JP4374701B2 - 深絞り性に優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法に係り、とくに自動車排気系部品に好適な深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法に関する。なお、本発明における鋼板は、鋼板のほか鋼帯をも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境の保全に関連し、自動車の排気ガス規制が厳しくなり、そのため、自動車における車体重量の軽減が極めて重要な課題となってきている。また、最近では、コンパクトな自動車の需要が増大しつつあり、複雑な形状の部品が採用されるようになっている。
【0003】
このような背景のもとに、例えば、マフラーのエンドプレートのような部品においても、従来1.0 〜1.5mm 厚のフェライト系ステンレス鋼板が使用されていたが、最近では、板厚を減少し0.5 〜0.6mm 厚のフェライト系ステンレス鋼薄鋼板の適用が考えられている。また、自動車のコンパクト化に対応して、複雑な形状に加工できるように、従来どおりの1.0 〜1.5mm 厚の鋼板においても、加工性に優れることが要求されている。
【0004】
このようなフェライト系ステンレス鋼板の加工性向上については、従来から各種の方法が提案されている。例えば、特開昭57-76127号公報には、Tiを含むフェライト系ステンレス鋼板の製造方法が提案されている。この方法は、C:0.10%以下、Cr:10〜15%、Ti:0.6 %以下、N:0.025 %以下を含むフェライト単相のステンレス鋼帯に再結晶温度〜再結晶温度+100 ℃の温度範囲で連続焼鈍し、冷延、焼鈍を行うというものである。しかし、特開昭57-76127号公報に記載された技術で製造された鋼板は、面内異方性や、リジング、円筒絞り後のイアリングにおいて優れているとしているが、自動車排気系材料として現状の要求されている特性を十分に満足できるというものではない。
【0005】
また、特開昭58-61258号公報には、Cr:11.0〜16.0%を含み、CとNを所定量以下に低減し、さらにC、Nと結合するTiを適正量添加してマトリックスの純化を図り、Cr、Si、Mn、Ti、P、Alのそれぞれの含有量を、Cr、Si、Mn、Ti、P、Alの関係式で定義されるαを0.8 以下に制限した張出し性、二次加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼が提案されている。しかし、特開昭58-61258号公報に記載された技術では、2回冷延2回焼鈍を必要とし、さらに製造された鋼板は、r値、エリクセン値等は高く、加工性に優れているものの、引張強さ等が低く、自動車排気系材料として現状の要求されている特性を十分に満足しているというものではない。
【0006】
また、特開平8-333639号公報には、Tiを必須添加元素として、C:0.001 〜0.030 %、Si:1.0 %以下、Mn:1.0 %以下、Cr:15.0〜22.0%、Al:0.002 〜0.150 %、Ti:0.02〜0.70%でかつTi/(C+N)≧6 、Mo:0.4 〜2.0 %、Cu:0.10〜0.60%、B:0.0003〜0.0050%を含有するフェライト系ステンレス鋼板を熱延後、800 〜900 ℃の温度で3 〜15時間加熱、あるいは950 〜1050℃で30〜90秒加熱、あるいは750 〜850 ℃に保定されたカバー内で60〜90分保持し、その後冷間圧延、軟化焼鈍を行う加工仕上がり性の良いフェライト系ステンレス鋼板の製造方法が提案されている。特開平8-333639号公報に記載された技術で製造された鋼板は、深絞りが可能で、二次加工においても割れが発生せず、加工表面にリジングが発生しない、リジング性および二次加工性に優れるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8-333639号公報に記載された技術で製造された鋼板は、現状の自動車排気系材料としては、引張強さに代表される強度が幾分低いという問題もあり、さらに自動車排気系部品における深絞り時に壁割れの発生がみられ、現状の自動車排気系材料としては、深絞り性が不十分であるという問題を残していた。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、自動車排気系材料として、降伏強さYS:240 MPa 以上、引張強さTS:440 MPa 以上、伸び:28%以上を有し、高強度で延性に優れ、かつ深絞り性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した目的を達成するため、フェライト系ステンレス鋼板の深絞り性の改善について鋭意検討した。その結果、スラブ組成を適正範囲内に限定し、さらに熱間圧延後の焼鈍条件、すなわち熱延板焼鈍の温度を適正範囲内とすることにより、降伏強さ、引張強さが高いにもかかわらず、同一伸び値で比較してr値が高くなることを知見した。
【0010】
本発明者らは、焼鈍温度を変化して熱延板焼鈍を施しさらに冷間圧延−焼鈍を施した板厚:0.5mm のフェライト系ステンレス薄鋼板について、r値と引張特性を求めた。その結果を、r値と伸び値の関係で図1に示す。○印が熱延板焼鈍温度が850 〜980 ℃、△印が1000〜1050℃のものである。
