JP4378114B2 - 処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルにほぼ水平な方向で搬送する搬送ラインを有する処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、LCD(液晶表示ディスプレイ)製造におけるレジスト塗布現像処理システムでは、LCD基板の大型化に対応するために、搬送ローラ等の搬送体を水平方向に敷設してなる搬送路上でLCD基板を水平に搬送しながら洗浄処理あるいは現像処理を行うようにした、いわゆる平流し方式の洗浄処理部や現像処理部を装備し、そのような平流し方式の処理部に合せてシステム全体をプロセスフローの順に概ね水平方向のラインに沿ってシリアルに並べるシステム構成またはレイアウトが普及している(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1にも記載されるように、この種のレイアウトは、システム中心部に横長の処理ステーションを配置し、その長手方向両端部にカセットステーションとインタフェースステーションとを配置する。カセットステーションでは、ステーション内のステージとシステム外部との間で未処理または処理済みの基板を複数枚収容するカセットの搬入出が行なわれるとともに、ステージ上のカセットと処理ステーションとの間で基板の搬入出が行なわれる。インタフェースステーションでは、隣接する露光装置と処理ステーションとの間で基板の受け渡しが行なわれる。
【0004】
処理ステーションは、カセットステーションを始点・終点とし、インタフェースステーションを折り返し点とする往路と復路の2列の搬送ラインを有する。一般に、往路は主として平流し型洗浄処理部の搬送ラインと塗布処理部の搬送ラインとで構成され、復路は主として平流し型現像処理部の搬送ラインで構成される。各搬送ラインの始端部および/または終端部には、熱板を備える枚葉式のオーブンユニットを多段に集約配置してなる一対のオーブンタワーが設置される。両オーブンタワーの間には、タワー内の各ユニットの間で基板を搬送するための昇降・旋回型の搬送ロボットが設けられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−334918号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような平流し方式の処理部をレイアウトの基準にして被処理基板をプロセスフローの順にシリアルにほぼ水平な方向で搬送する搬送ラインを有する処理システムは、LCD基板の大型化が進むにつれてフットプリント、特に長手方向のサイズも大きくなり、全長50mを越えるものも珍しくない。
【0007】
従来のこの種の処理システムでは、システムの一サイドから反対サイドへ人が行き来するにはシステムの一端部つまりカセットステーション側または露光装置側のいずれかを迂回するほかなかった。このため、メンテナンス時や火災等の災害発生時にシステムの一サイドから反対サイドへ人が移動するのにかなりの足労と時間を要していた。この問題は、システムの全長が増すほど周回距離もその2倍の割合で増大するため、益々深刻化する。
【0008】
また、従来のこの種の処理システムでは、たとえば製品ロット等の変わり目で搬送タクトが切り替わると異なる搬送ライン間で円滑に効率よく搬送タクトの調整を図るのが難しいという問題や、システム内の一部でプロセスフローが滞ると前後(特に上流側)の処理部で実行中の処理内容が影響を受けるという問題もあった。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、被処理基板をプロセスフローの順にシリアルにほぼ水平な方向で搬送する搬送ラインを有するシステムレイアウトにおいて、システムの両サイド間で人が迂回することなく簡単にかつ短時間で行き来できるようにした処理システムを提供することを目的とする。
【0010】
本発明の別の目的は、上記のようなシステムレイアウトにおいてプロセスフローまたは搬送フローの信頼性を向上させるようにした処理システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第の観点における処理システムは、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する往路の第1の搬送ラインと、前記第1の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第1の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第1のユニット部と、前記第1の搬送ラインの延長上に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する往路の第2の搬送ラインと、前記第2の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第2の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬入ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第2のユニット部と、前記第2の搬送ラインと平行に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する復路の第3の搬送ラインと、前記第3の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第3の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第3のユニット部と、前記第3の搬送ラインの延長上で前記第1の搬送ラインと平行に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する復路の第4の搬送ラインと、前記第4の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第4の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬入ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第4のユニット部と、前記第1のユニット部内の各ユニットおよび前記第4のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第1の搬送手段と、前記第2のユニット部内の各ユニットおよび前記第3のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第2の搬送手段と、前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間で被処理基板の受け渡しを行うために両搬送手段の間に配置される受け渡し部と、システムを人が横断して通り抜けできるように前記受け渡し部の下に設けられる通路とを有する。
【0014】
上記第の観点における処理システムでは、第1の搬送ラインと第2の搬送ラインとが接続されるエリアと第3の搬送ラインと第4の搬送ラインとが接続されるエリアとを1箇所に集約配置し、接続エリアのほぼ中心に配置される受け渡し部を介して、その両側の第1および第2の搬送手段の間で基板の受け渡しが行なわれる。第1の搬送手段は、第1の搬送ラインの終端部に設けられる第1のユニット部内の各ユニットと第4の搬送ラインの始端部に設けられる第4のユニット部内の各ユニットにもアクセスできる。第2の搬送手段は、第2の搬送ラインの始端部に設けられる第2のユニット部内の各ユニットと第3の搬送ラインの終端部に設けられる第3のユニット部内の各ユニットにもアクセスできる。関係者は、このように搬送系やユニットが立体的に集約化されているエリアにおいて受け渡し部の下に設けられているシステム通り抜け用の通路を通ってシステムの一サイドから反対サイドへ簡単に移動することができる。
【0015】
上記第の観点における処理システムでは、受け渡し部が、第1の搬送手段から第2の搬送手段へ被処理基板を渡すための第1の受け渡しユニットと、第2の搬送手段から第1の搬送手段へ被処理基板を渡すための第2の受け渡しユニットとを複数段に積層配置してなる構成が好ましい。かかる構成によれば、第1および第2の搬送手段の間での双方向の基板受け渡しを独立的または並列的に行うことができ、搬送効率を上げることができる。しかも、第1および第2の受け渡しユニットを複数段に配置するため、フットプリントの増大を招くこともない。
【0016】
