、p型コンタクト層9の上部表面上にp型電極10が形成されている。基板2の下面22にはn型電極11が形成されている。p型電極10は、たとえば円形の平面形状を有しており、p型コンタクト層9の上面91の中央部においてp型コンタクト層9に接触している。n型電極11は、基板2の下面22と接触している。n型電極11は、たとえば基板2の下面22全面と接触している。
図4は、本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視模式図である。図4を参照して、フォトニック結晶層7は、高屈折率部分71と、低屈折率部分72とを有している。低屈折率部分72は、高屈折率部分71の屈折率よりも低い屈折率を有している。低屈折率部分72の平面形状は六角形状となっている。低屈折率部分72は複数であり、高屈折率部分71の内部において均一に分布している。図4に示したフォトニック結晶層7は、低屈折率部分72が三角格子の格子点13に配置された形態の2次元回折格子を構成している。低屈折率部分72の各々は、三角格子の格子点13となる位置(すなわち正三角形の頂点の位置)に形成されている。一つの格子点13の中心と、この格子点に隣接する6つの格子点の中心との各々の距離はすべて等しい。
高屈折率部分71および低屈折率部分72の各々の主成分はGaN成分である。たとえば、InyGa1-yN(0≦y<1)や、AlxGa1-xN(0≦x<1)や、AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y≦1)などを用いることができる。好ましくは、高屈折率部分71がInyGa1-yN(0≦y≦0.15)(つまりGaNまたはInyGa1-yN(0<y≦0.15))よりなっており、かつ低屈折率部分72はAlxGa1-xN(0.02≦x≦0.5)よりなっている。
また、高屈折率部分71と低屈折率部分72とは、高屈折率部分71の屈折率と低屈折率部分72の屈折率との差が0.04以上であるような組み合わせであることが好ましい。高屈折率部分71と低屈折率部分72との組み合わせとしては、たとえば、GaNとAlxGa1-xNとの組み合わせ(この場合、0<x<1)、InyGa1-yN(この場合、0<y<1)とGaNとの組み合わせ、またはInyGa1-yNとAlxGa1-xNとの組み合わせが挙げられる。
図1〜図3を参照して、n型クラッド層3およびp型電子ブロック層6は、活性層5にキャリアを注入する層として機能する。このため、n型クラッド層3およびp型電子ブロック層6は、活性層5を挟むように設けられている。また、n型クラッド層3およびp型電子ブロック層6は、共に、活性層5にキャリア(電子および正孔)と光とを閉じ込める閉じ込め層として機能する。つまり、n型クラッド層3、活性層5、およびp型電子ブロック層6は、ダブルヘテロ接合を形成している。このため、発光に寄与するキャリアを活性層5に集中させることができる。さらに、p型電子ブロック層6は、フォトニック結晶層7への電子の進入をブロックするブロック層としても機能する。これにより、フォトニック結晶層7内で電子と正孔とが非発光再結合することを抑制できる。
p型クラッド層8は、活性層5にキャリアを注入する層として機能する。また、p型クラッド層8は、フォトニック結晶層7より下の層にキャリア(電子)と光とを閉じ込める閉じ込め層として機能する。p型コンタクト層9は、p型電極10との接触をオーミック接触にするために形成される。ガイド層4は、活性層5の量子井戸内にキャリアと光とを閉じ込める役割を有する。
基板2の材料としては、たとえばn型GaN、SiC、またはサファイアなどを用いることができるが、基板2として特にGaN基板を用いることが好ましい。この場合、基板2の上面21はたとえば(0001)面であることが好ましい。n型バッファ層23はたとえばn型GaNにより構成される。また、n型クラッド層3はたとえばn型AlGaNにより構成される。また、ガイド層4はたとえばアンドープのGaNにより構成される。また、活性層5はたとえばInGaN/GaNを交互に積層した多重量子井戸構造を有している。p型電子ブロック層6およびp型クラッド層8はたとえばp型AlGaNにより構成される。p型コンタクト層9はたとえばp型GaNにより構成される。
次に、図1〜3に示した半導体レーザ素子1の発光原理について説明する。
p型電極10とn型電極11との間に電圧を印加すると、p型電子ブロック層6およびp型クラッド層8から活性層5へ正孔が注入され、n型クラッド層3から活性層5へ電子が注入される。活性層5へ正孔および電子が注入されると、キャリアの再結合が起こり、光が発生する。発生した光の波長は、活性層5が備える半導体層のバンドギャップによって規定される。
活性層5において発生した光は、n型クラッド層3と、p型電子ブロック層6およびp型クラッド層8とによって活性層5内に閉じ込められるが、一部の光はエバネッセント光としてフォトニック結晶層7に到達する。フォトニック結晶層7に到達したエバネッセント光の波長と、フォトニック結晶層7が有する所定の周期とが一致する場合には、その周期に対応する波長において定在波が誘起される。
このような現象は、活性層5およびフォトニック結晶層7が2次元的に広がりをもって形成されているので、p型電極10の真下の領域およびその付近の領域において生じ得る。そして、定在波によるフィードバック効果により、レーザ発振を起こすことが可能となる。
フォトニック結晶層7(2次元回折格子)は、少なくとも2方向に同一の周期で並進させたときに重なり合うような性質を有する。このような2次元回折格子は、たとえば正三角形、正方形、または正六角形を一面に敷詰めて配置し、その各頂点に格子点を設けることによって形成される。ここでは、正三角形を用いて形成される格子を三角格子、正方形を用いて形成される格子を正方格子、正六角形を用いて形成される格子を六角格子とそれぞれ呼ぶ。
図5は、三角格子における光の回折を説明するための模式図である。三角格子は、一辺の長さがaである正三角形を敷詰め、当該正三角形の頂点に格子点13を配置した状態になっている。図5において、複数の格子点13のうち任意に選択された格子点Aに着目し、格子点Aから格子点Bに向かう方向をX−Γ方向と呼び、また格子点Aから格子点Cへ向かう方向をX−J方向と呼ぶ。本実施の形態では、活性層5(図3)において発生される光の波長がX−Γ方向に関する格子周期に対応している場合について説明する。
2次元回折格子は、以下に説明する3個の1次元回折格子群L、M、Nを含むと考えることができる。1次元回折格子群Lは、Y軸方向に向けて設けられた1次元格子L1、L2、L3などからなっている。1次元回折格子群Mは、X軸方向に対して120度の角度を成す方向に向けて整列するように設けられた1次元格子M1、M2、M3などからなっている。1次元回折格子群Nは、X軸方向に対して60度の角度を成す方向に向けて整列するように設けられた1次元格子N1、N2、N3などからなっている。これら3つの1次元回折格子群L、N、およびMは、任意の格子点を中心に120度の角度で回転すると重なり合う。各1次元回折格子群L、N、およびMにおいて、1次元格子間の間隔は距離dであり、1次元格子内の隣接する格子点13の間の間隔は距離aである。
