本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、周波数多重された複数のチャネルが含まれた信号を受信し、受信した信号を増幅してから、送信する中継装置に関する。なお、複数のチャネルには、ディジタルテレビジョン放送に対応した信号であって、かつディジタル変調された信号も含まれている。ディジタルテレビジョン放送には多くのチャネルが含まれているので、中継装置での処理がチャネル単位に実行されており、チャネル単位の処理が別の回路によって実行される場合、回路規模が大きくなってしまう。また、複数のチャネルに対する増幅率を均一な値とすると、中継装置から送信される信号において、チャネル間に送信電力の差が生じる。その結果、送信電力の小さいチャネルが存在するので、複数のチャネルに対して均一的な品質の提供が困難になる。また、所定のチャネルにおいて伝送されていた信号が、伝送されなくなる場合もある。その際に、当該チャネルの信号が小さくなったとして、当該チャネルに対する増幅率を増加させれば、雑音が増幅されることになり、他のチャネルの信号にも影響を及ぼすことになる。本実施例は、以上の課題を解決するために、以下の処理を実行する。
本実施例に係る中継装置は、複数のチャネルのうち中継すべき少なくともふたつのチャネルを予め特定する。また、特定した少なくともふたつのチャネルを透過し、それ以外のチャネルを減衰させるような周波数特性が、ひとつのフィルタに対して設定される。ひとつのフィルタは、受信した複数のチャネルから少なくともふたつのチャネルを抽出する。また、中継装置は、抽出された少なくともふたつのチャネルのそれぞれに対して受信強度を測定する。その際、受信強度を測定する際に中継すべきチャネルに対して離散的フーリエ変換(DFT)が実行され、その他のチャネルに対するDFTの実行はスキップされる。中継装置は、前述の周波数特性を導出する際に、測定したチャネル単位の受信強度を反映させる。その際、測定したチャネルの受信強度が小さければ、受信強度は反映されない。最終的に、中継装置は、抽出された少なくともふたつのチャネルを合成してから、送信を実行する。
図1は、本発明の実施例に係る中継装置100の構成を示す。中継装置100は、受信アンテナ10、受信フィルタ12、受信増幅部14、周波数変換器16、周波数変換器22、送信増幅部24、送信フィルタ26、送信アンテナ28、A/D変換器40、ディジタル入出力フィルタ42、D/A変換器44、局部発振器46、チャネル入力部48、特性算出部50、特性合成部52、正規化値算出部56、電界強度測定部58を含む。
受信アンテナ10は、複数のチャネルによって形成された信号を受信する。複数のチャネルは周波数多重されている。また、複数のチャネルには、ディジタルテレビジョン放送に対応したチャネルと、従来のアナログテレビジョン放送に対応したチャネルとが含まれる。受信アンテナ10は、受信した信号を受信フィルタ12に出力する。受信フィルタ12は、受信アンテナ10において受信した信号に対して、複数のチャネル全体の帯域外の部分を減衰させる。受信増幅部14は、受信フィルタ12からの信号を増幅する。
周波数変換器16は、受信増幅部14からの放送周波数帯域の信号を中間周波数帯域の信号に変換し、A/D変換器40に出力する。周波数変換器16には、受信増幅部14からの放送周波数帯域の信号の他、局部発振器46からの局部発振器信号L1も入力される。周波数変換器16は、放送周波数帯域の信号に局部発振器信号L1を乗じて放送周波数帯域の信号を中間周波数帯域の信号に変換する。
具体的には、局部発振器信号L1の周波数をfosc1とし、放送周波数帯域を周波数f1から周波数f2までの周波数帯域とすれば、中間周波数帯域は、周波数f1−fosc1から周波数f2−fosc1までの周波数帯域となる。ただし、ここではfosc1<f1<f2の関係があるものとする。なお、周波数変換器16による処理によって、周波数f1+fosc1から周波数f2+fosc1までの周波数帯域に不要なイメージ信号が発生するが、このイメージ信号は周波数変換器16より後段の構成によって減衰される。A/D変換器40は、中間周波数帯域の信号をディジタル信号に変換し、ディジタル入出力フィルタ42に出力する。
チャネル入力部48は、受信すべき信号のうち、抽出すべき少なくともふたつのチャネルを設定する。ここで、抽出すべき少なくともふたつのチャネルは、中継装置100によって中継されるべきチャネルに相当する。チャネル入力部48は、ユーザに対するインターフェイスを有し、ユーザから抽出すべきチャネルに関する指示を受けつける。例えば、複数のチャネルのそれぞれに対して「チャネル番号」が規定されている場合、チャネル入力部48は、ユーザからチャネル番号を受けつける。