本発明の第の観点における処理システムは、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する往路の第1の搬送ラインと、前記第1の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第1の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第1のユニット部と、前記第1のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第1の搬送手段と、前記第1の搬送ラインの延長上に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する往路の第2の搬送ラインと、前記第2の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第2の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬入ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第2のユニット部と、前記第2のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第2の搬送手段と、前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間で被処理基板の受け渡しを行うために両搬送手段の間に配置される第1の受け渡し部と、前記第2の搬送ラインと平行に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する復路の第3の搬送ラインと、前記第3の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第3の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第3のユニット部と、前記第3のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第3の搬送手段と、前記第3の搬送ラインの延長上で前記第1の搬送ラインと平行に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する復路の第4の搬送ラインと、前記第4の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第4の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬入ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第4のユニット部と、前記第4のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第4の搬送手段と、前記第3の搬送手段と前記第4の搬送手段との間で被処理基板の受け渡しを行うために両搬送手段の間に配置される第2の受け渡し部と、システムを人が横断して通り抜けできるように前記第1および第2の受け渡し部の下にそれぞれ設けられる第1および第2の通路とを有する。
【0017】
上記第の観点の処理システムにおいては、往路側で第1の搬送ラインと第2の搬送ラインとが接続されるエリアのほぼ中心に配置される第1の受け渡し部を介してその両側の第1および第2の搬送手段の間で基板の受け渡しが行なわれるとともに、復路側で第3の搬送ラインと第4の搬送ラインとが接続されるエリアのほぼ中心に配置される第2の受け渡し部を介してその両側の第3および第4の搬送手段の間で基板の受け渡しが行なわれる。第1の搬送手段は、第1の搬送ラインの終端部に設けられる第1のユニット部内の各ユニットにもアクセスできる。第2の搬送手段は、第2の搬送ラインの始端部に設けられる第2のユニット部内の各ユニットにもアクセスできる。第3の搬送手段は、第3の搬送ラインの終端部に設けられる第3のユニット部内の各ユニットにもアクセスできる。第4の搬送手段は、第4の搬送ラインの始端部に設けられる第4のユニット部内の各ユニットにもアクセスできる。関係者は、このように搬送系やユニットが立体的に集約化されているエリアにおいて第1および第2の受け渡し部の下にそれぞれ設けられているシステム通り抜け用の第1および第2の通路を通ってシステムの一サイドから反対サイドへ簡単に移動することができる。
【0018】
上記第の観点の処理システムにおいては、通り抜けの容易性や安全面などから、第1の通路と第2の通路とがシステムを横断する方向で一直線上に配置される構成が好ましい。
【0019】
本発明の上記第または第の観点の処理システムにおける好ましい一形態は、第2の搬送ラインの終端部に設けられ、第2の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第5のユニット部と、第3の搬送ラインの始端部に設けられ、第3の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第6のユニット部と、第5のユニット部内の各ユニットおよび第6のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第5の搬送手段とを有する構成である。かかる構成においては、往路の第2の搬送ラインの終端部と復路の第3の搬送ラインの始端部とが第5および第6のユニット部と第5の搬送手段とを介して接続され、往路から復路への折り返しに際しても基板に対する処理ユニットにおける一連の処理が効率的に行なわれる。この場合、好ましくは、第2の搬送ラインの終端部および第3の搬送ラインの始端部と隣接する他の処理システムへ被処理基板を搬入しまたは該他の処理システムから被処理基板を搬出するための第6の搬送手段と、第5の搬送手段と第6の搬送手段との間で被処理基板の受け渡しを行うために両搬送手段の間に配置される第3の受け渡し部とを有してよい。この構成においては、第6の搬送手段と第3の受け渡し部とを介して、隣接する他の処理システムと連携したインライン処理を行うことができる。
【0020】
上記第または第の観点の処理システムにおける別の好ましい一形態は、被処理基板を複数段に収納するための1つまたは複数のカセットを載置するカセットステージと第1の搬送ラインの始端部および第4の搬送ラインの終端部との間に設けられ、未処理の被処理基板をカセットステージ上のいずれかのカセットから取り出して第1の搬送ラインに搬入し、処理済みの被処理基板を第4の搬送ラインから搬出してカセットステージ上のいずれかのカセットへ収容するための第7の搬送手段を有する構成である。かかる構成においては、カセットステージ上のカセットに収納された未処理の基板は、第7の搬送手段により往路の第1の搬送ラインに搬入され、第1の搬送ラインおよび後続の搬送ラインやユニット部を経由して、最後に復路の第4の搬送ラインから処理済の基板として第7の搬送手段に引き取られ、ステージ上のカセット内に戻される。
【0021】
上記第または第の観点の処理システムにおいて、搬送手段の好ましい一形態は、垂直方向に昇降可能な昇降搬送体と、この昇降搬送体上で垂直軸の回りに旋回可能な旋回搬送体と、この旋回搬送体上で被処理基板を支持しながら水平面内で前後方向に伸縮可能な搬送アームとを含む構成である。かかる構成において、搬送手段は、昇降ないし旋回運動して両隣のユニット部の中の任意のユニットにアクセスして基板の搬入出を行うことができる。
【0022】
上記第または第の観点の処理システムにおいて、好ましくは、少なくとも1つの搬送ラインが、被処理基板を水平に載せて搬送するための搬送体を当該搬送ラインに沿って敷設してなる搬送路と、この搬送路上で被処理基板を搬送するために搬送体を駆動する搬送駆動手段とを有する。かかる方式の搬送ラインは、いわゆる平流し方式の処理、特に液処理に適している。この場合、搬送路上で被処理基板に所望の液処理を施す液処理手段が設けられる。
【0023】
また、本発明の処理システムにおいて、多段ユニット部に含まれる処理ユニットの典型は、搬送ライン上の処理に関連して被処理基板に所望の熱的な処理を施すための熱処理ユニットである。受け渡し部の好適な形態は、被処理基板を1枚単位で載置するための支持板と、基板をピン先端でほぼ水平に支持するために支持板上に離散的に設けられる複数の支持ピンとを有する構成である。
【0025】
また、本発明の処理システムにおいては、被処理基板を一時的に留め置いて保管するためのバッファユニットを受け渡し部の上または下に重ねて設け、受け渡し部にアクセス可能な少なくとも1つの搬送手段によりバッファユニットにアクセス可能としてよい。かかる構成においては、受け渡し部を経由する基板を必要に応じて隣接するバッファユニットに一時的に留め置いて保管することが可能であり、いずれか2つの搬送ライン間で搬送タクトが異なる場合に搬送タイミングの補償または調整を行う場合や、システム内の障害または故障等の非常時に基板を搬送ラインから退避させる場合に有効であり、プロセスフローや搬送フローの信頼性を高めることができる。
【0026】
また、本発明の処理システムにおいては、通路の入口付近に通路の存在場所とシステム内の状況とを同時に知らせるための表示手段を設ける構成や、通路を常時開放状態とする構成が好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0028】
図1に、本発明の適用可能なレジスト塗布現像処理システムを示す。このレジスト塗布現像処理システム10は、クリーンルーム内に設置され、たとえばLCD基板を被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィー工程の中の洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像およびポストベーク等の各処理を行うものである。露光処理は、システムに隣接して設置される外部の露光装置12で行われる。
【0029】
このレジスト塗布現像処理システム10は、中心部に横長のプロセスステーション(P/S)16を配置し、その長手方向(X方向)両端部にカセットステーション(C/S)14とインタフェースステーション(I/F)18とを配置している。
【0030】
カセットステーション(C/S)14は、システム10のカセット搬入出ポートであり、基板Gを多段に積み重ねるようにして複数枚収容可能なカセットCを水平方向たとえばY方向に4個まで並べて載置可能なカセットステージ20と、このステージ20上のカセットCに対して基板Gの出し入れを行う搬送機構22とを備えている。搬送機構22は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム22aを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、隣接するプロセスステーション(P/S)16側と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
