JP4375984B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、簡便な印刷方法として、デジタル式感熱孔版印刷法が知られている。これは、複数の発熱素子が直線状に配列されたサーマルヘッドをマスタ原紙(感熱孔版原紙)に接触させ、選択された発熱素子に対してパルス的に通電させながらマスタ原紙を搬送することで、製版用画像データに応じてマスタ原紙を加熱溶融穿孔してマスタを製版する。製版した(穿孔画像を形成した)マスタを多孔性円筒状の版胴の外周面に巻き付け、版胴の内側に供給したインキをマスタの穿孔部分を透過させて印刷用紙に転移させることにより印刷用紙上への画像形成を行う。
【0003】
このため、孔版印刷装置には、主要な構成として、サーマルヘッドを備えた製版部、版胴を備えた印刷部が設けられている。
【0004】
サーマルヘッドによるマスタの製版時には、製版用画像データがサーマルヘッドへ送信される。この製版用画像データとしては、孔版印刷機と一体又は別体に設けられたイメージスキャナで読み取られて所定の画像処理が施されたデータ、又は、パソコンにより作成されて所定の変換処理が施されたデータが利用される。
【0005】
ここで、孔版印刷装置においては、マスタ原紙を加熱溶融穿孔することにより得られるマスタの穿孔画像が適正であるか否かは、マスタを製版し、そのマスタを版胴に巻き付け、試し印刷をしてみない確認できないという不都合がある。このため、マスタに形成された穿孔画像が適正でなかった場合には、マスタ原紙や、試し刷りで使用したインキや印刷用紙が無駄になる。このような無駄が生じた場合、特に、マスタ原紙は高価な材料であるので、孔版印刷のランニングコストが高くなる。
【0006】
マスタの穿孔画像が適正でない場合としては、例えば、イメージスキャナによる原稿画像の読取時に、印刷用紙と印刷画像との間に位置ずれが生ずるような読取不良(特に、拡大・縮小の変倍処理時に、例えば、不定形サイズの原稿を拡大してA3縦用紙の真ん中よりもやや上のほうに配置させて印刷させたいような場合には、簡単に意図した印刷仕上がり画像が得られない)や、パソコンで作成した画像データを製版用画像データに変換する際の変換不良による画像ぼけ等が発生する場合が挙げられる。
【0007】
そこで、マスタの穿孔画像が適正に形成されたか否かを、マスタを製版する前に確認できるようにした孔版印刷装置の発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
この特許文献1に開示された孔版印刷装置を図6に基づいて説明する。この孔版印刷装置は、複数の発熱素子101を備えたサーマルヘッド102、軸心周りに回転自在に支持された多孔性円筒状の版胴103とその内部に設けられたインキ供給部103aとを有する印刷部104を有している。さらに、ロール状のマスタ原紙105を保持する保持軸106、シート状の感熱記録媒体107を収納する収納部108を有し、マスタ原紙105と感熱記録媒体107とは選択的に搬送され、サーマルヘッド102とこのサーマルヘッド102の発熱素子101に当接するプラテン109との間を通過して搬送される。インキ供給部103aは、図示しないインキ供給ポンプの駆動によりインキが供給されるインキ供給パイプ116、インキ供給パイプ116に形成された供給穴117から落下したインキを版胴103の内周面に塗り付けるように回転駆動されるインキローラ118、インキローラ118の外周面に当接されることによりインキ溜り119を形成するドクターローラ120等により構成されている。
【0009】
この孔版印刷装置では、マスタ原紙105を加熱溶融穿孔してマスタ105aを製版する際に、そのマスタ105aの製版に先立ち、感熱記録媒体107をサーマルヘッド102とプラテン109との間に搬送し、サーマルヘッド102によって感熱記録媒体107に製版前画像形成を行う機能を備えている。
【0010】
この製版前画像形成においては、感熱記録媒体107がサーマルヘッド102とプラテン109との間に搬送されたとき、製版用画像データ(正確には、製版時のマスタ105aの穿孔画像と鏡像関係にある画像データ)に応じてサーマルヘッド102の発熱素子101を発熱させることにより、マスタ105aに形成される穿孔画像と同じ画像(正確には、製版時のマスタ105aの穿孔画像と鏡像関係にある画像)を感熱記録媒体107上に形成することができる。このため、孔版印刷を行う作業者は、感熱記録媒体107上に形成された画像を見ることにより、マスタ105aに形成される穿孔画像が適正であるか否かを判断することができる。適正でないと判断した場合には、製版用画像データの修正を行い、その修正後に感熱記録媒体107上への画像形成を再度行う。一方、適正であると判断した場合には、マスタ原紙105を搬送するとともにサーマルヘッド102の発熱素子101を発熱させ、マスタ105aの製版を行う。
