JP4715116B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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    • F16H37/086CVT using two coaxial friction members cooperating with at least one intermediate friction member

Description

この発明は、車両(自動車)用自動変速装置として、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせた無段変速装置の改良に関する。
自動車用自動変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。又、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせて無段変速装置を構成する事が、特許文献1〜7に記載されている様に、従来から提案されている。図9は、このうちの特許文献2に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機1と遊星歯車式変速機2とを組み合わせて成る。このうちのトロイダル型無段変速機1は、入力軸3と、1対の入力側ディスク4、4と、出力側ディスク5と、複数のパワーローラ6、6とを備える。
又、上記遊星歯車式変速機2は、上記入力軸3及び一方(図9の右方)の入力側ディスク4に結合固定されたキャリア7を備える。このキャリア7の径方向中間部に、その両端部にそれぞれ遊星歯車8、9を固設した第一伝達軸10を、回転自在に支持している。又、上記キャリア7を挟んで上記入力軸3と反対側に、その両端部に太陽歯車11、12を固設した第二伝達軸13を、上記入力軸3と同心に、回転自在に支持している。そして、上記各遊星歯車8、9と、上記出力側ディスク5にその基端部(図9の左端部)を結合した中空回転軸14の先端部(図9の右端部)に固設した太陽歯車15又は上記第二伝達軸13の一端部(図9の左端部)に固設した太陽歯車11とを、それぞれ噛合させている。又、一方(図9の左方)の遊星歯車8を、別の遊星歯車16を介して、上記キャリア7の周囲に回転自在に設けたリング歯車17に噛合させている。
一方、上記第二伝達軸13の他端部(図9の右端部)に固設した太陽歯車12の周囲に設けた第二キャリア18に遊星歯車19、20を、回転自在に支持している。尚、この第二キャリア18は、上記入力軸3及び第二伝達軸13と同心に配置された、出力軸21の基端部(図9の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車19、20は、互いに噛合すると共に、一方の遊星歯車19が上記太陽歯車12に、他方の遊星歯車20が、上記第二キャリア18の周囲に回転自在に設けた第二リング歯車22に、それぞれ噛合している。又、上記リング歯車17と上記第二キャリア18とを低速用クラッチ23により係脱自在とすると共に、上記第二リング歯車22とハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ24により係脱自在としている。
上述の様な、図9に示した無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ23を接続すると共に上記高速用クラッチ24の接続を断った、所謂低速モード状態では、上記入力軸3の動力が上記リング歯車17を介して上記出力軸21に伝えられる。そして、前記トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力軸3と上記出力軸21との間の変速比が変化する。この様な低速モード状態では、無段変速装置全体としての変速比は、無限大に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を調節する事により、上記入力軸3を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸21の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。
これに対して、上記低速用クラッチ23の接続を断ち、上記高速用クラッチ24を接続した、所謂高速モード状態では、上記入力軸3の動力が上記第一、第二伝達軸10、13を介して上記出力軸21に伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。この場合には、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を大きくする程、無段変速装置全体としての変速比が大きくなる。
又、特願2003−56681号には、図10に示す様な無段変速装置が開示されている。この図10に示した無段変速装置は、前述の図9に示した従来から知られている無段変速装置と同様の機能を有するものであるが、遊星歯車式変速機2a部分の構造を工夫する事により、この遊星歯車式変速機2a部分の組立性を向上させている。入力軸3及び1対の入力側ディスク4a、4bと共に回転するキャリア7aの両側面に、それぞれ1対ずつの遊星歯車25a、25b、26a、26bを、回転自在に支持している。そして、上記キャリア7aの各側面に支持した各遊星歯車25a、25b同士、各遊星歯車26a、26b同士を、互いに噛合させると共に、内径側の遊星歯車25a、26aを、出力側ディスク5にその基端部(図10の左端部)を結合した中空回転軸14aの先端部(図10の右端部)及び伝達軸27の一端部(図10の左端部)にそれぞれ固設した第一、第二太陽歯車28、29に、外径側の遊星歯車25b、26bをリング歯車30に、それぞれ噛合させている。
