JP4378623B2 - ひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ひねり包装用二軸ポリエステル樹脂フイルムに関する。更に詳しくは、二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムとしての優れた特性である耐熱性、保香性、耐水性等を失うことなく実用性を具備し開発されたひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムにおいて、良好なひねり性を有し、さらにひねり包装用フイルム特有である、フイルム製膜時や印刷やひねり包装加工機などでの加工工程にて発生する折れ込みシワがないように改良した、生産性を向上させた実用性あるひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムに関するものである。
従来からひねり性の優れたフイルムとしては、セロファンが知られている。セロファンはその優れた透明性と易切断性、ひねり性等の特性により各種包装材料や粘着テープ用として使用されている。しかし、一方でセロファンは吸湿性を有するために特性が季節により変動し、一定品質を維持しながら供給することが困難であった。また、ポリエチレンテレフタレートをベースフイルムとした包装材は、延伸されたポリエチレンテレフタレートフイルムの強靭性、耐熱性、耐水性、透明性等の優れた特性により各種用途にて好適に使用されているが、その反面切断性や包装用袋での口引き裂き性における欠点や粘着テープでは切れにいという欠点があり、また折り曲げ性が要求される用途では腰が強いゆえに折り曲げ後にその形状保持ができない欠点があった。更にはひねり包装用途においては、ひねり性が劣る等の欠点があり、セロファン代替品として使用することは困難であった。
上記欠点を解決する方法として、応力―ひずみ曲線において降伏点を有し、かつ該共重合物の未延伸フイルムの平均屈折率をN0、二軸延伸フイルムの平均屈折率をN1とした時、0.003≦N1―N0≦0.021を満足することを特徴とする易折り曲げポリエステルフイルム(例えば、特許文献1参照)やポリエステル樹脂層(A)の少なくとも片面に、ポリエステル樹脂層(A)の融点よりも10℃以上高い融点を有し、かつ全体厚みに対し5%以上、60%以下の厚みのポリエステル樹脂層(B)を積層した未延伸積層フイルムを少なくとも一軸延伸後にポリエステル樹脂層(A)の融点より10℃低い温度以上、かつポリエステル樹脂層(B)の融点未満の温度で熱処理することを特徴とする引き裂き性とひねり性を有するポリエステルフイルムの製造方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特許第2505474号公報 特開平5−104618号公報
しかしながら、上記従来技術にて折り曲げ性やひねり性において改善されつつはあるが、その折り曲げ性が良好であるがために、製膜時または加工時において従来では問題にならなかった折れ込みシワの発生が新たな問題となっている。つまり、製膜時の巻き取りやスリット時の巻き取り、さらには印刷工程やひねり包装加工時において、フイルムが折れ易いがために厚み斑が大きいと折れ込みシワが発生し生産性が悪化するといった問題があり、上記従来技術のみでは充分でなく、更なる改善が求められている。
本発明の目的は、製膜工程または加工工程において折れ込みシワの発生によるトラブルがなく安定生産が可能な包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルム及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明らは鋭意検討の結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、以下の構成を採用するものである。
1.フイルムの下記厚み斑(%)が5%以下で、かつ下記残留ひずみ(%)が3.3%以上であることを特徴とするひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルム。
厚み斑(%)=((dmax―dmin)/d)×100
dmax:厚みの最大値、dmin:厚みの最小値、d:厚みの平均値。
残留ひずみ(%):JIS C2318に準じて、フイルム長手方向の8%伸張のヒス テリシス曲線を求め、張力緩和時の応力が0となった時の残存ひずみ長さの伸張前長さ に対する割合。
