JP4378731B2 - 車両の荷台構造 - Google Patents

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    • B60J7/04Non-fixed roofs; Roofs with movable panels, e.g. rotary sunroofs of sliding type, e.g. comprising guide shoes with rigid plate-like element or elements, e.g. open roofs with harmonica-type folding rigid panels
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Description

本発明は、車両の荷台構造に関する。
荷台の上方を覆うトノカバーを備えた車両の荷台構造が知られている。このような車両の荷台構造として、例えば、特許文献1及び特許文献2の車両の荷台構造がある。
上述した特許文献1には、複数の各パネルがヒンジを介して連結されることにより一体的につながったトノカバーを備えた車両の荷台構造が記載されている。このトノカバーは、不使用時には折り畳むことができる。
一方、特許文献2には、静止カバーとして用いられる第3のカバー部と、荷台側壁の頂部の滑り案内面を滑動することによって可動カバーとして用いられる第1のカバー部及び第2のカバー部とを備えた車両の荷台構造が記載されている。第1のカバー部、第2のカバー部及び第3のカバー部は、互いに入れ子式に受けられるように順次大きい寸法に作られている。第3の静止カバー部は、ねじ及び取り付けブラケットにより荷台に固定されている。第1のカバー部及び第2のカバー部は、垂直方向の力に対して滑り案内面の上に保持するための止め金が取り付けられている。第1のカバー部及び第2のカバー部が延ばされた時には荷台が完全に覆われる。
米国特許6,527,326号公報 特開昭64−60446号公報
特許文献1の構造では、トノカバーを折り畳んだ状態で使用することができない。このため、例えば、荷台の上方の一部のみを開口させて他の部分を覆いたい場合であってもトノカバーを全体的に取り外さなければならず、荷台の上方の一部のみを開口させることができない。
また、特許文献2の構造では、第3のカバー部をねじ及び取り付けブラケット等により荷台に固定し、さらに、第1のカバー部及び第2のカバー部に止め金を取り付けなければならず、第1のカバー部、第2のカバー部及び第3のカバー部の着脱作業が煩雑である。
そこで、本発明は、荷台の使用状況に応じて荷台の上方の一部又は全部を、煩雑な作業を伴うことなく容易に覆うことが可能な車両の荷台構造の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様の車両の荷台構造は、一対の側壁と細長板状の複数のトノカバーとを備える。一対の側壁は、車両の荷台の両側部で車両前後方向に沿って相対向して起立する。複数のトノカバーの各々は、両側の側縁部が一対の側壁の上部にそれぞれ支持されることにより、荷台の上部を横断した状態で配置される。第1の所定数のトノカバーを車両前後方向に並べて配置した第1のカバー状態では、第1の所定数のトノカバーが荷台の上方のほぼ全域を覆う。第1の所定数よりも少ない第2の所定数のトノカバーを車両後方側から配置した第2のカバー状態では、第2の所定数のトノカバーが車両前方側を開口した状態で荷台の上方の車両後方側を覆う。
複数のトノカバーは、第2のカバー状態で荷台最前方に配置されるとともに、前記一対の側壁の上部に沿って車両前後方向に移動自在な第1のトノカバーを含み、第1のトノカバーは、側縁部から出没自在な第1の係止突起と、第1の係止突起を出没させる第1の出没状態設定手段と、を有する。第1の出没状態設定手段は、後面側から車両前方へ押圧操作可能な前後スライド部を含み、前後スライド部が押圧操作されたとき、突出した第1の係止突起を没入させる。一対の側壁は、第2のカバー状態で第1のトノカバーの側縁部から突出した第1の係止突起と係合する第1の係合部を有し、第1の係止突起と第1の係合部との係合は、第1のトノカバーの車両前後方向への移動を規制する。
上記構成では、第1の所定数のトノカバーを使用する場合には、第1の所定数のトノカバーを車両前後方向に並べて配置して第1のカバー状態に設定する。第1のカバー状態では、第1の所定数のトノカバーにより荷台の上方のほぼ全域が覆われるため、車両走行時に発生する空気の流れを変向して空気抵抗を低減させることができる。第1のカバー状態で荷台に載せることのできない背の高い積載物等を載せる場合には、第1の所定数よりも少ない第2の所定数のトノカバーを車両後方側から車両前方側に並べて配置して第2のカバー状態に設定する。第2のカバー状態では、荷台の上方の車両前方側が開口するとともに、車両後方側が第2の所定数のトノカバーで覆われるため、車両走行時に発生する空気の流れを変向して空気抵抗を低減させつつ、荷台の車両前方側に背の高い積載物等を載せることができる。従って、荷台の使用状況に応じて、荷台の上方の一部又は全部を煩雑な作業を伴うことなく容易に覆うことができる。
また、第1のカバー状態では、荷台の上方のほぼ全域が覆われるため、荷台に積載物が載せられている場合であっても雨水等による汚れから積載物を保護することができ、第2のカバー状態では、第2の所定数のトノカバーが荷台の上方の車両後方側を覆うため、荷台の車両前方側に背の高い積載物等を載せた場合であっても荷台の車両後方側に載せた積載物を雨水等の汚れから保護することができる。
また、第1の係止突起と第1の係合部とが係合するため、車両走行中に振動等が生じた場合であっても、第1のトノカバーのばたつき等を抑止することができる。
また、第1の係止突起と第1の係合部との係合によって第1のトノカバーの車両前後方向への移動が規制されるため、第1のトノカバーを含む全てのトノカバーの車両前方への移動が規制される。
また、上記荷台は、車幅方向に沿って起立して荷台の前端と後端とを区画する前壁とテールゲートとを備えてもよく、第1のカバー状態において、最も前方に配置されるトノカバーの前端部を前壁の上端部と当接又は近接させ、最も後方に配置されるトノカバーの後端部をテールゲートと、当接又は近接させてもよい。