【0011】
なお、版胴103の周囲には上述した各部材のほか、使用済みのマスタ105aを版胴103の外周面から剥がして回収する排版部110、製版前に画像形成された感熱記録媒体107が排紙される排紙トレイ111、図示ない給紙部から給紙された印刷用紙112を版胴103の外周面に送り込むタイミングを図るレジストローラ113、給紙された印刷用紙112を版胴103の外周面に所定の圧力で押圧するプレスローラ114、印刷用紙112が版胴103の外周面に巻き付くことを阻止する分離離爪115等が設けられている。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−113811公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示された孔版印刷装置においては、不適正な穿孔画像を形成することによるマスタ原紙105の無駄使いを防止できるものの、新たなマスタ105aを製版する都度少なくとも1枚以上の感熱記録媒体107を消費するので、紙資源を無駄使いするという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、紙資源などの資源を無駄使いすることなく適正な穿孔画像を有するマスタを製版することができる孔版印刷装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1 記載の発明の孔版印刷装置は、複数の発熱素子を備え、マスタ原紙を加熱溶融穿孔してマスタを製版する第一サーマルヘッドと、複数の発熱素子を備え、書き換え可能な感熱記録媒体に画像形成を行う第二サーマルヘッドと、内部にインキ供給部が設けられて軸心周りに回転自在に支持され、外周面に前記マスタが巻き付けられる多孔性円筒状の版胴と、前記書き換え可能な感熱記録媒体を収納する収納部と、前記書き換え可能な感熱記録媒体に形成されている画像を消去する画像消去部と、前記収納部に収納された書き換え可能な感熱記録媒体が、前記画像消去部による消去位置と前記第二サーマルヘッドによる画像形成位置とを通過し、再び前記収納部に戻る循環搬送路を通るように搬送する搬送手段と、を有する。
【0016】
したがって、マスタの製版に先立って書き換え可能な感熱記録媒体を搬送手段により第二サーマルヘッドに当接する位置へ搬送し、マスタを製版する製版用画像データに応じて第二サーマルヘッドの発熱素子を発熱させることにより、マスタに形成される穿孔画像と同じ画像(正確には、製版時のマスタの穿孔画像と鏡像関係にある画像)を書き換え可能な感熱記録媒体上に形成することができる。孔版印刷装置の使用者が、書き換え可能な感熱記録媒体上に形成された画像を見ることにより、マスタに形成される穿孔画像が適正であるか否かを判断することができる。第二サーマルヘッドにより画像形成が行われた書き換え可能な感熱記録媒体は、その後、搬送手段により画像消去部へ搬送されて画像が消去され、再度、第二サーマルヘッドによる画像形成が行われる。これにより、書き換え可能な感熱記録媒体を使い捨てすることなく繰り返し使用することが可能となり、資源の有効利用を図れる。
【0017】
ここで、画像消去部と第二サーマルヘッドとは別個に離反した位置に設けてもよく、又は、一体化して画像の消去と新たな画像形成とを連続して行う構成としてもよい。
【0018】
請求項1記載の発明は、前記第一サーマルヘッドと前記第二サーマルヘッドとが共有化された一つのサーマルヘッドが設けられている。
【0019】
したがって、サーマルヘッドの数が少なくなり、孔版印刷装置の小型化、軽量化を図れる。
【0020】
請求項1記載の発明は、前記書き換え可能な感熱記録媒体への前記サーマルヘッドによる画像形成時に、前記書き換え可能な感熱記録媒体と前記マスタ原紙とを重ね合わせた状態で一体に搬送する一体搬送手段と、前記書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成が終了した後に一体に搬送された前記マスタ原紙をその搬送量と同じ量逆向きに戻す戻し手段と、を有する。