一方、上記伝達軸27の他端部(図10の右端部)に固設した第三太陽歯車31の周囲に設けた第二キャリア18aに遊星歯車32a、32bを、回転自在に支持している。尚、この第二キャリア18aは、上記入力軸3と同心に配置された出力軸21aの基端部(図10の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車32a、32bは、互いに噛合すると共に、内径側の遊星歯車32aを上記第三太陽歯車31に、外径側の遊星歯車32bを、上記第二キャリア18aの周囲に回転自在に設けた第二リング歯車22aに、それぞれ噛合させている。又、上記リング歯車30と上記第二キャリア18aとを低速用クラッチ23aにより係脱自在とすると共に、上記第二リング歯車22aとハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ24aにより係脱自在としている。
この様に構成する改良された無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ23aを接続し、上記高速用クラッチ24aの接続を断った状態では、上記入力軸3の動力が、上記リング歯車30を介して上記出力軸21aに伝えられる。そして、トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力軸3と上記出力軸21aとの間の変速比が変化する。これに対して、上記低速用クラッチ23aの接続を断ち、上記高速用クラッチ24aを接続した状態では、上記入力軸3の動力が、前記各遊星歯車25a、25b、上記リング歯車30、前記各遊星歯車26a、26b、前記伝達軸27、前記各遊星歯車32a、32b、上記第二キャリア18aを介して、上記出力軸21aに伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。
尚、次述する図11〜12に示す様に、外径側の遊星歯車25として、軸方向寸法が長いものを使用すると共に、この長い遊星歯車25を内径側の遊星歯車25a、26a及びリング歯車30aに噛合させる構造を採用しても、同様の機能を発揮できる。この場合には、直径の大きなリング歯車30aの軸方向寸法を短縮して、遊星歯車式変速機2bの軽量化を図れる。
前述した図9及び上述した図10の構造は、原理的なもので、具体的な構造を示したものではない。これに対して図11〜13は、先に考えた無段変速装置の具体的構造の1例を示している。尚、この構造では、上述した様に、外径側の遊星歯車25として軸方向寸法が長いものを使用すると共に、この長い遊星歯車25を、内径側の遊星歯車25a、26a及びリング歯車30aに噛合させている。
ハウジング33内の所定位置に1対の支柱34、34を、連結板35とバルブボディー36とを介して支持固定している。このバルブボディー36は、トロイダル型無段変速機1の変速比を制御する為の制御弁装置を内蔵している。又、上記各支柱34、34の両端部には、パワーローラ6、6(図9参照)を支持するトラニオンの両端部を揺動及び軸方向の変位自在に支持する為の支持板37、37を支持している。又、環状に形成した上記各支柱34、34の中間部同士の間に出力側ディスク5を、1対の転がり軸受38、38により、回転自在に支持している。そして、上記出力側ディスク5の内径側に中空回転軸14aの基半部(図11の左半部)を、スプライン係合に基づき、回転伝達自在に結合している。
そして上記中空回転軸14aの内側に、入力軸3aを挿通している。この入力軸3aの中間部基端寄り部分に一方(図11の左方)の入力側ディスク4aを、ボールスプライン39を介して支持すると共に、油圧式の押圧装置40により上記入力側ディスク4aを、上記出力側ディスク5に向け、押圧自在としている。これに対して他方(図11の右方)の入力側ディスク4bは上記中空回転軸14aの中間部先端寄り(図11の右寄り)部分の周囲に、ラジアルニードル軸受41により、回転及び軸方向の変位自在に支持している。そして、上記他方の入力側ディスク4bと上記入力軸3aとを、キャリア7aを介して結合している。従って、上記出力側ディスク5を軸方向両側から挟む位置に設けた1対の入力側ディスク4a、4bは、上記入力軸3aと上記キャリア7aとを介して、同期して回転する。
上記キャリア7aは、図12〜13に詳示する様に、断面L字形で全体を円環状とした中間支持板42と、それぞれが円輪状に形成された第一、第二両連結板43、44との間に、それぞれ複数本ずつ(例えば3本ずつ)の第一、第二各遊星軸45、46を、上記第一、第二両連結板43、44同士の間に複数本(例えば3本)の第三遊星軸47を、それぞれ掛け渡して成る。又、これら各遊星軸45〜47の周囲に前記各遊星歯車25a、26a、25を、それぞれラジアルニードル軸受48a、48b、48cを介して、回転自在に支持している。そして、外径側の遊星歯車25と内径側の各遊星歯車25a、26aとを互いに噛合させると共に、内径側の遊星歯車25a、26aを、上記中空回転軸14aの先端部(図11〜12の右端部)に固設した第一太陽歯車28又は伝達軸27の基端部に固設した第二太陽歯車29に、外径側の遊星歯車25を前記リング歯車30aに、それぞれ噛合させている。
