JP4370892B2 - 遊星歯車装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば自動車用の自動変速装置を構成する遊星歯車装置の改良に関する。具体的には、遊星歯車及びこの遊星歯車の端面に摺接するワッシャに異常摩耗やかじり、焼き付き等の損傷が生じるのを防止して、優れた耐久性を有する構造を実現するものである。
自動車用の自動変速装置を構成する遊星歯車装置として従来から、図5〜6に示す様な構造が、特許文献1等に記載され、広く知られている。この様な従来から知られた遊星歯車装置は、外周面に歯1aを形成した太陽歯車1と、この太陽歯車1と同心に配置され、内周面に歯2aを形成したリング歯車2との間に、複数個(一般的に3〜4個)の遊星歯車3、3を、円周方向に関して等間隔に配置している。そして、これら複数個の遊星歯車3、3の外周面に形成した歯3aを、上記両歯1a、2aに噛合させている。
上記複数個の遊星歯車3、3は、それぞれ遊星支持軸4、4の軸方向中間部周囲に、ラジアルニードル軸受5を介して、回転自在に支持している。これら各ラジアルニードル軸受5は、上記各遊星支持軸4、4の中間部外周面を円筒状の内輪軌道6とすると共に、上記各遊星歯車3、3の内周面を円筒状の外輪軌道7としている。そして、これら内輪軌道6及び外輪軌道7に、各ニードル8、8の転動面を転がり接触させている。
又、上記各遊星支持軸4、4は、上記太陽歯車1を中心として回転自在なキャリア9に支持している。図示の例では、上記各遊星支持軸4、4の軸方向両端部を、上記キャリア9を構成する互いに平行な1対の支持板10a、10bに、それぞれ支持している。又、上記太陽歯車1を円筒状に形成すると共に、上記キャリア9を構成する上記各支持板10a、10bのうちの一方(図の右方)の支持板10aを、断面L字形で全体を円輪状に形成している。そして、この一方の支持板10aの内周縁部に形成した円筒部11を、回転軸12の外周面にスプライン係合させている。
又、上記太陽歯車1は上記回転軸12の周囲に、この回転軸12に対する相対回転自在に支持している。又、上記リング歯車2は上記太陽歯車1、キャリア9及び回転軸12の周囲に、これら各部材1、9、12に対する相対回転自在に支持している。又、上記各遊星歯車3、3及び上記各ラジアルニードル軸受5を構成する各ニードル8、8と、上記キャリア9を構成する上記各支持板10a、10bの互いに対向する内側面との間に、それぞれ円輪状のワッシャ13a、13bを設けている。これら各ワッシャ13a、13bは、上記各遊星歯車3、3に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各遊星歯車3、3及び上記各ニードル8、8の軸方向に関する変位を規制する
上述の様な遊星歯車装置は、上記回転軸12を駆動軸又は従動軸とし、上記太陽歯車1又は上記リング歯車2の中心を従動軸又は駆動軸に結合する。そして、何れの歯車1、2、3を回転自在とし、何れの歯車1、2、3を回転不能とするかを切り換える事により、上記駆動軸と従動軸との間の変速並びに回転方向の変換を行なう。この様な遊星歯車装置自体の構成及び作用は従来から周知であり、本発明の要旨とも関係しないから、詳しい説明は省略する。
尚、上述の様な遊星歯車装置を備えた自動車用の自動変速装置として従来から、複数の遊星歯車装置を組み合わせて成るもの、或はこの様な複数の遊星歯車装置を組み合わせて成る遊星歯車式変速機とトロイダル型無段変速機とを組み合わせて成るものが、広く知られている。このうちの複数の遊星歯車装置を組み合わせて成る自動変速装置は、非特許文献1等、多数の刊行物に記載され、更に実際に多くの自動車に搭載されて周知である。又、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせて成る自動変速装置は、特許文献2〜3等、やはり多数の刊行物に記載されて広く知られている。
