JP4374683B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,導体回路を有する基板の両面に,層間絶縁層やソルダーレジスト層等の樹脂層を上記ロールコーターによって同時に形成することにより,プリント配線板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,ビルドアップ多層プリント配線板は,例えば,特開平9−130050号に開示される方法により製造されている。
即ち,プリント配線板の導体回路の表面に無電解めっきにより,粗化層を形成する。これを指触乾燥した後,ロールーコーターや印刷により層間絶縁樹脂を塗布し,露光,現像することにより,層間導通のためのバイアホールを形成し,UV(紫外線)硬化,本硬化(熱硬化)を経て層間絶縁層を形成する。
【0003】
更に,その層間絶縁層に酸化剤などを用いて粗化処理を施し,粗化面にパラジウムなどの触媒を付与し,薄い無電解めっき膜を形成する。その無電解めっき膜上にドライフィルムにてパターンを形成し,該導体回路に電解めっきで導体を厚付けする。次いで,アルカリでドライフィルムを剥離除去して露出させた上記無電解めっき膜をエッチングすることにより,導体回路を形成する。
これを繰り返すことにより,ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。
【0004】
また,上記のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法において,無電解めっきで導体回路の表面に粗化層を形成する以外の方法として,導体回路をソフトエッチングして粗化層を形成する方法が提案されている。
また,上記粗化層上に,スズ層を形成させることにより,導体回路と層間絶縁層との密着を確保するという方法もある。
【0005】
上述の粗化層は,ソルダーレジスト層の下地としての導体回路にも使用されている。層間絶縁層あるいはソルダーレジスト層には,バイアホールあるいは半田パッドを形成することにより,層間導通あるいは半田バンプとの接続を取る。上記バイアホールあるいは半田パッドは,露光・現像によって形成される。
【0006】
上述した多層プリント配線板の製造方法として,特開平10−65348号公報には,上記層間絶縁層やソルダーレジスト層等の樹脂層を,基板両面に同時に形成する方法が記載されている。即ち,ロールコーターの2本の塗布用ロールによって,図4(A)に示す基板9をその両面から挟み,該基板9を垂直に引き上げることにより,図4(B)に示すごとく樹脂930を両面同時に塗布する(図1参照)。塗布された樹脂930を放置,乾燥させることにより,該樹脂930は,図4(C)に示すごとくレベリングされる。その後,露光,現像を行ない,樹脂層93を形成する(図4(D))。
【0007】
この方法によれば,樹脂層93を両面同時に形成することができるため,生産性が向上する。また,片面乾燥する間に,溶剤の揮発に伴う絶縁樹脂の収縮による基板の反りを防止することができる。
【0008】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のプリント配線板の製造方法には,以下の問題がある。
即ち,上記ロールコーターの塗布圧力は両面均等になるように加えているが,塗布した樹脂層93の膜厚が表側面91と裏側面92とで異なることがある。
【0009】
この現象は,以下のような理由で起こると考えられる。
即ち,樹脂930を基板9の両面に塗布した際には,図4(B)に示すごとく,塗布された樹脂930は下地の影響を受けて凹凸を形成する。この凹凸形状の凸部931は導体回路のある部分に生じ,凹部932は導体回路のない部分に生じる。即ち,塗布直後の樹脂930は,上記凸部931においては,表側面91における表側導体回路921の上面からの厚みdと,裏側面92における裏側導体回路922の上面からの厚みeとが略均一である(図4(B))。
【0010】
ところで,上記裏側導体回路922の面積は上記表側導体回路921の面積よりも小さい。そのため,上記凸部931の面積は,表側面91よりも裏側面92の方が小さい。それ故,上記樹脂930を放置,乾燥したとき,凸部931の面積が小さい裏側面92は,上記樹脂930の表面が上記凹部932の表面があった位置に近い位置でレベリングされる。
一方,凸部の面積の大きい表側面は,上記樹脂930の表面が上記凸部の表面があった位置に近い位置でレベリングされる。その結果,裏側導体回路922からの樹脂層93の膜厚Eは,表側導体回路921からの樹脂層93の膜厚Dよりも小さくなる(図4(C))。
【0011】
このようにして,上記裏側面92の樹脂層93の膜厚が表側面91の樹脂層93の膜厚よりも小さくなる。特に,両面の導体回路面積の差が大きくなると,その膜厚の差が大きくなる。
【0012】
これにより,図4(D)に示すごとく,該樹脂層93に開口するバイアホールや半田パッド等の開口パターン923が所望の大きさ,形状にならなかったり,開口部の底部に樹脂残りを生じたりする。
そのため,層間絶縁層93におけるバイアホールの場合には,金属膜の剥離,接続不良,あるいは絶縁不良等のおそれがある。また,ソルダーレジスト層における半田パッドの場合には,耐食金属層の未形成,半田バンプの脱落や剥がれ,接続不良等のおそれがある。
【0013】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を有する樹脂層を形成することができるプリント配線板の製造方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題の解決手段】
