JP4859301B2 - 樹脂充填用マスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂充填用マスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等により製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5mm程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層することにより作製される。この多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホールにより行われている。
【0003】
従来、ビルドアップ多層プリント配線板は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示された方法により製造されている。
即ち、まず、銅箔が貼り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成する。続いて、基板の表面をフォトリソグラフィーの手法を用いて導体パターン状にエッチング処理して導体回路を形成する。次に、形成された導体回路の表面に、無電解めっきやエッチング等により粗化層を形成し、その粗化層の上に絶縁樹脂の層を形成した後、露光、現像処理を行ってバイアホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。
【0004】
さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤などにより粗化処理を施した後、薄い無電解めっき層を形成し、この無電解めっき層上にめっきレジストを形成した後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト剥離後にエッチングを行って導体回路を形成する。これを繰り返すことにより、ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。
【0005】
このような多層プリント配線板の製造において、基板上に導体回路を形成すると、スルーホールが形成された直後には、基板内に多数の貫通孔が存在することとなる。
従って、この状態の基板上に層間樹脂絶縁層を形成した場合、貫通孔の存在に起因して、基板上に積層された層間樹脂絶縁層の表面に窪んだ部分が存在することとなり、層間樹脂絶縁層上に形成する導体回路やバイアホール等が変形し、接続不良を引き起こす可能性があった。
そこで、通常は、導体回路が形成された基板の表面を平坦化するために、樹脂充填材をスルーホールに充填することが行われている。
【0006】
例えば、特開平12−261140号公報には、スルーホールに相当する部分に開口部を有するマスクを載置し、樹脂充填材を保持したスキージをマスク上で移動させ、マスクの開口部から樹脂充填材をスルーホールに押し込むことにより樹脂充填材を充填する方法が開示されている。
この方法は、スルーホールを樹脂充填材で充填するため、上記した層間樹脂絶縁層の形状や導体回路等の接続性に関する問題を解消する方法として有用である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ICチップ等の高周波数化に伴って、多層プリント配線板の小型化、高密度化が要求され、多層プリント配線板における導体回路の設計が複雑になってきている。これに伴って、隣合うスルーホール間の距離も不均一になっていきている。具体的には、ICチップ搭載部分の直下では、スルーホールが密に存在するため、スルーホール間の距離が短くなっており、基板の外縁部付近では、ICチップ搭載部分の直下に比べてスルーホールの存在が疎であるため、スルーホール間の距離が長くなっている。
このような高密度な配線を有し、隣合うスルーホール間の距離が不均一な多層プリント配線板を製造する際にも、上述したように、スルーホールを樹脂充填材で充填する方法は、より接続信頼性に優れる多層プリント配線板を製造することができるという点で有用である。
【0008】
しかしながら、高密度な配線を有する多層プリント配線板の製造において、スルーホールに樹脂充填材を充填する際に、特開平12−261140号公報に開示されているように、スルーホールに重なる部分に開口を有するマスクを用いた場合には、樹脂充填材が完全に充填されていないスルーホールが発生することがあった。特に、隣合うスルーホールとの距離が長いスルーホールに樹脂充填材を完全に充填することが困難であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記問題を解消するために鋭意検討した結果、隣合うスルーホールとの距離が長いスルーホールに相当する部分に形成された開口部の面積が、スルーホールの面積よりも大きいマスクや、上記スルーホールに相当する部分に形成された開口部が、その周囲に貫通孔を有しているマスクを用いることにより、隣合うスルーホールとの距離が長いスルーホールにも、該スルーホールを完全に充填するに充分な量の樹脂充填材を充填することができることを見い出し、以下に示す内容を要旨構成とする本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、第一の本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において形成されたスルーホールに、樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスクであって、
上記樹脂充填用マスクは、上記スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、
上記開口部のうち、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部は、その面積がスルーホールの面積の1.5〜2.5倍であることを特徴とする。
【0011】
また、第二の本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において形成されたスルーホールに、樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスクであって、
上記樹脂充填用マスクは、上記スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、
上記開口部のうち、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm未満のスルーホールに相当する部分に形成された開口部は、その周囲に、面積が上記開口部の面積の0.1倍以上1.0倍未満である貫通孔を少なくとも1つ有していることを特徴とする。
【0012】
また、第一または第二の本発明の樹脂充填用マスクにおいて、上記スルーホールは、基板を挟んだ下層導体回路間を接続するために形成されたスルーホールであることが望ましく、この樹脂充填用マスクにおいては、基板上の下層導体回路非形成部に相当する部分にも開口部を有することが望ましい。
【0013】
また、第一または第二の本発明の樹脂充填用マスクにおいて、上記スルーホールは、少なくとも基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ上層導体回路間を接続するために形成されたスルーホールであることも望ましく、この樹脂充填用マスクにおいては、層間樹脂絶縁層上の上層導体回路非形成部に相当する部分や層間樹脂絶縁層に形成したバイアホールに相当する部分にも開口部を有することが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、第一の本発明の樹脂充填用マスクについて説明する。
第一の本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において形成されたスルーホールに、樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスクであって、