特性算出部50は、チャネル入力部48において設定した少なくともふたつのチャネルを抽出するような周波数特性を生成する。特性算出部50は、複数のチャネルのそれぞれを抽出するための周波数特性を予め記憶する。すなわち、チャネル番号と周波数特性を対応づけながら、複数のチャネル番号に対応した周波数特性を記憶する。さらに、特性算出部50は、チャネル入力部48において設定されたチャネル番号に対応した周波数特性を選択する。ここで、特性算出部50は、複数のチャネルのそれぞれに対応した周波数特性を時間領域のタップ係数として予め保持し、設定した少なくともふたつのチャネルに応じて、保持した複数種類の時間領域のタップ係数の中から該当するタップ係数を選択する。
特性合成部52は、特性算出部50において選択された複数の周波数特性を合成することによって後述のディジタル入出力フィルタ42の周波数特性を決定する。すなわち、特性合成部52は、特性算出部50において選択されたタップ係数を合成することによって、ディジタル入出力フィルタ42でのタップ係数を決定する。
ここで、チャネル入力部48、特性算出部50、特性合成部52による動作の概要を説明する。なお、前述のごとく、チャネル入力部48、特性算出部50、特性合成部52は、チャネル入力部48の時間領域のタップ係数を決定するが、ここでは、説明の簡易化のために、図2(a)−(f)を使用しながら周波数領域の特性として説明し、時間領域の特性の説明は後述する。図2(a)−(f)は、特性算出部50による周波数特性の導出の概要を示す。
図1のチャネル入力部48、特性算出部50、特性合成部52は、中継装置100を設置する地域を放送圏とする放送局のチャネル番号の入力にもとづいて、タップ係数を算出する。図2(a)において前述の「チャネル番号」が第1チャネル200から第6チャネル210によって示される。ここでは、図2(a)に示すように第5チャネル208がアナログテレビジョン放送システムの放送局に対して割り当てられており、第1チャネル200から第4チャネル206、第6チャネル210がディジタルテレビジョン放送システムの放送局に対して割り当てられているとする。なお、第3チャネル204は、中継装置100を設置する地域を放送圏としないディジタルテレビジョン放送システムの放送局に割り当てられているものとする。
チャネル入力部48、特性算出部50、特性合成部52は次の(1)から(10)に示す処理にしたがいタップ係数を算出し、後述のディジタル入出力フィルタ42に入力する。
(1)チャネル入力部48には、ディジタルテレビジョン放送システムの放送局のチャネル番号、およびアナログテレビジョン放送システムの放送局のチャネル番号がそれぞれ区別して入力される。ただし、入力されるチャネル番号は、中継装置100を設置する地域を放送圏とする放送局に割り当てられているものであるとする。図2(a)の例では、第1チャネル200、第2チャネル202、第4チャネル206、第6チャネル210がディジタルテレビジョン放送システムのチャネルとして入力され、第5チャネル208がアナログテレビジョン放送システムのチャネルとして入力される。チャネル入力部48は、入力されたチャネル番号を特性算出部50に出力する。
(2)特性算出部50は、チャネル番号に対応するチャネル周波数帯域を予め記憶しており、入力されたチャネル番号にもとづいて放送周波数帯域を算出する。算出された放送周波数帯域と予め定められた中間周波数帯域との関係から、局部発振器信号L1の周波数を決定し、局部発振器46が出力する局部発振器信号L1の周波数を設定する。
(3)特性算出部50は、算出された放送周波数帯域に含まれるチャネル周波数帯域のチャネル番号のうち、ディジタルテレビジョン放送システムのチャネル番号としても、アナログテレビジョン放送システムのチャネル番号としても入力されていないチャネル番号について、中継装置100を設置する地域を放送圏としない放送局に割り当てられているチャネル番号であるものと認識する。当該チャネル番号に対応するチャネル周波数帯域の信号を減衰させる帯域除去特性を表す関数を算出し特性合成部52に出力する。この関数は、周波数領域表現の関数であるものとし、以下、帯域除去特性関数とする。図2(a)の例では、第3チャネル204に相当し、帯域除去特性関数は図2(b)のように示される。
(4)特性算出部50は、アナログテレビジョン放送システムのチャネル番号に対応するチャネル周波数帯域の信号を減衰させる帯域除去特性関数を算出し特性合成部52に出力する。図2(a)の例において、アナログテレビジョン放送システムは第5チャネル208に相当するので、帯域除去特性関数は図2(c)のように示される。
(5)特性算出部50は、ディジタルテレビジョン放送システムのチャネル番号のうち、抽出すべきチャネル周波数帯域が最も低域にあるものを検索する。
(6)特性算出部50は、検索したチャネル番号に対応するチャネル周波数帯域の低域端をカットオフ周波数とする高域通過特性を表す関数を算出し特性合成部52に出力する。この関数は、周波数領域表現の関数であるものとし、以下、高域通過特性関数とする。図2(a)の例では、チャネル周波数帯域が最も低域にあるディジタルテレビジョン放送システムのチャネルは、第1チャネル200であり、高域通過特性関数は図2(d)のように示される。
(7)特性算出部50は、ディジタルテレビジョン放送システムのチャネル番号のうち、抽出すべきチャネル周波数帯域が最も高域にあるものを検索する。
