JP4518660B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソルダーレジスト層が有する半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷する方法に特徴を有するプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等により製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5mm程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層することにより作製される。この多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホールにより行われている。
【0003】
従来、ビルドアップ多層プリント配線板は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示された方法により製造されている。
すなわち、まず、銅箔が貼り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成する。続いて、基板の表面をフォトリソグラフィーの手法を用いて導体パターン状にエッチング処理して導体回路を形成する。次に、形成された導体回路の表面に、無電解めっきやエッチング等により粗化面を形成し、その粗化面を有する導体回路上に絶縁樹脂層を形成した後、露光、現像処理を行ってバイアホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。
【0004】
さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤などにより粗化形成処理を施した後、薄い無電解めっき膜を形成し、この無電解めっき膜上にめっきレジストを形成した後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト剥離後にエッチングを行って、下層の導体回路とバイアホールにより接続された導体回路を形成する。
これを繰り返した後、最後に導体回路を保護するためのソルダーレジスト層を形成し、ICチップ等の電子部品やマザーボード等との接続のために開口を露出させた部分にめっき等を施して半田バンプ形成用パッドとした後、ICチップ等の電子部品側に半田ペーストを印刷して半田バンプを形成することにより、ビルドアップ多層プリント配線板を製造する。また、必要に応じて、マザーボード側にも半田バンプを形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ソルダーレジスト層に形成された半田バンプ形成用パッドは、フラットな導体回路上に形成された平坦なものと、バイアホール上に形成されたその中心に10〜120μmの径の窪みを有するものの2種類がある。
【0006】
中心に窪みを有する半田バンプ形成用パッドは、半田ペーストを充填した際、半田ペーストの粘度等によっては完全に窪み付近が充填されない場合があり、これに起因して半田バンプの窪み部分やその付近にボイドが形成されることがある。
【0007】
この半田バンプ内に形成されたボイドは、リフロー時や、ICチップなどの電子部品が動作した際の発熱で、拡散したり膨張したりし、これに起因して、半田バンプや半田バンプ形成用パッドに剥がれやクラックが発生し、接続性、信頼性に悪影響を与えるという問題があった。
【0008】
近年、ICチップなどの電子部品の高密度化、高集積化に伴い、基板の半田バンプも同様に狭ピッチ化、ファイン化が進行しているため、ボイドが与える悪影響も顕著に現れるようになってきた。
【0009】
このボイドを低減させる方法としては、半田ペーストの粘度を下げる方法が考えられるが、この方法では、半田バンプのボイドは低減されるものの、半田バンプの形状や高さの均一性が損なわれ、ICチップ等の電子部品との接続が不良となったり、印刷時に半田ペーストがソルダーレジスト層の表面に滲んでしまい、半田バンプ間の短絡を引き起こしてしまうという問題が発生してしまう。
【0010】
また、近年、Pbフリー半田化により、半田ペーストを63Sn/37Pbから、SnAg、SnAgCu等への変更が検討されているが、Snの含有量が多くなるとボイドの発生率が高くなることが判った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題に鑑みて鋭意研究した結果、半田ペーストの印刷を少なくとも2回に分けて行い、1回目の半田ペースト印刷で、ソルダーレジスト層の表面全体に半田ペーストを塗布することにより、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填し、その後、半田ペーストの表面を平坦化するとともに、該半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを略同一平面とし、さらに、2回目の半田ペースト印刷を行うことにより、形状や高さの均一性に優れる半田バンプを形成することができ、相互間で短絡がなく、外部接続部品との接続信頼性に優れた半田バンプを有する多層プリント配線板を製造することができることを見いだし、以下に示す内容を要旨構成とする発明に到達した。
【0012】
即ち、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、導体回路を形成した基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層を設け、上記半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配線板の製造方法であって、
少なくとも下記(a)〜(c)の工程、即ち
(a)1回以上の半田ペーストの印刷で、ソルダーレジスト層の表面全体に半田ペーストを塗布し、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填する第一の半田ペースト印刷工程、
(b)半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペーストを除去し、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを略同一平面とする半田ペースト除去工程、および、
(c)上記ソルダーレジスト層上に、上記半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口を有するマスクを載置した後、1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の半田ペースト印刷工程、を行い、
上記第一の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度が、上記第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度よりも低いことを特徴とする。
【0015】
また、上記多層プリント配線板の製造方法の上記第一の半田ペースト印刷工程においては、1回目の半田ペーストの印刷で、その底面に窪みを有する半田バンプ形成用開口のみに、その窪み部分が充填される程度に半田ペーストを印刷し、2回目の半田ペーストの印刷で、凹形状の半田バンプ形成用開口を完全に充填するように、ソルダーレジスト層の表面全体に半田ペーストを塗布することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のプリント配線板の製造方法は、導体回路を形成した基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層を設け、上記半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配線板の製造方法であって、
少なくとも下記(a)〜(c)の工程を行うことを特徴とする。
(a)1回以上の半田ペーストの印刷で、ソルダーレジスト層の表面全体に半田ペーストを塗布し、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填する第一の半田ペースト印刷工程、
(b)半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペーストを除去し、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを略同一平面とする半田ペースト除去工程、および、
(c)1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の半田ペースト印刷工程。
【0017】
上記プリント配線板の製造方法では、第一の半田ペースト印刷工程終了後、半田バンプ形成用開口の半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを略同一平面とし、その後、第二の半田ペースト印刷工程を行うため、均一な形状および高さを有するとともに、相互間で短絡のない半田バンプを形成することができ、接続性及び信頼性に優れたプリント配線板を製造することができる。
【0018】
以下に、本発明のプリント配線板の製造方法について説明する。
なお、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、ソルダーレジスト層に設けられた半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷する工程、即ち、上記(a)〜(c)の工程に特徴を有するものであるため、まずこの工程について、図面を参照しながら説明し、多層プリント配線板を製造する全製造工程については、後に説明する。
【0019】
図1は、本発明の多層プリント配線板の製造方法における(a)〜(c)の工程を模式的に示す部分断面図である。
