JP4371142B2 - イオン発生ユニットおよびイオン発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気清浄器やエアコンなどのイオン発生回路に用いられるイオン発生ユニットおよびイオン発生装置に関する。
この種のイオン発生装置として、従来、特許文献1に記載されたものが知られている。図12に示すように、このイオン発生装置110は、筺体120と、この筺体120の前面に取り付けられた放電電極112と、対向電極114とを備えている。筺体120の上部には高圧電源部118が配置されている。高圧電源部118は、放電電極112と対向電極114との間に交流高電圧を印加する高電圧発生回路を内蔵している。
放電電極112は複数の鋸歯112aを備えており、放電電極112と対向電極114とは互いに垂直な関係を有している。一方、対向電極114は筺体120の座面部120bに固定されている。該対向電極114は誘電体セラミックに金属を埋設した構造からなる。放電電極112と対向電極114は、放電によりオゾンを発生させる作用と、印加された交流高電圧により空気をマイナスイオン化する作用とを行う。
特開平6−181087号公報
しかしながら、従来のイオン発生装置110は、マイナスイオンを発生させるために、放電電極112に−5kV〜−7kVの高電圧を印加する必要がある。そのため、電源回路や絶縁構造が複雑になり、イオン発生装置110の製造コストが高価になるという問題があった。
また、−5kV〜−7kVの高電圧を放電電極112に印加すると、オゾンが付随的に発生してしまうため、マイナスイオンだけを選択的に発生させることができなかった。さらに、放電電極112に高電圧が印加されるため、十分な安全対策を講じる必要がある。
また、放電電極112と対向電極114が互いに垂直に対向している(立体的な配置である)ため、占有体積が大きく、イオン発生装置110の小型化が困難であった。
そこで、本発明の目的は、低い印加電圧でマイナスイオン又はプラスイオンを発生させることができるイオン発生ユニットおよびイオン発生装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係るイオン発生ユニットは、グランド電極が形成されグランド電極の一部を除く領域にグランド電極を覆うように絶縁膜が形成された絶縁基板と、線状電極と、絶縁基板および線状電極を収納する絶縁ケースとを備え、線状電極がグランド電極に対向するように絶縁基板に線状電極を取り付け、グランド電極の絶縁膜で覆われていない部分と絶縁ケースとが接続していることを特徴とする。
また、本発明に係るイオン発生ユニットは、絶縁基板上にコンタクト部を有する高圧電極が形成され、高圧電極に線状電極が取り付けられ、高圧電極とグランド電極のコンタクト部および絶縁ケース接触部を残して、絶縁基板の略全面を覆うように絶縁膜が形成されていることを特徴とする。
線状電極(100μm以下の線径であることが好ましい)を用いることにより、電子が線状電極の先端部に集中し易くなり、強電界が生じ易くなる。また、引張り強度が2500N/mm以上の線状電極を用いることが好ましい。さらに、グランド電極の絶縁膜で覆われていない部分と絶縁ケースを接続することにより、絶縁ケースのイオン帯電が低減し、絶縁ケース帯電によるイオン発生部の電界強度の低下が防止できる。
また、グランド電極の表面を絶縁膜で覆うことにより、イオン発生量を殆ど変えることなく、オゾン発生の抑制効果を得ることができる。さらに、高圧電極とグランド電極のコンタクト部および絶縁ケース接触部を残して、絶縁基板の略全面を覆うように絶縁膜を形成することにより、高圧電極とグランド電極との間が絶縁膜で覆われ、高圧電極とグランド電極間の結露による短絡が防止される。
本発明に係るイオン発生ユニットにおいては、グランド電極が線状電極の長さ方向に対して略平行に配置されていることが好ましい。具体的には、絶縁基板の一辺に凹部を設け、該凹部に線状電極の先端側を突出させるとともに、凹部の両側の絶縁基板上に、線状電極を間に配置して線状電極と略平行な二つの脚部を有するグランド電極を設ける。
また、絶縁ケースは上側ケースと下側ケースとで構成されていてもよく、この場合、下側ケースには絶縁基板に設けたグランド電極の絶縁ケース接触部に略対応する位置に突起が設けられていることが好ましい。あるいは、上側ケースには絶縁基板に設けたグランド電極の絶縁ケース接触部に対応する位置に凸部が設けられていてもよい。下側ケースに設けた突起が絶縁基板を押圧することで、及び/又は、凸部が絶縁ケース接触部に当接することで、絶縁ケースとグランド電極の絶縁ケース接触部との接触性信頼性が向上する。
