JP5874369B2 - レーダ装置および検出方法 - Google Patents

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本発明は、レーダ装置と、レーダ装置を用いて目標を検出する方法に関する。
目標の検出と検出した目標までの距離の算出を行うためにレーダ装置が用いられることがある。レーダ装置は、目標に向けてレーダ波を送信し、目標からの反射波を受信する。さらに、レーダ装置は、受信したレーダ信号を解析することにより、目標との間の距離を求める。このときの距離分解能は受信信号の周波数帯域の広さによって変動し、レーダ装置が取得できる受信信号の周波数帯域幅を広くすると、レーダ装置の分解能を向上することができる。
受信信号の周波数帯域幅を広くするために、レーダ装置から送信されるレーダ波の帯域幅を広くすることが考えられる。帯域幅を広くする方法の1つとして、周波数帯域の異なるチャープパルスを一定周期で放射し、目標で反射した反射波を受信するパルス圧縮レーダ装置が考案されている。パルス圧縮レーダ装置は、受信した反射波を結合して、時間圧縮されたインパルス信号に変換する。
さらに、第1、第2のレーダ信号のそれぞれを時間軸上の閾値にて一次、二次応答信号に分離し、一次、二次応答信号のそれぞれについて第1、第2のレーダ信号の位相を一致(コヒーレント化)させた後で、線形予測により帯域補間する方法も考案されている。この方法では、帯域補間された一次、二次応答信号を結合し、結合されたレーダ信号の応答の数や強度、レーダ信号の応答の間の距離がデータベースと照合される。
特開2002−82162号公報 特開2005−180970号公報
周波数帯域の異なるチャープパルスを用いて受信波を結合する方法では、使用する帯域幅を増大させるには、使用する帯域幅の全ての領域にわたって、レーダ装置で使用するための許可を取ることが求められる。しかし、周波数帯域は有限であるため、レーダ装置で使用できる帯域には制限がある。また、レーダ装置についても、広帯域の処理ができるようなハードウェアを備えることになるのでハードウェアの設計が困難であり、受信波を結合する方法では、周波数帯域の広域化は難しい。
第1、第2のレーダ信号の位相を一致させた後で、線形予測により帯域補間する方法では、実際に送受信される信号の帯域が広くなくても線形予測により補間が行われる。しかし、この方法では、レーダ信号の位相を一致させるための位相の変動量を求めるための処理に時間がかかりすぎるという問題がある。例えば、第1のレーダ信号の位相を第2のレーダ信号の位相に合わせるための処理では、まず、第1および第2のレーダ信号からそれぞれの信号についての特異点が求められる。ここで、特異点は、目標の散乱中心の周波数成分である。次に、第2のレーダ装置で得られるレーダ信号の特異点の位相に、第1のレーダ信号の特異点の位相を一致させるための位相の変動量が求められる。最後に、得られた変動量により、第1のレーダ信号全体の位相が変更される。このように、帯域補間を用いて分解能を向上させる方法では、帯域補間の前に行われる計算量が多いため、レーダ装置にかかる負荷が高くなってしまう。
本発明は、簡便な処理により広範囲にわたる受信信号を用いて目標を検出できるレーダ装置を提供することを目的とする。
レーダ装置は、送信部、受信部、補正部、帯域補間処理部、および、信号処理部を備える。送信部は、第1の周波数帯域にわたる第1のチャープパルスと、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域にわたる第2のチャープパルスを、観測対象である目標に向けて送信する。受信部は、前記目標からの前記第1のチャープパルスの反射波である第1の受信信号と、前記第2のチャープパルスの反射波である第2の受信信号を受信する。補正部は、前記第1の受信信号の位相を、補正値テーブルに記録されている補正値で補正することにより第1の補正スペクトルを求めるとともに、前記第2の受信信号の位相を、前記補正値で補正することにより第2の補正スペクトルを求める。帯域補間処理部は、前記第1および第2の補正スペクトルを結合した信号に、前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域の間の帯域の信号を補間する。この処理により、帯域補間処理部は、前記第1の周波数帯域から前記第2の周波数帯域までのチャープ信号を前記目標に照射したときに得られる反射波を表す補間信号を生成する。信号処理部は、前記補間信号を用いて、前記目標までの距離を求める。
簡便な処理により広範囲にわたる受信信号を用いて目標を検出できる
第1の実施形態にかかるレーダ装置の構成の例を示す図である。 パルスの生成に用いる周波数帯域の例を示す図である。 帯域補間処理器の構成の例を示す図である。 補正値テーブルの例を示す図である。 レーダ装置のハードウェア構成の例を示す図である。 送信波と受信波の例を示す図である。 受信波の処理の例を説明する図である。 バッファが保持するテーブルの例である。 電気長補正部での処理の例を示すテーブルである。 帯域補間処理器の動作の例を説明するフローチャートである。 第2の実施形態にかかるレーダ装置の構成の例を示す図である。 第3の実施形態に係るレーダ装置の構成の例を示す図である。 周波数帯域と利得の関係の例を示す図である。 第3の実施形態で行われる処理の例を説明する図である。 レーダ装置の構成の例を示す図である。 レーダ装置の構成の例を示す図である。 周波数帯域とパルス幅の決定に用いられるテーブルの例を示す図である。 第5の実施形態での送信波と受信波の例を示す図である。 第5の実施形態で受信波に対して行われる処理の例を説明する図である。 レーダ装置から出力された送信波と受信波の例を示す図である。 レーダ装置の構成の例を示す図である。 レーダ装置の構成の例を示す図である。 レーダ装置の構成の例を示す図である。
帯域補間の前に2つのレーダ信号の位相を一致させるための位相の変動量を求める処理は、計算量が多いため、レーダ装置への負担が大きい。ここで、位相の変動量は、第1のレーダ信号を得るために送信される第1のレーダ波を照射する第1の送信部と、第2のレーダ信号を得るために送信される第2のレーダ波を照射する第2の送信部の間の距離に応じて変動してしまう。
そこで、実施形態に係るレーダ装置では、波長が異なる2つの送信パルスが送信される位置の差を周波数に応じて一意に決定される固定値にすることにより、位相を調整するための補正値を周波数の関数として予め記憶する。実施形態に係るレーダ装置は、記憶している補正値を用いて2つのレーダ信号の位相を一致させることにより、帯域補間に用いるデータを簡便に求めることができる。このため、レーダ信号の位相を合わせるための処理がレーダ装置にかける負荷が軽減される。さらに、実施形態に係るレーダ装置は、帯域補間を行うことができるため、レーダ装置から照射されていない波長についての信号も計算により求めることができ、広帯域にわたる周波数を用いた場合と同等の精度で距離を測定できる。なお、2つの送信パルスが送信される位置は一致していても良い。この場合、1つの送信アンテナから、周波数帯域の異なる送信パルスが異なる時刻に出力される。
<装置構成>
図1は、第1の実施形態にかかるレーダ装置の構成の例を示す。レーダ装置10は、周波数シンセサイザ11、周波数フィルタ12、パルス変調器13、高出力増幅器14、制御器20、送受切替器30、送受信アンテナ31を備える。レーダ装置10は、さらに、周波数フィルタ41(41a、41b)、低雑音増幅器42、受信ミキサ43、中間周波増幅器45、分波器46、A/D変換器47(47a〜47c)、信号処理器48、表示器49、帯域補間処理器50を備える。なお、以下の説明では、3種類の周波数帯域の送信パルスが用いられるものとし、受信信号は送信パルスの種類ごとに異なるA/D変換器47で処理される場合について説明するが、送信パルスの周波数帯域の種類の数は任意である。また、レーダ装置10に備えられているA/D変換器47の数も、任意に変更されるものとする。例えば、レーダ装置10にA/D変換器47が1つ含まれていても良く、A/D変換器47が1つである場合、受信信号は所定の周期でA/D変換器47に入力され、受信信号ごとにデジタルI/Q信号が記録される。
