JP2008227973A - 中継装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回り込みキャンセラでの発振状態を迅速に検出したい。
【解決手段】受信部12は、無線信号を受信する。回り込みキャンセラ部20は、受信した無線信号からレプリカ信号を生成しながら、生成したレプリカ信号をフィードバックすることによって、新たに受信した無線信号からレプリカ信号を削除する。送信部30は、レプリカ信号が削除された無線信号を送信する。調査部24は、レプリカ信号が削除された無線信号を調査対象信号として入力し、調査対象信号の平均電力に対する調査対象信号の瞬時電力の比を監視することによって、回り込みキャンセラ部20の動作を調査する。
【選択図】図1
【解決手段】受信部12は、無線信号を受信する。回り込みキャンセラ部20は、受信した無線信号からレプリカ信号を生成しながら、生成したレプリカ信号をフィードバックすることによって、新たに受信した無線信号からレプリカ信号を削除する。送信部30は、レプリカ信号が削除された無線信号を送信する。調査部24は、レプリカ信号が削除された無線信号を調査対象信号として入力し、調査対象信号の平均電力に対する調査対象信号の瞬時電力の比を監視することによって、回り込みキャンセラ部20の動作を調査する。
【選択図】図1
Description
本発明は、中継装置に関し、特に受信した信号の周波数と重複した周波数の信号を送信する中継装置に関する。
テレビジョン放送で、放送波を送信する親局放送機の他に、放送エリアの拡大を目的として、放送波を無線受信しこれを増幅して無線送信する中継放送機が使用される。このような中継放送機では、視聴者装置におけるゴーストの発生等の信号干渉の問題を避けるため、受信する際の周波数と送信する際の周波数とに対して、異なる無線周波数の使用が好ましい。しかしながら、ディジタル地上波テレビジョン放送では、いわゆる単一周波数ネットワーク(SFN:Single Frequency Network)を実現すべく、受信する際の周波数と送信する際の周波数とに対して、同一の無線周波数の使用が望まれている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−60924号公報
このように受信と送信に対して同一の無線周波数を使用する中継放送機では、回り込み波の影響によって特性が悪化してしまう。このような回り込み波は、送信された信号が再び受信されることによって生じる。回り込み波の影響を低減するためには、回り込みキャンセラの使用が有効である。回り込みキャンセラは、送信すべき信号から回り込み波のレプリカを生成し、受信した信号からレプリカを減じる。このような回り込みキャンセラは、空間閉ループにて使用されるので、回り込み波を削除できなくなったとき、ループ回路での発振状態に陥る可能性がある。発振状態に陥ると多大な電力による送信がなされるので、自局から送信される無線信号に影響が及ぼされる。さらに、それ以外に、他局から送信される無線信号にも影響を及ぼすおそれがある。そのため、回り込みキャンセラには、発振状態を検知するための機能が要求されるが、発振状態の検知は、迅速になされる方が好ましい。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、回り込みキャンセラでの発振状態の検知が迅速なされる中継装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の中継装置は、無線信号を受信する受信部と、受信部において受信した無線信号からレプリカ信号を生成しながら、生成したレプリカ信号をフィードバックすることによって、新たに受信した無線信号からレプリカ信号を削除するキャンセラ部と、キャンセラ部においてレプリカ信号が削除された無線信号を送信する送信部と、キャンセラ部においてレプリカ信号が削除された無線信号を調査対象信号として入力し、調査対象信号を監視することによって、キャンセラ部の動作を調査する調査部と、を備える。
この態様によると、調査対象信号を監視するので、発振状態の検知を迅速に実行できる。
調査部は、調査対象信号の平均電力を導出した後、導出した平均電力を監視してもよい。この場合、調査対象信号そのものではなく、調査対象信号の平均電力を監視するので、キャンセラ部の動作の変化を検出しやすくなり、発振状態の検知を迅速に実行できる。
本発明の別の態様もまた中継装置である。この装置は、無線信号を受信する受信部と、受信部において受信した無線信号からレプリカ信号を生成しながら、生成したレプリカ信号をフィードバックすることによって、新たに受信した無線信号からレプリカ信号を削除するキャンセラ部と、キャンセラ部においてレプリカ信号が削除された無線信号を送信する送信部と、キャンセラ部においてレプリカ信号が削除された無線信号を調査対象信号として入力し、調査対象信号の平均電力に対する調査対象信号の瞬時電力の比を監視することによって、キャンセラ部の動作を調査する調査部と、を備える。