上記(a)の工程(第一の半田ペースト印刷工程)では、半田バンプ形成用開口106を有するソルダーレジスト層114の表面全体に、1回以上、半田ペーストを塗布し、凹形状の半田バンプ形成用開口106に半田ペースト117を充填する(図1(a)参照)。なお、図中、102は層間樹脂絶縁層、105は導体回路、107はバイアホール、116は半田パッドである。
この工程では、半田バンプ形成用開口106を完全に充填することができる量の半田ペーストをソルダーレジスト層114の表面全体に印刷する。従って、第一の半田ペースト印刷工程終了後、印刷した半田ペーストは、半田バンプ形成用開口に充填されるとともに、ソルダーレジスト層の表面全体に塗布された状態となる。
【0020】
この第一の半田ペースト印刷工程で用いる半田ペーストとしては特に限定されず、一般にプリント配線板の製造で使用されるもの全てを用いることができる。具体的には、例えば、Sn:Pb(重量比)=63:37、Sn:Pb:Ag=62:36:2、Sn:Ag=96.5:3.5等からなるものや、SnとSbとからなるものが挙げられる。また、半田粒子の粒子径は、2〜40μmが好ましく、特に、5〜20μmが好ましい。
【0021】
また、上記半田ペーストの粘度は、後述する第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度よりも低いことが望ましい。
半田ペーストの流動性を上げることにより、半田ペーストを半田バンプ形成用開口により確実に充填することができるからである。特に、その底面に窪みを有する半田バンプ形成用開口を確実に充填することができる。
また、流動性の高い半田ペーストで半田バンプ形成用開口を充填した場合には、半田バンプを形成した際によりボイドが発生しにくい。
半田ペーストの粘度を低下させる方法としては、半田ペーストに添加する溶剤の量を多くしたり、フラックスの含有量を多くしたり、半田粒子の粒径を小さくしたりする方法等が挙げられる。また、上記半田ペーストの粘度は、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度と同じであってもよい。
【0022】
また、第一の半田ペースト印刷工程においては、1回目の半田ペーストの印刷で、その底面に窪みを有する半田バンプ形成用開口のみに、その窪み部分が充填される程度の量の半田ペーストを印刷し、2回目の半田ペーストの印刷で、凹形状の半田バンプ形成用開口を完全に充填するように、半田ペーストを印刷してもよい。
なお、1回目の半田ペースト印刷を行う際には、その底面に窪みを有する半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口を有するマスクをソルダーレジスト層上に載置した後、半田ペーストを印刷することが望ましい。
【0023】
ソルダーレジスト層に形成された半田バンプ形成用開口の底面には、導体回路が露出しており、通常、この露出した導体回路の表面(半田バンプ形成用開口の底面)には、めっき等により半田バンプ形成用パッド(以下、半田パッドともいう)が形成されている。
ここで、この半田パッドが導体回路のバイアホール上に形成されている場合、該半田パッドの形状は、その一部に窪みを有するものとなる。
このような、底面に窪みを有する半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填する際には、上述したように、2回に分けて半田ペースト印刷を行うことにより、半田バンプ形成用開口に半田ペーストをより確実に充填することができる。
【0024】
また、半田ペーストを印刷する際には、通常、印刷用スキージを用いる。
この印刷用スキージの材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレン等のゴム;鉄、ステンレス等の金属;セラミック等の一般にプリント配線板の印刷に用いられる材質を使用することができる。
これらのなかでは、弾力性を有し、基板表面の凹凸(アンジュレーション)に対する追従性が高いため、より確実に開口内に半田ペーストを印刷することができる点から硬度60°以上のゴムが望ましく、目減りしにくく、摩耗による半田ペーストへの異物混入が起こりにくい点から金属が望ましい。
【0025】
上記スキージの形状としては、平型、角型等の種々の形状が挙げられる。上記形状のスキージに、適時切れ込みを入れることにより半田ペーストの充填性を向上させることもできる。
上記スキージの厚さは特に限定されないが、通常、10〜30mmが望ましく、15〜25mmがより望ましい。繰り返し印刷を行っても、反りやたわみがないからである。また、金属性のスキージの場合は、その厚さは50〜300μmが望ましい。
【0026】
また、半田ペーストの印刷は、密閉式のスキージユニットを用いて行ってもよい。このようなスキージとしては、例えば、エアー圧入型、ローラー圧入型、ピストン圧入型等が挙げられる。
また、上記密閉式のスキージユニットのなかでは、印刷圧力の安定性に優れる点からピストン圧入型が望ましい。
【0027】
上記第一の半田ペースト印刷工程終了後、上記(b)の工程(半田ペースト除去工程)を行う。
この工程では、第一の半田ペースト印刷工程で印刷した半田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペースト(図中、1117と示す)を除去することにより、半田ペースト表面117aを平坦化するとともに、充填した半田ペーストの表面117aとソルダーレジスト層の表面114aとを略同一平面とする(図1(b)参照)。
【0028】
半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペースト1117を除去する方法としては、上記したように半田ペースト表面の平坦化等を達成することができる方法であればよく、具体的には、スキージやクリーニングペーパ等を用いて除去することができる。
【0029】
なお、この半田ペースト除去工程を行わなくても済むように、半田ペーストが半田バンプ形成用開口以外の部分には塗布されず、かつ、半田バンプ形成用開口が完全に充填され、さらに、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とが略同一平面となる量の半田ペーストを印刷してもよい。しかしながら、このような量の半田ペーストを印刷するには、半田ペーストの印刷量を半田バンプ形成用開口ごとに厳密に制御しなければならないため、印刷時の管理項目が多くなり、また、印刷量に誤差が生じた際にも、その誤差が多層プリント配線板の品質の低下に繋がるため、結果的に、このような方法を用いることは、歩留りの低下に繋がり、経済的に不利になることとなる。
従って、処理工程数は増加するものの、ソルダーレジスト層上に、半田バンプ形成用開口を充填するのに充分な量の半田ペーストを印刷した後、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とが略同一平面となるように半田ペーストを除去する方法を用いる本発明の製造方法のほうが経済的に優れることとなる。
【0030】
また、上記半田ペースト除去工程では、半田バンプ形成用開口以外の部分に印刷された半田ペーストが残らないように、ソルダーレジスト層表面(半田バンプ形成用開口を除く)の半田ペーストを除去する必要がある。上記ソルダーレジスト層表面に半田ペーストが残った場合には、この半田ペーストが後工程でリフローを行った際に、移動して近接する半田ペースト層に付着し、形成される半田バンプの形状の均一性が損なわれる原因となったり、後工程を経て形成される半田バンプ間の短絡の原因となったりすることがある。
従って、ソルダーレジスト層表面の半田ペーストを確実に除去するためには、例えば、まず、スキージを用いて半田ペーストを除去し、その後、クリーニングペーパを用いて再度半田ペーストを除去する方法等を用いることが望ましい。
【0031】
半田ペースト表面を平坦化した後、上記(c)の工程(第二の半田ペースト印刷工程)により、上記(a)および(b)の工程で半田ペーストが充填された半田バンプ形成用開口上に半田ペースト層を形成し、さらに、印刷した半田ペーストをリフローさせることにより半田バンプ127を形成する(図1(c)参照)。半田ペーストの印刷は、第一の半田ペースト印刷工程と同様、印刷用スキージや密閉式のスキージユニットを用いて行うことができる。特に、隣合う半田バンプ同士の距離が200μm以下の半田バンプを形成する場合、このような半田バンプを形成することができる半田ペースト層は、通常のスキージ印刷を用いて形成することが困難であるため、密閉式のスキージユニットを用いて形成することが望ましい。
また、上記第二の半田ペースト印刷工程においては、半田バンプ形成部分に相当する部分に開口を有するマスクを載置した後、半田ペーストを印刷することが望ましい。
マスクを用いて印刷を行うことにより、形状や高さ等の均一性に優れる半田ペースト層を形成することができる。
【0032】
上記第二の半田ペースト印刷工程で用いるマスクの種類としては特に限定されず、プリント配線板製造用の印刷マスクやその他の印刷マスクで用いられている材質全てのものを用いることができる。
具体的には、例えば、ニッケル合金、ニッケル−コバルト合金、SUS等からなるメタルマスク;エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなるプラスチックマスク等が挙げられる。また、マスクの製造方法としてはエッチング、アディテイブ加工、レーザ加工等が挙げられる。
【0033】
また、マスクが有するの開口は、ソルダーレジスト層に対して垂直な壁面を有するように形成されていてもよいが、徐々にソルダーレジスト層側に拡径する形態のテーパが形成されていることが望ましい。半田ペーストの抜け性に優れるため、均一な量の半田ペーストを印刷することができるからである。
【0034】