(8)特性算出部50は、検索したチャネル番号に対応するチャネル周波数帯域の高域端をカットオフ周波数とする低域通過特性を表す関数を算出し特性合成部52に出力する。この関数は、周波数領域表現の関数であるものとし、以下、低域通過特性関数とする。図2(a)の例では、チャネル周波数帯域が最も高域にあるディジタルテレビジョン放送システムのチャネルは第6チャネル210であり、低域通過特性関数は図2(e)のように示される。
(9)特性合成部52は、帯域除去特性関数、高域通過特性関数、および低域通過特性関数を乗じた特性関数を算出する。図2(a)の例では、算出される特性関数は図2(f)のように示される。
(10)特性合成部52は、特性関数に逆フーリエ変換を施して時間領域表現の特性関数を算出し、これを離散化することでタップ係数を算出し、後述のディジタル入出力フィルタ42に出力する。
図1に戻る。ディジタル入出力フィルタ42は、特性合成部52によって設定されたタップ係数によって、A/D変換器40からの信号のうち、少なくともふたつのチャネルを抽出する。すなわち、ディジタル入出力フィルタ42にはタップ係数が設定されることによって、ディジタル入出力フィルタ42のフィルタ特性が決定される。本実施例では、タップ係数は、特性合成部52から入力される。なお、ディジタル入出力フィルタ42は、有限長インパルス応答(Finite Impulse Response:FIR)フィルタによって構成される。ディジタル入出力フィルタ42は、帯域制限を施した中間周波数帯域の信号をD/A変換器44に入力する。
なお、本実施例における特性算出部50の動作には、上述した説明に別の動作が付加される。付加される動作を説明する前に、これまでの説明によってディジタル入出力フィルタ42から出力された信号に対する課題を図3(a)−(c)を使用しながら説明する。図3(a)−(c)は、特性算出部50によって導出される周波数特性の課題を示す。図3(a)は、図2(a)と同様にディジタル入出力フィルタ42に入力される信号を示す。第1チャネル200、第3チャネル204、第4チャネル206、第6チャネル210から第8チャネル214が前述のディジタルテレビジョン放送システムのチャネルとして入力され、第2チャネル202、第5チャネル208がアナログテレビジョン放送システムのチャネルとして入力される。なお、フェージング等の影響によって、第1チャネル200、第3チャネル204、第4チャネル206、第6チャネル210から第8チャネル214のそれぞれに対する信号強度は、異なっている。
図3(b)は、特性算出部50によって算出された後に特性合成部52によって合成された周波数特性を示す。これは、ディジタル入出力フィルタ42での周波数特性に相当する。なお、図3(b)は、図2(f)に対応する。図3(c)は、ディジタル入出力フィルタ42によって出力された信号を示す。図示のごとく、ディジタルテレビジョン放送システムに対応したチャネルが抽出されている。また、抽出されたそれぞれのチャネルに対する信号強度は、図3(a)と同様に異なっている。すなわち、図3(b)によって設定された周波数特性は、第1チャネル200、第3チャネル204、第4チャネル206、第6チャネル210から第8チャネル214に対して均一的な増幅率を有しているので、図3(c)の信号強度には、図3(a)の信号強度が反映される。その結果、信号強度の小さいチャネルが存在するので、複数のチャネルに対して均一的な品質の提供が困難になる。このような課題を解決するために、特性算出部50は、付加的な動作を実行する。
図1に戻る。電界強度測定部58は、ディジタル入出力フィルタ42からの少なくともふたつのチャネルのそれぞれに対して、信号強度を測定する。具体的には、電界強度測定部58は、チャネルのそれぞれに対して、チャネルの帯域内での信号強度を測定する。すなわち、電界強度測定部58は、ディジタル入出力フィルタ42から入力された時間領域の信号に対して、離散的フーリエ変換を実行した後に、離散的フーリエ変換の結果をもとに信号強度を測定する。ここで、離散的フーリエ変換の結果は、周波数領域の信号として示され、かつ周波数の値に対応した数値データとして示される。さらに、電界強度測定部58は、数値データをチャネル単位に積算することによって、チャネルの信号強度を導出する。
なお、離散的フーリエ変換は、チャネル入力部48において設定したチャネルに対して実行され、チャネル入力部48において設定したチャネル以外のチャネルに対してスキップされる。このような離散的フーリエ変換の詳細は、後述する。電界強度測定部58は、測定した信号強度をチャネル番号に対応づけながら、正規化値算出部56に出力する。また、正規化値算出部56は、電界強度測定部58から抽出すべきチャネルのそれぞれに対応した信号強度を受けつける。正規化値算出部56は、周波数特性を生成する際に、信号強度の大きいチャネルに対する利得を小さくし、信号強度の小さいチャネルに対する利得を大きくする。例えば、正規化値算出部56は、信号強度の逆数に対応した値を導出し、当該信号強度に対応したチャネルでの増幅率とする。