この態様によると、調査対象信号そのものではなく、調査対象信号の平均電力に対する調査対象信号の瞬時電力の比を監視するので、キャンセラ部の動作の変化を検出しやすくなり、発振状態の検知を迅速に実行できる。
調査部は、比がしきい値よりも大きくなった後、所定の期間内に比がしきい値よりも大きくなれば、キャンセラ部が発振状態にあるとの調査結果を生成してもよい。この場合、比がしきい値よりも複数回大きくなった場合に、発振状態の検出とするので、誤検出を抑制できる。
調査部は、比がしきい値よりも大きくなる回数に応じて、しきい値を段階的に大きくしてもよい。この場合、しきい値を段階的に大きくするので、誤検出を抑制できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、回り込みキャンセラでの発振状態の検知を迅速に実行できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、SFNに対応したディジタル地上波テレビジョン放送において、受信した無線信号を増幅した後に送信する中継装置に関する。中継装置には、回り込みキャンセラ機能が備えられている。本実施例に係る中継装置は、回り込みキャンセラでの発振状態を迅速に検出するために、以下の処理を実行する。回り込みキャンセラでは、受信した無線信号からレプリカ信号を生成し、レプリカ信号をフィードバックしながら、新たに受信した無線信号からレプリカ信号を削除する(以下、レプリカ信号を削除した信号を「処理信号」という)。
処理信号は、送信されるとともに、調査対象信号として、回り込みキャンセラの発振状態を検出するために使用される。中継装置は、調査対象信号に対して移動平均を実行することによって、平均電力を順次導出する。また、中継装置は、調査対象信号の瞬時電力と平均電力との比を計算し、比としきい値とを比較する。さらに、比がしきい値をこえた後、所定の期間内に、比がしきい値をこえた場合に、中継装置は、発振状態を検出したと結論づける。
図1は、本発明の実施例に係る中継装置100の構成を示す。中継装置100は、受信用アンテナ10、受信部12、乗算部14、発振部16、AD部18、回り込みキャンセラ部20、等化部22、調査部24、DA部26、乗算部28、送信部30、送信用アンテナ38、制御部40を含む。また、回り込みキャンセラ部20は、加算部32、FIRフィルタ部34、推定部36を含む。
受信部12は、受信用アンテナ10を介して、無線信号を受信する。また、無線信号は複数のチャネルによって形成されており、複数のチャネルは周波数多重されている。また、無線信号、つまり複数のチャネルの信号のそれぞれは、SFNに対応している。ここで、実施例に係る放送システムは、ISDB−T(Terrestrial Integrated Services Digital Broadcasting)方式に対応しているとする。そのため、ひとつのチャネルは、13セグメントに周波数分割されている。また、13セグメントがひとつの番組に割り当てられている場合もあれば、1セグメントと残りの12セグメントが別の番組に割り当てられている場合もある。受信部12は、BPF(Band−Pass Filter)を備えており、受信した無線信号に対して、複数のチャネル全体の帯域外の部分を減衰させる。また、受信部12は、LNA(Low−Noise Amplifier)を備えており、BPFからの無線信号を増幅する。なお、受信部12は、複数のチャネルのうち、中継すべきチャネルを抽出してもよい。
乗算部14には、受信部12からの放送周波数帯域の信号の他、発振部16からの局部発振信号も入力される。乗算部14は、放送周波数帯域の信号に局部発振信号を乗じて放送周波数帯域の信号を中間周波数帯域の信号(以下、「中間信号」という)に変換する。なお、乗算部14は、直交検波によって、ベースバンド帯域の信号への変換を実行してもよく、その場合、変換されたベースバンド帯域の信号が「中間信号」とよばれてもよい。AD部18は、中間信号をディジタル信号に変換し、回り込みキャンセラ部20に出力する。
回り込みキャンセラ部20は、中間信号からレプリカ信号を生成する。また、回り込みキャンセラ部20は、生成したレプリカ信号をフィードバックすることによって、新たに入力した中間信号からレプリカ信号を削除する。ここでは、このような回り込みキャンセラ部20の構成をさらに詳しく説明する。加算部32は、AD部18から中間信号を入力し、後述のFIRフィルタ部34からレプリカ信号の反転成分を入力し、両者を加算する。当該加算が、前述の中間信号からレプリカ信号の削除に相当する。なお、レプリカ信号とは、後述する送信用アンテナ38から送信された無線信号が、回り込みながら受信用アンテナ10において受信される場合に、受信された無線信号の模擬信号に相当する。また、加算部32は、中間信号からレプリカ信号を削除した信号を処理信号として出力する。
