以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を実行する変動表示部に特定表示結果が導出されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2はパチンコ機を示す背面図である。なお、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前面側、奥側を背面側として説明する。また、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100a(図2参照)と、外枠100aの内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠100aに対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球(遊技媒体)を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球(遊技媒体)が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、遊技者が操作可能な操作手段として、スティックコントローラを設けた例を示したが、これに限らず、操作手段としては、単なるプッシュボタン、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な変動表示部としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。また、演出表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨ことを報知する大当り予告演出が行なわれる場合がある。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部)が設けられる。これにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
次に、パチンコ遊技機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機を示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力回路70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板(図示略)が設けられている。電源基板910は、発射制御基板の背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27a,27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
なお、前記球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)及び球貸し情報(球貸し個数信号)は、主基板31から情報端子基板36を介して外部に出力するようにしてもよい。すなわち、このようにターミナル基板(図示略)に設けられた球切れ用端子、賞球用端子、球貸し用端子を情報端子基板36に設けることで、配線や基板の取り付け作業等を容易にすることができる。また、ターミナル基板及び情報端子基板36それぞれに設けられる各端子を1つの基板にまとめて搭載してもよく、このようにすることで製造コストを削減することができる。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は溢れ球通路(図示略)を経て下皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。なお、満タンスイッチ19がオンした状態において、球払出装置の動作及び打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3では、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部がバックアップ電源(図示せず)によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、I/Oポート部57には、入力ドライバ回路58,58aを介してスイッチやセンサなどの電子部品からの信号を主基板31に入力するための入力ポート(図3参照)や、主基板31からソレノイドなどの電子部品や演出制御基板80に信号を出力するための出力ポート(図3参照)が含まれている。なお、出力ポートは、単方向性回路を設けることで中継基板310から主基板31の内部に向かう信号が規制され、中継基板310からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポートの外側(中継基板310側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
中継基板310は、主基板31と各種電子部品との接続を中継する基板である。具体的には、中継基板310は、入力ドライバ回路58aと、出力回路59と、ダミーLED312とを含む。
中継基板310には、ゲートスイッチ32a、カウントスイッチ23、開放センサ315の各々の電子部品からの信号が入力される入力ドライバ回路58aが設けられている。入力ドライバ回路58aは、これらの電子部品からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える。
図4は、中継基板310の入力ドライバ回路58a、および主基板31における詳細な回路構成の一例を示すブロック図である。ただし、説明の容易化のため、電子部品としては、カウントスイッチ23およびn−1個の開放センサ315のみを図示している。
図4を参照して、中継基板310には、入力ドライバ回路58aからの信号をインターフェイスIC61およびn個の入力ポート63に入力するための複数の入力信号線SL1〜SLnが設けられている。複数の入力信号線SL1〜SLnのうち、ゲートスイッチ32a、カウントスイッチ23、開放センサ315の各々の電子部品と接続されず信号の入力がない信号線の電圧は、所定電圧に固定される。図4に示すように、たとえば、入力なしの入力信号線SLnは、接地(GND接続)されていてもよいし、一定の電圧を発生させる電源(図示しない)に接続されていてもよい。これにより、電子部品からの信号の入力が不安定になることを回避するとともに、ICなどの素子の破壊を防ぐことができる。
入力ドライバ回路58aは、ゲートスイッチ32a、カウントスイッチ23、開放センサ315といった電子部品と、主基板31に設けられた所定数の入力ポート63との間に設けられている。具体的には、入力ドライバ回路58aは、インターフェイスIC61を介して所定数の入力ポート63に接続されている。入力ドライバ回路58aは、これらの電子部品からの信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力された場合に、電子部品が動作する安定した信号にして所定数の入力ポート63に入力する。具体的には、入力ドライバ回路58aは、プルダウン抵抗やプルアップ抵抗を含んでおり、これらの電子部品からの信号(電圧)がHighレベルであるのか、Lowレベルであるのかを明確にするためのプルダウン処理またはプルアップ処理などを施して、そのレベルを確実に所定数の入力ポート63(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に入力する。これにより、入力ドライバ回路58aは、電子部品が安定して動作する信号として遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポート63に入力する。
また、複数の開放センサ315を設ける場合でもどの開放センサ315が開放を検知しているかを知る必要がないのであれば、入力ドライバ回路58aは、複数の開放センサ315の各々から受けた信号をまとめて1つの信号に変換して、開放センサ315用の入力ポート63に入力するように構成されていてもよい。複数の信号をまとめて1つの信号とする場合に、中継基板310に入力する前に1つの信号にまとめる構成でも、中継基板310内で1つの信号にまとめる構成でも、主基板31内で1つの信号にまとめる構成でもよい。さらに、中継基板310内で1つの信号にまとめる構成の場合、入力ドライバ回路58aに入力する前に1つの信号にまとめる構成でも、入力ドライバ回路58a内で1つの信号にまとめる構成でも、入力ドライバ回路58aから出力された信号を1つの信号にまとめる構成でもよい。また、主基板31内で1つの信号にまとめる構成の場合、インターフェイスIC61に入力する前に1つの信号にまとめる構成でも、インターフェイスIC61内で1つの信号にまとめる構成でも、インターフェイスIC61から出力された信号を1つの信号にまとめる構成でもよい。
インターフェイスIC61は、たとえば、入力ドライバ回路58aから供給されるHighレベルが11VでLowレベルが7Vのような負論理の信号を、0V−5Vの正論理の信号に変換して所定数の入力ポート63に供給する。また、インターフェイスIC61は、カウントスイッチ23のリード線が短絡されたり、リード線が切断されたりして異常な状態になったことを検出する機能を有しており、異常を検知すると異常信号を出力するように構成されている。なお、本実施の形態では、インターフェイスIC61を主基板31に設ける構成について説明したが、これに限定されるものではなく、インターフェイスIC61を中継基板310に設けてもよい。つまり、中継基板310からCPU56の入力ポート63に対して電子部品からの信号が直接入力される構成であってもよい。また、入力ドライバ回路58aから供給される信号をCPU56の入力ポート63に入力できる信号に変換する構成の一例としてインターフェイスIC61を説明したが、これに限定されるものではなく、電子部品からの信号に応じてトランジスタなどの適切な素子を用いてもよい。
上記のように、遊技機の機種によって数や種類が異なる可能性が高い電子部品であるゲートスイッチ32a、カウントスイッチ23、開放センサ315からの入力は、中継基板310を介して主基板31に入力される。これにより、遊技機の機種によってこれらの電子部品の種類や数が異なる場合でも、その種類や数に対応するように中継基板310の入力ドライバ回路58aの構成を変更してやれば、主基板31の構成を変更する必要はなくなる。そのため、遊技機の機種によらず主基板31を共通化することができる。
これに対して、再び図3を参照すると、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aといった電子部品(特定の検知手段)からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58は、中継基板310には設けられず、主基板31に設けられている。すなわち、遊技機の機種によらず設けられ、入賞に関わる電子部品である第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号は、中継基板310を介さずに主基板31(入力ドライバ回路58)に入力される。これにより、入賞に関わる電子部品からの信号の入力を受ける入力ドライバ回路58は、封止されたBOX内(主基板31内)に収められるため、不正な方法で出玉を獲得する不正行為(ゴト行為)を防止することができる。
ここでは、入賞に関わる電子部品として第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aについて説明したが、これに限られない。たとえば、入賞に関わる電子部品は、Vゾーンへの入賞検出用のスイッチや、賞球個数が所定値以上であることを検出するセンサなどであってもよい。また、特定の検知手段は、入賞に関わる電子部品に限定されず、遊技機の機種に依存せずに共通に設けられる電子部品(例えば不正検知センサなど)などであってもよい。
出力回路59は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの信号を電子部品に与える。具体的には、出力回路59は、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および所定の可動体314(たとえば、第2種の一対の羽根部材)を同時に駆動する一対のソレノイド314a,314bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する。
中継基板310には、出力回路59からの信号を外部に出力するための複数の出力信号線が設けられている。複数の出力信号線のうち、電子部品への信号の出力に使用されない信号線は、ダミーLED312に接続される。そのため、ダミーLED312の発光の有無により遊技制御用マイクロコンピュータ560の起動状態を把握することができる。
出力回路59は、各々の電子部品(ソレノイド16、ソレノイド21、ソレノイド314a,314b)と所定数の出力ポートとの間に設けられている。出力回路59は、所定数の出力ポートから出力される信号を各々の電子部品を動作させる信号に変換する。そして、出力回路59は、出力信号線を介して、変換した信号を各々の電子部品に出力する。たとえば、出力回路59は、各々の電子部品について、所定数の出力ポートのうち当該電子部品用に設けられた出力ポートから出力された信号(電圧)を、当該電子部品を動作させる電圧に変換する。また、出力回路59は、一対のソレノイド314a,314b用に設けられた1つの出力ポートから出力された信号を分岐してソレノイド314aおよびソレノイド314bに出力する。これにより、ソレノイド314aとソレノイド314bとを同期させて動作させる場合に、ソレノイド314aとソレノイド314bとに出力される信号を同期させる同期回路などの複雑な構成を設ける必要がない。