又、上記中間支持板42の中心に設けた円筒部49は、上記入力軸3aの中間部先端寄り部分にスプライン係合させ、ローディングナット50により抑え付けている。尚、図13に示す様に、上記中間支持板42の円輪部51と上記第一、第二各連結板43、44とは、前記各遊星歯車25a、26a、25から円周方向に外れた位置に設けた連結部57、57により、互いに連結している。図示の例の場合、上記キャリア7aを構成する上記中間支持板42と第一、第二各連結板43、44とを、一体に形成している。そしてこの構成により、上記キャリア7aの、回転伝達方向の力に対する強度及び剛性を確保している。又、前記他方の入力側ディスク4bと上記キャリア7aとの間での回転伝達を行なわせるべく、この他方の入力側ディスク4bの外側面複数個所に形成した凸部52と、上記第一連結板43の外周縁部に形成した切り欠き53とを係合させている。又、運転時には、駆動軸54により上記入力軸3aを回転駆動する。同時に、前記押圧装置40に油圧を導入して、各入力側ディスク4a、4b及び出力側ディスク5の側面と各パワーローラ6、6の周面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を確保する。
上述の様な図11〜13に示す無段変速装置の場合、他方の入力側ディスク4bとキャリア7aとの間の回転伝達を、凸部52と切り欠き53との凹凸係合により行なっている。又、トラクション部の面圧を確保する為に押圧装置40の発生する推力は、入力軸3a及びこの入力軸3aに固定したキャリア7aを構成する中間支持板42、第一連結板43を介して、上記他方の入力側ディスク4bに加わる。言い換えれば、この他方の入力側ディスク4bの外側面(図11〜12の右側面)と第一連結板43の片側面(図11〜13の左側面)との当接部である、これら入力側ディスク4b及び第一連結板43の径方向中間部(図12にwで表わす部分を入力側ディスク4b及び第一連結板43の中心軸αを中心に回転させてできる円輪状部分)に、上記押圧装置40の発生する推力に基づく力が加わる。
一方、上記他方の入力側ディスク4bは、上記押圧装置40の発生する推力に基づく上記パワーローラ6、6から受ける力に基づいて、図14に誇張して示す様に、この入力側ディスク4bの外径寄り部分が上記第一連結板43の片側面に近付く方向(軸方向)に弾性変形する。即ち、運転時に上記推力に基づき上記他方の入力側ディスク4bに加わる力は、トロイダル型無段変速機の運転時に最大で5t(トン)程度となり、この様な力に基づく入力側ディスク4bの軸方向に関する弾性変形量は、コンマ数mm(10分の数mm)程度と無視できない量となる。そして、この様に他方の入力側ディスク4bが軸方向に弾性変形すると、この他方の入力側ディスク4bの外側面外径寄り部分と上記第一連結板43の片側面とが断続的に繰り返し当接する事で互いに擦れ合い、当該部分でフレッチング摩耗が生じる可能性がある。特に、上記入力ディスク4bが弾性変形する円周方向位置は、上記各パワーローラ6、6により押し付けられる部分が変化するのに伴って常に変化する。この為、上記擦れ合いの周波数は相当に高く(例えば百数十Hzに)なり、フレッチング摩耗発生の面からはかなり厳しい条件となる。
この様なフレッチング摩耗は、上記キャリア7aを所定位置から軸方向にずらせたり、剥離等の損傷の起点となる可能性がある。又、上記キャリア7aを構成する上記第一連結板43は、上記入力側ディスク4bに比べて比較的軟らかい金属で造られている。この為、上記入力側ディスク4bの弾性変形に伴って、この第一連結板43も同様に弾性変形する可能性がある。この様な第一連結板43の弾性変形は、この第一連結板43に支持した各遊星軸45〜47を傾かせ、これら各遊星軸45〜47に回転自在に支持した遊星歯車25a、26a、25とリング歯車30a及び太陽歯車28、29との噛合状態を悪化させる原因となる。そして、この様に噛合状態が悪化すると、これら各歯車25a、26a、25、30a、28、29の耐久性が低下すると共に、遊星歯車式変速機2bの伝達効率が低下する可能性がある。特に、本発明の対象となる無段変速装置の場合、上記遊星歯車式変速機2bの伝達効率がこの無段変速装置全体の伝達効率に大きな影響を及ぼす為、この遊星歯車式変速機2bの伝達効率が低下する事は好ましくない。又、生じた摩耗粉により、潤滑油(トラクションオイル)が汚染され、各部の潤滑状態を不良にする可能性も生じる。
特開平6−174033号公報 特開2000−220719号公報 特開2002−139124号公報 米国特許第5607372号明細書 米国特許第6059685号明細書 米国特許第6099431号明細書 米国特許第6358178号明細書
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、入力側ディスクの軸方向の弾性変形に基づくフレッチング摩耗を防止すると共に、遊星歯車式変速機の伝達効率の低下を防止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は、互いに同心に配置された、入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車式変速機とを備える。
そして、これらトロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とは、トロイダル型無段変速機を構成する入力側ディスクと遊星歯車式変速機を構成するキャリアとを隣接させると共に、これら入力側ディスクとキャリアとが同期して回転する状態に組み合わされている。
又、上記キャリアは、上記入力軸に支持固定された支持板と、この支持板と同心に且つ軸方向に間隔をあけた状態で配置され、その側面を上記入力側ディスクの外側面に対向させた、円輪状である連結板と、この連結板と上記支持板とにそれぞれの両端部を支持された複数の遊星軸とを備えたものである。
