JP4368714B2 - ココアパウダー及びその製造方法とそれを用いたココア飲料 - Google Patents

ココアパウダー及びその製造方法とそれを用いたココア飲料 Download PDF

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Description

本発明は、ココアパウダー及びその製造方法、ならびに当該ココアパウダーを使用したココア飲料に関し、より詳しくは不快味が低減されたココアパウダー及びその製造方法、ならびに当該ココアパウダーを使用した、砂糖や乳製品を加えなくても単独で飲用可能なココア飲料に関する。
ココアパウダーは、カカオ豆から外皮や胚芽を取り除いて粗砕したカカオニブにアルカリ処理を行ない、焙焼、磨砕して得られるカカオマスを搾油し、粉砕することで得られる。ココアパウダーは通常12〜24重量%程度の油分と4重量%程度の繊維質を含んでいる。通常、ココア飲料はココアパウダー、砂糖、粉乳等の乳製品を混合し、お湯又は牛乳に溶かして作る。ココアパウダー単独では収斂味等の不快味が強いため、コーヒーのように砂糖や乳製品を入れない、いわゆるブラックで飲むことは行われていない。
近年、ココアの健康に対する種々の研究が行われてきている。例えば、動脈硬化予防、高血圧の改善、ガン予防、抗ストレス、抗アレルギー、胃潰瘍予防といった効果があると報告されている。従来のココア飲料の飲み方では、同時に砂糖や乳製品も摂ることになってしまい、飲み過ぎるとカロリーオーバーになるという弊害も出てくるので、ココアの健康機能を最大限に生かすには、単独で、つまりいわゆるブラックで飲むことが好ましいが、味の面で難があった。
このようなココアを含めたカカオ製品の不快味を低減するためのカカオ処理方法が以前にも試みられている。例えば、特許文献1には、焙炒カカオマスを酸素処理することにより不快味を減少させる方法が公開されている。また、特許文献2には、カカオマスにポリフェノールオキシダーゼを作用させて、不快な収斂味を低減させる方法が公開されている。これらの方法によりカカオの不快味は低減されるが、いわゆるブラックで飲用するのに適したココアは未だ開発されていない。
特開平03-15344号公報 WO00/72694号公報
本発明は従来よりも一層ココアパウダーの不快味を低減し、砂糖や粉乳等の乳製品を添加しないで、ココアパウダー単独でも飲用するのに適したココアパウダー及びその製造方法、並びに当該ココアパウダーを使用したココア飲料を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため詳細な製造方法の検討を行ったところ、従来のココアパウダーを製造する際のカカオニブのアルカリ処理工程もしくは焙焼工程で、果汁を添加することによって不快味が低減されたココアパウダーを得ることができ、いわゆるブラックとしても飲用できるココア飲料を得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、請求項1に係る本発明は、カカオ豆を粗砕して外皮や胚芽を取り除きカカオニブを得る工程と、カカオニブにアルカリ処理を行なう工程と、アルカリ処理したカカオニブを焙焼する工程と、焙焼したカカオニブを磨砕してカカオマスを得る工程と、カカオマスを搾油してココアケーキを得る工程と、ココアケーキを粉砕、粉末化する工程を含むココアパウダーの製造方法において、アルカリ処理又は焙焼時に、アルカリ処理前の生カカオニブ100重量部に対して、100%果汁換算で2〜50重量部の果汁を添加することを特徴とするココアパウダーの製造方法を提供するものである。
また請求項5に係る本発明は、上記製造方法により得られるココアパウダーを提供するものである。
さらに請求項6に係る本発明は、上記ココアパウダーを使用したココア飲料を提供するものである。
本発明により、不快味の低減されたココアパウダーを得ることができ、砂糖や粉乳等の乳製品を添加しなくても飲用できる、ココアパウダーのみを使用したココア飲料を得ることができる。
まず本発明に用いる原材料について説明する。
本発明に用いる果汁は、糖質、有機酸、フェノール化合物をすべて含有したものが良く、例としてブドウ果汁、イチゴ果汁、リンゴ果汁、カシス果汁、アセロラ果汁、チェリー果汁、ブルーベリー果汁、白桃果汁、黄桃果汁、パイナップル果汁、あんず果汁、洋なし果汁、和なし果汁及びその濃縮物があげられる。特に断わりのない限り、果汁は100%果汁とする。
糖質としては砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖、乳糖、トレハロースなどの単糖または2糖類に加え、オリゴ糖やソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール等の糖アルコールがあげられるが、中でも還元末端を持つものが好ましい。有機酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酢酸、酒石酸、アスコルビン酸等があげられる。
次に本発明の製造方法について説明する。
本発明のココアパウダーを製造するには、まずカカオ豆を粗砕、剥皮したカカオニブにアルカリ処理を行う。カカオ豆は産地にて乾燥されたものをいう。アルカリ処理はカカオニブ、水、アルカリ剤と、果汁の他、必要に応じて糖質、有機酸を適宜混合し、100℃付近にて約1時間行うが、その処理条件は適宜決定されてよい。アルカリ剤としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等を用いることができる。
アルカリ処理時や焙焼時に添加される果汁の量は、アルカリ処理前の生カカオニブ100重量部に対して、果汁は100%果汁換算で2〜50重量部が好ましい。これらの範囲より添加量が少ないと効果が薄く、反対に多いと、添加された果汁の風味が強くなりすぎてしまいカカオ自体が持つ風味を損なう。
また、果汁と同時に添加される糖質、有機酸の量は、果汁由来の糖質および有機酸を含めて、生カカオニブ100重量部に対して糖質では0.01〜15重量部、有機酸では0.01〜5重量部が好ましい。これらの範囲より添加量が少ないと効果が薄く、反対に多いと味のバランスがくずれてしまう。
本発明において果汁を添加する場合は糖質、有機酸の添加は任意である。
アルカリ処理されたカカオニブのpHは好ましくはpH6.0〜9.0、より好ましくはpH7.0〜8.5がよい。pH6.0未満ではココアパウダーの色調や水への分散性が悪くなる。また、pH9.0を越える場合にはアルカリ独特の苦味が出てしまう。なお、カカオニブのpHはカカオニブを磨砕し、純水にて10重量%濃度に希釈して測定する。
次にアルカリ処理されたカカオニブの焙焼を行う。通常カカオニブの焙焼は、カカオニブに熱風をあてたり、転動するカカオニブに熱せられた壁面から熱を伝達することによって行われる。
焙焼温度は、好ましくは120〜180℃、より好ましくは145〜165℃がよい。120℃未満ではカカオの生焼けした風味が残り、180℃を越える場合には焦げが発生するので好ましくない。なお焙焼温度とはカカオニブ表面の到達最高温度を意味する。
こうして得られた焙焼カカオニブを磨砕してペースト状のカカオマスとし、得られたカカオマスからココアバターを圧搾してココアケーキを得る。さらに当該ココアケーキを粉砕、粉末化して本発明のココアパウダーを得る。