上記構成では、第1のカバー状態において、全てのトノカバーの車両前後方向への移動が前壁とテールゲートとによって規制される。また、第2のカバー状態では、最も後方に配置されるトノカバーの車両後方への移動がテールゲートにより規制され、第1のトノカバーを含む全てのトノカバーの車両前後方向への移動が第1の係止突起と第1の係合部との係合及びテールゲートによって規制される。
本発明の第2の態様の車両の荷台構造は、上記第1の態様の車両の荷台構造であって、複数のトノカバーは、第2のカバー状態で第1のトノカバーの車両後方に配置される第2のトノカバーを含む。第1のトノカバーは、第1の係止突起を出没させる第1の出没状態設定手段を有し、第2のトノカバーは、第2のカバー状態で操作可能な操作部と、操作部が操作されたとき、突出した第1の係止突起を第1の出没状態設定手段を介して没入させる連動手段を有する。
上記構成では、操作部が操作されると、第1の出没状態設定手段を介して突出させた第1の係止突起を連動手段が没入させて、第1の係止突起と第1の係合部との係合を解除する。すなわち、第1の係止突起と第1の係合部との係合を、第1のトノカバーよりも車両後方に配置される第2のトノカバーの操作部によって容易に解除することができる。
本発明の第3の態様の車両の荷台構造は、上記第1の態様の車両の荷台構造であって、複数のトノカバーは、第2のカバー状態で第1のトノカバーの車両後方に配置される第2のトノカバーを含む。第2のトノカバーは、側縁部から出没自在な第2の係止突起を有し、一対の側壁は、第2のカバー状態で第2のトノカバーの側縁部から突出した第2の係止突起と係合する第2の係合部を有する。第2の係止突起と第2の係合部との係合は、第2のトノカバーの車両前後方向への移動を規制する。
上記構成では、第2の係止突起と第2の係合部とが係合するため、車両前後方向への移動が規制されるとともに、車両走行中に振動等が生じた場合であっても、第2のトノカバーのばたつき等を抑止することができる。
本発明の第4の態様の車両の荷台構造は、上記第3の態様の車両の荷台構造であって、第1のトノカバーは、第1の係止突起を出没させる第1の出没状態設定手段を有する。第2のトノカバーは、第2の係止突起を出没させる第2の出没状態設定手段と、第2のカバー状態で操作可能な操作部と、操作部が操作されたとき、突出した第1及び第2の係止突起を第1及び第2の出没状態設定手段を介してそれぞれ没入させる連動手段を有する。
上記構成では、操作部が操作されると、第1及び第2の出没状態設定手段を介して突出させた第1及び第2の係止突起を連動手段が没入させて、第1の係止突起と第1の係合部及び第2の係止突起と第2の係合部の係合を一括して解除する。従って、第1及び第2のトノカバーを、煩雑な作業を伴うことなく容易に取り外すことができる。
本発明の第5の態様の車両の荷台構造は、上記第2又は第2の態様の車両の荷台構造であって、荷台の車両後端に配置され、車幅方向に沿って起立した閉止位置と、この閉止位置から外れた開放位置とに設定自在なテールゲートを備える。操作部は、第2のカバー状態において、テールゲートが開放位置に設定されているとき第2のトノカバーの後縁部で露出し、テールゲートが閉止位置に設定されているときテールゲートによって覆われる。
上記構成では、第2のカバー状態において、テールゲートが閉止位置のときには操作部を操作できず、テールゲートが開放位置のときに操作部の操作が可能となる。すなわち、テールゲートが開放位置のとき以外でのトノカバーの取り外しが禁止される。従って、テールゲートが閉止位置に設定されているときは、トノカバー又は荷台の積載物の盗難等を抑止でき、セキュリティの向上を図ることができる。
本発明によれば、荷台の使用状況に応じて荷台の上方の一部又は全部を、煩雑な作業を伴うことなく容易に覆うことができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、荷台を備えたピックアップトラックの斜視図、図2は、第1乃至第4トノカバーが荷台の上方を覆う状態を示すピックアップトラックの斜視図、図3は、第1乃至第3トノカバーが荷台の上方を覆う状態を示すピックアップトラックの斜視図、図4は、第1及び第2トノカバーが荷台の上方を覆う状態を示すピックアップトラックの斜視図、図5は、第1トノカバーが荷台の上方を覆う状態を示すピックアップトラックの斜視図、図6は、荷台と第1乃至第4トノカバーとを示す要部拡大断面図、図7は、ガイドレールの斜視図、図8は、フロントガイドの斜視図、図9は、コーナーガイドの斜視図、図10は、ガイドレールと側壁とを示す斜視図、図11は、第1トノカバーの斜視図、図12は、図11を上方から視た状態を模式的に示す上面図であり、(a)は、係止棒の一端が突出する状態を示す上面図、(b)は、係止棒の一端が没入した状態を示す上面図、図13は、第2トノカバーの斜視図、図14は、図13を上方から視た状態を模式的に示す上面図であり、(a)は、第2前後スライド部を示す上面図、(b)は、スライド前部が突出した状態を示す上面図、図15は、ストッパーの斜視図、図16は、図2における第1乃至第4トノカバーを模式的に示す上面図であり、(a)は、第2前後スライド部とストッパーとを示す上面図、(b)は、第2前後スライド部と前後スライド部とが連動してスライド移動する状態を示す上面図、図17は、第1トノカバーとガイドレールとを示す要部拡大断面図、図18は、係止棒の一端と第1係合孔とを示す要部拡大断面図、図19は、第1係合孔の他の例を示す要部拡大断面図である。なお、以下の説明において、前後方向は車両の進行方向前後を示し、内外方向は車幅方向の内外を示す。
図1に示すように、ピックアップトラック(車両)1の荷台2は、床3と前壁4と左右一対の側壁5とテールゲート6と後述する第1乃至第4トノカバー8,9,10,11等から構成されている。
前壁4は、キャブ7の後面に対向配置されて荷台2の前端を区画する。前壁4の上端部には、図6及び図8に示すように、フロントガイド12が接合される。フロントガイド12の前側上端部には、車両前方に向かって延びる湾曲部12aが形成されている。湾曲部12aの上端部は円弧状に形成され、湾曲部12aの下端部は前壁4の上端部に対向配置されて前壁4の上端部を覆う。これにより、荷台2への雨水等の侵入を効率的に防ぐことができる。フロントガイド12の後側上端部には円弧状のゴムシール12cが設けられ、フロントガイド12の後側下端部には、車幅方向に延びる凹状の溝12bが形成されている。なお、本実施形態では、フロントガイド12を前壁4の上端部に接合する場合を説明するが、後述する支持部材20を前壁4の内側面に設けてフロントガイド12を下方より支持してもよい(図17参照)。