請求項1に記載の発明は,表側面に表側導体回路を有すると共に裏側面に裏側導体回路を有し,かつ上記裏側導体回路の面積が上記表側導体回路の面積よりも小さい基板の両面に,ロールコーターによって樹脂層を両面同時に形成することにより,プリント配線板を製造する方法において,
上記基板の裏側面における上記樹脂層の塗布圧力は,上記表側面の塗布圧力よりも小さいことを特徴とするプリント配線板の製造方法にある。
【0015】
本発明において最も注目すべきことは,上記基板の裏側面における上記樹脂層の塗布圧力が上記表側面の塗布圧力よりも小さいことである。
なお,上記表側面及び裏側面とは,導体回路面積の大小によって上記のごとく定義した仮の名称である。
【0016】
上記樹脂層としては,多層のプリント配線板における層間絶縁層,或いはプリント配線板の表層に形成するソルダーレジスト層等がある。
上記塗布圧力とは,樹脂の塗布時において,上記基板の表側面あるいは裏側面が上記ロールコーターの塗布ロールから受ける圧力をいう。
また,上記表側導体回路の面積とは,上記表側面における表側導体回路の総面積をいう。上記裏側導体回路の面積についても同様である。
【0017】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記プリント配線板を製造するに当っては,例えば以下のようにして樹脂層を形成する。
即ち,表側導体回路及び裏側導体回路を有する基板を,例えば縦型のロールコーターにおける2本の塗布ロールに,下方から供給する(図1参照)。回転する2本の塗布ロールに挟まれた基板は,その両面に樹脂を塗布されながら,上方へ押し上げられる。次いで,樹脂が塗布された基板を,更に上方へ引き揚げる。
【0018】
このとき,表側面を塗布する塗布ロール寄りに上記基板を位置させながら,供給,引き上げを行なうことによって,裏側面の塗布圧力を表側面の塗布圧力よりも小さくする。この圧力差は,導体回路の面積差,形成する樹脂層の膜厚,樹脂の粘度等を考慮して適宜調整する。
そして,塗布された樹脂を乾燥,露光,現像することにより,バイアホールを有する樹脂層を形成する。上記バイアホールは,上記樹脂の乾燥後に炭酸レーザ,エキシアレーザ,YAGレーザ,UVレーザ等によって形成することもできる。
【0019】
ここで,上記裏側導体回路の面積は表側導体回路の面積よりも小さいため,仮に上記基板の両面から同等の塗布圧力で樹脂を塗布した場合には,従来技術の説明で述べたごとく,塗布直後に形成される凹凸形状がレベリングされると,表側面の樹脂層に比べ裏側面の樹脂層の膜厚が小さくなる。
【0020】
これに対し,上記ロールコーターによる樹脂層の形成においては,上記基板の裏側面における塗布圧力が,表側面における塗布圧力よりも小さい。それ故,塗布ロールと基板との間に入り込むことのできる樹脂の量が,表側面よりも裏側面の方が多くなる。これにより,塗布直後の凸部においては,裏側面の樹脂の膜厚は,表側面の膜厚より大きい(図2(B)参照)。しかし,樹脂30がレベリングされたとき,従来技術の説明で述べたごとく,裏側面の樹脂の凸部は,表側面の樹脂の凸部よりも大幅に膜厚が減少する。
【0021】
そのため,塗布された樹脂がレベリングされたときに,裏側面の樹脂層の膜厚を表側面の膜厚と略均一とすることができる。それ故,上記のごとく両面の樹脂層の塗布圧力を調整することにより,表側面と裏側面の樹脂層の膜厚を均一にすることができる。
【0022】
これにより,上記樹脂層に開口するバイアホールや半田パッドを所望の大きさ,形状に,確実に形成することができる。
そのため,接続不良や絶縁不良のないプリント配線板を製造することができる。
【0023】
以上のごとく,本発明によれば,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を有する樹脂層を形成することができるプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【0024】
次に,請求項2に記載の発明のように,上記表側面の塗布圧力は0.05〜1.0MPaであることが好ましい。
これにより,上記表側面の樹脂層を,均一な所望の膜厚に形成することができる。
【0025】
上記塗布圧力が0.05MPa未満の場合には,樹脂層の膜厚が不均一となったり,うねりが生じたりするおそれがある。一方,上記塗布圧力が1.0MPaを超える場合には,所望の膜厚が得られず,また,導体回路に損傷を与えるおそれがある。また,この場合に所望の膜厚を得るためには,繰り返し塗布を行なう必要があり,これにより膜厚が不均一になり易く,生産効率も低下する。
【0026】
また,上記表側面の塗布圧力は0.1〜0.8MPaであることがより好ましい。これにより,上記表側面の樹脂層を,導体回路などの影響を受けることなく,一層均一な所望の膜厚に形成することができる。
更に,上記塗布圧力は,0.2〜0.5MPaであることが好ましい。これにより,上記表側面の樹脂層を,一層確実に,均一な所望の膜厚に形成することができる。
【0027】
次に,請求項3に記載の発明のように,上記裏側面の塗布圧力は,上記表側面の塗布圧力よりも,0.01〜0.4MPa低いことが好ましい。
これにより,導体回路の面積が小さい裏側面における樹脂層の膜厚を,導体回路の面積が大きい表側面における樹脂層の膜厚と略同等にすることができる。
【0028】
上記圧力差が0.01MPa未満の場合には,上記裏側面における樹脂層の膜厚が表側面よりも小さくなるおそれがある。一方,上記圧力差が0.4MPaを超える場合には,逆に上記裏側面における樹脂層の膜厚が表側面よりも大きくなるおそれがある。
