JP4373860B2 - テレビ放送システム用中継放送装置 - Google Patents

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本発明は、回り込み除去器を備えるSFN(Single Frequency Network)方式の中継放送装置に関する。
地上波テレビ放送システムにおいてネットワークを構築する方式として、放送波中継方式がある。この方式では、上位局から送信される無線信号を受信して下位局に送信する中継放送局を設け、サービスエリアを拡大するものである。ここで上位局とは、放送信号を送信する放送局あるいは他の中継放送局をいい、下位局とは、放送信号を受信する放送局、他の中継放送局あるいは一般家庭用受信機をいう。放送中継方式では、中継回線毎に割り当てられた数種の周波数を繰り返し利用することができるため、周波数有効利用の観点から有利である。また、さらに周波数有効利用を図るために、同一プログラムを単一の周波数で中継を行うSFN(Single Frequency Network)方式がある。この方式は、地上波ディジタル放送システムにおいて採用されているものであり、同システムの変調方式に用いられるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)がゴースト耐性を有し、隣接エリア間の干渉に強いという性質を有することから可能となっている。
SFN方式の中継放送局に設けられる中継放送装置は、上位局から送信される無線信号を受信する受信機と、それを下位局に送信する送信機とから構成される送受信機を備える。ここで、送受信機では送信信号と受信信号で同一の周波数を用いるため、送信系統と受信系統との間の信号のアイソレーションが十分に確保されない場合にはループ発振を起こす。そのため中継放送装置の送受信機には、送信系統から受信系統へ回り込む信号を除去する回り込み除去器を設けることが一般的である。
特開2001−28562号公報には、回り込み信号と同振幅逆位相の関係にある相殺信号を生成し、これを回り込み信号に加算することで回り込み信号を除去する回り込み除去器の構成が開示されている。この構成では、回り込み信号によって干渉を受けた中継放送装置の出力信号を周波数解析し、その結果についてフーリエ変換による波形解析を行う。そして、その波形解析から知ることができる回り込み信号成分が低減されるよう、相殺信号を生成する際の回路の減衰量や遅延量を決定しテーブルを作成する。回り込み除去器が動作する際にはそのテーブルを参照することで回路の応答性を向上させている。
特開2002−271295号公報および特開2002−290370号公報には、回り込み信号によって干渉を受けた中継放送装置の出力信号を周波数解析して求めた周波数スペクトラムの逆数から回り込み伝達関数を算出し、その回り込み伝達関数に基づいて相殺信号を生成する回り込み除去器の構成が開示されている。ここで、回り込み伝達関数とは、中継放送装置の受信アンテナから中継放送装置内部回路を経て中継放送装置の送信アンテナへ至り、さらに中継放送装置の送信アンテナから中継放送装置外部の空間を経て中継放送装置の受信アンテナへ至るまでの伝搬路の伝達関数をいう。
中継放送装置は、故障時あるいは点検や調整などを行う際には非稼働状態としなければならない。しかしながら、中継放送装置の点検や調整などのために放送サービスを停止するのは好ましくない。そこで、一般的に中継放送装置は2台方式で構成されることが多い。これは、アンテナ等から構成される入力系統を共有した2台の送受信機を並列に稼働させ、送信アンテナを選択スイッチを介して片方の送受信機に接続し、送受信機を非稼働状態とする必要が生じた場合には、選択スイッチを切り換えることで送信アンテナをもう片方の送受信機に接続するものである。以下、稼働状態から非稼働状態とすべき送受信機を現用送受信機と、もう片方の送受信機を予備送受信機とする。
特開2001−28562号公報 特開2002−271295号公報 特開2002−290370号公報
この2台方式で構成された中継放送装置の送受信機に、回り込み除去器を設けた場合の一般的な構成を図8に示す。受信アンテナ90を介して受信された信号は、分配器94によって第1の送受信機10および第2の送受信機へと分配される。送受信機切り換えスイッチ98は第1の送受信機10の出力を送信アンテナ92に接続するか、第2の送受信機40の出力を送信アンテナ92に接続するかを選択し、送信アンテナ92からは送受信機切り換えスイッチ98によって接続された送受信機から出力された信号が送信される。また、第1の送受信機10および第2の送受信機40においては、受信機12と送信機14との間に回り込み除去器70が挿入されている。
ここでは、現用送受信機を第1の送受信機10、予備送受信機を第2の送受信機40とし、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機10の出力側に接続されている状態について考える。送信波は所望の下位局のみに向けて放射されることが理想的であるが、送信アンテナ92と受信アンテナ90との間のアイソレーションを無限に大きく設計することは不可能である。そのため、仮に回り込み除去器70が設けられていないものとすれば、送信波の一部が回り込み信号として受信アンテナ90で受信され、再び送受信機を介して送信アンテナ92から送信されるという回り込み経路が形成され、この経路を多重に帰還した多重回り込み信号が重畳された信号が送信アンテナ90から送信されることとなる。