この様な遊星歯車装置を組み込んだ自動変速装置の1例として図7は、上記特許文献2に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機14と、複数の遊星歯車装置を組み合わせて成る遊星歯車式変速機15とを組み合わせて成る。このうちのトロイダル型無段変速機14は、入力軸16と共に回転する1対の入力側ディスク17、17と出力側ディスク18との間の回転伝達を複数のパワーローラ19、19により行ない、これら各パワーローラ19、19の傾斜角度を変える事により、上記両ディスク17、18同士の間の変速比を変える。
又、上記遊星歯車式変速機15は、上記入力軸16及び一方(図7の右方)の入力側ディスク17に結合固定されたキャリア20に複数の遊星歯車21a、21b、21cを、上記入力軸16と同心に設けられた出力軸22に結合固定した第二のキャリア23に複数の遊星歯車24a、24bを、それぞれ回転自在に支持している。又、上記出力側ディスク18に結合固定した中空回転軸25の先端部と、上記出力軸22と上記入力軸16との間にこれら両軸22、16と同心に配置された伝達軸26の両端部とに、それぞれ太陽歯車27a、27b、27cを、それぞれ固定している。更に、上記キャリア20の周囲にリング歯車28を、上記第二のキャリア23の周囲に第二のリング歯車29を、それぞれ設けている。そして、上記リング歯車28と上記第二のキャリア23との間に低速用クラッチ30を、上記第二のリング歯車29とハウジング等の固定の部分との間に高速用クラッチ31を、それぞれ設けている。
上述の様な、図7に示した無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ30を接続すると共に上記高速用クラッチ31の接続を断った状態では、上記トロイダル型無段変速機14の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比を、無限大に変化させられる。即ち、上記トロイダル型無段変速機14の変速比を調節する事により、上記入力軸16を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸22の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。これに対して、上記低速用クラッチ30の接続を断つと共に上記高速用クラッチ31を接続した状態では、上記トロイダル型無段変速機14の変速比の変更に応じて、上記無段変速装置の変速比が変化する。
上述の様な無段変速装置の場合も、前記非特許文献1に記載される等により周知の自動変速装置の場合も、例えば前述の図5〜6に示した構造の様に、キャリア9に対し遊星歯車3、3を回転自在に支持する。そして、このキャリア9を構成する支持板10a、10bの互いに対向する内側面と、これら各内側面に対向する上記各遊星歯車3、3の軸方向両端面との間に、それぞれワッシャ13a、13bを設ける。これら各ワッシャ13a、13bは、前述した様に、上記各遊星歯車3、3に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各遊星歯車3、3及びラジアルニードル軸受5(を構成する各ニードル8、8)の軸方向変位を規制する。
この様なワッシャ13a、13bは、上述の図5〜6に示した構造の様に、上記遊星歯車3、3の端面と支持板10a、10bの内側面との間に、それぞれ1対ずつ(2枚ずつ)設ける事が好ましい。この様に1対ずつ設ければ、1枚ずつ設ける場合に比べ、互い隣り合う支持板10a、10b、各ワッシャ13a、13b、各遊星歯車3、3同士の相対回転速度を小さくでき、これら各部材10a、10b、13a、13b、3同士の滑り速度の低減を図れる。
