JP4365088B2 - 廃車解体システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は廃車解体システムに関するものである。特に、廃車を各工程に引渡しながら、いわゆる流れ作業で廃車を解体する形式の廃車解体システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、廃車を解体処理する際には、幾つかの解体作業工程を経て行われる。つまり、環境汚染防止のために廃車に残留する液類を排出し、再資源化のために再利用できる部品を分別解体して回収し、最終的にプレスして廃車を処理している。
【0003】
このとき、従来は、解体作業の工程毎に代わる代わる解体機械(クレーン、油圧バックホー、トラック等の解体作業車、保管用装置、その他解体作業に必要な装置、機械を含む。例えば特許文献1及び2等)を持ち込んで作業を行っていた。即ち、廃車はそのままの場所に固定しておき、分別解体される部品の種類に応じた好適な解体機械を廃車の固定配置された場所まで代わる代わる運び込んで作業を進めていた。
【0004】
しかも、解体作業は解体作業車等が往来する通路と同一の平坦な場所で行われているのが一般的である。つまり、段差のない平坦な敷地内に廃車が山積みされており、クレーン車などで平坦な敷地の空きスペース(解体作業床面)に廃車を一台掴んで降ろし、その場で解体作業を行い、解体されたもの(部品など)はトラックに積まれて、そのトラックは解体作業床面と同一の平坦な敷地内を通行して解体物を運んでいた。
【0005】
【特許文献1】
特公平06−73767号公報
【特許文献2】
特許第3101717号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、解体作業工程毎に好適な解体機械を代わる代わる運び込むため手間が掛かり、作業時間当たりの廃車解体処理数が低下する、つまり、廃車の解体作業効率が悪いという問題があった。
【0007】
解体作業効率を向上させようとすると、廃車は所定の場所に固定されているから、解体機械を廃車の解体場所へ搬入する回数を減らすしかない。この搬入回数を減らすと、各作業工程に好適な解体機械を用いて解体作業を行うことができなくなるから、例えば、再利用できる部品を丁寧に分別解体して回収することが困難になる。よって、廃車における解体部品の再利用の割合、つまり、リサイクル率が低下してしまうこととなり、社会要請にも逆行してしまうという問題があった。
【0008】
さらには、解体作業床面と解体機械(解体作業車やトラックなど)が行き来する通路とが段差のない同一の平坦な床面であるため、廃車解体作業時に排出されるガソリンやオイル等の液類が作業床面にこぼれると、その液類はトラックや油圧バックホー等の解体機械の行き来する通路にまで流れていき、トラック、油圧バックホー等のタイヤに付着してしまう。そのために、そのままの状態でトラック等が敷地内を通行すると、敷地内の床面がオイル等の液類で汚れてしまうという問題が生じていた。廃車から排出される液類は主にガソリンやオイルであるから、このような液体が床面に付着したままであると、火災の原因となり危険であるうえに、床面が滑り易くなり安全面においても大きな問題となっていた。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、廃車の解体作業効率を向上させる廃車解体方法を提供しようとするものである。さらに、廃車の解体部品のリサイクル率を向上させる廃車解体方法を提供することを目的とする。加えて、廃車解体中に解体作業床面にこぼれた液類によって敷地内の床面が汚れてしまうことない廃車解体方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、廃車を解体場所へと搬入する廃車搬入工程と、廃車の解体前準備作業を行う前作業工程と、廃車の残液を排出する液抜き工程と、廃車の部品類を回収する素材回収工程と、廃車の内装品及び外装品を取り外す内外装外し工程と、廃車の室内をシュレッダー処理する室内シュレッダー工程と、廃車の足回り部品やエンジン等を取り外す廃車解体工程と、エンジンの解体前処理を行うエンジン前処理工程と、エンジンの解体を行うエンジン解体工程と、廃車をプレスしたりギロチン処理を行うプレス・ギロチン処理工程とを含む廃車解体方法であって、
前記各工程間を廃車の横持ち移動によって順次連結して廃車解体作業を行い、
前記廃車の横持ち移動が、前記一つの工程の作業場に専用配置された解体機械としての解体作業車の油圧作動ブームを用いて廃車をそのまま掴んで次の工程へ順次引渡すか、又は、次の工程の作業場に専用配置された解体機としての解体作業車の油圧作動ブームの腕を伸ばして廃車を取りに来ることを含み、
前記各工程間で廃車を順次横持ち移動することによって廃車解体作業を行うに際し、前記液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程とを、これらの工程を除く前記各工程の作業床面より低い高さ位置にある作業床面上で行い、
前記液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程とを行う作業床面に開設された穴から自然落下する液類を直接導くように配置された油水分離装置で油分を回収することを特徴とする廃車解体方法を提供するものである。
【0011】
本発明は、廃車を解体場所へと搬入する廃車搬入工程と、廃車の解体前準備作業を行う前作業工程と、廃車の残液を排出する液抜き工程と、廃車の部品類を回収する素材回収工程と、廃車の内装品及び外装品を取り外す内外装外し工程と、廃車の室内をシュレッダー処理する室内シュレッダー工程と、廃車の足回り部品やエンジン等を取り外す廃車解体工程と、エンジンの解体前処理を行うエンジン前処理工程と、エンジンの解体を行うエンジン解体工程と、廃車をプレスしたりギロチン処理を行うプレス・ギロチン処理工程とを含む作業工程を経て廃車を解体する方法であるが、これらの工程は言ってみれば従来から用いられている廃車解体の工程に相当するものである。
【0012】
上記各工程を具体的に説明すると、本発明において廃車搬入工程とは、廃車を解体作業場に搬入する作業を主に行う工程のことであり、例えば、敷地内に山積みされた廃車を一台ずつクレーンで掴んで解体作業場に搬入する作業は廃車搬入工程に該当する。
【0013】
また、本発明において前作業工程とは、廃車を解体する前に廃車内のゴミ出し、エアバッグ処理、バッテリー外し、タイヤ外し等の作業、言ってみれば解体前の準備作業を主に行う工程のことである。
【0014】
本発明において液抜き工程とは、廃車に残存する液類(ガソリン、フロンガス、オイル、冷却水、ウォッシャー液等)を解体前に抜き取る作業を主に行う工程のことである。廃車にはエンジンタンク内のガソリンや、ミッションオイルや、ラジエターに用いる冷却水等が残ったままの状態であるため、解体前にこれらを排出しなければならない。この液抜き工程は、廃車解体の際に液が溢れ出て作業場が汚れてしまうのを防ぐためばかりでなく、火災防止や廃棄物汚染を防止する目的のためにも重要な工程である。
【0015】
本発明において素材回収工程とは、ガラス、ランプ類、バックミラー等を取り外す作業を主に行う工程であり、この工程で中古部品として再利用できそうなものは取り外される。
【0016】
本発明において内外装回収工程とは、廃車のバンパー、屋根、シート、電気部品、ドア内張り、マット等を取り外して回収する作業を主に行う工程のことである。この工程は解体した廃車のリサイクル率を向上させるために非常に重要な工程である。つまり、この工程で、廃車の車体自体、エンジン以外の殆どの部品を回収して再利用することによって資源の無駄を低減できる。よって、この工程では、さまざまな部品を回収することとなる。
【0017】
本発明において室内シュレッダー工程とは、廃車の室内に残存する繊維類やプラスチック類をシュレッダー処理する工程のことである。廃車の内外装部品類が取り除かれても、車内の天井や床には内張り(繊維類)やプラスチック類が依然として残った状態となっている。よって、本工程は、これら繊維類やプラスチック類をシュレッダー処理して取り除く工程となる。この室内シュレッダー工程は、不要な部品類が取り除かれた廃車の車体を純度の高い金属材料として再利用するために重要な工程となるものである。
【0018】
本発明において廃車解体工程とは、廃車の足回り部品(車軸など)やエンジン等などの内蔵物を取り外して車体を裸状態にまで解体する作業を主に行う工程のことである。
【0019】
本発明においてエンジン前処理工程とは、エンジン本体に組み込まれた付属部品、具体的には、セルモータ、ダイナモ、触媒、キャブレター、ハーネスなどをエンジン本体から取り外す工程のことであり、言ってみればエンジンの解体前処理を行う工程のことである。
【0020】
本発明においてエンジン解体工程とは、エンジン本体の材料を溶解して再利用するためにエンジン本体を材料別に解体する工程のことである。一般的にエンジン本体はアルミ部分と鉄の部分が存在するため、これらの材料を分別して解体する工程が、本発明のエンジン解体工程に該当する。
【0021】
本発明においてプレス・ギロチン処理工程とは、内蔵物が全て取り外された後の車体自体等の大型部品をギロチン処理して細分化したり、プレスして減容したりして、鉄塊にする作業を主に行う工程である。
【0022】
さて、従来の廃車解体方法では、前述のように、これらの各工程の解体作業は、廃車を同じ作業場(廃車が山積みされた工場敷地内の空きスペース等)に固定したままでなされていたが、本発明では、廃車解体作業の各工程間を廃車の横持ち移動によって順次連結して廃車解体作業を行うことに特徴がある。即ち、廃車を固定せずに横持ちして各工程に引渡して行きながら流れ作業の如く廃車解体作業を行うことに大きな特徴を有しているのである。
