JP4378522B2 - 炭酸バリウムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はチタン酸バリウム等電子材料の原料としても好適な炭酸バリウムの製造方法に関し、また、該炭酸バリウムによって得られるチタン酸バリウムに関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸バリウムは、光学ガラス、ブラウン管ガラス、ガラスファイバー等ガラス用途の他、バリウムフェライトやセラミックコンデンサー用チタン酸バリウムの製造材料として用いられ、また、電解塩水等における硫酸イオンの除去剤、タイル・陶磁器・ホウロウの釉薬等窯業用等にも利用されている。特に、この炭酸バリウムと二酸化チタンとの混合焼成によってつくられる前記チタン酸バリウムは、誘電率が高く容易に焼結できるので、小型化あるいは薄型化と共に高性能化がますます要求されてきている電子機器用の積層コンデンサー等電子部品材料として注目されている。
【0003】
従来、この炭酸バリウム(BaCO3 )の製造方法としては、
(1) 重晶石(BaSO4 )を無煙炭等の炭素と共に還元焙焼して硫化バリウムを得、この硫化バリウムの水溶液に、炭酸ソーダ等可溶性炭酸塩の水溶液を反応させるかまたは二酸化炭素ガスを作用させて炭酸バリウム殿物を得る方法が知られている。これらの反応は次式のように表される。
BaSO4 +2C→BaS+2CO2
BaS+Na2 CO3 →BaCO3 +Na2
BaS+CO2 +H2 O→BaCO3 +H2 S↑
この方法は硫化バリウムを中間体として工業的に炭酸バリウムを得る方法として知られている。
【0004】
(2) 炭酸バリウムの他の製法として、前記の硫化バリウムに塩酸を作用させて得られる塩化バリウムを炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムと反応させる方法が知られている。
これらの反応は次式のように表される。
BaCl2 +(NH42 CO3 →BaCO3 +2NH4 Cl
BaCl2 +NH4 HCO3 +NH3 →BaCO3 +2NH4 Cl
【0005】
(3) また、炭酸バリウムの他の製造方法として、塩化バリウムとカセイソーダとの反応によって得られる水酸化バリウムに二酸化炭素ガスを反応させる方法が知られている。
この反応は次式のように表される。
Ba(OH)2 +CO2 →BaCO3 +H2
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したような電子機器の小型薄型化志向に対処して、コンデンサー等電子部品用としてのチタン酸バリウムおよびその素材についても微粒化が要望されている。すでに二酸化チタンについてはBET吸着法により測定した比表面積が40 m2/g程度までの微粒化が可能となり、その要望が満たされているが、炭酸バリウムについてはBET吸着法により測定した比表面積が2 m2/g程度のものが使用されているに過ぎず、その微粒度については未だ満足するべき状況にない。即ち、炭酸バリウムの比表面積が小で粒子径が大きいと、これを原料とするチタン酸バリウムの微細化が達し得られず、比表面積5 m2/g以上の微粒炭酸バリウムが求められていた。また、比表面積が40 m2/gを越えて粒子径が小さくなり過ぎると、チタン酸バリウム製造の際、固まり易く、均一混合が困難になり、作業性に影響する。
【0007】
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、比較的安価な手段で、粒度が小さく且つ微粒チタン酸バリウムの製造に適した炭酸バリウムを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、第1に、バリウム塩水溶液と炭酸塩水溶液をアスコルビン酸の存在下で反応させることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法;第2に、バリウム塩水溶液と二酸化炭素をアスコルビン酸の存在下で反応させることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法;第3に、バリウム塩水溶液と炭酸塩水溶液をピロリン酸の存在下で反応させることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