尚、この様にワッシャ13a、13bを1対ずつ設ける場合、これら各ワッシャ13a、13bのうちの上記各遊星歯車3、3の端面と摺接する一方のワッシャ13a、13aの側面は、これら各遊星歯車3、3の端面に、径方向外半部のみが摺接する。即ち、これら各遊星歯車3、3の内側にはラジアルニードル軸受5が存在する為、上記一方のワッシャ13a、13aの側面のうちで上記各遊星歯車3、3の端面と摺接する部分は、径方向外半部のみとなる。これに対して、上記各ワッシャ13a、13bのうちの上記キャリア9を構成する各支持板10a、10bの内側面と摺接する他方のワッシャ13b、13bの側面は、この支持板10a、10b内側面に全面に亙って摺接する。
この為、上記遊星歯車3、3の端面と上記一方のワッシャ13a、13aの側面との摺接部の面圧は、上記支持板10a、10bの内側面と上記他方のワッシャ13b、13bの側面との摺接部の面圧に比べて大きくなる。この様に摺接部の面圧が大きくなる上記一方のワッシャ13a、13aに関しては、耐摩耗性を確保すべく、鉄系材料により造る事が好ましい。これに対して、摺接部の面圧が小さくなる上記他方のワッシャ13b、13bに関しては、摺動性を確保すべく銅系材料により造る事が好ましい。又、特許文献4に記載されている様に、各ワッシャの側面に径方向に亙る凹溝を設け、上述の様な摺接部に潤滑油を取り込み易くする事もできる。
ところで、上述の様な従来構造の場合、上記各ワッシャ13a、13bの径方向に関する位置決めを、これら各ワッシャ13a、13bの内周面と各遊星支持軸4、4の外周面とを近接対向させる事により行なっている。即ち、運転時にこれら各ワッシャ13a、13bは、上記遊星支持軸4、4の外周面に案内されつつ回転する。ところが、この様に各ワッシャ13a、13bの径方向に関する位置決めを各遊星支持軸4、4により行なうと、上記各遊星歯車3、3が高速で回転した場合に、これら各遊星歯車3、3及びこれら各遊星歯車3、3の端面と摺接する一方のワッシャ13a、13aに、異常摩耗や焼き付き等の損傷が生じる可能性がある。
即ち、運転時に上記各遊星歯車3、3は、高速で自転しつつ上記キャリア9の回転に基づいて公転する。この公転運動により、これら各遊星歯車3、3と共に自転しつつ公転する上記各ワッシャ13a、13bに、自重に基づく大きな遠心力が加わる。特にこれら各ワッシャ13a、13bのうちの上記各遊星歯車3、3の端面と摺接する一方のワッシャ13a、13aは、上記支持板10a、10bの内側面と摺接する他方のワッシャ13b、13bに比べ、比重の大きな鉄系材料で造る為、上記遠心力が大きくなり易い。そして、この様に一方のワッシャ13a、13aに大きな遠心力が加わった状態で、この一方のワッシャ13a、13aが、上記各遊星歯車3、3につられて高速で自転すると、上記一方のワッシャ13a、13aの内周面のうちで前記各支持板10a、10bの径方向内側部分と上記各遊星支持軸4、4の外周面との摺接部に、大きな摩擦力が加わる。この様な摩擦力は、上記一方のワッシャ13a、13aの回転(自転)の妨げ(回転抵抗)となり、この一方のワッシャ13a、13aが円滑に回転しにくくなる。
そして、この様に一方のワッシャ13a、13aが円滑に回転しにくくなると、この一方のワッシャ13a、13aの内周面及び側面と上記各遊星支持軸4、4の外周面及び上記各遊星歯車3、3の端面との摺接部で摩耗や温度上昇が著しくなる他、極端な場合には上記一方のワッシャ13a、13aの内周面が上記遊星支持軸4、4にかじり付き、この遊星支持軸4、4に対し回転不能になる可能性がある。そして、この様に一方のワッシャ13a、13aが遊星支持軸4、4に対し回転不能になった場合には、この一方のワッシャ13aの側面が上記遊星歯車3、3の端面に、この遊星歯車3、3の自転速度で摺接し、この一方のワッシャ13a及び上記各遊星歯車3、3に異常摩耗や焼き付き等の損傷が生じる可能性がある。
特開2002−235841号公報 特開2000−220719号公報 特開2002−310252号公報 特開平7−317885号公報 黒田光彦著、「自動車工学入門」、株式会社グランプリ出版、1990年4月25日、p.122〜123