【0023】
廃車を固定して解体作業をする場合には、各工程を解体作業の定められた工程順に一台の廃車に対して行っていく必要があるが、本発明の廃車解体方法によれば、廃車を横持ち移動して前記各工程を連結しているから、各工程は次から次へと横持ち移動される廃車に対して各工程が担う作業を連続的に行うことができる。従って、廃車の解体作業効率が大幅に向上するのである。
【0024】
しかも、本発明では、廃車を横持ち移動して各工程を連結しているから、廃車解体の流れ作業を行うのに廃車を次工程へ運搬する装置が不要となる。つまり、ベルトコンベアーのような大掛かりな運搬装置を廃車解体場所に設置する必要がない。よって、廃車解体場所が小スペースでよく、廃車解体設備を低コストで建設できる利点がある。
【0025】
尚、本発明における廃車処理方法は、廃車搬入工程と、前作業工程と、液抜き工程と、素材回収工程と、内外装外し工程と、室内シュレッダー工程と、廃車解体工程と、エンジン前処理工程と、エンジン解体工程と、プレス・ギロチン工程とを含む廃車解体方法であり、一般的には記載順の工程を経て廃車を処理するが、これらの各工程の順序を適宜変更できることは言うまでもない。
【0026】
また、これらの各工程における作業を併合したり細分化したりして解体作業の工程数を増減させても、実質的に上記各工程の作業を行うものであれば、本発明に含まれるものである。
【0027】
本発明によれば、廃車解体方法において、前記廃車の横持ち移動を、廃車の解体機械(クレーン、油圧バックホー、トラック等の解体作業車、保管用装置、その他解体作業に必要な装置、機械を含む)によって行うことを特徴とするものである。
【0028】
廃車の解体は、例えば油圧作動ブームの先端に解体作業工具類を取り付けた解体作業車などの解体機械を用いて行うが、本発明は、この解体作業車などの解体機械が、ある工程の作業をした後に次の工程へと廃車をそのまま掴むなどして横持ち移動することによって廃車の解体作業を行うようにしたものである。
【0029】
このように、解体機械が廃車の横持ち移動を行うことにより、廃車の横持ち移動のための特別な装置(横持ち専用の天井クレーンなど)を配置することは不要となり、効率的な廃車解体作業が行えることとなる。加えて、廃車解体設備の建設コストを抑えることにも寄与することとなる。
【0030】
ここで、本発明の解体機械は、上記のような解体作業工具類を取り付けた解体作業車だけでなく、廃車の解体作業を行う全ての機械が含まれる。例えば、トラックや、油圧バックホー、クレーン等も廃車解体作業を行う機械であれば、本発明の解体機械に該当する。
【0031】
そして、例えば廃車の解体作業に油圧バックホーを用いた場合には、その油圧バックホーで廃車を次の工程へ横持ち移動すれば、本発明に含まれる廃車解体方法となるのである。
【0032】
要するに、特別な廃車の横持ち移動用の装置や機械を用いることなく、廃車の解体作業を行うための解体機械を使って廃車を横持ち移動しながら解体作業を行えば、全て本発明の廃車解体方法に該当するのである。
【0033】
さらに、本発明によれば、廃車解体方法において、前記廃車の横持ち移動を、前記各工程に専用に配された前記解体機械を用いて行うことを特徴とするものである。
【0034】
本発明は、廃車を言わばバトンリレーの如く各工程へ順次引渡すことにより解体作業を行うものである。即ち、各工程に専用に配された解体機械を用いて廃車を次の工程へバトンを渡すが如く横持ち移動して引渡すことにより、廃車を流れ作業で解体していく方法である。
【0035】
この発明によれば、解体機械が各工程に専用に配されているから解体機械が廃車の横持ち移動を行う際に各工程を行ったり来たりする必要がない。よって、短時間で迅速に廃車の横持ち移動を行うことができ、廃車の横持ち移動の効率が向上し、もって、廃車の解体作業効率を向上させることができる。
【0036】
さらに、解体機械は各工程に専用に配されているので、解体機械は各工程が担う解体作業を専用に行うことができる。即ち、本発明において、解体機械は各工程の作業を行う専用機としての役割を果たすのである。よって、好適な解体機械を各工程に適宜専用配置しておき、この解体機械が廃車を次の工程へと順次廃車を横持ち移動して引渡していくことにより、大掛かりな流れ作業設備を設けなくとも大幅に廃車解体作業の効率が向上する。
【0037】
しかも、各作業工程に好適な解体機械を配置することによって、精度の高い解体作業を維持できる。例えば、従来の廃車解体方法では、前述したように解体機械を入れ替えて行うと作業効率が低下するため、解体作業を迅速に行うためには分別解体をある程度断念していたが、本発明によれば、各工程で用いるのに好適な解体機械を専用配置して、これらの解体機械によって解体作業を行うことができるから、再利用できる部品を丁寧に無駄なく分別解体して回収することが可能となる。つまり、本発明により、廃車のリサイクル率が向上するのである。
【0038】
以下、本発明において廃車解体作業の効率、及び、リサイクル率を向上させるために各工程に専用に配された解体機械の好適な態様について具体的に説明する。
【0039】
廃車を解体した後には、中古品として売れる部品は市場に流したり、鉄やアルミといった金属はリサイクルとして再利用したり、不燃物は分別してゴミ処理したりするが、無作為に廃車を解体作業場に搬入して解体すると中古部品として販売できないものばかり増え、保管に費用がかかることにもなり兼ねない。そこで、廃車を解体する際には、分別解体した後の部品類が中古品として販売できるようなものから優先的に解体できる廃車搬入システムを解体機械として廃車搬入工程に専用的に配置するのが望ましい。
【0040】
前記廃車搬入システムの一例としては、区分けされた保管棚を多数保有する車輌棚を設置し、その保管棚へ廃車を保管し、各保管棚にはそれぞれ廃車の車種、年式、状態(タイヤの摩耗状態、内装の劣化具合など)をデータ入力しておき、優先して解体したい廃車のみを保管棚から出庫できるようにしておくシステムが挙げられる。このような廃車搬入システムを廃車搬入工程に含めておけば、解体された廃車の中古部品は常に市場ニーズに合ったものとなり、売れない中古部品を保管するといった無駄がなくなる。
【0041】
しかも、中古部品の保管情報をデータ化しておき、保管棚に入力されたデータとリンクするようにしておけば、中古部品の在庫状況に合わせて解体すべき廃車を選択できるようになり、解体後のリサイクル率が大幅に改善される。
【0042】
そして、次工程への廃車の横持ちは、この廃車搬入工程の作業場に小型クレーンを専用配置しておき、この小型クレーンで行えば良い。あるいは、次工程の作業場に専用配置された解体作業車の油圧作動ブームの腕を伸ばして、廃車搬入工程まで廃車を取りに来て横持ち移動するなどしても良い。
【0043】
前作業工程では、リサイクル率を向上させるために、再利用できるものをなるべく分別収集しておくのが望ましい。
【0044】
例えば、前作業工程において取り出されたゴミは固形化燃料としてRDF化できるようにすれば、ゴミの再利用が図れる。よって、ゴミのRDF化装置を前作業工程に専用で配置することが可能である。また、バッテリーはこの工程で取り外し、バッテリーメーカーへ流通させることによって、バッテリーの再利用化が図れる。あるいは、タイヤはこの工程で取り外し、タイヤの摩耗状態が良好なものはそのまま中古品として市場に流通させれば再利用ができる。一方、中古品として販売できそうにない状態のものは、タイヤとホイールとを分解して、タイヤは破砕してチップ化して再生タイヤの原料として再利用し、ホイールも再資源化して再利用すれば、リサイクルが可能である。
【0045】
タイヤとホイールを分離する際には、タイヤ・ホイール分離装置を専用機として前作業工程の作業場に配置しておき、このタイヤ・ホイール分離用装置によってタイヤとホイールを分離できるようにする。タイヤ・ホイール分離装置は何れのものも使用可能であるが、例えば、特公平05−13846号に記載のタイヤ・ホイール分離装置を用いることができる。
【0046】
そして、次工程への廃車の横持ちは、この前作業工程の作業場に小型クレーンを専用配置しておき、この小型クレーンで行えば良い。あるいは、次工程の作業場に専用配置された解体作業車の油圧作動ブームの腕を伸ばして、前作業工程まで廃車を取りに来て横持ち移動するなどしても良い。若しくは、上記タイヤ・ホイール分離装置を用いて廃車をそのまま掴んで次工程へと横持ち移動することも可能である。
【0047】
廃車に残存するガソリンには、長い間放置されて水やゴミなどの不純物が混じったものがあるため、そのままの状態では不純物が混じったガソリンは全て廃棄処理しなければならない。そこで、資源を無駄にしないためにも、油分(ガソリン)と不純物(水やゴミ等)とを液抜き工程にて分離してガソリンを再利用するのが好ましい。よって、液抜き工程において専用に配されるべき好適な解体機械としては、液抜きして油水を分離できる装置が挙げられる。油水分離装置としては、例えば特公平06−8153号公報、特許第3062561号あるいは特許第3092013号に記載の装置を用いることができ、これらの装置を液抜き工程の作業場に専用的に配置しておけば効果的である。
【0048】
また、オイルの廃油処理もガソリンの処理と同様に油水分離装置で分離し、油分(オイル)については、例えば溶解炉用燃料として再利用できるようにするのが有効である。
【0049】
そして、次工程への廃車の横持ちは、この液抜き工程の作業場に小型クレーンを専用配置しておき、この小型クレーンで行えば良い。あるいは、次工程の作業場に専用配置された解体作業車の油圧作動ブームの腕を伸ばして、液抜き工程まで廃車を取りに来て横持ち移動するなどしても良い。