回り込み除去器70は、相殺信号を生成して回り込み信号にこれを加算して相殺することで回り込み信号を除去する。したがって、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機10の出力側に接続され、第1の送受信機10の回り込み除去器70が動作しているときには、上述のように多重回り込み信号が重畳された信号がアンテナから出力されることはない。一方、第2の送受信機40においては、第1の送受信機10と同一の信号を受信しているが、出力にはアンテナが接続されていないため第2の送受信機40から出力される信号による回り込み信号は発生しない。また、回り込み信号は第1の送受信機10の回り込み除去器70により除去されるので、第2の送受信機40には1回目の回り込み信号のみが入力され、多重回り込み信号は入力されない。そのため、第1の送受信機10と第2の送受信機40とでは、回り込み除去器70の内部で生成される相殺信号の振幅および位相は異なる。
この状態において送受信機切り換えスイッチ98を第2の送受信機40の出力側に接続すると、回り込み除去器70は回り込み信号を除去可能な状態とはなっていないため、切り換え直後には回り込み信号が発生する。一般に中継放送装置は、このような回り込み信号の発生を低減するため、回り込み除去器70が回り込み信号を除去可能な状態に収束するまでの間は送信波の出力を低減し、収束と共に徐々に出力を増大するよう設計されることが多い。この場合、放送が一時的に中断されてしまう蓋然性が高い。
本発明は、このような課題に対してなされたものであり、送信アンテナの接続を現用送受信機から予備送受信機へ切り換えた場合においても、回り込み信号の発生がなく、送信波を低減する必要のない中継放送装置を提供する。
本発明は、共通のアンテナで信号を受信し、受信した信号の周波数と同一周波数の信号をそれぞれが送信する第1の送受信機および第2の送受信機と、前記第1の送受信機を用いるか前記第2の送受信機を用いるかを選択する選択手段と、を備え、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のうちいずれか1つを選択して、上位局から送信されたOFDM無線信号を受信し、受信したOFDM無線信号の周波数と同一周波数のOFDM無線信号を下位局に送信するテレビ放送システム用中継放送装置であって、前記第1の送受信機は、前記テレビ放送システム用中継放送装置から送信され、前記アンテナを介して前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された回り込み信号を、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択しているときに除去する第1の回り込み除去手段を備え、前記第2の送受信機は、前記回り込み信号を除去する第2の回り込み除去手段を備え、前記第2の回り込み除去手段は、回り込み信号除去のための相殺信号を出力する相殺信号生成部と、前記相殺信号生成部が出力した相殺信号と、前記アンテナを介して前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された信号とを合成する合成部と、を備え、前記相殺信号生成部は、前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求めるスペクトラム解析部と、前記スペクトラム解析部によって求められた周波数スペクトラム信号の逆数値を求める逆数演算部と、前記スペクトラム解析部の演算結果または前記逆数演算部の演算結果のいずれかを選択する演算選択部と、前記演算選択部によって選択された演算結果に基づいてフィルタタップ係数を求めるタップ係数算出部と、前記タップ係数算出部によって求められたフィルタタップ係数に基づいて特性が定められ、前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力するタップ係数フィルタと、を備え、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択しているときに、前記演算選択部は前記周波数スペクトラム解析部の演算結果を選択し、前記選択手段が前記第2の送受信機を選択しているときに、前記演算選択部は前記逆数演算部の演算結果を選択することを特徴とする。
また、本発明に係るテレビ放送システム用中継放送装置においては、前記タップ係数算出部は、前記演算選択部によって選択された演算結果に含まれる回り込み伝達関数の値に基づいてフィルタタップ係数を算出することが好適である。
また、本発明に係るテレビ放送システム用中継放送装置においては、前記タップ係数算出部は、前記演算選択部の選択状態に応じてフィルタタップ係数の正負の符号補正を行うことが好適である。