また、第二の半田ペースト印刷工程で用いる半田ペーストの組成としては特に限定されず、第一の半田ペースト印刷工程で用いる半田ペーストと同様のもの等が挙げられる。
【0035】
また、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度は、上記第一の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度と同じかまたは高いことが望ましく、その差は、0〜150Pa・sであることが望ましく、50〜100Pa・sであることがより望ましい。
具体的には、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度は、25℃において、150〜350Pa・sであることが望ましい。上記粘度が150Pa・s未満では、所望の形状に半田ペーストを印刷することができず、形状の均一な半田バンプを形成することができなかったり、印刷時に半田ペーストがソルダーレジスト層の表面に滲んでしまい形成する半田バンプの短絡の原因になる場合がある。一方、粘度が350Pa・sを超えると、所望の形状に半田ペーストを印刷することができないことがあり、特に、マスクを用いて半田ペーストを印刷する場合に、半田ペーストの抜け性が低いため、半田ペーストを印刷することができない部分が発生することがある。
【0036】
上記第二の半田ペースト印刷工程において、半田ペーストの印刷は1回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。
1回で半田ペーストの印刷を終了するか、または、複数回印刷を行うかは、形成する半田バンプ間の距離、半田バンプの高さや形状、半田ペーストの組成、半田粒子の粒径等により異なり、一慨には言えないが、例えば、形成する半田バンプ間の距離が極めて狭い場合には、複数回印刷を行うことが望ましく、特に、マスク用いて、半田ペーストを印刷する場合には、複数回印刷を行うことが望ましい。
【0037】
これは、マスクを用いて、一回の印刷で半田ペーストの印刷を行う場合、形成する半田バンプ間の距離が狭い場合には、マスクが有する開口同士の距離も短くなり、このような場合、マスクの機械的強度が弱くなり、半田ペーストを印刷する際に、マスクに破損や反りが発生するおそれがあるからである。
特に、マスクの開口が、マスクの裏側に向かって拡径する形状のテーパを有している場合に、マスクの機械的強度が弱くなるおそれが高い。
【0038】
上記第二の半田ペースト印刷工程において、半田ペーストの印刷を複数回に分け行う具体的な方法としては、例えば、以下に説明するような方法を用いることができる。
図2(a)〜(b)は、第二の半田ペースト印刷工程において、半田ペーストを印刷する方法の一例を模式的に示す断面図である。
【0039】
図2(a)に示すように、全半田バンプ形成用開口の一部に対向する部分にのみ開口が形成され、開口同士の間隔が広くとられたマスク224を用いて、第二の半田ペースト印刷工程における1回目の半田ペースト印刷を行い、半田ペースト層227aを形成し、次に、(b)に示すように、2回目の印刷で、1回目に印刷されなかった半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口が形成されたマスク225を用いて印刷処理を行い、半田ペースト層227bを形成する。
【0040】
このような開口同士の間隔が広くとられたマスクでは、マスクの機械的強度を充分に高く保つことができる。
ここで、「開口同士の間隔が広くとられた」とは、マスクの全半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口が形成された場合と比較して、マスクの開口同士の間隔が広くとられていることを意味する。
【0041】
具体的には、マスクを用いて第二の半田ペースト印刷工程を行う際に、例えば、1回目の印刷で、隔列の半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口を有するマスクを用い、隔列の半田バンプ形成用開口上に半田ペースト層を形成し、2回目の印刷で、残りの半田バンプ形成用開口上に半田ペースト層を形成する。
【0042】
なお、2回目以降の印刷においては、マスクの裏側の、前に形成した半田ペースト層に対向する部分に凹部(以下、ザクリともいう)が形成されたマスクを用いることが望ましい。
ザクリ225aが形成されたマスク225(図2(b)参照)を用いることにより、マスク225による先に印刷した半田ペースト層227aの損傷をなくすとともに、半田ペーストがマスクの裏側に付着し、続いてソルダーレジスト層214の表面に付着することに起因する短絡を防止することかできるからである。
【0043】
このような(a)〜(c)の工程を経ることにより、形状や高さ等の均一性に優れ、相互間で短絡の発生することのない半田バンプを設けるための半田ペースト層を形成することができる。
【0044】
次に、本発明の多層プリント配線板の製造方法の全製造工程について、工程順に説明する。
(1)本発明の多層プリント配線板の製造方法においては、まず、基板上に導体回路を形成する。
具体的には、例えば、基板の両面に無電解めっき処理等を施すことによりベタの導体層を形成した後、該導体層上に導体回路パターンに対応したエッチングレジストを形成し、その後、エッチングを行うことにより形成すればよい。
なお、無電解めっき処理を施した後、電解めっきを施すことにより導体層の厚さを厚くしてもよい。
上記基板としては、樹脂基板が望ましく、具体的には、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板(BT樹脂基板)、フッ素樹脂基板等が挙げられる。
また、銅張積層板やRCC基板等を、ベタの導体層が形成された基板として用いてもよい。
【0045】
また、必要に応じて、上記無電解めっき処理を施す際に、予め、この絶縁性基板に貫通孔を形成しておき、該貫通孔の壁面にも無電解めっき処理を施すことにより、基板を挟んだ導体回路間を電気的に接続するスルーホールとしてもよい。
また、スルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填することが望ましい。
【0046】
(2)次に、必要に応じて、導体回路の表面の粗化処理を行う。粗化処理方法としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体とを含む混合溶液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等を用いることができる。
【0047】
(3)次に、導体回路上に熱硬化性樹脂や樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。
上記未硬化の樹脂絶縁層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテンコーター等により塗布して成形してもよく、また、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着して形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔等の金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよい。
また、熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することが望ましい。
【0048】
上記未硬化の樹脂を塗布する場合には、樹脂を塗布した後、加熱処理を施す。
上記加熱処理を施すことにより、未硬化の樹脂を熱硬化させることができる。
なお、上記熱硬化は、後述するバイアホール用開口や貫通孔を形成した後に行ってもよい。
【0049】
このような樹脂層の形成において使用する熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0050】
上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0051】
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
これらのなかでは、誘電率および誘電正接が低く、GHz帯域の高周波信号を用いた場合でも信号遅延や信号エラーが発生しにくく、さらには、剛性等の機械的特性にも優れている点からシクロオレフィン系樹脂が望ましい。
【0052】
上記シクロオレフィン系樹脂としては、2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンまたはこれらの誘導体からなる単量体の単独重合体または共重合体等が望ましい。上記誘導体としては、上記2−ノルボルネン等のシクロオレフィンに、架橋を形成するためのアミノ基や無水マレイン酸残基あるいはマレイン酸変性したもの等が結合したもの等が挙げられる。
上記共重合体を合成する場合の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
また、上記ポリオレフィン樹脂は、有機フィラーを含むものであってもよい。
【0053】
上記ポリフェニレンエーテル樹脂としては、例えば、下記化学式(1)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性ポリフェニレンエーテル樹脂や下記化学式(2)で表される繰り返し単位を有する熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0054】
【化1】
Figure 0004518660
【0055】
(式中、nは、2以上の整数を表す。)
【0056】
【化2】
Figure 0004518660
【0057】
(式中、mは、2以上の整数を表す。また、R1 、R2 は、メチレン基、エチレン基または−CH2 −O−CH2 −を表し、両者は同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
