JP4375462B2 - アキシャルピストンポンプ及びそれを備えた動力伝達装置 - Google Patents

アキシャルピストンポンプ及びそれを備えた動力伝達装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動軸と一体回転可能なカム手段によってシリンダ室に設けられたピストンを駆動軸の軸線方向に関して往復運動させることができるアキシャルピストンポンプ及びそれを備えた動力伝達装置に関する。
駆動軸の軸線方向に向いたカム面を有し駆動軸と一体回転するカム部材を備え、カム面を転動するローラが軸線方向に往復動するピストンに保持されている多行程型のアキシャルピストンポンプが知られている(特許文献1)。
特開2006−233972号公報
文献1のポンプはカム部材のカム面の形状が不変であり、ピストンのストローク量が変わらないのでポンプ容量を変更することができない。そのため、文献1のようなポンプはポンプ容量を状況に応じて変更できることが望まれる用途になじみ難い。
一方、このようなポンプを自動車等の車両の自動変速機に内蔵させ、動力伝達経路上の入力側をポンプの駆動軸に、出力側をポンプの被駆動軸にそれぞれ接続して、入力側と出力側との回転差によってポンプを駆動する構成とした場合、静止から発進する際などは入力側と出力側の回転差が顕著であるため、ポンプの吸入オイル流速が増加してオイル吸入抵抗が増大し、ローラがカム面に追従できなくなるおそれがある。そこで、このような構成とした場合には、ポンプの容量を状況に応じて変更し、吸入オイル流速の増加を抑制することが望まれる。
そこで、本発明はポンプの容量を変更することができるアキシャルピストンポンプ及びそのポンプを備えた車両の動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明のアキシャルピストンポンプは、駆動軸と一体回転可能なカム手段によってシリンダ室に設けられたピストンを前記駆動軸の軸線方向に関して往復運動させることができるアキシャルピストンポンプにおいて、前記カム手段は、前記ピストンに連結されたカムフォロアに接触し得るカム面を持ち前記軸線方向への移動が制限された状態で前記駆動軸と一体回転できる固定カム部材と、前記カムフォロアに接触し得るカム面を持ち前記軸線方向に移動可能な状態で前記駆動軸と一体回転できる可動カム部材とを備え、前記固定カム部材の前記カム面における前記軸線方向の凹凸差と前記可動カム部材の前記カム面における前記軸線方向の凹凸差とが互いに相違することにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
このアキシャルピストンポンプによれば、カム面の凹凸差が異なる固定カム部材と可動カム部材とを使い分けることによりピストンのストローク量を変えることができる。これにより、ポンプ容量を状況に応じて変更することができる。固定カム部材は軸線方向への移動が制限されているため、例えば何らかの原因で可動カム部材が移動できなくなった場合であっても、固定カム部材に設けられたカム面に応じたピストンのストロークを確保できる。
固定カム部材のカム面の凹凸差と可動カム部材のカム面の凹凸差との大小関係は、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、前記固定カム部材の前記カム面における前記凹凸差が前記可動カム部材の前記カム面における前記凹凸差よりも小さいアキシャルピストンポンプ(請求項2)は小さいポンプ容量が大きいポンプ容量よりも積極的に要請される用途に適している。例えば、この態様のポンプを自動車等の車両の自動変速機に内蔵させた場合、エンジン始動直後などエンジントルクが安定しない状態にも可動カム部材を移動させずに小さいポンプ容量を選択することができるため、ポンプ駆動トルクが大きく得られない状態でも比較的高い油圧を得ることが可能となる。
本発明のアキシャルピストンポンプにおいて、前記カム手段は、前記カムフォロアが前記可動カム部材の前記カム面に追従可能な前記軸線方向に関する有効位置に前記可動カム部材を拘束する拘束状態と、前記可動カム部材に対する前記有効位置への拘束を解除する解除状態とを切り替えるカム有効化手段を更に備えてもよい(請求項3)。この態様によれば、有効位置に可動カムが拘束されて有効化されていた拘束状態から解除状態へ切り替えることにより、それと同時に固定カム部材を有効化することができる。
カム有効化手段は特段の制限はなく、電磁力その他の動力源を利用して拘束状態と解除状態とを切り替えられればよい。例えば、前記カム有効化手段は、前記可動カム部材を前記有効位置に移動させて拘束するために液体が導かれる制御室と、前記可動カム部材が前記拘束状態と前記解除状態との間で切り替えられるように前記制御室内の圧力を調整できる圧力調整部とを備え、前記圧力調整部は、前記シリンダ室から吐出された液体を利用して前記制御室内の圧力を調整できるように構成されていてもよい(請求項4)。この態様によれば、シリンダ室から吐出された液体を利用して拘束状態と解除状態とを切り替えることができるため、可動カム部材を動作させるために特別の動力源を要しないという利点がある。なお、液体としては、オイル等の作動媒体として機能する液体を用いることができる。
