JP4371961B2 - 鉄道車両の側構体 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の側構体に関するものである。
一般に、鉄道車両の側構体は、外板に補強部材を取り付ける構造で、接合箇所や部材間の相関が多い構造である。このため、部材精度や溶接歪が重畳して仕上り寸法が一定とならないため、組立時に切合せや重ね継手の重ね代で寸法調整をしている。このため、工程が煩雑となり手間がかかる。
また、鉄道車両の側構体は、外板、補強部材、補助部材が相互に補完しあうことで全体の強度や剛性を確保することとなるため、接合箇所が多く構造も複雑となる。さらに別組立品を組上げていくという方法が採りにくく、手番の単純化や接合時間の短縮が行ないにくい。
さらに、鉄道車両の側構体においては、剛性や強度の確保に対する外板の関与が大きく、自ずと補強部材などとの接合箇所が多い。また、大きな接合強度が必要となるため、接合長や接合入熱が大きくなりがちである。このため、外板部材(外側面)に歪や熱変色痕が残りやすく外観を悪化させることが多い。または製作時に悪化した外観を補正するために多くの労力を要する。
そこで、製造コストの削減を目的として、側構体を含めて、台枠や屋根構体を、モジュール化されたパネル状のスケルトン構造とし、それらを締結具によって互いに結合することが知られている(特許文献1参照)。
また、外板の貼付作業を容易にして、コストダウンを図るために、骨組みに外板を貼り、入口枠を取り付ける鉄道車両の側構体製造方法において、幕板部分を含む外板を骨組みに貼った窓ブロック、幕板部分を含む入口枠板に骨部材を取り付けた側入口ブロックを個々に作成し、各ブロックを溶接接合することも知られている(特許文献2参照)。
特開2001−171514号公報(段落0055〜0058及び図15,図16) 特開2002−104180号公報(段落0006〜0009及び図1)
前記特許文献1,2に記載の技術では、フレームと外板との接合は、鋲接などの機械締結であるため、コストアップの原因となり、コストダウンを図る余地がある。また、コストダウンを図るために、抵抗スポット溶接を利用することも考えられるが、フレームを構成する部材が閉断面構造である場合には、電極を通す穴を開ける等の作業が必要になり、かえってコストアップとなる。
本発明は、安価に製造することができ、しかも製造が容易である鉄道車両の側構体を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、複数の側パネルからなる鉄道車両の側構体において、前記側パネルは、メインフレームと、そのメインフレームに接合される外板部材とを有し、前記メインフレームは、複数の骨部材がラーメン構造もしくはトラス構造で構成され、前記骨部材と外板部材との接合がレーザ溶接によりなされ、前記骨部材のうち窓開口部の周囲を構成する前記骨部材は閉断面構造で、その骨部材の前記窓開口部側の面及び外側面に前記外板部材がレーザ溶接により接合され、この外板部材は、前記窓開口部側の面に沿う部分の車内側端縁から前記窓開口部の面に直交する方向に屈曲して延びる断面L字状の自由端部を有し、この自由端部に前記窓開口部の窓ガラスの端縁が支持されていることを特徴とする。
このようにすれば、ラーメン構造とトラス構造メインフレームを構成することで、剛性の高い側構体の骨格が得られ、鉄道車両の側構体として要求される強度及び剛性をメインフレームで確保することができる。そして、メインフレームを構成する骨部材と外板部材との接合は、レーザ溶接により行うので、溶接歪みを生じさせることなく接合を容易に行うことができ、外板品質の向上とコストダウンを図る上で有利である。それに加えて、メインフレームを、側構体を構成する側パネルの主構造として先組することで、寸法精度の高い側パネルの製作が可能になる。
また、メインフレームを、複数の骨部材をラーメン構造もしくはトラス構造構成し、側構体の主構造を構成するので、外板部材は、取り回し時に折れたりしない程度の板厚があればよい。外板部材の板厚は、従来1.5〜2.0mmであったが、請求項1の発明では0.5〜0.8mm程度の板厚で足りる。