法;第4に、バリウム塩水溶液と二酸化炭素をピロリン酸の存在下で反応させることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法;第5に、バリウム塩水溶液と炭酸塩水溶液をアスコルビン酸とピロリン酸の存在下で反応させることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法;第6に、バリウム塩水溶液と二酸化炭素をアスコルビン酸とピロリン酸の存在下で反応させることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法;第7に、前記バリウム塩水溶液が当量以上に過剰量のバリウム塩を含むことを特徴とする前記第1〜第6のいずれかに記載の炭酸バリウムの製造方法;第7に、前記第1〜第7のいずれかに記載の製造方法で得られた比表面積が5〜40 m2/gの粒子からなることを特徴とする炭酸バリウム;二酸化チタンと前記第8記載の炭酸バリウムとから製造されることを特徴とするチタン酸バリウムを提供するものである。
【0009】
【発明の実施の態様】
アスコルビン酸および/またはピロリン酸の存在下で、バリウム塩水溶液と炭酸塩水溶液または二酸化炭素ガスと反応させることにより、微粒炭酸バリウムが沈殿する。即ち、可溶性バリウム塩と可溶性炭酸塩および/または二酸化炭素の反応により炭酸バリウムが生成すると同時に、添加されたアスコルビン酸またはピロリン酸はバリウム塩を生成して生成炭酸バリウム粒子の表面に沈着し、炭酸バリウム塩粒子の成長を抑制するものと考えられる。
アスコルビン酸とピロリン酸の選択については、作業性およびコストを考えると、ピロリン酸の方が優れているが、後工程がリンの存在を嫌う場合には、アスコルビン酸の方が好ましい。両者の選択および混合使用については、作業性、コスト及び後工程の要請によって適宜決定を行えばよい。
【0010】
アスコルビン酸および/またはピロリン酸は、その添加時期は特に限定されないが、予めバリウム塩水溶液に添加しておくか、あるいは炭酸塩水溶液および/または二酸化炭素の添加・吹き込み時に添加する等により反応系に存在させることができる。得られた炭酸バリウム殿物は、ろ過、水洗、乾燥、粉砕の工程を経て製品とする。
【0011】
これにより、硫化バリウム等可溶性バリウム塩を出発原料として、比表面積が大きく、従ってチタン酸バリウムの原料としても好適な比表面積が約5〜40m2/gの平均粒子径の小さい炭酸バリウムを得ることができる。
【0012】
なお、微粒子の粒子径を直接求めるのは難しく、一般に粒子の比表面積から平均粒子径が求められている。即ち、通常、粉末試料に気体または液体等の分子圧を作用させ、その圧力と粉体表面の分子吸着量との関係式から求めるBET吸着法による比表面積が微細度の指標として採用されている。このように粒子の平均粒子径は比表面積の関数であり、比表面積が大になるに従って、平均粒子径は小となる。
【0013】
本発明の可溶性バリウム塩は、硫化バリウム、塩化バリウム、水酸化バリウム、硝酸バリウム等が挙げられる。このような可溶性バリウム塩は工業的に入手できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、重晶石から還元焙焼で得られる硫化バリウムは、比較的安価であり、現在、殆どすべてのバリウム化合物の場合と同様、炭酸バリウムの製造においてもこの可溶性硫化バリウムを中間体として有利に利用できる。
【0014】
また、炭酸塩水溶液としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムが挙げられる。炭酸ソーダは、硫化バリウムを原料とする場合、硫化ソーダが副生し不純物として取り込まれるので高品位の炭酸バリウムを得るには不利である。
【0015】
反応は、前記のように予め硫化バリウム水溶液等のバリウム塩水溶液を調製しておき、攪拌下で炭酸塩水溶液または二酸化炭素を吹き込むかまたは添加することにより行われるが、微粒炭酸バリウムを得るには、可溶性バリウム塩は可溶性炭酸塩または二酸化炭素に対して理論当量以上に過剰な状態とすることが望ましい。過剰量の可溶性バリウム塩の添加により、アスコルビン酸やピロリン酸のバリウム塩の生成が迅速に行われ、同時に析出する炭酸バリウムへの沈着が早期に行われるため、炭酸バリウムの微細化が促進されるものと考えられる。