【0021】
したがって、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時に、書き換え可能な感熱記録媒体とマスタ原紙とが重ね合わせた状態で一体に搬送されるので、書き換え可能な感熱記録媒体とマスタ原紙との間で摩擦が発生せず、書き換え可能な感熱記録媒体の搬送をスムーズに行える。さらに、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成が終了した後に、マスタ原紙をその画像形成時の搬送量と同じ量逆向きに戻すので、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時に書き換え可能な感熱記録媒体とマスタ原紙とを重ね合わせた状態で一体に搬送しても、マスタ原紙の無駄使いが生じない。
【0032】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、前記マスタ原紙への加熱溶融穿孔時と前記書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時とにおいて、印加される熱エネルギー又は搬送速度の少なくとも一方を可変する可変手段が設けられている。
【0033】
したがって、マスタ原紙への穿孔画像の形成時と、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時において、印加される熱エネルギー又は搬送速度の少なくとも一方を可変することにより、マスタ原紙上の穿孔画像や書き換え可能な感熱記録媒体上の画像が良好に形成される。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。なお、図6において説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する(以下の実施の形態でも同じ)。
【0035】
本実施の形態の孔版印刷装置の基本的構造は図6に示した孔版印刷装置と同じであり、版胴103や版胴103の内部に設けられたインキ供給部103aからなる印刷部104、排版部110、ロール状に巻回されたマスタ原紙105を保持する保持軸106、複数の発熱素子101を備えたサーマルヘッド102、レジストローラ113、プレスローラ114等が設けられている。
【0036】
本実施の形態が図6に示した孔版印刷装置と異なる点は、書き換え可能な感熱記録媒体1を収納する収納部2と、書き換え可能な感熱記録媒体1に形成されている画像を消去する画像消去部である加熱ローラ3とが設けられ、書き換え可能な感熱記録媒体1が、加熱ローラ3から熱エネルギーを印加される位置とサーマルヘッド102から熱エネルギーを印加される位置とを通過して循環される循環搬送路4が形成されている点である。循環搬送路4上には、書き換え可能な感熱記録媒体1を搬送する搬送手段である複数の搬送ローラ5が設けられている。なお、画像消去部としては、加熱ローラ3に代えてサーマルヘッドを使用することもできる。
【0037】
書き換え可能な感熱記録媒体1としては、様々な形式のものがあるが、印加する熱エネルギーの多少により、画像形成とその画像の消去とを行えるロイコ染料使用したものが好適に使用できる。
【0038】
加熱ローラ3の外周面には加圧ローラ6が押圧され、画像が形成された書き換え可能な感熱記録媒体1が加熱ローラ3と加圧ローラ6との間を通過して熱エネルギーを印加されることにより、書き換え可能な感熱記録媒体1に形成されている画像が消去される。
【0039】
サーマルヘッド102は、マスタ原紙105を加熱溶融穿孔してマスタ105aを製版する第一サーマルヘッドと、書き換え可能な感熱記録媒体1に画像形成を行う第二サーマルヘッドとして機能する。
【0040】
サーマルヘッド102に押圧されるプラテン109にはプラテンモータ7が連結され、マスタ原紙105への穿孔画像の形成時にはマスタ原紙105を搬送するように回転駆動される。また、プラテン109は、書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成時には、書き換え可能な感熱記録媒体1とマスタ原紙105とを重ね合わせた状態で一体に搬送する一体搬送手段として機能する。
【0041】
マスタ原紙105を保持する保持軸106には、この保持軸106をマスタ原紙105と共に回転させる保持軸モータ8が連結されている。
【0042】
