JP2014087391A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技者の手首に負担を抑制することにより長時間に亘って遊技を行うことができる遊技機を提供する。
【解決手段】 ハンドル本体506は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動されることができるようになっているため、遊技者は、長時間に亘って遊技を行っても、手首に疲れを感じると、その疲れを解消することができる位置へハンドル本体506を可動させることができる。したがって、遊技者の手首に負担を抑制することにより長時間に亘って遊技を行うことができる。
【選択図】 図48

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
従来より、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル装置(発射操作装置)が操作されることにより、その操作に応じて遊技球を発射させる遊技球発射装置(打球発射装置)を備える遊技機としてのパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載される遊技機の発射ハンドル装置においては、回転ハンドルの原位置に復帰するように常時付勢力を付与する復帰バネが取り付けられ、遊技者が回転ハンドルをつかんで回動操作して離すと、回転ハンドルが自動的に原位置に復帰するようになっている。
ところで、特許文献1に記載される遊技機の発射ハンドル装置において、遊技領域に設けた始動口に遊技球を安定して入球させることにより遊技者に利益を付与する大当り遊技状態の発生確率を高めるためには、遊技者が回転ハンドルをつかんで所望の発射強度となるように回転ハンドルを回動操作して回転ハンドルの回転位置を維持する必要がある。
特開2011−115458号公報(段落[0029]、段落[0035]、段落[0038]、図6、及び図9(a),(b))
ところが、特許文献1に記載される遊技機の発射ハンドル装置において、遊技者は、遊技領域に設けた始動口に遊技球を安定して入球させる発射強度となるように回転ハンドルを回動操作して遊技を行っても、その回転ハンドルの回転位置における手首の状態に疲れを感じ易い場合があり、所望の発射強度を維持して長時間に亘って遊技を行うことが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技者の手首に負担を抑制することにより長時間に亘って遊技を行うことができる遊技機を提供することにある。
上述の目的を達成するための有効な解決手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等の説明を行う。また、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成等についても適宜示すが、何ら限定されるものではない。
(解決手段1)
発射操作装置が操作されることにより遊技盤に区画形成される遊技領域に向かって打球発射装置による球受け皿に貯留された遊技球の発射を制御する発射制御手段を備える遊技機であって、前記発射操作装置は、少なくとも、遊技者の操作によりその操作量に見合う発射強度を設定することができる発射操作本体を備え、前記発射制御手段は、前記発射操作本体を遊技者が操作してその操作量に見合う発射強度となるように前記打球発射装置を制御し、前記発射操作本体は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動されることを特徴とする遊技機。
この遊技機では、発射制御手段を備えている。この発射制御手段は、発射操作装置が操作されることにより遊技盤に区画形成される遊技領域に向かって打球発射装置による球受け皿に貯留された遊技球の発射を制御するものである。
発射操作装置は、少なくとも、発射操作本体を備えている。発射操作本体は、遊技者の操作によりその操作量に見合う発射強度を設定することができるものである。
発射制御手段は、発射操作本体を遊技者が操作してその操作量に見合う発射強度となるように打球発射装置を制御することができるようになっている。これにより、遊技球は、遊技者の所望の発射強度で遊技領域に向かって打球発射装置によって発射される。
発射操作本体は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動されることができるようになっている。
このように、発射操作本体は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動されることができるようになっているため、遊技者は、長時間に亘って遊技を行っても、手首に疲れを感じると、その疲れを解消することができる位置へ発射操作本体を可動させることができる。したがって、遊技者の手首に負担を抑制することにより長時間に亘って遊技を行うことができる。
本実施形態では、例えば、図47のハンドル装置500が発射操作装置に相当し、図95の遊技盤4が遊技盤に相当し、図95の遊技領域1100が遊技領域に相当し、図1の打球発射装置650が打球発射装置に相当し、図20の上皿301が球受け皿に相当し、図98の発射制御基板4130が発射制御手段に相当し、図1のパチンコ遊技機1が遊技機に相当し、「遊技者の指(例えば、右手人差し指)がハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内における基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドされると、これに連動して、そのスライド量に見合う発射強度で遊技球が遊技領域1100に向かって発射される」という記載が「遊技者の操作によりその操作量に見合う発射強度を設定することができる」という点に相当し、図47のハンドル本体506が発射操作本体に相当し、「遊技者は、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて停止させた指の位置において、手首に疲れを感じ難い位置となるようにハンドル本体506を回転させることができるようになっている。」という記載が「前記発射操作本体は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動される」という点に相当する。
(解決手段2)
解決手段1に記載の遊技機であって、前記発射操作本体は、少なくとも、当該発射操作本体における予め定めた検出領域内における遊技者の指が触れている位置を検出する接触位置検出手段を備え、前記予め定めた検出領域内を遊技者の指がスライドされる際に、そのスライドに伴う反発力がその遊技者の指に付勢されず、前記発射制御手段は、前記接触位置検出手段からの検出信号に基づいて、遊技者の指が前記予め定めた検出領域内を接触しながらスライドされると、これに連動して、該スライド量に見合う発射強度となるように前記打球発射装置を制御することを特徴とする遊技機。こうすれば、接触位置検出手段における予め定めた検出領域内を遊技者の指がスライドされる際に、そのスライドに伴う反発力がその遊技者の指に付勢されないようになっているため、遊技者の指や手首への負担を軽減することができる。したがって、長時間に亘って遊技を行う場合に遊技者への負担を抑制することができる。
本実施形態では、例えば、図120(a)のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18が予め定めた検出領域に相当し、図47のタッチセンサ部512が接触位置検出手段に相当する。
本発明の遊技機においては、遊技者の手首に負担を抑制することにより長時間に亘って遊技を行うことができる。
実施形態に係るパチンコ遊技機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機の右側面図である。 パチンコ遊技機の平面図である。 パチンコ遊技機の背面図である。 パチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。 パチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。 外枠の正面斜視図である。 外枠の正面から見た分解斜視図である。 外枠の正面図である。 外枠の背面斜視図である。 外枠の右側面図である。 本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。 (A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。 軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前方から見た斜視図である。 扉枠を左前方から見た斜視図である。 扉枠の右後方から見た斜視図である。 扉枠を正面から見た分解斜視図である。 扉枠を背面から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図である。 扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における皿ユニットの正面斜視図である。 扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。 皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における操作ユニットの正面斜視図である。 扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。 操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図である。 操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。 操作ユニットの断面図である。 操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。 (a)は扉枠におけるハンドル装置を右上前方から見た斜視図であり、(b)は扉枠におけるハンドル装置を左上前方から見た斜視図である。 (a)はハンドル本体の基準突出部がハンドル本体を正面から見て左側であって水平となっている回転基準位置から時計回りに最大10度までハンドル本体などを回転させることができるとともに、回転基準位置から反時計回りに最大45度までハンドル本体などを回転させることができる概略図であり、(b)は回転基準位置から反時計回りに45度だけハンドル本体などを回転させたときの概略図である。 扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠におけるファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。 (A)は扉枠における球送りユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における球送りユニットの背面斜視図である。 (A)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。 本体枠の正面図である。 本体枠の背面図である。 本体枠の正面斜視図である。 本体枠の背面斜視図である。 本体枠を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を分解して後から見た斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの正面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。 賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。 賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。 賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における基板ユニットの正面斜視図である。 本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。 基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 (A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。 (A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。 (A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。 (A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。 錠装置を分解して後から見た分解斜視図である。 錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図である。 錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。 パチンコ遊技機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。 パチンコ遊技機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図である。 図90等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図93を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 図93の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。 左打ちを行う遊技を行う仕様の遊技盤の詳細な正面図である。 図96の遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図である。 図98のつづきを示すブロック図である。 主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図である。 図98のつづきを示すブロック図である。 周辺制御MPUの概略を示すブロック図である。 液晶及び音制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。 (a)は各種LEDの1フレーム分の発光データの一例を示す図、(b)は各種LEDの発光データが演出時間に沿って順番に記憶される一例を示す図、(c)は各種LEDの発光データを描画データとして扱う一例を示す図である。 パチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。 図105のつづきを示すブロック図である。 図105のつづきを示すブロック図である。 主制御基板の回路を示す回路図である。 主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。 停電監視回路を示す回路図である。 払出制御部の回路等を示す回路図である。 払出制御入力回路を示す回路図である。 CRユニット入出力回路を示す回路図である。 主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。 発射制御基板の回路を示す回路図である。 発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図である。 シャントレギュレータ回路、及び増幅回路を示す回路図である。 DC/DCコンバータの特性を示す図である。 図116の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。 (a)は扉枠におけるハンドル装置を右前方から見た分解斜視図、(b)は扉枠におけるハンドル装置を左前方から見た分解斜視図である。 サブ液晶駆動基板の回路を示す回路図である。 (a)は輝度調整ボリュームの操作量(抵抗値)とサブ液晶表示装置のバックライトの輝度との関係(特性曲線)を示す図、(b)はサブ液晶表示装置のバックライトの輝度調整を示す概略図、(c)は輝度調整のバラツキを示す概略図、(d)は新規利用時及び再利用時におけるサブ液晶表示装置のバックライトの輝度バラツキ範囲に対する輝度調整ボリュームの回転角度の範囲を示す概略図である。 装飾基板の回路を示す回路図である。 後続の各装飾基板の電気的な接続を示すブロック図である。 左側モータ駆動基板及び右側モータ駆動基板の回路のブロック図である。 左側モータ駆動基板の回路を示す回路図である。 図126のつづきを示す回路図である。 図126の左側モータ駆動基板の回路における所定点のタイミングチャートである。 主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 図130の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルである。 主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図133の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図136の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 図137に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 球抜きスイッチ操作判定処理の一例を示すフローチャートである。 回転角スイッチ履歴作成処理の一例を示すフローチャートである。 スプロケット定位置判定スキップ処理の一例を示すフローチャートである。 球がみ判定処理の一例を示すフローチャートである。 賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートである。 貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートである。 ストック監視処理の一例を示すフローチャートである。 払出球抜き判定設定処理の一例を示すフローチャートである。 払出設定処理の一例を示すフローチャートである。 球抜き設定処理の一例を示すフローチャートである。 球がみ動作設定処理の一例を示すフローチャートである。 リトライ動作監視処理の一例を示すフローチャートである。 不整合カウンタリセット判定処理の一例を示すフローチャートである。 エラー解除スイッチ操作判定処理の一例を示すフローチャートである。 球貸しによる払出動作時の信号処理(ア)、CRユニットからの入力信号確認処理(イ)を示すタイミングチャートである。 周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 回転検出スイッチ履歴作成処理の一例を示すフローチャートである。 回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検出片と一対の回転検出スイッチとの位置関係を示す説明図である。 回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検出片と一対の回転検出スイッチとの位置関係を示す説明図である。 (A)は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う一対の回転検出スイッチのON/OFFを示す一覧表図であり、(B)はダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う一対の回転検出スイッチのON/OFFを示す一覧表図である。 LOCKN信号履歴作成処理の一例を示すフローチャートである。 接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートである。 接続回復処理の一例を示すフローチャートである。 サブ液晶用トランスミッタICのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングを説明するタイミングチャートである。 初期値更新型のカウンタの動きを示す説明図(最大値側に寄った範囲)である。 初期値更新型のカウンタの動きを示す説明図(最小値側に寄った範囲)である。 演出の一例を示す図である。 (a)はLOCKN信号の入力を直接判定する場合における接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートであり、(b)はLOCKN信号の入力を直接判定する場合における接続回復処理の一例を示すフローチャートである。 LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間MT−SPN内に、本処理が実行されるごとに、LOCKN信号の入力があると判定された回数(累積回数)が累積回数上限値CC−LMTに達したか否かを判定する場合における接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートである。 (a)はLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定する場合における接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートであり、(b)はLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定する場合における接続回復処理の一例を示すフローチャートである。 左打ちや右打ちによる遊技を行う仕様の遊技盤の詳細な正面図である。 図174の遊技盤に設けられるアタッカユニットの一部を切断して示す正面図である。 図20等の例とは異なる実施形態の扉枠を左前方から見た斜視図である。
[1.パチンコ遊技機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ遊技機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ遊技機の正面図であり、図3は、パチンコ遊技機の右側面図である。また、図4は、パチンコ遊技機の平面図であり、図5は、パチンコ遊技機の背面図である。更に、図6は、パチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ遊技機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
パチンコ遊技機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5がそれぞれ上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、それぞれの左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うようにそれぞれが配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ遊技機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100が望むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するかバー体1250備えられている。
[2.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1における外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、それぞれの枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高められている。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ遊技機1を遊技ホールのパチンコ島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ遊技機1を保持し易くすることができるようになっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有している。なお、本実施形態では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、それぞれ左右非対称の形状に形成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、それぞれ左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,13の上端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるようになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定されるようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結することができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片20bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成された支持鉤穴20cと、固定片20a及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁20e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向って傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図58を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないように隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(右側)の側方から先端中央部に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされていると共に、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもやや大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図60等を参照)に形成された本体枠軸支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図83を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えている。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズに案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片20bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材27の弾性片27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されていると共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されている。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20eの内側面と当接しており、ストッパ部27aが支持鉤穴20cの傾斜状穴部を閉塞するようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの先頭空間部分に本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパ部27aの先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとのそれぞれの中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27dへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27dを備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
したがって、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン633と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材27の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン633がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出片20bの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもストッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
ロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図58を参照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20cに挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11とを従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、パチンコ遊技機1を遊技場に列設されるパチンコ島設備に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くすることができ、既存のパチンコ島設備にパチンコ遊技機1を問題なく設置することができるようになっている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能となり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図58等を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成することができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることができるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が存在しないので、パチンコ遊技機1を図示しない遊技ホールのパチンコ島設備に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する球貸機やCRユニット)と密着して取付けることができるようになっている。
[3.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図23を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ遊技機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部装飾ユニット280と、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端下側に配置され扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる一対のサイドスピーカカバー290と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取付けられる球送ユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[3−1.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図24乃至図26を参照して説明する。図24(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図25は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図26は扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の上部中央に取付けられ上部装飾ユニットを固定するための上部ブラケット120と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に取付けられる一対のサイドスピーカ130と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取付けられるハンドル中継端子板192と、ハンドル中継端子板192の後側を被覆するハンドル中継端子板カバー193と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル中継端子板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体の後面に取付けられる枠装飾駆動アンプ基板194と、枠装飾駆動アンプ基板194の後側を被覆する枠装飾駆動アンプ基板カバー195と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における枠装飾駆動アンプ基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続されると共に、後述する遊技盤4に備えられた後述する周辺制御基板4140(図97を参照)と接続されており、周辺制御基板4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、具体的な図示は省略するが、本実施形態では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やスイッチ432a,432b,432c、ハンドル中継端子板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、後述する払出制御基板4110(図78を参照)や周辺制御基板4140等とを接続する配線が、枠装飾駆動アンプ基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で後方へ延出して本体枠3の主扉中継端子板880や周辺扉中継端子板882に接続されるようになっている。
扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図25及び図26等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能な方形状の切欠部101aが形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。したがって、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ遊技機よりも広い遊技領域1100を容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送ユニット580を取付固定するための球送ユニット取付凹部112(図26を参照)と、球送ユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を球送ユニット580へ供給するための球送開口113と、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハンドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図26に示すように、球送ユニット取付凹部112に下側にハンドル中継端子板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視で扉枠ベース本体110の下部右側(軸支側)に配置され枠装飾駆動アンプ基板194を取付けるための基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部111よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着するための防犯カバー装着部119と、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユニット係止部材190を回動可能に支持するための四つの係止部材取付部110bと、を更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止することができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパチンコ遊技機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって工具の侵入を阻止することができ、パチンコ遊技機1の防犯機能が高められている。また、扉枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に位置決めされるようになっている
また、扉枠ベース本体110は、図25に示すように、その前面に、装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110eが備えられていると共に、上部ブラケット120、サイドスピーカ130、ハンドルブラケット140等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、球送ユニット取付凹部112と基板取付部118との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口310g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
次に、扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120は、扉枠ベース本体110の前面上部中央に固定されるものであり、詳細な図示は省略するが、扉枠ベースユニット100に取付けられた左右のサイド装飾ユニット200,240の間に形成される上部の隙間を隠蔽すると共に、左右両端がそれぞれサイド装飾ユニット200,240によって支持されるようになっている。また、上部ブラケット120は、その先端の一部が上部装飾ユニット280内へ挿入されるようになっており、扉枠5が組立てられた状態では、上部装飾ユニット280を上側から支持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ遊技機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ遊技機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図25及び図26等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本実施形態では、3つ)の突条143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるようになっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条143が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース502の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されている。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部を挿入させることができるようになっている。したがって、ハンドルブラケット140に挿入支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうように延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンドル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図25及び図26に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
この補強ユニット150は、図25に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ向って折曲した下折曲突片159と(図25を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放側)部に前方へ向って折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。また、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590のユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されており、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラスユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラスユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よりも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。また、上側補強板金151は、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167をそれぞれ備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる虞があるが、軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているので、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるようになっており、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ遊技機1の防犯機能を高めることができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図25及び図26を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と、当接凹部181の上端に沿って後方に向って突出する防犯後突片182と、を備えている。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯後端部突片183がそれぞれ備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態でガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール1112の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール1111と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができるようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への衝突を防止することができるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニット590の係止突片451fを係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定することで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時において、回転操作する際の指掛りとなっている。なお、四つのガラスユニット係止部材190のうち、背面視で右下に取付けられるガラスユニット係止部材190の係止片190bには、突条が形成されておらず、後面が平坦面となっている。また、背面視で右下に取付けられるガラスユニット係止部材190には、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向で係止片190bとは異なる方向へ延出する操作片190cを備えている。この操作片190cは、図18に示すように、防犯カバー180によって後側が被覆されるようになっているので、防犯カバー180を取付けた状態では、この操作片190cを操作することができないようになっており、ガラスユニット係止部材190を回転操作して安易にガラスユニット590が取外されるのを抑制することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150における下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル中継端子板カバー193及び枠装飾駆動アンプ基板カバー195は、それぞれ扉枠ベース本体110の後側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ベースユニット100に対して発射カバー191、ハンドル中継端子板カバー193、及び球送ユニット580を取付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになっている。
[3−2.右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図27乃至図29を参照して説明する。図27(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図28は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図29は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装飾ユニット200の骨格を形成するサイド装飾フレーム202と、サイド装飾フレーム202の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材204と、サイド上部装飾部材204に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ206と、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材204の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ206を挟むようにサイド上部装飾部材204が前側に取付けられるサイド上部カバー208と、サイド上部カバー208の下部を支持すると共にサイド装飾フレーム202に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ210と、サイドレンズ210の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ212と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレンズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナーレンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板216の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイド装飾フレーム202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
更に、右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202の正面視で左上部に配置される右上部スピーカ222と、右上部スピーカ222を支持しサイド装飾フレーム202の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット224と、上部スピーカブラケット224とサイド装飾フレーム202との間に挟持される上部スピーカカバー226と、サイド上部カバー208における側面の所定位置に内側から取付けられるサイドサブレンズ228と、を備えている。サイドサブレンズ228の後側には、右サイド上装飾基板214のLED214cが配置されており、LED214cによって発光装飾されるようになっている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202、サイド上部装飾部材204、右サイド上装飾基板カバー218、及び右サイド下装飾基板カバー220が不透光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材204の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾レンズ206、サイド上部カバー208、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、上部スピーカカバー226、上部スピーカブラケット224、及びサイドサブレンズ228は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー208が略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ206、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、上部スピーカブラケット224、上部スピーカカバー226、及びサイドサブレンズ228が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ210及び上部スピーカカバー226の裏面側と、サイドインナーレンズ212及び上部スピーカブラケット224の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ210及びサイドインナーレンズ212の後側に配置された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装されたLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、それぞれ後述する周辺制御基板4140(図97を参照)と接続されており、周辺制御基板4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200におけるサイド装飾フレーム202は、図示するように、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓101の外周に沿った円弧状の内側枠202aと、内側枠202aに対して外側へ離反した位置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿った直線状とされると共に続く上部が内側枠202aの上端縁へ向かって湾曲するように円弧状に形成された外側枠202bと、外側枠202bと内側枠202aの上端縁同士を連結する上端枠202cと、外側枠202bと内側枠202aの下端縁同士を連結する下端枠202dと、内側枠202a及び外側枠202bの周方向に沿って複数箇所(本実施形態では、4箇所)に配置され内側枠202aと外側枠202bとを連結すると共に所定幅のスリット202eを有した隔壁枠202fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム202の内側枠202aは、前後方向に対して略同じ位置で遊技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠202bは、扉枠5の側面に沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠202aの後端と略同じ位置で直線状に形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成されている。また、外側枠202bの直線状に上下に延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されている。また、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fは、内側枠202aと外側枠202bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。この隔壁枠202fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム202は、図示するように、複数の隔壁枠202fによって内側枠202aと外側枠202bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっており、分割されたそれぞれの開口が発光装飾開口202gとされ、後述するサイドレンズ210の周レンズ部210aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠202fのスリット202eには、後側からサイドレンズ210の放射レンズ部210bが嵌め込まれるようになっている。更に、隔壁枠202fによりスリット202eと発光装飾開口202gとを仕切ることができ、それぞれの発光態様を異ならせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾部材204は、図示するように、サイド装飾フレーム202における外側枠202bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に貫通する複数の開口部204aが形成されている。このサイド上部装飾部材204は、列設された開口部204aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ206は、サイド上部装飾部材204の窪んだ後面内に嵌合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材204の後側から開口部204aを通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部206aを備えている。この導光部206aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材204の開口部204aに挿入嵌合させることで、開口部204aに恰も宝石が嵌め込まれているように見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ206の導光部206aによって後側に配置された右サイド上装飾基板214からの光をサイド上部装飾部材204の開口部204aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導光部206aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部カバー208は、その上面及び右側面(正面視で)が扉枠5(扉枠ベースユニット100)の外周と略沿った形状とされていると共に、下面(下端)がサイド上部装飾部材204と略沿った形状とされている。このサイド上部カバー208は、前面下部に、サイド上部装飾部材204を収容可能となるように、下方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部208aが形成されており、取付段部208aの後端面にサイド上部装飾部材204等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成されている。また、サイド上部カバー208の右側面には、上下に配置された二つの切欠部208bが形成されており、この切欠部208bを介して内部に取付けられるサイドサブレンズ228が表面側へ望むようになっている。サイド上部カバー208の切欠部208bにサイドサブレンズ228が嵌め込まれることで、この部位のみ異なる態様で発光させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202と略沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム202の発光装飾開口202gに後から挿入される周レンズ部210aと、サイド装飾フレーム202のスリット202eに後から挿入される放射レンズ部210bと、を備えている。なお、図示するように、このサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202の上端枠202cに接する発光装飾開口202gと対応する周レンズ部210aを備えておらず、該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部210cとされている。この収容段部210c内には、後述する右上部スピーカ222や上部スピーカブラケット224等が収容されるようになっている。また、サイドレンズ210は、収容段部210cの上面を形成しサイド上部カバー208における取付段部208aの後側に固定される取付部210dを備えている。