ここで、正規化値算出部56は、電界強度測定部58において測定した信号強度がしきい値よりも大きいチャネルに対して、測定した信号強度を増幅率に反映させ、電界強度測定部58において測定した信号強度がしきい値以下となるチャネルに対して、予め定めた値を使用する。特性算出部50は、正規化値算出部56によって導出した利得を反映しながら、前述のごとく、少なくともふたつのチャネルを抽出するような周波数特性を生成する。詳細は後述する。
以上のような動作によってディジタル入出力フィルタ42から出力された信号を図4(a)−(c)を使用しながら説明する。なお、図4(a)−(c)は、図3(a)−(c)にそれぞれ対応する。図4(a)は、図3(a)と同一である。図4(b)は、図3(b)と同様に、特性算出部50によって算出された後に特性合成部52によって合成された周波数特性を示す。前述のごとく、電界強度測定部58によって測定された信号強度をもとに、特性算出部50は、各チャネルに対する増幅率を変えながら、周波数特性が導出される。そのため、図4(a)での第1チャネル200や第7チャネル212のごとく、受信した信号の強度が大きいチャネルに対して、小さい値の増幅率が導出される。また、図4(a)での第3チャネル204や第6チャネル210のごとく、受信した信号の強度が小さいチャネルに対して、大きい値の増幅率が導出される。図4(c)は、ディジタル入出力フィルタ42によって出力された信号を示す。図示のごとく、抽出されたそれぞれのチャネルに対する信号強度が同等の値となっている。
図5(a)−(c)は、それぞれ、ディジタル入出力フィルタへの別の入力信号スペクトル、図1の特性算出部によって導出される別の周波数特性、ディジタル入出力フィルタの別の出力信号スペクトラムを示す。図5(a)は、図4(a)と同様にディジタル入出力フィルタ42に入力される信号を示す。なお、第2チャネル202と第4チャネル206には、アナログテレビジョン放送システムの信号が配置されている。また、第1チャネル200から第8チャネル214は、マルチパスの影響を受けている。図5(b)は、図4(b)と同様に、特性算出部50によって算出された後に特性合成部52によって合成された周波数特性を示す。前述のごとく、増幅率は、チャネルの信号強度に応じて決定されるので、図5(b)のひとつのチャネル、例えば第1チャネル200での振幅は、ほぼ一定の値となっている。すなわち、増幅率には、マルチパスの影響が反映されていない。その結果、処理量が低減される。図5(c)は、ディジタル入出力フィルタ42によって出力された信号を示す。図示のごとく、マルチパスの影響は残っているが、抽出されたそれぞれのチャネルに対する信号強度が同等の値となっている。
図1に戻る。D/A変換器44は、入力された信号をアナログ信号に変換し周波数変換器22に入力する。周波数変換器22は、中間周波数帯域の信号を放送周波数帯域の信号に変換し、送信増幅部24に入力する。周波数変換器22は、中間周波数帯域の信号に局部発振器信号L1を乗じて中間周波数帯域の信号を放送周波数帯域の信号に変換する。なお、周波数変換器22によって変換された信号の放送周波数帯域と、受信アンテナ10において入力された信号の放送周波数帯域が、同等であれば、両者の間において回り込み波が生じる。そのため、中継装置100には、図示しない回り込みキャンセラが備えられていてもよい。ここで、回り込みキャンセラは公知の技術によって実現されるので、説明を省略する。
送信増幅部24は、放送周波数帯域の信号を増幅し、送信フィルタ26に入力する。送信フィルタ26は、入力された信号の放送周波数帯域外に含まれるイメージ信号、送信増幅部24の非線形性による高調波成分信号等を減衰し、送信アンテナ28に入力する。送信アンテナ28は、入力された信号を電磁波として送信する。すなわち、ディジタル入出力フィルタ42において抽出した少なくともふたつのチャネルが周波数多重された信号として送信される。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図6は、特性算出部50の構成を示す。特性算出部50は、メモリ60と総称される第1メモリ60a、第2メモリ60b、第3メモリ60c、第4メモリ60d、第5メモリ60e、第6メモリ60f、第7メモリ60g、第8メモリ60h、スイッチ62と総称される第1スイッチ62a、第2スイッチ62b、第3スイッチ62c、第4スイッチ62d、第5スイッチ62e、第6スイッチ62f、第7スイッチ62g、第8スイッチ62h、増幅部64と総称される第1増幅部64a、第2増幅部64b、第3増幅部64c、第4増幅部64d、第5増幅部64e、第6増幅部64f、第7増幅部64g、第8増幅部64hを含む。