また、前記カム有効化手段は、前記有効位置に拘束された前記可動カム部材の前記カム面の最後退部の位置が前記固定カム部材の前記カム面の最後退部の位置と同一又は当該最後退部の位置よりも前記ピストンに近い位置となるように前記可動カム部材の移動を規制するストッパを更に備えてもよい(請求項5)。この態様によれば、ストッパによって可動カム部材を確実に有効位置に保持することができ、かつ可動カム部材が拘束されたときに固定カム部材の影響を受けないためカム有効化手段の信頼性が向上する。
本発明のアキシャルピストンポンプにおいて、前記可動カム部材は、前記軸線方向に関する剛性が前記固定カム部材の前記軸線方向に関する剛性よりも低くなるように構成されていてもよい(請求項6)。固定カム部材から可動カム部材へ有効化するカムを切り替える場合、その切り替えの過程でピストンが固定カム部材及び可動カム部材のそれぞれのカム面に沿ってストロークすることによってシリンダ内で油圧変動が発生する可能性がある。この態様によれば、可動カム部材の軸線方向に関する剛性が固定カム部材の軸線方向に関する剛性よりも低くなっているので、固定カム部材から可動カム部材へカムを切り替える過程でこれらのカム部材の各カム面に沿ってストロークすることが抑制される。これにより、カムの切り替え時におけるシリンダ内での油圧変動を抑制することができる。
本発明の動力伝達装置は、車両の走行用動力源から駆動輪までの動力伝達経路内に設けられた動力伝達装置において、前記動力伝達経路の出力側又は入力側のいずれか一方が接続される駆動軸と、前記駆動軸と同軸に配置されて前記動力伝達経路の出力側又は入力側のいずれか他方が接続される被駆動軸と、前記駆動軸と一体回転可能なカム手段と、前記駆動軸の軸線方向に延びるシリンダ室が形成されて前記被駆動軸と一体回転可能なシリンダボディと、前記シリンダ室に往復動可能な状態で挿入されたピストンとを有し、前記カム手段によって前記ピストンを前記軸線方向に関して往復運動させて前記シリンダ室に吸入した液体を前記シリンダ室から吐出させることができるアキシャルピストンポンプを備え、前記カム手段は、前記ピストンに連結されたカムフォロアに接触し得るカム面を持ち前記軸線方向への移動が制限された状態で前記駆動軸と一体回転できる固定カム部材と、前記カムフォロアに接触し得るカム面を持ち前記軸線方向に移動可能な状態で前記駆動軸と一体回転できる可動カム部材と、前記カムフォロアが前記可動カム部材の前記カム面に追従可能な前記軸線方向に関する有効位置に前記可動カム部材を拘束する拘束状態と前記可動カム部材に対する前記有効位置への拘束を解除する解除状態とを前記シリンダ室から吐出される液体を利用して切り替えるカム有効化手段とを有し、前記固定カム部材の前記カム面における前記軸線方向の凹凸差が前記可動カム部材の前記カム面における前記軸線方向の凹凸差よりも小さいことにより、上述した課題を解決する(請求項7)。
この動力伝達装置によれば、動力伝達経路の出力側と入力側との間にアキシャルピストンポンプが介在するため、入力側と出力側との回転差によってポンプを駆動させてオイルを吸入及び吐出させることが可能となる。このポンプに設けられたカム手段は、カム面の凹凸差が異なる固定カム部材と可動カム部材とを有しているので、車両の走行状態や走行用動力源の状態に応じてこれらのカム部材を使い分けることができる。例えば、車両の発進時のように入力側と出力側との回転差が大きい状況においては、ポンプ容量を小さくすることによってポンプの吸入オイル流速の増加を抑制してカムフォロアのカム面に対する追従性を確保することができる。また、定常走行時においては、ポンプ容量を大きくすることによって入力側と出力側との回転差を小さくしてポンプでのエネルギー損失を抑制することができる。更に、動力源の始動直後などカム有効化手段が利用する油圧を得難い状況であってもカム面の凹凸差が小さい固定カム部材が自動的に有効化される。このような油圧を得難い状況は、車両停止時のような入力側と出力側との回転差が大きい状況であるためカム面の凹凸差が小さい固定カム部材が有効化されることによって、そのような状況でもカムフォロアのカム面に対する追従性を確保することができる。
動力伝達経路には、アキシャルピストンポンプの他に種々の装置が設けられていてもよい。例えば、本発明の動力伝達装置の一態様としては、前記動力伝達経路に設けられ、かつベルトを利用した無段変速機を更に備えてもよい(請求項8)。この態様によれば、ベルトを利用した無段変速機において、車両の発進時のように入力側と出力側との回転差が大きい状況においてもカムフォロアのカム面に対する追従性を確保することができるとともに、ポンプでのエネルギー損失を抑制することができる。
また、本発明の動力伝達装置の一態様としては、前記シリンダ室から吐出される液体の流量を調整できる調整手段と、前記走行用動力源の運転状態及び前記車両の走行状態に基づいて前記調整手段を制御する制御手段とを更に備えてもよい(請求項9)。この態様によれば、調整手段を制御することによりポンプの吐出流量を制御することができ、動力伝達装置の入力側と出力側との回転差を制御することが可能となり、アキシャルピストンポンプを発進装置として機能させることが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、カム面の凹凸差が異なる固定カム部材と可動カム部材とを使い分けることによりピストンのストローク量を変えることができる。これにより、ポンプ容量を状況に応じて変更することができる。
