JP2001223663A - 回り込みキャンセラ - Google Patents

回り込みキャンセラ

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JP2001223663A JP2000029597A JP2000029597A JP2001223663A JP 2001223663 A JP2001223663 A JP 2001223663A JP 2000029597 A JP2000029597 A JP 2000029597A JP 2000029597 A JP2000029597 A JP 2000029597A JP 2001223663 A JP2001223663 A JP 2001223663A
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健一郎 林
Teiji Kageyama
定司 影山
Toru Takase
徹 高瀬
Katsuyuki Kawase
克行 川瀬
Koichiro Imamura
浩一郎 今村
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Panasonic Holdings Corp
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Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回り込みキャンセラにおいて、変動の速い回
り込みを高精度にキャンセルすることを可能とする。 【解決手段】 減算器31は、受信波からFIRフィル
タ37の出力を減算することで回り込み観測信号を算出
する。FIRフィルタ37は、回り込み観測信号に対し
てフィルタ処理を施す。FFT回路32は、回り込み観
測信号をフーリエ変換する。回り込み伝送路推定部33
は、FFT出力から回り込み波の伝達関数とFIRフィ
ルタ37の伝達関数との差分の伝達関数を算出する。I
FFT回路34は、差分伝達関数を逆フーリエ変換する
ことでインパルス応答データを算出する。係数更新回路
35は、インパルス応答データからFIRフィルタ37
のフィルタ係数を生成する。ここで、伝送路特性推定部
は、間引き処理回路333を備えており、IFFT回路
へ出力するデータ数をFFT回路から入力されるデータ
数よりも削減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回り込みキャンセ
ラに関し、より特定的には、親局から伝送されてくるO
FDM伝送方式を用いたデジタル放送波を中継して他の
箇所に伝送する中継放送所において、受信アンテナと送
信アンテナとの間に介挿され、受信アンテナで受信され
た受信波から回り込み波をキャンセルして送信アンテナ
に受け渡すための回り込みキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】OFDM(Orthogonal Fr
equency DivisionMultiplex
ing:直交周波数分割多重)伝送方式は、伝送すべき
デジタルデータによって互いに直交する多数のキャリア
を変調し、それらの変調波を多重して伝送する方式であ
る。OFDM伝送方式は、使用するキャリアの数を数百
から数千と多くするとシンボル時間が極めて長くなるこ
と、および有効シンボル期間後部の信号の複製をガード
期間信号として有効シンボル期間の前に付加することに
より、遅延波の影響を受けにくいという特徴を有してい
る。そしてこの特徴により、OFDM伝送方式には、単
一周波数による放送ネットワーク、すなわちSFN(S
ingle Frequency Network:単
一周波数ネットワーク)を構築できる可能性があること
から、地上デジタル放送の有望な伝送方式として注目さ
れている。
【0003】SFNの実現方法としては、放送波とは別
の回線(光ファイバーやマイクロ波等)を用いて、各々
の中継放送所まで信号を伝送し、同一周波数で送信する
方法が技術的に容易である。しかし、光ファイバーを用
いる方法では回線コストが課題となり、マイクロ波を用
いる方法では新たな周波数資源の確保が必要となる。そ
のため、コスト的に有利で、かつ、新たな周波数資源を
