以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1及び本発明に係るLED装飾部材の一実施の形態であるダイナミックLED装飾部材81,スタティックLED装飾部材91について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明のLED装飾部材81,91を備えたパチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり、透明なガラス板を保持したガラス枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、上皿5と下皿6との間にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。
また、遊技盤2の前面にはガイドレール(図示外)で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された特別図柄表示画面や普通図柄表示部、各種ランプ、LEDを備えた特別図柄表示装置8が設けられている。この特別図柄表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられている。また、特別図柄表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、特別図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられている。そして、その特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。
さらに、遊技盤2の特別図柄表示装置8の周囲には本発明の要部であるダイナミックLED装飾部材81が設けられており、特別図柄始動電動役物15の周囲にも本発明の要部であるスタティックLED装飾部材91が設けられている。図2はダイナミックLED装飾部材81のイメージ図であり、図3はスタティックLED装飾部材91のイメージ図である。なお、遊技盤2には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他の電飾用のLED62(図4参照)、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
図2に示すように、ダイナミックLED装飾部材81では、平面視、所定幅を有するリング状のレール部材83の9箇所にLED181〜189が設けられている。本実施の形態では、LED181は赤色のLEDであり、LED182は黄色のLEDであり、LED183は緑色のLEDであり、LED184は赤色のLEDであり、LED185は黄色のLEDであり、LED186は緑色のLEDであり、LED187は赤色のLEDであり、LED188は黄色のLEDであり、LED189は緑色のLEDである。このダイナミックLED装飾部材81のLED181〜189は、後述する駆動手段によりレール部材83上を軌跡として移動する(LED181〜189が回転する)。また、このダイナミックLED装飾部材81では、点灯させるLEDを指定することができる。よって、例えば、大当たり抽選結果の報知にLED181〜189を点灯させて、遊技者の注意をひくことができる。また、大当たり抽選結果の報知において、リーチとなった場合に、大当たりとなる確率の大きいリーチではダイナミックLED装飾部材81を回転させて遊技者への期待感を高めたり、リーチアクションの種類によって点灯させる色を変化させて大当たりへの期待度を表示したり、回転速度を変化させて大当たりの期待度を表示したりすることができる。
また、図3に示すように、スタティックLED装飾部材91では、平面視、所定幅を有するリング状のレール部材93の5箇所にLED191〜195が設けられている。本実施の形態では、LED191は赤色のLEDであり、LED192は青色のLEDであり、LED193は黄色のLEDであり、LED194は緑色のLEDであり、LED195は橙色のLEDである。このスタティックLED装飾部材91もLED191〜195がレール部材93上を軌跡として移動する(LED191〜195が回転する)。このスタティックLED装飾部材91は、全てのLED191〜195を同時に点灯させる。よって、例えば、特別図柄始動電動役物15が入賞しやすい状態に開放されている場合には、スタティックLED装飾部材91を回転させて、遊技者の注意をひくことができる。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成及び電飾制御基板46の電気的構成について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図であり、図5は、電飾制御基板46及びそれに接続したダイナミックLED装飾部材81とスタティックLED装飾部材91との電気的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音声制御基板43、図柄制御基板44、払出制御基板45、電飾制御基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板に接続されている。