等化部22は、加算部32からの処理信号に対して等化処理を実行する。等化処理には、公知の技術が使用されればよいが、等化部22は、図示しない送信装置から受信用アンテナ10の間において、無線信号が受けるマルチパスの影響を低減する。例えば、等化部22は、FIRフィルタによって構成されている。等化部22は、等化処理した処理信号を等化信号として出力する。FIRフィルタ部34は、複数のタップにて構成されており、等化部22からの等化信号を受けつけ、受けつけた等化信号を順次遅延させる。また、等化部22は、推定部36から設定されたタップ係数と、等化信号との間において畳み込み積分を実行する。畳み込みの結果が、前述のレプリカ信号に相当し、FIRフィルタ部34は、レプリカ信号を反転しながら出力する。
推定部36は、FIRフィルタ部34における複数のタップのそれぞれに対するタップ係数を導出する。推定部36において導出される複数のタップ係数は、送信用アンテナ38から受信用アンテナ10へ至る回り込み波の伝送路特性に相当する。推定部36は、タップ係数、つまり伝送路特性を導出するために、一例として以下の処理を実行する。中継装置100による中継処理を中止した状態において、送信部30から既知のパターンの信号を送信する。受信部12は、既知のパターンの信号を受信する。推定部36は、受信した信号と、予め記憶した既知のパターンの信号とをもとに、相関処理を実行することによって、伝送路特性を導出する。なお、相関処理の代わりに、LMSアルゴリズム等の適応アルゴリズムが使用されてもよい。一方、中継装置100が中継処理を実行している間、推定部36は、動作を停止してもよい。
DA部26は、等化部22からの等化信号をアナログ信号に変換し、乗算部28に入力する。乗算部28は、前述の乗算部14と逆の処理を実行することによって、等化信号を放送周波数帯域の信号へ周波数変換する。なお、乗算部14と同様に乗算部28にも発振部16からの局部発振信号が入力されているので、SFNに対応する。送信部30は、乗算部28からの放送周波数帯域の信号を増幅し、送信用アンテナ38から送信する。
調査部24は、加算部32からの処理信号を調査対象信号80として入力する。調査部24は、調査対象信号80に対して移動平均を実行し、平均電力値をしきい値と比較する。ここで、移動平均は、例えば2048サンプルにて使用される。これは、ISDB−Tのモード3における1シンボルの期間の1/4に相当する。また、平均電力値がしきい値より大きくなった場合に、調査部24は、発振状態であると結論づける。調査部24は、発振状態を検知した場合、中継装置100の動作を停止させてもよいし、図示しないランプを点灯させたりしてもよい。制御部40は、中継装置100の動作を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図2は、調査部24において処理される信号を示す。図2は、実記による実験結果を示しており、D/Uを−20dBに設定した実験がなされている。縦軸には、平均電力値が示されており、横軸には、時間が示されている。また、図2は、110μsにわたる平均電力値の時間変化が示されている。なお、1サンプルは、約0.123μsである。図2においては、0μsの近傍において、平均電力値が急激に増加している。より詳細に説明すると、平均電力値は、約0.2μsの期間に4dB以上変動している。調査部24でのしきい値が「58dB」に設定されていれば、調査部24は、約0μsの近傍において発振を検出できる。
図1において説明した調査部24は、図2のごとく動作する。ここでは、このような調査部24よりも高速に発振状態を検出可能な調査部24の構成を説明する。図3は、調査部24の構成を示す。調査部24は、移動平均部50、比計算部52、比較部54、しきい値保持部56、判定部58を含む。
調査部24は、調査対象信号80を入力する。移動平均部50は、図1での調査部24と同様に、調査対象信号80に対して移動平均を実行することによって、平均電力値を導出する。比計算部52は、調査対象信号80から平均電力値を入力するとともに、調査対象信号80の瞬時電力値も入力する。ここで、瞬時電力値は、1サンプルにおける電力値に相当する。また、比計算部52は、平均電力値に対する瞬時電力値の比を導出する。つまり、比計算部52は、瞬時電力値を平均電力値によって除算することによって、比を計算する。比計算部52は、計算した比を比較部54に順次出力する。
比較部54は、比計算部52から比を順次入力することによって、比を監視する。また、比較部54は、しきい値保持部56から、しきい値保持部56に保持されているしきい値を入力する。比較部54は、比としきい値とを比較する。比較部54は、比がしきい値よりも大きくなった場合に、その通知を判定部58に出力する。