まず、格子群Lに関して考える。格子点Aから格子点Bの方向に進む光は、格子点Bにおいて回折現象を生じる。回折方向は、ブラッグ条件2d・sinθ=mλ(m=0、±1、・・)によって規定される。ここで、λは高屈折率部分71(図3)内における光の波長である。2次のブラッグ反射(m=±2)を満足するように回折格子が形成されている場合には、θ=±60゜、±120゜の角度に別の格子点D,E,F,およびGが存在する。また、m=0に対応する角度θ=0°、180゜にも格子点AおよびKが存在する。
格子点Bにおいて、たとえば格子点Dの方向に向けて回折された光は、格子点Dにおいて格子群Mに従って回折される。この回折は、格子群Lに従う回折現象と同様に考えることができる。次いで、格子点Dにおいて格子点Hに向けて回折される光は、格子群Nに従って回折される。このようにして順次、格子点H、格子点I、格子点Jと回折されていく。格子点Jから格子点Aに向けて回折される光は、格子群Nに従って回折される。
以上、説明したように、格子点Aから格子点Bに進む光は、複数回の回折を経て、最初の格子点Aに到達する。このため、ある方向に進む光が複数回の回折を介して元の格子点の位置の戻るので、各格子点間には定在波が立つ。したがって、この2次元回折格子は光共振器、つまり波長選択器および反射器として作用する。
また、上記ブラッグ条件2d・sinθ=mλ(m=0、±1、・・)において、mが奇数である条件でのブラッグ反射の方向は、θ=±90゜となる。これは、2次元回折格子の主面に対して垂直方向(図2中紙面に垂直な方向)にも回折が強くなることを意味している。これにより、2次元回折格子の主面に対して垂直方向、すなわち光放出面である上面91(図1参照)から光を放出(面発光)させることができる。
さらに、この2次元回折格子では、上記の説明が任意の格子点Aにおいて行われたことを考慮すると、上記のような光の回折は2次元的に配置されたすべての格子点において生じ得る。このため、各X−Γ方向に伝搬する光が、ブラッグ回折によって2次元的に相互に結合していると考えられる。この2次元回折格子では、この2次元的結合によって3つのX−Γ方向が結合しあってコヒーレントな状態が形成されると考えられる。
図6は、本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶層の他の構成を示す斜視模式図である。図6において、フォトニック結晶層7は正方格子の形態の2次元回折格子を構成している。平面形状が六角形状である角柱状の低屈折率部分72の各々は、正方格子の格子点13となる位置(つまり正方形の頂点の位置)に形成されている。一つの格子点13の中心と、この格子点に隣接する8つの格子点の中心との各々の距離はすべて等しくなっている。
図7は、正方格子における光の回折を説明するための模式図である。正方格子は、一辺の長さが距離dである正方形を敷詰めて、正方形の各頂点に格子点13を配置した構成となっている。図7において、任意に選択された格子点Wに着目し、格子点Wから格子点Pに向かう方向をX−Γ方向と呼び、また格子点Wから格子点Qへ向かう方向X−J方向と呼ぶ。ここでは、活性層5(図3参照)において発生される光の波長がX−Γ方向に関する格子周期に対応している場合について説明する。
フォトニック結晶層7における2次元回折格子は、以下に説明する2個の1次元回折格子群U、Vを含むと考えることができる。1次元回折格子群Uは、Y軸方向に向けて複数の格子点13が整列して設けられた1次元格子U1、U2、U3などからなっている。1次元回折格子群Vは、X軸方向に向けて複数の格子点13が整列して設けられた1次元格子V1、V2、V3などからなっている。これら2つの1次元回折格子群UおよびVは、任意の格子点を中心に90゜の角度で回転すると重なりあう。各1次元回折格子群UおよびVにおいて、1次元格子間の間隔は距離dであり、1次元格子内の隣接する格子点13間の間隔も距離dである。
まず、格子群Uに関して考える。格子点Wから格子点Pの方向に進む光は、格子点Pにおいて回折現象を生じる。回折方向は、3角格子の場合と同様に、ブラッグ条件2d・sinθ=mλ(m=0、±1、・・)によって規定される。2次のブラッグ反射(m=±2)を満足するように回折格子が形成されている場合には、θ=±90゜の角度に別の格子点Q、Rが存在し、m=0に対応する角度θ=0°、180゜にも格子点W、Sが存在する。
格子点Pにおいて格子点Qの方向に向けて回折された光は、格子点Qにおいて格子群Vに従って回折される。この回折は、格子群Uに従う回折現象と同様に考えることができる。次いで、格子点Qにおいて格子点Tに向けて回折される光は、格子群Uに従って回折される。このようにして順次に回折されていく。格子点Tから格子点Wに向けて回折される光は、格子群Vに従って回折される。
以上、説明したように、格子点Wから格子点Pに進む光は、複数回の回折を経て、最初の格子点Wに到達する。このため、本実施の形態の半導体レーザ素子1においては、ある方向に進む光が複数回の回折を介して元の格子点の位置へ戻るので、各格子点間には定在波が立つ。したがって、この2次元回折格子は光共振器、つまり波長選択器および反射器として作用することができる。
次に、本実施の形態における半導体レーザ素子の製造方法について説明する。 図8は、図1〜図3に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。図9は、図8に示したフォトニック結晶形成工程の内容を説明するためのフローチャートである。また、図10〜図15は、図8に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。
まず、図8に示すように、基板準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、たとえばGaN、SiC(炭化ケイ素)、またはサファイアなどよりなる基板2(図10参照)を準備する。上記基板2として、たとえば(0001)面を主表面とするGaN基板を用いることができる。
次に、成膜工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、たとえばMOCVD(Metal-organic chemical vapor deposition:有機金属気相成長)法を用いて、基板2の上面21上に、n型バッファ層23、n型クラッド層3、ガイド層4、発光層としての活性層5、およびp型電子ブロック層6をこの順序でエピタキシャル成長させる。なお、n型バッファ層23を形成することなく、基板2の直上にn型クラッド層3を形成してもよい。このようにして、図10に示す構造を得る。
次に、2次元回折格子を形成する工程として、フォトニック結晶形成工程(S30)を実施する。具体的には、図9に示すように、まず第1成膜工程(S31)を実施する。この工程(S31)では、p型電子ブロック層6上に低屈折率部分の層72a(図11参照)を形成する。この層72aとしては、MOCVD法を用いてエピタキシャル成長させた層を用いることができる。この層72aとしては、たとえばAlxGa1-xN(0.02≦x≦0.5)よりなる膜を形成する。また、この場合層72aの上部表面は(0001)面であってもよい。
次に、図9に示すように、マスク層形成工程(S32)を実施する。この工程(S32)では、電子ビームリソグラフィ技術によって所定のパターンを有するレジスト300(図11参照)を層72a上に形成する。具体的には、層72aの上面全体にEB(電子ビーム)露光用レジストを一旦塗布し、このレジストの所望の領域をEBで露光した後、レジストを現像する。このようにして、図11に示す構造を得る。レジスト300の平面形状は円形状である。