さらに、音声制御基板43、図柄制御基板44及び電飾制御基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音声制御基板43、図柄制御基板44、電飾制御基板46の総合的な制御を行っており、音声制御基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄制御基板44は特別図柄表示装置8の特別図柄表示画面や普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾制御基板46は、本発明の要部であるダイナミックLED装飾部材81,スタティックLED装飾部材91及びパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。なお、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられている。そして、音声制御基板43にはCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、図柄制御基板44にはCPU44aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
電飾制御基板46には、本発明の要部であるダイナミックLED装飾部材81,スタティックLED装飾部材91、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、電飾用のLED62、及び電飾ランプ63が接続されている。また、図柄制御基板44には特別図柄表示装置8及び普通図柄表示部24が接続され、音声制御基板43にはスピーカ48が接続され、払出制御基板45には賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。なお、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
また、電源基板42は、主基板41、音声制御基板43、図柄制御基板44、払出制御基板45、電飾制御基板46及びサブ統合基板58を各々接続し、直流の安定化した電力を供給している。なお、電源基板42には交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を各基板へ供給できるようになっている。なお、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音声制御基板43、図柄制御基板44、払出制御基板45、電飾制御基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
図5に示すように、電飾制御基板46にはCPU46aが設けられており、サブ統合基板58に接続され、サブ統合基板58からの各種コマンドを受信する。そして、CPU46aは、ダイナミックLED装飾部材81のLED181〜189の点灯を制御するICである直流駆動用LEDドライバ88、スタティックLED装飾部材91のLED191〜195を制御するICであるパルス駆動用LEDドライバ98が接続されている。また、CPU46aには、I/Oインタフェイス46bを介して、ダイナミックLED装飾部材81のモータ82及びスタティックLED装飾部材91のモータ92が接続されている。これらのモータ82,92は、LED装飾部材81,91のLEDを駆動させるためのモータである。なお、図5では特に図示しないが、電飾制御基板46にはその他の電飾用のLED62や電飾ランプ63、電飾風車9,10、普通図柄記憶数表示LED59、特別図柄記憶数表示LED60等が接続されている。
CPU46aはサブ統合基板58から遊技の演出のための各種コマンドを受信すると、そのコマンドにしたがって、ダイナミックLED装飾部材81、スタティックLED装飾部材91、電飾用のLED62、電飾ランプ63、電飾風車9,10等を点灯させたり、ダイナミックLED装飾部材81,スタティックLED装飾部材91を回転させたりする。または、コマンドにしたがってさらに演出方法の抽選を行った後に、抽選結果にしたがってダイナミックLED装飾部材81、スタティックLED装飾部材91、電飾用のLED62、電飾ランプ63、電飾風車9,10等を点灯させたり、ダイナミックLED装飾部材81,スタティックLED装飾部材91を回転させたりする。
図5に示すように、直流駆動用LEDドライバ88には、電流を供給する接続口であり、LEDのアノードを接続するための端子であるCOM1,COM2,COM3が設けられており、さらにLEDのカソードを接続するための端子であるSEG1,SEG2,SEG3が設けられている。そして、ダイナミックLED装飾部材81からは、COM1に接続するための電源供給用配線481、COM2に接続するための電源供給用配線482、COM3に接続するための電源供給用配線483、SEG1に接続するためのGND用配線486、SEG2に接続するためのGND用配線487、SEG3に接続するためのGND用配線488が設けられている。