【0050】
素材回収工程で中古部品として回収されるべきものとしては、ボンネット、ラジエター、フェンダー、ドア、バンパー、ドライブシャフト、エンジンミッション、グリル等があり、これらの部品を回収するために必要な解体機械、例えば、電動工具類を素材回収工程の作業場には専用配置しておく。そして、電動工具類等の解体機械を用いて、この工程で集中的に中古部品を取り外すようにすれば、作業効率が良くなるばかりでなく、リサイクル率も向上する。
【0051】
また、素材回収工程で外される廃車のガラスは、ガラス破砕機で細かく破砕されて砂と同等の粒度まで破砕され、セメントもしくはアスファルトの原料として使用される砂の代替品として使用することによりリサイクルが可能となる。従って、ガラス破砕機を素材回収工程の作業場に専用的に配置しておくことが望ましい。
【0052】
素材回収工程においてプラスチック類を破砕する作業も出てくるが、このプラスチック類は、プラスチック識別機を用いて各種原料別のプラスチックに分別した後にプラスチック破砕機を用いて破砕すれば、不純物を極力抑えた純度の高いプラスチック再生原料を得ることができる。よって、素材回収工程にプラスチック識別機、プラスチック破砕機を専用配置しておくことも有効である。
【0053】
そして、次工程への廃車の横持ちは、この素材回収工程の作業場に小型クレーンを専用配置しておき、この小型クレーンで行えば良い。あるいは、次工程の作業場に専用配置された解体作業車の油圧作動ブームの腕を伸ばして、素材回収工程まで廃車を取りに来て横持ち移動するなどしても良い。
【0054】
内外装外し工程では、さまざまな部品を回収することとなるが、従来はこの工程を主に手作業で行っていた。即ち、作業者が手作業でシートを外したり、バンパーを外したりしていた。本発明においては手作業でこの工程を行ってもよいが、作業効率を向上させるために廃車の内装品や外装品を解体する機械を作業場に専用的に設置しておき、機械的に内外装品の回収作業を行えば作業効率が向上する。例えば、実用新案第2530678号や特許第3101717号に記載の解体作業車を内外装外し工程の作業場に専用的に配置するのがよい。
【0055】
そして、次工程への廃車の横持ちは、この内外装外し工程の作業場に小型クレーンを専用配置しておき、この小型クレーンで行えば良い。あるいは、次工程の作業場に専用配置された解体作業車の油圧作動ブームの腕を伸ばして、内外装外し工程まで廃車を取りに来て横持ち移動するなどしても良い。若しくは、上記の実用新案第2530678号や特許第3101717号に記載の解体作業車をそのまま廃車の横持ち移動用として使用することも可能である。
【0056】
室内シュレッダー工程では、室内の天井やシートを取り外した後の床に残った繊維類やプラスチック類を破砕して廃車室内から繊維類やプラスチック類を除去することを主な目的としている。廃車自体を溶解して金属材料として再利用する際の材料純度を高くするためである。
【0057】
この室内シュレッダー工程に用いる解体機械は、繊維類やプラスチック類をシュレッダー処理できる刃を備えたものであれば、何れのものでも使用可能であり、適切なシュレッダー処理機械をこの室内シュレッダー工程の作業場に専用配置しておけば良いこととなる。
【0058】
ここで、シュレッダー処理された繊維類やプラスチック類は、それぞれ分別して収集されることが望ましい。資源の再利用のためである。分別の収集は手作業で行ってもよいが、プラスチック識別機を本工程の作業場に専用に配すれば、より効果的に分別収集して資源の再利用が実現できる。
【0059】
そして、次工程への廃車の横持ちは、この室内シュレッダー工程の作業場に小型クレーンを専用配置しておき、この小型クレーンで行えば良い。あるいは、次工程の作業場に専用配置された解体作業車の油圧作動ブームの腕を伸ばして、室内シュレッダー工程まで廃車を取りに来て横持ち移動するなどしても良い。
【0060】
廃車解体工程では、廃車の足回り部品やエンジン等を取り外すため、例えば、実用新案第2530678号や特許第3101717号に記載の解体作業車を廃車解体工程の作業場に専用的に配置するのがよい。このような解体作業車を配置しておけば、次工程への廃車の横持ち移動も容易である。
【0061】
廃車解体工程において足回り部品やエンジン等を取り外してしまうと、廃車の内蔵物は殆ど無くなった状態となり、内蔵物のない抜け殻状態の廃車をプレス・ギロチン処理工程に横持ち移動してスクラップすれば鉄や鋼の資源として利用する際に不純物が少なく、有効利用できる。
【0062】
エンジンが取り外された後には、エンジン前処理工程においてエンジンの前処理作業を行い、エンジン解体工程においてエンジンの解体作業を行うが、エンジンからセルモータ、ダイナモ、触媒、キャブレター、ハーネス等の不要な部品を取り外し、さらにエンジン本体の鋳鉄部分とアルミ部分とを分離するのが望ましい。鋳鉄部分とアルミ部分をそれぞれ溶解炉で溶解して材料を再利用すればリサイクル率が向上するからである。そこで、エンジンのアルミ部分、鋳鉄部分、不要な部品類を効果的に分離する機械として、例えば、特公平06−73767号広報に記載のスクラップ解体分別装置をエンジン解体工程の作業場に専用的に配置すれば効果的にエンジン解体工程の作業が行えて良い。
【0063】
また、エンジンを取り外して持ち運ぶための手段として特開平07−53175号公報に記載のスクラップ用グラップルをキャタピラ式クレーンの旋回ブームの先端に取り付け、このキャタピラ式クレーンをエンジン前処理工程やエンジン解体工程の作業場に専用的に配置すれば、エンジンの横持ち移動は容易となる。
【0064】
エンジン解体を行う際には多量のオイルがこぼれ出ることがあるため、液抜き工程で述べた油水分離装置をエンジン前処理工程やエンジン解体工程の作業床面に専用に配置しておくのが望ましい。油と水を分離して有効利用できるからである。
【0065】
プレス・ギロチン処理工程の作業場には解体機械としてプレス装置とギロチン処理装置を専用的に配置する。例えば、特許第2509830号に記載のスクラッププレス装置をプレス・ギロチン処理工程の作業場に専用的に配置するのが有効である。
【0066】
また、前記廃車解体工程で取り外された部品類の中でプレス処理するものがある場合には、廃車解体工程に配された前述のスクラップ用グラップル搭載のクレーンを用いて廃車解体工程の作業場からスクラップする部品類を掴み、クレーンを旋回してプレス工程の作業場まで横持ち移動すれば良い。
【0067】
このように、本発明によれば、各工程に専用に配置された解体機械を用いて廃車の横持ち移動を行うことができるから、横持ち移動の際に解体機械が各工程を行ったり来たりすることなく、迅速に廃車を横持ち移動して次工程に引渡し、効率良く廃車の解体作業を行うことができる。
【0068】
また、各工程に専用に配置された好適な解体機械を用いて解体作業を行うことができるから、取り外す部品に応じて丁寧に無駄なく部品等を解体できる。よって、従来リサイクルできるにもかかわらず作業効率を向上させるためにスクラップにしていたものを、本発明では作業効率を向上させると共にリサイクル率をも向上させることができるのである。
【0069】
尚、前述の解体機械以外のものを各工程に専用に配置して廃車の解体作業を行うようにしても、本発明の範囲を超えるものではないことは言うまでもない。
【0070】
請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載の廃車解体方法において、前記各工程間で廃車を順次横持ち移動することによって廃車解体作業を行うに際し、前記液抜き工程と、前記エンジン前処理工程と、前記エンジン解体工程とを、これらの工程を除く前記各工程の作業床面より低い高さ位置にある作業床面上で行うことを特徴とするものである。
【0071】
廃車解体作業の各工程の中でも、とりわけ液抜き工程、エンジン前処理工程、及び、エンジン解体工程では作業中に廃車に残存する液類(オイル、ガソリンなど)がどうしても漏れ出てしまうため、作業床面がオイル等で汚れてしまう。エンジン前処理工程、及び、エンジン解体工程における解体作業では特に顕著である。
【0072】
そこで、本発明では、液類が多く排出される液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程とを、これらの工程を除く前記各工程の作業床面より低い高さ位置にある作業床面上で行うようにしている。このように作業床面に高低差を設け、液類が多く排出される作業床面を低くしておき、その低い高さ位置にある作業床面上で廃車の解体作業を行えば、作業床面にこぼれた液類は低くなった作業床に閉じ込められるから他の作業床面に広がっていくことはない。
【0073】
従って、液抜き工程やエンジン前処理工程やエンジン解体工程の作業が行われる作業床面内にトラック等が入り込まない限り、トラック等のタイヤにオイル等が付着することがない。つまり、トラック等が工場敷地内を通過してもオイル等の汚れが広がっていくことがないのである。
【0074】
しかも、床面が汚れ難いから、作業者が歩行する際のスリップ防止にも効果がある。
【0075】
尚、液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程の作業床面と、これらを除く工程の作業床面との高低差、つまり液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程の作業床面の高さ位置をどれだけ低くするかについては、液類の排出量やこぼれ出る量に応じて適宜決めればよい。また、一般的にはエンジン解体を行うときには最も液がこぼれるので、エンジン前処理工程とエンジン解体工程を行う作業床面を液抜き工程よりもさらに低くしておくのが望ましい。
