JP4116635B2 - 中継放送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回り込み除去器を備える中継放送装置に関する。
地上波テレビ放送システムにおいてネットワークを構築する方式として、放送波中継方式がある。この方式は、上位局から送信される無線信号を受信して下位局に送信する中継放送局を設け、サービスエリアを拡大するものである。ここで上位局とは、放送信号を送信する放送局あるいは他の中継放送局等をいい、下位局とは、放送信号を受信する放送局、他の中継放送局あるいは一般家庭用受信機等をいう。放送波中継方式では、中継回線毎に割り当てられた数種の周波数を繰り返し利用することとすれば、周波数有効利用の観点から有利となる。また、さらに周波数有効利用を図るために、同一プログラムを単一の周波数で中継を行うSFN(Single Frequency Network)方式がある。この方式は、地上波ディジタル放送システムにおいて採用されているものであり、ゴースト耐性、隣接エリア間の干渉耐性に余裕を持たせるため、この方式ではOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式が採用される。
SFN方式の中継放送局に設けられる中継放送装置は、上位局から送信される無線信号を受信する受信機と、それを下位局に送信する送信機とから構成される送受信機を備える。ここで、送受信機では送信信号と受信信号で同一の周波数を用いるため、送信系統と受信系統との間の信号のアイソレーションが十分に確保されない場合にはループ発振を起こすおそれがある。そのため中継放送装置の送受信機には、送信系統から受信系統へ回り込む信号を除去する回り込み除去器を設けることが好ましい。
特開2001−28562号公報には、回り込み信号と同振幅逆位相の関係にある相殺信号を生成し、これを回り込み信号に加算することで回り込み信号を除去する回り込み除去器の構成が開示されている。この構成では、回り込み信号によって干渉を受けた中継放送装置の出力信号を周波数解析し、その結果についてフーリエ変換による波形解析を行う。そして、その波形解析から知ることができる回り込み信号成分が低減されるよう、相殺信号を生成する際の回路の減衰量や遅延時間を決定しテーブルを作成する。回り込み除去器が動作する際にはそのテーブルを参照することで回路の応答性を向上させている。
特開2002−271295号公報および特開2002−290370号公報には、回り込み信号によって干渉を受けた中継放送装置の出力信号を周波数解析し、当該周波数解析によって求めた周波数スペクトラムの逆数から回り込み伝達関数を算出し、その回り込み伝達関数に基づいて相殺信号を生成する回り込み除去器の構成が開示されている。ここで、回り込み伝達関数とは、中継放送装置の受信アンテナから中継放送装置内部回路を経て中継放送装置の送信アンテナへ至り、さらに中継放送装置の送信アンテナから中継放送装置外部の空間を経て中継放送装置の受信アンテナへ至るまでの伝搬路の伝達関数をいう。
中継放送装置は、故障時あるいは点検や調整などを行う際には非稼働状態としなければならない。しかしながら、中継放送装置の点検や調整などのために放送サービスを停止するのは好ましくない。そこで、一般に中継放送装置は2台方式で構成されることが多い。これは、アンテナ等から構成される入力系統を共有した2台の送受信機を並列に稼働させ、送信アンテナを選択スイッチを介して片方の送受信機に接続し、その送受信機を非稼働状態とする必要が生じた場合には、選択スイッチを切り換えることで送信アンテナをもう片方の送受信機に接続するものである。以下、稼働状態から非稼働状態とすべき送受信機を現用送受信機と、もう片方の送受信機を予備送受信機と称する。
特開2001−28562号公報 特開2002−271295号公報 特開2002−290370号公報
2台方式で構成された中継放送装置の送受信機に、回り込み除去器を設けた場合の一般的な構成を図10に示す。図10の中継放送装置は、受信アンテナ90、第1の送受信機40、第2の送受信機41、送受信機切り換えスイッチ98、送信アンテナ92を備えて構成される。また、第1の送受信機40は、縦続接続された受信機12a、回り込み除去器70a、送信機14aを備えて構成され、第2の送受信機41は、縦続接続された受信機12b、回り込み除去器70b、送信機14bを備えて構成される。
受信アンテナ90を介して受信された信号は、分配器94によって第1の送受信機40および第2の送受信機41へと分配される。
分配器94から第1の送受信機40に入力された信号は、受信機12aで中間周波数への変換、中間周波数帯での増幅が行われた後、ディジタル信号へ変換されて回り込み除去器70aに入力される。回り込み除去器70aは送信アンテナ92から受信アンテナ90への電磁波の回り込みによる信号等、受信アンテナ90に直接到来する電磁波による直接波信号以外の信号を除去して送信機14aに入力する。送信機14aは、入力された信号をアナログ信号に変換し、さらに無線周波数帯に変換し、アンテナ送信に必要な電力まで増幅を行って送受信機40から信号を出力する。また、同様に分配器94から第2の送受信機41に入力された信号は、受信機12bで中間周波数への変換、中間周波数帯での増幅が行われた後、ディジタル信号へ変換されて回り込み除去器70bに入力される。回り込み除去器70bは直接波信号以外の信号を除去して送信機14bに入力する。送信機14bは、入力された信号をアナログ信号に変換し、さらに無線周波数帯に変換し、アンテナ送信に必要な電力まで増幅を行って送受信機41から信号を出力する。
送受信機切り換えスイッチ98は、第1の送受信機40が出力する信号と第2の送受信機41が出力する信号のいずれかを選択し、選択した信号を送信アンテナ92に入力する。送信アンテナ92は送受信機切り換えスイッチ98から入力された信号を電磁波として送信する。
なお、ここでは受信機12aおよび12bがアナログ信号をディジタル信号に変換する手段を備える構成、ならびに送信機14aおよび14bがディジタル信号をアナログ信号に変換する手段を備える構成についてとりあげた。これは、回り込み除去器70aおよび70bが直接波信号以外の信号を除去する処理をディジタル信号処理によって行うことに基づくものである。しかし、アナログ信号をディジタル信号に変換する手段は、必ずしも受信機12aおよび12bに設ける必要はないため、回り込み除去器70aおよび70bがその入力側にアナログ信号をディジタル信号に変換する手段を備える構成としたものもある。また、同様に、回り込み除去器70aおよび70bがその出力側にディジタル信号をアナログ信号に変換する手段を備える構成としたものもある。
ここでは、現用送受信機を第1の送受信機40、予備送受信機を第2の送受信機41とし、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機40の出力側に接続されている状態について考える。送信波は所望の下位局のみに向けて放射されることが理想的であるが、送信アンテナ92と受信アンテナ90との間のアイソレーションを無限に大きく設計することは不可能である。そのため、仮に回り込み除去器70aが設けられていないものとすれば、送信波の一部が回り込み信号として受信アンテナ90で受信され、再び送受信機40を介して送信アンテナ92から送信されるという回り込み経路が形成され、この経路を多重に帰還した多重回り込み信号が重畳された信号が送信アンテナ92から送信されることとなる。
回り込み除去器70aは、相殺信号を生成して回り込み信号にこれを加算して相殺することで回り込み信号を除去する。したがって、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機40の出力側に接続され、回り込み除去器70aが動作しているときには、上述のように多重回り込み信号が重畳された信号が送信アンテナ92から出力されることはない。一方、第2の送受信機41においては、第1の送受信機40と同一の信号を受信しているが、出力端には送信アンテナ92が接続されていないため第2の送受信機41から出力される信号による回り込み信号は発生しない。また、回り込み信号は第1の送受信機40の回り込み除去器70aにより除去されるので、第2の送受信機41には1回目の回り込み信号のみが入力され、多重回り込み信号は入力されない。したがって、回り込み除去器70aが生成する相殺信号は多重回り込み信号を相殺するためのものであるのに対し、回り込み除去器70bが生成する相殺信号は1回の回り込み信号を相殺するためのものであることとなり、回り込み除去器70aと回り込み除去器70bとでは、生成される相殺信号の振幅および位相が異なる。
この状態において送受信機切り換えスイッチ98を第2の送受信機41の出力側に接続すると、回り込み除去器70bは多重回り込み信号を除去可能な状態とはなっていないため、切り換え直後には多重回り込み信号が発生する。一般に中継放送装置は、このような多重回り込み信号の発生を低減するため、回り込み除去器70bが回り込み信号を除去可能な状態に収束するまでの間は、送信波の出力を低減し、収束と共に徐々に出力を増大するよう設計されることが多い。この場合、放送が一時的に中断されてしまう蓋然性が高い。
本発明は、このような課題に対してなされたものであり、送信アンテナの接続を現用送受信機から予備送受信機へ切り換えた場合においても、回り込み信号の発生がなく、送信波を低減する必要のない中継放送装置を提供する。
