JP2003185003A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2003185003A JP2001379683A JP2001379683A JP2003185003A JP 2003185003 A JP2003185003 A JP 2003185003A JP 2001379683 A JP2001379683 A JP 2001379683A JP 2001379683 A JP2001379683 A JP 2001379683A JP 2003185003 A JP2003185003 A JP 2003185003A
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利文 日比
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杉原  淳
Shunichi Oshitari
俊一 忍足
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JATCO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エンジン停止中に車輪の回転があっても不用
意な変速が起きることのないようにして、例えば高速側
変速比で発進するハイ発進の事態に至ることのないよう
にする。 【解決手段】 Dレンジでは切り換え弁33が図示状態の
ため、またRレンジでは弁33が押し込み位置のため、エ
ンジン駆動ポンプ21から回路34へのDレンジ圧PDまた
は回路35へのRレンジ圧PR を元圧とする前進変速制御
弁37または後進変速制御弁38を介した変速制御が行われ
る。エンジン停止中でも車輪が牽引により回転される
と、出力回転駆動ポンプ22からの油流がロー側ピストン
室18Lに達してトラニオン12をストロークさせる。車輪
の前進回転時、このストロークはダウンシフトを生起さ
せてハイ発進を防止する。トラニオン12が中立位置から
少しでも矢ε方向にずれると、これが後進変速制御弁38
に矢ρ方向にフィードバックされ、回路44をドレンポー
ト38bに通じる結果、室18Lの内圧が排圧されて低下す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロイダル型無段
変速機、特に車両用として有用なトロイダル型無段変速
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用のトロイダル型無段変速機は通
常、例えば特開平10−331938号公報に記載のご
とく、エンジン等の原動機からの回転を入力される入力
ディスクと、これに同軸に対向配置されるとともに車輪
に常時駆動結合された出力ディスクと、これら入出力デ
ィスク間で油膜の剪断により動力の受け渡しを行うパワ
ーローラと、該パワーローラを回転自在に支持したトラ
ニオンとを具える。
【0003】トロイダル型無段変速機の変速に際して
は、原動機により常時駆動されている原動機駆動ポンプ
からの油圧を、車両の前進走行なら前進変速制御弁によ
る制御下で、また後進走行なら後進変速制御弁による制
御下で油圧サーボ機構に向かわせ、前進変速制御弁また
は後進変速制御弁からの油圧に応動する油圧サーボ機構
のサーボピストンによってトラニオンを介しパワーロー
ラを、パワーローラ回転軸線が入出力ディスク回転軸線
と交差した中立位置からトラニオン軸線方向へオフセッ
トさせる。これによりパワーローラが入出力ディスクか
らトラニオン軸線周りの分力を受けるようになる結果、
パワーローラはトラニオン軸線周りにおける自己傾転を
生起されて入出力ディスクに対するパワーローラの接触
軌跡円弧径を連続的に変化させることにより無段変速を
行わせる。一方で上記変速の進行を油圧サーボ機構にフ
ィードバックし、変速の進行につれてトラニオンを元の
トラニオン軸線方向位置に向けて戻し、実変速比が指令
変速比になったところでパワーローラを上記の中立位置
に復帰させるようにして当該指令変速比を維持し得るよ
うになす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、原動機が運
転されている間は原動機駆動ポンプから油圧が吐出され
ているため、上記サーボ機構が当該油圧によって制御可
能であるものの、この変速制御油圧が発生していない原
動機の停止状態で車両の牽引や惰性走行などにより出力
ディスクに車輪側から回転力が逆入力されると、サーボ
機構が無制御状態であるため、トロイダル型無段変速機
が以下に説明する理由によって勝手に高速側変速比に変
速(アップシフト)される傾向にある。つまり、出力デ
ィスクが上記の通り車輪により逆駆動される時、入力デ
ィスク側のフリクションを反力受けとしてパワーローラ
が入力ディスクとの接触部からトラニオン軸線方向の分
力を受け、パワーローラが高速側変速比へのアップシフ
トを生起させるトラニオン軸線方向へオフセットされ、
前記の自己傾転によりトロイダル型無段変速機を高速側
変速比にしてしまう。
【0005】しかし、かようにトロイダル型無段変速機
が高速側変速比にされた状態から原動機の始動により発
進を行おうとすると、以下の問題を生ずる。つまり、こ
の時トロイダル型無段変速機は発進故に指令変速比を当
然最低速変速比にしているが、上記発進前の高速側変速
比から当該最低速変速比への変速は車両の発進により回
転が発生しないと行われ得ないため、上記高速側変速比
が選択された状態での発進(所謂ハイ発進)となる。
【0006】このハイ発進時は高速側変速比故のトルク
不足で運転者に発進性能が悪いと感じさせるという問題
を生ずる。
【0007】本発明は、原動機の停止中でも車輪が回転
すると油圧を発生するような出力回転駆動ポンプを設
け、これからの油圧により例えば上記したごとき原動機
停止中における不用意な変速の発生を防止し得るように