上記樹脂充填用マスクは、上記スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、
上記開口部のうち、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部は、その面積がスルーホールの面積の1.5〜2.5倍であることを特徴とする。
【0015】
第一の本発明の樹脂充填用マスクは、該樹脂充填用マスクが有する開口部のうち、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部は、その面積がスルーホールの面積の1.5〜2.5倍であり、スルーホールの面積に対して充分に大きいため、多層プリント配線板を製造する際にこの樹脂充填用マスクを用いることにより、全てのスルーホールを樹脂充填材で完全に充填することができる。
【0016】
隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに、このスルーホールの形状と略同一の形状の開口部を有するマスクを用いて樹脂充填材を充填した場合、樹脂充填材で完全に充填することができないスルーホールが発生することがある。この理由は明確ではないが、以下のような理由によるのではないかと考えられる。即ち、樹脂充填材を充填する際には、マスク上で樹脂充填材を保持したスキージ等を移動させながら、開口部から樹脂充填材をスルーホールに押しこむのであるが、ここで、隣合うスルーホールとの距離が短い(2.0mm未満)スルーホールに樹脂充填材を充填する場合には、複数の開口部に均一にスキージの押圧力がかかることとなるが、隣合うスルーホールとの距離が長い(2.0mm以上)スルーホールに樹脂充填材を充填する場合には、このスルーホールに対応した開口部の近くには、他の開口部が存在しないため、この開口部にスキージの押圧力が集中しやすく、その結果、隣合うスルーホールとの距離が長い(2.0mm以上)スルーホールでは、樹脂充填材が完全に充填されず、窪みが生じやすいのではないかと考えられる。
【0017】
このように、樹脂充填材で完全に充填されていないスルーホールと、樹脂充填材で完全に充填されたスルーホールとが形成されると、以下のような不都合が発生する。
即ち、多層プリント配線板を製造する際には、スルーホールに樹脂充填材を充填した後、この樹脂充填材に硬化処理を施し、樹脂充填材層を形成する。
ここで、硬化処理が施された樹脂充填材は、通常、未硬化の樹脂充填材に比べて体積が増加している。従って、硬化処理後の樹脂充填材は、その表層部の形状がスルーホールから盛り上がった形状となる。そのため、通常は、樹脂充填材に半硬化処理(60〜70%程度硬化させる)を施した後、基板の表面全体に研磨処理を施し、その後、樹脂充填材を完全に硬化させることにより表層部の平坦な樹脂充填材層を形成する。
【0018】
しかしながら、上述したように、樹脂充填材で完全に充填されたスルーホールと、樹脂充填材が完全に充填されなかったスルーホールとが併存すると、硬化処理(半硬化処理)を施した際に増加する樹脂充填材の体積が異なるため、スルーホールから盛り上がる程度が異なり、大きく盛り上がった部分と余り盛り上がっていない部分とが存在することとなる。そのため、研磨処理を施す際に、大きく盛り上がった部分を完全に除去するような研磨処理を施すと、余り盛り上がっていない部分が窪んだり、余り盛り上がっていない部分の周囲の導体回路も同時に研磨され導通不良の原因となることがある。一方、余り盛り上がっていない部分を完全に除去する程度に研磨処理を施すと、大きく盛り上がった部分が完全に研磨されず、さらに層間樹脂絶縁層を積層した際に、この層間樹脂絶縁層にうねりや表面の窪みが発生する原因となることがある。
【0019】
第一の本発明の樹脂充填用マスクでは、上述したように、隣合うスルーホールとの距離が長いスルーホールに樹脂充填材を充填するために形成された開口部は、その面積がスルーホールの面積の1.5〜2.5倍と、スルーホールの面積に比べて大きく、隣合うスルーホールとの距離が長いスルーホールにも充分な量の樹脂充填材を充填することができるため、スルーホールに樹脂充填材を充填した際に、すべてのスルーホールを完全に樹脂充填材で充填することができる。
このように、全てのスルーホールを樹脂充填材で完全に充填した場合には、硬化処理時に増加する体積も同程度であり、表面全体に研磨処理を施すことにより平坦化を図ることができる。
【0020】
上記隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部の面積が、スルーホールの面積の1.5倍未満では、スルーホールを完全に充填することができる量の樹脂充填材を、マスクを介して充填することができず、スルーホールの充填が不完全になってしまう。一方、2.5倍を超えると、スルーホールを樹脂充填材で完全に充填することができるものの、スルーホールを充填するのに必要な量よりも多い量の樹脂充填材をマスクを介して充填するため、余分な樹脂充填材がスルーホールの周辺に付着したり、充填した樹脂充填材の表層部が大きく盛り上がった形状となったりする。この場合、後の研磨処理において、余分な樹脂充填材を充分に除去することができなかった場合には、積層する層間樹脂絶縁層にうねり等が発生する原因となり、また、スルーホール周辺の一部にのみ存在する余分な樹脂充填材を完全に除去することは容易ではない。
【0021】
なお、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm未満のスルーホールは、このスルーホールと略同一の形状の開口部を有するマスクを用いて、樹脂充填材を完全にスルーホールに充填することができる。
ここで、「略同一の形状」とは、スルーホールの断面の形状と相似形(通常は円形)であって、スルーホールの面積の±30%の範囲の面積を有する形状をいう。
【0022】
また、本明細書において、樹脂充填用マスクが有する開口部の面積とは、該樹脂充填用マスクを平面視した際の開口部の面積をいい、スルーホールの面積とは、該スルーホールが形成された基板を平面視した際のスルーホールの中央に存在する空隙部分の面積をいう。
【0023】
第一の本発明の樹脂充填用マスクを用いて樹脂充填材を充填するスルーホールとしては、具体的には、基板を挟んだ下層導体回路間を接続するために形成されたスルーホールや、少なくとも基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ上層導体回路回路間を接続するために形成されたスルーホール等が挙げられる。
【0024】
また、上記樹脂充填用マスクは、基板上の下層導体回路非形成部に相当する部分にも開口部が形成されているか、または、層間樹脂絶縁層上の上層導体回路非形成部に相当する部分や層間樹脂絶縁層に形成したバイアホールに相当する部分にも開口部が形成されていることが望ましい。
これらについては、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造方法について説明する際に詳述する。
【0025】
上記樹脂充填用マスクの材質は特に限定されず、例えば、ニッケル合金、ニッケル−コバルト合金、SUS等の金属;エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチック等が挙げられる。
また、上記樹脂充填用マスクの製造方法としては特に限定されず、例えば、エッチング加工、アディティブ加工、レーザ加工等が挙げられる。
【0026】
また、上記樹脂充填用マスクを用いてスルーホール内に充填する樹脂充填材としては特に限定されず、例えば、A型やF型のビスフェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、イミダゾール系硬化剤等の硬化剤、および、アルミニウム化合物、カルシウム化合物等の無機粒子等を含むもの等が挙げられる。
【0027】
また、上記樹脂充填材中には、上記したエポキシ樹脂等以外に、ポリイミド樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂やフッ素樹脂やポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂等が含まれていてもよく、これらの樹脂がエポキシ樹脂に代えて含まれていてもよい。