2.前記1記載のひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムであって、該フイルムの摩擦係数が0.25〜0.60であることを特徴とするひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルム。
3.押出し機により溶融混練されたポリエステル樹脂をキャストして実質的に非晶状態の未延伸フイルムを得て後、長手方向に延伸し、次いで幅方向に延伸し、熱処理をする製膜工程において、長手方向に延伸する際の条件として、1段目の延伸温度をフイルムのガラス転移温度Tg+5℃以上からTg+25℃以下の範囲とし、1.5倍から2.5倍の範囲で延伸し、フイルムの縦方向の屈折率(NX)と横方向の屈折率(NY)との差(NX−NY)が0.08を超えないように延伸し、次いで2段目の延伸温度をTg+15℃以下として2.0倍から3.0倍の範囲で延伸して、フイルムのNX−NYを0.08〜0.13の範囲とすることを特徴とするひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムの製造方法。
本発明のひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムは、従来から使用されてきたセロファンと異なり、フイルム特性が季節変動による影響を受けることなく一定品質を保ち安定供給することができ、二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムの優れた特性を維持しつつ、良好なひねり性を具備している。さらには、延伸条件を適宜組み合わせることによりフイルムの長手方向の屈折率(NX)と幅方向の屈折率(NY)の差(NX−NY)を特定範囲とすることで、厚み斑が向上し、製膜工程や加工工程において折れ込みシワが発生することなく、従来のひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムの欠点であった生産性の低下がなく、実用性あるポリエステル樹脂二軸延伸フイルムを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における厚み斑は、幅(横延伸)方向に3m、長手(縦延伸)方向に5cmの長さの連続したテープ状サンプルを巻き取り、フイルム厚み連続測定機(アンリツ株式会社製)にてフイルムの厚みを測定し、レコーダーに記録したチャートより、フイルム厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出したものである。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。また、幅方向の長さが3mに満たない場合は、つなぎ合わせて行う。なお、つなぎの部分はデータから削除する。
厚み斑(%)=((dmax―dmin)/d)×100
また、本発明における8%伸張ヒステリシス曲線とは、JIS C2318に準じて、測定試料の両端を定速緊張形引張試験機で把持し一定速度で8%までの伸張ひずみを与え、ついでひずみを緩和させる操作を行い、その時のひずみを横軸、応力を縦軸にとって描かせた曲線をいう。かかるヒステリシス曲線において、ひずみを緩和させて応力が0となった時のひずみ量は、測定試料に残存しているひずみ量を示し、残留ひずみ(%)とは、該残存ひずみ長さの伸張前長さ(原測定試長)に対する割合(%)ことである。
また、本発明における摩擦係数はASTM−D1894に準じて測定した値であり、23℃×65%RHの環境下にて測定したものである。
本発明の二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムを構成するポリエステル樹脂に含まれるポリエチレンテレフタレートの量は、好ましくは10〜94重量%であり、さらに好ましくは40〜65重量%である。10重量%を下まわると得られたフイルムの耐熱性が低下する。逆に94重量%を超えるとフイルムの腰が強くなり、ひねり性が悪化する。なお、上記ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、好ましくは0.45〜1.30dl/gであり、さらに好ましくは0.50〜1.20dl/gである。フイルム製膜上にて安定生産が可能であれば特に限定されない。
