JP4547968B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両(自動車)用自動変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み込んだ無段変速装置の改良に関する。具体的には、この遊星歯車式変速機を構成するラジアルニードル軸受の潤滑性を確保しつつ、この遊星歯車式変速機を構成するキャリアのコスト低減を図るものである。
自動車用自動変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。又、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせて無段変速装置を構成する事が、特許文献1〜7に記載されている様に、従来から提案されている。図6は、このうちの特許文献2に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機1と遊星歯車式変速機2とを組み合わせて成る。このうちのトロイダル型無段変速機1は、入力軸3と、1対の入力側ディスク4、4と、出力側ディスク5と、複数のパワーローラ6、6とを備える。
又、上記遊星歯車式変速機2は、上記入力軸3及び一方(図6の右方)の入力側ディスク4に結合固定されたキャリア7を備える。このキャリア7の径方向中間部に、その両端部にそれぞれ遊星歯車8、9を固設した第一伝達軸10を、回転自在に支持している。又、上記キャリア7を挟んで上記入力軸3と反対側に、その両端部に太陽歯車11、12を固設した第二伝達軸13を、上記入力軸3と同心に、回転自在に支持している。そして、上記各遊星歯車8、9と、上記出力側ディスク5にその基端部(図6の左端部)を結合した中空回転軸14の先端部(図6の右端部)に固設した太陽歯車15又は上記第二伝達軸13の一端部(図6の左端部)に固設した太陽歯車11とを、それぞれ噛合させている。又、一方(図6の左方)の遊星歯車8を、別の遊星歯車16を介して、上記キャリア7の周囲に回転自在に設けたリング歯車17に噛合させている。
一方、上記第二伝達軸13の他端部(図6の右端部)に固設した太陽歯車12の周囲に設けた第二キャリア18に遊星歯車19、20を、回転自在に支持している。尚、この第二キャリア18は、上記入力軸3及び第二伝達軸13と同心に配置された、出力軸21の基端部(図6の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車19、20は、互いに噛合すると共に、一方の遊星歯車19が上記太陽歯車12に、他方の遊星歯車20が、上記第二キャリア18の周囲に回転自在に設けた第二リング歯車22に、それぞれ噛合している。又、上記リング歯車17と上記第二キャリア18とを低速用クラッチ23により係脱自在とすると共に、上記第二リング歯車22とハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ24により係脱自在としている。
上述の様な、図6に示した無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ23を接続すると共に上記高速用クラッチ24の接続を断った、所謂低速モード状態では、上記入力軸3の動力が上記リング歯車17を介して上記出力軸21に伝えられる。そして、前記トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力軸3と上記出力軸21との間の変速比が変化する。この様な低速モード状態では、無段変速装置全体としての変速比は、無限大に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を調節する事により、上記入力軸3を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸21の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。
これに対して、上記低速用クラッチ23の接続を断ち、上記高速用クラッチ24を接続した、所謂高速モード状態では、上記入力軸3の動力が上記第一、第二伝達軸10、13を介して上記出力軸21に伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。この場合には、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を大きくする程、無段変速装置全体としての変速比が大きくなる。
又、特願2003−56681号には、図7に示す様な無段変速装置が開示されている。この図7に示した無段変速装置は、前述の図6に示した従来から知られている無段変速装置と同様の機能を有するものであるが、遊星歯車式変速機2a部分の構造を工夫する事により、この遊星歯車式変速機2a部分の組立性を向上させている。入力軸3及び1対の入力側ディスク4a、4bと共に回転するキャリア7aの両側面に、それぞれ1対ずつの遊星歯車25a、25b、26a、26bを、回転自在に支持している。そして、上記キャリア7aの各側面に支持した各遊星歯車25a、25b同士、各遊星歯車26a、26b同士を、互いに噛合させると共に、内径側の遊星歯車25a、26aを、出力側ディスク5にその基端部(図7の左端部)を結合した中空回転軸14aの先端部(図7の右端部)及び伝達軸27の一端部(図7の左端部)にそれぞれ固設した第一、第二太陽歯車28、29に、外径側の遊星歯車25b、26bをリング歯車30に、それぞれ噛合させている。