【0028】
このような構成からなる第一の本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において、樹脂充填材を充填する際に、好適に用いることができる。
なお、第一の本発明の樹脂充填用マスクを用いる多層プリント配線板の製造方法については、後に詳述する。
【0029】
次に、第二の本発明の樹脂充填用マスクについて説明する。
第二の本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において形成されたスルーホールに、樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスクであって、
上記樹脂充填用マスクは、上記スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、
上記開口部のうち、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部は、その周囲に、面積が上記開口部の面積の0.1倍以上1.0倍未満である貫通孔を少なくとも1つ有していることを特徴とする。
【0030】
第二の本発明の樹脂充填用マスクは、該樹脂充填用マスクが有する開口部のうち、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部は、その周囲に、面積が上記開口部の面積の0.1倍以上1.0倍未満である貫通孔が形成されているため、上記開口部とともに該貫通孔を介して樹脂充填材がスルーホールに押し込まれる。そのため、スルーホールを完全に充填することができる量の樹脂充填材をマスクを介して充填することができ、多層プリント配線板を製造する際に、この樹脂充填用マスクを用いることにより、全てのスルーホールを樹脂充填材で完全に充填することができる。
このように、全てのスルーホールを樹脂充填材で完全に充填した場合には、上述したように、硬化処理(半硬化処理)時に増加する体積も同程度であり、表面全体に研磨処理を施すことにより平坦化を図ることができる。
【0031】
上記隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部の周囲の貫通孔の面積が、上記開口部の面積の0.1倍未満では、貫通孔の面積が小さすぎるため、樹脂充填材の抜け性が悪く、貫通孔を介して樹脂充填材をスルーホールに押し込むことができず、この貫通孔を設けた効果をほとんど得ることができない。一方、1.0倍以上では、スルーホールを樹脂充填材で完全に充填することができるものの、スルーホール以外の部分(スルーホールの周辺)にも樹脂充填材が多量に付着したり、充填した樹脂充填材の表層部が大きく盛り上がった形状となったりすることがあり、この場合には、後の研磨処理において、余分な樹脂充填材を充分に除去することが困難になることがある。
【0032】
なお、第二の本発明の樹脂充填用マスクにおいても、第一の本発明の樹脂充填用マスク同様、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm未満のスルーホールは、このスルーホールと略同一の形状の開口部を有するマスクを用いて、樹脂充填材を完全にスルーホールに充填することができる。
【0033】
第二の本発明の樹脂充填用マスクにおいて、スルーホールに相当する部分に形成された開口部は、このスルーホールと略同一の形状であればよい。
また、上記貫通孔の数は特に限定されず、この貫通孔を介して樹脂充填材を充填するスルーホールと、該スルーホールと隣合うスルーホールとの距離等を考慮して適宜選択すればよいが、通常、1〜8個程度が望ましい。
【0034】
また、上記貫通孔の形成位置は、上記開口部の外周に沿って均等に形成されていることが望ましい。
また、上記貫通孔と上記開口部との距離は、0.1〜0.5mmであることが望ましい。0.1mm未満であると、上記貫通孔と上記開口部との距離が短すぎるため、その箇所における樹脂充填用マスクの機械的強度が低下してしまい。上記樹脂充填用マスクを用いて樹脂充填材を充填する際等において、樹脂充填用マスクが破損するおそれがある。
一方、0.5mmを超えると、上記貫通孔と上記開口部との距離が長すぎるため、充填対象のスルーホールに樹脂充填材を充填することができないことがある。また、上記貫通孔と上記開口部との距離は、0.1〜0.3mmがより望ましい。樹脂充填材の組成や粘度の影響をあまり受けることがないからである。
なお、上記貫通孔と上記開口部との距離とは、両者の外縁部同士の最短距離をいう。
【0035】
第二の本発明の樹脂充填用マスクを用いて樹脂充填材を充填するスルーホールの具体例としては、第一の本発明の樹脂充填用マスクを用いて樹脂充填材を充填するスルーホールと同様、基板を挟んだ下層導体回路間を接続するために形成されたスルーホールや、少なくとも基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ上層導体回路間を接続するために形成されたスルーホール等が挙げられる。
また、第二の本発明の樹脂充填用マスクにおいても、基板上の下層導体回路非形成部分に相当する部分にも開口部が形成されているか、または、層間樹脂絶縁層上の上層導体回路非形成部に相当する部分や層間樹脂絶縁層に形成したバイアホールに相当する部分にも開口部が形成されていることが望ましい。
【0036】
また、第二の本発明の樹脂充填用マスクの材質や、その製造方法としては、第一の本発明の樹脂充填用マスクと同様の方法等が挙げられる。
このような構成からなる第二の本発明の樹脂充填用マスクもまた、多層プリント配線板の製造において、樹脂充填材を充填する際に好適に用いることができる。なお、第二の本発明の樹脂充填用マスクを用いる多層プリント配線板の製造方法については後述する。
【0037】
次に、第一および第二の本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造方法について説明する。勿論、第一および第二の本発明の樹脂充填用マスクを用いる多層プリント配線板の製造方法は、下記の製造方法に限定されるものではない。
【0038】
(1)絶縁性基板を出発材料とし、まず、該絶縁性基板上に下層導体回路を形成する。
上記絶縁性基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、銅張積層板、RCC基板等が挙げられる。
また、上記下層導体回路は、例えば、上記絶縁性基板の表面に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成した後、エッチング処理を施すことにより形成することができる。また、銅張積層板やRCC基板にエッチング処理を施すことにより形成してもよい。
【0039】
また、上記絶縁性基板を挟んだ下層導体回路間の接続をスルーホールにより行う場合には、例えば、上記絶縁性基板にドリルやレーザ等を用いて貫通孔を形成した後、無電解めっき処理を施すことによりスルーホールを形成することができる。
【0040】
(2)次に、上記(1)の工程でスルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填する。
この工程において、第一または第二の本発明の樹脂充填用マスクを用いることができる。
具体的には、第一または第二の本発明の樹脂充填用マスクを基板上に取り付けた後、樹脂充填材を保持したスキージを樹脂充填用マスクに押し当て、上記スキージを上記樹脂充填用マスク上で移動させることにより、マスクの開口部を介して樹脂充填材をスルーホール内に充填する。
なお、樹脂充填材としては、上述した樹脂充填材を用いることができる。
【0041】
また、この工程では、上記スルーホールに相当する部分に開口部を有するとともに、下層導体回路非形成部に相当する部分にも開口部を有する樹脂充填用マスクを用い、同時に、上記下層導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填することが望ましい。
下層導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填しておくことにより、後の研磨処理を施した際に、表面全体が平坦になり、後工程で形成する層間樹脂絶縁層にうねりや表面の窪み等がより発生しにくくなるからである。