図1は本発明の一形態に係るアキシャルピストンポンプを内蔵する動力伝達装置が設けられた車両の動力伝達経路や各要素等を簡略化して図示したスケルトン図である。車両1にはその走行用動力源として内燃機関2が設けられている。内燃機関2の出力トルクはケーシング3内に収められた動力伝達装置4に入力され変速等の各種操作が行われてから駆動輪12に伝達される。動力伝達装置4は、ダンパ機構5を介して入力軸6に伝達されたトルクがポンプ7、前後進切替装置8、無段変速機9、伝動装置10及び最終減速機11を経由して駆動輪12に伝達されるように構成されている。また、車両1には、車両1の全体を制御するために設けられたコンピュータである電子コントロールユニット(ECU)110と、ECU110からの出力信号に基づいて動力伝達装置4の各部の油圧を制御する油圧制御装置120とが設けられている。
ポンプ7は油圧源としてのオイルポンプ機能と車両1の発進装置としての動力伝達機能とを兼備している。ポンプ7は駆動軸としての入力軸6と一体回転可能なカム手段としてのカムユニット13によってピストン14を入力軸6の軸線Ax1の方向に関して往復運動させ、かつカムユニット13の一回転によってピストン14を2回以上往復運動させることができる多行程型のアキシャルピストンポンプとして構成されている。ピストン14側の回転は入力軸6の外側に同軸に設けられた中空状のコネクティングドラム15に伝達される。
前後進切替装置8はコネクティングドラム15と無段変速機9のプライマリ軸16との間に介在し、プライマリ軸16の回転方向を正転方向と逆転方向とに切り替える。前後進切替装置8は遊星歯車機構17を備えており、その遊星歯車機構17はプライマリ軸16と一体回転するサンギア17aと、サンギア17aと同軸に設けられたリングギア17bと、これらのギア17a、17bのそれぞれと噛み合うプラネタリギア17cをサンギア17aの回りに公転かつ自転可能な状態で保持するキャリア17dとを有する。また、前後進切替機構8はサンギア17aとリングギア17bとの結合及びその結合を解除するクラッチ20と、キャリア17dの回転の阻止及びその阻止を解除する制動装置21とを更に備えている。前後進切替機構8は、キャリア17dの回転を制動装置21にて許容した状態でサンギア17aとリングギア17bとをクラッチ20にて結合することによりプライマリ軸16の回転方向を正転方向に切り替えるとともに、キャリア17dの回転を制動装置21にて阻止した状態でサンギア17aとリングギア17bとの結合をクラッチ20にて解除することによりプライマリ軸16の回転方向を逆転方向に切り替える。
無段変速機9はベルトを利用した周知の無段変速機として構成されている。無段変速機9は、プライマリ軸16と一体回転するプライマリプーリ23及び伝動装置10に接続されるセカンダリ軸24と一体回転するセカンダリプーリ25のそれぞれの溝幅を変化させることにより、各プーリ23、25に巻き掛けられるベルト26の巻き掛け径を変化させて、プライマリ軸16とセカンダリ軸24との回転速度比を無段階に変更することができる。無段変速機9から出力された回転は、伝動装置10にて減速されてから最終減速機11で更に減速されて駆動輪12に連結された駆動軸27に出力される。
次に、図2〜図12を参照して図1に示したポンプ7の詳細を説明する。図2はポンプ7の要部を示した縦断面図である。なお、図2においては、ポンプ7の各要素の特徴部分が現れる断面が図示されており、かつ軸線Ax1の方向に関するポンプ7の可動要素の位置についても一枚の図面で表現するため上下で相違する箇所がある。
図2に示すように、ポンプ7はカムユニット13やピストン14等の各要素を収容するポンプハウジング30を有しており、そのポンプハウジング30には入力軸6及びコネクティングドラム15が同軸状態で回転自在にそれぞれ支持されている。入力軸6とコネクティングドラム15とは図2の右方においてベアリング31を介在させて相対回転可能な状態で同軸に組み合わされている。コネクティングドラム15にはその外周にスプライン結合された介在部材32が一体回転可能に装着されており、その介在部材32はベアリング33を介してポンプハウジング30の開口部30aに回転自在に支持されている。入力軸6は図2の左方に向かって外径が階段状に拡大する段付き軸として構成されており、入力軸6の中央部には軸線Ax1の方向(以下、軸線方向という)に延びて左方に開口する油穴部35が形成されている。その油穴部35には液体としてのオイルを所定位置に案内するための段付き軸状のガイドピース36が同軸に嵌め込まれている。なお、入力軸6とコネクティングドラム15との間にはオイルが潤滑油として供給通路101にて供給される。供給油路101はガイドピース36の中央に挿入された供給パイプ100及び入力軸6の油穴部35のそれぞれにて構成されている。潤滑油として供給されたオイルは動力伝達装置4の各部に導かれる。
入力軸6の外周にはカムユニット13が一体回転可能な状態で設けられている。カムユニット13にて駆動されるピストン14は入力軸6と同軸に配置されたシリンダボディ40のシリンダ室41に往復動可能な状態で挿入されている。カムユニット13とシリンダボディ40との間には、シリンダ室41へオイルの吸入と排出とを切り替えるためのロータリーバルブ47が入力軸6の外周に装着されている。シリンダボディ40と入力軸6との間には半径方向の荷重を負担するベアリング43が介在する。入力軸6にはシリンダボディ40の側面の一部まで突出するカラー44が装着されており、そのカラー44とシリンダボディ40の側面との間に軸線方向の荷重を負担するベアリング45が介在する。シリンダボディ40はこれらのベアリング44、45により入力軸6に対して相対回転できる。シリンダボディ40はその側面から図2の右方に突出する突出部46を有しており、その突出部46はコネクティングドラム15と一体回転する介在部材32にスプライン結合されている。これにより、シリンダボディ40は入力軸6と相対回転可能な状態でコネクティングドラム15と一体回転できる。