そして、ダイナミックLED装飾部材81のLED181〜189は3個×3個のマトリクス状に配置されており、COM1〜COM3,SEG1〜SEG3を選択的にON/OFFすることにより、点灯させるLEDを指定することができる。赤色LED181はCOM1とSEG1とに接続され、赤色LED184はCOM2とSEG1とに接続され、赤色LED187はCOM3とSEG1とに接続され、黄色LED182はCOM1とSEG2とに接続され、黄色LED185はCOM2とSEG2とに接続され、黄色LED188はCOM3とSEG2とに接続され、緑色LED183はCOM1とSEG3とに接続され、緑色LED186はCOM2とSEG3とに接続され、緑色LED189はCOM3とSEG3とに接続されている。したがって、直流駆動用LEDドライバ88の制御により、COM1とSEG1とが「ON」となった場合には、赤色LED181に電流が流れて点灯することとなる。また、黄色LED185,188と緑色LED189とを同時に点灯させるためには、COM2,COM3,SEG2,SEG3が「ON」とされる。
また、COM1と電源供給用配線481との間には電圧を調整するための抵抗891が接続されており、COM2と電源供給用配線482との間には抵抗892が接続されており、COM3と電源供給用配線483との間には抵抗893が接続されている。なお、図5における縦の列には、電圧を安定化させるために同じ色のLEDが配置され、抵抗891にはLED181,LED182,LED183に必要な電圧に基づいて算出された値の抵抗により近い値の規格品の抵抗が備えられ、抵抗892にはLED184,LED185,LED186に必要な電圧に基づいて算出された値の抵抗より近い値の規格品の抵抗が備えられ、抵抗893にはLED187,LED188,LED189に必要な電圧に基づいて算出された値の抵抗より近い値の規格品の抵抗が備えられる。図5に示す例では、12Vで20mAの電流が供給されるとすると、赤色LEDの必要電圧は約1.8V、黄色LEDの必要電圧は約2.0V、緑色LEDの必要電圧は約3.5Vであるので、抵抗891〜893はともに390Ωの電圧が設置される。
また、図5に示すように、パルス駆動用LEDドライバ98には、LEDのアノードが接続され、DC12Vの電源を供給する為の接続口が設けられており、スタティックLED装飾部材91の電源供給用配線391が接続されている。また、パルス駆動用LEDドライバ98には、LEDのカソードと接続するための接続口が設けられており、スタティックLED装飾部材91のGND用配線396が抵抗99を介して接続されている。
スタティックLED装飾部材91には、5つのLED191〜195が直列に接続されており、パルス駆動用LEDドライバ98から電流が供給されると、すべてのLED191〜195が点灯することとなる。パルス駆動用LEDドライバ98には、パルス発振器981、抵抗982、トランジスタ983が設けられており、パルス発振器981がCPU46aからの指示にしたがってパルスを出力すると、トランジスタ983の働きにより、DC12Vの電流がスタティックLED装飾部材91のLED191〜195へ流れて、LED191〜195が点灯する。また、スタティックLED装飾部材91では、パルスの出力の間隔により、LED191〜195の輝度の調整をすることができる。パルスの出力間隔が短いほどLED191〜195の輝度は高くなる。
次に、図6及び図7を参照して、スタティックLED装飾部材91の構造について説明する。図6は、スタティックLED装飾部材91を簡略化した斜視図であり、図7は、LED191がモータ92と隣り合う位置に来ている際に、モータ92の回転軸921と平行に回転軸921を通るように、レール部材93への接線と垂直に交わるように切断した断面図である。図6においては簡単のために2つのLED191,192のみの記載とする。スタティックLED装飾部材91は、平面視、所定幅を有するリング状のレール部材93と、LED191,192を備えたLED部材94とで構成されている。
レール部材93は、平面視、所定幅を有するリング状の板部材であるGND部材932と、平面視、所定幅を有するリング状の板部材である電源供給部材931と、平面視、所定幅(GND部材932及び電源供給部材931よりも狭い幅)のリング状の所定の厚みを持った板部材で絶縁性を有する支え部材933とを積層して構成されている。GND部材932と電源供給部材931とはほぼ同一の大きさをしており、支え部材933をその間に介して垂直方向に積層配置されている。そして、GND部材932にはGND用配線396が接続されており、GND用配線396は支え部材933の内部を通って、支え部材933の高さ方向の略中央から、GND部材932の内側方向に排出され、電飾制御基板46のパルス駆動用LEDドライバ98に接続されている。また、電源供給部材931には電源供給用配線391が接続されており、支え部材933の内部を通って、支え部材933の高さ方向の略中央から、レール部材93の内側方向に排出されている。また、電源供給部材931の底面の内側には、電源供給部材931の円周に平行して溝9311が設けられており、GND部材932の上面の内側には同じく円周に平行して溝9321が設けられている。