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、遊星歯車及びこの遊星歯車の端面に摺接するワッシャに異常摩耗やかじり付き、焼き付き等の損傷が生じるのを防止する事により、優れた耐久性を有する遊星歯車装置を実現すべく発明したものである。
本発明の遊星歯車装置は、遊星歯車と遊星支持軸とを備える。
このうちの遊星支持軸は、軸方向中間部周囲にこの遊星歯車を回転自在に支持すると共に、軸方向両端部をこの遊星歯車の軸方向両側に配置したキャリアを構成する1対の支持板に支持したものである。
そして、これら各支持板の互いに対向する内側面とこれら各内側面と対向する上記遊星歯車の軸方向両端面との間に、それぞれ円輪状のワッシャを1対ずつ設けている。
特に、本発明の遊星歯車装置に於いては、上記遊星歯車を、運転時に自転しつつ上記キャリアの回転に基づいて公転するものとしている。又、上記遊星歯車の軸方向端面にこの端面から軸方向に凹入する状態で円筒状の凹部を設けている。そして、上記1対のワッシャのうちの上記遊星歯車の端面と摺接する一方のワッシャの少なくとも軸方向一部を、上記凹部内に進入させる事により、この一方のワッシャの一部と上記遊星歯車とを径方向に重畳させている。
又、これと共に、この一方のワッシャの外周面で上記凹部に進入した部分を、この凹部の内周面に近接対向させて、この一方のワッシャの外周面とこの凹部の内周面との間の径方向隙間の幅を、この一方のワッシャの内周面と上記遊星支持軸の外周面との間の径方向隙間の幅よりも小さくする事により、上記凹部の内周面により上記一方のワッシャの径方向に関する位置決めを行なっている。
上述の様に構成する本発明の遊星歯車装置によれば、運転時に自転しつつ公転する遊星歯車と摺接する一方のワッシャの径方向に関する位置決めを、この一方のワッシャの外周面とこの遊星歯車の端面に設けた凹部の内周面とにより行なう為、この一方のワッシャを円滑に回転し易くできると共に、この一方のワッシャが遊星支持軸にかじり付く事を防止できる。この為、この一方のワッシャの内周面及び側面と上記遊星支持軸及び遊星歯車との摺接部で摩耗や温度上昇が増大するのを防止でき、これら一方のワッシャ及び遊星歯車に異常摩耗、焼き付き等の損傷を生じにくくできる。しかも、上記一方のワッシャの内周面と上記遊星支持軸の外周面との径方向の隙間を大きくする事もできる為、この隙間を通じて潤滑油を流通し易くできる。この為、例えば上記一方のワッシャの軸方向に貫通する給油孔を設ける等の、潤滑油を流通し易くする為の加工を別途施す必要もなくなり、この一方のワッシャの加工コストが嵩む事を防止できる。更には、上記一方のワッシャの軸方向一部と上記遊星歯車とを径方向に重畳させる事で、キャリアを構成する1対の支持板同士の軸方向間隔を小さくでき、遊星歯車装置の軸方向寸法の低減を図れる。
本発明を実施する場合に好ましくは、遊星歯車の端面と摺接する一方のワッシャの側面に、この側面から凹入する状態で凹溝を、この一方のワッシャの内外両周面を連通する状態で設ける。この様な凹溝を設ければ、この一方のワッシャの側面とこの側面と摺接する部材(遊星歯車、他方のワッシャ)の端面(側面)との間に潤滑油を取り込み易くでき、これら各面が大きく摩耗したり、温度上昇が著しくなる事をより確実に防止できる。
更に好ましくは、上記1対のワッシャのうちの少なくとも何れかのワッシャの表面に、耐摩性の確保や摩擦係数の低減の為の皮膜処理を施す。この様な皮膜処理により形成する皮膜としては、化成処理膜(燐酸マンガン、燐酸亜鉛等)、硬質皮膜{硬質クロムメッキ、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、ニッケルメッキ等}、PTFE(ポリ四フッ化エチレン樹脂)皮膜やPTFE複合皮膜等が適用できる。この様にワッシャに皮膜処理を施せば、厳しい使用条件の下でも十分な耐久性を確保できる。