本発明は、第1の送受信機および第2の送受信機と、前記第1の送受信機を用いるか前記第2の送受信機を用いるかを選択する選択手段と、を備え、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のうちいずれか1つを選択して、上位局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の周波数と同一周波数の無線信号を下位局に送信する中継放送装置であって、前記第1の送受信機は、前記中継放送装置から送信され前記中継放送装置で受信された回り込み信号を除去する第1の回り込み除去手段を備え、前記第2の送受信機は、前記回り込み信号を除去する第2の回り込み除去手段を備え、前記第1の回り込み除去手段は、回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第1の相殺信号生成部と、前記第1の相殺信号生成部が出力した相殺信号を前記中継放送装置で受信された信号に加算する加算部と、を備え、前記第2の回り込み除去手段は、回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第2の相殺信号生成部と、前記第2の相殺信号生成部が出力した相殺信号を前記中継放送装置で受信された信号に加算する加算部と、を備え、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のそれぞれは、信号を受信し送信するまでの位相推移量を変化させる位相推移変化手段を備え、前記中継放送装置は、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することによって、前記第1の送受信機の位相推移量と前記第2の送受信機の位相推移量との差異を低減する位相等化手段を備え、前記選択手段が前記第2の送受信機を選択するのに先立って、前記第2の相殺信号生成部は、前記第1の相殺信号生成部が出力していた相殺信号と同振幅同位相の関係にある共通相殺信号を相殺信号として出力することを特徴とする。
また、本発明に係る中継放送装置においては、上位局から送信される無線信号は、ガードインターバルを含むOFDM変調方式の無線信号であり、前記位相等化手段は、前記第1の送受信機からガードインターバルが出力されるタイミングと前記第2の送受信機からガードインターバルが出力されるタイミングとの差異に基づいて、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することが好適である。
また、本発明に係る中継放送装置においては、上位局から送信される無線信号は、無線信号を構成するフレームでの時間的位置検出用のフレーム同期パターン信号を含むOFDM変調方式の無線信号であり、前記位相等化手段は、前記第1の送受信機からフレーム同期パターン信号が出力されるタイミングと前記第2の送受信機からフレーム同期パターン信号が出力されるタイミングとの差異に基づいて、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することが好適である。
また、本発明に係る中継放送装置においては、上位局から送信される無線信号は、上位局送信時刻情報を含むOFDM変調方式の無線信号であり、前記位相等化手段は、前記第1の送受信機が出力する信号に含まれる上位局送信時刻情報に基づいて、無線信号が上位局から送信され前記第1の送受信機から出力されるまでの第1の遅延時間を求め、前記第2の送受信機が出力する信号に含まれる上位局送信時刻情報に基づいて、無線信号が上位局から送信され前記第2の送受信機から出力されるまでの第2の遅延時間を求め、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間との差異に基づいて、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することが好適である。
また、本発明に係る中継放送装置においては、上位局から送信される無線信号はOFDM変調方式の無線信号であり、前記位相等化手段は、前記第1の送受信機が出力する信号と、前記第2の送受信機が出力する信号とを加算し、加算信号の干渉波成分に基づいて、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することが好適である。
また、本発明に係る中継放送装置においては、第1の送受信機および第2の送受信機と、前記第1の送受信機を用いるか前記第2の送受信機を用いるかを選択する選択手段と、を備え、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のうちいずれか1つを選択して、上位局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の周波数と同一周波数の無線信号を下位局に送信する中継放送装置であって、前記第1の送受信機は、前記中継放送装置から送信され前記中継放送装置で受信された回り込み信号を除去する第1の回り込み除去手段を備え、前記第2の送受信機は、前記回り込み信号を除去する第2の回り込み除去手段を備え、前記第1の回り込み除去手段は、回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第1の相殺信号生成部と、前記第1の相殺信号生成部が出力した相殺信号を前記中継放送装置で受信された信号に加算する加算部と、を備え、前記第2の回り込み除去手段は、回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第2の相殺信号生成部と、前記第2の相殺信号生成部が出力した相殺信号を前記中継放送装置で受信された信号に加算する加算部と、を備え、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のそれぞれは、出力信号のレベルを変化させるレベル変化手段を備え、前記中継放送装置は、前記レベル変化手段における信号レベル変化量を調整することによって、前記第1の送受信機の出力信号のレベルと前記第2の送受信機の出力信号のレベルとの差異を低減するレベル等化手段を備え、前記選択手段が前記第2の送受信機を選択するのに先立って、前記第2の相殺信号生成部は、前記第1の相殺信号生成部が出力していた相殺信号と同振幅同位相の関係にある共通相殺信号を相殺信号として出力することが好適である。
また、本発明に係る中継放送装置においては、さらに、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択するのに先立って、前記第1の相殺信号生成部は、前記第2の相殺信号生成部が出力していた相殺信号と同振幅同位相の関係にある共通相殺信号を相殺信号として出力し、前記第1の相殺信号生成部および前記第2の相殺信号生成部のそれぞれは、処理対象信号の周波数スペクトラム信号を求めるスペクトラム解析部と、前記スペクトラム解析部によって求められた周波数スペクトラム信号の逆数値を求める逆数演算部と、前記スペクトラム解析部の演算結果または前記逆数演算部の演算結果のいずれかを選択する演算選択部と、前記演算選択部によって選択された演算結果に基づいてフィルタタップ係数を求めるタップ係数算出部と、前記タップ係数算出部によって求められたフィルタタップ係数に基づいて特性が定まるタップ係数フィルタと、を備え、前記第1の相殺信号生成部のスペクトラム解析部は、前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求め、前記第2の相殺信号生成部のスペクトラム解析部は、前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求め、前記第1の相殺信号生成部のタップ係数フィルタは、前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力し、前記第2の相殺信号生成部のタップ係数フィルタは、前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力し、前記選択手段が前記第2の送受信機を選択する前に、前記第2の相殺信号生成部の演算選択部は、前記第2の相殺信号生成部が備える周波数スペクトラム解析部の演算結果を選択し、前記選択手段が前記第2の送受信機を選択したときは、前記第2の相殺信号生成部の演算選択部は、前記第2の相殺信号生成部が備える逆数演算部の演算結果を選択し、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択する前に、前記第1の相殺信号生成部の演算選択部は、前記第1の相殺信号生成部が備える周波数スペクトラム解析部の演算結果を選択し、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択したときは、前記第1の相殺信号生成部の演算選択部は、前記第1の相殺信号生成部が備える逆数演算部の演算結果を選択することが好適である。
また、本発明に係る中継放送装置においては、 相殺信号生成のための特性決定値を出力する特性決定値生成部を備え、前記第1の相殺信号生成部および前記第2の相殺信号生成部のそれぞれは、前記特性決定値生成部が出力した特性決定値に基づいて、処理対象信号の特性を変化させて出力する可変伝送特性部を備え、前記第1の相殺信号生成部の可変伝送特性部は、前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号の特性を変化させて相殺信号を出力し、前記第2の相殺信号生成部の可変伝送特性部は、
前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号の特性を変化させて相殺信号を出力し、前記選択手段が前記第2の送受信機を選択するのに先立って、前記特性決定値生成部は、前記第1の相殺信号生成部が用いていた特性決定値を前記第2の相殺信号生成部に出力することが好適である。
また、本発明に係る中継放送装置においては、前記可変伝送特性部は、前記特性決定値としてフィルタタップ係数が与えられることで特性が定まるタップ係数フィルタであることが好適である。また、本発明に係る中継放送装置においては、前記可変伝送特性部は、前記特性決定値に基づいて特性が定まる可変位相器と、前記特性決定値に基づいて特性が定まる可変減衰器と、を備えることが好適である。
本発明によれば、送信アンテナの接続を現用送受信機から予備送受信機へ切り換えた場合においても、回り込み信号の発生がなく、送信波の出力を低減する必要のない中継放送装置を実現することができる。また、第1の送受信機と第2の送受信機とで位相推移量が異なることに起因する切り換え時の回り込み信号を低減することができる。
1の基本技術について図1を参照して説明する。図1の中継放送装置は、受信アンテナ90、第1の送受信機42、第2の送受信機43、送受信機切り換えスイッチ98、送信アンテナ92を備えて構成される。また、第1の送受信機42は、縦続接続された受信機12a、フィルタ型回り込み除去器50a、送信機14aを備えて構成され、第2の送受信機43は、縦続接続された受信機12b、フィルタ型回り込み除去器50b、送信機14bを備えて構成される。