判定部58は、比較部54から前述の通知を受けつける。判定部58は、通知を受けつけ後、所定の期間内に新たな通知を再び受けつければ、発振状態にあるとの判定を行う。つまり、判定部58は、比がしきい値よりも大きくなった後、所定の期間内に比がしきい値よりも再び大きくなれば、回り込みキャンセラ部20が発振状態にあるとの調査結果を生成する。ここで、所定の期間は、図1のDA部26、乗算部28、送信部30、送信用アンテナ38を介して送信された信号が、受信用アンテナ10に回り込んで受信され、受信部12、乗算部14、AD部18、加算部32、等化部22を通過する際の処理遅延を考慮して決定される。これは、回り込み波に対する処理遅延に相当する。つまり、これらの処理遅延よりも長くなるように所定の期間が設定される。
図4は、比較部54に入力される信号を示す。図4の横軸は、図2と同様に示されるが、図4の縦軸は、比の電力値を示す。図示のごとく、比の電力値は、定期的に大きくなっている。定期的に大きくなっている電力値の間隔は、所定の期間を定めるための基礎にされた処理遅延にほぼ一致する。回り込みキャンセラ部20において除去されない回り込み波が処理遅延時間ごとに蓄積されていき、最終的に発振状態になってしまう。比計算部52において、平均電力値に対する瞬時電力値の比が導出されており、これは、平均電力値の時間微分に相当する。
そのため、回り込み波の蓄積による電力値の増加において、増加するタイミング、つまり電力値が大きく変化するタイミングにて、図4のごとく、電力値のピークが発生する。図1の調査部24での動作は、図4のしきい値を「30dB」に設定することに相当する。そのため、図4の「D点」において、発振状態が検出される。一方、図3のしきい値保持部56において、しきい値は、「10dB」に設定される。そのため、図4「B点」において、発振状態が検出され、高速な発振状態の検出が可能になる。このように、平均電力値ではなく、比を計算することによって、階段状の電力値の変化をピークの発生に変えることができるので、しきい値を小さくできる。そのため、高速に発振状態が検出される。
以上の構成による調査部24の動作を説明する。図5は、調査部24による検出手順を示すフローチャートである。調査部24は、調査対象信号80を入力する(S10)。移動平均部50は、移動平均を計算する(S12)。比計算部52は、比を計算する(S14)。比較部54において比がしきい値よりも大きければ(S16のY)、判定部58はタイマーをスタートさせる(S18)。期間内に比がしきい値よりも大きくなれば(S20のY)、判定部58は、発振状態を検出する(S22)。一方、比較部54において比がしきい値よりも大きくない場合(S16のN)、あるいは期間内に比がしきい値よりも大きくない場合(S20のN)、ステップ18からステップ22の処理がスキップされる。信号が継続していれば(S24のY)、ステップ10に戻り、信号が継続していなければ(S24のN)、処理は終了される。
以下に変形例を説明する。変形例に係る中継装置100は、実施例と同様に発振状態を検知する。ここでは、これまでよりも詳細に発振状態について考察する。発振状態は、おもにふたつの状態に分類される。ひとつは、発振限界に近い場合であり、もうひとつは、発振限界を大きく超えた場合である。また、図3の調査部24は、平均電力値に対する瞬時電力値の比をしきい値と比較するので、瞬時の変動を検出しやすくなり、前者の場合の検出に適している。一方、図1の調査部24は、調査対象信号80に対して移動平均を実行し、平均電力値をしきい値と比較するので、全体的な変動を検出しやすくなり、後者の検出に適している。変形例に係る調査部24は、両方の場合を検出するために、図1の調査部24での比較と図3の調査部24での比較をともに実行し、いずれかがしきい値よりも大きくなった場合に、発振状態にあると結論づける。
図6は、本発明の変形例に係る調査部24の構成を示す。調査部24に含まれる構成要素は、図3の調査部24に含まれる構成要素と同一である。比較部54は、比計算部52から順次入力した比と、しきい値保持部56からのしきい値とを比較する。さらに、比較部54は、移動平均部50から順次入力した平均電力値と、しきい値保持部56からのしきい値とを比較する。ここで、比と比較するためのしきい値と、平均電力値と比較するためのしきい値とは、異なった値でもよい。さらに、比がしきい値よりも大きくなった場合、あるいは平均電力値がしきい値よりも大きくなった場合に、その旨を判定部58に通知する。