【0042】
上記下層導体回路非形成部に相当する部分の開口部の形状は、下層導体回路非形成部の形状と略同一の形状であればよい。
高密度配線を有する多層プリント配線板では、L/S(導体回路の幅/導体回路間の距離)は25/25〜75/75程度であり、隣合う導体回路間の距離は、隣合うスルーホール間の距離に比べて短い。しかしながら、下層導体回路非形成部は、その深さが数μm〜数10μm程度であるため、該下層導体回路非形成部に充填する樹脂充填材の量は、スルーホールに充填する樹脂充填材の量に比べてはるかに少ない。そのため、上記樹脂充填用マスクに形成された下層導体回路非形成部に相当する部分の開口部の形状が、下層導体回路非形成部の形状と略同一の形状であっても下層導体回路非形成部を樹脂充填材で完全に充填することができる。
【0043】
なお、最初に、スルーホールに相当する部分にのみ開口部を有する樹脂充填用マスクを用いてスルーホールにのみ樹脂充填材を充填し、その後、下層導体回路非形成部に相当する部分にのみ開口部を有する樹脂充填用マスクを用いて下層導体回路非形成部に樹脂充填材を充填してもよい。
【0044】
また、樹脂充填材を充填した後には、該樹脂充填材を乾燥させて半硬化状態(60〜70%の硬化状態)とし、さらに、硬化処理を行うことにより樹脂充填材層とする。樹脂充填材を半硬化状態にするのは、樹脂充填材を完全に硬化させると、研磨を行うことが困難となり、一方、半硬化が不充分であると、研磨時に異物が樹脂充填材の層に刺さって、層間肢絶縁層が膨れたり、樹脂充填材層が剥がれたりする原因となることがあるからである。
上記乾燥は、例えば、100℃/20分の条件で行うことができる。また、上記硬化処理は、例えば、50〜250℃の温度で行うことができ、低い温度から高い温度へと温度を変化させて硬化させるステップ硬化を行ってもよい。
【0045】
上記したような乾燥工程を経て形成した樹脂充填材の層は、上述したように、導体回路の高さよりも高くなっている部分が多いので、研磨を行い、樹脂充填材の層を研削して基板の両主面を平坦化する。
また、下層導体回路の外縁部にも樹脂充填材の層が形成した場合には、この工程で下層導体回路の表面も研磨する。
【0046】
上記研磨は、研磨紙を用いるベルトサンダー研磨、研磨剤を用いるバフ研磨、ジェットスクラブ等によって行う。これらのなかでは、ベルトサンダー等で粗く研磨を施し、その後、細かい砥粒を用いたバフ研磨を施すことが望ましい。
また、樹脂充填材が研磨されやすいものの場合(例えば、無機粒子の配合量が少ない場合等)には、細かい砥粒を用いたバフ研磨のみで平坦化を図ることも望ましい。基板表面をより傷つけにくいからである。
【0047】
なお、この工程においては、樹脂充填材を充填する前に、スルーホールの壁面や下層導体回路の表面に粗化面を形成しておいてもよい。スルーホールや下層導体回路と樹脂充填材層との密着性が向上するからである。
上記粗化面を形成する方法としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、エッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等を挙げることができる。
【0048】
(3)次に、下層導体回路と樹脂充填材層とを形成した基板上に、熱硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂と含む樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。
上記未硬化の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテンコーター等により塗布したり、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着したりすることにより形成することができる。
また、上記熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム上に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することができる。
【0049】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0050】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン等が挙げられる。
また、上記樹脂複合体としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限定されず、例えば、粗化面形成用樹脂組成物等が挙げられる。
【0051】
上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたものが挙げられる。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0052】
上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持することができるものが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。
また、可溶性の物質としては、例えば、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹脂、液相ゴム等が挙げられる。
【0053】
(4)次に、その材料として熱硬化性樹脂や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。また、この工程では、必要に応じて、貫通孔を形成してもよい。
上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成することが望ましい。また、層間樹脂絶縁層の材料として感光性樹脂を用いた場合には、露光現像処理により形成してもよい。
【0054】
また、その材料として熱可塑性樹脂を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層にバイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。この場合、バイアホール用開口は、レーザ処理を施すことにより形成することができる。
また、この工程で貫通孔を形成する場合、該貫通孔は、ドリル加工やレーザ処理等により形成すればよい。
【0055】
(5)次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面に、上層導体回路を形成する。
上層導体回路を形成するあたっては、まず、層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。
上記薄膜導体層は、無電解めっき、スバッタリング等の方法により形成することができる。
また、上記薄膜導体層を形成する前に、層間樹脂絶縁層の表面に粗化面を形成しておいてもよい。粗化面を形成することにより、層間樹脂絶縁層と薄膜導体層との密着性を向上させることができる。
【0056】
また、上記(4)の工程で貫通孔を形成した場合には、層間樹脂絶縁層上に薄膜導体層を形成する際に、貫通孔の壁面にも薄膜導体層を形成することによりスルーホールとしてもよい。
【0057】
(6)次いで、その表面に無電解めっき膜が形成された基板の上にめっきレジストを形成する。
上記めっきレジストは、例えば、感光性ドライフィルムを張り付けたり、液状レジストを塗布した後、露光現像処理を施すことにより形成することができる。
【0058】
そして、無電解めっき膜をめっきリードとして電気めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電気めっき層を形成する。
その後、上記めっきレジストと該めっきレジスト下の無電解めっき膜および薄膜導体層とを除去することにより上層導体回路(バイアホールを含む)を形成することができる。
また、このめっきレジストを形成した後、電気めっき層を形成する方法に代えて、薄膜導体層上の全面に電気めっき層を形成した後、エッチング処理を施す方法を用いて上層導体回路を形成してもよい。