必要としない放送波中継によるSFNの実現が望まし
い。
【0004】放送波中継SFNの実現にあたっては、送
信アンテナから発射される電波が受信アンテナに回り込
む現象のため、伝送路特性の劣化や増幅器の発振等の問
題を引き起こすことが懸念されている。
【0005】放送波中継SFNの回り込みに対する対策
としては、(1)送信アンテナと受信アンテナとを分離
して配置し、山岳や建物等による遮蔽を利用して回り込
みを低減する、(2)送信アンテナおよび受信アンテナ
の指向特性を改善することにより回り込みを低減する、
(3)回路技術によって回り込みのキャンセルを行な
う、等の方法が考えられる。しかしながら、山岳や建物
の状況は様々であり、また、アンテナの指向特性改善に
よる対策だけでは十分な回り込みの抑制が期待できな
い。そのため、(1)(2)の対策に加えて、(3)の
回路技術を用いた回り込みキャンセラを併用することが
効果的である。
【0006】このような回路技術としては、受信したO
FDM信号から回り込み伝送路の周波数特性を推定し、
推定した回り込み伝送路の周波数特性データをIFFT
(Inverse Fast Fourier Tra
nsform:逆高速フーリエ変換)して時間軸のイン
パルス応答データに変換し、そのインパルス応答データ
をフィルタ係数としてトランスバーサルフィルタに設定
することで回り込みの複製信号を作成し、この複製信号
を受信した信号から減算することで回り込みをキャンセ
ルする手法が考案されている(例えば、電子情報通信学
会技術報告、EMCJ98−111、第49頁〜第56
頁、あるいは、映像情報メディア学会技術報告、第23
巻、第39号、第1頁〜第6頁を参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】OFDM伝送方式を用
いた地上デジタル放送においては、SFNを構築する際
の置局条件を緩和するために、シンボル時間を長く(す
なわち、使用するキャリアの数を多く)し、遅延時間の
大きな遅延波の影響を軽減している。
【0008】しかしながら、キャリアの数が多くなる
と、IFFT回路に入力される周波数特性データのポイ
ント数が多くなり、インパルス応答データ算出の時間が
長くなるため、トランスバーサルフィルタのフィルタ係
数の更新間隔が長くなる。
【0009】ところが、回り込みの状況が短い周期で変
動しても高精度にキャンセルするためには、トランスバ
ーサルフィルタのフィルタ係数の更新間隔を短くするこ
とが必要であり、そこに技術的ジレンマが存在してい
た。
【0010】それ故に、本発明の目的は、変動の速い回
り込みを高精度にキャンセルすることが可能な回り込み
キャンセラを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特
徴を有している。すなわち、本発明は、親局から伝送さ
れてくる親局波であるOFDM伝送方式を用いたデジタ
ル放送波を中継して他の箇所に伝送する中継放送所にお
いて、受信アンテナと送信アンテナとの間に介挿され、
受信アンテナで受信された受信波から回り込み波をキャ
ンセルして送信アンテナに受け渡すための回り込みキャ
ンセラであって、親局波と回り込み波とが加算された状
態で受信される受信アンテナの受信波から、回り込み波
の複製信号を減算することにより回り込み観測信号を算
出し、当該回り込み観測信号を送信信号として送信アン
テナに出力する減算器と、減算器の出力に対してフィル
タ処理を施すことにより、回り込み波の複製信号を生成
して減算器に出力するトランスバーサルフィルタと、減
算器の出力をフーリエ変換することにより、時間軸上の
データである回り込み観測信号を周波数軸上のキャリア
データに変換するFFT回路と、FFT回路の出力か
ら、回り込み波の伝達関数とトランスバーサルフィルタ
の伝達関数との差分の伝達関数を算出する回り込み伝送
路推定部と、回り込み伝送路推定部の出力を逆フーリエ
変換することにより、インパルス応答データを算出する
IFFT回路と、IFFT回路の出力に基づいてフィル
タ係数を生成し、トランスバーサルフィルタに設定する
係数更新回路とを備え、伝送路特性推定部は、間引き処
理回路を含み、間引き処理回路は、トランスバーサルフ
ィルタに設定するフィルタ係数のデータ数をm(mは正