【0031】
プロセスステーション(P/S)16は、システム長手方向(X方向)に延びる往路の搬送ライン[A],[B]および復路の搬送ライン[C],[D]を有している。より詳細には、カセットステーション(C/S)14からインタフェースステーション(I/F)18へ向う往路において、搬送ライン[A]は洗浄プロセス部24に敷設され、搬送ライン[B]は塗布プロセス部26に敷設される。
【0032】
洗浄プロセス部24は、スクラバ洗浄ユニット(SCR)28を含むとともに、このスクラバ洗浄ユニット(SCR)28のカセットステーション(C/S)14と隣接する場所で搬送ライン[A]の上にエキシマUV照射ユニット(e−UV)30を配置している。スクラバ洗浄ユニット(SCR)28内では、搬送ライン[A]を平流し方式の搬送路たとえばコロ搬送路で構成し、LCD基板Gを水平姿勢で搬送ライン[A]上をコロ搬送で移動させながら基板Gにブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すようになっている。
【0033】
塗布プロセス部26は、搬入ユニット(IN)32、レジスト塗布ユニット(CT)34、減圧乾燥ユニット(VD)36、エッジリムーバ・ユニット(ER)38および搬出ユニット(OUT)40を搬送ライン[B]に沿って一列に配置している。図2に示すように、これらの塗布系ユニット群(IN)32、(CT)34、(VD)36、(ER)38、(OUT)40は支持台42の上に処理工程の順序にしたがって横一列に配置されている。支持台42の両側に平行に敷設された一対のガイドレール44,44に沿って移動する一組または複数組の搬送アーム46,46により、ユニット間で基板Gを直接やりとりできるようになっている。
【0034】
搬入ユニット(IN)32には、基板Gをほぼ水平に載置できる搬送ローラまたはコロ48をX方向に一定間隔で敷設してなる平流し方式のコロ搬送路50が設けられている。このコロ搬送路50は、後述する隣のオーブンタワー(TB)78に含まれる搬入用パスユニット(PASSin)102から引き込まれており、たとえば駆動モータや伝動機構を有する搬送駆動部52によって駆動される。コロ搬送路50の下には、パスユニット(PASSin)102より搬送されてきた基板Gを水平姿勢で持ち上げて搬送アーム46,46に手渡すための昇降可能な複数本のリフトピン52が設けられている。
【0035】
レジスト塗布ユニット(CT)34は、上面が開口しているカップ状の処理容器54と、この処理容器54内で基板Gを水平に載置して保持するための昇降可能なステージ56と、このステージ56を昇降させるために処理容器54の下に設けられた昇降駆動部(図示せず)と、ステージ56上の基板Gに対してレジスト液を供給するレジスト液供給部(図示せず)とを有している。塗布方式としては、スピンコート法またはスピンレス法のいずれを用いてもよい。スピンコート法の場合は、基板Gを載置したステージ56を回転駆動部(図示せず)によりスピン回転させながら、レジスト液供給部のノズルよりレジスト液を滴下して回転力および遠心力により基板上一面にひろげ、一定の膜厚を有するレジスト液の塗布膜を形成する。スピンレス法の場合は、ステージ56上の基板Gに対してレジスト液供給部のノズルを水平方向で相対移動または走査させながら基板上一面にレジスト液を細径の線状で連続的に吐出させることにより、一定の膜厚を有するレジスト液の塗布膜を形成する。
【0036】
減圧乾燥ユニット(VD)36は、上面が開口しているトレーまたは底浅容器型の下部チャンバ58と、この下部チャンバ58の上面に気密に密着または嵌合可能に構成された蓋状の上部チャンバ(図示せず)とを有している。下部チャンバ58はほぼ四角形で、中心部には基板Gを水平に載置して支持するためのステージ60が配設され、底面の四隅には排気口62が設けられている。各排気口62は排気管(図示せず)を介して真空ポンプ(図示せず)に通じている。下部チャンバ58に上部チャンバを被せた状態で、両チャンバ内の処理空間を該真空ポンプにより所定の真空度まで減圧できるようになっている。
【0037】
エッジリムーバ・ユニット(ER)38には、基板Gを水平に載置して支持するステージ64と、基板Gを相対向する一対の角隅部にて位置決めするアライメント手段66と、基板Gの四辺の周縁部(エッジ)から余分なレジストを除去する4個のリムーバヘッド68等が設けられている。アライメント手段66がステージ64上の基板Gを位置決めした状態で、各リムーバヘッド68が基板Gの各辺に沿って移動しながら、基板各辺の周縁部に付着している余分なレジストをシンナーで溶解して除去するようになっている。
【0038】
搬出ユニット(OUT)40は、上記した搬入ユニット(IN)32におけるものと同様のコロ搬送路およびリフトピン(図示せず)を有している。エッジリムーバ・ユニット(ER)38でレジスト除去処理を終えた基板Gを搬送アーム46,46が搬出ユニット(OUT)40に搬送し、リフトピンが搬送アーム46,46より基板Gを受け取ってコロ搬送路上に移載する。しかる後、基板Gを後述する隣のオーブンタワー(TB)80に含まれる基板搬出用のパスユニット(PASSout)144(図5)までコロ搬送で搬送するようになっている。
【0039】
このように、塗布プロセス部26では、ガイドレール44,44に沿って移動可能な搬送アーム(46,46)と搬入ユニット(IN)32および搬出ユニット(OUT)40内のコロ搬送路とで搬送ライン[B]が構成されている。
【0040】
インタフェースステーション(I/F)18からカセットステーション(C/S)14へ向う復路において、搬送ライン[C]は現像プロセス部70に敷設され、搬送ライン[D]は検査部72に敷設される。
【0041】
現像プロセス部70は、平流し方式の現像ユニット(DEV)74およびi線UV照射ユニット(i−UV)75を含んでいる。現像ユニット(DEV)74は、たとえばスクラバ洗浄ユニット(SCR)28と同様に搬送ライン[C]をコロ搬送路(図示せず)で構成し、搬送ライン[C]に沿って基板Gをコロ搬送で移動させながら基板Gに一連の現像処理工程(液盛り、現像反応、リンス、乾燥等)を行うようになっている。i線UV照射ユニット(i−UV)75は、現像の脱色処理を行うためのもので、現像ユニット(DEV)74からのコロ搬送路を引き込んでいる。
【0042】
検査部72も搬送ライン[D]を平流し方式の搬送路たとえばコロ搬送路(図示せず)で構成し、搬送ライン[D]に沿って基板Gをコロ搬送で移動させながら基板G上のレジストパターンに関する線幅検査やマクロ的なパターン検査および膜質・膜厚検査等を行うようになっている。
【0043】
このレジスト塗布現像処理システム10では、搬送ライン[A]の終端部、搬送ライン[B]の始端部および終端部、搬送ライン[C]の始端部および終端部、搬送ライン[D]の始端部にユニット部としてオーブンタワー(TB)76,78,80,82,84,86をそれぞれ設けている。そして、両オーブンタワー(TB)76,86の間と、両オーブンタワー(TB)78,84の間と、両オーブンタワー(TB)80,82の間に縦型の搬送機構(S/A)88,90,92をそれぞれ設けている。
【0044】
図3に示すように、搬送ライン[A]の終端部に位置するオーブンタワー(TB)76には、たとえば、下から順に基板搬出用のパスユニット(PASSout)94、脱水ベーク用の加熱ユニットである脱水ベークユニット(DHP)96,98およびポストベーク用の加熱ユニットであるポストベーキング・ユニット(POBAKE)100が多段(multi-stage)すなわち複数段に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSout)94は、上流側のスクラバ洗浄ユニット(SCR)28で前工程(洗浄処理)を受けて来た基板Gを搬送機構(S/A)88が搬送ライン[A]から搬出するためのスペースを提供するもので、スクラバ洗浄ユニット(SCR)28から引き込まれるコロ搬送路(図示せず)と、基板Gを搬送路上方に持ち上げて搬送機構(S/A)88に渡すための昇降可能なリフトピン(図示せず)とを有している。
【0045】
搬送ライン[D]の始端部に位置するオーブンタワー(TB)86には、たとえば、下から順に基板搬入用のパスユニット(PASSin)102、基板温度調整用の冷却ユニット(COL)104およびポストベーキング・ユニット(POBAKE)106,108が多段に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSin)102は、下流側の検査部26で後工程(検査工程)を受けるべき基板Gを搬送機構(S/A)88が搬送ライン[D]に搬入するためのスペースを提供するもので、検査部72から引き込まれるコロ搬送路(図示せず)と、搬送機構(S/A)88より基板Gを受け取って該搬送路上に移載するための昇降可能なリフトピン(図示せず)とを有している。
【0046】
図3において、搬送機構(S/A)88は、鉛直方向に延在するガイドレール112に沿って昇降移動可能な昇降搬送体114と、この昇降搬送体114上でθ方向に回転または旋回可能な旋回搬送体116と、この旋回搬送体116上で基板Gを支持しながら前後方向に進退または伸縮可能な搬送アームまたはピンセット118とを有している。昇降搬送体114を昇降駆動するための駆動部120が垂直ガイドレール112の基端側に設けられ、旋回搬送体116を旋回駆動するための駆動部122が昇降搬送体114に取り付けられ、搬送アーム118を進退駆動するための駆動部124が旋回搬送体116に取り付けられている。各駆動部120,122,124はたとえば電気モータ等で構成されてよい。