【0076】
さらに、液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程の作業場床面上に穴など開けてオイル等を排出できるようにすれば、廃油処理も容易となって便利である。この穴から回収されたオイル等を前述したような油水分離装置に導くようにしておけば、油と水の分離は一層容易となる。
【0077】
ここで、着目すべきことは、本発明の如き廃車解体方法によって初めてこのような作業場床面に高低差を設けることができるという点である。
【0078】
つまり、従来は、平坦な工場内で廃車が山積みされた状態となっており、山積みされた場所へ解体作業車が出向いて行き、山積みされた場所付近の空きスペースに廃車を固定して解体機械を入れ替えて解体作業を行っていたため、工場内を作業車や解体物運搬用のトラック等が行ったり来たりすることとなり、オイルが付着したタイヤで工場敷地内があっという間に広範囲に亘って汚れてしまっていた。
【0079】
しかしながら、本発明のように、廃車解体作業の各工程間で廃車を順次横持ち移動することによって廃車解体作業を行うようにしているから、作業床面上を解体作業車等が行ったり来たりする必要がなく、以って、作業床面に高低差をつけることが可能となり、オイル等を作業床面の低い箇所に留めておくことができるのである。
【0080】
このように、本発明によれば、液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程とを、これらを除く各工程の作業床面より低い高さ位置にある作業床面上で行うことにより、廃車解体中に解体作業床面にこぼれた液類によって敷地内の床面が汚れるのを防止しているのである。
【0081】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一つの実施形態を図面と共に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る廃車解体方法を示すための作業工程図である。
【0082】
図1に示す廃車解体方法は、廃車搬入工程1、前作業工程2、液抜き工程3、素材回収工程4、内外装外し工程5、室内シュレッダー工程6、廃車解体工程7の順に廃車を次工程に横持ち移動して解体作業を行い、廃車解体工程7まで作業が行われた後にはエンジン前処理工程8及びエンジン解体工程9と、プレス・ギロチン処理工程10とに枝分かれして廃車の解体作業を行うものである。
【0083】
即ち、廃車搬入工程1に運び込まれた廃車11aは、図中の矢印の如く横持ち移動13aして次工程である前作業工程2に引渡される。前作業工程2で所定の解体作業がなされた廃車11bは横持ち移動13bされて、次工程である液抜き工程3へ引渡される。液抜き工程3で所定の解体作業がなされた廃車11cは横持ち移動13cされて、次工程である素材回収工程4へ引渡される。素材回収工程4で所定の解体作業がなされた廃車11dは横持ち移動13dされて、次工程である内外装外し工程5へ引渡される。内外装外し工程5で所定の解体作業がなされた廃車11eは横持ち移動13eされて、次工程である室内シュレッダー工程6へ引渡される。室内シュレッダー工程6で所定の解体作業がなされた廃車11fは横持ち移動13fされて、次工程である廃車解体工程7へ引渡される。
【0084】
廃車解体工程7で所定の解体作業がなされた廃車11gのエンジン部分は横持ち移動13gされて次工程であるエンジン前処理工程8へ引渡され、廃車11gの車体部分は横持ち移動13iされて、次工程であるプレス・ギロチン処理工程10へと引渡される。エンジン前処理工程8で所定の解体作業がなされた廃車11hは、次工程であるエンジン解体工程9へ横持ち移動13hして引渡され、そして、エンジン解体工程9で所定の解体作業を行って廃車11iの状態となったところで解体作業は完了する。また、廃車解体工程7から引渡された廃車11gの車体部分はプレス・ギロチン処理工程10で最終的にプレス・ギロチン処理して廃車11jの状態となったところで解体作業は完了する。尚、廃車11a〜11jは同一の対象物であるが、各工程1〜10で段階的に解体されることにより廃車の形態に差違がある。
【0085】
また、廃車搬入工程1の解体作業は作業床面12aで行われ、前作業工程2の解体作業は作業床面12bで行われ、液抜き工程3の解体作業は作業床面12cで行われ、素材回収工程4の解体作業は作業床面12dで行われ、内外装外し工程5の解体作業は作業床面12eで行われ、室内シュレッダー工程6の解体作業は作業床面12fで行われ、廃車解体工程7の解体作業は作業床面12gで行われ、エンジン前処理工程8の解体作業は作業床面12hで行われ、エンジン解体工程9の解体作業は作業床面12iで行われ、プレス・ギロチン処理工程10の解体作業は作業床面12jで行われるように作業場(床面)が構成されている。
【0086】
液抜き工程3の作業床面12cとエンジン前処理工程8の作業床面12hとエンジン解体工程9の作業床面12iとはその他の作業床面12a,12b,12d,12e,12f,12g,12jより低い高さ位置になっており、この低い高さ位置にある作業床面上で液抜き工程3、エンジン前処理工程8、及び、エンジン解体工程9を行えるようになっている。よって、作業中の液類が作業床面にこぼれても、作業床面12c,12h,12iにそれぞれ液類を閉じ込め、そこに留まっていることができるようになっている。尚、エンジン前処理工程6及びエンジン解体工程9で排出される液類は液抜き工程3で排出される液類よりも多量であるため、エンジン前処理工程6の作業床面12h及びエンジン解体工程9の作業床面12iは液抜き工程3の作業床面12cよりさらに低くしてある。
【0087】
また、本実施形態では、素材回収工程4の作業床面12d、内外装外し工程5の作業床面12e、室内シュレッダー工程6の作業床面12fはその他の作業床面12a,12b,12g,12jより若干低い高さ位置としている。これは、素材回収工程4、内外装外し工程5、室内シュレッダー工程6の作業で液類が多少こぼれ出ることが考えられるので、万一液類がこぼれ出ても作業床面を低くしておくことで、その他の作業床面に液類が広がるのを防止するためである。
【0088】
廃車搬入工程1には、区分けされた保管棚を多数保有する車輌棚が解体機械の一つとして専用に設置されている。各保管棚にはそれぞれ廃車の車種、年式、状態(タイヤの摩耗状態、内装の劣化具合など)がデータ入力されており、中古部品の保管情報とリンクしたシステムとなっており、優先して解体したい廃車のみを保管棚から出庫できるようになっている。よって、作業床面12aに搬出される廃車11aは、常に中古部品市場のニーズに合ったものとなる。この搬出された廃車11aは、前作業工程2に配置されるタイヤ・ホイール分離装置(後述)を用いて前作業工程2へ横持ち移動される。
【0089】
前作業工程2では、廃車11bのゴミ出し、エアバッグ処理、バッテリー外し、タイヤ外しが行われる。作業床面12bにはゴミのRDF化装置が前作業工程2の解体機械の一つとして専用に設置されており、ゴミ出し後のゴミは、固形化燃料として再利用するために前作業工程2にてRDF化される。バッテリーは前作業工程2にて取り外されて、バッテリー専門メーカーへ引き取ってもらうようにして再利用する。タイヤはホイールと一緒にこの前作業工程2にて取り外し、中古品として販売できるものは、そのまま販売する。中古品として販売できそうにない状態のタイヤ、即ち摩耗、劣化の激しいタイヤはタイヤ・ホイール分離装置を用いてタイヤとホイールとに分離し、タイヤは破砕してチップ化し、再生タイヤなどの原料として再利用する。一方、ホイールは製鉄メーカーに引き取ってもらい溶解して再利用する。
【0090】
タイヤとホイールとを分離する装置(タイヤ・ホイール分離装置)は、前作業工程2の解体機械の一つとして作業床面12bに専用に配されており、前作業工程2で取り外されたタイヤ(ホイール付き)の分離作業を専門に行う。このタイヤ・ホイール分離装置の概略について図2、図3(A)〜(H)、図4(A),(B)と共に以下に説明する。図2はタイヤ・ホイール分離装置の斜視図、図3(A)〜(H)はタイヤ・ホイール分離作業の手順を説明する断面説明図、図4(A),(B)はパワー開閉爪によるホイール変形の様子を示す図である。尚、タイヤ・ホイール分離装置に関する説明は、特公平5−13846号公報に詳述されている。
【0091】
第2図には前作業工程2において取り外されたホイール付きタイヤをタイヤとホイールとに分離するタイヤ・ホイール分離装置の外観が示されている。図において、20,22,24,26,28はショベルカー等に用される周知の旋回作業車と同様な構成部品であり、20,22はブームを構成する第1アーム及び第2アームであり、油圧により伏仰動作できるようになっている。24は作業車両の上部車体構造であり、キャタピラ26により自走可能な下部車体構造の上に旋回可能に取り付けられており、その中央付近には前記第1アーム20が枢支されている。また、上部構造24の一部には中に人間が入って操縦するための操縦室28が設けられている。
【0092】
30は作業車両の前部に二つのアーム32によって上下動可能に設けられたブラケットであり、その前面には排土板などに代って支持台34が固定されている。この支持台34の中は空洞となっており、前面の出口に向かって下り傾斜の底板35が設けられている。
【0093】
また、支持台34の上面には、二つの貫通した穴36aと36bとが並べて開けられており比較的大きいほうの穴36bには、内蔵油圧シリンダ装置37とリンク機構38とによって開閉するホイール挟圧クランプ板39a,39bが表面部に設置されている。前記油圧シリンダ装置37の作動は操縦室28内から遠隔で行われる。
【0094】