図3は図2の矢印IIIの方向から見た状態を示した説明図である。図2及び図3に示すように、カムユニット13は、ピストン14に回転可能な状態で連結されたカムフォロアとしてのローラ50と接触し得るカム面52を持ち軸線方向への移動が制限された固定カム部材51と、ローラ50と接触し得るカム面54を持ち軸線方向へ移動可能な第1可動カム部材53と、ローラ50と接触し得るカム面56を持ち軸線方向へ移動可能な第2可動カム部材55と、二つの可動カム部材55を軸線方向の所定位置に別々に移動して当該位置で拘束できる移動装置57とを備えている。また、ローラ50を各カム部材51、53、55に追従させるため、ローラ50をカム面52、54、55側に付勢するコイルスプリング等の付勢部材58がシリンダ室41内に設けられている。これらのカム部材51、53、55は、固定カム部材51が最も内側に、第2可動カム部材55が最も外側に、第1可動カム部材53がそれらの間にそれぞれ位置するようにして互いに同軸に配置されている。
図2に示すように、固定カム部材51は入力軸6の外周にスプライン結合されることにより入力軸6に対して相対回転不能に連結されており入力軸6と一体回転する。更に、固定カム部材51は入力軸6の半径方向外側に突出する突部6aによって軸線方向におけるピストン14から遠ざかる方向、即ち図2における左方向への移動が制限されている。更に、固定カム部材51は入力軸6の外周に圧入されており図2における右方向への移動も制限されている。なお、入力軸6にスナップリングやカラーを設けることで固定カム部材51の軸線方向への移動を制限しても構わない。第1可動カム部材53は固定カム部材51に対して軸線方向への移動が許容された状態でスプライン結合されることにより入力軸6と一体回転する。また、第2可動カム部材55は第1可動カム部材53に対して軸線方向への移動が許容された状態でスプライン結合されることにより入力軸6と一体回転する。
図3に示すように、固定カム部材51のカム面52の軸線方向に関する凹凸差、即ちリフトL1は他のカム部材53、55のリフトL2、L3よりも小さい。更に、第1可動カム部材53のリフトL2は第2可動カム部材55のリフトL3よりも小さい。従って、これらのリフトL1〜L3には、L1<L2<L3という関係が成り立っている。これにより、ローラ50(ピストン14)を押し込むカム部材をこれら3種類のカム部材51、53、55の中から適宜選択することによって、ピストン14のストローク量を変更することができる。つまり、ポンプ7の容量を変更することができる。
ローラ50がカム部材にて押し込まれる状態にするためには、つまりカム部材を有効化するためには、特定のカム部材が軸線方向に対して所定位置で拘束されていなければならない。この点、固定カム部材51は、軸線方向への移動が制限されているため、他の可動カム部材53、55が位置拘束されないことにより自動的に有効化される(図2の軸線Ax1よりも下側部分を参照)。
第1可動カム部材53は、そのカム面54の頂点54aが固定カム部材51のカム面52の頂点52aの位置P2と同位置又はそれよりも後退した想像線の位置と、カム面54の最後退部54bがカム面52の最後退部52bの位置P1と同位置又はそれよりも前進した実線の位置との間で移動できるように移動範囲が設定されている。図2に示すように、第1可動カム部材53の移動範囲のうち、後退側の規制は軸線方向に移動不能な状態で入力軸6と同軸に設けられたストッパ61にて行われ、前進側の規制は固定カム部材51にて行われている。また、図3に示すように、第2可動カム部材55も同様に、カム面56の頂点56aが位置P2と同位置又はそれよりも後退した想像線の位置と、カム面56の最後退部56bが位置P1と同位置又はそれよりも前進した実線の位置との間で移動できるように移動範囲が設定されている。図2に示すように、第2可動カム部材55の移動範囲のうち、後退側の規制は軸線方向に移動不能な状態で入力軸6と同軸に設けられたストッパ62にて行われ、前進側の規制はストッパ61とストッパ62との間に設けられて軸線方向に移動不能な状態で入力軸6と同軸に設けられたストッパ63にて行われる。これらのストッパ61〜63は入力軸6の突部6aと入力軸6に装着されたカラー64とに挟まれることにより軸線方向への移動が阻止されている。
移動装置57は油圧を利用して動作するように構成されており、第1可動カム部材53を移動して図3の実線の位置で拘束するための第1制御室71と、第2可動カム部材55を移動して図3の実線の位置で拘束するための第2制御室72と、各制御室71、72に導かれた作動油としてのオイルの油圧(圧力)を調整する油圧調整部73(図1参照)とを備えている。ここで、オイルは本発明に係る液体に、油圧調整部73は本発明に係る圧力調整部にそれぞれ相当する。第1制御室71は第1可動カム部材53とストッパ61と入力軸6とによって囲まれた領域に設けられ、第2制御室72は第2可動カム部材とストッパ62とストッパ63とによって囲まれた領域に設けられている。図1に示すように、油圧調整部73は動力伝達装置4の各部の油圧制御を行う油圧制御装置120にその構成要素の一部として設けられている。油圧制御装置120に設けられた油圧調整部73が適宜操作されることにより各制御室71、72に導かれるオイルの油圧は個別に調整される。油圧調整部73を備えた移動装置57のオイルの流れに関しては、ポンプ7にて吸入及び吐出されるオイルの流れの説明と併せて以下に説明する。