次に図9に示すように、ドライエッチング工程(S33)を実施する。この工程(S33)では、レジスト300(図11参照)をマスクとして層72aを部分的にエッチングする。これにより、2次元回折格子の格子点となる領域のみに低屈折率部分72(図12参照)が形成され、他の領域の層72aは除去される。このようにして、図12に示す構造を得る。なお、図12ではレジスト300は図示していない。
ここで、図13は図9のドライエッチング工程(S33)により形成された低屈折率部分を示す斜視模式図である。図13を参照して、複数の低屈折率部分72の各々は平面形状が円形状である円柱形状を有しており、2次元回折格子の格子点となる領域に形成されている。
なお、上記ドライエッチング工程(S33)では、レジスト300をマスクとして層72aをエッチングする場合について示したが、レジスト300の代わりにたとえばSiNなどの絶縁膜や、多層の材料をマスクとして用いてもよい。
次に、図9に示すように、ウエットエッチング工程(S34)を実施する。この工程(S34)では、具体的には低屈折率部分72(図12参照)上に残存するレジスト300を処理液で剥離する。このとき、処理液として、たとえば加熱した硫酸と過酸化水素水の混合液(熱SPM)を用いることができる。この結果、レジスト300が除去されるとともに、図13に示された低屈折率部分72の側壁が、{1−100}面を反応律速面としてエッチングされる。つまり、低屈折率部分72における{1−100}面でのエッチング速度が他の結晶面に対するエッチング速度より遅い条件でエッチングが行なわれる。その結果、図14に示すように平面形状が六角形の六角柱状の低屈折率部分72が形成される。この六角柱状の低屈折率部分72の側面は、{1−100}面となっている。なお、このウエットエッチング工程(S34)で用いる処理液としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液、あるいは有機系アルカリ洗浄液を用いてもよい。また、上記工程(S34)は、レジスト300を剥離する工程と同時に実施しているが、先にベンゼンスルフォン酸等を用いてレジスト300のみを剥離する工程を実施した後で、上記処理液を用いたウエットエッチング工程を実施してもよい。
次に、図9に示すように、第2成膜工程(S35)を実施する。具体的には、p型電子ブロック層6(図12参照)の表面をクリーニングした後、MOCVD法を用いて、高屈折率部分71(図15参照)をp型電子ブロック層6上に形成する。高屈折率部分71としては、減圧雰囲気で、低屈折率部分72を埋め込むように、InyGa1-yN(0≦y≦0.2)層を形成する。たとえば、GaNよりなる高屈折率部分71をエピタキシャル成長させてもよい。このとき、低屈折率部分72の側面にはほとんど核形成が起きず、低屈折率部分72の側面からはGaNは成長(成長方向が上下方向ではない異常成長)しない。このため、露出しているp型電子ブロック層6の表面および低屈折率部分72の上面からのみGaN(高屈折率部分71)が選択的にエピタキシャル成長する。GaNはp型電子ブロック層6の露出している表面に対して垂直な方向(図15における上方)に成長する。
そして、低屈折率部分72の上部では原料ガスの逃げが大きいため、低屈折率部分72の上面からのGaNの成長速度よりも、p型電子ブロック層6の表面からのGaNの成長速度の方が速い。また、減圧下でエピタキシャル成長させるほうがこの現象の影響は大きい。この結果、低屈折率部分72同士の間がGaNによって完全に埋められると、低屈折率部分72の上面のGaNは図15における上方向への成長を続けながら、図15における横方向(p型電子ブロック層6の表面に沿った方向)にも成長する。
そして、GaNの上面がほぼ平坦になるまで図15における横方向への成長を続けた後、GaNは再び上方向(p型電子ブロック層6の表面に対して垂直な方向)にのみ成長する。この結果、低屈折率部分72がGaNからなる高屈折率部分で完全に覆われる。そして、フォトニック結晶層7よりも上のGaNを除去することにより、図15に示すように、フォトニック結晶層7上にGaNが形成されていない状態とすることができる。なお、低屈折率部分72の上面からのGaNの成長を抑制することで、図15に示す構造を得てもよい。このとき、フォトニック結晶層7の主表面(上部表面)は(0001)面となっていてもよい。
次に図8に示すように、2回目の成膜工程(S40)を実施する。具体的には、たとえばMOCVD法を用いて、p型クラッド層8(図3参照)およびp型コンタクト層9(図3参照)をフォトニック結晶層7上にエピタキシャル成長させる。もちろん図9の第2成膜工程(S35)と図8の2回目の成膜工程(S40)は一連の連続する成膜工程として実施しても構わない。
次に、電極形成工程(S50)を実施する。この工程(S50)では、図3に示すように、p型コンタクト層9の上面91にp型電極10を形成する。また、基板2の下面22側にn型電極11を形成する。このようにして、半導体レーザ素子1が完成する。
本実施の形態における半導体レーザ素子1は、上述のように2次元回折格子としてのフォトニック結晶層7と発光層としての活性層5とを備える。フォトニック結晶層7は、低屈折率部分72と、当該低屈折率部分72の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率部分71とを有する。活性層5は、フォトニック結晶層7の一方の主面側(図3においてはフォトニック結晶層7の主面のうち基板2側の主面側)に形成されている。低屈折率部分72と高屈折率部分71とのいずれか一方(図1〜図3に示した半導体レーザ素子1においては低屈折率部分72)の平面形状は図14に示すように六角形状である。また、低屈折率部分72と高屈折率部分71との主成分はともにGaN成分であって共通する。
この結果、低屈折率部分72と高屈折率部分71との格子定数や熱膨張係数を比較的近似したものにできるので、フォトニック結晶層7において低屈折率部分72と高屈折率部分71との材質の違いによる格子不整合、また応力やひずみの発生を抑制することができる。この結果、フォトニック結晶層7の特性の劣化を抑制できるので、半導体レーザ素子1の特性の劣化を抑制できる。
また、低屈折率部分72の平面形状が六角形状となっているため、当該平面形状の外周部を構成する側面である低屈折率部分72の側壁を、上述のように{1−100}面(いわゆるm面)により構成することができる。このため、平面形状が円形状などである場合より、低屈折率部分72と高屈折率部分71との接触界面において結晶の乱れや空隙などが形成される可能性を低減できる。そのため、フォトニック結晶層7の特性の劣化を抑制できるので、半導体レーザ素子1の特性の劣化を抑制できる。
加えて、低屈折率部分72がGaN成分を含む材料により構成されることで、低屈折率部分72の元素の拡散により高屈折率部分71や活性層5が悪影響を受けることがない。その結果、半導体レーザ素子1の信頼性を向上することができる。
ここで、一般的にフォトニック結晶層においては、高屈折率部分と低屈折率部分との屈折率差が大きいほど、フォトニック結晶層の特性が向上する。このことに鑑みると、GaN系材料は物性が互いに類似しているため、本実施の形態のように高屈折率部分と低屈折率部分との各々をGaN系材料で形成した場合には、高屈折率部分と低屈折率部分との屈折率差が小さくなり、フォトニック結晶層の特性が低下することが懸念される。しかしながら、本願発明者らは、高屈折率部分71と低屈折率部分72との各々をGaN系材料で形成した場合であっても、フォトニック結晶層の特性の低下はきわめて小さいことを見出した。特に、高屈折率部分71と低屈折率部分72との屈折率差が0.04以上であれば、フォトニック結晶としての光回折効果が十分に得られる。