メモリ60は、それぞれのチャネルを抽出するための周波数特性に対応した時間領域の波形を記憶する。ここで、第1メモリ60aは、図4(a)の第1チャネル200を抽出するための周波数特性に対応した時間領域の波形を記憶する。第1メモリ60a以外のメモリ60についても同様であり、ひとつのメモリ60には、ひとつのチャネルを抽出するための周波数領域に対応した時間領域の波形が記憶される。図7(a)−(h)は、メモリ60に記憶された波形を示す。図7(a)−(h)の左側には、各チャネルを抽出するための周波数特性が示されている。ここで、図7(a)は、第1チャネル200に対応しており、図7(b)−(h)も、同様に第2チャネル202から第8チャネル214にそれぞれ対応する。図7(a)−(h)に右側には、左側の周波数特性に対応した時間領域の波形が示される。これらが、メモリ60にそれぞれ記憶されている。
図6に戻る。チャネル入力部48から抽出すべきチャネルに関する情報が入力されると、スイッチ62は、対応したチャネルをオンにする。図4(a)の例では、第1チャネル200、第3チャネル204、第4チャネル206、第6チャネル210、第7チャネル212、第8チャネル214が選択されるので、第1スイッチ62a、第3スイッチ62c、第4スイッチ62d、第6スイッチ62f、第7スイッチ62g、第8スイッチ62hがオンにされる。残りのスイッチ62は、オフにされる。
増幅部64は、正規化値算出部56から増幅率を受けつけ、受けつけた増幅率によって、スイッチ62からの波形を増幅する。前述のごとく、正規化値算出部56から増幅率は、一般的にチャネルを単位にして異なった値を有するので、増幅部64は、チャネルを単位にして異なった振幅の波形を出力する。特性合成部52は、増幅部64によって増幅された波形を受けつけ、受けつけた波形を合成することによって、タップ係数を生成する。なお、特性合成部52での合成は、正規化時間のそれぞれの値を単位にして実行される。特性合成部52は、生成したタップ係数をディジタル入出力フィルタ42に出力する。ディジタル入出力フィルタ42は、受けつけたタップ係数を設定する。
図8は、電界強度測定部58において処理される信号の概要を示す。図の横軸には、周波数が示されている。第1チャネル200から第8チャネル214は、前述のごとく、複数のチャネルに相当する。なお、ここでは、第1チャネル200から第8チャネル214に、ディジタルテレビジョン放送システムの信号が配置されている。また、第8チャネル214よりも高い周波数のチャネルにおいて、アナログテレビジョン放送システムの信号が配置されている。図示のごとく、1チャネルあたり複数ポイントで信号強度が測定される。さらに、1チャネルに含まれる複数のポイントにおいて、測定された信号強度が平均化されることによって、最終的な電力測定値が出力される。
例えば、サンプリング周波数160MHzで、DFTのポイント数が160であれば、1チャネルあたり5ポイントで信号強度が測定される。このように1チャネルを複数のポイントで測定することによって、マルチパス等によりスペクトルが傾斜する場合であっても、チャネルごとの電力が正確に測定される。また、1チャネルを複数ポイントで電力測定することによって、ディジタルテレビジョン放送システムの信号とアナログテレビジョン放送システムの信号の識別が、正確になる。なお、正の正規化周波数の領域16ポイントが電力測定に使用されることによって、1チャネルあたり1ポイントで電力測定がなされてもよい。
図9は、電界強度測定部58の構成を示す。電界強度測定部58は、電力測定周波数設定部110、カウンタ112、cosテーブル114、sinテーブル116、乗算器118と総称される第1乗算器118a、第2乗算器118b、加算器120と総称される第1加算器120a、第2加算器120b、遅延部122と総称される第1遅延部122a、第2遅延部122b、スイッチ124と総称される第1スイッチ124a、第2スイッチ124b、二乗化部126と総称される第1二乗化部126a、第2二乗化部126b、加算器128、加算器130、遅延部132、スイッチ134を含む。
電界強度測定部58の構成を説明する前に、離散的フーリエ変換(DFT)の原理を説明する。離散時間信号系列x(n)に対するDFTは次式により定義される。
正規化周波数kに対応するスペクトルはX(k)であり、その電力は|X(k)|
2となる。ここで,ひとつのチャネルの信号帯域幅に対応する正規化周波数の数をuと示し、最も低い正規化周波数をs(s=s
0,s
1,・・・、s
D)と示すと、1チャネルの電力の和は以下のように示される。
したがって、電界強度測定部58により正規化周波数sからs+u−1に対応する電力の和が算出される。
電力測定周波数設定部110は、cosテーブル114、sinテーブル116に対して、正規化周波数kとして、0からz−1のうちの中継すべき信号帯域に対応した正規化周波数を低い正規化周波数から順番に与える。なお、正規化周波数は、高い方から与えられてもよい。ただし、電力測定周波数設定部110は、ひとつのチャネルに対応した範囲の正規化周波数kをR回繰り返しながら、cosテーブル114、sinテーブル116への設定を行う。