図2は、本実施の形態の孔版印刷装置の電気的接続を示すブロック図である。孔版印刷装置には、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)等により構成されるマイクロコンピュータ構成の制御部9が設けられており、この制御部9に対し、サーマルヘッド102、加熱ローラ3、印刷部104、排版部110、プラテンモータ7、保持軸モータ8、操作パネル10、搬送ローラ用モータ11、スキャナ12、パソコン13等が接続されている。ここで、制御部9のROMには、操作パネル10上の各種キーからの入力操作や、図示しないセンサ等の検知結果に応じて各部を制御する制御プログラムが格納されている。
【0043】
ここで、この孔版印刷装置によるマスタ105aを製版する場合の処理について説明する。スキャナ12で読み取られて所定の画像処理が施された製版用画像データ、又は、パソコン13により作成されて所定の変換処理が施された製版用画像データが制御部9に入力され、さらに、操作パネル10上の製版前画像形成のキーが押されると、加熱ローラ3が加熱されるとともに加熱ローラ3が所定温度に加熱された後に搬送ローラ5が駆動され、収納部2に収納されていた書き換え可能な感熱記録媒体1が循環搬送路4上を矢印で示す方向へ搬送される。
【0044】
書き換え可能な感熱記録媒体1は、この搬送過程において加熱ローラ3と加圧ローラ6との間を通過する際に加熱ローラ3から熱エネルギーを印加され、書き換え可能な感熱記録媒体1に形成されていた画像が消去される。
【0045】
画像が消去された書き換え可能な感熱記録媒体1がサーマルヘッド102とプラテン109との入り口部まで搬送されると、それを検知したセンサ(図示せず)からの信号に基づいてプラテン109が回転駆動され、書き換え可能な感熱記録媒体1とマスタ原紙105とが一体に搬送される。
【0046】
この搬送時において、サーマルヘッド102の発熱素子101が製版用画像データに応じて選択的に発熱し、書き換え可能な感熱記録媒体1上に製版用画像(実際には、製版時のマスタ105aの穿孔画像と鏡像関係にある画像)が形成される。画像が形成された書き換え可能な感熱記録媒体1は、循環搬送路4を搬送されて収納部2に戻る。
【0047】
書き換え可能な感熱記録媒体1へのサーマルヘッド102による画像形成時において、書き換え可能な感熱記録媒体1とマスタ原紙105とが一体に搬送されるので、書き換え可能な感熱記録媒体1とマスタ原紙105との間で摩擦が発生せず、書き換え可能な感熱記録媒体1の搬送がスムーズに行われる。
【0048】
また、書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成が終了し、書き換え可能な感熱記録媒体1がプラテン109とサーマルヘッド102とによる挟持位置を通過した後、保持軸モータ8がマスタ原紙105を巻き戻す方向へ、書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成時の搬送量と同じ量だけ巻き戻すように回転駆動される。このため、書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成時に書き換え可能な感熱記録媒体1とマスタ原紙105とが重ね合わせた状態で一体に搬送されても、マスタ原紙105の無駄使いが生じない。なお、マスタ原紙105の巻き戻し量の制御は、巻き戻されるマスタ原紙105の戻し量をセンサ(図示せず)で検知し、センサの検知結果に基づいて戻し量が書き換え可能な感熱記録媒体1の長さ寸法と同じになるように制御部9で保持軸モータ8を駆動制御することにより行われ、ここに、制御部9により実行される機能の一つである戻し手段が実行される。
【0049】
孔版印刷を行う作業者は、収納部2に戻った書き換え可能な感熱記録媒体1に形成された画像を見ることにより、製版用画像データが適正であるか否かを判断することができる。
【0050】
そして、適正でないと判断した場合には、製版用画像データの修正を行い、その修正後に書き換え可能な感熱記録媒体1を再度循環搬送路4上で搬送し、修正した製版用画像データに応じた画像を書き換え自在な感熱記録媒体1上に形成し、収納部2に戻った書き換え可能な感熱記録媒体1に形成された画像を見ることにより、製版用画像データが適正であるか否かを再び判断する。
【0051】