受信アンテナ90を介して受信された信号は、分配器94によって第1の送受信機42および第2の送受信機43へと分配される。
分配器94から第1の送受信機42に入力された信号は、受信機12aで中間周波数への変換、中間周波数帯での増幅が行われた後、ディジタル信号に変換されてフィルタ型回り込み除去器50aに入力される。フィルタ型回り込み除去器50aは直接波信号以外の信号を除去し、送信機14aに入力する。送信機14aは、入力された信号をアナログ信号に変換し、さらに無線周波数帯に変換し、アンテナ送信に必要な電力まで増幅を行って送受信機42から信号を出力する。また、同様に分配器94から第2の送受信機43に入力された信号は、受信機12bで中間周波数への変換、中間周波数帯での増幅が行われた後、ディジタル信号に変換されてフィルタ型回り込み除去器50bに入力される。フィルタ型回り込み除去器50bは直接波信号以外の信号を除去し、送信機14bに入力する。送信機14bは、入力された信号をアナログ信号に変換し、さらに無線周波数帯に変換し、アンテナ送信に必要な電力まで増幅を行って送受信機43から信号を出力する。
送受信機切り換えスイッチ98は、第1の送受信機42が出力する信号と第2の送受信機43が出力する信号のいずれかを選択し、選択した信号を送信アンテナ92に入力する。送信アンテナ92は、送受信機切り換えスイッチ98から入力された信号を電磁波として送信する。
なお、本基本技術に係る中継放送装置においては、受信機12aおよび12bがアナログ信号をディジタル信号に変換する手段を備え、送信機14aおよび14bがディジタル信号をアナログ信号に変換する手段を備える構成としている。これは、フィルタ型回り込み除去器50aおよび50bが直接波信号以外の信号を除去する処理をディジタル信号処理によって行うことに基づくものである。しかし、アナログ信号をディジタル信号に変換する手段は、必ずしも受信機12aおよび12bに設ける必要はなく、フィルタ型回り込み除去器50aおよび50bがその入力側にアナログ信号をディジタル信号に変換する手段を備える構成も可能である。また、同様に、フィルタ型回り込み除去器50aおよび50bがその出力側にディジタル信号をアナログ信号に変換する手段を備える構成も可能である。
また、本基本技術に係る中継放送装置においては、送信機14aおよび14bがアンテナ送信に必要な電力まで増幅を行うこととしているが、送信機14aおよび14bの増幅利得配分を低減し、送受信機切り換えスイッチ98と送信アンテナ92との間にパワーアンプを挿入する構成とすることも可能である。アンテナ送信に必要な電力まで増幅を行う増幅器には消費電力が大きい、大型であるため設置するための広い空間を要する、設計製造コストが高い等の問題がある。そこで、第1の送受信機42と第2の送受信機43とでパワーアンプを共用することで、このような問題を回避することができる。
フィルタ型回り込み除去器50aは、加算器54a、FIRフィルタ(Finite Impulse Response Filter)52aを備えて構成される。加算器54aでは、フィルタ型回り込み除去器50aに入力された信号とFIRフィルタ52aが出力する相殺信号が加算され、その出力はフィルタ型回り込み除去器50aから出力される。フィルタ型回り込み除去器50aが出力する信号は、送信機14a、FIRフィルタ52aに入力される。
FIRフィルタ52aは、そのインパルス応答と入力信号との畳み込み演算をディジタル信号処理によって行うものであり、インパルス応答はトランスバーサルフィルタのタップ係数として与えられる。ここでは、1回の回り込み信号と同振幅逆位相の関係にある相殺信号が出力されるよう、タップ係数が決定される。このタップ係数は、回り込み特性解析部20aから入力される。
回り込み特性解析部20aは、フィルタ型回り込み除去器50aが出力する信号を周波数領域で表した周波数スペクトラム信号を算出し、それに基づいて上述のタップ係数を算出して出力する。
回り込み特性解析部20aは、スペクトラム解析部22a、逆数演算部24a、バイパス経路25a、演算切り換えスイッチ28a、タップ係数算出部26aを備えて構成される。
スペクトラム解析部22aはフィルタ型回り込み除去器50aが出力する信号に対してフーリエ変換を施すことで周波数スペクトラム信号を算出する。フーリエ変換の方法としては、高速フーリエ変換(FFT)等を適用することが好適である。スペクトラム解析部22aが算出した周波数スペクトラムは逆数演算部24aおよびバイパス経路25aに入力される。逆数演算部24aは、入力された信号の逆数値を出力する。バイパス経路25aは、入力された信号に対し何ら演算を施さずそのままその信号を出力する。演算切り換えスイッチ28aは、第1の送受信機42が現用送受信機として動作しているときには逆数演算部24aが出力する信号を選択してタップ係数算出部26aに入力し、第1の送受信機42が予備送受信機として動作しているときにはバイパス経路25aが出力する信号を選択してタップ係数算出部26aに入力する。タップ係数算出部26aは、演算切り換えスイッチ28aから入力された信号に基づいてタップ係数を算出し、FIRフィルタ52aに入力する。
フィルタ型回り込み除去器50bは、加算器54b、FIRフィルタ52bを備えて構成される。また、回り込み特性解析部20bは、スペクトラム解析部22b、逆数演算部24b、バイパス経路25b、演算切り換えスイッチ28b、タップ係数算出部26bを備えて構成される。フィルタ型回り込み除去器50bは50aと同一の構成であり、回り込み特性解析部20bは20aと同一の構成である。そこで、フィルタ型回り込み除去器50bが備える構成部分であってフィルタ型回り込み除去器50aが備える構成部分と同一のもの、および回り込み特性解析部20bが備える構成部分であって回り込み特性解析部20aが備える構成部分と同一のものについては末尾の符号a、bによって区別することとし、これらの動作ついては説明を簡略化する。
次に、第1の送受信機42が現用送受信機となっている場合における、フィルタ型回り込み除去器50aおよび回り込み特性解析部20aの動作原理について説明する。図2(a)は、フィルタ型回り込み除去器50aにおいて回り込み信号が除去されていない場合のその出力信号の周波数スペクトラムを示す。この信号は、受信アンテナ90において受信され第1の送受信機42、および送受信機切り換えスイッチ98を介して送信アンテナ92から送信される信号に多重回り込み信号が重畳されたものである。ただし、観測点はフィルタ型回り込み除去器50aの出力端であり、送信機14aの出力で観測される無線周波数帯の周波数スペクトラムを、そのまま中間周波数帯にシフトしたものとなる。ここで、多重回り込み信号とは、送信アンテナ92から送信された送信波の一部が回り込み信号として受信アンテナ90で受信され、再び第1の送受信機42、および送受信機切り換えスイッチ98を介して送信アンテナ92から送信されるという回り込みが多重に繰り返されて現れる信号をいう。一般的に、このような多重回り込み信号には、図2(a)のようにある周波数間隔を以てピーク点が現れる。また、図2(b)はこれを時間領域においてインパルス応答を以て表したものであり、回り込みに要する遅延時間τを隔ててインパルス信号が無限に連なったものとなる。図2(b)のインパルス信号を以て表される時間領域波形は、図2(a)の周波数スペクトラムに対しフーリエ変換による波形解析を行うことで求めることができる。
ここで、中継放送装置が形成する伝搬路を伝達関数によってモデル化したものを図3に示す。受信アンテナ90から第1の送受信機42の受信機12aの出力までの伝達関数をG1(ω)、第1の送受信機42の送信機14aの入力から送信アンテナ92までの伝達関数をG2(ω)、回り込み信号が送信アンテナ92から中継放送装置外部の空間を経て受信アンテナ90に至るまでの伝搬路の伝達関数をR(ω)とすると、伝搬路は、受信アンテナ90、伝達関数G1(ω)の伝搬路82、加算器54a、伝達関数G2(ω)の伝搬路84、および送信アンテナ92を従続接続したものについて、受信アンテナ90と送信アンテナ92との間の結合係数をR(ω)としたモデルで表される。ここに、ωは角周波数である。このように伝達関数を定義すると、1回の回り込みについての伝達関数として定義される回り込み伝達関数C(ω)は、C(ω)=G2(ω)・R(ω)・G1(ω)と表される。C(ω)を用いると図2(a)の周波数スペクトラムは、
Figure 0004116635
と表すことができる。ここにAは振幅係数であり、フィルタ型回り込み除去器50aの出力信号の振幅に比例する定数である。中央の式は、1回の回り込みにつきC(ω)が1回だけ掛け合わされることにより、多重回り込み信号が重畳された信号が公比をC(ω)とする等比級数の和で表されることを意味する。右辺はそれをシグマ記号を用いない形で表現したものであり数学公式から導かれる。
FIRフィルタ52aからの出力信号を受信機12aが出力する信号に加算することで、多重回り込み信号をキャンセルするためには、FIRフィルタ52aが1回の回り込みによる回り込み信号と同振幅逆位相の関係にある相殺信号を出力すればよい。すなわち、回り込み伝達関数C(ω)に基づいて、FIRフィルタ52aが相殺信号を出力するためのタップ係数を算出し、これをFIRフィルタ52aに入力することでFIRフィルタ52aからは相殺信号が出力される。より具体的には、FIRフィルタ52aの周波数特性が−C(ω)となるようにタップ係数が算出されることとなる。
回り込み特性解析部20aは、フィルタ型回り込み除去器50aが出力する信号の周波数スペクトラムが(1)式のようにC(ω)を含む式で表されることに基づいてタップ係数を求める。スペクトラム解析部22aは、フィルタ型回り込み除去器50aが出力する信号にフーリエ変換を施すことで周波数スペクトラム信号を算出する。周波数スペクトラム信号は逆数演算部24aに入力され、周波数スペクトラム信号の逆数を算出する。いま、第1の送受信機42は現用送受信機となっている状態であるため、演算切り換えスイッチ28aは逆数演算部24aが出力する信号を選択しており、逆数演算部24aが出力する信号はタップ係数算出部26aに入力される。
