JP4372083B2 - ゲームシステム及びゲーム機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の標的を叩くことを競うゲームシステム及びゲーム機に関する。
ゲーム機の盤面に複数の穴が設けられ、その穴から出没する標的を叩いて、その叩いた数を競ういわゆる標的叩きゲームは、既に広く知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、複数の難易度が容易されている標的叩きゲームも知られている(例えば、特許文献3参照)。
実開平6−83088号公報 特開平11−226238号公報 特開2002−200330号公報
しかし、他のプレイヤーと同じ標的をめぐって争うような対戦ゲームとしての標的叩きゲームは存在しない。従来、標的叩きゲームはプレイヤー一人によって行われるので、他のプレイヤーと対戦する場合は、叩いた回数や叩いた速さといった数値を他のプレイヤーと争うだけであり、対戦感覚に乏しい。また、対戦するプレイヤー同士のゲームスキルが同じ程度でないと対戦ゲームとして充分に楽しむことができないが、プレイヤーの好きな時間、好きな場所で常に同じ程度のゲームスキルを有する者と対戦することは困難である。
そこで、本発明は、プレイヤーのゲームスキルに応じた対戦ゲームを標的叩きゲームにて実現するゲームシステム及びゲーム機を目的とする。
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の第1のゲームシステム(GS)は、ゲーム機(3)の盤面(21)に設けられた複数の開口部(22)のそれぞれから標的(23)を出没させ、その標的をプレイヤーに殴打させるゲームを実行するためのゲームシステムであって、前記標的への殴打を検知して、その強度を測定する強度測定手段(29、31)と、前記プレイヤーの対戦候補情報となる、前記標的の殴打に関する能力情報を示した複数の対戦候補情報が記憶されている対戦候補情報記憶手段(2)と、前記プレイヤーに前記標的を殴打させ、その強度を前記強度測定手段によって測定することにより、前記プレイヤーの基準強度を決定する基準強度決定手段(29)と、前記基準強度に対応する前記能力情報を示した前記対戦候補情報を、前記対戦候補情報記憶手段から選択する対戦候補情報選択手段(1)と、前記対戦候補情報選択手段によって選択された対戦候補情報を前記プレイヤーの対戦相手とするゲームを制御するゲーム制御手段(29)と、を有し、前記ゲーム制御手段は、ゲームの開始時に、前記プレイヤー及び前記選択された対戦相手に対して、勝敗に影響する情報を設定する勝敗影響情報設定手段(29)と、前記ゲーム中に前記標的が殴打されたか否かを判断する殴打判断手段と、前記殴打判断手段によって前記標的が殴打されたと判断された時は、その殴打に対して前記強度測定手段によって測定された測定強度に基づいて前記対戦相手の勝敗に影響する情報を変化させ、前記標的が殴打されなかったと判断された時は、前記基準強度に基づいて前記プレイヤーの勝敗に影響する情報を変化させる勝敗影響情報制御手段(29)と、前記プレイヤー及び前記対戦相手の前記勝敗に影響する情報に基づいて、前記ゲームの勝敗を判定する勝敗判定手段(29)とを有することにより、上記の課題を解決する。
本発明によれば、基準強度決定手段によって決定される基準強度はプレイヤー自身による殴打の強度によって決定されるものであり、その基準強度に対応する殴打に関する能力情報を示した対戦候補情報が対戦候補情報選択手段によって選択され、ゲーム制御手段によって、選択された対戦候補情報を対戦相手としたゲームが行われる。これにより、殴打に関して同じ程度の能力を有する対戦相手が選択されたことになる。しかも、実際に対戦相手とゲームを行う場合と異なり、ゲームを行う場所や時間が対戦相手の都合に拘束されることはない。
そして、ゲーム開始時に、勝敗影響情報設定手段によってプレイヤー及び対戦相手のそれぞれに対して勝敗に影響する情報が設定され、勝敗影響情報制御手段によって、プレイヤーが標的を殴打した時はその測定強度が対戦相手の勝敗に影響する情報を変化させ、殴打し損なった時は基準強度がプレイヤーの勝敗に影響する情報を変化させ、勝敗判定手段によって最終的な両勝敗に影響する情報に基づいて勝敗が判定される。従って、殴打の強度がゲームの勝敗に影響する。本発明では、基準強度を対戦相手のゲーム中の殴打の強度を得るための情報として使用することにより、対戦相手と実際に対戦しなくてもあたかも対戦相手と争っている状態をつくり出すことができる。
例えば、基準強度はプレイヤーの殴打によって得られ、対戦相手はこの基準強度に基づいて選択されるので、対戦相手及びプレイヤーの基準強度はほとんど同じと考えることができる。従って、基準強度自体を、対戦相手の基準強度とみなして測定強度と同様に使用してもよい。また、基準強度に基づいて選択された対戦候補情報における殴打の能力情報に、基準強度に対応する強度情報を含ませておき、これを使用してもよい。これにより、選択された対戦相手と実際に対戦する必要なく、その対戦相手との対戦ゲームを実現することができる。従って、プレイヤーのゲームスキルに応じた対戦ゲームを、プレイヤーの好みの時間や好みの場所で実現するゲームシステムを提供することができる。しかも、単に殴打数のカウントによる勝敗ではないので、ゲームの興趣が向上する。
基準強度に対応する能力情報とは、能力情報に基準強度に対応する強度情報を含ませておき、プレイヤーの基準強度と同等の強度情報としてもよいし、基準強度とその基準強度に応じた能力情報とを対応付けるためのテーブルや計算方法を予め用意しておき、当該対応付けテーブルによって特定される能力情報でもよい。なお、対戦候補情報記憶手段に記憶されている対戦候補情報は、他のプレイヤーがゲームを行った際にその成績に基づいて記憶される情報であってもよいし、直接登録される情報であってもよい。
ゲーム開始時の勝敗に影響する情報は、予め一定情報として決められていてもよいし、所定の情報に基づいて決定されてもよい。勝敗に影響する情報はプレイヤー及び対戦相手のそれぞれの勝敗を判定する際に使用される情報であって、数値、文字、及び記号等を含む。「測定強度に基づいて」変化させるとは、測定強度のみによって変化させる場合と、測定強度に他の情報を加えて変化させる場合と、測定強度を使用して得られる他の情報によって変化させる場合とを含む。「基準強度に基づいて」変化させるとは、基準強度のみによって変化させる場合と、基準強度に他の情報を加えて変化させる場合と、基準強度を使用して得られる他の情報によって変化させる場合とを含む。勝敗の判定には、勝敗に影響する情報のみで勝敗を判定する場合と、勝敗に影響する情報以外の情報、例えば、殴打数又は標的の殴打によって獲得される得点等を加味して勝敗を判定する場合とを含む。
