JP2013142634A - Vswr検出回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタのリップル特性が原因で生じる反射波レベルの変動を補正することで、VSWRの測定精度を高める技術を提供する。
【解決手段】VSWR検出回路は、送信波の周波数を制限するフィルタと、前記フィルタの後段に接続された負荷で反射され、前記フィルタを通過した前記送信波の反射波を検出する検出回路と、前記フィルタの後段に基準負荷が接続された場合に生じる反射波に基づく補正情報を記憶した記憶装置と、前記補正情報に基づき、前記検出回路で検出された反射波を補正することで、前記反射波及び前記送信波に基づき算出されるVSWRを補正する演算回路とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)検出回路に関する。
携帯電話等の高周波信号を送信する無線通信装置では、信号の効率的な伝送を行うために、無線通信装置と無線通信装置に接続された給電ケーブル、コネクタ、アンテナ等の外部接続機器(送信負荷)とのインピーダンスが整合していることが望ましい。インピーダンス整合(インピーダンスマッチング)とは、信号の送り出し側回路の出力インピーダンスと受け側回路の入力インピーダンスを合わせることをいう。例えば、インピーダンス整合として、無線通信装置の特性インピーダンスと送信負荷の特性インピーダンスを合わせることが例示される。無線通信装置と送信負荷とが整合している場合、無線通信装置において、希望する最大出力を得ることができ、不整合点での反射波の発生を抑制することができる。
一般的に、無線通信装置は、無線通信装置と送信負荷との整合が取れていることが確認された後に運用が開始されるため、無線通信装置において効率的な伝送が可能となる。しかしながら、運用期間中には、経年変化等による送信負荷の劣化や、台風や雷、地震等による送信負荷の物理的な破損等、送信負荷に異常が発生する場合がある。このように、送信負荷に異常が発生すると、送信負荷のインピーダンスが変化するため、送信負荷と無線通信装置との間に不整合が生じてしまう。そのため、アンテナ送信電力及びアンテナ受信電力が低下し、無線通信システムのパフォーマンス低下を招いてしまう問題がある。また、高周波回路においては、不整合点で反射波が生じ、進行波と重畳して定在波となることで、電波障害等の不都合が生じる問題がある。
このような状態を未然に防ぎ、システムの信頼性を確保するために、無線通信装置において、送信負荷の異常を監視するための、Voltage Standing Wave Ratio(VSWR、電
圧定在波比)検出機能を備えることが望ましい。
VSWRは、送信信号の進行方向の成分である進行波と、伝送線路を進行波とは逆向きに進行する反射波とが合成された定在波の最大電圧値と最小電圧値との比である。VSWRは、例えば、以下の式(1)により求められる。
Figure 2013142634
無線通信装置と送信負荷とが完全に整合している場合には、反射波は発生しないため
、反射波電圧(Vr)=0となり、式(1)より、VSWRの取り得る値の最小値である、
VSWR=1.0となる。一方、無線通信装置と送信負荷とが不整合の場合には、反射波が
生じるため、式(1)より、VSWRは、1.0より大きくなる。従って、VSWRを検出
することで、無線通信装置と送信負荷との不整合状態、すなわち、送信負荷の異常を検知することができる。
また、負荷整合を表す別の概念としてリターンロス(Return Loss:RL)がある。リ
ターンロスは、反射損失を意味し、高周波回路の1つのポートについての、入力電力(進行波電力)に対する反射電力(反射波電力)の比を示す。リターンロス(単位dB(デシベル))は、例えば、以下の式(2)により求められる。
Figure 2013142634
リターンロスが大きくなる程、整合が取れている状態を示す。式(2)により、例えばリターンロスが20dBと算出された場合、反射波レベルは進行波レベルに比べ20dB低いレベルであることを意味する。なお、リターンロスは、上述の式(2)のマイナスを削除した式、すなわち、リターンロスが0以下となる式により算出される場合もある。図12は、
式(2)のマイナスを削除した式により算出されたリターンロスの特性を示している。本願では、例として、「リターンロス」を式(2)により求めることとする。
なお、式(1)(2)より、
Figure 2013142634
となり、VSWRとRLとは等価である(例えばVSWR=1の完全整合ではRLは∞となる)。
送信負荷の異常を正確に検知するため、VSWR検出機能では、VSWRを精度良く検出(測定)することが望ましい。このVSWRの測定精度を向上させる方法としては、例えば、進行波と反射波との干渉を抑制する方法があり、当該干渉抑制方法としては、様々な技術が知られている。例えば、サーキュレータを用いることで、反射波を進行波とは別経路に分離して検出することにより、進行波及び反射波の電圧値を測定し、精度良くVSWRを測定する技術がある(例えば、特許文献1)。また、進行波の漏れ電力を含めた反射波であっても、ベクトル調整器を用いることで進行波の漏れ電力成分を除去して反射波のみを測定することにより、精度良くVSWRを測定する技術がある(例えば、特許文献2)。また、可変移相器により、反射波と進行波のリーク成分との相対位相差、及び、進行波と反射波のリーク成分との相対位相差を調整することで、リーク成分を含まない入射波と反射波の大きさを求め、VSWRを算出する技術がある(例えば、特許文献3)。
特開2002−43957号公報 特開2004−286632号公報 特開2005−17138号公報
しかしながら、無線通信装置は、所定外の不要な周波数の信号を送信/受信しないため、帯域通過フィルタ(濾波器)(Band-pass filter(BPF))を備えることが一般的である。この場合、進行波と反射波との干渉を抑制した場合でも、無線通信装置が、フィルタを通過した反射波を検波する場合は、送信負荷の位相が変化した際に、フィルタのリターンロス特性がリップルを有することが原因で、反射波の電力値に変動が生じてしまう。この場合、検波される反射波の電力値(以下、反射波レベルという)の変動により、VSWRの測定誤差が生じる問題がある。
図12は、フィルタのリターンロス特性の一例を示す図である。図12は横軸を無線通信装置の周波数、縦軸をリターンロスとする。以下、単に「周波数」と呼ぶ場合は、「無線通信装置の周波数」を意味する。図12は、負荷のリターンロスが同一であり、負荷の位相がθ1、θ2で異なる送信負荷をそれぞれ接続した場合の、フィルタのリターンロス特性(特性A、特性B)を示す。以下、負荷のリターンロスを「負荷リターンロス」、負荷の位相を「負荷位相」とよぶ。また、図12には、特性A、Bの送信負荷と同一のリターンロスを有する送信負荷を接続した際の、理想特性を示す。
一般的に、フィルタは多段共振器等の構成を有するため、フィルタのリターンロス特性は、図12の特性A、Bのような、複数の極によるリップルを有する特性、すなわち、リップル特性を示す。そのため、フィルタのリターンロス特性は、図12に示した理想特性のようなフラットな周波数特性にはならないのが一般的である。また、図12の特性A、Bに示すとおり、負荷リターンロスが同一であっても、負荷位相が異なる(θ1、θ2)場合には、フィルタのリターンロス特性が異なる。すなわち、負荷の位相によって、フィルタのリターンロス特性が変動することとなる。
反射波がフィルタを通過せず検波される場合は、送信負荷の負荷位相が変化した場合であっても、負荷リターンロスが同一であれば、検出される反射波レベルに差異はなく、結果、得られるVSWRも同一となる。しかしながら、反射波がフィルタを通過した後に検波される場合は、上述した通り、負荷リターンロスが同一であっても負荷位相が異なる場合には、フィルタのリターンロス特性が異なる。そのため、負荷リターンロスが同一であっても、負荷位相が異なる送信負荷の間で、得られる反射波レベルに差異が生じ、結果、得られるVSWRにも差異が生じてしまう。
例えば、図12の周波数f1に着目すると、周波数f1において、負荷位相がθ1の場合(
特性Aの場合)はフィルタのリターンロスが小さく、負荷位相がθ2の場合(特性Bの場
合)はフィルタのリターンロスが大きいことが読み取れる。これより、特性Aの場合は、特性Bの場合に比べて、検出される反射波レベルが大きくなる。
そこで、開示の技術は、フィルタのリップル特性が原因で生じる反射波レベルの変動を補正することで、VSWRの測定精度を高めることを目的とする。
開示の技術の一側面によれば、送信波の周波数を制限するフィルタと、前記フィルタの
後段に接続された負荷で反射され、前記フィルタを通過した前記送信波の反射波を検出する検出回路と、前記フィルタの後段に基準負荷が接続された場合に生じる反射波に基づく補正情報を記憶した記憶装置と、前記補正情報に基づき、前記検出回路で検出された反射波を補正することで、前記反射波及び前記送信波に基づき算出されるVSWRを補正する演算回路とを含むVSWR検出回路が提供される。
開示の技術によれば、フィルタのリップル特性が原因で生じる反射波レベルの変動を補正することで、VSWRの測定精度を高めることができる。