このサイドレンズ210は、周レンズ部210a及び放射レンズ部210bの前面が、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部210aの裏面(内面)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レンズ部210aの板厚が不均一となることで、周レンズ部210aを透過する光が乱屈折するようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部210aがキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210a及び放射レンズ部210bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体部212aと、本体部212aの後端から連続し本体部212aよりも前方へ突出すると共に放射レンズ部210b(サイド装飾フレーム202のスリット202e)と対応した位置に配置される板状の導光部212bと、を備えている。このサイドインナーレンズ212の本体部212aは、その前面がサイドレンズ210の内面に対して所定距離控えた状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212における本体部212aの一方の面には、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部212aの板厚が不均一となることで、本体部212aを透過する光が乱屈折するようになっている。
このサイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210と組合わせることで、周レンズ部210a及び本体部212aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ210(周レンズ部210a)の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム202の発光装飾開口202g(サイドレンズ210の周レンズ部210a)と対応する位置に配置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド装飾フレーム202のスリット202e(サイドレンズ210の放射レンズ部210b)と対応する位置に配置されたLED214b,216bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、サイドサブレンズ228を発光装飾させる右サイド上装飾基板214のLED214cは、本実施形態では、赤色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット224により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持する上部スピーカブラケット224は、正面視でパチンコ遊技機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部224aを備えている。そして、上部スピーカブラケット224におけるホーン部224aの上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されるようになっており、正面視では、ホーン部224aによって右上部スピーカ222が遊技者側から見えないようになっている。
右上部スピーカ222は、上部スピーカブラケット224のホーン部224aによって、パチンコ遊技機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ遊技機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカブラケット224もまた、その前面が、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカブラケット224を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット224の前面側を覆う上部スピーカカバー226は、サイド装飾フレーム202における上端枠202cに接する発光装飾開口202gを閉鎖するようにサイド装飾フレーム202の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレンズ210の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカバー226の表面には貫通孔226aが複数形成されており、右上部スピーカ222からの音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー226もまた、その内面側が、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー226を透過する光が乱屈折するようになっている。したがって、上部スピーカカバー226及び上部スピーカブラケット224において、光が乱屈折することで、遊技者側から右上部スピーカ222や上部スピーカカバー226に形成された貫通孔226aを視認し難くすることができると共に、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様の見栄えの外観とすることができるようになっている。
[3−3.左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図30乃至図32を参照して説明する。図30(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図31は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図32は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200と略対称に形成されている。この左サイド装飾ユニット240は、左サイド装飾ユニット240の骨格を形成するサイド装飾フレーム242と、サイド装飾フレーム242の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材244と、サイド上部装飾部材244に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ246と、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ246を挟むようにサイド上部装飾部材244が前側に取付けられるサイド上部カバー248と、サイド上部カバー248の下部を支持すると共にサイドフレーム装飾242に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ250と、サイドレンズ250の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ252と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレンズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナーレンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板256の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250及びサイド装飾フレーム242に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242の正面視で右上部に配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイド装飾フレーム242の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケット264とサイド装飾フレーム242との間に挟持される上部スピーカカバー266と、を備えている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242、サイド上部装飾部材244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾レンズ246、サイド上部カバー248、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカカバー266、及び上部スピーカブラケット264は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー248が略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ246、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカブラケット264、及び上部スピーカカバー266が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ250及び上部スピーカカバー266の裏面側と、サイドインナーレンズ252及び上部スピーカブラケット264の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ250及びサイドインナーレンズ252の後側に配置された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装されたLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、それぞれ後述する周辺制御基板4140(図97を参照)と接続されており、周辺制御基板4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240におけるサイド装飾フレーム242は、図示するように、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓101の外周に沿った円弧状の内側枠242aと、内側枠242aに対して外側へ離反した位置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿った直線状とされると共に続く上部が内側枠242aの上端縁へ向かって湾曲するように円弧状に形成された外側枠242bと、外側枠242bと内側枠242aの上端縁同士を連結する上端枠242cと、外側枠242bと内側枠242aの下端縁同士を連結する下端枠242dと、内側枠242a及び外側枠242bの周方向に沿って複数箇所(本実施形態では、4箇所)に配置され内側枠242aと外側枠242bとを連結すると共に所定幅のスリット242eを有した隔壁枠242fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム242の内側枠242aは、前後方向に対して略同じ位置で遊技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠242bは、扉枠5の側面に沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠242aの後端と略同じ位置で直線状に形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成されている。また、外側枠242bの直線状に上下へ延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されている。また、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fは、内側枠242aと外側枠242bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。この隔壁枠242fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム242は、図示するように、複数の隔壁枠242fによって内側枠242aと外側枠242bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっており、分割されたそれぞれの開口が発光装飾開口242gとされ、後述するサイドレンズ250の周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠242fのスリット242eには、後側からサイドレンズ250の放射レンズ部250bが嵌め込まれるようになっている。更に、隔壁枠242fによりスリット242eと発光装飾開口242gとを仕切ることができ、それぞれの発光態様を異ならせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾部材244は、図示するように、サイド装飾フレーム242における外側枠242bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に貫通する複数の開口部244aが形成されている。このサイド上部装飾部材244は、列設された開口部244aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ246は、サイド上部装飾部材244の窪んだ後面内に嵌合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材244の後側から開口部244aを通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部246aを備えている。この導光部246aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材244の開口部244aに挿入嵌合させることで、開口部244aに恰も宝石が嵌め込まれているように見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ244の導光部246aによって後側に配置された左サイド上装飾基板254からの光をサイド上部装飾部材244の開口部244aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導光部246aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部カバー248は、その上面及び左側面(正面視で)が扉枠5(扉枠ベースユニット100)の外周と略沿った形状とされていると共に、下面(下端)がサイド上部装飾部材244と略沿った形状とされている。このサイド上部カバー248は、前面下部に、サイド上部装飾部材244を収容可能となるように、下方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部248aが形成されており、取付段部248aの後端面にサイド上部装飾部材244等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成されている。また、サイド上部カバー248は、その外側側面(正面視で左側側面)に、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150の上軸支部156を前側から被覆する被覆部248bを備えている。
左サイド装飾ユニット240のサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242と略沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム242の発光装飾開口242gに後から挿入される周レンズ部250aと、サイド装飾フレーム242のスリット242eに後から挿入される放射レンズ部250bと、を備えている。なお、図示するように、このサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242の上端枠242cに接する発光装飾開口242gと対応する周レンズ部250aを備えておらず、該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部250cとされている。この収容段部250c内には、後述する左上部スピーカ262や上部スピーカブラケット264等が収容されるようになっている。また、サイドレンズ250は、収容段部250cの上面を形成しサイド上部カバー248における取付段部248aの後側に固定される取付部250dを備えている。
このサイドレンズ250は、周レンズ部250a及び放射レンズ部250bの前面が、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部250aの裏面(内面)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レンズ部250aの板厚が不均一となることで、周レンズ部250aを透過する光が乱屈折するようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部250aがキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ250における周レンズ部250a及び放射レンズ部250bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体部252aと、本体部252aの後端から連続し本体部252aよりも前方へ突出すると共に放射レンズ部250b(サイド装飾フレーム242のスリット242e)と対応した位置に配置される板状の導光部252bと、を備えている。このサイドインナーレンズ252の本体部252aは、その前面がサイドレンズ250の内面に対して所定距離控えた状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ252における本体部252aの一方の面には、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部252aの板厚が不均一となることで、本体部252aを透過する光が乱屈折するようになっている。
このサイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250と組合わせることで、周レンズ部250a及び本体部252aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ250(周レンズ部250a)の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム242の発光装飾開口242g(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド装飾フレーム242のスリット242e(サイドレンズ250の放射レンズ部250b)と対応する位置に配置されたLED254b,256bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持する上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ遊技機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部264aを備えている。そして、上部スピーカブラケット264におけるホーン部264aの上端裏側に、左上部スピーカ262が固定されるようになっており、正面視では、ホーン部264aによって左上部スピーカ262が遊技者側から見えないようになっている。
左上部スピーカ262は、上部スピーカブラケット264のホーン部264aによって、パチンコ遊技機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ遊技機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカブラケット264もまた、その前面が、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカブラケット264を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット264の前面側を覆う上部スピーカカバー266は、サイド装飾フレーム242における上端枠242cに接する発光装飾開口242gを閉鎖するようにサイド装飾フレーム242の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレンズ250の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカバー266の表面には貫通孔266aが複数形成されており、左上部スピーカ262からの音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー266もまた、その内面側が、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー266を透過する光が乱屈折するようになっている。したがって、上部スピーカカバー266及び上部スピーカブラケット264において、光が乱屈折することで、遊技者側から左上部スピーカ262や上部スピーカカバー266に形成された貫通孔266aを視認し難くすることができると共に、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様の見栄えの外観とすることができるようになっている。
[3−4.上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図33乃至図36を参照して説明する。図33は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図34は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図35は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図36は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、図示するように、正面視で全体の外形形状が略逆二等辺三角形状とされ、中央に大きく貫通する中央開口部281a、及び中央開口部281aの左右両側に貫通する一対の側開口部281bを有し中央開口部281aの上側に扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120の先端が挿入される前面装飾部材281と、前面装飾部材281の中央開口部281a内に後側から嵌め込まれる中央レンズ282と、中央レンズ282の後端に配置されるインナーレンズ283と、前面装飾部材281の側開口部281bに後側から嵌め込まれる一対の側レンズ284と、正面視の外形が前面装飾部材281と類似した形状とされ中央レンズ282、インナーレンズ283、及び一対の側レンズ284を前面装飾部材281とで挟持するように前面装飾部材281の後側に取付けられる本体部材285と、本体部材285の後側に配置され前面に複数のカラーLED286a,286bが実装された上部装飾基板286と、正面視の外形が本体部と略同じ形状とされ上部装飾基板286を後側から覆うように本体部材285の後面に取付けられる基板カバー287と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の下端から連続するように屈曲しながら後方へ延出し前端上部が前面装飾部材281に支持されると共に後端が扉枠ベースユニット100に取付けられ下方へ向かって貫通する一対の下開口部288aを有した下面装飾部材288と、下面装飾部材288の下開口部288aに上側から嵌め込まれ下面装飾部材288及び基板カバー287に固定される下レンズ289と、を備えている。なお、本実施形態では、前面装飾部材281及び下面装飾部材288の表面に金属的な光沢を有したメッキ層が形成されている。なお、上部装飾基板286のLED286aは、中央レンズ282と対応した位置に配置されていると共に、LED286bは、側レンズ284及び下レンズ289と対応した位置に配置されており、中央レンズ282と、側レンズ284及び下レンズ289とをそれぞれ別々に発光装飾させることができるようになっている。また、本実施形態では、LED286aがフルカラーLEDとされていると共に、LED286bが高輝度の白色LEDとされている。
上部装飾ユニット280における前面装飾部材281は、その中央開口部281aの内周形状が、正面視で中央上端が左右へ延びた辺とされ中央下端が頂点とされ各辺が緩い円弧状に延びた変五角形状に形成されており、上辺両側の上側辺の略中央と下端頂点から中央開口部281a内へ延びだした三つの突出部を有している。また、前面装飾部材281は、中央開口部281aの上側辺の外側に、斜め外側上方へ向かって延びる複数の筋彫りが形成されており、この筋彫りによって前面装飾部材281は中央開口部281aから羽根が延びだしたような形状に形成されていると共に、筋彫りに沿うように側開口部281bが形成されている。
この前面装飾部材281の中央開口部281a内に嵌め込まれる中央レンズ282は、その外形が、中央開口部281aと略同じ形状とされており、前方へ膨出した形状とされていると共に、その前面が互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されている。中央レンズ282は、透明(無色透明、有色透明)な樹脂によって形成されている。この中央レンズ282を前面装飾部材281の中央開口部281aに嵌め込むことで、中央レンズ282がトリリアントカットされたような宝石に見えると共に、前面装飾部材281が宝石の台座に見えるようになっている。
また、中央レンズ282の後側に配置されるインナーレンズ283は、中央レンズ282の後側の開口を閉鎖するように透明な樹脂で形成されていると共に、表面に微細なレンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの光を中央レンズ282側へ広く拡散させることができるようになっている。一方、前面装飾部材281の側開口部281b内に嵌め込まれる側レンズ284は、側開口部281bへ嵌め込んだ状態で、その前面が前面装飾部材281の前面と略連続するよう透明な樹脂によって形成されている。なお、側レンズ284の裏面側には、インナーレンズ283と同様に、微細なレンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの照射される光によって側レンズ284全体が略均一に発光することができるようになっている。
なお、インナーレンズ283及び側レンズ284は、表面に形成された複数の微細なレンズ等によって、白濁したような感じとなっており、インナーレンズ283及び側レンズ284を通して後側が明確に見えないようになっている。
上部装飾ユニット280の本体部材285は、前面装飾部材281の中央開口部281aの形状に略沿った外形で前後方向へ筒状に延び前端開口が斜め下方へ向かって傾斜すると共に閉鎖された後端が斜め上方へ向かって傾斜する中央部285aと、中央部285aの両側に配置され閉鎖された後端が中央部285aの後端と略同じ位置とされると共に前端が中央部285aよりも短く延びた凹陥状の側部285bと、中央部285a及び側部285bの後端面を貫通し上部装飾基板286に実装されたLED286a,286bと対応する位置に形成された複数の開口部285cと、を備えている。この本体部材285は、後側に上部装飾基板286を配置すると、上部装飾基板286のLED286aが開口部285c内に挿入配置されるようになっており、LED286aからの光が後側へ漏れないようになっている。また、本体部材285の中央部285a及び側部285bは前側から後側へ窪んだ形状となっており、それぞれに対応したLED285a,286bからの光が側方へ影響しないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の下面装飾部材288は、後方へ向かうに従って細くなるように形成されており、その左右の側面形状が、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,242c寄り側の端部形状と略一致した形状とされていると共に、上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,242c寄り側の端部が載置固定されるようになっている。なお、下レンズ289は、下面装飾部材288と上部スピーカカバー226,266との間に挟持されるようになっている。また、下レンズ289へは、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部スピーカブラケット224,264を介して、右サイド上装飾基板214及び左サイド上装飾基板254からの光が供給されて発光するようになっている。
[3−5.サイドスピーカカバー]
次に、扉枠5における一対のサイドスピーカカバー290について、主に図22及び図23を参照して説明する。このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130の前面を被覆して装飾するものであり、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と、皿ユニット300との間に配置されるものである。このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130の前面を覆うように湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体291と、カバー体291の外周を前側から支持する円環状の開口部を有し右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と連続するように形成された本体部材292と、本体部材292の下側に配置され皿ユニット300の下皿カバー328における左右後端と連続するように形成された下部部材293と、を備えている。
このサイドスピーカカバー290は、本体部材292の表面に金属的な光沢を有したメッキ層が形成されている。また、下部部材293は、後述する皿ユニット300における下皿カバー328と同様の乳白色をした透光性の部材により形成されている。このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100の前面に取付けられるようになっている。
[3−6.皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図39は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301に貯留した遊技球を球送ユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。皿ユニット300は、図39及び図40等に示すように、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニットベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体312の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられ上下方向に貫通した複数の開口部316aを有する上皿前部装飾部材316と、上皿前部装飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置され上皿前部装飾部材316の開口部316a内に嵌め込まれる複数の導光部318aを有した左右一対の上皿上部レンズ318と、上皿上部レンズ318とは上皿上部パネル314を挟んで反対側に配置されると共に上皿上部パネル314の下面に取付けられ上面に複数のカラーLED320a,322aが実装された上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322と、上皿上部レンズ318と上皿上部パネル314との間に配置され上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322からの光を上皿上部レンズ318側へ拡散させる複数の微細プリズムを有した上皿上部インナーレンズ319と、を備えている。
また、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326と、下皿天板326及び下皿本体324の前端に沿った開口部328aを有すると共に開口部328aの外周を覆う下皿カバー328と、下皿カバー328の左右両側に配置され前後方向に貫通した開口部330aを有する皿サイド中カバー330と、皿サイド中カバー330の開口部330aに後側から嵌め込まれる皿サイド中カバーレンズ332と、皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され扉枠ベースユニット100の左右両端と対応する位置まで左右方向へ延びた皿サイド外カバー334と、を備えている。なお、正面視で右側に配置される皿サイド中カバー330には、その右端部に後述する錠装置1000のシリンダ錠1010が臨む錠孔330bが形成されている。また、正面視で右側の皿サイド外カバー334には、前方からハンドル装置500が挿入されるハンドル挿通孔334aが形成されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けられ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ遊技機1に隣接して設置された図示しないCRユニットを作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図39に示すように、左右方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口310d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さとされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されている。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝310fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース310は、図40に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口544aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようになっており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外径よりも若干高くなるようになっている。
したがって、本実施形態では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることができなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打ち込まれた遊技球による遊技に専念させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる球送ユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出した上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310iが、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続されている。
なお、本実施形態では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口310gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310gの前側に溜まった下皿302内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿302内へ供給することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。この上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口310dの上下方向中間位置付近に、それぞれ位置するように形成されており、上皿球供給口310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な金属製の上皿レール312aが取付けられている。この上皿レール312aは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側よりも外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316を取付けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
なお、詳細な説明省略するが、上皿上部パネル314の装飾取付段部314bには、下面に取付けられる上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aと対応した位置に上下方向に貫通する開口部や切欠部が形成されていると共に、操作ユニット取付部314cには、操作ユニット400と後述する周辺制御基板4140(図97を参照)とを接続する配線ケーブルが通過可能な開口部等が形成されている。
上皿前部装飾部材316は、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に延びた形状とされ、その複数の開口部316aに下側から上皿上部レンズ318の導光部318aが嵌め込まれるようになっていると共に、上皿上部パネル314の装飾取付部314bに取付けることで上皿上部レンズ318を上皿上部パネル314とで挟持することができるようになっている。また、上皿上部レンズ318の下側には、表面に微細なレンズ(プリズム)を複数有した上皿上部インナーレンズ319が配置されており、上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322からの光を充分に拡散させて、上皿上部レンズ318全体を略均一に発光装飾させることができるようになっている。なお、図示するように、上皿前部装飾部材316における開口部316aの内周形状が洋梨状に形成されており、開口部316aに嵌め込まれる上皿上部レンズ318の導光部318aも同様の形状とされ、この導光部318aを嵌め込むことで、上皿前部装飾部材316の開口部316aに、ペアシェイプカットされたような宝石が嵌め込まれたような外観を呈するようになっている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板324aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板324aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上がる側板324cと、を備えている。この下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が、前側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース310の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、正面視の外形が下側へ膨出し各辺が円弧の逆三角形状に形成されており、中央に前後方向へ貫通する開口部328aを備えている。この開口部328aの内形は、下皿本体324及び下皿天板326の前端により形成される形状と一致した形状とされており、下皿302の開口を形成するものである。また、下皿カバー328は、透光性を有した乳白色の樹脂によって形成されていると共に、図示は省略するが、裏側にカラーLEDが所定間隔で配置されており、下皿カバー328全体を発光装飾させることができるようになっている。
皿サイド中カバー330は、正面視で下皿カバー328の左右両外側に配置され、正面視で左右方向の略中央から扉枠5の側面まで下皿カバー328の下側側辺に沿って所定幅で延びており、扉枠5の側面まで延びた上部後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。この皿サイド中カバー330は、前後方向に貫通する開口部330aを備えており、開口部330a内に後側から皿サイド中カバーレンズ332が嵌め込まれるようになっている。更に、正面視で右側(開放側)の皿サイド中カバー330には、その外側端部(右側端部)付近で錠装置1000のシリンダ錠1010と対応した位置に前後方向に貫通する錠孔330bが形成されており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔330bからシリンダ錠1010の錠穴が臨むようになっている。
この皿サイド中カバー330は、その前端下部から後方へ延出する底板部330cを更に備えており、この底板部330cの後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。また、皿サイド中カバー330の底板部330cによって下皿本体324の下側の一部が被覆されるようになっている。
皿サイド外カバー334は、正面視で皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され、正面視が扉枠5の側辺及び底辺に沿った略三角形状とされており、後方及び上方に開放された箱状に形成されている。本実施形態では、右側(開放側)の皿サイド外カバー334に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140と対応した位置に前後方向へ貫通するハンドル挿通孔334aが形成されている。この皿サイド外カバー334は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっていると共に、一部が皿ユニットベース310に取付けられるようになっている。また、皿サイド外カバー334及び皿サイド中カバー330によって下皿本体324の中央部を除く下側が被覆されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔314aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342の上下動によって上下方向へスライドし後述する球送ユニット580における球抜き部材583の作動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置される上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備えている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342がコイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態となっている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口する開口部344a(図39を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導流路344b(図38及び図40を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向かって延出し遊技球が流通可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取付けられる球送ユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿301内に貯留された遊技球を、球送ユニット580へ供給することができるようになっている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接した上端が扉枠ベース本体110の球送開口113を介して球送ユニット580の球抜口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310における下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送ユニット580の球抜口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖されている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出した当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送ユニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aによって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導流路344bを介して、球送ユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口581bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出することができるようになっている。
なお、球送ユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネによって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当接しているので、球抜き部材583の仕切部583a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で正面視左右に配置された皿サイド中カバー330の底板部330c同士の間に配置される下皿球抜きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター352を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持された下皿球抜きスライダ353と、下皿球抜きスライダ353の前端に取付けられる下皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター352は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔352bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライダ353と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライダ353と当接することで、下皿球抜きスライダ353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネの付勢力により下皿球抜きスライダ353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜きボタン354は、図示するように、皿ユニット300における下皿カバー328の左右方向中央下側で、左右の皿サイド中カバー330に挟まれた位置に配置されるようになっており、その表面形状が下皿カバー328や皿サイド中カバー330の表面形状に対して滑らかに連続するような形状とされている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352bが、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライダ353を所定位置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン354を、後方へ押圧すると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライダ353とが後方へスライドすると共に、下皿球抜きスライダ353の後方へのスライドによって開閉シャッター352がコイルバネの付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。なお、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜きスライダ353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライダ353が保持機構355によってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライダ353のスライドがロック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなると共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持され、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン354を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライダ353の保持が解除されて、下皿球抜きスライダ353がスライドすることができるようになり、コイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回動に伴って下皿球抜きスライダ353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができるようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。貸球ボタン361が操作されると、球貸スイッチ365aにより検出され、返却ボタン362が操作されると、返却スイッチ365bにより検出されるようになっている。残度数表示器365cの表示内容は貸出残表示部363を介して視認することができるようになっている。球貸スイッチ365a、返却スイッチ365b、及び残度数表示器365cは、度数表示板365に実装されており、この度数表示板365は、貸球ユニット360の内部に取り付けられている。この貸球ユニット360は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに形成された貸球ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになっている。また、貸球ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備えている。