図6、図7及び図10に示すように、側壁5は、ガイドレール15と支持部材20とを備え、前壁4の車幅方向両端部から前後方向に沿って立設される。ガイドレール15は、上述したフロントガイド12と同様の断面形状により形成される。ガイドレール15の車幅方向外側上端部には、車幅方向外側に向かって延びる湾曲部15aが形成されている。湾曲部15aの上端部は円弧状に形成され、湾曲部15aの下端部は、側壁5の上端部に対向配置されて側壁5の上端部を覆う。これにより、荷台2への雨水等の侵入を効率的に防ぐことができる。ガイドレール15の車幅方向内側上端部には、円弧状のゴムシール15cが設けられ、ガイドレール15の車幅方向内側下端部には、車両前後方向に延びる凹状の溝15bが形成されている。溝15bには、車両後方側から第1係合孔(第1の係合部、第2の係合部)16と第2係合孔(第1の係合部、第2の係合部)17と第3係合孔(第1の係合部)18と第4係合孔19とが設けられる。
第1乃至第4係合孔16,17,18,19は、図17及び図18に示すように、ガイドレール15を車幅方向に貫通する孔であり、車両前後方向に沿って等間隔に4箇所設けられる。なお、本実施形態では、第1乃至第4係合孔16,17,18,19が貫通する孔である場合を説明するが、これは一例であって、例えば、図19に示すような窪みであってもよい。
支持部材20は、車両前方から視た断面が略L字状であり、一端20aがリベット21により側壁5の内側面に固定され、他端20bがガイドレール15の下端部と当接する。
前壁4の両側端縁部上方かつ側壁5の前側端縁部上方には、図6及び図9に示すように、コーナーガイド22が設けられる。コーナーガイド22は、フロントガイド12の側端部と当接するフロントガイド当接部13と、フロントガイド当接部13に直交するガイドレール当接部14が設けられている。ガイドレール当接部14は、ガイドレール15の前端部と当接する。フロントガイド当接部13の前側上端部には、車両前方に向かって延びる湾曲部13aが形成されている。湾曲部13aの上端部は円弧状に形成され、湾曲部13aの下端部は前壁4の上端部に対向配置されて前壁4の上端部を覆う。フロントガイド当接部13の後側上端部には車幅方向に円弧状のゴムシール13cが設けられ、後側下端部には、車幅方向に凹状の溝13bが形成されている。ガイドレール当接部14の車幅方向外側上端部には、車幅方向外側に向かって延びる湾曲部14aが形成されている。湾曲部14aの上端部は円弧状に形成され、湾曲部14aの下端部は側壁5の上端部に対向配置されて側壁5の上端部を覆う。ガイドレール当接部14の車幅方向内側上端部には車両前後方向に円弧状のゴムシール14cが設けられて、フロントガイド当接部13のゴムシール13cとく字状に接続する。車幅方向内側下端部には車両前後方向に凹状の溝14bが形成されて、フロントガイド当接部13の溝13bと接続する。
フロントガイド12とガイドレール15とコーナーガイド22とが、前壁4と側壁5とに固定されると、フロントガイド当接部13のゴムシール13cが、フロントガイド12のゴムシール12cと接続され、ガイドレール当接部14のゴムシール14cが、ガイドレール15のゴムシール15cと接続される。さらに、フロントガイド当接部13の溝13bが、フロントガイド12の溝12bと接続され、ガイドレール当接部14の溝14bが、ガイドレール15の溝15bと接続される。
テールゲート6は、図1、図2及び図6に示すように、荷台2の後端で車幅方向に沿って起立して荷台2の後端を区画している。テールゲート6の下端部は床3の後端部に回転自在に連結され、起立した閉止位置と床3の後端から後方へ略水平に延びる開放位置との間を開閉移動する。テールゲート6が閉止位置のとき、テールゲート6の車幅方向両側上端部とガイドレール15の後端部が当接する。
第1トノカバー(第1のトノカバー)8は、図11、図12、図16及び図17に示すように、略矩形板形状に形成された第1上板23と第1上板23の下方に配置される第1下板24とを有する。
第1上板23は、第1上板後面25と第1上板表面26と第1上板前面27と一対の第1上板側面28とを有し、第1上板後面25にゴムシール25aが設けられる。
第1下板24は、ストッパー29を備え、第1下板後面30と第1下板表面31と第1下板裏面32と第1下板前面33と一対の第1下板側面34とを有する。第1下板24は、車幅方向外側端部が第1上板23よりも車幅方向外側に向かって延び、車両前側端部が第1上板23よりも車両前方に向かって延びている。具体的には、第1下板24の車幅方向外側端部は、第1上板23よりもガイドレール15の溝15bの深さとほぼ同じ長さだけ車幅方向外側に延び、第1下板24の車両前側端部は、第1上板23よりもフロントガイド12の溝12bの深さとほぼ同じ長さだけ車両前方に延びている。図6及び図17に示すように、第1下板24の車幅方向外側端部は、ガイドレール15の溝15bと組み合わされ、第1下板24の車両前側端部は、フロントガイド12の溝12bと組み合わされる。これにより、第1トノカバー8の上下方向への移動が規制される。
ストッパー(第1の出没状態設定手段)29は、図15に示すように、前後スライド部35と内外スライド部36とを有し、第1トノカバー8の第1下板24に埋設されている。このため、ストッパー29が雨水等により汚れることを防ぐことができる。
前後スライド部35は、一端に平板状のスライド前部37が形成されている。スライド前部37の後方には、凸部38と凹部39とで構成される凹凸板40が形成されている。凸部38は、スライド前部37の車幅方向外側端部よりも車幅方向外側に向かって延びている。凹部39は、凸部38の車幅方向外側端部よりも車幅方向内側に向かって円弧状に窪んでいる。スライド前部37の後端部にはバネ37aが配置され、凸部38の前端部がバネ37aと当接する。凹凸板40の後方には、車両前後方向から視た断面がスライド前部37と同様のスライド後部42が形成されている。
内外スライド部36は、一端に棒状部材である係止棒44が形成されている。係止棒44の車幅方向内側には、略矩形板形状のバネ当接板45が形成されている。係止棒44の車幅方向内側端部にはバネ45aが配置され、バネ当接板45の車幅方向外側面と当接する。バネ当接板45の車幅方向内側には、車幅方向から視た断面が係止棒44と同様の当接棒46が形成されている。当接棒46の他端(当接棒46の車幅方向内側端部)46aは、凸部38の車幅方向外側端部と当接する。