図1は、実施例1に係るVSWR検出回路を含む無線通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図2は、実施例1に係る補正情報(補正テーブル)の一例を示す図である。 図3は、実施例1に係る無線通信装置に基準負荷が接続された状態の一例を示す図である。 図4は、実施例1に係る補正情報の生成フローの一例を示す図である。 図5は、実施例1に係るVSWR算出フローの一例を示す図である。 図6は、実施例1に係る補正値決定処理フローの一例を示す図である。 図7は、実施例2に係る補正値決定処理フローの一例を示す図である。 図8は、実施例3に係る補正値決定処理フローの一例を示す図である。 図9は、実施例4に係る補正情報(補正テーブル)の一例を示す図である。 図10は、実施例4に係る補正値決定処理フローの一例を示す図である。 図11は、実施例4に係る補正情報(補正テーブル)の一例を示す図である。 図12は、フィルタのリターンロス特性の一例を示す図である。 図13は、フィルタのリターンロス特性の一例を示す図である。 図14は、フィルタのリターンロス特性の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、一実施形態に係るVSWR検出回路について説明する。以下の実施例の構成は例示であり、本実施形態に係るVSWR検出回路は実施例の構成には限定されない。
<実施例1>
実施例1に係るVSWR検出回路では、フィルタのリップル特性が原因で生じる、フィルタを通過した反射波のレベル変動量を補正することで、VSWRを精度良く測定する。本来、反射波レベルは、式(2)に示す通り、進行波の電力レベルから負荷リターンロスを差し引いたレベル(以下、基準レベルという)となる。「反射波レベルの変動量」とは、負荷位相が異なる場合に、フィルタのリップル特性が原因で生じる、当該基準レベルからの変動量、すなわち、当該基準レベルとの差分をいう。「反射波レベルの変動量を補正する」とは、検出される反射波レベルを当該基準レベルに補正することをいう。なお、「反射波レベルの変動量を補正すること」は、すなわち、リターンロス(VSWR)の変動量を補正することと同義である。「リターンロスの変動量」とは、実際に検出されるリターンロスと負荷リターンロスとの差分をいう。
図12に示したように、負荷位相が異なる場合、フィルタのリターンロス特性、すなわち、検出される反射波レベルが異なるが、このフィルタのリターンロス特性と負荷位相との間には、一定の対応関係がある。
図13は、フィルタのリターンロス特性の一例を示す図である。図13は横軸を周波数、縦軸をリターンロスとする。図13は、負荷リターンロスが一定(同一)である場合の、負荷位相が0度、90度、180度の時のリターンロス特性を示す。図13に示すように、負荷位相が0度及び180度の場合のリターンロス特性は同様の特性を示す。また、図13に示すように、負荷位相が90度の場合のリターンロス特性は、負荷位相が0度(180度)の場合のリターンロス特性の位相を180度移相した特性となることがわかる。
このように、リターンロス特性と負荷位相との間には一定の対応関係があるため、リターンロス特性と負荷位相との関係を予め記憶しておき、無線通信装置100の運用時に検出された負荷位相と上記対応関係により、リターンロスの補正を行うことが可能となる。
例えば、負荷位相が既知である基準負荷を無線通信装置に接続し、各負荷位相に対応する反射波レベル変動量を予め取得することで、実際に送信負荷を接続した際の負荷位相が検出できれば、取得した反射波レベル変動量により反射波レベルを補正することができる。なお、本実施例では、負荷位相を検出する代わりに、負荷位相と対応関係にある反射波位相を検出することとする。また、本実施例では、反射波レベル変動量の代わりに、リターンロス変動量を用いることとする。すなわち、本実施例では、負荷位相及び負荷リターンロスが既知の疑似負荷である複数の基準負荷を無線通信装置に接続し、基準負荷毎に、反射波位相と反射波位相に対応するリターンロス変動量とを予め取得する。そして、実際に送信負荷を接続した際に検出される反射波位相と予め取得したリターンロス変動量とに基づき、反射波レベル(リターンロス)の補正を行うことで、VSWRを補正(算出)する。なお、予め取得する反射波位相及び当該反射波位相に対応するリターンロス変動量は、後述する補正情報として、無線通信装置に格納する。
ここで、図12に示す通り、周波数が異なると、同一の負荷リターンロス及び負荷位相であっても、検出される反射波レベルが異なることがわかる。例えば、図12の周波数f1においては、負荷位相がθ2の場合に比べ負荷位相がθ1の場合の方が、反射波レベルが大きくなる。一方、周波数f2においては、両者の相対関係が逆転し、負荷位相がθ1の場合
に比べ負荷位相がθ2の場合の方が、反射波レベルが大きくなる。
さらに、負荷リターンロスが変化すると、検出される反射波レベル及び反射波レベルの変動量が変化する。
図14は、フィルタのリターンロス特性の一例を示す図である。図14は横軸を周波数、縦軸をリターンロスとする。図14は、負荷位相が同一であり、負荷リターンロスがA1(dB)、A2(dB)、A3(dB)(A1<A2<A3)で異なる送信負荷をそれぞれ接続した場合の、フィルタのリターンロス特性を示す。図14に示す通り、負荷リターンロスが異なる場合でも負荷位相が同一であれば、リターンロス特性のリップル周波数は変化しないことがわかる。しかしながら、図14に示す通り、負荷リターンロスが異なると、反射波レベルとリップル変動量(反射波レベルの変動量)に差異が生じる。
例えば、図14の例では、負荷リターンロスA1(dB)の場合は、負荷リターンロスA2(dB)の場合に比べ、検出される反射波のレベルが大きくなる。また、負荷リターンロスA2(dB)の場合は、負荷リターンロスA1(dB)の場合に比べ、リップル変動量が大きくなることがわかる。すなわち、負荷リターンロスが大きい程(整合が取れている程)、反射波レベルの変動量が大きくなることがわかる。
このように、フィルタのリップル特性原因で生じる反射波レベルの変動量は、負荷位相(反射波位相)だけでなく、周波数及び負荷リターンロスによって異なる。そのため、本実施例では、基準負荷を接続することで取得されるリターンロス変動量を、反射波位相だ
けでなく、周波数及び負荷リターンロスと関連付けて記憶することとする。
本実施例では、このように予め取得されたリターンロス変動量を補正情報として格納し、実際の無線通信装置運用時に使用することで、リップル特性による反射波レベル(リターンロス)の変動分を補正することを可能とする。以下、本実施例に係る無線通信装置のハードウェア構成を説明する。
[無線通信装置のハードウェア構成]
図1は、実施例1に係るVSWR検出回路を含む無線通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。実施例1に係る無線通信装置100は、VSWR検出回路1、Central Processing Unit(CPU、中央処理装置)6、周波数変換器5、Power Amplifier(PA、電力増幅器)2、デュプレクサ3、高周波増幅器4を備える。また、図1に示すように、無線通信装置100には、給電ケーブル、コネクタ、アンテナ等の外部接続機器に例示される送信負荷50が接続されている。なお、送信負荷50は、「負荷」の一例である。
[無線通信装置]
無線通信装置100は、他の装置との間で無線通信を行う装置であり、携帯電話等の無線基地局等に例示される高周波無線通信装置である。
[CPU]
CPU6は、記憶装置13等に実行可能に展開されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで、無線通信装置100全体を制御する。また、CPU6は、周波数変換器5に対して、周波数変換器5が変換する周波数、すなわち、送信周波数を指示することで、送信周波数の制御を行うようにしてもよい。ここで、送信周波数とは、送信局から送信される信号の周波数をいう。なお、送信周波数は、上述した、無線通信装置の周波数をいう。
[周波数変換器]
周波数変換器5は、周波数変換器5に入力された送信信号の周波数を、CPU6により制御(指示)された送信周波数に変換する。すなわち、周波数変換器5は、無線通信装置の周波数である、送信周波数の設定を行う。
[電力増幅器]
電力増幅器3は、周波数変換器5から出力された無線送信信号(高周波送信信号)をアンテナから送信するため、当該無線送信信号の電力を増幅する。電力増幅器3は、増幅させた無線送信信号をVSWR検出回路1へ出力する。
[デュプレクサ]
デュプレクサ3は、Frequency Division Duplex(FDD、周波数分割)方式の通信シ
ステムにおいて、同じ1つのアンテナを介して送信される信号と受信される信号とを分岐する。通常、デュプレクサ3は、送信しようとする周波数のみを通過させるバンドパスフィルタ(送信フィルタ)と、受信しようとする周波数のみを通過させるバンドパスフィルタ(受信フィルタ)を含む。なお、デュプレクサ3は、「フィルタ」の一例である。
[高周波増幅器]
高周波増幅器4は、アンテナを介して受信した電波(信号)を、可能な限りノイズを付加することなく増幅する。高周波増幅器4は、増幅させた信号を、受信部(図示せず)へ出力する。なお、高周波増幅器4は、Low Noise Amplifier(LNA、低雑音増幅器)等
に例示される。
[VSWR検出回路]
VSWR検出回路1は、無線送信信号の進行波及び反射波を検波することで、VSWRを検出する回路である。VSWR検出回路1は、方向性結合器11、サーキュレータ12、進行波検出回路14、反射波検出回路15、演算回路16、記憶装置13を備える。
[方向性結合器11]