[3−7.操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図41乃至図46を参照して説明する。図41は、扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図43は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図44は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図45は、操作ユニットの断面図であり、図46は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部401の下端と連結される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢するバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416bが通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー422の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
本実施形態では、従動ギア410の歯数が駆動ギア412の歯数の2倍、つまり減速比が値2に選定されているため、ダイヤル駆動モータ414の回転軸に固定された駆動ギア412が2回転すると、この駆動ギア412と噛合する従動ギア410が1回転するようになっている。なお、ダイヤル駆動モータ414は、ステッピングモータであり、その出力軸が1ステップで15°回転し、24ステップで360°回転するものである。このため、ダイヤル駆動モータ414の出力軸が1ステップで15°回転すると、この出力軸に固定された駆動ギア412も15°回転し、この回転が従動ギア410に伝わって、減速比が値2により、従動ギア410と連結されたダイヤル操作部401も従動ギア410とともに30°回転することとなる。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上面を覆う表面カバー428と、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材416のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラーLED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、ベース部材420の下側に固定され、ダイヤル操作部401の回転を検出する一対の回転検出スイッチ432a,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検出スイッチ432c、及び押圧操作部405の直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備えている。
操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材により形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端から外方へ延出し表面に所定の装飾(具体的には、滑らかな凹凸を有する意匠が施されている。)が施された円環状の天板部401bと、天板部401bの外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部401cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に連結係止部(図44を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるようになっている。更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部401fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧操作部405)が、これ以上、内筒部401a内へ没入するのを防止することができるようになっている(図46を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部401の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端とボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるようになっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光がボタンキャップ407及びキャップインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416g(図45及び図46を参照)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持筒416bから抜けないように、上方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボタン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出しボタン装飾基板432の押圧検出スイッチ432cによって検出可能な押圧検出片406cを備えている。この押圧検出片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体406(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検出スイッチ432cによって検出されるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aよりも下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされていると共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径よりも小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ407(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fに当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)が、これ以上、内筒部401a内へ没入することができないようになっている(図46を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認することができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材416におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている。この従動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギアレール416a上に当接させることで、従動ギア410がボタン支持筒416bと略同心状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア410とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の回転検出片410cを備えている。これら回転検出片410cは、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検出スイッチ432a,432bによって検出されるようになっており、詳細は後述するが、回転検出片410cと回転検出片410c同士の間に形成されたスリット410dとにより、回転検出片410cに対する各回転検出スイッチ432a,432bの検出パターンによって従動ギア410、つまりダイヤル操作部401の回転方向を検出することができるようになっている。なお、本実施形態では、回転検出片410cとスリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア410と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ414によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を正転させる回転と逆転させる回転とを交互に小刻みに繰返させることで、ダイヤル操作部401を時計方向への回転と反時計方向への回転とを交互に小刻みに繰返させるようにすることができるため、ダイヤル操作部401を振動させることができる。また、回転検出スイッチ432a,432bからの検出信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モータ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボタン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416g(図45及び図46を参照)と、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416cと、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた回転検出スイッチ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検出スイッチ432cが上側から臨む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基板432を係止保持するための一対の基板保持爪416fと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成すると共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することができると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するためのビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決めボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通させてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。また、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができるようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態となっている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成されており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作部保持部材416の外周が嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備えている。また、ベース部材420は、図44に示すように、下部凹部420bの外側に下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本実施形態では四つ)の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420fと、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体426を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるための複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようになっている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギアレール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420fが、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるようになっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向(パチンコ遊技機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ遊技機1における前後方向)の一方(パチンコ遊技機1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル操作部401等を取付けた状態で、開口422aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うことで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することができるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材420における脚部420e下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ遊技機1における左右方向)両端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に貫通しダイヤル操作部401(鍔部401dを除く)が通過可能な開口426aと、開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材420のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5mm〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるようになっている。
なお、この操作ユニット400は、表面カバー428を外した状態で、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定のビスで取付け、その後、カバー本体426の上面に表面カバー428を取付けるような構造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検出片410cが、隣接する回転検出片410c同士の間のスリットにおける周方向の長さと、回転検出片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検出スイッチ432a,432bは、ダイヤル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検出片410cの周方向における長さの2.5倍の間隔とされている。これにより、詳細は後述するが、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作することで、一対の回転検出スイッチ432a,432bによる回転検出片410cの検出と非検出とにタイムラグが発生し、各回転検出スイッチ432a,432bによる回転検出片410cの検出パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転しているのかを検出することができるようになっている。
また、本実施形態の操作ユニット400は、詳細は後述するが、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計回りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転させる回転と逆転させる回転とを交互に繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
また、本実施形態の操作ユニット400は、図46に示すように、押圧操作部405を下方へ押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)が、これ以上、内筒部401a内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本実施形態の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ407の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転させる回転と逆転させる回転とを交互に繰返させることで、ダイヤル操作部401と共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によって遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
次に、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転させる回転と逆転させる回転とを交互に繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるダイヤル加振制御について説明する。ダイヤル駆動モータ414は、上述したように、ステッピングモータであり、その出力軸が1ステップで15°回転し、24ステップで360°回転するものである。このため、ダイヤル駆動モータ414の出力軸が1ステップで15°回転すると、この出力軸に固定された駆動ギア412も15°回転し、この回転が従動ギア410に伝わって、減速比が値2により、従動ギア410と連結されたダイヤル操作部401も従動ギア410とともに30°回転することとなる。
ダイヤル駆動モータ414の出力軸を1ステップだけ正転させたのち、1ステップだけ逆転させる、このような1ステップの正転させる回転と逆転させる回転とを交互に繰り返し行うことにより、ダイヤル操作部401を小刻みに時計回りと反時計回りとのいずれにも交互に回転させてダイヤル操作部401がまるで振動しているかの状態を作り出すことができる。ダイヤル操作部401の天板部401bの表面には、滑らかな凹凸を有する意匠が施されているため、ダイヤル操作部401が小刻みに時計回りと反時計回りとのいずれにも交互に回転させられると、ダイヤル操作部401の天板部401bに遊技者の指や手のひらが触れることにより、天板部401bの表面に施された滑らかな凹凸によって指や手のひらが動かされて振動が加わるように遊技者に感じさせることもできるようになっている。
このようなダイヤル駆動モータ414の出力軸を1ステップだけ正転させる回転と逆転させる回転とを交互に繰り返し行うダイヤル加振制御は、具体的には、周辺制御基板4140の周辺制御部4150(図101を参照)により行われる。この周辺制御部4150の周辺制御MPU4150a(図101を参照)は、主制御基板4100(図101を参照)からのコマンド(例えば、特図1同調演出関連に区分される特図1同調演出開始コマンド、特図2同調演出関連に区分される特図2同調演出開始コマンド等(図130を参照))を受信すると、この受信したコマンドに基づいて、後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理において(図155のステップS1009〜ステップS1038を参照)、ダイヤル駆動モータ414の出力軸を1ステップだけ正転させる回転と逆転させる回転とを交互に繰り返し行うためのスケジュールデータに従ってダイヤル加振制御を行う。このダイヤル加振制御のスケジュールデータは、ダイヤル加振制御の開始時期、終了時期が規定されているものであり、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b(図101を参照)に予め複数記憶されている。周辺制御MPU4150aは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理において(図157のステップS1104を参照)、スケジュールデータに従ってダイヤル加振制御を行う。
次に、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計回りの方向へ回転させることができる回転方向転換制御について説明する。ダイヤル操作部401は、上述したように、従動ギア410に連結されており、この従動ギア410に一定間隔で列設された複数の回転検出片410cが一対の回転検出スイッチ432a,432bによって検出された検出パターンに基づいて回転方向が検出されるようになっている。
回転方向転換制御は、ダイヤル操作部401を時計方向に回転させている際に、遊技者の指や手のひらがダイヤル操作部401に触れてダイヤル操作部401の回転が停止したときには、回転方向を転換してダイヤル操作部401を反時計方向に回転開始させたり、ダイヤル操作部401を反時計方向に回転させている際に、遊技者の指や手のひらがダイヤル操作部401に触れてダイヤル操作部401の回転が停止したときには、回転方向を転換してダイヤル操作部401を時計方向に回転開始させたりする。ダイヤル操作部401の回転が停止している状態では、ダイヤル操作部401と連結された従動ギア410の回転も停止するため、この従動ギア410と噛合する駆動ギア412に固定されたダイヤル駆動モータ414の出力軸の回転も停止され、ステッピングモータであるダイヤル駆動モータ414が脱調した状態となる。このように、本実施形態では、ステッピングモータであるダイヤル駆動モータ414を遊技者の意志によって脱調させることができるようになっているため、遊技者は、指や手のひらをダイヤル操作部401に触ってダイヤル操作部401の回転を強制的に停止させたり、回転方向を転換させたりすることができる。
具体的には、周辺制御基板4140の周辺制御部4150(図101を参照)により行われる。この周辺制御部4150の周辺制御MPU4150a(図101を参照)は、主制御基板4100(図101を参照)からのコマンド(例えば、特図1同調演出関連に区分される特図1同調演出開始コマンド、特図2同調演出関連に区分される特図2同調演出開始コマンド等(図130を参照))を受信すると、この受信したコマンドに基づいて、後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理において(図155のステップS1009〜ステップS1038を参照)、ダイヤル駆動モータ414の出力軸を正転させる回転と逆転させる回転とを行うためのスケジュールデータに従って回転方向転換制御を行う。この回転方向転換制御のスケジュールデータは、ダイヤル駆動モータ414の出力軸を回転開始時期、回転終了時期が規定されているものであり、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b(図101を参照)に予め複数記憶されている。周辺制御MPU4150aは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における操作ユニット情報取得処理において(図157のステップS1108を参照)の一処理として実行される回転検出スイッチ履歴作成処理(図160を参照)で作成された回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTから、ダイヤル操作部401が停止している状態であるか(換言すると、ダイヤル駆動モータ414が脱調している状態であるか)、時計方向に回転している状態であるか、反時計方向に回転している状態であるか、を把握し、周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理において(図157のステップS1104を参照)、スケジュールデータに従って回転方向転換制御を行う。
例えば、周辺制御MPU4150aは、現在、ダイヤル操作部401を時計方向に回転させている場合に、回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTから、ダイヤル操作部401が時計方向に回転している状態であることを把握すると、継続してダイヤル操作部401を時計方向に回転させるスケジュールデータに従って回転方向転換制御を行うのに対して、ダイヤル操作部401が停止している状態(換言すると、ダイヤル駆動モータ414が脱調している状態)、又は反時計方向に回転している状態であることを把握すると、ダイヤル操作部401を反時計方向に回転させるスケジュールデータに従って回転方向転換制御を行う。
また、周辺制御MPU4150aは、現在、ダイヤル操作部401を反時計方向に回転させている場合に、回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTから、ダイヤル操作部401が反時計方向に回転している状態であることを把握すると、継続してダイヤル操作部401を反時計方向に回転させるスケジュールデータに従って回転方向転換制御を行うのに対して、ダイヤル操作部401が停止している状態(換言すると、ダイヤル駆動モータ414が脱調している状態)、又は時計方向に回転している状態であることを把握すると、ダイヤル操作部401を時計方向に回転させるスケジュールデータに従って回転方向転換制御を行う。
このように、上述した、ダイヤル加振制御、及び回転方向転換制御は、どちらもダイヤル駆動モータ414の出力軸を正転又は逆転させているものの、後者の回転方向転換制御は、ダイヤル操作部401の回転方向が実際に周辺制御MPU4150aが意図する方向と逆回転している場合や停止している場合等の外的要因が発生した場合に実行されるのに対して、前者のダイヤル加振制御は、外的要因の発生に関係なく、ダイヤル駆動モータ414の出力軸を正転又は逆転させる期間が予め設定されて実行される点でまったく相違する。
また、回転方向転換制御では、ダイヤル駆動モータ414が脱調している状態であることを把握すると、ダイヤル操作部401の回転方向を逆回転方向に急転換させるのに対して、ダイヤル加振制御では、ダイヤル操作部401を振動させる点でまったく相違するため、回転方向転換制御では、ダイヤル加振制御によって創出されるダイヤル操作部401を用いた演出の感覚とまったく異なった感覚の演出を、同一のダイヤル操作部401を用いて創出することができる。
次に、ダイヤル操作部401の回転操作に対してクリック感を付与することができるクリック発生制御について説明する。ダイヤル駆動モータ414は、上述したように、ステッピングモータであるため、ステッピングモータの特定の相への通電状態(励磁状態)を維持することでダイヤル駆動モータ414の出力軸に静止トルクを発生させることができる。そここで、本実施形態では、特定の1相に対して励磁状態を維持して静止トルクを発生させる第1の静止トルク発生状態と、特定の2相に対して励磁状態を維持して静止トルクを発生させる第2の静止トルク発生状態と、を作り出す仕組みを採用している。
第1の静止トルク発生状態では、この状態における静止トルクを超えてダイヤル操作部401を回転させる場合には、このダイヤル操作部401を回転が従動ギア410、そして駆動ギア412が固定されたダイヤル駆動モータ414の出力軸に伝わると、この出力軸が脱調して1ステップずつ回転、つまり15°ずつカクカクと回転し、この脱調してカクカク回転する動作がダイヤル操作部401のクリック感として伝わる。第2の静止トルク発生状態でも、この状態における静止トルクを超えてダイヤル操作部401を回転させる場合には、このダイヤル操作部401を回転が従動ギア410、そして駆動ギア412が固定されたダイヤル駆動モータ414の出力軸に伝わると、この出力軸が脱調して1ステップずつ回転、つまり15°ずつカクカクと回転し、この脱調してカクカク回転する動作がダイヤル操作部401のクリック感として伝わる。
第2の静止トルク発生状態では、特定の2相に対して励磁状態を維持しているため、特定の1相に対して励磁状態を維持している第1の静止トルク発生状態に対して2倍の静止トルクを得ることができる。換言すると、第2の静止トルク発生状態におけるダイヤル操作部401のクリック感は、第1の静止トルク発生状態におけるダイヤル操作部401のクリック感の2倍となって伝わることとなる。
ステッピングモータは、通常、制御不能とならないように脱調を防止するように制御されるものであるが、本実施形態では、ステッピングモータを積極的に脱調させる制御を行うことにより、ダイヤル操作部401の回転操作にクリック感を得ることができるとともに、そのクリック感を2段階に発生させることにより、第1の静止トルク発生状態におけるダイヤル操作部401のクリック感を軽く感じさせることができるのに対して、第2の静止トルク発生状態におけるダイヤル操作部401のクリック感を重く感じさせることができる。
このようなダイヤル操作部401の回転操作に対してクリック感を付与することができるクリック発生制御は、具体的には、周辺制御基板4140の周辺制御部4150(図101を参照)により行われる。この周辺制御部4150の周辺制御MPU4150a(図101を参照)は、主制御基板4100(図101を参照)からのコマンド(例えば、特図1同調演出関連に区分される特図1同調演出開始コマンド、特図2同調演出関連に区分される特図2同調演出開始コマンド等(図130を参照))を受信すると、この受信したコマンドに基づいて、後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理において(図155のステップS1009〜ステップS1038を参照)、ダイヤル駆動モータ414の出力軸に静止トルクを発生させるためのスケジュールデータに従ってクリック発生制御を行う。このクリック発生制御のスケジュールデータは、ダイヤル駆動モータ414の出力軸に静止トルクを発生させる時期、停止する時期が規定されているものであり、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b(図101を参照)に予め複数記憶されている。周辺制御MPU4150aは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理において(図157のステップS1104を参照)、スケジュールデータに従ってクリック発生制御を行う。
このように、クリック発生制御では、ダイヤル操作部401が停止した状態であるときに実行させるものであるのに対して、回転方向転換制御では、ダイヤル操作部401が回転しているときに実行されるものである点でまったく相違する。また、クリック発生制御では、ダイヤル操作部401を回転させるとクリック感があるのに対して、回転方向転換制御では、ダイヤル操作部401の回転を妨げたり(阻止したり)することで回転方向が逆回転方向に急転換する点でまったく相違するため、クリック発生制御では、回転方向転換制御によって創出されるダイヤル操作部401を用いた演出の感覚とまったく異なった感覚の演出を、同一のダイヤル操作部401を用いて創出することができる。
ここで、ダイヤル駆動モータ414の出力軸に静止トルクをまったく付与しないトルクフリー制御について説明する。このトルクフリー制御では、ダイヤル駆動モータ414の各相がすべて無通電状態(無励磁状態)となり、ダイヤル駆動モータ414の出力軸がトルクフリーとなる。つまり、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計回りの方向へ回転させても、その操作を妨げる負荷やクリック感等がまったく発生しない状態となる。
トルクフリー制御を利用する演出について簡単に説明すると、例えば、ダイヤル操作部401を操作してダイヤル操作部401の回転にともなって選択される演出画面を液晶表示装置1900(図96を参照)に表示するとともに、上述した、クリック発生制御によって、ダイヤル操作部401にクリック感を付与し、遊技者がダイヤル操作部401を操作して、時計方向、又は反時計方向へ回転させているときに、突然、クリック発生制御を止めてトルクフリーとなる状態、つまりトルクフリー制御に移行し、遊技者が意図しない演出画面を選択させる(足をすくう)演出に利用することができる。換言すると、クリック発生制御では、ダイヤル駆動モータ414の出力軸に静止トルクが発生させるのに対して、トルクフリー制御では、その発生させた静止トルクを強制的に解除することで遊技者の指や手のひらに付与されるダイヤル操作部401からの負荷である静止トルクを突然取り除くことができるため、その静止トルクの強制的な解除がダイヤル操作部401の回転操作にスリップ感として遊技者の指や手のひらに付与されることとなる。
このように、本実施形態では、ステッピングモータを利用して可動体を駆動するという、これまでの発想に加えて、ステッピングモータをマンマシンインターフェイスとしても用いるという、まったく新しい発想に基づくものである。
なお、本実施形態では、図示しないが、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4150a(図101を参照)は、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における操作ユニット情報取得処理において(図157のステップS1108を参照)の一処理として実行される回転検出スイッチ履歴作成処理(図160を参照)で作成された回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTから、ダイヤル操作部401が停止している状態であるか、時計方向に回転している状態であるか、反時計方向に回転している状態であるか、を把握しているため、遊技者が演出の進行と無関係に(例えば、演出とリンクしてダイヤル操作部401を操作させる(操作を促す演出等)以外の演出)ダイヤル操作部401の有無を監視することができるようになっている。これにより、周辺制御MPU4150aは、ダイヤル操作部401が遊技者の指や手のひらにより操作されている状態であると把握したときにはダイヤル駆動モータ414の出力軸を回転させてダイヤル操作部401を時計回り、又は反時計回りに回転させるという挙動を付与して遊技者によるダイヤル操作部401の回転方向に対抗して回転するようになっている。
周辺制御MPU4150aは、演出の進行とまったく無関係にダイヤル操作部401が遊技者の指や手のひらにより操作されている状態であると把握したときにはダイヤル駆動モータ414の出力軸を回転させてダイヤル操作部401を時計回り、又は反時計回りに回転させるスケジュールデータに従って回転挙動付与制御を行う。この回転挙動付与制御のスケジュールデータは、ダイヤル駆動モータ414の出力軸を回転させる回転方向や回転速度等が規定されているものであり、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b(図101を参照)に予め複数記憶されている。周辺制御MPU4150aは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理において(図157のステップS1104を参照)、スケジュールデータに従って回転挙動付与制御を行う。
このように、周辺制御基板4140の周辺制御部4150は、演出の進行とまったく無関係にダイヤル操作部401が遊技者の指や手のひらにより操作されている状態であると把握したときにはダイヤル駆動モータ414の出力軸が回転することによってダイヤル操作部401に挙動が付与されるようになっているため、突発的にダイヤル操作部401が動き出すこととなる。換言すると、遊技者が演出とまったく関係ない無意味な操作をダイヤル操作部401に対して行うと、これにパチンコ遊技機1が応えてダイヤル操作部401に挙動が付与されるようになっており、遊技者がダイヤル操作部401に対して無意味な操作を行わないように注意を促すような振る舞いをする。このようなダイヤル操作部401による挙動により、まるでパチンコ遊技機1が意志を持っているかのような印象を遊技者に与えることができる。したがって、操作部材による斬新な遊技性を創出することができる。
[3−8.ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図47及び図48を参照して説明する。図47(a)は扉枠におけるハンドル装置を右上前方から見た斜視図であり、図47(b)は扉枠におけるハンドル装置を左上前方から見た斜視図であり、図48(a)はハンドル本体の基準突出部がハンドル本体を正面から見て左側であって水平となっている回転基準位置から時計回りに最大10度までハンドル本体などを回転させることができるとともに、回転基準位置から反時計回りに最大45度までハンドル本体などを回転させることができる概略図であり、図48(b)は回転基準位置から反時計回りに45度だけハンドル本体などを回転させたときの概略図である。
本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における皿サイド外カバー334のハンドル挿通孔334aを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定される円筒形状のハンドルベース502と、ハンドルベース502より大きく、ハンドルベース502の前面に配置され円筒形状を有するハンドル本体506と、ハンドル本体506の前面に配置される球体状の前端カバー508と、を備え、円筒形状のハンドルベース502の長手方向の軸心と、円筒形状のハンドル本体506の長手方向の軸心と、半球体状の前端カバー508の中心点と、が同一直線状に配置されている。
前端カバー508は、固定前端カバー508aと回転前端カバー508bとから構成されており、ハンドルベース502の前面にハンドル本体506を取り付けた後に、ハンドル本体506の前面壁506bに回転前端カバー508bを固定した後に、固定前端カバー508aをハンドルベース502に固定することによって、ハンドル本体506と回転前端カバー508bとがハンドルベース502と固定前端カバー508aとに狭持される構造となっている。例えば右手親指で後述する基準突出部507を押し上げる方向に力を加えると、ハンドル本体506と、ハンドル本体506に形成される基準突出部507と、回転前端カバー508bと、が一体となってハンドルベース502と固定前端カバー508aとに対して時計回りに回転させることができるようになっている一方、例えば右手親指で基準突出部507を押し下げる方向に力を加えると、ハンドル本体506と、ハンドル本体506に形成される後述する基準突出部507と、回転前端カバー508bと、が一体となってハンドルベース502と固定前端カバー508aとに対して反時計回りに回転させることができるようになっている。なお、ハンドル本体506の前面壁506bに固定されない回転前端カバー508bの前側外周縁は、固定前端カバー508aの外周縁508aaによって覆い被さるようになっているとともに、回転前端カバー508bの前側外周縁と、固定前端カバー508aの外周縁508aaと、の隙間から異物(例えば、プリペイドカードのような厚みの小さいものや細い針金等)が入らないようになっている。
円筒形状のハンドルベース502は、後端側の外周に、軸方向へ延びた三つの溝部502aが形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット140における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部502aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入することで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
円筒形状を有するハンドル本体506には、その奥行き寸法距離より少し短い寸法距離と、その外周面の円周寸法の約半分の寸法距離と、を有する矩形状の開口部506aがハンドル本体506の上半分の外周面に形成される(正確には、ハンドル本体506を正面から見て左側から、ハンドル本体506を正面から見て右側側に向かって、ハンドル本体506の上側外周面に形成される)とともに、ハンドル本体506を正面から見て左側に外部に向かって突出して形成される板状の基準突出部507がハンドル本体506と一体形成されている。ハンドル本体506の前面壁506bには、上述したように、固定前端カバー508bが固定されるため、ハンドル本体506の基準突出部507がハンドル本体506を正面から見て左側であって水平となっている位置を回転基準位置(基準:0度(ゼロ度))として、図48(a)に示すように、例えば右手親指で基準突出部507を押し上げる方向に力を加えると、ハンドル本体506と、ハンドル本体506に形成される基準突出部507と、回転前端カバー508bと、が一体となってハンドルベース502と固定前端カバー508aとに対して回転基準位置から時計回りに最大10度(回転基準位置から最大+10度)まで回転させることができるようになっている一方、例えば右手親指で基準突出部507を押し下げる方向に力を加えると、ハンドル本体506と、ハンドル本体506に形成される基準突出部507と、回転前端カバー508bと、が一体となってハンドルベース502と固定前端カバー508aとに対して回転基準位置から反時計回りに最大45度(回転基準位置から最大−45度)まで回転させることができるようになっている。
ハンドル本体506の基準突出部507が回転基準位置に存在しているときには、ハンドル本体506に形成された窪み部がハンドルベース502に取り付けられたボールプランジャのボールを受けている状態となっている。このため、基準突出部507を押し上げる方向に力を加えたり、基準突出部507を押し下げる方向に力を加える場合には、ボールプランジャのボールを窪み部から押し出すとともに、ボールプランジャのボールをボールプランジャの内部から外に向かった押し出すバネによる反力が基準突出部507を押し上げる方向及び押し下げる方向に対して常に負荷された状態となる。これにより、ハンドル本体506の基準突出部507を回転基準位置へ戻した際に、又は回転基準位置を通過する際に、その負荷が解消されることにより、その回動操作に必要な力が小さく感じることで操作者に操作感(クリック感)を付与することができるようになっている。「ボールプランジャ」とは、バネを内蔵し、先端のボールをボールプランジャの内部に向かって押し込むと、ボールが内部に入り込むことができるものであり、本実施形態では、基準突出部507の回転基準位置という位置決め用として使用するとともに、クリック感を操作者に付与することで基準突出部507が回転基準位置に存在していることを伝えることができるようになっている。なお、本実施形態では、ハンドル本体506に窪み部を形成するとともに、ハンドルベース502にボールプランジャを取り付けているが、これとは反対に、ハンドル本体506にボールプランジャを取り付けるとともに、ハンドルベース502に窪み部を形成してもよい。このように構成しても、上述した同一の効果を奏することができる。
以下、ハンドル本体506及び前端カバー508の構造についての説明として、便宜上、ハンドル本体506の基準突出部507が回転基準位置に存在する場合について説明する。
ハンドル本体506に形成される開口部506aを臨むようにハンドル本体506の内部からタッチセンサ部512が取り付けられることにより、ハンドル本体506の上半分の外周面に沿ってタッチセンサ部512が配置され、ハンドル本体506の外周面の曲面とタッチセンサ部512の曲面とが滑らかに連続するようになっている。
開口部506aを臨むように取り付けられるタッチセンサ部512は、その詳細な説明を後述するが、ハンドル本体506を正面から見て開口部506aの左側から、ハンドル本体506を正面から見て開口部506aの右側に向かって、所定の大きさを有する矩形状の領域が第0区画〜第18区画(全19区画)として連なって形成されることにより、指が触れると、その位置(ポジション)が第0区画〜第18区画のうち、どの区画番号にあるかを検出することができるものであり、図1に示した打球発射装置650により遊技球を遊技盤4の遊技領域1100に向かって発射させる際に、指が触れた位置(つまり、区画番号)に応じて(見合う)遊技球の発射強度を設定するものである。本実施形態では、従来の回動式のハンドル(ハンドル本体を回動させるにつれて発射強度が強くなり、そのハンドル本体の回転位置に応じた(見合う)発射強度で遊技球を発射させる方式)と異なり、タッチセンサ部512を指でスライドさせるにつれて発射強度が強くなり、その指の位置に応じた(見合う)発射強度で遊技球を発射させるという方式を採用している。
換言すると、本実施形態では、従来の回動式のハンドルにおけるハンドル本体の回動操作がタッチセンサ部512を指でスライドさせるスライド操作となっている点で大きく異なっている。タッチセンサ部512を指でスライドさせるスライド量は、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画からの指の移動量(スライド量)を検出することで得ることができるようになっている。タッチセンサ部512の基準領域である第0区画は、ハンドル本体506に形成される板状の基準突出部507に最も近くに配置される領域となっている。このため、ハンドル本体506を正面から見て左側から、ハンドル本体506を正面から見て右側に向かって、ハンドル本体506の外周面(タッチセンサ部512の左側から右側)に沿って、指をスライドさせることにより発射強度が強くなり、その指の位置における区画番号に応じた(見合う)発射強度で遊技球を発射させることができるようになっている。つまり、基準領域である第0区画に指があるときに発射強度が最小となる最小発射強度に設定されるのに対して、第18区画に指があるときに発射強度が最大となる最大発射強度に設定されるようになっている。
ハンドル本体506の前面壁506bに固定される前端カバー508の固定前端カバー508bには、ハンドル本体506の前面壁506bの前方であって、タッチセンサ部512が取り付けられる近傍に発射強度を示すレベル表示部513が形成されている。このレベル表示部513は、球体状のレンズ部の一部が前端カバー508の表面を突出するように複数設けられ、球体状のレンズ部のそれぞれ下方に、その詳細な説明を後述するが、レベル表示器L0〜L18という全19のレベル表示器が配置されて構成されている。タッチセンサ部512は、上述したように、ハンドル本体506を正面から見て開口部506aの左側から、ハンドル本体506を正面から見て開口部506aの右側に向かって、所定の大きさを有する矩形状の領域が第0区画〜第18区画(全19区画)として連なって形成されており、これらの第0区画〜第18区画と対応する位置に、レベル表示器L0〜L18がハンドル本体506のタッチセンサ部512が取り付けられる近傍にそれぞれ配置されている。
また、ハンドル本体506の前面壁506bには、その外縁に沿って、レベル表示器L0,L3,L6,L9,L12,L15,L18とそれぞれ対応する位置に所定の図形ID0〜ID6が前方に所定距離だけ突出して形成されている。具体的には、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L0と対応する位置に丸の図形ID0が前方に所定距離だけ突出して形成され、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L3と対応する位置に三角の図形ID1が前方に所定距離だけ突出して形成され、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L6と対応する位置に四角の図形ID2が前方に所定距離だけ突出して形成され、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L9と対応する位置に丸の図形ID3が前方に所定距離だけ突出して形成され、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L12と対応する位置に三角の図形ID4が前方に所定距離だけ突出して形成され、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L15と対応する位置に四角の図形ID5が前方に所定距離だけ突出して形成され、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L18と対応する位置に丸の図形ID6が前方に所定距離だけ突出して形成されている。つまりレベル表示器L0,L3,L6,L9,L12,L15,L18と所定の図形ID0〜ID6とがそれぞれ同一の直線状に配置されている。このように、ハンドル本体506の前面壁506bには、その外縁に沿って、レベル表示器L0,L3,L6,L9,L12,L15,L18とそれぞれ対応する位置に所定の図形ID0〜ID6が所定距離だけ突出して形成されている。これらの所定の図形ID0〜ID6は、遊技者が遊技を開始して所望の発射強度を得るためにタッチセンサ部512を触れた際に、その所望の発射強度を得たおおよその位置を把握するための目印とするために形成されている。例えば、遊技者の指がタッチセンサ部512の第14区画に触れているときには、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L12と対応する位置に形成された三角の図形ID4と、ハンドル本体506の前面壁506bの外縁に沿ってレベル表示器L15と対応する位置に形成された四角の図形ID5と、の間に遊技者の指が存在するため、その遊技者の指がタッチセンサ部512から離れて遊技者の指とタッチセンサ部512との接触が解除されると、後述するように、所定条件が成立してレベル表示部513のレベル表示器L0〜L18のすべてが消灯されることとなる。このとき、遊技者は、遊技を再開する際に、その指を、再びタッチセンサ部512の基準領域である第0区画から三角形の図形ID4と四角形の図形ID5との間を目標位置としてスライドさせることにより、その指をタッチセンサ部512から離す直前における発射強度を早く得ることができる。
また、ハンドル本体506の外周面に沿って開口部506aの前方には、レベル表示器L0〜L18と対応する位置に円柱の一部の外周面が突出したスライド体感突出部SL0〜SL18がそれぞれ形成されている。つまりレベル表示器L0〜L18とスライド体感突出部SL0〜SL18とがそれぞれ同一直線状に配置されている。これらのスライド体感突出部SL0〜SL18は、遊技者の指がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かってスライド開始した際に、遊技者の指であって末節骨と対応する部分に対して、スライドしている感覚を付与することができるようになっている。
タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせると、レベル表示器L0から、その指の位置における区画と対応するレベル表示器までが連動して所定の発光態様で発光するようになっている。このとき、遊技者の指であって末節骨と対応する部分がタッチセンサ部512、そしてスライド体感突出部SL0〜SL18に主として触れるとともに、遊技者の指であって遠位指節間関節、中節骨、近位指節間関節、そして基節骨と対応する部分がレベル表示部513(前端カバー508の表面を突出するように複数設けられた球体状のレンズ部の表面)に主として触れることとなる。例えば、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、タッチセンサ部512の第14区画に指があるときには、遊技者の指がスライド体感突出部SL0〜SL14まで1つずつ順番に触れ、第0区画と対応するレベル表示器L0〜第14区画と対応するレベル表示器L14までが所定の発光態様(本実施形態では、青色の点灯態様)で発光することとなる。なお、タッチセンサ部512における第0区画〜第18区画までの各検出信号は、後述する発射制御基板に入力され、この発射制御基板によりレベル表示部513におけるレベル表示器L0〜L18への駆動信号が出力されるようになっている。
ハンドル本体506の内部には、タッチスイッチ516及び発射停止スイッチ518が取り付けられている。タッチスイッチ516は、ハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指が接触しているか否かを検出したり、前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが接触しているか否かを検出したりするものである。発射停止スイッチ518は、ハンドル本体506の基準突出部507の下方(正確には、ハンドル本体506を正面から見て円筒形状のハンドル本体506の中心軸より基準突出部507から約45度だけ反時計回り回転させた位置)に、形成された図示しない開口部を介して、発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタン520が配置されている。タッチスイッチ516及び発射停止スイッチ518からの各検出信号は、後述する発射制御基板に入力されるようになっている。
なお、ハンドル本体506の下半分の外周表面(正確には、ハンドル本体506を正面から見て左側から、ハンドル本体506を正面から見て右側に向かって、ハンドル本体506の下側外周面に形成される部分)や前端カバー508の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル本体506や前端カバー508に接触することでタッチスイッチ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチスイッチ516が遊技者の接触を検出している時に、タッチセンサ部512を基準領域である第0区画から第18区画に向かって指をスライドさせることにより、その指がある位置における区画番号に応じた(見合う)発射強度で打球発射装置650の後述する発射ソレノイドの回転駆動が制御されて、遊技球を打ち込むことができるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの不正な方法によってハンドル装置500による遊技球の打ち込みを行おうとしても、発射ソレノイドは駆動されず、遊技球を打ち込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技をすることを防止してパチンコ遊技機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができるようになっている。
また、遊技者がタッチセンサ部512をスライド操作中(第0区画〜第18区画までのうち、一の区画で指(例えば、右手人差し指)で触れた状態を維持している際)に、単発ボタン520を、例えば、右手親指で押圧すると、発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検出し、後述する発射制御基板によって打球発射装置650の後述する発射ソレノイドの回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル装置500のスライド操作を止めなくても、つまりタッチセンサ部512から指(例えば、右手人差し指)を離さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除する(例えば、単発ボタン520から右手親指を外す)ことで、単発ボタン520を操作する前の打込強さ(発射強度)で遊技球を発射させることができるようになっている。
ハンドル本体506の基準突出部507が回転基準位置に存在しているときには、図48(a)に示すように、スライド体感突出部SL9、所定の図形ID3、そしてレベル表示器L9がそれぞれ同一の垂直線状に配置された状態となり、このとき、ハンドル本体506の真上に、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画のうち、第9区画が配置された状態となる。ハンドル本体506の基準突出部507から反時計回りに最大45度(回転基準位置から最大−45度)まで回転させているときには、図48(b)に示すように、スライド体感突出部SL14、そしてレベル表示器L14がそれぞれ同一の垂直線状に配置された状態となり、このとき、ハンドル本体506の真上に、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画のうち、第14区画が配置された状態となる。
遊技盤4に区画形成される遊技領域1100の略中央にセンター役物を配置して、遊技領域1100に向かって発射された遊技球がセンター役物の左方を流下するような遊技球の打ち方を「左打ち」というのに対して、センター役物の右方を流下するような遊技球の打ち方を「右打ち」という。左打ちや右打ちを使い分けて遊技を行うものにおいては、左打ちに比べて右打ちの方が発射強度を小さい状態から高い状態へ移行する必要がある。遊技者は、左打ちであるときに遊技領域1100に設けられた始動口(例えば、上始動口2101や下始動口2106(図96を参照))に入球する頻度が高い発射強度を見出したとしても、その発射強度を得るために、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて停止させた指の位置では、手首に疲れを感じて長時間に亘って遊技を行うことが難しい場合もあるし、右打ちであるときに遊技領域1100に設けられたゲート部(例えば、ゲート部2350(図175を参照))を通過させて可動片(例えば、可動片2106(図175を参照))が後退させて始動口(例えば、第二始動口2102(図175を参照))に入球する頻度が高い発射強度を見出したとしても、その発射強度を得るために、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて停止させた指の位置では、手首に疲れを感じて長時間に亘って遊技を行うことが難しい場合もある。
そこで、本実施形態では、遊技者は、例えば右手親指で基準突出部507を押し下げる方向に力を加えると、ハンドル本体506と、ハンドル本体506に形成される基準突出部507と、回転前端カバー508bと、を一体としてハンドルベース502と固定前端カバー508aとに対して反時計回りに回転させることができるようになっているし、例えば右手親指で基準突出部507を押し上げる方向に力を加えると、ハンドル本体506と、ハンドル本体506に形成される基準突出部507と、回転前端カバー508bと、を一体としてハンドルベース502と固定前端カバー508aとに対して時計回りに回転させるすることができるようになっているため、右打ちでも、左打ちでも、手首に疲れを感じ難い位置にハンドル本体506を回転させることができる。換言すると、遊技者は、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて停止させた指の位置において、手首に疲れを感じ難い位置となるようにハンドル本体506を回転させることができるようになっている。
このように、ハンドル本体506は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動されることができるようになっているため、遊技者は、長時間に亘って遊技を行っても、手首に疲れを感じると、その疲れを解消することができる位置へハンドル本体506を可動させることができる。したがって、遊技者の手首に負担を抑制することにより長時間に亘って遊技を行うことができる。
[3−9.ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図49乃至図51を参照して説明する。図49は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図50は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図51は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。ファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カバー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図50に示すように、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口と連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球通路542dと連通しカバーベース542の内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球入口542cと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776とそれぞれ対向する位置に形成されている。なお、カバーベース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベース542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片542gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース542の前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース542の第一球通路542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカバーベース542の第二球通路542dの下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544bと、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるようになっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになっている。
ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを介して上皿301へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを介して下皿302へ供給することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動を検出する満タンスイッチ550と、揺動部材548が満タンスイッチ550によって非検出状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は、図51に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、揺動部材548は、収容空間546側とは反対側の側面に外側へ突出する検出片548aが形成されており、この検出片548aが満タンスイッチ550よって検出されるようになっている。つまり、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて、収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判断することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端をそれぞれ被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の流通による転動抵抗によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本実施形態では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿301へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となっても更に遊技球が賞球ユニット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路775側へ遊技球が流通するようになり(図73を参照)、満タン分岐ユニット770の満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検出片548aが、満タンスイッチ550によって検出されると、つまり収容空間546が貯留された遊技球で満タンとなると、後述する払出制御基板4110(図78を参照)において賞球ユニット700から遊技球の払い出しが停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タンスイッチ550による検出片548aの検出が非検出となり、賞球ユニット700からの遊技球の払い出しが再開されるようになっている。
[3−10.球送ユニット]
続いて、扉枠5における球送ユニット580について、主に図52及び図53を参照して説明する。図52(A)は扉枠における球送ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における球送ユニットの背面斜視図である。また、図53(A)は球送ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は、球送ユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。扉枠5における球送ユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送ユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送開口113を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー581の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送部材584と、球送部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本実施形態では、図示するように、正面視で、球送部材584が進入口581aの右側に配置されており、この球送部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585がそれぞれ配置されている。
この球送ユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口581bと間を仕切り上面が球送部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、仕切部583aの球送部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部583bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリット581cを通して前方へ突出するように形成されており(図52を参照)、扉枠ベース本体110の球送開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの方向を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部584bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送部材54における遮断部584aと球保持部584bは、それぞれ回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内にそれぞれ形成されている。また、球送部材584の球保持部584bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送部材584は、球送ソレノイド585の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部584bが打球供給口582aと連通した方向を供給位置と、球保持部584bが仕切部583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送部材584が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側への移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送部材584が保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送ユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送作動桿586と、球送作動桿586における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送部材584を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送クランク587と、を備えている。この球送クランク587は、球送作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部587aと、係合部587aの球送作動桿586と係合する側とは反対側に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送部材584における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図53を参照)と係合する伝達部587cと、を備えている。なお、本実施形態では、球送ソレノイド585と球送作動桿586とが一体的に形成されたフラッパーソレノイドを用いている。
球送ユニット580は、球送作動桿586及び球送クランク587によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送作動桿586の動きを伝達させて球送部材584を回動させることができるようになっている。なお、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送作動桿586が球送ソレノイド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、この状態では球送部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド585の駆動時では、球送作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送部材584が保持位置へ回動するようになっている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送部材584が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と球送部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。この球送ユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになっている。
また、球送ユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は、錘部583dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、その回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aによる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部583a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
[3−11.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端をそれぞれ閉鎖する二枚の透明なガラス板594と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両端に上下方向へ離反して配置され外方へ板状に延出した四つの片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方から係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によってユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対して脱着可能に取付けられるようになっている(図23、図26等を参照)。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1における扉枠5は、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を、遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット2200、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300がサイドスピーカカバー290を挟んで右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット220の下端と連続するように配置されており、各ユニット200,220,280,300の外観が丸みを帯びた連続した一体化の有る外観となっている。
また、扉枠5は、各ユニット200,220,280,300に備えられた装飾基板214,216,254,256,286,320,322等に実装されたLEDを発光させることで、遊技窓101及び下皿カバー328の開口部328aを囲むように任意の発光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット220に備えられた装飾基板214,216,254,256に実装されたLEDのうち、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bの後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるようになっている。
具体的には、サイドレンズ210,250における周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aの発光態様と、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bの発光態様とを、同一の発光態様(発光色と発光パターンとが同じ)とすると全体が略均一の発光装飾とすることができ、周レンズ部210a,250aを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると周方向に途切れができたような発光装飾とすることができ、放射レンズ部210b,250bを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると遊技窓101の中央を中心とした放射状に輝く発光装飾とすることができ、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、扉枠5は、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401や押圧操作部405を支持するベース部材420を、ダイキャストによるアルミ合金製としていると共に、カバー本体426によってベース部材420を皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して吊持させるようにしているので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を叩いた場合、カバー本体426が撓るように弾性変形した上で、ベース部材420が下カバー424を介して操作ユニット取付部314cの上面に当接することとなり、ダイヤル操作部401や押圧操作部405等にかかる衝撃を緩和させることができ、操作ユニット400が破損するのを防止することができるようになっている。
更に、扉枠5における操作ユニット400は、押圧操作部405を円環状のダイヤル操作部401に挿入した状態としており、遊技者等が押圧操作部405を強く叩こうとしてもダイヤル操作部401も一緒に叩いてしまうこととなるので、ダイヤル操作部401によって叩いた衝撃を分散させることができ、衝撃が集中するのを防止して破損し難くすることができるようになっている。また、ダイヤル操作部401を回転可能に支持する操作部保持部材416のギアレール416aを、金属製のベース部材420における開口420aに対して下方から上面より僅かに突出するように取付けており、ダイヤル操作部401を叩いた衝撃が従動ギア410を介して操作部保持部材416(ギアレール416a)へ伝わって、操作部保持部材416が下方へ撓むと、従動ギア410の下面が金属製の開口420aの外周上面と当接し、その衝撃をベース部材420に受けさせることができるので、操作部保持部材416に係る負荷を軽減させることができると共に、ギアレール416aが衝撃によって潰れてしまうのを防止することができ、操作ユニット400の耐久性を高めることができるようになっている。
また、扉枠5における操作ユニット400は、皿ユニット300に対して上側から取付けられるようにしているので、万が一、操作ユニット400が破損しても、操作ユニット400を簡単に取替えることができ、操作ユニット400の取替えによりパチンコ遊技機1の稼働率が低下するのを抑制することができるようになっている。
[3−12.扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図54及び図55を参照して説明する。図54は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図55は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,286,320,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したように、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿うように配置されていると共に、放射レンズ部210b,250bが遊技窓101の左右方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部210a,250a同士の間に配置されている。これらサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bは、不透光性(本実施形態では、表面にメッキ層を有している)のサイド装飾フレーム202,242によって外周が囲まれた状態となっている。
これらサイドレンズ210,250の後側には、サイドインナーレンズ212,252が配置されており、サイドインナーレンズ212,252は、その本体部212a,252aが周レンズ部210a,250aの後面に対して所定距離離間した位置となるように形成されていると共に、板状の導光部212b,252bが放射レンズ部210b,250bの後面に対して可及的に接近した位置まで延出するように形成されている。このサイドインナーレンズ212,252の本体部212a,252aには、詳細な図示は省略するが、その表面に微細なプリズムが複数形成されており、後側に配置された装飾基板214,216,254,256からの光を拡散させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a,254a,256aと、放射レンズ部210b,250bと対応する位置に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを備えている。本実施形態では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが白色LED(上部装飾ユニット280における上部装飾基板286のLED286bよりも低い通常の輝度)とされている。また、右サイド上装飾基板214におけるサイドサブレンズ228と対応し上下に配置された二つのLED214cは、赤色LEDとされている。
なお、本実施形態では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED210a,210b等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED210a,210b等からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をより明るく発光装飾させることができるようになっている。
次に、扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、中央に宝石状に形成された大型の中央レンズ282と、中央レンズ282の斜め上左右両側に羽根状に形成された側レンズ284と、中央レンズ282の下左右両側に配置された下レンズ289とを備えている。上部装飾ユニット280の中央レンズ282は、青味を帯びた透明な部材により形成されており、側レンズ284及び下レンズ289は、透光性を有した白色(乳白色)の部材により形成されている。これにより、中央レンズ282の後側に配置されたインナーレンズ283が、遊技者側から視認することができるようになっている。
この上部装飾ユニット280のインナーレンズ283は、表面に複数の微細なレンズ(プリズムを含む)が形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができるので、透明な中央レンズ282を通してインナーレンズ283を見ると、中央レンズ282に深味があるように見えると共に、あたかも中央レンズ282自体がキラキラ輝いているように見えるようになっている。また、遊技者側からは、インナーレンズ283の後側に配置された上部装飾基板286が見えないようになっている。
上部装飾ユニット280における上部装飾基板286には、中央レンズ282と対応しインナーレンズ283の後側に配置された複数(本実施形態では、六つ)のLED286aと、側レンズ284及び下レンズ289の後側に配置された複数(本実施形態では、側レンズ284用に二つ、下レンズ289用に一つずつ、左右それぞれに配置されている)のLED286bとを備えている。なお、本実施形態では、中央レンズ282と対応したLED286aは、フルカラーLEDとされており、側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286bは、高輝度の白色LEDとされている。また、上部装飾基板286の前面もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
続いて、皿ユニット300では、左右のサイド装飾ユニット200,240の下端同士を結ぶように、上皿301の前端に沿って上皿上部レンズ318における宝石状の複数の導光部318aが上皿前部装飾部材316の開口部316aを通して露出した状態で列設されており、正面から見ると、図示するように、上皿前部装飾部材316及び上皿上部レンズ318によって遊技窓101の下辺外側(下側)が装飾させるようになっている。この上皿上部レンズ318の下側には、各導光部318aと対応する突出部を有した上皿上部インナーレンズ319が配置されている。皿ユニット300の上皿上部レンズ318は、青味を帯びた透明な部材で形成されており、上皿上部インナーレンズ319は、透明な部材で形成されている。
皿ユニット300の上皿上部インナーレンズ319は、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応する表面(上面)に、複数の微細なプリズムが形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができるようになっているので、上部装飾ユニット280の中央レンズ282と同様に、上皿上部レンズ318の導光部318aに、深味を付与すると共にキラキラした輝きを付与して、導光部318aがあたかも宝石のように見えるようになっている。また、上皿上部インナーレンズ319によって遊技者側から導光部318aを通して、下側に配置された上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322が見えないようになっている。
この皿ユニット300における上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の上面には、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応するように、複数(本実施形態では、それぞれ六つ)のLED320a,322aが備えられている。本実施形態では、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aは、フルカラーLEDとされている。また、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の表面(上面)も、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432がそれぞれ配置されている。ダイヤル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本実施形態では、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本実施形態では、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図54及び図55においてハッチの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103(図54及び図55においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101を囲むように略同心円状に複数(本実施形態では二つ)発光装飾させることができるようになっている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図54及び図55において網掛けの範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200における上部右側面のサイドサブレンズ228と対応したLED214cは、上部右サイドグループ105とされており、このLED214cを適宜発光させることで、扉枠5の上部右側面の一部(サイドサブレンズ228)を発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280における中央レンズ282と対応したLED286aが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上部中央グループ106のLED286aを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっている。また、上部装飾ユニット280における側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286bは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED286bを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部中央グループ106との境界を発光装飾させたり、遊技窓101の上側(上部も含む)でV字状に発光装飾させたりすることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下辺を装飾する皿ユニット300における上皿前部装飾部材316の複数の開口部316aに嵌め込まれた上皿上部レンズ318の導光部318aと対応したLED320a,322aが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の左右の下端同士を連結するように遊技窓101の下辺外周を発光装飾する下部グループ108とされている。この下部グループ108のLED320a,322aを適宜発光させることで、遊技窓101の下辺や上皿301の前縁を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aと連動させることで、遊技窓101の外周全体を環状に発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置された操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED430b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作部グループ109とされている。この操作部グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることができるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本実施形態では、扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、それぞれが属するグループ102,103,104,106,107,108,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図55に示すように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に102a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,256bは、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b毎に104a〜104hの8系統に分けられている。また、上部右サイドグループ105に属する2個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、上部中央グループ106に属する6個のLED286aは、下部106a、右上部106b、左上部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に属する6個のLED286bは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている。
更に、下部グループ108に属する12個のLED320a,322aは、正面視右側から三つずつに108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作部グループ109に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLED432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、扉枠5では、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、42の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それらLED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,432dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立した3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また、LED286b,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED286b,430bが属する4つの系統107a,107b,109a,109bでは、高輝度で発光させるために多くの電流を必要とするので、それぞれ2つの系統が接続されており、実際の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとされており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは赤色LEDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,105a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数の10系統となっている。
したがって、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが属した系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これにより、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グループ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させるような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4の前面や表ユニット2000等に備えられたLED(詳細な図示は省略する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ102のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108において、各系統102a〜102j,103a〜103j,108a〜108dを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出をしたり、遊技窓101の外周に沿って上部装飾ユニット280の中央レンズ282へ向かって光が移動するような、或いは、中央レンズ282から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発光演出をしたりすることができる。なお、本実施形態では、第一環状グループ102や第二環状グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(10分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことができる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グループ104の各系統104a〜104hをそれぞれ個々に発光させることで、放射レンズ部210b,250bが周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106の各系統106a〜106cを同時に発光させることで中央レンズ282全体が発光する発光演出や、各系統106a〜106cを順次発光させることで中央レンズ282内において光が回転するような発光演出を行うことができる。また、上部中央サイドグループ107を発光させることで、側レンズ284や下レンズ289を高輝度に発光装飾させて遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、確変時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことができる。なお、下レンズ289は、遊技者の頭上から遊技者へ向かって光を照射するように配置されており、高輝度なLED286bの発光を遊技者に気付かせ易くすることができるようになっている。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿301の前縁を発光装飾させる発光演出をしたり、操作部グループ109と関連させて発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をしたりすることができる。また、操作部グループ109におけるダイヤル操作部401と対応した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることができる。更に、操作部グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、下部グループ108、及び操作部グループ109の系統109cは、フルカラーLEDとされているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情豊かな発光演出を行うことができる。
このように、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aを、遊技窓101に近い第一環状グループ102と、第一環状グループ102の外側で遊技窓101から遠い第二環状グループ103とに分けて発光させることができるようにしているので、遊技窓101(遊技領域1100)の外側を複数の略同心円状に発光装飾させることができ、遊技窓101の外周を光が囲うことでこれまでのパチンコ遊技機には無い発光演出を行うことができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ遊技機1とすることができるようになっている。
また、一つの周レンズ部210a,250aにおいて、略同心円状配置された二系統のLEDを備えるようにしており、外観状は一つに見えても、二系統の各LEDをそれぞれ発光させることで、略同心円状に発光装飾させることができるので、発光装飾の態様を外観からは想像し難くすることが可能となり、発光装飾による周レンズ部210a,250a(右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240)の変化を大きくすることができ、発光装飾によるインパクトを高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ遊技機1とすることができるようになっている。
[4.本体枠の全体構成]
次に、パチンコ遊技機1における本体枠3について、図56乃至図61を参照して説明する。図56は、本体枠の正面図であり、図57は、本体枠の背面図である。また、図58は、本体枠の正面斜視図であり、図59は、本体枠の背面斜視図である。更に、図60は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図61は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端にそれぞれ取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[4−1.本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図62及び図63を参照して説明する。図62は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図63は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向に所定量の奥行きを有するように形成されている。この本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部602よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝1156と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図56を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部610を備えている(図63を参照)。この金具取付部610は、図62等示すように、その前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5における扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノイド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容されるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図58や図88等に示すように、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本実施形態では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部614は、前側から中継端子板カバー692(図60等を参照)によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取付けられた基板ユニット800の主扉中継端子板880と周辺扉中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのものである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有したベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図56等に示すように、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690aにおける周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部606よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるようになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検出することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検出するための本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図63を参照)、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検出することができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フック穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並んだ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上下両端付近と、上下方向の略中央にそれぞれ形成されている。この上側と中央の扉用フック穴620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになっている。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置1000の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出した状態となるようになっている(図58を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が流通可能とされた本体枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニット800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを流通した遊技球が流通するようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[4−2.上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図60及び図61を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いてそれぞれ取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図58等を参照)と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ(図示は省略する)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴642cと、前方延出部642bの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具644の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支穴642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴642cに、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本実施形態では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[4−3.打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図64及び図65を参照して説明する。図64は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図65は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送ユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の回転駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、回転駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の回転駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が回転駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図88を参照)と共に、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球された遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ668と、を備えている。打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面がゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