図4はオイルの流れに関連するポンプ7の要素を図2から抜き出して示した縦断面図である。図5〜図12は図4のV−V線、VI−VI線、VII−VII線、VIII−VIII線、IX−IX線、X−X線、XI−XI線、XII−XII線に関する断面を示した横断面図である。なお、これらの図においてはオイルの流れが矢印線で示されている。
図4及び図5に示すように、シリンダボディ40には周方向に等間隔で12個のシリンダ室41が形成されていて、各シリンダ室41にはピストン14が一つずつ挿入されている。シリンダボディ40にはシリンダ室41と連通しかつ軸線方向に開口する開口部81aを有した油路81が形成されている。図4及び図6〜図9に示すように、ロータリーバブル47には吸入ポート82と吐出ポート83とが周方向に等間隔で交互に10個ずつ形成されている。本実施形態では各カム面52、54、56が10個ずつの凹部と凸部とを有しており、これらの個数は吸入ポート82及び吐出ポート83のそれぞれの個数に対応している。吸入ポート82は軸線方向に開口する開口部82aと、半径方向に開口する開口部82bとをそれぞれ有し、吐出ポート83も軸線方向に開口する開口部83aと、半径方向に開口する開口部83bとをそれぞれ有している。吸入ポート82の開口部82a及び吐出ポート83の開口部83aはシリンダボディ40の油路81の開口部81aと通じることができるように半径方向に関して開口部81aと同一位置に配置されている。吸入ポート82の開口部82b及び吐出ポートの開口部83bは、図4、図7及び図9からも明らかなように、軸線方向に関して互いに異なる位置に配置されている。即ち、吸入ポート82の開口部82bは、ガイドピース35及び入力軸6に形成された吸入通路84と連通できる位置に設けられ、吐出ポート83の開口部83bは入力軸6及びガイドピース35に形成されて吐出通路85と連通できる位置に設けられている。
以上のようにロータリーバルブ47の吸入ポート82が吸入通路84に連通し、かつ吐出ポート83が吐出通路85に連通しているため、シリンダボディ40とカムユニット13との回転差に伴ってシリンダボディ40がロータリーバルブ47に対して相対回転すると、シリンダボディ40の油路81の開口部81aに連通するポートが吸入ポート82と吐出ポート83との間で順次切り替わる。これにより、図示の矢印線に示すようにオイルは吸入通路84及び吸入ポート82を通じて吸入行程にあるシリンダ室41に導かれるとともに、吐出行程にあるシリンダ室41のオイルは吐出ポート83及び吐出通路85を通じて吐出される。
次に、移動装置57におけるオイルの流れについて説明する。図4及び図10〜図12に示すように、移動装置57には、第1制御室71に潤滑油を導くための第1導入通路91と、第2制御室72に潤滑油を導くための第2導入通路92とが更に設けられている。図4及び図11に示すように、第1導入通路91は、ガイドピース36に形成されて軸線方向に延びる縦通路91aと、半径方向に延びて縦通路91a及び第1制御室71にそれぞれ連通する横通路91bとを有している。縦通路91aはガイドピース36の左端において開口し、ハウジング30の内面に形成された第1制御通路93と連通している。横通路91bはガイドピース36及び入力軸6にそれぞれ形成される。一方、図4及び図12に示すように、第2導入通路92は、ガイドピース36に形成されて軸線方向に延びる縦通路92aと、半径方向に延びて縦通路92a及び第2制御室72にそれぞれ連通する横通路92bとを有している。縦通路92aはガイドピース36の左端において開口し、ハウジング30の内面に形成された第2制御通路94と連通している。なお、ガイドピース36の左端における、第2導入通路92の縦通路92a及び第1導入通路91の縦通路91aのそれぞれの開口位置は周方向に関して異なっており、これら縦通路91a、92aはOリング等のシール手段にてそれぞれシールされた状態で第1制御通路73及び第2制御通路94に連通している。そのため、第1導入通路91の縦通路91aは第1制御通路93のみに、第2導入通路92の縦通路92aは第2制御通路94のみにそれぞれ連通できる。
図1及び図4に示すように、油圧調整部73は第1制御通路93における油圧と第2制御通路94における油圧とをそれぞれ独立に調整するための第1制御弁96及び第2制御弁97を有している。第1制御弁96は第1制御通路93と吐出通路85とを連通させる状態と第1制御通路93をオイルパン115(図1)に開放させる状態とを切り替えできるように構成されている。第2制御弁97は第2制御通路94と吐出通路85とを連通させる状態と第2制御通路94をオイルパンに開放させる状態とを切り替えできるように構成されている。そのため、第1制御弁96により第1制御通路93と吐出通路85とを連通させると、第1制御通路93の油圧が上昇して第1導入通路91及び第1制御室71にオイルが満たされる。その結果、第1制御室71の容積が拡大して第1可動カム部材53が有効位置に拘束される(図2の軸線Ax1より上方及び図3を参照)。