前記勝敗影響情報設定手段は、体力に関する情報として、前記プレイヤー及び前記対戦相手のそれぞれの体力を数値で示す体力値をそれぞれ設定し、前記ゲーム制御手段は、前記基準強度に基づいて、前記プレイヤーの体力値の変化量を基準変化量として決定する基準変化量決定手段と、前記測定強度に基づいて、前記対戦相手の体力値の減少量を測定変化量として決定する測定変化量決定手段とを更に有し、前記勝敗影響情報制御手段は、前記標的が殴打されたと判断された時は、前記対戦相手の体力値を前記測定変化量だけ変化させ、前記標的が殴打されなかったと判断された時は、前記プレイヤーの体力値を前記基準変化量だけ変化させ、前記勝敗判定手段は、前記体力値をもとに勝敗を判定してもよい。
これにより、勝敗に影響する情報を数値として扱うことができ、プレイヤーは標的を殴打すれば、対戦相手の体力値を測定変化量だけ変化させることができ、殴打し損なった時はプレイヤー自身の体力値が基準変化量だけ変化する。お互いに相手の体力値を変化させ、その体力値に基づいて勝敗が判定される。例えば、対戦相手の体力値を早く所定値にするように、プレイヤーに標的を殴打させる対戦ゲームを実現することができる。
前記勝敗影響情報制御手段は、前記標的が殴打されたと判断された時は、前記対戦相手の体力値を前記測定変化量だけ減らし、前記標的が殴打されなかったと判断された時は前記プレイヤーの体力値を前記基準変化量だけ減らしてもよい。これにより、プレイヤーが標的を殴打すればするほど、対戦相手の体力値を減少させ、殴打し損なえば損なうほどプレイヤーの体力値が減少するゲームを実現することができる。
前記勝敗影響情報設定手段は、前記基準強度に基づいて、前記プレイヤー及び前記対戦相手のそれぞれの勝敗に影響する情報を設定してもよい。これにより、基準強度をゲーム開始時の勝敗に影響する情報に反映させることができる。従って、例えば、基準強度が低い程、勝敗に影響する情報をゲームとして面白味がないように設定するようにすれば、プレイヤーが故意に低い基準強度を設定することを回避することができる。「基準強度に基づいて、」とは、基準強度のみの場合と、基準強度に他の情報が加えられる場合と、基準強度を使用して得られる他の情報の場合とがある。
前記標的が殴打される速さを測定する速さ測定手段(29)と、前記プレイヤーに前記標的を殴打させ、その速さを前記速さ測定手段によって測定することにより、前記プレイヤーの基準速さを決定する基準速さ決定手段(29)と、を更に有し、前記対戦候補情報選択手段は、前記基準強度及び前記基準速さに対応する前記能力情報を示した前記対戦候補情報を、前記対戦候補情報記憶手段から選択してもよい。この場合も、基準速さと能力情報との対応は、予め基準の速さと基準速さに応じた能力情報とを対応させるためのテーブルや計算方法を予め用意しておけばよい。これにより、ゲームスキルを殴打の強度と殴打の速さとの2つのパラメータを使用して判断し、プレイヤーのゲームスキルに応じた対戦相手を選択することができる。
前記ゲーム制御手段は、前記基準速さ決定手段によって決定された前記基準速さに応じて、前記ゲームにおける前記各開口部に出没する標的の出没態様を設定する出没態様設定手段(29)を有していてもよい。基準速さは、プレイヤーの殴打の速さに関するスキルとみなされるので、本発明により、そのスキルに適応した出没態様のゲームを実現することができる。出没態様とは、各標的が各開口部に出没する態様であって、例えば、標的の出没するタイミング、標的を出現状態にする時間、及び出没のための標的の移動速度である出没速度によって決定される。
前記対戦候情報補記憶手段及び対戦候補情報選択手段を備えたサーバ(1)と、前記強度測定手段、前記基準強度決定手段、前記速さ測定手段、前記基準速さ決定手段、及び前記ゲーム制御手段を備えた前記ゲーム機とが、データの送受信可能に接続されていてもよい。これにより、複数のゲーム機でサーバを利用することができ、複数のゲーム機が存在する場合であっても、対戦候補情報記憶手段を集中的に管理することができる。また、対戦候補情報を各ゲーム機におけるプレイ結果から得られる情報とすれば、全国規模の対戦候補者に関する情報を得ることができる。
本発明のゲーム機(3)は、遊戯台(20)上の盤面(21)に設けられた複数の開口部(22)のそれぞれから標的(23)を出没させて標的をプレイヤーに殴打させるゲームを実行し、前記プレイヤーの対戦候補情報となる、前記標的の殴打に関する能力情報をした複数の対戦候補情報を有するサーバとデータの送受信可能に接続されたゲーム機であって、前記標的が殴打されると、その殴打の強度を測定する強度測定手段(29、31)と、前記プレイヤーに前記標的を殴打させ、その強度を前記強度測定手段によって測定することにより、前記プレイヤーの基準強度を決定する基準強度決定手段(29)と、前記基準強度に対応する前記能力情報を示した前記対戦候補情報を前記サーバから取得する対戦候補情報取得手段(29)と、前記対戦候補情報取得手段によって取得された対戦候補情報を、前記プレイヤーの対戦相手としたゲームを制御するゲーム制御手段(29)とを有し、前記ゲーム制御手段は、ゲームの開始時に、前記プレイヤー及び前記選択された対戦相手に対して、勝敗に影響する情報を設定する勝敗影響情報設定手段(29)と、前記ゲーム中に前記標的が殴打されたか否かを判断する殴打判断手段(29)と、前記殴打判断手段によって前記標的が殴打されたと判断された時は、その殴打に対して前記強度測定手段によって測定された測定強度に基づいて前記対戦相手の勝敗に影響する情報を変化させ、前記標的が殴打されなかったと判断された時は、前記基準強度に基づいて前記プレイヤーの勝敗に影響する情報を変化させる勝敗影響情報制御手段(29)と、前記プレイヤー及び前記対戦相手の前記勝敗に影響する情報に基づいて、前記ゲームの詳細を判定する勝敗判定手段(29)とを有することにより、上述した課題を解決する。このゲーム機により、対戦候補情報記憶手段の管理及び、対戦候補情報の選択をサーバに行わせる本発明のゲームシステムを実現することができる。
