JPH07208586A - 車両用自動変速機の潤滑装置 - Google Patents

車両用自動変速機の潤滑装置

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JPH07208586A
JPH07208586A JP6006995A JP699594A JPH07208586A JP H07208586 A JPH07208586 A JP H07208586A JP 6006995 A JP6006995 A JP 6006995A JP 699594 A JP699594 A JP 699594A JP H07208586 A JPH07208586 A JP H07208586A
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JP
Japan
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gear
lubricating oil
carrier
planetary gear
lubricating
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Application number
JP6006995A
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English (en)
Inventor
Koichi Tanaka
航一 田中
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH07208586A publication Critical patent/JPH07208586A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/043Guidance of lubricant within rotary parts, e.g. axial channels or radial openings in shafts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/0427Guidance of lubricant on rotary parts, e.g. using baffles for collecting lubricant by centrifugal force
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0482Gearings with gears having orbital motion

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の変速段で回転が停止するような回転部
材を介してピニオンギヤの支持部に潤滑油を供給する構
成であっても、あらゆる変速段で常に十分な潤滑油量を
確保する。 【構成】 このピニオンギヤP221への潤滑経路中に
常時回転する出力部材280を介在させ、この介在させ
た部分に形成した油路280b を介してピニオンギヤP
221への潤滑系路が連続的に形成されるようにする。
出力部材280は前進時、後退時とも常に回転するため
その回転によってポンプ作用を得ることができ、当該特
定の変速段を含め、全ての変速段で十分な潤滑油をピニ
オンギアP221内に供給することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の潤
滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の自動変速機においては設定され
ている全変速段(ギヤ段)において所定の部位に確実に
必要量の潤滑油が供給されなければならない。特に、キ
ャリアが回転自在に支持されると共に、ピニオンシャフ
トが該キャリアに支持され、更にピニオンギヤが該ピニ
オンシャフトに支持されるような遊星歯車機構を備えた
自動変速機にあっては、そのピニオンギヤ内のベアリン
グやサイドスラストワッシャに常に十分な潤滑油が供給
される必要がある(例えば、特開平2−113155号
公報参照)。
【0003】従来、この種の自動変速機におけるピニオ
ンギヤP121の内部への潤滑は、図6に示されるよう
に、インタミネーテッドシャフト162内に注入された
潤滑油が、主にシャフト外部へと空けられた油孔162
d から第2遊星歯車機構121のサンギヤS121の支
持シャフト178に設けられた油孔178c を通り、該
サンギヤS121及びリングギヤR121と同一回転す