この状態が本発明に係る拘束状態に相当する。逆に、第1制御弁96により第1制御通路93をオイルパン115に開放させると、第1制御通路93の油圧が低下する。その結果、第1制御室71の油圧が低下して第1可動カム部材53の有効位置における拘束が解除される(図2の軸線Ax1より下方及び図3を参照)。この状態が本発明に係る解除状態に相当する。第2制御通路94についても同様に、第2制御弁97により第2制御通路94と吐出通路85とを連通させると、第2制御通路94の油圧が上昇して第2導入通路92及び第2制御室72にオイルが満たされる。その結果、第2制御室72の容積が拡大して第2可動カム部材55が有効位置に拘束される(図2の軸線Ax1より上方及び図3を参照)。逆に、第2制御弁97により第2制御通路94をオイルパン115に開放させると第2制御通路94の油圧が低下する。その結果、第2制御室72の油圧が低下して第2可動カム部材55の有効位置における拘束が解除される(図2の軸線Ax1より下方及び図3を参照)。
従って、第1制御弁96及び第2制御弁97により第1制御通路93及び第2制御通路94をともにオイルパン115に開放させることにより、図2及び図3に示す固定カム部材51が有効化される。また、第1制御弁96により第1制御通路93と吐出通路85とを連通させ、かつ第2制御弁97により第2制御通路94をオイルパン115に開放させることにより、第1可動カム部材53が有効化される。更に、第1制御弁96により第1制御通路93をオイルパン115に開放させ、かつ第2制御弁97により第2制御通路94と吐出通路85とを連通させることにより、第2可動カム部材55が有効化される。なお、図3に示した形態では、拘束時における第2可動カム部材55のカム面56の最後退部56bの位置が拘束時における第1可動カム部材53のカム面54の最後退部54bの位置と同一又はそれよりも前進した位置に設定されている。このため、第1制御弁96及び第2制御弁97により第1制御通路93及び第2制御通路94をともに吐出通路85と連通させることよっても、第2可動カム部材55を有効化することが可能である。従って、例えば第1可動カム部材53が有効化されている状況で、そのまま第2制御通路94と吐出通路85とを第2制御弁97にて連通させることにより、第2可動カム部材55が有効化される。それにより、これらの可動カム部材53、55の有効化の切り替えに関し、その切り替え過渡時の制御が容易になる。
有効化するカムを切り替える際に、その切り替えの過程でピストン14が二つ以上のカムのカム面に沿ってストロークすることを抑制するため、図2に示した固定カム部材51、第1可動カム部材53及び第2可動カム部材55は、可動カム部材53、55の軸線方向に関する剛性が固定カム部材51の軸線方向に関する剛性よりも低くなるように構成されている。この軸線方向に関する剛性とは、ピストン14から受けた荷重による各カム部材51、53、55の軸線方向への寸法変化の程度を意味する。つまり、図示の形態の各可動カム部材53、55は固定カム部材51よりもその寸法変化が大きくなるように構成されている。具体的には、各カム部材51、53、55は以下のように構成されている。
図2に示すように、第1可動カム部材53は、ピストン14からの荷重と第1制御室71からの荷重とをそれぞれ負担する荷重負担部53aを有しており、その荷重負担部53aは固定カム部材51の荷重負担部51aよりもヤング率が低い材料で構成されている。荷重負担部51aはピストン14からの荷重と、入力軸6の突部6aからの荷重(支持反力)をそれぞれ負担する。また、第1可動カム部材53は、その荷重負担部53aの軸線方向に関する肉厚が固定カム部材51の荷重負担部51aの軸線方向の肉厚よりも薄くなるように構成されている。更に、第1可動カム部材53は、その荷重負担部53aのモーメントアームが固定カム部材51の加重負担部51aのモーメントアームよりも長くなるように構成されている。荷重負担部53aのモーメントアームは半径方向に関する第1制御室71からカム面54までの距離であり、荷重負担部51aのモーメントアームは半径方向に関する突部6aからカム面52までの距離である。このようにして、第1可動カム部材53はその剛性が固定カム部材51の剛性よりも低くなるように構成されている。なお、他の形態として、固定カム部材51に対して材料を低ヤング率にすること、肉厚を薄くすること及びモーメントアームを長くすることの少なくとも一つの手段を第1可動カム部材53に適用して、第1可動カム部材53の剛性を固定カム部材51の剛性よりも低くすることも可能である。
また、第2可動カム部材55は、ピストン14からの荷重と第2制御室72からの荷重とをそれぞれ負担する荷重負担部55aを有しており、その荷重負担部55aは固定カム部材51の荷重負担部51aよりもヤング率が低い材料で構成されている。これにより、第2可動カム部材55はその剛性が固定カム部材51の剛性よりも低くなるように構成される。なお、上記の場合と同様に、荷重負担部55aの軸線方向の肉厚を荷重負担部51aの軸線方向の肉厚よりも薄くすること及び荷重負担部55aのモーメントアームを荷重負担部51aのモーメントアームよりも長くすることの少なくとも一つの手段を第2可動カム部材55に適用して、第2可動カム部材55の剛性を固定カム部材51の剛性よりも低くすることも可能である。
これにより、有効化するカムを切り替える過程で、ピストン14が二つ以上のカムのカム面に沿ってストロークすることが抑制されるので、シリンダ41内の油圧変動を抑制することができるようになる。