なお、車両の移動時には、支持台34をアーム32によって所定の高さだけ上方に持ちあがった状態とすることができる。
【0095】
40はブームの先端に取り付けられたパワー開閉爪であり、ブーム軸心周りに回動して向きを変えられるようになっている。このパワー開閉爪40は、前記支持台34上に古タイヤを搬入し、その向きや位置を変え、そしてホイールのドラム開放端側を縮径状に変形させ、この変形後にタイヤとホイールとを引放し、分離したタイヤとホイールの搬出を行うためのものであって、図示の例では操作室28からの油圧による操作で開閉作動する互いに対向した四つの開閉爪部42からなっているが、これは三つ、或はそれ以上の数の開閉爪部構成としてもよい。また、図示の例においてパワー開閉爪40の各爪部42の中心には、やはり操作室28からの操作で下方へ向ってラム44を突き出すことのできる押出用油圧シリンダ装置46が組込まれている。
【0096】
次に、上記タイヤ・ホイール分離装置の動作について第2図とその作業手順を示す第3(A)〜3(H)図および第4(A),(B)図により説明する。
【0097】
まず初めに、上部車両構造24の旋回とブーム20,22の上下動作によって、山積みとされた古タイヤの真上にパワー開閉爪40を位置させた後、該開閉爪40によって一本の古タイヤをつかみ、支持台34の穴36a(または36b)の上に運びこむ。
【0098】
そして、ブーム20,22と開閉爪40の操作によって第3A図に示すように古タイヤを穴36aの直上に整列させて平に置く。尚、第3A〜3H図において古タイヤはドロップセンタ型のディスクホイールhとそれに装着されたタイヤtとして示されている。
【0099】
次いで開閉爪40の各爪部42を一旦開いて位置を変え、支持台34上のタイヤtのサイド部に沿って爪部42を這わせて、内側のタイヤビード部との隙間に爪部42を挿し込んで第3B図に示すようにホイールhのドラム開放端側のリム部を外から掴み、そのまま開閉爪40を油圧力によって強く閉じていく。これによりホイールhのドラム開放端側が第3C図に示すように周囲四個所で内側に押込まれ、第4A図の右側の図に示すようにホイールhのドラム開放端側のリム部が縮径状に変形される。この状態から各爪42を閉じたまま加工させてホイールhを上から押すか、或は第3D図に示したように押出用油圧シリンダ装置46のラム44によって同様にホイールhを押すことにより、ホイールhがタイヤhから分離し、ホイールhだけ穴36aから下方に落下して、支持台34の傾斜底面35を転がって支持台前面にでてくる。これを開閉爪40でつまんで所定の集積個所へ搬出する。
【0100】
支持台34のもうひとつの穴36bを用いる場合は、第3C図までの作業手順は同じであるが、その後、第3E図に示すように各爪42でホイールhを上から押しつけてその下面側のディスク側リム部を穴36b内に進入させた状態に保持し、次いで第3F図に示すように穴36bの表面部のクランプ板39a,39bを閉じてタイヤビード部との隙間に挿し込み、これによってホイールhをタイヤtの弾性とクランプ板39a,39bとの作用によって穴36b上に係留する。この後、各爪42を開いて位置を変え、第3G図に示すようにタイヤtの外側を支持台表面との隙間へ爪部42を挿し込むことにより抱え、第3H図に示すように開閉爪40をそのまま持ちあげてタイヤtを引き剥すと、ホイールtは下へ落下し、タイヤtは開閉爪40で掴まれたまま所定個所へ運ばれることになる。
【0101】
尚、前述のタイヤ・ホイール分離装置はパワー開閉爪40の各爪部42は四本構成のものであるが、三本構成の場合には前述縮径状の変形は第4B図に示すようになる。
【0102】
このタイヤ・ホイール分離装置を用いて、前作業工程2で解体された廃車11bは液抜き工程3へと横持ち移動される。ここで、タイヤ・ホイール分離装置のパワー開閉爪40が廃車の横持ち移動に十分でない場合には、このパワー開閉爪40を横持ち移動に適した爪部に交換して用いれば良い。
【0103】
液抜き工程3では、廃車に残存する液類、即ち、ガソリン抜き、フロンガス抜き、オイル抜き、冷却水抜き、ウォッシャー液抜き作業が行われる。ウォッシャー液は排出して再利用する。ガソリン及びオイルも同様に再利用する。オイルはアルミ炉の燃料として用いる。また、冷却水はアルミ炉の助燃材として利用する。廃車が長期間放置されていると、ガソリン及びオイルに水やゴミなどの不純物が混入するため、液抜き工程3には、これらの不純物を分離してガソリン及びオイルを再利用するために油水分離装置16aを解体機械の一つとして専用に配置している。
【0104】
液抜き工程3の作業床面12cは他の作業床面より低くなっていて、この液抜き工程3で液抜きした際にこぼれた液類は作業床面12c内に留まって他の作業床面に広がっていかないようになっている。このように作業床面12cが構成されているから、図1に示すように作業床面12cに穴18aを開け、この穴18aから自然落下(滴下)する液類を直接油水分離装置16aに導くように配置しておく。つまり、作業床面12cより低い位置に油水分離装置16aは配置されている。
【0105】
この液抜き工程3で用いられる油水分離装置16aについて、図5及び図6と共に以下に概略説明する。図5は油水分離装置の模式縦断面図であり、図6は図5の平面図である。尚、油水分離装置16aに関する説明は特許第3062561号に詳述されている。
【0106】
第5図および第6図において、この装置は主要槽構造が金属板の溶接や繊維強化プラスチックの成形等によって一体化されたユニット16aを構成している。ユニット16aは、全体としては複数の竪型槽が一列に側方へ向って配列された多段槽構造となっており、上流端と下流端には各々側溝との接続部17a,17bが形成されている。
【0107】
入側接続部17aは受入槽50に開口し、受入槽50の下流には、第1〜第3鎮静槽51〜53と検査槽54が順に配列されている。最下流の検査槽は下流端で排出用の側溝17bに通じている。
【0108】
受入槽50からは、その比較的下層部の被処理水が立上り管55を介して第1鎮静槽51の表面に放水されるようになされ、立上り管55の下端には汚泥よけの簡単なフィルターが装着されている。
【0109】
第1鎮静槽51は、第2鎮静槽52との隔壁に穿たれた幅広穴56によりその比較的下層部で第2鎮静槽52と直接連通している。
【0110】
第2鎮静槽52は、第3鎮静槽53との隔壁の上縁に形成された幅広凹部57によりその表層部で第3鎮静槽53と直接連通されている。
【0111】
このような連通構造によって、入側接続部17aから受入槽50に流入した被処理水が第2鎮静槽52まで上下に蛇行する経路をたどって流れるようになっている。
【0112】
第2鎮静槽52から第3鎮静槽53への流れは表層部のみの単純な水平方向へのシフト流れである。
【0113】
第3鎮静槽53内には浮子式の浮遊する集油槽60が配置されており、この集油槽60は内部に水中汲み上げポンプ61を備えている。ポンプ61は集油槽60に固定された図示しないレベルスイッチによって集油槽60内の被処理水レベルが所定レベル以上になっていることが検出されている間だけ作動するように制御盤64によって制御されており、ポンプ61によって汲み上げられた被処理水は、好ましくはフレキシブル部分を含む配管62によって受入槽50に戻されるようになっている。この場合、スイッチが検出出力を生じていないときも集油槽60内には内部のポンプ61が空気を吸込まないようにポンプ吸引口以上のレベルで被処理水が入っているようにされており、この状態で集油槽60の浮子バランスが平衡して集油槽60がその上縁を第3鎮静槽53の水面レベルより所定深さで沈ませた状態になるようにしてある。従って集油槽60には継続的に表層の被処理水が流入するが、この流入する被処理水の集油槽内レベルが第3鎮静槽水面レベルに追い付かないようにポンプ61が駆動される。
【0114】
第3鎮静槽53とその下流の検査槽54との間は、第3鎮静槽53の下層部に一端が開口する立上り管58によって接続されており、この立上り管58の上端部は検査槽54の水面レベル近傍に開口している。
【0115】
検査槽54は流れの途中に油よけ板59を有しており、流れはこの油よけ板59の下端をくぐって出側接続部17bから排水側溝へ流出するようになっている。尚、この油よけ板59は、ユニット16aの壁構造の一部であってもよい。
【0116】
検査層54は流れの途中に油よけ板59を有しており、流れはこの油よけ板59の下端をくぐって出側接続部17bから排水側溝へ流出するようになっている。尚、この油よけ板59はユニット16aの壁構造の一部であってもよい。
【0117】
上述した油水分離装置では、入側接続部17aから受入槽50に流入する側溝からの油水混合の被処理水は、受入槽50の表層の油層中に流入して油を巻込みながら下降するが、受入槽50はその表層からバキュームで油を別のタンク等に回収するのにも利用するため、第5図に鎖線で示したように仕切り板または壁63を設けてもよい。さて、受入槽50に流入した被処理水は層内の油を巻込みながら流下して多少の鎮静効果により油粒子を浮上させながら多少の油粒子を混合した状態で幅方向二本の立上り管55を介して第1鎮静槽51にその表面部から流入する。第1鎮静槽51では、二本の立上り管55から表面近くで流れを受けるので攪乱は少なく、従って被処理水は鎮静された油粒子の浮上が有効に行われる。下層の油粒子の少ない被処理水は次いで幅広穴56を介して第2鎮静槽52へ下から流入し、ここでも穴56が幅広であるので攪乱は受けない。
【0118】
