JP4370021B2 - 要介護者安否確認システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、遠隔地に居住する家族やホ−ムヘルパー等が、日常的に、且つ電気通信回線の通話料が課金されずに、独居老人,非健常者等の要介護者の安否を容易且つ確実に確認することができる要介護者安否確認システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
日本国内の第1種電気通信事業者(以下、「キャリア」と言う)は、自己の公衆回線交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network 、以下「PSTN」と言う)内において、ローカル局,ゾーン統括局等のいくつかの階層に位置づけられているデジタル交換機の相互を共通線信号方式(JT−Q.764等)にて接続し、生起された呼に関する共通線信号メッセージを各交換機間でやりとりし、適切なルーティング及び課金処理を行っている。
【0003】
その共通線信号メッセージのうち、加入者より呼が生起されたときに生成される、相手先電話番号,発信者電話番号(加入者番号又はISDNの場合は契約者電話番号),呼の属性等、種々のパラメータを含むメッセージをIAM(Initial Address Message) という。PSTN内の各交換機は、このIAMメッセージに格納された相手先電話番号を検出して適切に展開及びルーティングをしたり、また、発信者電話番号を特定して前記発信者に課金を行う等の業務に供されている。このような電気通信サービスでは、発信者電話番号を着信者側に通知する発信者番号通知サービスが各キャリアから提供されている。
【0004】
一方、近似は高齢化社会,核家族化及び地方離れの加速度的進行に比例し、いわゆる独居老人,非健常者,身寄りのない重病人等の介護を必要とする者(以下、「要介護者」という。)が急激に増加している。
【0005】
例えば、身内の殆どが東京へ移住してしまったり、配偶者の死去等によって地方で独居となる老人や、経済的理由や身寄りがないことが原因で、数少ないボランティアや公的介護制度に強く依存せざるを得ない独居の非健常者及び重病人の数は日増しに増加の一途を辿る。
【0006】
かかる状況にあって、各地の介護施設や介護支援団体では、勢力的に介護活動を実施しているが、人的労力の確保が極めて困難なために、一人の介護者(独居老人等の介護を行う者)が多数の要介護者の面倒を見なければならない事態が継続的に続いており、介護レベルの低下を招いている。
【0007】
このような介護レベルの低下を改善する動きとして、例えば特開平9−28681では、在宅独居老人等の安否を監視し、異常検出時に緊急通報する安否確認システムが開示されている。
【0008】
しかしながら、前記安否確認システムは、種々のセンサにて対象者の生活行動を監視し、異常がみられた場合にその対象者宅の電話機を鳴動させて、対象者本人の発声にて音声で無事を確認する構成としているので、その対象者が口のきけない者の場合は、無事の確認がとれずに、異常ではなくても異常であるとご認識されて必ず通報されてしまう欠点がある。
【0009】
また、この通報内容には前記対象者の発声した音声データが含まれることから、通報すると必ずデータ通信(3.1K Audio呼の場合も64K DATA呼の場合も両方が該当)が行われるので、通話料金が課金されることとなる。
【0010】
また、排泄物の有無,体積,温度,不整脈の検出,無呼吸の検出等、あらゆる生体情報を検出するための各種センサが必要であり、大病院の集中治療室(ICU)と互角の設備を要する。そのためには、多額の工事費用,設備費用と、工事の為の時間が必要であり、その結果、経済的に余裕のない多数の要介護者は、このような安否確認システムを導入することができないと予想される。
【0011】
次に、特開平10−56517には、単身で生活している老人など安否を確認するために一般家庭、医療機関や地方団体が利用する生活状況確認システムが開示されている。
【0012】
しかしながら、前記生活状況確認システムは、電気,ガス,水道メータ等から検出した立ち上がり信号等を検出して、その検出時刻を電話回線で送信する構成としている。一般に、電気,ガス,水道メータ等は料金改ざんを防止するため封印されているので、実施できる者はこれらインフラサービスの提供事業者に限定されることが予想される。
【0013】
また、前記生活状況確認システムは、立ち上がり信号等の検出時刻を電話回線で送信するので、必ずデータ通信(3.1K Audio呼の場合も64K DATA呼の場合も両方が該当)が行われ、通話料金が課金されることとなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような現状に鑑み、システム維持コストが殆ど不要で、介護者にも要介護者にも負担をかけずに、遠隔地に居住する家族やホームヘルパー等が、独居老人,非健常者等の要介護者の安否を容易に,且つ確実に確認することができるような要介護者安否確認システムの登場が、要介護者を抱える家族,福祉の現場,地方自治体及び官公庁等から強く切望されていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで発明者は、鋭意研究を重ねた結果、その発明を、要介護者宅内に設置されてドアの開閉,テレビ電源の投入切断,人の往来その他の人の生活行動に関連する情報としての生活情報信号を出力する生活情報検知部と、前記生活情報信号の入力に応じて登録発信先として登録された複数の登録発信先に発呼する発信部と、前記要介護者の名前と,前記発信部に接続される電気通信回線の加入者電話番号又は契約者電話番号とを対応させて格納する要介護者テーブルを記録可能な要介護者情報記録部を設けた発信者情報表示装置とからなり、該発信者情報表示装置は複数の介護者宅内それぞれに備えられると共に、前記要介護者宅内の発信部とは電気通信回線を介して接続され、前記発信部には、前記要介護者の生活行動の発生に応じて複数の登録発信先それぞれに対して発呼してその後速やかに切断する呼制御手段を設け、前記発信者情報表示装置には、電気通信回線から検出される前記要介護者の発信者電話番号に対応した,前記要介護者テーブルから読み出される要介護者の名前データを出力制御する出力インターフェース部を設けると共に、前記発信者情報表示装置の全体を規定されたステップに従って制御実行するための制御部を備えたことを特徴とする要介護者安否確認システム等としたことにより、独居の要介護者による宅内の風呂,トイレ,玄関等のドア開閉、テレビ電源の投入・切断等の生活行動に連動して、かかる生活行動があった事実が電気通信回線を介して遠隔地に居住する家族やホ−ムヘルパー等に通知され、更に、該通知によって発信者情報表示装置が設定情報と比較して安否を確認することができるようになり、前記課題を解決したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の要介護者安否確認システムの主な構成について、図面に基づいて説明する。図1は、その要介護者安否確認システムの概念図である。ここでは、要介護者はA宅に居住しているものとする。そのA宅には、トイレ,風呂,玄関,居間,ベランダ等のドアや窓に任意に設置される第1生活情報検知手段10a(例えばメーク接点,手動復帰接点等),第2生活情報検知手段10b(例えばバネ復帰接点等),第3生活情報検知手段10c(例えばマイクロスイッチ,リミットスイッチ等),第4生活情報検知手段10d(例えば、2以上のメーク接点,手動復帰接点,バネ復帰接点,マイクロスイッチ,リミットスイッチ,磁気センサ,光学センサ,振動センサ,圧力センサ,水位センサ,温度センサ,通電センサ又は赤外線センサ等を直列接続してなる構成としたもの),…からなる生活情報検知部10と、該生活情報検知部10が出力する生活情報信号をトリガにして、登録されている遠隔地に居住する家族やホ−ムヘルパーB宅,C宅,D宅,…等に順次発呼を行う発信部20とが設置される。