【0047】
かかる構成の搬送機構(S/A)88は、図示しないコントローラの制御の下で、高速に昇降ないし旋回運動して両隣のオーブンタワー(TB)76,86内の任意のユニットにアクセスして基板Gの搬入出を行えるようになっている。
【0048】
図4に示すように、搬送ライン[B]の始端部に位置するオーブンタワー(TB)78には、たとえば、下から順に基板搬入用のパスユニット(PASSin)126、基板温度調整用の冷却ユニット(COL)128,130および疎水化処理用のアドヒージョン・ユニット(AD)132が多段に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSin)126は、下流側の塗布プロセス部26で後工程(レジスト塗布処理)を受けるべき基板Gを搬送機構(S/A)90が搬送ライン[B]に搬入するためのスペースを提供するもので、塗布プロセス部26の搬入ユニット(IN)32に引き込まれるコロ搬送路50(図2)と、搬送機構(S/A)90より基板Gを受け取って該搬送路50上に移載するための昇降可能なリフトピン134(図2)とを有している。
【0049】
搬送ライン[C]の終端部に位置するオーブンタワー(TB)84には、たとえば、下から順に基板搬出用のパスユニット(PASSout)136、ポストベーキング・ユニット(POBAKE)138、140およびアドヒージョン・ユニット(AD)142が多段に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSout)136は、上流側の現像プロセス部70で現像処理を受けて来た基板Gを搬送機構(S/A)90が搬送ライン[C]から搬出するためのスペースを提供するもので、i線UV照射ユニット(i−UV)75から引き込まれるコロ搬送路(図示せず)と、基板Gを搬送路上方に持ち上げて搬送機構(S/A)90に渡すための昇降可能なリフトピン(図示せず)とを有している。
【0050】
図4において、搬送機構(S/A)90は、上記した搬送機構(S/A)88(図3)と同様の構成を有しており、図示しないコントローラの制御の下で、高速に昇降ないし旋回運動して両隣のオーブンタワー(TB)78,84内の任意のユニットにアクセスして基板Gの搬入出を行えるようになっている。
【0051】
図5に示すように、搬送ライン[B]の終端部に位置するオーブンタワー(TB)80には、たとえば、下から順に基板搬出用のパスユニット(PASSout)144、基板温度調整用の冷却ユニット(COL)146およびプリベーク用の加熱ユニットであるプリベーキング・ユニット(PREBAKE)148,150が多段に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSout)144は、上流側の塗布プロセス部26で前工程(レジスト塗布処理)を受けて来た基板Gを搬送機構(S/A)92が搬送ライン[B]から搬出するためのスペースを提供するもので、塗布プロセス部26の搬出部(OUT)40から引き込まれるコロ搬送路(図示せず)と、基板Gを搬送路上方に持ち上げて搬送機構(S/A)92に渡すための昇降可能なリフトピン(図示せず)とを有している。
【0052】
搬送ライン[C]の始端部に位置するオーブンタワー(TB)82には、たとえば、下から順に基板搬入用のパスユニット(PASSin)152、基板温度調整用の冷却ユニット(COL)154およびプリベーキング・ユニット(PREBAKE)156,158が多段に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSin)152は、下流側の現像プロセス部70で現像処理を受けるべき基板Gを搬送機構(S/A)92が搬送ライン[C]に搬入するためのスペースを提供するもので、現像ユニット(DEV)74に引き込まれるコロ搬送路(図示せず)と、搬送機構(S/A)92より基板Gを受け取って該搬送路上に移載するための昇降可能なリフトピン(図示せず)とを有している。
【0053】
図5において、搬送機構(S/A)92は、上記した搬送機構(S/A)88(図3)と同様の構成を有しており、図示しないコントローラの制御の下で、高速に昇降ないし旋回運動して両隣のオーブンタワー(TB)80,82内の任意のユニットにアクセスして基板Gの搬入出を行えるようになっている。
【0054】
図1において、インタフェースステーション(I/F)18は、隣接する露光装置12と基板Gのやりとりを行うための搬送装置160を有し、その周囲にバッファ・ステージ(BUF)162、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)164および周辺装置(TITLER/EE)166を配置している。バッファ・ステージ(BUF)162には定置型のバッファカセット(図示せず)が置かれる。エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)164は、冷却機能を備えた基板受け渡し用のステージであり、プロセスステーション(P/S)16側と基板Gをやりとりする際に用いられる。周辺装置166は、たとえばタイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とを上下に積み重ねた構成であってよい。搬送装置160は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム160aを有し、隣接する露光装置12や各ユニット(BUF)162、(EXT・COL)164、(TITLER/EE)166と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
【0055】
図1において、搬送機構88と搬送機構90との間には、当該クリーンルーム内でこのレジスト塗布現像処理システムを横断して人が通り抜けるのを可能とする通路168と、両搬送機構88,90の間で基板Gをやりとりするためのエクステンション・ユニット(EXT)170とが上下に設けられる。
【0056】
図6に、正面側からみた通路168回りの構造ないしレイアウトを示す。両搬送機構(S/A)88,90の間の床面172に断面コ字状の支持部174が設けられ、支持部174の内側に普通の大人Mが屈まずに優に通り抜けられる高さ(床面からたとえば190cm程度)の通路168が形成される。支持部174の両側壁部または脚部174aは定置型に構成されてもよく、あるいはキャスタを有する可動型に構成されてもよい。支持部174の上部の水平板部174bは、通路168の天井を構成するとともに、エクステンション・ユニット(EXT)170やその他のユニットを多段に載置するための支持台を構成する。
【0057】
図示の例では、支持台174bの上に、下から順に基板温度調整用の冷却ユニット(COL)176、エクステンション・ユニット(EXT)170A,170Bおよびバッファユニット(BUF)178が多段に積み重ねられる。冷却ユニット176は片側から、たとえば搬送機構(S/A)88によりアクセス(基板搬入出)可能となっている。エクステンション・ユニット(EXT)170A,170Bは両側から、つまり搬送機構(S/A)88,90の双方からアクセス可能となっているが、好ましくは互いに逆向きで単方向搬入出型の基板受け渡しユニットとして用いられてよい。すなわち、一方のエクステンション・ユニット(EXT)170Aは専ら搬送機構88側から基板Gをユニット内に入れて搬送機構(S/A)90側で基板Gをユニットから取り出す搬入出形態とし、他方のエクステンション・ユニット(EXT)170Bは専ら搬送機構(S/A)90側から基板Gをユニット内に入れて搬送機構(S/A)88側で基板Gをユニットから取り出す搬入出形態としてよい。バッファユニット(BUF)178は、搬送機構(S/A)88,90の双方からアクセス可能に構成されてもよく、あるいは片方のみからアクセス可能に構成されてもよい。
【0058】
図7に、エクステンション・ユニット(EXT)170の構成例を示す。ユニット筐体180内に基板Gとほぼ同形の水平支持板182が収容され、この水平支持板182上に同一の高さで多数の支持ピン184が一定の間隔を置いて離散的に設けられている。基板Gは、支持ピン184のピン先端で支持されるようにして水平支持板182の上に水平に載置され、搬送機構(S/A)88,90の搬送アーム118によってユニットの中に搬入され、またはユニットの外へ搬出される。
【0059】
図8に、冷却ユニット(COL)176の構成例を示す。この構成例の冷却ユニット(COL)176は、ユニット筐体184の中に冷却板186を一定の高さ位置でほぼ水平に固定配置している。冷却板186は熱伝導率の高い金属たとえばアルミニウムからなり、内部に設定値(たとえば23゜C)に温度調節された冷却水が流れる通路を設けている。前工程でたとえば100゜C以上の加熱処理を受けて来て冷却板186上に配置された基板Gは、冷却板186への熱伝導による放熱によって設定値温度まで冷却される。冷却板186には上下に貫通する貫通孔186aが離散的な配置パターンで複数箇所に形成されており、各貫通孔186aには基板Gの搬入出時に基板Gを昇降可能に支持するための支持部材としてリフトピン188が上下方向に移動可能に設けられている。これらのリフトピン188は、水平ベース部材190を介して昇降機構192に結合されている。昇降機構192の昇降駆動により、リフトピン188を退避用の最下位位置(図8に示す位置)と基板受け渡し用の最上位位置との間で昇降移動させるようになっている。