そして当該ココアパウダーをお湯または水に溶解、分散することで本発明のココア飲料を得ることができる。このココア飲料には、必要に応じて砂糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、水飴等の糖類、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール、全粉乳、脱脂粉乳、練乳、ホエー、生クリーム、ホイップクリーム等の乳製品、日本酒、焼酎、泡盛、老酒、ビール、ウイスキー、ブランデー、ワイン、ジン、テキーラ、ウオッカ、ラム、リキュール類等の酒、ライム果汁、レモン果汁、イチゴ果汁、リンゴ果汁、オレンジ果汁、カシス果汁、アセロラ果汁、チェリー果汁、ブルーベリー果汁等の果汁、レシチン、シュガーエステル、ソルビタンエステル、モノグリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、プロピレングリコール等の乳化剤、澱粉、デキストリン、セルロース、カラギーナン、キサンタンガム、タラガム、トラカントガム、ローカストビーンガム、寒天、カラヤガム、ペクチン、グアガム、タマリンドガム等の増粘安定剤、ココア香料、バニラ香料、アーモンド香料等の香料を加えることも可能であるが、本発明の特徴を最大限に生かす飲用方法はいわゆるブラックで飲むことである。
以下に実施例を示して、本発明を更に詳細に説明するが、これらは例示であって本発明を限定するものではない。
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、15重量部のブドウ果汁、4.2重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。反応後のカカオニブに15重量部のブドウ果汁を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。反応後のカカオニブに3重量部の5倍濃縮リンゴ果汁を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が155℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.5重量部の炭酸カリウムを添加、混合し110℃で50分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.4であった。反応後のカカオニブに10重量部のカシス果汁を添加、混合して、回転ドラム式直火コーヒーロースターにて1分間に約2℃の昇温スピードで焙焼し、カカオニブの温度が135℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
生カカオニブ100重量部に30重量部の水、4.5重量部の炭酸カリウムを添加、混合し110℃で50分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.4であった。反応後のカカオニブに30重量部のアセロラ果汁を添加、混合して、回転ドラム式直火コーヒーロースターにて1分間に約2.5℃の昇温スピードで焙焼し、カカオニブの温度が150℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、8重量部のブルーベリー果汁、0.1重量部のブドウ糖、0.1重量部のリンゴ酸、4.2重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
生カカオニブ100重量部に40重量部の水、5.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.8であった。反応後のカカオニブに20重量部のチェリー果汁、0.05重量部のリンゴ酸を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が145℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、5.5重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは9.0であった。反応後のカカオニブに3重量部のイチゴ果汁、6重量部の麦芽糖を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が150℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
(比較例1)
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が150℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
(比較例2)
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、1重量部のブドウ果汁、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
(比較例3)
生カカオニブ100重量部に10重量部の水、55重量部のブドウ果汁、4.4重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
(比較例4)
生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分間反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。反応後のカカオニブに6重量部の果糖、3重量部の砂糖、3重量部のブドウ糖、及び0.5重量部のリンゴ酸を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了し焙焼カカオニブを得た。得られた焙焼カカオニブをボールミルにより磨砕してカカオマスとし、該カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
(比較例5)
比較例1の方法により得られたカカオマス50kgに対して、1時間当たり1分の所要時間で5Lの酸素ガスを吹き込み、混合攪拌機(オークスミキサー)によりカカオマス中の酸素ガス気泡の直径が0.2mm以下になるように混合しながら、密閉系で10時間にわたり処理した。該酸素処理カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
(比較例6)
比較例1の方法により得られたカカオマス1kgに対して、ピリキュラリア・オリゼ(Pyricularia oryzae)由来のポリフェノールオキシダーゼ溶液5ml(0.753単位、シグマ社製)を添加し、45℃で2.5時間攪拌しながら作用させた。該酵素処理カカオマスを加圧プレス機で搾油後、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。
(試験例)
実施例1〜、および比較例1〜6で得られたココアパウダー各5重量部を、それぞれ100重量部のお湯にダマにならないようよく攪拌しながら溶かし、ココアパウダーとお湯だけからなるブラックのココア飲料を作成した。当該ココア飲料を20名の専門パネルにて、以下の点数を評点として味及び収斂味の官能評価を行った。表1にその結果を平均値によって記した。