【0059】
(7)次に、上記(4)および(5)の工程においてスルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填する。
この工程において、第一または第二の本発明の樹脂充填用マスクを用いることができる。
具体的には、第一または第二の本発明の樹脂充填用マスクを層間樹脂絶縁層上に取り付けた後、樹脂充填材を保持したスキージを樹脂充填用マスクに押し当て、上記スキージを上記樹脂充填用マスク上で移動させることにより、マスクの開口部を介して樹脂充填材をスルーホール内に充填する。
【0060】
また、この工程では、上記スルーホールに相当する部分に開口部を有するとともに、上層導体回路非形成部に相当する部分、および/または、バイアホールに相当する部分にも開口部を有する樹脂充填用マスクを用い、同時に、上記上層導体回路非形成部や上記バイアホール内にも樹脂充填材を充填することが望ましい。上層導体回路非形成部やバイアホール内にも樹脂充填材を充填しておくことにより、後の研磨処理を施した際に、表面全体が平坦になり、後工程で形成する層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層にうねりや表面の窪み等がより発生しにくくなるからである。
【0061】
なお、上記上層導体回路非形成部やバイアホールに相当する部分の開口部の形状は、それぞれ上層導体回路非形成部やバイアホールの形状と略同一の形状であればよい。
この理由は、上述した下層導体回路非形成部に樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスクの開口部の形状が、下層導体回路非形成部の形状と略同一の形状であればよい理由と同様である。
【0062】
なお、最初に、スルーホールに相当する部分にのみ開口部を有する樹脂充填用マスクを用いてスルーホールにのみ樹脂充填材を充填し、その後、必要に応じて、上層導体回路非形成部やバイアホールに相当する部分にのみ開口部を有する樹脂充填用マスクを用いて上層導体回路非形成部やバイアホールに樹脂充填材を充填してもよい。
なお、ここで充填する樹脂充填材としては、上記(2)の工程で用いた樹脂充填材と同様のものを用いることができる。
【0063】
また、樹脂充填材を充填した後には、上記(2)の工程と同様、樹脂充填材を乾燥させ、さらに、硬化処理を行うことにより樹脂充填材層とする。
なお、乾燥させた樹脂充填材の層は、上述したように、上層導体回路の高さより高くなっているので、研磨を行い、樹脂充填材の層を研削して基板の両主面を平坦化する。ここで、研磨処理は、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。
【0064】
また、上記研磨処理を経て、樹脂充填材の表層部と上層導体回路の表面とを略平坦化した後、必要に応じて、無電解めっきを行うことにより樹脂充填材層の表層部を覆う蓋めっき層を形成してもよい。なお、上記蓋めっき層は、無電解めっきに代えてスパッタリングを行うことにより形成してもよく、また、無電解めっきやスパッタリングを行ったあと電解めっきを行い2層からなる蓋めっき層を形成してもよい。
蓋めっき層を形成することにより、スルーホールの直上にバイアホールを形成することができる。
また、バイアホールに樹脂充填材を充填した場合には、バイアホール内の樹脂充填材層を覆う蓋めっき層を形成してもよい。蓋めっき層を形成することにより、バイアホールの直上にバイアホールを形成することができる。
【0065】
なお、この工程においても、樹脂充填材を充填する前に、スルーホールの壁面や上層導体回路の表面(バイアホールの壁面を含む)に粗化面を形成しておいてもよい。スルーホールや上層導体回路と樹脂充填材層との密着性が向上するからである。
上記粗化面を形成する方法としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、エッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等を挙げることができる。
【0066】
(8)次に、蓋めっき層を形成した場合には、必要に応じて、該蓋めっき層の表面に粗化処理を行い、さらに、(3)〜(7)の工程を繰り返すことにより、その両面に層間樹脂絶縁層と上層導体回路とを積層形成する。なお、この工程では、スルーホールを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0067】
(9)次に、最上層の導体回路を含む基板面にソルダーレジスト層を形成し、さらに、該ソルダーレジスト層を開口して半田パッドを形成した後、上記半田パッドに半田ペーストを充填し、リフローすることにより半田バンプを形成する。その後、外部基板接続面に、ピンを配設したり、半田ボールを形成したりすることにより、PGA(Pin Grid Array)やBGA(Ball Grid Array )とする。
【0068】
上記ソルダーレジスト層は、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなるソルダーレジスト組成物を用いて形成することができる。
【0069】
また、上記以外のソルダーレジスト組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されていることが望ましい。
【0070】
上記ソルダーレジスト層に開口を形成する方法としては、例えば、バイアホール用開口を形成する方法と同様の方法、即ち、レーザ光を照射する方法等を用いることができる。
このとき、使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガス(CO2 )レーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。
【0071】
上記ソルダーレジスト層を開口することにより露出した上層導体回路部分は、通常、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により被覆することが望ましい。具体的には、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により被覆層を形成することが望ましい。
上記被覆層は、例えば、めっき、蒸着、電着等により形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきが望ましい。
【0072】
また、上記半田パンプは、上記半田パッドに相当する部分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッドに半田ペーストを充填した後、リフローすることにより形成する。
上記半田ペーストとしては特に限定されず、一般にプリント配線板の製造で使用されるものを用いることができる。具体的には、例えば、Sn:Pb(重量比)=63:37、Sn:Pb:Ag=62:36:2、Sn:Ag=96.5:3.5等からなるものや、SnとSbとからなるもの等が挙げられる。
【0073】
なお、製品認識文字などを形成するための文字印刷工程やソルダーレジスト層の改質のために、酸素や四塩化炭素などのプラズマ処理を適時行ってもよい。
以上の方法は、セミアディティブ法によるものであるが、フルアディティブ法を採用してもよい。
【0074】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.層間樹脂絶縁層の樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0075】
B.樹脂充填材の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)72重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で30〜80Pa・sの樹脂充填材を調製した。
なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0076】