また,上記圧力差は0.1〜0.3MPaであることがより好ましい。これにより,上記裏側面における樹脂層の膜厚と,上記表側面における樹脂層の膜厚との膜厚差を一層小さくすることができる。
【0029】
次に,請求項4に記載の発明のように,上記裏側導体回路の面積は,上記表側導体回路の面積よりも,基板面積1000cm2あたり600cm2以上小さい場合であってもよい。
この場合には,仮に,基板の表側面と裏側面との塗布圧力を均等にすると,表側面と裏側面の樹脂層に大きな膜厚の差が生ずる。そこで,上記の場合に本発明を適用することにより,表側面と裏側面の樹脂層の膜厚を均一にすることができる。
【0030】
次に,請求項5に記載の発明のように,上記樹脂層は層間絶縁層とすることができる。
この場合には,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を有する層間絶縁層を形成することができる。それ故,該層間絶縁層に開口するバイアホールを所望の大きさ,形状に,形成することができ,開口部の底部に現像残り等が発生しない。そのため,接続不良や絶縁不良のないプリント配線板を製造することができる。
【0031】
次に,請求項6に記載の発明のように,上記樹脂層はソルダーレジスト層とすることもできる。
この場合には,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を有するソルダーレジスト層を形成することができる。それ故,該ソルダーレジスト層に開口する半田パッドを所望の大きさ,形状に,形成することができ,開口部の底部に現像残り等が発生しない。
そのため,上記半田パッド上の耐食金属層の未形成,半田バンプの脱落や剥がれ,接続不良等のないプリント配線板を製造することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるプリント配線板の製造方法につき,図1〜図3を用いて説明する。
本例の製造方法は,下記に示す基板1の両面に,ロールコーター4によって層間絶縁層3を両面同時に形成することにより,プリント配線板を製造する方法である(図1)。
【0033】
即ち,上記基板1は,図2(A),図3に示すごとく,表側面11に表側導体回路21を有すると共に裏側面12に裏側導体回路22を有する。該裏側導体回路22(図3(B))の面積は上記表側導体回路21(図3(A))の面積よりも小さい。そして,上記基板1の裏側面12における上記層間絶縁層3の塗布圧力は,上記表側面11の塗布圧力よりも小さい。
【0034】
即ち,上記表側面11の塗布圧力は0.3MPaであり,上記裏側面12の塗布圧力は,0.2MPaである。
また,上記裏側導体回路22の面積は,上記表側導体回路21の面積よりも,基板面積1000cm2あたり600cm2以上小さい。
【0035】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記プリント配線板を製造するに当っては,図2に示すごとく,上記基板1(図2(A))の両面に層間絶縁層3(図2(D))を形成する。
即ち,図1に示すごとく,表側導体回路21及び裏側導体回路22を有する基板1を,ロールコーター4における2本の塗布ロール41に,下方から供給する。回転する2本の塗布ロール41に挟まれた基板1は,その両面に樹脂30を塗布されながら,上方へ押し上げられる。次いで,樹脂30が塗布された基板1をチャック5により把持し,更に上方へ引き揚げる(図1の矢印A)。
【0036】
このとき,図1に示すごとく,表側面11を塗布する塗布ロール41寄りに上記基板1を位置させながら,供給,引き上げを行なうことによって,裏側面12の塗布圧力を表側面11の塗布圧力よりも小さくする。この圧力差は,導体回路の面積差,形成する層間絶縁層3の膜厚,樹脂30の粘度等を考慮して適宜調整する。
【0037】
上記のごとく,ロールコーター4を通過させることにより,上記基板1の両面に樹脂30を塗付する。塗布直後は,図2(B)に示すごとく,表側導体回路21及び裏側導体回路22による凹凸の影響を受けて樹脂30の表面が凹凸形状を形成する。しかし,樹脂30中のレベリング剤の作用により,図2(C)に示すごとく,略平坦な面を形成する。
そして,塗布された樹脂30を乾燥,露光,現像することにより,層間絶縁層3を形成する(図2(D))。
【0038】
ここで,上記裏側導体回路22の面積は表側導体回路21の面積よりも小さいため,仮に上記基板1の両面から同等の塗布圧力で樹脂30を塗布した場合には,従来技術の説明で述べたごとく,裏側面12の層間絶縁層3の膜厚が表側面11よりも小さくなる(図4(C),(D)参照)。
【0039】
これに対し,上記ロールコーター4による層間絶縁層3の形成においては,上記基板1の裏側面12における塗布圧力が,表側面11における塗布圧力よりも小さい。それ故,塗布ロール41と基板1との間に入り込むことのできる樹脂30の量が,表側面11よりも裏側面12の方が多くなる。これにより,塗布直後の凸部33においては,裏側面12の樹脂30の膜厚gは,表側面11の膜厚fより大きい(図2(B))。しかし,樹脂30がレベリングされたとき,従来技術の説明で述べたごとく,裏側面12の樹脂30の凸部33は,表側面11の樹脂30の凸部33よりも大幅に膜厚が減少する(図2(C))。
【0040】
そのため,塗布された樹脂30がレベリングされたときに,裏側面12の層間絶縁層3の膜厚Gが表側面11の膜厚Fと略均一にすることができる。それ故,上記のごとく両面の層間絶縁層3の塗布圧力を調整することにより,表側面11と裏側面12の層間絶縁層3の膜厚を均一にすることができる。