の整数)、aを正の整数としたときに、IFFT回路へ
出力するデータ数を、FFT回路から入力されるデータ
数n(nは正の整数)から n’=n/2a ≧m を満たす正の整数n’に間引くことを特徴とする。
【0012】上記のように、本発明による回り込みキャ
ンセラは、回り込み伝送路特性を推定しトランスバーサ
ルフィルタのフィルタ係数に変換するIFFT回路に入
力する回り込み伝送路の周波数特性データのデータ数を
間引くことによって削減するようにしているので、トラ
ンスバーサルフィルタのフィルタ係数生成時間を短縮す
ることができ、トランスバーサルフィルタのフィルタ係
数を高速に更新させることが可能になる。その結果、変
動の速い回り込みを高精度にキャンセルすることが可能
な回り込みキャンセラを実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1を用いて説明する。なお、以下の説明における
信号や伝達関数の表示については、大文字が複素数、小
文字が実数をそれぞれ表すものとし、ωは角周波数、t
は時間をそれぞれ表すものとする。
【0014】図1は、本発明の一実施形態に係る回り込
みキャンセラを用いた中継放送所システムの概略的な構
成を示すブロック図である。図1中において、X(ω)
は親局からの希望波、R(ω)は受信変換部2の入力信
号、S(ω)は送信変換部4の入力信号、G1(ω)は
受信変換部2の伝達関数、G2(ω)は送信変換部4の
伝達関数、C(ω)は回り込み伝送路6の伝達関数、
C’(ω)はFIRフィルタ37の伝達関数をそれぞれ
表す。
【0015】図1において、受信アンテナ1は、親局
(図示せず)からの希望波X(ω)と回り込み伝送路6
からの回り込み波C(ω)G2(ω)S(ω)との合成
波を受信する。この受信アンテナ1の出力R(ω)は、
受信変換部2に供給される。
【0016】受信変換部2は、受信信号R(ω)に対し
て、フィルタ処理や周波数変換処理等を行う。この受信
変換部2の出力G1(ω)R(ω)は、回り込みキャン
セラ3内部の減算器31の第1の入力に供給される。こ
こで、回り込み波の成分は、C(ω)G1(ω)G2
(ω)S(ω)となる。
【0017】回り込みキャンセラ3の内部において、減
算器31は、受信変換部2の出力G1(ω)R(ω)か
らFIRフィルタ37の出力C’(ω)S(ω)を減じ
ることにより、回り込み観測信号S(ω)を生成する。
この減算器31の出力S(ω)は、FIRフィルタ37
の第1の入力およびFFT回路32に供給されるととも
に、回り込みキャンセラ3の出力として、送信変換部4
に供給される。
【0018】FFT(Fast Fourier Tr
ansform:高速フーリエ変換)回路32は、回り
込み観測信号S(ω)から有効シンボル期間を抽出しF
FTすることにより、時間軸上のデータである回り込み
観測信号S(ω)を周波数軸上のキャリアデータに変換
する。このFFT回路32の出力は、回り込み伝送路推
定部33内部の周波数特性算出回路331に供給され
る。
【0019】回り込み伝送路推定部33内部において、
周波数特性算出回路331は、FFT回路32の出力に
含まれる各キャリアデータから、周波数特性データF
(ω)を算出する。この周波数特性算出回路331の出
力F(ω)は、主波成分抽出回路332および間引き処
理回路333に供給される。
【0020】主波成分抽出回路332は、周波数特性デ
ータF(ω)から希望波の成分である主波成分Dを算出
する。この主波成分抽出回路332の出力Dは、キャン
セル残差演算回路334の第1の入力に供給される。
【0021】間引き処理回路333は、周波数特性デー
タF(ω)のサンプル数を2のa乗分の1(aは正の整
数)に間引くことにより、周波数特性データF’(ω)
を生成する。この間引き処理回路333の出力F’
(ω)は、キャンセル残差演算回路334の第2の入力
に供給される。
【0022】キャンセル残差演算回路334は、主波成
分Dと周波数特性データF’(ω)とを用いて、実際の
回り込みの伝達関数C(ω)G1(ω)G2(ω)とF
IRフィルタ37の伝達関数C’(ω)との差分の伝達
関数E(ω)を算出する。このキャンセル残差演算回路
334の出力E(ω)は、回り込み伝送路推定部33の
出力として、IFFT回路34に供給される。ここで、