cosテーブル114には、DFTでのcos成分に対する係数が記憶されている。図10は、cosテーブル114のデータ構造を示す。左端の縦方向の欄には、「0」から「N−1」が記入されており、DFTがなされる正規化時間nに相当する。また、最上段の横方向の欄には、「0」から「z−1」が記入されており、前述の正規化周波数kに相当する。また、所定の正規化時間と正規化周波数とに対応するように、cosテーブル114には、「A1」等の値が示されている。なお、sinテーブル116も図10と同様に構成されている。
電力測定周波数設定部110によって正規化周波数kが設定された後、カウンタ112は、cosテーブル114、sinテーブル116に、正規化時間nとして0からN−1を与えることによって、乗算器118において正規化時間信号x(n)と乗算すべき係数を選択する。ここで、係数は、図10に示されている。カウンタ112は、正規化時間nのカウントがN−1のときに、スイッチ124を遅延部122側から二乗化部126側に切り換える。その結果、正規化周波数kに対応するスペクトルX(k)が出力される。さらに、カウンタ112は、正規化時間nのカウンタを0にリセットし、正規化周波数kを切り換える指示を電力測定周波数設定部110に与えた後に、スイッチ124を二乗化部126側から遅延部122側に戻す。ただし、電力測定周波数設定部110での正規化周波数kが中継すべきチャネルのうち、最も高い正規化周波数を超えたときには、電力測定周波数設定部110は、正規化周波数kを再び最も低い正規化周波数に戻す。
第1二乗化部126aと第2二乗化部126bがそれぞれスペクトルX(k)の実数部Re[X(k)]と虚数部Im[X(k)]を二乗化し、加算器128が二乗結果を加算することによって、正規化周波数「s」から「s+u−1」に対応した電力が導出される。電力測定周波数設定部110では、ひとつのチャネルに対応した範囲の正規化周波数「s」から「s+u−1」のうち、正規化周波数kが最も高い正規化周波数「s+u−1」であり、かつ繰り返し回数がRのときにスイッチ134を遅延部132側から出力側に切り換える。その結果、加算器130によりひとつのチャネルの範囲の正規化周波数「s」から「s+u−1」の電力|X(k)|
2の和が、さらにR回積算されることによって、以下の結果が出力される。なお、図1の中継装置100が稼働している間は、ユーザが電界強度の測定および増幅率の変更を停止する設定にしない限り、以上の操作が繰り返される。
ここで,DFTのポイント数Nについて説明する。サンプリング周波数をFs、チャネル数をM、1チャネルあたりの帯域幅をBとすれば、以下の関係が成立する。
ただし、かっこは、かっこ内の値の以上の最小整数を示す。例えば、Fs=160MHz、B=6MHz、チャネル数M=8とすれば、以下の関係が成立する。
その結果、DFTのポイント数Nとして32ポイント以上が必要となる。
なお、チャネルごとの電力測定方法として、DFTの他に、高速フーリエ変換(FFT)も実行可能である。しかしながら、ここでは、ハードウエア量を考慮してDFTを使用する。Nポイントによって形成される正規化周波数信号を計算する場合、DFTでは複素数の乗算回数がN2であり、加算回数がN(N−1)であり、メモリ量が1であるのに対して、FFTでは複素数の乗算回数が(N/2)×(log2N−1)であり、加算回数がN×log2Nであり、メモリ量がNである。しかしながら、DFTでは各正規化周波数信号を個別に計算できるので、ひとつの正規化周波数に対応するスペクトルを計算する際に、乗算器の個数が2となり、加算器の個数が2となり、メモリの個数も2となる。
以上の構成による中継装置100の動作を説明する。図11は、中継装置100による増幅率の算出手順を示すフローチャートである。電界強度測定部58は、チャネル番号iを初期値に設定する(S10)。ここで、初期値とは、チャネル入力部48に入力されたチャネル番号、すなわち中継すべきチャネル番号のうち、最小のチャネル番号に相当する。なお、チャネル番号iに対応した増幅率Aiは、チャネル入力部48に入力されたチャネル番号に対して「1」と設定され、チャネル入力部48に入力されていないチャネル番号に対して「0」と設定されているものとする。電界強度測定部58は、電力Piを測定する(S12)。なお、電力Piを測定する際に、DFTではなくFFTを用いた場合、ひとつのチャネルに対応した電力でなく、複数のチャネルに対応した電力が導出されるので、処理が不要なチャネルに対しても処理を実行してしまう。Piがしきい値よりも大きければ(S14のY)、正規化値算出部56は、|Ai|2P/Piを|Ai|2とする(S16)。なお、Pは、定格電力和である。
一方、Piがしきい値よりも大きくなければ(S14のN)、正規化値算出部56は、|Ai|2を|Ai|2とする(S18)。|Ai|2がAmax以下でなければ(S20のN)、1を|Ai|2に代入する(S22)。一方、|Ai|2がAmax以下であれば(S20のY)、|Ai|2をそのままの値とする。なお、Amaxは、最大増幅率の2乗値とする。特性算出部50は、フィルタ係数にAiを乗算する(S24)。電界強度測定部58は、iに1を加算する(S26)。iが設定されたチャネルでなければ(S28のN)、電界強度測定部58は、ステップ26に戻る。一方、iが設定されたチャネルであり(S28のY)、iが「最大値+1」でなければ(S30のN)、電界強度測定部58は、ステップ12に戻る。iが「最大値+1」であり(S30のY)、かつ処理が終了でなければ(S32のN)、電界強度測定部58は、ステップ10に戻る。一方、処理が終了であれば(S32のY)、電界強度測定部58は、処理を終了する。