打球発射装置650は、図58や図88等に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4130によりハンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送ユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送ユニット580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送部材584が遊技球を受入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送ユニット580の球送ソレノイド585と同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)することで、球送ユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
[4−4.賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図66乃至図73を参照して説明する。図66は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図67は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図68は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図69は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図70は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図71は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図72は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図73は、賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ遊技機1を設置する遊技ホールにおけるパチンコ島設備において、パチンコ島設備側からパチンコ遊技機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基づいてパチンコ遊技機1の上皿301へ払出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取付けられパチンコ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基づいて払出す賞球装置740と、賞球装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝780aが形成されている(図69を参照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレールユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されており、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接するように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベース600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状に形成されており、合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース710は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えている。本実施形態では、図69に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース600に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている。
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付ける賞球タンク取付部711と、賞球タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴717と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図70にも示すように、上方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部721と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)のみが矩形状に底壁部721よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722における右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部725と、軸部725の基端付近及び外周壁部722の前側両端に形成され賞球タンク720を賞球ベース710における賞球タンク取付部711へ取付けるための取付部726と、を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をならして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク720内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図70にも示すように、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方へ開口する排出口731a(図73を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713に上側から係止される複数の係止突片731c(図68を参照)と、を備えている。このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つまりタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール731内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731bによって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部734aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット734bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球ならし部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになっており、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿って二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのものであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭くなるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるように軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口731aへ流下する時に、二列に整列された遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンクレール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734bを通してタンクレール731内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるのを停止させることができるようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基づいて皿ユニット300の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図71乃至図73等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741aの下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状態で形成されている。
賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース741よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ744と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743の後側に配置される第1ギア745と、第1ギア745と噛合しユニットベース741に軸支される第2ギア746と、第2ギア746と噛合しユニットベース741に軸支される第3ギア747と、第3ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間741b内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第3ギア747を挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本実施形態では、3つ)の検出スリット749aが形成された回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊技球の有無を検出するための球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球通路741c内を流下する遊技球を検出するための計数スイッチ751と、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角スイッチ752と、回転角スイッチ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられる回転角スイッチ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752と後述する払出制御基板4110(図78を参照)との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球ケース内基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球ケース内基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付けられる基板カバー755と、第1ギア745、第2ギア746、第3ギア747(回転検出盤749)、及び回転角スイッチ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベース741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路741a内を流通する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板743を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられることで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dの開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッチ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数スイッチ751を取付けるためのスイッチ取付部741fと、賞球通路741cよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付けることで、球切れスイッチ750の作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するようになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されることで球切れスイッチ750によって供給通路741a内の遊技球の有無を検出することができるようになっている。この球切れスイッチ750により供給通路741a内の遊技球が検出されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第2ギア746、及び第3ギア747(払出回転体748)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部741eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるためのアース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状のアース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を介して供給通路741a内を流通する遊技球の静電気を除去することができるようになっている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態とされている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742aと、上下方向の略中央後面に賞球ケース内基板754及び基板カバー755を取付けるための中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置され回転角スイッチ基板753を取付けるための回転角スイッチ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース741のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本実施形態では、アルミ板とされており、払出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ744で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図72に示すように、周方向に等間隔でそれぞれ一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体748が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748aに収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようになっている。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749に形成された3つの検出スリット749aは、回転検出盤749の外周に等分(120度ごと)に形成されるとともに、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置にそれぞれ設けられており、検出スリット749aを回転角スイッチ752によって検出することで、払出回転体748の回転位置を検出することができるようになっている。なお、本実施形態では、回転検出盤749(払出回転体748)の各検出スリット749a間(120度)の回転は、払出モータ744の18ステップの回転に相当するように設計されている。
賞球装置740は、払出制御基板4110に、後述する主制御基板4100(図97を参照)からの払出コマンドやCRユニットからの貸出コマンド等が入力されたり、球抜スイッチ860bが操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ遊技機1の後側)へ排出したりすることができるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回転軸744aに固定された第1ギア745を回転すると同時に、第1ギア745と噛合する第2ギア746が回転し、更に第2ギア746と噛合する第3ギア747が回転するようになっている。この第3ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出盤749が、それぞれ一体回転可能に固定されており、第3ギア747と共に払出回転体748及び回転検出盤749が回転するようになっている。なお、第1ギア745、第2ギア746、第3ギア747には遊び(バックラッシュ)があるため、払出回転体748が時計方向又は反時計方向に回転することとなるものの、このバックラッシュによる払出回転体748の回転は、払出モータ744の約2ステップの回転に相当する程度となるように設計されている。
この賞球装置740は、図72に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体748が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通路741c側へ払出された遊技球は、計数スイッチ751によって一つずつ数えられた上で賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体748によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後述する満タン分岐ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ遊技機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図68、図69及び図73を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部716に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定のビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図73を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路773(図73を参照)と、通常通路773を流通した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路775(図73を参照)と、満タン通路775を流通した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図73を参照)と、球抜通路778を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、それぞれ扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるようになっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通常通路773内へ流下した遊技球は、通常球出口774からファールカバーユニット540の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入することができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
このように、満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとなると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ遊技機のように上皿が満タンとなって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとなると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ遊技機1の後部で払出される遊技球の通路を分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301における遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わせた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ遊技機における上皿の容量よりも小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿301で貯留することができる。したがって、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域1100を備えたパチンコ遊技機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチンコ遊技機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませることができるようになっている。
[4−5.球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図74乃至図76を参照して説明する。図74は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図75は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図76は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないように取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスライド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター792が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持するための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791cと、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791のクランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部793aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止部793eと、を備えている。
球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動すると同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになっており、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793dと、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790により賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[4−6.基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図77乃至図81を参照して説明する。図77は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図78は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図79は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図80は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。図81(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取付けられる端子基板ボックス870と、基板ユニットベース810の前面に取付けられる主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882と、を備えている。
基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向かうに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通した開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後面に固定されるスピーカボックス820の下部スピーカ821と対応する位置で前後方向に貫通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部816と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止することができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになっている。また、基板ユニットベース810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主扉中継端子板880と周辺扉中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主扉中継端子板880と周辺扉中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボックス820の下部スピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付けられた下部スピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、下部スピーカ821の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視で下部スピーカ821の左側に横長矩形状の開放口822が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の通路を介して下部スピーカ821の後側の空間と連通することで、下部スピーカ821の後側の音の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、下部スピーカ821の口径に対してより重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備えている。この発射電源基板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放熱孔としてのスリット830aが形成されている。電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されている。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ831aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831を取り付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり電解コンデンサSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する、上面、側面、及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ入り込ませないようにすることができる。したがって、電解コンデンサSC0が発する熱をDC/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコンバータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまりDC/DCコンバータ831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないようにすることができる。したがって、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設けられるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる。発射電源基板831の小型化により取り扱え易くなって発射電源基板831の交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取り付けたままの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。またパチンコ遊技機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消することができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊技を再開することができる。
発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆動発射が行われるごとに、例えば、1分当たりに100回という頻度において、充放電が繰り返し行われることにより劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、パチンコ島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設けられるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0と一緒に交換されることを防止することができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベース810の開口部812が排出通路842へ望む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を流通して基板ユニットベース810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ遊技機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図80に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
この電源基板ボックス850及び電源基板ボックスホルダ840は、互いに組付けた状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとなるように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス850の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー862によって後面が覆われる後述する払出制御基板4110及び後述する発射制御基板4130と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。したがって、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本実施形態では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除スイッチ860a、球抜スイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている(図57を参照)。また、払出制御基板ボックス860は、後述する主制御基板4100(図97を参照)等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取付けられる基板ベース871と、基板ベース871の後面に取付けられ後方へ向かって周辺パネル中継端子872が固定された枠周辺中継端子板868と、基板ベース871の後面に取付けられ後方へ向かってCRユニット中継端子873が固定された遊技球等貸出装置接続端子板869と、周辺パネル中継端子872とCRユニット中継端子873とが後側へ臨むように基板ベース871の後側を覆う基板カバー874と、を備えている。周辺パネル中継端子872は、パチンコ遊技機1を設置するパチンコ島設備側に備えられたパチンコ遊技機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と接続するためのものであり、CRユニット中継端子873は、パチンコ遊技機1と隣接して設置されるCRユニットと接続するためのものである。
また、基板ユニット800における主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、本体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた後述する周辺制御基板4140(図97を参照)や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付けることで、本体枠ベース600の前面から前側へ臨むようになっており、扉枠5から延びだした配線を接続することができるようになっている。
なお、主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通して、接続端子のみが前側へ臨むようになっており、本体枠3の前面がすっきりした外観となるようになっている(図56等を参照)。
また、主扉中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500のタッチセンサ部512、レベル表示部513、タッチスイッチ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タンスイッチ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺扉中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、及び操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やスイッチ432a,432b,432cと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御基板4140との接続を中継するためのものである。
[4−7.裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図82を参照して説明する。図82(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するものである。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部902と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部にそれぞれ形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝780aとにそれぞれ係合する係合片908と、を備えている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端に上方へ矩形状に切欠かれた接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視左側で下辺に沿って横長矩形状に貫通した確認用開口部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と、を備えている。
裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉することができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、裏カバー900の正面視左辺は、係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係合の他に、所定のビスによって賞球ユニット700の後面に固定されるようになっている。
また、裏カバー900は、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切欠部910を通して遊技盤4における後述する主制御基板ボックス1170(図90を参照)のRAMクリアスイッチ4100e(図91を参照)や試験用端子4100f(図91を参照)等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の密封シール(図示は省略)が後側へ臨むようになっていると共に、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176(図91を参照)が臨むようになっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基板ボックス1170及び主制御基板4100(図91を参照)の作動確認や外観確認を行うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリット916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本体枠3(パチンコ遊技機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。
[4−8.側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図60及び図61を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側板片952aと、側板片952aの前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側板片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952dと、を備えている。この本体952は、側板片952a、前端片952b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されている。
側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側において本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止することができるようになっている。また、側面防犯板950の本体952は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備えているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
[4−9.錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図83乃至図87を参照して説明する。図83(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図84(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉枠用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図85は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図86は、錠装置におけるガラス扉枠用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図87は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部605の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図62に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付部625と、に取付られるようになっている。
図83乃至図85に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるように折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくすることができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている。
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面した状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。これにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605と接する側面1001b(図85を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1001a(図85を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面1001a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動させると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するようになっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着することで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と密する側面1001bから周壁部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と密する側面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図84(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図84(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052にそれぞれ一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部1007と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、周壁部605と接する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022と、がそれぞれ形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部1007は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退するようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とされている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成された錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようになっている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材1023,1032は、図85に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口1020とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体1001の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図87(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができるようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ1035によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴1036とがそれぞれ穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されたバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢されるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉枠用摺動杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部1041を備えている。扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に扉枠用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定した時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図58及び図62等を参照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示するように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガイド突片1043と、を備えている。この扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通されるようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆1040は、ガイド突片1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止されたスプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051のスプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、それぞれ相互に付勢されるようになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040がガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1053と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フック部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作においてガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材1052の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット1006を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成することができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガタ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット用長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。また、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴1036とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図86及び図87を参照して説明する。図86に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図86(A)に示すように、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図86(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図86(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図86(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図86(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行うことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の本体枠3の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図87を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図87(A)に示すように、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図87(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図87(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図87(A)に示す状態となる。これにより、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴611の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強固に固定することができる。
また、錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものを示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と同様の作用効果を奏することができる。