このように外板部材の板厚を薄くできるが、メインフレームを構成する骨部材の板厚は通常1.5mm〜3.0mmであるので、外板部材よりも板厚が厚く、場合によっては2倍以上になる。骨部材の板厚が外板部材の板厚の2倍以上になると、抵抗スポット溶接で接合することは困難であるが、レーザ溶接では問題なく接合することができる。この点でも、レーザ溶接が有利である。
このとき、前記骨部材のうち窓開口部の周囲を構成する前記骨部材は閉断面構造としているので、さらに軽量で剛性の高い側構体の骨格が得られる。ここで、「閉断面構造を持つ骨部材」とは、角鋼管や液圧成形材など中空状の部材を意味するが、全長に渡る切れ目がなければよく、適宜軽量穴や切り欠きが設けられた部材も含む。なお、メインフレームの組立には、レーザ溶接のほか、アーク溶接、鋲接などを用いることができる。
また、閉断面構造の骨部材に外板部材を接合する際、従来技術の抵抗スポット溶接では電極を通す穴を骨部材に適宜設ける必要があるが、レーザ溶接では骨部材や外板部材に先加工をせずに容易に施工でき、この点でもレーザ溶接が有利である。
この場合、請求項に記載のように、前記窓開口部の窓ガラスの端縁は、前記外板部材の自由端部と前記外板部材の外側に固定されるモール部材との間に支持されている構成としてもよい。
また、請求項3に記載のように、前記窓開口部の周囲を構成する前記骨部材の前記外側面と前記外板部材とのレーザ溶接は前記外板部材側からなされ、前記骨部材の前記外側面と前記外板部材とのレーザ溶接の部分は、前記モール部材にて覆われている構成とすることができる。
請求項4に記載のように、前記各側パネルは、扉及び戸袋部の部分、扉間窓部の部分、ならびに車端窓部の部分のいずれかに対応していることが望ましい。つまり、側構体が扉及び戸袋部の部分、扉間窓部の部分、並びに車端窓部の部分に分割され、それらの間に見切り線が位置することになる。
このようにすれば、乗客の乗降のための扉を複数持つ通勤・近郊型鉄道車両の側構体の組立において、全長の調節やキャンバの付与を容易に行えるとともに、組立前の扉および戸袋部の部分において、扉の調整を行うことができる。
請求項5に記載のように、前記外板部材どうしの接合部分は、前記メインフレーム側に凹んだ凹部を形成しており、その凹部内に前記外板部材どうしの接合線が位置している構成とすることができる。この接合部分の継手形式は、重ね継手でも、突き合わせ継手でも、重ね縁継手でもよい。
このようにすれば、接合部の接合精度を確保できると共に、凹部内に樹脂や金属製の部品を挿入して見切り線を装飾したり、硬化性樹脂液を塗布したり、ブレージング等によりろう材で装飾したりすることができるので、外板仕上げが容易となり、外観の見栄えが向上する。
この場合、請求項6に記載のように、前記外板部材の接合部分は、前記メインフレームの骨部材に接合されている構成とすることも可能である。この場合、(i)接合部分の裏面に側パネルの構成部材である骨部材(メインフレーム)を位置させて、接合しようとする両側パネルの外板部材の端縁どうしを溶接により接合すると共にその溶接部分を骨部材にも接合することで連続した外板部材を得ることと(図5(a)(b)参照)、(ii)接合部分の裏面に側パネルの構成部材である骨部材を位置させて、接合しようとする両側パネルの外板部材の端縁をそれぞれ骨部材と接合することで連続した外板部材を得ること(図5(c)参照)とが含まれる。
以上のように、本発明は、閉断面構造を持つ骨部材を主体として、ラーメン構造とトラス構造メインフレームを構成するので、軽量で剛性の高い骨格が得られ、車両構体の側構体に必要な強度及び剛性を確保することができ、メインフレームだけで主構造を構成しうる。よって、外板部材は、取り回し時に折れたりしない程度の板厚があればよくなり、レーザ溶接によればメインフレームと薄板の外板とを容易に接合し得るので、軽量化とコストダウンおよび外板品質の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