以上の構成により、線状電極やグランド電極などを平面状に構成することができ、薄型のイオン発生部品が得られる。
また、グランド電極には、例えば酸化ルテニウムやカーボン抵抗などの抵抗体が用いられる。線状電極がグランド電極に接触するような事態が生じた場合においても、抵抗体であればショートによる発熱や発火などの危険を低減できるからである。特に、酸化ルテニウムは高電界がかかってもマイグレーションを起こさないので、最適な材料である。
また、高圧電極のコンタクト部に接触接続し、リード線との係止部を有する第1端子と、グランド電極のコンタクト部に接触接続し、リード線との係止部を有する第2端子とを備え、第1端子と第2端子が絶縁ケースに収容されていてもよい。
さらに、本発明に係るイオン発生装置は、前述のイオン発生ユニットと、マイナス電圧又はプラス電圧を発生する高圧電源とを備えたことを特徴とする。あるいは、本発明に係るイオン発生装置は、第1端子と第2端子にそれぞれ係止されるリード線を有し、かつ、前述の特徴を有するイオン発生ユニットと、マイナス電圧又はプラス電圧を発生させる高圧電源とを備えたことを特徴とする。高圧電源からの出力電圧の絶対値は2.5kV以下であることが好ましい。
以上の構成により、小型で低コストのイオン発生装置が得られる。
本発明に係るイオン発生ユニットは、細い線状電極を用いているので、電子が線状電極の先端部に集中し易くなり、強電界が生じ易くなる。従って、従来よりも低い印加電圧でマイナスイオン又はプラスイオンを発生させることができる。さらに、グランド電極の絶縁膜で覆われていない部分と絶縁ケースを接続することにより、絶縁ケースのイオン帯電が低減し、絶縁ケース帯電によるイオン発生部の電界強度の低下を防止できる。
また、グランド電極の表面を絶縁膜で覆うことにより、イオン発生量を殆ど変えることなく、オゾン発生の抑制効果を得ることができる。さらに、高圧電極とグランド電極のコンタクト部および絶縁ケース接触部を残して、絶縁基板の略全面を覆うように絶縁膜を形成することにより、高圧電極とグランド電極との間が絶縁膜で覆われ、高圧電極とグランド電極間の結露による短絡を防止できる。この結果、小型で低コストのイオン発生ユニットやイオン発生装置を得ることができる。
本発明に係るイオン発生装置の一実施例を示す分解斜視図。 図1に示したイオン発生装置の断面図。 図1に示したイオン発生装置の外観斜視図。 図1に示したイオン発生部品を示す平面図。 前記イオン発生部品を構成する絶縁ケースの展開図。 前記絶縁ケースを組立てた状態の要部を拡大して示す断面図。 イオン発生量が100万個/ccになる印加電圧と線状電極の線径との関係を示すグラフ。 イオン発生装置から50cm離れた地点でのイオン発生量と入力電圧との関係を示すグラフ。 イオン発生装置から50cm離れた地点でのイオン発生量を示すグラフ。 高圧電源の電気回路図。 イオン発生部品の別の実施例を示す平面図。 従来のイオン発生装置を示す外観斜視図。
以下に、本発明に係るイオン発生ユニットおよびイオン発生装置の実施例について添付の図面を参照して説明する。
図1はイオン発生装置1の分解斜視図、図2は断面図、図3は外観斜視図である。図1に示すように、イオン発生装置1は、下側樹脂ケース2および上側樹脂ケース3がヒンジ25を介して一体化された絶縁ケースと、イオン発生部品4と、第1端子5aと、第2端子5bと、リード線7,8と、高圧電源とを備えている。ここに、下側樹脂ケース2および上側樹脂ケース3からなる絶縁ケースと、イオン発生部品4と、第1端子5aと、第2端子5bとでイオン発生ユニットを構成している。なお、図1において、ヒンジ25は上下に切断された状態で記載されている。
下側樹脂ケース2は、一方の端部の側壁2aに空気の取入れ口21が形成され、他方の端部の側壁2bに空気の吐出し口22が形成されている。さらに、手前側の側壁2cには係止腕部23が形成されている。
上側樹脂ケース3は、一方の端部の側壁3aに空気の取入れ口(図示せず)が形成され、他方の端部の側壁3bに空気の吐出し口32が形成されている。手前側の側壁3cには爪部31が2個形成されている。そして、ヒンジ25の一端はケース2の奥側の側壁2dに接合し、他端はケース3の奥側の側壁3dに接合している。ヒンジ25を折り曲げて爪部31を下側樹脂ケース2の係止腕部23に嵌め込むことにより、上側樹脂ケース3と下側樹脂ケース2は堅固に接合し、通気性のある絶縁ケースとされる。