レーダ装置10は、送受信アンテナ31から、予め設定された任意の種類の送信パルス信号を送信することができる。それぞれの種類の送信パルスは他の種類の送信パルスとは異なる周波数帯域の波長のパルスである。以下の説明では、3種類のパルスが用いられるものとする。また、各パルスで用いられる周波数は、f1〜f2、f3〜f4、f5〜f6のいずれかであるものとする。また、以下の説明では、f1<f2<f3<f4<f5<f6であるものとする。
制御器20は、パルスを生成するタイミングに応じて、パルスの生成に用いる周波数帯域を決定する。例えば、制御器20は、図2に示すテーブルに従って、周波数帯域を決定することができる。この場合、制御器20は、最初に生成されるパルスに対してf1〜f2の帯域を指定し、2番目のパルスに対してf3〜f4、3番目のパルスに対してf5〜f6の帯域を指定する。その後も、制御器20は、f1〜f2、f3〜f4、f5〜f6の帯域を順番に指定する。すなわち、制御器20は、
(3n+1)番目に生成されるパルス:f1〜f2
(3n+2)番目に生成されるパルス:f3〜f4
3n番目に生成されるパルス :f5〜f6
となるように周波数帯域を指定するものとする。ここでnは、0以上の任意の整数である。制御器20は、決定した周波数帯域を、周波数シンセサイザ11と分波器46に通知する。
周波数シンセサイザ11は、制御器20から指定された周波数帯域にわたるチャ−プ信号を生成して周波数フィルタ12に出力する。ここで、周波数シンセサイザ11は、IF(中間周波数)信号とローカル(局部発信)信号を用いて、高周波数のチャープ信号を生成するものとする。また、周波数シンセサイザ11は、受信ミキサ43にローカル信号を出力する。
周波数フィルタ12は、チャープ信号に含まれている所定の周波数成分を除去し、得られたチャープ信号をパルス変調器13に出力する。パルス変調器13は、周波数フィルタ12から入力されたチャープ信号を送信チャープパルスに変換して、高出力増幅器14に出力する。高出力増幅器14は、パルス変調器13から入力された送信チャープパルスの強度を増幅して送受信アンテナ31に出力する。このとき、送受切替器30は、送信チャープパルスが送信されるようにするために、高出力増幅器14と送受信アンテナ31を接続しているものとする。
送信チャープパルスが送信されると、送受切替器30は、送受信アンテナ31を周波数フィルタ41aに接続して待機する。送信チャープパルスが目標で反射された反射波は、送受信アンテナ31を介して周波数フィルタ41aに入力される。周波数フィルタ41aは、反射波のうちの所定の周波数成分を除去して低雑音増幅器42に出力する。低雑音増幅器42は、入力された反射波を増幅して受信ミキサ43に出力する。受信ミキサ43は、周波数シンセサイザ11から入力されたローカル信号を用いて、低雑音増幅器42から入力された受信信号をIF信号に変換する。受信ミキサ43は、得られたIF信号を周波数フィルタ41bに出力する。周波数フィルタ41bは、IF信号のうちの所定の周波数成分を除去して分波器46に出力する。分波器46は、制御器20から通知された周波数帯域に応じて、入力されたIF信号をA/D変換器47(47a〜47c)に出力する。A/D変換器47a〜47cは、入力されたIF信号をデジタルデータに変換して帯域補間処理器50に出力する。
図3は、帯域補間処理器50の構成の例を示す図である。帯域補間処理器50は、バッファ51、補正値テーブル52、電気長補正部53、補間処理部54を備える。バッファ51は、A/D変換器47a〜47cから入力されたデジタルデータを周波数の関数として格納する。補正値テーブル52は、周波数帯域ごとの電気長の補正値を保持する。電気長の補正値は、レーダ装置10の運用前に予め求められており、周波数ごとに補正値が記録されている。図4に、補正値テーブル52の例を示す。電気長補正部53は、バッファ51に格納されているデータを、データが得られた周波数に対応付けられた補正値を用いて補正する。例えば、周波数f1の信号の強度は、補正値x1を差し引いた値に補正される。同様に、電気長補正部53は、信号の強度を周波数に対応した補正値を差し引くことにより変更し、複数の受信信号の位相を合わせる。
補間処理部54は、電気長補正部53で補正されたデータを用いて、帯域補間処理を行う。まず、補間処理部54は、補正後のデータを周波数軸上で結合する。さらに、データが得られていない周波数について、帯域補間処理によってデータを求める。補間処理部54は、帯域補間処理によって得られたデータを信号処理器48(図1)に出力する。信号処理器48は、入力されたデータをIFFT(高速逆フーリエ変換、inverse fast Fourier transform)を用いて、時間の関数に変換することにより、インパルス信号に変換する。さらに、信号処理器48は、表示器49の表示に適した形式にインパルス信号を変形して出力する。
図5は、レーダ装置のハードウェア構成の例を示す。図5に示すように、レーダ装置10は、制御回路70、表示デバイス71、メモリ72を備える。制御回路70は、制御器20、電気長補正部53、補間処理部54、信号処理器48を実現する。制御回路70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの任意の制御回路とすることができる。メモリ72は、バッファ51として動作し、さらに、補正値テーブル52などのデータを保持する。表示デバイス71は、表示器49として動作する。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態で行われる動作の例を説明する。なお、レーダ装置10の動作は実装に応じて変更されることがあるものとする。例えば、以下の例では低周波数側から順に選択された周波数の送信パルスが、一定時間ごとに目標1に送信される場合について説明しているが、周波数帯域を選択する順序は任意に変更することができる。さらに、以下の説明では、複数の送信パルスから得られた受信信号はバッファ51に記録されるときに結合されているが、受信信号の周波数軸上での結合は、電気長が補正された後で行われても良い。
(1)制御器20は、f1〜f2の周波数帯域のチャープ信号の送信を、周波数シンセサイザ11に要求し、さらに、分波器46には受信信号がf1〜f2の周波数帯域の信号の反射波であることを通知する。また、送受切替器30は、高出力増幅器14と送受信アンテナ31を接続する。
(2)周波数シンセサイザ11は、IF信号とローカル信号を用いて、制御器20から指定された周波数帯域のチャ−プ信号を生成して周波数フィルタ12に出力する。さらに、周波数シンセサイザ11は、チャープ信号の生成に用いたローカル信号を受信ミキサ43へ出力する。
(3)周波数フィルタ12は、周波数シンセサイザ11から入力されたチャープ信号に含まれている所定の周波数成分を除去し、f1〜f2の周波数帯域のチャープ信号を生成する。パルス変調器13は、周波数フィルタ12から入力されたチャープ信号をチャープパルスに変換する。
(4)高出力増幅器14は、パルス変調器13から入力されたチャープパルスの強度を増幅する。増幅されたチャープパルスは、送受切替器30と送受信アンテナ31を介して目標1に照射される。例えば、時刻t1に、送受信アンテナ31は、図6(a)のAに示すチャープパルスを目標1に向けて送信する。チャープパルスが送信された後、送受切替器30は、送受信アンテナ31と周波数フィルタ41aを接続する。
(5)電波がレーダ装置10から目標1までの距離を往復するためにかかる時間が時刻t1から経過すると、送受信アンテナ31は、f1〜f2のチャ−プパルスが目標1で反射したときの反射波を受信する。図6(a)のAに示すチャープパルスの反射波は、図6(b)のαに示すように、時刻t1よりも2R/cだけ遅れて送受信アンテナ31に受信される。ここで、Rは、レーダ装置10から目標1までの距離であり、cは光速である。送受信アンテナ31は、受信した反射波を周波数フィルタ41aに出力する。また、チャープパルスの反射波の受信が終わると、送受切替器30は、高出力増幅器14と送受信アンテナ31が接続されるように設定を切り替える。