本発明の第2のゲームシステム(GS)は、ゲーム機(3)の盤面に設けられた複数の開口部(22)のそれぞれから標的(23)を出没させ、その標的をプレイヤーに殴打させるゲームを実行するためのゲームシステムであって、前記標的が殴打される速さを測定する速さ測定手段(29、31)と、前記プレイヤーの対戦候補情報となる、前記標的の殴打に関する能力情報を示した複数の対戦候補情報が記憶されている対戦候補情報記憶手段(2)と、前記プレイヤーに前記標的を殴打させ、その速さを前記速さ測定手段によって測定することにより、前記プレイヤーの基準速さを決定する基準速さ決定手段(29)と、前記基準強度に対応する前記能力情報を示した前記対戦候補情報を、前記対戦候補情報記憶手段から選択する対戦候補情報選択手段(1)と、前記対戦候補情報選択手段によって選択された対戦候補情報を前記プレイヤーの対戦相手とするゲームを制御するゲーム制御手段(29)とを有し、前記ゲーム制御手段は、前記基準速さ決定手段によって決定された前記基準速さに応じて、前記ゲームにおける前記各開口部に出没する標的の出没態様を設定する出没態様設定手段(29)と、ゲームの開始時に、前記プレイヤー及び前記対戦相手に対して、勝敗に影響する情報を設定する勝敗影響情報設定手段(29)と、前記出没態様設定手段によって設定された出没態様で出没する前記標的が殴打されたか否かを判断する殴打判断手段(29)と、前記殴打判断手段によって前記標的が殴打されたと判断されると、前記対戦相手の勝敗に影響する情報に所定の変化を与え、前記標的が殴打されなかったと判断された時は、前記プレイヤーの勝敗に影響する情報に前記所定の変化を与える勝敗影響情報制御手段(29)と、前記勝敗に影響する情報に基づいて、前記ゲームの勝敗を判定する勝敗判定手段とを有していてもよい。
本発明の第2のゲームシステムにより、基準速さ決定手段によってプレイヤーの標的の殴打の速さの基準となる基準速さが決定され、対戦候補情報選択手段によってプレイヤーの基準速さに応じた能力情報を示した対戦候補情報が選択され、選択された対戦候補情報を対戦相手とした対戦ゲームが行われる。これにより、プレイヤーのゲームスキルを基準速さとし、ゲームスキルに応じた対戦相手が選択されたことになる。従って、本発明では実際に対戦相手とゲームを行う場合と異なり、ゲームを行う場所や時間が対戦相手の都合に拘束されることはない。
ゲームにおいては、勝敗影響情報制御手段によって、プレイヤーが標的を殴打するたびに対戦相手の勝敗に影響する情報に所定の変化を与え、プレイヤーが標的を殴打し損なった時は対戦相手によって殴打されたものとみなして、標的を殴打し損なうたびにプレイヤーの勝敗に影響する情報に所定の変化与えることができる。そして、勝敗判定手段によって勝敗に影響する情報い基づいて勝敗が判定される。ゲーム中の標的の出没態様は、出没態様設定手段によって基準速さに応じた出没態様に設定されるので、例えば、プレイヤーの基準速さが高い、即ちゲームスキルが高い程、出没態様を複雑にすることができる。出没態様が複雑になると標的の殴打の困難性が高くなる。これにより、プレイヤーのゲームスキルに応じたゲームを提供することができる。
従って、本発明は、プレイヤーのゲームスキルを基準速さとし、この基準速さに応じた対戦候補情報を対戦相手として選択し、基準速さに応じた標的の出没態様を設定することにより、プレイヤーのゲームスキルに応じた対戦ゲームを、プレイヤーの好みの時間や好みの場所で実現するゲームシステムを提供することができる。
殴打の速さは、プレイヤーの標的の殴打の速さを示すパラメータであればよく、例えば、1つの標的を殴打するのにかかる時間、一定時間内において殴打された標的の数、あるいは一定数の標的を全て殴打するにかかる時間等がある。基準速さに対応する能力情報とは、能力情報に基準速さに対応する速さ情報を含ませておき、プレイヤーの基準速さと同等の速さ情報としてもよいし、基準速さとその基準速さに応じた能力情報とを対応付けるためのテーブルや計算方法を予め用意しておき、当該対応付けテーブルによって特定される能力情報でもよい。出没態様、対戦候補情報記憶手段、勝敗に影響する情報の概念は第1のゲームシステムと同様である。
上述したように、本発明によれば、プレイヤーの基準強度を決定する基準強度決定手段を有し、基準強度に応じた対戦候補情報を対戦相手として選択し、プレイヤーによる殴打があった時はその殴打の強度に基づいて対戦相手の勝敗に関する情報を変化させ、対戦相手による殴打として基準強度を対戦相手の強度としてプレイヤーの勝敗に関する情報を変化させ、勝敗に関する情報に基づいて勝敗を判定することにより、プレイヤーのゲームスキルに応じた対戦ゲームを標的叩きゲームにて実現するゲームシステムを提供することができる。
図1は、本発明の第1のゲームシステムGSの一例を示す図である。ゲームシステムGSは、サーバ1とサーバ記憶部2と店舗Xに設置されたゲーム機3とで構成される。ゲーム機3とサーバ1は通信ネットワーク4を介してデータの送受信可能に接続されている。通信ネットワーク4は専用回線又は公衆回線を問わない。接続方法は従来既知の方法によるものでよい。なお、本形態のゲームシステムにおいては、更に他の店舗Y、Zにもサーバ1に接続されたゲーム機3が設けられている。
サーバ1はゲーム機3から取得するデータに基づいて主に対戦候補情報選択手段として機能する。サーバ1は、サーバ1の動作を制御する制御部及びゲーム機3とデータの送受信を行う送受信部、これらの動作に必要な各種データを記憶する記憶手段を有する等、サーバとして従来既知のハードウェア構成でよい。サーバ記憶部2は、複数の対戦候補情報としての複数のプレイヤーデータ10で構成されるプレイヤーテーブルPTが記憶されている。これによりサーバ記憶部3は対戦候補情報記憶手段として機能する。
プレイヤーデータ10は、図2に示すように、店舗名11、プレイヤー名12及びゲームスコア13が対応付けられて記憶されている。プレイヤーデータ10は、プレイヤーがいずれかの店舗X、Y、Zに設置されたゲーム機3にて行われたゲームの結果情報として作成され、記憶されるデータである。図2の例は、店舗XにてプレイヤーAがゲーム機3にてゲームを行い、その結果ゲームスコア13として「55」を獲得したことを示す。
サーバ記憶部2には、更に、スコアランキングテーブルST、総回数ランキングテーブルKT、最大強度ランキングテーブルFTが記憶されている。スコアランキングテーブルSTは、ゲームスコア13の全国ランキングを店舗名11及びプレイヤー名12と共に示すテーブルである。総回数ランキングテーブルKTは、総回数SKの全国ランキングを店舗名11及びプレイヤー名12と共に示すテーブルである。最大強度ランキングテーブルは、最大強度MFの全国ランキングを店舗名11及びプレイヤー名12と共に示すテーブルである。ゲームスコア13、総回数SK、及び最大強度MFについては後述する。