図1から、熱延板焼鈍を850 〜980 ℃の範囲内で行うことにより、降伏強さ、引張強さが高く(図示しないが)、しかも同一Elを有する△印の鋼板に比べ、r値が顕著に高くなることがわかる。また、さらにこのように降伏強さ、引張強さが高く、r値の高い鋼板は、コニカルカップ試験時の壁割れ発生がなく、絞り抜けることも知見した。
【0011】
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加え完成されたものである。
すなわち、本発明は、質量%で、C:0.05%以下(0.0030%以下を除く)、N:0.05%以下、Si:0.2 %未満、Mn:2.0 %以下、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Cr:11.0〜23.0%、Mo:3.0 %以下、Al:0.021 〜1.0 %、を含み、かつ、Ti:0.05〜1.0 %、B:0.0002〜0.005 %、Ta:0.01〜1.0 %、V:0.05〜1.0 %、Zr:0.01〜1.0 %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成のスラブを加熱し、熱間圧延により熱延板としたのち、該熱延板に熱延板焼鈍を施し、ついで冷間圧延および焼鈍を施すフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、前記熱延板焼鈍を850 〜980 ℃の範囲の温度で行うことを特徴とする深絞り性に優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法であり、また、本発明では、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、W:1.0 %以下、Sn:1.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましく、また、本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.010 %以下を含有することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、本発明で使用するスラブの組成限定理由について説明する。
C:0.05%以下(0.0030%以下を除く)
Cは、延性向上のためにはできるだけ低減するのが好ましい。また、フェライト系ステンレス鋼では、Cの固溶限は低く、Cは主としてCr炭化物として粒界に析出し、粒界腐食の原因となるためできるだけ低減するの好ましい。0.05%を超えて過剰に含有すると、延性が低下するうえ、発錆の原因となる脱Cr層や、粗大な析出物、介在物が増加する。このようなことから、Cは0.05%以下(0.0030%以下を除く)に限定した。なお、好ましくは0.01%以下である。
【0013】
N:0.05%以下
Nは、Cと同様に、フェライト系ステンレス鋼では、Nの固溶限は低く、Nは主としてCr窒化物として粒界に析出し、粒界腐食の原因となるためできるだけ低減するの好ましい。Cと同様に、0.05%を超えて過剰に含有すると、延性が低下するうえ、発錆の原因となる脱Cr層や、粗大な析出物、介在物が増加する。このようなことから、Nは0.05%以下に限定した。なお、好ましくは0.02%以下である。
【0014】
Si:0.2 %未満
Siは、脱酸剤として作用する元素であるが、多量に含有すると延性、深絞り性が低下する。このため、Siは0.2 %未満に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.17%である。
Mn:2.0 %以下
Mnは、脱酸剤として作用し、さらに、鋼中でSと結合し、熱間圧延時の割れを防止する元素であるが、過剰の含有は硫化物を多量に形成し、冷間加工性、耐食性の低下を招く。このため、Mnは2.0 %以下に限定した。なお、好ましくは0.05〜0.50%である。
【0015】
P:0.05%以下
Pは、熱間加工性を劣化させる元素であり、できるだけ低減するのが好ましい。0.05%までは、その悪影響が顕著とならないため、Pは0.05%以下に限定した。なお、好ましくは0.04%以下である。
S:0.03%以下
Sは、硫化物を形成し鋼の清浄度を低下させるとともに、MnS として発錆の基点となり耐食性を低下させる元素であり、できるだけ低減するのが好ましい。0.03%までは、その悪影響が顕著とならないため、Sは0.03%以下に限定した。なお、好ましくは0.01%以下である。
【0016】
Cr:11.0〜23.0%
Crは、耐食性を向上させるうえで有効な元素であり、とくに自動車排気管(マフラー)の濃縮水中での耐食性を顕著に改善する効果を有し、本発明では少なくとも11%の含有が必要となる。一方、23.0%を超えて含有すると、経済的に高価となる。このため、Crは11.0〜23.0%に限定した。
【0017】
Mo:3.0 %以下