なお、所定の可動体314を駆動する一対のソレノイド314a,314bを制御する駆動制御回路として機能する出力回路59は、中継基板310に設けられている。一方、ソレノイド314a,314bが駆動する所定の可動体314の可動を検出するセンサ313は、中継基板310ではなく主基板31に設けられている入力ドライバ回路313aに検出信号を入力する。なお、センサ313は、例えば発光部と受光部とを有する光学センサで、所定の可動体314が発光部からの光を受光部で受光できないように遮光することで所定の可動体314の駆動を検出する。所定の可動体314に対して駆動するソレノイド314a,314bとその駆動を検出するセンサ313とは一対の電子部品であるが、それぞれの接続先を同じ中継基板310とせずに、別々の基板に接続している。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、センサ313からの検出信号が入力ドライバ回路313aを介して入力され、ソレノイド314a,314bの駆動状態を監視することができる。
具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、中継基板310に対して不正行為が行われ、ソレノイド314a,314bが不正に駆動されても、主基板31に対して不正行為が行われていなければ入力ドライバ回路313aを介してセンサ313からの検出信号が入力されるので、ソレノイド314a,314bの不正駆動を把握することができる。
また、中継基板310には、主基板31に電力を供給している電源回路311の複数の電源(5V電源、12V電源、32V電源)のうち、主基板31に設けたCPU56に電力を供給する電源(5V電源)以外の電源(12V電源、32V電源)から電力が供給される。そのため、中継基板310に電力を供給している12V電源、32V電源が不正にショートされたとしても、CPU56に電力を供給している5V電源には影響がない。そのため、電源をショートさせることによりCPUやその他のICの誤動作を利用した「電源ショートゴト」と呼ばれる不正を防止することができる。なお、例えCPU56に電力を供給している5V電源と同じ電圧を供給する電源(5V電源等)であっても、別系統(別の電源IC)の電源であれば中継基板310に供給してもよい。
次に、再び図3を参照して、演出制御側の構成について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ回路35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力回路70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。なお、詳細は後述するが、ランプドライバ回路35および音声出力回路70は、中継基板320に設けられている。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、中継基板320に設けられているランプドライバ回路35および音声出力回路70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ回路35および音声出力回路70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ回路35および音声出力回路70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ112および入力ポート113を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。さらに、VDP109は、中継基板320に設けられているランプドライバ回路35に対してLEDを駆動する信号を出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ112に入力する。入力ドライバ112は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート116を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート116を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート116を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート115を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート108を介して第1可動物用モータ130に駆動信号を出力することにより、第1可動物(図示略)を動作させる。そして、演出制御用CPU101は、出力ポート108を介して第2可動物用ソレノイド131に駆動信号を出力することにより、第2可動物(図示略)を動作させる。なお、第1可動物には、後述する回路基板150が搭載されており、遊技状態に応じて演出制御プロセス処理S705により第1可動物用モータ130により可動するとともに、回路基板150に設けられた可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153が点滅する。演出として、例えば第1可動物が停止している時にも可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153を点灯させておいてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート114を介して中継基板320に設けられている音声出力回路70に対して音番号データを出力する。
中継基板320には、ランプドライバ回路35および音声出力回路70からの信号を外部に出力するための複数の出力信号線が設けられている。具体的には、ランプドライバ回路35からの信号を外部に出力する出力信号線は4本設けられており、そのうち当該機種では可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153および枠LED28の電子部品にそれぞれ出力信号線が接続され、残りの出力信号線にダミーLED28aに接続される。そのため、ダミーLED28aの発光の有無により演出制御用マイクロコンピュータ100の起動状態を把握することができる。
また、音声出力回路70からの信号を外部に出力する出力信号線は2本設けられており、そのうち当該機種ではスピーカ27の電子部品に出力信号線が接続され、残りの出力信号線は、直接または抵抗を介して接地(GND接続)される。これにより、1つのスピーカ27の消費電力と同じ電力を、未使用の信号線に接続された抵抗で消費させれば、1つのスピーカ27を使用する場合と、2つのスピーカ27,27aを使用する場合とで、負荷を同じにすることができる。したがって、増幅回路705は、スピーカ27の数に関係なく、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力すればよい。
ランプドライバ回路35は、演出制御基板80に設けられたVDP109から出力されるシリアル信号(LEDを駆動する信号)を各々の電子部品(可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153および枠LED28)を動作させるパラレル信号(発光体に供給するための電流)に変換する。そして、ランプドライバ回路35は、出力信号線を介して、変換したパラレル信号を各々の電子部品に出力する。
具体的には、ランプドライバ回路35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352,353に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動するシリアル信号を後述するシリアル−パラレル変換部でパラレル信号に変換して可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153および枠LED28等の発光体に対して所望の電流を供給する。LEDドライバ353は、枠LED28等の発光体に対して所望の電流を供給する。
また、音声出力回路70は、演出制御基板80に設けられた出力ポート114から出力される信号(音番号データ)を、電子部品(スピーカ27)を動作させる信号(音声信号)に変換する。そして、音声出力回路70は、出力信号線を介して、変換した信号をスピーカ27に出力する。
具体的には、音声出力回路70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、中継基板320には、演出制御基板80に電力を供給している電源回路の複数の電源のうち、演出制御基板80に設けた演出制御用CPU101に電力を供給する電源以外の電源から電力が供給されるように構成されていてもよい。なお、中継基板320は、ランプドライバ回路35および音声出力回路70の出力回路を設けた構成について説明したが、これに限定されず、他の出力回路や、例えばトリガセンサ121やプッシュセンサ124の信号を入力する入力回路を設けてもよい。
次に、各種の電子部品と、当該電子部品を駆動するための駆動回路との詳細な接続構成について説明する。ここでは、説明の容易化のため、電子部品がLEDであり、駆動回路がLEDドライバ352であるとする。
まず、可動物LED151、可動物LED152および可動物LED153は、同じ回路基板150上に設けられている。しかし、可動物LED151、可動物LED152および可動物LED153は、同じ種類のLEDで構成されている訳ではなく、可動物の演出に応じた適切な種類のLEDが設けられている。本実施の形態にかかる可動物LED151、可動物LED152および可動物LED153には、白色光を発するLEDが用いられている。この白色光を発するLED(以下、単に白色LEDともいう)は、青色の発光素子を黄色蛍光体で覆うことで、青色光と黄色蛍光体が発する黄色光とを混色して白色光を発するLEDではなく、1つのパッケージに複数の発光素子が設けられており、それぞれの発光素子から発する光を重ねることで白色光を発するLEDである。例えば、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のそれぞれの光を発する発光素子を含む構成の白色LEDである。ゆえに、各発光素子の発光を調整することにより、白色だけでなく様々な色を発光させることが可能である。
ただし、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のそれぞれの光を発する発光素子を含む構成の白色LEDであっても、発光特性(例えば、輝度や色みなど)が異なる種類の白色LEDが存在する。発光特性が異なる要因として、発光素子の種類、発光素子を覆う封止材の種類、発光素子を載せるパッケージ基板のリフレクタ形状、発光素子のLED内での配置などが考えられる。具体的に、発光素子の種類であれば、例えば同じ赤色を発光する発光素子であってもアルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)を用いるのか、ガリウムヒ素リン(GaAsP)を用いるのかで同じ電流量を供給しても光り方(輝度など)が異なる。発光素子を覆う封止材の種類であれば、エポキシ樹脂の封止材を用いるのか、シリコーン樹脂の封止材を用いるのかで発光素子からの光の遮り具合、光の屈折具合などが異なる。発光素子を載せるパッケージ基板のリフレクタ形状であれば、リフレクタ形状により光の指向性が異なる。発光素子のLED内での配置であれば、基板に対して平行に配置するのか、垂直に配置するのかによって光を出射する方向が異なる。
なお、発光特性が異なる白色LEDであっても、構成している発光素子の順電圧がほぼ同じであれば、発光素子のそれぞれに接続する制限抵抗の抵抗値を共通にすることができる。制限抵抗の抵抗値が同じであれば、発光特性が異なる白色LEDであっても同じ部品の抵抗素子を用いることができる。ただし、各発光素子に供給される電流量が同じであっても、例えば発光素子のLED内での配置が異なれば、同じ白色光を発光させてもLEDごとに輝度や色みが異なり、可動物の演出について遊技者が違和感を覚える虞がある。
そこで、本実施の形態では、発光特性が異なる白色LEDのそれぞれに接続する制限抵抗を同じ抵抗値にする。そして、発光特性が異なる白色LEDに対して異なる制御を行う。具体的に、発光特性が異なる白色LEDの例として、複数の発光素子が第1配置となるLEDと、複数の発光素子が第2配置となるLEDとの構造を図で説明する。図6は、複数の発光素子の配置が異なるLEDの構成を説明するための図である。図6(a)は、回路基板の実装面に対して垂直方向に光を出射するトップ型白色LED150tで、図6(b)は、回路基板の実装面に対して水平方向に光を出射するアングル型白色LED150aである。異なる方向に光を出射するLEDを組合わせることで、広範囲に発光させる装飾が可能となる。