また、本発明を構成するポリエステル樹脂組成物に含まれるガラス転移温度が35℃以上のポリエステルおよび/または共重合ポリエステルの量は、好ましくは5〜50重量%であり、さらに好ましくは10〜45重量%である。5重量%を下まわるとひねり性が悪化する。逆に50重量%を超えると得られたフイルムの耐熱性が低下して、印刷や蒸着等の加工時にフイルム寸法変化が大きくなり加工性にて問題となる。なお、上記ポリエステルおよび/または共重合ポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.45〜1.30dl/gであり、さらに好ましくは0.50〜1.20dl/gである。フイルム製膜上にて安定生産が可能であれば特に限定されない。
本発明に用いられるガラス転移温度が35℃以上のポリエステルおよび/または共重合ポリエステルとしては、下記のようなものが挙げられる。ポリエステルは、ガラス転移温度が35℃以上であれば、特に限定されない。共重合ポリエステルは、例えばテレフタル酸およびエチレングリコールを主成分とし、他の酸成分および/または他のグリコール成分を共重合成分として含有するポリエステルである。他の酸成分としては、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の脂肪族のニ塩基酸や、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、5−第3ブチルイソフタル酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニルー4,4−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,1,3−トリメチルー3−フェニルインデンー4,5−ジカルボン酸等の芳香族のニ塩基酸が用いられる。グリコール成分としては、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオールまたはキシレングリコール、ビス(4−β−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン誘導体等の芳香族ジオールが用いられるが、ガラス転移温度が35℃以上のポリエステルおよび/または共重合ポリエステルであれば特に限定はされない。
さらに、本発明を構成するポリエステル樹脂組成物に含まれるガラス転移温度が34℃以下のポリエステルおよび/または共重合ポリエステルの量は、好ましくは1〜40重量%であり、さらに好ましくは5〜30重量%である。1重量%を下まわるとひねり性が悪化する。逆に40重量%を超えると得られたフイルムの融点が低下するため、耐熱性が低下し印刷や蒸着等の加工時にフイルム寸法変化が大きくなり問題となる。また、結晶性が高くなることより安定製膜が困難になり生産上問題となる。上記ポリエステルおよび/または共重合ポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.50〜1.50dl/gであり、さらに好ましくは0.60〜1.40dl/gである。フイルム製膜上にて安定生産が可能であれば特に限定されない。
本発明に用いられるガラス転移温度34℃以下のポリエステルおよび/または共重合ポリエステルとしては、以下のようなものが挙げられる。ポリエステルはガラス転移温度が34℃以下であれば特に限定されない。共重合ポリエステルは、例えばテレフタル酸および/またはイソフタル酸とエチレングリコールとを主成分とし、他の酸成分および/または他のグリコール成分を共重合成分として含有するポリエステルである。他の酸成分としては、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、イソフタル酸等の脂肪族のニ塩基酸などが用いられる。他のグリコール成分としては、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオールなどが用いられる。あるいはこれらのポリエステルとポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテルとのブロック共重合体が用いられるが、ガラス転移温度34℃以下のポリエステルおよび/または共重合ポリエステルであれば特に限定はされない。
上記ポリエステルおよび/またはポリエステル共重合体は、従来の方法により製造され得ることができる。例えば、酸性分とグリコール成分とを直接反応させる直接エステル化法、酸成分としてのエステルとグリコール成分とを反応させるエステル交換法などが挙げられるが、特に製造方法について限定はされない。