図12に示すように、第1下板24の前端部かつ車幅方向中央部には、車両前後方向と車幅方向との長さがスライド前部37とほぼ等しいスライド空間部47が形成されている。スライド空間部47よりも後方には、スライド前部37とバネ37aと凹凸板40とを収容する凹凸板収容部48が形成されている。凹凸板収容部48よりも後方には、スライド後部42を収容するスライド後部収容部49が形成されている。スライド後部収容部49は、車幅方向との長さがスライド後部42とほぼ同じに形成され、スライド後部収容部49に収容されたスライド後部42の後端42aは、第1下板後面30の後面開口部50で露出する。
第1下板24には、第1下板側面34から凹凸板収容部48へ貫通する貫通孔24aが形成されている。貫通孔24aの車幅方向外側部には、バネ当接板45とバネ45aとを収容するバネ当接板収容部52が形成されている。バネ当接板収容部52よりも車幅方向外側の貫通孔24aには係止棒44が挿入され、バネ当接板収容部52よりも車幅方向内側の貫通孔24aには当接棒46が挿入される。貫通孔24aは、直径が係止棒44と当接棒46とほぼ同じに形成されている。バネ当接板収容部52の車両前後方向の長さは、バネ当接板45の車両前後方向の長さとほぼ同じに形成され、車幅方向の長さは、バネ当接板45が車幅方向へ移動可能な寸法形状により形成されている。バネ当接板45と当接するバネ45aは、収縮した状態でバネ当接板収容部52に収容され、バネ当接板45を車幅方向内側に向かって付勢する。当接棒46の他端46aは、凸部38の車幅方向外側端部と当接し、係止棒44の一端(係止棒44の車幅方向外側端部、第1の係止突起)44aは第1下板側面34の側面開口部55から突出して、図17及び図18に示すように、ガイドレール15の溝15bと係合する。
スライド後部42の後端42aを押圧すると、凹凸板40が凹凸板収容部48内を車両前方へ移動してバネ37aを収縮させるとともに、スライド前部37がスライド空間部47に収容される。これにより、当接棒46の他端46aは、バネ45aの付勢力により車幅方向内側に付勢されて凸部38よりも車幅方向内側に窪む凹部39と当接する。当接棒46の他端46aが凹部39と当接することで係止棒44が車幅方向内側へ移動し、係止棒44の一端44aがバネ当接板収容部52内に没入する。このとき、凹凸板収容部48に収容されたバネ37aが凹凸板40を後方に向かって付勢するため、スライド後部42の後端42aの押圧操作を解除すると、バネ37aの付勢力によってスライド前部37と凹凸板40とスライド後部42とが後方へ移動する。当接棒46の他端46aは、凹凸板40の後方への移動に伴って凹部39を滑動し、凸部38と再び当接する。これにより、係止棒44が車幅方向外側へ移動して、係止棒44の一端44aが側面開口部55から突出する。
第2乃至第4トノカバー(第2のトノカバー)9,10,11は、図13及び図14に示すように、略矩形板形状に形成された第2上板56と第2上板56の下方に配置される第2下板57とを有する。
第2上板56は、第2上板後面59と第2上板表面60と第2上板前面61と一対の第2上板側面62とを有し、第2上板後面59にゴムシール59aが設けられる。
第2下板57は、第2前後スライド部(連動手段)58を備え、第2下板後面63と第2下板表面64と第2下板裏面65と第2下板前面66と一対の第2下板側面67とを有する。第2下板57は、車幅方向外側端部が第2上板56よりも車幅方向外側に向かって延びている。具体的には、第2下板57の車幅方向外側端部は、第2上板56よりもガイドレール15の溝15bの深さとほぼ同じ長さだけ車幅方向外側に延びている。図6及び図17に示すように、第2下板57の車幅方向外側端部は、ガイドレール15の溝15bと組み合わされて、第2乃至第4トノカバー9,10,11の上下方向への移動が規制される。
第2前後スライド部58は、一端に平板状の第2スライド前部68が形成されている。第2スライド前部68の後方には、第2スライド前部68の車幅方向外側端部よりも車幅方向外側に延びる第2凸部69が形成されている。第2スライド前部68は、バネ69aを有し、第2凸部69の前端面がバネ69aと当接する。第2凸部69の後方には、車両前後方向から視た断面が第2スライド前部68と同様の第2スライド後部70が形成されている。第2前後スライド部58の車両前後方向の長さは、第2乃至第4トノカバー9,10,11の第2下板後面63から第2下板前面66までの長さと一致する。第1トノカバー8と第2乃至第4トノカバー9,10,11を車両前後方向に並べると、図16に示すように、前後スライド部35と第2前後スライド部58とが同一直線上に並ぶ。これにより、第2前後スライド部58と前後スライド部35と内外スライド部36とが連動してスライド移動する。
図14に示すように、第2下板57には、第2下板前面66から第2下板後面63へ貫通する貫通孔57aが形成されている。貫通孔57aの車両前後方向中央部には、バネ69aと第2凸部69とを収容する第2凸部収容部72が形成されている。第2凸部収容部72よりも車両前方の貫通孔57aには第2スライド前部68が挿入され、第2スライド前部68の前端68aが第2下板前面66の前面開口部73で露出する。第2凸部収容部72よりも後方の貫通孔57aには第2スライド後部70が挿入される。第2スライド後部70の後端(操作部)70aは、第2下板後面63の第2後面開口部71で露出する。
第2スライド後部70の後端70aを押圧すると、第2凸部69が第2凸部収容部72内を車両前方へ移動してバネ69aを収縮させるとともに、第2スライド前部68の前端68aが前面開口部73より突出する。このとき、第2凸部収容部72に収容されたバネ69aが第2凸部69を後方に向かって付勢するため、スライド後部42の後端42aの押圧操作を解除すると、バネ69aの付勢力により第2スライド前部68と凸部と第2スライド後部70とが後方へ移動する。
本実施形態によれば、ピックアップトラック1の乗員などの使用者は、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11を使用する場合には、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11を、図2及び図6に示すように、荷台2の上方のほぼ全域を覆う位置に設定する。これにより、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11が車両走行時に発生する空気の流れを変向して、空気抵抗を低減させることができるとともに、荷台2に載せた積載物を雨水等による汚れから保護することができる。