図2に示すように、第1制御室71及び第2制御室72は入力軸6と一体回転するように構成されているため、入力軸6の回転に伴って第1制御室71及び第2制御室72内のオイルには遠心力による油圧、即ち遠心油圧が発生する。そこで、移動装置57は、この遠心油圧により第1可動カム部材53及び第2可動カム部材55が制御指示に反して移動してしまうことを防止するため第1キャンセル室75及び第2キャンセル室76を更に備えている。これら第1キャンセル室75及び第2キャンセル室76には図4及び図10に示すようなガイドピース36及び入力軸6にそれぞれ形成されたキャンセル通路99にてオイルが供給される。
図1に戻り、動力伝達装置4の各部の制御について説明する。動力伝達装置4はECU110と油圧制御装置120とによって制御される。ECU110には内燃機関2の運転状態及び車両1の走行状態を反映する各種パラメータが入力される。例えば、内燃機関2の回転速度がクランク角センサ11から入力され、車両1の走行速度が車速センサ112から入力される。ECU110はこれらのパラメータ等に基づいて、内燃機関2を制御する信号を出力するとともに、油圧制御装置120を制御する信号を出力する。油圧制御装置120には、第1制御弁96及び第2制御弁97を持つ油圧調整部73の他に、後述する流量調整弁113などが設けられている。油圧制御装置120はECU110の出力信号に基づいてこれらの弁を制御することにより、動力伝達装置4のポンプ7、前後進切替装置8及び無段変速機9のそれぞれの動作を制御する。
ポンプ7の動作制御に関し、油圧制御装置120はECU110からの出力信号に基づいて図4に示した第1制御弁96及び第2制御弁97を制御することにより状況に適したカム部材を選択する。例えば、車両1の走行中において内燃機関2の負荷に応じて第1制御弁96及び第2制御弁97をそれぞれ制御することにより、固定カム部材51、第1可動カム部材53及び第2可動カム部材55を使い分ける。これにより、ポンプ7の容量を内燃機関2の運転状態及び車両1の走行状況に適したものに変更することができ、ポンプ7での損失エネルギーを低減することができる。また、車両1の発進時は内燃機関2に連結される入力軸6の回転速度と駆動輪12に連結されるコネクティングドラム15の回転速度との差(回転差)が大きいため、シリンダ室41に吸入されるオイルの流速が増大してオイルの吸入抵抗が増大し、ローラ50がカム面に追従できなくなる現象が発生し易い状況にある。このような状況であってもリフトが小さい固定カム部材51を有効化することによってオイルの流速増加を抑制し、ローラ50のカム面への追従性を確保することができる。更に、エンジン始動直後など十分な油圧を得難い状況は、車両停止時のような入力軸6とコネクティングドラム15の回転差が大きい状況であるが、第1制御室71及び第2制御室72に油圧が供給されていない場合には自動的にリフトの小さい固定カム部材51が有効化される。そのため、そのような状況でもローラ50のカム面への追従性を確保することができる。
また、図1に示すように、ポンプ7の吐出通路85にはポンプ7の吐出流量を調整する調整弁113が設けられている。車両1の発進時においては、流量調整弁113を操作してポンプ7の吐出流量を調整することにより、ポンプ7の出力側、即ちコネクティングドラム15の回転速度を制御することができる。これにより、ポンプ7を発進装置として機能させる。
前後進切替装置8及び無段変速機9の制御は周知のものと同様である。即ち、前後進切替装置8の制御に関しては、ECU110は車両1のシフトレバーの位置を検出するシフトポジションセンサ(不図示)からの信号に基づいて前進又は後進の要求を検出し、その要求が実現されるようにクラッチ20及びブレーキ21をそれぞれ制御する。また、無段変速機9の制御については、ECU110は内燃機関2の回転速度と車両1の車速に見合った適正な変速比が得られるようにプライマリプーリ23及びセカンダリプーリ25のそれぞれの溝幅を制御する。
本発明は以上の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の形態にて実施してよい。本発明の一形態に係るポンプの適用対象は動力伝達装置に限られるものではない。従って、本発明に係るポンプは種々の用途に供されてもよい。上記の形態では、カムユニット13が入力側に、シリンダボディ40(ピストン14)が出力側にそれぞれ設けられているが、これらを置き換えてカムユニット13が出力側に、シリンダボディ40(ピストン14)が入力側にそれぞれ設けられた形態で本発明を実施することも可能である。
また、本発明に係る可動カム部材の一例として、二つの可動カム部材53、55を示したが、可動カム部材の個数に制限はない。従って、1つの可動カム部材又は3以上の可動カム部材を持つポンプとして本発明を実施することもできる。
本発明の一形態に係るポンプを内蔵する動力伝達装置が設けられた車両の動力伝達経路や各要素等を簡略化して図示したスケルトン図。 図1のポンプの要部を示した縦断面図。 図2の矢印IIIの方向から見た状態を示した説明図。 潤滑油の流れに関連するポンプの要素を図2から抜き出して示した縦断面図。 図4のV−V線に関する断面を示した横断面図。 図4のVI−VI線に関する断面を示した横断面図。 図4のVII−VII線に関する断面を示した横断面図。 図4のVIII−VIII線に関する断面を示した横断面図。 図4のIX−IX線に関する断面を示した横断面図。 図4のX−X線に関する断面を示した横断面図。 図4のXI−XI線に関する断面を示した横断面図。 図4のXII−XII線に関する断面を示した横断面図。