図1〜3は、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、遊星歯車32とこの遊星歯車32の端面と摺接する一方のワッシャ34a、34aとの摺接部分の構造を工夫する事により、この一方のワッシャ34a、34aに異常摩耗やかじり付き、焼き付き等の損傷が生じるのを防止する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜6に示した従来から知られている遊星歯車装置や、前述の図7に示した無段変速装置を含む、従来から知られている自動変速装置を構成する遊星歯車装置と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
キャリア9を構成する互いに平行な1対の支持板10a、10bの円周方向複数個所に、遊星支持軸4の軸方向両端部を支持固定している。そして、この遊星支持軸4の軸方向中間部周囲に遊星歯車32を、ラジアルニードル軸受5aを介して、回転自在に支持している。このラジアルニードル軸受5aは、複数本のニードル8、8を保持器33により転動自在に保持すると共に、上記遊星支持軸4の中間部外周面を円筒状の内輪軌道6とし、上記遊星歯車32の内周面を円筒状の外輪軌道7として、上記各ニードル8、8の転動面を、これら内輪軌道6及び外輪軌道7に転がり接触させている。又、上記遊星歯車32の軸方向両端面と上記両支持板10a、10bの互いに対向する内側面との間には、それぞれ円輪状のワッシャ34a、34bを1対ずつ設け、上記遊星歯車32に加わるスラスト荷重を支承しつつ、この遊星歯車32の軸方向変位を規制している。
又、本実施例の場合、上記遊星歯車32の軸方向両端面にこれら各端面から軸方向に凹入する状態で、それぞれ円筒状の凹部35、35を設けている。そして、上記1対のワッシャ34a、34bのうちの上記遊星歯車32の端面と摺接する一方のワッシャ34a、34aの軸方向一部を、上記各凹部35、35内に緩く進入させる事により、上記各一方のワッシャ34a、34aの一部と上記遊星歯車32とを径方向に重畳させている。又、これと共に、上記各一方のワッシャ34a、34aの外周面で上記各凹部35、35に進入した部分を、これら各凹部35、35の内周面に近接対向させる事により、これら各凹部35、35の内周面により上記各一方のワッシャ34a、34aの径方向に関する位置決めを行なっている。この為に、上記各凹部35、35の内径R35と上記各ワッシャ34a、34aの外径D34との差を、これら各ワッシャ34a、34aの内径R34と上記遊星支持軸4の外径D4 との差よりも小さく{(R35−D34)<(R34−D4 )}している。要するに、上記各一方のワッシャ34a、34aの外周面と上記凹部35、35の内周面との間の径方向隙間の幅sを、これら各一方のワッシャ34a、34aの内周面と上記遊星支持軸4の外周面との間の径方向隙間の幅Sよりも小さくしている。
一方、上記各ワッシャ34a、34bのうちの上記各支持板10a、10bの内側面と摺接する上記他方のワッシャ34b、34bは、上記一方のワッシャ34a、34aに比べ低速で回転(自転)する。又、これら各ワッシャ34b、34bは、銅系合金製である為、それぞれが鋼製である相手面との潤滑性を良好にできる。この為、上記他方のワッシャ34b、34bの径方向に関する位置決めは、前述の図5〜6に示す従来構造と同様に、これら各ワッシャ34b、34bの内周面と上記遊星支持軸4の外周面とを近接対向させる事により行なっている。但し、必要に応じて、上記各支持板10a、10bの内側面に軸方向に凹入する状態で円筒状の凹部を設け、この凹部の内周面により上記他方のワッシャ34b、34bの径方向に関する位置決めを図っても良い。