トップ型白色LED150tは、図6(a)に示すように発光面において正三角の各頂点の位置に赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のそれぞれの光を発する発光素子150R、150G、150Bを配置してある。つまり、トップ型白色LED150tでは、発光素子150R、150G、150Bのそれぞれが等距離になるように配置されている。
アングル型白色LED150aは、図6(a)に示すように発光面において直線の位置に赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のそれぞれの光を発する発光素子150R、150G、150Bを一列に配置してある。アングル型白色LED150aでは、発光素子150Rと発光素子150Gとの距離と、発光素子150Gと発光素子150Bとの距離とが等距離になるように配置されている。さらに、アングル型白色LED150aでも、トップ型白色LED150tの発光素子150R、150G、150Bと同じ種類、同じ大きさの発光素子150R、150G、150Bを用いている。そのため、トップ型白色LED150tであっても、アングル型白色LED150aであっても発光素子150R、150G、150Bのそれぞれの順電圧は同じになる。もちろん、それぞれの順電圧は同じであれば、発光素子150R、150G、150B種類や大きさが異なってもよい。
次に、トップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aを用いた回路基板150の構成を図で説明する。図7は、回路基板150の構成を説明するための概略図である。回路基板150には、可動物LED151、可動物LED152および可動物LED153が設けられている。可動物LED151は、トップ型白色LED150tを直列に3個接続した構成である。可動物LED152は、アングル型白色LED150aを直列に3個接続した構成である。可動物LED153は、トップ型白色LED150tを2個、アングル型白色LED150aを1個直列に接続した構成である。
回路基板150では、可動物LED151の発光素子150R、150G、150Bのそれぞれに接続される制限抵抗が抵抗R1、R2、R3である。回路基板150では、発光特性が異なる白色LEDを含む可動物LED152および可動物LED153の発光素子150R、150G、150Bのそれぞれに接続される制限抵抗が抵抗R1、R2、R3である。つまり、可動物LED151の発光素子150R、150G、150Bのそれぞれに接続される制限抵抗は、すべて同じ抵抗R1、R2、R3と同じ抵抗値であるので、発光特性が異なるLEDごとに制限抵抗を変える必要がなく部品の共通化、設計ミスや製造ミスを防止することができる。
CPU101は、VDP109を制御し、VDP109が中継基板320に設けられているランプドライバ回路35(図5参照)のLEDドライバ352に対してLEDを駆動する信号を出力する。VDP109が出力するLEDを駆動する信号はシリアル信号で、データ信号109Dとクロック信号109CがLEDドライバ352に対して出力される。なお、VDP109は、LED制御をシリアル信号で出力することができるので配線数を削減し、発光タイミングの遅延を生じ難くさせることができる。LEDドライバ352は、LEDを駆動するシリアル信号であるデータ信号109Dをパラレル信号に変換して可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153に出力する。
具体的に、VDP109が可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153を白色で点灯させる場合、VDP109は、白色のデータ信号109DをLEDドライバ352に出力する。LEDドライバ352は、可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153に対して白色を発光させるためのパラレル信号に変換してそれぞれの発光素子150R、150G、150Bに必要な電流を供給する。また、LEDドライバ352は、接続端子に印加される電圧が一定となるように駆動する定電圧駆動と、接続端子から供給される電流量が一定となるように駆動する定電流駆動との駆動が可能である。
ここで、LEDドライバ352のシリアル信号をパラレル信号に変換する構成について図で説明する。図8は、LEDドライバ352のシリアル信号をパラレル信号に変換する構成について説明するためのブロック図である。図8に示すように、LEDドライバ352は、シリアル−パラレル変換部352Bを含み、シリアル−パラレル変換部352Bは、データレジスタ部352c、変換シフトレジスタ352d、変換信号出力部352eを含んでいる。
データレジスタ部352cは、たとえばラッチ回路によって構成され、シリアルデータが入力されると、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで入力データを1ビット毎にラッチし、変換シフトレジスタ352dに出力する。変換シフトレジスタ352dは、データレジスタ部352cから1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、変換シフトレジスタ352dは、クロック信号のパルスの立ち上がりタイミングで、格納データを1ビットずつシフトする。そのように繰り返し格納データを1ビットずつシフトしていくことによって、最終的に変換信号出力部352eにシリアルデータをパラレルデータに変換したデータを出力する。変換信号出力部352eは、PWM(pulse width modulation)生成部(図示せず)を含み、変換シフトレジスタ352dから入力された信号(例えば、電流設定信号)に基づいてPWM生成部のDuty比を設定する。そして、変換信号出力部352eは、設定したDuty比に応じて、可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153のそれぞれに必要な電流量が設定されたパラレル信号が供給される。
図7に戻って、出力されたパラレル信号に基づいて、可動物LED151、可動物LED152、可動物LED153のそれぞれを構成するトップ型白色LED150tと、アングル型白色LED150aとを同じ白色で発光させる。しかし、前述したように、トップ型白色LED150tと、アングル型白色LED150aとは発光特性が異なるため同じ白色を発するためには異なる制御を行なう必要がある。具体的に、トップ型白色LED150tで構成された可動物LED151に対して出力するパラレル信号と、アングル型白色LED150aで構成された可動物LED152に対して出力するパラレル信号とが異なるようにLEDドライバ352で制御して、トップ型白色LED150tに供給する電流と、アングル型白色LED150aに供給する電流とを異ならせて同じ白色を発光させる。つまり、可動物LED151、可動物LED152を同じ白色で発光させる場合、CPU101は、VDP109に対して単に白色で発光させる命令を出力するだけで、VDP109が、トップ型白色LED150tのみが接続された可動物LED151に対して白色で発光させるために設定した電流設定信号を含むシリアル信号を供給し、アングル型白色LED150aのみが接続された可動物LED152に対して白色で発光させるために設定した電流設定信号を含むシリアル信号を供給する。なお、VDP109がLEDドライバ352に対して単に白色で発光させるシリアル信号を供給し、LEDドライバ352でトップ型白色LED150tのみが接続された可動物LED151に対して白色で発光させるための電流を供給し、アングル型白色LED150aのみが接続された可動物LED152に対して白色で発光させるための電流を供給してもよい。
ここで、トップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとが同じ白色を発するとは、同じ色温度、同じスペクトルの光が発する場合に限定されず、遊技者が同じ色みの白色を発していると感じることができる程度の発光態様が同じであればよい。具体的に、同じ白色の発光態様として、例えば色温度の範囲が色度に関する規格(ANSI C78.377)で便宜上分けられている8種類(2700K、3000K、3500K、4000K、4500K、5000K、5700K、6500K)のうちの3種類(3500K、4000K、4500K)の範囲内と定義してもよい。また、CIE(Commission internationale de l'eclairage;国際照明委員会)で規定された色度図(CIE1931)を用いて同じ発光態様を定義してもよい。同じ白色の発光態様として、例えば色度図のx=0.33±0.05,y=0.33±0.05としてもよい。さらに、同じ発光態様を色の三属性(色相、彩度、明度)で定義してもよい。
なお、LEDドライバ352が定電圧駆動を行う場合、制限抵抗(抵抗R1〜R3)は、抵抗値の大きさにより白色LEDに流れる電流量を制限している。一方、LEDドライバ352が定電流駆動を行う場合、白色LEDに流れる電流量は一定であるが、白色LEDの順電圧が小さいとLEDドライバ352に印加される電圧が大きくなる。LEDドライバ352に印加される電圧を小さくするために制限抵抗(抵抗R1〜R3)を設けている。つまり、LEDドライバ352に印加される電圧を制限抵抗で分圧している。そのため、LEDドライバ352が定電流駆動を行う場合、LEDドライバ352に印加される電圧を小さくする必要がなければ制限抵抗を設ける必要がない。また、例えば可動物LED151の発光素子150R、150G、150Bのうち、発光素子150Rのみ制限抵抗(抵抗R1)を設けて、発光素子150G、150Bの制限抵抗(抵抗R2、R3)は設けないような構成でもよい。可動物LED151、152、153の制限抵抗(抵抗R1〜R3)を同じ部品の抵抗素子で構成することで、部品共通化のメリットが生じる。
なお、前述では、異なる発光特性のLED(例えば、トップ型白色LED150t、とアングル型白色LED150a)を同じ白色を発するように制御する場合を説明したが、これに限定されず、他の色(例えば、赤色、黄色など)を発するように制御する場合にも同様の制御を行なうことができる。これにより、トップ型LEDおよびアングル型LEDを混載して接続しても、トップ型LEDとアングル型LEDとが同じ色(例えば、赤色、黄色など)を発することができる。
次に、回路基板150上でのトップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aの光の出射方向および回路基板150を実装する可動物の外観を図で説明する。図9は、種類の異なる白色LEDの光の出射方向を模式的に説明するための図および回路基板を実装する可動物の外観図である。図9(a)に示す回路基板150では、図面手前の列にアングル型白色LED150aで構成された可動物LED151が配置され、回路基板150の実装面に対して水平方向に光を出射している。また、図面奥の列にトップ型白色LED150tで構成された可動物LED151が配置され、回路基板150の実装面に対して垂直方向に光を出射している。さらに、図面中央の列にトップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとで構成された可動物LED153が配置され、図面左側2個がトップ型白色LED150tで回路基板150の実装面に対して垂直方向に光を出射し、図面右側1個がアングル型白色LED150aで回路基板150の実装面に対して水平方向に光を出射している。
なお、図9では、トップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aの光の出射方向を模式的に図示するのが目的であり、実際の回路基板150上でのトップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aの配置とは異なる。また、トップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aに接続される配線は、図8に示したように発光素子150R、150G、150Bのそれぞれに設けられ、それぞれの配線に抵抗が接続されるため、図9でも本来それぞれのLEDの列に対して3本の配線と3個の抵抗を記載する必要がある。しかし、図9では、トップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aの光の出射方向を説明することを目的に図示したため、他の構成や配置については簡略化してある。
図9(b)に示す可動物132は、ABS樹脂などを成形したUFO型の可動物でUFOの底部に回路基板150を搭載している。具体的に、図9(b)に示す可動物132の底部にある図下側の列の3つの凸部のそれぞれに、図9(a)に示す回路基板150の図面手前の列に並んだ3つのアングル型白色LED150aがそれぞれ対応している。また、図9(b)に示す可動物132の底部にある図中側の列の3つの凸部のそれぞれに、図9(a)に示す回路基板150の図面中央の列に並んだ2つのトップ型白色LED150tと1つのアングル型白色LED150aとがそれぞれ対応している。さらに、図9(b)に示す可動物132の底部にある図上側の列の3つの凸部のそれぞれに、図9(a)に示す回路基板150の図面奥の列に並んだの3つのトップ型白色LED150tがそれぞれ対応している。なお、図9(b)に示す可動物132の凸部には、LEDが発光した光を拡散することができる拡散板(例えば、ポリカーボネートの拡散板など)を用いている。そのため、可動物132の凸部に設けた白色LEDの点光りを防止して、白色LEDを正面から視認し難くしている。