そして、上記遊星歯車式変速機を構成する遊星歯車を、上記各遊星軸の周囲に回転自在に支持している。
特に、本発明の無段変速装置に於いては、互いに対向する上記連結板の片側面と上記入力側ディスクの外側面とを、上記キャリアのうちで軸方向に関する剛性が低い部分と軸方向に整合する部分同士を当接させると共に、同じく剛性が高い部分と軸方向に整合する部分同士は軸方向に隙間を介して対向させている。
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、入力側ディスクの軸方向の弾性変形に基づくフレッチング摩耗を防止できる。更に、遊星歯車式変速機の伝達効率の低下を防止できる。
即ち、本発明の無段変速装置の場合には、互いに対向する上記連結板の片側面と上記入力側ディスクの外側面とを、上記キャリアのうちで軸方向に関する剛性が高い部分と軸方向に整合する部分同士は、軸方向に隙間を介して対向させている。仮に、上記両側面同士を全周に亙って接触させた場合、上記剛性が高い部分に整合する部分では入力側ディスクの弾性変形に伴って接触面圧が高くなり、同じく剛性が低い部分に整合する部分では接触面圧が低くなる。そして、上記フレッチング摩耗にしても、上記伝達効率の低下に基づく上記キャリアの変形にしても、上記接触面圧が高くなる程著しくなる。本発明の無段変速装置の場合、この接触面圧が高くなる部分では、上記両側面同士の間に存在するので、上記キャリアに著しいフレッチング摩耗や、伝達効率の低下に結び付く程の変形を生じる事はない。
本発明の無段変速装置を実施する場合の態様としては、請求項2に記載した様に、キャリアのうちで軸方向に関する剛性が低い部分が、各遊星軸に対し軸方向に整合する部分であり、同じく剛性が高い部分が、円周方向に関して隣り合う遊星軸同士の間に存在し、連結板と支持板とを連結する連結部に対し軸方向に整合する部分である。
そして、この場合に好ましくは、上記キャリアの連結板の側面と入力側ディスクの外側面とのうちの一方又は双方の側面のうちの円周方向の一部で上記連結部に対し軸方向に整合する部分を、座ぐり加工、或は鍛造加工等により凹ませる。この様にして凹ませた部分の円周方向に関する位相は上記剛性が高い部分と一致させ、円周方向に関する幅は、この剛性が高い部分の円周方向に関する幅よりも少し大きくする。この構成により、上記連結板の側面と上記入力側ディスクの外側面とが、上記剛性が高い部分で当接し合う事を確実に防止する。又、上記凹ませた部分と他の凹ませていない部分との境界には、請求項3に記載した様に、クラウニング等の、曲率半径の大きな凸曲面を形成し、破損に結び付く様なエッジロードが、相手面である入力側ディスクの外側面に生じる事を防止する事が好ましい。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、支持板と連結板とを一体に形成する。この様に構成すれば、キャリアの強度及び剛性を確保しつつ、部品点数の低減による製造コストの低減を図れる。
図1は、本発明に関する参考例の第1例を示している。尚、本参考例の特徴は、他方の入力側ディスク4bの外側面(図1の右側面)とキャリア7aを構成する第一連結板43aの片側面(図1の左側面)との係合部分の構造を工夫する事により、これら入力側ディスク4bの外側面と第一連結板43aの片側面とのフレッチング摩耗を防止しつつ、遊星歯車式変速機2bの伝達効率が低下する事を防止する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図11〜13に示した先発明に係る構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分を中心に説明する。
上記キャリア7aは、断面L字形で全体を円環状とした中間支持板42と、それぞれが円輪状に形成された第一、第二両連結板43a、44との間に、それぞれ複数本ずつ(例えば3本ずつ合計6本)の第一、第二各遊星軸45、46を、上記第一、第二両連結板43a、44同士の間に複数本(例えば3本)の第三遊星軸47(図11〜12参照)を、それぞれ掛け渡して成る。そして、これら各遊星軸45〜47の周囲に各遊星歯車25a、26a、25(図11〜12参照)を、それぞれラジアルニードル軸受48a、48b、48c(図11〜12参照)を介して、回転自在に支持している。そして、外径側の遊星歯車25と内径側の各遊星歯車25a、26aとを互いに噛合させると共に、内径側の遊星歯車25a、26aを、中空回転軸14aの先端部(図1の右端部)に固設した第一太陽歯車28又は伝達軸27の基端部に固設した第二太陽歯車29に、外径側の遊星歯車25をリング歯車30aに、それぞれ噛合させている。尚、上記キャリア7aを構成する上記中間支持板42の円輪部51と上記第一、第二両連結板43a、44とは、前述の図13に示した先発明に係る構造と同様に、連結部57、57(図13参照)により互いに連結すると共に、上記中間支持板42と第一、第二両連結板43a、44とを一体に形成している。
又、本参考例の場合には、特許請求の範囲に記載した連結板に相当する上記第一連結板43aの片側面と、上記他方の入力側ディスク4bの外側面とを、これら第一連結板43a及び入力側ディスク4bの径方向に関して内径側で当接させると共に、同じく外径側では隙間を介して対向させている。即ち、上記入力側ディスク4bの内側面で運転時にパワーローラ6、6(図9参照)の周面が当接するトラクション面Tの径方向に関する中心X(トラクション面の中心角の二等分線とこのトラクション面との交点X)よりも径方向に関して内径側で、上記第一連結板43aの片側面と上記他方の入力側ディスク4bの外側面とを軸方向に当接させている。又、これと共に、同じく外径側では、これら第一連結板43aの片側面と他方の入力側ディスク4bの外側面とを軸方向に隙間を介して対向させている。