第2鎮静槽52に下から流入した被処理水は油粒子に充分な浮力の効果を発揮させて浮上させ、その表層部に残った油分を殆ど浮上させた状態となる。この第2鎮静槽52の表層部の被処理水は浮上油と共に幅広凹部57を介して水平にシフトして第3鎮静槽53に流入するが、第3鎮静層53では先に述べたように集油槽60が表層の被処理水を吸込んでおり、したがって表層の浮上油は殆どが集油槽60内に流入する。集油槽60への流入を逃れたのは油粒子を殆ど全く含まない水であり、これは第3鎮静槽53の下層から立上り管58を介して検査槽54の表面レベルに流入し、さらに油よけ板59の下をくぐって出側接続部17bから排水側溝へ流出する。検査槽54の板58の上流側は最終排水の表面目視検査のために利用され、その表面の油分が認められれば表層水を再循環へ回すようにする。
【0119】
一方、集油槽60内に集められた被処理水は第3鎮静槽53の表層の浮上油を殆ど回収しているので油分を多く含む油水混合液である。この混合液はポンプ61により配管62を介して受入槽50へ循環される。この場合、配管62の出口は第5図に鎖線で示した仕切り板63の上流側にしてもよく、それによって仕切り板63の下流側における受入槽50の表面部分をバキューム等による油回収作業領域に専用の部分とすることができ、またその部分での流入油水による回収油の水分含有量の増加を防ぐこともできる。
【0120】
尚、液抜き工程3で所定の解体作業が行われた廃車11cは、後述する素材回収工程4で中古部品等を取り外すために同工程4の作業床面12dに専用に配置された解体作業車のブーム先端に取り付けられた爪部で掴んで素材回収工程4へと横持ち移動される。
【0121】
素材回収工程4では、ガラス外し、ランプ類取り外し、バックミラー取り外し、中古部品(ボンネット、フェンダー、ドア、バンパー、エンジンミッション、グリル、テールランプ、ラジエター、ガラス、ヘッドライト、ドライブシャフト等)の取り外しが行われる。これら部品類は手作業にて取り外しても良いが、本実施形態ではブームの先端に解体作業工具と取り付けた一般的な解体作業車で行うようにしている。
【0122】
上記の取り外されたものの中で、布、シートカバー、ウレタン類は、固形化燃料として再利用するためにRDF化装置を素材回収工程4の作業床面12dに解体機械の一つとして専用に配し、このRDF化装置を用いて固形化される。また、プラスチック類は、プラスチック識別機を素材回収工程4の作業床面12dに解体機械の一つとして専用に配置して、このプラスチック識別機を用いてプラスチックを精度良く分別される。これにより、純度の高いプラスチック再生原料を得ることができる。
【0123】
また、回収されたガラス類は、ガラス破砕機を素材回収工程4の作業床面12dに解体機械の一つとして専用配置し、このガラス破砕機を用いて砂と同程度まで細かく破砕し、セメントやアスファルトの原料として再利用される。
【0124】
そして、素材回収工程4で所定の解体作業がなされた廃車11dは、同工程4に配置された解体作業車によって内外装外し工程5へと横持ち移動される。
【0125】
内外装外し工程5では、バンパー、グリル、屋根、屋根内張り、シート、インストゥルメントパネル、ワイヤーハーネス、コンソールボックス、ドア内張り、フェンダープロテクター、床マット、ヒーターコアの取り外しが行われる。
【0126】
この内外装外し工程5では、上記のものを取り外すために解体機械として、解体作業車を作業床面12eに専用に配置する。この解体作業車について、図7と共に以下に概略説明する。尚、この解体作業車の詳細は特許第3101717号に記載されている。
【0127】
図7は内外装外し工程で用いる解体作業車を示す斜視図であり、自走車両として油圧バックホーを利用した例を示している。図7において車両71にはエンジン出力の一部で駆動される旋回ステージ72が搭載されており、またこのステージ72の後方には油圧発生装置75が搭載されている。
【0128】
ステージ72上には、走行時に前向きとなるように運転キャビン73が前部左側に設けられており、また中央部にはブーム76が起伏シリンダ77で起伏可能に枢支されており、ブーム76は先端に開閉作業工具74を有している。このブーム76は車両71をトレータトラックなどによって搬送する際には折りたたまれる。またこのブーム76の先端の作業工具74として図示の例ではスクラップを挟んで掴む開閉ペンチャーを装着しているが、電磁石で対象物を吸着するリフティングマグネットなどの他の工具と交換可能にしてもよい。
【0129】
また車両71の前部には、支持ブロック78が枢支軸79によって上下に伏仰可能に取り付けられ、この支持ブロック78の伏仰は、車体71から前方へ突き出して設けられた油圧ピストンシリンダ装置80によって駆動されるようになっている。支持ブロック78の前面には互いに近接配置された枢軸支点81a,81bによって水平方向に開閉可能な一対のアーム82a,82bが前方へ突き出すように設けられており、各アームの中ほどには、支持ブロック78との間でアームの開閉駆動をするための油圧ピストンシリンダ装置83a,83bのピストンロッド先端が滑節軸84a,84bにより連結され、この滑節軸の位置が開閉駆動力の作用する力点となっている。
【0130】
両アーム82a,82bの互いに対面する内側の面には、枢軸支点81a,81b側から順に、堅牢な対象物を挟圧して破断または圧潰するための一対の割り工具85a,85bと、配管スクラップ等の比較的小型のスクラップを挟圧して破断または圧潰するための別の一対の割り工具86a,86bと、スクラップ対象物をアーム間で挟持するためのお椀状の凹面からなる先端面をもつ挟持具87a,87bとが夫々着脱可能に固定されている。これらのうち、前記割り工具85a,85b及び別の割り工具86a,86bとは、前記滑節軸84a,84bと前記枢軸支点81a,81bとの間の範囲内に位置されている。
【0131】
挟持具87a,87bの先端面周縁部には、両アーム82a,82bが閉じられたときに互いに当接してアームの閉位置を規制するストッパー88が夫々設けられており、このストッパーが当接した状態では前記各割り工具が最小間隙で対面するように構成されている。
【0132】
両アーム82a,82bの先端は若干下方に曲げられてスクラップ対象物を上から押えつけるための沓部89a,89bとなっており、更に各沓部の基部上面には一対の角状の突起工具90a,90bが着脱可能に固定されている。この一対の突起工具は、アームが閉状態にあるときに互いの先端部が殆ど接するように近接し、両突起工具の先端は前方へ向かって外側へ曲がった鈎状となっているものであり、この鈎状の先端によってアームの開動作と共にスクラップ対象物を内側から外側へ開裂破断させるものである。
【0133】
このような構成を備えた解体作業車によるスクラップの解体作業に際しては、必要に応じてステージ72を旋回しつつキャビン73内からの操作でブーム76および作業工具74、そしてアーム82a,82bを作動可能状態にする。そして、スクラップ対象物(廃車)の上に適当な間隔に開いたアーム82a,82bを降ろして上から押えつけ、この状態でステージ72の回動とブーム76および作業工具74の操作により廃車の各部(バンパー、シート、床マット、インストゥルメントパネルなど)を引きちぎり、引きちぎったスクラップを作業工具74で掴んで車体周辺の地上または運搬車両に分別して降ろすという作業を行う。
【0134】
そして、内外装外し工程5で所定の解体作業がなされた廃車11eは、同工程5に専用に配置される解体作業車によって室内シュレッダー工程6へと横持ち移動される。
【0135】
室内シュレッダー工程6では、工程1〜5までで解体された廃車の室内に依然として残っている繊維類やプラスチック類の除去作業が行われる。具体的には、廃車室内の天井部やシートが外された床部に残った繊維、プラスチック等の除去を行う。このため、室内シュレッダー工程6の作業床面12fには一般的なシュレッダー処理装置を専用に配置し、この装置によって解体作業を行う。この工程で十分に繊維類やプラスチック類を除去することで、廃車に金属以外の成分が含まれなくなり、廃車の金属材料として再利用が可能となる。
【0136】
また、シュレッダー処理された繊維類やプラスチック類は分別回収して夫々再利用できるようにする。このため、室内シュレッダー工程6の作業床面12fには一般的なプラスチック識別機を専用に配置し、このプラスチック識別機によって繊維類とプラスチック類とを分別する。
【0137】
そして、所定の解体作業が行われた廃車11fは、廃車解体工程7に配置された解体作業車が掴んで横持ち移動される。
【0138】
廃車解体工程7では、作業床面12gに専用に配置された解体作業車によってエンジンが取り外され、エンジンミッション、フロントアクスル、リアアクスル、ホーシングスプリング、ラジエター、クーラーコンデンサー、触媒が取り外される。
【0139】
そして、解体された廃車11gのエンジン部分はエンジン前処理工程8とエンジン解体工程9へと順に横持ち移動されて、解体処理される。一方、エンジンや足回り部品等が外された廃車11gはプレス・ギロチン処理工程10へと横持ち移動されてプレス・ギロチン処理される。エンジン前処理工程8への廃車11gの横持ち移動、及びプレス・ギロチン処理工程10への横持ち移動は、廃車解体工程7に配置された解体作業車が行う。
【0140】
エンジン解体作業の際にはオイルが多量に排出されるため、エンジン前処理工程8の作業床面12h、及び、エンジン解体工程9の作業床面12iはその他の工程の作業床面より低くし、こぼれ出た液類はこの作業床面12h,12i内に留まっておくことができるように構成されている。液抜き工程3の作業床面12cもその他の工程の作業床面より低くなっているが、エンジン前処理工程8とエンジン解体工程9の作業の方が多量に液類が排出されるため、液抜き工程3の作業床面12cより作業床面12h,12iがさらに低くなっている。
【0141】