したトロイダル型無段変速機を提案することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明
は、上記した型式のトロイダル型無段変速機において、
車輪の回転に応動する出力回転駆動ポンプを油圧サーボ
機構内におけるサーボピストンの両側ピストン室の一方
に接続して設け、原動機の停止中に車輪が回転すると、
出力回転駆動ポンプから上記一方のピストン室への油圧
により、他方のピストン室に油圧を供給した時に行われ
る方向への変速を阻止する構成となす。
【0009】
【発明の効果】かかる本発明の構成によれば、原動機の
停止中に車輪が回転しても、少なくとも上記他方のピス
トン室に油圧を供給した時に行われる方向への変速は行
われないこととなり、原動機停止中における不用意な変
速の発生を防止して、例えば前記したハイ発進の事態を
回避することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1〜図4は、本発明の一実
施の形態になるトロイダル型無段変速機を示し、図1は
トロイダル型無段変速機の伝動系の模式図である。図1
に示すトロイダル型無段変速機の伝動系は、原動機とし
てのエンジン1からトルクコンバータ2を経てエンジン
回転を入力され、このエンジン回転をそのまま伝達した
り(Dレンジでの前進走行時)、逆転させて伝達したり
(Rレンジでの後進走行時)、後段へ伝えなくする
(P,Nレンジでの駐停車時)前後進切り換え機構3を
具える。
【0011】前後進切り換え機構3の後段には、2個の
トロイダル伝動ユニット(フロント側トロイダル伝動ユ
ニット4およびリヤ側トロイダル伝動ユニット5)を、
同軸背中合わせに設ける。これらトロイダル伝動ユニッ
ト4,5はそれぞれ、入力ディスク6と、これに同軸に
対向配置した出力ディスク7と、対応する入出力ディス
ク間に介在させた一対ずつのパワーローラ8とを具えた
同様な構成とする。
【0012】両トロイダル伝動ユニット4,5は、それ
ぞれの出力ディスク7が背中合わせになるよう同軸に配
置し、この配置に当たっては、それぞれの入力ディスク
6を主軸9に回転係合させて前後進切り換え機構3から
の回転が共通に入力されるようになし、それぞれの出力
ディスク7を主軸9上に回転自在に支持する。また両出
力ディスク7は中空出力軸10を介して相互に一体結合
し、この中空出力軸10上に出力歯車11を固設する。
【0013】パワーローラ8は図4に示すように、個々
のトラニオン12に回転自在に支持し(パワーローラ回
転軸線をOで示す)、各トラニオン12の下端には、
油圧サーボ機構を成すサーボピストン13を同軸に結合
して設ける。サーボピストン13をサーボピストンボデ
ィー18内に摺動自在に嵌合してロー側ピストン室18
Lおよびハイ側ピストン室18Hを画成する。なお、図
4に示すパワーローラ8では上側のピストン室がロー側
ピストン室18L、下側のピストン室がハイ側ピストン
室18Hであるが、図1において上下方向反対側に位置
するパワーローラ8ではロー側ピストン室18Lおよび
ハイ側ピストン室18Hが図4の場合と逆になる)。こ
れらサーボピストン13により全てのトラニオン12を
同位相で(同じ変速方向に)同期してストロークさせる
ことにより、以下の変速制御を行うものとする。
【0014】以下に変速作用を概略説明するに、前後進
切り換え機構3からの回転は両入力ディスク6へ共通に
伝達され、入力ディスク6の回転は対応するパワーロー
ラ8に伝達されて、これらパワーローラ8を軸線O1
周りに回転させる。そして、パワーローラ8は対応する
出力ディスク7に回転を伝達し、この回転が共通な出力
ギヤ11から、これに噛合するカウンターギヤ14およ
びカウンターシャフト15、並びに歯車組16を順次経
て、主軸9の後端に同軸配置した変速機出力軸17から
取り出され、図示せざる駆動車輪に達する。
【0015】ここで、パワーローラ8をサーボピストン
13(図4参照)によりトラニオン12を介し同期し
て、パワーローラ回転軸線O1 と直行するトラニオン
(傾転)軸線O2 の方向に同位相で、図1および図4に
示す中立位置(非変速位置)からストロークさせ、パワ
ーローラ回転軸線O1 を入出力ディスク回転軸線O3
らオフセットさせると、パワーローラ8が回転時の分力
によりトラニオン軸線O2の周りに同期して同位相で傾
転される。
【0016】かかるパワーローラ8の自己傾転により、
対応する入出力ディスク6,7に対するパワーローラ8
の接触軌跡円半径が連続的に変化し、両トロイダル伝動
ユニット4,5の変速比を同様に無段階に変化させるこ
とができる。なお変速比が指令変速比になったところ
で、サーボピストン13によりトラニオン12を介しパ
ワーローラ8を上記オフセットが0の初期ストローク位
置(中立位置)に戻すことで、パワーローラ8の自己傾
転は行われなくなり指令変速比を保つことができる。
【0017】ところで上記の変速に際し、Dレンジ(前
進走行)である場合は図4のハイ側ピストン室18Hに
油圧を供給すると同時にロー側ピストン室18Lを排圧
することで一層高速側変速比へのアップシフトが行わ
れ、逆にロー側ピストン室18Lに油圧を供給すると同
時にハイ側ピストン室18Hを排圧することで一層低速
側変速比へのダウンシフトが行われる。一方でRレンジ
(後進走行)である場合は、回転が逆になることからハ
イ側ピストン室18Hに油圧を供給すると同時にロー側
ピストン室18Lを排圧することで一層低速側変速比へ
のダウンシフトが行われ、逆にロー側ピストン室18L
に油圧を供給すると同時にハイ側ピストン室18Hを排
圧することで一層高速側変速比へのアップシフトが行わ
れる。
【0018】前後進切り換え機構3の切り換え制御を含
むトロイダル型無段変速機の変速制御のために通常通
り、図1に示すごとくエンジン1により駆動される原動
機駆動ポンプ21を設けるが、その他に本発明の前記し
た目的を達成するため、エンジン1に近いカウンターシ