【0016】
アスコルビン酸またはピロリン酸は、可溶性バリウム塩と可溶性炭酸塩および/または二酸化炭素との反応時に反応系に存在していればよく、添加方法としては、通常、アスコルビン酸においては粉末を、ピロリン酸においては300〜500g/l程度の水溶液を調製しておき、この粉末あるいは水溶液を必要時に添加する。また、アスコルビン酸またはピロリン酸の添加量は、生成する炭酸バリウムに対して0.1〜10wt%、好ましくは、1〜5wt%程度である。アスコルビン酸とピロリン酸は上記の添加量の範囲内で混用することもできる。
【0017】
反応条件は、原料の可溶性バリウム塩や可溶性炭酸塩また二酸化炭素によって異なり、特に限定されることはないが、反応温度は低温であればある程、得られる炭酸バリウムの粒子径は小さくなることが確認されており、可溶性バリウム塩と可溶性炭酸塩および/または二酸化炭素は30℃以下で反応させることが望ましい。
上記方法で得られる炭酸バリウムのBET吸着法により測定した比表面積は約5〜40 m2/gで、この比表面積から算出された平均粒子径は約0.006〜0.135μmであり、粒度が微細な炭酸バリウムが得られる。また、得られた微粒炭酸バリウムは表面活性度が維持され、チタン酸バリウムの原料として使用する場合、極めて反応性の高いものとなる。
本発明により得られた比表面積5〜40 m2/gの炭酸バリウムと比表面積40 m2/g程度の二酸化チタンを混合し、仮焼、粉砕、本焼成することで、比表面積5 m2/gを越える微粒のチタン酸バリウムを得ることができる。
【0018】
【実施例】
〔実施例1〕
5個の反応容器内の硫化バリウム115g/lを含有する水溶液500mlにアスコルビン酸を各々粉末で0.1g、0.25g、0.5g、2.5gを添加して溶解させ、試料番号1、2、3、4の反応液とした。なお、前記アスコルビン酸の添加濃度は、それぞれ、0.2g/l、0.5g/l、1.0g/l、5.0g/lであり、化学反応式から予想される炭酸バリウム量に対する添加率はそれぞれ0.15wt%、0.38wt%、0.75wt%および3.75wt%に相当する。
【0019】
次いで、各反応液中に炭酸ガスを0.7 l/分の速度で吹き込んで反応させた。この時の反応温度は35〜40℃で、pH7.0の中和した時点で反応終了とした。反応終了後、ろ過水洗し、乾燥を行い、ユアサアイオニクス社製の比表面積測定器モノソープを用いてBET吸着法による比表面積の測定を行った。
その結果を表1に示した。
また、比較例として、アスコルビン酸を添加しない反応液を試料番号5として同様処理を行い、得られた炭酸バリウムについて比表面積を測定した結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
Figure 0004378522
【0021】
以上のように、アスコルビン酸を0.2〜5.0g/lの濃度(得られる炭酸バリウム量に対しては0.15〜3.75wt%)で添加したものは、比表面積が5.5 m2/g以上、特に、添加濃度が5.0g/lを添加したものは、比表面積が17.0 m2/gの微細な炭酸バリウムを得ることができた。アスコルビン酸を添加しなかったものは、同じ処理条件でも、比表面積が3.9 m2/gであり、アスコルビン酸の添加効果が確かめられた。
【0022】
〔実施例2〕
塩化バリウムの二水塩166g/l、水溶液500mlとアスコルビン酸を各々粉末で、2.5g、5.0gをそれぞれ別個の反応容器に仕込み、塩化バリウムとアスコルビン酸を溶解させ、試料番号6、7の反応液とした。なお、前記アスコルビン酸の添加濃度は、それぞれ、5.0g/l、10.0g/lであり、反応式から予想される生成炭酸バリウム量に対する添加率はそれぞれ3.75、7.50wt%に相当する。
【0023】
炭酸ガスとの反応で塩酸が生成されるため、この酸を中和する目的で25wt%アンモニア水を当量分添加した。
次いで、当該反応液中に炭酸ガスを0.5 l/分の速度で吹き込み、反応を行わせた。この時の反応温度は20〜28℃で、pH7.0の中和した時点で反応終了とした。反応終了後、ろ過水洗し、乾燥を行い、ユアサアイオニクス社製の比表面積測定器モノソープを用いてBET吸着法による比表面積を測定した。
結果を表2に示した。
また、比較例として、アスコルビン酸を添加しない反応液を試料番号8として同様処理を行ない、得られた炭酸バリウムについて、比表面積を測定した結果を表2に示した。