【0017】
A宅にアナログ電気通信回線が引き込まれている場合は、該回線に、MJ−11型モジュラージャック30等を介して、発信部が接続される(図1及び図2参照)。また、該発信部20には、アナログポートを1又は2以上設けることもでき、その場合は単独電話端末31(プッシュ回線対応、ダイアル回線対応を問わない)を更に接続することができるが、接続しないこともある。
【0018】
そして、A宅にデジタル統合通信網(ISDN:Integrated Services Digital Network)のデジタル電気通信回線が引き込まれている場合は、該回線に、図示しないいわゆるターミナルアダプタ(TA:Terminal Adapter )が接続され、そのアナログポートに前記発信部20が接続される。本明細書では、「電気通信回線40」といった場合は、前記アナログ電気通信回線と前記デジタル電気通信回線とのいずれか又は両方を呼称することがある。
【0019】
次に、ホームヘルパーのB宅,前記要介護者の家族が居住するC宅及びD宅には、キャリアが提供する、いわゆる発信者番号通知サービスの提供を受けるための表示アダプタ50又は図示しないターミナルアダプタが加入者回線に接続される。ここで、その加入者回線がアナログ電気通信回線である場合も、デジタル電気通信回線である場合も、前記要介護者のA宅における場合と同様、MJ−11等のモジュラージャック30を介して接続されたり、図示しないいわゆるTAを介してそのアナログポートに接続されることがある。また、前記単独電話端末31が前記表示アダプタ50に接続されることがあるが、接続しないこともある。
【0020】
前記表示アダプタ50の動作について簡単に説明すると、図1において要介護者のA宅からホームヘルパーのB宅に着信があるとすると、B宅を収容するキャリアの図示しない加入者交換機は、前記B宅を収容する電気通信回線40に呼出信号を送出する前に、DTMF音によって前記A宅の電話番号,即ち発信者電話番号を、前記B宅の前記表示アダプタ50に送出する。
【0021】
そして、受信された前記発信者電話番号は、前記表示アダプタ50内に設けられることがある図示しないハイブリッド回路等を介して2線−4線変換され、そのDTMF音がデジット信号に変換された後、A/D変換によってデジタルの発信者電話番号データに変換され、RS−232C,RS−422等の規格に準じた図示しない通信インターフェースを介して外部へ出力制御される。
【0022】
前記要介護者A宅に係る発信者電話番号データは、次に、B宅の発信者情報表示装置Tの通信インターフェース部に入力される(図1及び図3参照)。その受信された発信者電話番号データは、A宅の前記要介護者に関する名前,電話番号等の種々の情報が予め設定される要介護者テーブル61a1 に格納されている電話番号データと比較される。
【0023】
そして、一致する電話番号データが前記要介護者テーブル61a1 に存在する場合、対応する要介護者,即ちここでは発信元であるA宅の要介護者の名前,電話番号等が、液晶表示装置等の表示手段68b1 に表示されたり、プリンタ等の印刷手段68b2 に印刷される。
【0024】
ここで、図2において、前記発信部20は、前記生活情報検知部10から出力される生活情報信号が入力されると、それに対応して登録発信先(前記B宅,C宅,D宅及び介護センターE等)に発呼するが、その後速やかに、即ちA宅の発信者電話番号データが、B宅,C宅等の発信者情報表示装置Tに検出されるのに十分な時間(例えば0.6秒程度)経過したら、その呼を切断するように制御する。
【0025】
本明細書では、「発呼」といった場合、アナログ電気通信回線に対しては、加入者交換機側に向けてループを形成して着信先電話番号のDTMF又はダイアルパルスを送出するまでの発信動作をいい、デジタル電気通信回線に対しては、Dチャンネル信号リンクを加入者交換機と確立して、発信者電話番号データと,着信先電話番号データとを含むSETUPメッセージをJT−Q.931信号方式に従って送信する発信動作をいう。特に、前記デジタル通信回線の場合は、いわゆる簡易型携帯電話通信システム(PHS)におけるJT−Q.913−b信号方式に従った発信動作,その他携帯電話通信システムで使用される種々の呼設定プロトコルに従った発信動作の全てを含む概念とする。
【0026】
また、前記発信者情報表示装置Tは、図3に示すように、主に、前記表示アダプタ50を接続するRS232C等の通信インターフェース部62と、RAM等のメモリである第4記憶部64と、本発信者情報表示装置Tの動作を制御する発信者情報表示プログラムと必要な種々のパラメータが格納されるROM等の第3記憶部63bと、要介護者の名前,電話番号等がそれぞれ格納される要介護者テーブル61aを記録可能な第1記憶手段61aと、前記生活情報検知部10が設置される場所,時間帯別の最低着信予定回数等がそれぞれ格納される設定情報テーブル61b1 と、着信履歴が記録されるログテーブル61b2 とを記録可能な第2記憶手段61bと、プリンタ,液晶表示装置,スピーカ等の出力装置からなる出力部68と、これらの各要素を前記発信者情報表示プログラムに基づいて適宜制御する中央演算処理装置(以下、「MPU60b」という。)を含む制御部60と、バスBと、前記制御部60の制御に基づいて前記出力部68に要介護者の安否に係る情報を適宜出力するための出力インターフェース部66とからなる。
【0027】
本明細書では、前記第1記憶手段61aと前記第2記憶手段61bとは、同一の記録媒体として形成されることがあり、これらを総称して「要介護者情報記憶部61」ということがある。また、前記出力インターフェース部66は、スピーカを接続可能な音声出力端子、液晶表示装置やCRTディスプレイを接続可能な映像出力端子、プリンタを接続可能なセントロニクス,RS−232C,RS−422,シリアルポート,パラレルポート,USBその他のいかなるプリンタポート、発光ダイオード(LED)等の発行素子を接続可能な低電圧出力端子,記録装置を接続可能なSCSI端子等、種々の接続インターフェースが設けられる構成とする。
【0028】
各要素について、より具体的に記せば、まず前記第4記憶部64は前記制御部60が演算又はプログラムの実行等をする際に必要なワークエリアを提供することを主目的とするRAM(Random Access Memory)等のメモリであり、種々の演算結果やプログラムを実行した結果や指定された記憶アドレス等が記憶される。
【0029】
その第4記憶部64は、コンピュータの基本ソフト(OS:Operating System )も共用できるものであり、その場合、OSは予め必要なメモリ領域を前記第4記憶部64に確保し、残りの空いているメモリ領域を、演算又はプログラムの実行等をする際に必要なワークエリアとして使用することがある。従って、前記第4記憶部64は中速度以上で読み出し及び書き込み可能な記憶媒体としてのRAM(SIMM,DIMM,DRAM,SRAM,SDRAMその他のRAM)の使用が好ましいが、FD(Flexible Disk/Floppy Disk ),HDD(Hard Disk Drive ),DVD−RAM(Digital Video Disk-RAM),MD,MO(Magneto-Optical Disk),PD等の記録媒体(記録媒体)の他、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory ),フラッシュメモリ,スマートカード(登録商標),スマートメモリ(登録商標),コンパクトフラッシュカードその他のいかなる記録媒体(記録媒体)であっても適用可能である。
【0030】