図9(a)に示す回路基板150のトップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aは、搭載される可動物132の動きに合わせて点灯する。なお、図9(a)に示すトップ型白色LED150tの光の出射方向が遊技者側となるように可動物132に実装してあるものとする。具体的に、可動物132の可動について図を用いて説明する。図10は、可動物の可動を説明するための図である。具体的に、可動物132は、通常遊技状態のときに図10(a)に示すように演出表示装置9の上側にあるスペースに格納されており、退避位置にある。退避位置の可動物132は、演出表示装置9の周り囲むフレームによりほとんどの部分が隠れている(破線で示した部分)。ただし、アングル型白色LED150aを実装した可動物132の一部が、演出表示装置9の周り囲むフレームからはみ出しており、通常遊技状態のときにアングル型白色LED150aを点灯させることでフレームからはみ出した可動物132の一部を発光させることができる。通常遊技状態のとき、可動物132は、演出表示装置9の方向に光を出射するアングル型白色LED150aを点灯させて演出表示装置9を照明している。
次に、例えばリーチ状態となって遊技状態が変化するとき、可動物132は、図10(b)に示すように進出位置に移動し、演出表示装置9の前面に現れる。可動物132がフレームから現れるタイミングでトップ型白色LED150tも点灯させることで可動物132の全体を発光させる。このように、進出位置において可動物132は、遊技者が注目する演出表示装置9の前方にあるので、アングル型白色LED150aとトップ型白色LED150tとの光らせ方が一様でないと遊技者に違和感を生じさせる可能性がある。そこで、複数の発光素子の配置が異なるトップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aを混載した回路基板150を実装した可動物132であっても、前述したように本実施の形態に係る制御を行ってトップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとを発光させる。これにより、トップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとの光らせ方を一様にすることができ、可動物132全体の発光について遊技者に違和感を生じさせないようにすることができる。
さらに、可動物132の発光する色で大当りを予告する信頼度を異ならせる場合(例えば、青、緑、赤の順で大当りを予告する信頼度が高いなど)、トップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとを混載した回路基板150を実装した可動物132では、トップ型白色LED150tの色みとアングル型白色LED150aの色みとが異なると遊技者に誤った予告の印象を与えてしまうことが考えられる。そこで、複数の発光素子の配置が異なるトップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとを混載した回路基板150を実装した可動物132であっても、前述した本実施の形態に係る制御でトップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとを発光させる。これによりトップ型白色LED150tの色みとアングル型白色LED150aの色みとをほぼ同じにし、可動物132の発光する色で遊技者に誤った予告の印象を与えないようにすることができる。
図7に示した回路基板150では、LEDドライバ352の1つの接続端子に接続する配線は分岐することがなく、LEDドライバ352の接続端子ごとに可動物LED151,152,153のそれぞれが独立して接続されている。しかし、これに限定されるものではなく、LEDドライバ352の1つの接続端子に接続する配線を分岐してもよい。例えば、図11は、変形例の回路基板の構成を説明するための概略図である。図11に示す回路基板150Wでは、LEDドライバ352の1つの接続端子に接続する配線を3つ分岐し、それぞれの配線に制限抵抗の抵抗R1〜R3と、3個の白色LEDとを直列に接続している。つまり、図11に示す回路基板150Wでは、抵抗R1〜R3および可動物LED151,152,153のそれぞれを並列にLEDドライバ352の1つの接続端子に接続している。これにより、図11に示す回路基板150Wでは、LEDドライバ352の1つの接続端子により多くのLEDを接続することができ、設計の自由度が向上する。なお、図11に示す回路基板150Wは、LEDドライバ352が定電圧駆動する場合の回路構成であり、可動物LED151,152,153の順電圧の違いで可動物LED151,152,153のそれぞれに流れる電流量が変わることを考慮して分岐した配線ごとに抵抗R1〜R3を設けている。もちろん、LEDドライバ352を定電流駆動するのであれば、配線を分岐する前に一括して抵抗R1〜R3を設けてもよい。具体的に、図12は、別の変形例の回路基板の構成を説明するための概略図である。図12に示す回路基板150Vでは、LEDドライバ352の1つの接続端子に抵抗R1〜R3を接続し、抵抗R1〜R3からの配線を3つ分岐して、それぞれの配線に3個の白色LEDとを直列に接続している。つまり、図12に示す回路基板150Vでは、可動物LED151,152,153のそれぞれを並列にLEDドライバ352の1つの接続端子に接続している。
次に、LEDドライバ352が、トップ型白色LED150tを発光させるタイミング(第1発光タイミング)と、アングル型白色LED150aを発光させるタイミング(第2発光タイミング)とを関連させる場合について説明する。同じ回路基板150に設けられるトップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aは、関連したタイミングでそれぞれ点灯される場合、それぞれ独立して個別に点灯させる場合に比べて色みなどの差異に敏感になる。そのため、関連したタイミングでそれぞれ点灯される場合、前述したようにトップ型白色LED150tに対して出力するパラレル信号と、アングル型白色LED150aに対して出力するパラレル信号とが異なるようにLEDドライバ352で制御する必要がある。このように関連したタイミングでトップ型白色LED150tやアングル型白色LED150aなどの様々なLEDを発光させることで興趣を向上させることができる。
ここで、トップ型白色LED150tを発光させるタイミング(第1発光タイミング)と、アングル型白色LED150aを発光させるタイミング(第2発光タイミング)とを関連するタイミングについて図で説明する。図13は、第1発光タイミングと、第2発光タイミングとの関連を説明するための図である。図13に示すようにトップ型白色LED150tを第1発光タイミングで点滅させて発光させているときに、アングル型白色LED150aを点滅させて発光させるタイミングの少なくとも一部が重なる第2発光タイミングaとなる場合、第1発光タイミングと第2発光タイミングとが関連しているとする。また、図13に示すようにトップ型白色LED150tを第1発光タイミングで点滅させて発光させているときに、トップ型白色LED150tを消灯するタイミングでアングル型白色LED150aを発光させる第2発光タイミングbとなる場合、第1発光タイミングと第2発光タイミングとが関連しているとしてもよい。さらに、図13に示すようにトップ型白色LED150tを第1発光タイミングで点滅させて発光させているときに、トップ型白色LED150tを消灯してから所定時間経過(例えば、遊技者がトップ型白色LED150tの発光の残像を感じる時間)後のタイミングでアングル型白色LED150aを発光させる第2発光タイミングcとなる場合、第1発光タイミングと第2発光タイミングとが関連しているとしてもよい。つまり、第1発光タイミングと第2発光タイミングとが関連しているか否かは、それぞれ独立して個別に点灯させる場合に比べて色みなどの差異に敏感になる程度の関連性でよい。もちろん、第1発光タイミングと第2発光タイミングとが関連するタイミングは、第1発光タイミングと第2発光タイミングとが同一の場合、第1発光タイミングに第2発光タイミングが含まれる場合、逆に第2発光タイミングに第1発光タイミングが含まれる場合であってもよい。
LEDドライバ352は、遊技状態(例えば、大当り遊技状態、高ベース状態など)に応じてトップ型白色LED150tの発光態様(例えば、発光する輝度や色など)が変化するように制御の内容(例えば、LEDに供給する電流量、電流の供給時間など)を変更し、遊技状態に応じてアングル型白色LED150aの発光態様が変化するように制御の内容を変更してもよい。つまり、トップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとは、同じ発光態様で発光させる必要はなく、遊技状態に応じてそれぞれ発光態様を変化させて発光させればよい。例えば、大当り遊技状態の場合、遊技者側を明るく発光させるため遊技者側方向に光を出射するトップ型白色LED150tを最大輝度で発光するように供給する電流量を多くする制御を行い、アングル型白色LED150aを最小輝度で発光するように供給する電流量を少なくする制御を行う。
次に、LEDドライバ353と各種LEDとの接続構成について図で説明する。図14は、LEDドライバ353と各種LEDとの接続構成を示すブロック図である。上述したように、LEDドライバ353には、演出制御用CPU101から出力ポート115を介して制御信号(LED駆動信号)が供給されるが、これはシリアルデータ(シリアル信号形式で)として供給される。LEDドライバ353は、このシリアルデータをパラレルデータに変換して、各種LEDに電流を供給する。すなわち、LEDドライバ353は、シリアルデータ(LEDを駆動する信号)をパラレルデータ(電流信号)に変換するシリアル−パラレル変換回路として動作する。
LEDドライバ353は複数存在しており、たとえば、枠LED28のLED282a〜282eを駆動するためのLEDドライバ353aと、枠LED28のLED282f〜282lを駆動するためのLEDドライバ353bとが存在する。LEDドライバ353aは複数の中継基板320のうちの中継基板320aに設けられており、LEDドライバ353bは複数の中継基板320のうちの中継基板320bに設けられている。LEDドライバ353aは、ハーネス322を介して、基板340に設けられたLED282a〜282eに接続される。LEDドライバ353bは、ハーネス324を介して、基板342に設けられたLED282f〜282lに接続される。LEDドライバ353a,353bは、対応するLEDに信号を出力する複数の出力端子を含む。複数の出力端子には、各々の出力端子を識別するための識別情報として端子番号が割り当てられている。
演出制御用CPU101は、複数のLEDドライバ353のうちどれを対象に処理を行なうかを指定するために、LEDドライバ353を指定するためのアドレス情報を含む制御信号を、出力ポート115を介してLEDドライバ353に供給する。LEDドライバ353は、自己のアドレス情報が制御信号に含まれている場合に、当該制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変換する。具体的には、LEDドライバ353は、演出制御用CPU101から出力された制御信号を、各種LEDを動作させる信号に変換して当該LEDに出力する。
本実施の形態では、LEDドライバ353aと、LEDドライバ353bとは、共通のアドレス情報が割り当てられている(たとえば、図14に示すアドレス「00」が割り当てられる)。そのため、演出制御用CPU101が、[アドレス:00]を含む制御信号を複数のLEDドライバ353に供給した場合には、LEDドライバ353a,353bが変換動作を実行する。
このように、アドレス情報が共通するLEDドライバ353a,353bは、互いに識別情報が重複しない出力端子が使用される。具体的には、LEDドライバ353aで信号の出力に使用される出力端子は端子番号0〜4の出力端子であり、LEDドライバ353bで使用される出力端子は端子番号5〜11の出力端子である。また、LEDドライバ353aで使用されない出力端子(端子番号5〜11の出力端子)、およびLEDドライバ353bで使用されない出力端子(端子番号0〜4の出力端子)は未接続にする。
図14の例のような接続構成によると、以下のような利点がある。
まず、図15(a)に示すように、中継基板320aに設けられたLEDドライバ353aのみで、LED282a〜282lを駆動する構成と比較する。このような構成によると、LED282a〜282eが設けられた基板340と、LED282f〜282lが設けられた342とが互いに離れている場合には、基板340,342のうちの一方の基板(図15(a)の例では基板340)の近くに中継基板320aを設けると、他方の基板(図15(b)の例では基板342)からは遠い位置に中継基板320aが配置されることになる。そのため、基板340と中継基板320aとを接続するための配線距離は短いことから、LED282a〜282eへの電流信号の減衰は防ぐことができるが、基板342と中継基板320aを接続するための配線距離は長いため、LED282f〜282lへの電流信号が減衰してしまう可能性がある。さらに、基板342と中継基板320aとを接続するための配線は、パラレル信号を送信するため複数の線が束ねられたハーネスとなるため、長くなると装置内での引き回すことが必要となり邪魔になる可能性がある。