符号の説明
1 車両
2 内燃機関
4 動力伝達装置
6 入力軸(駆動軸)
7 ポンプ(アキシャルピストンポンプ)
9 無段変速機
12 駆動輪
13 カムユニット(カム手段)
14 ピストン
15 コネクティングドラム(被駆動軸)
40 シリンダボディ
41 シリンダ室
50 ローラ(カムフォロア)
51 固定カム部材
52 カム面
52a 頂点
52b 最後退部
53 第1可動カム部材(可動カム部材)
54 カム面
54a 頂点
54b 最後退部
55 第2可動カム部材(可動カム部材)
56 カム面
56a 頂点
56b 最後退部
57 移動装置(カム有効化手段)
71 第1制御室(制御室)
72 第2制御室(制御室)
73 油圧調整部
110 ECU(制御手段)
113 調整弁(調整手段)

Claims (9)

  1. 駆動軸と一体回転可能なカム手段によってシリンダ室に設けられたピストンを前記駆動軸の軸線方向に関して往復運動させることができるアキシャルピストンポンプにおいて、
    前記カム手段は、前記ピストンに連結されたカムフォロアに接触し得るカム面を持ち前記軸線方向への移動が制限された状態で前記駆動軸と一体回転できる固定カム部材と、前記カムフォロアに接触し得るカム面を持ち前記軸線方向に移動可能な状態で前記駆動軸と一体回転できる可動カム部材とを備え、前記固定カム部材の前記カム面における前記軸線方向の凹凸差と前記可動カム部材の前記カム面における前記軸線方向の凹凸差とが互いに相違することを特徴とするアキシャルピストンポンプ。
  2. 前記カム手段は、前記固定カム部材の前記カム面における前記凹凸差が前記可動カム部材の前記カム面における前記凹凸差よりも小さい請求項1に記載のアキシャルピストンポンプ。
  3. 前記カム手段は、前記カムフォロアが前記可動カム部材の前記カム面に追従可能な前記軸線方向に関する有効位置に前記可動カム部材を拘束する拘束状態と、前記可動カム部材に対する前記有効位置への拘束を解除する解除状態とを切り替えるカム有効化手段を更に備える請求項1又は2に記載のアキシャルピストンポンプ。
  4. 前記カム有効化手段は、前記可動カム部材を前記有効位置に移動させて拘束するために液体が導かれる制御室と、前記可動カム部材が前記拘束状態と前記解除状態との間で切り替えられるように前記制御室内の圧力を調整できる圧力調整部とを備え、
    前記圧力調整部は、前記シリンダ室から吐出された液体を利用して前記制御室内の圧力を調整できるように構成されている請求項3に記載のアキシャルピストンポンプ。
  5. 前記カム有効化手段は、前記有効位置に拘束された前記可動カム部材の前記カム面の最後退部の位置が前記固定カム部材の前記カム面の最後退部の位置と同一又は当該最後退部の位置よりも前記ピストンに近い位置となるように前記可動カム部材の移動を規制するストッパを更に備えている請求項3又は4に記載のアキシャルピストンポンプ。
  6. 前記可動カム部材は、前記軸線方向に関する剛性が前記固定カム部材の前記軸線方向に関する剛性よりも低くなるように構成されている請求項3〜5のいずれか一項に記載のアキシャルピストンポンプ。
  7. 車両の走行用動力源から駆動輪までの動力伝達経路内に設けられた動力伝達装置において、
    前記動力伝達経路の出力側又は入力側のいずれか一方が接続される駆動軸と、前記駆動軸と同軸に配置されて前記動力伝達経路の出力側又は入力側のいずれか他方が接続される被駆動軸と、前記駆動軸と一体回転可能なカム手段と、前記駆動軸の軸線方向に延びるシリンダ室が形成されて前記被駆動軸と一体回転可能なシリンダボディと、前記シリンダ室に往復動可能な状態で挿入されたピストンとを有し、前記カム手段によって前記ピストンを前記軸線方向に関して往復運動させて前記シリンダ室に吸入した液体を前記シリンダ室から吐出させることができるアキシャルピストンポンプを備え、
    前記カム手段は、前記ピストンに連結されたカムフォロアに接触し得るカム面を持ち前記軸線方向への移動が制限された状態で前記駆動軸と一体回転できる固定カム部材と、前記カムフォロアに接触し得るカム面を持ち前記軸線方向に移動可能な状態で前記駆動軸と一体回転できる可動カム部材と、前記カムフォロアが前記可動カム部材の前記カム面に追従可能な前記軸線方向に関する有効位置に前記可動カム部材を拘束する拘束状態と前記可動カム部材に対する前記有効位置への拘束を解除する解除状態とを前記シリンダ室から吐出される液体を利用して切り替えるカム有効化手段とを有し、前記固定カム部材の前記カム面における前記軸線方向の凹凸差が前記可動カム部材の前記カム面における前記軸線方向の凹凸差よりも小さいことを特徴とする動力伝達装置。
  8. 前記動力伝達経路に設けられ、かつベルトを利用した無段変速機を更に備える請求項7に記載の動力伝達装置。
  9. 前記シリンダ室から吐出される液体の流量を調整できる調整手段と、前記走行用動力源の運転状態及び前記車両の走行状態に基づいて前記調整手段を制御する制御手段とを更に備える請求項7又は8に記載の動力伝達装置。
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