次に、前記第1記憶手段61aには、要介護者テーブル61a1 が記録されており、該要介護者テーブル61a1 はデータベースとして使用され得るものである。具体的には、前記要介護者テーブル61a1 には、要介護者に関する種々のデータ、即ち、ユニークに割り当てられたコード番号,電話番号,名前(漢字),フリガナ(カタカナ,ローマ字等),住所,家族の連絡先,持病,既往症,投与薬及びその他の備考に関するデータが格納される。
【0031】
この第1記憶手段61aは前述のようにデータベースとして使用され得るものであるから、前記FD(Flexible Disk / Floppy Disk ),前記HDD(Hard Disk Drive ),前記DVD−RAM(Digital Video Disk-RAM),前記MD,前記MO(Magneto-Optical Disk),前記PD等の記録媒体(記録媒体)の他、前記EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)や前記EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory ),前記フラッシュメモリ,前記スマートカード(登録商標),前記スマートメモリ(登録商標),前記コンパクトフラッシュカードその他のいかなる記録媒体(記録媒体)であっても適用可能である。
【0032】
次に、前記第3記憶部63には、本発信者情報表示装置Tにおいて実行されることがある発信者情報表示プログラムと、その実行に必要な種々のパラメータ値とが記録されており、前記制御部60の指令に基づいて、プログラム格納部63bに格納されている前記発信者情報表示プログラムが実行されるとともに、データ格納部63aからはその発信者情報表示プログラムの実行に必要な各種パラメータ値等が読み出され、前記プログラム格納部63bは、前記制御部60の指令に従って適切なパラメータを引用して前記発信者情報表示プログラムの実行を確実に行う。
【0033】
この第3記憶部63は、前記発信者情報表示プログラムが記録されることがあるから、ROM(Read Only Memory),前記FD(Flexible Disk / Floppy Disk ),前記HDD(Hard Disk Drive ),前記DVD−RAM(Digital Video Disk-RAM),前記MD,前記MO(Magneto-Optical Disk),前記PD等の記録媒体の他、前記EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)や前記EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory ),前記フラッシュメモリ,前記スマートカード(登録商標),前記スマートメモリ(登録商標),前記コンパクトフラッシュカードその他のいかなる記録媒体であっても適用可能である。ここで、前記第3記憶部63は、前記要介護者情報記憶部61と物理的に同一の記録媒体として形成されることがある。
【0034】
ここで、前記制御部60は基本ソフトとしてのO/S(Operating System)の実行制御に基づいて制御されることがある。この場合、前記要介護者情報記憶部61にO/S格納部61b3 を設け、又は前記第3記憶部63にO/S格納部63cを設けて、これらのいずれか又は両方に前記O/Sを格納(記録)させておくことがある(図3参照)。前記発信者情報表示プログラムが出力インターフェース部66にデータを出力する際は、前記O/Sの処理を介して実行されることがある。
【0035】
次に、前記制御部60は、前記発信者情報表示装置Tの全体を前記発信者情報表示プログラムに規定されたステップに従って制御実行するためのものであり、前記MPU60bと、通信制御部60aと、入出力制御部60cとを具備する。
【0036】
前記MPU60bはいわゆるCPUであってもよい。前記通信制御部は、前記MPU60bと外部端末(モデム、TA、前記表示アダプタ50等の外部通信装置又は外部通信端末)との間の通信を、前記通信インターフェース部62を介して適宜制御するためのものであり、通信用ドライバ及び前記発信者情報表示プログラムに規定された手順に従って前記外部端末に信号又はメッセージを送り、又はその外部端末から信号又はメッセージを受ける。
【0037】
更に必要があればエラー訂正等も行う。前記通信インターフェース部62はいかなる規格のものでも適用可能であるが、好ましくは通信インターフェースのデファクトスタンダードとなっているRS−232Cに準拠するものとし。RS−422その他の規格のインターフェースでも信号処理が実行できるものとする。前記入出力制御部60cは、マウスやキーボード等の入力部67からの入力信号、及びスピーカや液晶表示装置等の出力部68への出力信号を、前記MPU60bの指令に基づいて適宜制御するためのものであり、入出力制御ドライバ又は前記発信者情報表示プログラムに規定された手順に従って、通信インターフェース部62及び出力インターフェース部66を介して、前記MPU60bが適切に、入力される発信者電話番号データから対応する要介護者を特定したり、前記要介護者に関する情報を前記表示手段68b1 等に適宜出力表示等するものである。
【0038】
以下、本発明の要介護者安否確認システムの好適な実施の形態の一例について、図面に従って説明する。まず、図1及び図2において、要介護者A宅内の主に宅内に設置されることがある生活情報検知部10は、その要介護者が日常の生活において、必ずすることがあると考えられる行動、即ち、トイレのドア,風呂のドア,台所の窓,玄関のドア,部屋のふすまや障子,冷蔵庫のドアその他の扉類を開閉する等の生活行動を検知するため、適宜の場所に前記第1検知手段10a,前記第2検知手段10b,…として設置する。
【0039】
本明細書では、要介護者が日常の生活において、必ずすることがあると考えられる行動に起因して検知される扉類の開閉,電化製品の電源のON/OFF,音の発生/停止,振動の発生/停止,水流の発生/停止その他の行動を、「生活行動」ということがある。また、該生活行動の有無に関する情報を、特に「生活情報」ということがある。
【0040】
前記生活情報検知部10は、前記第1検知手段10a,前記第2検知手段10b,前記第3検知手段10c,前記第4検知手段10d,…の少なくともいずれか一つを有するものであればよい。また、これらの各検知手段はいかなるスイッチ,接点,センサ等でも適用でき、単独で、最も毎日開閉される可能性が高いと思われる部位(冷蔵庫のドアやトイレのドア等)に設置してもいいし、第1検知手段10a,第2検知手段10b,…としてあらゆる扉類等に並列接続とした形態で設置する構成としてもよい。
【0041】
例えば、上記第4検知手段10dの場合、2以上の接点が連続してONになったとき(負論理の場合はOFF)、又は2以上のセンサが連続してONになったとき(負論理の場合はOFF)に、全体として生活情報が検知される構成とすることがある。より具体的には、洗面所の奥に風呂場が設置されている構造の家屋では、一旦洗面所のドアに設置される前記第4検知手段10dの片方の接点がONとなり、その後風呂場のドアに設置されるもう一方の前記第4検知手段10dの接点がONとなって、全体として生活情報が検知される構成とすることがある。
【0042】
また、本発明の要介護者安否確認システムにおいては、特に要介護者が一日に一回は必ず電源の投入又は切断をすると思われるテレビ11に設置して、該テレビ11の通電の有無を検出するためのテレビ電源検知手段10eを設けることがある。このテレビ電源検知手段10eは、前記テレビ11の電源コードに直列又は並列に挿入される通電センサでもよいし、前記テレビ11本体内の電源トランスへの通電を検知する通電センサでもよいし、前記テレビ11の赤外線リモコンから発射される赤外線を検知する赤外線センサでもよいし、通電された前記テレビ11本体の周囲温度の上昇又は低下を検知する温度センサであってもよいが、好ましくは、前記テレビ11の図示しないイヤホン出力端子に出力される音声出力信号を検知する圧電センサとする。