【0041】
これにより,図2(D)に示すごとく,上記層間絶縁層3に開口するバイアホール31を所望の大きさ,形状に,確実に形成することができる。
そのため,接続不良や絶縁不良のないプリント配線板を製造することができる。
【0042】
以上のごとく,本例によれば,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を有する層間絶縁層を形成することができるプリント配線板の製造方法が得られる。
【0043】
なお,本例においては,基板の両面に形成する樹脂層として,層間絶縁層を用いたが,上記樹脂層としてソルダーレジスト層を用いる場合にも,同様に,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を形成することができる。この場合には,上記ソルダーレジスト層に形成する半田パッドを所望の大きさ,形状に,確実に形成することができ,該半田パッド上に半田バンプを確実に接続することができる。
【0044】
実施形態例2
本例は,更に具体的な,本発明にかかる多層のプリント配線板の製造方法の例である。
以下においては,まず,「〈A〉層間絶縁層の上層を形成する無電解めっき用接着剤の調整」,「〈B〉層間絶縁層の下層を形成する層間樹脂絶縁剤の調整」,及び「〈C〉スルーホール内に充填するための樹脂充填剤の調整」につき説明する。次いで,「〈D〉プリント配線板の製造方法」につき順を追って説明する。
【0045】
〈A〉無電解めっき用接着剤(層間絶縁層における上層用接着剤)の調整
下記の各原料組成物を混合混練し,粘度7Pa・sに調整して無電解めっき用接着剤を得た。
〔樹脂組成物▲1▼〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製,分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に溶解させた樹脂液35重量部,感光性モノマー(東亜合成製,アロニックスM315)3.15重量部,消泡剤(サンノプコ製,S−65)0.5重量部,NMP3.6重量部を攪拌混合して得た。
【0046】
〔樹脂組成物▲2▼〕
ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部,エポキシ樹脂粒子(三洋化成製,ポリマーポール)の平均粒径1.0μmのものを7.2重量部,平均粒径0.5μmのものを3.09重量部,を混合した後,更にNMP30重量部を添加し,ビーズミルで攪拌混合して得た。
【0047】
〔硬化剤組成物▲3▼〕
イミダゾール硬化剤(四国化成製,2E4MZ−CN)2重量部,光開始剤(チバガイギー製,イルガキュアI−907)2重量部,光増感剤(日本化薬製,DETX−S)0.2重量部,NMP1.5重量部を攪拌混合して得た。
【0048】
〈B〉層間樹脂絶縁剤(層間絶縁層における下層用接着剤)の調整
下記の各原料組成物を攪拌混合し,粘度1.5Pa・sに調整して層間樹脂絶縁剤を得た。
〔樹脂組成物▲1▼〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製,分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液を35重量部,感光性モノマー(東亜合成製,アロニックスM315)4重量部,消泡剤(サンノプコ製,S−65)0.5重量部,NMP3.6重量部を攪拌混合して得た。
【0049】
〔樹脂組成物▲2▼〕
ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部,エポキシ樹脂粒子(三洋化成製,ポリマーポール)の平均粒径0.5μmのものを14.49重量部,を混合した後,更にNMP30重量部を添加し,ビーズミルで攪拌混合して得た。
【0050】
〔硬化剤組成物▲3▼〕
イミダゾール硬化剤(四国化成製,2E4MZ−CN)2重量部,光開始剤(チバガイギー製,イルガキュアI−907)2重量部,光増感剤(日本化薬製,DETX−S)0.2重量部,NMP1.5重量部を攪拌混合して得た。
【0051】
〈C〉樹脂充填剤調製用の原料組成物
下記の各原料組成物を混合混練して樹脂充填剤を得た。
〔樹脂組成物▲1▼〕
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル製,分子量310,YL983U)100重量部,表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径1.6μmのSiO2球状粒子(アドマテック製,CRS1101−CE,ここで,最大粒子の大きさは後述する導体回路の厚み(15μm)以下とする)170重量部,レベリング剤(サンノプコ製,ペレノールS4)1.5重量部を攪拌混合することにより,その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜49,000cpsに調整して得た。
【0052】
〔硬化剤組成物▲2▼〕
イミダゾール硬化剤(四国化成製,2E4MZ−CN)6.5重量部。
【0053】
〈D〉プリント配線板の製造
(1)厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板の両面に18μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした。まず,この銅張積層板をドリル削孔し,無電解めっき処理を施し,パターン状にエッチングすることにより,スルーホールと,基板の両面にCuからなる導体回路を形成した。