ここで周波数スペクトラム信号の逆数を算出してタップ係数算出部26aに入力しているのは、FIRフィルタ52aのタップ係数を算出するために回り込み伝達関数C(ω)が必要とされるところ周波数スペクトラムは(1)式の中央の式のように級数和として表され、直接C(ω)を得ることが困難であるためである。すなわち、(1)式の右辺の逆数は1−C(ω)のように簡単な形で表される式に比例する形で表現されるため、C(ω)の値を知ることが容易であるためである。
タップ係数算出部26aは、(1)式の逆数で表される信号の平均値からAの値を算出し、(1)式の逆数にAを乗じて次の(2)式で表される信号を算出する。
Figure 0004116635
タップ係数算出部26aは、(2)式で表される信号に逆フーリエ変換を施し、次の(3)式で表される信号を算出する。逆フーリエ変換の方法としては、逆高速フーリエ変換(IFFT)等を適用することが好適である。
Figure 0004116635
ここで、δ(t)は時間tについてのδ関数であり、t=0にインパルスが現れる関数である。c(t)は角周波数についての関数である回り込み伝達関数C(ω)を、時間領域の関数に変換したものである。
タップ係数算出部26aは、(3)式で表される式におけるt=0の値を除外し、所定の離散化時間間隔Δで−c(t)の値を離散化した値、すなわち、次の(4)式に従ってタップ係数を算出し、FIRフィルタ52aに入力する。
Figure 0004116635
ここで、iは1からnまでの整数である。nはFIRフィルタ52aが演算に用いる離散化された値の数、iはFIRフィルタ52aのi番目の係数であることを示す。
図4にFIRフィルタ52aの具体的な構成例を示す。FIRフィルタ52aは、遅延乗算部52a1〜52anから構成される。遅延乗算部52a1〜52anのそれぞれには、タップ係数−c(Δ)〜−c(nΔ)が入力される。また、遅延乗算部52a1〜52anのそれぞれは、それぞれの入力信号I(1)〜I(n)にそれぞれタップ係数−c(Δ)〜−c(nΔ)を乗じ、離散化時間間隔Δだけ遅延させて出力する。最終段の遅延乗算部52anの出力信号は加算部54aに入力され、受信機12aから出力された信号に含まれる回り込み信号を相殺する。
なお、逆数演算部24aには演算切り換えスイッチ28aによって接続されるバイパス経路25aが並列に設けられているが、このバイパス経路25aは現用送受信機から予備送受信機へと送受信機切り換えスイッチ98の切り換えが行われるまでの間に予備送受信機において用いられるものであり、詳細については後述する。
このように回り込み特性解析部20aがタップ係数を算出する処理を1回行う毎に、図2(a)に示す出力信号の周波数スペクトラムのピークを有する波形は平坦なものへと漸近していき、最終的には図5のような周波数スペクトラムに収束する。この状態においては、フィルタ型回り込み除去器50aは回り込み信号を十分小さい値にまで低減している。以下、このような状態を定常状態とする。
次に、第1の送受信機42が定常状態にある場合において、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続される場合の動作について説明する。送受信機切り換えスイッチ98の切り換え直前においては、第2の送受信機43の回り込み特性解析部20bの演算切り換えスイッチ28bは、バイパス経路25b側に接続されている。これは、後述する原理により、タップ係数算出部26bにタップ係数算出部26aが算出するものと同一のタップ係数を算出させるためである。ここで、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられる直前とは、送受信機切り換えスイッチ98の切り換え時から、タップ係数を算出する処理の少なくとも1ステップに要する時間より前をいう。
演算切り換えスイッチ28bは、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられるのと同時またはその後にバイパス経路25b側から逆数演算部24b側へと切り換えられ、第2の送受信機43を現用送受信機として動作させる。タップ係数算出部26bは、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられる前に演算切り換えスイッチ28bがバイパス経路25b側に接続されていたことにより、後述の原理に基づきタップ係数算出部26aが算出していたものと同一のタップ係数を算出している。そのため、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた時には既に回り込み信号は除去された状態にあり、回り込み信号が除去できる値に収束している。そのため、回り込み信号を発生させず、円滑に現用送受信機から予備送受信機への切り換えが行われることとなる。
一方、演算切り換えスイッチ28aは、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられるのと同時またはその後に逆数演算部24a側からバイパス経路25a側へと切り換えられる。
第1の送受信機42が定常状態にある場合において、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続される場合の動作をまとめると次の(1)から(4)のようになる。
(1)送受信機切り換えスイッチ98の切り換え前においては、演算切り換えスイッチ28aを逆数演算部24a側に、演算切り換えスイッチ28bをバイパス経路25b側に接続する。
(2)送受信機切り換えスイッチ98を、第1の送受信機42の出力側から第2の送受信機43の出力側に接続する。
(3)送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられるのと同時またはその後に、演算切り換えスイッチ28bをバイパス経路25b側から逆数演算部24b側へと切り換える。
(4)送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられるのと同時またはその後に、演算切り換えスイッチ28aを逆数演算部24a側からバイパス経路25a側へと切り換える。
なお、ここでは、第1の送受信機42が定常状態にある場合において、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続される場合の動作について説明したが、第2の送受信機43が定常状態にある場合において、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機42の出力側に接続される場合の動作についても同様である。
ここで、第1の送受信機42が定常状態にある場合において、第2の送受信機43の回り込み特性解析部20bの演算切り換えスイッチ28bをバイパス経路25b側に接続することにより、タップ係数算出部26bがタップ係数算出部26aが算出するものと同一のタップ係数を容易に算出することができる原理について説明する。
送受信機切り換えスイッチ98の切り換え時から、タップ係数を算出する処理の少なくとも1ステップに要する時間より前においては、第1の送受信機42は定常状態にある。このとき、第2の送受信機43に入力される信号は、上位局から直接到来した直接波が受信アンテナ90で受信されたことによる直接波信号と、第1の送受信機42から出力され、送信アンテナ92から送信された送信波の一部が回り込んで受信アンテナ90で受信された1回の回り込みによる回り込み信号のみである。すなわち2回目以降の回り込み信号は、第1の送受信機42のフィルタ型回り込み除去器50aによって除去されているため、第2の送受信機43には入力されない。このとき、第2の送受信機43のフィルタ型回り込み除去器50bの入力信号の周波数スペクトラムは図6(a)のようになる。これは、受信機12bにおいて中間周波数帯に変換されたものであるが、振幅レベルを問わなければこれを無線周波数帯にシフトすることで、第2の送受信機43の入力信号の周波数スペクトラムとして捉えることもできる。一般に、このような直接波信号と1回の回り込みによる回り込み信号のみを含む信号の周波数スペクトラムは、図6(a)のようにある周波数間隔を以て減衰点が現れるものとなる。これは、図2(a)の周波数スペクトラムの逆数によって描かれる波形と相似形である。また、図6(b)はこれを時間領域においてインパルス応答を以て表したものである。先に定義したC(ω)を用いると、図6(a)の周波数スペクトラムは、
Figure 0004116635
と表すことができる。中央の式かっこ内の第1項は直接波信号を示し、中央の式かっこ内の第2項は1回の回り込みによる回り込み信号を示す。右辺はそれを分母が公比を−C(ω)とする等比級数の和で表される有理関数で表現したものであり、数学公式から導かれる。
ここで、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続される直前においては、第2の送受信機43の回り込み特性解析部20bでは演算切り換えスイッチ28bがバイパス経路25b側に接続されている。これによって、第2の送受信機43で算出されるFIRフィルタ52bのタップ係数が、第1の送受信機42で算出されているタップ係数を容易に導くことができることを以下に示す。
仮に、演算切り換えスイッチ28bが逆数演算部24b側に接続されているとした場合には、第1の送受信機42が定常状態に至る動作と全く同様の動作によって、直接信号以外の信号を除去するような相殺信号がFIRフィルタ52bから出力される。ここで、第2の送受信機43に入力されているのは、直接波信号と1回の回り込みによる回り込み信号のみであるため、FIRフィルタ52bが出力する相殺信号は多重回り込み信号を除去するものではないということになる。
一方、第1の送受信機42のFIRフィルタ52aが出力する相殺信号は、多重回り込み信号を除去するものである。したがって、タップ係数算出部26bで算出されるタップ係数は、タップ係数算出部26aで算出されるタップ係数とは異なったものとなる。これを、(5)式に照らして考える。上述のように(5)式は、フィルタ型回り込み除去器50bの入力信号の周波数スペクトラムを表すものである。仮に、演算切り換えスイッチ28bが逆数演算部24b側に接続されているとすると、タップ係数算出部26bは、逆数演算部24bによる演算によって(5)式の右辺の逆数に基づいてタップ係数を算出してしまう。すなわち、タップ係数算出部26bは、次式の公比を−C(ω)とする等比級数の級数和に基づいたタップ係数を算出してしまうということができる。これによって算出されるタップ係数は、次の(6)式のようになる。