上側樹脂ケース3と下側樹脂ケース2が内部に形成する収容部には、イオン発生部品4と端子5a,5bが配設されている。すなわち、図2に示すように、イオン発生部品4は、上側樹脂ケース3の内側に設けた基板受け台部36と爪部35の間に嵌合されている。絶縁ケースの材料としては、射出成形が可能でかつヒンジ加工が可能なPBT樹脂やPC樹脂などが使用される。
イオン発生部品4は、図4に示すように、絶縁基板41上にグランド電極42および高圧電極43と、グランド電極42の表面に形成された絶縁膜44と、線状電極45とを備えている。矩形の絶縁基板41は、一辺を切り欠いて凹部41aを設けている。絶縁基板41には、例えば幅10.0mm×長さ20.0mm×厚み0.635mmのアルミナ基板やガラスエポキシ基板などが使用される。線状電極45の根元部は高圧電極43にはんだ付けされ、先端側は凹部41aから突出している。線状電極45は例えば線径が100μm以下の極細線であり、ピアノ線、タングステン線、ステンレス線、チタン線などが用いられる。線径が100μm以下であることにより、電子が線状電極45の先端部に集中し、強電界が生じ易くなる。
また、線状電極45としては引張り強度が2500N/mm以上のステンレス線を用いることが好ましい。線材の組成比率や伸線後の熱処理により2500N/mm以上の引張り強度を得ている。このように、2500N/mm以上の線状電極45を用いることにより、曲がりにくく、外力が作用しても復元性が良好で、線状電極45が所定位置からずれることがなくなる。
グランド電極42は、絶縁基板41の周縁部に形成され、凹部41aの両側の絶縁基板41上に、線状電極45を間にして該線状電極45と平行な一対の脚部42a,42bを有している。さらに、グランド電極42は、端子5bが接触するコンタクト部42c、および、上側樹脂ケース3の基板受け台部36が接触する絶縁ケース接触部42dを有している。絶縁ケース接触部42dは、脚部42a,42b(高圧放電部)から離れた位置で、かつ、線状電極45および高圧電極43から離れた位置にある。線状電極45および高圧電極43とグランド電極42との間をできるだけ離し、両者の絶縁耐圧を確保するためである。絶縁ケース接触部42dは、できるだけ小さい絶縁基板41で接触をより確実にするため、絶縁基板41の周辺部寄りに膨らむように形成されている。
また、図5および図6に示すように、グランド電極42の絶縁ケース接触部42dが接触する受け台部36には該接触部42dに対応する位置に凸部36aが設けられており、さらに、下側樹脂ケース2には該凸部36aと略対向する位置に突起24が設けられている。凸部36aと突起24は絶縁ケースを組立てたとき、突起24が絶縁基板41を押圧するとともに凸部36aが絶縁ケース接触部42dと圧接する。凸部36aの高さt(図6参照)は本実施例において0.1mmである。このように、凸部36aが絶縁ケース接触部42dに圧接することで、絶縁ケースとグランド電極42の絶縁ケース接触部42dとの接触信頼性が向上する。特に、下側樹脂ケース2に設けた突起24が凸部36aと略対向する位置で絶縁基板41を押圧することでより一層絶縁ケースと絶縁ケース接触部42dとの接触信頼性が向上する。
なお、前記突起24および凸部36aはいずれか一方のみが設けられていてもよい。突起24のみが設けられていることにより絶縁ケース接触部42dと絶縁ケースとの接触信頼性を高めることができ、または、凸部36aのみが設けられていることにより絶縁ケース接触部42dと絶縁ケースとの接触信頼性を高めることができる。
また、図11に示す別の実施例の如く、コンタクト部42cが上側樹脂ケース3との接触部を兼用してもよく、この場合には接触部42dを設けなくてもよい。
絶縁基板41の略全面には、高圧電極43およびグランド電極42のコンタクト部42cおよび絶縁ケース接触部42dを残して、絶縁膜44がスクリーン印刷で形成されている。絶縁膜44は、スクリーン印刷の位置ずれを許容するため、絶縁基板41の周囲には施されていない。
絶縁膜44の材料としてはシリコーン系樹脂、ガラスグレーズ、エポキシ系樹脂などが用いられる。グランド電極42は50MΩ程度の抵抗値を持っている。グランド電極42の材料としては、酸化ルテニウムペーストやカーボンペーストなどが用いられる。特に、酸化ルテニウムは高電界がかかってもマイグレーションを起こさないので、最適な材料である。