伝達関数E(ω)は、次式(1)により求められ、その
データ数は、F’(ω)のデータ数と等しくなる。 E(ω)=1−D/F’(ω) …(1)
【0023】IFFT回路34は、差分伝達関数E
(ω)をIFFTし、インパルス応答データH(t)に
変換する。このIFFT回路34の出力H(t)は、係
数更新回路35の第1の入力に供給される。ここで、H
(t)のデータ数は、E(ω)のデータ数、すなわち
F’(ω)のデータ数と等しくなる。
【0024】係数更新回路35は、インパルス応答デー
タH(t)および遅延回路36の出力W’(t)を用い
て、新しいフィルタ係数W(t)を算出する。この係数
更新回路35の出力W(t)は、FIRフィルタ37の
第2の入力および遅延回路36に供給される。ここで、
W(t)は、更新係数をμ(μは、通常、0<μ≦1を
満たす実数)、FIRフィルタ37のフィードバック遅
延を考慮したオフセット値をt0とすると、次式(2)
により求められる。 W(t)=W’(t)+μH(t+t0) …(2)
【0025】ここで、W(t)のデータ数は、FIRフ
ィルタ37のタップ数に等しく、IFFT回路34の出
力H(t)のデータ数よりも少ない。すなわち、係数更
新回路35は、IFFT回路34の出力H(t)からF
IRフィルタ37のタップ数分のデータを切り出して上
式(2)の係数更新を行っている。
【0026】遅延回路36は、フィルタ係数W(t)に
対し、係数更新回路35の係数更新間隔分の遅延を施
す。この遅延回路36の出力は、係数更新回路35の第
2の入力に供給される。
【0027】FIRフィルタ37は、回り込み観測信号
S(ω)に対しフィルタ係数W(t)によるフィルタ処
理(その伝達関数はC’(ω))を施すことにより、回
り込み複製信号C’(ω)S(ω)を生成する。このF
IRフィルタ37の出力は、減算器31の第2の入力に
供給される。
【0028】送信変換部4は、回り込み観測信号S
(ω)に対してフィルタ処理や周波数変換処理等を行い
中継放送信号G2(ω)S(ω)を生成する。この送信
変換部4の出力は、送信アンテナ5の入力に供給され
る。
【0029】送信アンテナ5は、中継放送信号G2
(ω)S(ω)を放射する。送信アンテナ5の送信出力
の一部が回り込み伝送路6を経由することにより、回り
込み波C(ω)G2(ω)S(ω)となって受信アンテ
ナ1に回り込む。
【0030】以上の構成によって、回り込みの伝達関数
C(ω)G1(ω)G2(ω)とFIRフィルタ37の
伝達関数C’(ω)との差分伝達関数E(ω)が、0に
収束するようにフィードバック制御が動作する。従っ
て、次式(3)に示すように、回り込みキャンセラの出
力S(ω)には、親局からの希望波成分のみが出力され
る。 S(ω)=G1(ω)R(ω)−C’(ω)S(ω) =G1(ω)(X(ω)+C(ω)G2(ω)S(ω)) −C(ω)G1(ω)G2(ω)S(ω) =G1(ω)X(ω) …(3)
【0031】以下に、図1中の間引き処理回路333に
おける間引き処理について詳しく説明する。周波数特性
算出回路331の出力F(ω)の有効なデータ数は、O
FDM信号のキャリア数に等しい。例えば、日本の地上
デジタル放送方式であるISDB−T(Integra
ted Services Digital Broa
dcasting−Terrestrial)において
は、モード1ならば1405、モード2ならば280
9、モード3ならば5617である(ISDB−Tにつ
いては、映像情報メディア学会誌、第53巻、第2号、
第187頁〜第193頁等に開示されている)。
【0032】しかしながら、FFT回路やIFFT回路
の入出力のデータ数は、2のべき乗でなくてはならない
ため、F(ω)のデータ数は、モード1ならば204
8、モード2ならば4096、モード3ならば8192
となっており、前述の有効なデータ以外の部分には0を
挿入している。
【0033】一方、これまでの中継放送所における回り
込みの測定結果によると、遅延時間が長く、かつ、振幅
が大きな回り込み波はほとんどなく、観測された回り込
み波の遅延時間は、例えば、映像情報メディア学会技術
報告、第22巻、第59号、第37頁〜第42頁では、
長いものでも20μs程度までであるという報告がなさ
れている。このとき中継放送所内の遅延時間を、例えば