【0043】
前記圧電センサとは、例えば圧電振動板に入力される電圧に応じて音を発する圧電発音体10e1 と、該圧電発音体10e1 が空間に発する音を検知して電気信号に変換する圧電受音体10e2 とを対向設置する構成とし、これらを筐体で覆う。前記テレビ11がONになれば、そのイヤホン端子からは音声出力信号が出力されるので、これを前記テレビ電源検知手段10eで検知することにより、要介護者の安否を確認することができる。以上の各検知手段は、正論理でも負論理でもよく、それぞれの検知結果はOR論理又はAND論理で制御されることがある。
【0044】
要介護者の生活行動に起因して発生するイベントのぞれぞれは、前記第1検知手段10a,第2検知手段10b,…で逐次検知されて電気信号に変換されるが、この電気信号を、特に「生活情報信号」ということがある。この生活情報信号は前記発信部20に入力される。即ち、波形整形手段20gに入力される。該波形整形手段20gは、前記生活情報信号の入力波形におけるインパルス部分(チャタリングを起こして瞬間的に高電圧となった部分)のを制限して、前記発信部20を高電圧から保護するためのものであり、例えばCR積分器やリミッタ回路が適用できるが、これらに限定されない。
【0045】
前記発信部20のタイマ手段20aは、入力される前記生活情報信号の入力継続時間を測定するものである。具体的には、例えば前記第1検知手段10a,第2検知手段10b,…全てが開放状態であって、要介護者がテレビ11の電源を投入又は切断すると、前記テレビ電源検知手段10eが通電の有無を検知して生活情報信号が送出され、前記タイマ手段20aに入力される。該タイマ手段20aは、タイマ値変更手段20a1 によって設定された所定時間以上、その生活情報信号が入力されると、それを「1回」とカウントする。
【0046】
その結果、次のトリガ信号送出手段20bに、発呼を1回だけすることを促すためのトリガ信号を生成することを許容するので、該トリガ信号送出手段20bは、例えば正又は負のトリガパルスを呼制御手段20cに出力する。前記トリガ信号送出手段20bは、入力信号の有無に応じて状態遷移するフリップフロップ回路等が適用されることがあるが、これに限定されない。前記タイマ値変更手段20a1 は、タイマ値の設定及び変更を任意に行うことができ、具体的にはCR回路で定まる時定数を設定又は変更することで実現することがあり、可変コンデンサ及び可変抵抗等をツマミで回転調節する構成とすることがある。
【0047】
また、前記タイマ手段20aは、設定された所定時間以内に前記生活情報信号が再入力されても、それを「1回」とカウントする構成とすることがある。この場合、前記タイマ手段20aは、前回入力された生活情報信号の受信完了から極めて短時間,例えば数百ミリ秒乃至数ミリ秒の後、タイマをリセットして新たに計時を開始できる構成とする。その結果、前記トリガ信号送出手段20bは、例えば正又は負のトリガパルスを呼制御手段20cに出力した直後でも、引き続き連続して起こる要介護者の生活行動を漏らさずに検知して確実に発呼することができる。
【0048】
そして、前記呼制御手段20cは、前記トリガ信号送出手段20bからトリガ信号が入力されると、登録されている発信先に発呼する。具体的には、要介護者の安否を通知すべきホームヘルパー及び要介護者の家族等の電話番号を、発信先として発信先電話番号設定手段20eから発信先電話番号記憶手段20fに設定記憶(登録)しておく。
【0049】
前記発信先電話番号設定手段20eは、例えばテンキーでもいいし、単一のボタンとして押下した回数を入力された数字として逐次登録するような簡易な構造としてもよい。前記発信先電話番号記憶手段20fは、具体的には、電源断でも記憶内容を保持できる不揮発性メモリのような記録媒体が好ましく、例えば、ROM(Read Only Memory),FD(Flexible Disk / Floppy Disk ),HDD,CD−ROM,DVD−RAM,DVD−ROM,MD,MO,PD等の記録媒体の他、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory ),フラッシュメモリ,スマートカード(登録商標),スマートメモリ(登録商標),コンパクトフラッシュカードその他のいかなる記録媒体(又は記憶媒体)であっても適用可能である。
【0050】
前記呼制御手段20cは、前記トリガ信号を受けると、前記発信先電話番号記憶手段20fに登録されている発信先を読み出して、その電話番号に対して発呼する。具体的には、図9(A)に示すように、まず、データ1に登録されている発信先に発呼して、その後速やかにその呼を切断する。そして、次のデータ2に登録されている発信先に発呼して、その後速やかにその呼を切断し、次に…という要領で、登録されている発信先全てに順次発呼及び切断を実行する。
【0051】
その発呼から切断までの、要介護者A宅(発信側)から介護者B宅,C宅,D宅,…(着信側)までの信号のやりとりについて、図5を用いて説明する。要介護者A宅の前記発信部20による発呼は、その要介護者A宅を収容する電気通信事業者の発信側ローカル交換機で検出され、IAM(Initial Address ,Message)信号として着信側ローカル交換機に到達する。
【0052】
着信側ローカル交換機は、収容する介護者B宅,C宅,D宅,…の表示アダプタ50に接続される電気通信回線40の極性を反転させるとともに(アナログ電気通信回線の場合)、又は収容する介護者B宅,C宅,D宅,…の図示しないターミナルアダプタに接続される電気通信回線40にSETUP信号を送出するとともに(デジタル電気通信回線の場合)、発信側に対してACM信号(Address Complete Message)を返送して前記IAM信号が確実に到着した旨を伝える。ここで、前記IAM信号には、発信側の要介護者A宅の加入者電話番号又は契約者電話番号がデータとして含まれている。
【0053】
そして、前記着信側ローカル交換機は、介護者B宅,C宅,D宅,…の表示アダプタ50に対して起動信号を送出する(アナログ電気通信回線の場合)。該起動信号を受信した前記表示アダプタ50は、一時応答信号を着信側ローカル交換機に返送する。該着信側ローカル交換機は、前記IAM信号に含まれる要介護者宅Aの加入者電話番号又は契約者電話番号を、発信者電話番号データとして、DTMF信号等にて前記表示アダプタ50に対して送出する。
【0054】
前記発信者電話番号データは、表示アダプタ50の図示しないRS―232Cインターフェース等を介して、前記発信者情報表示装置Tに伝送される結果、該発信者情報表示装置Tで前記要介護者宅Aで生活行動が起きたことを確認することができる。この場合、介護者B宅,C宅,D宅,…の発信者情報表示装置Tが応答することはない。したがって、介護者B宅,C宅,D宅,…の表示アダプタ50から着信側ローカル交換機にANM信号(ANswer Message)が返送されることもない。
【0055】
ここで、前記呼制御手段20cは、発呼の完了後速やかに、例えば前記IAM信号が着信側ローカル交換機に到達して介護者宅B,C,D,…の発信者情報表示装置Tに十分到達していると考えられるだけの期間、例えば0.5秒乃至1秒程度経過後、電気通信回線40の切断処理を行うこととする。このようにすると、前記発信部の切断信号(ループ開放等)によってREL信号(RELease )がPSTN内で伝送され、着側交換機は、収容する電気通信回線40の極性を復極させるとともに、発側交換機に対してRLC信号(ReLease Complete)を返送して、PSTN内の回線捕捉を解除する。