図3〜図7を用いてゲーム機3の構成について説明する。図3を用いてゲーム機3の外観について説明する。ゲーム機3は遊戯台20とその上に設けられた盤面21と、プレイヤーに向かって略正面の位置にディスプレイ24とが設けられている。盤面21には7つの開口部22…22が設けられ、各開口部22にはその開口部22に出没可能な標的23が設けられている。ゲーム機3では、プレイヤーが不図示のハンマーによって開口部22に出没する標的23を叩くことにより勝敗を競ういわゆる標的叩きゲームが行われる。
ゲーム機3の主なハードウェア構成を図4に示す。ゲーム機3は、ディスプレイ24と、スピーカ25と、ゲーム機記憶部26と、送受信部27と、7つの標的機構28と、これら各構成の動作を制御する制御部29とを有する。ディスプレイ24には各種情報及び画像等が表示され、スピーカ25からはプレイヤーへのメッセージ及び効果音等が出力される。ゲーム機記憶部26は制御部29にて行われる各種制御に必要なデータやテーブルが記憶されている。ゲーム機記憶部26に記憶されているテーブルについては後述する。
送受信部27はサーバ1とのデータの送受信を行う。標的機構28には、標的23と、標的23を上下に移動させるモータ30と、標的23の殴打に関する情報を検知する殴打センサ部31とが設けられている。標的機構28は7つの標的23…23のそれぞれについて設けられ、各構成は同じである。標的機構28の詳細については後述する。制御部29はCPU及びその動作に必要なRAM29a、ROM29b等の各種周辺回路を備えている。
標的機構28の詳細について、図5〜図7を用いて説明する。なお、標的機構28の動作は制御部29によって制御される。標的機構28は、標的23と、モータ30と、殴打センサ部31と、クラッチ32と、ローラ33と、アーム34とで構成される。殴打センサ部31は、スリット板40とセンサ41とセンサ42とで構成される。モータ30は制御部29による動作制御に従って回転する。モータ30の回転動力はクラッチ32を介して伝達され、揺動駆動されるアーム34がローラ33を回転させる。ローラ33の回転によって、標的23が上下方向に移動するように動作する。標的23の移動方向は、モータ30の回転動力の方向によって決定される。これにより、標的23は移動可能範囲の下端部に(以下「下端部」という。)位置する時は、図7(a)のように開口部22に隠れた状態になり、移動可能範囲の上端部(以下「上端部」という。)まで移動すると、図7(b)のように、開口部22から出現した状態になる。
標的23が上端部に達するとクラッチ32が外されて所定時間停止させ、その後、標的23を下降させる。標的23の上下移動の動作制御は制御部29によって行われる。本形態ではゲーム記憶部26にはゲーム中の標的23の多様な出没パターンが記憶されている。各出没パターンには各標的23について開口部23から出現するタイミング、上端部での停止時間、及び出没のための移動速度である出没速度等が設定されている。ゲーム記憶部26から所定の出没パターンが選択されると、当該出没パターンに従って、制御部29は各標的機構28のモータ30の動作制御を行う。これにより、選択された出没パターンに従って、7つの標的23が開口部22に出没する。従って、例えば、短時間に多くの標的23が次々出没するパターンや各標的23が1つずつゆっくり出没するパターン等、様々な出没態様を実現することができる。
殴打センサ部31によって、制御部29が殴打を検知する仕組みについて説明する。これにより、殴打センサ部31及び制御部29は強度測定手段として機能する。本形態では、上端部で停止中の標的23が殴打された場合に、殴打を検知する。まず、停止時間中に殴打センサ部31のセンサ41、42を作動状態にする。スリット板40には一定間隔に並ぶ複数のスリットが形成されたスリット部45とスリットが形成されていない非スリット部46とが周方向に設けられている。
センサ41、42はフォトセンサであり、スリット板40の回転に伴ってセンサ41を通過するスリットを検出するたびにスリット検出信号を出力する。スリット部45はスリット板40が回転しても常にセンサ41によってスリットを検出できる長さに構成されている。制御部29はこのスリット検出信号をカウントすることによりセンサ41を通過するスリットの数をカウントし、このカウント数に基づいて強度を算出する。強度の算出方法について、具体的に説明する。上端部で停止した標的23が殴打されるとその標的23はその衝撃によって下降し、これに伴ってローラ33が回転する。このローラ33の回転によってスリット板40も回転する。
制御部29は、この回転の際にセンサ41によって検出されるスリット数を一定時間カウントし、このカウント数に基づいて加速度αを算出する。そして、この加速度αに所定の質量mを乗じた数値を殴打の強度Fとして判断する。なお、センサ41を構成する2つのセンサにおけるスリットの検出のON状態とOFF状態との切り替わりの時間的差によって、標的23の移動方向が上方向か下方向かを判断することができる。本形態では、スリットのカウント数が所定数に達すると標的23への殴打があったと判断する。以下、対戦ゲーム中に標的23が殴打されたと判断されることを「当たり」ということがある。
次に、プレイヤーが店舗Xのゲーム機3にて対戦ゲームを実行する場合を例にして、ゲームシステムGSにおいて行われる各処理について説明する。対戦ゲームが実行される際に行われるゲームシステムGSの処理の概略について、図8に示すフローチャートに従って説明する。まず、ステップS100では、プレイヤーのエントリー操作に伴ってエントリー処理が行われる。エントリー操作としては、コインの投入及びプレイヤー名の入力等がある。エントリー処理としては、例えば、入力されたプレイヤー名の登録、及びゲームに関する情報のプレイヤーへの通知等がある。プレイヤーへの通知は、ディスプレイ24やスピーカ25を使って行われる。以下、ディスプレイ24やスピーカ25を使って所定の情報又は指示をプレイヤーに伝達することを、「プレイヤーへ通知する」または「プレイヤーに指示する」という。
次に、ステップS200にて、練習モード処理が行われる。練習モード処理では、プレイヤーの基準強度及び基準速さが設定される。基準強度及び基準速さについては後述する。続いて、ステップS300では、プレイヤーの基準強度及び基準速さに基づいて対戦相手を決定するための対戦相手決定処理が行われ、ステップS400で、設定された対戦相手との対戦ゲームを行うための対戦ゲーム処理が行われる。