ャフト15の前端により駆動される出力回転駆動ポンプ
22を設ける。ここでカウンターシャフト15は、変速
機出力軸17および歯車組16を介して車輪に常時駆動
結合されており、従って出力回転駆動ポンプ22は、エ
ンジン1が停止していても車両の牽引中や惰性走行中の
ように車輪が回転されている間は、この回転に応動して
駆動される。
【0019】出力回転駆動ポンプ22は図2および図3
に示すごときプランジャポンプとし、カウンターシャフ
ト15の前端にピン23で閂結合した偏心カム24を具
え、これをポンプハウジング25内に収納する。ポンプ
ハウジング25は固定せず、偏心カム24の回転軸線周
りに自由に回転可能とし、このポンプハウジング25に
は更にラジアルプランジャ26を摺動自在に嵌合する。
ラジアルプランジャ26はバネ27で偏心カム24のカ
ム面に押圧し、偏心カム24の回転中そのカム面により
半径方向へ往復ストロークされることで、オイルパン液
面下に開口するようポンプハウジング25に設けた吸入
ポート28より吸入弁29を経てオイルを吸入し、同じ
くポンプハウジング25に設けた吐出ポート30より吐
出弁31を経てオイルを吐出するものとする。
【0020】偏心カム24はラジアルプランジャ26と
の接触部における引きずり摩擦により当該ラジアルプラ
ンジャ26を介してポンプハウジング25を同方向へ連
れ廻し、車輪の前進回転で偏心カム24が図3の矢αで
示す方向へ回転されている間、ポンプハウジング25
は、出力回転駆動ポンプ22の油圧吐出回路32を構成
するパイプ(同符号で示す)の外周フランジ32aと衝
接した図3の実線位置に止まり、車輪の後進回転で偏心
カム24が図3の矢βで示す方向へ回転されている間、
ポンプハウジング25は、吐出ポート30と油圧吐出パ
イプ32との接続状態を保ったまま図3の二点鎖線位置
となり、後で詳述する前後進切り換え弁33のスプール
33aを図示の前進位置から限界位置に押し込んだ後進
位置にするものとする。
【0021】なお出力回転駆動ポンプ22は、図2およ
び図3につき上述したごとき構成とする代わりに、図5
に示すごとく全てのサーボピストン13に共通なサーボ
ピストンボディー18に内蔵させることができる。つま
り、カウンターシャフト15と共に回転する偏心カム2
4によりストロークされるラジアルプランジャ26をサ
ーボピストンボディー18に摺動自在に嵌合し、このラ
ジアルプランジャ26をバネ27で偏心カム24のカム
面に押圧する。ラジアルプランジャ26は偏心カム24
のカム面により半径方向へ往復ストロークされること
で、オイルパン液面下に開口するようサーボピストンボ
ディー18に形成した吸入ポート28より図2に示す吸
入弁29と同様な図示せざる吸入弁を経てオイルを吸入
し、同じくサーボピストンボディー18に形成した吐出
ポート30より図2に示す吐出弁31と同様な吐出弁を
経てオイルを吐出するものとする。サーボピストンボデ
ィー18には更に、吐出ポート30に通じる油圧吐出回
路32を形成する。
【0022】かように出力回転駆動ポンプ22をサーボ
ピストンボディー18に内蔵させる場合、このポンプ2
2が図2および図3に示す構成のように後進回転時にお
いて前後進切り換え弁33のスプール33aを図3に示
す前進位置から限界位置に押し込んだ後進位置にする機
能を持たないことから、後進回転時において前後進切り
換え弁33のスプール33aを前進位置から後進位置に
するには、カウンターシャフト15の後進回転を機械的
に検知する周知のリバースセンサによりこれを行う必要
があること勿論である。なお出力回転駆動ポンプ22
は、サーボピストンボディー18に内蔵させる代わり
に、図示しなかったが、これとは別体に構成してサーボ
ピストンボディー18に取り付けたり、変速制御用のコ
ントロールバルブボディー(図3に46で示す)に内蔵
させたり、これとは別体に構成してコントロールバルブ
ボディーに取り付けることもできるのは言うまでもな
い。
【0023】図3および図5に示す出力回転駆動ポンプ
22の油圧吐出回路32は、図4のごとく既存の変速制
御油圧回路に接続して前記した本発明の目的を達成し得
るようになす。先ず既存の変速制御油圧回路を説明する
にこれは、前記した原動機駆動ポンプ21からの作動油
をもとに、特開平11−94062号公報に記載のもの
と同様の回路構成により所定の油圧制御を行って、運転
者がマニュアルバルブ(図示せず)をDレンジにした前
進走行希望中はDレンジ圧PD をDレンジ圧回路34に
出力し、運転者がマニュアルバルブ(図示せず)をRレ
ンジにした後進走行希望中はRレンジ圧PR をRレンジ
圧回路35に出力する油圧制御回路36を具え、これら
Dレンジ圧回路34およびRレンジ圧回路35にそれぞ
れ、特開平11−94062号公報に記載のものと同様
の前進変速制御弁37および後進変速制御弁38を挿置
し、これら変速制御弁37,38とサーボピストン13
の両側ピストン室18L,19Hとの間に前記の前後進
切り換え弁33を挿入した構成とする。これらマニュア
ルバルブ(図示せず)、前進変速制御弁37、後進変速
制御弁38、および前後進切り換え弁33は、その他の
弁と共に前記したコントロールバルブボディー46(図
3参照)に内蔵させる。
【0024】前進変速制御弁37は、スプール37aに
連節した変速制御レバー39を具え、該変速制御レバー
39の一端をステップモータにより指令変速比に対応し
た位置にされ、他端にフォワードプリセスカムを経て変
速進行状態をフィードバックされるもので、以下のごと
くに作用するものとする。変速制御レバー39の一端を
ステップモータにより指令変速比に対応した位置にする
時、変速制御レバー39はその他端を支点として対応方
向へ回動することによりスプール37aを対応方向へス
トロークさせ、これにより出力回路40,41の一方に
回路34のDレンジ圧PD を供給するとともに他方をド
レンさせることで、両者間の差圧により前後進切り換え
弁33(前進回転時は前述した通り、そして後で詳述す