【0056】
次に、前記表示アダプタ50から要介護者A宅の発信者電話番号データを受け取った前記発信者情報表示装置Tは、主に図4に示すような発信者情報表示プログラムの実行処理を行う。即ち、介護者B宅,C宅,D宅,…の表示アダプタ50に前記着信側ローカル交換機から起動がかかって、発信者電話番号データが送出されると、前記発信者情報表示装置Tに着信呼び出しがかかる(S100)。
【0057】
その着信呼び出し時に発信者電話番号データが含まれていれば(S101)、該発信者電話番号データを検出する。具体的には、図3で、発信者情報表示装置Tの通信インターフェース部62に前記発信者電話番号データを含む着信呼び出し信号が入力されると、前記MPU60bは、通信制御部60aにて前記発信者電話番号データだけを検出して(S102)、前記第4記憶部64に展開する(S103)。
【0058】
次に、前記MPU60bは、前記要介護者テーブル61a1 の内容を前記第4記憶部64に展開し(S104)、前記第4記憶部64に展開された受信に係る発信者電話番号と同一の電話番号を含む要介護者のレコードを、前記要介護者テーブル61a1 で検索する〔図9(B)参照〕。その結果、一致する電話番号を含むレコードが存在する場合は(S106)、対応する要介護者の名前と、その特定された要介護者に関する持病,病歴,投与中の薬剤,対処方法,家族構成,家族の連絡先その他の関連情報に係るデータを、前記第4記憶部64にロードして展開する(S111)。
【0059】
ここで、前記要介護者テーブル61a1 の検索は、好ましくはインデックス検索とする。例えば、図9(B)における要介護者テーブル61a1 の一例では、コード番号又は電話番号をインデックス(又は主キー)として設定することがある。特に、電話番号をインデックスとした場合は、着信した信号から検出されるデータが要介護者宅の発信者電話番号であるから、ヒットするまでの時間を最小にすることができるという利点がある。
【0060】
また、本発明の要介護者安否確認システムでは、S106における前記要介護者テーブル61a1 の検索を実行する前に、電気通信回線に着信して検出された発信者電話番号と、その検出時間のタイムスタンプとを、前記表示手段68b1 に表示出力したり、前記印刷手段68b2 に印刷出力したり、前記音声出力手段68a又は前記警報出力手段68cに音声出力するために、それぞれの信号形式で前記出力インターフェース部66に出力制御することがある(S105)。この場合は、検出される発信者電話番号が要介護者のものではなく他人からの着信に係る発信者電話番号であっても、全ての着信履歴がイベント毎に出力される。
【0061】
次に、前記MPU60bは、前記第4記憶部64に展開された要介護者の名前及び関連情報のデータを、入出力制御部を介して出力インターフェース部66に送出し、出力部が接続されていればいつでもその要介護者の名前及び関連情報を、前記表示手段68b1 に表示出力又は前記印刷手段68b2 に印刷出力することができる状態にする(S112)。
【0062】
具体的には、前記入出力制御部60cは、前記MPU60bの指令が表示手段に表示するという内容の場合、その要介護者の名前及び関連情報に係るデータを表示手段68b1 に表示できるよう適式なデータフォーマットに変換して、前記表示手段68b1 が接続される出力インターフェース部66の出力ポートに出力する(S112)。前記表示手段68b1 は、キャラクタディスプレイ,液晶表示装置,プラズマディスプレイその他のいかなる表示装置でもよい。
【0063】
前記MPU60bの指令が音声出力手段68aに出力するという内容の場合は、その要介護者の名前及び関連情報に係るデータの音声読み上げが既に前記設定情報テーブル61b1 に設定されていれば(S108)、前記音声出力手段68aに出力して音声信号として再生されるよう、対応する要介護者の名前等の発声データ(音声ファイルのデータ)を前記第4記憶部64にロード(展開)し(S109)、適式な電気信号に変換して、前記音声出力手段68aが接続される出力インターフェース部66の出力ポートに出力することがある。前記音声出力手段68aは、スピーカ,ヘッドホン,イヤホン,ヘッドセットその他のいかなる音声出力装置でもよく、その音声出力手段68aにて要介護者の名前(又は関連情報も)が読み上げられ又は再生される(S110)。
【0064】
前記MPU60bの指令が印刷手段68b2 に出力するという内容の場合は、その要介護者の名前及び関連情報に係るデータを印刷手段68b2 に出力して紙媒体に出力されるよう、適式な電気信号に変換して、前記印刷手段68b2 が接続される出力インターフェース部66の出力ポートに出力する。前記印刷手段68b2 は、インクジェットプリンタ,レーザープリンタ(ページプリンタ),ドットマトリクスプリンタ,ラインプリンタその他のいかなる印刷装置でもよいが、好ましくは小型のドットマトリクスプリンタとする。
【0065】
前記MPU60bの指令が警報出力手段68cに出力するという内容の場合は、その要介護者の名前及び関連情報に係るデータをその警報出力手段68cに出力して、介護者が視聴覚的に認識できるよう、適式な電気信号に変換して、前記警報出力手段68cが接続される出力インターフェース部66の出力ポートに出力する。前記警報出力手段68cは、スピーカ,圧電ブザー,チャイム,ベル,ライト,ランプ,発光ダイオード,振動用モータその他のいかなる警報を視聴覚的に出力できる装置でもよい。
【0066】
ここで、本発信者情報表示装置Tにおける入力部67は、マイク等の音声入力手段67a、ペンで文字,記号等のデータを入力するペン入力手段67b1 、キーボード,マウス等のデバイス入力手段67b2 のいずれかを有する構成とし、これらから入力されるデータは、入力インターフェース部65を介して前記入出力制御部60cに伝達され、前記MPU60bで適宜に解析処理される。
【0067】
本明細書では、前記ペン入力手段67b1 と前記デバイス入力手段67b2 とを合わせてデータ入力部67bと呼称することがある。また、前記表示手段68b1 と前記印刷手段68b2 とを合わせてデータ出力部68bと呼称することがある。前記入力部67は、前記音声入力手段67aと、前記データ入力部67bの前記ペン入力手段67b1 ,前記デバイス入力手段67b2 との少なくともいずれかひとつを具備していればよく、前記出力部68は、前記音声出力手段68aと、前記データ出力部68bの前記表示手段68b1 ,前記印刷手段68b2 と、前記警報出力手段68cとの少なくともいずれかひとつを具備していればよい。
【0068】
次に、前記MPU60bは、S106及びS111で実行される、受信された要介護者からの着信履歴について、前記第2記憶手段61bのログテーブル61b2 に書き込み、記憶保存(又は記録)することがある(S113)。そのログテーブル61b2 には、好ましくは、受信された要介護者の発信者電話番号と、その要介護者の名前とが記憶保存され、理想的には対応する警告メッセージ(又は警告レベル)も記憶保存して、いつ、どの要介護者について、どのような警告が発生したか履歴を保存できるようにする。S112で要介護者の名前及び関連情報データが印刷手段68b2 に継続的(自動的)に送出される構成となっていれば、S113,S114及びS115を省略することがある。
【0069】
そして、本発明の要介護者安否確認システムでは、前記ログテーブル61b2 の内容を、定期的に又はイベント発生毎に、前記印刷手段68b2 に出力するために、前記出力インターフェース部66に出力することがある(S114)。また、前記音声出力手段68aを介して音声として読上げるために、音声出力信号を前記出力インターフェース部66に出力することがある(S115)。S114とS115は、共に実行されることができ、又はいずれか一方を選択して実行することもできる。そして、前記表示アダプタ50に接続される電気通信回線40は、前述したように発呼から適宜の時間経過後、要介護者の発信部20側から切断され(発信者先掛け)、速やかに復旧される(S116)。