C.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図1(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔して直径350μmの貫通孔を形成した後、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
なお、この工程で形成したスルーホール9のうち、基板の中央付近に存在するスルーホールは隣合うスルーホールとの距離が650μm、基板の外縁付近に存在するスルーホールは、隣合うスルーホールとの距離が2.0mmである。
また、全てのスルーホールは、導体層の厚さが25μmであり、スルーホールの中央に存在する空隙の直径が300μmである。
【0077】
(2)スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図1(b)参照)。
【0078】
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール9内、および、基板1の片面の下層導体回路非形成部と下層導体回路4の外縁部とに樹脂充填材10′の層を形成した。
即ち、スルーホールおよび下層導体回路非形成部に相当する部分に開口部を有する樹脂充填用マスクを基板上に載置し、スキージを用いてスルーホール内、凹部となっている下層導体回路非形成部、および、下層導体回路の外縁部に樹脂充填材10′を充填し、100℃/20分の条件で乾燥(半硬化)させた(図1(c)参照)。
【0079】
なお、上記樹脂充填用マスクが、基板の中央付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部は、その直径が300μmであり、基板の外縁付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部は、その直径が400μm(スルーホールの面積の約1.78倍)である。
【0080】
(4)上記(3)の処理を終えた基板の両面にバフ研磨を施し、下層導体回路4の外縁部やスルーホール9のランドの外縁部に樹脂充填材10′が残らないように研磨するとともに樹脂充填材の表面を平坦にした。
次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填材10′を硬化した。
【0081】
このようにして、スルーホール9や下層導体回路非形成部に形成された樹脂充填材層10の表層部および下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材層10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材層10とが粗化面を介して強固に密着した基板を得た(図1(d)参照)。即ち、この工程により、樹脂充填材層10の表面と下層導体回路4の表面とが略同一平面となる。
【0082】
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図2(a)参照)。
エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0083】
(6)基板の両面に、Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けるとともに硬化処理を施すことにより層間樹脂絶縁層2を形成した(図2(b)参照)。即ち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
【0084】
(7)次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を形成した(図2(c)参照)。
【0085】
(8)バイアホール用開口6を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口6の内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表面を粗面とした(図2(d)参照)。
【0086】
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0087】
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、触媒を付与した基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜12を形成し、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面に無電解銅めっき膜12が形成された基板を得た(図3(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で40分
【0088】
(11)無電解銅めっき膜12が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト3を設けた(図3(b)参照)。
【0089】
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト3非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜13を形成した(図3(c)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0090】
(13)さらに、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の上層導体回路5(バイアホール7を含む)とした(図3(d)参照)。
【0091】
(14)ついで、上記(5)と同様の処理を行い、上層導体回路表面に粗化面を形成した(図4(a)参照)。
【0092】
(15)上記(6)〜(14)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図4(b)〜図5(b)参照)。
【0093】
(16)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60min-1の場合はローターNo.4、6min-1の場合はローターNo.3によった。
【0094】
(17)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジストパターン層14を形成した。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0095】
(18)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0096】
(19)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層14の開口に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層14の開口にスズ−アンチモンを含有するはんだペーストを印刷した後、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、はんだバンプ17を有する多層プリント配線板を製造した(図5(c)参照)。
【0097】
(実施例2)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製、および、樹脂充填材の調製
層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製、および、樹脂充填材の調製は実施例1と同様にして行った。
【0098】
B.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に18μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図6(A)参照)。まず、この銅張積層板を下層導体回路パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に下層導体回路34を形成した(図6(B)参照)。
【0099】
(2)下層導体回路34を形成した基板30を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、下層導体回路34の表面に粗化面34aを形成した(図6(C)参照)。