又、上述の様に各一方のワッシャ34a、34aの外周面を上記各凹部35、35の内周面により案内しているので、これら各一方のワッシャ34a、34aの内周面と上記遊星支持軸4の外周面とを近接対向させる必要がなくなる。この為、本実施例の場合には、これら各一方のワッシャ34a、34aの内径を大きくし、これら各一方のワッシャ34a、34aの内周面と上記遊星支持軸4の外周面との間部分(隙間)を通じて、潤滑油を流通自在としている。即ち、上記遊星支持軸4の中心部に設けられた給油通路36を通じて上記ラジアルニードル軸受5a内に送り込まれた潤滑油を、上記間部分を通じて上記一方のワッシャ34a、34aの側面と他方のワッシャ34b、34bの側面との摺接部に送り込み自在としている。尚、上記一方のワッシャ34a、34aの内径R34は、上記ラジアルニードル軸受5aを構成する各ニードル8、8及び保持器33が上記遊星歯車32の端面から軸方向に大きく突出しない様にできる範囲で、大きくする事ができる。
又、本実施例の場合、上記各ワッシャ34a、34bのうちの一方のワッシャ34a、34aを、鉄系材料により造ると共に、窒化処理等の熱処理を施す事で十分な硬度を有するものとしている。又、図3に示す様に、上記一方のワッシャ34a、34aの軸方向両側面に、これら各側面から凹入する状態で複数本(図示の例はそれぞれの側面に2本ずつ合計4本)の凹溝37、37を、この一方のワッシャ34a、34aの内外両周面を連通する状態で設けている。これら各凹溝37、37は、上記一方のワッシャ34a、34aの各側面に、円周方向等間隔(図示の例は180度)、且つ、軸方向に関して重ならない様に、それぞれ設けている。この様な凹溝37、37を設ければ、上記一方のワッシャ34a、34aの両側面と上記遊星歯車32の端面及び他方のワッシャ34bの側面との間に潤滑油を取り込み易くでき、これら各面が大きく摩耗したり、温度上昇が著しくなる事をより確実に防止できる。
尚、より好ましくは、上記各ワッシャ34a、34bのうちの少なくとも何れかのワッシャ34a、34bの表面に、耐摩性の確保や摩擦係数の低減の為の皮膜処理を施す。この様な皮膜処理により形成する皮膜としては、化成処理膜(燐酸マンガン、燐酸亜鉛等)、硬質皮膜{硬質クロム、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、ニッケルメッキ等}、PTFE(ポリ四フッ化エチレン樹脂)皮膜やPTFE複合皮膜等が適用できる。この様に各ワッシャ34a、34bに皮膜処理を施せば、厳しい使用条件の下でも十分な耐久性を確保できる。
上述の様に本実施例によれば、運転時に自転しつつ公転する遊星歯車32と摺接する各一方のワッシャ34a、34aの径方向に関する位置決めを、これら各一方のワッシャ34a、34aの外周面とこの遊星歯車32の端面に設けた各凹部35、35の内周面との係合により行なう。この為、上記一方のワッシャ34a、34aの径方向の位置決めを効果的に行なって、これら各一方のワッシャ34a、34aを円滑に回転し易くできる。又、これと共に、これら各一方のワッシャ34a、34aの内周側部分が遊星支持軸4の外周面にかじり付く事を防止できる。この為、これら一方のワッシャ34a、34aの内周面及び側面と上記遊星支持軸4及び遊星歯車32との摺接部で、摩耗や温度上昇が増大するのを防止でき、これら各一方のワッシャ34a、34b及び遊星歯車32に異常摩耗、焼き付き等の損傷を生じにくくできる。
しかも、前述した様に、上記各一方のワッシャ34a、34aの内周面と上記遊星支持軸4の外周面との径方向の隙間を大きくする事もできる為、この隙間を通じて潤滑油を流通し易くできる。この為、例えば一方のワッシャ34a、34aの軸方向に貫通する給油孔を設ける等の、潤滑油を流通し易くする為の加工を別途する必要もなく、この一方のワッシャ34a、34aの加工コストが嵩む事を防止できる。更には、上記一方のワッシャ34a、34aの軸方向一部と上記遊星歯車32とを径方向に重畳させる事で、キャリア9を構成する1対の支持板10a、10b同士の軸方向間隔を小さくでき、遊星歯車装置の軸方向寸法の低減を図れる。