次に、図15(b)に示すように、中継基板320aに設けられたLEDドライバ353a、および中継基板320bに設けられたLEDドライバ353bに予め異なるアドレス情報が割り当てられている(たとえば、LEDドライバ353aにはアドレス「00」が割り当てられ、LEDドライバ353bにはアドレス「01」が割り当てられている)構成と比較する。このような構成によると、基板340の近くに中継基板320aを配置し、基板342の近くに中継基板320bを配置することにより、図15(a)の例で問題になったLEDに出力される電流信号の減衰は防ぐことができる。しかしながら、アドレス情報が異なることから、有限なアドレス情報を有効に活用できていない。
以上から、図14に示すような本実施の形態に係る接続構成によると、図15(a)および図15(b)で示した問題点を同時に解決することができる。具体的には、複数のLEDドライバ353のアドレス情報を共通化して、有限なアドレス情報をより効率良く使用することができる。また、アドレス情報が共通する複数のLEDドライバ353の各々を互いに異なる基板(例えば、中継基板など)に設けることにより、LEDが設けられた基板の近くに対応するLEDドライバ353を配置することができ、電流信号を減衰させることもなく、設計の自由度が向上する。
また、演出制御用CPU101は、中継基板320の数より少ない数のアドレスを割り当てればよく、中継基板320を選択するための処理時間を短縮することができる。例えば、演出制御用CPU101は、1つのアドレス情報を含む制御信号を生成し供給するために20msec必要である場合に、3つの中継基板320に制御信号を供給すると20×3=60msec必要となる。しかし、3つの中継基板320のうち2つの中継基板320のアドレスを共通化すれば、演出制御用CPU101は、1つの中継基板320に制御信号を供給する時間(20msec)を短縮することができる。
図16の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動表示時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動表示時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図16に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
また、通常大当りにおいては、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
図17は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動表示時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、通常大当り、および、確変大当りである場合には、変動パターンが、ノーマルリーチを伴うノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴うスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動表示時間が短縮される。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図18は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図18(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図18(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図18(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図18(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図18(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図18(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図18(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図18(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図18(B)、および、図18(C)特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図18(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図18(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図18(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するとともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
なお、図18(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図18(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別の割振りを異ならせてもよい。たとえば、図18(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図18(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図19を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図19は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図19に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図19の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図19の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒)変動パターンである。なお、ノーマルリーチのA,Bの符号、および、スーパーリーチのA,Bの符号はリーチ演出の種類を示しており、ノーマルリーチA<ノーマルリーチB<スーパーリーチA<スーパーリーチBとなるような関係で大当り期待度が高いことを示している。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「変動パターン」の欄に示された「スーパーリーチA はずれ (30秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が30秒のスーパーリーチAの変動パターン」であることが示される。
図19のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図19(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図19(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図19のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図19(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチA はずれ」および「ノーマルリーチB はずれ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図19(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜140に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「ノーマルリーチA はずれ (10秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図19(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図19(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図19(a),図19(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図19(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図19(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図19(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図19(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、通常変動の変動パターンとして、図19(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図19(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、変動時間が短い変動パターンが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が、変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図19(a)および図19(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図19(c)および図19(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図19(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図19(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチBのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図20に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図20のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図19に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図21(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図21(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図21(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図21(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図21(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図22は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図22に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図23は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動表示時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動表示時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動表示時間の経過が変動表示時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、先読み予告演出実行決定用のSR2、先読み予告演出における変動対応表示画像決定用のSR3、先読み予告演出における示唆演出画像決定用のSR4を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR4のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。また、合算保留記憶表示部の表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、受信した変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動パターンコマンドは、変動表示時間の長さ、リーチ演出の有無、リーチ演出を実行するときのリーチ種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の種別)、および、変動表示結果(大当り、はずれ、大当りの種別)等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動表示時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