一方、上記伝達軸27の他端部(図7の右端部)に固設した第三太陽歯車31の周囲に設けた第二キャリア18aに遊星歯車32a、32bを、回転自在に支持している。尚、この第二キャリア18aは、上記入力軸3と同心に配置された出力軸21aの基端部(図7の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車32a、32bは、互いに噛合すると共に、内径側の遊星歯車32aを上記第三太陽歯車31に、外径側の遊星歯車32bを、上記第二キャリア18aの周囲に回転自在に設けた第二リング歯車22aに、それぞれ噛合させている。又、上記リング歯車30と上記第二キャリア18aとを低速用クラッチ23aにより係脱自在とすると共に、上記第二リング歯車22aとハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ24aにより係脱自在としている。
この様に構成する改良された無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ23aを接続し、上記高速用クラッチ24aの接続を断った状態では、上記入力軸3の動力が、上記リング歯車30を介して上記出力軸21aに伝えられる。そして、トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力軸3と上記出力軸21aとの間の変速比が変化する。これに対して、上記低速用クラッチ23aの接続を断ち、上記高速用クラッチ24aを接続した状態では、上記入力軸3の動力が、前記各遊星歯車25a、25b、上記リング歯車30、前記各遊星歯車26a、26b、前記伝達軸27、前記各遊星歯車32a、32b、上記第二キャリア18aを介して、上記出力軸21aに伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。
尚、次述する図8〜9に示す様に、外径側の遊星歯車25として、軸方向寸法が長いものを使用すると共に、この長い遊星歯車25を内径側の遊星歯車25a、26a及びリング歯車30aに噛合させる構造を採用しても、同様の機能を発揮できる。この場合には、直径の大きなリング歯車30aの軸方向寸法を短縮して、遊星歯車式変速機2bの軽量化を図れる。
前述した図6及び上述した図7の構造は、原理的なもので、具体的な構造を示したものではない。実際に無段変速装置を構成する場合には、各部を回転自在に支持する構造、並びに、回転支持部に潤滑油(トラクションオイル)を供給する為の構造が必要になる。図8〜9は、この様な点を考慮して、先に考えた無段変速装置の具体的構造の1例を示している。尚、この構造では、上述した様に、外径側の遊星歯車25として軸方向寸法が長いものを使用すると共に、この長い遊星歯車25を、内径側の遊星歯車25a、26a及びリング歯車30aに噛合させている。
ハウジング33内の所定位置に1対の支柱34、34を、連結板35とバルブボディー36とを介して支持固定している。このバルブボディー36は、トロイダル型無段変速機1の変速比を制御する為の制御弁装置を内蔵している。又、上記各支柱34、34の両端部には、パワーローラ6、6(図6参照)を支持するトラニオンの両端部を揺動及び軸方向の変位自在に支持する為の支持板37、37を支持している。又、環状に形成した上記各支柱34、34の中間部同士の間に出力側ディスク5を、1対の転がり軸受38、38により、回転自在に支持している。そして、上記出力側ディスク5の内径側に中空回転軸14aの基半部(図8の左半部)を、スプライン係合に基づき、回転伝達自在に結合している。
そして上記中空回転軸14aの内側に、入力軸3aを挿通している。この入力軸3aの中間部基端寄り部分に一方(図8の左方)の入力側ディスク4aを、ボールスプライン39を介して支持すると共に、油圧式の押圧装置40により上記入力側ディスク4aを、上記出力側ディスク5に向け、押圧自在としている。これに対して他方(図8の右方)の入力側ディスク4bは上記中空回転軸14aの中間部先端寄り(図8の右寄り)部分の周囲に、ラジアルニードル軸受41により、回転及び軸方向の変位自在に支持している。そして、上記他方の入力側ディスク4bと上記入力軸3aとを、キャリア7aを介して結合している。従って、上記出力側ディスク5を軸方向両側から挟む位置に設けた1対の入力側ディスク4a、4bは、上記入力軸3aと上記キャリア7aとを介して、同期して回転する。
上記キャリア7aは、図9に詳示する様に、特許請求の範囲に記載した支持板に相当する、断面L字形で全体を円環状とした中間支持板42と、それぞれが円輪状に形成された第一、第二両連結板43、44との間に、それぞれ複数本ずつ(例えば3本ずつ)の第一、第二各遊星軸45、46を、上記第一、第二両連結板43、44同士の間に複数本(例えば3本)の第三遊星軸47を、それぞれ掛け渡して成る。そして、これら各遊星軸45〜47の周囲に前記各遊星歯車25a、26a、25を、それぞれラジアルニードル軸受48a、48b、48cを介して、回転自在に支持している。そして、外径側の遊星歯車25と内径側の各遊星歯車25a、26aとを互いに噛合させると共に、内径側の遊星歯車25a、26aを、上記中空回転軸14aの先端部(図8の右端部)に固設した第一太陽歯車28又は伝達軸27の基端部に固設した第二太陽歯車29に、外径側の遊星歯車25を前記リング歯車30aに、それぞれ噛合させている。
又、上記中間支持板42の中心に設けた円筒部49は、上記入力軸3aの中間部先端寄り部分にスプライン係合させ、ローディングナット50により抑え付けている。このローディングナット50は、上記第二太陽歯車29の中心孔51内に入り込んでおり、これらローディングナット50の外周面と中心孔51の内周面との間で、ラビリンスシールを構成している。このラビリンスシールは、前記入力軸3aの中心部に設けた給油通路52からこの入力軸3aの先端部に設けた給油孔53を通じて上記中心孔51内に吐出した潤滑油を、上記第二太陽歯車29の基端部に形成した複数の給油孔54、54を通じて、前記第二連結板44に形成した複数(例えば3個所)の給油路55bに効果的に導く機能を有する。即ち、上記給油孔53から上記中心孔51内に吐出した潤滑油を、上記各給油孔54、54を通じ、上記第二連結板44の内周縁部に全周に亙って形成した凹溝56に向け吐出し、更にこの第二連結板44内に放射方向に設けた上記給油路55b内に導入する様にしている。これら各給油路55b内に導入された潤滑油は、前記第二遊星軸46の中心部に設けた第二給油通路57内に導入され、更にこの第二遊星軸46の中間部に設けた第二ノズル孔58から吐出して、前記ラジアルニードル軸受48bを潤滑する。