第4トノカバー11を取り外して荷台2の上方の車両前方側を開口させる場合には、図2、図3、図6及び図16に示すように、テールゲート6を開放位置に設定し、第4トノカバー11を車両後方側へスライド移動させて、第4トノカバー11の第2下板57を溝15bから外す。第2及び第3トノカバー9,10を車両後方側へスライド移動させるとともに、荷台最前方、すなわち、荷台2の上方を覆う第1乃至第3トノカバー8,9,10のうち、最も前方に配置される第1トノカバー8のスライド後部42の後端42aを押圧して、係止棒44の一端44aと第4係合孔19との係合を解除する。第1トノカバー8をガイドレール15に沿って車両後方側へスライド移動させて、係止棒44の一端44aと第3係合孔18とを係合させる。これにより、荷台2の車両前方側が開口し、第1乃至第3トノカバー8,9,10が荷台2の上方の車両後方側を覆うため、車両走行時に発生する空気の流れを変向して空気抵抗を低減させつつ、開口する荷台2の車両前方側に背の高い積載物等を載せることができる。また、係止棒44の一端44aと第3係合孔18との係合により第1トノカバー8の車両前後方向への移動が規制されるため、第2及び第3トノカバー9,10の車両前方への移動が規制される。ここで、テールゲート6を開放位置に設定すると、テールゲート6の上端部と第3トノカバー10の後端部が当接するため、第2及び第3トノカバー9,10の車両後方への移動が規制される。すなわち、テールゲート6を開放位置に設定すると、第2及び第3トノカバー9,10の車両前後方向への移動が第1トノカバー8とテールゲート6とによって規制される。
なお、係止棒44の一端44aは、スライド後部42の後端42aを押圧し続けることによって没入されるが、第1トノカバー8がガイドレール15に沿って移動するときは、第1下板側面34が溝15bとが当接するため、係止棒44の一端44aの車幅方向外側への移動が規制される。従って、第1下板24の車幅方向外側端部を溝15bと組み合せたときは、スライド後部42の後端42aを押圧し続けることなく第1トノカバー8をスライド移動することができる。
第3トノカバー10を取り外して荷台2の上方の車両前方側をさらに開口させる場合には、図3及び図4に示すように、第3トノカバー10を車両後方側へスライド移動させて、第3トノカバー10の第2下板57を溝15bから外す。第2トノカバー9を車両後方側へスライド移動させるとともに、第1トノカバー8のスライド後部42の後端42aを押圧して、係止棒44の一端44aと第3係合孔18との係合を解除する。第1トノカバー8をガイドレール15に沿って車両後方側へスライド移動させて、係止棒44の一端44aと第2係合孔17とを係合させる。これにより、第1乃至第2トノカバー8,9が荷台2の上方の車両後方側を覆うため、車両走行時に発生する空気の流れを変向して空気抵抗を低減させつつ、荷台2の車両前方側に背の高い積載物等を載せることができる。
第2トノカバー9を取り外して荷台2の上方の車両前方側をさらに開口させる場合には、図4及び図5に示すように、第2トノカバー9を車両後方側へスライド移動させて、第2トノカバー9の第2下板57を溝15bから外す。第1トノカバー8のスライド後部42の後端42aを押圧して、係止棒44の一端44aと第2係合孔17との係合を解除し、ガイドレール15に沿って車両後方側へスライド移動させて、第1係合孔16と係合させる。これにより、第1トノカバー8が荷台2の上方の車両後方側を覆うため、車両走行時に発生する空気の流れを変向して空気抵抗を低減させつつ、荷台2の車両前方側に背の高い積載物等を載せることができる。また、第4トノカバー11、第3トノカバー10、又は、第2トノカバー9を取り外した場合であっても、背の低い積載物等は荷台2の車両後方側に載せることで雨水等の汚れから保護することができる。
なお、第1トノカバー8を取り外して荷台2の上方を全て開口させる場合には、図1及び図2に示すように、第1トノカバー8のスライド後部42の後端42aを押圧して、係止棒44の一端44aと第2係合孔17との係合を解除し、ガイドレール15に沿って車両後方側へスライド移動させて、第1下板24を溝15bから外す。
取り外した第1トノカバー8を戻すときは、テールゲート6を開放位置に設定し、第1下板24の車幅方向外側端部をガイドレール15の溝15bと組み合せる。第1トノカバー8をガイドレール15に沿って車両前方へスライド移動させて、係止棒44の一端44aと第1係合孔16とを係合させる。
取り外した第2トノカバー9を戻すときは、第1トノカバー8のスライド後部42の後端42aを押圧し、係止棒44の一端44aと第1係合孔16との係合を解除する。第1トノカバー8をガイドレール15に沿って車両前方へスライド移動させて、係止棒44の一端44aと第2係合孔17とを係合させる。第2トノカバー9の第2下板57を溝15bと組み合せて、荷台2の上方の車両後方側に設定する。
取り外した第3トノカバー10を戻すときは、第2トノカバー9の第2スライド後部70の後端70aを押圧し、第1トノカバー8の係止棒44の一端44aと第2係合孔17との係合を解除する。第1及び第2トノカバー8,9をガイドレール15に沿って車両前方へスライド移動させて、係止棒44の一端44aと第3係合孔18とを係合させる。第3トノカバー10の第2下板57を溝15bと組み合せて、荷台2の上方の車両後方側に設定する。
取り外した第4トノカバー11を戻すときは、第3トノカバー10の第2スライド後部70の後端70aを押圧し、第1トノカバー8の係止棒44の一端44aと第3係合孔18との係合を解除する。第1乃至第3トノカバー8,9,10をガイドレール15に沿って車両前方へスライド移動させて、係止棒44の一端44aと第4係合孔19とを係合させる。第4トノカバー11の第2下板57を溝15bと組み合せて、荷台2の上方の車両後方側に設定することで、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11が、荷台2の上方のほぼ全域を覆う位置に設定される。このとき、テールゲート6を閉止位置に設定すると、ガイドレール15の後端部と第4トノカバー11の後端部とがテールゲート6の車幅方向上端部と当接するため、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11の取り外しができなくなる。これにより、例えば、鍵等を用いたロック機構をテールゲート6に設けることで、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11及び荷台2に載せた積載物の盗難等を抑止することができ、セキュリティの向上を図ることができる。また、第1トノカバー8と側壁5との係合解除作業と第2乃至第4トノカバー9,10,11の追加作業とを、車両後方側、すなわち、テールゲート6近傍にて実行可能なため、効率よく着脱作業を行なうことができる。