(6)周波数フィルタ41aは、反射波αに含まれている所定の周波数成分を除去することによりf1〜f2の周波数帯域に調整された信号を、低雑音増幅器42に出力する。反射波αのスペクトルの例を図7(a)のαに示す。なお、図7(a)の横軸は周波数である。
(7)受信ミキサ43は、低雑音増幅器42から入力された信号を、周波数シンセサイザ11から入力されているローカル信号を用いてIF信号に変換する。例えば、反射波αは、図7(b)のiαに示すように、if1〜if2の周波数帯域のIF信号に変換される。受信ミキサ43は、IF信号iαを周波数フィルタ41bに出力する。IF信号iαは、周波数フィルタ41bによってif1〜if2の周波数帯域に再度調整された後、中間周波増幅器45で増幅され、分波器46に出力される。
(8)分波器46は、制御器20から通知された周波数帯域に応じて、入力された信号をA/D変換器47a〜47cのいずれかに出力する。ここでは、分波器46は、
送信波がf1〜f2である場合のIF信号の出力先:A/D変換器47a
送信波がf3〜f4である場合のIF信号の出力先:A/D変換器47b
送信波がf5〜f6である場合のIF信号の出力先:A/D変換器47c
であるものとする。そこで、分波器46は、中間周波増幅器45から入力された信号をA/D変換器47aに出力する。
(9)A/D変換器47aは、分波器46から入力されたIF信号をI/Qデジタル信号に変換する。バッファ51は、A/D変換器47aから入力されたI/Qデジタル信号の値を周波数ごとに記録する。例えば、バッファ51には、(周波数,I/Qデジタル信号の値)=(8.9GHz,0.75+0.6i)などのようにI/Qデジタル信号の値が周波数に対応付けて記録される。ここで、iは虚数単位である。図8は、バッファが保持するテーブルの例である。
(10)手順(8)で説明したIF信号の出力が終わると、制御器20は、f3〜f4の周波数帯域のチャープ信号の送信を、周波数シンセサイザ11に要求し、さらに、分波器46には受信信号がf3〜f4の周波数帯域の信号の反射波であることを通知する。すると、手順(2)〜(4)と同様の処理により、時刻t2に、f3〜f4のチャープパルスが送受信アンテナ31から目標1に向けて送信される。送信されたチャープパルスを図6(a)のBに示す。
(11)図6(a)のBに示すチャープパルスの反射波βは、手順(5)、(6)と同様に受信される。反射波βのスペクトルの例を図7(a)のβに示す。さらに、反射波βは、手順(7)と同様にif3〜if4の周波数帯域のIF信号iβに変換される。IF信号iβのスペクトルを図7(b)のiβに示す。分波器46は、IF信号iβをA/D変換器47bに出力する。バッファ51は、A/D変換器47bから入力されたI/Qデジタル信号の値を周波数ごとに記録する。
このとき、バッファ51は、手順(9)で得られた受信波と、A/D変換器47bを周波数軸上で結合していることになる。この結合処理により、A/D変換器47bから入力されたデータと、手順(9)で得られたデータとが同じ時刻に受信された場合と同じ周波数スペクトルが得られる。すなわち、結合処理により、チャープパルスBが送信された時刻t2とチャープパルスAが送信された時刻t1の差を補正している。ここで、以下の説明では、t2−t1=ΔTとし、チャープパルスAが送信された時刻t1を基準とする場合について説明する。この場合、チャープパルスBの反射波から得られた信号iβに含まれる個々のデータは、時間軸上では実際の受信時刻よりΔTだけ早い時刻のデータとみなされている。
(12)次に、制御器20はf5〜f6の周波数帯域のチャープ信号の送信を、周波数シンセサイザ11に要求し、さらに、分波器46には受信信号がf5〜f6の周波数帯域の信号の反射波であることを通知する。すると、手順(2)〜(4)と同様の処理により、時刻t3に、f5〜f6のチャープパルスが送受信アンテナ31から目標1に向けて送信される。送信されたチャープパルスを図6(a)のCに示す。
(13)図6(a)のCに示すチャープパルスの反射波γは、手順(5)、(6)と同様に受信される。反射波γのスペクトルの例を図7(a)のγに示す。さらに、反射波γは、手順(7)と同様にif5〜if6の周波数帯域のIF信号iγに変換される。IF信号iγのスペクトルを図7(b)のiγに示す。分波器46は、IF信号iγをA/D変換器47cに出力する。バッファ51は、A/D変換器47cから入力されたI/Qデジタル信号の値を、周波数ごとに記録する。ここで、手順(11)でも述べたように、チャープパルスCの反射波から得られたIF信号iγに含まれる個々のデータは、時間軸上で、実際の受信時刻より2ΔTだけ早い時刻のデータとみなされている。なお、t3−t1=2ΔTであるものとする。
(14)電気長補正部53は、IF信号iα、iβ、iγの各々について、I/Qデジタル信号の値がバッファ51に記録されると、バッファ51に記録されている数値を、補正値テーブル52を用いて補正する。電気長補正部53の処理の例を、図9を参照しながら説明する。電気長補正部53は、I/Qデジタル信号の値に対応付けられた周波数に対して求められた補正値を補正値テーブル52から取得する。さらに、電気長補正部53は、I/Qデジタル信号の値から、取得した補正値を差し引いた値を、補正後のI/Qデジタル信号の値として記憶する。例えば、8.90GHzでは、I/Qデジタル信号の値は0.75+0.6iであり、補正値はa1+b1iである。そこで、電気長補正部53は、(0.75−a1)+(0.6−b1)iを補正値とする。他の周波数のデータについても同様に補正が行われる。
(15)補間処理部54は、電気長補正部53で補正されたI/Qデジタル信号を用いて、帯域補間処理を行う。補間処理部54が行う帯域補間処理の方法は、任意の帯域補間のための技術から選択されるものとする。補間処理部54で行われる帯域補間処理により、図7(c)に示すように、if1〜if6にわたるスペクトルが得られる。補間処理部54は、得られたスペクトルを信号処理器48に出力する。
(16)信号処理器48は、補間処理部54から入力されたスペクトルを時間の関数に変換する。ここで、補間処理部54から信号処理器48に入力されたスペクトルは、図7(c)に示すように、周波数軸上の信号である。そこで、信号処理器48は、補間処理部54から入力された周波数領域の信号を、時間領域の信号に変換する。例えば、信号処理器48がデジタルフィルタを備えている場合、信号処理器48は、デジタルフィルタによって時間領域の信号を生成する。また、信号処理器48は、高速逆フーリエ変換によって時間領域の信号を生成することもできる。
信号処理器48の処理により得られた時間領域の信号では、反射波が受信された時刻の強度が正となる信号が得られる。チャープパルスAの送信時刻は時刻t1であり、チャープパルスBは時刻t2、チャープパルスCは時刻t3に送信されている。しかし、周波数軸上での結合処理により、手順(11)、(13)で述べたように、送信時刻の差は帯域補間処理の前に補正されている。このため、帯域補間によって得られたデータは時刻t1に送信されたf1からf6にわたるチャープパルスの送信によって得られたデータとみなすことができ、同じ時刻にレーダ装置10に受信される信号として表現できるため、インパルス信号となる。すなわち、信号処理器48は、補間処理部54から入力されたスペクトルを時間圧縮することにより、インパルス信号を生成しているといえる。信号処理器48の処理により得られたインパルス信号では、パルスの立ち上がりは、レーダ装置10と目標1の間を電波が往復するためにかかる時間分、時刻t1よりも遅い時刻となる。すなわち、IF信号iα、iβ、iγの帯域補間の結果を、時間領域の信号により変換して得られたインパルス信号の立ち上がり時刻は、t1+2R/cのように表すことができる。