更に、前記第一、第三各遊星軸45、47と前記各遊星歯車25a、25との間の各ラジアルニードル軸受48a、48cへの潤滑油供給、並びに前記第一連結板43と前記入力側ディスク4bとの突き合わせ部への潤滑油供給を、別系統で行なう様にしている。そして、上記各ラジアルニードル軸受48a、48cの潤滑と、上記突き合わせ部のフレッチング摩耗の防止とを図っている。この為に、上記入力軸3aの中心に設けた給油通路52内の潤滑油を、この入力軸3aの中間部に形成した給油孔59と、前記中空回転軸14aの中間部先端寄り部分に形成した給油孔60とを通じて、上記第一連結板43の内径側の空間61内に送り込み自在としている。この空間61内に送り込まれた潤滑油は、上記第一連結板43の内周縁部に全周に亙って形成した凹溝62により受け、更にこの第一連結板43内に放射方向に設けた給油路55a、55c内に導入する様にしている。これら各給油路55a、55c内に導入された潤滑油は、上記第一、第三各遊星軸45、47の中心部に設けた第一、第三各給油通路63、64内に導入され、更にこれら各遊星軸45、47の中間部に設けた第一、第三各ノズル孔65、66から吐出して、上記各ラジアルニードル軸受48a、48cを潤滑する。
尚、図示は省略するが、前記中間支持板42の円輪部67と上記第一、第二各連結板43、44とは、前記各遊星歯車25a、26a、25から円周方向に外れた位置に設けた連結部により、互いに連結している。この構成により、前記キャリア7aの、回転伝達方向の力に対する強度及び剛性を確保している。又、前記入力側ディスク4bと上記キャリア7aとの間での回転伝達を行なわせるべく、この入力側ディスク4bの外側面複数個所に形成した凸部68と、上記第一連結板43の外周縁部に形成した切り欠き69とを係合させている。
上述の様な、図8〜9に示した無段変速装置の運転時には、駆動軸70により上記入力軸3aを回転駆動する。同時に、前記押圧装置40に油圧を導入して、前記各入力側ディスク4a、4b及び出力側ディスク5の側面と前記各パワーローラ6、6の周面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を確保する。又、上記入力軸3aの中心部の給油通路52内に潤滑油を送り込んで、この潤滑油を、前記各ラジアルニードル軸受48a、48b、48c等の回転支持部及び上記第一連結板43と前記入力側ディスク4bとの突き合わせ部に供給し、各部の潤滑及び冷却を行なう事で、これら各部に摩耗や焼き付き等の損傷が発生するのを防止する。
前述の様に構成し上述の様に作用する先発明に係る無段変速装置の場合、キャリア7aの加工・組立作業が面倒でコストが嵩むだけでなく、各ラジアルニードル軸受48a、48b、48cに送り込む潤滑油を十分に確保できない可能性がある。この理由は、次の通りである。上記先発明に係る無段変速装置では、上記キャリア7aに軸方向に関して2列に配置した第一、第二遊星軸45、46を通じてのラジアルニードル軸受48a、48bへの潤滑油供給を、それぞれ第一、第二連結板43、44に設けた凹溝62、56及び給油路55a、55bを通じて、互いに独立して行なっている。この為、上記第一、第二各連結板43、44に、それぞれ凹溝62、56及び給油路55a、55bを設ける必要がある。
この様に、上記第一、第二各連結板43、44に、それぞれ凹溝62、56及び給油路55a、55bを設けると、これら各連結板43、44の加工作業が面倒で、上記キャリア7aの製造コスト、延いてはこのキャリア7aを組み込んだ無段変速装置のコストが嵩む原因となる。しかも、上記第一、第二各連結板43、44側に設けた給油路55a、55bの下流端開口と上記第一、第二遊星軸45、46側に設けた第一、第二給油通路63、57の(これら各遊星軸45、46断面の直径方向に形成した部分の)上流端開口を整合させる為、上記第一、第二遊星軸45、46の周方向に関する位相を合致させる必要がある。勿論、この様な整合作業は、これら第一、第二遊星軸45、46だけでなく、第三遊星軸47に就いても行なう必要がある。この様な作業は面倒で、組立作業の能率化を妨げて、やはり無段変速装置のコストが嵩む原因となる。
又、上記先発明に係る無段変速装置の場合、上記各ラジアルニードル軸受48a、48b、48cに効率良く潤滑油を送る為に、中空回転軸14aに設けた各給油孔60の外径側開口と上記第一連結板43に設けた上記凹溝62とを、並びに、伝達軸27に設けた各給油孔54の外径側開口と上記第二連結板44に設けた上記凹溝56とを、それぞれ互いに軸方向にずれる事なく対向させる事が好ましい。ところが、上記キャリア7aを構成する上記第一、第二各連結板43、44は、運転時に押圧装置40の作動に基づく入力軸3aの軸方向変位や、この押圧装置40の発生する押圧力及び伝達トルクに基づく各部の弾性変形に伴って、前記ハウジング33に対して軸方向に変位する。一方、上記中空回転軸14aは、このハウジング33に対して軸方向変位不能に回転自在に支持された出力側ディスク5に、軸方向変位を阻止された状態で結合している。又、上記伝達軸27も、スラストニードル軸受等を介して上記ハウジング33を構成する隔壁71に、軸方向変位を阻止された状態で支持されている。
この為、上記第一、第二各連結板43、44の軸方向変位に伴って、上記各凹溝62、56と上記各給油孔60、54の外径側開口とが軸方向にずれる可能性がある。そして、この様に各凹溝62、56と上記各給油孔60、54の外径側開口とが軸方向にずれると、これら各給油孔60、54を通じて上記中空回転軸14a並びに伝達軸27の外周面と上記第一、第二各連結板43、44の内周面との間の空間に吐出された潤滑油のうちの多くが、これら第一、第二各連結板43、44に設けた給油路55a、55b、55cに送り込まれずに排出され、上記各ラジアルニードル軸受48a、48b、48cに十分な潤滑油が供給されなくなる可能性がある。