このように、使用者は、荷台2の使用状況に応じて、荷台2の上方の一部又は全部を煩雑な作業を伴うことなく容易に覆うことができる。
また、係止棒44の一端44aと第1乃至第4係合孔16,17,18,19との係合により、車両走行中に振動等が生じた場合であっても第1トノカバー8のばたつき等を抑止することができる。
また、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11と前壁4と側壁5とテールゲート6との各当接部は、ゴムシール12c,13c,14c,15c,25a,58aによって封止されるため、各当接部から荷台2内部への雨水等の侵入を防ぐことができる。
さらに、第1トノカバー8にストッパー29を設けているため、第1トノカバー8とガイドレール15との係合箇所を増やしたい場合には、溝15bに新たな孔を開けることで容易に増やすことができる。
なお、本実施形態では、第2前後スライド部58と前後スライド部35とが連動する構造を採って係止棒44の一端44aを出没させているが、これは一例であって、例えば、第1トノカバー8内部に係止棒44の一端44aを出没させるモータを設け、モータを駆動させるためのスイッチを各トノカバーの後端部に設けるとともに、モータと各スイッチとを接続する電気配線とを各トノカバーの内部に設けて、さらに、各トノカバーに電源を供給するための電気的接触点を各トノカバーの側端面と側壁5とに設ける等、電気的に制御してもよい(図示せず)。
また、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11、すなわち、4つのトノカバーを有する場合を説明したが、これは一例であって、例えば、2つ又は8つのトノカバーを有してもよい。
また、使用されない第2乃至第4トノカバー9,10,11は、荷台2に載せて持ち運んでもよく、特に図示していないが、荷台2に第2乃至第4トノカバー9,10,11を収容する収容部を別途設けてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
図20は、第2の実施形態における第1トノカバーと側壁とを示す要部拡大断面図、図21は、第2の実施形態における第2乃至第4トノカバーの斜視図、図22は、図21を上方から視た状態を模式的に示す上面図であり、(a)は、係止棒の一端が突出する状態を示す上面図、(b)は、係止棒の一端が没入した状態を示す上面図、図23は、第1乃至第4トノカバーを模式的に示す上面図であり、(a)は、第2ストッパーとストッパーとを示す上面図、(b)は、第3前後スライド部と前後スライド部とが連動してスライド移動する状態を示す上面図、図24は、第2ストッパーの斜視図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図20に示すように、側壁5の上端部にはゴムシール74が設けられている。側壁5の内側面よりも車幅方向内側かつ第1下板側面34の車幅方向外側には、車両前方から視た断面が略L字状のブラケット75が設けられている。側壁5の内側面よりも車幅方向内側かつブラケット75の下方には、車両前方から視た断面が略L字状の支持部材20が設けられている。ブラケット75の一端75aは、支持部材20の他端20bにリベット21により固定され、支持部材20の一端20aは、側壁5の内側面にリベット21により固定される。第1下板裏面32は、支持部材20の他端20bにより下方から支持されている。ブラケット75の他端75bには第1係合孔16が設けられて、係止棒44の一端44aと係合するとともに、支持部材20が第1トノカバー8を下方から支持する。
また、図21、図22、図23及び図24に示すように、第2乃至第4トノカバー9,10,11に、ストッパー29のスライド前部37が車両前方に延長された第2ストッパー77が設けられている。
第2ストッパー(第2の出没状態設定手段)77は、第3前後スライド部(連動手段)78と第2内外スライド部79とを有し、第2乃至第4トノカバー9,10,11の第2下板57に埋設されている。
第3前後スライド部78は、一端に平板状の第3スライド前部80が形成されている。第3スライド前部80の後方には、第3凸部81と第2凹部82とで構成される第2凹凸板83が形成されている。第3凸部81は、第3スライド前部80の車幅方向外側端部よりも車幅方向外側に延びている。第2凹部82は、第3凸部81の車幅方向外側端部よりも車幅方向内側に向かって円弧状に窪んでいる。第3スライド前部80には、バネ83aが配置され、第3凸部81の前端部がバネ83aと当接する。第2凹凸板83の後方には、車両前後方向から視た断面が第3スライド前部80と同様の第3スライド後部84が形成されている。第3前後スライド部78の車両前後方向の長さは、第2乃至第4トノカバー9,10,11の第2下板後面63から第2下板前面66までの長さと一致する。
第2内外スライド部79は、一端に棒状部材である第2係止棒85が形成されている。第2係止棒85の車幅方向内側には、略矩形板形状の第2バネ当接板86が形成されている。第2係止棒85の車幅方向内側端部かつ第2バネ当接板86の車幅方向外側にはバネ86aが配置され、第2バネ当接板86の車幅方向外側面と当接する。第2バネ当接板86の車幅方向内側には、車幅方向から視た断面が第2係止棒85と同様の第2当接棒87が形成されている。第2当接棒87の他端87a(第2当接棒87の車幅方向内側端部)は、第3凸部81又は第2凹部82の車幅方向外側端部と当接する。
図22に示すように、第2下板57には、第2下板前面66から第2下板後面63へ貫通する貫通孔57aが形成されている。貫通孔57aの車両前後方向中央部には、バネ83aと第2凹凸板83とを収容する第2凹凸板収容部88が形成され、第2凹凸板収容部88の後端部には第2凹凸板83が配置される。第2凹凸板収容部88よりも車両前方の貫通孔57aには第3スライド前部80が挿入され、第3スライド前部80の前端80aが第2下板前面66の前面開口部73より突出する。第2凹凸板収容部88よりも後方の貫通孔57aには第3スライド後部84が挿入される。第3スライド後部84の後端(操作部)84aは、第2下板後面63の第2後面開口部71で露出する。