るごとくスプール33aが図4の位置にされている)の
出力回路42,43を経てサーボピストン13を中立位
置からストロークさせ、指令変速比へ向けての変速を行
わせる。当該変速の進行はフォワードプリセスカムを介
して変速制御レバー39の上記他端にフィードバックさ
れ、変速の進行につれサーボピストン13を中立位置に
戻すようストローク制御しつつ、実変速比が指令変速比
に達した時に丁度スプール37aを出力回路40,41
の双方が閉じられた元の位置に戻すことで指令変速比を
維持する。
【0025】後進変速制御弁38は、Rレンジへの投入
時に実変速比が後進用の固定した指令変速比に向かうよ
うスプール38aがリバースプリセスカム(図示せず)
を介して対応方向へストロークされ、これにより出力回
路44,45の一方に回路35のRレンジ圧PRを供給
するとともに他方をドレンさせることで、両者間の差圧
により前後進切り換え弁33(後進回転時は前述の通
り、そして後で詳述するごとくスプール33aが図4の
位置から押し込まれた位置にされる)の出力回路42,
43を経てサーボピストン13を中立位置からストロー
クさせ、指令変速比へ向けての変速を行わせる。当該変
速の進行につれリバースプリセスカムは、サーボピスト
ン13を中立位置に戻すようストローク制御しつつ、実
変速比が後進用の指令変速比に達した時に丁度スプール
38aを出力回路44,45の双方が閉じられた元の位
置に戻すことで後進用の指令変速比を維持する。
【0026】前後進切り換え弁33は図3にも示すが、
コントロールバルブボディー46内に摺動自在に挿入し
たスプール33aを通常はバネ33bにより図示の前進
位置にされて出力回路42,43をそれぞれ回路40,
41に通じ、これにより前進変速制御弁37による前記
の変速制御を可能にする。一方で前後進切り換え弁33
は後進走行中、図2および図3につき前述したごとく出
力回転駆動ポンプ22のハウジング25により、または
周知のリバースセンサによりスプール33aをバネ33
bに抗して押し込まれた後進位置にされて出力回路4
2,43をそれぞれ回路44,45に通じ、これにより
後進変速制御弁38による前記の変速制御を可能にす
る。
【0027】出力回転駆動ポンプ22の油圧吐出回路3
2は前記した本発明の目的を達成するため図4に示すご
とく(請求項8に対応)、上記した既存の変速制御油圧
回路内における前後進切り換え弁33の出力回路42を
経て、または図5に示すごとく直接的にサボピストン1
3のロー側ピストン室18Lに接続し、また当該出力回
転駆動ポンプ22の油圧吐出回路32中には逆流防止の
ための逆止弁47を挿置する。そして、サーボピストン
13の反対側におけるハイ側ピストン室18Hには皿バ
ネ型式の弾性手段48を設け、これによりサーボピスト
ン13をロー側ピストン室18Lに向けて少なくとも前
記中立位置に対応した位置まで付勢する。またDレンジ
圧回路34にも逆止弁49を挿置し、これを前進変速制
御弁37から油圧回路36への油流を阻止する向きに配
置する。
【0028】逆止弁47よりも出力回転駆動ポンプ22
に近い油圧吐出回路32の箇所にリリーフ弁50を設
け、このリリーフ弁50はピストン50aにより画成さ
れた室に上記の油圧吐出回路32を接続され、ピストン
50aをバネ50bでこの室に向け付勢した構成にす
る。そしてリリーフ弁50は、油圧吐出回路32の圧力
がバネ50bのバネ力で決まる所定値を超えると、ピス
トン50aをバネ50bに抗してストロークされ、この
時に開かれるリリーフポート50cから作動油を漏出さ
せることで油圧吐出回路32の圧力が上記の所定値を超
えることのないよう機能する構成とする。
【0029】かくてリリーフ弁50は、上記リリーフ機
能を果たすほかに、当該リリーフ状態になる手前側では
出力回転駆動ポンプ22の圧力変動を緩和させるアキュ
ムレータとしても機能する。なお、リリーフポート50
cからの漏出油はトロイダル型無段変速機の潤滑要求箇
所に導くような油路構成とする。
【0030】上記実施の形態になるトロイダル型無段変
速機の変速作用を次に説明する。Dレンジにした前進走
行中はカウンターシャフト15が出力回転駆動ポンプ2
2の偏心カム24を図3の矢印α方向に回転するため、
または周知の図示せざるリバースセンサがカウンターシ
ャフト15の前進回転を検知するため、前後進切り換え
弁33は図3および図4に示す状態になっており、回路
34からのDレンジ圧PD を元圧とする前進変速制御弁
37を介した前記の前進変速制御が行われる。Rレンジ
にした後進走行中はカウンターシャフト15が出力回転
駆動ポンプ22の偏心カム24を図3の矢印β方向に回
転するため、または周知の図示せざるリバースセンサが
カウンターシャフト15の後進回転を検知するため、前
後進切り換え弁33は図3に二点鎖線で示す位置への回
動するポンプハウジング25により、またはリバースセ
ンサによりスプール33aを押し込まれた状態になり、
回路35からのRレンジ圧PR を元圧とする後進変速制
御弁38を介した前記の後進変速制御が行われる。な
お、これら変速中において回路42からポンプ32の方
向への油流が逆止弁47により阻止され、回路42の油
圧が逃げて上記の変速が妨げられる事態の発生を回避す
ることができる。
【0031】エンジン1の停止中は、これにより駆動さ
れる原動機駆動ポンプ21から作動油が吐出されないた
め、回路34,35からDレンジ圧PD およびRレンジ
圧P R が出力されることはなく、これらを元圧とした変
速制御弁37,38による上記の変速制御が行われるこ
とはない。かかるエンジン1の停止中でも、車輪が牽引
や惰性走行により回転されると、車輪に常時結合されて
いるカウンターシャフト15が出力回転駆動ポンプ22
の偏心カム24を、前進方向の車輪回転時は図3の矢印
α方向へ、また後進方向への車輪回転時は図3のβ方向
へ回転させる。
【0032】出力回転駆動ポンプ22は前記した通りラ