【0024】
【表2】
Figure 0004378522
【0025】
以上のように、塩化バリウム水溶液に、アスコルビン酸を5.0、10.0g/lの濃度(得られる炭酸バリウムの量に対して3.75,7.50wt%)で添加することにより、比表面積が7.0、9.7 m2/gの微細な炭酸バリウムを得ることができた。
なお、アスコルビン酸を添加しなかったものは、比表面積が1.8 m2/gで、アスコルビン酸の添加効果が確認された。
【0026】
〔実施例3〕
塩化バリウムの二水塩166g/l水溶液500mlと、ピロリン酸400g/l水溶液12.5mlを反応容器に仕込み、塩化バリウムとピロリン酸を溶解させ、試料番号9の反応液とした。なお、前記ピロリン酸の添加濃度は、10.0g/lであり、化学反応式から予想される炭酸バリウム生成量に対する添加率は、7.50wt%に相当する。
なお、炭酸ガスとの反応で塩酸が生成されるため、この酸を中和する目的で25%アンモニア水を当量分添加した。
【0027】
次いで、当該反応液中に炭酸ガスを0.5 l/分の速度で吹き込み、反応を行わせた。この時の反応温度は20〜28℃で、pH8.5の中和時点で反応終了とした。反応終了後、ろ過水洗し、乾燥を行い、ユアサアイオニクス社製の比表面積測定器モノソープを用いてBET吸着法による比表面積を測定した。
結果を表3に示した。
また、比較例として、ピロリン酸を添加しない反応液を試料番号10として、同様処理を行い、得られた炭酸バリウムについて、比表面積を測定した結果を表3に示した。
【0028】
【表3】
Figure 0004378522
【0029】
以上のように、塩化バリウム水溶液にピロリン酸を10.0g/lの濃度(得られる炭酸バリウムの量に対して7.50wt%)で添加することにより、比表面積が9.0 m2/gの炭酸バリウムが得られた。
ピロリン酸を添加しなかったものは、同じ処理条件で、得られた炭酸バリウムの比表面積が1.8 m2/gで、ピロリン酸の添加効果が確かめられた。
【0030】
[実施例4]
硝酸バリウム100g/l水溶液500mlとアスコルビン酸を各々0.5g、2.5gをそれぞれ別個の反応容器に仕込み、硝酸バリウムとアスコルビン酸を溶解させ、試料番号11、12の反応液とした。なお、前記アスコルビン酸の添加濃度は、それぞれ、1.0g/l、5.0g/lであり、化学反応式から予想される生成炭酸バリウム量に対する添加率はそれぞれ0.75wt%と3.75wt%に相当する。
炭酸ガスとの反応で硝酸が生成するため、この酸を中和する目的で25%アンモニア水を当量分添加した。
次いで、該反応液中に炭酸ガスを0.5 l/分の速度で吹込み、反応を行わせた。この時の反応温度は28〜31℃で、pH8.5の中和時点で反応終了とした。反応終了後、濾過水洗し、乾燥を行い、ユアサアイオニクス社製の比表面積測定器モノソープを用いてBET吸着法の比表面積を測定した。
結果を表4に示した。
なお、比較例として、アスコルビン酸を添加しない反応液を試料番号13として調製し、同様処理を行い、得られた炭酸バリウムについて比表面積を測定した結果を同じく表4に示した。
【0031】
【表4】
Figure 0004378522
【0032】
以上のように、硝酸バリウム水溶液にアスコルビン酸を1.0g/lと5.0g/lの濃度(得られる炭酸バリウムの量に対して0.75wt%と3.75wt%)で添加したことにより比表面積が5.5 m2/gと6.9 m2/gの炭酸バリウムが得られた。
アスコルビン酸を添加しなかったものは、同じ処理条件で、得られた炭酸バリウムの比表面積は3.7 m2/gで、アスコルビン酸の添加効果が確かめられた。
【0033】
〔実施例5〕
水酸化バリウムの八水塩75g/l水溶液500mlとアスコルビン酸を各々粉末で0.5g、2.5g、5.0gをそれぞれ別個の反応容器に仕込み、水酸化バリウムとアスコルビン酸を溶解させ、試料番号14、15、16の反応液とした。なお、前記アスコルビン酸の添加濃度は1.0g/l、5.0g/l、10.0g/lであり、化学反応式から予想される生成炭酸バリウム量に対する添加率はそれぞれ0.75wt%、3.75wt%、7.50wt%に相当する。
【0034】