Figure 0004116635
ここで、IFFTは逆高速フーリエ変換を意味し、(6)式の右辺中に記載しているiΔは、IFFTの結果に現れる時間変数を示す。(6)式は、明らかに(4)式とは異なるため、(6)式で表されるタップ係数によって回り込み信号を除去することは不可能であるといえる。したがって、演算切り換えスイッチ28bが逆数演算部24b側に接続されるものとすると、回り込み信号を除去するためのタップ係数が得られないということとなる。
次に、演算切り換えスイッチ28bがバイパス経路25b側に接続した場合について考える。回り込み特性解析部20bでは(5)式の逆数を算出することなく、(5)式の中央の式に基づいてタップ係数が算出される。そのため、タップ係数算出部26bでは、1+C(ω)に基づいてタップ係数が算出されることとなる。すなわち、算出されるタップ係数は、次の(7)式のように表される。
Figure 0004116635
このように算出された、(7)式で表されるタップ係数と(4)式で表されるタップ係数の相違は符号のみである。そこで、演算切り換えスイッチ28bが逆数演算部24b側に接続されているか、バイパス経路25b側に接続されているかをタップ係数算出部26bが認識し、符号補正を行うよう構成することで、(7)に従ってタップ係数を算出することができることとなる。この場合、C(ω)の符号を回り込み特性解析部20aが備えるタップ係数算出部26aから得る構成とすることも可能である。第1の送受信機42は既に定常状態にあり、C(ω)の正確な符号を呈するからである。
このように、第1の送受信機42が現用送受信機として動作しているときに、予備送受信機として動作している第2の送受信機43における演算切り換えスイッチ28bがバイパス経路25b側に接続されることにより、タップ係数算出部26aで算出されているものと同一のタップ係数を容易に算出することができる。すなわち、タップ係数算出部26bは、演算切り換えスイッチ28bがバイパス経路25b側に接続されている状態で、(7)式で表されるタップ係数を算出し、符号補正を行うことで、タップ係数算出部26aで算出されているものと同一のタップ係数を算出するのである。
これによって、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機42側から第2の送受信機43側へ切り換えられると共に回り込み信号が除去された状態とすることができる。そのため、回り込み信号を発生させず、円滑に現用送受信機として動作させる送受信機を第1の送受信機42から第2の送受信機43へと切り換えることができる。
次に、第2の基本技術について図7を参照して説明する。図7に示す中継放送装置の構成部分のうち、図1に示す中継放送装置の構成部分と同一のものについては同一の符号を付してその説明を省略する。なお、本基本技術についても、第1の基本技術と同様、送信機14aおよび14bの増幅利得配分を低減し、送受信機切り換えスイッチ98と送信アンテナ92との間にパワーアンプを挿入する構成とすることが可能である。
基本技術に係る中継放送装置は、送受信機切り換えスイッチ98が予備送受信機側に切り換えられる直前に、現用送受信機側の回り込み特性解析部30の計算結果を、予備送受信機側の回り込み特性解析部30へ受け渡すものである。第1の送受信機42が現用送受信機として、第2の送受信機43が予備送受信機として動作している場合には、回り込み特性解析部30aの計算結果を、回り込み特性解析部30bへ受け渡すこととなる。
回り込み特性解析部30aまたは30bの計算結果としては、フィルタ型回り込み除去器50aまたは50bの出力信号の周波数スペクトラムの計算結果、逆数演算部24aまたは24bの逆数演算結果、タップ係数算出部26aまたは26bが算出したタップ係数等がある。送受信機切り換えスイッチ98が予備送受信機側に切り換えられる直前には、これらの計算結果のうち少なくともいずれかが受け渡される。なお、現用送受信機側の回り込み特性解析部30から予備送受信機側の回り込み特性解析部30へ受け渡す計算結果としては、フィルタ型回り込み除去器50の出力信号の周波数スペクトラムからタップ係数を算出するまでの中間処理過程において生じる計算結果のうち、タップ係数を導き出すことができるものであればいかなるものであってもよい。
図7の第1の送受信機42が現用送受信機として定常状態で動作している場合おいて、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続されたときの動作について説明する。ここでは、スペクトラム解析部22aの計算結果がスペクトラム解析部22bに受け渡される場合をとりあげる。
送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続されると同時あるいはそれに先立って、スペクトラム解析部22aは、フィルタ型回り込み除去器50aが出力する信号の周波数スペクトラムの計算結果をスペクトラム解析部22bへ入力する。これによって、タップ係数算出部26bでは、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後においては、タップ係数算出部26aが算出していたタップ係数と同一のタップ係数が算出されることとなり、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後においても回り込み信号を除去することができる。そのため、回り込み信号を発生させず、円滑に現用送受信機から予備送受信機への切り換えを行うことができる。
なお、逆数演算部24aがスペクトラム解析部22aから入力された信号の逆数値を算出した結果が逆数演算部24bに受け渡される場合には、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続されると同時あるいはそれに先立って、逆数演算部24aの算出結果が逆数演算部24bに入力される。また、タップ係数算出部26aが算出したタップ係数がタップ係数算出部26bに受け渡される場合には、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続されると同時あるいはそれに先立って、タップ係数算出部26aが算出したタップ係数がタップ係数算出部26bに入力される。
また、ここでは、第1の送受信機42が現用送受信機として定常状態で動作している場合おいて、送受信機切り換えスイッチ98が第2の送受信機43の出力側に接続されたときの動作について説明したが、第2の送受信機43が現用送受信機として定常状態で動作している場合おいて、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機42の出力側に接続されたときの動作については、第1の送受信機42と第2の送受信機43とで、計算結果の受け渡しの立場を逆にすれば全く同様にして説明することができる。
以上説明した第1の基本技術および第2の基本技術におけるFIRフィルタ52aおよび52b、ならびにスペクトラム解析部22aおよび22bはデジタル回路で構成される。ディジタル回路は入力されたディジタル信号を、それによって表された2進数に対する演算処理を施した上でディジタル信号として出力するものであり、演算処理は2進数の加算、減算、桁のシフト等に帰着される。2進数の演算処理は、各計算ステップ毎にスイッチング回路を対応付けたハードウエアによって構成することが可能であるが、回路規模が大きくなるためDSP(Digital Signal Processor)等によって構成することが好適である。DSPはあらかじめ作成されたプログラムによって動作する、基本的な演算処理を行う回路を備えたものである。乗算器と加減算器で構成される高速な積和演算器を有しており、各種の命令をステップ毎に実行できるように構成されている。DSPを動作させるためにはプログラムが必要であり、各部の動作に応じたプログラムは周知の技術によって作成される。
次に、第3の基本技術について図8を参照して説明する。図1の中継放送装置と同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。第1の送受信機44は、受信機12a、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60a、送信機14aを備えて構成され、図1の第1の送受信機42におけるフィルタ型回り込み除去器50aを伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aに置き換えた構成となっている。伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aは、加算器54a、可変遅延器62a、可変位相器64a、可変減衰器66aを備えて構成される。また、第2の送受信機45の構成は、第1の送受信機44と同一である。第2の送受信機45が備える構成部分であって第1の送受信機44が備える構成部分と同一のものについては末尾の符号a,bによって区別し、第2の送受信機45については説明を簡略に行う。なお、本基本技術についても、第1の基本技術と同様、送信機14aおよび14bの増幅利得配分を低減し、送受信機切り換えスイッチ98と送信アンテナ92との間にパワーアンプを挿入する構成とすることが可能である。
制御信号生成部80は、制御信号によって可変遅延器62aおよび62bの遅延時間、可変位相器64aおよび64bの位相推移量、可変減衰器66aおよび66bの減衰量を制御する。
ここで、位相推移量とは変調信号の搬送波に対する位相推移量をいい、遅延時間とは変調信号の周波帯域内にわたって一様にもたらされる伝送遅延時間をいう。本基本技術において、遅延時間と位相推移量とを分けて制御するのは、中継放送装置が中継する変調信号の比帯域幅が広い場合、または遅延時間もしくは位相推移量が大きい場合に対処するためである。