方向性結合器11は、伝送線路を通過する無線送信信号の進行波と反射波とを分離し、進行波電力のみに対応する信号を、又は、進行波電力及び反射波電力の各々に対応する信号を検出する。方向性結合器11は、例えば、3ポートを有するsingle directional coupler(単方向性結合器)に例示される。この場合、方向性結合器11は、一方向の電力(進行波電力)に対応する信号のみを検出し、出力する。本実施例1では、方向性結合器11の進行波ポートにより、無線送信信号の進行波に対応する信号が検出され、進行波検出回路14へ出力される。なお、方向性結合器11は、単方向性結合器に限るものではなく、4ポートを有するdual directional coupler(双方向性結合器)であってもよい。
[サーキュレータ12]
サーキュレータ12は、3ポート(端子)又はそれ以上のポートを有し、一定方向にのみ出力を行う特性を有する。サーキュレータ12が、例えば、端子1、端子2、端子3の3つの端子を有する場合、端子1からの入力は常に端子2へ出力され、端子2からの入力は端子3へ出力され、端子3からの入力は端子1へ出力される。このように、サーキュレータ12では、信号が出力される方向が予め定められている。そのため、本実施例1では、方向性結合器11からサーキュレータ12に入力された無線送信信号は、デュプレクサ3へ出力される。また、無線通信装置100と送信負荷50との不整合点で生じた反射波は、デュプレクサ3を介してサーキュレータ12へ入力されると、反射波検出回路15へ出力される。
[進行波検出回路]
進行波検出回路14は、方向性結合器11の進行波ポートに接続されており、当該進行波ポートから出力された、進行波に対応する高周波信号を検出(検波)し、進行波の電力値を検出する。以下、検出される進行波の電力値を「進行波レベル」とよぶ。進行波検出回路14は、進行波レベルを演算回路16へ出力する。
[反射波検出回路]
反射波検出回路15は、サーキュレータ12に接続されており、サーキュレータ12から出力された、反射波に対応する高周波信号を検出(検波)し、反射波レベルを検出する。反射波検出回路15は、反射波レベルを演算回路16へ出力する。また、反射波検出回路15は、位相検出機能として、位相検出回路17を備えることで、反射波の位相を検出し、検出した反射波位相を演算回路16へ出力する。なお、反射波検出回路15は、「検出回路」の一例である。
[位相検出回路]
位相検出回路17は、検波された反射波の位相を検出するための回路構成を有する。位相検出回路17は、直交検波回路に例示される。位相検出回路17が直交検波回路の場合、位相検出回路17は、反射波信号に無線通信装置の周波数を有する基準信号を乗算し、また、反射波信号に当該基準信号を90度移相した信号を乗算する。これら乗算された後の2つの信号に基づき、反射波位相検出回路16が、反射波位相を検出する。ここで、基準信号は、信号発生器(図示せず)で生成される信号であってもよいし、送信波信号の一部を取り出した信号であってもよい。なお、当該直交検波回路は、従来の直交検波回路と同様の構成であるため、直行検波回路の構成についての詳細説明は省略する。また、本実施
例1では、位相検出回路17を、直交検波回路に限るものではない。例えば、位相検出回路17は、送信波信号の一部を、位相を変化させながら反射波信号と乗算し相関を取ることで位相を検出する回路や移相器を用いる回路等であってもよい。直交検波回路により位相検出回路17が構成される場合、反射波位相(θ)は、例えば、以下の式(3)により求められる。
Figure 2013142634
なお、直交検波回路により位相検出回路17が構成される場合、反射波検出回路15により検出される反射波レベル(Rev)は、例えば、以下の式(4)により求められる。
Figure 2013142634
[演算回路]
演算回路16は、進行波検出回路14から出力された進行波レベル、反射波検出回路15から出力された反射波レベル及び反射波位相に基づき、VSWRを算出する。演算回路16は、補正情報生成回路1A、補正値決定回路18、VSWR算出回路19を備える。
[補正情報生成回路]
補正情報生成回路1Aは、無線通信装置100に、負荷リターンロス及び負荷位相が既知である複数の基準負荷を接続することで得られる、各基準負荷に対応する、リターンロスの補正値を含む情報(以下、補正情報という)を生成する。ここで、補正情報に含まれる補正値は、例えば、リターンロス変動量であり、基準負荷を無線通信装置100に接続した際に検出されるリターンロスと、当該基準負荷の負荷リターンロスとの差分値である。また、補正値は、リターンロス変動量に限るものでなく、基準負荷を接続した際に検出されるリターンロス自体であってもよい。補正情報生成回路1Aは、例えば、補正情報に含まれる補正値(X)を、以下の式(5)により求める。
Figure 2013142634
補正情報生成回路1Aは、算出したリターンロス変動量(補正値)を、補正情報として、反射波位相、周波数及び負荷リターンロスと関連付けることで、記憶装置13に記憶する。
図2は、実施例1に係る補正情報(補正テーブル)の一例を示す図である。図2に示すように、補正情報は、例えば、負荷リターンロス毎の補正テーブル(データベース)に格納される。負荷リターンロス毎の各補正テーブルには、反射波位相(縦軸)と周波数(横軸)との各組合せに対応する補正値が格納される。例えば、図2に示すように、負荷リターンロスがA1の補正テーブルにおいて、反射波位相θm及び周波数fnに対応する補正値と
してXmnが格納される。この場合、検出されたリターンロスに補正値Xmnを加算すると、負荷リターンロスとなる。なお、補正テーブルは、縦軸を周波数に、横軸を反射波位相としてもよい。
なお、補正情報生成回路1Aは、補正テーブルに格納された補正値を用いて、線形補間等に例示されるデータ補間を行うことにより、補正テーブルに格納されていない補正値を算出することも可能である。なお、データ補間は、線形補間に限るものではなく、他の多項式補間が行われるようにしてもよい。
[補正値決定回路]
補正値決定回路18は、上述した、フィルタ(デュプレクサ3)のリップル特性が原因で生じる、負荷位相に対応した反射波レベルの変動分を補正するための補正値を決定する。すなわち、補正値決定回路18は、負荷リターンロスが同一の送信負荷の間で、負荷位相が異なることによるVSWRの差異が生じないよう、反射波レベルの変動分を補正する補正値を決定する。補正値決定回路18は、具体的には、検出されたリターンロス、反射波位相及び周波数に基づき、予め記憶装置13に記憶された補正情報を参照することで、リターンロス(反射波レベル)を補正するための補正値(ΔRL)を決定する。補正値の決定方法についての詳細は、動作例にて説明することとする。
[VSWR算出回路]
VSWR算出回路19は、進行波検出回路14から出力された進行波レベルと反射波検出回路15から出力された反射波レベルによりリターンロスを算出する。VSWR算出回路19は、例えば、上述した式(2)を用いることで、リターンロスの算出を行う。また、VSWR算出回路19は、補正値決定回路18から補正値を受信すると、当該補正値を用いて、リターンロス(VSWR)の補正を行う。具体的には、VSWR算出回路19は、進行波レベル(Fwd)、反射波レベル(Rev)、及び補正値(ΔRL)によりリターンロスを算出する。VSWR算出回路19により補正値を用いて算出されるリターンロス(RL'
)は、例えば、以下の式(6)により求められる。
Figure 2013142634
また、VSWR算出回路19は、補正値ΔRLにより反射波レベルの変動分の補正が行われたリターンロスRL'を、VSWRに変換する。リターンロスからVSWRへの変換は、
以下の式(7)により行われる。
Figure 2013142634
[記憶装置]
記憶装置13は、処理対象のデータやCPU6が実行するプログラム(ソフトウェア)等を記憶する。記憶装置13としては、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random
Access Memory)等が例示される。記憶装置13には、補正情報等が記憶される。なお、記憶装置13は、「記憶装置」の一例である。
以上が、本実施例1に係る無線通信装置100のハードウェア構成であるが、図1は、本実施例1として特徴ある回路(構成)を主に示しているため、無線通信装置100は、図1に示す機器(回路)以外の回路を更に備えるようにしてもよい。
上述の通り、図1は、無線通信装置100にアンテナ等の送信負荷50を接続した、実際の運用時の状態を示す。一方、無線通信装置100は、運用開始の前段階においては、上述した補正情報を取得するために、基準負荷と接続される。
図3は、実施例1に係る無線通信装置に基準負荷が接続された状態の一例を示す図である。図3に示された無線通信装置100は、図1の無線通信装置100と同様の構成を備えるため、詳細説明は省略する。図3に示すように、無線通信装置100には、送信負荷50の疑似負荷である基準負荷51が接続され、基準負荷51には試験装置60が接続される。
[基準負荷]
基準負荷51は、可変アッテネータ(以下、ATTという)器52、可変移相器53を備える。可変ATT器52は、試験装置60から指示された設定値に基づき、基準負荷51の負荷リターンロスを調整する。可変移相器53は、試験装置60から指示された設定値に基づき、基準負荷51の負荷位相を調整する。
[試験装置]
試験装置60は、基準負荷51、すなわち、可変ATT器52及び可変移相器53を制御する情報処理装置、すなわち、コンピュータである。試験装置60は、CPU61、記憶装置62を備える。CPU61は、記憶装置62等に実行可能に展開されたプログラムを実行することで、試験装置60を制御する。記憶装置62は、CPU61が実行するプログラム(ソフトウェア)や基準負荷51の負荷位相及び負荷リターンロスの可変範囲に