対戦ゲームにおいては、ディスプレイ24に図16に示すような対戦相手Bと体力ゲージTGとを示す対戦画面が表示される。体力ゲージTGには、プレイヤーの勝敗に影響する情報としての体力値を示すプレイヤーゲージTG1と対戦相手Bの勝敗に影響する情報としての体力値を示す相手ゲージTG2とがある。図16は、プレイヤーAと対戦相手Bとが対戦する場合の対戦画面を示している。
本形態の対戦ゲームは予め決められた時間(以下「ゲーム時間」という)行われ、プレイヤーが標的23を殴打したと判断される度に相手ゲージTG2が示す体力値が減少し、対戦相手Bが標的23を殴打したと判断される度にプレイヤーゲージTG1が示す体力値が減少する。ゲーム時間内に相手の体力値を早く0にした方が勝者となる。ゲーム時間終了時に両者の体力値が残っている場合は体力値が大きい方が勝ちとなる。
練習モード処理について図9のフローチャートに従って説明する。練習モード処理はゲーム機3の制御部29によって制御される。まず、ステップS210にて、基準強度を設定するために、いずれか1つの標的23を開口部23から出没させた状態で停止し、プレイヤーに殴打するように指示する。次にステップS220にて、エラーか否かが判断される。例えば、所定の測定時間を過ぎても殴打がない場合は、エラーと判断する。ステップS220にて、エラーと判断された場合はステップS210へ戻り、エラーと判断されない場合は、ステップS230へ進む。ステップS230では、プレイヤーによる標的23への殴打の強度Fを上述した方法によって算出し、算出された強度Fをプレイヤーの基準強度として設定する。これにより、制御部29は基準強度決定手段として機能する。なお、基準強度はプレイヤーに複数回殴打させることによって、複数の強度Fを得て、それらの最大値であってもよいし、平均値であってもよい。
続いて、ステップS240にて、7つ全ての標的23を上端部で停止させ、プレイヤーに所定の測定時間内にできるだけ速く全ての標的23を殴打するように指示する。当該指示後、ステップS250にてエラーが発生したか否かが判断される。例えば、所定の測定時間内に1つの標的も殴打されなかった場合はエラーと判断される。ステップS250にてエラーが発生したと判断された場合は、ステップS240へ戻り、エラーが発生していないと判断された場合は、ステップS260へ進む。
基準速さを算出するために測定が必要なパラメータは、測定時間内に殴打された標的23の殴打数及び測定時間内に全ての標的23が殴打された場合は残り時間である。これらは制御部29によってカウントされ、これにより制御部29は速さ測定手段として機能する。ステップS260では、測定した殴打数及び残り時間に基づいて速さを算出し、その算出された速さを基準速さとして設定する。速さは、例えば、1つの標的23を殴打するのにかかる時間として算出すればよい。これにより、制御部29は基準速さ決定手段として機能する。基準速さは基準強度と同様に、複数回測定して複数の基準速さを求め、それらの最大値であってもよいし、平均値であってもよい。
次に、ステップS270にて、基準強度及び基準速さに基づいて、所定の計算方法に従って、基準スコアを算出する。この基準スコアは、基準強度及び基準速さをゲームスキルとして有するプレイヤーが、対戦ゲームにて取得できるであろうゲームスコアを予測した値である。ゲームスコアの算出方法については後述する。以下、基準スコア及びゲームスコアを区別する必要のない時は、単に「スコア」という。以上で練習モード処理を終了する。
次に、対戦相手決定処理について図10のシーケンス図を用いて説明する。対戦相手決定処理はサーバ1とゲーム機3とで行われ、サーバ1が行う処理はサーバ1の制御部によって制御され、ゲーム機3が行う処理はゲーム機3の制御部29によって制御される。まず、ステップS310にて、ゲーム機3は算出した基準スコアを含む対戦相手情報要求を送信する。サーバ1は、ステップS320にて、対戦相手情報要求を受信し、ステップS330にて、サーバ記憶部2のプレイヤーテーブルPTを検索することにより、受信した基準スコアに同じ又は近いゲームスコア13を有するプレイヤーデータ10を選択する。これにより、サーバ1の制御部は対戦候補情報選択手段として機能する。
続いてサーバ1は、ステップS340にて、選択したプレイヤーデータ10を対戦相手情報としてゲーム機3へ送信する。ゲーム機3は、ステップS350にて、対戦相手情報をプレイヤーの対戦相手に関する情報として受信し、ステップS360にて、対戦相手情報に含まれるプレイヤー名12を対戦相手として設定する。以上で対戦相手決定処理を終了する。
ゲーム機3では、対戦相手決定処理にて対戦相手として設定されたプレイヤーを、対戦相手として見立てた対戦ゲームが行われる。従って、対戦相手の動作は実際には対戦相手情報を含む各種情報に基づくものであるが、説明の簡略のため、プレイヤーの対戦相手として見立てられるプレイヤーを単に「対戦相手」という。以下、エントリー操作を行ったプレイヤーをプレイヤーA、対戦相手を対戦相手Bという。
ゲーム機3が行う対戦ゲーム処理において行われる処理について、図11のフローチャートに従って説明する。対戦ゲーム処理にて行われる各処理は、特にことわりのない限りゲーム機3の制御部29によって制御される。これにより、制御部29はゲーム制御手段として機能する。まず、ステップS405にて、初期設定処理が行われる。初期設定処理について、図12に示すフローチャートに従って説明する。初期設定処理では、まず、ステップS600にて、ゲーム中に使用される全てのパラメータが初期化される。ゲーム中に使用されるパラメータには、最大強度MF、総回数SK、総強度SF等がある。
次に、ステップS610にて、基準速さに基づいて出没パターンを決定する。本形態における出没パターンの決定は、まず、基準速さのスピードランクを決定する。例えば、図17(a)に示すようなグラフに基づいて、各基準速さのスピードランクを決定すればよい。次に、図17(b)に示すような出没パターンテーブルを参照して、決定されたスピードランクに対応する出没パターンを選択し、この出没パターンを対戦ゲームにおける標的23の出没パターンとして設定する。この設定された出没パターンに基づいて標的23が出没することになる。これにより、スピードランクに応じた標的23の出没態様を実現することができる。これにより、制御部29は出没態様設定手段として機能する。なお、出没パターンテーブルとは、各標的23の出没パターンとスピードランクとが対応付けられたテーブルであり、例えば、ゲーム機記憶部26に記憶されている。