次に、電界強度測定部58の変形例を説明する。図12は、電界強度測定部58の別の構成を示す。電界強度測定部58は、図9の電界強度測定部58のcosテーブル114およびsinテーブル116の代わりに、cos,sin交番テーブル140を含む。図12の電界強度測定部58は、図9の電界強度測定部58と比べて、乗算器118、二乗化部126の数が削減されている。
cos,sin交番テーブル140には、図9のcosテーブル114での値とsinテーブル116での値とが交互に記憶されている。すなわち、ひとつの正規化周波数kに対して、正規化時間「0」に対するcosテーブル114での値、sinテーブル116での値に続いて、正規化時間「1」に対するcosテーブル114での値、sinテーブル116での値が記憶されている。乗算器118では、サンプリング周期Tの半分の周期T/2にて、入力されたひとつの信号x(n)に対して、cos,sin交番テーブル140のふたつの値が順番に乗算され、加算器120に出力される。すなわち、離散的フーリエ変換を実行する際に、同相成分に対する処理と直交成分に対する処理とが時分割に実行される。加算器120では、周期T/2によって、加算器120からの入力値と遅延部122での入力値とを加算する。遅延部122は、遅延時間T/2の遅延器2個によって構成されている。
図13は、電界強度測定部58での動作概要を示すタイミングチャートである。最上段には、電界強度測定部58に入力される信号が示されており、横軸が時間を示す。ここでは、ひとつの正規化周波数kにおいてDFTがなされる信号として、x(0)からx(N−1)が示される。中段には、cos,sin交番テーブル140から出力される値が示されている。最上段におけるひとつの信号に対して、cos,sin交番テーブル140からふたつの値が対応づけられているが、前方の値がcos成分であり、後方の値がsin成分である。最下段が、乗算器118からの出力を示す。図12に戻る。
以上のように構成することによって、ひとつの正規化周波数に対応したスペクトルの実数部と虚数部とが交番に出力される。したがって、ひとつの正規化周波数に対応したスペクトルを算出するために必要な乗算器118と加算器120がそれぞれひとつであればよい。また、ひとつの正規化周波数に対応したスペクトルの実数部と虚数部と交番に出力されているので、二乗化部126の数もひとつであればよい。以上に加えて、二乗化部126は、ひとつの正規化周波数に対応したスペクトルの算出後に必要とされるので、ひとつの正規化周波数に対応したスペクトルの算出後、二乗化部126のかわりに、時分割処理により乗算器118を使用してもよい。さらに、ひとつの正規化周波数に対応したスペクトルの実数部と虚数部が交番に出力されているので、図9における第1加算器120a、第2加算器120b、加算器128という3つの加算器が、図12においては、加算器120というひとつの加算器によって構成される。
図14は、中継装置100の別の構成を示す。図14の中継装置100は、図1の中継装置100と同様に、チャネル単位に増幅率を調節したタップ係数が使用される中継装置に関する。しかしながら、図1の中継装置100では、増幅率の調整をフィードバック処理によって実行しているのに対し、図14の中継装置100では、増幅率の調整をフィードフォワード処理によって実行している。
図14は、本発明の変形例1に係る中継装置100の構成を示す。図14の中継装置100に含まれる構成要素は、図1の中継装置100に含まれる構成要素と同一であるので説明を省略する。電界強度測定部58は、ディジタル入出力フィルタ42からの信号ではなく、A/D変換器40からの信号を入力する。電界強度測定部58は、ディジタル入出力フィルタ42からの信号に含まれた少なくともふたつのチャネルのそれぞれに対して、信号強度を測定する。信号強度の測定は、実施例と同様になされる。正規化値算出部56は、電界強度測定部58からの信号強度をもとに、前述のごとく、少なくともふたつのチャネルのそれぞれに対応した増幅率を導出する。また、特性算出部50は、正規化値算出部56によって導出した利得を反映しながら、前述のごとく、少なくともふたつのチャネルを抽出するような周波数特性を生成する。以上の構成による中継装置100の動作は、図11のフローチャートにおいて、ステップ16が異なる。すなわち、正規化値算出部56は、P/Piを|Ai|2とする。その他は、図1の中継装置100と同様の処理が実行されるので、ここでは、説明を省略する。