また、LED部材94は、第1歯車923,第2歯車922,モータ92,LED191,LED台座291,アノード部材296,カソード部材297とで構成されている。第1歯車923は、略円形の板状の歯車であり、電源供給部材931やGND部材932の外周よりも歯の分だけ外周は大きくなっている。また、第2歯車922はモータ92の回転軸921に備えられており、第1歯車923に噛合し、モータ92の回転軸921の回転を第2歯車923へ伝達している。
そして、第1歯車923の上面には、LED191を備えたLED台座291が固着されており、LED台座291が固着されている位置の背面には、アノード部材296及びカソード部材297が固着されている。LED台座291の上面にはLED191が設けられている。そして、LED台座291には導電性のアノード用導電部294及びカソード用導電部295が設けられている。そして、LED台座291の上面から底面へ向けてアノード用導電部294及びカソード用導電部295が貫通しており、アノード用導電部294の上部はLED191のアノード292に接続され、カソード用導電部295はLED191のカソード293に接続されている。また、アノード用導電部294及びカソード用導電部295の下部はLED台座291から突出しており、第1歯車923を貫通している。そして、アノード用導電部294はアノード部材296に固着され、カソード用導電部295はカソード部材297に固着されている。したがって、LED191のアノード292はアノード部材296に接続され、カソード293はカソード部材297に接続されている。
また、第1歯車923におけるLED台座291が固着されている位置の背面側の内側寄りに、アノード部材296の略長方形の薄い板状部分2961が固着されている。そして、板状部分2961の内側の端から図7における下方に向けて薄い板状部分2962が立設され、その端から第1歯車923の外側に向けて、底面に固着されている板状部分2961よりも短い長さで薄い板状部分2963が立設されている。そして、板状部材2963の端が上方向に突出し、この突出部2964がレール部材93の電源供給部材931の溝9311に嵌合している。つまり、アノード部材296は、第1歯車923の底面に固着されており、レール部材93の電源供給部材931の内側の端を回り込むようにして、嵌合している。この嵌合における接触面が電源供給部材931とアノード部材296との接触面となる。
また、第1歯車923におけるLED台座291が固着されている位置の背面側の外側寄りに、カソード部材297の略長方形の薄い板状部分2971が固着されている。そして、板状部分2971の外側の端から下方に向けて薄い板状部材2972が、レール部材93の図7における上下方向の長さよりも長く立設されている。そしてさらに、板状部材2972の端から薄い板状部材2973が第1歯車923と平行になるように、レール部材93のGND部材932の図7における左右方向よりも長く立設されている。そしてさらに、板状部材2973の端から図7における上方向に向けて薄い板状部材2974が立設されている。そして、板状部材2974の端から第1歯車923の外側に向けて薄い板状部分2975が立設されており、その端が下方向に突出し、この突出部2976がレール部材93のGND部材932の溝9321に嵌合している。つまり、レール部材93はカソード部材297に包み込まれており、さらに、第1歯車923に固着されていない側のカソード部材297の端が、GND部材932の内側の端を回りこむようにして、嵌合している。そして、この嵌合における接触面がGND部材932とカソード部材297との接触面となる。
このようにして、LED部材94のアノード部材296がレール部材93の電源供給部材931に嵌合し、カソード部材297がレール部材93のGND部材932に嵌合して、LED部材94はレール部材93に設置されている。そして、電源供給部材931及びGND部材932は導電性の物質で形成されており、アノード部材296及びカソード部材297も導電性の物質で形成されているので、電源供給用配線391から供給された電流は、電源供給部材931を通り、アノード部材296を通り、LED台座291のアノード用導電部294を通り、LED191のアノード292へ供給される。そして、LED191を点灯させて、LED191のカソード293を通り、LED台座291のカソード用導電部295を通り、カソード部材297を通り、レール部材93のGND部材932を通って、GND用配線396へ流出することとなる。
また、LED部材94には第1歯車923が備えられており、モータ92の回転により回転する第2歯車922の回転が伝達されるので、モータ92が回転すると第1歯車923も回転し、第1歯車上に固着されているLED台座291、アノード部材296及びカソード部材297が移動することとなる。よって、モータ92を回転させれば、LEDを点灯させた状態でレール部材93の軌跡を移動させる(回転させる)ことができる。しかしながら、LEDが複数設置されていたとしても、配線は電源供給用配線391及びGND用配線396の2本のみであり、レール部材93の支え部材933の所定の位置に固定されて延びているだけなので、LED部材94の移動により配線が移動することはないので、配線が絡まってしまうことがない。