金属製端子5a,5bはそれぞれ係止部51と足部52にて構成されている。係止部51は、上側樹脂ケース3の上面3eに形成された保持部33,34に嵌め込まれる。端子5aの足部52は高圧電極43のコンタクト部43aに接触接続し、端子5bの足部52はグランド電極42のコンタクト部42cに接触接続している。
高圧用リード線7の端部7aは上側樹脂ケース3の保持部33の正面に形成された開口部(図示せず)に嵌入され、芯線71が端子5aの係止部51に係合して電気的に接続される。同様に、グランド用リード線8の端部8aは保持部34の正面に形成された開口部(図示せず)に嵌入され、芯線81が端子5bの係止部51に係合して電気的に接続される。
高圧用リード線7は高圧電源のマイナス出力端子に接続され、グランド用リード線8は高圧電源のグランド出力端子に接続される。高圧電源はマイナスの直流電圧を供給するが、マイナスの直流バイアスを重畳した交流電圧を供給してもよい。そして、このイオン発生装置1は空気清浄機や空調機などに組み込まれる。つまり、高圧電源が空気清浄機の電源回路部にセットされ、イオン発生ユニットが送風経路にセットされることにより、空気清浄器などはマイナスイオンを含んだ風を送風する。
以上の構成からなるイオン発生装置1は、−1.3kV〜−2.5kVの電圧でマイナスイオンを発生させることができる。すなわち、線状電極45にマイナス電圧をかけると、線状電極45とグランド電極42との間で強電界が形成される。また、線状電極45の先端部は絶縁破壊してコロナ放電状態になる。このとき、線状電極45の先端部周辺では、空気中の分子がプラズマ化されて、分子が+イオンと−イオンとに分かれ、空気中の+イオンは線状電極45に吸収され、マイナスイオンが残ることになる。
先端が細い(曲率半径が小さい)線状電極45の方が、先端が太い電極よりも電子が集中しやすく、強電界が生じやすい。従って、線状電極45を用いることで、低い印加電圧でもマイナスイオンを発生させることができる。
表1は線状電極45に印加する電圧を変化させたときのマイナスイオン発生量を測定した結果を示すものである。測定には、周知のエーベルト式測定装置を用いた。測定地点は、イオン発生装置1から風下側に30cm離れた地点である。風速は2.0m/sとした。表1には、比較のために、図12に示した従来のイオン発生装置110の鋸歯112aが一つの構成のものを使ってマイナスイオン発生量を測定した結果も併せて記載している。
Figure 0004371142
表1から、本実施例のイオン発生装置1は低電圧でも十分なマイナスイオンを発生していることがわかる。
また、図12に示した従来のイオン発生装置110の鋸歯112aは、先端部を削った鉛筆形状のものであるため、使用を続けると先端部がなまる経時変化があり、ちょうど鉛筆の先が削れて丸くなるように次第に曲率半径が大きくなってしまう。そのため、曲率半径が大きくなるにつれて、イオン発生量が減少する。
一方、本実施例の線状電極45は、線径が一定であるため、経時変化によって曲率半径が変わることがない。そのため、イオン発生量は安定する。
図7は、イオン発生量が100万個/ccになる印加電圧と線状電極45の線径との関係を示すグラフである。測定地点は、イオン発生装置1から風下側へ50cm離れた地点である。風速は3.0m/sとした。グラフから、線状電極45の線径が100μm以下であれば、−2.0kV程度の低い印加電圧で十分な量のマイナスイオンが発生することがわかる。
また、一般に強電界によってイオンを発生させると、周囲の絶縁物に同一極性のイオンが帯電する。そして、この周囲の帯電が、イオンを発生させている強電界と同じ極性なので、互いに反発して電界を弱め合う。イオン発生量は電界の強さに比例するので、イオンの発生量が減少する。つまり、線状電極45に印加される負の電位と絶縁ケースに帯電する負電位とが同じ極性となるため、イオンの発生量が減少する。
そこで、イオン発生装置1は、グランド電極42の絶縁ケース接触部42dと上側樹脂ケース3の基板受け台部36(凸部36a)とを直接接触させて、絶縁ケースに帯電した電荷(マイナスイオン)がグランド電極42を介してアースに流れる構造にしている。この結果、絶縁ケースのイオン帯電が低減し、絶縁ケース帯電によるイオン発生部の電界強度の低下が防止でき、マイナスイオンの発生量の低下を防止することができる。
また、グランド電極42の表面を絶縁膜44で覆うことにより、マイナスイオン発生量を殆ど変えることなく、オゾン発生の抑制効果を得ることができる。さらに、高圧電極43とグランド電極42のコンタクト部42cおよび絶縁ケース接触部42dを残して、絶縁基板41の略全面を覆うように絶縁膜44を形成することにより、高圧電極43とグランド電極42との間が絶縁膜44で覆われ、高圧電極43とグランド電極42間の結露による短絡が防止される。