図15は、中継装置100のさらに別の構成を示す。図15の中継装置100は、図1の局部発振器46のかわりに、受信用発振器80、送信用発振器82を備える。受信用発振器80は、受信の際に使用される局部発振器であり、送信用発振器82は、送信の際に使用される局部発振器である。このような構成によって、中継装置100は、受信の際に使用すべき周波数と送信の際に使用すべき周波数とを別の周波数に設定できる。それ以外の処理は、図1の中継装置100と同様であるので、ここでは、説明を省略する。
図16は、中継装置100のさらに別の構成を示す。図16の中継装置100は、図14の局部発振器46のかわりに、受信用発振器80、送信用発振器82を備える。すなわち、図16の構成は、図14の中継装置100と図15の中継装置100とを組み合わせた構成である。そのため、ここでは、説明を省略する。
本発明の実施例によれば、ひとつのディジタル入出力フィルタに対して、所望のチャネルを抽出するような周波数特性であって、かつチャネル単位の信号強度を反映させた周波数特性を使用するので、回路規模の増加を抑えつつ、チャネル間の信号強度の差を低減できる。また、抽出すべきチャネルはユーザによって設定可能であるので、必要に応じて抽出すべきチャネルを容易に変更できる。また、信号強度の測定結果をタップ係数に反映させるので、実際の受信状況に応じた制御を実行できる。また、実際の受信状況に応じた制御を実行するので、伝搬路の変動にも追従できる。また、チャネル間の信号強度の差を低減できるので、すべてのチャネルに対して品質劣化地域を減少させることができる。また、時間領域のタップ係数を予め保持するので、周波数特性の値を時間領域に変換する処理を省略でき、処理量の増加を抑制できる。
また、近隣のチャネル周波数帯域内に発生させる相互変調信号の影響は、アナログ変調信号によるものである場合に比してディジタル変調信号によるものである場合の方が小さいことを利用することによって、ディジタル入出力フィルタをひとつにできる。また、周波数変換の際に近隣のチャネル周波数帯域内に発生させる妨害波等、各チャネル周波数帯域に近い周波数帯域に重畳するノイズによって発生する妨害波の影響も、アナログ変調信号によるものである場合に比してディジタル変調信号によるものである場合の方が小さいので、ディジタル入出力フィルタをひとつにできる。これは、アナログ変調信号が、狭い周波数帯域内に大きな電力が集中している信号であるのに対し、ディジタル変調信号はチャネル周波数帯域内で一様な密度を以て電力が分布している信号であることによるものである。すなわち、同一電力の信号であれば、周波数領域における電力密度が低い信号程、近隣のチャネル周波数帯域に及ぼす影響は小さいといえる。また、増幅率の制御をフィードフォワード制御によって実行するので、伝搬路の変動がある程度高速であっても、追従できる。チャネル間の信号強度の差を低減できるので、すべてのチャネルに対して品質劣化地域を減少させることができる。
また、抽出すべきチャネルであっても、信号強度がしきい値以下であれば、信号強度を周波数特性に反映させないので、当該チャネルでの送信が停止された場合に、当該チャネルでの信号の増幅を回避できる。また、信号強度を測定すべきチャネルに対してDFTを実行し、それ以外のチャネルに対してDFTの実行をスキップするので、処理量を低減できる。また、信号強度の測定の際に、FFTではなく、DFTを使用するので、処理量を低減できる。また、DFTを実行する際に、同相成分に対する処理と直交成分に対する処理とを時分割に実行するので、回路規模を低減できる。また、時分割処理を実行することによって、乗算器と加算器の数を削減できる。また、マルチパスの影響を受けている場合であっても、マルチパスの影響を補正することなく増幅率を決定しているので、処理を簡易にできる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例では、中継装置100を説明している。しかしながらこれに限らず例えば、本発明は、測定装置に適用されてもよい。測定装置の構成は、実施例の中継装置100のうち、送信に関する機能を省略したものに相当する。本変形例によれば、複数のチューナを備えた受信装置において、所望のチャネルに対する信号強度を少ない処理量にて測定できる。
本発明の実施例では、中継すべきディジタルテレビジョン放送システムとして、13セグメントのシステムを前提として説明を行っている。しかしながらこれに限らず例えば、中継すべきディジタルテレビジョン放送システムが、1セグメントのシステムであってもよい。その場合、1セグメントに適合するように、ディジタル入出力フィルタ42や電界強度測定部58において周波数が設定される。本変形例によれば、本発明をさまざまなシステムに適用できる。
10 受信アンテナ、 12 受信フィルタ、 14 受信増幅部、 16 周波数変換器、 22 周波数変換器、 24 送信増幅部、 26 送信フィルタ、 28 送信アンテナ、 40 A/D変換器、 42 ディジタル入出力フィルタ、 44 D/A変換器、 46 局部発振器、 48 チャネル入力部、 50 特性算出部、 52 特性合成部、 56 正規化値算出部、 58 電界強度測定部、 100 中継装置。