次いで当該反応液中に炭酸ガスを0.5 l/分の速度で吹き込み、反応を行わせた。この時の反応温度は38〜40℃で、pH7.0の中和時点で反応終了とした。反応終了後、ろ過水洗し、乾燥を行い、ユアサアイオニクス社製の比表面積測定器モノソープを用いてBET吸着法による比表面積を測定した。
結果を表5に示した。
また、比較例として、アスコルビン酸を添加しない反応液を試料番号17として調製し、同様処理をおこない、得られた炭酸バリウムについて比表面積を測定した結果を表5に示した。
【0035】
【表5】
Figure 0004378522
【0036】
以上のように、水酸化バリウム水溶液にアスコルビン酸を1.0g/l、5.0g/l、10.0g/lの濃度(得られる炭酸バリウムの量に対して0.75wt%、3.75wt%、7.50wt%)で添加したことにより比表面積が14.7m2/g、30.6 m2/g、36.4 m2/gという微細な炭酸バリウムを得ることができた。
なお、アスコルビン酸を添加しなかったものは、同じ処理条件で、得られた炭酸バリウムの表面積は4.0 m2/gで、アスコルビン酸の添加効果が確かめられた。
【0037】
〔実施例6〕
水酸化バリウムの八水塩75g/l水溶液500mlと、ピロリン酸400g/lの水溶液1.25ml、6.25ml、12.5mlをそれぞれ別個の反応容器に仕込み、水酸化バリウムとピロリン酸を溶解させ、試料番号18、19、20の反応液とした。なお、前記ピロリン酸の添加濃度は、それぞれ、1.0g/l、5.0g/l、10.0g/lであり、化学反応式から予想される生成炭酸バリウム量に対する添加率はそれぞれ0.75wt%、3.75wt%、7.50wt%に相当する。
【0038】
次いで、当該反応液中に炭酸ガスを0.5 l/分の速度で、吹き込み、反応させた。この時の反応温度は、38〜40℃で、pH7.0の中和時点で反応終了とした。反応終了後、ろ過水洗し、乾燥を行い、ユアサアイオニクス社製の比表面積測定器モノソープを用いてBET吸着法による比表面積を測定した。
結果を表6に示した。
また、比較例として、ピロリン酸を添加しない反応液を試料番号21として調製し、同様処理を行い、得られた炭酸バリウムについて比表面積を測定した結果を表6に示した。
【0039】
【表6】
Figure 0004378522
【0040】
以上のように、水酸化バリウム水溶液にピロリン酸を1.0g/l、5.0g/l、10.0g/lの濃度(得られる炭酸バリウムの量に対して0.75wt%、3.75wt%、7.50wt%)で添加したことにより、比表面積が17.4 m2/g、17.7 m2/g、9.9 m2/gの微細な炭酸バリウムを得ることができた。 なお、ピロリン酸を添加しなかったものは、同じ処理条件で、得られた炭酸バリウムの比表面積は4.0 m2/gで、ピロリン酸の添加効果が確かめられた。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、可溶性バリウム塩水溶液と可溶性炭酸塩水溶液または二酸化炭素との反応系に、アスコルビンおよび/またはピロリン酸を添加する簡単な処理操作で、安価に、ほぼ5 m2/g以上の比表面積を有する微細な微粒炭酸バリウムを製造することができるという効果を奏し、従って、小型・薄型化を志向する電子部品用コンデンサ等に用いられるチタン酸バリウムの好適な原料を製造することができるという効果を奏する。
また、本発明の方法において、可溶性バリウム塩の過剰添加により、炭酸バリウムの微細化が促進できるという効果を奏する。さらに、この炭酸バリウムにより得られる微細なチタン酸バリウムにより、電子機器用として高性能の積層コンデンサー等電子部品材料が得られるという効果を奏する。

Claims (3)

  1. バリウム塩水溶液と炭酸塩水溶液をピロリン酸の存在下で反応させることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法。
  2. バリウム塩水溶液と二酸化炭素をピロリン酸の存在下で反応させることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法。
  3. 前記バリウム塩水溶液が当量以上に過剰量のバリウム塩を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の炭酸バリウムの製造方法。
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