次に、ステップS620にて、初期体力値の設定を行う。初期体力値の設定では、プレイヤーAの体力値及び対戦相手Bの体力値のそれぞれを設定する。これにより、制御部29は勝敗影響情報設定手段として機能する。プレイヤーAの初期体力値は基準強度に基づく値としての基準スコアによって決定され、対戦相手Bの初期体力値は基準強度に基づく値としての対戦相手情報のゲームスコア13によって決定される。本形態では、図18に示すようなグラフに基づいて、各スコアに対応する体力値を各初期体力値として設定すればよい。
次に、ステップS630にて、基準減少量を設定する。基準減少量とは、対戦相手Bの殴打によって、プレイヤーAの体力値が減少する値である。本形態では、基準減少量は、基準強度によって決定する。例えば、図19(a)に示すグラフに基づいて基準強度のランクであるパワーランクを決定し、図19(b)に示す減少量テーブルを参照して決定されたパワーランクに対応する減少量を基準減少量として設定すればよい。減少量テーブルは、各パワーランクにそのパワーランクに応じた減少量が対応付けられたテーブルであり、例えば、ゲーム機記憶部26に記憶されている。以上で、初期設定処理は終了する。
初期設定処理が終了すると、図11に戻って、ステップS410にて対戦画面がディスプレイに表示される。対戦画面には上述したように、プレイヤーゲージTG1、相手ゲージTG2及び対戦相手B等が表示される。プレイヤーゲージTG1はプレイヤーAの体力値に応じた長さ、相手ゲージTG2は対戦相手Bの体力値に応じた長さでそれぞれ表示される。ステップS415にて、ゲームの開始合図を通知すると共にゲームタイマーの計時を開始する。これにより、対戦ゲームが開始される。ゲームタイマーはゲーム時間を計時するタイマーである。続いてステップS420にて、出没パターンに従って各標的23の出没動作の制御が行われる。ステップS425にて、標的23に対して当たりか否かが判断される。これにより、制御部29は殴打判断手段として機能する。当たりの場合はステップS430に進み、当たり処理が行われる。当たり処理では、主に、対戦相手Bの体力値を減らす処理が行われる。当たり処理についての詳細は後述する。
当たりでない場合は、ステップS435に進み、プレイヤーAの体力値を基準減少量だけ減らし、それに伴ってプレイヤーゲージTG1の長さを更新する。ステップS430及びステップS435により、制御部29は勝敗影響情報制御手段として機能する。次に、ステップS440では、プレイヤーA又は対戦相手Bの体力値が0に達したか否かが判断される。どちらかの体力値が0に達した場合は、ステップS450へ進む。どちらの体力値も0でない場合は、ステップS445にて、ゲーム時間終了か否かが判断される。ゲーム時間終了の場合は、ステップS450へ進み、ゲーム時間終了でない場合はステップS420へ戻る。ステップS450では、ゲームの勝敗を判定する終了処理が行われ、対戦ゲーム処理を終了する。終了処理の詳細については後述する。
当たり処理にて行われる処理について、図13に示すフローチャートに従って説明する。当たり処理は、プレイヤーAが殴打した標的23毎に行われる。まず、ステップS700において、上述した方法によって、殴打の強度Fを求める。以下、対戦ゲーム中のプレイヤーAによる殴打の強度Fを測定強度という。次に、ステップS710にて、相手の体力値を更新する。例えば、基準強度から基準減少量を得た場合と同様に、図19(a)に示すグラフから測定強度のパワーランクを決定し、図19(b)に示す減少量テーブルを参照して、決定されたパワーランクに対応する減少量の値を決定する。このように測定強度に基づいて得られる減少量を、以下「測定減少量」という。測定減少量の決定後、相手の体力値から測定減少量だけ減らし、それに伴って相手ゲージTG2の長さも更新する。
次にステップS720にて、測定強度が最大強度MFを超えるか否かが判断される。最大強度MFを超える場合は、ステップS730に進んで最大強度MFを当該測定強度に更新し、最大強度MFを超えない場合は、ステップS740に進む。最大強度MFは、対戦ゲーム中におけるプレイヤーAの測定強度の最大値を示すパラメータである。ステップS740では、総強度SFを更新する。総強度SFは、対戦ゲーム中における測定強度の合計値を示すパラメータである。次にステップS750にて、総回数SKを更新する。総回数SKは、対戦ゲーム中において当たりとされた、殴打回数の合計値を示すパラメータである。以上で当たり処理を終了する。
終了処理にて行われる処理について、図14に示すフローチャートに従って説明する。終了処理の各処理は、サーバ終了処理を除いてゲーム機3の制御部29の制御によって行われる。終了処理では、まずS800にて、勝敗を判定し、その結果をプレイヤーAに通知する。勝敗の判定基準は上述したように、相手の体力値を0にした方、又は体力値の大きい方が勝者として判定される。これにより、制御部29は勝敗判定手段として機能する。次に、ステップS810にて、プレイヤーAのゲームスコア13が算出される。ゲームスコア13は、総強度SF、総回数SK及び、残り時間NHに基づいて所定の計算方法によって求められる。残り時間NHとは、対戦ゲームの残り時間を示すパラメータであり、ゲーム時間終了によって対戦ゲームが終了した場合の残り時間NHは0である。
次に、ステップS820に進み、算出されたゲームスコア13を含むプレイヤーデータ10を作成する。プレイヤー名12は、エントリー時に入力されたプレイヤー名を設定し、店舗名11は、例えば、店舗名XをROM29bに記憶しておくことにより、これを取得して設定すればよい。続いて、ステップS830にて、プレイヤーデータ13、最大強度MF及び総回数SKを含むゲーム結果情報をサーバ1へ送信する。
続くステップS840では、サーバ1にてサーバ終了処理が行われる。サーバ終了処理では、プレイヤーAのゲームスコア13の全国ランキングが決定される。サーバ終了処理の詳細については後述する。ゲーム機3はステップS850にて、サーバ1からプレイヤーAのゲームスコア13の全国ランキングを取得し、その結果をディスプレイ24に表示する。以上で終了処理を終了する。