さらに、上述のように低屈折率部分72の平面形状を六角形状として、当該低屈折率部分72の側面がいわゆるm面となった状態で、高屈折率部分71を形成異することで、高屈折率部分71を隙間などの不良部がほとんど無い状態で形成できる。この場合には、低屈折率部分72をAlGa1−xN(0.02≦x≦0.5)により構成し、また、高屈折率部分71をInyGa1-yN(0≦y≦0.2)により構成することで、十分な光結合係数κを得ることができる。
また、InyGa1-yN(0≦y<1)およびAlxGa1-xN(0≦x<1)は、物性が特に互いに類似しているので、高屈折率部分71および低屈折率部分72の各々をこれらの材料で形成することにより、フォトニック結晶層7の格子不整合、応力、および歪みを一層抑制することができる。
ここで、上記xの下限を0.02とし、上記yの下限を0(つまり高屈折率部分71をGaNで構成する状態)としたのは、このような構成とすれば十分な光結合係数κをフォトニック結晶層7において実現できるためである。また、上記xの上限を0.5、また上記yの上限を0.2としたのは、これ以上のxおよびyの値を採用すると高屈折率部分71と低屈折率部分72との間で格子不整合に起因する歪みの問題が顕在化し、特性に影響を及ぼすためである。なお、高屈折率部分71と低屈折率部分72との間の屈折率差をより大きくでき、かつ発生応力が許容できる程度に小さい構成として、低屈折率部分72をAlGa1−xN(0.05≦x≦0.2)により構成し、また、高屈折率部分71をInyGa1-yN(0≦y≦0.15)により構成してもよい。このようにすれば、高屈折率部分71と低屈折率部分72との屈折率差を保ちながら、高屈折率部分71の格子定数と低屈折率部分72の格子定数とを一層近づけることができる。
特に、フォトニック結晶層7を備えたGaN系材料よりなる半導体レーザ素子1においては、発光波長が短波長であり、エバネッセント光の存在範囲が限られている。したがって、半導体レーザ素子1の特性を向上するためには、活性層5とフォトニック結晶層7とを近接させ、なるべく多くのエバネッセント光をフォトニック結晶層7に到達させることが重要である。このことからも、フォトニック結晶層7の格子不整合、応力、および歪みを抑制し、これらに起因する活性層5の特性劣化を防ぐことは重要である。
また、GaNよりなる基板2を用いることで、フォトニック結晶層7および活性層5の転位密度を低下し、平坦性を向上することができる。また、GaNよりなる基板2は導電性を有するので、基板2にn型電極11を直接取り付けることで基板を介して電流を注入することができ、高電流密度の電流を活性層5内へ注入することができる。
また、フォトニック結晶層7は活性層5よりも基板2から離れた位置に形成されているので、活性層5およびフォトニック結晶層7がこの順序で、基板2の上面21側に形成される。
また、低屈折率部分72は2次元回折格子の格子点となる位置に形成されているので、高屈折率部分71内を進む光が低屈折率部分72において回折され、再び高屈折率部分71を進む。その結果、各格子点間に定在波が立つ。
また、フォトニック結晶層7は三角格子または正方格子の形状を有している。これらの格子を進む光は、複数回の回折を経て元の格子点の位置の戻るので、各格子点間に定在波が立ちやすい。
また、高屈折率部分71で低屈折率部分72を完全に覆う場合には、フォトニック結晶層7に隣接する層を高屈折率部分71と同じ材料で連続的に形成してもよい。
なお、本実施の形態における半導体レーザ素子1の構成および製造方法はあくまでも一例であり、本発明の半導体レーザ素子は、少なくとも2次元回折格子(フォトニック結晶層7)と発光層(活性層5)とを備えており、2次元回折格子の低屈折率部分と高屈折率部分とのいずれか一方の平面形状が六角形状であればよく、また、低屈折率部分と高屈折率部分との主成分が共通していればよい。
たとえば、上記図1〜図3に示した半導体レーザ素子1を形成する方法として、以下のような製造方法を用いてもよい。初めに、図8に示す半導体レーザ素子の製造方法における工程(S10)および工程(S20)と同様の工程を実施することにより、図10に示すようにn型クラッド層3、ガイド層4、活性層5、およびp型電子ブロック層6を基板2の上面21上に形成する。
次に、フォトニック結晶形成工程(S30)を実施する。この工程(S30)では、図9に示すように、まず第1成膜工程(S31)として、p型電子ブロック層6(図27参照)上全体に高屈折率部分の層71a(GaNよりなる層)を形成する。この高屈折率部分の層71aの製造方法としては、上述した高屈折率部分71(図15参照)の製造方法と同様の工程を用いることができる。なお、図27は、図1〜図3に示した半導体レーザ素子1を形成する他の方法を説明するための断面模式図である。
そして、マスク層形成工程(S32)として、図27に示すように、電子ビームリソグラフィ技術によって所定のパターンを有するレジスト310を当該層71a上に形成する。所定のパターンとしては、2次元回折格子の格子点となる位置に平面形状が円形状の開口部が形成されたパターンを用いることができる。
次に、ドライエッチング工程(S33)として、上記レジスト310をマスクとして高屈折率部分の層71aを部分的にエッチングする。これにより、2次元回折格子の格子点となる領域の上記層71aが除去される。この結果、図28に示すように、当該領域に孔76が形成される。なお、当該孔76の平面形状はレジスト310の開口パターンの平面形状と同様に円形状である。これにより、高屈折率部分71に複数の孔が形成される。
次に、ウエットエッチング工程(S34)として、具体的には高屈折率部分71上に残存するレジストを処理液で剥離する。このとき、処理液として、たとえば加熱した硫酸と過酸化水素水の混合液(熱SPM)を用いることができる。この結果、レジストが除去されるとともに、高屈折率部分71に形成された孔76の側壁が、{1−100}面を反応律速面としてエッチングされる。その結果、平面形状が六角形の孔76が高屈折率部分71に形成される。なお、このウエットエッチング工程(S34)で用いる処理液としても、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液、あるいは有機系アルカリ洗浄液を用いることができる。また、上記工程(S34)では、先にベンゼンスルフォン酸等を用いてレジスト300のみを剥離する工程を実施した後で、上記処理液を用いたウエットエッチング工程を実施してもよい。このようにして、図28に示すような構造を得る。なお、図28は、図1〜図3に示した半導体レーザ素子1を形成する他の方法を説明するための断面模式図である。
次に、第2成膜工程(S35)として、高屈折率部分71に形成された孔76(図28参照)の底部に露出しているp型電子ブロック層6の表面および高屈折率部分71の表面をクリーニングした後、MOCVD法を用いて、高屈折率部分71の孔の底部にて露出しているp型電子ブロック層6上に低屈折率部分72を形成する。以下、この第2成膜工程(S35)の内容を説明する。