関するデータ等を記憶する。なお、負荷位相及び負荷リターンロスの可変範囲は、ユーザにより変更可能である。記憶装置62としては、ROM及びRAM等が例示される。CPU61は、可変ATT器52及び可変移相器53を制御することで、基準負荷51の負荷リターンロス及び負荷位相を可変範囲内で設定する。
なお、図3の無線通信装置100、基準負荷51及び試験装置60では、本実施例1として特徴ある構成を主に示しているため、図1に示す機器以外の機器を更に備えるようにしてもよい。
[動作例]
本実施例1に係る無線通信装置100の動作例を、以下に説明する。
[動作例1−補正情報の生成]
図3に示すように、基準負荷51に接続された無線通信装置100(VSWR検出回路1)において、補正情報を生成する動作を、図4のフローを用いて以下説明する。
図4は、実施例1に係る補正情報の生成フローの一例を示す図である。まず初めに、無線通信装置100のCPU6により、周波数が設定される(ステップ1、以下S1のように表記する)。また、試験装置60のCPU61により、基準負荷の負荷リターンロス(RL)が設定される(S2)。さらに、試験装置60のCPU61により、基準負荷の負荷位相が設定される(S3)。なお、S1〜S3は、順不同である。
S1〜S3の設定が完了した後、反射波検出回路15により、反射波位相が検出される(S4)。反射波検出回路15は、例えば、式(3)を用いることで、反射波位相を検出する。また、進行波検出回路14は、進行波レベルを検出し、反射波検出回路15は、反射波レベルを検出する(S5)。反射波検出回路15は、例えば、式(4)を用いることで、反射波レベルを検出する。S5の後、VSWR算出回路19は、検出された進行波レベルと反射波レベルによりリターンロス(RL)を算出(検出)する(S6)。この際、VSWR算出回路19は、例えば、式(2)を用いることでリターンロスを算出する。なお、S4とS5及びS6とは順不同である。
S6の処理の後、補正情報生成回路1Aは、VSWR算出回路19により算出されたリターンロスと負荷リターンロスとの差分、すなわち、補正値を算出する(S7)。補正情報生成回路1Aは、例えば、補正値(X)を、式(5)を用いることで算出する。なお、負
荷リターンロスは、例えば、試験装置60又は基準負荷51から無線通信装置100に通知されることで、補正情報生成回路1Aが補正値算出に使用可能とする。
S7の処理の後、補正情報生成回路1Aは、算出した補正値を、S1で設定された周波数、S4で検出された反射波位相、及び負荷リターンロスと対応付け、補正情報として記憶装置13に記憶する(S8)。例えば、図2に示すように、負荷リターンロスがA1の補正テーブルにおいて、反射波位相θm及び周波数fnに対応する補正値としてXmnを記憶する。この補正テーブルにおいて、1つの補正値が格納される1つのセルを、以下、補正項とよぶ。
S8の処理が完了すると、試験装置60のCPU61により、可変範囲内で測定対象として設定された全ての負荷位相につき、設定が終了したか否かが確認される(S9)。すなわち、全ての負荷位相についてS4〜S8の処理が終了しているか否かが確認される。測定対象である全ての負荷位相につき、設定が終了していない場合は(S9;No)、S3に戻り、CPU61により、設定が終了していない負荷位相の設定が行われる。全ての負荷位相につき、設定が終了している場合(S9;Yes)、CPU61は、可変範囲内
で測定対象として設定された全ての負荷リターンロスにつき、設定が終了したか否かを確認する(S10)。測定対象である全ての負荷リターンロスにつき、設定が終了していない場合は(S10;No)、S2の処理に戻り、CPU61により、設定が終了していない負荷リターンロスの設定が行われる。全ての負荷リターンロスにつき、設定が終了している場合(S10;Yes)、無線通信装置100のCPU6は、測定対象として設定された全ての周波数につき、設定が終了したか否かを確認する(S11)。測定対象である全ての周波数につき、設定が終了していない場合は(S11;No)、S1に戻り、CPU6により、設定が終了していない周波数の設定が行われる。全ての周波数につき、設定が終了している場合(S11;Yes)、本処理フローを終了する。
なお、測定対象とする周波数、負荷位相及び負荷リターンロスは予めユーザにより設定可能であり、設定された値等は、記憶装置13や記憶装置62等に記憶されるようにしてもよい。また、図4のフローでは、周波数、負荷リターンロス、負荷位相の順に設定を行うこととしたが(S1〜S3、S9〜S11)、これに限るものではなく、これら3つのパラメータの設定の順番は、変更可能である。なお、S1で設定する周波数は、無線通信装置を使用するユーザのニーズに合わせた周波数、すなわち、ユーザが使用する周波数についてのみ設定することで、補正テーブル生成の効率化を図るようにしてもよい。
[動作例2−VSWRの算出]
図1に示すように、送信負荷50に接続された無線通信装置100(VSWR検出回路1)において、VSWRを算出する動作を、図5のフローを用いて以下説明する。
図5は、実施例1に係るVSWR算出フローの一例を示す図である。まず初めに、送信負荷50が無線通信装置100に接続された状態で、無線通信装置100のCPU6により、周波数が設定される(S21)。
その後、無線通信装置100から無線送信信号が送信負荷50へ送出されると、反射波検出回路15は、反射波位相を検出する(S22)。反射波検出回路15は、例えば、式(3)を用いることで、反射波位相を検出する。また、進行波検出回路14は、進行波レベルを検出し、反射波検出回路15は、反射波レベルを検出する(S23)。反射波検出回路15は、例えば、式(4)を用いることで、反射波レベルを検出する。S23の後、VSWR算出回路19は、検出された進行波レベルと反射波レベルによりリターンロス(RL)を算出(検出)する(S24)。この際、VSWR算出回路19は、例えば、式(2)を用いることでリターンロスを算出する。なお、S22とS23及びS24とは順不同である。
S24の処理の後、補正値決定回路18は、リターンロス(反射波レベル)を補正するための補正値(ΔRL)を決定する処理(補正値決定処理)を行う(S25)。補正値決定処理の詳細説明は、図6を用いて後述する。補正値決定回路18は、決定された補正値を、VSWR算出回路19へ出力する。
S25で補正値が算出及び出力されると、VSWR算出回路19は、当該補正値を用いてリターンロスを補正する(S26)。具体的には、VSWR算出回路19は、S23で検出された進行波レベル及び反射波レベルと、S25で決定された補正値を用いて、リターンロス(RL')を算出する。VSWR算出回路19は、例えば、式(6)を用いること
で、リターンロスの補正を行う。
その後、VSWR算出回路19は、S26で算出されたリターンロスをVSWRに換算することで、VSWRを算出する(S27)。VSWR算出回路19は、例えば、式(7)を用いることで、リターンロスからVSWRへの換算を行う。S27の処理の後、本処
理フローを終了する。
[動作例3−補正値決定処理]
図1の送信負荷50に接続された無線通信装置100における、補正値決定処理についての動作を、図6のフローを用いて以下説明する。
図6は、実施例1に係る補正値決定処理フローの一例を示す図である。補正値決定回路18は、図5のS24で検出されたリターンロス(以下、検出RLという)に基づき、補正値を決定するために参照する補正テーブルを選択する(S251)。具体的には、補正値決定回路18は、検出RLを取得した際に無線通信装置100に接続されている可能性のある負荷リターンロスについての補正テーブルを選択する。例えば、補正値決定回路18は、検出RLの値を中心に所定の幅をもつ範囲(検出RL±所定値(ΔR1)の範囲)に含まれる負荷リターンロスについての補正テーブルを選択する。この所定の幅(所定値ΔR1)は、ユーザにより変更可能である。
S251の処理の後、補正値決定回路18は、S251で選択された補正テーブル内に、図5のS21で設定された周波数とS22で検出された反射波位相との組み合わせに対応する補正項が存在するか否かを確認する(S252)。対応する補正項が存在する場合(S252;Yes)、補正値決定回路18は、当該補正項に格納された補正値を選択する(S253)。S253で補正値が選択された後、S255の処理へ進む。
対応する補正項が存在しない場合(S252;No)、補正情報生成回路1Aは、S251で選択された補正テーブルに基づき、図5のS21で設定された周波数及びS22で検出された反射波位相との組合せに対応する補正値を算出する(S254)。補正情報生成回路1Aは、例えば、選択された補正テーブルに格納された補正値を用いて、データ補間を行うことにより、周波数と反射波位相との組合せに対応する補正値を算出する。データ補間方法については、後述する処理例にて、詳細説明を行う。S254で補正値が算出された後、S255の処理へ進む。
S253、S254の後、補正値決定回路18は、補正テーブル(負荷リターンロス)毎に、図5のS21で設定された周波数及びS22で検出された反射波位相の場合に検出されると予想されるリターンロス(以下、予想検出RLという)を算出する(S255)。具体的には、補正値決定回路18は、補正テーブル毎に、負荷リターンロスから、S253で選択された補正値又はS254で算出された補正値を減算し、減算された値を予想検出RLとする。
なお、上述した図6のS252〜S255の処理は、S251にて選択された全ての補正テーブルについて実行されることとする。S251で選択された各補正テーブルについて、S252〜S255の処理が行われた後、S256の処理へ進む。
