JP4709627B2 - 回り込み波キャンセル方法 - Google Patents
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Description
タップ係数算出部によってタップ係数が決定されたトランスバーサル型FIRフィルタ部(以下FIRフィルタ部)がキャンセル信号を生成し、受信信号と当該キャンセル信号を加算部で加算することによって、送信機に接続された送信アンテナから受信機に接続された受信アンテナに回り込む信号を除去する回り込みキャンセラにおいて、
前記回り込みキャンセラにおいて、前記加算部によって回り込み信号を除去し、回り込み信号除去が為された信号を前記回り込みキャンセラのFIRフィルタに帰還する位置、および、前記送信機の位置との間に、スイッチ、または可変減衰器からなる減衰制御部と、
前記減衰制御部が前記送信機からの出力を停止、あるいは減衰させた状態において、前記FIRフィルタの任意のタップ位置にインパルスを挿入して遅延波を生成し、回り込みキャンセラに含まれるタップ係数算出部において遅延プロファイルを算出する遅延プロファイル算出部と
前記FIRフィルタ部に与えたインパルスのタップ位置に対応する遅延時間と、前記遅延プロファイル算出部が算出した遅延プロファイルにおけるインパルスのタップ位置に対応する遅延時間と、を比較して
装置の製造段階で生じる部品の特性誤差に起因する遅延時間誤差を補正する補正値を算出する遅延時間補正値算出部と、
当該遅延時間補正値を用いて前記タップ係数算出部が算出した前記FIRフィルタ部のタップ係数の時間的な位置(遅延器番号)を補正するFIRフィルタ遅延器番号補正手段と、
前記FIRフィルタ部の前、後、又は前及び後に挿入され、前記遅延時間補正値算出部によって算出された遅延時間補正値のうち、前記FIRフィルタ部を構成する遅延器1つあたりの遅延時間よりも小さい遅延時間を設定する可変遅延部と、
を備えることを特徴とする回り込みキャンセラとする。
回り込みキャンセラを構成するFIRフィルタ部を回り込み波、マルチパス波等の遅延波の生成源として用い、
FIRフィルタ部に設定した回り込み波、マルチパス波等の遅延波の遅延時間、位相、および振幅値の設定値と、
回り込みキャンセラに含まれる遅延波検出及びタップ係数算出部において算出したFIRフィルタ部にて生成している回り込み波、マルチパス波等の遅延波の位相値、および振幅値(または、対応する実数部と虚数部を持つ複素数値)の検出値と、
を比較して装置の製造段階で生じる部品の特性誤差に起因する位相値、および振幅値(または、対応する実数部と虚数部を持つ複素数値)それぞれの誤差をそれぞれ補正する補正値を算出し、
当該補正値を用いて、前記タップ係数算出部が算出した前記FIRフィルタ部のタップ係数を補正する補正制御部と、
を備えたことを特徴とする回り込みキャンセラである。
また、回り込み波検出・タップ係数算出部117は、補正値算出・補正値設定部127から指定された遅延器番号と、その遅延器番号に対応するタップ係数値を補正値算出・補正値設定部127に供給する。
この(1)式をY(ω)について整理すると(2)式となる。
ここで、FIRフィルタが生成する回り込み波の逆相波の加算により回り込み波を除去する条件は、(3)式となる。
(2)式において(3)式の条件を満たすには、回り込み波の伝達関数と、FIRフィルタの伝達関数とを一致させることとなるので、回り込みキャンセラにおける回り込み波を除去する条件は(4)式となる。
を離散フーリエ変換(DFT、またはFFT)
することで、離散スペクトルY(k)(0≦k<N)として得、Y(k)の振幅値(または電力値)の平均値(もしくはY(k)から抽出したパイロットから既知のパイロットX(k)を除算した結果)を用いて回り込み波、マルチパス波等の遅延波の伝達関数を求め、逆離散フーリエ変換(IDFT、またはIFFT)することにより、遅延プロファイルを得ている。
となる。回り込みキャンセラにおいて、FIRフィルタから信号を出力していないとき(すなわち、タップ係数値を全て零