【0054】
(2)導体回路およびスルーホールを形成した基板を水洗し,乾燥した後,酸化浴(黒化浴)として,NaOH(10g/l),NaClO2(40g/l),Na3PO4(6g/l),還元浴として,NaOH(10g/l),NaBH4(6g/l)を用いた酸化−還元処理により,導体回路およびスルーホールの表面に粗化層を設けた。
【0055】
(3)上記〈A〉で得た樹脂充填剤を,調製後24時間以内に導体回路間あるいはスル−ホ−ル内に塗布,充填した。
塗布方法としては,スキ−ジを用いた印刷法を用いた。1回目の印刷塗布は,主にスルホ−ル内を充填して,乾燥炉内の温度100℃,20分間乾燥させた。
また,2回目の印刷塗布は,主に導体回路の形成で生じた凹部を充填して,導体回路間およびスル−ホ−ル内を充填したあと,前述の乾燥条件で乾燥させた。
【0056】
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を,#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により,導体回路の表面やスルーホールのランド表面に樹脂充填剤が残らないように研磨し,次いで,前記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで,100℃で1時間,150℃で1時間,の加熱処理を行って樹脂充填剤を硬化した。
【0057】
このようにして,スルーホール等に充填された樹脂充填剤の表層部および導体回路上面の粗化層を除去して基板両面を平滑化し,樹脂充填剤と導体回路の側面とが粗化層を介して強固に密着し,またスルーホールの内壁面と樹脂充填剤とが粗化層を介して強固に密着した配線基板を得た。即ち,この工程により,樹脂充填剤の表面と導体回路の表面が同一平面となる。
【0058】
(5)導体回路を形成したプリント配線板をアルカリ脱脂してソフトエッチングする。次いで,塩化パラジウムと有機酸からなる触媒溶液で処理して,Pd触媒を付与する。このPd触媒を活性化した後,硫酸銅3.9×10-2mol/l,硫酸ニッケル3.8×10-3mol/l,クエン酸ナトリウム7.8×10-3mol/l,次亜りん酸ナトリウム2.3×10-1mol/l,界面活性剤(日信化学工業製,サーフィール465)1.1×10-4mol/l,PH=9からなる無電解めっき液に基板を浸漬する。
【0059】
浸漬1分後に,4秒に1回の割合で基板を水平および垂直方向に振動させて,導体回路およびスルーホールのランドの表面にCu−Ni−Pからなる針状合金の被覆層と粗化層を設けた。
更に,ホウフッ化スズ0.1mol/l,チオ尿素1.0mol/l,温度35℃,PH=1.2の条件にて浸漬時間10分でCu−Sn置換反応させ,粗化層の表面に厚さ0.3μmのSn層を設けた。
【0060】
(6)上記(5)で得た基板の両面に,上記〈B〉で得られた粘度1.5Pa・sの層間樹脂絶縁剤(下層用)を調製後24時間以内にロールコータで塗布し,水平状態で20分間放置してから,60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行う。次いで,上記〈A〉で得られた粘度7Pa・sの感光性の接着剤溶液(上層用)を調製後24時間以内に塗布し,水平状態で20分間放置してから,60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行い,厚さ35μmの接着剤層を形成した。
【0061】
(7)上記(6)で接着剤層を形成した基板の両面に,85μmφの黒円が印刷されたフォトマスクフィルムを密着させ,超高圧水銀灯により500mJ/cm2で露光した。これをDMTG(トリエチレングリコールジメチルエーテル)溶液でスプレー現像し,更に,当該基板を超高圧水銀灯により3000mJ/cm2で露光した。これを100℃で1時間,120℃で1時間,その後150℃で3時間の加熱処理(ポストベーク)をした。
【0062】
これにより,フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れた85μmφの開口部(バイアホール形成用開口部)を有する厚さ35μmの層間絶縁層(2層構造)を形成した。なお,バイアホールとなる開口部には,スズめっき層を部分的に露出させた。
【0063】
(8)開口部が形成された基板を,クロム酸に19分間浸漬し,層間絶縁層の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより,上記層間絶縁層の表面を粗化した。その後,上記基板を中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
更に,粗化処理(粗化深さ6μm)した該基板の表面に,パラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより,層間絶縁層の表面およびバイアホール用開口の内壁面に触媒核を付着させた。
【0064】
(9)以下に示す組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して,粗化面全体に厚さ0.6〜1.2μmの無電解銅めっき膜を形成した。
〔無電解めっき水溶液〕
EDTA 0.08mol/l
硫酸銅 0.03mol/l
HCHO 0.05mol/l
NaOH 0.05mol/l
α,α’−ビピリジル 80mg/l
PEG(ポリエチレングリコール) 0.10g/l
〔無電解めっき条件〕
65℃の液温度で20分
【0065】