【0070】
次に、本発明の要介護者安否確認システムが、その要介護者の安否をどのように確認するかについて、説明する。図10は、前記発信者情報表示装置Tの第2記憶手段61bに記憶されることがある設定情報テーブル61b1 の設定の一例である。
【0071】
まず、要介護者A宅に設置される生活情報検知部10の設置場所を設定する。例えば、ID番号M5203の要介護者「斎藤キク」宅Aについて、トイレドアに前記生活情報検知部10を設置して、そのトイレドアの開閉がある毎に、該開閉を生活行動とみなして、その要介護者A宅に設置される発信部20が介護者B宅,C宅,D宅,…のそれぞれに順次発呼して、要介護者Aである「斎藤キク」に生活行動があったことを通知することとする。そのため、設定内容「トイレドア」について、起動フラグ「1」を立てる。
【0072】
次に、3段階等にレベル分けされる警告レベル毎に、前記要介護者Aの生活行動に異常があるか否かを判定する基準となる警告開始時間と警告終了時間とを定義する。ここでは、警告レベル1については6時30分から12時までで、警告レベル2については12時01分から18時までで、警告レベル3については6時30分から22時までの全日で、生活行動の異常の有無を判定するものとして設定する。
【0073】
このような警告情報は、図7に示すような設定画面にて設定されることがある。前記警告レベル1は、設定時間内に前記要介護者A宅からの発呼が1回未満(即ちゼロ回)の場合に、警告メッセージ文1を出力する設定である。以下、同様に、前記警告レベル2は、設定時間内に前記要介護者A宅からの発呼が2回未満の場合に、警告メッセージ文2を出力する設定である。前記警告レベル3は、設定時間内に前記要介護者A宅からの発呼が7回以下の場合に、警告メッセージ文3を出力する設定である。
【0074】
その警告メッセージ文1,2及び3は、それぞれ図7に示すようなテキスト文とすることがあり、図10に示す前記設定情報テーブル61b1 に設定記憶されている。このような設定情報に基づいて、図6に示すような事例で前記要介護者A宅で異常があったと仮定する。
【0075】
即ち、図6で、正常なパターンとして、要介護者A「斎藤キク」は、通常、午前中は3回、午後12時から18時までは2回、同18時から22時までは2回。トイレに行くものとする。このとき、午前中に1回もトイレに行っていないとすると、前記生活情報検知部10は生活情報を検知しないので、前記要介護者A宅の発信部20は1度も発呼しない。
【0076】
その結果、図7及び図10に示したような設定に基づいて、警告レベル1に対応する警告メッセージ文1に係るデータが、前記MPU60bの指令によって、前記出力インターフェース部66に送出される(図4のS107参照)。その結果、前記警告メッセージ文1が、前記要介護者A「斎藤キク」の名前,発信者電話番号,前記生活情報検知部10の設置場所等とともに表示手段68b1 に警告情報としてのテキストデータとして表示される(図8参照)。その際は、前記音声出力手段68a又は前記警報出力手段68cにも前記出力インターフェース部66から出力信号が伝送されて、警告音等が出力されることがある。
【0077】
また、午後12時から18時までの間に1回しかトイレに行っていないとすると、前記生活情報検知部10はその1回だけ生活情報を検知して、前記要介護者A宅の発信部20は1度だけ介護者B宅,C宅,D宅,…のそれぞれに順次発呼する。その結果、図7及び図10に示したような設定に基づいて、警告レベル2に対応する警告メッセージ文2に係るデータが、前記MPU60bの指令によって、前記出力インターフェース部66に送出される。その結果、前記警告メッセージ文2が、前記要介護者A「斎藤キク」の名前,発信者電話番号,前記生活情報検知部10の設置場所等とともに前記表示手段68b1 に警告情報としてのテキストデータとして表示される(図8参照)。その際は、前記音声出力手段68a又は前記警報出力手段68cにも前記出力インターフェース部66から出力信号が伝送されて、警告音等が出力されることがある。
【0078】
また、午前6時30分から22時までの間に合計3回しかトイレに行っていないとすると、前記生活情報検知部10は3回だけ生活情報を検知して、前記要介護者A宅の発信部20は3度だけ介護者B宅,C宅,D宅,…のそれぞれに発呼する。その結果、図7及び図10に示したような設定に基づいて、警告レベル3に対応する警告メッセージ文3に係るデータが、前記MPU60bの指令によって、前記出力インターフェース部66に送出される。その結果、前記警告メッセージ3が、前記要介護者A「斎藤キク」の名前,発信者電話番号,前記生活情報検知部10の設置場所等とともに表示手段68b1 に警告情報としてのテキストデータとして表示される(図8参照)。その際は、前記音声出力手段68a又は前記警報出力手段68cにも前記出力インターフェース部66から出力信号が伝送されて、警告音等が出力されることがある。
【0079】
このような警告情報の出力は、発信者情報表示装置Tの出力インターフェース部66に接続される印刷手段68b2 に、定期的に又は警告イベントが発生する毎に自動的に印刷出力するよう、前記MPU60bが前記出力インターフェース部66を出力制御することがある。その印刷出力結果の一例を図11に示す。
【0080】
ここで、本発明の要介護者安否確認システムは、前記警告メッセージ文1,2及び3の替わりに,又は共に、要介護者の生活行動の異常レベルの程度に対応する人相を形象するグラフィックデータを前記出力インターフェース部66に出力制御することがある。
【0081】
具体的には、図8に示すように、異常レベルが低く安否に問題がない可能性が高い警告レベル1の場合は比較的元気な表情の第1異常パターン70,異常レベルが中程度で安否に問題がある可能性がやや高い警告レベル2の場合は比較的元気のない表情の第2異常パターン71,異常レベルが高く安否に問題がある可能性が極めて高い警告レベル3の場合は救助を求める表情の第3異常パターン72、というように、その生活行動の異常レベルの程度に対応する人相がグラフィックデータに形象されて前記出力インターフェース部66に出力される。
【0082】
その結果、前記第1異常パターン等のグラフィックデータが、前記出力インターフェース部66に出力制御され、例えば前記表示手段68b1 に表示されたり、前記印刷手段68b2 に印刷出力されることとなる。これらの人相を形象するグラフィックデータは、図10に示す前記設定情報テーブル61b1 に設定記憶されることができ、そのデータ形式は、スキャンされた写真やドローツールで作成された描画のJPEG形式,TIFF形式,GIF形式,BMP形式,QuickTime (登録商標)形式,AVI形式,PICT形式その他のいかなるデータ形式のグラフィックデータであってもよい。
【0083】
図13は、本発明の要介護者安否確認システムの別の実施形態で、前記生活情報検知部10として温度センサとリミッタとを適用し、気温の監視を行うものである。茶畑や農場において、明け方に降霜が始まった場合、その気温の低下を検知して発信部20が、その茶畑等の管理を行っている管理者B宅,C宅,D宅,…に順次発呼する。これにより、前記管理者B宅等において、どこの茶畑で降霜が始まったかを直ちに知ることができるので、現地に最も近い作業者に適切に対処の指示を速やかに出すことができる等の優れた利点がある。
【0084】