[5.遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ遊技機1における遊技盤4の基本構成について、図88乃至図95を参照して説明する。図88は、パチンコ遊技機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図89は、遊技盤の正面図であり、図90は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図91は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図92は、パチンコ遊技機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図である。また、図93は、図90等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図94は、図93を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図95は、図93の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図88乃至図95での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図96及び図97を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ遊技機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[5−1.前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図88等に示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口542eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯版950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[5−2.遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図91を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、図示は省略するが、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようになっている。
[5−3.基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニット2000や裏ユニット3000から排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ遊技機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル1150の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図91に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[5−4.主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1172の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図91等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に2つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、4つの封止部1176の何れか1つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本実施形態では4つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。したがって、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100eや試験用端子4100f、後述する周辺制御基板4140(図97を参照)や後述する払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ遊技機1とすることができるようになっている。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
機能表示ユニット1180の表示部1181には、図92に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための1つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ2つのLEDからなり上始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための上特別図柄記憶表示器1184と、上特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための1つの7セグメントLEDからなる上特別図柄表示器1185と、上特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための1つの7セグメントLEDからなる下特別図柄表示器1186と、下特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ2つのLEDからなり下始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための下特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、下特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2350の通過に関する保留数を表示するための4つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2350を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための1つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための2つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なフルカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における上特別図柄記憶表示器1184は、上特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、上始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この上特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が1つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が2つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が3つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が4つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本実施形態では、4つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における下特別図柄記憶表示器1187は、下特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、下始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この下特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が1つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が2つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が3つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が4つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本実施形態では、4つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186は、上始動口2101や下始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なフルカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2350を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2350を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された4つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、それぞれが所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本実施形態では、普通図柄の変動表示が4つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなる2ラウンド表示ランプ1190aと、15ラウンド表示ランプ1190bとを備えており、それぞれのランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
機能表示ユニット1180は、図92に示すように、遊技盤4をパチンコ遊技機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、上特別図柄記憶表示器1184、上特別図柄表示器1185、下特別図柄表示器1186、下特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板1191(図98を参照)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本実施形態では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット3000に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ遊技機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ遊技機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ遊技機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
[5−6.遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図93乃至図95を参照して説明する。なお、図93乃至図95における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したもの同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200パネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、図示しない障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213がそれぞれ備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本実施形態では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図94に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3001のフランジ状の固定部3001a(図97を参照)を収容できる深さ(本実施形態では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3001aがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220、つまり遊技盤4を本体枠3(パチンコ遊技機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3001における前面のフランジ状に形成された固定部3001aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本実施形態では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図93に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図94を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ遊技機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ遊技機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ遊技機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ遊技機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ遊技機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[5−7.遊技盤の詳細構成]
次に、本実施形態における遊技盤4の詳細な構成について説明する。ここでは、遊技盤4に区画形成される遊技領域1100の略中央にセンター役物2300を配置して、遊技領域1100に向かって発射された遊技球がセンター役物2300の左方を流下するように左打ちによる遊技を行う仕様のものについては、図96及び図97を参照して説明し、続いて、このような左打ちによる遊技を行ったり、又はセンター役物2300の右方を流下するように右打ちによる遊技を行ったりする仕様のものについては、図174及び図175を参照して説明する。図96は左打ちを行う遊技を行う仕様の遊技盤の詳細な正面図であり、図97は図96の遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図174は左打ちや右打ちによる遊技を行う仕様の遊技盤の詳細な正面図であり、図175は図174の遊技盤に設けられるアタッカユニットの一部を切断して示す正面図である。
まず、左打ちによる遊技を行う仕様の遊技盤4は、図96及び図97に示すように、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画形成する枠状の前構成部材1110と、前構成部材1110の正面視右下隅部でパチンコ遊技機1へ取付けた時に扉枠5の遊技窓101から遊技者側へ視認可能となる位置に配置された機能表示ユニット1180と、前構成部材1110の後側に遊技領域1100を閉鎖するように取付けられ遊技領域1100と対応する位置に所定形状で前後方向へ貫通した複数の開口部1158(図97を参照)を有した板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の開口部1158に対して前側から取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。
また、パチンコ遊技機1における遊技盤4は、遊技パネル1150と裏ユニット3000との間に配置され、遊技パネル1150を貫通するように複数穿設された発光装飾孔に対して遊技パネル1150の後側から挿入されるパネルレンズ部材2500と、裏ユニット3000の後側に脱着可能に取付けられ遊技状態に応じて遊技者側から視認可能とされた所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置と、裏ユニット3000の下部を後側から覆うように遊技パネル1150の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
[5−7−1.表ユニット]
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の左右方向略中央下部でアウト口1151の上側に配置され遊技パネル1150の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左側で遊技領域1100の外周に沿って配置され遊技パネル1150の前面に支持されるサイド入賞口部材2200と、遊技領域1100の略中央部分に配置され遊技パネル1150に支持される枠状のセンター役物2300と、を備えている。
この表ユニット2000は、遊技パネル1150における遊技領域1100と対応した位置に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に取付けられるようになっており、遊技パネル1150よりも前側へ突出した部分は、遊技領域1100内に位置するようになっている。これにより、表ユニット2000は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球と適宜位置で当接するようになっており、遊技パネル1150の前面に植設された障害釘と共に、遊技球の動きに対して変化を付与することができるようになっているものである。また、表ユニット2000は、遊技領域1100内を装飾することができるようになっている。
[5−7−1a.アタッカユニット]
遊技盤4の表ユニット2000におけるアタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央に配置された上始動口2101と、上始動口2101の下側に配置された下始動口2102と、下始動口2102の下側に配置され上始動口2101や下始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2103と、大入賞口2103の左右両側やや上寄りに配置された一般入賞口2104と、を備えている。これら上始動口2101、下始動口2102、大入賞口2103、及び一般入賞口2104に受入れられた遊技球は、遊技パネル1150の前面側から後面側へ誘導されるようになっている。
このアタッカユニット2100の上始動口2101は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、上始動口2101の下側に配置された下始動口2102は、上始動口2101との間に始動口ソレノイド2105(図98を参照)により拡開可能な一対の可動片2106が配置されており、一対の可動片2106が略垂直に立上った状態では上始動口2101と一対の可動片2106とによって下始動口2102へ遊技球が受入不能となるのに対して、一対の可動片2106が左右方向へ拡開した状態では下始動口2102へ遊技球が受入可能となるようになっている。つまり、一対の可動片2106により下始動口2102が可変入賞口となっている。なお、一対の可動片2106は、後述するセンター役物2300におけるゲート部2350のゲートスイッチ2352による遊技球の通過の検出に基づいて始動口ソレノイド2105の駆動により開閉されるようになっている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2107によって開閉可能とされている。この開閉部材2107は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2103を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。この開閉部材2107は、通常の遊技状態では大入賞口2103を閉鎖した状態となっており、上始動口2101や下始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」又は「小当り」の時に)アタッカソレノイド2108(図98を参照)の駆動により開閉するようになっている。
更に、アタッカユニット2100の一般入賞口2104は、図示するように、上向きに開放されており、遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。
また、アタッカユニット2100は、詳細な図示は省略するが、下始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する下始動口スイッチ2109と、大入賞口2103へ受入れられた遊技球を検出するカウントスイッチ2110と、を更に備えており、下始動口スイッチ2109やカウントスイッチ2110により検出された遊技球は、基板ホルダ1160の底壁部上に排出されるようになっている。なお、上始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する上始動口スイッチ3022と、一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020は、後述する裏ユニット3000に備えられている。
[5−7−1b.サイド入賞口部材]
遊技盤4における表ユニット2000のサイド入賞口部材2200は、遊技パネル1150における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2100が挿入固定される開口部1158よりも左側に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、アタッカユニット2100における正面視左側の一般入賞口2104と並ぶように遊技領域1100の外周に沿って互いに背向するようにされた2つの一般入賞口2201を備えている。これら2つの一般入賞口2201は、上方に開放され遊技球が常時受入(入賞)可能となっており、一般入賞口2201へ受入れられた遊技球は、遊技パネル1150の前面側から後面側へ誘導された後に、後述する裏ユニット3000に備えられた一般入賞口スイッチ3020によって検出されるようになっている。
また、サイド入賞口部材2200には、その左上端部に左側の端部が遊技領域1100の外周と略接するような位置に配置され、右側の端部へ向うに従って低くなるように傾斜した第一棚部2202と、第一棚部2202とは2つの一般入賞口2201を挟んで反対側且つ下側に配置され遊技領域1100の左右方向中央側(アタッカユニット2100の下始動口2102や大入賞口2103側)へ向かって低くなる第二棚部2203と、を備えており、第一棚部2202によって遊技領域1100の外周に沿って流下してきた遊技球を遊技領域1100の中央側へ寄せることができるようになっている。
なお、2つの一般入賞口2201は、第一棚部2202の右側の端部よりも右側へ配置されており、第一棚部2202により遊技球が遊技領域1100の中央側へ寄せられても、一般入賞口2201へ入賞する可能性があるようになっている。また、2つの一般入賞口2201の間の上側にも、遊技領域1100の中央側へ向って低くなるように傾斜した第三棚部2204が備えられている。
このサイド入賞口部材2200は、全体的に透光性を有するように形成されており、詳細な図示は省略するが、第二棚部2203の後側にサイド入賞口装飾基板が備えられていると共に、サイド入賞口部材2200の後側に後述する裏ユニット3000におけるサイドランプ装飾基板3014が配置されるようになっており、これらサイド入賞口装飾基板及びサイドランプ装飾基板3014によってサイド入賞口部材2200が発光装飾可能とされている。
[5−7−1c.センター役物]
また、遊技盤4における表ユニット2000のセンター役物2300は、遊技パネル1150の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域1100の大半を占める大きさで枠状に形成され、正面視右側の外周面は遊技領域1100の外周との間で遊技球の外径よりも若干大きい隙間が形成されるように円弧状に形成されていると共に、左側の外周面は遊技領域1100の外周との間で所定幅の領域が形成されるように垂下した略直線上に形成されている。
このセンター役物2300は、遊技パネル1150の前面に位置する前壁部の上側の外周面における左右方向中央のやや右寄りの位置から左側に、左方向へ向うに従って低くなるように傾斜した上棚部2301を備えており、遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球が、上棚部2301へ流下するとセンター役物2300の左側を通って流下するようになっていると共に、上棚部2301よりも右側へ流下(進入)した遊技球はセンター役物2300の右側を通って一気に遊技領域1100の下部へ流下するようになっている。つまり、センター役物2300における上棚部2301よりも右側へ遊技球が進入するように遊技球を打ち込むと、遊技球の流下を楽しむ機会が少なくなるようになっているので、遊技球の打込強さを適宜調整させることができ、緊張感を維持させて漫然とした遊技となるのを抑制することができるようになっている。
また、センター役物2300は、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面に遊技領域1100を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2302と、ワープ入口2302に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口(図示は省略)と、ワープ出口から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100の上側の遊技領域1100内へ放出させセンター役物2300における枠内の下辺上面に形成されたステージ2310と、を主に備えている。
このセンター役物2300におけるステージ2310は、詳細な図示は省略するが、ワープ出口から放出された遊技球が供給される第一ステージと、第一ステージの前側に配置され第一ステージから遊技球が供給されると共に遊技領域1100内へ遊技球を放出可能とされた第二ステージと、を備えている。このステージ2310は、左右方向の略中央が低くなるような湾曲面状に形成されている。また、第一ステージの左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2313が形成されており、チャンス入口2313へ進入した遊技球はセンター役物2300における最下端前面のチャンス出口2314から遊技領域1100内へ放出されるようになっている。このチャンス出口2314は、図示するように、アタッカユニット2100における上始動口2101の直上に配置されており、チャンス出口2314から放出された遊技球は、高い確率で上始動口2101へ受入れられる(入賞する)ようになっている。
なお、センター役物2300におけるステージ2310は、透明な部材で形成されており、このステージ2310を通して、裏ユニット3000におけるステージ2310よりも下側に配置された装飾体が遊技者側から視認できるようになっている。
また、センター役物2300には、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面でワープ入口2302よりも上側に、内レール1112と略接するように左方向へ延出する透明なアーチ部2315を更に備えている。このアーチ部2315は、前壁部の略前端から薄板状の延びだしており、アーチ部2315と遊技パネル1150の前面との間に遊技球が通過可能な空間を形成している。これにより、遊技領域1100の上部に打ち込まれて上棚部2301によってセンター役物2300の左側へ誘導された遊技球が、アーチ部2315の後側を通って下流側へ流下するようになっている。
更に、センター役物2300には、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面でアーチ部2315付近に遊技球の通過を検出するゲート部2350を備えている。このゲート部2350は、前壁部の左側の外周面でアーチ部2315の上側に配置され遊技領域1100を流下する遊技球が進入可能とされたゲート入口と、ゲート入口に進入した遊技球を検出するゲートスイッチ2352と、ゲートスイッチ2352で検出された遊技球を前壁部の外周面から遊技領域1100へ放出するゲート出口とを備えている。なお、本実施形態では、詳細な図示は省略するが、ゲート部2350のゲート出口が、アーチ部2315と同じ高さの位置に形成されており、ゲートスイッチ2352で検出された遊技球が、アーチ部2315をあたかも潜ったかのように見えるようになっている。
[5−7−2.パネルレンズ部材]
パチンコ遊技機1における遊技盤4のパネルレンズ部材2500は、遊技パネル1150における遊技領域1100内でセンター役物2300が挿入される開口部1158よりも外側の位置に円形や×形状で前後方向へ貫通するように形成された複数の発光装飾孔を発光装飾させるものである。このパネルレンズ部材2500は、センター役物2300の外周で左上側に形成された複数の発光装飾孔と対応した透明な上パネルレンズ2510と、上パネルレンズ2510の後側に配置され表面に複数のLEDが実装された上パネルレンズ基板と、センター役物2300の外周で左下側に形成された複数の発光装飾孔と対応した透明な下パネルレンズ2520と、下パネルレンズ2520の後側に配置され表面に複数のLEDが実装された下パネルレンズ基板とを備えている。
このパネルレンズ部材2500における上パネルレンズ2510及び下パネルレンズ2520は、板状のレンズベース部から前方へ突出し、挿入される発光装飾孔の形状と略同形状とされた複数の棒状の挿入導光部を備えている。この挿入導光部2502を遊技パネル1150の発光装飾孔へ後側から挿入した状態では、その先端が遊技パネル1150の前面と略一致するように形成されており、遊技パネル1150の前面を流下する遊技球に対して可及的に影響を及ぼさないようになっている。
パネルレンズ部材2500は、上パネルレンズ基板及び下パネルレンズ基板のLEDを適宜発光させることで、ベニア合板等の不透明な遊技パネル1150を用いても遊技球が流下する領域を発光装飾させることができ、これまでにない遊技パネル1150の装飾を遊技者に見せることができると共に、パチンコ遊技機1を目立たせて他のパチンコ遊技機との差別化を計ることができるようになっている。
[5−7−3.裏ユニット]
本実施形態の遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後面に取付固定されており、図示するように、遊技パネル1150から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置1900(本実施形態では、画面サイズが15.4インチとなっている。)を支持する裏箱3001と、裏箱3001内で液晶表示装置1900の上側に配置される上部ユニット3002と、裏箱3001内で液晶表示装置1900の右側に配置されるサブ液晶ユニット3400と、裏箱3001内で液晶表示装置1900の左側に配置される歯車装飾体ユニット3500と、を主に備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の左下前端付近で遊技パネル1150の前面に取付けられた表ユニット2000におけるサイド入賞口部材2200と対応する位置に配置され、表面に複数のLEDが実装されたサイドランプ装飾基板3014と、裏箱3001の下部前端に取付けられ、サイド入賞口部材2200の一般入賞口2201へ受入れられた遊技球と、アタッカユニット2100における左側の一般入賞口2104へ受入れられた遊技球とを下方へ誘導する左誘導部材3016と、左誘導部材3016の右側に配置され、アタッカユニット2100の上始動口2101及び右側の一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を下方へ誘導する右誘導部材3018と、を主に備えている。
更に、裏ユニット3000は、詳細な図示は省略するが、裏箱3001の後側下部に配置されランプ駆動基板4170(図100を参照)を収容した横長矩形状のランプ駆動基板ボックスと、裏箱3001の後側に固定されランプ駆動基板ボックスの背面視で左側に配置されたパネル中継端子板4161(図98を参照)と、裏箱3001の後側上部に配置された横長矩形状の上部抵抗基板と、裏箱3001の後側に取付けられ液晶表示装置1900を脱着可能に保持するロック部材と、を更に備えている。
この裏ユニット3000は、本実施形態では、表ユニット2000におけるセンター役物2300の枠内を通して遊技者側から視認することができるようになっており、所定の形状に造形された各ユニット3100,3400,3500等によってパチンコ遊技機1のコンセプトを特徴付けることができるようになっている。また、裏ユニット3000は、遊技状態に応じて各ユニット3100,3400,3500が、それぞれ独立、或いは、連係しながら可動するようになっており、その可動により遊技者に対して、遊技状態の変化やチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。
[5−7−3a.裏箱]
裏ユニット3000における裏箱3001は、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部3001aが複数備えられており、この固定部3001aを介して遊技パネル1150の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、後壁の略中央に矩形状の開口が形成されており、この開口を通して後側に支持される液晶表示装置1900が遊技者側から視認できるようになっている。更に、裏箱3001は、各ユニット3100,3400,3500や、各基板3014等を取付固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
また裏箱3001は、図示は省略するが、背面視で開口の右側に、液晶表示装置1900の左右両辺から外方へ突出する一方(背面視で右辺)の固定片1902を挿入係止する液晶支持部を備えていると共に、開口の背面視で左側にロック部材が取付けられており、ロック部材により液晶表示装置1900の他方(背面視で左辺)の固定片1902を支持することで、液晶表示装置1900が裏箱3001の後側に脱着可能に取付けられるようになっている。
[5−7−3b.誘導部材]
裏ユニット3000における左誘導部材3016は、サイド入賞口部材2200の一般入賞口2201と、アタッカユニット2100の左側の一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を、それぞれ異なる流路を通って下方へ誘導排出するようになっており、それぞれの流路に遊技球の通過を検出する一般入賞口スイッチ3020が備えられている。一方、右誘導部材3018は、アタッカユニット2100の上始動口2101と右側の一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を下端付近まではそれぞれ異なる流路を通って下方へ誘導排出されるようになっており、上始動口2101と対応した流路には上始動口スイッチ3022が、右側の一般入賞口2104と対応した流路には一般入賞口スイッチ3020が備えられている。また、右誘導部材3018には、磁気を検出可能な磁気検出スイッチ3024が備えられている。
これら左誘導部材3016及び右誘導部材3018によって下方へ誘導された遊技球は、基板ホルダ1160の底壁部上に排出され、基板ホルダ1160のアウト球排出部1161から遊技盤4の下方へ排出されるようになっている。
[5−7−3c.上部ユニット]
裏ユニット3000における上部ユニット3100は、全体的に横長に形成され、裏箱3001内で液晶表示装置1900が臨む開口の上側に取付け固定されるものである。この上部ユニット3100は、左右方向の略中央で前面に配置され正面視で円形状の回転装飾体ユニット3200と、回転装飾体ユニット3200の後側に配置され回転装飾体ユニット3200を昇降させる昇降機構3250と、昇降機構3250の後側で左右方向の略中央に配置された揺動装飾体ユニット3300と、揺動装飾体ユニット3300の左右両側に配置された可動天井ユニット3350と、を主に備えている。
この上部ユニット3100の回転装飾体ユニット3200は、昇降機構3250によって、液晶表示装置1900の上部に位置する上昇位置と、液晶表示装置1900の略中央に位置する下降位置との間で上下方向へ移動することができるようになっている。この回転装飾体ユニット3200は、前面に配置された手裏剣状に形成された回転装飾体が回転するようになっていると共に、回転することでその遠心力により回転装飾体の回転半径が拡径するようになっている。
この回転装飾体ユニット3200は、端に回転装飾体が回転するだけでなく、半径方向外側へ突出するようになっているので、回転装飾体全体の回転半径が拡径して見た目を大きく変化させることができるようになっており、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者の関心を強く引付けることができ、他のパチンコ遊技機に対して大きく差別化して遊技するパチンコ遊技機としてパチンコ遊技機1を選択させ易くすることができるようになっている。
また、上部ユニット3100の揺動装飾体ユニット3300は、上昇位置に位置した回転装飾体ユニット3200に隣接するようにその後側の左右に配置された揺動装飾体を備えており、遊技状態に応じて左右の揺動装飾体を一斉に左右方向へ揺動させることができるようになっている。更に、上部ユニット3100の可動天井ユニット3350は、上部ユニット3100の左右両端に水平方向へ延びるような板状の天井装飾体を備えている。この天井装飾体は、前端側を中心として左右方向へ延びた軸周りに回動可能に形成されており、遊技状態に応じて、天井装飾体の後端側が下降する方向へ回動するようになっている。
[5−7−3d.サブ液晶ユニット]
裏ユニット3000におけるサブ液晶ユニット3400は、図示するように、立体的に造形したキャラクタ体を備えており、遊技状態に応じて、キャラクタ体が右端の位置から、中央側へ寄った位置へ左右方向に移動することができるようになっている。
サブ液晶ユニット3400のキャラクタ体は、その裏面側からサブ液晶表示装置3450(本実施形態では、画面サイズが4インチとなっている。)が装着されている。このサブ液晶表示装置3450は、液晶表示装置1900とともに、あるいは単独で遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。サブ液晶ユニット3400のキャラクタ体であって、サブ液晶表示装置3450が装着される周囲には、フルカラーLEDである装飾LED3400aが複数配置されている。
裏ユニット3000における裏箱3001の後面には、液晶表示装置1900の後側に取り付けられた周辺基板ボックス1905に収容される周辺制御基板4140からの描画データを受信して下位基板に送信するための液晶出力基板3420が収容される液晶出力基板ボックス3421と、液晶出力基板3420が送信した描画データをサブ液晶駆動基板3425へ中継するためのサブ液晶中継基板3422が収容されるサブ液晶中継基板ボックス3423と、液晶出力基板3420が送信した描画データをサブ液晶中継基板3422を介して受信してサブ液晶表示装置3450を駆動するためのサブ液晶駆動基板3425が収容されるサブ液晶駆動基板ボックス3430と、がサブ液晶駆動基板ボックス3430、サブ液晶中継基板ボックス3423、そして液晶出力基板ボックス3421という順番で脱着可能に取付けられている。サブ液晶駆動基板ボックス3430、サブ液晶中継基板ボックス3423及び液晶出力基板ボックス3421は、それぞれ上下両側から外方へ突出して図示しない固定片を備えており、この固定片を介して裏箱3001に取付けられるようになっている。
[5−7−3e.歯車装飾体ユニット]
裏ユニット3000における歯車装飾体ユニット3500は、左右方向へ延びた軸周りに回転可能とされ上下方向に複数配置された歯車状の歯車装飾体を備えており、遊技状態に応じて、各歯車装飾体が一斉に回転するようになっている。
[5−7−4.液晶表示装置]
遊技盤4における液晶表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3001の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は、その左右両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3001に取付けられるようになっている。
次に、左打ちや右打ちによる遊技を行う仕様の遊技盤4について図174及び図175を参照して説明するが、図174及び図175に付された符号のうち、上述した左打ちによる遊技を行う仕様の遊技盤4に付された符号と同一の符号については、その機能がほぼ同一であるため、その詳細な説明を省略する。
左打ちや右打ちによる遊技を行う仕様の遊技盤4は、図174及び図175に示すように、遊技パネル1150に取付けられたセンター役物2300によって遊技領域1100が左右に分割されるようになっており、センター役物2300の右側の外周と遊技領域1100の内周との間では遊技球の外径よりも若干大きい幅の領域とされているとともに、センター役物2300の左側の外周と遊技領域1100の内周との間では遊技球が充分に流通可能な広い領域とされており、遊技領域1100におけるセンター役物2300の左側と下側の領域内において、遊技パネル1150の前面に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されている。
遊技盤4は、センター役物2300の右方へ遊技球を打込む(所定以上の強さで打込む)と、センター役物2300の右側外周を通ってアタッカユニット2100における第四ユニット2140の案内通路部材2142へと流下し、案内通路部材2142の案内通路2142aに案内されてゲート部2350の直上から下方へ放出され、極めて高い確率でゲート部2350を遊技球が通過するようになっている。つまり、所謂右打ちを行うことで簡単に遊技球をゲート部2350へ侵入させることができるようになっている。
また、ゲート部2350を遊技球が通過してゲートスイッチ2352により検知されると、極めて短時間で普通抽選結果が抽選されて実行されるようになっているので、普通抽選結果が「当り」であれば、可動片2106が後退して第二始動口2102(図96に示した下始動口2102に相当する。以下、同じ。)への遊技球の受入れが可能となり、ゲート部2350へ侵入した遊技球が第二始動口2102へ入球するようになっている。なお、普通抽選が「ハズレ」の場合は、ゲート部2350を通過した遊技球が、大入賞口2103の上側へ放出されるようになっている。したがって、右打ちを行うことで、第二始動口2102や大入賞口2103を直接的に狙った遊技を行うことができるようになっている。
一方、センター役物2300の左方へ遊技球を打ち込む(所謂左打ち)と、植設された複数の障害釘によって遊技球が、左サイド装飾ユニット2200やアタッカユニット2100の方向へ誘導されることで、左サイド装飾ユニット2200の一般入賞口2201や、アタッカユニット2100の第一始動口2101(図96に示した上始動口2101に相当する。以下、同じ。)、一般入賞口2104等へ遊技球を入球させることが可能となっている。
このように、左打ちや右打ちによる遊技を行う仕様の遊技盤4では、センター役物2300の右側と左側とでは、異なる印象の遊技を行うことができるようになっており、多彩な遊技を提供して飽き難くすることができるようになっている。
ここで、左打ちや右打ちによる遊技を行う仕様の遊技盤4における遊技内容について、図174及び図175を参照して簡単に説明する。扉枠5の右下に配置されたハンドル装置500におけるタッチセンサ部512を遊技者がその指をスライド操作することで、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、遊技パネル1150の前面に配置された遊技領域1100内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さ(発射強度)によってセンター役物2300の上部の左方又は右方の遊技領域1100内を流下することとなる。なお、遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1150の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されるとともに、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2300の上部へ打込まれた遊技球が、センター役物2300の左方へ侵入すると、センター役物2300の左方の領域へ誘導される。また、センター役物2300の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2300の右方へ侵入すると、センター役物2300の右側外周と遊技領域1100の内周との狭い隙間を通ってアタッカユニット2100における案内通路部材2142の案内通路2142aへと侵入し、案内通路2142aの正面視左端開口からゲート部2350直上の遊技領域1100内へ放出される。
そして、遊技領域1100内におけるセンター役物2300の右方を流下した遊技球が案内通路2142aに案内されて遊技領域1100内へ放出されると、極めて高い確率でゲート部2350を通過してゲートスイッチ2352により検出されることとなる。遊技球がゲートスイッチ2352により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189の普通図柄が変動表示され、所定時間(例えば、0.1秒〜1秒の間)経過後に抽出され普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示される。
抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する可動片2106が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)後退して、第二始動口2102へ遊技球が入球できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間が従来のパチンコ機と比較して極めて短時間とされているので、ゲート部2350を通過して「普通当り」を抽選した遊技球が第二始動口2102を閉鎖する可動片2106に到達するか否かのタイミングで、可動片2106が始動口ソレノイド2105により後退して第二始動口2102への受入れが可能となるようになっており、「普通当り」が抽選された場合は極めて高い確率で第二始動口2102へ受入れられるようになっている。
そして、ゲート部2350を通過し「普通当り」を抽選して第二始動口2102へ遊技球が受入れられると、第二始動口センサ2109(図96に示した下始動口スイッチ2019に相当する。以下、同じ。)に検出され、第二始動口センサ2109の検出信号に基づいて主制御基板4100では払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が賞球装置740の払出モータ744を制御して遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。つまり遊技球がセンター役物2300の右側を通る打込操作(所謂、右打ち)を行うと、極めて高い確率でゲート部2350を通過するようになっているとともに、ゲート部2350を通過した遊技球が「普通当り」を抽選すると極めて高い確率で第二始動口2102へ受入れられるようになっているので、初心者や遊技に不慣れな遊技者でも簡単に第二始動口2102へ入球させることができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。
ゲート部2350を遊技球が通過して「普通ハズレ」が抽選された場合は、ゲート部2350の直下に配置され第二始動口2102を閉鎖する可動片2106が、第二始動口2102を閉鎖したままの状態となるので、ゲート部2350を通過した遊技球は、可動片2106の上面に当接し、左放出口2122fから左棚部2122g上を左方向へ転動することとなり、左棚部2122gの左端から第一始動口2101や一般入賞口2104よりも下方で大入賞口2103よりも上方の遊技領域1100内へ放出されることとなる。
また、遊技領域1100内へ打込まれセンター役物2300の左方を流下した遊技球は、左サイド装飾ユニット2200の棚部2202によってセンター役物2300の下方で遊技領域1100の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2300の下方に配置された一般入賞口2104,2201に遊技球が入球して、一般入賞口スイッチ3020に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が賞球装置740の払出モータ744を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域1100内へ打込まれた遊技球が、一般入賞口2104,2201、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れにも入球しなかった場合、遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられてアウト口1151から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また遊技球が、一般入賞口2104,2201、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れに入球しても、この入球した遊技球は、遊技領域1100内へ戻されることなく、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
また、第一始動口2101へ遊技球を入球させたい場合には、遊技球がセンター役物2300の左方を流下するような打込操作(所謂、左打ち)をすれば良く、第二始動口2102へ遊技球を入球させたい場合には、遊技球がセンター役物2300の右方を流下するような打込操作(所謂、右打ち)をすれば良い。
[6.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ遊技機1の各種制御を行う制御基板について、図98〜図103を参照して説明する。図98は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図99は図98のつづきを示すブロック図であり、図100は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図101は図98のつづきを示すブロック図であり、図102は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図103は液晶及び音制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図であり、図104(a)は各種LEDの1フレーム分の発光データの一例を示す図であり、図104(b)は各種LEDの発光データが演出時間に沿って順番に記憶される一例を示す図であり、図104(c)は各種LEDの発光データを描画データとして扱う一例を示す図である。
パチンコ遊技機1の制御構成は、図98に示すように、主制御基板4100、払出制御基板4110、発射制御基板4130及び周辺制御基板4140から主として構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板4100について説明し、続いて払出制御基板4110、発射制御基板4130、周辺制御基板4140について説明する。
[6−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図98に示すように、各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100dと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100eと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)や主制御内蔵RAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。また、主制御MPU4100aは不揮発性のRAMが内蔵されており、この不揮発性のRAMには、主制御MPU4100aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えられない。主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができる。