(10)前記(9)で形成した無電解銅めっき膜上に市販の感光性ドライフィルムを張り付け,マスクを載置して,100mJ/cm2で露光,0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し,厚さ15μmのめっきレジストを設けた。
【0066】
(11)次いで,レジスト非形成部分に以下の条件で電解銅めっきを施し,厚さ15μmの電解銅めっき膜を形成した。
【0067】
(12)めっきレジストを5%KOHで剥離除去した後,そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去した。これにより,無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜からなる厚さ18μmの導体回路(バイアホールを含む)を形成した。形成された表側面の導体回路の総面積は1000cm2当たり800cm2であり,裏側面の導体回路の総面積は,193cm2であった。
【0068】
(13)上記(5)と同様の処理を行い,Cu−Ni−Pの合金層である針状粗化を無電解めっきによって形成し,更にその表面にSn置換を行った。
【0069】
(14)上記(6),(7)と同様の工程を経て,層間絶縁層とバイアホールの形成を行った。ここで,塗布圧力を表側面0.3MPa,裏側面0.2MPaとして,ロールコーターで両面同時に層間絶縁層を形成した。
以下,上記(8)〜(12)の工程を繰り返すことにより,更に上層の導体回路を形成し,多層プリント配線板を得た。但し,表層の粗化面には,Sn置換は行わなかった。
【0070】
(15)一方,DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を46.67g,メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製,エピコート1001)15.0g,イミダゾール硬化剤(四国化成製,2E4MZ−CN)1.6g,感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬製,R604)3g,同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製,DPE6A)1.5g,分散系消泡剤(サンノプコ社製,S−65)0.71gを混合した。
【0071】
更にこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g,光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を0.2g加えて,粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお,粘度測定は,B型粘度計(東京計器,DVL−B型)を用い,ローターNo.4で60rpm,ローターNo.3で6rpmにて行なった。
【0072】
(16)上記(14)で得られた多層プリント配線基板の両面に,上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布した。次いで,70℃で20分間,70℃で30分間の乾燥処理を行った後,円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルムを密着させて載置し,1000mJ/cm2の紫外線で露光し,DMTGで現像処理した。
【0073】
そして更に,80℃で1時間,100℃で1時間,120℃で1時間,150℃で3時間の条件で加熱処理し,半田パッド部分(バイアホールとそのランド部分を含む)を開口した(開口径200μm)ソルダーレジスト層(厚み20μm)を形成した。
【0074】
(17)その後,塩化ニッケル2.3×10-1mol/l,次亜リン酸ナトリウム2.8×10-1mol/l,クエン酸ナトリウム1.6×10-1mol/l,からなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に,20分間浸漬して,開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。更に,その基板を,シアン化金カリウム7.6×10-3mol/l,塩化アンモニウム1.9×10-1mol/l,クエン酸ナトリウム1.2×10-1mol/l,次亜リン酸ナトリウム1.7×10-1mol/lからなる無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬する。これにより,ニッケルめっき層上に厚さ0.03μmの金めっき層を形成した。
【0075】
(18)そして,ソルダーレジスト層の開口部に,半田ペーストを印刷して200℃でリフローすることにより,半田バンプ(半田体)を形成した。
以上により,多層のプリント配線板を製造した。
本例によっても,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を有する層間絶縁層を形成することができるプリント配線板の製造方法が得られる。
【0076】
実施形態例3
本例は,実施形態例2とは異なる,具体的な,本発明にかかる多層のプリント配線板の製造方法の例である。
「〈A〉層間絶縁層の上層を形成する無電解めっき用接着剤の調整」,「〈B〉層間絶縁層の下層を形成する層間樹脂絶縁剤の調整」,及び「〈C〉スルーホール内に充填するための樹脂充填剤の調整」については,実施形態例2と同様である。
以下においては,「〈D〉プリント配線板の製造方法」について,実施形態例2と異なる部分を中心に説明する。