以上、本発明の要介護者安否確認システムにおける発信者情報表示装置Tは、いわゆるモバイルコンピュータ端末,ノートブック型コンピュータ端末,デスクトップ型コンピュータ端末,ラップトップ型コンピュータ端末.携帯型端末(PDA),携帯電話端末,PHS(Personal Handy phone System ),専用端末その他のいかなる装置でも好適に動作させることができる。
【0085】
また、前記第3記憶部のような、発信者情報表示プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、図14に示す形態を取り得る。即ち、前記発信者情報表示プログラムは、CD−ROM,MO,DVD−ROM,PD等の円盤状記録媒体74,フロッピーディスク75,RAM等のメモリチップ71,EPROM,スマートカード(登録商標),スマートメディア(登録商標)等の書換可能なROM72等に記録することができ、コンピュータ読取り可能である。そして、円盤状記録媒体ドライブ又はフロッピーディスクドライブからSCSIポート,USBポート,IEEE1394ポート等を経由して、デスクトップ型コンピュータ70に前記発信者情報表示プログラムを転送することもできる。この場合は、そのデスクトップ型コンピュータに内臓又は外付けされるハードディスク73等の記憶媒体又は記録媒体に前記発信者情報表示プログラムが記録(記憶)される。
【0086】
また、本発明の要介護者安否確認システムは、前記設定情報テーブル61b1 の設定回数を変更して、適宜、要介護者の生活行動が通常よりも多い場合に、異常と判定して、出力表示,印刷出力,警告等することがある。
【0087】
また、本発明の要介護者安否確認システムは、前記発信者情報表示装置Tを使用せずに、前記表示アダプタ50を前記印刷手段68b2 に直接接続する構成とすることがある。この場合、前記制御部60と,前記要介護者情報記憶部61と,前記第3記憶部63と,前記第4記憶部64とを、例えばオンボードとしたり、ワンチップに構成した超集積回路LSI(又は集積回路IC)としたり、カスタムメイドとした特定用途向けIC(ASIC)として構成して、前記印刷手段68b2 内に設けることがある(図12参照)。
【0088】
【発明の効果】
請求項1の発明では、要介護者宅内に設置されてドアの開閉,テレビ電源の投入切断,人の往来その他の人の生活行動に関連する情報としての生活情報信号を出力する生活情報検知部10と、前記生活情報信号の入力に応じて登録発信先に発呼する発信部20と、前記要介護者の名前と,前記発信部20に接続される電気通信回線の加入者電話番号又は契約者電話番号とを対応させて格納する要介護者テーブル61a1を記録可能な要介護者情報記録部61を設けた発信者情報表示装置Tとからなり、該発信者情報表示装置Tは複数それぞれの介護者宅内に備えられると共に、前記要介護者宅内の発信部20とは電気通信回線40を介して接続され、前記発信部20には、前記要介護者の生活行動の発生に応じて登録発信先に発呼してその後速やかに切断する呼制御手段29cを設け、前記発信者情報表示装置Tには、電気通信回線40から検出される前記要介護者の発信者電話番号に対応した,前記要介護者テーブル61a1から読み出される要介護者の名前データを出力制御する出力インターフェース部66を設ける共に、前記発信者情報表示装置Tの全体を規定されたステップに従って制御実行するための制御部60を備えた要介護者安否確認システムとしたことによって、遠隔地に居住する家族やホ−ムヘルパー等の複数の介護者宅において、日常的に、且つ電気通信回線40の通話料が課金されずに、独居老人,非健常者等の要介護者の安否を容易且つ確実に確認することができる。
【0089】
すなわち、要介護者宅に設置される前記生活情報検知部10及び発信部20と、介護者側に設置される要介護者情報記録部61を設けた発信者情報表示装置Tとからなる構成としたことによって、要介護者による日常生活での生活行動をトリガにして、電気通信回線40で確実にその生活行動の有無を確認することができるので、遠隔地に居住する家族やホ−ムヘルパー等の複数の介護者宅において、日常的に、独居老人,非健常者等の要介護者の安否を容易且つ確実に確認することができるという極めて優れた効果を有する。
【0090】
更に、前記発信部20には、前記要介護者の生活行動の発生に応じて登録発信先に発呼してその後速やかに切断する呼制御手段20cを設け、前記要介護者情報記録部61には、前記要介護者の名前と,前記発信部の接続される電気通信回線の加入者電話番号又は契約者電話番号とを対応させて格納する要介護者テーブル61a1 を設ける構成としたことにより、PSTN網側にANM信号を返すことなく、要介護者の安否を確認することができる。
【0091】
すなわち、要介護者宅の発信部20が何回発呼しても、着信側が応答することがないので、PSTN網で課金されることがない。したがって、要介護者と介護者との両者は、少なくとも電気通信回線40に係る通話料を一切負担することなく、従来提案されている種々の安否確認システムよりも、格段のローコスト,維持費及び導入費にて、速やかに本要介護者安否確認システムを使用することができるという極めて優れた利点も有する。
【0092】
更に、前記発信部20の発呼による回線占有時間は、せいぜい数秒程度であるから、本発明の要介護者安否確認システムが広い地域で実施されたとしても、キャリアの交換機及びPSTNに対して輻輳を生じることもない。したがって、いわゆるコールバックサービスのように網側に負担をかけることが全くない状態で、要介護者の安否を確認できるという極めて優れた利点もある。
【0093】
次に、請求項2の発明では、請求項1記載において、前記要介護者情報記憶部61には、前記生活情報検知部10が設置される場所と,時間帯別の最低着信予定回数と,前記時間帯と,これらに対応する具体的な警告メッセージ文とをそれぞれ設定記憶する設定情報テーブル61b1 を設け、出力インターフェース部66は、前記発信部20からの着信回数を計測して、設定時間帯に設定回数だけ着信がなかったときに、前記設定時間帯に対応する警告情報を出力する要介護者安否確認システムとしたことによって、要介護者の日常の行動パターンを設定情報として設定記憶しておくことができ、その設定情報を基準にして異常と考えられる状態が検出された場合、介護者の発信者情報表示装置Tに電気通信回線40を介して確実にその異常が通知される。
【0094】
その結果、請求項1の発明による極めて優れた効果に加えて、要介護者の安否に関して警告情報を得ることができるようになって、更に確実に要介護者の安否を確認することができるようになるという極めて優れた効果を有する。
【0095】
次に、請求項3の発明は、請求項2記載において、前記警告情報は、要介護者の生活行動の異常について具体的に警告する内容の警告メッセージ文データである要介護者安否確認システムとしたことによって、より具体的に要介護者の安否について想定される状態を適切に表現した警告メッセージ文データを前記出力手段に出力することができる。
【0096】
その結果、介護者は、要介護者がどのように異常なのかを直ちに知ることができるので、請求項3の発明による極めて優れた効果に加えて、要介護者の安否に関して更に詳しい警告情報を得ることができるようになって、更に確実に要介護者の安否を確認することができるようになるという極めて優れた効果を有する。
【0097】
具体的には、例えば介護者がホームヘルパーである場合、一人の介護者は複数の要介護者について安否を確認しなければならないが、本願発明では要介護者を複数登録しておくことができる構成としたので、複数の要介護者から同一介護者に着信があっても、確実に識別することができ、しかもその着信に係る要介護者に個別対応する詳細情報(住所,既往症,…)及び警告メッセージ文を出力して確実に介護者に認識させることができるという極めて優れた効果を有する。
【0098】