(17)信号処理器48は、生成したインパルス信号を表示器49に出力する。このとき、信号処理器48は、表示器49で行われる表示に応じてインパルス信号を変換し、変換後の信号を表示器49に出力することもできる。例えば、表示器49で目標までの距離を横軸としたグラフ上に計測結果が表示される場合、信号処理器48は、時間の関数として求めたインパルス信号を距離の関数に変換して出力する。横軸に光速の1/2の値が積算されることにより、横軸は距離の関数に変換される。
この場合、インパルス信号の横軸が0となる位置を、スペクトルの結合の際に基準としたチャープパルスの送信時刻とした上で、インパルス信号の横軸の値を光速の1/2の値(1.5×10m/s)を乗じて変換した結果が表示器49に出力される。時間領域のデータでのパルスの立ち上がり位置の横軸の値は、t1+2R/cであるので、t1を原点とすることにより、原点からパルスの立ち上がりまでは2R/cとなる。さらに、横軸に光速の1/2の値が積算されることにより、パルスの立ち上がりの横軸の値は、(2R/c)×(c/2)=Rとなる。すなわち、パルスの立ち上がりの横軸の値が、レーダ装置10から目標1までの距離となっている信号が表示器49に表示される。従って、ユーザは、距離の関数に変換されたグラフにおいて、閾値よりも高い信号強度を示した距離がレーダ装置10から目標1までの距離であると判定できる。
(18)手順(14)以降の処理により手順(1)〜(13)で得られた受信信号が処理されている間も、周波数シンセサイザ11は、制御器20から指定された周波数帯域の送信チャープ信号の生成を継続している。また、周波数フィルタ12、パルス変調器13、高出力増幅器14などでの処理も前述の方法と同様に行われているので、図6(a)に示すように、所定の時間間隔で、送信パルスが目標1に向けて送信される。また、送信パルスに含まれている周波数帯域は、予め決定されているタイミングで変更される。さらに、目標1からの反射波も、図6(b)に示すように受信される。受信信号を用いて、(14)以降の処理が繰り返され、レーダ装置10は、新たに得られた帯域補間後のデータに基づいて目標1までの距離を更新する。
なお、以上の説明では、信号処理器48の処理によりインパルス信号が得られる場合を例としたが、時間領域の信号がインパルス信号とならず、幅をもったパルスとなる場合も考えられる。かかる場合は、パルスの立ち上がり位置から目標1までの距離を求めても良く、また、パルス幅の1/2となる時刻を用いて目標1までの距離を求めても良い。
図10は、帯域補間処理器50の動作の例を説明するフローチャートである。図10の例では、電気長が補正された後で受信信号の結合が行われる。従って、バッファ51は、受信信号ごとに周波数とI/Qデジタル信号の値の組み合わせを記録しているものとする。図10において、Mは送信パルスの周波数帯域の種類の数を表す定数であり、2以上の任意の整数である。一方、mは、電気長の補正を行った受信信号の数を計数するために用いられる変数である。
電気長補正部53は、m=1に設定する(ステップS1)。次に、電気長補正部53は、バッファ51からm番目の受信信号について、周波数ごとのI/Qデジタル信号の値を取得する(ステップS2)。さらに、電気長補正部53は、受信信号と同じ周波数についての電気長の補正値を補正値テーブル52から抽出し、I/Qデジタル信号の値を補正値によって補正する。(ステップS3、S4)。m番目の受信信号について得られた全てのI/Qデジタル信号の値について補正が終わると、電気長補正部53は、mの値を1つインクリメントし、Mと比較する(ステップS5、S6)。mの値がM以下の場合、電気長補正部53は、ステップS2以降の処理を繰り返す。一方、mの値がMを越えると、電気長補正部53は補正が終わったことを補間処理部54に通知する。すると、補間処理部54は、補正後の受信信号を、周波数ごとに並べることによって複数の受信信号を結合し、さらに、結合後の受信データを用いて帯域補間処理を行う(ステップS7)。補間処理部54は、帯域補間処理の結果を信号処理器48に出力し、処理を終了する(ステップS8)。
以上説明したように、実施形態に係るレーダ装置10では、複数の送信パルスが送信される位置を同じ位置に固定することにより、位相を調整するための補正値を周波数の関数として予め求めることができる。一方、予め求められた補正値を用いずにレーダ信号の位相の差を補正する場合、まず、位相を合わせようとする個々のレーダ信号から特異点を求め、両方のレーダ信号から得られる特異点の位相が同じになるように、レーダ信号の位相を補正する。特異点を求める処理にかかる処理量は大きいため、レーダ装置に含まれる処理回路の負担は大きい。従って、実施形態に係るレーダ装置10では、特異点を求めずに位相を合わせることにより、受信信号の位相を合わせるときに行われる処理が処理回路にかける負担が軽減されているといえる。
また、予め求められた補正値を用いて2つの受信信号の位相を合わせることができるので、レーダ装置10は、受信信号の位相を合わせるために、各々のレーダ信号により得られる特異点を求めるなどの処理を行わなくても良い。このため、レーダ装置10では、帯域補間に用いられるデータが迅速に得られる。さらに帯域補間により、受信信号の帯域を拡張できるため、実際に送受信される個々の送信波の帯域が狭くても、送信波同士の周波数の差が大きい場合、広帯域に及ぶデータを用いて目標までの距離を測定することができる。例えば、第1の送信パルスの周波数帯域が4.0GHz〜4.1GHzであり、第2の送信パルスの周波数帯域が6.0GHz〜6.1GHz、第3の送信パルスの周波数帯域が10.0GHz〜10.1GHzであるとする。すると、第1〜第3の送信パルスによって得られた受信信号を帯域補間することにより、4.0GHz〜10.1GHzの周波数帯域を用いたパルスを目標1に照射した場合と同様の分解能を実現することができる。この場合であっても、実際の送信パルスに使用される周波数帯域は、合計で0.3GHzに抑えられる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、周波数シンセサイザ11が送信チャープ信号を生成する場合について説明したが、チャープ信号は波形発生器15によって生成されても良い。図11は、第2の実施形態にかかるレーダ装置60の構成の例を示す。レーダ装置60は、周波数シンセサイザ61、波形発生器15、中間周波増幅器16、周波数フィルタ12bを備える。波形発生器15は、チャープ信号を生成し、中間周波増幅器16に出力する。中間周波増幅器16は、増幅後のチャープ信号を周波数フィルタ12bに出力する。増幅後のチャープ信号は、周波数フィルタ12bにより所定の周波数帯域のチャープ信号に変更された後に、送信ミキサ18に出力される。
レーダ装置60は、さらに、制御器20、周波数フィルタ12a、パルス変調器13、高出力増幅器14、送受切替器30、送受信アンテナ31も備える。制御器20は、送信パルスを生成するためのローカル信号の周波数を決定して、周波数シンセサイザ61と分波器46に通知する。ローカル信号の周波数の決定方法は、第1の実施形態と同様に、予め決められた順序に従って決定される。周波数シンセサイザ61は、制御器20から通知された周波数のローカル信号を生成して送信ミキサ18に出力する。送信ミキサ18は、周波数フィルタ12bから入力されたチャープ信号と、周波数シンセサイザ61から入力されたローカル信号を用いて、送信チャープ信号を生成する。周波数フィルタ12a、パルス変調器13、高出力増幅器14、送受切替器30、送受信アンテナ31の動作は、第1の実施形態と同様である。
さらに、レーダ装置60は、周波数フィルタ41(41a、41b)、低雑音増幅器42、受信ミキサ43、中間周波増幅器45、分波器46、A/D変換器47(47a〜47c)、信号処理器48、表示器49、帯域補間処理器50を備える。これらの動作は、第1の実施形態と同様である。
<第3の実施形態>
図12は、第3の実施形態に係るレーダ装置80の構成の例を示す。レーダ装置80は、周波数帯域が高い送信パルスほど送信パルスの強度が大きくなるように、送信パルスの増幅量を送信パルスに含まれている周波数成分に応じて変更する。