上記組成物中には、ポリエステル成分の他に必要に応じて各種添加剤が含有されても良い。添加剤としては二酸化チタン、微粒子シリカ、カオリン、炭酸カルシウム等の無機滑剤やアクリル系架橋高分子よりなる微粒子の材料として、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体からなる架橋高分子等の有機滑剤が挙げられる。また、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線防止剤、着色剤、染料等を単独で含有しても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明において得られるポリエステル樹脂フイルムは、前記の条件で測定した厚み斑(%)が、5%以下であることが必要であり、好ましくは4%以下である。ここでいう厚み斑は製膜時または加工時において折れ込みシワの発生に関与し、安定した生産性を得るために重要である。該厚み斑が5%を超える場合は製膜時または加工時において折れ込みシワが発生し易くなり、トラブルの原因になる。またフイルムの厚み斑はより小さい方が望ましいが、例えばフイルムの厚み斑を1%以下にすることは技術的難度が高く、かつ実用上の品質や生産性に大きな差が見られないので特に限定はされない。
また本発明において得られるポリエステル樹脂フイルムは、例えば内容物としてチョコレートやキャンディーや米菓などの菓子類を個々に包装する点からフイルムの厚みは10〜30μmであることが好ましい。より好ましいフイルム厚みは14〜25μmである。フイルム厚みが10μm未満であると、上記内容物を個々にひねり包装した時、両端のひねり部でフイルム破れが発生し、また内容物の角でもフイルム破れが発生しトラブルとなりひねり包装用途として実用的でない。一方フイルム厚みが30μmを越えると、菓子類の包装用途としてはコストが高くなる。
このような厚み斑の小さいポリエステル樹脂フイルムを得る方法としては、たとえば次のような方法にて製造することができる。
すなわち、押出し機により溶融混練された前記樹脂をキャストして実質的に非晶状態の未延伸フイルムを得る。その後、長手方向に延伸して次いで幅方向に延伸し、熱処理をする製膜工程において、まずは長手方向に延伸する際の条件として、1段目の延伸温度をフイルムのガラス転移温度Tg+5℃以上からTg+25℃以下の範囲とし、1.5倍から2.5倍の範囲で延伸し、フイルムの縦方向の屈折率(NX)と横方向の屈折率(NY)の差(NX−NY)が0.08を超えないように延伸する。次いで2段目の延伸温度をTg+15℃以下として2.0倍から3.0倍の範囲で延伸して、フイルムのNX−NYを0.08〜0.13の範囲とする。ここで、延伸温度と延伸倍率は適宜に組み合わせることができ、長手方向の延伸終了時にフイルムのNX−NYが0.08〜0.13の範囲とすることが重要となる。
NX−NYが0.05より小さいと残留ひずみは大きくひねり性は良好とはなるものの、厚み斑が延伸不充分のために改善できない。NX−NYが0.05から0.08より小さいと厚み斑は改善できるが、フイルムの摩擦係数が高くならず所望の滑り性が得られなく問題となる。一方で、フイルムNX−NYが0.13を超えると厚み斑は改善され、滑り性も摩擦係数も高くなり良好となるが、フイルムの残留ひずみが小さくなりひねり性が不充分となる。さらにはNX−NYが0.18を超えると長手方向の延伸の影響により厚み斑が悪化する。フイルムのNX−NYが0.20を超えると摩擦係数が高くなり、フイルムの滑り性が悪化する。NX−NYが0.23を超えるとフイルムの厚み斑がさらに大きくなり、次いで行う横延伸時に破断が多発する。
つまり、1段目の延伸温度と延伸倍率の組み合わせと2段目の延伸倍率と延伸温度の変更によって、厚み斑を悪化させることなく、さらにはひねり性良好となることを両立した条件をフイルムの配向度を示す屈折率差(NX−NY)を上記範囲にすることで達成できることを見出したのである。
次いで幅方向に延伸する際の条件としては、延伸倍率は4倍以上、延伸温度は45℃以上から結晶化ピーク温度(Tcc)以下の範囲であることが好ましい。延伸温度がTccを超える温度では、フイルムの厚み斑が大きくなるので好ましくない。また熱処理をする際の条件としては、熱処理温度を結晶化ピーク温度(Tcc)からフイルム融点Tm−15℃以下とすることが好ましい。
本発明のフイルムの熱処理温度は、(融点Tm―15℃)〜(融点Tm―30℃)より好ましくは(融点Tm―18℃)〜(融点Tm―25℃)であり、熱処理時間は0.5秒〜10秒の範囲で行うのが好ましい。さらに冷却過程で幅方向に対して0.1%〜2%の範囲で弛緩を目的とした熱処理を行う。弛緩熱処理は1段でも良いし、多段で行っても良く、温度分布の変化を設けても良い。ただし、上記製膜方法以外により本発明のフイルムを得てもかまわない。