また、本発明は、第1の送受信機および第2の送受信機と、前記第1の送受信機を用いるか前記第2の送受信機を用いるかを選択する選択手段と、を備え、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のうちいずれか1つを選択して、上位局から送信されたOFDM無線信号を受信し、受信したOFDM無線信号の周波数と同一周波数のOFDM無線信号を下位局に送信するテレビ放送システム用中継放送装置であって、前記第1の送受信機は、前記テレビ放送システム用中継放送装置から送信され前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された回り込み信号を除去する第1の回り込み除去手段を備え、前記第2の送受信機は、前記回り込み信号を除去する第2の回り込み除去手段を備え、前記第1の回り込み除去手段は、回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第1の相殺信号生成部と、前記第1の相殺信号生成部が出力した相殺信号と前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された信号とを合成する合成部と、を備え、前記第2の回り込み除去手段は、回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第2の相殺信号生成部と、前記第2の相殺信号生成部が出力した相殺信号と前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された信号とを合成する合成部と、を備え、前記第1の相殺信号生成部および前記第2の相殺信号生成部のそれぞれは、処理対象信号の周波数スペクトラム信号を求めるスペクトラム解析部と、前記スペクトラム解析部によって求められた周波数スペクトラム信号の逆数値を求める逆数演算部と、前記逆数演算部の演算結果に基づいてフィルタタップ係数を求めるタップ係数算出部と、前記タップ係数算出部によって求められたフィルタタップ係数に基づいて特性が定まるタップ係数フィルタと、を備え、前記第1の相殺信号生成部のスペクトラム解析部は、前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求め、前記第2の相殺信号生成部のスペクトラム解析部は、前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求め、前記第1の相殺信号生成部のタップ係数フィルタは、前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力し、前記第2の相殺信号生成部のタップ係数フィルタは、前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力し、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択する状態から前記第2の送受信機を選択する状態となると共に、前記第1の相殺信号生成部が備える前記スペクトラム解析部、前記逆数演算部、および前記タップ係数算出部のうちいずれかは、処理の結果得られた値を、前記第2の相殺信号生成部が備える前記スペクトラム解析部、前記逆数演算部、または前記タップ係数算出部のうち同一処理を実行する構成部に出力することを特徴とする。
また、本発明に係るテレビ放送システム用中継放送装置においては、前記タップ係数算出部は、前記逆数演算部の演算結果に含まれる回り込み伝達関数の値に基づいてフィルタタップ係数を算出することが好適である。
本発明によれば、送信アンテナ92の接続を現用送受信機から予備送受信機へ切り換えた場合においても、回り込み信号の発生がなく、送信波を低減する必要のない中継放送装置を実現することができる。
本発明の第1の実施形態について図1を参照して説明する。受信アンテナ90から受信された信号は、分配器94によって第1の送受信機10および第2の送受信機40へ分配される。送受信機切り換えスイッチ98は第1の送受信機10の出力をパワーアンプ96に接続するか、第2の送受信機40の出力をパワーアンプ96に接続するかを選択し、送信アンテナ92からは送受信機切り換えスイッチ98によって接続された送受信機からパワーアンプ96を介して出力された信号が送信される。また、第1の送受信機10および第2の送受信機40においては受信機12と送信機14との間にフィルタ型回り込み除去器50が挿入されている。
ここでは、第1の送受信機10が現用送受信機であるものとし、本発明に係る中継放送装置の基本動作について説明する。第1の送受信機10に入力された受信信号は受信機12に入力される。受信機12は受信信号を無線周波数帯から中間周波数帯へ周波数変換し増幅する。受信機12から出力された信号はフィルタ型回り込み除去器50に入力される。フィルタ型回り込み除去器50は、加算器54とFIRフィルタ(Finite Impulse Response Filter)52とを備え、フィルタ型回り込み除去器50に入力された信号には、加算器54によってFIRフィルタ52が出力する相殺信号が加算され、その出力はフィルタ型回り込み除去器50から出力されるとともに、再びFIRフィルタ52に入力される。FIRフィルタ52は、そのインパルス応答と入力信号との畳み込み演算をディジタル信号処理によって行うものであり、インパルス応答はトランスバーサルフィルタのタップ係数として与えられる。ここでは、回り込み信号と同振幅逆位相の関係にある相殺信号が出力されるよう、タップ係数が決定されている。フィルタ型回り込み除去器50が出力した信号は送信機14に入力され、再び無線周波数帯へ周波数変換され、パワーアンプ96において増幅された後、送信アンテナ92から送信される。
回り込み特性解析部20は、フィルタ型回り込み除去器50の出力信号の周波数スペクトラムを算出し、それに基づいて上述のタップ係数を算出して出力する。以下、回り込み特性解析部20の具体的な動作について説明する。