サーバ終了処理にて行われる処理について、図15に示すフローチャートに従って説明する。サーバ終了処理における各処理は、サーバ1の制御部によって制御される。まず、ステップS900にて、ゲーム機3から送信されたゲーム結果情報を取得すると、ステップS910にて、ゲーム結果情報に含まれるプレイヤーデータ10をサーバ記憶部2のプレイヤーテーブルPTに追加する。次にステップS920にて、ゲーム結果情報に含まれる情報に基づいて、サーバ記憶部2に記憶されている各ランキングテーブルST、KT、FTを更新する。
即ち、スコアランキングテーブルSTを参照することにより、プレイヤーAのゲームスコア13の全国ランキングを決定すると共に、スコアランキングテーブルSTを更新する。同様に、最大強度テーブルFTを参照することにより、プレイヤーAの最大強度MFの全国ランキングの決定及び最大強度テーブルFTの更新が行われ、総回数テーブルKTを参照することにより、総回数SKの全国ランキングの決定及び総回数テーブルKTの更新が行われる。最後に、ステップS930にて、ゲームスコア13の全国ランキングをゲーム結果情報の送信元であるゲーム機3へ送信する。以上で、サーバ終了処理を終了する。
本発明の第2のゲームシステムGSについて説明する。第2のゲームシステムGSは、ゲームスキルとして基準速さにのみを対象とし、基準速さのみに基づいたゲームシステムGSである。第2のゲームシステムについて、上述した形態と異なる点について説明する。第2のゲームシステムにおいては、上述した形態における殴打の強度に関する処理は行わなくてよい。従って、殴打センサ部は殴打の有無を検知できる従来既知のセンサでもよい。対戦相手決定処理におけるサーバ1の制御部による対戦候補情報の選択は、上述の出没パターンの設定と同様に、基準速さに対応するゲームスコア13をテーブルや計算方法によって決定し、当該ゲームスコア13を有するプレイヤーデータ10を選択する。
対戦ゲーム処理の初期体力値設定処理では、プレイヤーA及び対戦相手Bのそれぞれに対して同じ所定の体力値を初期体力値として設定する。対戦ゲーム処理にて、当たりと判断された時は当たり処理にて対戦相手の体力値から所定値を減らし、当たりでないと判断された時はプレイヤーの対戦相手の体力値から所定値を減らし、上述した形態と同様の条件によってゲームを終了する。従って、結果的に当たりと判断された標的の数×所定値が対戦相手の体力値から減じられ、当たりと判断されなかった標的の数×所定値がプレイヤーの体力値から減じられることになる。勝敗判定は上述した形態と同様でよい。
本発明は上述した形態に限らず、様々な形態にて実施して良い。例えば、プレイヤーテーブルPTのプレイヤーデータ10は架空のプレイヤーに関するプレイヤーデータ10を予め登録しておいてもよい。プレイヤーデータ10のゲームスコア13を更新できるようにしてもよい。プレイヤーの初期体力値も対戦相手Bの初期体力値も基準スコアの値によって決定されてもよい。勝つための目標である体力値は「0」でなくてもよい。
また、標的23の動作制御とは別に盤面21の動作制御も行われてもよい。この場合は、出没パターンと同様に、盤面21の動作態様をパターンに分け、スピードランクに対応付ければよい。殴打センサ部31のセンサは、衝撃度を検知する従来既知の衝撃センサであってもよい。標的23の数は7つ以外であってもよいし、ゲーム機3は1台以上あれば台数を問わない。
第1のゲームステムにおいて、基準速さについては測定せず、基準強度のみに対応する能力情報を示した対戦候補情報を選択し、初期設定処理では、基準強度に応じた出没パターンを選択してもよい。また、本発明のゲームシステムGSは、1台のゲーム機3によって実現することも可能である。この場合は、サーバ記憶部2が記憶するテーブルPT、ST、KT、FTをゲーム機記憶部26に記憶させ、制御部29に対戦候補情報の選択機能を持たせればよい。なお、各ランキングは全国ランキングではなくゲーム機3におけるランキングとなる。
本発明のゲームシステムの一例を示す図。 プレイヤーテーブルの一例を示す図。 図1に示すゲームシステムにおけるゲーム機の一例を示す図。 図3に示すゲーム機のハードウェア構成の概略図。 図3に示すゲーム機の標的機構の断面図。 図5に示す標的機構を図5の方向Wから見た場合の断面図。 (a)は図5及び図6に示す標的が開口部に隠れたようすを示す図であり、(b)は図5及び図6に示す標的が開口部から出現したようすを示す図である。 ゲームシステムにおいて行われる処理の概略を示す図。 練習モード処理の流れを示すフローチャート。 対戦相手決定処理の流れを示すフローチャート。 対戦ゲーム処理の流れを示すフローチャート。 初期設定処理の流れを示すフローチャート。 当たり処理の流れを示すフローチャート。 終了処理の流れを示すフローチャート。 サーバ終了処理の流れを示すフローチャート。 対戦画面の一例を示す図。 (a)は基準速さのスピードランクを決定するためのグラフの一例であり、(b)は出没パターンテーブルの一例を示す図である。 体力値を決定するためのグラフの一例を示す図。 (a)は強度のパワーランクを決定するためのグラフの一例であり、(b)は減少量テーブルの一例を示す図である。
符号の説明
1 サーバ
2 サーバ記憶部
3 ゲーム機
21 盤面
22 開口部
23 標的
31 殴打センサ部

Claims (9)

  1. ゲーム機の盤面に設けられた複数の開口部のそれぞれから標的を出没させ、その標的をプレイヤーに殴打させるゲームを実行するためのゲームシステムであって、
    前記標的への殴打を検知して、その強度を測定する強度測定手段と、
    前記プレイヤーの対戦候補情報となる、前記標的の殴打に関する能力情報を示した複数の対戦候補情報が記憶されている対戦候補情報記憶手段と、
    前記プレイヤーに前記標的を殴打させ、その強度を前記強度測定手段によって測定することにより、前記プレイヤーの基準強度を決定する基準強度決定手段と、
    前記基準強度に対応する前記能力情報を示した前記対戦候補情報を、前記対戦候補情報記憶手段から選択する対戦候補情報選択手段と、
    前記対戦候補情報選択手段によって選択された対戦候補情報を前記プレイヤーの対戦相手とするゲームを制御するゲーム制御手段とを有し、
    前記ゲーム制御手段は、
    ゲームの開始時に、前記プレイヤー及び前記選択された対戦相手に対して、勝敗に影響する情報を設定する勝敗影響情報設定手段と、
    前記ゲーム中に前記標的が殴打されたか否かを判断する殴打判断手段と、
    前記殴打判断手段によって前記標的が殴打されたと判断された時は、その殴打に対して前記強度測定手段によって測定された測定強度に基づいて前記対戦相手の勝敗に影響する情報を変化させ、前記標的が殴打されなかったと判断された時は、前記基準強度に基づいて前記プレイヤーの勝敗に影響する情報を変化させる勝敗影響情報制御手段と、