上記工程(S35)では、たとえば減圧雰囲気でAlGaNよりなる低屈折率部分72をエピタキシャル成長させる。すると、高屈折率部分71の孔の側面にはほとんど核形成が起きず、高屈折率部分71の側面からはAlGaNは成長(成長方向が上下方向ではない異常成長)しない。このため、孔の底部で露出しているp型電子ブロック層6の表面および高屈折率部分71の上面からのみAlGaN層(低屈折率部分72を構成する層)が選択的にエピタキシャル成長する。AlGaN層はたとえば図15の上方向(p型電子ブロック層6の上部表面に対して垂直な方向)に成長する。このとき、孔内に原料ガスが吹き溜まるため、高屈折率部分71の上面からのAlGaNの成長速度よりも、p型電子ブロック層6の表面(孔の底部)からのAlGaNの成長速度の方が速い。減圧下で成長させるほうがこの現象の影響は大きい。高屈折率部分71に形成された孔の内部がAlGaNによって完全に埋められると、高屈折率部分71の上面のAlGaNは図15の上方向への成長を続けながら、横方向(高屈折率部分71の上面に沿った方向)にも成長する。AlGaNの上面がほぼ平坦になるまで横方向への成長を続けた後、GaNは再び上方向にのみ成長する。これにより、高屈折率部分71が低屈折率部分で完全に覆われる。そして、高屈折率部分71よりも上のAlGaNを除去することにより、図15に示す構造を得ることができる。なお、高屈折率部分71の上面からのAlGaNの成長を抑制することで、図15に示す構造を得てもよい。
その後、実施の形態1の製造方法と同様に、2回目の成膜工程(S40)、電極形成工程(S50)を実施することにより、図3に示すようにp型クラッド層8、p型コンタクト層9、p型電極10、およびn型電極11を形成する。このようにしても、図3に示す半導体レーザ素子1を得ることができる。
上述した半導体レーザ素子の製造方法では、高屈折率部分71を形成した後で低屈折率部分72を形成する。さらに、低屈折率部分72で高屈折率部分71を完全に覆う場合には、フォトニック結晶層7に隣接する層を低屈折率部分72と同じ材料で連続的に形成することができる。
図16は、本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の変形例の構成を示す断面模式図である。図17は、図16に示した半導体レーザ素子におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視模式図である。図16および図17を参照して、本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の変形例を説明する。
図16および図17を参照して、半導体レーザ素子1aにおいては、フォトニック結晶層7aの構造が、図4に示す実施の形態1のフォトニック結晶層7の構造と異なっている。すなわち、図16および図17に示した半導体レーザ素子1aにおけるフォトニック結晶層7aでは、高屈折率部分71は複数個形成されており、当該複数の高屈折率部分71は低屈折率部分72の内部において平面的に均一に分布している。高屈折率部分71の平面形状は六角形状である。高屈折率部分71の各々は、三角格子の格子点13となる位置、言い換えれば低屈折率部分72に敷詰められた三角形の頂点の位置に形成されている。なお、これ以外の半導体レーザ素子1aの構成は、図3に示す半導体レーザ素子1の構成と同様である。
図16および図17に示した半導体レーザ素子1aによれば、図1〜図3に示した半導体レーザ素子1と同様の効果を得ることができる。加えて、高屈折率部分71が2次元回折格子の格子点となる位置に形成されているので、低屈折率部分72を進む光が高屈折率部分71において回折され、再び低屈折率部分72を進む。その結果、各格子点間に定在波が立つ。
図16および図17に示した半導体レーザ素子1aの製造方法は、基本的には図1〜図3に示した半導体レーザ素子1の製造方法(図8および図9に示した製造方法)と同様であるが、上述した製造方法における低屈折率部分72および高屈折率部分71を形成する工程において、それぞれ高屈折率部分71および低屈折率部分72を形成する。なお、その他の工程は基本的に図8および図9に示した工程と同様である。
なお、図16および図17に示した半導体レーザ素子1aにおいては、高屈折率部分71が三角格子の格子点となる位置に形成されている場合について示したが、本発明においてはこのような場合の他、高屈折率部分71が正方格子の格子点となる位置に形成されていてもよい。
(実施の形態2)
図18は、本発明の実施の形態2における半導体レーザ素子の構成を示す断面模式図である。図18を参照して、本実施の形態における半導体レーザ素子1bを説明する。
図18に示すように、半導体レーザ素子1bは、基本的には図3に示した半導体レーザ素子1と同様の構成を備える。ただし、図18に示した半導体レーザ素子1bは、フォトニック結晶層7の(図中縦方向での)位置が、図3に示す実施の形態1の半導体レーザ素子1におけるフォトニック結晶層7の位置と異なっている。すなわち、本実施の形態におけるフォトニック結晶層7はn型クラッド層3上に形成されており、ガイド層4、活性層5、およびp型電子ブロック層6は、フォトニック結晶層7上にこの順序で形成されている。つまり、フォトニック結晶層7は活性層5よりも基板2に近い位置に形成されている。なお、フォトニック結晶層7の低屈折率部分72の平面形状は、図4に示したフォトニック結晶層7と同様に六角形状である。p型電子ブロック層6上にはp型ガイド層24が形成されている。p型ガイド層24上には、p型クラッド層8およびp型コンタクト層9が形成されている。
図19および図20は、図18に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。図19および図20を参照して、図18に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明する。
本実施の形態における半導体レーザ素子1bの製造方法では、まず、図8に示した基板準備工程(S10)および成膜工程(S20)を実施する。なお、ここでは、成膜工程(S20)として、基板2(図18参照)上にn型バッファ層23、n型クラッド層3までをこの順番でエピタキシャル成長法により形成する。
次に、図8および図9に示したフォトニック結晶形成工程(S30)と同様の方法を用いて、n型クラッド層3上にフォトニック結晶層7を形成する。このようにして、図19に示す構造を得る。フォトニック結晶層7は、基板2の上面21側における、活性層5よりも基板2に近い位置に形成される。
次に、図8に示したように2回目の成膜工程(S40)を実施する。ただし、この成膜工程(S40)では、図20に示すように、ガイド層4、活性層5、およびp型電子ブロック層6をこの順序でフォトニック結晶層7上にエピタキシャル成長させる。その後、実施の形態1と同様の方法を用いて、p型ガイド層24、p型クラッド層8、p型コンタクト層9、p型電極10、およびn型電極11を形成する。このようにして、図18に示す半導体レーザ素子1bを得る。
本実施の形態における半導体レーザ素子1bおよびその製造方法によれば、実施の形態1における半導体レーザ素子およびその製造方法と同様の効果を得ることができる。
加えて、フォトニック結晶層7が活性層5よりも基板2に近い位置に形成されているので、フォトニック結晶層7および活性層5がこの順序で、基板2の上面21側に形成される。
なお、本実施の形態においては、低屈折率部分72が格子点となる位置に形成されている場合について示したが、本発明においてはこのような場合の他、図16に示した半導体レーザ素子1aと同様に高屈折率部分71が格子点となる位置に形成されていてもよい。