【0060】
バッファユニット(BUF)178は、エクステンション・ユニット(EXT)170を経由する基板Gを必要に応じて一時的に留め置いて保管するためのユニットであり、たとえば搬送ライン[A],[B],[C],[D]のいずれか2つの間で搬送タクトが異なる場合に搬送タイミングの補償または調整を行う場合や、システム内の障害または故障等の非常時に基板Gを搬送ラインから退避させる場合に用いられる。バッファユニット(BUF)178の構造は、基板Gを1枚単位で出し入れ可能に収納する枚葉型ユニット(buff)を多段に多数積み重ねて配置する方式でもよく、あるいは1つの集合型ユニット内に複数の棚(buff)を多段に設けて各棚(buff)の上に基板Gを1枚ずつ出し入れ可能に収納する方式としてもよい。また、バッファユニット(BUF)178の正面に開閉扉またはシャッタを設けることも可能であり、ユニット内に不活性ガスたとえば窒素ガスの雰囲気を形成することも可能である。基板収納容量(高さサイズ)の可変性やアクセス頻度の少なさ等の面から、バッファユニット(BUF)178は通路168上の多段ユニット構造において最上段に配置されるのが好ましい。
【0061】
図9に、斜め上方からみた通路168回りのレイアウトを示す。通路168の入口または出口の外は上方が開放されたスペースSとなっており、このスペースSを利用して通路168上の各ユニット(COL),(EXT),(BUF)に作業員がアクセスして所望のメンテナンスを行うことができる。さらに、隣接するオーブンタワー(TB)76,78,84,86内の各ユニットについてもこのスペースSからアクセスしてメンテナンスを行うことができる。
【0062】
この実施形態において、各搬送機構(S/A)88,90,92のメンテナンスは、往路の搬送ライン[A,B]と復路の搬送ライン[C,D]との間のスペースKに作業員が立ち入ることによって行なわれる。スペースKに作業員が立ち入るためには、搬送ライン[A]または[D]の少なくとも1つ、あるいは搬送ライン[B]または[C]の少なくとも1つの下に適当な通路を設けるのが好ましい。たとえば、図10に示すように、塗布プロセス部26において基板搬入ユニット(IN)32の下部にスペースKに出入りするための通路198を設けることができる。もっとも、この通路198は搬送ライン[B]の下で通常は床面から1m以下の高さに設けられるため、作業員は屈んだ姿勢あるいは腹這いの姿勢でこの通路198を通り抜けすることになる。通路198の入口には開閉可能な扉200を設けてよい。
【0063】
なお、往路の搬送ライン[A,B]と復路の搬送ライン[C,D]との間の上記スペースKを補助搬送空間として利用することも可能である。すなわち、図1に示すように、基板Gを1枚単位で水平に載置可能なシャトル202をスペースK内に配置し、図示しない駆動機構によってシャトル202をライン方向(X方向)で双方向に移動させてよい。このシャトル202を介して、搬送機構88,22の間あるいは搬送機構90,92の間で基板Gのやりとりを行うことができる。
【0064】
図11に、このレジスト塗布現像処理システムにおける処理の手順を示す。先ず、カセットステーション(C/S)14において、搬送機構22が、ステージ20上の所定のカセットCの中から1つの基板Gを取り出し、プロセスステーション(P/S)16の洗浄プロセス部24のエキシマUV照射ユニット(e−UV)30に搬入する(ステップS1)。
【0065】
エキシマUV照射ユニット(e−UV)30内で基板Gは紫外線照射による乾式洗浄を施される(ステップS2)。この紫外線洗浄では主として基板表面の有機物が除去される。紫外線洗浄の終了後に、基板Gは、カセットステーション(C/S)14の搬送機構22によって洗浄プロセス部24のスクラバ洗浄ユニット(SCR)28へ移される。
【0066】
スクラバ洗浄ユニット(SCR)28では、上記したように搬送ライン[A]上で基板Gをコロ搬送により平流しで搬送しながら基板Gの表面にブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すことにより、基板表面から粒子状の汚れを除去する(ステップS3)。そして、洗浄後も基板Gを平流しで搬送しながらリンス処理を施し、最後にエアーナイフ等を用いて基板Gを乾燥させる。
【0067】
スクラバ洗浄ユニット(SCR)28内で洗浄処理の済んだ基板Gは、搬送ライン[A]終端部のオーブンタワー(TB)76内の搬出用パスユニット(PASSout)94で搬送機構(S/A)88により搬送ライン[A]から搬出される。
【0068】
搬送ライン[A]から搬出された基板Gは、搬送機構(S/A)88によりオーブンタワー(TB)76,86内のユニット、たとえば脱水ベークユニット(DHP)96,98の1つに移され、そこで脱水処理を受ける(ステップS4)。脱水処理の後、基板Gは搬送機構(S/A)88によりエクステンション・ユニット(EXT)170Aを経由して搬送機構(S/A)90に渡される。搬送機構(S/A)90により、基板Gはオーブンタワー(TB)78,84内のユニット、たとえば冷却ユニット(COL)128,130の1つに移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。しかる後、基板Gはアドヒージョンユニット(AD)132,142の1つに移され、そこで疎水化処理を受ける(ステップS6)。この疎水化処理の終了後に、基板Gは冷却ユニット(COL)128,130の1つで一定の基板温度まで冷却される(ステップS7)。しかる後、基板Gはオーブンタワー(TB)78の搬入用パスユニット(PASSin)126に移され、そこで搬送ライン[B]上に搬入される。
【0069】
搬送ライン[B]上で基板Gは、塗布プロセス部26に搬入され、搬入ユニット(IN)32を通ってレジスト塗布ユニット(CT)34へ移される。レジスト塗布ユニット(CT)34で、基板Gは、スピンコート法またはスピンレス法により基板上面(被処理面)にレジスト液を塗布される。しかる後、基板Gは下流側隣の減圧乾燥ユニット(VD)36で減圧による乾燥処理を受け、次いで下流側隣のエッジリムーバ・ユニット(ER)38で基板周縁部の余分(不要)なレジストを取り除かれる(ステップS8)。
【0070】
上記のようなレジスト塗布処理を受けた基板Gは、エッジリムーバ・ユニット(ER)38から搬出ユニット(OUT)40を通ってオーブンタワー(TB)80に属する搬出用パスユニット(PASSout)に送られ、そこで搬送機構(S/A)92により搬送ライン[B]から搬出される。
【0071】
基板Gは、搬送機構(S/A)90により所定のシーケンスでオーブンタワー(TB)80,82内のユニットに回され、所定の処理を受ける。たとえば、基板Gは、最初にプリベーキング・ユニット(PREBAKE)148,150,156,158の1つに移され、そこでレジスト塗布後のベーキングを受ける(ステップS9)。次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)146,154の1つに移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS10)。しかる後、基板Gはインタフェースステーション(I/F)18側のエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)164へ受け渡しされる。
【0072】
インタフェースステーション(I/F)18において、基板Gは、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)164から周辺装置166の周辺露光装置(EE)に搬入され、そこで基板Gの周辺部に付着するレジストを現像時に除去するための露光を受けた後に、隣の露光装置12へ送られる(ステップS11)。
【0073】
露光装置12では基板G上のレジストに所定の回路パターンが露光される。そして、パターン露光を終えた基板Gは、露光装置12からインタフェースステーション(I/F)18に戻されると(ステップS11)、先ず周辺装置166のタイトラー(TITLER)に搬入され、そこで基板上の所定の部位に所定の情報が記される(ステップS12)。しかる後、基板Gはエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)164に戻される。インタフェースステーション(I/F)18における基板Gの搬送および露光装置12との基板Gのやりとりは搬送装置160によって行われる。
【0074】
プロセスステーション(P/S)16では、搬送機構92がエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)164より露光済の基板Gを受け取り、オーブンタワー(TB)82内の搬入用パスユニット(PASSin)152に移す。基板Gは、パスユニット(PASSin)152内で搬送ライン[C]上に搬入され、平流しで現像ユニット(DEV)74へ送られる。
【0075】
現像ユニット(DEV)74では、搬送ライン[C]上で基板Gをコロ搬送により平流しで搬送しながら現像、リンス、乾燥の一連の現像処理工程が行われる(ステップS13)。
【0076】
現像プロセス部70で現像処理を受けた基板Gはそのままコロ搬送で下流側隣の脱色プロセス部(i−UV)75へ搬入され、そこでi線照射による脱色処理を受ける(ステップS14)。脱色処理の済んだ基板Gは、オーブンタワー(TB)86内の搬出用パスユニット(PASSout)136で搬送機構(S/A)90により搬送ライン[C]から搬出される。
【0077】