【0100】
(3)次に、上記Aで作製した層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温しながら、0.5MPaで真空圧着ラミネートして貼り付け、樹脂フィルム層50αを形成した(図6(D)参照)。
さらに、樹脂フィルム層50αを貼り付けた基板30に、ドリル加工により直径300μmの貫通孔35を形成した(図6(E)参照)。
【0101】
(4)次に、樹脂フィルム層50α上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で樹脂フィルム層50αに、直径80μmのバイアホール用開口52を形成し、層間樹脂絶縁層50とした(図7(A)参照)。
【0102】
(5)バイアホール用開口52を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、貫通孔35の壁面にデスミア処理を施すとともに、層間樹脂絶縁層50の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口52の内壁面を含むその表面に粗化面50a、52aを形成した(図7(B)参照)。
【0103】
(6)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層50の表面(バイアホール用開口52の内壁面を含む)、および、貫通孔35の壁面に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0104】
(7)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層50の表面(バイアホール用開口52の内壁面を含む)、および、貫通孔35の壁面に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜42を形成した(図7(C)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で40分
【0105】
(8)次に、無電解銅めっき膜42が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト43を設けた(図7(D)参照)。
【0106】
(9)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト43非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜44を形成した(図7(E)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0107】
(10)さらに、めっきレジスト43を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト43下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、スルーホール36、および、上層導体回路(バイアホール46を含む)とした(図8(A)参照)。
なお、この工程で形成したスルーホール36のうち、基板(層間樹脂絶縁層)の中央付近に存在するスルーホールは隣合うスルーホールとの距離が650μm、基板(層間樹脂絶縁層)の外縁付近に存在するスルーホールは、隣合うスルーホールとの距離が2.0〜3.0mmである。
また、全てのスルーホールが、導体層の厚さが25μmであり、スルーホールの中央に存在する空隙の直径が300μmである。
【0108】
(11)次に、スルーホール36等を形成した基板30をエッチング液に浸漬し、スルーホール36、および、上層導体回路(バイアホール46を含む)の表面に粗化面36a、46aを形成した(図8(B)参照)。
なお、エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0109】
(12)次に、上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール36内、および、基板30の片面のバイアホール46内に樹脂充填材54′を充填した。
即ち、スルーホールおよびバイアホールに相当する部分に開口部を有する樹脂充填用マスクを、上層導体回路が形成された層間樹脂絶縁層上に載置し、スキージを用いてスルーホール内、および、凹部となっているバイアホール内に樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥(半硬化処理)を行った。
さらに、同様にして、基板の他方の面のバイアホール内にも樹脂充填材54′を充填し、乾燥(半硬化処理)を行った(図8(C)参照)。
【0110】
なお、上記樹脂充填用マスクが、基板(層間充填絶縁層)の中央付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部は、その直径が300μmであり、基板(層間充填絶縁層)の外縁付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部は、その直径が400μm(スルーホールの面積の約1.78倍)である。
【0111】
(13)次に、上記(12)の処理を終えた基板の両面にバフ研磨を施し、スルーホール36およびバイアホール46から露出した樹脂充填材の表面を平坦化した。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱硬化を行い、樹脂充填材層54とした。
【0112】
(14)次に、層間樹脂絶縁層50の表面、および、樹脂充填材層54の露出面に、上記(6)と同様の処理を行いてパラジウム触媒(図示せず)を付与した。さらに、上記(7)と同様の条件で無電解めっき処理を施し、層間樹脂絶縁層50の表面、および、樹脂充填材層54の露出面に無電解めっき膜56を形成した(図9(A)参照)。
【0113】
(15)次に、上記(8)と同様の方法を用いて、無電解めっき膜56上に、厚さ20μmのめっきレジストを設けた(図示せず)。さらに、上記(9)と同様の条件で電解めっきを施して、めっきレジスト非形成部に電解めっき膜57を形成した。その後、めっきレジストと、その下に存在する無電解めっき膜56とを除去し、スルーホール36上およびバイアホール46上に、無電解めっき膜56と電解めっき膜57とからなる蓋めっき層58を形成した(図9(B)参照)。
【0114】
(16)次に、蓋めっき層58の表面に上記(11)で用いたエッチング液(メックエッチボンド)を用いて粗化面58aを形成した(図9(C)参照)。
【0115】
(17)次に、上記(3)〜(11)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層60、導体回路(バイアホール66を含む)を形成し、多層配線板を得た(図9(D)参照)。なお、この工程では、スルーホールを形成しなかった。
【0116】
(18)次に、実施例1と同様の方法を用いてソルダーレジスト組成物を得、さらに、多層配線基板の両面に、このソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層70αを形成した(図10(A)参照)。次いで、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層70を形成した(図10(B)参照)。なお、上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0117】
(19)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成した(図10(C)参照)。
【0118】
(20)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層70の開口71に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)76を形成し、他方の面には、半田ペーストを印刷した後、導電性接続ピン78を取り付けることにより、多層プリント配線板を製造した(図11参照)。