図8は、イオン発生装置1から風下側へ50cm離れた地点でのイオン発生量と入力電圧との関係を示すグラフである(実線参照)。風速は2〜3m/sとし、イオン測定器の測定上限は123万個/ccである。比較のため、図1に示したイオン発生装置1と同様の構造であるが、グランド電極42が絶縁ケースに接続していないイオン発生装置のイオン発生量を測定した結果も併せて記載している(点線参照)。グラフから、グランド電極42を絶縁ケースに接続することにより、イオン発生電圧が低くなることがわかる。また、測定限界に達する電圧も、グランド電極42が絶縁ケースに接続していない場合と比較して低くなっていることがわかる。
図9は、入力電圧を−2.5kVに固定したときの、イオン発生装置1から50cm離れた地点でのイオン発生量を示すグラフである(実線参照)。比較のため、図1に示したイオン発生装置1と同様の構造であるが、グランド電極42が絶縁ケースに接続していないイオン発生装置のイオン発生量を測定した結果も併せて記載している(点線参照)。グラフから、グランド電極42を絶縁ケースに接続することにより、イオン発生量が多くなることがわかる。
また、線状電極45に印加する電圧を低くできるため、高圧電源のコストを下げることが可能となる。一般に、出力電圧の絶対値が2.5kV以下であれば、電源回路や絶縁構造を簡素化できる。例えば、図10に示すように、交流回路65で発生した交流電圧をトランス66で昇圧し、さらに、コッククロフト回路(コンデンサCとダイオードDを組み合わせて整流、倍圧を行う回路)で昇圧する場合を考える。この場合、従来のイオン発生装置であれば、トランス66で−1kV〜−1.5kV程度で昇圧した後、図10(A)に示すようなコッククロフト回路67で5倍圧、つまり−5kV〜−7.5kV程度昇圧する必要がある。一方、本実施例のイオン発生装置1であれば、図10(B)に示すようなコッククロフト回路68で2倍圧、つまり、−2kV〜−3kV程度昇圧するだけでよい。従って、コッククロフト回路のコンデンサCやダイオードDの数を減らすことができ、回路も簡素になる。
また、従来よりも印加電圧を低くできるため、安全性の向上を図ることができる。また、線状電極45とグランド電極42が絶縁基板41上に平面的に構成されるため、占有体積が小さくなり、小型化を図ることができる。
また、表2は線状電極45に印加する電圧を変化させたときのオゾン発生量を測定した結果を示すものである。測定地点は、イオン発生装置1から5mm離れた地点である。風速は0m/sとした。表2には、比較のために、図12に示した従来のイオン発生装置110の鋸歯112aが一つの構成のものを使ってオゾン発生量を測定した結果も併せて記載している。
Figure 0004371142
表2から、本実施例のイオン発生装置1は、使用状態におけるオゾン発生量が極めて少ないことがわかる。さらに、グランド電極42を覆う絶縁膜44が形成されているので、グランド電極42と線状電極45との間の放電開始電圧を空気のみの場合と比較して高くすることができる。この結果、線状電極45の先端部とグランド電極42との間で流れる暗電流(漏れ電流であり、放電ではない)を抑えることができる。これにより、電流の量に比例して発生するオゾンの発生量を低減することができる。
また、グランド電極42を絶縁膜44で覆うことにより、小型化の要求でグランド電極42と線状電極45との間隔が狭くなっても、グランド電極42と線状電極45間での異常放電などの不具合を防止できる。
図11は別のイオン発生部品4Aの平面図である。イオン発生部品4Aのグランド電極42は、線状電極45と平行な脚部42aを一つだけ有している。絶縁膜44は、絶縁基板41の略全面を覆うのではなく、コンタクト部42cを残してグランド電極42とその近傍部分のみを覆っている。また、このイオン発生部品4Aは、コンタクト部42cで絶縁ケースの上側樹脂ケース3に直接接合しているという特徴がある。
なお、本発明は、前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
例えば、グランド電極の絶縁ケース接触部の位置は、前記実施例で示した位置に限るものではなく、線状電極(高圧電極)との絶縁耐圧が確保される位置であればよい。また、イオン発生部品の線状電極は一つに限るものではなく、二つ以上備えていてもよい。ただし、二つ以上の線状電極を設ける場合には、線状電極同士が接近し過ぎると、電界分布が乱れて放電効率が低下するので、間隔に注意する必要がある。また、本発明はマイナスイオンの発生のみならず、プラスイオンの発生にも適用することができる。この場合、プラス電圧を発生する高圧電源を用い、高圧電極にプラス電圧を印加することになる。