次に、図4は、本発明の実施例2を示している。本例の場合は、遊星歯車32(図1〜2参照)と摺接する一方のワッシャ34aの軸方向両側面に凹溝37a、37aを、この一方のワッシャ34aの内周面の接線方向に設けている。即ち、これら各凹溝37a、37aを、この一方のワッシャ34aの内周面に関する接線と平行に設けている。この様な本実施例の場合にも、上述した実施例1と同様に、上記一方のワッシャ34aの両側面と上記遊星歯車32の端面及び他方のワッシャ34b(図1〜2参照)の側面との間に潤滑油を取り込み易くでき、これら各面が大きく摩耗したり、温度上昇が著しくなる事を確実に防止できる。その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明の実施例1を示す、要部断面図。 図1のA部拡大図。 ワッシャを取り出して図1の側方から見た図。 本発明の実施例2を示す、図3と同様の図。 遊星歯車装置の1例を示す略側面図。 図5のB−B断面図。 無段変速装置の1例を示す略断面図。
符号の説明
1 太陽歯車
1a 歯
2 リング歯車
2a 歯
3 遊星歯車
3a 歯
4 遊星支持軸
5、5a ラジアルニードル軸受
6 内輪軌道
7 外輪軌道
8 ニードル
9 キャリア
10a、10b 支持板
11 円筒部
12 回転軸
13a、13b ワッシャ
14 トロイダル型無段変速機
15 遊星歯車式変速機
16 入力軸
17 入力側ディスク
18 出力側ディスク
19 パワーローラ
20 キャリア
21a、21b、21c 遊星歯車
22 出力軸
23 第二のキャリア
24a、24b 遊星歯車
25 中空回転軸
26 伝達軸
27a、27b、27c 太陽歯車
28 リング歯車
29 第二のリング歯車
30 低速用クラッチ
31 高速用クラッチ
32 遊星歯車
33 保持器
34a、34b ワッシャ
35 凹部
36 給油通路
37、37a 凹溝

Claims (4)

  1. 遊星歯車と遊星支持軸とを備え、この遊星支持軸は、軸方向中間部周囲にこの遊星歯車を回転自在に支持すると共に、軸方向両端部をこの遊星歯車の軸方向両側に配置したキャリアを構成する1対の支持板に支持したものであり、これら各支持板の互いに対向する内側面とこれら各内側面と対向する上記遊星歯車の軸方向両端面との間に、それぞれ円輪状のワッシャを1対ずつ設けた遊星歯車装置に於いて、上記遊星歯車は、運転時に自転しつつ上記キャリアの回転に基づいて公転するものであり、この遊星歯車の軸方向端面にこの端面から軸方向に凹入する状態で円筒状の凹部を設け、上記1対のワッシャのうちの上記遊星歯車の端面と摺接する一方のワッシャの少なくとも軸方向一部を上記凹部内に進入させる事により、この一方のワッシャの一部と上記遊星歯車とを径方向に重畳させると共に、この一方のワッシャの外周面で上記凹部に進入した部分をこの凹部の内周面に近接対向させて、この一方のワッシャの外周面とこの凹部の内周面との間の径方向隙間の幅を、この一方のワッシャの内周面と上記遊星支持軸の外周面との間の径方向隙間の幅よりも小さくする事により、上記凹部の内周面により上記一方のワッシャの径方向に関する位置決めを行なう事を特徴とする遊星歯車装置。
  2. 遊星歯車の端面と摺接する一方のワッシャの側面に、この側面から凹入する状態で凹溝を、この一方のワッシャの内外両周面を連通する状態で設けた、請求項1に記載した遊星歯車装置。
  3. 1対のワッシャのうちの少なくとも何れかのワッシャの表面に皮膜処理を施した、請求項1〜2の何れかに記載した遊星歯車装置。
  4. 一方のワッシャが鉄系材料により造られたものであり、他方のワッシャが銅系材料により造られたものである、請求項1〜3の何れかに記載した遊星歯車装置。
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