るアウトプットシャフト180の間のスラストベアリン
グ176を経由し、更に、キャリアC101の内周に設
けられた油室194へと導かれ、最後にキャリアC10
1内に形成された油路C101a 及びピニオンシャフト
内を通ってラジアルベアリング168、170、スラス
トワッシャ172、174、あるいはスラストベアリン
グ177へと供給される構造が採用されていた。
【0004】なお、図6に示す構成は、従来の潤滑装置
に係る技術思想、あるいはその欠点をより明確に示すた
めに、後述する本発明の実施例(特にその図1)と対応
するように便宜上作成したものであり、符号も下2桁を
同一にしている。即ち、この図6に示す構成はこれと同
一の従来例がそのまま公知であったことを示すものでは
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の潤滑構造は、自動変速機が第2速段にあると
きには、第2遊星歯車機構121のサンギヤS121の
支持シャフト178の回転が0となってしまうことか
ら、該支持シャフト178の回転による遠心力によって
発生するポンプ作用が期待できず、スラストベアリング
176やキャリアC101内の油路C101a に潤滑油
が十分供給されず、その結果ピニオンギア内のラジアル
ベアリング168、170やスラストワッシャ172、
174、あるいはスラントベアリング177の焼付きあ
るいは寿命低下を起し易いという問題があった。
【0006】この問題は、一つの対策として潤滑圧を増
大すれば一応解決はされるが、この潤滑圧を増大させる
方法は必然的にオイルポンプの負荷の増加を伴なうた
め、それだけ効率が低下し、車両の動力性能の低下や燃
費の増大を引き起すという新たな問題が生じる。更に
は、潤滑圧の増大に伴って潤滑油路の各部分におけるシ
ーリング機能も向上させる必要が生じるため、シール部
材のフリクション増による効率悪化も非常に大きくなっ
てくる。
【0007】一方、他の考え得る対策として、ピニオン
ギヤ内の潤滑油の供給をより良好に行うために、例えば
インタミネーテッドシャフト162やサンギヤS121
の支持シャフト178の軸方向に空いている油孔162
d や178c の径を増大する方法も考えられるが、この
方法は他のベアリング等への潤滑油量がそれだけ減少し
てしまうため、採用し難い。
【0008】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、潤滑圧を増大させることなく、
即ち、オイルポンプの負荷増やシール部材のフリクショ
ン増を伴なうことなく、又他のベアリング部材等に供給
される潤滑油が一律に低下してしまうというような事態
を招くことなく、いかなる変速状態(ギア段状態)であ
っても、確実に十分量の潤滑油をピニオンギヤ内のベア
リングやワッシャに供給することができる車両用自動変
速機の潤滑装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、キャリアが回
転自在に支持されると共に、ピニオンシャフトが該キャ
リアに支持され、更にピニオンギヤが該ピニオンシャフ
トに支持される遊星歯車機構を備え、特定の変速段にお
いて回転が停止する回転部材に設けられた潤滑油路を経
由して、潤滑油を前記キャリア及びピニオンシャフトに
形成した油孔を介して前記ピニオンギアの支持部に供給
する車両用自動変速機の潤滑装置において、前記キャリ
アに形成される油孔の内周側開口部と前記特定の変速段
で回転の停止する回転部材に設けられた潤滑油路の外周
側開口部との間に、出力部材の一部を介在させ、この一
部に前記回転部材に設けられた潤滑油路の外周側開口部
から前記キャリアに形成される油孔の内周側開口部に潤
滑油を供給するための潤滑油路を形成したことにより、
上記課題を解決したものである。
【0010】
【作用】本発明においては、たとえ特定の変速段におい
て回転が停止する回転部材に設けられた潤滑油路を経由
して潤滑油が供給される基本構成の自動変速機であって
も、キャリアに形成される油孔の内周側開口部とこの特
定の変速段で回転の停止する回転部材に設けられた潤滑
油路の外周側開口部との間に、出力部材の一部を介在さ
せるようにし、その上で、この介在させた一部に前記回
転部材に設けられた潤滑油路の外周側開口部から前記キ
ャリアに形成される油孔の内周側開口部に潤滑油を供給
するための潤滑油路を形成するようにした。
【0011】その結果、出力部材は自動変速機がいかな
る変速段状態であろうとも車両が停止していない限り停
止することがないため、その回転による遠心力で発生す
るポンプ作用によりピニオンギヤ内の潤滑を良好に行う