図25は、図24に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500の先読み予告処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告処理(S500):先読み予告を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み予告を実行するときの演出態様の決定等の処理を行なう。ここで、先読み予告とは、ある保留情報(保留記憶)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるものであるのかについて、それよりも前の段階で予告する技術である。たとえば、4番目に消化される保留情報が大当りであるときに、1〜3番目に消化される保留情報に基づいた各々の特別図柄の変動表示において、後に大当りが発生する可能性のあることを所定の演出態様で予告するといった類の演出が先読み予告として行なわれる。以下では、先読み予告の対象とした保留情報に基づいた変動表示を“ターゲットの変動表示”と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を演出図柄の停止図柄決定用の乱数に基づいて決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、演出図柄の変動表示時の演出パターンを選択し、実行する変動表示の変動表示時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動表示時間が終了したか否かを監視する。そして、変動表示時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動表示時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。演出図柄変動開始処理(S801)においては、表示結果に応じて、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちから各種表示結果を決定するために必要な種類の乱数値を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。この実施の形態では、演出制御基板80の側において、左演出図柄(左図柄)決定用の乱数値SR1−1、中演出図柄(中図柄)決定用の乱数値SR1−2、右演出図柄(右図柄)決定用の乱数値SR1−3等のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数SR1−1〜SR1−3等のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、所定の数値範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。すなわち、抽出した乱数値と同じ数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブル(乱数値とはずれ図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。また、このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このように決定された非リーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄が、リーチ状態を形成する各演出図柄(左,右演出図柄)の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出された乱数に対応する図柄が、最後に停止する演出図柄(中演出図柄)の停止図柄として決定される。このように決定されたリーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。たとえば、確変大当りとなるときには、確変大当りを想起させるような確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、通常大当りとなるときには、通常大当りを想起させるような通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された確変大当り図柄決定用テーブル(乱数値と確変大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの奇数図柄で揃った組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された確変大当り図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された通常大当り図柄決定用テーブル(乱数値と通常大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの偶数図柄で揃った組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態指定コマンドに基づいて確変状態であることを認識でき、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、確変状態および時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動表示の態様での変動表示時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動表示の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次に、本実施の形態で実行される各種の演出について説明する。パチンコ遊技機1では、前述したような先読み予告が実行される。先読み予告とは、ある保留情報(保留記憶)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるものであるのかについて、それよりも前の段階で予告する技術である。パチンコ遊技機1では、保留記憶に対する保留表示の表示態様を変化させることにより、先読み予告を実行する。以下では、先読み予告の対象となる保留記憶を“ターゲット”と称する。パチンコ遊技機1では、ターゲットの保留表示が所定条件の成立により、通常態様から特殊態様へと変化する場合がある。具体的には、通常態様において白色で表示されていた保留色が、特殊態様では、青色や赤色等の白色以外の特定の保留色で表示される。
また、パチンコ遊技機1では、未だ変動表示が行なわれていない保留記憶に対する保留表示が行なわれるとともに、該保留記憶に対する変動表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対する変動対応表示を、演出表示装置9に形成される変動対応表示部において継続して表示し続ける演出が実行される。このような、変動対応表示部における演出表示を変動対応表示という。また、変動対応表示における演出表示の画像を変動対応表示画像ということがある。保留記憶に対する変動表示の実行中に変動対応表示部では、当該実行中の変動表示の大当り表示結果となる期待度を変動対応表示の表示態様によって示唆(報知)する。なお、変動対応表示は、変動表示開始前に記憶される保留記憶や保留記憶に対する保留表示ではなく、保留表示が変動表示開始以降にも同様の態様で保留表示の表示領域とは異なる領域で演出表示として表示されるものである。
また、パチンコ遊技機1では、保留表示に対応する変動表示についての期待度に関する情報を隠ぺいするような態様で保留表示が実行される(以下、隠ぺい態様の保留表示ともいう)。ここで、隠ぺいとは、覆い隠すことを言い、変動表示の期待度を特定可能な保留記憶の画像を箱型状の画像で覆い隠した表示態様で保留表示をすることにより、変動対応表示の期待度(変動表示の期待度)を隠ぺいする態様で表示することを示している。通常状態では、保留表示はすべて隠ぺいされた態様で表示されている。このような隠ぺい態様の保留表示に対しては、所定条件が成立すると、隠ぺいされた保留表示の一部の隠ぺいを解除し(すべての保留表示のうちの1つの保留表示の隠ぺい態様が解除される)、箱の中身を見せることで(将来の変動対応表示の期待度を報知することで)保留表示に対応する変動表示についての期待度に関する情報を示唆する示唆演出が実行される場合がある。
また、パチンコ遊技機1では、基本的に先読み予告で通常態様から特殊態様へと変更された保留表示は、変動対応表示部において、その特殊態様の期待度のままで変動対応表示が実行される。しかしながら、変動対応表示部において、先読み予告で示唆された期待度よりも高い期待度の変動対応表示が実行される場合がある。また、変動対応表示部では、先読み予告で示唆された期待度よりも低い期待度の変動対応表示が実行される場合がある。このように、保留表示の期待度と同じ期待度、高期待度、低期待度の変動対応表示が実行されるので、変動対応表示に意外性があり興趣が向上する。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例について説明する。
<パチンコ遊技機1の回路構成の変形例>
図26は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の変形例を示すブロック図である。具体的には、図3に示す中継基板310が、電子部品からの信号を主基板31に入力するための入力用の中継基板310aと、主基板31から電子部品への信号を出力するための出力用の中継基板310bとに分けられた点で、図26に示す回路構成は図3の回路構成と異なり、それ以外の構成については同じである。
図3に示す回路構成では、主基板31と中継基板310とを接続する1本のハーネスが用いられる。図26に示す回路構成では、主基板31と中継基板310aとを接続するハーネスと、主基板31と中継基板310bとを接続するハーネスとの2本のハーネスが用いられる。
このように、中継基板310を入力用の中継基板310aと出力用の中継基板310bとに分けることにより、主基板31上で入力用の回路構成と出力用の回路構成とを分けることができるため、主基板31のアートワーク設計を容易にすることができる。
また、本実施の形態では、特定の検知手段(例えば第1始動口スイッチ13aなど)については主基板31に直接入力させ、他の電子部品については中継基板310を介して主基板31に入力させる構成について説明したが、これに限定されるものではなく、特定の検知手段についても中継基板310を介して主基板31に入力させる構成にしてもよい。
また、本実施の形態では、主基板31および演出制御基板80に中継基板を設ける構成について説明したが、これに限定されるものではなく、他の基板に対して中継基板を設けて基板の共通化を行ってもよい。例えば、払出制御基板37に前述した中継基板を設けてもよい。
また、本実施の形態では、主基板31および中継基板310をともに基板ボックス内に封止しても、主基板31のみ基板ボックス内に封止してもよい。ここで、基板ボックスは、基板ボックスベースに基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、基板ボックスが開封されたか否かを容易に判断することができる。さらに、中継基板310は、主基板31を封止する基板ボックスとは別のボックス内に封止しても、透明フィルムで電子部品を実装した面を覆ってもよい。なお、透明フィルムで中継基板310を覆う場合、中継基板310の両端で透明フィルムをビスやネジで固定する。
また、本実施の形態では、所定の可動体314を駆動する駆動手段としてソレノイド314a,314bを用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えばモータ等の他の構成であってもよい。
また、本実施の形態では、演出制御基板80および中継基板320をともに遊技盤6に設けても、演出制御基板80を遊技盤6に中継基板320を遊技枠にそれぞれ設けてもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。
図27は、スロットマシン1Sの構成を示すブロック図である。スロットマシン1Sには、図27に示すように、遊技制御基板40S、演出制御基板90S、電源基板101Sが設けられており、遊技制御基板40Sによって遊技状態が制御され、演出制御基板90Sによって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101Sによってスロットマシン1Sを構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101Sには、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1Sを構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40Sおよび遊技制御基板40Sを介して接続された演出制御基板90Sに供給される。なお、演出制御基板90Sに対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40Sを介さず、電源基板101Sから演出制御基板90Sに直接接続され、電源基板101Sから演出制御基板90Sに対して直接電源が供給される構成としてもよい。