図1(a)(b)はそれぞれ本発明に係る一実施の形態である鉄道車両の側構体の組立手順を示す図である。
図1(a)(b)に示すように、側構体を構成する側パネル1は、複数の骨部材をラーメン構造もしくはトラス構造に組み上げて構成されるメインフレーム2の外側に、外板部材3A,3Bをレーザ溶接にて接合してなる。
メインフレーム2は、上下に配置され車体前後方向に延びる横骨部材2a,2bと、前後に配置され車体上下方向に延びる縦骨部材2c,2dとによって形成される外枠を備える。横骨部材2a,2bに平行に、窓開口部Sの上下縁を構成する上下枠骨部材2e,2fが、縦骨部材2c,2dに接合され、その接合部分には三角形状のガセット2gが設けられている。また、上下の横骨部材2a,2bと、上下枠骨部材2e,2fとの間が、上下方向に延びる複数の補強骨部材2h,2iによって接続されている。このようにメインフレーム2が構成される。なお、この実施の形態では、骨部材2a〜2iは全部、閉断面構造としている。
このメインフレーム2の上下、すなわち窓開口部Sの上下に上下外板部材3A,3Bが接合され、側パネル1が構成されている。
メインフレーム2への外板部材3A,3Bの接合は、メインフレーム2を構成する骨部材2a〜2iがすべて閉断面構造であることから、片面施工が必要である。また接合する板厚の組合せなどを考慮するとレーザ溶接が有効である。外板部材の接合やフレーム組立に用いるレーザ溶接は、連続でも、スポット(パルス)の複数点照射でもよい。ただし、必要や制約に応じてアーク溶接、ハイブリッド溶接、鋲接、ブレージングなど適宜用いてもよい。メインフレーム2(骨部材2a〜2i)ヘの外板部材3A,3Bの接合は、レーザ溶接などを用いる場合には、(i)外板部材の表側から直接照射する重ね継手による方法、(ii)外板部材の端部を重ねる縁継手による方法(外板部材の表側から照射)、(iii)外板部材を骨部材端部で断面方向へ折り返し、側面や裏面で接合する方法、(iv)接合箇所を凹ませておいて施工後樹脂材料などで覆う方法などが考えられる。
なお、外板部材3A,3Bは、構造全体への強度及び剛性にはほとんど関与しないが、振動やたわみを防ぐために適宜骨部材を設ける構成としてもよい。
具体的には、例えば図2(a)に示すように、閉断面構造の骨部材11,12が上下に配置され、それらの内側部分がレーザ溶接により接合される(溶接部分S1参照)。下側の骨部材12には、下側外板部材13の、断面L字形状に屈曲した上縁部分13aがレーザ溶接(溶接部分S2,S3参照)にて接合されている。上側外板部材14は、断面ハット形状で、上側の骨部材11の外側面に沿うように設けられ、骨部材11の上側と外側との2カ所でレーザ溶接される(溶接部分S4,S5参照)。なお、前記溶接部分S3は、下側の骨部材12に対し、下側外板部材13の上縁部分および上側外板部材14の下縁部分の溶接を別々に行うのではなく、それらを図2(a)に示すように重ねた状態でなされる。これは、レーザ溶接によれば板材を複数層重ねた状態で接合することができるからである。そして、外板部材14の外側にモール部材15が図示しないボルトなどによって取り付けられ、上側の断面L字形状に屈曲した上縁部分14aとの間に、ガラスパッキン19等のシール材を介して、外板部材14の窓ガラス16の下端縁を支持させるようになっている。
また、図2(b)に示すように、下側の骨部材12’を開断面構造とすることも可能である。この例では、上側の骨部材11と下側の骨部材12’とは、それらの外側面がほぼ面一で、下側の骨部材12’の上面部分が上側の骨部材11の下面部分にレーザ溶接により接合されている(溶接部分S11,S12,S13参照)。上側の外板パネル14’は、上側の骨部材11の外側面に沿う平板部分14a’と、それの上縁に連接されモール部材15との間に窓ガラス16の下端縁を支持する上縁部分14b’とを有する。平板部分14a’が上側の骨部材11の外側面に、上縁部分14b’が上側の骨部材11の上面にレーザ溶接により接合されている(溶接部分S14,S15)。下側の外板部材13’は、平板状で、下側の骨部材12’にレーザ溶接により接合されている(溶接部分S16参照)。