ことができるようになった。
【0012】なお、パーキングレンジやNレンジ等を含
め、車両が停止している場合であっても、回転が止らな
いという観点からすると、むしろ自動変速機の出力部材
よりは入力部材の方が止らない確率は高い。
【0013】しかしながら、入力部材は、ギヤトレイン
を構成する際に半径方向中央に位置させるのが効率的な
ため、キャリアに形成される油孔の内周側開口部と当該
特定の変速段で回転の停止する回転部材に設けられた潤
滑油路の外周側開口部との間に入力部材を配置するのは
実際には困難であること、及び、車速が0のとき、即
ち、車両が止っているときは、ピニオンギヤに要求され
る潤滑油量も極めて少なくて済むため、事実上の支障は
生じないことを考慮すると、この介在させる部材として
は出力部材が最適である。
【0014】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0015】図2に本発明の実施例に係る自動変速機の
スケルトンを、図3に具体的な断面を示す。
【0016】この実施例は、第1遊星歯車機構211を
シングルピニオン型遊星歯車機構によって構成すると共
に、第2遊星歯車機構221をダブルピニオン型遊星歯
車機構によって構成したものである。
【0017】第1遊星歯車機構211は、サンギヤS2
11とリングギヤR211と、これらに噛合したピニオ
ンギヤP211を保持したキャリヤC201とを回転要
素とする。
【0018】これに対し第2遊星歯車機構221は、サ
ンギヤS221とリングギヤR221との間に、サンギ
ヤS221に噛合するショートピニオンギヤPS221
と、このショートピニオンギヤPS221及びリングギ
ヤR221に噛合するピニオンギヤP221とを備え
る。ピニオンギヤP221が第1遊星歯車機構211の
ピニオンギヤP211と一体化されてロングピニオンと
なっている。更に、第1遊星歯車機構211と第2遊星
歯車機構221とのキャリヤC201が共通化されてい
る。又、出力部材であるドライブギヤ231が、第2遊
星歯車機構221におけるリングギヤR221に一体的
に連結されたアウトプットシャフト280に連結されて
いる。
【0019】入力軸241は、キャリヤC201と第2
遊星歯車機構221のサンギヤS221とに選択的に連
結される。そのための摩擦係合装置として入力軸241
とキャリヤC201との間に第1クラッチK211が設
けられている。
【0020】又、第1遊星歯車機構211のサンギヤS
211とリングギヤR211との間には、互いに直列に
配置された第2クラッチK212と第1一方向クラッチ
F211とが配置されている。
【0021】更に、入力軸241とサンギヤS221と
の間に第3速のエンジンブレーキとリバースレンジを確
保するための第3クラッチK213が設けられている。
【0022】一方、ブレーキ手段として、第1遊星歯車
機構211のサンギヤS211とハウジング251との
間には、第2クラッチK212と直列に第1ブレーキB
211が設けられている。第1ブレーキB211のクラ
ッチ側のメンバは一方向クラッチF211を介して第1
遊星歯車機構211のリングギヤR211と連結されて
いる。このリングギヤR211は第3ブレーキB213
を介してケーシング251と連結されている。
【0023】又第2遊星歯車機構221のサンギヤS2
21とハウジング251との間には第2ブレーキB21
2が設けられている。
【0024】この第2ブレーキB212と並列に、互い
に直列に配列された第4ブレーキB214と第2一方向
クラッチF212とが配置されている。
【0025】なお、この第2一方向クラッチF212
は、サンギヤS221が逆回転しようとする際に係合す
るように設定されている。
【0026】図2及び図3に示す自動変速機の変速特性
を示す共線図は図4のとおりである。又作動表は図5の
とおりである。
【0027】この自動変速機においては、キャリヤC2
01が共通化されていることから回転要素は5つであ
り、従って共線図は5本の縦線で示される。又第1遊星
歯車機構211がシングルピニオン型遊星歯車機構であ
り、且つ第2遊星歯車機構221がダブルピニオン型の
ものであり、更に第2遊星歯車機構221の外周側のピ
ニオンギヤP221がロングピニオン化されているか
ら、共通のキャリヤC201を示す線の一方側に、第1
遊星歯車機構211のサンギヤS211を示す線が位置
し、又、他方側に第2遊星歯車機構221のリングギヤ
R221を示す線及びサンギヤS221を示す線、第1
遊星歯車機構211のリングギヤR211を示す線とが
位置することになる。