搬送ライン[C]から搬出された基板Gは、最初にいずれかのポストベーキング・ユニット(POBAKE)でポストベーキングの熱処理を受け(ステップS15)、次いでいずれかの冷却ユニット(COL)で所定の基板温度に冷却される(ステップS16)。この場合の搬送シーケンスは二通りある。
【0078】
第1の搬送シーケンスは、搬送ライン[C]から基板Gを搬出した搬送機構(S/A)90が、そのまま所轄エリア内のポストベーキング・ユニット(POBAKE)、たとえばオーブンタワー(TB)84内のポストベーキング・ユニット(POBAKE)138,140のいずれかに持ち込む場合である。この場合、搬送機構(S/A)90は、ポストベーキング処理の終了後に基板Gを所轄エリア内の冷却ユニット(COL)、たとえばオーブンタワー(TB)78内の冷却ユニット(COL)128,130のいずれかに移送し、基板温度調整の終了後に基板Gをエクステンション・ユニット(EXT)170Bに搬入する。しかる後、反対側の搬送機構(S/A)88が、エクステンション・ユニット(EXT)170Bから基板Gを取り出し、次いでオーブンタワー(TB)86内の搬入用パスユニット(PASSin)102に移す。
【0079】
第2の搬送シーケンスは、搬送機構(S/A)90が、搬送ライン[C]から搬出した基板Gをエクステンション・ユニット(EXT)170Bに直接渡す場合である。この場合、搬送機構(S/A)88は、反対側でエクステンション・ユニット(EXT)170Bから基板Gを取り出すと、所轄エリア内のポストベーキング・ユニット(POBAKE)、たとえばオーブンタワー(TB)76,86内のポストベーキング・ユニット(POBAKE)100,106,108のいずれかに持ち込む。そして、ポストベーキング処理の終了後に基板Gを所轄エリア内の冷却ユニット(COL)、たとえばオーブンタワー(TB)86内の冷却ユニット(COL)104もしくは通路168上の冷却ユニット(COL)176に搬入し、基板温度調整の終了後に基板Gをオーブンタワー(TB)86内の搬入用パスユニット(PASSin)102に移す。
【0080】
搬入用パスユニット(PASSin)102に移された基板Gはそこで搬送ライン[D]上に搬入され、平流しで検査部(AP)72へ送られる。検査部(AP)72では、搬送ライン[D]上で基板Gをコロ搬送で移動させながら基板G上のレジストパターンについて線幅検査や膜質・膜厚検査等が行なわれる(ステップS17)。搬送ライン[D]の終端部には、上記のような搬出用パスユニット(PASSout)に相当する基板搬出部(図示せず)が設けられている。検査工程を終えた基板Gは、該基板搬出部を介してカセットステーション(C/S)14側の搬送機構22に引き取られる。カセットステーション(C/S)14では、搬送機構22が、搬送ライン[D]より引き取った基板Gをステージ20上のいずれか1つのカセットCに収容する(ステップS1)。
【0081】
上記のように、この実施形態では、横長のプロセスステーション(P/S)16にシステム長手方向(X方向)に延びる往路の搬送ライン[A],[B]と復路の搬送ライン[C],[D]とを2列に設けるレジスト塗布現像処理システムにおいて、往路の搬送ライン[A],[B]を接続するポイントと復路の搬送ライン[C],[D]を接続するポイントとを1箇所に集約配置し、接続ポイントの中心点に位置する基板橋渡し役のエクステンション・ユニット(EXT)170の下にシステム通り抜け用の横断通路168を設けている。さらには、接続ポイント付近に位置する各搬送ライン[A],[B],[C],[D]の端部に当該搬送ライン上の液処理または前後する搬送ライン上の液処理に関係する熱処理を行うためのオーブンユニットを多段に積層配置してなるオーブンタワー(TB)76,78,84,86を設置するとともに、通路168と平行な方向(Y方向)で相対向するオーブンタワー(TB)76,86の間およびオーブンタワー(TB)78,84の間にオーブンタワー内の各ユニットにアクセス可能な昇降・旋回型の搬送機構(S/A)88,90をそれぞれ設けている。これらの搬送機構(S/A)88,90はエクステンション・ユニット(EXT)170を介して相互に基板Gのやりとりを行う。
【0082】
このように、この実施形態では、搬送系やユニットが集約化されているエリアの中でシステム通り抜け用の横断通路168を実現している。このため、通路168の開設にあたりフットプリントの実質的な増大を伴なわなくて済むという利点がある。
【0083】
この実施形態において、通路168は、システムの両サイド間で人が行き来する際の通り抜け路を提供する。メンテナンス時や巡回時あるいは火災等の災害発生時に、関係者(通常はオペレータや作業員等)はこの通路168を通ることで、システム端部つまりカセットステーション(C/S)14もしくは露光装置12を迂回することなくシステムの一サイドから反対サイドへ難なく移動することができる。システムの全長が増すほど、システムの設置数が増えるほど、通路168の利点は増大する。
【0084】
図12に、この実施形態におけるレジスト塗布現像処理システムをクリーンルーム内に複数台(たとえば2台)設置する場合のレイアウト例を示す。通常は、図示のように、複数台のシステム10A,10Bを適当な間隔を置き平行に揃えてクリーンルーム202内に設置する。したがって、各システム10A,10Bの通路168はシステム幅方向(Y方向)において一直線上に整列する。たとえば、クリーンルーム202内で突然火災が発生し、その時に図示のように出入り口204からみて手前のシステム10Aの陰と奥のシステム10Bの陰にそれぞれに関係者Ma,Mbが居たとする。この場合、奥側の関係者Mbは、点線で示すようにシステム10Bの通路168を通り抜け、その後もそのまま直進してシステム10Aの通路168を通り抜けることで、最短距離ないし最短時間で出入り口204に行き着くことができる。また、手前側の関係者Maも、点線で示すようにシステム10Aの通路168を通り抜けることで、やはり最短距離ないし最短時間で出入り口204に行き着くことができる。
【0085】
通路168の正面入口付近には、いずれの方角からも通路168の存在場所を目視確認できるようにするための好ましくは点灯または発光表示型の通路標識を設けるのが好ましい。この実施形態では、図12に示すように、たとえばオーブンタワー(TB)76,78のいずれか一方の角部から斜め前方に突き出る形で通路標識206を設けてよい。このような設置形態によれば、180゜の視野角であらゆる方角から通路標識206の設置場所を一目で視認することができる。また、図12に示すように複数台のシステム10A,10Bを併設する場合は、後方側のシステム10Bの通路168を通して手前側のシステム10Aの通路標識206が見えるように、通路168の天井よりも十分低い位置に通路標識206を設置するのが好ましい(図9)。
【0086】
また、通路標識206は、専用のものでもよいが、システム全般の状況を可視的に表示して通報するための表示手段たとえばシグナルタワーを利用するものであってもよい。たとえば、非常時には、非難用の通路標識206として機能するように該シグナルタワーに特別な色で発光表示させるようにしてよい。かかる位置にシグナルタワーを設けることにより、システムの端部まで移動することなくクリーンルーム内に平行に揃えられた背高な複数台のシステム全般の稼動状況をシグナルタワーを通じて一目で確認することが可能である。
【0087】
また、この実施形態では、通路168の上にエクステンション・ユニット(EXT)170だけでなく、バッファユニット(BUF)178や基板温度調整用の冷却ユニット(COL)176なども多段に積層配置している。
【0088】
上記のように、バッファユニット(BUF)178は、エクステンション・ユニット(EXT)170を経由する基板Gを必要に応じて一時的に留め置いて保管するためのユニットである。たとえば、システム内で基板Gの搬送フローを中断することなく製品ロットの変わり目で搬送タクトをそれまでの80秒から60秒に変更したとする。この場合、一定の過渡期間中は、搬送ライン[A]の終端部つまりオーブンタワー(TB)76内のパスユニット(PASSout)94から変更後の60秒間隔で基板Gが搬出される一方で、搬送ライン[C]の終端部つまりオーブンタワー(TB)84内のパスユニット(PASSout)136からは変更前の80秒間隔で基板Gが搬出されることになる。このため、両搬送機構(S/A)88,90において変更後の搬送タクト(60秒)系と変更前の搬送タクト(80秒)系とが干渉しないように搬送シーケンスのタイミングを調整する必要性が出てくる。ここで、各搬送機構(S/A)88,90は任意の基板Gを任意の時間だけバッファユニット(BUF)178に留め置くことができるため、異なる搬送タクト間のタイミング調整のための最適な搬送シーケンス上のレシピを設定することができる。
【0089】
また、システム内の何処かでプロセスフローが停止し、または滞った場合にも、バッファユニット(BUF)178を有効利用することができる。たとえば、塗布プロセス部26内で障害が発生して該プロセス部26への基板搬入ができなくなった場合、その時点でスクラバ洗浄ユニット(SCR)28内で平流しの洗浄処理を受けている最中の基板Gについてはそのまま洗浄処理を完遂させてよい。したがって、スクラバ洗浄ユニット(SCR)28からは正常時と同じサイクルないしタイミングで洗浄済みの基板Gが次々と搬送ライン[A]から搬出される。こうして搬送ライン[A]から搬出された各基板Gは、オーブンタワー(TB)76,78,84,86内で通常と同じシーケンスで熱的処理を受けたのち塗布プロセス部26に搬入される代わりにバッファユニット(BUF)178に保管されてよい。
【0090】
このように、エクステンション・ユニット(EXT)170に隣接させて(好ましくは上下に重ねて)バッファユニット(BUF)178を設けることで、搬送フローやプロセスフローの信頼性を高めることができる。