補正値決定回路18は、図5のS24で得られた検出RLとS254で算出された予想検出RLとの差分が所定値(ΔR2)以内となる予想検出RLが存在するか否かを確認する(S256)。具体的には、補正値決定回路18は、検出RLと予想検出RLとの差分の絶対値(|検出RL−予想検出RL|)が所定値以内となる予想検出RLが存在するか否かを確認する。なお、当該所定値ΔR2は、ユーザにより変更可能であり、予め記憶装置13に記憶されるようにしてもよい。
所定値以内となる予想検出RLが存在する場合(S256;Yes)、補正値決定回路18は、当該予想検出RLを算出する際に使用した補正値を、リターンロスの補正に使用する補正値(ΔRL)として決定する(S257)。なお、S256で、差分の絶対値が所
定値以内となる予想検出RLが複数存在する場合は、差分の絶対値が最小となる予想検出RLの算出時に使用した補正値を、リターンロス補正に使用する補正値として決定すればよい。S257でリターンロス補正に使用する補正値が決定されると、図6の本処理フローを終了する。
所定値以内となる予想検出RLが存在しない場合(S256;No)、補正情報生成回路1Aは、検出RLに最も値が近い予想検出RL及び2番目に近い予想検出RL及びこれらリターンロス算出時の補正値に基づき、検出RLに対応する補正値を算出する(S258)。ここで、上述した通り、負荷リターンロスが異なる場合であっても、フィルタのリターンロス特性のリップル周波数は変化せず、リターンロスが大きい程リターンロス変動量が大きくなるという特性をフィルタが有している。そのため、検出RLに対応する補正値は、他のリターンロスに対応する補正値を用いてデータ補間を行うことにより、求めることが可能である。従って、補正情報生成回路1Aは、例えば、検出RLに最も値が近い予想検出RL及び2番目に近い予想検出RL算出時の補正値を用いてデータ補間を行うことにより、検出RLに対応する補正値を算出することができる。データ補間方法については、後述する処理例において、詳細説明を行う。
S258の処理の後、補正値決定回路18は、S258で算出された補正値を、リターンロス補正に使用する補正値として決定する(S259)。S259でリターンロス補正に使用する補正値が決定されると、図6の本処理フローを終了する。
[処理例 補正値決定処理]
図6で示した補正値決定処理の一例を、図2を用いて以下説明する。
本処理例では、図5のS21で設定した周波数をfx、S22で検出された反射波位相をθx、S24で検出されたリターンロス(検出RL)をRLxとして、補正値決定処理の説明を行う。
まず、補正値決定回路18は、検出RLを取得した際に無線通信装置100に接続されている可能性のある負荷リターンロスの補正テーブルを選択する(図6のS251に相当)。補正値決定回路18は、例えば、検出RL(RLx)±所定値(ΔR1)の範囲に含まれ
る負荷リターンロスについての補正テーブルを選択する。例えば、RLx−ΔR1≦A1,A2,A3≦RLx+ΔR1である場合、補正値決定回路18は、複数の補正テーブルのうち、負荷リターンロスA1,A2,A3の補正テーブルを選択する。
次に、補正値決定回路18は、選択した、負荷リターンロスA1,A2,A3についての補正テーブル(以下、補正テーブルA1,A2,A3という)内に、周波数fxと反射波位相θxとの
組合せに該当する補正項が存在するか否かを確認する(図6のS252に相当)。周波数fxがf1<fx<f2、反射波位相θxがθ1<θx<θ2である場合、図2の補正テーブルA1,A2,A3のいずれにおいても、周波数fxと反射波位相θxとの組合せに対応する補正項は存在
しない。そのため、補正情報生成回路1Aは、補正テーブル毎に、補正テーブルに格納された補正値を用いてデータ補間を行うことにより、周波数fxと反射波位相θxとの組合せ
に対応する補正値を算出する(図6のS254に相当)。このデータ補間の一例として、線形補間について、以下説明する。
図2に示した補正テーブルA1における線形補間の方法について説明する。補正情報生成回路1Aは、補正テーブルA1における、周波数fxの前後の周波数(f1、f2)と反射波位相θxの前後の周波数(θ1、θ2)との組合せに該当する補正項に格納された補正値を読み
出す。すなわち、補正情報生成回路1Aは、補正値X11、X12、X21、X22を読み出す。反射波位相がθ1の時の補正値は、周波数f1の時にX11であり、周波数f2の時にX12である。そ
のため、反射波位相θ1において、周波数f1と周波数f2との間で補正値の線形補間を行う
場合、例えば、以下の式(8)により、線形補間された補正値が求められる。
Figure 2013142634
同様に、反射波位相がθ2の時の補正値は、周波数f1の時にX21であり、周波数f2の時にX22である。そのため、反射波位相θ2において、周波数f1と周波数f2との間で補正値の線形補間を行う場合、例えば、以下の式(9)により、線形補間された補正値が求められる。
Figure 2013142634
上記より、負荷リターンロスA1、周波数fx及び反射波位相θ1の組合せに対応する補正
値がαであり、負荷リターンロスA1、周波数fx及び反射波位相θ2に対応する補正値がβ
である。これより、反射波位相θ1と反射波位相θ2との間で線形補間を行う場合、以下の式(10)により、線形補間された補正値が求められる。
Figure 2013142634
このように、補正情報生成回路1Aは、式(8)〜(10)を用いることで、補正テーブルA1における、周波数fxと反射波位相θxとの組合せに対応する補正値を算出すること
ができる。また、補正情報生成回路1Aは、補正テーブルA2,A3においても、補正テーブルA1と同様に、周波数fxと反射波位相θxとの組合せに該当する補正値を算出することが
できる。以下、補正テーブルA1,A2,A3において算出された、周波数fxと反射波位相θx
との組合せに該当する補正値を、それぞれ、YA1,YA2,YA3と呼ぶこととする。
周波数fxと反射波位相θxとの組合せに該当する補正値(YA1,YA2,YA3)が算出されると、補正値決定回路18は、補正テーブル毎に、周波数がfx、反射波位相がθxの場合の予
想検出RLを算出する(図6のS255に相当)。具体的には、補正値決定回路18は、
補正テーブルA1については、負荷リターンロスA1から補正値YA1を減算し、減算された値
を予想検出RL(RLEA1)とする。同様に、補正値決定回路18は、補正テーブルA2,A3
について、負荷リターンロスA2,A3からそれぞれ補正値YA2,YA3を減算し、減算された値
を予想検出RL(RLEA2,RLEA3)とする。
補正値決定回路18は、検出RL(RLx)と予想検出RL(RLEA1,RLEA2,RLEA3)との差分の絶対値が所定値(ΔR2)以内となる予想検出RLが存在するか否かを確認する(図6のS256に相当)。本処理例では、所定値ΔR2<|RLx−RLEA1|<|RLx−RLEA2|<|RLx−RLEA3|であると仮定し、以下説明する。
この場合、検出RLと予想検出RLとの差分が所定値以内となる予想検出RLが存在しないため、補正情報生成回路1Aは、検出RLに最も値が近い予想検出RL及び2番目に近い予想検出RL算出時の補正値によりデータ補間を行う(図6のS258に相当)。本処理例の場合、検出RLに最も値が近い予想検出RL(RLEA1)と2番目に検出RLに値
が近い予想検出RL(RLEA2)の算出時の補正値(YA1,YA2)により補正値のデータ補間を行い、検出RLに対応する補正値が算出される。例えば、以下の式(11)により、検出RLに対応する補正値が求められる。
Figure 2013142634
このように、補正情報生成回路1Aは、式(11)を用いることで、検出リターンロスRLx、周波数fx及び反射波位相θxの組合せに対応する補正値を算出することができる。
<変形例1−基準負荷>
実施例1では、図3に示すとおり、基準負荷として、可変ATT器52、可変移相器53を備え、電気的に負荷リターンロス及び負荷位相を設定可能な基準負荷51を例示した。しかしながら、本実施例は当該基準負荷に限るものではなく、異なる負荷リターンロス及び負荷位相を有する複数の基準負荷をそれぞれ無線通信装置に接続するようにしてもよい。
<変形例2−テーブル選択方法>
実施例1(動作例3)では、図6のS251において、補正値を決定するために参照する補正テーブルを選択する方法として、検出RL±所定値(ΔR1)の範囲に含まれる負荷リターンロスについての補正テーブルを選択する方法を例示した。しかしながら、本実施例はこの方法に限るものではなく、以下の方法を用いてもよい。
上述したとおり、負荷リターンロス毎に生成された補正テーブルに含まれる補正値を、当該補正テーブルに対応する負荷リターンロスから減算すると、対応する周波数及び反射波位相における予想検出RLを算出することができる。そのため、負荷リターンロス毎に生成された補正テーブルに含まれる補正値の最大値及び最小値により、補正テーブル(負荷リターンロス)毎の予想検出RLの最大値及び最小値が求められる。すなわち、補正テーブル(負荷リターンロス)毎に、最大予想検出RL及び最小予想検出RL、すなわち、検出RLが取り得る範囲が求められる。
この検出RLが取り得る範囲(最小予想検出RL〜最大予想検出RL)を、予め、補正テーブル生成時に補正テーブルと対応付けて記憶しておくことで、検出RLが含まれ得る補正テーブルを選択することができる。すなわち、図4のS11で全ての設定周波数につき測定を完了した後に、補正情報生成回路1Aが、補正テーブル毎の最小予想検出RL及び最大予想検出RLを算出し、対応する補正テーブルに対応付けて記憶しておく。これより、補正値決定回路18は、図6のS251で、図5のS24で得られた検出RLが各補正テーブルの検出RLが取り得る範囲内に含まれるか否かを確認し、検出RLの値を含むと判断された補正テーブルを選択することができる。