(実施例1)
本発明の効果を確認するため、以下のような実験を行なった。
(試料の作成)
比較例の試料:
直径が2インチの(0001)面を主表面とするGaN基板を準備し、当該GaN基板の主表面上にAlGaN層(AlGa1−xN(x=0.1)からなる層)をエピタキシャル成長させた。当該AlGaN層の厚みは100nmとした。なお、このAlGaN層の成膜条件としては、大気圧条件を用いた。
次に、当該AlGaN層上に、EB露光用レジスト(日本ゼオン製:ZEP520)を塗布した後、EB(電子ビーム)を所定のパターンを形成するように照射した後、現像処理を行なうことにより、直径100nmの平面形状が円形状のパターンを複数個形成した。当該円形状パターンの配置は三角格子とし、その格子間ピッチは190nmとした。
次に、当該レジストパターンをマスクとして用いて、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチングによりAlGaN層を部分的に除去した。このようにして、Al0.05Ga0.95Nからなる平面形状が円形状の柱状部を形成した。なお、上記ICPエッチングでは、ミリング課程が主となる垂直エッチング条件であって、具体的には塩素ガスとハロゲンガスの混合ガスによるエッチングを用いて、高さ100nmの柱状部を形成した。その後、ベンゼンスルフォン酸を用いてレジストを除去した。なお、上記パターンの形状として、円形状の開口パターンを形成すれば、上記エッチングによって(たとえば深さ100nmの)孔を形成することもできる。
このようなAlGaNからなる柱状部上に、当該柱状部を埋め込むようにGaN層をエピタキシャル成長させた。当該GaN層の成膜条件としては、減圧条件とした。また、GaN層の成膜厚みは150nmとした。
実施例の試料:
上述した比較例の試料と同様のGaN基板を準備し、同様のプロセス条件でAlGaN層の形成、レジストパターンの形成、AlGaN層のエッチングにより平面形状が円形状の柱状部の形成までを行なった。その後、レジストの剥離工程において、同時に当該柱状部に対してウエットエッチングを行なうことにより、柱状部の平面形状を六角形状とした。このウエットエッチングのプロセス条件としては、ベンゼンスルホン酸に熱SPM(硫酸:過酸化水素水=5:1、温度120℃)を用いて、レジストの剥離と同時に柱状部の側壁のエッチングを行なった。なお、エッチング液として、室温の有機アルカリ洗浄液(フルウチ化学製のセミコクリーンNo.23)、あるいは室温のNaOHまたはKOHからなる1規定以上のアルカリ水溶液を用いても、同様に柱状部の平面形状を六角形状とすることができた。
次に、上述した比較例の試料と同様に、柱状部を埋め込むようにGaN層を形成した。当該GaN層の成膜条件は上記比較例の試料と同様とした。
(測定)
測定1:
比較例の試料については、平面形状が円形状の柱状部が形成された段階で、上方から柱状部をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した。また、実施例の試料については、ウエットエッチングが終了した後の平面形状が六角形状の柱状部を上方からSEMにより観察した。
測定2:
また、比較例および実施例の試料について、GaN層を形成した後、それぞれの試料をGaN基板の主表面に対して垂直な方向から切断し、当該切断面をSEMにより観察した。なお、観察はGaN層表面も確認できるようにするため、斜め上方から当該断面とGaN層表面とを同時に観察した。
(結果)
測定1の結果:
図21は、比較例の試料についての柱状部を上方から観察したSEM写真である。図22は、実施例の試料についての柱状部を上方から観察したSEM写真である。図21に示すように、比較例の試料では、柱状部81の平面形状は、レジストパターンの平面形状を反映し、ほぼ円形状になっている。上述したICPエッチングの制御性は良く、形成された柱状部81の形状の面内均一性も比較的良好であることがわかる。ただし、柱状部81の側壁については表面が荒れており、エッチングダメージ部も残存しているものと思われる。
一方、実施例の試料でも、図22に示すように柱状部81の平面形状の面内均一性は良好であった。さらに、実施例の試料では、柱状部81の側壁は比較的平滑になっている。これは、ウエットエッチングによって柱状部81の側壁がエッチングされることにより、ドライエッチングとしてのICPエッチングに起因するエッチングダメージ部が除去されていると考えられる。なお、実施例の試料の柱状部81の側壁は、主にいわゆるm面({1−100}面)により構成されている。
測定2の結果:
図23は、比較例の試料における柱状部のGaN層による埋め込みの状態を説明するための模式図である。図24は、実施例の試料における柱状部のGaN層による埋め込みの状態を説明するための模式図である。図25は、比較例の試料における断面と表面とのSEM写真である。図26は、実施例の試料における断面と表面とのSEM写真である。
比較例の試料については、図23および図25に示すように、平面形状が円形状の柱状部81をGaN層からなる埋込層82によって埋め込んだときに、柱状部81と埋込層82との間に空隙83が形成されている。また、埋込層82の上部表面84においては、埋込不良部85である段差などが形成されるため、埋込層82の上部表面の平坦性はあまり良くない。
一方、実施例の試料については、図24および図26に示すように、柱状部81と埋込層82との間には空隙は形成されない。また、埋込層82の上部表面84も比較例の試料に比べて平滑である。
(実施例2)
GaN基板上にフォトニック結晶層を備える半導体レーザ素子としての面発光フォトニック結晶レーザを形成し、素子特性を比較した。具体的には、以下のような実験を行なった。
(試料)
比較例:
図1〜図3に示した半導体レーザ素子1と基本的に同様の構成の面発光フォトニック結晶レーザの試料を作成した。ただし、この比較例の試料では、フォトニック結晶層における低屈折率部分の平面形状が円形状となっている。具体的には、まず、(0001)面を主面とするGaN基板を準備した。このGaN基板上に、MOCVD法によりn型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層、アンドープのGaNからなるガイド層(u-GaNガイド層)、InGaN/GaNからなる多重量子井戸構造の活性層、p型AlGaN電子ブロック層、p型AlGaNガイド層(AlGa1−xN:x=0.07)(厚み100nm)までを形成した。そして、当該試料を一旦エピ成長炉から取り出して、最表面のp型AlGaNガイド層に対してフォトニック結晶構造を形成した。フォトニック結晶構造の形成工程では、平面形状が円形状の柱状部を形成する工程として、上記実施例1における比較例での柱状部の形成方法と同様の方法を用いた。柱状部の平面形状の円の直径は70nmとした。またこの円形状パターンの配置は正方格子とし、その格子間ピッチは160nmとした。なおこの時、低屈折材料の高屈折率材料に対する充填率は、約15%となる。なお、充填率とは低屈折材料と高屈折材料との面積の割合を言う。
その後、試料をエピ成長炉に再度設置してから、減圧条件での再成長法により柱状部を、高屈折率部分に対応するp型GaNエピタキシャル層により埋め込んだ。このp型GaNエピタキシャル層の厚みは100nmとした。さらに、その上にp型AlGaNクラッド層とp型GaNコンタクト層を形成し、最後に表裏面にそれぞれn型電極、オーミック電極であるp型電極を形成した。