レーダ装置80は、可変増幅器81、制御器82を備える。さらに、レーダ装置80は、周波数シンセサイザ61、周波数フィルタ12a、12b、パルス変調器13、高出力増幅器14、波形発生器15、中間周波増幅器16、送信ミキサ18により送信波を生成する。また、送信波の送信や受信波の受信には、送受切替器30および送受信アンテナ31が使用される。周波数フィルタ12a、12b、パルス変調器13、高出力増幅器14、波形発生器15、中間周波増幅器16、送信ミキサ18、送受切替器30、送受信アンテナ31の動作は、第1もしくは第2の実施形態と同様である。ただし、高出力増幅器14は、パルス変調器13から入力されたチャープパルスを増幅して、可変増幅器81に出力する。レーダ装置80は、受信波の処理を、周波数フィルタ41a、41b、低雑音増幅器42、受信ミキサ43、中間周波増幅器45、分波器46、A/D変換器47、帯域補間処理器50、信号処理器48、表示器49により行う。受信波の処理は、第1もしくは第2の実施形態と同様である。
制御器82は、第1の実施形態の制御器20と同様の方法により、パルスを生成するタイミングに応じてパルスの生成に用いる周波数帯域を決定する。さらに、制御器82は、第1の実施形態の制御器20と同様の方法により、送信パルスの生成に用いる周波数帯域を、可変増幅器81、周波数シンセサイザ61、および、分波器46に通知する。なお、制御器82は、制御回路70により実現されるものとする。
可変増幅器81は、高出力増幅器14から入力されたチャープパルスを、予め記憶している利得によりさらに増幅する。図13は、周波数帯域と利得の関係の例を示す。可変増幅器81は、図13のテーブルに示すように、周波数帯域ごとに増幅の際の利得の値を記憶しているものとする。オペレータは、実装に応じて決定した利得の値を可変増幅器81に記憶させることができる。なお、高い周波数帯域では、低周波数の領域に比べて自由空間での減衰が大きいため、利得の値は、周波数帯域が高いほど大きくなるように設定されるものとする。可変増幅器81は、周波数帯域に対応付けて記憶している利得により、高出力増幅器14から入力された送信パルスを増幅する。例えば、図13の例では、f1〜f2の周波数帯域が用いられた送信パルスの増幅の際の利得は10dBであり、f5〜f6の周波数帯域が用いられた送信パルスの増幅の際の利得は40dBである。可変増幅器81は、増幅した送信パルスを、送受切替器30および送受信アンテナ31を介して、目標1に送信する。図14(a)は、レーダ装置80から送信される送信波の例を示す。図14(a)に示すように、f1〜f2の送信パルス、f3〜f4の送信パルス、f5〜f6の送信パルスの順に送信パルスの強度が大きくなっている。
図14(b)は、図14(a)の送信波が目標1に送信されたときに、送受信アンテナ31で受信した受信波の例を示す。自由空間での減衰はf1〜f2の送信パルス、f3〜f4の送信パルス、f5〜f6の送信パルスの順に大きくなる。図14(b)は、周波数帯域の違いによる送信波の差分と減衰量の差分が同じ程度である場合について、受信波の例を示している。図14(b)のように、f1からf6にわたって受信パルスの強度が同程度である場合、受信波の最大強度も、図14(c)に示すようにf1〜f2の受信パルス、f3〜f4の受信パルス、f5〜f6の受信パルスの三者の間で大きな違いが見られない。受信ミキサ43によりローカル信号が除去された後の周波数スペクトルの例を図14(d)に示す。ローカル信号の除去により、f1〜f2のスペクトルはif1〜if2のスペクトルに変換される。同様に、f3〜f4のスペクトルはif3〜if4のスペクトル、f5〜f6のスペクトルはif5〜if6のスペクトルに変換される。
変換後のスペクトルについて、増幅、A/D変換などが行われた結果がバッファ51に記録される。電気長補正部53は、電気長を補正し、補間処理部54は、電気長の補正後のデータを用いて帯域補間処理を行う。帯域補間処理により得られたスペクトルを図14(e)に示す。
本実施形態では、周波数が高い送信波ほど送信出力を大きくすることにより、受信波の強度が高周波ほど弱くなることを防ぐことができる。このため、受信波の強度が高周波数では弱くなることに起因した測定精度の悪化を防ぐことができる。すなわち、周波数によらずに受信波の強度を一定以上の値に保つことができるように可変増幅器81での利得が調整されることにより、周波数による自由空間での減衰量の差が測定結果に及ぼす影響を小さくすることができる。
<第4の実施形態>
図15は、レーダ装置90の構成の例を示す図である。レーダ装置90は、受信波から目標1までの距離に応じて、送信パルスを増幅する際の利得を変更することができる。すなわち、第4の実施形態では、レーダ装置90は、フィードバックされた情報を用いて、送信波の減衰量を認識し、送信波を増幅する際の利得を調整する。
レーダ装置90は、制御器91、検波器92、可変増幅器93、分配器94を備える。レーダ装置90では、波形発生器15、中間周波増幅器16、周波数フィルタ12a、12b、送信ミキサ18、周波数シンセサイザ61、パルス変調器13、可変増幅器93により、送信波が生成される。レーダ装置90は、送受切替器30、送受信アンテナ31、周波数フィルタ41a、41b、低雑音増幅器42、受信ミキサ43、中間周波増幅器45、分波器46、A/D変換器47、帯域補間処理器50、信号処理器48、表示器49も備える。以下、レーダ装置90の動作の例を説明する。
(21)制御器91は、送信波に使用する周波数帯域を制御器82と同様の方法により選択し、選択した周波数帯域を周波数シンセサイザ61および分波器46に通知する。さらに、制御器91は、周波数帯域ごとに利得を決定し、決定した利得を可変増幅器93に通知する。最初に制御器91から可変増幅器93に通知される値は、予め制御器91が記憶しているものとする。
(22)周波数シンセサイザ61は、制御器91から通知された周波数帯域のローカル信号を生成して、送信ミキサ18および受信ミキサ43に出力する。波形発生器15、中間周波増幅器16、周波数フィルタ12a、12b、送信ミキサ18、パルス変調器13の動作は、第2の実施形態と同様である。パルス変調器13は、生成したチャープパルスを可変増幅器93に出力する。
(23)可変増幅器93は、パルス変調器13から入力されたパルスを、制御器91から通知された利得を用いて増幅する。可変増幅器93は、増幅後の送信パルスを、送受切替器30と送受信アンテナ31を介して目標1に送信する。
(24)受信波を受信したときの送受信アンテナ31、送受切替器30、周波数フィルタ41a、低雑音増幅器42の動作は第1〜第3の実施形態と同様である。ただし、低雑音増幅器42は、増幅後の信号を分配器94に出力する。分配器94は、低雑音増幅器42から入力された信号を、受信ミキサ43と検波器92に出力する。
(25)検波器92は、入力された信号の強度を制御器91に出力する。以下の例では、検波器92は、検波用ダイオードを備えており、分配器94から入力された電力レベルに対応する電圧を制御器91に出力するものとする。
(26)制御器91は、検波器92から入力された電圧値に基づいて、レーダ装置90から目標1までの距離を推定する。例えば、制御器91は、予め行われた予備実験などにより、レーダ装置90から目標1までの距離と、検波器92から入力される電圧の関係を示す電圧テーブルなどを記憶することができる。制御器91は、検波器92から入力される電圧をキーとして電圧テーブルを検索し、レーダ装置90から目標1までの距離を求める。
(27)次に、制御器91は、レーダ装置90から目標1までの距離に基づいて、周波数帯域ごとに、送信波の減衰量を計算する。さらに、計算結果に基づいて、使用する全ての周波数帯域の受信パルスの強度が閾値以上になるように、各周波数帯域についての利得を計算する。制御器91は、計算により得られた利得を、周波数帯域に関連付けて可変増幅器93に通知する。
(28)受信ミキサ43、周波数フィルタ41b、中間周波増幅器45、分波器46、A/D変換器47、帯域補間処理器50、信号処理器48、表示器49の動作は、第1〜第3の実施形態と同様である。