<変形例3−データ補間された補正値の格納>
実施例1では、補正テーブル生成方法として、図4に示すように、設定された周波数、負荷位相、負荷リターンロスについてリターンロスを測定し補正値を算出することで、当該算出された補正値のみを補正テーブルに記憶する方法を例示した。しかしながら、本実施例ではこの方法に限るものではない。例えば、測定していない負荷(負荷位相、負荷リターンロス)に対応する補正値を、測定された負荷について算出された補正値を用いたデータ補間により算出し、予め補正テーブルに記憶するようにしてもよい。
<変形例4−補正情報(補正式)>
実施例1では、図2に示すように、補正情報は補正テーブルに格納されることとした。しかしながら、本実施例ではこれに限るものではなく、補正情報を補正式として記憶しておくようにしてもよい。
上述の通り、負荷位相に対応するリターンロス(反射波レベル)変動量は、反射波位相、周波数、負荷リターンロスに依存する。ここで、図4のS6で得られる検出RLは、負荷リターンロスとリターンロス変動量とを加算したものである。よって、負荷位相に対応するリターンロス変動量は、反射波位相、周波数、検出RLに依存するといえる。よって、リターンロスの補正値Xmnを、反射波位相、周波数、検出RLの関数(Xmn=f(反射波位相)+g(周波数)+h(検出RL)、f,g,hは関数を表す)として表すことができる。よっ
て、このXmnの関数を補正式、すなわち、補正情報としてもよい。当該補正値Xmnの関数は、図4で各周波数、負荷リターンロス、負荷位相を設定することで得られる各補正値に基づき生成することができる。
なお、補正情報として補正式を用いる場合、補正値決定回路18は、図6に示した補正値決定処理を行わず、上述した補正式に、周波数、反射波位相、検出RLを入力することで、対応する補正値を算出(決定)する。
<変形例5−ハードウェア構成>
実施例1では、図1に示すように、進行波レベル、反射波レベル及び反射波位相に基づくVSWR算出処理等の各種演算処理を、演算回路18が行うこととして例示した。しかしながら、本実施例は各種演算処理を回路が行うことに限るものではない。例えば、記憶装置13等の記憶装置に格納されたプログラムをCPU6が実行することにより、各種演算処理が行われるようにしてもよい。また、反射波検出回路15が行う反射波レベル及び反射波位相の検出についても、CPU6がプログラムを実行することにより実現されるようにしてもよい。
<実施例2−補正テーブルに格納する補正値>
実施例1では、補正テーブルに、リターンロス変動量である補正値を格納するようにしたが、本実施形態はこれに限るものではなく、補正情報生成時に検出されたリターンロス自体を補正テーブルに格納するようにしてもよい。具体的には、図4の補正情報生成フロ
ーのS8において、補正値を補正情報として格納するのではなく、S6で検出されたリターンロスを格納する。なお、S6で検出されたリターンロスは、上述した予想検出RLに相当するものである。補正テーブルに、S6で検出されたリターンロスが格納されている場合の補正値決定決定処理について、以下説明する。なお、実施例2は、補正テーブルに格納する補正値及び補正値決定処理が異なること以外は、実施例1と同様であるため、詳細説明を省略する。また、変形例1〜5については、実施例2に適用可能である。
図7は、実施例2に係る補正値決定処理フローの一例を示す図である。補正値決定回路18は、図5のS24で得られた検出RLに基づき、補正値を決定するために参照する補正テーブルを選択する(S41)。S41の処理は、図6のS251の処理と同様であるため、詳細説明を省略する。
S41の処理の後、補正値決定回路18は、選択された補正テーブル内に、図5のS21で設定された周波数とS22で検出された反射波位相との組み合わせに対応する補正項が存在するか否かを確認する(S42)。対応する補正項が存在する場合(S42;Yes)、補正値決定回路18は、当該補正項に格納された補正情報(予想検出RL)を選択する(S43)。S43で補正値が選択された後、S45の処理へ進む。
対応する補正項が存在しない場合(S42;No)、補正情報生成回路1Aは、S41で選択された補正テーブルに格納された補正情報に基づきデータ補間等を行うことで、周波数と反射波位相との組合せに対応する補正情報(予想検出RL)を算出する(S44)。なお、S44におけるデータ補間方法は、図6のS254におけるデータ補間方法と同様であるため、詳細説明を省略する。S44で補正情報が算出された後、S45の処理へ進む。
なお、上述した図7のS42〜44の処理は、S41にて選択された全ての補正テーブルについて、実行されることとする。S41で選択された各補正テーブルについて、S42〜S44の処理が行われた後、S45の処理へ進む。
補正値決定回路18は、図5のS24で得られた検出RLと、S43で選択された又はS44で算出された補正情報(予想検出RL)との差分が所定値(ΔR2)以内となる予想検出RLが存在するか否かを確認する(S45)。具体的には、補正値決定回路18は、検出RLと予想検出RLとの差分の絶対値(|検出RL−予想検出RL|)が所定値以内となる予想検出RLが存在するか否かを確認する。
所定値以内となる予想検出RLが存在する場合(S45;Yes)、補正値決定回路18は、当該予想検出RLから当該予想検出RL(補正情報)に対応する負荷リターンロスを減算した値を、リターンロスの補正に使用する補正値とする(S46)。なお、S46で、差分の絶対値が所定値以内となる予想検出RLが複数存在する場合は、差分の絶対値が最小となる予想検出RLから対応する負荷リターンロスを減算した値を、リターンロス補正に使用する補正値とすればよい。S46でリターンロス補正に使用する補正値が決定されると、図7の本処理フローを終了する。
所定値以内となる予想検出RLが存在しない場合(S45;No)、補正情報生成回路1Aは、データ補間により検出RLに対応する負荷リターンロスを算出する(S47)。具体的には、補正情報生成回路1Aは、検出RLに最も値が近い予想検出RL及び2番目に近い予想検出RLに対応する各負荷リターンロスを用いてデータ補間を行うことで、検出RLに対応する負荷リターンロスを算出する。
S47の処理の後、補正値決定回路18は、検出RLからS47で算出された負荷リタ
ーンロスを減算した値を、リターンロス補正に使用する補正値として決定する(S48)。S48でリターンロス補正に使用する補正値が決定されると、図7の本処理フローを終了する。
なお、図7のS46及びS48では、予想検出RL又は検出RLから負荷リターンロスを減算した値を、リターンロス補正に使用する補正値に決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、図7においてS46及びS48の処理を行わず、S45で差分が所定値以内と判断された予想検出RLに対応する負荷リターンロス又はS47で算出された負荷リターンロスが、VSWR算出回路19に出力されるようにする。これより、VSWR算出回路19は、取得した負荷リターンロスを、図5のS26で算出される補正後のリターンロス(R')とするようにしてもよい。
<実施例3−補正テーブルの項目(検出RL)>
実施例1では、補正テーブルとして、図2に示すように、負荷リターンロス毎の補正テーブルを例示した。しかしながら、本実施形態はこの補正テーブルに限るものではなく、補正情報生成時に検出したリターンロス毎の補正テーブルであってもよい。補正テーブルを、補正情報生成時に検出したリターンロス毎の補正テーブルとする場合の補正テーブル生成方法及び補正値決定処理について、以下説明する。なお、実施例3は、以下に示す補正テーブル生成方法及び補正値決定処理が異なること以外は、実施例1と同様であるため、詳細説明を省略する。また、変形例1、3〜5については、実施例3に適用可能である。
[補正テーブル生成方法]
補正テーブルを、補正情報生成時に検出したリターンロス毎の補正テーブルとする場合、図4の補正情報生成フローのS8では、補正値を補正情報として、周波数、反射波位相、及びS6で算出されたリターンロスと対応付けて記憶する。例えば、図2では、負荷リターンロスA1、A2、A3…毎の補正テーブルが生成されているが、これに替えて、検出したリターンロスB1、B2、B3…毎の補正テーブルとする。なお、検出されたリターンロス毎の補正テーブルの場合、検出されたリターンロスの測定時に検出された反射波位相及び周波数の組合せのみについて、対応する補正値が補正テーブルに格納される。そのため、補正テーブル内の全ての周波数及び反射波位相(例:図2のθ1〜θm、f1〜fn)について、対応する補正値が格納されない場合がある。この場合、格納されていない、周波数及び反射波位相の組合せに対応する補正値については、前後の周波数及び反射波位相の組合せに対応する補正値により、データ補間を行うようにしてもよい。図4の他のステップにおける処理は、実施例1と同様であるため、詳細説明を省略する。
[補正値決定処理]
図8は、実施例3に係る補正値決定処理フローの一例を示す図である。補正値決定回路18は、図5のS24で得られた検出RLに対応する補正テーブルが存在するか否かを確認する(S51)。具体的には、補正値決定回路18は、検出RLと各補正テーブルに係るリターンロス(図4のS6で検出されたリターンロス)とを比較し、これらの差分の絶対値が所定値(ΔR3)内であるか否かを確認する。なお、当該所定値は、ユーザにより変更可能であり、記憶装置13等に記憶されるようにしてもよい。