さらに、図2(c)に示すように、1つの閉断面構造の骨部材17とすることも可能である。この場合は、外板部材18は、下側の平板部分18aと、この平板部分18aの上縁に連接されるL字形状の上側部分18bとを有し、平板部分18aが骨部材17の外側面に、上側部分が骨部材の上面にそれぞれレーザ溶接により接合されている(溶接部分S21,S22,S23参照)。
このような構成の場合、外板部材3は強度および剛性に関与が小さいため、メインフレーム2への接合強度はそれほど大きくなくてもよく、溶接で取り付ける際にも、最小限の入熱で施工したり溶接部分を限定することが容易である。よって外板部材の歪や熱変色痕の影響が小さく、良好な外観を得ることができる。
このようなフレームの組立に、特にレーザ溶接を用いる場合には、次のように実施することが可能である。
(i)交差部や突合せ部では突合せ溶接やすみ肉溶接を行うことができる。
(ii)交差部や突合せ部にコア材などの接合補助部材を用いて突合せ溶接やすみ肉溶接を行うこともできる。
(iii)交差部にガセットなどの接合補助部材で覆い、透過重ね溶接、重ね縁溶接やすみ肉溶接を行うことができる。
(iv)接合する両側または一方の部材の当該箇所に適切な加工を施し突合せ溶接やすみ肉溶接を行うことができる。
なお、上記(i)(ii)については必要に応じて溶加材を供給するかあるいはアーク溶接とのハイブリッドとしてもよい。
また、メインフレーム2の組立に、特に重ね溶接を用いる場合には、下側に位置する部材の重ね合わせ部を含む範囲を、上側に位置する部材の板厚分だけ凹ませて、接合後の表面をほぼ面一とし、後の施工の便宜を図る構成とすることもできる。
このようにして製造された側パネル1が、車両長手方向において接合されて、側構体とされるが、この側パネル間の接合についても、強度や剛性の伝播については専ら前後のメインフレーム2の接合に依存させることになる。
この側パネル間の接合に関わる部材は、一方を開口断面構造の部材として、重ね継手や重ね縁継手をレーザ溶接などで接合してもよい。また、側パネル間の接合に関わる部材はガセットなどを用いて重ね継手や重ね縁継手をレーザ溶接などで接合してもよい。
側パネル間の接合に関わる部材は、二つの閉断面部材の接点で形成されるフレア継手をレーザ溶接などで接合してもよい。
このようにすれば、管材などの閉断面構造を持つ複数の骨部材をラーメン構造もしくはトラス構造に組上げて、メインフレーム2を構成するようにしているため、部材精度を得やすい。また、製作中に溶接歪などで寸法変化が生じても再現性が高く、上流工程ヘフィードバックすることで仕上り寸法の安定化も容易である。このため、高精度の側パネル1(または側構体)を得ることができる。
側パネル1の寸法精度を向上させることができるため、通りのよいものが製作可能である。また、キャンバを見込んだ寸法のものを製作することが可能となり、総組立の際に部材を強引に曲げたり接合部材間の重ね代で調整したりするなどの煩雑な作業を回避することができる。
メインフレーム2を構成する骨部材2a〜2iが閉断面構造であるため、大きな剛性を持つ骨格構造となる。このため、車両構体の剛性の向上または同等剛性での軽量化が可能である。
従来構造と比べて、段取り手番や接合箇所が大幅に減少する。このため製作時間の減少や工数低減が可能である。
外板部材どうしの接合においては、強度は必要とされないため、施工箇所の制約が少ない。このため、外観に影響を与えないまたは外観への影響が少ない場所に施工箇所を持ってきたり、目立たない施工を選択したりすることが容易である。このため良好な外観を得ることが容易である。
それに加えて、設計変更が容易であり、設計変更しても製作現場の段取り替えの手間が小さい。