電源基板101Sには、ホッパーモータ34Sb、払出センサ34Sc、満タンセンサ35Sa、設定キースイッチ37S、リセット/設定スイッチ38S、電源スイッチ39Sが接続されている。
遊技制御基板40Sには、MAXBETスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8SL、8SC、8SR、精算スイッチ10Sが接続されているとともに、電源基板101Sを介して払出センサ34Sc、満タンセンサ35Sa、設定キースイッチ37S、リセット/設定スイッチ38S、電源スイッチ39Sが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。これらのスイッチやセンサは、機種に依存せずに共通に設けられる電子部品であり、特定の検知手段である。特定の検知手段は、前述したように、中継基板310Sを介さずに遊技制御基板40Sに直接接続される。
遊技制御基板40Sには、クレジット表示器11S、遊技補助表示器12S、設定値表示器24S、リールモータ32SL、32SC、32SRが接続されているとともに、電源基板101Sを介してホッパーモータ34Sbが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40Sに搭載されたメイン制御部41Sの制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40Sには、遊技の制御を行うメイン制御部41Sが搭載されている。メイン制御部41Sは、メインCPU41Sa、ROM41Sb、RAM41Sc、およびI/Oポート41Sdを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40Sには、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42Sと、一定周波数のクロック信号を乱数回路42Sに供給するパルス発振器43Sと、遊技制御基板40Sに直接または電源基板101Sを介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44Sと、リールモータ32SL、32SC、32SRの駆動制御を行うモータ駆動回路45Sと、スロットマシン1Sに供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41Sに対して出力する電断検出回路48Sと、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
遊技制御基板40Sには、中継基板310Sが接続されている。スロットマシン1Sにおける中継基板310Sは、上述したパチンコ遊技機1における中継基板310に相当する。
中継基板310Sには、1〜3BETLED14S〜16S、投入要求LED17S、スタート有効LED18S、ウェイト中LED19S、リプレイ中LED20S、BETスイッチ有効LED21S、左、中、右停止有効LED22SL、22SC、22SR、流路切替ソレノイド30Sが接続されている。そして、中継基板310Sには、流路切替ソレノイド30Sの駆動制御を行うソレノイド駆動回路46Sと、中継基板310Sに接続されたLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47Sとが設けられている。ソレノイド駆動回路46SおよびLED駆動回路47Sは、パチンコ遊技機1における中継基板310に設けられた出力回路59に相当する。
また、中継基板310Sには、リセットスイッチ23S、打止スイッチ36Sa、自動精算スイッチ36Sb、投入メダルセンサ31S、ドア開放検出スイッチ25Sが接続されている。そして、中継基板310Sには、中継基板310Sに接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44Saと、電源投入時またはメインCPU41Saからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41Saにリセット信号を与えるリセット回路49Sとが設けられている。スイッチ検出回路44Saおよびリセット回路49Sは、パチンコ遊技機1における中継基板310の入力ドライバ回路58aに相当する。
なお、中継基板310Sには、遊技制御基板40Sに電力を供給している電源基板101Sの複数の電源のうち、遊技制御基板40Sに設けたメインCPU41Saに電力を供給する電源以外の電源から電力が供給されるように構成されていてもよい。
メインCPU41Saは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41Sbに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40Sに搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41Sbは、メインCPU41Saが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41Scは、メインCPU41Saがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41Sdは、メイン制御部41Sが備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41Sには、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41Scに記憶されているデータが保持される。
メインCPU41Saは、基本処理として遊技制御基板40Sに接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41Saは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48Sから出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡する。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41Scに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41Scに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41Sは動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41Scに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49Sは、電源投入時においてメイン制御部41Sが起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41Sに対してリセット信号を出力し、メイン制御部41Sを起動させる。リセット回路49Sは、メイン制御部41Sから定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41Sが一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41Sに対してリセット信号を出力し、メイン制御部41Sを再起動させる回路である。
メインCPU41Saは、I/Oポート41Sdを介して演出制御基板90Sに各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40Sから演出制御基板90Sへは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40Sから演出制御基板90Sへの方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40Sから演出制御基板90Sへ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90Sから遊技制御基板40Sへ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40Sから演出制御基板90Sへのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40Sと演出制御基板90Sとは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90Sには、演出用スイッチ56Sが接続されており、この演出用スイッチ56Sの検出信号が入力される。
演出制御基板90Sには、スロットマシン1Sの前面扉に配置された液晶表示器51Sなどの演出装置が接続されているとともに、中継基板320Sを介して演出効果LED52S、スピーカ53S、54S、リールLED55Sなどの演出装置が接続されている。これらの演出装置は、演出制御基板90Sに搭載されたサブ制御部91Sによる制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90Sに搭載されたサブ制御部91Sにより、液晶表示器51S、演出効果LED52S、スピーカ53S、54S、リールLED55Sなどの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91Sとは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90Sまたは他の基板に搭載し、サブ制御部91Sがメイン制御部41Sからのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91Sが決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91Sおよび出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51S、演出効果LED52S、スピーカ53S、54S、リールLED55Sを例示しているが、演出装置は、これに限らず、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90Sには、演出の制御を行うサブ制御部91S、演出制御基板90Sに接続された液晶表示器51Sの表示制御を行う表示制御回路92S、電源投入時またはサブCPU91Saからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91Saにリセット信号を与えるリセット回路95S、演出制御基板90Sに接続された演出用スイッチ56Sから入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96S、スロットマシン1Sに供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91Saに対して出力する電断検出回路98Sなどが搭載されている。サブ制御部91Sは、サブCPU91Sa、ROM91Sb、RAM91Sc、I/Oポート91Sdを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91Saは、遊技制御基板40Sから送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90Sに搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
演出制御基板90Sには、中継基板320Sが接続されている。スロットマシン1Sにおける中継基板320Sは、上述したパチンコ遊技機1における中継基板320に相当する。
中継基板320Sには、演出効果LED52S、リールLED55Sが接続されている。そして、中継基板320には、演出効果LED52SおよびリールLED55Sの駆動制御を行うLED駆動回路93S、スピーカ53S、54Sからの音声出力制御を行う音声出力回路94Sが設けられている。LED駆動回路93Sは、パチンコ遊技機1における中継基板320に設けられたランプドライバ回路35に相当する。音声出力回路94Sは、パチンコ遊技機1における中継基板320に設けられた音声出力回路70に相当する。
なお、中継基板320Sには、演出制御基板90Sに電力を供給している電源回路の複数の電源のうち、演出制御基板90Sに設けたサブCPU91SSaに電力を供給する電源以外の電源から電力が供給されるように構成されていてもよい。