(29)可変増幅器93は、パルス変調器13から入力されたパルスを、制御器91から通知された利得を用いて増幅する。可変増幅器93は、増幅後の送信パルスを、送受切替器30と送受信アンテナ31を介して目標1に送信する。以下、手順(24)以降の処理が繰り返される。
次に、レーダ装置90の変形例について説明する。図16は、レーダ装置95の構成の例を示す図である。レーダ装置95は、信号処理器48で得られた結果を制御器96にフィードバックすることにより、制御器96が可変増幅器93での利得を計算する。
レーダ装置95に備えられている波形発生器15、中間周波増幅器16、周波数フィルタ12a、12b、送信ミキサ18、周波数シンセサイザ61、パルス変調器13の動作は、第2の実施形態と同様である。可変増幅器93は、制御器96から通知された利得を用いて、送信波を増幅する。
レーダ装置95で行われる受信波の処理と目標1までの距離の求め方は、第1〜第3の実施形態と同様である。すなわち、帯域補間処理によって得られた受信パルスを時間軸上のインパルスに変換した上で、横軸の値に光速の1/2の値を積算したときに、インパルスが得られた座標の横軸の値が、レーダ装置95と目標1の間の距離である。信号処理器48は、求めた距離を制御器96に通知する。制御器96は、目標1までの距離に基づいて、周波数帯域ごとに、送信波の減衰量を計算する。さらに、計算結果に基づいて、使用する全ての周波数帯域の受信パルスの強度が閾値以上になるように、各周波数帯域についての利得を計算する。
このように、レーダ装置90は、フィードバックを行うことにより、目標1までの距離に応じた送信電力を設定することができる。さらに、周波数が高い方が、大気減衰量が大きくなるため、レーダ装置90は、減衰量の違いを見込んで、各周波数での受信電力が同等になるように、各周波数での可変増幅器の増幅量を変化させることができる。
<第5の実施形態>
第5の実施形態では、周波数帯域が高い送信パルスの生成に用いるチャープ信号ほど広い帯域の信号とすることにより、周波数が高い領域を用いた場合のデータ量を確保する場合について、レーダ装置10の動作を説明する。
図17は、周波数帯域とパルス幅の決定に用いられるテーブルの例を示す。第5の実施形態では、制御器20は、図17(a)に示すテーブルに従って、周波数帯域を決定することができる。図17(a)のテーブルには、タイミングに対応付けて、出力される送信パルスの周波数帯域、生成される送信パルスでの所定の時間での周波数の変化量が記録されている。制御器20は、生成するパルスが何番目に生成されるパルスであるかに応じて、周波数帯域とパルス中の周波数の変化量を決定する。例えば、制御器20は、パルスの番号が3の倍数よりも1つ大きい場合、周波数帯域をf1〜f2にし、パルス中の周波数の変化量をΔfaにする。制御器20は、パルスの番号が3の倍数よりも2つ大きい場合、周波数帯域がf3〜f7で周波数の変化量をΔfbにし、パルスの番号が3の倍数である場合、周波数帯域がf5〜f8で周波数の変化量をΔfcにする。以下の説明では、周波数はf1<f2<f3<f7<f5<f8の順に高くなるものとする。さらに帯域幅は、(f2−f1)<(f7−f3)<(f8−f5)の順に広くなるものとする。従って、高周波数の送信波ほど広い周波数帯域にわたるチャープ信号が用いられる。ここで、パルス幅は、以下の式から計算される。
パルス幅=周波数帯域幅/パルス中の単位時間当たりの周波数の変化量
従ってパルス幅は、nを0以上の任意の整数とすると以下のように計算できる。
(3n+1)番目に生成されるパルス:(f2−f1)/Δfa
(3n+2)番目に生成されるパルス:(f7−f3)/Δfb
3n番目に生成されるパルス :(f8−f5)/Δfc
以下、パルス幅は、τ1〜τ3を用いて次のように表すものとする。
τ1=(f2−f1)/Δfa
τ2=(f7−f3)/Δfb
τ3=(f8−f5)/Δfc
ここでは、分かりやすくするために、いずれの周波数帯域でも周波数の変化量は同じ値、すなわち、Δfa=Δfb=Δfcであるものとする。すると、周波数シンセサイザ11は、チャープ信号の長さが、f1〜f2の信号<f3〜f7の信号<f5〜f8の信号となるようにチャープ信号を生成する。生成されたチャープ信号は、パルス変調器13によって送信パルスに変換される。このとき、パルス変調器13は、チャープ信号の長さに応じたパルス幅の送信波を生成するので、τ1<τ2<τ3となる。
図18(a)は、レーダ装置10から送信される送信波の例を示す。送信波は、図18(a)に示すように、f1〜f2の送信パルス、f3〜f7の送信パルス、f5〜f8の送信パルスの順にパルス幅が大きくなる。図18(b)は、図18(a)の送信波を目標1に送信したときにレーダ装置10が受信する受信波の例を示す。自由空間での減衰は高周波側ほど大きくなるため、受信波の強度は、f1〜f2の受信波>f3〜f7受信波>f5〜f8の受信波の順に小さくなる。
受信波に対して行われる処理は第1の実施形態と同様である。受信波のスペクトルの例を図19(a)に示す。また、受信ミキサ43によりローカル信号が除去された後の周波数スペクトルの例を図19(b)に示す。ローカル信号の除去により、f1〜f2のスペクトルはif1〜if2のスペクトルに、f3〜f7のスペクトルはif3〜if7のスペクトルに、f5〜f8のスペクトルはif5〜if8のスペクトルに、それぞれ変換される。変換後のスペクトルについて、増幅、A/D変換などが行われた結果がバッファ51に記録される。電気長補正部53は、電気長を補正し、補間処理部54は、電気長の補正後のデータを用いて帯域補間処理を行う。帯域補間処理により得られたスペクトルを図19(c)に示す。
帯域幅は比帯域を用いて表されることがある。ここで比帯域は
比帯域=帯域幅/中心周波数
で表される。このため、高周波数側では低周波数と同じ比帯域であったとしても帯域幅を広くすることができ、低周波数側よりも比較的容易に広い周波数帯域を確保できることが期待される。本実施形態では、周波数帯域が高いほど使用されている帯域を広くするため、高周波数の帯域の受信波から得られる情報量が増加する。そのため、高周波側での減衰量が比較的大きくても、高周波数で使用する帯域を広くすることにより、高周波側の結果から得られる情報の精度の劣化を防ぐことができる。
次に、本実施形態の変形例について述べる。制御器20は、図17(b)に示すテーブルに従って、周波数帯域を決定することもできる。この場合、周波数帯域と共に、制御器20は送信波のパルス幅を決定する。制御器20は、決定したパルス幅をパルス変調器13に通知する。なお、図17(b)のテーブルが用いられるレーダ装置10は、制御器20とパルス変調器13を結ぶ信号線を備えており、制御器20はその信号線を用いてパルス変調器13にパルス幅を通知するものとする。さらに、制御器20は、周波数シンセサイザ11に周波数帯域を通知する。周波数シンセサイザ11は、制御器20から通知された周波数帯域に渡るチャープ信号を生成する。チャープ信号は、周波数フィルタ12で処理された後で、パルス変調器13において、制御器20から通知されたパルス幅の送信パルスに変換される。
<変形例>
なお、実施形態は上記に限られるものではなく、様々に変形可能である。以下にその例をいくつか述べる。
図20は、レーダ装置10から出力された送信波と受信波の例である。図20に示す変形例では、レーダ装置10は、送信チャープパルスの周波数を順次変化させるのではなく、任意の所定時間毎に送信チャープパルスの周波数を変化させる。例えば、図20(a)に示すように、時刻t〜tの間は、周波数f1〜f2の送信チャープパルスが目標1に向けて送信される。次に、時刻tn+1〜t2nの間は、周波数f3〜f4の送信チャープパルス、時刻t2n+1〜t3nの間は、周波数f5〜f6の送信チャープパルスが目標1に向けて送信される。この場合、受信信号が帯域補間処理器50に入力されるまでの処理は、第1の実施形態と同様である。帯域補間処理器50は、時刻t〜t3nの送信チャープパルスに起因する受信波を受信するまで処理を開始しない。電気長補正部53は3n個の受信波のデータがバッファ51に蓄積されると、周波数ごとに、n個の強度の平均値を計算する。電気長補正部53は、得られた平均値に対して、補正値テーブル52に記録されている数値を用いて電気長を補正する。電気長補正部53は、電気長を補正したデータを補間処理部54に出力する。補間処理部54、信号処理器48、表示器49での処理は、第1の実施形態と同様である。この変形例では、送信チャープパルスの周波数帯域の変更はn個のパルスごとに行われるため、送信チャープパルスの生成時のレーダ装置10の負担が軽減される。さらに、一定時間の間、同じ周波数帯域の送信チャープパルスが用いられるため静止している目標や低速で移動する目標の探知精度を向上できる。