検出RLについての補正テーブルが存在する場合は(S51;Yes)、S53の処理へ進む。一方、検出RLについての補正テーブルが存在しない場合(S51:No)、補正情報生成回路1Aは、データ補間を行うことで、検出RLに対応する補正テーブルを生成する(S52)。S52の処理の後、S53の処理へ進む。
補正値決定回路18は、選択した補正テーブル内に、図5のS21で設定した周波数と
S22で検出された反射波位相との組合せに対応する補正項が存在するか否かを確認する(S53)。補正テーブル内に周波数及び反射波位相に対応する補正項が存在する場合(S53;Yes)、その対応する補正項に格納された補正値を選択する(S54)。S54の処理の後、本処理フローを終了する。
一方、補正テーブル内に周波数及び反射波位相に対応する補正項が存在しない場合(S53;No)、補正情報生成回路1Aは、データ補間を行うことで、周波数及び反射波位相に対応する補正値を算出する(S55)。例えば、補正情報生成回路1Aは、上述した処理例に示したデータ補間方法により、データ補間を行う。S55の処理の後、本処理フローを終了する。
なお、図8のS52では、検出RLに対応する補正テーブルを生成することとしたが、本実施例では、全ての周波数及び反射波位相に対応する補正値が格納された補正テーブルを生成するものに限らない。例えば、図5のS21で設定した周波数及びS22で検出された反射波位相、又はそれらの値を含む所定範囲の周波数及び反射波位相に対応する補正値のみが格納された補正テーブルであってもよい。
また、上述の例では、図4のS6で検出されたリターンロス毎の補正テーブルを生成することとしたが、この方法では、検出されたリターンロス毎に補正テーブルが生成されてしまうため、膨大な数の補正テーブルが生成される可能性がある。よって、この可能性を少なくするため、複数の検出されたリターンロス及び補正値を用いてデータ補間を行うことにより、1つ又は複数の所定の値を有するリターンロスの補正テーブルを生成してもよい。例えば、同一周波数及び同一反射波位相で検出されたリターンロスが18dB、22dB、27dBである場合、これらリターンロスについて算出された補正値を線形補間することで、検出されるリターンロスが20dB、25dBの場合の補正値を算出する。これより、検出されるリターンロス(予想検出RL)が20dB及び25dBについての補正テーブルがそれぞれ生成されるようにしてもよい。なお、この場合の補正値決定処理は、図8に示した補正値決定処理と同様であるため、詳細説明を省略する。
<実施例4−補正テーブルの構成及び補正値決定処理>
実施例1では、補正テーブルとして、図2に示すように、負荷リターンロス毎の補正テーブルを例示した。しかしながら、本実施形態は当該補正テーブルに限るものではなく、周波数毎の補正テーブルや反射波位相毎の補正テーブルであってもよい。以下、方法1として周波数毎の補正テーブルを用いた場合の補正値決定処理と、方法2として反射波位相毎の補正テーブルを用いた場合の補正値決定処理について説明する。なお、実施例4は、以下の方法1及び方法2で示す補正テーブルの構成及び補正値決定処理が異なること以外は、実施例1と同様であるため、詳細説明を省略する。また、変形例1、3〜5については、実施例4に適用可能である。
(方法1−反射波位相毎の補正テーブル)
図9は、実施例4に係る補正情報(補正テーブル)の一例を示す図である。図9は、反射波位相毎の補正テーブルである。当該反射波位相毎の各補正テーブルには、負荷リターンロス(縦軸)と周波数(横軸)との各組合せに対応する補正値が格納される。例えば、図9に示すように、反射波位相がθ1の補正テーブルにおいて、負荷リターンロスAm及び
周波数fnに対応する補正値としてXmnが格納される。なお、補正テーブルは、縦軸を周波
数に、横軸を負荷リターンロスとしてもよい。補正テーブルとして、図9に示された反射波位相毎の補正テーブルを用いる場合の補正値決定処理方法を、以下説明する。
図10は、実施例4に係る補正値決定処理フローの一例を示す図である。反射波位相毎の補正テーブルを用いる場合の補正値決定処理について、図10を用いて説明する。補正
値決定回路18は、図5のS22で検出された反射波位相に対応する補正テーブルが存在するか否かを確認する(S31)。検出された反射波位相についての補正テーブルが存在する場合は(S31;Yes)、S33の処理へ進む。一方、検出された反射波位相についての補正テーブルが存在しない場合(S31:No)、補正情報生成回路1Aは、データ補間を行うことで、検出された反射波位相についての補正テーブルを生成する(S32)。例えば、補正情報生成回路1Aは、検出された反射波位相に最も近い前後の位相についての補正テーブルによりデータ補間を行う。S32の処理の後、S33の処理へ進む。
補正値決定回路18は、選択した補正テーブル内に、図5のS21で設定した周波数についての補正項、すなわち、設定した周波数についてのレコードが存在するか否かを確認する(S33)。選択した補正テーブル内に設定した周波数についてのレコードが存在する場合(S33;Yes)、S35の処理へ進む。選択した補正テーブル内に設定した周波数についてのレコードが存在しない場合(S33;No)、補正情報生成回路1Aは、データ補間を行うことで、設定された周波数についてのレコードを生成する(S34)。例えば、補正情報生成回路1Aは、設定された周波数に最も近い前後の周波数についてのレコード(補正値)によりデータ補間を行う。S34の処理の後、S35の処理へ進む。
補正値決定回路18は、選択した補正テーブル内の設定した周波数についてのレコード、すなわち、選択した補正テーブル内の、設定された周波数に対応する複数の補正値毎に、予想検出RLを算出する(S35)。具体的には、補正値決定回路18は、設定された周波数に対応する複数の補正値毎に、対応する負荷リターンロスから各補正値を減算し、減算された値を予想検出RLとする。
補正値決定回路18は、図5のS24で得られた検出RLとS35で算出された予想検出RLとの差分が所定値(ΔR2)以内となる予想検出RLが存在するか否かを確認する(S36)。所定値以内となる予想検出RLが存在する場合(S36;Yes)、補正値決定回路18は、当該予想検出RLを算出する際に使用した補正値を、リターンロスの補正に使用する補正値として決定する(S37)。なお、S36で、差分の絶対値が所定値以内となる予想検出RLが複数存在する場合は、差分の絶対値が最小となる予想検出RLの算出時に使用した補正値を、リターンロス補正に使用する補正値として決定すればよい。S37でリターンロス補正に使用する補正値が決定されると、図10の本処理フローを終了する。
所定値以内となる予想検出RLが存在しない場合(S36;No)、補正情報生成回路1Aは、検出RLに最も値が近い予想検出RL及び2番目に近い予想検出RL及びこれらリターンロス算出時の補正値に基づき、検出RLに対応する補正値を算出する(S38)。具体的には、補正情報生成回路1Aは、検出RLに最も値が近い予想検出RL及び2番目に近い予想検出RL算出時の各補正値を用いてデータ補間を行うことにより、検出RLに対応する補正値を算出する。
S38の処理の後、補正値決定回路18は、S38で算出された補正値を、リターンロス補正に使用する補正値として決定する(S39)。S39でリターンロス補正に使用する補正値が決定されると、図10の本処理フローを終了する。
なお、図10のS32では、検出された反射波位相に対応する補正テーブルを生成することとしたが、本実施例では、全ての周波数及び負荷リターンロスに対応する補正値が格納された補正テーブルを生成するものに限らない。例えば、図5のS21で設定された周波数又は設定された周波数を含む所定範囲の周波数に対応する補正値のみが格納された補正テーブルであってもよい。また、図5のS24で検出されたリターンロスに基づき、所定範囲の負荷リターンロスに対応する補正値のみを格納した補正テーブルを生成するよう
にしてもよい。同様に、図10のS34においても、所定範囲の負荷リターンロスに対応する補正値のみを格納した、設定した周波数に対応するレコードを生成するようにしてもよい。
(方法2−周波数毎の補正テーブル)
図11は、実施例4に係る補正情報(補正テーブル)の一例を示す図である。図11は、周波数毎の補正テーブルである。当該周波数毎の各補正テーブルには、反射波位相(縦軸)と負荷リターンロス(横軸)との各組合せに対応する補正値が格納される。例えば、図11に示すように、周波数がf1の補正テーブルにおいて、反射波位相θm及び負荷リタ
ーンロスAnに対応する補正値としてXmnが格納される。なお、補正テーブルは、縦軸を負
荷リターンロスに、横軸を反射波位相としてもよい。補正テーブルとして周波数毎の補正テーブルを用いる場合の補正値決定処理方法は、図10に示した反射波位相毎の補正テーブルを用いる場合の補正値決定処理方法と同様の方法により行うことができる。周波数毎の補正テーブルを用いる場合の補正値決定処理方法は、図10の補正値決定処理において、「周波数」を「反射波位相」に、「反射波位相」を「周波数」に、読み替えを行えばよい。
<実施例5−補正テーブル生成方法>
実施例1では、無線通信装置100において、基準負荷51を接続することにより、補正情報を生成することとした。この場合、複数の無線通信装置100が存在する場合、各無線通信装置100が備えるフィルタは、製造誤差等が原因で、特性が全く同一ではないことから、無線通信装置毎に補正情報を生成する必要が生じる。そのため、補正情報を生成するための作業負荷が大きくなる。