特に、本発明の対象となる無段変速装置の場合、キャリア7aの回転方向と、中空回転軸14a並びに伝達軸27のそれぞれの端部に設けた第一、第二両太陽歯車28、29の回転方向とが互いに逆になるので、上記第一、第二、第三各遊星軸45、46、47の周囲に支持した各遊星歯車25a、26a、25の自転速度は、一般的な遊星歯車式の自動変速機の場合に比べて、非常に早くなる。この為、上述の様な潤滑油の供給不足が生じると、上記各ラジアルニードル軸受48a、48b、48cの寿命を確保しにくくなると共に、著しい場合には焼き付きが生じる可能性もあり、これら各ラジアルニードル軸受48a、48b、48cへの給油量は十分に確保する必要がある。
この様に各ラジアルニードル軸受48a、48b、48cへの潤滑量を確保すると共に、上述の様なキャリア7aの加工・組立作業が面倒になる事を防止する為、本発明者は先に、図10に示す様な構造を考えた。この図10に示す構造は、第一、第二両連結板43、44のうちの第一連結板43の給油路を省略すると共に、第二の連結板44側にのみ設けた給油路55により、上記各ラジアルニードル軸受48a、48b、48cに潤滑油を供給自在としている。より具体的には、上記第二連結板44にカバー72を、この第二の連結板44の一側面(図10の右側面)と隙間を介して近接対向させた状態で外嵌固定している。そして、上記カバー72の内側面(図10の左側面)と上記第二連結板44の外側面とにより構成される(円環状の)隙間空間を、上記第二連結板44側に設ける給油路55としている。
そして、第二、第三両遊星軸46、47の中心部に形成した第二、第三両給油通路57、64の上流端を、上記給油路55である上記隙間空間に開口させている。又、これと共に、上記第一、第二両遊星軸45、46の中心部に形成した第一、第二両給油通路63、57同士を、中間支持板42に対する嵌合支持部で互いに対向させる事により、互いに連通させている。この様な先に考えた構造の場合、伝達軸27の端部に形成した各給油孔54、54を通じて、上記第二連結板44及びカバー72の内径側に吐出した潤滑油が、これらカバー72の内側面と第二連結板44の外側面とにより構成される隙間空間(給油路55)を通じて、上記第一〜第三各給油通路63、57、64に送り込まれ、上記各ラジアルニードル軸受48a、48b、48cを潤滑する。
この様な図10に示す構造の場合には、第一連結板43に給油路を設ける事なく、第一〜第三各給油通路63、57、64に潤滑油を送り込める。又、図9に示した構造の様な第二連結板44に給油路55b(図9)を設けるべくこの第二連結板44に穿孔作業を行なう必要がなくなる。又、これと共に、第一、第二各連結板43、44と第一〜第三各遊星軸45〜47とを組み付ける際に、第一〜第三各給油通路63、57、64と各給油路55a〜55c(図9)とを整合させる必要もなくなり、キャリア7aの加工・組立作業の容易化を図れる。しかも、上記給油路55を構成するカバー72の内径寄り部分を断面クランク状に折り曲げ形成する事により、この給油路55の内径側開口部の軸方向寸法を確保している。この為、上記キャリア7aの軸方変位に拘らず、上記給油路55に潤滑油を効率良く供給できる。但し、この様なカバー72を設ける事は、遊星歯車式変速機2aの軸方向寸法を大きくして、無段変速装置の小型化を妨げる可能性がある。
特開平6−174033号公報 特開2000−220719号公報 特開2002−139124号公報 米国特許第5607372号明細書 米国特許第6059685号明細書 米国特許第6099431号明細書 米国特許第6358178号明細書
本発明の無段変速装置は、上述の様な事情に鑑みて、十分な耐久性を有し、しかも小型且つ軽量な無段変速装置を、低コストで実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は何れも、入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車式変速機とを備える。
そして、これらトロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とは、トロイダル型無段変速機を構成する入力側ディスクと遊星歯車式変速機を構成するキャリアとを隣接させると共に、これら入力側ディスクとキャリアとが同期して回転する状態に組み合わされている。
又、上記キャリアは、上記入力軸に支持固定された支持板と、この支持板と同心に且つ軸方向に間隔をあけた状態で配置され、その側面を上記入力側ディスクの外側面に当接させた円輪状である連結板と、この連結板と上記支持板とにそれぞれの両端部を支持された複数の遊星軸とを備える。
又、上記遊星歯車式変速機は、これら各遊星軸の周囲に軸受を介して遊星歯車を回転自在に支持すると共に、これら各遊星軸の中心部に給油通路が設けられている。
そして、これら各給油通路の端部を、上記入力側ディスクの外側面に対向する状態で開口させている。
そして、請求項1に記載した無段変速装置の場合には、上記入力側ディスクの外側面と上記連結板の側面との一部を隙間を介して対向させ、この隙間を通じて上記給油通路に潤滑油を送り込み自在としている。
又、請求項6に記載した無段変速装置の場合には、上記入力側ディスクの外側面に給油路を形成しており、この給油路を通じて上記給油通路に潤滑油を送り込み自在としている。
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、入力側ディスクの外側面とこの外側面に対向する連結板の側面との間の隙間(請求項1の場合)或は給油路(請求項6の場合)を通じて、遊星軸(並びに第三遊星軸)の中心部に設けた各給油通路(並びに各第三給油通路)に潤滑油を供給できる。この為、連結板に給油路を設けるべくこの連結板に穿孔作業を行なう必要がなくなる。又、これと共に、この連結板と遊星軸(並びに第三遊星軸)とを組み付ける際に、上記連結板に設けた給油路と上記給油通路(並びに第三給油通路)とを整合させる必要もなくなる為、キャリアの加工・組立作業の容易化を図れる。又、給油路を構成する為のカバーを固定する必要もない為、遊星歯車式変速機の軸方向寸法が嵩む事も防止できる。