図2(a)は、フィルタ型回り込み除去器50において回り込み信号が除去されていない場合のその出力信号の周波数スペクトラムを示す。この信号は、受信アンテナ90において受信され第1の送受信機10を介してそのまま送信アンテナ92から送信される信号に、送信アンテナ92から送信された送信波の一部が回り込み信号として受信アンテナ90で受信され、再び第1の送受信機10を介して送信アンテナ92から送信されるという回り込み経路を多重帰還した多重回り込み信号が重畳されたものである。ただし、観測点はフィルタ型回り込み除去器50の出力端であり、送信機14の出力で観測される無線周波数帯の周波数スペクトラムを、そのまま中間周波数帯にシフトしたものとなる。一般的に、このような多重回り込み信号には、図2(a)のようにある周波数間隔を以てピーク点が現れる。また、図2(b)はこれを時間領域においてインパルス応答を以て表したものであり、回り込みに要する遅延時間を隔ててインパルス信号が無限に連なったものとなる。図2(b)のインパルス信号を以て表される時間領域波形は、図2(a)の周波数スペクトラムに対しフーリエ変換による波形解析を行うことで求めることができる。
ここで、中継放送装置が形成する伝搬路を伝達関数によってモデル化したものを図3に示す。受信アンテナ90から第1の送受信機10の受信機12の出力までの伝達関数をG1(ω)、第1の送受信機10の送信機14の入力から送信アンテナ92までの伝達関数をG2(ω)、回り込み信号が送信アンテナ92から中継放送装置外部の空間を経て受信アンテナ90に至るまでの伝搬路の伝達関数をR(ω)とすると、伝搬路は、受信アンテナ90、伝達関数G1(ω)の伝搬路82、加算器54、伝達関数G2(ω)の伝搬路84、および送信アンテナ92を従続接続したものについて、受信アンテナ90と送信アンテナ92との間の結合係数をR(ω)としたモデルで表される。ここに、ωは角周波数である。このように伝達関数を定義すると、1回の回り込みについての伝達関数として定義される回り込み伝達関数C(ω)は、C(ω)=G2(ω)・R(ω)・G1(ω)と表される。C(ω)を用いると図2(a)の周波数スペクトラムは、
Figure 0004373860
と表すことができる。ここにAは振幅係数であり、フィルタ型回り込み除去器50の出力信号の振幅に比例する定数である。中央の式は、1回の回り込みにつきC(ω)が掛け合わされるため、多重回り込み信号が重畳された信号が公比をC(ω)とする等比級数の和で表されることを意味する。右辺はそれをシグマ記号を用いない形で表現したものであり周知の数学公式から導かれる。
FIRフィルタ52からの出力信号を受信機12が出力する信号に加算することで、多重回り込み信号をキャンセルするためには、FIRフィルタ52が1回の回り込みによる回り込み信号と同振幅逆位相の関係にある相殺信号を出力すればよい。すなわち、回り込み伝達関数C(ω)に基づいて、FIRフィルタ52が相殺信号を出力するためのタップ係数を算出し、これをFIRフィルタ52に入力することでFIRフィルタ52からは相殺信号が出力される。
回り込み特性解析部20は、以上の原理に基づいてタップ係数を求めるものである。スペクトラム解析部22は、フィルタ型回り込み除去器50の出力信号にフーリエ変換を施すことで周波数スペクトラムを算出する。周波数スペクトラムは逆数演算器24に入力され、周波数スペクトラムの逆数を算出する。ここで逆数を算出するのは、FIRフィルタ52のタップ係数を算出するために回り込み伝達関数C(ω)が必要とされるところ周波数スペクトラムは(1)式のように級数和として表され、直接C(ω)を得ることが困難であるためである。すなわち、(1)式の右辺の逆数は1−C(ω)に比例する形で表現されるため、C(ω)の値を知ることが容易であるためである。なお、逆数演算器24には演算切り換えスイッチ28によって接続されるバイパス経路が用いられているが、このバイパス経路は現用送受信機から予備送受信機へと送受信機切り換えスイッチ98の切り換えが行なわれるまでの間に予備送受信機において用いられるものであり、詳細については後述する。タップ係数算出部26は逆数演算器24の出力に基づいて、FIRフィルタ52が出力する信号が1回の回り込みによる回り込み信号と同振幅逆位相の関係にある相殺信号を出力するようタップ係数を算出し、それをFIRフィルタ52に入力する。
このように回り込み特性解析部20がタップ係数を算出する処理を1回行う毎に、図2(a)に示す出力信号の周波数スペクトラムのピークを有する波形は平坦なものへと漸近していき、最終的には図4のような周波数スペクトラムに収束する。この状態においては、フィルタ型回り込み除去器50は回り込み信号を十分小さい値にまで低減している。以下、この状態を定常状態とする。
次に、第1の送受信機10が定常状態にある場合において、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機40の出力側に接続された場合の動作について説明する。本実施形態においては、第2の送受信機40の回り込み特性解析部30は、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられる直前には、第1の送受信機10の回り込み特性解析部20が算出していたタップ係数と同一のタップ係数を算出している。これによって、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後においても回り込み信号を除去することができる。ここで、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直前とは、スイッチ切り換え時から、タップ係数を算出する処理の少なくとも1ステップに要する時間だけ前をいい、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後とは、送受信機切り換えスイッチ98の切り換え時から、タップ係数を算出する処理の1ステップに要する時間までをいう。