    前記勝敗に影響する情報に基づいて、前記ゲームの勝敗を判定する勝敗判定手段とを有するゲームシステム。
  2. 前記勝敗影響情報設定手段は、体力に関する情報として、前記プレイヤー及び前記対戦相手のそれぞれの体力を数値で示す体力値をそれぞれ設定し、
    前記ゲーム制御手段は、前記基準強度に基づいて、前記プレイヤーの体力値の変化量を基準変化量として決定する基準変化量決定手段と、前記測定強度に基づいて、前記対戦相手の体力値の減少量を測定変化量として決定する測定変化量決定手段とを更に有し、
    前記勝敗影響情報制御手段は、前記標的が殴打されたと判断された時は、前記対戦相手の体力値を前記測定変化量だけ変化させ、前記標的が殴打されなかったと判断された時は、前記プレイヤーの体力値を前記基準変化量だけ変化させ、
    前記勝敗判定手段は、前記体力値をもとに勝敗を判定する、ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
  3. 前記勝敗影響情報制御手段は、前記標的が殴打されたと判断された時は、前記対戦相手の体力値を前記測定変化量だけ減らし、前記標的が殴打されなかったと判断された時は前記プレイヤーの体力値を前記基準変化量だけ減らす、ことを特徴とする請求項に記載のゲームシステム。
  4. 前記勝敗影響情報設定手段は、前記基準強度に基づいて、前記プレイヤー及び前記対戦相手のそれぞれの勝敗に影響する情報を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
  5. 前記標的が殴打される速さを測定する速さ測定手段と、
    前記プレイヤーに前記標的を殴打させ、その速さを前記速さ測定手段によって測定することにより、前記プレイヤーの基準速さを決定する基準速さ決定手段と、を更に有し、
    前記対戦候補情報選択手段は、前記基準強度及び前記基準速さに対応する前記能力情報を示した前記対戦候補情報を、前記対戦候補情報記憶手段から選択する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲームシステム。
  6. 前記ゲーム制御手段は、前記基準速さ決定手段によって決定された前記基準速さに応じて、前記ゲームにおける前記各開口部に出没する標的の出没態様を設定する出没態様設定手段を有する、ことを特徴とする請求項5に記載のゲームシステム。
  7. 前記対戦候補情報記憶手段及び対戦候補情報選択手段を備えたサーバと、前記強度測定手段、前記基準強度決定手段、前記速さ測定手段、前記基準速さ決定手段、及び前記ゲーム制御手段を備えた前記ゲーム機とが、データの送受信可能に接続されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のゲームシステム。
  8. 遊戯台上の盤面に設けられた複数の開口部のそれぞれから標的を出没させて標的をプレイヤーに殴打させるゲームを実行し、前記プレイヤーの対戦候補情報となる、前記標的の殴打に関する能力情報を示した複数の対戦候補情報を有するサーバとデータの送受信可能に接続されたゲーム機であって、
    前記標的が殴打されると、その殴打の強度を測定する強度測定手段と、
    前記プレイヤーに前記標的を殴打させ、その強度を前記強度測定手段によって測定することにより、前記プレイヤーの基準強度を決定する基準強度決定手段と、
    前記基準強度に対応する前記能力情報を示した対戦候補情報を前記サーバから取得する対戦候補情報取得手段と、
    前記対戦候補情報取得手段によって取得された対戦候補情報を、前記プレイヤーの対戦相手としたゲームを制御するゲーム制御手段とを有し、
    前記ゲーム制御手段は、
    ゲームの開始時に、前記プレイヤー及び前記選択された対戦相手に対して、勝敗に影響する情報を設定する勝敗影響情報設定手段と、
    前記ゲーム中に前記標的が殴打されたか否かを判断する殴打判断手段と、
    前記殴打判断手段によって前記標的が殴打されたと判断された時は、その殴打に対して前記強度測定手段によって測定された測定強度に基づいて前記対戦相手の勝敗に影響する情報を変化させ、前記標的が殴打されなかったと判断された時は、前記基準強度に基づいて前記プレイヤーの勝敗に影響する情報を変化させる勝敗影響情報制御手段と、
    前記プレイヤー及び前記対戦相手の前記勝敗に影響する情報に基づいて、前記ゲームの詳細を判定する勝敗判定手段とを有するゲーム
  9. ゲーム機の盤面に設けられた複数の開口部のそれぞれから標的を出没させ、その標的をプレイヤーに殴打させるゲームを実行するためのゲームシステムであって、
    前記標的が殴打される速さを測定する速さ測定手段と、
    前記プレイヤーの対戦候補情報となる、前記標的の殴打に関する能力情報を示した複数の対戦候補情報が記憶されている対戦候補情報記憶手段と、
    前記プレイヤーに前記標的を殴打させ、その速さを前記速さ測定手段によって測定することにより、前記プレイヤーの基準速さを決定する基準速さ決定手段と、
    前記基準強度に対応する前記能力情報を示した前記対戦候補情報を、前記対戦候補情報記憶手段から選択する対戦候補情報選択手段と、
    前記対戦候補情報選択手段によって選択された対戦候補情報を前記プレイヤーの対戦相手とするゲームを制御するゲーム制御手段とを有し、
    前記ゲーム制御手段は、
    前記基準速さ決定手段によって決定された前記基準速さに応じて、前記ゲームにおける前記各開口部に出没する標的の出没態様を設定する出没態様設定手段と、
    ゲームの開始時に、前記プレイヤー及び前記対戦相手に対して、勝敗に影響する情報を設定する勝敗影響情報設定手段と、
    前記出没態様設定手段によって設定された出没態様で出没する前記標的が殴打されたか否かを判断する殴打判断手段と、
    前記殴打判断手段によって前記標的が殴打されたと判断されると、前記対戦相手の勝敗に影響する情報に所定の変化を与え、前記標的が殴打されなかったと判断された時は、前記プレイヤーの勝敗に影響する情報に前記所定の変化を与える勝敗影響情報制御手段と、
    前記勝敗に影響する情報に基づいて、前記ゲームの勝敗を判定する勝敗判定手段とを有するゲームシステム。
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