図21は、レーダ装置100の構成の例を示す。レーダ装置100は、受信RF信号に対して帯域補間処理を行う。レーダ装置100では、受信RF信号は、周波数フィルタ41a、低雑音増幅器42を介して後、分波器46に出力される。すなわち、受信RF信号は、周波数フィルタ41aで所定の周波数成分の信号に変換された後、低雑音増幅器42で増幅され、制御器20で制御された分波器46によって周波数帯域毎に分波される。周波数帯域毎に分波された受信RF信号は、それぞれの周波数帯域に対応したA/D変換器47(47a、47b)でデジタル信号に変換される。さらに、帯域補間処理器50により帯域補間が行われる。帯域補間により得られた結果が信号処理器48で処理され、得られた結果は表示器49に送られる。このように、レーダ装置100では、RF帯で帯域補間処理がおこなわれるので、受信ミキサ43、周波数フィルタ41b、中間周波増幅器45を備えなくても良い。このため、レーダ装置100は、比較的簡単な構造にすることができ、また、小型化が比較的容易である。
図22は、レーダ装置110の構成を示す。レーダ装置110は、複数の送信アンテナ111(111a、111b)と受信アンテナ112を備える。なお、図22の例では、送信アンテナ111が2本の場合を示しているが、送信アンテナ111の数は実装に応じて任意に変更される場合がある。
レーダ装置110では、周波数シンセサイザ11で生成された送信チャープ信号は、分波器19により周波数帯域毎に分波され、周波数帯域ごとに対応付けられた周波数フィルタ12aもしくは12bに出力される。周波数フィルタ12aもしくは周波数フィルタ12bで処理されたチャープ信号は、パルス変調器13(13a、13b)でパルスに変換され、高出力増幅器14(14a、14b)で増幅される。高出力増幅器14で増幅されたチャープパルスは、送信アンテナ111(111a、111b)から目標1に向けて送信される。各周波数の送信チャープパルスが送信されるタイミングは、制御器20が分波器19を介して制御する。一方、目標1からの受信波は、受信アンテナ112で受信される。受信波の処理は第1の実施形態と同様である。このような変形例では、各送信アンテナ111を狭帯域に対応するアンテナとすることができるので、レーダ装置110の設計が容易になる。また、補正値テーブル52は、周波数帯域ごとに対応する送信アンテナ111が用いられたときの電気長の補正値を記録する。例えば、f1〜f2の周波数帯域の送信波が送信アンテナ111aから送信される場合、f1〜f2の周波数帯域のデータについて用いられる補正値は、送信アンテナ111aが用いられる場合の電気長とされる。
図23は、レーダ装置120の構成を示す。レーダ装置110は、複数の送信アンテナ111(111a、111b)と複数の受信アンテナ112(112a、112b)を備える。レーダ装置120が送信波を生成する方法と送信波の送信の方法は、レーダ装置110と同様である。レーダ装置120は、周波数f1〜f2の送信チャープパルスが目標で反射されたことによる受信波を、受信アンテナ112aで受信する。一方、周波数f3〜f4の送信チャープパルスが目標で反射されたことによる受信波を、受信アンテナ112bで受信する。受信信号に対して、周波数帯域のフィルタリング、増幅、ダウンコンバート、デジタル化が行われる。デジタル化されたデータは、バッファ51に記録される。以後の処理は第1の実施形態と同様である。なお、送信アンテナ111と受信アンテナ112の数は、周波数帯域の種類と同じ数であり、任意に変更される。
第4の実施形態ではフィードバック処理により可変増幅器93での利得を調整する場合について述べたが、第5の実施形態にフィードバック処理を含めることもできる。この場合、フィードバック処理によりパルス幅が調整される。すなわち、制御器20は目標1までの距離に応じてパルス幅を決定し、決定したパルス幅を周波数帯域ごとにパルス変調器13に通知することができる。パルス変調器13は、送信チャープパルスのパルス幅が制御器20から通知されたパルス幅となるようにパルスを生成する。
第5の実施形態について、制御器20がΔfa=Δfb=Δfcではないテーブル(図17(a)に示すテーブル)を備えるように変形することもできる。この場合、制御器20は、周波数帯域が高い送信パルスほどパルス幅が大きくなる、すなわちτ1<τ2<τ3となるような周波数帯域幅および周波数の変化量を、テーブルに記憶しているものとする。
さらに、上記の実施形態は、適宜組み合わせて用いることができる。例えば、レーダ装置110、120は、レーダ装置60と同様の方法で送信チャープ信号を生成するように変形されても良い。また、レーダ装置80、90、95がレーダ装置10と同様の方法で送信チャープ信号を生成するように変形されても良い。
1 目標
10、60、80、90、95、100、110、120 レーダ装置
11、61 周波数シンセサイザ
12、41 周波数フィルタ
13 パルス変調器
14 高出力増幅器
15 波形発生器
16、45 中間周波増幅器
18 送信ミキサ
19、46 分波器
20、82、91、96 制御器
30 送受切替器
31 送受信アンテナ
42 低雑音増幅器
43 受信ミキサ
47 A/D変換器
48 信号処理器
49 表示器
50 帯域補間処理器
51 バッファ
52 補正値テーブル
53 電気長補正部
54 補間処理部
70 制御回路
71 表示デバイス
72 メモリ
81、93 可変増幅器
92 検波器
111 送信アンテナ
112 受信アンテナ

Claims (8)

  1. 第1の周波数帯域にわたる第1のチャープパルスと、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域にわたる第2のチャープパルスを、観測対象である目標に向けて送信する送信部と、
    前記目標からの前記第1のチャープパルスの反射波である第1の受信信号と、前記第2のチャープパルスの反射波である第2の受信信号を受信する受信部と、
    前記第1の受信信号の位相を、補正値テーブルに記録されている補正値で補正することにより第1の補正スペクトルを求めるとともに、前記第2の受信信号の位相を、前記補正値で補正することにより第2の補正スペクトルを求める補正部と、
    前記第1および第2の補正スペクトルを結合した信号に、前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域の間の帯域の信号を補間することにより、前記第1の周波数帯域から前記第2の周波数帯域までのチャープ信号を前記目標に照射したときに得られる反射波を表す補間信号を生成する帯域補間処理部と、
    前記補間信号を用いて前記目標までの距離を求める信号処理部
    を備え
    前記補正部は、前記補正値テーブルを用いて、前記第1の受信信号と前記第2の受信信号の位相を合わせる
    ことを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記補正値テーブルは、前記第1および第2のチャープパルスが前記目標に向けて送信されるまでに経由する電気長に起因して発生する位相の変化を解消するための補正値を、
    前記電気長を経由する信号の周波数の関数として記録し、