【0058】
また、上記化学式(1)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性ポリフェニレンエーテル樹脂は、ベンゼン環にメチル基が結合した構造を有しているが、本発明で用いることのできるポリフェニレンエーテル樹脂としては、上記メチル基が、エチル基等の他のアルキル基等で置換された誘導体や、メチル基の水素がフッ素で置換された誘導体等であってもよい。
【0059】
また、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体(樹脂複合体)としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、粗化面形成用樹脂組成物等が挙げられる。
【0060】
上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたもの等が挙げられる。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0061】
上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、感光性樹脂であってもよい。後述するバイアホール用開口を形成する工程において、露光現像処理により開口を形成することができるからである。
【0062】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させる。特にエポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが望ましい。さらに、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。上述の粗化面を形成することができるばかりでなく、耐熱性等にも優れているため、ヒートサイクル条件下においても、導体回路に応力の集中が発生せず、導体回路と層間樹脂絶縁層との間で剥離が発生しにくい。
【0063】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0064】
上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質は、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹脂および液相ゴムから選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
【0065】
上記無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0066】
上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0067】
上記アルミナ粒子は、ふっ酸で溶解除去することができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去することができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイトはアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
【0068】
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリックスよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0069】
上記樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうため、均一に混合されてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子のみを選択的に溶解除去することができないからである。
【0070】
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0071】
上記ゴム粒子としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリルゴム、多硫系剛性ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ABS樹脂等が挙げられる。
【0072】
また、上記ゴム粒子として、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等を使用することもできる。
これらの可溶性の物質は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0073】
上記液相樹脂としては、上記熱硬化性樹脂の未硬化溶液を使用することができ、このような液相樹脂の具体例としては、例えば、未硬化のエポキシオリゴマーとアミン系硬化剤の混合液等が挙げられる。
上記液相ゴムとしては、例えば、上記したポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等の未硬化溶液等を使用することができる。
【0074】
上記液相樹脂や液相ゴムを用いて上記感光性樹脂組成物を調製する場合には、耐熱性樹脂マトリックスと可溶性の物質とが均一に相溶しない(つまり相分離するように)ように、これらの物質を選択する必要がある。
上記基準により選択された耐熱性樹脂マトリックスと可溶性の物質とを混合することにより、上記耐熱性樹脂マトリックスの「海」の中に液相樹脂または液相ゴムの「島」が分散している状態、または、液相樹脂または液相ゴムの「海」の中に、耐熱性樹脂マトリックスの「島」が分散している状態の感光性樹脂組成物を調製することができる。
【0075】
(4)次に、その材料として熱硬化性樹脂や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。
上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成することが望ましい。上記レーザ処理は、上記硬化処理前に行ってもよいし、硬化処理後に行ってもよい。
また、感光性樹脂からなる層間樹脂絶縁層を形成した場合には、露光、現像処理を行うことにより、バイアホール用開口を設けてもよい。なお、この場合、露光、現像処理は、上記硬化処理前に行う。
【0076】
また、その材料として熱可塑性樹脂を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層にレーザ処理によりバイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とすることができる。
【0077】
このとき、使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、UVレーザ、YAGレーザ等が挙げられる。
これらのレーザは、形成するバイアホール用開口の形状等を考慮して使い分けてもよい。
【0078】
上記バイアホール用開口を形成する場合、マスクを介して、ホログラム方式のエキシマレーザによるレーザ光照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。
また、短パルスの炭酸ガスレーザを用いて、バイアホール用開口を形成すると、開口内の樹脂残りが少なく、開口周縁の樹脂に対するダメージが小さい。
【0079】
また、光学系レンズとマスクとを介してレーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。
光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射角度が同一のレーザ光を複数の部分に同時に照射することができるからである。
【0080】
上記マスクに形成された貫通孔は、レーザ光のスポット形状を真円にするために、真円であることが望ましく、上記貫通孔の径は、0.1〜2mm程度が望ましい。
また、上記炭酸ガスレーザを用いる場合、そのパルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望ましい。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間は、10〜500μ秒であることが望ましい。
レーザ光にてバイアホール用開口を形成した場合、特に炭酸ガスレーザを用いた場合には、デスミア処理を行うことが望ましい。
【0081】
また、上記した方法で形成する層間樹脂絶縁層の厚さは特に限定されないが、5〜50μmが望ましい。
また、上記バイアホール用開口の開口径は特に限定されないが、通常、40〜200μmが望ましい。
【0082】
また、層間樹脂絶縁層を形成した後、必要に応じて、該層間樹脂絶縁層と基板とを貫通する貫通孔を形成してもよい。該貫通孔は、ドリル加工やレーザ処理等を用いて形成すればよい。
このような貫通孔を形成した場合には、後工程で、層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する際に、該貫通孔の壁面にも薄膜導体層を形成することにより、基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ2層の導体回路間は勿論のこと、この2層の導体回路と基板の両面に形成された2層の導体回路との計4層の導体回路間を電気的に接続するスルーホールを形成することができる。このようにして導体回路間を接続することにより、信号伝送距離を短くすることができるため、信号遅延等が発生しにくくなり、多層プリント配線板の性能の向上に繋がる。
【0083】
(5)次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面と上記工程で貫通孔を形成した場合には貫通孔の内壁とに、必要に応じて、酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する。