【0028】なお、各遊星歯車機構211、221のギ
ヤ比の関係で第2遊星歯車機構221のリングギヤR2
21を示す線が、キャリヤC201を示す線に隣接して
位置し、出力部材となる。即ち、アウトプットシャフト
280、ドライブギヤ231は、このリングギヤR22
1と連結されている。
【0029】更に、第1遊星歯車機構211のリングギ
ヤR211を示す線が、出力部材であるリングギヤR2
21を示す線に隣接して位置する。前進時の入力要素で
あるキャリヤC201の線上の「1」の長さの位置と、
固定要素を示す線の原点位置とを結んだ直線が、出力部
材(第2遊星歯車機構221のリングギヤR221)を
示す線を横切る位置が出力回転数となるため、この回転
数の値は入力1回転当りの出力回転数となる。
【0030】この共線図から、第2遊星歯車機構221
のサンギヤS221は、点Pで示すように、第2変速段
においてその回転が零になる(停止する)ことが判る。
【0031】ここで、この第1実施例に係る自動変速機
で設定される各変速段について説明する。
【0032】まず第1速は、第1クラッチK211と第
1ブレーキB211を係合させることに伴って第1一方
向クラッチF211が係合することによって設定され
る。即ちキャリヤ201が入力軸241と共に回転する
と、第2遊星歯車機構221のリングギヤR221に出
力側の負荷がかかっているために第1遊星歯車機構21
1のリングギヤR211が逆回転しようとするが、この
リングギヤR211に逆回転方向のトルクがかかると第
1一方向クラッチF211が係合する。その結果リング
ギヤR211の回転が阻止され(即ちリングギヤR21
1に反力トルクが与えられ)、出力部材である第2遊星
歯車機構221のリングギヤR221が入力軸241に
対して大きく減速されて正回転する。
【0033】この第1速での変速比は第1遊星歯車機構
211のギヤ比をρ12、第2遊星歯車機構221のギ
ヤ比をρ22、第2遊星歯車機構221の外周側のピニ
オンギヤとリングギヤの歯数比をγ22とすれば、 (1−ρ12)/(1−ρ12−2・γ22) …(1) で表わされる。
【0034】なおこの第1速でエンジンブレーキを効か
せるためには、第1一方向クラッチF211と並列に設
けられた第3ブレーキB213を係合させ、第1一方向
クラッチF211が空転する方向のリングギヤR211
の回転を阻止する。
【0035】一方、第2速は、第1クラッチK211と
第4ブレーキB214とを係合させることに伴って第2
一方向クラッチF212が係合すると共に第1一方向ク
ラッチF211が空転することによって設定される。即
ち、キャリヤC201が入力軸241と共に回転する
と、第2遊星歯車機構221のリングギヤR221に出
力側の負荷がかかってサンギヤS221が逆転しようと
し、そのために第2一方向クラッチF212が係合して
サンギヤS221が固定され(サンギヤS221に反力
トルクが与えられ)、その結果出力部材であるリングギ
ヤR221は入力軸241の回転を第2遊星歯車機構2
21で連結した回転数で正回転する。従って、この第2
速の変速比は、 1/(1−ρ22) …(2) で表わされる。なお、この場合第1一方向クラッチF2
11はそれまでの係合状態から空転状態へと変化し、第
1遊星歯車機構211のリングギヤR211の正回転を
許容する。
【0036】この第2速は第2一方向クラッチF212
を係合させて設定する関係上、エンジンブレーキを効か
せる場合には、その第2一方向クラッチF212が空転
する方向のサンギヤS221の回転を阻止するために、
第2ブレーキB212を係合させる。
【0037】ここで、サンギヤS221が第2一方クラ
ッチF212によって固定されるということは即ちその
回転が零になる(停止する)ということにほかならな
い。
【0038】第3速は、第1クラッチK211及び第2
クラッチK212を係合させることに伴って第1一方向
クラッチF211が再び係合することにより設定され
る。即ち、第2クラッチK212が係合することで第1
遊星歯車機構211のサンギヤS211が正回転とな
り、第1一方向クラッチF211が係合し、その結果第
1遊星歯車機構211ではキャリヤC201、サンギヤ
S211、リングギヤR211が入力軸241と共に回
転するため、その全体が一体となって回転する。従って
出力部材であるリングギヤR221は入力軸241と等
速度で正回転し、変速比が「1」の直結段となる。
【0039】なお、この場合も、第1一方向クラッチF
211を係合させているため、エンジンブレーキを効か
せる場合には第3クラッチK213を係合させる。又、
第2一方向クラッチF212はこれを連結してある第2