【0091】
通路168上の冷却ユニット(COL)176は、上記のように隣接するオーブンタワー(TB)76,78,84,86内の冷却ユニット(COL)の代用または補完として機能することができる。オーブンタワー(TB)内の冷却ユニット(COL)は加熱ユニット(DHP),(AD)、(PREBAKE),(POBAKE)と重なって積層配置されるのに対して、通路168上の冷却ユニット(COL)176はエクステンション・ユニット(EXT)170やバッファユニット(BUF)178等の非加熱系のユニットと重なって積層配置されるため、特別の断熱構造を採らなくて済むという利点がある。
【0092】
図13に、第2の実施形態によるレジスト塗布現像処理システムのレイアウトを示す。図中、上述した第1の実施形態(図1〜図11)のものと同様の構成または機能を有する部分には同一または類似の符号を附している。
【0093】
この第2の実施形態では、往路の搬送ライン[A],[B]および復路の搬送ライン[C],[D]をそれぞれまっすぐに接続し、上記実施形態におけるエクステンション・ユニット(EXT)170および搬送機構(S/A)88,90の各々を機能的に往路側と復路側とに二分割して配置している。
【0094】
より詳細には、往路側では、搬送ライン[A]の終端部に位置するオーブンタワー(TB)76と搬送ライン[B]の始端部に位置するオーブンタワー(TB)78との間に、オーブンタワー(TB)76内の各ユニットの間で基板Gを搬送するための搬送機構(S/A)88Aと、往路上でプロセスフローの上流側から下流側へ基板Gを受け渡すためのエクステンション・ユニット(EXT)170Aと、オーブンタワー(TB)78内の各ユニットの間で基板Gを搬送するための搬送機構(S/A)90Aとを一列に配置している。ここで、両搬送機構(S/A)88A,90Aはエクステンション・ユニット(EXT)170Aにもアクセス可能であり、上流側の搬送機構(S/A)88Aから下流側の搬送機構(S/A)90Aへの基板Gの受け渡しがエクステンション・ユニット(EXT)170Aを介して行なわれる。
【0095】
また、復路側では、搬送ライン[C]の終端部に位置するオーブンタワー(TB)84と搬送ライン[D]の始端部に位置するオーブンタワー(TB)86との間に、オーブンタワー(TB)84内の各ユニットの間で基板Gを搬送するための搬送機構(S/A)90Bと、復路上でプロセスフローの上流側から下流側へ基板Gを受け渡すためのエクステンション・ユニット(EXT)170Bと、オーブンタワー(TB)86内の各ユニットの間で基板Gを搬送するための搬送機構(S/A)88Bとを一列に配置している。両搬送機構(S/A)90B,88Bはエクステンション・ユニット(EXT)170Bにもアクセス可能であり、上流側の搬送機構(S/A)90Bから下流側の搬送機構(S/A)88Bへの基板Gの受け渡しがエクステンション・ユニット(EXT)170Bを介して行なわれる。
【0096】
この第2の実施形態では、上記した第1の実施形態と同様の構成または仕組みで、各エクステンション・ユニット(EXT)170A,170Bの下に通り抜け用の通路168A,168Bを設けることができる。関係者は、システムを横断する方向(Y方向)で両通路168A,168Bを縦に通り抜けることで、システムの一端部を迂回することなくシステムの一サイドから反対サイドへ簡単に移動することができる。図示の例では、両通路168A,168Bをシステム横断方向(Y方向)で一直線上に配置しているため、緊急時にも関係者は両通路168A,168Bの通り抜けを円滑ないし安全に行うことができる。もっとも、両通路168A,168Bをシステム長手方向にオフセットした位置に配置する構成も可能である。
【0097】
この第2の実施形態では、往路と復路の各々にエクステンション・ユニット(EXT)170と搬送機構(S/A)88,90とを配置するため、第1の実施形態よりもフットプリント、特にシステムの全長サイズが若干大きくなる。他方で、各搬送機構(S/A)88,90に対してはシステムの外側から直接メンテナンスを行うことができるという利点がある。なお、この実施形態でも、各エクステンション・ユニット(EXT)170A,170Bの上下に基板温度調整用の冷却ユニット(COL)176やバッファユニット(BUF)178等を重ねて配置することができる。
【0098】
以上本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形・変更が可能である。たとえば、平流し搬送路としてはコロ搬送路に限るものではなく、たとえば一定の間隔を空けて一対のベルトを水平方向に敷設してなるベルト型の搬送路等も可能である。また、オーブンタワーに熱処理系以外の処理ユニットを含む構成や、熱処理系以外の処理ユニットだけでオーブンタワーと同様の多段ユニット部を構成することも可能である。
【0099】
本発明の処理システムは上記したようなレジスト塗布現像処理システムに適用して好適であるが、これに限定されるものではなく、システム構成やシステム要素において種々の変形が可能であり、たとえば成膜装置やエッチング装置等を含むインライン型システムにも適用可能である。本発明における被処理基板は、被処理基板はLCD基板に限るものではなく、フラットパネルディスプレイ用の各種基板や、半導体ウエハ、CD基板、フォトマスク、プリント基板等の各種の被処理基板が含まれる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の処理システムによれば、被処理基板をプロセスフローの順にシリアルにほぼ水平な方向で搬送する搬送ラインを有するシステムレイアウトにおいて、システムの両サイド間で人が迂回することなく簡単にかつ短時間で行き来できるようにすることができる。さらには、プロセスフローまたは搬送フローの信頼性を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるレジスト塗布現像処理システムの構成を示す平面図である。
【図2】上記処理システムにおける塗布プロセス部の構成を示す平面図である。
【図3】上記処理システムにおけるオーブンタワーおよび搬送機構の構成を示す側面図である。
【図4】上記処理システムにおけるオーブンタワーおよび搬送機構の構成を示す側面図である。
【図5】上記処理システムにおけるオーブンタワーおよび搬送機構の構成を示す側面図である。
【図6】上記処理システムにおける通路回りの構成を示す正面図である。
【図7】上記処理システムにおけるエクステンション・ユニット(EXT)の構成例を示す斜視図である。
【図8】上記処理システムにおける冷却ユニット(COL)の構成例を示す断面図である。
【図9】上記処理システムにおける通り抜け用通路及びその回りの構成を示す斜視図である。
【図10】上記処理システムにおける内部立ち入り用通路及びその回りの構成を示す斜視図である。
【図11】上記処理システムにおける全体的な処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】上記処理システムをクリーンルーム内に複数台設置した場合のレイアウトの一例を示す平面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態によるレジスト塗布現像処理システムの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10 レジスト塗布現像処理システム
14(C/S) カセットステーション
16(P/S) プロセスステーション
18(I/F) インタフェースステーション
24 洗浄プロセス部
76,78,80,82,84,86(TB) オーブンタワー
88,90,92(S/A) 搬送機構
88A,88B,90A,90B(S/A) 搬送機構
168,168A,168B 通路
170,170A,170B(EXT) エクステンション・ユニット
174 支持部
176(COL) 冷却ユニット
178(BUF) バッファ
206 通路標識
[A],[B],[C],[D] 搬送ライン

Claims (17)

  1. 1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する往路の第1の搬送ラインと、
    前記第1の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第1の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第1のユニット部と、
    前記第1の搬送ラインの延長上に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する往路の第2の搬送ラインと、
    前記第2の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第2の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬入ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第2のユニット部と、
    前記第2の搬送ラインと平行に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する復路の第3の搬送ラインと、
    前記第3の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第3の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第3のユニット部と、