この為、十分な耐久性を有し、しかも小型且つ軽量な無段変速装置を、低コストで実現できる。
請求項1に係る発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、キャリアを、支持板の軸方向に関して連結板と反対側に、この支持板と同心に且つ軸方向に間隔をあけた状態で第二連結板を備えたものとする。そして、遊星歯車式変速機を、この第二連結板と上記支持板とにそれぞれの両端部を支持された複数の第二遊星軸の周囲に軸受を介して第二遊星歯車を回転自在に支持すると共に、上記各第二遊星軸の中心部に第二給油通路を設けたものとする。そして、この第二給油通路の端部と給油通路の端部とを、互いに対向する面にそれぞれ開口させ、互いの開口部の少なくとも一部を上記給油通路と第二給油通路との間での潤滑油の受け渡しを可能な状態に対向させる。
この様に構成すれば、2組の遊星歯車式変速機を、軸方向に隣接して設けた構造で、組立作業を面倒にする事なく、上記第二遊星軸に潤滑油を供給できる。
又、上記請求項2に係る発明を実施する場合に、更に好ましくは、請求項3に記載した様に、上記遊星歯車式変速機を、上記第二連結板と上記連結板とにそれぞれの両端部を支持された複数の第三遊星軸の周囲に軸受を介して第三遊星歯車を回転自在に支持すると共に、上記各第三遊星軸の中心部に第三給油通路を設けたものとする。そして、この第三給油通路の端部を入力側ディスクの外側面に対向する状態で開口させ、この入力側ディスクの外側面と上記連結板の側面との間の隙間を通じて上記第三給油通路にも、上記給油通路と同様に潤滑油を送り込み自在とする。
この様に構成すれば、組立作業を面倒にする事なく、上記第三給油通路にも潤滑油を供給できる。
又、請求項1に係る発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、上記入力側ディスクの外側面とこの外側面に対向する遊星軸の端面とを隙間を介して対向させる事により、この入力側ディスクの外側面と上記連結板の側面との間の隙間と上記遊星軸の中心部に設けた給油通路とを連通させる事もできる。
この様に構成すれば、この給油通路内への潤滑油の送り込みを効率良く行なえる。
或は、請求項5に記載した様に、上記連結板にその端部を固定した各遊星軸のうちで最も外径側に存在する遊星軸の外周面に関する内接円よりも外径側で、上記入力側ディスクの外側面と上記連結板の側面とを当接させると共に、これら両側面同士を、この当接させた部分よりも内径側で全周に亙り隙間を介して対向させても良い。
この様に構成すれば、上記入力側ディスクとキャリアとの軸方向に関する位置決めを精度良く行ないつつ、上記各遊星軸の中心部に設けた給油通路内への潤滑油の送り込みを確実に行なえる。
又、請求項6に係る発明を実施する場合に、好ましくは、請求項7に記載した様に、給油路を、入力側ディスクの外側面に、この外側面の内周縁から径方向中間部まで、径方向に、各遊星軸に見合う数だけ形成された複数の凹部とする。
この様に構成すれば、上記入力側ディスクの強度並びに剛性の低下を最小限に抑えつつ、上記給油路を設ける事ができる。
更に、上記請求項6に係る発明を実施する場合には、請求項8に記載した様に、上記各凹部を入力側ディスクに直接形成するか、或は、請求項9に記載した様に、入力側ディスクと別体で各凹部を形成した部材を、この入力側ディスクの外側面に、回転方向の位相を合わせた状態で結合固定する。
上記各凹部を上記入力側ディスクに直接形成すれば、組立作業を容易にでき、凹部を形成した部材を入力側ディスクと別体とすれば、軸受鋼等、硬い材料製の入力側ディスクに凹部を形成する手間が不要になる。
図1は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、第一〜第三各遊星軸45〜47の周囲に設けた各ラジアルニードル軸受48a〜48cに十分な潤滑油を送り込める構造を、遊星歯車式変速機2cの軸方向寸法を嵩ませる事なく、しかもコストを抑えて実現する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図8〜9に示した先発明に係る構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
キャリア7aに支持した、それぞれ複数本ずつ(例えば3本ずつ、合計9本)の第一〜第三各遊星軸45〜47の中心部には第一〜第三各給油通路63、57、64を、軸方向中間部にはこれら各給油通路63、57、64と上記第一〜第三各遊星軸45〜47の外周面とを通じさせる第一〜第三各ノズル孔65、58、66を、それぞれ設けている。又、内径側の第一、第二両遊星軸45、46の中心部に形成した第一、第二両給油通路63、57同士を、中間支持板42に対する嵌合支持部で互いに対向させる事により、互いに連通させている。
即ち、上記第一、第二両給油通路63、57のうちの第一給油通路63を、上記第一遊星軸45の中心部に、この遊星軸45の両端面に開口する状態で形成している。又、上記第二給油通路57を、上記第二遊星軸46の中心部に、この遊星軸46の一端面(図1の左端面)にのみ開口する状態で形成している。そして、これら両遊星軸45、46の一端部に形成した小径部73a、73bを上記中間支持板42の円輪部67に形成した支持孔74に、この支持孔74の両端開口から圧入している。この状態で上記第一、第二両給油通路63、57同士が、上記支持孔74内で、互いに連通する。尚、本例の場合、上記中間支持板42が、特許請求の範囲に記載した支持板に相当する。又、上記第一給油通路63の一端部(図1の左端部)を、入力側ディスク4bの外側面と対向する状態で開口させると共に、外径側の第三遊星軸47の中心部に形成した第三給油通路64の一端部(図1の左端部)も、上記入力側ディスク4bの外側面と対向する状態で開口させている。