変調信号の搬送波に対して位相推移量を変化させる場合、変調信号の帯域幅が狭い場合には変調信号の帯域内における周波数構成に影響を与えることがないため、位相推移量を変化させることは、遅延時間を変化させるものと同一であるとみなすことができる。また、変化させる位相推移量が微少である場合も、帯域内における周波数構成に大きな影響を与えることがないため、位相推移量を変化させることは、遅延時間を変化させるものと同一であるとみなすことができる。しかしながら、変調信号の帯域幅が広い場合または変化させる位相推移量が大きい場合には、位相推移量を変化させることと遅延時間を変化させることとは、物理的な作用が異なるものとして扱うことが好ましい。
そこで、本基本技術においては、可変遅延器62aまたは62b、可変位相器64aまたは64bによって、位相推移量と遅延時間とのいずれをも変化させることを可能とし、帯域幅の広い変調方式に対応することが可能な構成としている。例えば、OFDM変調方式を適用するディジタルテレビ放送の場合、送受信される信号の中心周波数は900MHz未満の周波数であるのに対し、帯域幅は6MHz程度であり非常に広いものである。したがって、本基本技術に係る中継放送装置は、OFDM変調方式の信号の中継放送をするものとして好適であるといえる。
基本技術に係る中継放送装置は、第1の送受信機44については、第1の基本技術あるいは第2の基本技術においてFIRフィルタ52aを用いて相殺信号を生成していたのに代えて、可変遅延器62a、可変位相器64a、可変減衰器66aによって相殺信号を生成するものである。可変遅延器62aは、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aの出力信号の遅延時間を調整して可変位相器64aに入力する。可変位相器64aは、可変遅延器62aから入力された信号の位相を調整して可変減衰器66aに入力する。可変減衰器66aは、可変位相器64aから入力された信号の振幅を調整して加算部54aに入力する。可変遅延器62aの遅延時間、可変位相器64aの位相推移量、および可変減衰器66aでの減衰量は、それぞれ制御信号生成部80から入力される制御信号に従って変化する。
制御信号生成部80から出力される制御信号に従って、可変遅延器62aの遅延時間、可変位相器64aの位相推移量、および可変減衰器66aでの減衰量がそれぞれ調整されることによって、加算器54aには回り込み信号と同振幅逆位相の関係にある相殺信号が入力される。そして、受信機12aから入力された信号に含まれる回り込み波は、加算器54aにおいて相殺信号が加算されることによって除去される。
いま、現用送受信機が第1の送受信機44であるものとする。制御信号生成部80は、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aの出力信号の周波数スペクトラムが図5のように平坦になるように制御信号を漸近的に決定する。具体的には、制御信号生成部80は、可変遅延器62a、可変位相器64a、可変減衰器66aのそれぞれに入力する制御信号の初期値を伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aに入力し、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aの出力信号の周波数スペクトラムの計算結果を記憶する。次に、制御信号を微少変化させたときの出力信号の周波数スペクトラムの計算結果と、記憶されている周波数スペクトラムの計算結果とを比較し、回り込みによる干渉レベルを測定する。制御信号を微少変化させて、先の周波数スペクトラムの計算結果と比較して干渉レベルを測定する1回の処理を単位ステップとし、制御信号を微小変化させつつ単位ステップを繰り返すことで干渉レベルが十分小さくなり、周波数スペクトラムが図5のように平坦になるときの可変遅延器62aの遅延時間、可変位相器64aの位相推移量および可変減衰器66aの減衰量についての条件を見いだす。このような条件が見いだされたとき、第1の送受信機44は定常状態となる。
第1の送受信機44が定常状態である場合において、送受信機切り換えスイッチ98が予備送受信機としての第2の送受信機45側に切り換えられるのと同時あるいはそれに先立って、制御信号生成部80は可変遅延器62a、可変位相器64a、可変減衰器66aのそれぞれに入力していた制御信号と同一の制御信号を、それぞれ可変遅延器62b、可変位相器64b、可変減衰器66bに入力する。これによって、第2の送受信機45の伝送パラメータ制御型回り込み除去器60bでは、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後においては、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aが生成していた相殺信号と同一の相殺信号が生成されることとなり、送受信機切り換えスイッチ98が切り換えられた直後においても回り込み信号を除去することができる。そのため、回り込み信号を発生させず、円滑に現用送受信機から予備送受信機への切り換えを行うことができる。
なお、ここでは第3の基本技術における伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aまたは60bとして、可変遅延器62aまたは62bの遅延時間、可変位相器64aまたは64bの位相推移量および可変減衰器66aまたは66bの減衰量を調整することで相殺信号を生成する構成についてとりあげたが、調整すべきパラメータはこれらのものに限られない。したがって、何らかの動作特性を決定する係数を与えることで特性が決定される一般的な回り込み除去器であれば適用可能である。
以上では、第1の送受信機40,42,44を現用送受信機とし、第2の送受信機41,43,45を予備送受信機とした場合の動作について主に説明したが、第2の送受信機41,43,45を現用送受信機とし、第1の送受信機40,42,44を予備送受信機とした場合についても全く同様の動作を行うことはいうまでもない。
上述の第1から第3の基本技術に係る中継放送装置では、現用送受信機の伝達関数と予備送受信機の伝達関数とが異なる場合には、次のような問題がある。
ここでは第1の基本技術に係る中継放送装置をとりあげてその問題点について説明する。第1の送受信機42が動作する際の回り込み伝達関数をC1(ω)とし、第2の送受信機43が動作する際の回り込み伝達関数をC2(ω)とする。第1の送受信機42の伝達関数と第2の送受信機43の伝達関数とが異なる場合、回り込み伝達関数C1(ω)と、回り込み伝達関数C2(ω)とは異なる値となる。
いま、第1の送受信機42が現用送受信機として動作している場合、演算切り換えスイッチ28aは逆数演算部24aの出力側を選択し、演算切り換えスイッチ28bはバイパス経路25b側を選択している。これによって、タップ係数算出部26aは、−C1(ω)を時間領域で表した値に基づいてFIRフィルタ52aのタップ係数を算出し、タップ係数算出部26bもまた、−C 1 (ω)を時間領域で表した値に基づいてタップ係数を算出する。
この状態において、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機42側から第2の送受信機43側へ切り換えられた場合、演算切り換えスイッチ28aはそれに伴ってバイパス経路25a側に接続され、演算切り換えスイッチ28bはそれに伴って逆数演算部24b側に接続される。このとき、フィルタ型回り込み除去器50bが除去すべき回り込み波による信号は、直接波信号の振幅をAとしたときAC2(ω)と表される信号であるにもかかわらず、加算部54bにFIRフィルタ52bから入力されている信号は、−AC1(ω)と表される信号であるため、AC2(ω)≠AC1(ω)よりフィルタ型回り込み除去器50bは回り込み波による信号を完全に除去することができない。
本発明の実施形態に係る中継放送装置は、このような問題点を解決するためのものである。図9にその構成を示す。第1の基本技術に係る中継放送装置と同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図9の中継放送装置では、第1の送受信機42と送受信機切り換えスイッチ98との間に、可変減衰器47aおよび可変位相器46aが、第2の送受信機43と送受信機切り換えスイッチ98との間に、可変減衰器47bおよび可変位相器46bが設けられている。可変減衰器47aおよび47bならびに可変位相器46aおよび46bのそれぞれは、伝送特性制御部49によって制御される。また、図9の中継放送装置には振幅位相比較部48が設けられており、可変位相器46aおよび46bの出力端は、送受信機切り換えスイッチ98の他、振幅位相比較部48に接続される。
振幅位相比較部48は、第1の送受信機42が可変減衰器47aおよび可変位相器46aを介して出力する直接波信号(以下、第1の出力信号とする。)の振幅と、第2の送受信機43が可変減衰器47bおよび可変位相器46bを介して出力する直接波信号(以下、第2の出力信号とする。)の振幅との差を示す振幅差異信号を生成し、伝送特性制御部49に入力する。伝送特性制御部49は、振幅差異信号が零になるよう、制御信号を可変減衰器47aおよび可変減衰器47bに入力し可変減衰器47aおよび47bの減衰量を制御する。
また、振幅位相比較部48は、第1の出力信号の遅延時間(上位局から送信されてからの遅延時間)と第2の出力信号の遅延時間の差(以下、遅延時間差とする。)を示す遅延時間差異信号を生成し、伝送特性制御部49に入力する。遅延時間差異信号の測定は次の(1)から(5)のいずれかに示すような構成によって行うことが好適である。
(1)中継放送装置が送受信する信号の変調方式がOFDM変調方式である場合、いわゆるガードインターバルが入力される時間を検出することで遅延時間差異信号を生成することができる。一般に、OFDM変調方式の信号は、有効シンボル期間とガードインターバルとから構成される。有効シンボル期間はデータ伝送のために必要な情報を含む信号の期間である。ガードインターバルは、直接波と干渉波とを区別するための時間波形を有する期間であり、有効シンボル期間の一部の時間波形を利用することにより構成される。ガードインターバルは有効シンボル期間の一部の時間波形を示すため、ガードインターバルであると推定される時間帯における時間波形と、そこから所定の時間後に現れる有効シンボル期間に現れる波形の相関値を算出することによって検出することができる。振幅位相比較部48は、第1の出力信号にガードインターバルが現れる時刻と第2の出力信号にガードインターバルが現れる時刻とを検出する。そして、これらの時刻の差を算出することで遅延時間差異信号を生成する。