サブ制御部91Sは、メイン制御部41Sと同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41Sからのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41Sから送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91Sは、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91Sは、メイン制御部41Sとは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91Sにも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91Scに記憶されているデータが保持される。なお、スロットマシン1Sに対して、例えば演出効果LED52SおよびリールLED55Sに、前述したトップ型白色LED150tやアングル型白色LED150aを用いてもよい。
<その他>
(1) 前述した実施の形態では、変動表示時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動表示時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動表示時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動表示時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(2) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、変動表示において実行する演出としては、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(3) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力回路70およびランプドライバ回路35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(4) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力回路70やランプドライバ回路35等、または音声出力回路70に搭載されている回路による機能とランプドライバ回路35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力回路70、ランプドライバ回路35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力回路70、ランプドライバ回路35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力回路70、ランプドライバ回路35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、本実施の形態はスロットマシンに適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを採用してもよく、あるいは、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末などの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(7) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(9) 上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、例えば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すことなども普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
(10) 上記実施の形態では、図3〜図5を参照して、主基板31に搭載されたCPU56へのデータの入力方式、およびCPU56からのデータの出力方式について説明した。しかしながら、上記のデータの入力方式および出力方式を、演出制御基板80に搭載された演出制御用CPU101へのデータの入力方式、および演出制御用CPU101からのデータの出力方式として採用してもよい。
(11) 上記実施の形態では、図6において、チップセレクト信号が共通する入力ポート63A,63Bは、互いに識別情報が重複しない入力端子および出力端子が使用される構成について説明した。しかしながら、チップセレクト信号が共通する入力ポートの各々は、すべての入力端子および出力端子を使用する構成であってもよい。これにより、複数のセンサからの信号を1つの入力信号として入力することが可能となり、複数のセンサの全てが故障するまで動作する構成が可能となる。また、図7〜図9において、チップセレクト信号が共通する出力ポート64A,64Bは、互いに識別情報が重複しない入力端子および出力端子が使用される構成について説明した。しかしながら、チップセレクト信号が共通する出力ポートの各々は、すべての入力端子および出力端子を使用する構成であってもよい。これにより、チップセレクト信号が共通する複数の出力ポートから同じ出力信号を出力することが可能となるので、同じタイミングで点灯させるLEDなどの制御が容易になる。もちろん、アドレスが共通する出力ポートの各々に対しても、すべての入力端子および出力端子を使用する構成としてもよく、これにより、アドレスが共通する複数の出力ポートから同じ出力信号を出力することが可能となるので、同じタイミングで点灯させるLEDなどの制御が容易になる。
(12) 上記実施の形態では、図14を参照して、演出制御基板80側に接続された演出用の電子部品と、当該電子部品を駆動するための駆動回路との接続構成について説明した。しかしながら、上記接続構成を、主基板31側に接続された電子部品と、当該電子部品を駆動するための駆動回路との接続構成として採用してもよい。
(13) 上記実施の形態では、図14において、LEDドライバ353と各種LEDとの接続構成について説明した。しかしながら、図14で示した構成は、各種電子部品と、演出制御用CPU101から各種電子部品に出力する制御信号をシリアル−パラレル変換する変換回路との接続構成として採用することができる。たとえば、電子部品が可動体(遊技盤面上の役物)を駆動するための駆動回路(モータなど)であってもよい。この場合、シリアル−パラレル変換回路は、演出制御用CPU101から出力された制御信号を、駆動回路を動作させる信号に変換して当該駆動回路に出力する。
(14) 上記実施の形態では、図14において、LEDドライバ353を具体例として挙げたシリアル−パラレル変換回路が中継基板320に設けられている構成について説明した。しかしながら、シリアル−パラレル変換回路は中継基板320に設けられていなくてもよく、独立した基板に設けられる構成であってもよい。
(15) 上記実施の形態では、図14において、複数のLEDドライバ353(シリアル−パラレル変換回路)の各々と、当該LEDドライバ353に対応するLEDとが異なる基板(例えば、中継基板など)に設けられている構成について説明した。しかしながら、各々のLEDドライバ353と、当該LEDドライバ353に対応するLEDとが同一の基板に設けられる構成であってもよい。たとえば、LEDドライバ353aとLED282a〜282eとが同一の基板に設けられていてもよいし、LEDドライバ353bとLED282f〜282lとが同一の基板に設けられていてもよい。これによると、基板枚数を削減することができ、コストの低減を図ることができる。
(16) 上記実施の形態では、図14において、複数の電子部品がすべて同一種類の電子部品(LED)である構成について説明した。しかしながら、複数の電子部品がそれぞれ異なる種類の電子部品であってもよい。たとえば、複数の電子部品が、LEDと可動体を駆動するための駆動回路とを含む場合であってもよい。
(17) 上記実施の形態では、LEDドライバ352が、トップ型白色LED150tに対して出力するパラレル信号と、アングル型白色LED150aに対して出力するパラレル信号とが異なるようにLEDドライバ352で制御すると説明したが、これに限定されるものではない。例えば、LEDドライバ352は、所定の動作時(例えば、電源投入時のイニシャル動作、点検テスト用の動作など)、トップ型白色LED150tの発光とアングル型白色LED150aの発光とを共通の制御で行なってもよい。これにより、制御の負担が軽減される。
(18) 上記実施の形態では、シリアル−パラレル変換部352Bにシフトレジスタ(変換シフトレジスタ325d)を設ける構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、シフトレジスタを用いないで複数の遅延素子を直列に接続するなどしてシリアル−パラレル変換を行なってもよい。これにより、回路構成の自由度が向上する。
(19) 上記実施の形態では、トップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aが同一の基板上に実装される構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、トップ型白色LED150tを実装する回路基板と、アングル型白色LED150aを実装する回路基板とを異なる回路基板としてもよい。これにより、設計の自由度が向上する。
(20) 上記実施の形態では、複数の発光素子の配置が異なるトップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとに対して出力するパラレル信号が異なるように制御する構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の発光素子の配置が同じトップ型白色LED150tであっても、発光素子の形状、大きさの違いや、パッケージの構造(例えば、レンズの有無など)の違いなどによっても発光特性が異なるトップ型白色LED150tに対してもパラレル信号が異なるように制御してもよい。これにより、発光特性が異なるLEDに対しても、同じ発光態様で発光させることができる。
(21) 上記実施の形態では、1つのパッケージに複数の発光素子が設けられたLEDの例として、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの発光素子を1つのパッケージに設けたLEDの例を説明したが、これに限られず、例えば赤(Red)、緑(Green)の2つの発光素子を1つのパッケージに設けたLEDや、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)、黄(Yellow)の4つの発光素子を1つのパッケージに設けたLEDなどでもよい。また、上記実施の形態では、LEDの種類としてトップ型白色LED150tやアングル型白色LED150aを説明したが、これに限られず、7セグメントディスプレイなどであってもよい。さらに、上記実施の形態では、回路基板150にトップ型白色LED150tとアングル型白色LED150aとが実装される例を説明したが、これに限定されるものではなく、単色(例えば赤色)のLEDとフルカラーの白色LEDとが同じ回路基板に実装される構成でもよい。つまり、各々のトップ型白色LED150tおよびアングル型白色LED150aに含まれている複数の発光素子150R、150G、150Bのうち1つの発光素子(例えば、発光素子150Rのみ)を用いた単色のLEDと白色LEDとを組合わせて回路基板に実装する。この場合であっても、例えば、発光素子150Rのみを含む単色のLEDを3個直列接続した場合の制限抵抗と、白色LEDに含まれる発光素子150Rを3個直列接続した場合の制限抵抗とは同じ抵抗値の抵抗R1である。これにより、単色のLEDが発光する色と同じ色をフルカラーの白色LEDで発光させる制御を行う場合に上記実施の形態で説明した制御を適用することができるとともに、部品の共通化、設計ミスや製造ミスを防止することができる。
(22) 上記実施の形態では、パチンコ遊技機1に設ける可動物LED151,152,153を対象として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、パチンコ遊技機1に限らず、パチンコ遊技機1の周辺に設けられる遊技用装置が備えるLEDに対して、上記実施の形態で説明した構成を適用してもよい。遊技用装置としては、例えば、パチンコ遊技機1の台間または台上に設けられるデータ表示器や可動体、複数の遊技機が連なって設置された遊技島の端に設けられる両替機やデータ表示器などの各種装置、遊技店の中もしくは遊技店の外に設けられる広告などの画像を表示するデジタルサイネージ(電子看板)といったものが挙げられ、その他、パチンコ遊技機1の周辺に設けられる全ての遊技用装置が備えるLEDに対して上記実施の形態で説明した構成を適用することができる。例えば、パチンコ遊技機1の周辺に設けられる遊技用装置、例えば、パチンコ遊技機1の台間、または台上に設けられるデータ表示器に実装されている複数の装飾LEDに対して上記実施の形態で説明した構成を適用してもよい。さらに、パチンコ遊技機1の台間、または台上に設けられ演出に応じて可動する可動体(例えば、パチンコ遊技機1で表示されるキャラクターの立体物など)内に実装されるLEDに対して上記実施の形態で説明した構成を適用してもよい。
(23) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。