図7(a)−(d)は、比較部54に入力される値の時間変化を示す。図7(a)は、発振限界に近い場合の平均電力値を示し、図7(b)は、発振限界に近い場合の比を示す。両方とも、横軸に時間が示され、縦軸に電力が示される。図7(a)において、急激な電力変動が確認されるが、一般的にこのような変動の検知は困難である。一方、図7(b)において、前述のごとく、回り込み波の遅延時間ごとに、つまり周期的に電力が増加する。このような変動には、法則性があるので、検知が可能である。例えば、比が10dB以上になった後、13.5μsから30μsの間に、比が13.5dB以上になった場合に、判定部58は、発振状態であると判定する。
図7(c)は、発振限界を大きく超えた場合の平均電力値を示し、図7(d)は、発振限界を大きく超えた場合の比を示す。図7(c)において、緩やかな電力変動が確認されており、一般的にこのような変動の検知は可能である。例えば、1.5dB/250μsよりも大きい変動が合った場合に、判定部58は、発振状態であると判定する。一方、図7(d)において、変動特性に法則性がないので、変動の検知は困難である。以上より、図7(b)と図7(c)のような検知を実行することによって、発振状態の検出精度が向上する。
本発明の実施例によれば、調査対象信号そのものではなく、調査対象信号の平均電力に対する調査対象信号の瞬時電力の比を監視するので、回り込みキャンセラ部の動作の変化を検出しやすくなり、発振状態の検知を迅速に実行できる。また、調査対象信号では、発振状態になったときの電力値の変化が階段状になるのに対して、比では、ピーク状になるので、変化を容易に検出できる。また、変化を容易に検出できるので、しきい値を小さくできる。しきい値が小さくなるので、発振状態を高速に検出できる。また、比がしきい値よりも複数回大きくなった場合に、発振状態の検出とするので、誤検出を抑制できる。回り込み波の処理遅延時間を所定期間に設定するので、発振状態の検出精度を向上できる。また、比と平均電力値とのいずれかがしきい値よりも大きくなった場合に、発振状態を検出するので、発振限界に近い場合および発振限界を大きく超えた場合の検出精度を向上できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、しきい値保持部56は、しきい値を保持しているが、しきい値として固定の値が設定されている。しかしながらこれに限らず例えば、しきい値保持部56は、複数のしきい値を保持しており、比較部54において使用されるしきい値は、比がしきい値よりも大きくなる回数に応じて、段階的に大きくされてもよい。つまり、比がしきい値よりも大きくなると、所定の期間内において比としきい値との比較が再びなされるが、その際のしきい値は、最初に設定されたしきい値よりも大きくなるように設定される。なお、所定の期間内において、比がしきい値よりも大きくならなければ、比較部54では、もとのしきい値に戻される。本変形例によれば、しきい値を段階的に大きくするので、誤検出を抑制できる。
本発明の実施例において、しきい値保持部56では、比がしきい値よりも少なくとも2回大きくなった場合に、発振状態を検出したと結論づけている。しかしながらこれに限らず例えば、比がしきい値よりも大きくなった場合、しきい値保持部56は、直ちに発振状態を検出したと結論づけてもよい。本変形例によれば、発振状態の検出をさらに高速にできる。また、装置構成を簡易にできる。
本発明の実施例において、調査部24は、調査対象信号80に対して移動平均を実行し、平均電力値をしきい値と比較する。しかしながらこれに限らず例えば、調査部24は、調査対象信号80に対して移動平均以外の処理を実行してもよい。移動平均以外の処理には、分散値を導出するなどの統計処理や、統計処理を実行しないことが含まれる。本変形例によれば、要求される精度に応じた処理を実行できる。
10 受信用アンテナ、 12 受信部、 14 乗算部、 16 発振部、 18 AD部、 20 回り込みキャンセラ部、 22 等化部、 24 調査部、 26 DA部、 28 乗算部、 30 送信部、 32 加算部、 34 FIRフィルタ部、 36 推定部、 38 送信用アンテナ、 40 制御部、 100 中継装置。
Claims (2)
- 無線信号を受信する受信部と、
前記受信部において受信した無線信号からレプリカ信号を生成しながら、生成したレプリカ信号をフィードバックすることによって、新たに受信した無線信号からレプリカ信号を削除するキャンセラ部と、
前記キャンセラ部においてレプリカ信号が削除された無線信号を送信する送信部と、
前記キャンセラ部においてレプリカ信号が削除された無線信号を調査対象信号として入力し、調査対象信号を監視することによって、前記キャンセラ部の動作を調査する調査部と、
を備えることを特徴とする中継装置。 - 前記調査部は、調査対象信号の平均電力を導出した後、導出した平均電力を監視することを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
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