送受信機切り換えスイッチ98の切り換え直前においては、第1の送受信機10と同一のタップ係数を算出するために、第2の送受信機40の回り込み特性解析部30の演算切り換えスイッチ28は、バイパス経路側に接続されている。このスイッチは、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられると同時に逆数演算器24側へと切り換えられ、第2の送受信機40を現用送受信機として動作させる。この状態で回り込み特性解析部30がタップ係数を算出する際には、既に回り込み信号は除去された状態にあり、タップ係数も回り込み信号が除去できる値に収束している。そのため、回り込み信号を発生させず、円滑に現用送受信機から予備送受信機への切り換えが行われることとなる。
本実施形態においては、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられる直前に、第2の送受信機40が第1の送受信機10と同一のタップ係数を算出するという動作が特に重要であり、以下その動作原理について述べる。
送受信機切り換えスイッチ98の切り換え時から、タップ係数を算出する処理の少なくとも1ステップに要する時間だけ前においては、第1の送受信機10は定常状態にある。このとき、第2の送受信機40に入力される信号は、上位局から直接到来した直接波が受信アンテナ90で受信されたことによる直接波信号と、第1の送受信機10から出力され、送信アンテナ92から送信された送信波の一部が回り込んで受信アンテナ90で受信された1回の回り込みによる回り込み信号のみである。すなわち2回目以降の回り込み信号は、第1の送受信機10のフィルタ型回り込み除去器50によって除去されているため、第2の送受信機40には入力されない。このとき、第2の送受信機40のフィルタ型回り込み除去器50の入力信号の周波数スペクトラムは図5(a)のようになる。これは、受信機12において中間周波数帯に変換されたものであるが、振幅レベルを問わなければこれを無線周波数帯にシフトすることで、第2の送受信機40の入力信号の周波数スペクトラムとして捉えることもできる。一般に、このような直接波信号と1回の回り込みによる回り込み信号のみを含む信号の周波数スペクトラムは、図5(a)のようにある周波数間隔を以て減衰点が現れるものとなる。これは、図2(a)の周波数スペクトラムの逆数によって描かれる波形と相似形である。また、図5(b)はこれを時間領域においてインパルス応答を以て表したものである。先に定義したC(ω)を用いると、図5(a)の周波数スペクトラムは、
Figure 0004373860
と表すことができる。ここにBは振幅係数であり、中央の式の第2項は1回の回り込みを意味する。右辺はそれを分母が公比を−C(ω)とする等比級数の和で表される有理関数で表現したものであり、周知の数学公式から導かれる。
ここで、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機40の出力側に接続される直前においては、第2の送受信機40の回り込み特性解析部30では演算切り換えスイッチ28がバイパス経路側に接続されている。これによって、第2の送受信機40で算出されるFIRフィルタ52のタップ係数が、第1の送受信機10で算出されているタップ係数と等しくなることを以下に示す。
仮に、演算切り換えスイッチ28が逆数演算器24側に接続されているとした場合には、第1の送受信機10が定常状態に至る動作と全く同様の動作によって、1回の回り込みによる回り込み信号のみを除去するような相殺信号がFIRフィルタ52から出力される。このときのFIRフィルタ52のタップ係数は、第1の送受信機10で算出されているタップ係数とは全く異なったものとなる。第1の送受信機10のフィルタ型回り込み除去器50は、図2(a)の周波数スペクトラムを以て表される多重回り込み信号を除去するよう動作するのに対し、第2の送受信機40のフィルタ型回り込み除去器50は、図5(a)の周波数スペクトラムを以て表される、1回の回り込み信号のみを除去するよう動作するためである。これを、(2)式に照らして考えると、第2の送受信機40の回り込み特性解析部30は、逆数演算器24による演算によって(2)式右辺の逆数に基づいてタップ係数を算出してしまうため、次式の公比を−C(ω)とする等比級数の級数和に基づいたタップ係数が算出されてしまうということができる。
Figure 0004373860
一方、演算切り換えスイッチ28がバイパス経路側に接続されている場合には、(2)式の逆数を算出することなく、(2)式の中央の式に基づいてタップ係数が算出されるため、1+C(ω)に基づいてタップ係数が算出されることとなる。ここで、第1の送受信機10においては、(1)式右辺の分母、1−C(ω)に基づいてタップ係数が算出されているため、C(ω)の符号に相違があるが、演算切り換えスイッチ28が逆数演算器24側に接続されているか、バイパス経路側に接続されているかをタップ係数算出部26が認識し、符号補正を行うよう構成すればよい。この場合、C(ω)の符号を第1の送受信機10が備えるタップ係数算出部26から得る構成とすることも可能である。第1の送受信機10は既に定常状態にあり、C(ω)の正確な符号を呈するはずであるからである。