次に、図8及び図9を参照して、ダイナミックLED装飾部材81について説明する。図8は、ダイナミックLED装飾部材81を簡略化した斜視図であり、図9は、LED181がモータ82と隣り合う位置に来ている際に、モータ82の回転軸821と平行に回転軸821を通るように、レール部材83への接線と垂直に交わるように切断した断面図である。ダイナミックLED装飾部材81は、スタティックLED装飾部材91と同様に、平面視、所定幅を有するリング状のレール部材83と、LED181,182を備えたLED部材84とで構成されているが、レール部材83とLED部材84との接続方法がスタティックLED装飾部材91とは異なる。
レール部材83は、平面視、所定幅を有するリング状の板部材で円の中心側の端部が上方向に突出しているGND部材832と、平面視、所定幅を有するリング状の板部材で円の中心側の端部が下方向に突出している電源供給部材831と、平面視、所定幅(GND部材832及び電源供給部材831よりも狭い幅)を有するのリング状の所定の厚みを持った板部材で絶縁性を有する支え部材833とで構成されている。これらのGND部材832,電源供給部材831,支え部材833は絶縁性を有している。GND部材832と電源供給部材831とはほぼ同一の大きさをしており、支え部材833をその間に介して平行に配置されている。
そして、GND部材832の上面における支え部材833よりも内側に導電性のGND用接続部386,387,388が設けられており、GND用配線486,487,488にそれぞれ接続されている。そして、GND用配線486,487,488は絶縁性のGND部材832及び支え部材833の内部を通って、支え部材833の高さ方向の略中央から、GND部材832の内側方向に排出され、それぞれ電飾制御基板46の直流駆動用LEDドライバ88の端子であるCOM1,COM2,COM3に接続されている。また、電源供給部材831の底面における支え部材833よりも内側に伝導性の電源供給用接続部381,382,383が設けられており、電源供給用配線481,482,483がそれぞれ接続されている。そして、電源供給用配線481,482,483は絶縁性の電源供給部材831の及び支え部材833の内部を通って、支え部材833の高さ方向の略中央から、電源供給部材831の内側方向に排出され、それぞれ電飾制御基板46の直流駆動用LEDドライバ88の端子であるSEG1,SEG2,SEG3に接続されている。
また、LED部材84は、第1歯車823,第2歯車822,モータ82,LED181,LED台座281,アノード部材286,カソード部材287とで構成されている。第1歯車823は、略円形の板状の歯車であり、電源供給部材831やGND部材832の外周よりも歯の分だけ外周は大きくなっている。また、第2歯車822はモータ82の回転軸821に備えられており、第1歯車823に噛合し、モータ82の回転軸821の回転を第2歯車823へ伝達している。
そして、第1歯車823の上面には、LED181を備えたLED台座281が固着されており、LED台座281が固着されている位置の背面には、アノード部材286及びカソード部材287が固着されている。LED台座281の上面にはLED181が設けられている。そして、LED台座281には導電性のアノード用導電部284及びカソード用導電部285が設けられている。そして、LED台座281の上面から底面へ向けてアノード用導電部284及びカソード用導電部285が貫通しており、アノード用導電部284の上部はLED181のアノード282に接続され、カソード用導電部285はLED181のカソード283に接続されている。また、アノード用導電部284及びカソード用導電部285の下部はLED台座281から突出しており、第1歯車823を貫通している。そして、アノード用導電部284はアノード部材286に固着され、カソード用導電部285はカソード部材287に固着されている。したがって、LED181のアノード282はアノード部材286に接続され、カソード283はカソード部材287に接続されている。
また、第1歯車823におけるLED台座281が固着されている位置の背面側の内側寄りに、アノード部材286の略長方形の薄い板状部分2861が固着されている。そして、板状部分2861の内側の端から図9における下方に向けて薄い板状部分2862が立設され、その端から第1歯車823の外側に向けて、底面に固着されている板状部分2861よりも短い長さで薄い板状部分2863が立設されており、その付け根部分に溝2864が図9の紙面に垂直な方向、すなわち、電源供給部材831の円周方向に設けられている。そして、溝2864でない面には電源供給用接続部381,382,383のいずれかと接触するための、導電性のアノード接触部2869が設けられている。そして、溝2864には電源供給部材831の突出部が嵌合している。