更に本参考例の場合、互いに対向する上記第一連結板43aの片側面と上記他方の入力側ディスク4bの外側面とのうちの一方の側面である入力側ディスク4bの外側面に凹部55を設けると共に、同じく他方の側面である上記第一連結板43aの片側面で上記各凹部55と整合する位置に凸部56を設けている。より具体的には、上記他方の入力側ディスク4bの外側面の内径寄り部分(トラクション面Tの径方向に関する中心Xよりも内径側部分)の円周方向等間隔複数個所(本例の場合は4個所)に、この外側面から凹入する状態で上記各凹部55を、それぞれ設けている。又、これと共に、上記第一連結板43aの片側面の内径寄り部分の円周方向等間隔複数個所(本例の場合は4個所)で上記各凹部55と整合する位置に、この片側面から突出する状態で上記凸部56を、それぞれ設けている。そして、これら各凹部55と各凸部56とを凹凸係合させた状態で、これら各凹部55の底部と各凸部56の頂部(先端面)とを、上記第一連結板43a及び入力側ディスク4bの軸方向に関して当接させている。尚、円周方向に隣り合う上記各凹部55の間部分と同じく各凸部56の間部分に関しても、上記第一連結板43a及び入力側ディスク4bの軸方向に当接させる事が好ましい。
上述の様に構成する本参考例の場合には、入力側ディスク4bの軸方向の弾性変形に基づくフレッチング摩耗を防止すると共に、遊星歯車式変速機2bの伝達効率の低下を防止できる。即ち、上記入力側ディスク4bの外側面の外径寄り部分と第一連結板43aの片側面とを軸方向に隙間を介して対向させている。この為、押圧装置40(図11参照)の発生する推力に基づいてこの入力側ディスク4bの外側面の外径寄り部分が上記第一連結板43aの片側面に向けて軸方向に弾性変形しても、これら各側面同士が当接する事がない。この為に、上記隙間の軸方向寸法を、上記入力側ディスク4bの、最大弾性変形量よりも大きくしている。しかも、運転時に殆ど弾性変形しない(したとしても無視できる程僅かな量である)上記入力側ディスク4bの外側面の内径寄り部分を、上記第一連結板43aの片側面に軸方向に当接させている。この為、上記押圧装置40が発生する押圧力を、前記キャリア7aを介して、上記入力側ディスク4bに伝達できる。そして、この様に押圧力の伝達を行ないつつ、この入力側ディスク4bの外側面と上記第一連結板43aの片側面とが互いに擦れ合う事によるフレッチング摩耗を防止すると共に、この入力側ディスク4bの弾性変形に伴って上記第一連結板43aが弾性変形する事を防止して、遊星歯車式変速機2bの伝達効率が低下する事を防止できる。
尚、本参考例の場合、上記第一連結板43aの片側面と他方の入力側ディスク4bの外側面とを、この第一連結板43aに支持した各第一遊星軸45に関する最大内接円よりも内径側で当接させると共に、同じく外径側では隙間を介して対向させている。この為、上記入力側ディスク4bの弾性変形を、上記各第一遊星軸45及びこれら各第一遊星軸45よりも少し外径側に存在する第三遊星軸47に対し、より伝わりにくくできて、上記遊星歯車式変速機2bの伝達効率が低下する事をより確実に防止できる。
又、上記第一連結板43aの片側面に設けた、それぞれの先端面(頂部)が平坦な各凸部56と、上記他方の入力側ディスク4bの外側面に設けた、それぞれの底面が平坦な凹部55とを、互いの先端面と底面とを当接させた状態で凹凸係合させている。この為、上記第一連結板43aの片側面と入力側ディスク4bの外側面との軸方向に関する当接面積を確保しつつ、これら第一連結板43aと入力側ディスク4bとの間の回転力の伝達を自在にできる。言い換えれば、これら第一連結板43aの片側面と入力側ディスク4bの外側面との当接部分での面圧の低下(当接部分での許容荷重の増大)を図りつつ、これら第一連結板43aと入力側ディスク4bとの間で回転力の伝達を行なえる。
図2は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合も、特許請求の範囲に記載した連結板に相当する第一連結板43bの片側面(図2の左側面)と、他方の入力側ディスク4bの外側面(図2の右側面)とを、これら第一連結板43b及び入力側ディスク4bの径方向に関して内径側(トラクション面の径方向に関する中心よりも径方向に関して内径側)で、軸方向に当接させている。又、これと共に、同じく外径側で、軸方向に隙間を介して対向させている。
即ち、本参考例の場合、上記第一連結板43bの片側面の径方向内端部(トラクション面の径方向に関する中心よりも径方向に関して内径側部分)に全周に亙り、この片側面から上記入力側ディスク4bの外側面に向けて軸方向に突出した状態でその先端面を平坦面とした凸部58を設け、この凸部58の先端部を上記入力側ディスク4bの外側面内端寄り部分に、全周に亙り当接させている。又、上記入力側ディスク4bの外側面の径方向外端部(トラクション面の径方向に関する中心よりも外径側部分)に、軸方向に突出する状態で複数個の凸部59を設け、円周方向に隣り合うこれら各凸部59同士の間部分を、凹部55aとしている。又、これと共に、上記第一連結板43bの片側面の径方向外端部で、上記各凹部55aと整合する位置に、軸方向に突出する状態で凸部56aを設けている。そして、これら各凸部56aと各凹部55a(を構成する各凸部59)とを、回転方向の動力を伝達可能に円周方向に係合させている。尚、本実施例の場合、これら各凹部55aの底部と各凸部56aの頂部(先端面)とを、上記第一連結板43a及び入力側ディスク4bの軸方向に隙間を介して対向させている。