以上のように、本発明は、空気清浄器やエアコンなどのイオン発生回路に用いられるイオン発生ユニットおよびイオン発生装置に有用であり、特に、低い印加電圧でマイナスイオン又はプラスイオンを発生させることができる点で優れている。

Claims (13)

  1. グランド電極が形成され前記グランド電極の一部を除く領域に前記グランド電極を覆うように絶縁膜が形成された絶縁基板と、線状電極と、前記絶縁基板および前記線状電極を収納する絶縁ケースとを備え、前記線状電極が前記グランド電極に対向するように前記絶縁基板に前記線状電極を取り付け、前記グランド電極の前記絶縁膜で覆われていない部分と前記絶縁ケースとが接続していることを特徴とするイオン発生ユニット。
  2. 前記線状電極は線径が100μm以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のイオン発生ユニット。
  3. 前記線状電極は引張り強度が2500N/mm以上であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のイオン発生ユニット。
  4. 前記絶縁基板上にコンタクト部を有する高圧電極が形成され、前記高圧電極に前記線状電極が取り付けられ、前記高圧電極と前記グランド電極のコンタクト部および絶縁ケース接触部を残して、前記絶縁基板の略全面を覆うように前記絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載のイオン発生ユニット。
  5. 前記グランド電極が前記線状電極の長さ方向に対して略平行に配置されていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載のイオン発生ユニット。
  6. 前記絶縁基板の一辺に凹部を設け、該凹部に前記線状電極の先端側を突出させるとともに、前記凹部の両側の絶縁基板上に、前記線状電極を間に配置して線状電極と略平行な二つの脚部を有する前記グランド電極を設けたことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載のイオン発生ユニット。
  7. 前記絶縁ケースは上側ケースと下側ケースとで構成され、下側ケースには前記絶縁基板に設けたグランド電極の絶縁ケース接触部に略対応する位置に突起が設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記載のイオン発生ユニット。
  8. 前記絶縁ケースは上側ケースと下側ケースとで構成され、上側ケースには前記絶縁基板に設けたグランド電極の絶縁ケース接触部に対応する位置に凸部が設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第7項のいずれかに記載のイオン発生ユニット。
  9. 前記グランド電極が抵抗体からなることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第8項のいずれかに記載のイオン発生ユニット。
  10. 前記高圧電極のコンタクト部に接触接続し、リード線との係止部を有する第1端子と、前記グランド電極のコンタクト部に接触接続し、リード線との係止部を有する第2端子とを備え、前記第1端子と前記第2端子が前記絶縁ケースに収容されていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第9項のいずれかに記載のイオン発生ユニット。
  11. 請求の範囲第1項ないし第9項のいずれかに記載のイオン発生ユニットと、マイナス電圧又はプラス電圧を発生する高圧電源とを備えたことを特徴とするイオン発生装置。
  12. 前記第1端子と前記第2端子にそれぞれ係止されるリード線を有し、かつ、マイナス電圧又はプラス電圧を発生する高圧電源と、請求の範囲第10項に記載のイオン発生ユニットとを備えたことを特徴とするイオン発生装置。
  13. 前記高圧電源からの出力電圧の絶対値が2.5kV以下であることを特徴とする請求の範囲第11項又は第12項に記載のイオン発生装置。
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