第2下板57には、第2下板側面67から第2凹凸板収容部88へ貫通する貫通孔57bが形成されている。貫通孔57bの車幅方向外側部には、第2バネ当接板86とバネ86aとを収容する第2バネ当接板収容部89が形成されている。第2バネ当接板収容部89よりも車幅方向外側の貫通孔57bには第2係止棒85が挿入され、第2バネ当接板収容部89よりも車幅方向内側の貫通孔57bには第2当接棒87が挿入される。貫通孔57bは、直径が第2係止棒85と第2当接棒87とほぼ同じに形成されている。第2バネ当接板収容部89の車両前後方向の長さは、第2バネ当接板86の車両前後方向の長さとほぼ同じに形成され、車幅方向の長さは、第2バネ当接板86が車幅方向へ移動可能な寸法形状により形成されている。第2バネ当接板86と当接するバネ86aは、収縮した状態で第2バネ当接板収容部89に収容され、第2バネ当接板86を車幅方向内側に向かって付勢する。第2当接棒87の他端87aは、第3凸部81の車幅方向外側端部と当接し、第2係止棒85の一端85a(第2係止棒85の車幅方向外側端部、第2の係止突起)は第2下板側面67の第2側面開口部90から突出する。
第3スライド後部84の後端84aを押圧すると、第2凹凸板83が第2凹凸板収容部88内を車両前方へ移動する。第2当接棒87の他端87aは、バネ86aの付勢力により車幅方向内側に付勢されて第3凸部81よりも車幅方向内側に窪む第2凹部82と当接する。第2当接棒87の他端87aが第2凹部82と当接することにより第2係止棒85が車幅方向内側へ移動し、第2係止棒85の一端85aが第2バネ当接板収容部89内に没入する。第3スライド後部84の後端84aの押圧操作を解除すると、バネ83aの付勢力により第3スライド前部80と第2凹凸板83と第3スライド後部84とが後方へと移動する。第2当接棒87の他端87aは、第2凹凸板83の後方への移動に伴って第2凹部を滑動し、第3凸部81と再び当接する。これにより、第2係止棒85が車幅方向外側へと移動して、第2係止棒85の一端85aが第2側面開口部90から突出する。
本実施形態によれば、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11が車両前後方向に並んだ状態において、第4トノカバー11の第3スライド後部84の後端84aを押圧すると、第4トノカバー11内の第3前後スライド部78が車両前方へ移動する。これにより、第2乃至第4トノカバー9,10,11内の第3前後スライド部78と第1トノカバー8内の前後スライド部35とが連動して車両前方へスライド移動する。前後スライド部35と第3前後スライド部78とが連動してスライド移動することで、係止棒44の一端44aがバネ当接板収容部52内に没入されるとともに、第2係止棒85の一端85aが第2バネ当接板収容部89内に没入される。すなわち、第3スライド後部84の後端84aを押圧することで、係止棒44の一端44a及び第2係止棒85の一端85aと第1乃至第4係合孔16,17,18,19との係合を一括して解除することができる。従って、煩雑な作業を伴うことなく容易に第1乃至第4トノカバー8,9,10,11を着脱することができる。
また、第2ストッパー77を第2乃至第4トノカバー9,10,11に設けたことにより、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11が側壁5に対して強固に保持される。従って、車両走行中に振動等が生じた場合であっても、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11のばたつき等を抑止することができ、第1乃至第4トノカバー8,9,10,11と側壁5と前壁4とテールゲート6との各当接部における防水、防塵効果が増大する。
また、特に図示していないが、本実施形態における第2乃至第4トノカバー9,10,11と同様の構成により第1トノカバー8を形成してもよい。このような場合には、第3スライド後部84の後端84aを押圧したときに、車両前方へ突出する第3スライド前部80の前端80aを収容する収容凹部を前壁4の内側面に設けてもよい。このような構成によれば、第1トノカバー8と第2乃至第4トノカバー9,10,11と区別する必要が無くなるため、使用者の利便性を向上させることができるとともに、同一の生産工程により第1乃至第4トノカバー8,9,10,11を生産することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明は、荷台を有する車両に適用可能である。
荷台を備えたピックアップトラックの斜視図である。 第1乃至第4トノカバーが荷台の上方を覆う状態を示すピックアップトラックの斜視図である。 第1乃至第3トノカバーが荷台の上方を覆う状態を示すピックアップトラックの斜視図である。 第1及び第2トノカバーが荷台の上方を覆う状態を示すピックアップトラックの斜視図である。 第1トノカバーが荷台の上方を覆う状態を示すピックアップトラックの斜視図である。 荷台と第1乃至第4トノカバーとを示す要部拡大断面図である。 ガイドレールの斜視図である。 フロントガイドの斜視図である。 コーナーガイドの斜視図である。 ガイドレールと側壁とを示す斜視図である。 第1トノカバーの斜視図である。 図11を上方から視た状態を模式的に示す上面図であり、(a)は、係止棒の一端が突出する状態を示す上面図、(b)は、係止棒の一端が没入した状態を示す上面図である。 第2トノカバーの斜視図である。 図13を上方から視た状態を模式的に示す上面図であり、(a)は、第2前後スライド部を示す上面図、(b)は、スライド前部が突出した状態を示す上面図である。 ストッパーの斜視図である。 図2における第1乃至第4トノカバーを模式的に示す上面図であり、(a)は、第2前後スライド部とストッパーとを示す上面図、(b)は、第2前後スライド部と前後スライド部とが連動してスライド移動する状態を示す上面図である。 第1トノカバーとガイドレールとを示す要部拡大断面図である。 係止棒の一端と第1係合孔とを示す要部拡大断面図である。 係合孔の他の例を示す要部拡大断面図である。 第2の実施形態における第1トノカバーと側壁とを示す要部拡大断面図である。 第2の実施形態における第2乃至第4トノカバーの斜視図である。 図21を上方から視た状態を模式的に示す上面図であり、(a)は、係止棒の一端が突出する状態を示す上面図、(b)は、係止棒の一端が没入した状態を示す上面図である。 第1乃至第4トノカバーを模式的に示す上面図であり、(a)は、第2ストッパーとストッパーとを示す上面図、(b)は、第3前後スライド部と前後スライド部とが連動してスライド移動する状態を示す上面図である。 第2ストッパーの斜視図である。