つまり、アノード部材286は、第1歯車823の底面に固着されており、レール部材83の電源供給部材831の内側の端を回り込むようにして嵌合し、アノード接触部2869は電源供給用接続部381,382,383のいずれかに接触している。アノード接触部2869の設置位置により、電源供給用接続部381,382,383のうちのどの電源供給用接続部と接触するかが決定される。なお、電源供給用接続部381に接触して電源供給用配線481に接続する場合にはCOM1に接続され、電源供給用接続部382に接触して電源供給用配線482に接続する場合にはCOM2に接続され、電源供給用接続部383に接触して電源供給用配線483に接続する場合にはCOM3に接続する。
また、第1歯車823におけるLED台座281が固着されている位置の背面側の外側寄りに、カソード部材287の略長方形の薄い板状部分2871が固着されている。そして、板状部分2871の外側の端から下方に向けて薄い板状部材2872が、レール部材83の図9における上下方向の長さよりも長く立設されている。そしてさらに、板状部材2872の端から薄い板状部材2873が第1歯車823と平行になるように、レール部材83のGND部材832の図9における左右方向よりも長く立設されている。そしてさらに、板状部材2873の端から図9における上方向に向けて薄い板状部材2874が立設されている。そして、板状部材2874の端から第1歯車823の外側に向けて薄い板状部分2875が立設されており、その付け根部分に溝2876が図9の紙面に垂直な方向、すなわち、GND部材832の円周方向に設けられている。そして、溝2876でない面にはGND用接続部386,387,388のいずれかと接触するための、導電性のカソード接触部2879が設けられいる。そして、溝2876にはGND部材832の突出部が嵌合している。
つまり、レール部材83はカソード部材287に包み込まれており、さらに、第1歯車823に固着されていない側のカソード部材287の端が、GND部材832の内側の端を回りこむようにして、嵌合し、カソード接触部2879とGND用接続部386,387,388のいずれかと接触している。カソード接触部2879の設置位置により、GND用接続部386,387,388のうちのどのGND用接続部と接触するかが決定される。なお、GND用接続部386に接触してGND用配線486に接続する場合にはSEG1に接続され、GND用接続部387に接触してGND用配線487に接続する場合にはSEG2に接続され、GND用接続部388に接触してGND用配線488に接続する場合にはSEG3に接続する。
図9に示す例では、一番外側の電源供給用接続部381にアノード接触部2869が接続され、一番外側のGND用接続部386にカソード接触部2879が接続されているので、このLED181はCOM1及びSEG1に接続されている。
このようにして、LED部材84のアノード部材286がレール部材83の電源供給部材831に嵌合し、カソード部材287がレール部材83のGND部材832に嵌合して、LED部材84はレール部材83に設置されている。そして、アノード接触部2869及びカソード接触部2879は導電性の物質で形成されており、電源供給用接続部381,382,383、GND用接続部386,387,388も導電性の物質で形成されているので、電源供給用配線481から供給された電流は、電源供給用接続部381を通り、アノード接触部2869を通り、アノード部材286を通り、LED台座281のアノード用導電部284を通り、LED181のアノード282へ供給される。そして、LED181を点灯させて、LED181のカソード283を通り、LED台座281のカソード用導電部285を通り、カソード部材287を通り、カソード接触部2879を通り、レール部材83のGND用接続部386を通って、GND用配線486へ流出することとなる。
また、LED部材84には第1歯車823が備えられており、モータ82の回転により回転する第2歯車822の回転が伝達されるので、モータ82が回転すると第1歯車823も回転し、第1歯車上に固着されているLED台座281、アノード部材286及びカソード部材287が移動することとなる。よって、モータ82を回転させれば、LEDを点灯させた状態でレール部材83の軌跡を移動させる(回転させる)ことができる。しかしながら、LEDが複数設置されていたとしても、配線は電源供給用配線481,482,483及びGND用配線486,487,488の6本であり、レール部材83の支え部材833の所定の位置に固定されて延びているだけなので、LED部材84の移動により配線が移動することはないので、配線が絡まってしまうことがない。
なお、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。本発明の遊技機はパチンコ機に限らず、パチコン機、パチスロ機等、遊技媒体を使用する各種の遊技機であってもよいことは言うまでもない。また、本発明のLED装飾部材を使用する装置は遊技機に限らない。
また、LED装飾部材のLED部材とレール部材との接続方法は上記実施の形態に限らず、LED部材のアノード部材とカソード部材とがそれぞれ独立してレール部材の電源供給用接続部及びGND用接続部とに接続すればよい。また、上記実施の形態のLED装飾部材では、レール部材は平面視略円形であるが、本発明のLED装飾部材のレール部材の形状は必ずしも円形である必要はなく、楕円形や角に丸みを持たせた多角形等であってもよい。また、その際には、駆動手段として歯車を用いるのではなく、チェーンやベルトを用いてもよい。