としているとき)、
であることから、(7)式は
となる。受信部、送信部の特性も含めた回り込み波の伝達関数を
とするとき、
となり、Y(k)の逆数よりX(k)の影響を除去して求まる遅延プロファイルは
となる。但し、
である(Y(k)の振幅値(電力値)を用いて遅延プロファイルを求める方法については、例えば本発明者等の発明である特開2004−80668を参照のこと)。
をFIRフィルタのタップ係数値に反映させる。インパルス応答値のタップ係数値への反映は、例えば、
で与えられる適応的タップ係数更新によりなされる。但し、
は更新前のタップ係数値であり、μは0<μ≦1.0を満足する更新係数であり、LはL≦Nを満足するFIRフィルタのタップ長である。適応的タップ係数更新については例えば本発明者等の発明である特開2005―86377を参照のこと。
すなわち、
をタップ係数値として設定するが、記述の簡単のため(20)、(21)式の代わりに(18)式、もしくは(19)式の表示を以後用いることとする。このとき、FIRフィルタの伝達関数は、(22)式となる。
となり、回り込み波が除去されることがわかる。
これらの(25)式、(26)式に対応する離散表現された伝達関数はそれぞれ(27)式、(28)式となる。
となる。すなわち、回り込み波、マルチパス波等の遅延波を除去するためにFIRフィルタが与えるべき理想的な伝達関数が(28)式に変わっていることが、回り込みキャンセラが回り込み波、マルチパス波等の遅延波の除去能力を十分に発揮できない要因となる。
まず、補正値を算出する手順について図5、および6を用いて説明する。補正値を算出する際、補正値算出・補正値設定部127は、送信スイッチ111を開放し(501)、中継装置において受信のみ開始し、送信は開始しないようにする(502)。
Q1=(|B|/|B−|)+(|B|/|B+|)を算出し、|B−|>|B+|ならばQ2=|B−|/|B+|を、|B−|>|B+|でなければQ2=|B+|/|B−|を算出する(509)。
Q1=(|B|/|B−|)+(|B|/|B+|)を算出し、|B−|>|B+|ならばQ2=|B−|/|B+|を、|B−|>|B+|でなければQ2=|B+|/|B−|を算出する(606)。
Gadを遅延器番号・位相・振幅値制御部123に設定する。
ステップ901では、補正値算出・補正値設定部127は、回り込み波検出・タップ係数算出部117に全ての遅延器番号n(0≦n<L+Z)に対応するタップ係数値f(n)を零とするように設定する。
として表現できる。この(30)式中のrTはFIRフィルタ107の遅延器番号の移動により補正できる遅延時間誤差であり、mUは可変遅延器109により
を付加してTとすることでFIRフィルタ107の遅延器番号の移動により補正できる遅延時間誤差であり、εは−U/2<ε<U/2を満たす遅延時間誤差である。但し、rとmは自然数である。
とすると(図14)、実際の遅延プロファイルは回り込みキャンセラ回路中の線路長、および部品の特性により図15のようになる。しかし、回り込み波検出・タップ係数算出部117の時間分解能がTに制限されていることから、図16のように遅延プロファイルが推定される。図16に示すように、遅延プロファイルd(n)ではrTだけ遅延した遅延器番号n1+rにFIRフィルタ107で生成した実際の回り込み波の遅延プロファイル値(インパルス応答値)がステップ603と604により検出される。すなわち、(34)式に示すように、遅延プロファイル値が得られる。
とできた場合、d(n)(0≦n<N)において遅延器番号(n1+r+1)に対応する遅延プロファイル値(インパルス応答値)のみが値を持つ(もしくは、遅延器番号(n1+r+1)に対応する遅延プロファイル値(インパルス応答値)が最大、かつ遅延器番号(n1+r)と(n1+r+2)に対応する遅延プロファイル値(インパルス応答値)がほぼ等しい)。
となった場合、mU+εだけ遅延時間誤差が残留するため、d(n)(0≦n<N)において遅延器番号(n1+r+1)の位置だけでなく、他の遅延器番号に対応する遅延プロファイル値(インパルス応答値)が現れ、遅延器番号(n1+r)と(n1+r+2)に対応する遅延プロファイル値(インパルス応答値)は等しくない。