図96に示した、上始動口2101に入球した遊技球を検出する上始動口スイッチ3022、下始動口2102に入球した遊技球を検出する下始動口スイッチ2109、及び一般入賞口2104に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020からの検出信号は、まず主制御入力回路4100cに入力され、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力されている。また、図96に示した、ゲート部2350を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2352、一般入賞口2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020、大入賞口2103に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ2110、及び図97に示した裏ユニット3000に取付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出スイッチ3024からの検出信号は、まず遊技盤4に取付けられたパネル中継端子板4161を介して主制御入力回路4100cに入力され、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力されている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100dに制御信号を出力することにより、パネル中継端子板4161を介して始動口ソレノイド2105及びアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100bからパネル中継端子板4161、そして機能表示基板1191を介して上特別図柄表示器1185、下特別図柄表示器1186、上特別図柄記憶表示器1184、下特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、ゲートスイッチ2352、及びカウントスイッチ2110には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口スイッチ3020,3020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が上始動口2101や下始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2350を頻繁に通過するため、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2352による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2352には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントスイッチ2110による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントスイッチ2110にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2104,2201には、一般入賞口スイッチ3020,3020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口スイッチ3020,3020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110にシリアル方式で送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンド等をシリアル方式で受信したりする。また、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを周辺制御基板4140に送信したりする。ここで、周辺制御基板4140へ各種コマンドをシリアル方式で送信する主周シリアル送信ポートについて説明する。主制御MPU4100aは、主制御CPUコア4100aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート4100ae等がバス4100ahを介して回路接続されている(図109を参照)。主周シリアル送信ポート4100aeは、周辺制御基板4140へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ4100aea、送信バッファレジスタ4100aeb、シリアル管理部4100aec等を主として構成されている(図109を参照)。主制御CPUコア4100aaは、コマンドを送信バッファレジスタ4100aebにセットすると、送信開始信号をシリアル管理部4100aecに出力すると、このシリアル管理部4100aecが送信バッファレジスタ4100aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ4100aebから送信シフトレジスタ4100aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア4100aaは、送信バッファレジスタ4100aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部4100aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板4140に送信している。
なお、主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図105参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100eが操作されると、主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100eの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
[6−2.払出制御基板]
遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板4110は、図99に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部4120と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器860cと、エラーLED表示器860cに表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、図67に示した、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ遊技機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[6−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部4120は、図99に示すように、各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4120aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4120bと、払出制御MPU4120aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4120c(以下、「外部WDT4120c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4120dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4120eと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路4120fと、を備えている。払出制御MPU4120aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4120bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100eの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4120bを介して入力されたりする。
図71に示した、賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及びベースユニット741に形成された賞球通路741c内を流下する遊技球を検出する計数スイッチ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球ケース内基板754を介して払出制御入力回路4120eに入力され、払出制御I/Oポート4120bを介して払出制御MPU4120aに入力されている。賞球装置740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角スイッチ752からの検出信号は、まず賞球装置740の回転角スイッチ基板753、そして賞球ケース内基板754を介して払出制御入力回路4120eに入力され、払出制御I/Oポート4120bを介して払出制御MPU4120aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4120eに入力され、払出制御I/Oポート4120bを介して払出制御MPU4120aに入力されている。
また、図49に示したファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タンスイッチ550からの検出信号は、まずハンドル中継端子板192、そして主扉中継端子板880を介して払出制御入力回路4120eに入力され、払出制御I/Oポート4120bを介して払出制御MPU4120aに入力されている。
払出制御MPU4120aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4120b、そして賞球ケース内基板754を介して払出モータ744に出力したり、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器860cに表示するための信号を、払出制御I/Oポート4120bを介してエラーLED表示器860cに出力したり、パチンコ遊技機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4120bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4120bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器860cは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器860cが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入り口において払出回転体748と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数スイッチ751からの検出信号に基づいて計数スイッチ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路4120fを介して払出制御I/Oポート4120bで受信されて払出制御MPU4120aに入力されるようになっている。またCRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[6−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部4120とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図100に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図100に示すように、CRユニット6と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している。払出制御基板4110と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、及び度数表示板365と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板851からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路によって作成し、グランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110及び度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、図17に示した、貸球ユニット360の貸球ボタン361と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸スイッチ365aが実装され、貸球ユニット360の返却ボタン362と対応する位置に押ボタンスイッチである返却スイッチ365bが実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である残度数表示器365cが実装されている。
球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bは、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されている。球貸スイッチ365aは、貸球ボタン361が押圧操作されると、スイッチが入り(ONし)、この球貸操作信号TDSが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却スイッチ365bは、返却ボタン362が押圧操作されると、スイッチが入り(ONし)、この返却操作信号RESが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
残度数表示器365cは、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、残度数表示器365cは、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。残度数表示器365cは、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。なお、残度数表示器365cに隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板851から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bが有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って残度数表示器365cに入力されている。
CRユニット6は、貸球ボタン361が押圧操作されて球貸操作信号TDSが度数表示板365から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、貸球ボタン361が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン362が押圧操作されて返却操作信号RESが度数表示板365から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、貸球ボタン361が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図105参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4120aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100eが操作されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[6−3.発射制御基板]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御基板4130は、図99に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4130aと、定時間毎にクロック信号を出力する発信回路4130bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4130cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4130dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4130eと、を備えている。発射タイミング制御回路4130cは、発信回路4130bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4130dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4130eに出力する。
図47に示した、ハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れているか否かを検出するタッチスイッチ516、及び単発ボタン520が操作されることにより遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル中継端子板192、そして主扉中継端子板880を介して発射制御入力回路4130aに入力され、発射タイミング制御回路4130cに入力されている。またCRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4130aに入力され、発射タイミング制御回路4130cに入力されるようになっている。
また発射制御基板4130は、図99に示すように、各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである発射制御MPU4130gと、ハンドル装置500のハンドル本体506に取り付けられたタッチセンサ部512からの検出信号が入力されるポジション入力回路4130mと、ハンドル装置500の前端カバー508に形成されたレベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18を駆動するレベル表示部駆動回路4130nと、を備えている。
タッチセンサ部512は、その詳細な説明を後述するが、図47に示した、ハンドル本体506を正面から見て開口部506aの左側から、ハンドル本体506を正面から見て開口部506aの右側に向かって、所定の大きさを有する矩形状の領域が第0区画〜第18区画(全19区画)として連なって形成されている。これらの第0区画〜第18区画からの検出信号は、まずハンドル中継端子板192、主扉中継端子板880、そしてポジション入力回路4130mを介して発射制御MPU4130gにそれぞれ入力されるようになっている。
発射制御MPU4130gは、ポジション入力回路4130mを介して入力されたタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からの検出信号に基づいて、レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18を所定の発光態様で発光させるための駆動信号を、レベル表示部駆動回路4130n、主扉中継端子板880、そしてハンドル中継端子板192を介してレベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18にそれぞれ出力する。レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18は、その詳細な説明を後述するが、タッチセンサ部512の第0区画〜第18区画と対応する位置に、ハンドル本体506のタッチセンサ部512が取り付けられる近傍にそれぞれ配置されており、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指をスライドさせると、発射制御MPU4130gが、ポジション入力回路4130mを介して入力されたタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からの検出信号に基づいて、レベル表示器L0から、その指の位置における区画と対応するレベル表示器までが連動して所定の発光態様で発光させるように、レベル表示部駆動回路4130n、主扉中継端子板880、そしてハンドル中継端子板192を介してレベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18に駆動信号をそれぞれ出力する。例えば、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、タッチセンサ部512の第14区画に指があるときには、第0区画と対応するレベル表示器L0〜第14区画と対応するレベル表示器L14までが所定の発光態様で発光させるように、発射制御MPU4130gは、レベル表示部駆動回路4130n、主扉中継端子板880、そしてハンドル中継端子板192を介してレベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L14に駆動信号をそれぞれ出力する。
また発射制御MPU4130gは、ポジション入力回路4130mを介して入力されたタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からの検出信号に基づいて、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、その指の位置における区画番号に応じた(見合う)発射強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すために、その発射強度を発射ソレノイド駆動回路4130dに出力する。この発射強度が入力された発射ソレノイド駆動回路4130dは、その発射強度、つまりタッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指をスライドさせて、その指の位置における区画番号に応じた(見合う)発射強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4130eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主扉中継端子板880、そしてハンドル中継端子板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材584が皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受け入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送部材584が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっている。このように、発射ソレノイド駆動回路4130dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4130eから球送ソレノイド585に出力される駆動電流は一定に制御されている。
[6−4.周辺制御基板]
周辺制御基板4140は、図101に示すように、主制御基板4100からの各種コマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4150と、液晶表示装置1900の描画制御と本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム4140aと、を備えている。
[6−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部4150は、図101に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4150aと、各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM4150bと、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、液晶表示装置1900に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM4150cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM4150dと、周辺制御MPU4150aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ4150e(以下、「周辺制御外部WDT4150e」と記載する。)と、を備えている。周辺制御RAM4150cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM4150dは、電源基板851に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板851にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤4をパチンコ遊技機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM4150dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM4150dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。周辺制御外部WDT4150eは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU4150aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT4150eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU4150aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力するときには、周辺制御外部WDT4150eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400a等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポート(モータ駆動基板用シリアル出力ポート)から左側モータ駆動基板4180そして右側モータ駆動基板4190に送信したり、扉枠5に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したりする。
主制御基板4100からの各種コマンドは、周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、図43に示した、操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチ432a,432bからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチ432cからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して周辺制御MPU4150aの操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)のうち、左側モータ駆動基板4180に入力される各種検出スイッチからの検出信号は、左側モータ駆動基板4180においてシリアル化されるとともに、右側モータ駆動基板4190に入力される各種検出スイッチからの検出信号は、右側モータ駆動基板4190においてシリアル化される。右側モータ駆動基板4190においてシリアル化されたシリアルデータは、左側モータ駆動基板4180に出力される。左側モータ駆動基板4180は、左側モータ駆動基板4180においてシリアル化されたシリアルデータに続いて、右側モータ駆動基板4190から出力されたシリアルデータを周辺制御基板4140に出力し、左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190においてそれぞれシリアル化されたシリアルデータを1つの連続するシリアルデータとして左側モータ駆動基板4180から可動体位置検出データとして周辺制御基板4140に出力する。この可動体位置検出データは、周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポート(モータ駆動基板用シリアル入力ポート)に入力されている。
なお、周辺制御MPU4150aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT4150eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[6−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU4150aについて説明する。周辺制御MPU4150aは、図102に示すように、周辺制御CPUコア4150aaを中心として、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ4150ac、周辺制御バスコントローラ4150ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)4150ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMAコントローラ4150acに対して、内部バス4150ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150akに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、各種データを読み書きする。
また周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御ROM4150bに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150dに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに内蔵される周辺制御内蔵RAM4150abの記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM4150abの記憶装置に対して、内部バス4150ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。
また周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに外付けされる、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び外部バス4150hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ4150adは、内部バス4150ah、周辺バス4150ai、及び外部バス4150hをコントロールして周辺制御MPUコア4150aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート4150aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、及び操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)4150afは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT4150eにクリア信号を出力したり、遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号を左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板419においてそれぞれシリアル化して、左側モータ駆動基板4180においてシリアル化されたシリアルデータに続いて、右側モータ駆動基板4190から出力されたシリアルデータを1つの連続するシリアルデータとして左側モータ駆動基板4180から可動体位置検出データとして周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポート(モータ駆動基板用シリアル入力ポート)で受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したり、扉枠5における上部装飾ユニット280の上部装飾基板286に実装されたLED286bの点灯信号を出力したりする。このLED286bは、上述したように、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LED286bと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LED286bと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLED286bの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LED286bの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLED286bを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ4150akは、音量調整ボリューム4140aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から音楽や効果音が流れるようになっている。なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、液晶表示装置1900に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音も本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて液晶表示装置1900で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[6−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM4150bは、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、液晶表示装置1900に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光態様データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM4150bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御プログラムコピーエリア4150cdに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM4150bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM4150bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、液晶表示装置1900の使用時間に応じて液晶表示装置1900の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、液晶表示装置1900の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM4150bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯し、液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯する。
[6−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア4150caと、このバックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccと、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア4150cdと、周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア4150ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア4150cfと、が設けられている。なお、パチンコ遊技機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccについては、パチンコ遊技機1の電源投入時に主制御基板4100からの電源投入コマンド(図130参照)がRAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、図98に示したRAMクリアスイッチ4100eが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150caは、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150cbからバックアップ第2エリア4150ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP4160aが1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶表示装置1900に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cab、受信コマンド記憶領域4150cac、RTC情報取得記憶領域4150cad、及びスケジュールデータ記憶領域4150cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaには、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabには、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域4150cacには、主制御基板4100から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域4150cadには、RTC制御部4165(後述するRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域4150caeには、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域4150caeには、周辺制御ROM4150bから各種制御データコピーエリア4150ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM4150bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cag、可動体情報取得記憶領域4150cah、操作ユニット情報取得記憶領域4150cai、及び描画状態情報取得記憶領域4150cak等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafには、扉枠5に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagには、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域4150cahには、遊技盤4に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、操作ユニット情報取得記憶領域4150caiには、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域であり、描画状態情報取得記憶領域4150cakには、サブ液晶駆動基板3425が、音源内蔵VDP4160aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する後述するLOCKN信号に基づいてサブ液晶駆動基板3425とサブ液晶駆動基板3425との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccについて説明する。バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ4150acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[6−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア4150daと、このバックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM4150dに記憶された内容は、パチンコ遊技機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板4100からの電源投入コマンド(図130参照)がRAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、図98に示したRAMクリアスイッチ4100eが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM4150cのバックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が液晶表示装置1900に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM4150cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM4150cと周辺制御SRAM4150dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150dbからバックアップ第2エリア4150dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcについて説明する。バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[6−4−2.液晶及び音制御部]
液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450の描画制御と、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御と、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aや扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等の各種LEDの発光制御と、を行う液晶及び音制御部4160は、図101に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに、液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450の描画制御と、各種LEDの発光制御と、を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)4160aと、液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて、音楽や効果音等の各種音データと、各種LEDの発光態様を規定する発光データと、を記憶する液晶及び音制御ROM4160bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC4160cと、を備えている。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
また周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する発光態様生成用スケジュールデータを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータに従って先頭の発光態様データに続く次の発光態様データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータに従って、この発光態様生成用スケジュールデータに時系列に配列された発光態様データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の発光態様データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
また周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
また周辺制御MPU4150aは、音源内蔵VDP4160aからの描画データが液晶出力基板3420、そしてサブ液晶中継基板3422を介して、サブ液晶駆動基板3425で受信されると、この受信した描画データが異常なデータであるとサブ液晶駆動基板3425が判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号がサブ液晶駆動基板3425からサブ液晶中継基板3422、そして液晶出力基板3420を介して入力されるようになっている。
[6−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP4160aは、液晶及び音制御ROM4160bに予め記憶される圧縮されたデータを自身で解凍して復元することができるようになっている。このような機能を有する音源内蔵VDP4160aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図103に示すように、液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出して圧縮された状態から復元してスプライトデータを作成して液晶表示装置1900及び/又はサブ液晶表示装置3450に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMもそれぞれ内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP4160aは、内蔵VRAM上に生成した描画データを、チャンネルCH1,CH2から液晶出力基板3420を介して液晶表示装置1900に出力する。チャンネルCH1から出力される描画データは、液晶出力基板3420を介して液晶表示装置1900に出力されるのに対して、チャンネルCH2から出力される描画データは、液晶出力基板3420、サブ液晶中継基板3422、そしてサブ液晶駆動基板3425を介してサブ液晶表示装置3450に出力される。このように、チャンネルCH1から出力される描画データは、液晶出力基板3420を介して液晶表示装置1900に出力されるため、チャンネルCH1から液晶表示装置1900までの経路に要する配線の長さが短いものの、チャンネルCH2から出力される描画データは、液晶出力基板3420、サブ液晶中継基板3422、そしてサブ液晶駆動基板3425を介してサブ液晶表示装置3450に出力されるため、チャンネルCH2からサブ液晶表示装置3450までの経路に要する配線の長さが長くなることによりノイズの影響を極めて受けやすくなる。このため、描画データを送るための配線の長さが長くなるというチャンネルCH2に対しては、後述する液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。
チャンネルCH1は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)というシリアル方式による差動インターフェースを使用しているのに対して、チャンネルCH2は、パラレル方式によるインターフェースを使用している。チャンネルCH2から出力される描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aでシリアル化されて、サブ液晶中継基板3422を介して、サブ液晶駆動基板3425に出力される。そして、このシリアル化された各種信号は、パラレル信号に復元されてサブ液晶表示装置3450に出力されるようになっている。
なお、図96に示したサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データが周辺制御MPU4150aからランプ駆動基板4170に送信され、この遊技盤側発光データを受信したランプ駆動基板4170が遊技盤側発光データに基づいてサブ液晶中継基板3422を介してサブ液晶駆動基板3425に駆動信号を出力する。これにより、サブ液晶駆動基板3425は、複数の装飾LED3400aへ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力して、複数の装飾LED3400aを、階調点灯したり、点灯したり、あるいは点滅したりすることができるようになっている。
このように、周辺制御MPU4150aが液晶表示装置1900及び/又はサブ液晶表示装置3450に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力すると、音源内蔵VDP4160aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して液晶表示装置1900及び/又はサブ液晶表示装置3450に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データを、チャンネルCH1,CH2から液晶出力基板3420出力する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、液晶表示装置1900及び/又はサブ液晶表示装置3450に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
ここで、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aについて簡単に説明すると、サブ液晶用トランスミッタIC3420aは、図103に示すように、音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される描画データが入力されている。チャンネルCH2は、上述したように、パラレル方式によるインターフェースが使用されている。描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビット、計24ビットで構成されている。本実施形態では、サブ液晶用トランスミッタIC3420aに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットがサブ液晶用トランスミッタIC3420aに入力されている。下位2ビットは、人間の目にとって判別困難な極めて微弱な色情報であるため、音源内蔵VDP4160aから出力されているものの、微弱な色情報を含む下位2ビットを無効化している。
音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される描画データである、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がサブ液晶用トランスミッタIC3420aに入力されると、サブ液晶用トランスミッタIC3420aは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化して差動1ペアケーブルのみでこれらの各種信号を、サブ液晶中継基板3422を介して、サブ液晶駆動基板3425に送信する。
サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号は、強制切替回路3420cを介して、サブ液晶中継基板3422に送信されるようになっている。この強制切替回路3420cには、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号のほかに、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵される液晶出力基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されて入力されている。この差動化回路3420dでは、LOCKN信号出力要求データをディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化している。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間において、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、後述するサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、サブ液晶表示装置3450の動作確認要求として送信されるものである。強制切替回路3420cは、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、サブ液晶中継基板3422を介して、サブ液晶駆動基板3425に送信される一方、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号を伝送するように回路接続するため、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号が、サブ液晶中継基板3422を介して、サブ液晶駆動基板3425に送信される。周辺制御MPU4150aは、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間において、液晶出力基板用シリアルI/OポートからLOCKN信号出力要求データを、液晶出力基板3420(差動化回路3420d)に送信する。