更に、入力軸3aの中心部に形成した給油通路52と、上記第一、第二両給油通路63、57及び上記第三給油通路64とを、この入力軸3aの中間部に形成した給油孔59と、中空回転軸14aの中間部先端寄り部分に形成した給油孔60aと、第一連結板43の内径側の空間61と、この第一連結板43と上記入力側ディスク4bとの外側面同士の間に形成した給油路75とを介して連通させている。本実施例の場合には、この給油路75を形成する為に、上記入力側ディスク4bの外側面の内径寄り部分に、外径寄り部分よりも凹んだ段差面76を、全周に亙って設けている。そして、上記第一、第三遊星軸45、47の一端面(図1の左端面)を上記入力側ディスク4bの外側面(のうちの段差面76よりも外径側部分)に、隙間を介して対向させている。即ち、上述の様な段差面76を設ける事により、上記入力側ディスク4bの外側面(図1の右側面)と上記第一連結板43の外側面(図1の左側面)とを、上記段差面76よりも外径側部分で当接させている(突き合わせている)。又、これと共に、この当接させた部分よりも内径側部分、即ち上記入力側ディスク4bの外側面のうちの段差面76を設けた部分で、この外側面(段差面76)と上記第一連結板43の外側面とを隙間を介して対向させている。そして、これら第一連結板43の外側面と入力側ディスク4bの外側面とが対向した部分に存在する上記隙間を、上記給油路75としている。
この様な本実施例の場合には、入力軸3aの中心部に形成した給油通路52から、この入力軸3aの中間部及び中空回転軸14aの中間部先端寄り部分に形成した各給油孔59、60aを通じて、上記第一連結板43の内径側の空間61内に吐出された潤滑油が、この第一連結板43の外側面と上記入力側ディスク4bの外側面とにより構成される上記給油路75内に送り込まれる。そして、この給油路75から、上記第一、第三両給油通路63、64、第一、第三両ノズル孔65、66を通じて各ラジアルニードル軸受48a、48c内に送り込まれ、これら各ラジアルニードル軸受48a、48cを潤滑する。又、上記第一給油通路63に送り込まれ、上記第一ノズル孔65から吐出されなかった、残りの潤滑油が、前記第二遊星軸46の中心部に設けた第二給油通路57内に送り込まれ、更に第二ノズル孔58からラジアルニードル軸受48b内に送り込まれて、このラジアルニードル軸受48bを潤滑する。更に、この給油路75内に送り込まれた潤滑油のうち、上記第一、第三両給油通路63、64内に送り込まれなかった残りの潤滑油は、上記入力側ディスク4bの外側面と上記第一連結板43の外側面の当接面同士の間に入り込む。そして、この間部分を潤滑して、これら両外側面にフレッチング摩耗が発生する事を防止する。
上述の様な潤滑油供給経路を有する本実施例の場合には、入力側ディスク4bの外側面とこの外側面に対向する第一連結板43の外側面とにより構成される隙間(給油路75)を通じて、第一〜第三各遊星軸45〜47の中心部に設けた第一〜第三各給油通路63、57、64に潤滑油を供給自在としている。この為、前述の図9に示した先発明の構造の様に、第一連結板43に給油路55a、55cを設けるべく、この第一連結板43に穿孔作業を行なう必要がなくなる。又、これと共に、この第一連結板43と第一遊星軸45並びに第三遊星軸47とを組み付ける際に、この第一連結板43に設けた上記給油路55a、55cと上記第一給油通路63並びに第三給油通路64とを整合させる必要もなくなる為、キャリア7aの加工・組立作業の容易化を図れる。
又、前述の図10に示した先発明の構造の様に、カバー72を第二連結板44に固定する必要もない為、遊星歯車式変速機2cの軸方向寸法が嵩む事も防止できる。しかも、本実施例の場合には、上記第一連結板43の内周面に、上記入力側ディスク4bに近付くに従って外径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面77を設ける事により、上記給油路75の内径側開口部の軸方向寸法(幅寸法)を大きくしている。この為、上記キャリア7aが運転に伴って軸方向に変位しても、中空回転軸14aに形成した給油孔60aから上記給油路75に向けて、効率良く潤滑油を送り込める。
尚、本実施例の場合、上記給油路75を構成する段差面76を入力側ディスク4bの外側面に設けたが、第一連結板43の外側面に、外径寄り部分より凹んだ段差面を設けても良い。又、上記段差面76の外周縁を、上記入力側ディスク4bの外側面に対向させた各遊星軸(第一、第三各遊星軸45、47)のうちの最も外径側に存在する遊星軸(各第三遊星軸47)の外周面に関する内接円よりも外径側に位置させると共に、必要に応じてこの最も外径側に存在する遊星軸(各第三遊星軸47)の端面と上記入力側ディスク4bの外側面とを隙間を介して対向させれば、上記各遊星軸(第一、第三各遊星軸45、47)に形成した各給油通路(第一、第三各給油通路63、64)に潤滑油を供給できる。又、本実施例の場合、上記段差面76を上記入力側ディスク4bの外側面の内径寄り部分に全周に亙って設けたが、この外側面の中心寄り部分から第一、第三各遊星軸45、47に向けて放射状に複数の段差面を設ける事もできる。