ジアルプランジャポンプであるが故に、偏心カム24が
何れの方向へ回転される場合も、回路32に作動油を吐
出して回転数に応じた油圧を発生させる。この吐出圧は
逆止弁47を経てロー側ピストン室18Lに達し、トラ
ニオン12を対応方向へストロークさせる。ここで車輪
が前進回転されている場合、上記トラニオン12のスト
ロークはトロイダル型無段変速機のダウンシフトを生起
させ、変速機をロー側変速比に保持する。
【0033】なお、車輪回転数が低くて回路32へのポ
ンプ吐出圧が低いことでトラニオン12がバネ48によ
り中立位置から少しでも矢δで示すアップシフト方向に
ずれると、これがフォワードプリセスカムを介して変速
制御レバー39の対応端部に矢γで示すようにフィード
バックされる。これにより前進変速制御弁37が回路4
0を回路34に通じる結果、ロー側ピストン室18Lの
内圧が回路42、前後進切り換え弁33、および回路4
0,34を経て排圧されようとするが、この排圧を逆止
弁49が阻止するためにロー側ピストン室18Lの内圧
が上昇してサーボピストン13をバネ48に抗してスト
ロークさせることができ、これによりトロイダル型無段
変速機のダウンシフトを生起させて変速機をロー側変速
比に保持することができる。以上の作用の繰り返しによ
り結果として、エンジン1の停止中に車輪が牽引や惰性
走行で前進回転されるとき変速機を、変速制御レバー3
9にステップモータで指示された指令変速比(停車故に
ロー側変速比)に保持することができる。
【0034】エンジン停止中に車輪が逆に後進回転され
ている場合、上記出力回転駆動ポンプ22からロー側ピ
ストン室18Lへの油圧によるトラニオン12のストロ
ークはトロイダル型無段変速機をアップシフトさせよう
とする。しかし、トラニオン12がロー側ピストン室1
8Lへの油圧により中立位置から少しでも矢εで示すア
ップシフト方向にずれると、これがリバースプリセスカ
ムを介して後進変速制御弁38のスプール38aに矢ρ
で示すようにフィードバックされる。
【0035】これにより後進変速制御弁38が回路44
をドレンポート38bに通じる結果、ロー側ピストン室
18Lの内圧が回路42、前後進切り換え弁33(後進
回転時故にスプール33aを押し込まれた状態になって
いる)、回路44、およびドレンポート38bを経て排
圧されるため、ロー側ピストン室18Lの内圧によるト
ラニオン12の上記ストロークは行われることはない。
そして、上記ロー側ピストン室18Lの内圧低下に起因
してサーボピストン13は皿バネ48により押動される
こととなり、トラニオン12の対応方向へのストローク
によりトロイダル型無段変速機のダウンシフトを生起さ
せることができる。以上の作用の繰り返しにより、エン
ジン1の停止中に車輪が牽引や惰性走行で後進回転され
ても変速機を、後進変速制御弁38に指示された後進用
の指令変速比(ロー側変速比)に保持することができ
る。
【0036】以上により本実施の形態においては、エン
ジン1の停止中に車輪が牽引や惰性走行によって前進回
転される場合も、また逆に後進回転される場合も、変速
制御レバー39の左端に指令した指令変速比(前進回転
時)に、また後進変速制御弁38に指令した指令変速比
(後進回転時)に実変速比が戻ったところで、トラニオ
ン12の何れ方向のストロークも生ずることがなくて指
令変速比(ロー側変速比)が保たれ、前記のハイ発進を
回避することができる。
【0037】図6(請求項9に対応)は、本発明の他の
実施の形態になるトロイダル型無段変速機の変速制御油
圧回路を示し、本実施の形態においては出力回転駆動ポ
ンプ22の逆止弁47付き油圧吐出回路32を前後進切
り換え弁33の出力回路43を経て(直接でもよい)サ
ボピストン13のハイ側ピストン室18Hに接続する。
そして、サーボピストン13の反対側におけるロー側ピ
ストン室18Lには皿バネ型式の弾性手段48を設け、
これによりサーボピストン13をハイ側ピストン室18
Hに向けて少なくとも前記中立位置に対応した位置まで
付勢する。またRレンジ圧回路35にも逆止弁52を挿
置し、これを後進変速制御弁38から油圧回路36への
油流を阻止する向きに配置する。
【0038】本実施の形態になるトロイダル型無段変速
機の変速作用を次に説明する。Dレンジにした前進走行
中における前進変速制御弁37を介した前進変速制御、
およびRレンジにした後進走行中における後進変速制御
弁38を介した後進変速制御は前記したと同様に行われ
る。なお、これら変速中に回路43からポンプ32の方
向への油流が逆止弁47により阻止されているため、回
路43の油圧が逃げて変速が妨げられる事態が発生する
ようなことはない。
【0039】エンジン1の停止中に車輪が牽引や惰性走
行により回転される時、出力回転駆動ポンプ22から逆
止弁47を経てハイ側ピストン室18Hに達した油圧は
トラニオン12を対応方向へ付勢する。車輪の回転数が
低いときは出力回転駆動ポンプ22からハイ側ピストン
室18Hに向かう油圧も低いため、サーボピストン13
は皿バネ51によりトラニオン12を伴って対応方向へ
ストロークされる。ここで車輪が前進回転されている場
合、上記トラニオン12のストロークはトロイダル型無
段変速機のダウンシフトを生起させ、変速機をロー側変
速比に保持して前記したと同様のハイ発進防止作用が得
られる。
【0040】しかし、車輪の前進回転数が高くなって出
力回転駆動ポンプ22からハイ側ピストン室18Hに向
かう油量が多くなると、回路43,41,34を経由し
て行われるドレン量を越えるようになる結果、ハイ側ピ
ストン室18Hの内圧が高くなってサーボピストン13
をトラニオン12と共に皿バネ51に抗し対応方向へス
トロークさせる。当該トラニオン12のストロークはト
ロイダル型無段変速機のアップシフトを生起させ、後進
時よりも高速になることが多い前進方向牽引時において
前後進切り換え機構3(図1参照)の回転数を抑制する
ことができ、その耐久性を向上させることができる。