    前記第3の搬送ラインの延長上で前記第1の搬送ラインと平行に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する復路の第4の搬送ラインと、
    前記第4の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第4の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬入ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第4のユニット部と、
    前記第1のユニット部内の各ユニットおよび前記第4のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第1の搬送手段と、
    前記第2のユニット部内の各ユニットおよび前記第3のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第2の搬送手段と、
    前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間で被処理基板の受け渡しを行うために両搬送手段の間に配置される受け渡し部と、
    システムを人が横断して通り抜けできるように前記受け渡し部の下に設けられる通路と
    を有する処理システム。
  2. 前記受け渡し部が、前記第1の搬送手段から前記第2の搬送手段へ被処理基板を受け渡すための第1の受け渡しユニットと、前記第2の搬送手段から前記第1の搬送手段へ被処理基板を受け渡すための第2の受け渡しユニットとを多段に積層配置してなる請求項に記載の処理システム。
  3. 1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する往路の第1の搬送ラインと、
    前記第1の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第1の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第1のユニット部と、
    前記第1のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第1の搬送手段と、
    前記第1の搬送ラインの延長上に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する往路の第2の搬送ラインと、
    前記第2の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第2の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬入ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第2のユニット部と、
    前記第2のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第2の搬送手段と、
    前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間で被処理基板の受け渡しを行うために両搬送手段の間に配置される第1の受け渡し部と、
    前記第2の搬送ラインと平行に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する復路の第3の搬送ラインと、
    前記第3の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第3の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第3のユニット部と、
    前記第3のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第3の搬送手段と、
    前記第3の搬送ラインの延長上で前記第1の搬送ラインと平行に設けられ、1つまたは一連の処理工程において被処理基板をプロセスフローの順にシリアルに水平な方向で搬送する復路の第4の搬送ラインと、
    前記第4の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第4の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬入ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第4のユニット部と、
    前記第4のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第4の搬送手段と、
    前記第3の搬送手段と前記第4の搬送手段との間で被処理基板の受け渡しを行うために両搬送手段の間に配置される第2の受け渡し部と、
    システムを人が横断して通り抜けできるように前記第1および第2の受け渡し部の下にそれぞれ設けられる第1および第2の通路と
    を有する処理システム。
  4. 前記第1の通路と前記第2の通路とがシステムを横断する方向で一直線上に配置される、請求項に記載の処理システム。
  5. 前記第2の搬送ラインの終端部に設けられ、前記第2の搬送ラインより被処理基板の搬出を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第5のユニット部と、
    前記第3の搬送ラインの始端部に設けられ、前記第3の搬送ラインへの被処理基板の搬入を行うための少なくとも1台の搬出ユニットと被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットとを複数段に積層配置してなる第6のユニット部と、
    前記第5のユニット部内の各ユニットおよび前記第6のユニット部内の各ユニットの間で被処理基板を搬送するための第5の搬送手段と
    を有する請求項のいずれか一項に記載の処理システム。
  6. 前記第2の搬送ラインの終端部および前記第3の搬送ラインの始端部と隣接する他の処理システムへ被処理基板を搬入しまたは前記他の処理システムから被処理基板を搬出するための第6の搬送手段と、
    前記第5の搬送手段と前記第6の搬送手段との間で被処理基板の受け渡しを行うために両搬送手段の間に配置される第3の受け渡し部と
    を有する請求項に記載の処理システム。
  7. 被処理基板を複数段に収納するための1つまたは複数のカセットを載置するカセットステージと前記第1の搬送ラインの始端部および前記第4の搬送ラインの終端部との間に設けられ、未処理の被処理基板を前記カセットステージ上のいずれかの前記カセットから取り出して前記第1の搬送ラインに搬入し、処理済の被処理基板を前記第4の搬送ラインから搬出して前記カセットステージ上のいずれかの前記カセットへ収容するための第7の搬送手段を有する請求項のいずれか一項に記載の処理システム。
  8. 前記搬送手段が、垂直方向に昇降可能な昇降搬送体と、前記昇降搬送体上で垂直軸の回りに旋回可能な旋回搬送体と、前記旋回搬送体上で被処理基板を支持しながら水平面内で前後方向に伸縮可能な搬送アームとを含む、請求項のいずれか一項に記載の処理システム。
  9. 少なくとも1つの前記搬送ラインが、被処理基板を水平に載せて搬送するための搬送体を当該搬送ラインに沿って敷設してなる搬送路と、前記搬送路上で被処理基板を搬送するために前記搬送体を駆動する搬送駆動手段とを有する、請求項のいずれか一項に記載の処理システム。
  10. 前記搬送路上で被処理基板に所望の液処理を施す液処理手段を有する請求項に記載の処理システム。
  11. 前記処理ユニットが、前記搬送ライン上の処理に関連して被処理基板に所望の熱的な処理を施すための熱処理ユニットである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の処理システム。
  12. 前記受け渡し部が、被処理基板を1枚単位で載置するための支持板と、前記基板をピン先端で水平に支持するために前記支持板上に離散的に設けられる複数の支持ピンとを有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の処理システム。
  13. 被処理基板に所定の処理を施すための少なくとも1台の処理ユニットを前記受け渡し部の上または下に重ねて設け、前記受け渡し部にアクセス可能な少なくとも1つの前記搬送手段により前記処理ユニットにアクセス可能とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の処理システム。
  14. 前記受け渡し部に重ねて設けられる前記処理ユニットが、被処理基板の温度を一定に調整するための基板温度調整手段を有する、請求項13に記載の処理システム。
  15. 被処理基板を一時的に留め置いて保管するためのバッファユニットを前記受け渡し部の上または下に重ねて設け、前記受け渡し部にアクセス可能な少なくとも1つの前記搬送手段により前記バッファユニットにアクセス可能とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の処理システム。
  16. 前記通路の入口付近に前記通路の存在場所とシステム内の状況とを同時に知らせるための表示手段を設ける、請求項1〜15のいずれか一項に記載の処理システム。
  17. 前記通路を常時開放状態とする、請求項1〜16のいずれか一項記載の処理システム。
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