上記酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、蟻酸等が挙げられ、上記酸化剤としては、クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸ナトリウム等の過マンガン酸塩等が挙げられる。
また、上記粗化面の形成は、プラズマ処理等を用いて行ってもよい。
【0084】
また、粗化面を形成した後には、アルカリ等の水溶液や中和液等を用いて、層間樹脂絶縁層の表面を中和することが望ましい。
次工程に、酸や酸化剤の影響を与えないようにすることができるからである。
【0085】
(6)次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面と、上記工程で貫通孔を形成した場合には貫通孔の内壁とに、必要に応じて、酸や酸化剤等を用いて粗化面を形成する。
なお、この粗化面は、層間樹脂絶縁層とその上に形成する薄膜導体層との密着性を高めるために形成するものであり、層間樹脂絶縁層と薄膜導体層との間に充分な密着性がある場合には形成しなくてもよい。
【0086】
(7)次に、バイアホール用開口を設けた層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。
上記薄膜導体層は、無電解めっき、スパッタリング、蒸着等の方法を用いて形成することができる。なお、層間樹脂絶縁層の表面に粗化面を形成しなかった場合には、上記薄膜導体層は、スパッタリングにより形成することが望ましい。
なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、被めっき表面に、予め、触媒を付与しておく。上記触媒としては、例えば、塩化パラジウム等が挙げられる。
【0087】
上記薄膜導体層の厚さは特に限定されないが、該薄膜導体層を無電解めっきにより形成した場合には、0.6〜1.2μmが望ましく、スパッタリングにより形成した場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
なお、上記(4)の工程で貫通孔を形成した場合には、この工程で貫通孔の内壁面にも金属からなる薄膜導体層を形成することにより、スルーホールとすることができる。
【0088】
また、上記したように貫通孔の内壁面に薄膜導体層を形成し、スルーホールとした場合には、この後、スルーホール内を樹脂充填材で充填することが望ましい。上記樹脂充填材としては、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤と無機粒子とを含む樹脂組成物等が挙げられる。
【0089】
また、スルーホール内を樹脂充填材により充填した場合には、スルーホール上に樹脂充填材を覆う蓋めっき層を形成してもよく、蓋めっき層を形成した場合には、該蓋めっき層の直上に、バイアホールや半田パッドを形成することができるため、信号伝送距離を短くすることができる。
【0090】
(8)次に、上記薄膜導体層上の一部にドライフィルムを用いてめっきレジストを形成し、その後、上記薄膜導体層をめっきリードとして電気めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電気めっき層を形成する。
このとき、バイアホール用開口を電気めっきで充填してフィールドビア構造としてもよく、バイアホール用開口に導電性ペーストを充填した後、その上に蓋めっき層を形成してフィールドビア構造としてもよい。
【0091】
(9)電気めっき層を形成した後、めっきレジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた金属からなる薄膜導体層をエッチングにより除去し、独立した導体回路とする。
エッチング液としては、例えば、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩酸等が挙げられる。また、エッチング液として上述した第二銅錯体と有機酸とを含む混合溶液を用いてもよい。
【0092】
また、上記(8)および(9)に記載した方法に代えて、以下の方法を用いることにより導体回路を形成してもよい。
即ち、上記薄膜導体層上の全面に電気めっき層を形成した後、該電気めっき層上の一部にドライフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、その後、エッチングレジスト非形成部下の電気めっき層および薄膜導体層をエッチングにより除去し、さらに、エッチングレジストを剥離することにより独立した導体回路を形成してもよい。
【0093】
(10)この後、上記(3)〜(9)の工程を繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層上に最上層の導体回路が形成された基板を作製する。
【0094】
(11)次に、最上層の導体回路を含む基板上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層を形成する。
具体的には、未硬化のソルダーレジスト組成物をロールコータやカーテンコータ等により塗布したり、フィルム状に成形したソルダーレジスト組成物を圧着したりした後、レーザ処理や露光現像処理により半田バンプ形成用開口を形成し、さらに、必要に応じて、硬化処理を施すことによりソルダーレジスト層を形成する。
【0095】
上記ソルダーレジスト層は、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等を含むソルダーレジスト組成物を用いて形成することができ、これらの樹脂の具体例としては、例えば、層間樹脂絶縁層に用いた樹脂と同様の樹脂等が挙げられる。
【0096】
また、上記以外のソルダーレジスト組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されていることが望ましい。
上記ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノールノボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテルをアクリル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0097】
上記2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては特に限定されず、例えば、各種ジオール類のアクリル酸やメタクリル酸のエステル等が挙げられ、その市販品としては、日本化薬社製のR−604、PM2、PM21等が挙げられる。
【0098】
また、上記ソルダーレジスト組成物は、エラストマーや無機フィラーが配合されていてもよい。
エラストマーが配合されていることにより、形成されるソルダーレジスト層は、エラストマーの有する柔軟性および反発弾性により、ソルダーレジスト層に応力が作用した場合でも、該応力を吸収したり、緩和したりすることができ、その結果、多層プリント配線板の製造工程や製造した多層プリント配線板にICチップ等の電子部品を搭載した後のソルダーレジスト層にクラックや剥離が発生することを抑制でき、さらに、クラックが発生した場合でも該クラックが大きく成長することがほとんどない。
【0099】
また、上記半田バンプ形成用開口を形成する際に用いるレーザとしては、上述したバイアホール用開口を形成する際に用いるレーザと同様のもの等が挙げられる。
【0100】
次に、上記半田バンプ形成用開口の底面に露出した導体回路の表面に、必要に応じて、半田パッドを形成する。
上記半田パッドは、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により上記導体回路表面を被覆することにより形成することができる。
具体的には、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により形成することが望ましい。
また、上記半田パッドは、例えば、めっき、蒸着、電着等の方法を用いて形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきが望ましい。
【0101】
(12)次に、上記半田バンプ形成用開口の底面に半田バッドを有するソルダーレジスト層に、上記した(a)〜(c)の工程を行うことにより、半田ペースト層を形成し、該半田ペースト層にリフロー処理を施すことにより半田ペーストを形成する。
なお、上記リフロー処理は、第一および第二の半田ペースト印刷工程終了後に行ってもよいし、第一の半田ペースト印刷工程終了後、または、半田ペースト除去工程終了後に一度行い、第二の半田ペースト印刷工程終了後に再度行ってもよい。
【0102】
また、第二の半田ペースト印刷工程で形成した半田ペースト層にリフロー処理を施す前に、予め、該半田ペースト層に導電性ピンを取り付けておき、外部端子と接続するためのPGA(Pin Grid Array) を形成してもよい。
なお、製品認識文字などを形成するための文字印刷工程やソルダーレジスト層の改質のために、酸素や四塩化炭素などのプラズマ処理を適時行ってもよい。
【0103】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0104】
B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)72重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が25℃で30〜80Pa・sの樹脂充填材を調製した。
なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0105】
C.プリント配線板の製造方法