また、スペクトラム解析部22がスペクトラム演算を行う際には、信号振幅の規格化を行う必要がある。予備送受信機としての第2送受信機では、直接波信号の振幅を基準として規格化を行うか、あるいは1回の回り込みによる回り込み信号の振幅を基準として規格化を行うかによってC(ω)の符号に不確定性を生ずる。第1の送受信機10では、最終的に図4のような周波数スペクトラムの出力が得られるよう収束判定を行うため、このような不確定性は収束の過程で排除されるが、第2の送受信機40では、出力信号について収束判定を行うことはないためである。そこで、C(ω)の符号を第1の送受信機10が備えるタップ係数算出部26から得る構成とすることによってC(ω)の符号の不確定性を排除することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図6を参照して説明する。この実施形態では、送受信機切り換えスイッチ98が予備送受信機側に切り換えられる直前に、現用送受信機側の回り込み特性解析部の計算結果を、現用送受信機から予備送受信機へ送信するものである。図6においては、フィルタ型回り込み除去器の出力信号の周波数スペクトラム、逆数演算器24の逆数演算結果、およびタップ係数のうち、少なくとも1つが送信される。なお、送信する情報としては、出力信号の周波数スペクトラムからタップ係数を算出するまでの中間処理過程において生じる結果のうち、タップ係数を導き出すことができるものであればいかなるものであってもよい。
現用送受信機としての第1の送受信機10が定常状態にある場合において、送受信機切り換えスイッチ98が予備送受信機としての第2の送受信機40の出力側に接続された場合、接続されると同時あるいはそれに先立って、第1の送受信機10のスペクトラム解析部22の計算結果が第1の送受信機10のスペクトラム解析部22へ送信される。これによって、第2の送受信機40の回り込み特性解析部30は、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられる直後においては、第1の送受信機10の回り込み特性解析部20が算出していたタップ係数と同一のタップ係数が算出されることとなり、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後においても回り込み信号を除去することができる。そのため、回り込み信号を発生させず、円滑に現用送受信機から予備送受信機への切り換えを行うことができる。
なお、以上説明した第1の実施形態および第2の実施形態におけるFIRフィルタ52およびスペクトラム解析部22はデジタル回路で構成される。ディジタル回路は入力されたディジタル信号を、それによって表された2進数に対する演算処理を施した上でディジタル信号として出力するものであり、演算処理は2進数の加算、減算、桁のシフト等に帰着される。2進数の演算処理は、各計算ステップ毎にスイッチング回路を対応付けたハードウエアによって構成することが可能であるが、回路規模が大きくなるためDSP(Digital Signal Processor)等によって構成することが好適である。DSPはあらかじめ作成されたプログラムによって動作する、基本的な演算処理を行う回路を備えたものである。乗算器と加減算器で構成される高速な積和演算器を有しており、各種の命令をステップ毎に実行できるように構成されている。DSPを動作させるためにはプログラムが必要であり、各部の動作に応じたプログラムは周知の技術によって作成される。また、FIRフィルタ52の入出力およびスペクトラム解析部22の入力はアナログ信号であり、A/D変換器またはD/A変換器が備えらている。
次に、本発明の第3の実施形態について図7を参照して説明する。この実施形態は、第1の実施形態あるいは第2の実施形態においてFIRフィルタ52を用いて相殺信号を生成していたのに代えて、可変遅延器、可変位相器および可変減衰器によって相殺信号を生成するものである。相殺信号は、加算器54、可変遅延器、可変位相器および可変減衰器を備える伝送パラメータ制御型回り込み除去器60において除去される。先に定義したC(ω)は、その絶対値が1回の回り込み信号の振幅を、その複素角が1回の回り込み信号の位相を表すため、振幅を可変減衰器で、位相を可変遅延器または可変位相器で調整することで相殺信号を生成することが可能である。可変遅延器の遅延量、可変位相器の移相量および可変減衰器の減衰量は、制御信号生成部80から入力される制御信号によって決定される。
いま、現用送受信機が第1の送受信機10であるものとする。制御信号生成部80は、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60の出力信号の周波数スペクトラムが図4のように平坦になるように制御信号を漸近的に決定する。具体的には、制御信号生成部80は、制御信号の初期値を第1の送受信機10の伝送パラメータ制御型回り込み除去器60に入力し、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60の出力信号の周波数スペクトラムを記憶する。次に、制御信号を微少変化させたときの出力信号の周波数スペクトラムと、記憶されている周波数スペクトラムとを比較し、回り込みによる干渉レベルを測定する。制御信号を微少変化させて、先の周波数スペクトラムと比較して干渉レベルを測定する1回の処理を1ステップとし、このステップを繰り返すことで干渉レベルが十分小さくなり、周波数スペクトラムが図4のように平坦になるときの可変遅延器の遅延量、可変位相器の移相量および可変減衰器の減衰量についての条件を見いだす。このような条件が見いだされた状態が定常状態となる。