【0041】なお当該アップシフトの程度は、例えば回
路34(回路41,43でもよい)にワンウエイオリフ
ィスを設け、これら回路を経て行われるハイ側ピストン
室18Hからのドレン量を制御することで任意に調整す
ることができる。そして、上記した牽引の終了時点の直
前では車輪の前進回転数が低下するから、この時トロイ
ダル型無段変速機は上記の作用によりロー側変速比に戻
されるため、ハイ発進防止作用が阻害されることはな
い。
【0042】エンジン停止中に車輪が後進回転される場
合は、出力回転駆動ポンプ22からハイ側ピストン室1
8Hへの油圧でサーボピストン13がトラニオン12と
共に皿バネ51に抗して対応方向へストロークされる
時、トロイダル型無段変速機のダウンシフトが生起され
てハイ発進を防止することができる。
【0043】ここで車輪の後進回転数が低くなって出力
回転駆動ポンプ22からハイ側ピストン室18Hへの油
圧が低下し、サーボピストン13がトラニオン12と共
に皿バネ51により中立位置から少しでも図6のεで示
す方向へストロークされると、これをフィードバックさ
れて後進変速制御弁38のスプール38aがリバースプ
リセスカムにより矢ρで示す方向へストロークされ、回
路45,35間を通させる。この時、ハイ側ピストン室
18Hから回路43、前後進切り換え弁33(後進回転
故にスプール33aを押し込まれている)、回路45、
および回路35を経て行われるべきハイ側ピストン室1
8Hの排圧が逆止弁52により阻止されることとなり、
ハイ側ピストン室18Hの内圧が出力回転駆動ポンプ2
2からの油流で上昇される。ハイ側ピストン室18Hの
かかる内圧上昇はサーボピストン13を皿バネ51に抗
してストロークさせることができ、これによりトロイダ
ル型無段変速機のダウンシフトを生起させて変速機をロ
ー側変速比に保持することができ、ハイ発進を防止する
ことが可能である。
【0044】本発明は、例えば上記した両実施の形態に
おけるようにして、車輪の回転に応動する出力回転駆動
ポンプ22をサーボピストン13の両側ピストン室の一
方(図4ではロー側ピストン室18L、図6ではハイ側
ピストン室19H)に接続して設け、エンジン(原動
機)1の停止中に車輪が回転すると、出力回転駆動ポン
プ22から上記一方のピストン室18L(18H)への
油圧により、他方のピストン室18H(18L)に油圧
を供給した時に行われる方向への変速を阻止するよう構
成したから(請求項1)、エンジン(原動機)1の停止
中に車輪が回転した時に、少なくとも上記他方のピスト
ン室18L(18H)に油圧を供給した時に行われる方
向への変速は行われないこととなり、原動機停止中にお
ける不用意な変速の発生を防止して、例えば前記したハ
イ発進の事態を回避することができる。
【0045】しかも本発明によれば上記の作用効果を達
成するのに、出力回転駆動ポンプ22の吐出油圧をコン
トロールバルブボディー46(図3参照)内の回路に対
してではなく、サーボピストン13の一方のピストン室
18Lまたは18Hに供給する構成(請求項1)とした
から以下の利点もある。つまり、図1に示すように2個
のトロイダル伝動ユニット4,5を具えたダブルキャビ
ティー式トロイダル型無段変速機の場合、両キャビティ
ー間に出力歯車11およびカウンターギヤ14を包套す
る中間壁が不可欠であり、図5のように全てのサーボピ
ストン13を摺動自在に嵌合した共通なサーボピストン
ボディー18が上記の中間壁を横方向に貫通している。
また、サーボピストンボディー18のリヤキャビティー
側の下方にはカウンターシャフト15(図1参照)が存
在し、サーボピストンボディー18のフロントキャビテ
ィー側の下方にはコントロールバルブボディー46(図
3参照)が存在する。
【0046】従って、出力回転駆動ポンプ22の吐出油
圧をコントロールバルブボディー46(図3参照)内の
回路に対し供給するのでは、カウンターシャフト15に
より駆動されるためサーボピストンボディー18に設け
るのが好都合な出力回転駆動ポンプ22から、サーボピ
ストンボディー18とは別体に構成するコントロールバ
ルブボディー46までの長い油路が必要であると共に、
当該油路のためにサーボピストンボディー18およびコ
ントロールバルブボディー46間に厳密なシール構造も
必要になり、レイアウトが成立しにくいし大型化および
コスト高の問題も生ずる。なお、サーボピストンボディ
ー18およびコントロールバルブボディー46を別体に
構成する理由は、サーボピストンボディー18には大き
な力が作用して変形しやすく、この変形がコントロール
バルブボディー46に及んで内部の弁スプールがスティ
ックするのを避けるためである。
【0047】この点、本発明(請求項1)のように出力
回転駆動ポンプ22の吐出油圧をサーボピストン13の
一方のピストン室18Lまたは18Hに供給する構成に
よれば、カウンターシャフト15により駆動されるため
サーボピストンボディー18に設けるのが好都合な出力
回転駆動ポンプ22からピストン室18Lまたは18H
までの油路を図5に例示するごとくサーボピストンボデ
ィー18内に形成するだけでよく、長い油路が必要でな
いと共にシール構造も必要でなくなってレイアウトを成
立させ易いし大型化およびコスト高の問題を生ずること
がない。
【0048】更に加えて本発明によれば、出力回転駆動
ポンプ22からの油圧によりサーボピストン13を対応
方向に付勢してエンジン(原動機)1の停止中における
車輪回転時の不用意な変速を阻止して指令変速比を保持
するよう構成したから(請求項1)、エンジン(原動
機)1の停止中における車輪回転時に発生する出力ディ
スク7およびパワーローラ8間でのフリクションに影響
されることなく、プリセスカムを介した変速状態のフィ
ードバックにより確実に指令変速比を保持することがで
き、前記の作用効果を一層確実なものにし得る。
【0049】なお、変速制御弁37,38のうち、上記
一方のピストン室18L(18H)に原動機駆動ポンプ