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図3(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
【0106】
(2)スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図3(b)参照)。
【0107】
(3)次に、上記Bに記載した貫通孔充填用樹脂組成物を調製した後、下記の方法により調整後24時間以内に、スルーホール9内、および、基板1の片面の導体回路非形成部と導体回路4の外縁部とに樹脂充填材10の層を形成した。
即ち、まず、スキージを用いてスルーホール内に貫通孔充填用樹脂組成物を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部に樹脂充填材10の層を形成し、100℃、20分の条件で乾燥させた(図3(c)参照)。
【0108】
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パターン4の表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充填材10が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填材10を硬化させた。
【0109】
このようにして、スルーホール9や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図3(d)参照)。即ち、この工程により、樹脂充填材10の表面と下層導体回路4の表面が同一平面となる。
【0110】
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図4(a)参照)。なお、エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0111】
(6)基板の両面に、上記Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて張り付け、その後、熱硬化させることにより層間樹脂絶縁層2を形成した(図4(b)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着して張り付け、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
【0112】
(7)次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径75μmのバイアホール用開口6を形成した(図4(c)参照)。
【0113】
(8)さらに、バイアホール用開口6を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口6の内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表面を粗面とした(図4(d)参照)。
【0114】
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面に触媒核を付着させた。
【0115】
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき層12を形成した(図5(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 40 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分
【0116】
(11)市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき層12に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト3を設けた(図5(b)参照)。
【0117】
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、電解銅めっき層13を形成した(図5(c)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0118】
(13)さらに、めっきレジスト3を5%NaOH水溶液で剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき膜12を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解めっき膜13からなる厚さ18μmの独立の上層導体回路5(バイアホール7を含む)とした(図5(d)参照)。
【0119】
(14)上記(5)〜(13)の工程を繰り返すことにより、さらに、上層の層間樹脂絶縁層2と上層の導体回路5(バイアホール7を含む)を形成した(図6(a)〜図7(a)参照)。
その後、上記上層の導体回路5の表面にエッチング液を用いて粗化面を形成した。なお、エッチング液としては、メック社製、メックエッチボンドを使用した(図7(b)参照)。
【0120】
(15)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3.0重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加え、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60min-1(rpm)の場合はローターNo.4、6min-1(rpm)の場合はローターNo.3によった。
【0121】
(16)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、半田パッドのパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、直径80μmの開口を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、半田バンプ形成用開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層14を形成した。なお、半田バンプ形成用開口の開口径は80μmであり、隣合う半田バンプ形成用開口間の距離は150μmである。
また、上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0122】
(17)次に、過硫酸ナトリウムを主成分とするエッチング液を、そのエッチング能が毎分2μm程度になるように調製し、このエッチング液中にソルダーレジスト層14が形成された基板を1分間浸漬し、導体回路表面に平均粗度(Ra)が1μm以下の粗化面を形成した。
さらに、この基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成し、半田パッドとした。
【0123】
(18)この後、ソルダーレジスト層14の表面全体に、硬度90°のゴム製の印刷用スキージを用いて、半田ペーストを塗布し、凹形状の半田バンプ形成用開口に半田ペーストを完全に充填した。
なお、ここで充填した半田ペーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘度を200Pa・sに調整したものである。
【0124】
(19)次に、上記(18)の工程で塗布した半田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペーストを、まず、ステンレス製のスキージを用いて除去し、その後、クリーニングペーパーを用いて完全に除去することにより、充填した半田ペーストの表面を平坦化するとともに、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを同一平面にした。
【0125】
(20)次に、ソルダーレジスト層14上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直径100μmの開口を有するマスクを載置し、半田ペーストをピストン式圧入型印刷機を用いて印刷することにより半田ペースト層を形成した。なお、ここで充填した半田ペーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘度を250Pa・sに調整したものである。
【0126】
(21)その後、上記(18)〜(20)の工程で印刷した半田ペーストを250℃でリフローし、さらに、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプを備えた多層プリント配線板を得た(図7(c)参照)。
【0127】
(実施例2)
A.実施例1と同様にして、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製、および、貫通孔充填用樹脂組成物の調製を行った。
【0128】
B.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に18μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図8(a)参照)。まず、この銅張積層板を下層導体回路パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に下層導体回路34を形成した(図8(b)参照)。
【0129】
(2)下層導体回路34を形成した基板30を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、下層導体回路34の表面に粗化面34aを形成した(図8(c)参照)。
【0130】
(3)次に、上記Aで作製した層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温しながら、0.5MPaで真空圧着ラミネートして貼り付け、樹脂フィルム層50αを形成した(図8(d)参照)。