次に、図2〜3は、請求項6〜8に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、入力側ディスク4bの外側面(図2の右側面)と第一連結板43の外側面(図2の左側面)との当接面積を、上述した実施例1の場合よりも広くしている。この当接面積を広くする為に本実施例の場合には、上記入力側ディスク4bの外側面に、この外側面の内周縁から径方向中間部まで、第一遊星軸45に見合う数{本実施例の場合には、図3(A)に示す様に3本、又は同図(B)に示す様に6本}の凹部78、78を径方向に形成している。これら各凹部78、78は、鍛造加工、或は座ぐり等の切削加工により造る。そして、これら各凹部78、78を、上記各第一遊星軸45の中心部に設けた各第一給油通路63{更には各第三遊星軸47の中心部に設けた各第三給油通路64(図1参照)}に潤滑油を送り込む為の給油路としている。上記入力側ディスク4bの回転方向に関して、上記各凹部78、78を形成する位相は、上記各第一遊星軸45の位相と一致させている。上記入力側ディスク4bと上記第一遊星軸45とは、トルク伝達の為に凸部68と切り欠き69とを係合させる事で、回転方向に関する位相を規制された状態で組み合わされる。従って、この様に組み合わせた状態で、上記各凹部78、78の外径寄り部分が、上記各第一遊星軸45の中心部に形成した第一給油通路63の上流端開口部に対向する。上記両外側面同士は、上記各凹部78、78から外れた部分で、ほぼ隙間なく当接している。尚、上記各第三給油通路64内に潤滑油を送り込む為には、上記各凹部78、78の数を増やしたり、或はこれら各凹部78、78の外径側端部を、上記各第三給油通路64の開口部に向けて曲げた状態に形成する。
上述の様に構成する本実施例の場合、入力軸3aの中心部に設けた給油通路52から給油孔59を通じて上記入力側ディスク4bの内径側に吐出された潤滑油は、上記各凹部78、78を通じて上記各第一給油通路63(及び上記各第三給油通路64)内に送り込まれる。この様にしてこれら各第一給油通路63(及びこれら各第三給油通路64)内に送り込まれた潤滑油が、各ラジアルニードル軸受48a、48b、48c(図1参照)を潤滑する点に関しては、上述した実施例1の場合と同様である。
特に、本実施例の場合には、上記入力側ディスク4bの外側面(図2の右側面)と第一連結板43の外側面(図2の左側面)との当接面積を広くしているので、これら両外側面にフレッチング摩耗が発生しにくくすると共に、上記入力側ディスク4bの軽量化が可能になる。このうちのフレッチング摩耗の防止は、上記当接面積を広くして上記両外側面同士の当接部の面圧を低く抑える事で図られる。
又、上記入力側ディスク4bの軽量化は、上記第一連結板43を含むキャリア7aにより、この入力側ディスク4bの外側面をバックアップ(支持)する事により図られる。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に上記入力側ディスク4bは、各パワーローラ6、6(図6参照)から加わる大きなスラスト荷重により弾性変形する傾向になる。本実施例の場合、上記入力側ディスク4bの外側面と上記第一連結板43の外側面とを広い面積で当接させて、この入力側ディスク4bを上記キャリア7aによりバックアップしているので、この入力側ディスク4bの軸方向に関する厚さを小さくしても、この入力側ディスク4bの弾性変形量を、実用上問題ない程度に抑えられる。この様にしてこの入力側ディスク4bの薄肉、軽量化を図れば、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図り、このトロイダル型無段変速機を搭載した車両の加速性能及び燃費性能を中心とする動力性能の向上を図れる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
次に、図4〜5は、請求項6、7、9に対応する、本発明の実施例3を示している。上述した実施例2の場合、各第一遊星軸45の中心部に設けた各第一給油通路63(及び各第三遊星軸47の中心部に設けた各第三給油通路64)に潤滑油を送り込む為の給油路となる複数{本実施例の場合には、図5(A)に示す様に3本、又は同図(B)に示す様に6本}の凹部78、78を入力側ディスク4bに直接形成している。これに対して本実施例の場合には、入力側ディスク4bと別体で各凹部78、78を形成した、円板状の給油路用部材79を、この入力側ディスク4bの外側面に結合固定している。本実施例の場合には、この入力側ディスク4bの外側面に環状凹部80を形成し、この環状凹部80内に上記給油路用部材79を嵌装している。尚、この給油路用部材79は、上記入力側ディスク4bを構成する軸受鋼程硬い材料ではないが、十分な耐圧縮強度を有する、鋼等の金属材料により造る。又、上記給油路用部材79と入力側ディスク4bとの、回転方向の位相を合わせる為に、これら給油路用部材79と入力側ディスク4bとは、圧入、ねじ止め、溶接、スプライン係合等により結合している。
本実施例の場合、上記各凹部78、78を、上記入力側ディスク4bとは別体の給油路用部材79に形成しているので、これら各凹部78、78の加工を容易に行なえる。その他の構成及び作用は、前述した実施例2と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明の実施例1を示す、図8のA部に相当する拡大断面図。 同実施例2を示す、図1の右上部に相当する図。 入力側ディスクを取り出して図2の右方から見た図。 本発明の実施例3を示す、図1の右上部に相当する図。 入力側ディスクと別体で各凹部を形成した給油路用部材を取り出して図4の右方から見た図。 従来から知られている無段変速装置の1例を示す略断面図。 先発明に係る無段変速装置の1例を示す略断面図。 先に考えた具体的構造の第1例を示す断面図。 図8のA部に相当する拡大断面図。 先に考えた具体的構造の第2例を示す、図9と同様の断面図。
符号の説明
1 トロイダル型無段変速機
2、2a、2b、2c 遊星歯車式変速機
3、3a 入力軸
4、4a、4b 入力側ディスク
5 出力側ディスク
6 パワーローラ
7、7a キャリア
8 遊星歯車
9 遊星歯車
10 第一伝達軸
11 太陽歯車
12 太陽歯車
13 第二伝達軸
14、14a 中空回転軸
15 太陽歯車
16 遊星歯車
17 リング歯車
18、18a 第二キャリア
19 遊星歯車
20 遊星歯車
21、21a 出力軸
22、22a 第二リング歯車
23、23a 低速用クラッチ
24、24b 高速用クラッチ
25、25a、25b 遊星歯車
26a、26b 遊星歯車
27 伝達軸
28 第一太陽歯車
29 第二太陽歯車
30、30a リング歯車