尚、エンジン前処理工程8の作業床面12hとエンジン解体工程9の作業床面12iとはつながった同一床面とし、両工程8,9でこぼれ出た液類を一括して回収処理できるようにしている。
【0142】
作業床面12h,12iには液類が溜まった状態となるから、作業床面12h,12iに図1に示す穴18bを開け、この穴18bから自然落下(滴下)した液類を油水分離装置16bに直接導いて油と水を分離し、油をアルミ炉の燃料等に再利用できるように構成されている。この構成は液抜き工程3と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0143】
取り外されたエンジン部分は溶解して再利用するために、エンジン前処理とエンジン分別解体を行う。エンジン前処理工程8にて行うエンジン前処理は、溶解して再利用するのに余計なエンジン付属品を取り除く作業であり、ここで取り外される付属品にはセルモーター、ジェネレーター、触媒、ハーネス、キャブレターがある。これらの付属品を取り外すために、エンジン前処理工程8の作業床面12hには内外装外し工程5で用いるのと同じ解体作業車(図7に示す解体作業車)を解体機械として専用に配置する。図7に示す解体作業車は内外装外し工程5にもエンジン前処理工程8にも用いることができるからである。
【0144】
また、エンジンは大きく分けると鋳鉄部分とアルミ部分で構成されている。そこで、エンジンを溶解して金属材料として再利用するために鋳鉄部分とアルミ部分とに分別して解体することが望まれるが、この分別解体にも図7に示す解体作業車を用いることができるため、エンジンの前処理と分別解体とを行う解体機械は一台の解体作業車でよい。
【0145】
よって、以下にエンジン前処理工程6及びエンジン解体工程9で用いる解体作業車の説明をするが、内外装外し工程5において説明した部分はここでは省略し、エンジン前処理及び分別解体に限定して説明を行うことにする。
【0146】
廃車から取り外されて分離したエンジンスクラップの解体作業に際しては、図7に示す解体作業車のアーム82a,82bを開閉操作して挟持具87a,87bによりエンジンスクラップを前後両端で挟持し、この挟持状態のまま油圧ピストンシリンダ装置80によってアームを少し起こすと挟持具の間でエンジンスクラップが回動可能となるので、作業工具74の操作によってエンジンスクラップを所望の向きに回動させておいてアームを伏せ、しかるのち作業工具74によってエンジンスクラップについている電装部品等を引きちぎる。このよう前処理されて鉄とアルミニウムの複合体からなる裸の状態とされたエンジンスクラップは、次いで割り工具85a,85bによる割り作業に付される。
【0147】
この割り作業では、アーム82a,82bを開いて作業工具74によりエンジンスクラップを掴み、これを割り工具85a,85bの間に所望姿勢で位置させてからアーム82a,82bを閉動作させ、エンジンスクラップの鉄部品とアルムニウム部品との境目に割り工具85a,85bによる挟圧を加えると、アーム閉動作の力点より枢軸支点側にある割り工具85a,85bが強い力で前記境目を強圧し、これによってエンジンスクラップが前記境目から割れて鉄とアルミニウムとの分別回収が果たされる。
【0148】
また、エンジンの分別解体の手段として別の解体機械を用いることもできる。具体的には、図8に示すような解体機械をエンジン解体工程9の作業床面12iに専用に配置して行う。以下、図8に示すエンジン分別解体の装置について説明するが、詳細については、特公平6−73767号公報を参照されたい。
【0149】
第8図にはエンジン解体工程9のエンジン分別解体に用いるスクラップ分別解体装置の外観が示されている。
【0150】
図8において、110,112,114,116,118,はショベルカー等に使用される周知の旋回作業車と同様な構成部品であり、110,112はブームを構成する第1アーム及び第2アームであり、油圧により伏仰動作できるようになっている。114は作業車両の上部車体構造であり、キャタピラ116により自走可能な下部車体構造の上に旋回可能に取り付けられており、その中央付近には前記第1アーム10が枢支されている。また、上部構造114の一部には中に人間が入って操縦するための操縦室118が設けられている。
【0151】
120は作業車両の前部に2本のアーム122によって上下動可能に設けられたブラケットであり、その前面には排土板124が固定されている。
【0152】
この排土板124の前面には分断プレス装置(分断プレス手段)126が取り付けられており、この図の例では、前記プレス装置126は固定側ラム126aと可動側ラム126bとからなり、可動側ラム126bは油圧シリンダ装置128によって固定側ラム126aへ向って接近・離反可能である。両ラム126a,126bは図示の例ではほぼ三角柱状のものであり、その先端の稜線は向きを変えられるが、常に互いに同じ向き(図では縦向き)とされる。またプレス作動中はラムが自転しないようになっている。
【0153】
前記プレス装置126の作動は操縦室118内から遠隔で行われ、可動側ラム126bを引っ込めた状態にして、解体すべきエンジン(図示せず)を左右両側から挾圧するようになっている。なお車両の移動時には、分断プレス装置126の先端部をアーム122によって所定の高さだけ上方に持ちあげた状態とすることができる。
【0154】
130はブームの先端に取り付けられた開閉作業工具であり、ブーム軸心周りに回動して向きを変えられるようになっている。開閉作業工具130は前記プレス装置126にエンジン等の解体対象物を持ちこみ、その不要部品を引き千切り、対象物の向きや位置を変え、或は小物部品を割るためのものであって、油圧によって互いに対向する開閉刃部(開閉爪)132,134を備えている。
【0155】
次に、上記スクラップ分別解体装置の動作について説明する。
【0156】
まず初めに、上部車両構造114の旋回とブーム110,112の上下動操作によって、予め自動車から取り出されたエンジン(図示せず)の直下に開閉作業工具130を位置させた後、該工具130によって当該エンジンをつかみ、プレス装置126の両ラム126a,bの間に運びこむ。
【0157】
そして、ブーム110,112と開閉作業工具30の操作によってエンジンを適当な姿勢にした後、2つのラム126a,bの間にてエンジンの分断希望個所をラム126a,bで左右両側より挾み、強く圧下する。これによりエンジンは強圧下部分で割れ、エンジンハウジングがばらばらになる。
【0158】
分断されたエンジンの部品は、アルミニウムと鋳鉄という具合に分けられるが、この作業は、前記開閉作動工具130を利用して行なうことができる。この際、分断されたエンジンを排土板124によって押して別の場所へ移してもよい。
【0159】
このようにして、このスクラップ分別解体装置では、解体されたエンジン部品のうちアルミニウム製品だけを選んで溶解炉に入れることができ、したがってアルミニウムの融点(660℃)に近い温度で熱効率よく溶解して、最終的に型に流し込んだのち、インゴットに成形して回収することが可能である。
【0160】
プレス・ギロチン処理工程7は、内蔵物が廃車搬入工程1〜廃車解体工程7間で取り外された後のいわば裸の廃車11gをプレスして減容したり、ギロチン処理したりして鉄塊にする工程である。鉄塊にした後には金属材料として再利用される。よって、このプレス・ギロチン処理工程7の作業床面12jにはプレスやギロチン処理を行うための解体機械、即ちプレス装置やギロチン処理装置を専用配置する。
【0161】
ここで用いるプレス装置の一例を図9と共に概略説明する。尚、図9に示すスクラッププラスの詳細は特許第2509830号に記載されている。
【0162】
図9にはスクラッププレス装置の全体的な構成が示されている。図において、150,152,154,156,158,はショベルカー等に使用される周知の旋回作業車と同様な構成部品であり、150,152はブームを構成する第1アーム及び第2アームで、油圧により上下方向に動作できるようになっている。154は当該装置の上部構造であり、キャタピラ156上で走行可能な下部走行体151の上に旋回可能に取り付けられており、その中央付近には前記第1アーム150が伏仰可能に枢支されている。また、上部構造154の一部には中に人間が入って当該装置を操縦するための操縦室158が設けられている。
【0163】
160は第2アーム152の先端に設けられたスクラップ引き千切り用切断ペンチャであり、廃車や中古車(図示せず)を切断、解体するとともに、これらを挟持して移動させ、さらには本発明に従って後述のプレス作業箱内でスクラップを叩打して塊状にプレスする等の作業を果たすものである。162はスクラップを押えるための押圧アームであり、下部走行体151の前部ブラッケット(図示せず)に支持され、解体する中古車を地面に対して押圧可能に上下にシリンダで伏仰できるように構成されている。
【0164】
170は旋回作業車の旋回作業半径内の床面上に設置されたプレス作業箱であり、内部に解体されたスクラップ(図示せず)が入る程度の大きさの桝形に構成された鉄製箱体からなっている。
【0165】
作業箱170はその底面が左右方向に凹曲面となっており、前後方向の内壁面は直立壁面である。これによりペンチャ160が掴んだスクラップを第1アーム150に対する第2アーム152の前後揺動操作で作業箱170の前後内壁面に叩打し、或いは上から叩き、これら叩打作業を適宜行なうことでスクラップを作業箱170の内形状に従った塊状にプレスする。
【0166】
プレス作業箱170の内形状は図示のものに限定されず、例えば逆台形状、逆三角状の横断面形状の有底凹部を形成するものであってもよい。
【0167】