さらに、樹脂フィルム層50αを貼り付けた基板30に、ドリル加工により直径300μmの貫通孔35を形成した(図8(e)参照)。
【0131】
(4)次に、樹脂フィルム層50α上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で樹脂フィルム層50αに、直径80μmのバイアホール用開口52を形成し、層間樹脂絶縁層50とした(図9(a)参照)。
【0132】
(5)バイアホール用開口52を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、貫通孔35の壁面にデスミア処理を施すとともに、層間樹脂絶縁層50の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口52の内壁面を含むその表面に粗化面50a、52aを形成した(図9(b)参照)。
【0133】
(6)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層50の表面(バイアホール用開口52の内壁面を含む)、および、貫通孔35の壁面に触媒核を付着させた(図示せず)。即ち、上記基板を塩化パラジウム(PbCl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0134】
(7)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層50の表面(バイアホール用開口52の内壁面を含む)、および、貫通孔35の壁面に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜42を形成した(図9(c)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で40分
【0135】
(8)次に、無電解銅めっき膜42が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト43を設けた(図9(d)参照)。
【0136】
(9)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト43非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜44を形成した(図9(e)参照)。
【0137】
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0138】
(10)次に、めっきレジスト43を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト43下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、スルーホール36、および、上層導体回路45(バイアホール46を含む)とした(図10(a)参照)。
【0139】
(11)次に、スルーホール36等を形成した基板30をエッチング液に浸漬し、スルーホール36、および、上層導体回路(バイアホール46を含む)の表面に粗化面36a、46aを形成した(図10(b)参照)。
なお、エッチング液としては、メック社製、メックエッチボンドを使用した。
【0140】
(12)次に、上記Aに記載した貫通孔充填用樹脂組成物を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール36内、および、基板の片面のバイアホール46内に樹脂充填材40、54の層を形成した。
即ち、まず、スキージを用いてスルーホール内に貫通孔充填用樹脂組成物を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、バイアホール46に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いてバイアホール46内に貫通孔充填用樹脂組成物を充填し、100℃、20分の条件で乾燥を行った。
さらに、同様にして、基板の他方の面のバイアホール46内にも貫通孔充填用樹脂組成物を充填した(図10(c)参照)。
【0141】
(13)次に、上記(12)の処理を終えた基板の両面にバフ研磨を施し、スルーホール36およびバイアホール46から露出した樹脂充填材40、54の層の表面を平坦にした。
次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行うことにより、樹脂充填材40、54の層を硬化させた(図10(d)参照)。
【0142】
(14)次に、層間樹脂絶縁層50の表面、および、樹脂充填材40、54の露出面に、上記(6)と同様の処理を行いてパラジウム触媒(図示せず)を付与した。
次に、上記(7)と同様の条件で無電解めっき処理を施し、層間樹脂絶縁層50の表面、および、樹脂充填材40、54の露出面に無電解めっき膜56を形成した(図11(a)参照)。
【0143】
(15)次に、上記(8)と同様の方法を用いて、無電解めっき膜56上に、厚さ20μmのめっきレジストを設けた(図示せず)。さらに、上記(9)と同様の条件で電解めっきを施して、めっきレジスト非形成部に電解めっき膜57を形成した。その後、めっきレジストと、その下に存在する無電解めっき膜56とを除去し、スルーホール36上およびバイアホール46上に、無電解めっき膜56と電解めっき膜57とからなる蓋めっき層58を形成した(図11(b)参照)。
【0144】
(16)次に、蓋めっき層58の表面に上記(11)で用いたエッチング液(メックエッチボンド)を用いて粗化面58aを形成した(図11(c)参照)。
(17)次に、上記(3)〜(11)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層60、導体回路(バイアホール66を含む)を形成し、多層配線板を得た(図11(d)参照)。なお、この工程では、スルーホールを形成しなかった。
【0145】
(18)次に、実施例1の(16)および(17)と同様にして、半田バンプ形成用開口が形成され、その底面に、半田パッド66を有するソルダーレジスト層60を形成した(図12(a)〜(c)参照)。なお、半田バンプ形成用開口の開口径は80μmであり、隣合う半田バンプ形成用開口間の距離は150μmである。
【0146】
(19)この後、ソルダーレジスト層14の表面全体に、硬度90°のゴム製の印刷用スキージを用いて、半田ペーストを塗布し、凹形状の半田バンプ形成用開口に半田ペーストを完全に充填した。
なお、ここで充填した半田ペーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘度を200Pa・sに調整したものである。
【0147】
(20)次に、上記(19)の工程で塗布した半田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペーストを、まず、ステンレス製のスキージを用いて除去し、その後、クリーニングペーパーを用いて完全に除去することにより、充填した半田ペーストの表面を平坦化するとともに、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを同一平面にした。
さらに、充填した半田ペーストを250℃でリフローした。
【0148】
(21)次に、ソルダーレジスト層14の片面に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直径100μmの開口を有するマスクを載置し、半田ペーストをピストン式圧入型印刷機を用いて印刷することにより半田ペースト層を形成した。
なお、ここで充填した半田ペーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘度を250Pa・sに調整したものである。
【0149】
また、ソルダーレジスト層14の他の一面には、上記と同様にSn:Sb=95:5.0の半田ペースト層を形成した後、導電性ピン78を取り付けた(図13参照)。
【0150】
(22)その後、上記(21)の工程で形成した半田ペースト層を260℃でリフローし、さらに、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプとPGA(Pin Grid Array)とを備えた多層プリント配線板を得た。
【0151】
(実施例3)
実施例1において、(16)の工程でその開口径が100μmの半田バンプ形成用開口を形成し、(18)の工程でSn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘度を250Pa・sに調整した半田ペーストを充填した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0152】
(実施例4)
実施例2において、(18)の工程でその開口径が100μmの半田バンプ形成用開口を形成し、(19)の工程でSn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘度を250Pa・sに調整した半田ペーストを充填した以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0153】
(比較例1)
実施例1の(18)〜(21)の工程に代えて、全ての半田バンプ形成用開口に1回の半田ペースト印刷で半田ペースト層を形成し、リフローすることにより半田バンプを形成した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。具体的には、以下の工程を行った。
【0154】
即ち、半田パッドを形成したソルダーレジスト層上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピストン式圧入型印刷機を用いて、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷し、半田バンプを形成するための半田ペースト層を形成した。