31 第三太陽歯車
32a、32b 遊星歯車
33 ハウジング
34 支柱
35 連結板
36 バルブボディー
37 支持板
38 転がり軸受
39 ボールスプライン
40 押圧装置
41 ラジアルニードル軸受
42 中間支持板
43 第一連結板
44 第二連結板
45 第一遊星軸
46 第二遊星軸
47 第三遊星軸
48a、48b、48c ラジアルニードル軸受
49 円筒部
50 ローディングナット
51 中心孔
52 給油通路
53 給油孔
54 給油孔
55、55a、55b、55c 給油路
56 凹溝
57 第二給油通路
58 第二ノズル孔
59 給油孔
60、60a 給油孔
61 空間
62 凹溝
63 第一給油通路
64 第三給油通路
65 第一ノズル孔
66 第三ノズル孔
67 円輪部
68 凸部
69 切り欠き
70 駆動軸
71 隔壁
72 カバー
73a、73b 小径部
74 支持孔
75 給油路
76 段差面
77 傾斜面
78 凹部
79 給油路用部材
80 環状凹部

Claims (9)

  1. 入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車式変速機とを備え、これらトロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とは、トロイダル型無段変速機を構成する入力側ディスクと遊星歯車式変速機を構成するキャリアとを隣接させると共に、これら入力側ディスクとキャリアとが同期して回転する状態に組み合わされており、このキャリアは、上記入力軸に支持固定された支持板と、この支持板と同心に且つ軸方向に間隔をあけた状態で配置され、その側面を上記入力側ディスクの外側面に当接させた円輪状である連結板と、この連結板と上記支持板とにそれぞれの両端部を支持された複数の遊星軸とを備え、上記遊星歯車式変速機は、これら各遊星軸の周囲に軸受を介して遊星歯車を回転自在に支持すると共に、これら各遊星軸の中心部に給油通路を設けており、これら各給油通路の端部を上記入力側ディスクの外側面に対向する状態で開口させると共に、この入力側ディスクの外側面と上記連結板の側面との一部を隙間を介して対向させ、この隙間を通じて上記給油通路に潤滑油を送り込み自在とした無段変速装置。
  2. キャリアが、支持板の軸方向に関して連結板と反対側に、この支持板と同心に且つ軸方向に間隔をあけた状態で配置された第二連結板を備えており、この第二連結板と上記支持板とにそれぞれの両端部を支持された複数の第二遊星軸の周囲に軸受を介して第二遊星歯車を回転自在に支持すると共に、上記各第二遊星軸の中心部に第二給油通路を設けており、この第二給油通路の端部と給油通路の端部とを、互いに対向する面にそれぞれ開口させ、互いの開口部の少なくとも一部を、上記給油通路と第二給油通路との間での潤滑油の受け渡しを可能な状態に対向させた、請求項1に記載した無段変速装置。
  3. キャリアが、支持板の軸方向に関して連結板と反対側に、この支持板と同心に且つ軸方向に間隔をあけた状態で配置された第二連結板を備えており、この第二連結板と上記連結板とにそれぞれの両端部を支持された複数の第三遊星軸の周囲に軸受を介して第三遊星歯車を回転自在に支持すると共に、上記各第三遊星軸の中心部に第三給油通路を設けており、この第三給油通路の端部を入力側ディスクの外側面に対向する状態で開口させ、この入力側ディスクの外側面と上記連結板の側面との間の隙間を通じて上記第三給油通路に潤滑油を送り込み自在とした、請求項1〜2の何れかに記載した無段変速装置。
  4. 入力側ディスクの外側面とこの外側面に対向する遊星軸の端面の一部とを隙間を介して対向させる事により、この入力側ディスクの外側面と連結板の側面との間の隙間と上記遊星軸の中心部に設けた給油通路とを連通させた、請求項1〜3に記載した無段変速装置。
  5. 連結板にその端部を固定した各遊星軸のうちで最も外径側に存在する遊星軸の外周面に関する内接円よりも外径側で、入力側ディスクの外側面と上記連結板の側面とを当接させると共に、これら両側面同士を、この当接させた部分よりも内径側で全周に亙り隙間を介して対向させた、請求項1〜3に記載した無段変速装置。
  6. 入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車式変速機とを備え、これらトロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とは、トロイダル型無段変速機を構成する入力側ディスクと遊星歯車式変速機を構成するキャリアとを隣接させると共に、これら入力側ディスクとキャリアとが同期して回転する状態に組み合わされており、このキャリアは、上記入力軸に支持固定された支持板と、この支持板と同心に且つ軸方向に間隔をあけた状態で配置され、その側面を上記入力側ディスクの外側面に当接させた円輪状である連結板と、この連結板と上記支持板とにそれぞれの両端部を支持された複数の遊星軸とを備え、上記遊星歯車式変速機は、これら各遊星軸の周囲に軸受を介して遊星歯車を回転自在に支持すると共に、これら各遊星軸の中心部に給油通路を設けており、これら各給油通路の端部を上記入力側ディスクの外側面に対向する状態で開口させると共に、この入力側ディスクの外側面に給油路を形成しており、この給油路を通じて上記給油通路に潤滑油を送り込み自在とした無段変速装置。
  7. 給油路が、入力側ディスクの外側面に、この外側面の内周縁から径方向中間部まで、径方向に、各遊星軸に見合う数だけ形成された複数の凹部である、請求項6に記載した無段変速装置。
  8. 各凹部が、入力側ディスクに直接形成されている、請求項7に記載した無段変速装置。
  9. 入力側ディスクと別体で各凹部を形成した部材が、この入力側ディスクの外側面に、回転方向の位相を規制した状態で結合固定されている、請求項6に記載した無段変速装置。
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