(2)中継放送装置が送受信する信号が、複数のシンボル符号から構成されるフレーム構成を有しており、そのフレームの中に、当該フレームにおける時間的位置に関する情報を含む同期パターン信号が設けられている場合には、同期パターン信号から取得した情報に基づいて遅延時間差異信号を生成することができる。例えば、ディジタルテレビ放送に用いられる信号には、フレームにおける時間的位置を示すフレーム同期パターン信号が設けられている。振幅位相比較部48は、第1の出力信号にフレーム同期パターン信号が現れる時刻と第2の出力信号にフレーム同期パターン信号が現れる時刻とを検出する。そして、これらの時刻の差を算出することで遅延時間差異信号を生成する。
(3)中継放送装置が送受信する信号に上位局から送信された時刻を示す上位局送信時刻情報が含まれている場合、上位局送信時刻情報に基づいて遅延時間差異信号を生成することができる。振幅位相比較部48は、第1の出力信号に含まれる上位局送信時刻情報が示す時刻と第2の出力信号に含まれる上位局送信時刻情報が示す時刻とを検出する。そして、これらの時刻の差を算出することで遅延時間差異信号を生成する。
(4)第1の出力信号と第2の出力信号とを加算して干渉させた場合、当該加算された信号の周波数スペクトラムには干渉によって減衰点が現れる。この減衰点の周波数間隔は、遅延時間差の逆数に等しくなる。そこで、第1の出力信号と第2の出力信号とを加算して干渉させ、周波数スペクトラムに現れる減衰点の周波数間隔の逆数を算出することで遅延時間差異信号を生成することができる。
(5)第1の出力信号と第2の出力信号とを加算して干渉させた場合、当該加算された信号の周波数スペクトラムを時間領域に変換した波形には遅延時間差の間隔で遅延波が配列される。したがって、当該周波数スペクトラムを時間領域に変換し、配列される遅延波の時間間隔から遅延時間差異信号を生成することができる。
伝送特性制御部49は、遅延時間差異信号から遅延時間差を取得し、遅延時間差に搬送波周波数を乗ずることで、第1の出力信号の位相と第2の出力信号の位相の差(以下、位相差とする。)を算出する。そして、制御信号を可変位相器46aおよび46bに入力し、位相差が零になるようそれぞれの位相推移量を制御する。
このようにして、伝送特性制御部49は、第1の出力信号と第2の出力信号とが同振幅同位相の関係となるよう、可変減衰器47aおよび47bならびに可変位相器46aおよび46bを制御する。この状態においては、第1の送受信機42、可変減衰器47aおよび可変位相器46aを縦続接続した場合の回り込み伝達関数をD11(ω)とし、第2の送受信機43、可変減衰器47bおよび可変位相器46bを縦続接続した場合の回り込み伝達関数をD22(ω)としてD11(ω)=D22(ω)の関係が成立している。
したがって、第1の送受信機42が現用送受信機として動作している状態において、送受信機切り換えスイッチ98が第1の送受信機42側から第2の送受信機43側へ切り換えられ、演算切り換えスイッチ28aおよび演算切り換えスイッチ28bがそれに伴って切り換えられたとき、フィルタ型回り込み除去器50bが除去すべき回り込み波による信号は、直接波信号の振幅をAとしたときAD22(ω)、FIRフィルタ52bから加算部54bに入力されている信号は、−AD11(ω)となる。そして、AD11(ω)=AD22(ω)が成立することによりフィルタ型回り込み除去器50bは回り込み波による信号を除去することができる。
ここでは、第1の送受信機42と送受信機切り換えスイッチ98との間に、可変減衰器47aおよび可変位相器46aが、第2の送受信機43と送受信機切り換えスイッチ98との間に、可変減衰器47bおよび可変位相器46bが設けられている構成について説明したが、可変減衰器47aおよび47b、ならびに可変位相器46aおよび46bを設ける位置はこれに限られるものではない。可変減衰器47aまたは可変位相器46aは、分配器94と第1の送受信機42との間、受信機12aとフィルタ型回り込み除去器50aとの間、フィルタ型回り込み除去器50aと送信機14aとの間のいずれかに設けることができる。同様に、可変減衰器47bまたは可変位相器46bは、分配器94と第2の送受信機43との間、受信機12bとフィルタ型回り込み除去器50bとの間、フィルタ型回り込み除去器50bと送信機14bとの間のいずれかに設けることができる。また、可変減衰器47または可変位相器46は、第1の送受信機42の側と、第2の送受信機43の側のいずれか一方のみに設ける構成とすることも可能である。
なお、ここでは第1の基本技術に係る中継放送装置に、可変減衰器47aおよび47bならびに可変位相器46aおよび46bを設けた構成を本発明の実施形態として説明した。同様の原理により、可変減衰器47aおよび47bならびに可変位相器46aおよび46bを第2の基本技術または第3の基本技術に係る中継放送装置に設けた構成も可能である。
第2の基本技術に係る中継放送装置に、可変減衰器47aまたは可変位相器46aを設ける場合、第1の送受信機42と送受信機切り換えスイッチ98との間、分配器94と第1の送受信機42との間、受信機12aとフィルタ型回り込み除去器50aとの間、フィルタ型回り込み除去器50aと送信機14aとの間のいずれかに設けることができる。同様に、可変減衰器47bまたは可変位相器46bは、第2の送受信機43と送受信機切り換えスイッチ98との間、分配器94と第2の送受信機43との間、受信機12bとフィルタ型回り込み除去器50bとの間、フィルタ型回り込み除去器50bと送信機14bとの間のいずれかに設けることができる。可変減衰器47または可変位相器46は、第1の送受信機42の側と、第2の送受信機43の側のいずれか一方のみに設ける構成とすることも可能である。また、送受信機切り換えスイッチ98に入力される信号は、振幅位相比較部48にも入力される。伝送特性制御部49は、振幅位相比較部48が出力する振幅差異信号および遅延時間差異信号に基づいて、可変減衰器47aおよび47b、ならびに可変位相器46aおよび46bを制御する。
第3の基本技術に係る中継放送装置に、可変減衰器47aまたは可変位相器46aを設ける場合、第1の送受信機44と送受信機切り換えスイッチ98との間、分配器94と第1の送受信機44との間、受信機12aと伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aとの間、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60aと送信機14aとの間のいずれかに設けることができる。同様に、可変減衰器47bまたは可変位相器46bは、第2の送受信機45と送受信機切り換えスイッチ98との間、分配器94と第2の送受信機45との間、受信機12bと伝送パラメータ制御型回り込み除去器60bとの間、伝送パラメータ制御型回り込み除去器60bと送信機14bとの間のいずれかに設けることができる。可変減衰器47または可変位相器46は、第1の送受信機44の側と、第2の送受信機45の側のいずれか一方のみに設ける構成とすることも可能である。また、送受信機切り換えスイッチ98に入力される信号は、振幅位相比較部48にも入力される。伝送特性制御部49は、振幅位相比較部48が出力する振幅差異信号および遅延時間差異信号に基づいて、可変減衰器47aおよび47b、ならびに可変位相器46aおよび46bを制御する。
このような構成によって、現用送受信機側から出力される信号と、予備送受信機側から出力される信号とが同振幅同位相の関係となるようにし、送受信機切り換えスイッチ98を現用送受信機側から予備送受信機側へ切り換えた後における回り込み波の発生を抑制することができる。
1の基本技術に係る中継放送装置を示す図である。 フィルタ型回り込み除去器の出力信号を示す図である。 中継放送装置が形成する伝搬路のモデルを示す図である。 FIRフィルタの構成を示す図である。 回り込み信号が除去されているときの回り込み除去器の出力信号周波数スペクトラムを示す図である。 予備送受信機で受信される信号を示す図である。 2の基本技術に係る中継放送装置を示す図である。 3の基本技術に係る中継放送装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る中継放送装置を示す図である。 中継放送装置の一般的な構成を示す図である。
符号の説明
12a,12b 受信機、14a,14b 送信機、20a,20b,30a,30b 回り込み特性解析部、22a,22b スペクトラム解析部、24a,24b 逆数演算部、25a,25b バイパス経路、26a,26b タップ係数算出部、28a,28b 演算切り換えスイッチ、50a,50b フィルタ型回り込み除去器、52a,52b FIRフィルタ、52a1〜52an 遅延乗算部、54a,54b 加算器、60a,60b 伝送パラメータ制御型回り込み除去器、62a,62b 可変遅延器、40,42,44 第1の送受信機、41,43,45 第2の送受信機、46a,46b,64a,64b 可変位相器、47a,47b,66a,66b 可変減衰器、48 振幅位相比較部、49 伝送特性制御部、70a,70b 回り込み除去器、80 制御信号生成部、82 伝達関数G1(ω)の伝搬路、84 伝達関数G2(ω)の伝搬路、90 受信アンテナ、92 送信アンテナ、94 分配器、98 送受信機切り換えスイッチ。

Claims (10)

  1. 第1の送受信機および第2の送受信機と、
    前記第1の送受信機を用いるか前記第2の送受信機を用いるかを選択する選択手段と、を備え、
    前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のうちいずれか1つを選択して、上位局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の周波数と同一周波数の無線信号を下位局に送信する中継放送装置であって、
    前記第1の送受信機は、前記中継放送装置から送信され前記中継放送装置で受信された回り込み信号を除去する第1の回り込み除去手段を備え、
    前記第2の送受信機は、前記回り込み信号を除去する第2の回り込み除去手段を備え、
    前記第1の回り込み除去手段は、