この様に構成する本参考例の場合も、入力側ディスク4bの軸方向の弾性変形に基づくフレッチング摩耗を防止すると共に、遊星歯車式変速機2bの伝達効率の低下を防止できる。即ち、上述の様に、入力側ディスク4bの外側面の径方向外端部に設けた各凹部55aの底部と第一連結板43bの片側面の径方向外端部に設けた各凸部56aの先端面とを、軸方向に関し隙間を介して対向させている。この為、押圧装置40(図11参照)の発生する推力に基づいて上記入力側ディスク4bの外側面の外径寄り部分が上記第一連結板43bの片側面に向けて軸方向に弾性変形しても、これら各側面の外径寄り部分同士が当接する事を防止できる。この為、これら入力側ディスク4bの外側面と第一連結板43bの片側面とが互いに擦れ合う事によるフレッチング摩耗を防止できると共に、この入力側ディスク4bの弾性変形に伴って上記第一連結板43bが弾性変形する事もなくなり、遊星歯車式変速機2bの伝達効率が低下する事を防止できる。又、本参考例の場合、上記入力側ディスク4bとキャリア7aとの間でトルクを伝達する部分の直径が大きいので、上記各凸部56aと上記各凹部55aとの係合部に加わる面圧を低く抑えられて、耐久性確保の面から有利である。その他の構成及び作用は、前述した参考例の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
図3は、本発明の実施例を示している。本実施例の場合には、図13に示す様なキャリア7aを構成する第一連結板43cのうちで、入力側ディスク4b(例えば図1、2、11、12参照)の外側面と対向する片側面の円周方向の一部に、凹部60、60を形成している。これら各凹部60、60は、上記第一連結板43cの片側面の円周方向の一部で連結部57、57に対し軸方向に整合する部分に、座ぐり加工、或は鍛造加工等により形成している。上記各凹部60、60の円周方向に関する幅W60は、上記キャリア7aのうちで軸方向に関する剛性が高い部分である、上記各連結部57、57の円周方向に関する幅W57よりも少し大きく(W60>W57)している。
上述の様な第一連結板43cを備えたキャリア7aと上記入力側ディスク2bとを組み合わせた状態で、この第一連結板43cの片側面とこの入力側ディスク2bの外側面とは、上記各凹部60、60から円周方向に外れた部分(隣り合う凹部60、60同士の間部分61、61)で当接する。これら各凹部60、60に整合する部分では、上記両側面同士の間に隙間が存在する。この為、前述の参考例の第1〜2例の場合と同様に、フレッチング摩耗防止と遊星歯車式変速機2bの伝達効率の低下防止とを図れる。この理由は、次の通りである。
仮に、上記各凹部60、60を形成せず、上記両側面同士を全周に亙って接触させた場合には、上記各連結部57、57に整合する、軸方向に関する剛性が高い部分に整合する部分では、上記入力側ディスク4bに前述の図14に示す様な弾性変形が生じると、上記両側面同士の接触面圧が高くなる。これに対して、上記各連結部57、57同士の間に存在する、軸方向に関する剛性が低い部分に整合する部分では接触面圧が低くなる。そして、上記フレッチング摩耗にしても、上記伝達効率の低下に基づく上記キャリア7aの変形にしても、上記接触面圧が高くなる程著しくなる。本実施例の場合には、この接触面圧が高くなる部分に上記各凹部60、60を形成する事により、上記両側面同士が接触する事を防止しているので、上記キャリア7aに著しいフレッチング摩耗や、伝達効率の低下に結び付く程の変形を生じる事はない。
尚、上記各凹部60、60の円周方向両端部と、これら各凹部60、60同士の間部分61、61との境界部分には、クラウニング等の、曲率半径の大きな凸曲面を形成する。そして、上記第一連結板43cの片側面と上記入力側ディスク4bの外側面とが強く当接した場合でも、上記境界部分に当接するこの外側面に、破損に結び付く様なエッジロード(極端に高い面圧や応力)が生じる事を防止する。又、上記各凹部60、60部分に関しても、各遊星軸の端面と上記入力側ディスク4bの外側面とは、隙間を介して対向させる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した参考例の第2例と同様であるから、図示並びに説明は省略する。
図4は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、キャリア7aを構成する第一連結板43bの片側面(図4の左側面)と、入力側ディスク4bの外側面(図4の右側面)とが、組み合わせ状態で互いに当接する。そして、互いに当接するこれら両側面に、摩耗防止の為の皮膜62a、62bを形成している。
これら各皮膜62a、62bとしては、摩擦を小さくする固体潤滑皮膜、或は化成処理皮膜、又は、摩擦に拘らず摩耗を抑える硬質皮膜のうちから選択する。
このうちの固体潤滑皮膜としては、二硫化モリブデン、ポリ四弗化エチレン(PTFE)等が使用可能である。尚、PTFEには、補強材としてガラス繊維や炭素繊維(カーボンナノチューブを含む)を混入する事もできる。
又、化成処理皮膜としては、燐酸マンガン、燐酸亜鉛、燐酸亜鉛カルシウム等の燐酸塩の処理皮膜が使用可能である。
又、硬質皮膜としては、硬質クロムメッキ等の無電解ニッケルメッキにより形成されたもの、或は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等が使用可能である。
又、無電解ニッケルメッキ中にPTFEを分散させたものは、摩擦係数の低い硬質皮膜を得られる為、好ましく使用できる。