ところで、側出入口を複数持つ通勤・近郊型鉄道車両の側構体の総組立において、全長の調節やキャンバの付与は扉部分のドアマスク重ね代を調整することで行う場合が多い。しかし、扉部分では扉が動作するために空隙などが正しく取られている必要がある。扉部分で側構体の寸法調整を行う方法では、扉に関する調整が後工程となるため精度が低下し調整量が大きくなったり、作業が困難となったりする。
そこで、複数の側パネルを組立てて製作される鉄道車両の側構体において、側パネルの見切り線L1〜L8を、図3に示すように、扉および戸袋部、扉間窓部、車端窓部の間とし、すなわちこれらの間で分割して製造することができるようにし、側構体そのものを、(i)扉および戸袋部の側パネル21A,21B,21C,21D、(ii)扉間窓部の側パネル22A,22B,22C、(iii)車端窓部の側パネル23A,23Bの3種類で構成することも可能である。
この場合、各側パネルは総組立前に十分な寸法精度で製作され、重ね代の調整などの必要なしに組立てることができる方法によって製作されているか、または製作後に調整した上で側構体の組立へと供される。各側パネルは、主に互いのメインフレームを、溶接や鋲接、ボルト結合などによって接合することにより強度や剛性を確保する。
このように各側パネル間の接合部分の構成上、重ね代などで全体寸法やキャンバを調整することは困難なので、パネル製作そのものが高精度に行なわれていることが前提となるため、接合手段として、レーザ溶接を用いるのに適する。
例えば扉及び戸袋部の側パネル21A,21B,21C,21Dは扉を設置するための調整を行った後、側構体の組立へと移行することになる。このように扉に関わる調整を、側構体組立前の、側パネルの製造段階で行うことができるので、作業効率がよい。
また、車体長20m程度の車両のうち側面(片側)に4つの出入口をもつ車体であれば、1つの側パネルの長さが3m前後に収まり、作業効率がよい。また、側パネル間の接合部分の処理も容易となる。
また、各側パネルの結合に関し、外観に露出する外板部材の接合部分(溶接部分)については、(i)外板部材を接合後、研磨等により周辺部分と同様の状態に仕上げる、(ii)窓キセなどの端部を一致させることにより目立たなくしたり、または覆ったりすることにより隠蔽する、(iii)見切り線を意匠的に残す、(iv)接合部分に凹部を設けてその底部で接合し、樹脂や金属製の部品を挿入して見切り線を装飾(隠蔽)する、(v)接合部分に凹部を設けてその底部で接合し、ブレージングなどによりろう材で装飾する、などの方法を単独または組合せで用いることにより、側パネルの結合部分の意匠性を高めることができる。
さらに前述の(iv)(v)の凹部を設ける場合について詳述すると、外板部材どうしの接合においては、図4(a)に示すように、外板部材31,32の溶接部分S31(レーザ溶接による接合部分)が凹部34内に位置するように接合することが望ましい。つまり、外板部材31,32の端縁部31a,32aを断面L字形状に屈曲させ、その端縁部どうしを突合せてレーザ溶接により接合すればよい。
このようにすれば、溶接部分S31が、凹部34内の底部に位置することになるので、凹部34内に樹脂や金属製の部品を挿入して見切り線となる溶接部分S31を装飾することにより隠蔽することができる。あるいは、ブレージングなどによりろう材で装飾することも可能である。
また、突合せ溶接に限らず、図4(b)に示すように、外板部材35,36の端縁部35a,35aを断面L字形状に屈曲させ、その端縁部どうしを重ね合わせてレーザ溶接により接合することもできる。この場合も、溶接部分S32は凹部38内の底部に位置することになる。
さらに、外板部材の接合を、メインフレームを構成する骨部材を利用して行うこともできる。例えば図5(a)(b)に示すように、外板部材31,32又は外板部材35,36どうしの溶接部分S31,S32が、溶接部分S33,S34によって、骨部材41にも接合されるようにすることができる。そのように骨部材41を利用する場合には、外板部材31,32どうしが接合されている必要は必ずしもなく、例えば図5(c)に示すように、外板部材31,32の端縁部が骨部材41に溶接部分S35,S36において接合されることで、外板部材31,32が骨部材41を介して連続しているようにすることも可能である。