油圧P(P)を向かわせてダウンシフト方向の変速
を生起させる変速制御弁37(38)の原動機駆動ポン
プ油圧入力回路34(35)中に、変速制御弁37(3
8)から遠ざかる方向への油流を阻止する逆止弁49
(52)を挿置すれば(請求項2)、前記作用説明から
明らかなように、車輪回転数が低下して出力回転駆動ポ
ンプ22の油流が低下した時も確実に、エンジン(原動
機)1の停止中における車輪回転時の不要な変速を防止
するという前記した作用効果を達成することができる。
【0050】出力回転駆動ポンプ22の油圧を上記一方
のピストン室18L(18H)に供給するに際し、逆止
弁47を経て当該供給を行う構成にする場合(請求項
3)、エンジン(原動機)1の駆動中において原動機駆
動ポンプ21からサーボピストン室に向かう油流が出力
回転駆動ポンプ(22)側に逃げることがなく、エンジ
ン(原動機)1の駆動中における通常の変速制御が出力
回転駆動ポンプ(22)によって妨げられる不具合を回
避し得る。
【0051】サーボピストン13を少なくとも前記中立
位置に対応した位置まで上記一方のピストン室18L
(18H)に向けて付勢する弾性手段48(51)を設
ける場合(請求項4)、前記した作用説明から明らかな
ごとく、出力回転駆動ポンプ(22)から上記一方のピ
ストン室18L(18H)への油圧と、弾性手段48
(51)との共同により、エンジン(原動機)1の停止
中における車輪回転時の不用意な何れ方向への変速も阻
止することができる。
【0052】出力回転駆動ポンプ22をサーボピストン
13用のサーボピストンボディー18に内蔵させるか、
またはこれに別体物として取り付ける場合(請求項
5)、サーボピストンボディー18が車輪と共に回転す
るメンバー(カウンターシャフト15)の近くに位置す
ることから、これにより駆動される出力回転駆動ポンプ
22のレイアウトが容易となる。
【0053】なお出力回転駆動ポンプ22は、コントロ
ールバルブボディー46に内蔵させるか、これに別体物
として取り付けることもできる(請求項6)。
【0054】ダブルキャビティー式トロイダル型無段変
速機のカウンターシャフト15に設けたカム24により
駆動されるプランジャポンプ26により出力回転駆動ポ
ンプ22を構成する場合(請求項7)、ポンプ駆動系を
別途付加する必要がなくてコスト上有利であると共に、
カウンターシャフト15の長手方向いずれの箇所にでも
出力回転駆動ポンプ22を配置し得てレイアウトの自由
度も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になるトロイダル型無
段変速機の伝動系を示す模式図である。
【図2】 同トロイダル型無段変速機における出力回転
駆動ポンプを示す要部拡大断面図である。
【図3】 同出力回転駆動ポンプを前後進切り換え弁と
共に示す要部拡大正面図である。
【図4】 同トロイダル型無段変速機における変速制御
油圧回路を示す回路図である。
【図5】 出力回転駆動ポンプの他の構成例を示すサー
ボピストンボディーの要部拡大断面図である。
【図6】 本発明の他の実施の形態になるトロイダル型
無段変速機の変速制御油圧回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1 エンジン(原動機) 2 トルクコンバータ 3 前後進切り換え機構 4 フロント側トロイダル伝動ユニット 5 リヤ側トロイダル伝動ユニット 6 入力ディスク 7 出力ディスク 8 パワーローラ 9 主軸 10 中空出力軸 11 出力歯車 12 トラニオン 13 サーボピストン(油圧サーボ機構) 14 カウンターギヤ 15 カウンターシャフト 16 歯車組 18 サーボピストンボディー 18L ロー側ピストン室 18H ハイ側ピストン室 17 変速機出力軸 21 原動機駆動ポンプ 22 出力回転駆動ポンプ 24 偏心カム 25 ポンプハウジング 26 ラジアルプランジャ 28 吸入ポート 29 吸入弁 30 吐出ポート 31 吐出弁 32 出力回転駆動ポンプ圧吐出回路 33 前後進切り換え弁 34 Dレンジ圧回路 35 Rレンジ圧回路 36 油圧制御回路 37 前進変速制御弁 38 後進変速制御弁 39 変速制御レバー 40 出力回路 41 出力回路 42 出力回路 43 出力回路 44 出力回路 45 出力回路 46 コントロールバルブボディー 47 逆止弁 48 弾性手段 49 逆止弁 50 リリーフ弁 51 弾性手段 52 逆止弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 淳 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 忍足 俊一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BB02 BD02 BE09 ED02 ED17 FA01 3J552 MA09 MA12 NA01 NB01 PA15 PA19 QA24A QA28A QA30B QA41B RC02 RC07 SB05 VB01W VB02W

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機の回転を入力される入力ディスク
    と、該入力ディスクに同軸に対向配置されるとともに車
    輪に常時駆動結合された出力ディスクと、これら入出力
    ディスク間で動力の受渡しを行うパワーローラとを具
    え、 パワーローラを回転自在に支持したトラニオンを、原動
    機駆動ポンプから回転方向ごとの変速制御弁を経由した
    油圧に応動する油圧サーボ機構により、パワーローラ回
    転軸線が入出力ディスク回転軸線と交差した中立位置か
    らトラニオン軸線方向へオフセットするようストローク
    させることで、パワーローラのトラニオン軸線周りにお
    ける傾転を生起させて変速を行い、 該変速の進行を前記油圧サーボ機構にフィードバックし