【0077】
〈D〉プリント配線板の製造
(1)〜(4)実施形態例2の(1)〜(4)と同様である。
(5)上記(1)〜(4)により得た基板を搬送ロールにより搬送しながらエッチング液をスプレーすることにより,表層の導体回路をエッチング処理して,厚さ3μmの粗化面を形成した。上記エッチング液としては,イミダゾ−ル銅(II)錯体10重量部,グリコ−ル酸7重量部,塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製「メックエッチボンド」)を用いた。表層には,スズ,チタンなどの金属層を形成してもよいが,今回は行わなかった。
【0078】
(6)〜(8)実施形態例2の(6)〜(8)と同様である。
(9)以下に示す組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して,粗化面全体に厚さ0.6〜1.2μmの無電解銅めっき膜を形成した。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003mol/l
酒石酸 0.200mol/l
硫酸銅 0.030mol/l
HCHO 0.050mol/l
NaOH 0.100mol/l
α,α’−ビピリジル 40mg/l
PEG 0.10g/l
〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分
【0079】
(10),(11)実施形態例2の(10),(11)と同様である。
(12)めっきレジストを5%KOHで剥離除去した後,そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去した。これにより,無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜からなる厚さ18μmの導体回路(バイアホールを含む)を形成した。形成された表側面の導体回路の総面積は1000cm2当たり812cm2であり,裏側面の導体回路の総面積は,188cm2であった。
【0080】
(13)上記(5)と同様の処理を行い,第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって,粗化層を形成した。
(14)(6),(7)と同様の工程を経て,層間絶縁層とバイアホールの形成を行った。ここで,塗布圧力を表側面0.4MPa,裏側面0.25MPaとして,ロールコーターで両面同時に層間絶縁層を形成した。
以下(8)〜(12)の工程を繰り返すことにより,更に上層の導体回路を形成し,多層プリント配線板を得た。但し,表層の粗化面にも,第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって,粗化層を形成した。
【0081】
(15)一方,DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を46.67g,メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製,エピコート1001)15.0g,感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬製,R604)3g,同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製,DPE6A)1.5g,に分散系消泡剤(サンノプコ社製,S−65)0.71gを混合した。
【0082】
更にこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g,光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を0.2g加えて,粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお,粘度測定は,B型粘度計(東京計器,DVL−B型)を用い,ローターNo.4で60rpm,ローターNo.3で6rpmにて行なった。
【0083】
(16)上記(14)で得られた多層プリント配線基板に,実施形態例2の(16)と同様に,ソルダーレジスト層を形成した。
(17)その後,過硫酸ナトリウムを主成分とすると共にエッチング速度毎分2μm程度に調整されたエッチング液に,基板を1分間浸漬した後,水洗などを経て導体回路の平均粗度(Ra)を1μm以下にした。露出した導体回路を平坦にしたプリント配線板を,塩化ニッケル2.3×10-1mol/l,次亜リン酸ナトリウム2.8×10-1mol/l,クエン酸ナトリウム1.6×10-1mol/l,からなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬した。これにより,開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。
【0084】
更に,その基板を,シアン化金カリウム7.6×10-3mol/l,塩化アンモニウム1.9×10-1mol/l,クエン酸ナトリウム1.2×10-1mol/l,次亜リン酸ナトリウム1.7×10-1mol/lからなる無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬した。これにより,ニッケルめっき層上に厚さ0.03μmの金めっき層を形成した。
(18)実施形態例2の(18)と同様である。
【0085】
実施形態例4