その後、半田ペースト層を250℃でリフローし、さらに、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプを備えた多層プリント配線板を得た。
なお、半田ペーストとしては、実施例1の(18)の工程で用いたものと同様のものを使用した。
【0155】
(比較例2)
実施例2の(19)〜(22)の工程に代えて、全ての半田バンプ形成用開口に1回の半田ペースト印刷で半田ペースト層を形成し、リフローすることにより半田バンプを形成した以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。具体的には、以下の工程を行った。
【0156】
即ち、半田パッドを形成したソルダーレジスト層上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピストン式圧入型印刷機を用いて、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷し、半田バンプを形成するための半田ペースト層を形成した。
その後、Sn:Sb=95:5.0の半田ペースト層を形成した基板の片面に導電性ピンを取り付け、さらに、半田ペースト層を260℃でリフローした後、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプとPGAとを備えた多層プリント配線板を得た。
なお、半田ペーストとしては、実施例2の(21)の工程で用いたものと同様のものを使用した。
【0157】
実施例1〜4および比較例1、2で得られた多層プリント配線板について、ソルダーレジスト層表面の汚染の有無、半田バンプのボイドの有無、および、半田バンプの形状と高さの観察、信頼性試験前後の性能評価を下記の評価方法を用いて行った。結果を表1に示した。
【0158】
評価方法
(1)半田バンプのボイドの有無、半田バンプの形状と高さ
多層プリント配線板の半田バンプが形成されている部分をX線にて観察してボイドの有無を評価し、ソルダーレジスト層からの半田バンプの高さを測定し、形状を観察した。なお、形状については、半球状になっているものを○、そうでないものを×とした。
【0159】
(2)信頼性試験
135℃、相対湿度85%の条件下で1000時間放置した後、下記する導通試験を行い、プリント配線板を半田バンプが形成されている部分で切断して半田バンプの状態を観察した。信頼性試験と変わらないものを○、クラック等が観察されたものを×とした。
【0160】
(3)導通試験
多層プリント配線板を製造した後、上記信頼性試験前後に導通試験を行い、モニターに表示された結果から導通状態を評価した。短絡、断線のないものを○、短絡、断線のあったものを×とした。
【0161】
【表1】
Figure 0004518660
【0162】
表1に示したように、実施例1〜4の多層プリント配線板では、半田バンプにボイドは観察されず、半田バンプの高さ、形状は略均一であり、ソルダーレジスト層の表面も半田ペーストで汚染されていなかった。また、半田バンプ間での短絡もなく、信頼性試験前後に行った導通試験にも全く問題はなく、信頼性試験後にクラック、剥がれ等も見当たらなかった。
また、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度を150〜350Pa・sの範囲で順次変更し、実施例1と同様の方法を用いて半田バンプを形成した場合にも所望の形状の半田バンプを形成することができた。
【0163】
一方、比較例1の多層プリント配線板では、一回の印刷工程で粘度の低い半田ペーストのみを印刷しているため、半田バンプにボイドは形成されていなかったものの、高さも実施例1と比べてバラツキが大きく、形状も一様でなかった。また、ソルダーレジスト層の表面が半田ペーストで汚染されていた。これは、印刷時に半田ペーストがマスクの裏側に回り込んだためであると推定された。
また、導通試験に関しては、半田バンプ形成後は特に問題がなかったが、信頼性試験後には断線、短絡が発生した。また、断線と確認された部分の半田バンプの断面を観察すると、クラック、剥がれを引き起こしていた。
【0164】
また、比較例2の多層プリント配線板では、一回の印刷工程で粘度の高い半田ペーストのみを印刷しているため、ソルダーレジスト層の表面は殆ど汚染されていなかったものの、半田バンプには多くのボイドが形成されており、高さも実施例2と比べてバラツキが大きく、形状も一様でなかった。
また、導通試験に関しては、半田バンプ形成後は特に問題がなかったが、信頼性試験後には断線、短絡が発生した。また、断線と確認された部分の半田バンプの断面を観察すると、比較例1に比べて多くのクラックや剥がれが発生していた。これは、半田バンプ内のボイドから誘発されたものであると推定された。
【0165】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多層プリント配線板の製造方法では、第一の半田ペースト印刷工程終了後、半田バンプ形成用開口の半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを略同一平面とし、その後、第二の半田ペースト印刷工程を行うため、均一な形状および高さを有するとともに、相互間で短絡のない半田バンプを形成することができ、接続性および信頼性に優れたプリント配線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法における(a)〜(c)の工程を模式的に示す部分断面図である。
【図2】(a)〜(b)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法において、半田ペーストを印刷する方法の一例を模式式に示す部分断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図8】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図9】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図13】本発明の製造方法により得られる多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1、30 基板
8、32 銅箔
4、34 下層導体回路
9、36 スルーホール
6、52 バイアホール用開口
12、42 薄膜導体層(無電解めっき膜)
3、43 めっきレジスト
13、44 電解めっき膜
2、50 層間樹脂絶縁層
10、54 樹脂充填材
58 蓋めっき層
14、70 ソルダーレジスト層
17、76 半田バンプ
78 導電性ピン

Claims (4)

  1. 導体回路を形成した基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層を設け、前記半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配線板の製造方法であって、
    少なくとも下記(a)〜(c)の工程、即ち
    (a)1回以上の半田ペーストの印刷で、ソルダーレジスト層の表面全体に半田ペーストを塗布し、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填する第一の半田ペースト印刷工程、
    (b)半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペーストを除去し、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを略同一平面とする半田ペースト除去工程、および、
    (c)前記ソルダーレジスト層上に、前記半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口を有するマスクを載置した後、1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の半田ペースト印刷工程、を行い、
    前記第一の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度が、前記第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度よりも低いことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 前記第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度と、前記第一の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度との差は、50〜100Pa・sである請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 前記第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度は、25℃において、150〜350Pa・sである請求項1または2に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 前記第一の半田ペースト印刷工程において、
    1回目の半田ペーストの印刷で、その底面に窪みを有する半田バンプ形成用開口のみに、その窪み部分が充填される程度に半田ペーストを印刷し、
    2回目の半田ペーストの印刷で、凹形状の半田バンプ形成用開口を完全に充填するように、ソルダーレジスト層の表面全体に半田ペーストを塗布する請求項1〜3のいずれか1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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