一方、適正であると判断した場合には、操作パネル10上の製版スタートキーを押すことにより、プラテン109が回転駆動されてマスタ原紙105の搬送が開始される。さらに、マスタ原紙105の搬送が開始された後の所定のタイミングで、サーマルヘッド102の発熱素子101が製版用画像データに応じて選択的に発熱し、マスタ原紙105に穿孔画像が形成され、マスタ105aが製版される。製版されたマスタ105aはカッタ14で所定長さにカットされ、版胴103の外周面に巻き付けられる。
【0052】
マスタ105aが版胴103に巻き付けられた後、版胴103が回転駆動されるとともに印刷用紙112の給紙と、プレスローラ114による版胴103の外周面への印刷用紙112の押付けとが行われ、印刷用紙112への画像形成が行われる。
【0053】
また、この孔版印刷装置には、制御部9により実行される機能の一つとして、マスタ原紙105への加熱溶融穿孔時と書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成時とにおいて、印加される熱エネルギー又は搬送速度の少なくとも一方を可変する可変手段が設けられている。この可変手段の実行は、操作パネル10上の製版前画像形成のキー、又は、製版スタートキーが押されることにより行われる。印加される熱エネルギーの可変は、発熱素子101に印加する電流値を可変することにより行える。搬送速度の可変は、プラテンモータ7の回転数を可変することにより行える。印加される電流値を一定にして搬送速度を遅くした場合には、遅くなるにつれて書き換え可能な感熱記録媒体1やマスタ原紙105に印加される熱エネルギーの量が多くなる。
【0054】
この可変手段の実行により、マスタ原紙105への穿孔画像の形成時と、書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成時において、マスタ原紙105又は書き換え可能な感熱記録媒体1へ印加する熱エネルギーを可変することができ、マスタ原紙105上の穿孔画像や書き換え可能な感熱記録媒体1上の画像の品質向上を図ることができる。
【0055】
ここで、この孔版印刷装置では、製版用画像データが適正であるか否かを判断するために行う製版前画像形成において、書き換え可能な感熱記録媒体1を用いて画像形成を行い、この書き換え可能な感熱記録媒体1を使い捨てすることなく繰り返し使用するので、資源の有効利用を図ることができる。
【0056】
参考例1を図3及び図4に基づいて説明する。本参考例1の基本的構造は第一の実施の形態と同じであり、異なる点は、サーマルヘッド102を挟んで位置する一対のプラテン21、22を設け、一方のプラテン21とサーマルヘッド102との間にマスタ原紙105が搬送されるマスタ原紙搬送経路23を設け、他方のプラテン22とサーマルヘッド102との間に書き換え可能な感熱記録媒体1が搬送される記録媒体搬送経路24を設けた点である。
【0057】
プラテン21、22はサーマルヘッド102に対して接離する方向へ移動可能に設けられ、サーマルヘッド102は支軸25を支点として回動自在に設けられている。支軸25には、回転制御用のモータ(図示せず)が連結され、このモータは制御部9(図2参照)により制御される。サーマルヘッド102が支軸25を支点して回動することにより、サーマルヘッド102の発熱素子101がプラテン21に向けて対向し(図4(a))、又は、プラテン22に向けて対向する(図4(b))。
【0058】
このような構成において、マスタ105aの製版に先立って書き換え可能な感熱記録媒体1に画像を形成する製版前画像形成時には、図4(b)に示すように、サーマルヘッド102を発熱素子101が上向きとなるように支軸25を中心として回転し、プラテン22を下方(サーマルヘッド102に近接する方向)へ移動させることによりプラテン22を発熱素子101に当接させる。この状態において、書き換え可能な感熱記録媒体1がサーマルヘッド102とプラテン22との間である記録媒体搬送経路24を搬送され、その搬送タイミングに合わせてサーマルヘッド102の発熱素子101が製版用画像データに応じて選択的に発熱し、書き換え可能な感熱記録媒体1上に製版用画像(正確には、製版時のマスタ105aの穿孔画像と鏡像関係にある画像)が形成される。画像が形成された書き換え可能な感熱記録媒体1は、循環搬送路4を搬送されて収納部2に戻る。孔版印刷を行う作業者は、収納部2に戻った書き換え可能な感熱記録媒体1に形成された画像を見ることにより、製版用画像データが適正であるか否かを判断することができる。
【0059】