    回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第1の相殺信号生成部と、
    前記第1の相殺信号生成部が出力した相殺信号を前記中継放送装置で受信された信号に加算する加算部と、
    を備え、
    前記第2の回り込み除去手段は、
    回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第2の相殺信号生成部と、
    前記第2の相殺信号生成部が出力した相殺信号を前記中継放送装置で受信された信号に加算する加算部と、
    を備え、
    前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のそれぞれは、信号を受信し送信するまでの位相推移量を変化させる位相推移変化手段を備え、
    前記中継放送装置は、
    前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することによって、前記第1の送受信機の位相推移量と前記第2の送受信機の位相推移量との差異を低減する位相等化手段を備え、
    前記選択手段が前記第2の送受信機を選択するのに先立って、前記第2の相殺信号生成部は、前記第1の相殺信号生成部が出力していた相殺信号と同振幅同位相の関係にある共通相殺信号を相殺信号として出力することを特徴とする中継放送装置。
  2. 請求項1に記載の中継放送装置であって、
    上位局から送信される無線信号は、ガードインターバルを含むOFDM変調方式の無線信号であり、
    前記位相等化手段は、
    前記第1の送受信機からガードインターバルが出力されるタイミングと前記第2の送受信機からガードインターバルが出力されるタイミングとの差異に基づいて、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することを特徴とする中継放送装置。
  3. 請求項1に記載の中継放送装置であって、
    上位局から送信される無線信号は、無線信号を構成するフレームでの時間的位置検出用のフレーム同期パターン信号を含むOFDM変調方式の無線信号であり、
    前記位相等化手段は、
    前記第1の送受信機からフレーム同期パターン信号が出力されるタイミングと前記第2の送受信機からフレーム同期パターン信号が出力されるタイミングとの差異に基づいて、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することを特徴とする中継放送装置。
  4. 請求項1に記載の中継放送装置であって、
    上位局から送信される無線信号は、上位局送信時刻情報を含むOFDM変調方式の無線信号であり、
    前記位相等化手段は、
    前記第1の送受信機が出力する信号に含まれる上位局送信時刻情報に基づいて、無線信号が上位局から送信され前記第1の送受信機から出力されるまでの第1の遅延時間を求め、前記第2の送受信機が出力する信号に含まれる上位局送信時刻情報に基づいて、無線信号が上位局から送信され前記第2の送受信機から出力されるまでの第2の遅延時間を求め、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間との差異に基づいて、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することを特徴とする中継放送装置。
  5. 請求項1に記載の中継放送装置であって、
    上位局から送信される無線信号はOFDM変調方式の無線信号であり、
    前記位相等化手段は、
    前記第1の送受信機が出力する信号と、前記第2の送受信機が出力する信号とを加算し、加算信号の干渉波成分に基づいて、前記位相推移変化手段における位相推移量を調整することを特徴とする中継放送装置。
  6. 第1の送受信機および第2の送受信機と、
    前記第1の送受信機を用いるか前記第2の送受信機を用いるかを選択する選択手段と、を備え、
    前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のうちいずれか1つを選択して、上位局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の周波数と同一周波数の無線信号を下位局に送信する中継放送装置であって、
    前記第1の送受信機は、前記中継放送装置から送信され前記中継放送装置で受信された回り込み信号を除去する第1の回り込み除去手段を備え、
    前記第2の送受信機は、前記回り込み信号を除去する第2の回り込み除去手段を備え、
    前記第1の回り込み除去手段は、
    回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第1の相殺信号生成部と、
    前記第1の相殺信号生成部が出力した相殺信号を前記中継放送装置で受信された信号に加算する加算部と、
    を備え、
    前記第2の回り込み除去手段は、
    回り込み信号除去のための相殺信号を出力する第2の相殺信号生成部と、
    前記第2の相殺信号生成部が出力した相殺信号を前記中継放送装置で受信された信号に加算する加算部と、
    を備え、
    前記第1の送受信機と前記第2の送受信機のそれぞれは、出力信号のレベルを変化させるレベル変化手段を備え、
    前記中継放送装置は、
    前記レベル変化手段における信号レベル変化量を調整することによって、前記第1の送受信機の出力信号のレベルと前記第2の送受信機の出力信号のレベルとの差異を低減するレベル等化手段を備え、
    前記選択手段が前記第2の送受信機を選択するのに先立って、前記第2の相殺信号生成部は、前記第1の相殺信号生成部が出力していた相殺信号と同振幅同位相の関係にある共通相殺信号を相殺信号として出力することを特徴とする中継放送装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の中継放送装置であって、
    さらに、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択するのに先立って、前記第1の相殺信号生成部は、前記第2の相殺信号生成部が出力していた相殺信号と同振幅同位相の関係にある共通相殺信号を相殺信号として出力し、
    前記第1の相殺信号生成部および前記第2の相殺信号生成部のそれぞれは、
    処理対象信号の周波数スペクトラム信号を求めるスペクトラム解析部と、
    前記スペクトラム解析部によって求められた周波数スペクトラム信号の逆数値を求める逆数演算部と、
    前記スペクトラム解析部の演算結果または前記逆数演算部の演算結果のいずれかを選択する演算選択部と、
    前記演算選択部によって選択された演算結果に基づいてフィルタタップ係数を求めるタップ係数算出部と、
    前記タップ係数算出部によって求められたフィルタタップ係数に基づいて特性が定まるタップ係数フィルタと、
    を備え、
    前記第1の相殺信号生成部のスペクトラム解析部は、
    前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求め、
    前記第2の相殺信号生成部のスペクトラム解析部は、
    前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号の周波数スペクトラム信号を求め、
    前記第1の相殺信号生成部のタップ係数フィルタは、
    前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力し、
    前記第2の相殺信号生成部のタップ係数フィルタは、
    前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号にフィルタ処理を施して相殺信号を出力し、
    前記選択手段が前記第2の送受信機を選択する前に、前記第2の相殺信号生成部の演算選択部は、前記第2の相殺信号生成部が備える周波数スペクトラム解析部の演算結果を選択し、前記選択手段が前記第2の送受信機を選択したときは、前記第2の相殺信号生成部の演算選択部は、前記第2の相殺信号生成部が備える逆数演算部の演算結果を選択し、
    前記選択手段が前記第1の送受信機を選択する前に、前記第1の相殺信号生成部の演算選択部は、前記第1の相殺信号生成部が備える周波数スペクトラム解析部の演算結果を選択し、前記選択手段が前記第1の送受信機を選択したときは、前記第1の相殺信号生成部の演算選択部は、前記第1の相殺信号生成部が備える逆数演算部の演算結果を選択することを特徴とする中継放送装置。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の中継放送装置であって、
    相殺信号生成のための特性決定値を出力する特性決定値生成部を備え、
    前記第1の相殺信号生成部および前記第2の相殺信号生成部のそれぞれは、
    前記特性決定値生成部が出力した特性決定値に基づいて、処理対象信号の特性を変化させて出力する可変伝送特性部を備え、
    前記第1の相殺信号生成部の可変伝送特性部は、
    前記第1の回り込み除去手段によって処理が施された信号の特性を変化させて相殺信号を出力し、
    前記第2の相殺信号生成部の可変伝送特性部は、
    前記第2の回り込み除去手段によって処理が施された信号の特性を変化させて相殺信号を出力し、
    前記選択手段が前記第2の送受信機を選択するのに先立って、前記特性決定値生成部は、前記第1の相殺信号生成部が用いていた特性決定値を前記第2の相殺信号生成部に出力することを特徴とする中継放送装置。
  9. 請求項8に記載の中継放送装置であって、
    前記可変伝送特性部は、
    前記特性決定値としてフィルタタップ係数が与えられることで特性が定まるタップ係数フィルタであることを特徴とする中継放送装置。
  10. 請求項8に記載の中継放送装置であって、
    前記可変伝送特性部は、前記特性決定値に基づいて特性が定まる可変位相器と、前記特性決定値に基づいて特性が定まる可変減衰器と、を備えることを特徴とする中継放送装置。
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