となる。ここで、(m+s)=Mであるとき、(m+s)U=Tとなり、d(n)(0≦n<N)の、遅延器番号(n1+r)と(n1+r+2)に対応する遅延プロファイル値(インパルス応答値)の振幅値の差が最小となるので、(m+smax)=Mである。
を
として(r+1)だけ前に設定する(ステップ907。但し、ステップ907では遅延器番号補正前のタップ係数値をg(n)としてある。)。この場合には、遅延時間0から(r+1)Tまでの遅延時間に対応するタップ係数値は設定不可能となるが、実際の回り込み波の遅延時間は、中継装置の本線系に挿入される帯域通過フィルタ等による遅延のため、0から(r+1)Tまでの遅延時間よりも大きくなるのが一般的であるため問題にならない。
(すなわちA=C・W)としたとき、遅延波検出・タップ係数算出部において得た遅延プロファイルd(n)のn1+(r+1)における検出値が
であることから、
なる減衰量を持つ減衰器が挿入されていることと等価である。但し、可変遅延器109における微小遅延器の個数はsmaxであるとする。従って、FIRフィルタに与えたタップ係数値f(n1)=A=W・C=a1+jb1と遅延プロファイルに現れた遅延プロファイル値(インパルス応答値)の遅延器番号零を除いた遅延器番号に対応する遅延プロファイル値(インパルス応答値)の最大振幅値|Bmax|に対応するB=d(n1+(r+1))=a3+jb3を用いて(43)式により、位相・振幅補正値を求め、設定したいタップ係数値をFIRフィルタのタップ係数値として与える際、設定したいタップ係数値に次の(44)式のGadを常に乗じておけば良い。
この位相・振幅補正値Gadは遅延器番号n1に対応するタップ係数値だけでなく、全ての遅延器番号(0≦n<L)に対応するタップ係数値に対して用いることができる。
103…受信機
105…加算器
107…FIRフィルタ
109…可変遅延器
111…送信スイッチ
113…送信機
115…送信アンテナ
117…回り込み波検出・タップ係数算出部
119…回り込みキャンセラ
121…パワーアンプ
123…遅延器番号・位相・振幅値制御部
125…遅延時間制御部
127…補正値算出・補正値設定部
201…受信アンテナ
203…受信機
205…加算器
207…可変遅延器
209…FIRフィルタ
211…送信機
213…パワーアンプ
215…送信アンテナ
217…回り込み波検出・タップ係数算出部
219…送信スイッチ
221…回り込みキャンセラ
223…遅延時間制御部
225…遅延器番号・位相・振幅値制御部
227…補正値算出・補正値設定部
301…受信アンテナ
303…受信器
305…加算器
307…可変遅延器
309…FIRフィルタ
311…可変遅延器
313…送信機
315…パワーアンプ
317…送信アンテナ
319…回り込み波検出・タップ係数算出部
321…回り込みキャンセラ
323…送信スイッチ
325…遅延時間制御部
327…遅延時間制御部
329…遅延器番号・位相・振幅制御部
331…補正値算出・補正値設定部
401…受信アンテナ
403…受信機
405…加算器
407…送信機
409…パワーアンプ
411…送信アンテナ
413…減衰器
415…移相器
417…遅延器
419…回り込み波検出・タップ係数算出部
421…FIRフィルタ
423…回り込みキャンセラ
1101…受信アンテナ
1103…受信機
1105…加算器
1107…FIRフィルタ
1109…送信機
1111…パワーアンプ
1113…送信アンテナ
1115…回り込み波検出・タップ係数算出部
1117…回り込みキャンセラ
1401…回り込み波
1501…希望波
1503…回り込み波
1601…希望波
1603、1605、1607、1609、1611、1613…検出回り込み波
1701…希望波
1703…検出回り込み波
1801…希望波
1803、1805、1807、1809、1811、1813、1815…検出回り込み波