第1の送受信機10が定常状態である場合において、送受信機切り換えスイッチ98が予備送受信機としての第2送受信機側に切り換えられると同時に、制御信号生成部80は第1の送受信機10に入力していた制御信号と同一の制御信号を第2の送受信機40に入力する。これによって、第2の送受信機40の伝送パラメータ制御型回り込み除去器60では、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後においては、第1の送受信機10の伝送パラメータ制御型回り込み除去器60が生成していた相殺信号と同一の相殺信号が生成されることとなり、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後においても回り込み信号を除去することができる。そのため、回り込み信号を発生させず、円滑に現用送受信機から予備送受信機への切り換えを行うことができる。
なお、ここでは第3の実施形態における伝送パラメータ制御型回り込み除去器60として、可変遅延器の遅延量、可変位相器の移相量および可変減衰器の減衰量を調整することで相殺信号を生成する構成についてとりあげたが、調整すべきパラメータはこれらのものに限られない。したがって、何らかの動作特性を決定する係数を与えることで特性が決定される一般的な回り込み除去器であれば適用可能である。
以上では、第1の送受信機10を現用送受信機とし、第2の送受信機40を予備送受信機とした場合の動作について主に説明したが、第2の送受信機40を現用送受信機とし、第1の送受信機10を予備送受信機とした場合についても全く同様の動作を行うことはいうまでもない。
また、本発明の構成は上述の第1の実施形態から第3の実施形態になんら限定されるものではない。例えば、フィルタ型回り込み除去器50または伝送パラメータ制御型回り込み除去器60は中間周波数帯で動作するものとしたが、これを無線周波数帯で動作する構成とすることも可能である。また、送受信信号の変調方式としては、フィルタ型回り込み除去器50または伝送パラメータ制御型回り込み除去器60を動作させるための収束判定や、スペクトラム解析部22がスペクトラム解析を行うことが可能なものであれば適用可能であり、OFDM方式やCDMA方式など様々な方式が考えられる。
本発明に係る中継放送装置の第1の実施形態を示す図である。 フィルタ型回り込み除去器の出力信号を示す図である。 中継放送装置が形成する伝搬路のモデルを示す図である。 回り込み信号が除去されているときの回り込み除去器の出力信号周波数スペクトラムを示す図である。 予備送受信機で受信される信号を示す図である。 本発明に係る中継放送装置の第2の実施形態を示す図である。 本発明に係る中継放送装置の第3の実施形態を示す図である。 中継放送装置の一般的な構成を示す図である。
符号の説明
10 第1の送受信機、12 受信機、14 送信機、20,30 回り込み特性解析部、22 スペクトラム解析部、24 逆数演算器、26 タップ係数算出部、28 演算切り換えスイッチ、40 第2の送受信機、50 フィルタ型回り込み除去器、52 FIRフィルタ、54 加算器、60 伝送パラメータ制御型回り込み除去器、62 可変遅延器、64 可変位相器、66 可変減衰器、70 回り込み除去器、80 制御信号生成部、82 伝達関数G1(ω)の伝搬路、84 伝達関数G2(ω)の伝搬路、90 受信アンテナ、92 送信アンテナ、94 分配器、96 パワーアンプ、98 送受信機切り換えスイッチ。

Claims (5)

  1. 共通のアンテナで信号を受信し、受信した信号の周波数と同一周波数の信号をそれぞれが送信する第1の送受信機および第2の送受信機と、
    前記第1の送受信機を用いるか前記第2の送受信機を用いるかを選択する選択手段と、を備え、
    前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のうちいずれか1つを選択して、上位局から送信されたOFDM無線信号を受信し、受信したOFDM無線信号の周波数と同一周波数のOFDM無線信号を下位局に送信するテレビ放送システム用中継放送装置であって、
    前記第1の送受信機は、前記テレビ放送システム用中継放送装置から送信され、前記アンテナを介して前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された回り込み信号を、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択しているときに除去する第1の回り込み除去手段を備え、
    前記第2の送受信機は、前記回り込み信号を除去する第2の回り込み除去手段を備え、
    前記第2の回り込み除去手段は、
    回り込み信号除去のための相殺信号を出力する相殺信号生成部と、
    前記相殺信号生成部が出力した相殺信号と、前記アンテナを介して前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された信号とを合成する合成部と、
    を備え、
    前記相殺信号生成部は、
    前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求めるスペクトラム解析部と、