実施例:
基本的に、上記比較例と同様の製造方法により試料を作成した。ただし、フォトニック結晶構造については、柱状部の平面形状が六角形状となっている。この平面形状が六角形状の柱状部(六角柱)を形成する方法は、上記実施例1における実施例の試料における六角柱の形成方法と同様の方法を用いた。またウエットエッチングの時間を調整して、AlGaN六角柱の充填率が15%と、比較例と一致するようにした。このように六角柱が形成された後、上記比較例と同様に当該六角柱をp型GaNエピタキシャル層により埋め込むことにより、フォトニック結晶構造を形成した。さらに、その後p型AlGaNクラッド層とp型GaNコンタクト層を形成し、最後に表裏面にそれぞれn型電極、オーミック電極であるp型電極を形成した。
(測定)
測定1:
フォトニック結晶構造を形成した後、柱状部を埋め込むp型GaNエピタキシャル層の上部表面の形態(表面モホロジー)をSEMにより観察した。
測定2:
実施例および比較例の試料について、フォトニック結晶構造の回折ピークのスプリット幅を測定し、当該測定結果からフォトニック結晶構造と活性層との発光結合係数κを算出した。なお、回折ピークのスプリット幅の測定方法としては、通電したサンプルからの発光を直上方向において分光器に導入して、回折スペクトルを直接読み取る、という方法を用いた。また、レーザ光発振のための電流密度のしきい値を求めた。
(結果)
測定1の結果:
SEMによる観察の結果、比較例の試料ではp型GaNエピタキシャル層の上部表面において局所的に凹凸などが見られた。一方、実施例の試料ではp型GaNエピタキシャル層の上部表面は平滑であり、良好な平坦性を示していた。
測定2の結果:
回折ピークのスプリット幅測定に基づく比較例の結合係数κは200cm−1、電流密度のしきい値は5kA/cmであった。一方、回折ピークのスプリット幅測定に基づく実施例の結合係数κは280cm−1、電流密度のしきい値は3.5kA/cmであった。つまり柱状部を埋め込んだフォトニック結晶の特性としては、埋め込みに間隙の無い、形状の揃った六角形柱の柱状部を用いたフォトニック結晶の方が優れていることが示された。
(実施例3)
実施例2と同様に、GaN基板上にフォトニック結晶層を備える半導体レーザ素子としての面発光フォトニック結晶レーザを形成し、素子特性を比較した。ただし、実施例3では、フォトニック結晶層をn層側に配置した構成の面発光フォトニック結晶レーザについて検討した。具体的には、以下のような実験を行なった。
(試料)
比較例:
図18に示した半導体レーザ素子1bと基本的に同じ構成の面発光フォトニック結晶レーザの試料を作成した。ただし、この比較例の試料では、フォトニック結晶層における低屈折率部分の平面形状が円形状となっている。具体的には、まず、(0001)面を主面とするGaN基板を準備した。このGaN基板上に、MOCVD法によりn型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層、n型AlGaNガイド層(AlGa1−xN:x=0.03)(厚み100nm)までを形成した。そして、当該試料を一旦エピ成長炉から取り出して、最表面のn型AlGaNガイド層に対してフォトニック結晶構造を形成した。フォトニック結晶構造の形成工程では、平面形状が円形状の柱状部を形成する工程として、上記実施例1における比較例での柱状部の形成方法と同様の方法を用いた。柱状部の平面形状の円の直径は75nmとした。またこの円形状パターンの配置は三角格子とし、その格子間ピッチは190nmとした。なおこの時、低屈折材料の高屈折率材料に対する充填率は、約15%となる。
その後、試料をエピ成長炉に再度設置してから、再成長法により柱状部を、高屈折率部分に対応するn型InGaNエピタキシャル層(InGa1−yN:y=0.04)により埋め込んだ。このn型InGaNエピタキシャル層の厚みは150nmとした。さらに、その上にアンドープのGaNからなるガイド層(u-GaNガイド層)、InGaN/GaNからなる多重量子井戸構造の活性層、p型AlGaN電子ブロック層、p型GaNガイド層、p型AlGaNクラッド層およびp型GaNコンタクト層を形成し、最後に表裏面にそれぞれn型電極、オーミック電極であるp型電極を形成した。
実施例:
基本的に、上記比較例と同様の製造方法により試料を作成した。ただし、フォトニック結晶構造については、柱状部の平面形状が六角形状となっている。この平面形状が六角形状の柱状部(六角柱)を形成する方法は、上記実施例1における実施例の試料における六角柱の形成方法と同様の方法を用いた。またウエットエッチングの時間を調整して、AlGaN六角柱の充填率が15%と比較例と一致するようにした。このように六角柱が形成された後、上記比較例と同様に当該六角柱をn型InGaNエピタキシャル層により埋め込むことにより、フォトニック結晶構造を形成した。さらに、その後、u-GaNガイド層、InGaN/GaNからなる多重量子井戸構造の活性層、p型AlGaN電子ブロック層、p型GaNガイド層、p型AlGaNクラッド層およびp型GaNコンタクト層を形成し、最後に表裏面にそれぞれn型電極、オーミック電極であるp型電極を形成した。
(測定)
基本的に実施例2と同様の項目について測定を行なった。具体的には、以下のような項目について測定を実施した。
測定1:
フォトニック結晶構造を形成した後、柱状部を埋め込むp型GaNエピタキシャル層の上部表面の形態(表面モホロジー)をSEMにより観察した。
測定2:
実施例および比較例の試料について、フォトニック結晶構造の回折ピークのスプリット幅を測定し、当該測定結果からフォトニック結晶構造と活性層との発光結合係数κを算出した。なお、回折ピークのスプリット幅の測定方法としては、上述した実施例2における測定方法と同様の方法を用いた。また、レーザ光発振のための電流密度のしきい値を求めた。
(結果)
測定1の結果:
SEMによる観察の結果、比較例の試料ではn型InGaNエピタキシャル層の上部表面において局所的に凹凸などが見られた。一方、実施例の試料ではn型InGaNエピタキシャル層の上部表面は平滑であり、良好な平坦性を示していた。
測定2の結果:
回折ピークのスプリット幅測定に基づく比較例の結合係数κは150cm−1、電流密度のしきい値は7kA/cmであった。一方、回折ピークのスプリット幅測定に基づく実施例の結合係数κは250cm−1、電流密度のしきい値は4kA/cmであった。つまり柱状部を埋め込んだフォトニック結晶の特性としては、埋め込みに間隙の無い、形状の揃った六角形柱の柱状部を用いたフォトニック結晶の方が優れていることが示された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、2次元回折格子を備えた半導体レーザ素子に特に有利に適用される。