【0119】
(実施例3)
実施例1の(3)の工程において、下記の樹脂充填用マスクを使用した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
樹脂充填用マスクは、基板の外縁付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部の直径が300μmであり、その周囲に直径150μmの貫通孔(開口部の面積の0.25倍)を有している。なお、上記貫通孔と上記開口部との距離は、0.2mmである。
また、基板の中央付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部は、その直径が300μmである。
【0120】
(実施例4)
実施例2の(12)の工程において、下記の樹脂充填用マスクを使用した以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。
樹脂充填用マスクは、基板の外縁付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部の直径が300μmであり、その周囲に直径200μmの貫通孔(開口部の面積の0.44倍)を有している。なお、上記貫通孔と上記開口部との距離は、0.3mmである。
また、基板の中央付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部は、その直径が300μmである。
【0121】
(比較例1)
実施例1の(3)の工程において、下記の樹脂充填用マスクを使用した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
上記樹脂充填用マスクとしては、基板の中央付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部も、基板の外縁付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部も、その直径が300μmであるものを用いた。
なお、樹脂充填材の研磨は、盛り上がった形状の部分がなくなるまで行った。
【0122】
(比較例2)
実施例2の(12)の工程において、下記の樹脂充填用マスクを使用した以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。
上記樹脂充填用マスクとしては、基板の中央付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部も、基板の外縁付近に存在するスルーホールに相当する部分に有する開口部も、その直径が300μmであるものを用いた。
なお、樹脂充填材の研磨は、盛り上がった形状の部分がなくなるまで行った。
【0123】
実施例1〜4および比較例1、2で得られた多層プリント配線板について、それぞれスルーホールを含む部分で切断し、その断面の形状を顕微鏡で観察した。また、下記の方法でヒートサイクル試験を行った後、上記と同様、多層プリント配線板を切断し、その断面を顕微鏡で観察した。
また、実施例1〜4および比較例1、2の方法で得た別の多層プリント配線板にICチップを実装し、ヒートサイクル試験を行う前後で導通試験を行った。
ヒートサイクル試験
130℃で3分間、−65℃で3分間で維持するサイクルを1000サイクル行った。
【0124】
その結果、実施例1〜4で得られた多層プリント配線板では、スルーホール内が樹脂充填材で完全に充填されており、その上に形成された層間樹脂絶縁層にうねりや窪みは発生していなかった。
また、ヒートサイクル試験前後において導通は良好であった。
さらに、実施例2および4の多層プリント配線板では、ヒートサイクル試験前後において樹脂充填材と蓋めっき層との密着性は良好であった。
【0125】
これに対して、比較例1で得られた多層プリント配線板では、基板の中央付近に形成されたスルーホール内の樹脂充填材において、表層部が窪んだ形状になっているものがみられ、その上に形成された層間樹脂絶縁層にうねりや窪みが発生している部分があった。
また、ヒートサイクル試験後の導通試験において、導通不良の発生しているものがあった。
【0126】
また、比較例2で得られた多層プリント配線板でも、基板の中央付近に形成されたスルーホール内の樹脂充填材において、表層部が窪んだ形状になっているものがみられ、その上に形成された蓋めっき層に窪みが発生しているものがみられ、この窪みに起因して層間樹脂絶縁層にうねりや窪みが発生している部分があった。
また、ヒートサイクル試験後の導通試験において、導通不良の発生しているものがあった。
また、ヒートサイクル試験後に多層プリント配線板の断面を観察した際には、樹脂充填材と蓋めっき層との間で剥離が発生している部分があった。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、第一および第二の本発明の樹脂充填用マスクは、上述の構成からなるため、多層プリント配線板を製造する際に用いることにより、全てスルーホールに樹脂充填材を完全に充填することができる。
従って、この樹脂充填用マスクを用いて多層プリント配線板を製造することにより接続信頼性に優れた多層プリント配線板を確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図6】(A)〜(E)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図7】(A)〜(E)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図8】(A)〜(D)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図9】(A)〜(D)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図10】(A)〜(C)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【図11】本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 層間樹脂絶縁層
3 めっきレジスト
4 下層導体回路
4a、9a 粗化面
5 上層導体回路
7 バイアホール用開口
8 銅箔
9 スルーホール
10 樹脂充填材
12 無電解銅めっき層
13 電解めっき層
14 ソルダーレジスト層
15 ニッケルめっき層
16 金めっき層
17 半田バンプ
Claims (6)
- 多層プリント配線板の製造において形成されたスルーホールに、樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスクであって、
前記樹脂充填用マスクは、前記スルーホールに相当する部分に、前記スルーホールと同面積の開口部が形成されており、
前記開口部のうち、隣合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部は、その周囲に、面積が前記開口部の面積の0.1倍以上1.0倍未満である貫通孔を少なくとも1つ有し、前記開口部と前記貫通孔との距離は、0.1〜0.5mmであることを特徴とする樹脂充填用マスク。 - 前記開口部の周囲に沿って複数の前記貫通孔が均等に形成されている請求項1に記載の樹脂充填用マスク。
- 前記スルーホールは、基板を挟んだ下層導体回路間を接続するために形成されたスルーホールである請求項1または2に記載の樹脂充填用マスク。
- 基板上の下層導体回路非形成部に相当する部分にも開口部を有する請求項3に記載の樹脂充填用マスク。
- 前記スルーホールは、少なくとも基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ上層導体回路間を接続するために形成されたスルーホールである請求項1または2に記載の樹脂充填用マスク。
- 層間樹脂絶縁層上の上層導体回路非形成部に相当する部分、および/または、層間樹脂絶縁層に形成したバイアホールに相当する部分にも開口部を有する請求項5に記載の樹脂充填用マスク。
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