10μsとすると、回り込み波の遅延時間は全体で30
μsとなる。
【0034】回り込みキャンセラ3の動作クロックをI
SDB−TにおけるFFTサンプル速度と同じ8.12
693…(=512/63)MHzとすると、遅延時間
30μsの回り込み波を作り出すのに必要なFIRフィ
ルタ37のタップ数は、ナイキストのサンプリング定理
より244となる。従って、IFFT回路34で遅延時
間30μsの回り込み波を作り出すフィルタ係数を生成
するために必要とされる差分伝達関数E(ω)のデータ
数も244以上必要である。
【0035】ここで、回り込みキャンセラ3でキャンセ
ルする必要のある回り込み波の最大遅延時間をτ
[s]、回り込みキャンセラ3の動作クロックをr[H
z]、FIRフィルタ37に設定するフィルタ係数W
(t)のデータ数をm、FFT回路32から出力される
データ数をn、IFFT回路34に入力するデータ数を
n’とすると、ナイキストのサンプリング定理および前
述のFFT、IFFTで扱えるデータ数の制約により、
IFFT回路34に入力する差分伝達関数E(ω)のデ
ータ数n’は、次式(4)を満たす2のべき乗の整数と
なる。 τr≦m≦n’=2b ≦n …(4)
【0036】なお、上式(4)において、bは正の整数
である。さらに、aを正の整数とすると、次式(5)の
関係が成り立つ。 n’=n/2a ≧m …(5)
【0037】ここで、 n =2a+b n’=2b である。
【0038】周波数特性データにおけるデータ数の間引
き処理は、時間軸上のデータに変換した際のサンプリン
グ周波数を一定とする必要があるために、間引いた後の
周波数特性データのサンプリング間隔とデータ数とは比
例するように設定する。すなわち、データ数を2のa乗
分の1に間引く処理を行う場合は、必ず間引き処理を行
う周波数特性データから等間隔に2のa乗おきにサンプ
リングしてデータを取り出すことで全体の周波数特性デ
ータを2のa乗分の1に削減し、かつサンプリング周波
数を一定に保つ。また、時間軸上のデータにおける位相
関係がずれることのないように、間引き処理を行う際
は、FFTならびにIFFTを行う際に中心周波数とな
るキャリアデータの位置がずれることのないように処理
を行う。
【0039】以上説明したように、間引き処理回路33
3は、kを0以上の整数とすると、間引き処理回路33
3への入力F(ω)のk番目のデータをF(k)、間引
き処理回路11からの出力F’(ω)のk番目のデータ
をF’(k)とすると、次式(6)に示す処理を行うこ
とで、データ数を削減する。 F’(k)=F(2a k) …(6) ただし、0≦k<n’の条件を満たす必要がある。
【0040】実際の使用においては、遅延時間τ以上の
回り込みや前ゴーストによる折り返し、ならびにノイズ
の影響等を考慮して、前述の式(5)で求められるn’
の2倍以上の周波数特性データを用いてフィルタ係数を
作成することが望ましい。
【0041】以上の構成により、本実施形態の構成によ
れば、IFFT回路34に入力する差分伝達関数E
(ω)のデータ数を削減するようにしているので、FI
Rフィルタ37のフィルタ係数W(t)の算出時間を短
縮化でき、結果として、フィルタ係数の更新間隔が短く
なり、変動の速い回り込みを高精度にキャンセルするこ
とができる。
【0042】なお、本実施形態においては、間引き処理
回路333を周波数特性算出回路331の後段に挿入し
ているが、周波数特性算出回路331の前段、または、
キャンセル残差演算回路334の後段等、いずれの位置
に挿入しても上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0043】また、本実施形態においては、回り込み信
号の複製を生成するトランスバーサルフィルタとして、
FIRフィルタ37を用いたが、これに代えてIIRフ
ィルタを用いても良い。
【0044】また、本実施形態においては、受信変換部
2で周波数変換を行った後の信号において回り込みをキ
ャンセルしているが、受信変換部2で周波数変換を行う
前の信号において回り込みをキャンセルする等、いずれ
の周波数の信号において回り込みをキャンセルしても良
い。
【0045】また、図1には示していないが、一般的に
回り込みキャンセラにおいて使用しているデジタル信号
処理のためのAD(Analog to Ditiga