遊星歯車機構221のサンギヤS221がこの第3速で
正転するまで空転状態となり、従って第3速において第
4ブレーキB214を係合させても第4ブレーキB21
4は動力の伝達には関与しない。従って第4ブレーキB
214は変速のために同期解放が必要なものではないた
め、第2速から第3速への変速は第2クラッチK212
を新たに係合させるだけで達成できる。
【0040】第4速は、第1クラッチK211、第2ク
ラッチK212、及び第1ブレーキB211を係合させ
ることによって設定される。即ち、キャリヤC201は
第1遊星歯車機構211と第2遊星歯車機構221とで
共通化されているため、キャリヤC201が入力軸24
1と共に回転すると、第1遊星歯車機構211では第1
ブレーキB211及び第2クラッチK212で固定して
いるサンギヤS211が反力トルクを受け、その結果共
通化されているキャリヤC201がサンギヤS221の
周りを正回転し、第2遊星歯車機構221のリングギヤ
R221が入力軸241に対して増設されて正回転す
る。即ち変速比が「1」より小さいオーバードライブ段
が達成される。この場合の変速比は、 (1−ρ12)/(1−ρ12+2・ρ12・γ22) …(3) で表わされる。
【0041】又この場合、第2遊星歯車機構221のサ
ンギヤS221は、入力軸241より速く正回転するた
め、第4ブレーキB214を係合させておいても、一方
向クラッチF211、F212が空転するため該第4ブ
レーキB214は動力の伝達に関与しない。従って第3
速から第4速への変速は第1ブレーキB211を新たに
係合させるだけで達成でき、円滑な変速が可能である。
【0042】一方、後進段は、第3クラッチK213及
び第3ブレーキB213を係合させることにより設定さ
れる。即ち第2遊星歯車機構221のサンギヤS221
が入力軸241と共に回転すると、共通化されているキ
ャリヤC201に出力側の負荷がかかっている上に、第
1遊星歯車機構211のピニオンギヤP211がロング
ピニオン化されているため、第1遊星歯車機構211の
リングギヤR211が正回転しようとするが、これがブ
レーキB211で固定されていて反力トルクを受け、そ
の結果第2遊星歯車機構221のリングギヤR221が
逆回転する。この場合の変速比は、 (2・γ22−ρ22+ρ12・ρ22)/ (ρ22−ρ12・ρ22−2・ρ22・γ22) …(4) で表わされる。
【0043】上述したように、この自動変速機は、第2
変速段において第2遊星歯車機構221のサンギヤS2
21が第2一方向クラッチF212によって固定される
ため、その回転が停止する構成となっている。
【0044】このことは、このサンギヤS221(の支
持シャフト278)に形成されている油路を介して潤滑
油を供給しようとした場合、第2速段においては、その
ポンプ作用が得られなくなる恐れがあることを意味す
る。そこでこの実施例では次のような潤滑構成を採用し
ている。
【0045】図1に第1、第2遊星歯車機構211、2
21付近の潤滑油路の構成を拡大して示す。
【0046】第1回転軸260には、その中心に軸方向
に潤滑油路260a が形成されている。又、キャリアC
201と第1クラッチK211を連結するインタミネー
テッドシャフト262には、その中心に軸方向に潤滑油
路262a が形成されている。更に、このインタミネー
テッドシャフト262には、その外周にあるブッシュ2
64、266を潤滑するための油路(油孔)262b 、
262c が形成されており、更に、ピニオンギヤP22
1内のラジアルベアリング268、270及びスラスト
ワッシャ272、274、スラストベアリング276、
277あるいは図示せぬその他のブッシュ、ベアリング
を潤滑するための油路262d が形成されている。
【0047】第2遊星歯車機構221のサンギヤS22
1の支持シャフト278は、インタミネーテッドシャフ
ト262の外周に前記ブッシュ264、266を介して
配置されおり、この支持シャフト278の外周に第2遊
星歯車機構221のリングギヤR221と一体回転する
アウトプットシャフト280がブッシュ282、284
を介して配置されている。なお、前述したように、この
アウトプットシャフト280がドライブギヤ231とス
プラインにより一体回転する。
【0048】第2遊星歯車機構221のサンギヤS22
1の支持シャフト278には、主にブッシュ282、2
84を潤滑するための油孔278a 、278b と主にピ
ニオンギヤ内への潤滑油を供給するための油孔278c
が形成されている。
【0049】前記アウトプットシャフト280は、キャ
リアC201に形成された油孔C201a の内周側開口