この作業負荷を軽減するため、無線通信装置毎に補正情報を生成するのではなく、ある1つの基準フィルタについて予め補正情報を生成し、当該補正情報を基準として他のフィルタについての補正情報を生成するようにしてもよい。例えば、当該基準フィルタと各無線通信装置が備えるフィルタ(他のフィルタ)との特性の差分をそれぞれ取得しておき、当該特性の差分に基づき、基準フィルタについての補正情報を補正することで、他のフィルタについての補正情報を生成する。ここで、フィルタの特性とは、Sパラメータに例示される。この方法によれば、全無線通信装置において、基準負荷を接続することによる補正情報の生成が不要となる。また、基準フィルタは、補正情報を生成するための基準となるフィルタであればよく、ユーザ(補正情報の生成者)は、複数のフィルタから自由に選択可能である。なお、実施例5は、当該補正情報の生成方法が異なること以外は、実施例1と同様である。また、変形例1〜5は、実施例5に適用可能である。
<実施形態の効果>
本実施形態によると、VSWR検出回路1は、無線通信装置100に基準負荷51が接続された状態で、デュプレクサ3のリップル特性が原因で生じる反射波レベル(リターンロス)の変動量を補正するための補正情報を記憶する。これより、VSWR検出回路1は、無線通信装置100の運用時に、デュプレクサ3を通過した後に検出された反射波レベル(リターンロス)を、予め記憶した補正情報により補正することが可能となる。このように、本実施形態では、デュプレクサ3を通過した後に検出される反射波レベル(リターンロス)について、リップル特性が原因で生じるレベル変動を補正することが可能である。そのため、反射波検出部15の後段にフィルタを設置する無線通信装置において、リップル特性が原因で生じるレベル変動を解消することができるため、無線通信装置100が、反射波検出部15の後段にフィルタを設置する構成を有することが可能となる。
また、上述の通り、フィルタのリップル特性(リターンロスの変動量)は、負荷位相(反射波位相)に依存する。そのため、負荷位相(反射波位相)とリップル特性の対応関係
、例えば、反射波位相とリターンロス変動量を予め記憶しておけば、無線通信装置100の運用時に検出された反射波位相に対応するリターンロス変動量を前記対応関係より取得できる。本実施形態では、VSWR検出回路1は、反射波検出回路15において、反射波のレベルに加え反射波の位相を検出することとした。これより、VSWR検出回路1は、検出された反射波の位相に基づき、前記補正情報を参照することで、検出された反射波の位相に対応する、検出された反射波のレベルを補正するための補正値を算出することが可能である。
また、本実施形態によると、各無線通信装置100に用いられるフィルタについての補正情報は、基準フィルタについて予め生成された補正情報を基準として、当該基準フィルタと各無線通信装置のフィルタとの特性差分に基づき生成することができる。そのため、本実施形態によれば、各無線通信装置100において、基準負荷51を接続することにより補正情報を生成する作業負荷を軽減することが可能となる。
また、本実施形態では、上述した先行技術文献と比較した場合、以下に示す効果を奏する。特許文献1(図1、図2)のように、サーキュレータが無線通信装置の出力端(アンテナの前段)に設置されている場合、サーキュレータで発生した歪み信号が不要スプリアスとしてアンテナから放出されてしまう問題がある。サーキュレータは、通常、非線形デバイスであるため、歪みが生じるからである。当該歪みを抑えるためには、無線通信装置の送信電力に対して十分に大きい大電力用のサーキュレータを用いることが考えられるが、この場合、コスト面、大きさの面、及び重量面において、不都合が生じる問題がある。本実施形態では、図1に示す通り、サーキュレータ12の後段にデュプレクサ3を設置するため、サーキュレータ12で発生した歪み信号をデュプレクサ3で取り除く又は弱めることが可能となる。そのため、コスト面、大きさの面、及び重量面において不都合が生じる問題を解消することができる。
また、同様に、特許文献1のように、サーキュレータが無線通信装置の出力端に設置されている場合、サーキュレータは、送信波と受信波の両者を通過させるため、送信波帯域から受信波帯域までの広帯域な周波数をカバーするサーキュレータを用いることとなる。そのため、使用するサーキュレータが制限されてしまう問題がある。本実施形態では、図1に示す通り、サーキュレータ12の後段のデュプレクサ3により、受信波はサーキュレータ12を通過せず、高周波増幅器4へ出力される。そのため、サーキュレータ12は送信波のみを通過させれば良いため、サーキュレータ12は送信波帯域のみをカバーするものであればよく、広帯域のサーキュレータ12に制限されない。よって、使用するサーキュレータが制限される問題を解消することができる。
また、特許文献1(図2)のように、受信波がサーキュレータ、方向性結合器、及び受信帯域通過フィルタ等様々な回路を通過する場合、受信波の損失が大きくなり、受信感度が低下してしまう問題がある。本実施形態では、図1に示す通り、受信波は、受信フィルタ(デュプレクサ3)のみを通過するため、受信波の損失を小さくすることができ、受信波の受信感度を改善することが可能となる。
ここで、図12の領域Tに例示されるようにチャネル幅が狭帯域である場合、領域Sに例示されるようなチャネル幅が広帯域である場合と比較し、フィルタのリップル特性による影響が大きくなる。チャネル幅が広帯域の場合は、反射波レベルの変動量が大きくなる箇所と変動量が小さくなる箇所とで変動量が相殺するが、狭帯域のチャネルの場合は、反射波レベルの変動量が相殺されないからである。本実施形態によれば、補正情報に基づき、フィルタのリップル特性が原因で生じる、反射波レベル(リターンロス)の変動量を補正することで、リップル特性による影響を軽減することができる。すなわち、本実施形態によれば、狭帯域においても、VSWR検出精度を改善することができる。よって、チャ
ネル幅の広い無線通信装置100であっても、意図的にチャネル幅の一部を切り取った狭帯域でVSWRを検出することが可能である。これより、本実施形態によれば、チャネル幅のうち、不法無線局等による妨害等を受けない一部の周波数帯域でVSWRを検出することが可能となり、不法無線局等の妨害によるVSWR誤検出を防ぐことが可能となる。
1 VSWR検出回路
100 無線通信装置
2 電力増幅器
3 デュプレクサ
4 高周波増幅器
5 周波数変換器
6 CPU
11 方向性結合器
12 サーキュレータ
13 記憶装置
14 進行波検出回路
15 反射波検出回路
16 演算回路
17 位相検出回路
18 補正値決定回路
19 VSWR算出回路
1A 補正情報生成回路
50 送信負荷
51 基準負荷
52 可変ATT器
53 可変移相器
60 試験装置
61 CPU
62 記憶装置

Claims (5)

  1. 送信波の周波数を制限するフィルタと、
    前記フィルタの後段に接続された負荷で反射され、前記フィルタを通過した前記送信波の反射波を検出する検出回路と、
    前記フィルタの後段に基準負荷が接続された場合に生じる反射波に基づく補正情報を記憶した記憶装置と、
    前記補正情報に基づき、前記検出回路で検出された反射波を補正することで、前記反射波及び前記送信波に基づき算出されるVSWRを補正する演算回路と
    を含むVSWR検出回路。
  2. 前記検出回路は、前記反射波のレベル及び前記反射波の位相を検出し、
    前記演算回路は、
    前記検出回路により検出された前記反射波の位相及び前記補正情報に基づき、前記検出回路で検出された反射波のレベルを補正するための補正値を算出する補正値算出回路と、
    前記検出回路で検出された反射波、前記送信波、及び算出された補正値に基づきVSWRを算出するVSWR算出回路と
    を含む、請求項1に記載のVSWR検出回路。
  3. 送信波の周波数を制限するフィルタと、
    前記フィルタの後段に接続された負荷で反射され、前記フィルタを通過した前記送信波の反射波を検出する検出回路と、
    基準フィルタの後段に基準負荷が接続された場合に生じる反射波に基づく補正情報及び基準フィルタと前記フィルタとの特性差分に基づき生成された、前記フィルタに対応する補正情報を記憶した記憶装置と、
    前記補正情報に基づき、前記検出回路で検出された反射波を補正することで、前記反射波及び前記送信波に基づき算出されるVSWRを補正する演算回路と
    を含むVSWR検出回路。
  4. 無線通信装置がVSWRを検出する方法であって、
    フィルタにより送信波の周波数を制限し、
    前記フィルタの後段に接続された負荷で反射され、前記フィルタを通過した前記送信波の反射波を検出し、
    前記フィルタの後段に基準負荷が接続された場合に生じる反射波に基づく補正情報を記憶し、
    前記補正情報に基づき、前記検出された反射波を補正することで、前記反射波及び前記送信波に基づき算出されるVSWRを補正する
    ことを含むVSWR検出方法。
  5. 無線通信装置がVSWRを検出する方法であって、
    フィルタにより送信波の周波数を制限し、
    前記フィルタの後段に接続された負荷で反射され、前記フィルタを通過した前記送信波の反射波を検出し、
    基準フィルタの後段に基準負荷が接続された場合に生じる反射波に基づく補正情報及び基準フィルタと前記フィルタとの特性差分に基づき生成された、前記フィルタに対応する補正情報を記憶し、
    前記補正情報に基づき、前記検出された反射波を補正することで、前記反射波及び前記送信波に基づき算出されるVSWRを補正する
    ことを含むVSWR検出方法。
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