味の評価 収斂味の評価
評価基準 評点 評価基準 評点
嫌いな味 1 強い収斂味がある 1
やや嫌いな味 2 かなり収斂味がある 2
どちらでもない 3 やや収斂味がある 3
やや好ましい味 4 わずかに収斂味がある 4
好ましい味 5 収斂味を感じない 5
Figure 0004368714


いずれの実施例も比較例と比べて味の評価は高く、収斂味が弱くなっていた。比較例3においては収斂味は弱かったが、味のバランスが崩れてしまったため、味の評価は高くなかった。
従来ココアパウダーをおいしく飲用するには砂糖や粉乳等とともにお湯や牛乳に溶かさなければならなかったが、本発明によって得られるココアパウダーは、ココアの不快味である収斂味が低減され、ココアパウダー単独でお湯に溶かして飲用してもおいしいので、ココアの飲用形態を広げることが可能になるほか、砂糖や粉乳を加えなくてもよいのでココアの持つ健康機能を生かすための商品設計がしやすくなる。したがって、本発明によって得られるココアパウダーは、純ココアや調製ココア製品、あるいは缶やペットボトル等に入ったココア飲料、さらには製菓用のココアとして利用できるので、産業上の利用分野は多岐にわたる。

Claims (6)

  1. カカオ豆を粗砕して外皮や胚芽を取り除きカカオニブを得る工程と、カカオニブにアルカリ処理を行なう工程と、アルカリ処理したカカオニブを焙焼する工程と、焙焼したカカオニブを磨砕してカカオマスを得る工程と、カカオマスを搾油してココアケーキを得る工程と、ココアケーキを粉砕、粉末化する工程を含むココアパウダーの製造方法において、アルカリ処理又は焙焼時に、アルカリ処理前の生カカオニブ100重量部に対して、100%果汁換算で2〜50重量部の果汁を添加することを特徴とするココアパウダーの製造方法。
  2. 請求項1に記載のココアパウダーの製造方法において、アルカリ処理又は焙焼時にさらに糖質および/又は有機酸を添加することを特徴とする製造方法。
  3. 果汁が糖質、有機酸、フェノール化合物をすべて含むものである請求項1乃至2の何れか一項に記載のココアパウダーの製造方法。
  4. 果汁がブドウ果汁、イチゴ果汁、リンゴ果汁、カシス果汁、アセロラ果汁、チェリー果汁、ブルーベリー果汁から選ばれる1種類以上である請求項3に記載のココアパウダーの製造方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法により得られたココアパウダー。
  6. 請求項5に記載のココアパウダーを使用したココア飲料。
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