部C201b と、第2速段で回転の停止するサンギアS
221の支持シャフト278に設けられた潤滑油路27
8c の外周側開口部278dとの間にその一部が延在さ
れている。この延在された部分には、支持シャフト27
8に設けられた潤滑油路278c の外周側開口部278
d からキャリアC201に形成される油路C201a の
内周側開口部C201b に潤滑油を供給するたの潤滑油
路280b が形成されている。
【0050】なお、キャリアC201の内部に設けられ
た潤滑油路C201a を介してピニオンギヤ内のラジア
ルベアリング268、270等を潤滑する構成自体につ
いては従来公知の構成がそのまま適用されている。
【0051】次に、この実施例の、特に潤滑に関する作
用について説明する。潤滑油路260a から油路262
a へと供給された潤滑油は、油孔262d を介して、
又、主にブッシュ264、266の潤滑のために形成さ
れた油孔262b 、262c を介してインタミネーテッ
ドシャフト262の外周へと供給される。この潤滑油
は、更に油孔278c 、あるいは主にブッシュ282、
284を潤滑するために設けられた油孔278a 、27
8b を介して、アウトプットシャフト280のブッシュ
282、支持シャフト278、スラストベアリング27
6で囲まれた油室294へと導かれる。
【0052】ここで、支持シャフト278は第2速段に
おいて停止するものの、アウトプットシャフト280は
前進時及び後退時のいずれのときも常に回転しているた
め、遠心力によるポンプ作用が働いてこの油室294の
オイルはキャリアC201内の油路C201a へと確実
に導かれる。この場合、アウトプットシャフト280は
支持シャフト278より更に外径側にあるため、大きな
ポンプ作用を得ることができ、しかもアウトプットシャ
フト280の回転速度が高くなる程、即ち車速が高くな
る程大きなポンプ作用を得ることができるようになる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
たとえ特定の変速段で停止してしまうような部材を介し
て潤滑油をピニヤオンギヤ内に供給せざるを得ないよう
な構成であったとしても、ポンプ負荷等を高めることな
く、当該特定の変速段を含む全ての変速段で確実に潤滑
油をピニオンギヤ内に供給することができるようになる
という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る潤滑装置の適用された自動変速機
の第1、第2遊星歯車機構の付近を示す拡大断面図
【図2】上記車両用自動変速機の構成を示すスケルトン
【図3】上記自動変速機の具体的な断面構成を示した全
体断面図
【図4】上記自動変速機の各回転メンバの共線図
【図5】上記自動変速機の各摩擦係合要素の係合状態を
示す線図
【図6】従来の技術思想を上記自動変速機に適用した場
合の構成を示す図1対応の比較断面図
【符号の説明】
211…第1遊星歯車機構 221…第2遊星歯車機構 S211、S221、…サンギヤ R211、R221…リングギヤ C201…キャリヤ P211、P221…ピニオンギヤ PS221…ショートピニオンギヤ 241…入力軸 231…ドライブギヤ(出力部材) 262…インタミネーテッドシャフト 278…(サンギヤの)支持シャフト 278a 、278b 、278c …油孔 280…アウトプットシャフト(出力部材) C201a …キャリア内の潤滑油路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャリアが回転自在に支持されると共に、
    ピニオンシャフトが該キャリアに支持され、更にピニオ
    ンギヤが該ピニオンシャフトに支持される遊星歯車機構
    を備え、特定の変速段において回転が停止する回転部材
    に設けられた潤滑油路を経由して、潤滑油を前記キャリ
    ア及びピニオンシャフトに形成した油孔を介して前記ピ
    ニオンギアの支持部に供給する車両用自動変速機の潤滑
    装置において、 前記キャリアに形成される油孔の内周側開口部と前記特
    定の変速段で回転の停止する回転部材に設けられた潤滑
    油路の外周側開口部との間に、出力部材の一部を介在さ
    せ、 この一部に前記回転部材に設けられた潤滑油路の外周側
    開口部から前記キャリアに形成される油孔の内周側開口
    部に潤滑油を供給するための潤滑油路を形成したことを
    特徴とする車両用自動変速機の潤滑装置。
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