収納部2に戻った書き換え可能な感熱記録媒体1に形成された画像を見ることにより製版用画像データが適正であると判断され、操作パネル10上の製版スタートキーが押されることにより、プラテン22の上昇(サーマルヘッド102から離反する方向への移動)と、サーマルヘッド102の支軸25を中心とする回転と、プラテン21の上昇(サーマルヘッド102に接近する方向への移動)とが行われ、図4(a)に示すように、サーマルヘッド102の発熱素子101がプラテン21に当接される。その後、プラテン21が回転駆動されることによりマスタ原紙105の搬送が行われ、マスタ原紙105の搬送が開始された後の所定のタイミングでサーマルヘッド102の発熱素子101が製版用画像データに応じて選択的に発熱し、マスタ原紙105に穿孔画像が形成され、マスタ105aが製版される。製版されたマスタ105aはカッタ14で所定長さにカットされ、版胴103の外周面に巻き付けられる。
【0060】
本参考例1の孔版印刷装置によれば、マスタ原紙搬送経路23内にマスタ原紙105を残したまま書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成を行えるので、書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成時にマスタ原紙105を取り除いたり、書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成終了後にマスタ原紙105をセットしたりする手間が不要となる。
【0061】
参考例2を図5に基づいて説明する。本実施の形態の孔版印刷装置では、本実施の形態のサーマルヘッド31は、複数の発熱素子101を備え、マスタ原紙105を加熱溶融穿孔してマスタ105aを製版する第一サーマルヘッド31aと、複数の発熱素子101を備え、書き換え可能な感熱記録媒体1への画像形成を行う第二サーマルヘッド31bとを、背中合わせに貼付けて構成されている。
【0062】
このサーマルヘッド31の上下には、第一サーマルヘッド31aの発熱素子101に当接する側に位置するプラテン32と、第二サーマルヘッド31bの発熱素子101に当接する側に位置するプラテン33が配置されている。
【0063】
一方のプラテン32と第一サーマルヘッド31aとの間にはマスタ原紙105が搬送されるマスタ原紙搬送経路23が設けられ、他方のプラテン33と第二サーマルヘッド31bとの間には書き換え可能な感熱記録媒体1が搬送される記録媒体搬送経路24が設けられている。
【0064】
第一サーマルヘッド31aと第二サーマルヘッド31bとの貼り合わせ部位には、放熱板34とその先端部に取り付けられた放熱素子35とからなる放熱体36が設けられている。放熱素子35としては、高い放熱効果が得られる部材、例えば、ヒートシンクやヒートパイプを用いることが好適である。放熱素子35は、放熱板34の両端に設けず、片端のみに設けてもよい。
【0065】
このような構成において、参考例2の孔版印刷装置では、マスタ原紙105への穿孔画像の形成時と、書き換え可能な感熱記録媒体1 への画像形成時において、プラテン32、33を移動させたりサーマルヘッド31を回動させたりする必要がなく、移動させたり回動させたりする機構が不要であるために構造が簡略化されるとともに安価な構造となる。
【0066】
また、第一サーマルヘッド31aと第二サーマルヘッド31bとの二つのサーマルヘッドを用いても、それらが背中合わせに貼り付けられているため、設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0067】
また、第一サーマルヘッド31aと第二サーマルヘッド31bとを背中合わせに貼り合わせることにより、第一・第二サーマルヘッド31a、31bの放熱領域が狭くなるが、放熱体36を設けることにより第一サーマルヘッド31aと第二サーマルヘッド31bとからの放熱を良好に行える。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の孔版印刷装置によれば、マスタの製版に先立って行う製版前画像形成を書き換え可能な感熱記録媒体に対して第二サーマルヘッドで行い、画像形成された書き換え可能な感熱記録媒体の画像を画像消去部で消去することにより、書き換え可能な感熱記録媒体を使い捨てすることなく繰り返し使用することが可能となり、資源の有効利用を図ることができる。
【0069】