そのほか、図6に示すように、外板部材42,43の端縁部を内方に折り曲げるようにして、その折り曲げ部分42a,43aどうしを突き合わせ、それらの間をレーザ溶接により接合するようにしてもよい(溶接部分S37参照)。
なお、上述した溶接部分の溶接作業は、多関節ロボットのエンドエフエクタとして(レーザ溶接の)溶接トーチを取り付けることで、ロボットにより行うことができ、施工性がよい。また、溶接部分は板材を貫通する完全溶込み溶接でよいので、この点からも施工性がよい。
前述した実施の形態においては、メインフレーム2を構成する骨部材2a〜2iはすべて閉断面構造としているが、強度が必要されない部分は、必ずしも閉断面構造の骨部材とする必要はないので、メインフレーム2を構成する骨部材のうち強度あるいは剛性が必要とされる一部のみを閉断面構造の骨部材とするようにしてもよい。
(a)(b)はそれぞれ本発明に係る一実施の形態である鉄道車両の側構体の組立手順を示す図である。 (a)(b)(c)はそれぞれ窓開口部の下縁におけるメインフレームと外板部材との接合状態を示す説明図である。 本発明に係る一実施の形態である鉄道車両の側構体と側パネルとの関係を示す説明図である。 (a)(b)はそれぞれ外板部材どうしの接合方法の説明図である。 (a)(b)(c)はそれぞれ、骨部材(メインフレーム)を利用した外板部材どうしの接合方法の説明図である。 外板部材どうしの他の接合方法の説明図である。
符号の説明
1 側パネル
2 メインフレーム
3A,3B 外板部材
21A,21B,21C,21D 扉および戸袋部の側パネル
22A,22B,22C 扉間窓部の側パネル
23A,23B 車端窓部の側パネル
31,32,35,36 外板部材
34,38 凹部
41 骨部材

Claims (6)

  1. 複数の側パネルからなる鉄道車両の側構体において、
    前記側パネルは、メインフレームと、そのメインフレームに接合される外板部材とを有し、前記メインフレームは、複数の骨部材がラーメン構造もしくはトラス構造で構成され、前記骨部材と外板部材との接合がレーザ溶接によりなされ、
    前記骨部材のうち窓開口部の周囲を構成する前記骨部材は閉断面構造で、その骨部材の前記窓開口部側の面及び外側面に前記外板部材がレーザ溶接により接合され、
    この外板部材は、前記窓開口部側の面に沿う部分の車内側端縁から前記窓開口部の面に直交する方向に屈曲して延びる断面L字状の自由端部を有し、この自由端部に前記窓開口部の窓ガラスの端縁が支持されていることを特徴とする鉄道車両の側構体。
  2. 前記窓開口部の窓ガラスの端縁は、前記外板部材の自由端部と前記外板部材の外側に固定されるモール部材との間に支持されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の側構体。
  3. 前記窓開口部の周囲を構成する前記骨部材の前記外側面と前記外板部材とのレーザ溶接は前記外板部材側からなされ、
    前記骨部材の前記外側面と前記外板部材とのレーザ溶接の部分は、前記モール部材にて覆われていることを特徴とする請求項2記載の鉄道車両の側構体。
  4. 前記各側パネルは、扉及び戸袋部の部分、扉間窓部の部分、ならびに車端窓部の部分のいずれかに対応していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両の側構体。
  5. 前記外板部材どうしの接合部分は、前記メインフレーム側に凹んだ凹部を形成しており、その凹部内に前記外板部材どうしの接合線が位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両の側構体。
  6. 前記外板部材の接合部分は、前記メインフレームの骨部材に接合されていることを特徴とする請求項5記載の鉄道車両の側構体。
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