符号の説明
1 ピックアップトラック(車両)
2 荷台
4 前壁
5 側壁
6 テールゲート
8 第1トノカバー(第1のトノカバー)
9 第2トノカバー(第2のトノカバー)
10 第3トノカバー(第2のトノカバー)
11 第4トノカバー(第2のトノカバー)
16 第1係合孔(第1の係合部、第2の係合部)
17 第2係合孔(第1の係合部、第2の係合部)
18 第3係合孔(第1の係合部)
19 第4係合孔
29 ストッパー(第1の出没状態設定手段)
35 前後スライド部
36 内外スライド部
44 係止棒
44a 一端(第1の係止突起)
58 第2前後スライド部(連動手段)
70 第2スライド後部
70a 後端(操作部)
77 第2ストッパー(第2の出没状態設定手段
78 第3前後スライド部(連動手段)
79 第2内外スライド部
84a 後端(操作部)
85 第2係止棒
85a 一端(第2の係止突起)

Claims (5)

  1. 車両の荷台の両側部で車両前後方向に沿って相対向して起立する一対の側壁と、
    細長板状の複数のトノカバーと、を備え、
    前記複数のトノカバーの各々は、両側の側縁部が前記一対の側壁の上部にそれぞれ支持されることにより、前記荷台の上部を横断した状態で配置され、
    第1の所定数の前記トノカバーを車両前後方向に並べて配置した第1のカバー状態では、該第1の所定数のトノカバーが前記荷台の上方のほぼ全域を覆い、
    前記第1の所定数よりも少ない第2の所定数の前記トノカバーを車両後方側から配置した第2のカバー状態では、該第2の所定数のトノカバーが車両前方側を開口した状態で前記荷台の上方の車両後方側を覆い、
    前記複数のトノカバーは、前記第2のカバー状態で荷台最前方に配置されるとともに、前記一対の側壁の上部に沿って車両前後方向に移動自在な第1のトノカバーを含み、
    前記第1のトノカバーは、側縁部から出没自在な第1の係止突起と、該第1の係止突起を出没させる第1の出没状態設定手段と、を有し、
    前記第1の出没状態設定手段は、後面側から車両前方へ押圧操作可能な前後スライド部を含み、該前後スライド部が押圧操作されたとき、突出した前記第1の係止突起を没入させ、
    前記一対の側壁は、前記第2のカバー状態で前記第1のトノカバーの側縁部から突出した前記第1の係止突起と係合する第1の係合部を有し、
    前記第1の係止突起と前記第1の係合部との係合は、前記第1のトノカバーの車両前後方向への移動を規制する
    ことを特徴とする車両の荷台構造。
  2. 車両の荷台の両側部で車両前後方向に沿って相対向して起立する一対の側壁と、
    細長板状の複数のトノカバーと、を備え、
    前記複数のトノカバーの各々は、両側の側縁部が前記一対の側壁の上部にそれぞれ支持されることにより、前記荷台の上部を横断した状態で配置され、
    第1の所定数の前記トノカバーを車両前後方向に並べて配置した第1のカバー状態では、該第1の所定数のトノカバーが前記荷台の上方のほぼ全域を覆い、
    前記第1の所定数よりも少ない第2の所定数の前記トノカバーを車両後方側から配置した第2のカバー状態では、該第2の所定数のトノカバーが車両前方側を開口した状態で前記荷台の上方の車両後方側を覆い、
    前記複数のトノカバーは、前記第2のカバー状態で荷台最前方に配置される第1のトノカバーと、該第1のトノカバーの車両後方に配置される第2のトノカバーとを含み、
    前記第1のトノカバーは、側縁部から出没自在な第1の係止突起と、該第1の係止突起を出没させる第1の出没状態設定手段と、を有し、
    前記一対の側壁は、前記第2のカバー状態で前記第1のトノカバーの側縁部から突出した前記第1の係止突起と係合する第1の係合部を有し、
    前記第1の係止突起と前記第1の係合部との係合は、前記第1のトノカバーの車両前後方向への移動を規制し、
    前記第2のトノカバーは、前記第2のカバー状態で操作可能な操作部と、該操作部が操作されたとき、突出した前記第1の係止突起を前記第1の出没状態設定手段を介して没入させる連動手段と、を有する
    ことを特徴とする車両の荷台構造。
  3. 請求項1に記載の車両の荷台構造であって、
    前記複数のトノカバーは、前記第2のカバー状態で前記第1のトノカバーの車両後方に配置される第2のトノカバーを含み、
    前記第2のトノカバーは、側縁部から出没自在な第2の係止突起を有し、
    前記一対の側壁は、前記第2のカバー状態で前記第2のトノカバーの側縁部から突出した前記第2の係止突起と係合する第2の係合部を有し、
    前記第2の係止突起と前記第2の係合部との係合は、前記第2のトノカバーの車両前後方向への移動を規制する
    ことを特徴とする車両の荷台構造。
  4. 請求項に記載の車両の荷台構造であって、
    前記第2のトノカバーは、側縁部から出没自在な第2の係止突起と、該第2の係止突起を出没させる第2の出没状態設定手段と、を有し、
    前記一対の側壁は、前記第2のカバー状態で前記第2のトノカバーの側縁部から突出した前記第2の係止突起と係合する第2の係合部を有し、
    前記第2の係止突起と前記第2の係合部との係合は、前記第2のトノカバーの車両前後方向への移動を規制し、
    前記連動手段は、前記操作部が操作されたとき、突出した前記第1及び第2の係止突起を前記第1及び第2の出没状態設定手段を介してそれぞれ没入させる
    ことを特徴とする車両の荷台構造。
  5. 請求項2又は請求項4に記載の車両の荷台構造であって、
    前記荷台の車両後端に配置され、車幅方向に沿って起立した閉止位置と、この閉止位置から外れた開放位置とに設定自在なテールゲートを備え、
    前記操作部は、前記第2のカバー状態において、前記テールゲートが前記開放位置に設定されているとき前記第2のトノカバーの後縁部で露出し、前記テールゲートが前記閉止位置に設定されているとき該テールゲートによって覆われる
    ことを特徴とする車両の荷台構造。
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