更には、前記第一連結板43bをクラッド材により造る事で、上記皮膜62bを得る事もできる。この場合にはこの第一連結板43bを、炭素鋼等の鉄系金属製の芯材の片面に、銅又は銅系合金等の非鉄系金属製の表面層を積層したクラッド材により造る。そして、この表面層を上記入力側ディスク4bの外側面に当接させる。この様なクラッド材により上記第一連結板43bを造る場合、必ずしも入力側ディスク4bの外側面に摩耗防止の為の皮膜62aを設ける必要はないが、設ける事は自由である。
上述の様な摩耗防止の為の皮膜62a、62bを形成した本参考例の場合には、上記第一連結板43bの片側面と上記入力側ディスク4bの外側面とが強く押し付けられ、これら両面同士の間で油膜切れを起こした場合でも、上記第一連結板43bを構成する鉄系金属と上記入力側ディスク4bを構成する鉄系金属とが直接接触(金属接触)する事はない。この為、この入力側ディスク4bの弾性変形に伴って上記両側面同士が擦れ合った場合でも、これら両側面に著しいフレッチング摩耗が発生する事を防止できる。尚、上記皮膜62a、62bは、上記第一連結板43bをクラッド材により造る場合を除き、上記両側面に形成する事が好ましいが、一方の側面にのみ形成しても良い。これら皮膜62a、62bを形成した点以外の構成及び作用は、前述の図11〜13に示した先発明に係る構造と同じである。
図5は、本発明に関する参考例の第4例を示している。本参考例の場合には、組み合わせ状態で互いに当接する、キャリア7aを構成する第一連結板43bの片側面(及び/又は、入力側ディスク4bの外側面)に、多数の微小凹部63、63を形成している。これら各微小凹部63、63は、それぞれ潤滑剤を供給する為の凹部として機能し、互いに当接する上記第一連結板43bの片側面と上記入力側ディスク4bの外側面との間に潤滑剤を効果的に送り込む。即ち、トロイダル型無段変速機1(図9〜11参照)を組み込んだ無段変速装置の運転時には、ハウジング33(図11参照)内には潤滑油(トラクションオイル)の飛沫が多量に浮遊した状態となり、この飛沫の一部が上記両側面同士の間にも入り込んで、上記各微小凹部63、63内に捕集される。この様にしてこれら各微小凹部63、63内に捕集された潤滑油は、上記両側面同士が微小変位するのに伴って、これら各微小凹部63、63からこれら両側面同士の間部分に染み出し、この間部分に油膜を形成する。そして、これら両側面同士の当接部で、フレッチング摩耗に結び付く油膜切れが発生する事を有効に防止する。
尚、本参考例の場合、上記第一連結板43bを炭素鋼等の鉄系金属製の芯材の片面に、銅又は銅系合金等の非鉄系金属製の表面層を積層したクラッド材により造り、この表面層を上記入力側ディスク4bの外側面に当接させれば、仮に油膜切れが発生した場合でも、フレッチング摩耗の発生を防止できる。
図6は、本発明に関する参考例の第5例を示している。本参考例の場合には、組み合わせ状態で互いに当接する、キャリア7aを構成する第一連結板43bの片側面(及び/又は、入力側ディスク4bの外側面)に、潤滑剤を供給する為の凹部である、螺旋形の凹溝64を形成している。この凹溝64の内径側端部は、第一連結板43b(又は入力側ディスク4bの内周面)に開口しているが、外径側端部は、この第一連結板43bの片側面(又は入力側ディスク4bの外側面)中間部の外径寄り部分で終わっている(外周面に開口してはいない)。
本参考例の場合、無段変速機の運転時には、上記第一連結板43b(及び/又は、入力側ディスク4b)が、上記凹溝64の内端開口部に潤滑油を取り込む方向(図6の矢印竈方向)に回転する様に、この凹溝64の方向を規制する。従って、無段変速装置の運転時には、上記第一連結板43b(及び/又は、入力側ディスク4b)の回転に伴って、ハウジング33(図11参照)内に浮遊している潤滑油(トラクションオイル)の飛沫が、上記凹溝64内に掻き込まれる。一方、この凹溝64の外径側端部は塞がれているので、この凹溝64内に掻き込まれた潤滑油は、この凹溝64の幅方向両側から、上記第一連結板43bの片側面と上記入力側ディスク4bの外側面との当接部に染み出し、これら両側面同士の当接部に油膜を形成する。この結果、これら両側面同士の当接部で、フレッチング摩耗が発生する事を有効に防止できる。
本参考例の場合も、上記第一連結板43bをクラッド材製とする事で、フレッチング摩耗の防止効果をより一層向上させられる。
図7は、本発明に関する参考例の第6例を示している。本参考例の場合には、組み合わせ状態で互いに当接する、キャリア7aを構成する第一連結板43bの片側面(及び/又は、入力側ディスク4bの外側面)に、潤滑剤を供給する為の凹部である、同心円状の複数の環状凹溝65a、65bを形成している。無段変速装置の運転時には、ハウジング33(図11参照)内に浮遊する飛沫の一部が上記両側面同士の間にも入り込んで、上記各環状凹溝65a、65b内に捕集される。この様にしてこれら各環状凹溝65a、65b内に捕集された潤滑油は、上記第一連結板43b(及び/又は、入力側ディスク4b)の回転に伴う遠心力により径方向外方に染み出して、上記両側面同士の間部分に油膜を形成し、これら両側面同士の当接部で、フレッチング摩耗に結び付く油膜切れが発生する事を有効に防止する。
本参考例の場合も、上記第一連結板43bをクラッド材製とする事で、フレッチング摩耗の防止効果をより一層向上させられる。