    前記スペクトラム解析部によって求められた周波数スペクトラム信号の逆数値を求める逆数演算部と、
    前記スペクトラム解析部の演算結果または前記逆数演算部の演算結果のいずれかを選択する演算選択部と、
    前記演算選択部によって選択された演算結果に基づいてフィルタタップ係数を求めるタップ係数算出部と、
    前記タップ係数算出部によって求められたフィルタタップ係数に基づいて特性が定められ、前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力するタップ係数フィルタと、
    を備え、
    前記選択手段が前記第1の送受信機を選択しているときに、前記演算選択部は前記周波数スペクトラム解析部の演算結果を選択し、前記選択手段が前記第2の送受信機を選択しているときに、前記演算選択部は前記逆数演算部の演算結果を選択することを特徴とするテレビ放送システム用中継放送装置。
  2. 請求項1に記載のテレビ放送システム用中継放送装置であって、
    前記タップ係数算出部は、
    前記演算選択部によって選択された演算結果に含まれる回り込み伝達関数の値に基づいてフィルタタップ係数を算出することを特徴とするテレビ放送システム用中継放送装置。
  3. 請求項1または2に記載のテレビ放送システム用中継放送装置であって、
    前記タップ係数算出部は、
    前記演算選択部の選択状態に応じてフィルタタップ係数の正負の符号補正を行うことを特徴とするテレビ放送システム用中継放送装置。
  4. 第1の送受信機および第2の送受信機と、
    前記第1の送受信機を用いるか前記第2の送受信機を用いるかを選択する選択手段と、を備え、
    前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のうちいずれか1つを選択して、上位局から送信されたOFDM無線信号を受信し、受信したOFDM無線信号の周波数と同一周波数のOFDM無線信号を下位局に送信するテレビ放送システム用中継放送装置であって、
    前記第1の送受信機は、前記テレビ放送システム用中継放送装置から送信され前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された回り込み信号を除去する第1の回り込み除去手段を備え、
    前記第2の送受信機は、前記回り込み信号を除去する第2の回り込み除去手段を備え、
    前記第1の回り込み除去手段は、
    回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第1の相殺信号生成部と、
    前記第1の相殺信号生成部が出力した相殺信号と前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された信号とを合成する合成部と、
    を備え、
    前記第2の回り込み除去手段は、
    回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第2の相殺信号生成部と、
    前記第2の相殺信号生成部が出力した相殺信号と前記テレビ放送システム用中継放送装置で受信された信号とを合成する合成部と、
    を備え、
    前記第1の相殺信号生成部および前記第2の相殺信号生成部のそれぞれは、
    処理対象信号の周波数スペクトラム信号を求めるスペクトラム解析部と、
    前記スペクトラム解析部によって求められた周波数スペクトラム信号の逆数値を求める逆数演算部と、
    前記逆数演算部の演算結果に基づいてフィルタタップ係数を求めるタップ係数算出部と、
    前記タップ係数算出部によって求められたフィルタタップ係数に基づいて特性が定まるタップ係数フィルタと、
    を備え、
    前記第1の相殺信号生成部のスペクトラム解析部は、
    前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求め、
    前記第2の相殺信号生成部のスペクトラム解析部は、
    前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求め、
    前記第1の相殺信号生成部のタップ係数フィルタは、
    前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力し、
    前記第2の相殺信号生成部のタップ係数フィルタは、
    前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力し、
    前記選択手段が前記第1の送受信機を選択する状態から前記第2の送受信機を選択する状態となると共に、前記第1の相殺信号生成部が備える前記スペクトラム解析部、前記逆数演算部、および前記タップ係数算出部のうちいずれかは、処理の結果得られた値を、前記第2の相殺信号生成部が備える前記スペクトラム解析部、前記逆数演算部、または前記タップ係数算出部のうち同一処理を実行する構成部に出力することを特徴とするテレビ放送システム用中継放送装置。
  5. 請求項4に記載のテレビ放送システム用中継放送装置であって、
    前記タップ係数算出部は、
    前記逆数演算部の演算結果に含まれる回り込み伝達関数の値に基づいてフィルタタップ係数を算出することを特徴とするテレビ放送システム用中継放送装置。
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