押圧アームによって押え付けられた自動車ボディをペンチャ160によって引き千切り、千切ったスクラップ片をそのままプレス作業箱170に入れ、これを繰り返して或る程度のスクラップが作業箱170内にたまったら、ペンチャ160で上から叩打する。これによってプレス作業箱170内でスクラップが或る程度の塊になり、次いでこの塊をペンチャ160で掴んで作業箱の内面に押し付け、或いは叩打し、これを繰り返すことによりスクラップ塊の形状を作業箱170の内形状に従った形状に成形する。図示の例の場合、この形状はほぼかまぼこ状となる。
【0168】
上記の叩打による成形が終れば、このスクラップ塊をペンチャで別の個所に待機するトラックに積み込み、これによってスクラップがほぼ一定形状の塊として運搬されることになる。
【0169】
尚、廃車解体工程7で取り外された部品類でプレス処理したいものがあれば、それらの部品類を掴んでプレス・ギロチン処理工程10に横持ちして前述のプレス装置に引渡せば良い。このとき、部品類を掴む手段として特開平07−53175号公報に記載のグラップルを廃車解体工程7の作業床面12gに配された解体作業車のブーム先端に取り付けてやると、細かい部品類までしっかりと掴んでプレス・ギロチン処理工程10に引渡すことができる。
【0170】
以下に上記グラップルについて図10〜図12と共に簡単に説明する。図10はスクラップ用グラップルの断面の構成を示す説明図であり、図11は図10のスクラップ用グラップルの開成時の状態を示す説明図である。また、図12は図10のスクラップ用グラップルの下面から見た爪部の状態を示す説明図である。
【0171】
図10に示すようにスクラップ用グラップル181は、移動式クレーンのブーム先端部、キャタピラ式クレーン車等の他の移動式クレーン、塔型クレーン、ケーブルクレーン等のクレーンに吊持させて取り付けるものである。勿論、この場合、グラップル181を吊下する吊下軸に対して外部操作で回動可能な回動手段(図示せず)を介してグラップルを吊持させることが好ましい。
【0172】
また、グラップル181には4本の爪部182(182a,182b,182c,182d)が設けられており、各々の爪部182は各爪部182の腕部に連結された油圧シリンダ184により外部操作で開閉自在とされており、これによりスクラップ等を掴み、或いは開放することができる。更に、グラップルの爪部182は、閉成時に先端部分が面一となり、尚且閉成時に平板状の下面を形成するように構成されている。
【0173】
更に、爪部182の先端部分に電磁石183が内蔵されている。この電磁石は爪部の下面及び上面に磁気吸着面を形成するような磁極配置を有している。この電磁石により前記グラップルの爪部182で掴むことができない細かい鉄屑を下面で吸着して積み降しを行うことが可能となる。また、上面では爪部の間に掴んでいるスクラップをも磁気吸着することができるため、掴まれているスクラップに付随している細かなスクラップがグラップルからこぼれ落ちることを防止している。更に、スクラップをすくって閉成状態のバケット内のスクラップを上面に吸着して搬送中の荷零れを防ぐことができる。
【0174】
前記各爪部182は、細かい鉄屑等のスクラップの積み降し作業を行う際にはグラップルの爪部182を閉成状態とし、先端部分に設けられた電磁石に給電して磁気吸引を行ない、平板状のグラップルの下面に鉄屑を吸引して、積み降ろしを行う。また、これらを同時に行ってもよい。尚、該電磁石183には爪部182の外側に配された給電ケーブル185を介して電力を供給する。
【0175】
また、図示のグラップルでは、個々の爪部の先端部分に設けられた電磁石が閉成時に邂逅する爪部端縁同士を互いに磁気吸着する磁極配置を有しているため、閉成時には爪部同士の邂逅端縁が強固に一体となり、一つの通常のリフテイィングマグネットと同様に良好な磁気吸着を行なうことができる。また、爪部が間にスクラップを掴んでいる場合には、爪部の先端同士が磁気吸引するため、強い掌握力が得られる。
【0176】
尚、本発明の廃車解体方法(廃車解体システム)は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0177】
例えば、液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程の作業床面を仕切壁で囲い、排出される液類をその仕切壁でせき止めるようにしても良い。あるいは、液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程の作業床面を仕切壁で囲うと共にこれらの作業床面をその他の工程の作業床面より高くすることもできる。このようにその他の作業床面より高くすると、液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程の作業床面に溜まった液類を作業床面に開けた穴から取り出す際に、その他の工程の作業床面と同じ床面位置に油水分離装置などを配置することができるから液類回収作業が行い易い利点もある。
【0178】
また、本発明の廃車解体方法は、屋内でも屋外でも使用可能である。屋内で使用する場合には、解体機械を電気式駆動としておくのがよい。排ガスが発生しないので屋内環境をクリーンにしておくことができるからである。
【0179】
各工程で行う作業は上述のものに限定されるものではなく、上述以外の作業内容を適宜各工程に含めることもできる。また、上述の各工程に含まれる作業内容の一部を別の工程に入れ替えて解体作業を行うことや、各工程の順番を入れ替えることや、あるいは上述の各工程を統合/分割することも適宜可能である。このような場合には、各工程の作業内容において排出される液類の量に応じて作業床面の高低差を適宜変更すればよい。
【0180】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明に係る廃車解体方法(廃車解体システム)によれば、廃車を横持ち移動して解体作業を行えるから廃車の解体作業効率が大幅に向上するという優れた効果を奏し得る。さらに、廃車の解体作業工程に好適な解体機械が丁寧で無駄のない解体作業を行うことにより、廃車の解体部品のリサイクル率が高い。加えて、廃車解体中に解体作業床面にこぼれた液類は、他の作業床面より低くなった作業床面に留まっており、他の作業床面に広がらない。よって、解体作業車などの通行によって敷地内の床面が汚れてしまうことがないという優れた効果がある。しかも、床面が汚れないのでスリップし難くなり、作業者の歩行が安全に行える。
【0181】
実際に本発明の廃車解体方法によって廃車を解体した結果、リサイクル率を95%としながら1日約100台の処理を行えるという優れた効果が確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る廃車解体方法を示すための作業工程図である。
【図2】タイヤ・ホイール分離装置の斜視図である。
【図3】タイヤ・ホイール分離作業の手順を説明する断面説明図である。
【図4】タイヤ・ホイール分離装置のパワー開閉爪によるホイール変形の様子を示す図である。
【図5】油水分離装置の模式縦断面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】内外装品を外す解体作業車を示す斜視図である。
【図8】スクラップ分別解体装置の外観を示す斜視図である。
【図9】スクラッププレス装置の全体構成を示す斜視図である。
【図10】スクラップ用グラップルの断面の構成を示す説明図である。
【図11】図10のスクラップ用グラップルの開成時の状態を示す説明図である。
【図12】図10のスクラップ用グラップルの下面から見た爪部の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1:廃車搬入工程
2:前作業工程
3:液抜き工程
4:素材回収工程
5:内外装外し工程
6:室内シュレッダー工程
7:廃車解体工程
8:エンジン前処理工程
9:エンジン解体工程
10:プレス・ギロチン処理工程
11a〜j:廃車
12a〜j:作業床面
13a〜i:解体機械による横持ち移動

Claims (1)

  1. 廃車を解体場所へと搬入する廃車搬入工程と、
    廃車の解体前準備作業を行う前作業工程と、
    廃車の残液を排出する液抜き工程と、
    廃車の部品類を回収する素材回収工程と、
    廃車の内装品及び外装品を取り外す内外装外し工程と、
    廃車の室内をシュレッダー処理する室内シュレッダー工程と、
    廃車の足回り部品やエンジン等を取り外す廃車解体工程と、
    エンジンの解体前処理を行うエンジン前処理工程と、
    エンジンの解体を行うエンジン解体工程と、
    廃車をプレスしたりギロチン処理を行うプレス・ギロチン処理工程と
    を含む廃車解体方法であって、
    前記各工程間を廃車の横持ち移動によって順次連結して廃車解体作業を行い、
    前記廃車の横持ち移動が、前記何れかの工程の作業場に専用配置された解体機械としての解体作業車の油圧作動ブームを用いて廃車をそのまま掴んで次の工程へ順次引渡すか、又は、次の工程の作業場に専用配置された解体機としての解体作業車の油圧作動ブームの腕を伸ばして廃車を取りに来ることを含み、
    前記各工程間で廃車を順次横持ち移動することによって廃車解体作業を行うに際し、前記液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程とを、これらの工程を除く前記各工程の作業床面より低い高さ位置にある作業床面上で行い、
    前記液抜き工程とエンジン前処理工程とエンジン解体工程とを行う作業床面に開設された穴から自然落下する液類を直接導くように配置された油水分離装置で油分を回収することを特徴とする廃車解体方法。
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