Moは、耐食性を向上させるうえで有効な元素であり、とくに自動車排気管(マフラー)の濃縮水中での耐食性を顕著に改善する効果を有する。しかし、過剰の含有は機械的性質、とくに延性を低下させる。このため、Moは3.0 %以下に限定した。なお、好ましくは0.3 〜1.5 %である。
【0018】
Al:0.021 〜1.0 %
Alは、脱酸剤として作用するとともに、Nと結合し、粒界腐食の起因となり耐食性を低下させるNを無害化する作用を有する元素であり、少なくとも0.021 %の含有を必要とする。一方、1.0 %を超えて含有すると、加工性を阻害する。このため、Alは0.021 〜1.0 %の範囲に限定した。なお、好ましくは0.10%以下である。
【0019】
Ti:0.05〜1.0 %、B:0.0002〜0.005 %、Ta:0.01〜1.0 %、V:0.05〜1.0 %、Zr:0.01〜1.0 %のうちから選ばれた1種または2種以上
Ti、B、Ta、V、Zrはいずれも、C、Nと結合し、耐食性を低下させるC、Nを無害化する作用を有しており、必要に応じ選択して1種または2種以上含有できる。このような効果は、Ti:0.05%以上、B:0.0002%以上、Ta:0.01%以上、V:0.05%、Zr:0.01%以上の含有で認められる。一方、Ti:1.0 %、B:0.005 %、Ta:1.0 %、V:1.0 %、Zr:1.0 %を超えて含有すると、加工性を劣化させる。このため、含有する場合は、Ti:0.05〜1.0 %、B:0.0002〜0.005 %、Ta:0.01〜1.0 %、V:0.05〜1.0 %、Zr:0.01〜1.0 %の範囲とするのが好ましい。
【0020】
Cu:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、W:1.0 %以下、Sn:1.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、Ni、W、Snはいずれも、耐食性を向上させる元素であり、必要に応じ含有するのが好ましい。
Cuは、とくに耐孔食性を改善する元素であるが、多量に含有すると、マルテンサイトを生じ、耐食性を低下させる。このため、含有する場合には、Cuは1.0 %以下に限定するのが好ましい。なお、より好ましくは、0.1 %以下である。
【0021】
Niは、とくに自動車排気管(マフラー)の濃縮水中での耐食性を改善する効果を有するが、多量に含有すると、マルテンサイトを生じ、耐食性を低下させる。このため、含有する場合には、Niは1.0 %以下に限定するのが好ましい。なお、より好ましくは、0.5 %以下である。
Wは、多量に含有すると、加工性が低下するため、含有する場合には、1.0 %以下に限定するのが好ましい。
【0022】
Snは、多量に含有すると、加工性が低下するため、含有する場合には、1.0 %以下に限定するのが好ましい。
Ca:0.010 %以下
Caは、連続鋳造時のノズル詰まりを防止し、鋼板のふくれ欠陥の発生を防止する作用を有し、その結果耐食性を向上させるが、多量の含有は表面品質を低下させるため、含有する場合には、0.010 %以下に限定するのが好ましい。
【0023】
残部Feおよび不可避的不純物
上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、O:0.01%以下が許容できる。
上記した組成のスラブを、加熱し熱間圧延により所定の寸法の熱延板とする。
熱間圧延の加熱温度、圧延条件は、とくに限定する必要はない。通常、公知の条件がいずれも好適である。
【0024】
熱延板はついで、熱延板焼鈍を施される。
本発明では熱延板焼鈍を、850 〜980 ℃の温度範囲で行う。熱延板焼鈍の温度が850 ℃未満では、再結晶が不十分であり、熱延組織が残存する。このため、板厚方向に(110 )方位ベクトルの向いた結晶粒の比率が高くなり、冷延板焼鈍後の組織に悪影響を及ぼす。ここで、板厚方向に(110 )方位ベクトルの向いた結晶粒の比率が高くなると、一般に深絞り性が低下する。一方、980 ℃を超えると、再結晶粒が粗大化し、その後の冷間圧延、冷延板焼鈍時の再結晶粒核生成サイトが少なくなり、深絞り性に有利な均一微細な再結晶組織が得られない。このため、熱延板焼鈍における焼鈍温度は850 〜980 ℃の温度範囲とした。なお、好ましくは、900 ℃超え960 ℃以下である。
【0025】
熱延板焼鈍は、連続焼鈍、箱焼鈍いずれでもよいが、連続焼鈍とするほうが、熱エネルギーの節約や、生産性の向上など利点が多い。
熱延板焼鈍における上記した焼鈍温度での保持時間は、連続焼鈍では、0.5 〜10min 、箱焼鈍では300 〜1200min とするのが好ましい。保持時間が短いと再結晶が完了せず、一方、長すぎると粒成長が著しくなる。なお、より好ましくは、連続焼鈍では1〜6min 、箱焼鈍では400 〜900 min である。
【0026】
熱延板焼鈍後、熱延板はさらに冷間圧延を施され冷延板とされ、ついで冷延板焼鈍を施され、製品板となる。なお、冷間圧延の間に、必要に応じ中間焼鈍を施してもよいのは言うまでもないが、本発明では、中間焼鈍を必要とせずに、容易に冷間圧延を行うことができる。
冷間圧延は、とくに限定する必要はなく、通常の条件でよく、所定の板厚の鋼板とすることができれば問題はない。
【0027】