    て指令変速比になったところでパワーローラを前記中立
    位置に戻すようにしたトロイダル型無段変速機におい
    て、 前記車輪の回転に応動して油圧を発生する出力回転駆動
    ポンプを、前記油圧サーボ機構内におけるサーボピスト
    ンの両側ピストン室の一方に接続して設け、 前記原動機の停止中に前記車輪が回転する時、前記出力
    回転駆動ポンプから前記一方のピストン室への油圧によ
    り、他方のピストン室に油圧を供給した時に行われる方
    向への変速を阻止するよう構成したことを特徴とするト
    ロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトロイダル型無段変速
    機において、前記変速制御弁のうち、前記一方のピスト
    ン室に原動機駆動ポンプ油圧を向かわせてダウンシフト
    方向の変速を生起させる変速制御弁の原動機駆動ポンプ
    油圧入力回路中に、該変速制御弁から遠ざかる方向への
    油流を阻止する逆止弁を挿置したことを特徴とするトロ
    イダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のトロイダル型
    無段変速機において、前記出力回転駆動ポンプ油圧を逆
    止弁を経て前記一方のピストン室に供給するよう構成し
    たことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    トロイダル型無段変速機において、前記サーボピストン
    を少なくとも前記中立位置に対応した位置まで前記一方
    のピストン室に向けて付勢する弾性手段を設けたことを
    特徴とするトロイダル型無段変速機。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載のいずれか1項に記
    載のトロイダル型無段変速機において、前記出力回転駆
    動ポンプを前記サーボピストン用のサーボピストンボデ
    ィーに内蔵させるか、または該サーボピストンボディー
    に別体物として取り付けたことを特徴とするトロイダル
    型無段変速機。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    トロイダル型無段変速機において、前記変速制御弁を内
    蔵したコントロールバルブボディーに前記出力回転駆動
    ポンプを内蔵させるか、または該コントロールバルブボ
    ディーに別体物として取り付けたことを特徴とするトロ
    イダル型無段変速機。
  7. 【請求項7】 前記入出力ディスク、パワーローラ、お
    よびトラニオンよりなるトロイダル伝動ユニットを2
    個、出力ディスクが背中合わせになるよう同軸に配置し
    て具え、背中合わせの出力ディスクからこれら出力ディ
    スクに平行に並置したカウンターシャフトを経て変速回
    転を取り出すようにした請求項5に記載のトロイダル型
    無段変速機において、 前記カウンターシャフトに設けたカムにより駆動される
    プランジャポンプにより前記出力回転駆動ポンプを構成
    したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  8. 【請求項8】 前進回転時は原動機駆動ポンプ油圧を前
    進変速制御弁による制御下でサーボピストンのロー側ピ
    ストン室またはハイ側ピストン室に供給してパワーロー
    ラを対応方向へオフセットさせることによりダウンシフ
    ト方向またはアップシフト方向の変速を行い、 後進回転時は原動機駆動ポンプ油圧を後進変速制御弁に
    よる制御下でサーボピストンの前記ロー側ピストン室ま
    たはハイ側ピストン室に供給してパワーローラを対応方
    向へオフセットさせることにより逆にアップシフト方向
    またはダウンシフト方向の変速を行うようにした請求項
    1乃至7のいずれか1項に記載のトロイダル型無段変速
    機において、 前記出力回転駆動ポンプを前記逆止弁を経て前記ロー側
    ピストン室に接続し、前記サーボピストンを少なくとも
    前記中立位置に対応した位置まで前記ロー側ピストン室
    に向けて付勢する前記弾性手段を設け、 前進変速制御弁の原動機駆動ポンプ油圧入力回路中に、
    該前進変速制御弁から遠ざかる方向の油流を阻止する前
    記逆止弁を挿置したことを特徴とするトロイダル型無段
    変速機。
  9. 【請求項9】 前進回転時は原動機駆動ポンプ油圧を前
    進変速制御弁による制御下でサーボピストンのロー側ピ
    ストン室またはハイ側ピストン室に供給してパワーロー
    ラを対応方向へオフセットさせることによりダウンシフ
    ト方向またはアップシフト方向の変速を行い、 後進回転時は原動機駆動ポンプ油圧を後進変速制御弁に
    よる制御下でサーボピストンの前記ロー側ピストン室ま
    たはハイ側ピストン室に供給してパワーローラを対応方
    向へオフセットさせることにより逆にアップシフト方向
    またはダウンシフト方向の変速を行うようにした請求項
    1乃至7のいずれか1項に記載のトロイダル型無段変速
    機において、 前記出力回転駆動ポンプを前記逆止弁を経て前記ハイ側
    ピストン室に接続し、前記サーボピストンを少なくとも
    前記中立位置に対応した位置まで前記ハイ側ピストン室
    に向けて付勢する前記弾性手段を設け、 後進変速制御弁の原動機駆動ポンプ油圧入力回路中に、
    該後進変速制御弁から遠ざかる方向の油流を阻止する前
    記逆止弁を挿置したことを特徴とするトロイダル型無段
    変速機。
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