    前記補正部は、補正対象の信号と同じ周波数に対応付けられた補正値を用いて、前記第1および第2の受信信号を補正することにより、前記第1および第2の補正スペクトルを求める
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 第1の周波数帯域にわたる第1のチャープパルスと、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域にわたる第2のチャープパルスを、観測対象である目標に向けて送信する送信部と、
    前記目標からの前記第1のチャープパルスの反射波である第1の受信信号と、前記第2のチャープパルスの反射波である第2の受信信号を受信する受信部と、
    前記第1の受信信号の位相を、補正値テーブルに記録されている補正値で補正することにより第1の補正スペクトルを求めるとともに、前記第2の受信信号の位相を、前記補正値で補正することにより第2の補正スペクトルを求める補正部と、
    前記第1および第2の補正スペクトルを結合した信号に、前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域の間の帯域の信号を補間することにより、前記第1の周波数帯域から前記第2の周波数帯域までのチャープ信号を前記目標に照射したときに得られる反射波を表す補間信号を生成する帯域補間処理部と、
    前記補間信号を用いて前記目標までの距離を求める信号処理部
    を備え、
    前記補正部は、前記目標での前記第1のチャープパルスの散乱中心の周波数成分である
    第1の特異点を前記第1の受信信号から求めずに、前記第1の補正スペクトルを求め、さらに、前記目標での前記第2のチャープパルスの散乱中心の周波数成分である第2の特異点を前記第2の受信信号から求めずに、前記第2の補正スペクトルを求める
    ことを特徴とするレーダ装置。
  4. 第1の周波数帯域にわたる第1のチャープパルスと、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域にわたる第2のチャープパルスを、観測対象である目標に向けて送信する送信部と、
    前記目標からの前記第1のチャープパルスの反射波である第1の受信信号と、前記第2のチャープパルスの反射波である第2の受信信号を受信する受信部と、
    前記第1の受信信号の位相を、補正値テーブルに記録されている補正値で補正することにより第1の補正スペクトルを求めるとともに、前記第2の受信信号の位相を、前記補正値で補正することにより第2の補正スペクトルを求める補正部と、
    前記第1および第2の補正スペクトルを結合した信号に、前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域の間の帯域の信号を補間することにより、前記第1の周波数帯域から前記第2の周波数帯域までのチャープ信号を前記目標に照射したときに得られる反射波を表す補間信号を生成する帯域補間処理部と、
    前記補間信号を用いて前記目標までの距離を求める信号処理部と、
    前記第1および第2のチャープパルスの強度を増幅する増幅器を備え、
    前記増幅器は、増幅しようとするチャープパルスに含まれる周波数が高いほど送信されるチャープパルスの送信強度が高くなるようにチャープパルスの強度を増幅する
    ことを特徴とするレーダ装置。
  5. 前記信号処理部で算出された距離から周波数ごとの減衰量を見積もることにより、前記第1の周波数帯域にわたるチャープパルスを増幅するときの第1の利得と、前記第2の周波数帯域にわたるチャープパルスを増幅するときの第2の利得を求める制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1の利得を前記第1の周波数帯域に対応付けて前記増幅器に通知すると共に、前記第2の利得を前記第2の周波数帯域に対応付けて前記増幅器に通知し、
    前記増幅器は、前記第1の周波数帯域にわたる第3のチャープパルスを前記第1の利得で増幅し、前記第2の周波数帯域にわたる第4のチャープパルスを前記第2の利得で増幅する
    ことを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
  6. 第1の周波数帯域にわたる第1のチャープパルスと、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域にわたる第2のチャープパルスを、観測対象である目標に向けて送信する送信部と、
    前記目標からの前記第1のチャープパルスの反射波である第1の受信信号と、前記第2のチャープパルスの反射波である第2の受信信号を受信する受信部と、
    前記第1の受信信号の位相を、補正値テーブルに記録されている補正値で補正することにより第1の補正スペクトルを求めるとともに、前記第2の受信信号の位相を、前記補正値で補正することにより第2の補正スペクトルを求める補正部と、
    前記第1および第2の補正スペクトルを結合した信号に、前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域の間の帯域の信号を補間することにより、前記第1の周波数帯域から前記第2の周波数帯域までのチャープ信号を前記目標に照射したときに得られる反射波を表す補間信号を生成する帯域補間処理部と、
    前記補間信号を用いて前記目標までの距離を求める信号処理部と、
    前記第1の周波数帯域にわたるチャープ信号から前記第1のチャープパルスを生成し、前記第2の周波数帯域にわたるチャープ信号から前記第2のチャープパルスを生成するパルス変調器を備え、
    前記パルス変調器は、チャープパルスの生成に用いる信号に含まれる周波数が高いほどパルスの幅が広くなるようにチャープパルスを生成する
    ことを特徴とするレーダ装置。
  7. 前記信号処理部で算出された距離から周波数ごとの減衰量を見積もることにより、前記第1の周波数帯域にわたるチャープパルスに適用する第1のパルス幅と、前記第2の周波数帯域にわたるチャープパルスに適用する第2のパルス幅を求める制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1のパルス幅を前記第1の周波数帯域に対応付けて前記パルス変調器に通知すると共に、前記第2のパルス幅を前記第2の周波数帯域に対応付けて前記パルス変調器に通知し、
    前記パルス変調器は、前記第1の周波数帯域にわたる第3のチャープパルスを前記第1のパルス幅に調整し、前記第2の周波数帯域にわたる第4のチャープパルスを前記第2のパルス幅に調整する
    ことを特徴とする請求項6に記載のレーダ装置。
  8. 第1の周波数帯域にわたる第1のチャープパルスと、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域にわたる第2のチャープパルスを、観測対象である目標に向けて送信し、
    前記目標からの前記第1のチャープパルスの反射波である第1の受信信号と、前記第2のチャープパルスの反射波である第2の受信信号を受信し、
    前記第1の受信信号の位相を、補正値テーブルに記録されている補正値で補正することにより第1の補正スペクトルを求めるとともに、前記第2の受信信号の位相を、前記補正値で補正することにより第2の補正スペクトルを求め、
    前記第1および第2の補正スペクトルを結合した信号に、前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域の間の帯域の信号を補間することにより、前記第1の周波数帯域から前記第2の周波数帯域までのチャープ信号を前記目標に照射したときに得られる反射波を表す補間信号を生成し、
    前記補間信号を用いて前記目標までの距離を求め
    前記補正値テーブルを用いて、前記第1の受信信号と前記第2の受信信号の位相が合わせられる
    ことを特徴とする目標の検出方法。
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