冷間圧延後、さらに仕上げ焼鈍として、冷延板焼鈍を行う。冷延板焼鈍は、再結晶温度以上の温度で行うのが好ましい。冷延板焼鈍を経た鋼板は製品板とされる。
上記したスラブ組成と製造工程により、自動車排気系材料として、降伏強さYS:240 MPa 以上、引張強さTS:440 MPa 以上、伸び:28%以上を有し、高強度で延性に優れ、かつ深絞り性に優れるフェライト系ステンレス鋼板が安価に製造できる。
【0028】
【実施例】
表1に示す組成のスラブ(200 mm厚)を表2に示す製造条件で、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延、冷延板焼鈍を施し、表2に示す板厚の製品板とした。なお、冷間圧延における中間焼鈍は行わなかった。
これら製品板について、引張試験、コニカルカップ試験を実施し、引張特性、r値、コニカルカップ試験時の壁割れ発生の有無について求めた。
(1)引張特性
各製品板の圧延方向(L方向)、圧延方向に対し45°方向(D方向)、圧延方向に対し90°方向(C方向)から、JIS 13B 号試験片を採取し、引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTS、伸びElを測定した。
(2)r値
各製品板の圧延方向(L方向)、圧延方向に対し45°方向(D方向)、圧延方向に対し90°方向(C方向)から、JIS 13B 号試験片を採取した。これら試験片に15%の単軸引張予歪を付与した時の各試験片の幅歪と板厚歪を求め、幅歪と板厚歪の比、
r=ln(w/w0 )/ln(t/t0 )
(ここで、w0 、t0 は試験前の試験片の幅および板厚であり、w、tは試験後の試験片の幅および板厚である。)
から各方向のr値を求め、次式
rmean=(rL +2 rD +rc )/4
により平均r値rmeanを求めた。ここで、rL は、圧延方向(L方向)のr値であり、rD は、圧延方向(L方向)に対し45°方向(D方向)のr値であり、rc は、圧延方向(L方向)に対し90°方向(C方向)のr値である。
(3)コニカルカップ試験
コニカルカップ試験は、JIS Z 2249の規定に準拠して、各製品板から所定の寸法の試験片を採取して、板厚毎に決められている所定のダイスと球頭ポンチを用いて深絞りし、カップ状に成形した。カップ状に成形した試験片の壁に生じる割れの有無を観察した。
【0029】
これらの結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
本発明例では、YS:240 MPa 以上、TS:440 MPa 以上でかつ、El:28%以上と高強度でかつ延性に優れ、さらに、rmeanも1.20以上である。またさらに、コニカルカップ試験における壁割れの発生もなく絞り抜け、優れた深絞り性を有する鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れた比較例では、強度が低いか、伸びが低いか、r値が低いため、コニカルカップ試験では、完全に絞り抜ける前に壁割れの発生が見られた。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、高強度で延性に優れ、かつ深絞り性に優れるフェライト系ステンレス鋼板を、安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明になる鋼板は、自動車排気系材料に限定されず、家電製品用、建築材料等の用途に利用でき、フェライト系ステンレス鋼板の用途拡大という効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板の平均r値と伸びElとの関係を示すグラフである。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.05%以下(但し0.0030%以下を除く)、N:0.05%以下、
Si:0.2 %未満、 Mn:2.0 %以下、
P:0.05%以下、 S:0.03%以下、
Cr:11.0〜23.0%、 Mo:3.0 %以下、
Al:0.021 〜1.0 %、
を含み、かつ、
Ti:0.05〜1.0 %、B:0.0002〜0.005 %、Ta:0.01〜1.0 %、V:0.05〜1.0 %、Zr:0.01〜1.0 %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成のスラブを加熱し、熱間圧延により熱延板としたのち、該熱延板に熱延板焼鈍を施し、ついで冷間圧延および焼鈍を施すフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、前記熱延板焼鈍を850 〜980 ℃の範囲の温度で行うことを特徴とする深絞り性に優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、W:1.0 %以下、Sn:1.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.010 %以下を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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