l)変換器ならびにDA(Digital to An
alog)変換器の挿入位置は、本発明の原理とは無関
係であり、これらAD変換器ならびにDA変換器の挿入
位置によって本実施形態の効果が損なわれるものでない
ことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る回り込みキャンセラ
を用いた中継放送所システムの概略的な構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1…受信アンテナ 2…受信変換部 3…回り込みキャンセラ 4…送信変換部 5…送信アンテナ 6…回り込み伝送路 31…減算器 32…FFT回路 33…回り込み伝送路推定部 34…IFFT回路 35…係数更新回路 36…遅延回路 37…FIRフィルタ 331…周波数特性算出回路 332…主波成分抽出回路 333…間引き処理回路 334…キャンセル残差演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 影山 定司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 高瀬 徹 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 川瀬 克行 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 今村 浩一郎 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 5J023 AC04 AC08 AD00 AD10 5K022 DD01 DD13 DD19 DD23 DD24 DD33 DD34 DD54 5K046 AA05 BA00 EE57 KK06 5K052 AA01 AA02 BB01 CC00 DD04 FF02 FF05 FF32 5K072 AA04 BB27 CC00 CC32 DD15 GG01 GG10 GG14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親局から伝送されてくる親局波であるO
    FDM伝送方式を用いたデジタル放送波を中継して他の
    箇所に伝送する中継放送所において、受信アンテナと送
    信アンテナとの間に介挿され、受信アンテナで受信され
    た受信波から回り込み波をキャンセルして送信アンテナ
    に受け渡すための回り込みキャンセラであって、 前記親局波と前記回り込み波とが加算された状態で受信
    される前記受信アンテナの受信波から、前記回り込み波
    の複製信号を減算することにより回り込み観測信号を算
    出し、当該回り込み観測信号を送信信号として前記送信
    アンテナに出力する減算器と、 前記減算器の出力に対してフィルタ処理を施すことによ
    り、前記回り込み波の複製信号を生成して前記減算器に
    出力するトランスバーサルフィルタと、 前記減算器の出力をフーリエ変換することにより、時間
    軸上のデータである前記回り込み観測信号を周波数軸上
    のキャリアデータに変換するFFT回路と、 前記FFT回路の出力から、前記回り込み波の伝達関数
    と前記トランスバーサルフィルタの伝達関数との差分の
    伝達関数を算出する回り込み伝送路推定部と、 前記回り込み伝送路推定部の出力を逆フーリエ変換する
    ことにより、インパルス応答データを算出するIFFT
    回路と、 前記IFFT回路の出力に基づいてフィルタ係数を生成
    し、前記トランスバーサルフィルタに設定する係数更新
    回路とを備え、 前記伝送路特性推定部は、間引き処理回路を含み、 前記間引き処理回路は、前記トランスバーサルフィルタ
    に設定するフィルタ係数のデータ数をm(mは正の整
    数)、aを正の整数としたときに、前記IFFT回路へ
    出力するデータ数を、前記FFT回路から入力されるデ
    ータ数n(nは正の整数)から n’=n/2a ≧m を満たす正の整数n’に間引くことを特徴とする、回り
    込みキャンセラ。
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