実施形態例2と略同様であるが,表層の導体回路の面積を,表側面は1000cm2当たり780cm2,裏側面は115cm2とした。また,ソルダーレジスト層の形成の際,表側面は塗布圧力を0.35MPa,裏側面の塗布圧力を0.29MPaとして行った。
その他は,実施形態例2と同様である。
【0086】
実施形態例5
実施形態例3と略同様であるが,表層の導体回路の面積を,表面は1000cm2当たり692cm2,裏面は105cm2とした。また,ソルダーレジスト層の形成の際,表面は塗布圧力を0.30MPa,裏面の塗布圧力を0.20MPaとして行った。
その他は,実施形態例3と同様である。
【0087】
比較例1
実施形態例2と略同様であるが,層間絶縁層またはソルダーレジスト層の形成の際,ロールコーターの塗布圧力を,表側面,裏側面共に0.4MPaとして行った。
その他は実施形態例2と同様である。
【0088】
比較例2
実施形態例2と略同様であるが,層間絶縁層またはソルダーレジスト層の形成の際,ロールコーターの塗布圧力を,表側面,裏側面共に0.4MPaとして行った。
その他は実施形態例2と同様である。
【0089】
実験例
本例においては,上記実施形態例2〜実施形態例5により得られたプリント配線板の評価を,上記比較例1,2と比較して行なった。
即ち,各プリント配線板における層間絶縁層あるいはソルダーレジスト層の膜厚,バイアホール又は半田バンプの大きさの測定,導通テスト及び耐久信頼性試験を行なった。
【0090】
実施形態例2,3により得られたプリント配線板は,層間絶縁層の平均膜厚が33μmであり,表側面と裏側面の膜厚の差は1μm以下であった。また,バイアホールの直径は90μmであり,そのバラツキは±5μm以内であった。
【0091】
実施形態例4,5により得られたプリント配線板は,ソルダーレジスト層の平均膜厚が28μmであり,表側面と裏側面の膜厚の差は1μm以下であった。また,半田パッドの開口径は130μmであり,そのバラツキは±5μm以内であった。
【0092】
また,実施形態例2〜5のプリント配線板においては,バイアホールや半田パッドの底部に樹脂残りは確認されなかった。
また,実施形態例2〜5のプリント配線板について,チェッカーを用いて導通試験を行なったところ,断線や短絡はなかった。また,耐久信頼性試験として,ヒートサイクルを2000サイクル(1サイクル;(130℃×3分)+(−65℃×3分))実施したところ,接続不良,絶縁不良,導体剥離等の不具合は生じなかった。
【0093】
これに対し,比較例1,2により得られたプリント配線板においては,層間絶縁層及びソルダーレジスト層の膜厚は,表側面と裏側面の差が平均で4μm,最大で8μmあった。また,バイアホールの直径のバラツキは±8μm〜±10μmであり,半田パッドの開口径のバラツキは,±8μm〜±10μmであった。
また,バイアホール,半田パッドにも,底部に樹脂残りが見られた。
【0094】
以上の結果から,本発明のプリント配線板の製造方法によれば,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を有する樹脂層が形成され,接続不良,絶縁不良等の不具合のないプリント配線板が得られることが分かる。
【0095】
【発明の効果】
上述のごとく,本発明によれば,基板の表側面と裏側面とで均一な膜厚を有する樹脂層を形成することができるプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ロールコーターによる層間絶縁層の形成方法を表す説明図。
【図2】実施形態例1における,プリント配線板の製造方法を表す説明図。
【図3】実施形態例1における,基板の(A)表側面の平面図,及び(B)裏側面の平面図。
【図4】従来例における,プリント配線板の製造方法を表す説明図。
【符号の説明】
1...基板,
11...表側面,
12...裏側面,
21...表側導体回路,
22...裏側導体回路,
3...層間絶縁層,
30...樹脂,
31...バイアホール,
4...ロールコーター,
41...塗布ロール,
Claims (6)
- 表側面に表側導体回路を有すると共に裏側面に裏側導体回路を有し,かつ上記裏側導体回路の面積が上記表側導体回路の面積よりも小さい基板の両面に,ロールコーターによって樹脂層を両面同時に形成することにより,プリント配線板を製造する方法において,
上記基板の裏側面における上記樹脂層の塗布圧力は,上記表側面の塗布圧力よりも小さいことを特徴とするプリント配線板の製造方法。 - 請求項1において,上記表側面の塗布圧力は0.05〜1.0MPaであることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 請求項1又は2において,上記裏側面の塗布圧力は,上記表側面の塗布圧力よりも,0.01〜0.4MPa低いことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項において,上記裏側導体回路の面積は,上記表側導体回路の面積よりも,基板面積1000cm2あたり600cm2以上小さいことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項において,上記樹脂層は層間絶縁層であることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項において,上記樹脂層はソルダーレジスト層であることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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