Claims (5)
- タップ係数算出部によってタップ係数が決定されたトランスバーサル型FIRフィルタ部(以下FIRフィルタ部)がキャンセル信号を生成し、受信信号と当該キャンセル信号を加算部で加算することによって、送信機に接続された送信アンテナから受信機に接続された受信アンテナに回り込む信号を除去する回り込みキャンセラにおいて、
前記回り込みキャンセラにおいて、前記加算部によって回り込み信号を除去し、回り込み信号除去が為された信号を前記回り込みキャンセラのFIRフィルタに帰還する位置、および、前記送信機の位置との間に、スイッチ、または可変減衰器からなる減衰制御部と、
前記減衰制御部が前記送信機からの出力を停止、あるいは減衰させた状態において、前記FIRフィルタの任意のタップ位置にインパルスを挿入して遅延波を生成し、回り込みキャンセラに含まれるタップ係数算出部において遅延プロファイルを算出する遅延プロファイル算出部と
前記FIRフィルタ部に与えたインパルスのタップ位置に対応する遅延時間と、前記遅延プロファイル算出部が算出した遅延プロファイルにおけるインパルスのタップ位置に対応する遅延時間と、を比較して
装置の製造段階で生じる部品の特性誤差に起因する遅延時間誤差を補正する補正値を算出する遅延時間補正値算出部と、
当該遅延時間補正値を用いて前記タップ係数算出部が算出した前記FIRフィルタ部のタップ係数の時間的な位置(遅延器番号)を補正するFIRフィルタ遅延器番号補正手段と、
前記FIRフィルタ部の前、後、又は前及び後に挿入され、前記遅延時間補正値算出部によって算出された遅延時間補正値のうち、前記FIRフィルタ部を構成する遅延器1つあたりの遅延時間よりも小さい遅延時間を設定する可変遅延部と、
を備えることを特徴とする回り込みキャンセラ。 - 前記回り込みキャンセラにおいて、
回り込みキャンセラを構成するFIRフィルタ部を回り込み波、マルチパス波等の遅延波の生成源として用い、
FIRフィルタ部に設定した回り込み波、マルチパス波等の遅延波の遅延時間、位相、および振幅値の設定値と、
回り込みキャンセラに含まれる遅延波検出及びタップ係数算出部において算出したFIRフィルタ部にて生成している回り込み波、マルチパス波等の遅延波の位相値、および振幅値(または、対応する実数部と虚数部を持つ複素数値)の検出値と、
を比較して装置の製造段階で生じる部品の特性誤差に起因する位相値、および振幅値(または、対応する実数部と虚数部を持つ複素数値)それぞれの誤差をそれぞれ補正する補正値を算出し、
当該補正値を用いて、前記タップ係数算出部が算出した前記FIRフィルタ部のタップ係数を補正する補正制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回り込みキャンセラ。 - 前記遅延時間の補正値により、回り込みキャンセラを構成するFIRフィルタのタップ係数値の時間的な位置(遅延器番号)を補正すること、および可変遅延部の遅延時間を補正するFIRフィルタ遅延器番号補正手段と、可変遅延器遅延時間補正手段とを、備えたこと、を特徴とする請求項1に記載の回り込みキャンセラ。
- 前記位相、および振幅値の補正値により、回り込みキャンセラを構成するFIRフィルタのタップ係数値を補正するタップ係数値補正部を備えたことを特徴とする、請求項2に記載の回り込みキャンセラ。
- 前記遅延時間、位相、および振幅値の補正値により、回り込みキャンセラを構成するFIRフィルタのタップ係数値の時間的な位置(遅延器番号)を移動、および可変遅延器の遅延時間を補正し、回り込みキャンセラのFIRフィルタのタップ係数値を補正することを特徴とする、請求項2に記載の回り込みキャンセラ。
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- 2005-10-07 JP JP2005295144A patent/JP4709627B2/ja active Active
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