図8は、本発明に関する参考例の第7例を示している。本参考例の場合には、組み合わせ状態で互いに当接する、キャリア7aを構成する第一連結板43bの片側面(及び/又は、入力側ディスク4bの外側面)に、潤滑剤を供給する為の凹部である、複数の放射状凹溝66、66を形成している。無段変速装置の運転時には、ハウジング33(図11参照)内に浮遊する飛沫の一部が上記各放射状凹溝66、66内に入り込む。この様にしてこれら各放射状凹溝66、66内に入り込んだ潤滑油は、上記第一連結板43bと上記入力側ディスク4bとの微小変位に伴って上記両側面同士の間部分に入り込んで、この間部分に油膜を形成し、これら両側面同士の当接部で、フレッチング摩耗に結び付く油膜切れが発生する事を有効に防止する。尚、上記各放射状凹溝66、66の外径側端部を上記第一の連結板43b(及び/又は、入力側ディスク4b)の外周面に開口させず、行き止まりとすれば、上記各放射状凹溝66、66内に潤滑油を、効果的に溜められる。溜められた潤滑油は、前述した参考例の第5例と同様に上記両側面同士の当接部に染み出す。
本参考例の場合も、上記第一連結板43bをクラッド材製とする事で、フレッチング摩耗の防止効果をより一層向上させられる。
図示の例は、本発明を構成するトロイダル型無段変速機としてハーフトロイダル型のものを使用した場合に就いて説明したが、本発明は、ハーフトロイダル型に限らず、フルトロイダル型のトロイダル型無段変速機でも実施可能である。
本発明に関する参考例の第1例を示す、図11のA部に相当する拡大断面図。 同第2例を示す、図11のA部に相当する拡大断面図。 本発明の実施例を示す、キャリアを構成する連結板のうち、入力側ディスクの外側面と対向する連結板を図1、2の左方から見た略図。 本発明に関する参考例の第3例を示す、図1、2と同等部分を、組み付ける以前の状態で示す断面図。 同第4例を示す、キャリアを構成する連結板の片側面若しくは入力側ディスクの外側面の斜視図。 同第5例を示す、図5と同様の図。 同第6例を示す、図5と同様の図。 同第7例を示す、図5と同様の図。 従来から知られている無段変速装置の1例を示す略断面図。 先発明に係る無段変速装置の1例を示す略断面図。 先に考えた具体的構造の1例を示す断面図。 図11のB部に相当する拡大断面図。 キャリアを取り出して示す斜視図。 入力側ディスクの弾性変形を誇張して示す断面図。
1 トロイダル型無段変速機
2、2a、2b 遊星歯車式変速機
3、3a 入力軸
4、4a、4b 入力側ディスク
5 出力側ディスク
6 パワーローラ
7、7a キャリア
8 遊星歯車
9 遊星歯車
10 第一伝達軸
11 太陽歯車
12 太陽歯車
13 第二伝達軸
14、14a 中空回転軸
15 太陽歯車
16 遊星歯車
17 リング歯車
18、18a 第二キャリア
19 遊星歯車
20 遊星歯車
21、21a 出力軸
22、22a 第二リング歯車
23、23a 低速用クラッチ
24、24a 高速用クラッチ
25、25a、25b 遊星歯車
26a、26b 遊星歯車
27 伝達軸
28 第一太陽歯車
29 第二太陽歯車
30、30a リング歯車
31 第三太陽歯車
32a、32b 遊星歯車
33 ハウジング
34 支柱
35 連結板
36 バルブボディー
37 支持板
38 転がり軸受
39 ボールスプライン
40 押圧装置
41 ラジアルニードル軸受
42 中間支持板
43、43a、43b、43c 第一連結板
44 第二連結板
45 第一遊星軸
46 第二遊星軸
47 第三遊星軸
48a、48b、48c ラジアルニードル軸受
49 円筒部
50 ローディングナット
51 円輪部
52 凸部
53 切り欠き
54 駆動軸
55、55a 凹部
56、56a 凸部
57 連結部
58 凸部
59 凸部
60 凹部
61 間部分
62a、62b 皮膜
63 微小凹部
64 凹溝
65a、65b 環状凹溝
66 放射状凹溝

Claims (4)

  1. 互いに同心に配置された、入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車式変速機とを備え、これらトロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とは、トロイダル型無段変速機を構成する入力側ディスクと遊星歯車式変速機を構成するキャリアとを隣接させると共に、これら入力側ディスクとキャリアとが同期して回転する状態に組み合わされており、このキャリアは、上記入力軸に支持固定された支持板と、この支持板と同心に且つ軸方向に間隔をあけた状態で配置され、その片側面を上記入力側ディスクの外側面に対向させた円輪状である連結板と、この連結板と上記支持板とにそれぞれの両端部を支持された複数の遊星軸とを備えたものであり、上記遊星歯車式変速機を構成する遊星歯車をこれら各遊星軸の周囲に回転自在に支持した無段変速装置に於いて、互いに対向する上記連結板の片側面と上記入力側ディスクの外側面とを、上記キャリアのうちで軸方向に関する剛性が低い部分と軸方向に整合する部分同士を当接させると共に、同じく剛性が高い部分と軸方向に整合する部分同士は軸方向に隙間を介して対向させた事を特徴とする無段変速装置。
  2. キャリアのうちで軸方向に関する剛性が低い部分が、各遊星軸に対し軸方向に整合する部分であり、同じく剛性が高い部分が、円周方向に関して隣り合う遊星軸同士の間に存在し、連結板と支持板とを連結する連結部に対し軸方向に整合する部分である、請求項1に記載した無段変速装置。
  3. 連結板のうちで入力側ディスクの外側面と対向する片側面の円周方向の一部で、各連結部に対し軸方向に整合する部分に、複数の凹部を形成しており、これら各凹部の円周方向両端部と、これら各凹部同士の間部分との境界部分に凸曲面を形成している、請求項2に記載した無段変速装置。
  4. 支持板と連結板とを一体に形成した、請求項1〜3の何れかに記載した無段変速装置。
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