本発明において、前記残留ひずみ(%)は3.3%以上でなければならない。さらに好ましくは3.6%以上である。残留ひずみはひねり性と関係があるために3.3%より小さいとひねり性が悪化して問題となる。
本発明において得られるポリエステル樹脂フイルムの23℃×65%RHの環境下における摩擦係数は0.25〜0.60であることが好ましい。23℃×65%RHの環境下での摩擦係数が0.25未満であると、ひねり加工した時ひねり後の戻りが大きくなり、充分なひねり性が得られず好ましくない。また、23℃×65%RHの環境下での摩擦係数が0.60を越えると、フイルム製膜時でのロール状での巻取りや必要幅へのスリット時にシワが混入する。さらには後工程である印刷や蒸着加工、帯電防止用コート時にもガイドロールにてフイルムに縦状のシワが発生して問題となる。このとき、摩擦係数は0.25〜0.50が好ましい。更に好ましくは、0.30〜0.45である。
本発明のポリエステル樹脂フイルムには、目的に応じて例えばコロナ放電処理,プラズマ処理,オゾン処理,薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、公知のアンカー処理剤を用いたアンカー処理等が施されていてもよい。また、帯電防止用コート剤としては例えば、アルキルスルホン酸、グリセリンエステル、ポリグリセンエステル等であり、帯電防止性を付与できるものであれば特に限定されない。コート方法は、従来公知の方法であるリバースロールコーティング法、ロールナイフコーティング法、ダイコーティング法、グラビアコーティング法等などであれば特に限定はされない。さらには、インラインによるコーティングによるコートであってもかまわない。
本発明の具体的な使用例として、たとえば、帯電防止剤としてアルキルスルホン酸ナトリウムを用い、水とイソプロピルアルコールを混合した溶媒に溶解した後、ドライ後のコート量が0.007g/m2となるようにグラビアコーティング法にて帯電防止用コートする方法が挙げられる。また、この時の乾燥温度は80℃であることが好ましい。
次に実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。なお、実施例および比較例で得られたフイルムの物性の測定方法は、以下の通りである。
試験方法
(1)フイルム厚み
フイルム厚みは、ミリトロンを用い、1枚当たり5点を計3枚の15点を測定し、その平均値とした。
(2)フイルム厚み斑
幅(横延伸)方向に3m、長手(縦延伸)方向に5cmの長さの連続したテープ状サンプルを巻き取り、フイルム厚み連続測定機(アンリツ株式会社製)にてフイルムの厚みを測定し、レコーダーに記録した。チャートより、フイルム厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出した。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。また、幅方向の長さが3mに満たない場合は、つなぎ合わせて行う。なお、つなぎの部分はデータから削除する。
厚み斑(%)=((dmax―dmin)/d)×100
(3)Tcc(結晶化ピーク温度)、Tg(ガラス転移点)及びTm(融点)
ロボットDSC(示差走査熱量計)RDC220(セイコー電子工業(株)製)にSSC5200ディスクステーション(セイコー電子工業(株)製)を接続して測定した。
試料10mgをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)、300℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素中を用いて急冷処理した。この試料を10℃/分で昇温し、そのDSCチャートから結晶化ピーク温度(Tcc)、ガラス転移点(Tg)及びTm(融点)を測定した。
(4)屈折率
JIS7105の方法により、アタゴ(株)製アッベ屈折計4形で測定した。なお、接触液は、ジヨードメタンを使用した。
(5)固有粘度
チップサンプル0.1gを精秤し、25mLのフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)の混合溶媒に溶解し、オストワイルド粘度計を用いて30℃で測定した。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。
(6)製膜性
フイルム製膜時、ロール状での巻き取り部における折れ込みシワ発生について目視により評価した。巻き取り部のフイルム巻き取り速度は150m/分であった。結果を下記のとおり分類評価した。なお、評価したフイルムの長さは4500mである。