更には、前記介護者が、例えば要介護者の家族に係る子供1人のみのような場合は、その要介護者として、ヘルパーに加えて、その子供一人も登録することができるので、家族であるその要介護者に係る安否のみを確認できるようにすることもできるという利点もある。
【0099】
次に、請求項4の発明では、請求項2記載において、前記警告情報は、要介護者の生活行動の異常レベルの程度に対応する人相を形象するグラフィックデータである要介護者安否確認システムとしたことによって、より具体的に要介護者の安否について想定される状態を適切に表現した警告情報を前記出力手段に出力することができる。
【0100】
その結果、介護者は、要介護者がどのように異常なのかを直ちに知ることができるので、請求項2の発明による極めて優れた効果に加えて、要介護者の安否に関して更に詳しい警告情報を得ることができるようになって、更に確実に要介護者の安否を確認することができるようになるという極めて優れた効果を有する。
【0101】
具体的には、例えば介護者がホームヘルパーである場合、一人の介護者は複数の要介護者について安否を確認しなければならないが、本願発明では要介護者を複数登録しておくことができる構成としたので、複数の要介護者から同一介護者に着信があっても、確実に識別することができ、しかもその着信に係る要介護者の生活行動の異常の程度に個別対応する人相が、グラフィックデータとして形象的に出力されるので、一見して確実に、要介護者の異常の程度を介護者に認識させることができるという極めて優れた効果を有する。
【0102】
更には、前記介護者が、例えば要介護者の家族に係る子供1人のみのような場合は、その要介護者を、ヘルパーに加えて、その子供一人も登録することができるので、家族であるその要介護者に係る安否のみを確認できるようにすることもできるし、その着信に係る要介護者の生活行動の異常の程度に個別対応する人相が、グラフィックデータとして形象的に出力されるので、子供でも容易にして直ちに要介護者の異常の程度が認識できるという利点もある。
【0103】
次に、請求項5の発明は、請求項1,2又は3記載において、前記要介護者情報記憶部61は、前記発信部20からの着信に連動して、その着信履歴としての前記要介護者の電話番号データ,名前データ,着信時刻データ及び対応する前記警告メッセージデータを記憶するログテーブル61b2 を記録し、前記発信者情報表示装置Tが前記ログテーブル61b2 に記憶された内容を前記出力部68に順次印刷出力する要介護者安否確認システムとしたことによって、要介護者宅からの着信履歴を、いつでも紙媒体等で一見して確認することができるようになる。
【0104】
その結果、請求項1,2又は3の発明による極めて優れた効果に加えて、介護者が発信者情報表示装置Tの表示画面を見逃したり別の画面に切り替えてしまっても、常に、要介護者宅から、いつ、何回発信があったか、警告は出ているか、等の安否を確認するのに極めて重要な情報を、漏れ無く保存しておくことができるので、更に確実に要介護者の安否を確認することができるようになるという極めて優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要介護者安否確認システムの構成を示す概略図
【図2】主に要介護者宅に設置される生活情報検知部及び発信部のブロック図
【図3】主に介護者宅に設置される発信者情報表示装置のブロック図
【図4】発信者情報表示装置が要介護者宅の発信部からの発呼を受信して、その要介護者安に関する情報の出力、生活行動の異常を検出して通知する警告を実行する発信者情報表示プログラムのフローチャート図
【図5】要介護者宅の発信部から介護者宅の発信者情報表示装置までの呼制御信号シーケンス図
【図6】本発明の要介護者安否確認システムが、要介護者の生活行動に異常を検出する判定基準の概念図
【図7】発信者情報表示装置における要介護者の生活行動の異常を判定する設定画面の一例を示す状態図
【図8】発信者情報表示装置が、要介護者の生活行動に異常を検出したときの警告画面の一例を示す状態図
【図9】(A)は発信部の発信先電話番号記憶手段に記憶される発信先電話番号のデータ構造の一例を示す概略図(B)は要介護者テーブルのデータ構造の一例を示す概略図
【図10】設定情報テーブルのデータ構造の一例を示す概略図
【図11】発信者情報表示装置が、要介護者の生活行動に異常を検出したときに、警告画面を表示し、ログファイルの内容を自動的に印刷出力する構成としたときの一例を示す概略図
【図12】発信者情報表示装置が、要介護者の生活行動に異常を検出したときに、ログファイルの内容を自動的に印刷出力する構成としたときの一例を示す概略図
【図13】本発明の要介護者安否確認システムを、農場,茶畑等の気温異常を検出する形態として適用したときの構成を示す該略図
【図14】本発明の要介護者安否確認システムにおける発信者情報表示装置が実行する発信者情報表示プログラムが格納されることがある記録媒体(又は記憶媒体)の一例を示す概略図
【符号の説明】
10…生活情報検知部
20…発信部
29c…呼制御手段
40…電気通信回線
61…要介護者情報記録部
61a1 …要介護者テーブル
61b1 …設定情報テーブル
61b2 …ログテーブル
66…出力インターフェース部
T…発信者情報表示装置
Claims (5)
- 要介護者宅内に設置されてドアの開閉,テレビ電源の投入切断,人の往来その他の人の生活行動に関連する情報としての生活情報信号を出力する生活情報検知部と、前記生活情報信号の入力に応じて登録発信先として登録された複数の登録発信先に発呼する発信部と、前記要介護者の名前と,前記発信部に接続される電気通信回線の加入者電話番号又は契約者電話番号とを対応させて格納する要介護者テーブルを記録可能な要介護者情報記録部を設けた発信者情報表示装置とからなり、該発信者情報表示装置は複数の介護者宅内それぞれに備えられると共に、前記要介護者宅内の発信部とは電気通信回線を介して接続され、前記発信部には、前記要介護者の生活行動の発生に応じて複数の登録発信先それぞれに対して発呼してその後速やかに切断する呼制御手段を設け、前記発信者情報表示装置には、電気通信回線から検出される前記要介護者の発信者電話番号に対応した,前記要介護者テーブルから読み出される要介護者の名前データを出力制御する出力インターフェース部を設けると共に、前記発信者情報表示装置の全体を規定されたステップに従って制御実行するための制御部を備えたことを特徴とする要介護者安否確認システム。
- 請求項1記載において、前記要介護者情報記憶部には、前記生活情報検知部が設置される場所と,時間帯別の設定回数と,前記時間帯と,これらに対応する具体的な警告メッセージ文とをそれぞれ設定記憶する設定情報テーブルを設け、出力インターフェース部は、前記発信部からの着信回数を計測して、設定時間帯に前記設定回数だけ着信がなかったときに、前記設定時間帯に対応する警告情報を出力することを特徴とする要介護者安否確認システム。
- 請求項2記載において、前記警告情報は、要介護者の生活行動の異常について具体的に警告する内容の警告メッセージ文データであることを特徴とする要介護者安否確認システム。
- 請求項2記載において、前記警告情報は、要介護者の生活行動の異常レベルの程度に対応する人相を形象するグラフィックデータであることを特徴とする要介護者安否確認システム。
- 請求項1,2又は3記載において、前記要介護者情報記憶部は、前記発信部20からの着信に連動して、その着信履歴としての前記要介護者の電話番号データ,名前データ,着信時刻データ及び対応する前記警告メッセージデータを記憶するログテーブルを記録し、前記発信者情報表示装置が前記ログテーブルに記憶された内容を前記出力部に順次印刷出力することを特徴とする要介護者安否確認システム。
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