本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の構成を示す斜視模式図である。 図1に示した半導体レーザ素子の上面模式図である。 図1および図2の線分III−III線における断面模式図である。 本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視模式図である。 三角格子における光の回折を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶層の他の構成を示す斜視模式図である。 正方格子における光の回折を説明するための模式図である。 図1〜図3に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図8に示したフォトニック結晶形成工程の内容を説明するためのフローチャートである。 図8に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 図8に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 図8に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 図8に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 図8に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 図8に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の変形例の構成を示す断面模式図である。 図16に示した半導体レーザ素子におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施の形態2における半導体レーザ素子の構成を示す断面模式図である。 図18に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 図18に示した半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 比較例の試料についての柱状部を上方から観察したSEM写真である。 実施例の試料についての柱状部を上方から観察したSEM写真である。 比較例の試料における柱状部のGaN層による埋め込みの状態を説明するための模式図である。 実施例の試料における柱状部のGaN層による埋め込みの状態を説明するための模式図である。 比較例の試料における断面と表面とのSEM写真である。 実施例の試料における断面と表面とのSEM写真である。 図1〜図3に示した半導体レーザ素子1を形成する他の方法を説明するための断面模式図である。 図1〜図3に示した半導体レーザ素子1を形成する他の方法を説明するための断面模式図である。
符号の説明
1,1a,1b 半導体レーザ素子、2 基板、3 n型クラッド層、4 ガイド層、5 活性層、6 p型電子ブロック層、7,7a フォトニック結晶層、8 p型クラッド層、9 p型コンタクト層、10 p型電極、11 n型電極、13 格子点、21 上面、22 下面、23 n型バッファ層、24 p型ガイド層、71 高屈折率部分、71a 高屈折率部分の層、72 低屈折率部分、72a 低屈折率部部分の層、76 孔、81 柱状部、82 埋込層、83 空隙、84 上部表面、85 埋込不良部、91 上面、300,310 レジスト。

Claims (6)

  1. 低屈折率部分と、前記低屈折率部分の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率部分とを有する2次元回折格子と、
    前記2次元回折格子の一方の主面側に形成された発光層とを備え、
    前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とのいずれか一方の平面形状が六角形状であり、前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とは隙間なく配置されており、
    前記前記低屈折率部分と前記高屈折率部分との主成分が窒化ガリウム成分であり、
    前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とのいずれか一方を構成するべき材料層を、ドライエッチングを用いて部分的に除去した後、さらにウエットエッチングを用いて部分的に除去することにより、前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とのいずれか一方の平面形状が六角形状に加工され
    前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とのいずれか他方は、前記2次元回折格子の一方の主面に対して垂直な方向に成長したエピタキシャル成長層である、半導体レーザ素子。
  2. 前記2次元回折格子の主表面は(0001)面であり、
    前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とのうち平面形状が六角形状である一方の、前記主表面に交差する方向に延びる側面は、{1−100}面である、請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記低屈折率部分はAlGa1−xN(0.02≦x≦0.5)よりなり、
    前記高屈折率部分はInyGa1-yN(0≦y≦0.2)よりなる、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 低屈折率部分と、前記低屈折率部分の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率部分とを有し、前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とは隙間なく配置されており、前記低屈折率部分と前記高屈折率部分との主成分が窒化ガリウム成分である2次元回折格子を形成する工程と、
    前記2次元回折格子の一方の主面側に形成された発光層を形成する工程とを備え、
    前記2次元回折格子を形成する工程では、前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とのいずれか一方の平面形状が六角形状に形成され、さらに、
    前記2次元回折格子を形成する工程は、
    前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とのいずれか一方を構成する材料層を形成する工程と、
    前記材料層をドライエッチングを用いて部分的に除去した後、さらにウエットエッチングを用いて部分的に除去することにより、前記材料層の平面形状を六角形状に加工する工程と
    前記低屈折率部分と前記高屈折率部分とのいずれか他方を、前記2次元回折格子の一方の主面に対して垂直な方向にエピタキシャル成長させる工程とを含む、半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 前記2次元回折格子の主表面は(0001)面であり、
    前記ウエットエッチングは、前記材料層における{1−100}面でのエッチング速度が他の結晶面に対するエッチング速度より遅い条件で行なわれる、請求項4に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  6. 前記ウエットエッチングは、加熱した硫酸と過酸化水素水の混合液、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液、有機系アルカリ洗浄液からなる群から選択される1つを処理液として用いて実施される、請求項4または5に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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