○:折れ込みシワ発生なし
△:若干折れ込みシワ発生あり
×:折れ込みシワ発生し問題あり
(7)機械適性
ひねり包装機テンチ社製TN−A700型にて、フイルム走行時の折れ込みシワ発生について評価した。ひねり包装機のフイルム走行速度は、4m/分であった。結果を下記のとおり分類評価した。なお、評価したフイルムの長さは400mである。
○:折れ込みシワ発生なし
△:若干折れ込みシワ発生あり
×:折れ込みシワ発生し問題あり
(8)残留ひずみ
JIS−C2318の5.3.3に準じて、フイルム長手方向の8%伸張のヒステリシス曲線を作成し、張力緩和時の応力が0となった時の残存ひずみ長さの伸張前長さに対する割合(%)を求めた。なお、試験片の引張り速度は50mm/分とした。
(9)滑り性
滑り性評価は、ASTM−D1894に従い、23℃×65%RHの環境下にて摩擦係数を求めることにより評価した。
(10)ひねり性
テンチ社製ひねり包装機TA200型を用い、200個/分の速度にてひねり包装を行った。フイルムは1.5回転(540度)ひねられて個包装となる。その後若干の戻りがあった後のひねりが保持された角度を測定。(以下「ひねり保持角度」と表記する)
この保持角度が大きいほどひねり性は優れており、下記のとおり分類評価した。
○:ひねり保持角度が240度以上
△:ひねり保持角度が180度以上、240度未満
×:ひねり保持角度が180度未満
(実施例1〜3、比較例1〜5)
酸成分としてテレフタル酸100mol%、グリコール成分としてエチレングリコール70mol%および1,4−シクロヘキサンジメタノール30mol%を用いて共重合ポリエステル樹脂(A)を調整し得た。(A)のガラス転移温度は77℃であり、固有粘度は0.75dl/gであった。次ぎに酸成分としてテレフタル酸100mol%、グリコール成分としてブタンジオール100mol%を用いて共重合ポリエステル樹脂(B)を調整し得た。(B)のガラス転移温度は30℃であり、固有粘度は1.22dl/gであった。
次いで得られた共重合ポリエステル樹脂(A)を35重量%、共重合ポリエステル樹脂(B)を10重量%、ポリエチレンテレフタレート(固有粘度は0.62dl/g)を55重量%の割合にて混合した。さらに該混合物の重量に対し0.02重量%となるようにシリカを添加剤として加えポリエステル組成物を得た。該ポリエステル組成物を押出し機にて溶融混練し、溶融混錬したものをTダイに供給し、Tダイ内部より樹脂温度290℃になるように押出し、更に温度30℃のキャスティングロールにてキャスティングし、冷却固化した。該キャストフイルムのTgは70℃でTccは144℃さらにTmは251℃であった。該キャストフイルムを表1の条件で長手方向にロール式延伸機にて2段階の延伸帯域で延伸して一軸延伸フイルムとした。次いで該フイルムをテンターにて表1の条件で幅方向に延伸した後、223℃で熱処理して厚さ16μmの二軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムの製膜条件を表1、該フイルムの特性を表2に示した。
Figure 0004378623
Figure 0004378623
本発明のひねり包装用二軸ポリエステル樹脂フイルムは、二軸ポリエステル樹脂フイルムの優れた特性である耐熱性、保香性、耐水性等を失うことなく実用面の特性を維持しつつひねり包装性に優れたフイルムであり、しかも製膜工程や加工工程において折れ込みシワが発生することなく、生産性が良いため、ポリエステル樹脂フイルムでありながら、実用性あるひねり包装用フイルムとして幅広くひねり包装用途分野に利用できる。

Claims (1)

  1. 押出し機により溶融混練されたポリエステル樹脂をキャストして非晶状態の未延伸フイルムを得て後、長手方向に延伸し、次いで幅方向に延伸し、熱処理をする製膜工程において、長手方向に延伸する際の条件として、1段目の延伸温度をフイルムのガラス転移温度Tg+5℃以上からTg+25℃以下の範囲とし、1.5倍から2.5倍の範囲で延伸し、フイルムの縦方向の屈折率(NX)と横方向の屈折率(NY)との差(NX−NY)が0.08を超えないように延伸し、次いで2段目の延伸温度をTg+15℃以下として2.0倍から3.0倍の範囲で延伸して、フイルムのNX−NYを0.08〜0.13の範囲とすることを特徴とするひねり包装用二軸延伸ポリエステル樹脂フイルムの製造方法。
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