請求項1記載の発明によれば、前記第一サーマルヘッドと前記第二サーマルヘッドとが共有化された一つのサーマルヘッドが設けられているので、サーマルヘッドの数が少なくなり、孔版印刷装置の小型化、軽量化を図ることができる。
【0070】
請求項1記載の発明によれば、前記書き換え可能な感熱記録媒体への前記サーマルヘッドによる画像形成時に、前記書き換え可能な感熱記録媒体と前記マスタ原紙とを重ね合わせた状態で一体に搬送する一体搬送手段と、前記書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成が終了した後に一体に搬送された前記マスタ原紙をその搬送量と同じ量逆向きに戻す戻し手段とを有するので、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時に書き換え可能な感熱記録媒体とマスタ原紙との間で摩擦が発生せず、書き換え可能な感熱記録媒体の搬送をスムーズに行うことができ、さらに、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成が終了した後にマスタ原紙をその画像形成時の搬送量と同じ量逆向きに戻すので、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時に書き換え可能な感熱記録媒体とマスタ原紙とを重ね合わせた状態で一体に搬送しても、マスタ原紙の無駄使いになることを防止できる。
【0075】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、前記マスタ原紙への加熱溶融穿孔時と前記書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時とにおいて、印加される熱エネルギー又は搬送速度の少なくとも一方を可変する可変手段が設けられているので、マスタ原紙への穿孔画像の形成時と、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時において、印加される熱エネルギー又は搬送速度の少なくとも一方を可変することにより、マスタ原紙上の穿孔画像や書き換え可能な感熱記録媒体上の画像を良好に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の孔版印刷装置の概略構成図である。
【図2】電気的接続を示すブロック図である。
【図3】参考例1の孔版印刷装置の概略構成図である。
【図4】マスタ原紙への穿孔画像の形成時と、書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時とにおける切替動作を説明する説明図である。
【図5】参考例2の孔版印刷装置の概略構成図である。
【図6】従来例の孔版印刷装置の概略構成図である。
Claims (2)
- 複数の発熱素子を備え、マスタ原紙を加熱溶融穿孔してマスタを製版する第一サーマルヘッドと、
複数の発熱素子を備え、書き換え可能な感熱記録媒体に画像形成を行う第二サーマルヘッドと、
内部にインキ供給部が設けられて軸心周りに回転自在に支持され、外周面に前記マスタが巻き付けられる多孔性円筒状の版胴と、
前記書き換え可能な感熱記録媒体を収納する収納部と、
前記書き換え可能な感熱記録媒体に形成されている画像を消去する画像消去部と、
前記収納部に収納された書き換え可能な感熱記録媒体が、前記画像消去部による消去位置と前記第二サーマルヘッドによる画像形成位置とを通過し、再び前記収納部に戻る循環搬送路を通るように搬送する搬送手段と、
を有し、
前記第一サーマルヘッドと前記第二サーマルヘッドとが共有化された一つのサーマルヘッドが設けられており、
前記書き換え可能な感熱記録媒体への前記サーマルヘッドによる画像形成時に、前記書き換え可能な感熱記録媒体と前記マスタ原紙とを重ね合わせた状態で一体に搬送する一体搬送手段と、
前記書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成が終了した後に一体に搬送された前記マスタ原紙をその搬送量と同じ量逆向きに戻す戻し手段と、
を有する孔版印刷装置。 - 前記マスタ原紙への加熱溶融穿孔時と前記書き換え可能な感熱記録媒体への画像形成時とにおいて、印加される熱エネルギー又は搬送速度の少なくとも一方を可変する可変手段が設けられている請求項1の孔版印刷装置。
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