サブ液晶駆動基板3425は、シリアル信号(シリアルデータ)を受信すると、液晶出力基板3420においてシリアル化された各種信号をパラレル信号に復元してサブ液晶表示装置3450に出力する。なお、サブ液晶駆動基板3425は、音源内蔵VDP4160aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号を、サブ液晶中継基板3422、そして液晶出力基板3420を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力する。周辺制御MPU4150aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を伝えるための画像を音源内蔵VDP4160aを制御して生成し、液晶出力基板3420に出力して液晶表示装置1900の表示領域に表示して報知する。
また、サブ液晶駆動基板3425は、受信したその2つの信号が液晶出力基板用シリアルI/OポートからのLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、後述するLOCKN信号を、サブ液晶中継基板3422、そして液晶出力基板3420を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力する。これにより、周辺制御MPU4150aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとしてサブ液晶駆動基板3425に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとしてサブ液晶駆動基板3425に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP4160aを制御して液晶出力基板3420を介して、液晶表示装置1900に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP4160aを制御してオーディオデータ送信IC4160cに出力することにより扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から報知音が流れる。これにより、液晶表示装置1900の表示領域に表示される報知画像と、扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LED(各種装飾基板と配線を介して電気的に接続される各種LED)をすべて点灯してもよい。
また音源内蔵VDP4160aは、1画面分(1フレーム分)の描画データをチャンネルCH1から液晶表示装置1900に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力し、サブ液晶表示装置3450についても、1画面分(1フレーム分)の描画データをチャンネルCH2から液晶出力基板3420に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力する。本実施形態では、液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU4150aと音源内蔵VDP4160aとが実装された周辺制御基板4140の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP4160aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、例えば、液晶表示装置1900の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶表示装置1900に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP4160aは、主制御基板4100からのコマンドに基づいて周辺制御MPU4150aから上述した音指令データが入力されると、図103に示すように、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定して本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。
具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、図43に示した、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
ここで、演出音が本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れている場合に、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。つまり、実際に、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。
本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れるようになっている。
このように、演出音が本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れている場合に、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
また、音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データ及び発光態様データが入力されると、この入力された画面データ及び発光態様データに基づいて、図104(c)に示すように、例えば液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータは、内蔵VRAMの画面領域VRGN0において描画データが生成されるとともに、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aや扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等の各種LEDの発光態様を規定する発光データは、内蔵VRAMの画面外領域VRGN1において生成(正確には、復元)されるようになっている(発光データが復元される点については、後述する)。つまり、1フレームごとに、内蔵VRAMの画面領域VRGN0において液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータと、内蔵VRAMの画面外領域VRGN1において各種LEDの発光態様を規定する発光データと、が共に生成されるようになっている。この内蔵VRAMの画面外領域VRGN1において生成された各種LEDの発光態様を規定する発光データのうち、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aに対するものについては、図102に示したランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aに対する点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATとしてセットされるとともに、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等に対するものについては、図102に示した枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATとしてセットされるようになっている。なお、サブ液晶表示装置3450の表示領域に各種画像を描画するためのサブ液晶用キャラクタデータは、、内蔵VRAMの画面領域VRGN2において描画データが生成されるようになている。
また、音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aに代わって、音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAMの画面外領域VRGN1において、発光データを圧縮された状態から復元することができるようになっているため、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400a等、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等の各種LEDの数が多い場合であっても、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400a等、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等の各種LEDへの発光制御に対する周辺制御MPU4150aの制御負荷を抑制することができる。
[6−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM4160bは、図103に示すように、液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータと、サブ液晶表示装置3450の表示領域に各種画像を描画するためのサブ液晶用キャラクタデータと、から構成される極めて多くのキャラクタデータに加えて、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データと、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aや扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等の各種LEDの発光態様を規定する発光データと、も予め記憶されている。本実施形態では、各種LEDの系統がて第0系統のLED〜第99系統のLEDという合計100系統となっているため、発光データのデータサイズも極めて大きくなっている。
液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータやサブ液晶表示装置3450の表示領域に各種画像を描画するためのサブ液晶用キャラクタデータは、それぞれのデータサイズが極めて大きく、圧縮率が高い所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮してデータサイズを小さくすることにより極めて多くのキャラクタデータを液晶及び音制御ROM4160に記憶することができるようになっている。この所定の圧縮アルゴリズムを用いて、音データや発光データも圧縮してデータサイズを小さくすることにより極めて多くの音データや発光データを液晶及び音制御ROM4160に記憶することができるようになっている。このように、発光データは、各種制御プログラムや各種スケジュールデータ等を予め記憶される周辺制御部4150の周辺制御ROM4150bに予め記憶されるのではなく、液晶及び音制御部4160の液晶及び音制御ROM4160bに予め記憶されているため、液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータやサブ液晶表示装置3450の表示領域に各種画像を描画するためのサブ液晶用キャラクタデータを圧縮する所定の圧縮アルゴリズムを用いて極めて圧縮率が高い方式により圧縮された状態となっている。これにより、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150bには、遊技者にさまざま演出を提供するための各種制御プログラムや各種スケジュールデータ等が主として予め記憶されるため、このような各種制御プログラムや各種スケジュールデータ等による周辺制御ROM4150bの記憶容量の占有率が極めて高い状態となっていても、本実施形態においては、周辺制御ROM4150bに発光データを予め記憶するのではなく、液晶及び音制御ROM4160bに極めて多くの発光データを予め記憶することができるため、周辺制御ROM4150bの空き容量に収まるように発光データを記憶させる必要がない。このため、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150bに発光データを予め記憶する場合と比べて、極めて多くの発光データを液晶及び音制御部4160の液晶及び音制御ROM4160bに予め記憶することができるため、各種LEDによる演出のバリエーションを増やすことができる。
発光データは、図104(a),(b)に示すように、発光データは、1フレームに対して第0系統のLED〜第99系統のLEDという合計100系統の発光データが演出時間の進行に従って、つまり1フレームごとの発光データが液晶及び音制御ROM4160bに圧縮された状態で予め記憶されており、さまざまな種類の発光データが予め複数記憶されている。100系統の発光データは、液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータやサブ液晶表示装置3450の表示領域に各種画像を描画するためのサブ液晶用キャラクタデータと同様に、内蔵VRAMにおいて生成される描画データとともに生成されることにより圧縮された状態から復元されるようになっている。このため、液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3450の表示領域における1ドットがLEDの1系統に対応し、この1ドットの濃淡がLEDの1系統の階調度に対応するようになっている。つまり本実施形態では、第0系統のLED〜第99系統のLEDという合計100系統の発光データは、内蔵VRAMにおいて生成される描画データとともに生成されることにより圧縮された状態から復元されると、第0ドット〜第99ドットという描画データとして扱われ、第0ドットの濃淡〜第99ドットの濃淡が第0系統のLEDの階調度〜第99系統のLEDの階調度としてそれぞれ生成されるようになっている。
具体的には、図104(c)に示すように、例えば液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータは、内蔵VRAMの画面領域VRGN0において描画データが生成されるとともに、第0系統のLED〜第99系統のLEDという合計100系統の発光データは、内蔵VRAMの画面外領域VRGN1において第0ドットの濃淡〜第99ドットの濃淡が第0系統のLEDの階調度〜第99系統のLEDの階調度としてそれぞれ生成されるようになっている。つまり、1フレームごとに、内蔵VRAMの画面領域VRGN0において液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータと、内蔵VRAMの画面外領域VRGN1において第0ドットの濃淡〜第99ドットの濃淡が第0系統のLEDの階調度〜第99系統のLEDの階調度と、が共に生成されるようになっている。この内蔵VRAMの画面外領域VRGN1において生成された第0系統のLEDの階調度〜第99系統のLEDの階調度のうち、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aに対するものについては、図102に示したランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aに対する点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATとしてセットされるとともに、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等に対するものについては、図102に示した枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATとしてセットされるようになっている。
因みに、遊技状態などに応じて点灯や点滅する複数のLED(発光手段)を備えたランプ部材が前扉の側部に配置されるとともに、遊技領域に設けられるセンター部材に複数のLED(発光手段)が配置される遊技機としてのパチンコ機が提案されている(例えば、特開2012−115557号公報(段落[0012]、及び[0016]))。この文献に記載される遊技機においては、複数のLEDのほかに、表示制御装置(表示手段)等がサブ制御装置(演出制御手段)により制御され、制御ROM(第1の記憶手段)に予め記憶された各種制御プログラムに従って演出が進行されるようになっている。ところで、この文献に記載される遊技機においては、前扉の側部のランプ部材やセンター部材にそれぞれ配置される複数の発光手段の数が多く、これに伴い複数の発光手段の発光態様を規定するデータも大きくなる。そうすると、制御ROMには、遊技者にさまざま演出を提供するための各種制御プログラムが主として予め記憶されるため、このような各種制御プログラムによる各種制御ROMの記憶容量の占有率が極めて高くなり、制御ROMの空き容量に収まるように複数の発光手段の発光態様を規定するデータを記憶させなければならず、発光手段による演出のバリエーションが制限されるという問題が生ずるとともに、発光手段への発光制御に対するマイクロプロセッサの制御負荷が高くなるという問題が生ずる。
[6−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC4160cは、図103に示すように、音源内蔵VDP4160aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とするディファレンシャル方式のシリアルデータとして、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とするディファレンシャル方式のシリアルデータとして、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。なお、オーディオデータ送信IC4160cは、周辺制御基板4140から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれディファレンシャル方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[6−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図101に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板4140(パチンコ遊技機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板4140(パチンコ遊技機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ遊技機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が液晶表示装置1900で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が液晶表示装置1900で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU4150aは、液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。さらに、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。また周辺制御MPU4150aは、液晶表示装置1900のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば液晶表示装置1900の表示テスト等の各種テストを行うため、液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ遊技機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ遊技機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された液晶表示装置1900のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、図43に示した、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が液晶表示装置1900に表示されるほかに、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が液晶表示装置1900に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、バックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度として上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU4150aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、液晶表示装置1900のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、液晶表示装置1900の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU4150aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM4150bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯し、液晶表示装置1900を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯する。なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[6−4−4.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム4140aは、上述したように、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリューム4140aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ4150akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から音楽や効果音が流れるようになっている。
また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、液晶表示装置1900に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音も本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。
したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて液晶表示装置1900で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、図43に示した、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が液晶表示装置1900に表示されるほかに、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が液晶表示装置1900に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。
具体的には、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ4150akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム4140aは、周辺制御基板4140に実装されているため、本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が液晶表示装置1900に表示され、この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[7.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1に供給される電力について、図105〜図107を参照して説明する。図105はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図106は図105のつづきを示すブロック図であり、図107は図105のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板851について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランドや各種端子板のグランドは、図示しないが、電源基板851のグランドと電気的に接続されている。
[7−1.電源基板]
電源基板851は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。図80に示した電源スイッチ852を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板851に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板851は、図105に示すように、全波整流回路851a、力率改善回路851b、平滑化回路851c、+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851gを備えている。全波整流回路851aは、パチンコ島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を全波整流して力率改善回路851bに供給している。この力率改善回路851bは、全波整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路851cに供給している。この平滑化回路851cは、入力される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851g、払出制御基板4110、及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給している。+5.2V作成回路851dは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.2V(DC+5.2V、以下、「+5.2V」と記載する。)を作成している。この+5.2Vが印加されて供給される電源系統が+5.2V電源ラインとなる。+5.25V作成回路851eは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.25V(DC+5.25V、以下、「+5.25V」と記載する。)を作成している。この+5.25Vが印加されて供給される電源系統が+5.25V電源ラインとなる。+12V作成回路851fは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)を作成している。この+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ラインとなる。+24V作成回路851gは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)を作成している。この+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。+5.2V作成回路851d、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、払出制御基板4110に供給され、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、枠周辺中継端子板868に供給されている。なお、パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、全波整流回路851aのほかに、電源基板851を介して遊技球等貸出装置接続端子板869にも供給されている。
また、電源基板851は、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)のバックアップ電源であり、キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)のバックアップ電源である。
+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5.2Vは、払出制御MPU4120aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。主制御基板4100に供給される+5.2Vは、主制御MPU4100aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC1のマイナス端子(以下、「キャパシタBC1の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC1の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、払出制御MPU4120aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4120aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC0のマイナス端子(以下、「キャパシタBC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC0の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、主制御基板4100、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が主制御基板4100に供給されなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[7−2.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板4110、主制御基板4100、発射制御基板4130及び発射電源基板831に供給される電圧ついて説明する。
電源基板851で作成された+5.2V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図105に示すように、払出制御基板4110に供給されるとともに、この払出制御基板4110を介して、発射制御基板4130及び主制御基板4100にも供給されている。また電源基板851で作成された+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、枠周辺中継端子板868に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板4140に供給される一方、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が周辺扉中継端子板882に供給されている。
周辺制御基板4140に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、図106に示すように、その4種類の電圧が左側モータ駆動基板4180の左側駆動源駆動回路4180aに供給されて左側駆動源駆動回路4180aから遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号が出力され、左側モータ駆動基板4180を介して、周辺制御基板4140に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧が右側モータ駆動基板4190の駆動源駆動回路4190aに供給されて駆動源駆動回路4190aから遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号が出力される。
また、周辺制御基板4140に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧のうち、図106に示すように、+24V及び+37Vという2種類の電圧が液晶表示装置1900に供給されている。液晶表示装置1900は、描画制御される液晶モジュール1900aと、この液晶モジュール1900aのバックライト用の電源を作成するバックライト電源回路1900bと、を備えており、+24Vが液晶モジュール1900aに供給され、+37Vがバックライト電源回路1900bに供給され、その4種類の電圧のうち、+12Vという1種類の電圧が液晶出力基板3420に供給されている。液晶出力基板3420は、図103に示したサブ液晶用トランスミッタIC3420aのほかに、+12Vから直流+3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する+3.3V作成回路3420b等を備えている。この+3.3V作成回路3420bが作成した+3.3Vは、サブ液晶用トランスミッタIC3420a等に供給されている。
周辺制御基板4140に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧がランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aに供給されてランプ駆動回路4170aから遊技盤4の各種装飾基板及び/又はサブ液晶中継基板3422を介してサブ液晶駆動基板3425に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号が出力される。
サブ液晶中継基板3422は、ランプ駆動基板4170を介して、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧のほかに、液晶出力基板3420において+12Vを分岐したLCD+12Vという電圧も供給され、これら4種類の電圧をサブ液晶駆動基板3425へ中継している。
サブ液晶駆動基板3425は、サブ液晶中継基板3422を介して、+5.25V、+12V、+24V、及びLCD+12Vという4種類の電圧が供給されている。+12VとLCD+12Vは、もともと同一電圧であるものの、サブ液晶駆動基板3425においては、+12VとLCD+12Vとが電気的に接続されないように配線パターンが形成されている。これは、+12VとLCD+12Vとを電気的に接続することで+12Vという閉ループ電源回路が形成されることを防止している。サブ液晶駆動基板3425は、LCD+12Vから+3.3Vを作成する+3.3V作成回路3425aのほかに、この+3.3V作成回路3425aが作成した+3.3Vからサブ液晶表示装置3450のバックライト用の電源を作成するバックライト電源回路3425b、サブ液晶表示装置3450が装着される図96に示したサブ液晶ユニット3400のキャラクタ体の周囲に複数配置されるフルカラーLEDである装飾LED3400aを階調点灯や点灯点滅する装飾LED駆動回路3425c等、種々の回路を備えており、+3.3V作成回路3425aが作成した+3.3Vと、バックライト電源回路3425bが作成したバックライト用の電源と、がサブ液晶表示装置3450に供給されている。
+5.25Vは装飾LED駆動回路3425cに供給され、+12V、及び+24VがフルカラーLEDである装飾LED3400aに供給されている。サブ液晶表示装置3450が装着されるサブ液晶ユニット3400のキャラクタ体の周囲に複数配置される装飾LED3400aは、3個のフルカラーLEDが電気的に直列接続された2つの系統と、4個のフルカラーLEDが電気的に直列接続された2つの系統と、により構成されており、計14個のフルカラーLEDを備えている。フルカラーLEDは、赤、緑、及び青の3つのLEDを1つのパッケージに収めたものであり、赤の順方向降下電圧Vfが約2V程度であるのに対して、青色及び緑の順方向降下電圧Vfが約3V程度あるため、3個のフルカラーLEDが電気的に直列接続されると、青色及び緑のVfが約9V程度となり、4個のフルカラーLEDが電気的に直列接続されると、青色及び緑のVfが約12V程度となる。このため、3個のフルカラーLEDが電気的に直列接続された2つの系統に対しては+12Vが供給される一方、4個のフルカラーLEDが電気的に直列接続された2つの系統に対しては、+24Vが供給されている。つまりフルカラーLEDである装飾LED3400aは、+12Vが供給されるものもあれば、+24Vが供給されるものもあり、装飾LED駆動回路3425cに入力されたランプ駆動基板4170からの駆動信号に基づいて、階調点灯されたり、点灯されたり、あるいは点滅されたりする。なお、装飾LED駆動回路3425cは、ランプ駆動基板4170からの駆動信号が入力されている。
これに対して、周辺扉中継端子板882に供給される+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図107に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されており、その3種類の電圧のうち、+12Vが+9V作成回路194aに供給されて直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成している。枠装飾駆動アンプ基板194は、その3種類の電圧に加えて、+9V作成回路194aで作成される+9Vを合わせた4種類の電圧を扉枠5の各種装飾基板等に供給している。
[7−2−1.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板4110は、図105に示すように、払出制御MPU4120a等のほかに、払出制御フィルタ回路4110a、停電監視回路4110bも備えている。この払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4120の払出制御MPU4120a等に供給されている。停電監視回路4110bは、電源基板851からの+12V及び+24Vが供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4110bは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御基板4100の主制御MPU4100aに出力する。この停電予告信号は、主制御基板4100を介して、周辺制御基板4140に伝わることにより、この周辺制御基板4140を介して、図106及び図107に示すように、液晶表示装置1900のバックライト電源回路1900bに伝わる一方、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして枠装飾駆動アンプ基板194にも伝わって、枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠5の各種装飾基板等に伝わるようになっている。
なお、+12V及び+24Vは、停電監視回路4110bに供給されるほかに、+12Vは、例えば、払出制御部4120の払出制御入力回路4120e等にも供給され、+24Vは、例えば、払出制御部4120の払出モータ駆動回路4120d等にも供給されている。また、電源基板851からの+37Vは、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、そのまま発射電源基板831に供給されている。発射電源基板831は、供給される+37Vから後述する所定電圧を作成して発射制御基板4130の発射ソレノイド駆動回路4130dに供給している。
このように、停電監視回路4110bを本体枠3側の払出制御基板4110に備えることによって、遊技盤4を製造するごとに停電監視回路4110bを搭載する必要がまったくなくなるため、遊技盤4の製造コスト削減に寄与することができる。
ここで、本実施形態では、払出制御基板4110に停電監視回路4110bを備えた構成としている理由について簡単に説明する。電源基板851からの+5.2V、+12V、及び+24Vは、上述したように、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。換言すると、本体枠3側に備える電源基板851からの+5.2V、+12V、及び+24Vは、遊技盤4側に備える主制御基板4100に対して、伝送経路として最も近い関係となっている本体枠3側に備える払出制御基板4110を介して供給されている。これにより、電源基板851に停電監視回路を備える場合と比べて、主制御基板4100に対して伝送経路としてより近い関係で+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視することができるため、停電予告信号を主制御基板4100に伝える伝送経路を短く構成することによって主制御基板4100が重要な遊技情報のバックアップを開始するタイミングを速くすることに寄与することができる。また、上述した、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。また、最近のパチンコ遊技機では、扉枠や遊技盤等に極めて多くの電飾を設けることによって、煌びやかな演出や迫力ある魅力的な演出を遊技者に提供しており、電飾の数が増加する傾向にある。これに伴って消費電力も大きくなってきており、電源基板を改良する機会も増加してきている。これに対して、払出制御基板は、専ら遊技球の払出動作等を行う基板であるため、払出に関する大きなシステム改良がなければ、作り直す機会が極めて少ない。そこで、本実施形態では、上述した理由により、停電監視回路4110bを、電源基板851に備えた構成を採用せず、払出制御基板4110に備えた構成を採用した。
[7−2−2.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板4100は、図105に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、主制御フィルタ回路4100gも備えている。主制御フィルタ回路4100gは、払出制御基板4110からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100c等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100d等に供給されている。
[7−2−3.発射制御基板に供給される電圧]
発射制御基板4130は、図105に示すように、発射制御MPU4130g等のほかに、発射制御フィルタ回路4130kも備えている。発射制御フィルタ回路4130kは、払出制御基板4110からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、例えば、発射制御MPU4130gのほかに、ポジション入力回路4130mやレベル表示部駆動回路4130n等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、ハンドル装置500に供給され(例えば、図47に示した、ハンドル装置500のタッチスイッチ516や発射停止スイッチ518等に供給され)、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、球送ソレノイド駆動回路4130e等に供給されている。
[7−2−4.発射電源基板に供給される電圧]
発射電源基板831は、図105に示すように、DC/DCコンバータ831a、電解コンデンサSC0(本実施形態では、静電容量:4700マイクロファラッド(μF))を備えている。DC/DCコンバータ831aは、払出制御基板4110からの+37Vを降圧して直流+35V(DC+35V、以下、「+35V」と記載する。)を作成して発射制御基板4130の発射ソレノイド駆動回路4130dに供給している。
電解コンデンサSC0のマイナス端子(以下、「電解コンデンサSC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「電解コンデンサSC0の+端子」と記載する。)は、DC/DCコンバータ831aの+35V出力端子と電気的に接続されている。つまり、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aから出力される+35Vが印加されることで充電されるようになっている。本実施形態では、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が発射制御基板4130の発射ソレノイド駆動回路4130dに流れるようになっている。その詳細な説明を後述する。
なお、上述したように、電源基板851からの+5.2Vは、払出制御基板4110に供給されるのに対して、電源基板851からの+5.25Vは、枠周辺中継端子板868に供給されている。+5.2V及び+5.25Vは、各制御基板の制御基準電圧となるものであるが、電源基板851と配線(ハーネス)を介して電気的に接続された場合に、配線のトータル長さ、つまり電源経路が短い、払出制御基板4110と主制御基板4100とに対しては、その配線に伴う電圧ドロップ(電圧降下)を小さく見積もることができる(本実施形態では、発射制御基板4130と払出制御基板4110とが払出制御基板ボックス860に共に収容されているため、電源基板851から払出制御基板4110そして発射制御基板4130までに亘る配線(ハーネス)の長さ(電源経路)が短く、その配線に伴う電圧ドロップ(電圧降下)を小さく見積もることができる)ため、+5.2Vが電源基板851から供給されるのに対して、配線のトータル長さ、つまり電源経路が払出制御基板4110と主制御基板4100とに比べて長い、周辺制御基板4140や枠装飾駆動アンプ基板194に加えて、周辺制御基板4140に従属する、ランプ駆動基板4170、左側モータ駆動基板4180、及び右側モータ駆動基板4190や枠装飾駆動アンプ基板194に従属する扉枠側の各種装飾基板等に対しては、その配線に伴う電圧ドロップ(電圧降下)が無視できないため、払出制御基板4110と主制御基板4100とに供給される+5.2Vより高い電圧である+5.25Vが電源基板851から供給されている。
[8.主制御基板の回路]
次に、図98に示した主制御基板4100の回路等について、図108、及び図109を参照して説明する。図108は主制御基板の回路を示す回路図であり、図109は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図105に示した主制御フィルタ回路4100gについて説明し、続いて主制御基板4100で作成された電源、主制御システムリセットIC、主制御水晶発振器、主制御入力回路、主制御I/Oポート4100b等の各種入出力信号、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板4100は、図108に示すように、主制御MPU4100a、主制御I/Oポート4100b、主制御3端子フィルタMIC0のほかに、周辺回路として、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
[8−1.主制御フィルタ回路]
主制御フィルタ回路4100gは、図108に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、図105に示した、電源基板851から払出制御基板4110を介して+5.2Vが印加され、その2番端子がグランドと接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5.2Vが出力されている。1番端子に印加される+5.2Vは、グランド(GND)と接地された電解コンデンサMC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5.2Vは、グランドと接地された、コンデンサMC1、及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))により、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5.2Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子、主制御I/Oポート4100bの電源端子であるVCC端子等にそれぞれ印加されている。
主制御MPU4100aのVDD端子はグランドと接地されたコンデンサMC3と電気的に接続され、主制御I/Oポート4100bのVCC端子はグランドと接地されたコンデンサMC4と電気的に接続されており、VDD端子及びVCC端子に入力される+5.2Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU4100aの接地端子であるVSS端子はグランドと接地され、主制御I/Oポート4100bの接地端子であるGND端子はグランドと接地されている。
また、主制御MPU4100aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、グランドと接地されたコンデンサMC5と電気的に接続されている。この主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC5と電気的に接続されるほかに、抵抗MR0を介して、図105に示した電源基板851のキャパシタBC0の+端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路4100gによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5.2Vは、主制御MPU4100aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0の+端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図105に示した電源基板851の+5.2V作成回路851dからの電力が主制御基板4100に供給されなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[8−2.主制御システムリセットIC]
主制御フィルタ回路4100gによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5.2Vは、図108に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU4100a及び主制御I/Oポート4100bにリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、グランドと接地されたコンデンサMC6が電気的に接続されており、このコンデンサMC6の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5.2Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU4100aのリセット端子であるSRST端子及び主制御I/Oポート4100bのリセット端子であるRESETN端子と電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、プルアップ抵抗MR1により+5.2V側へ引き上げられている。この+5.2V側へ引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサMC7によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサMC7は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及び主制御I/Oポート4100bのRESETN端子に入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及び主制御I/Oポート4100bのRESETN端子に入力される。主制御MPU4100aのSRST端子及び主制御I/Oポート4100bのRESETN端子は負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態になると、主制御MPU4100a及び主制御I/Oポート4100bにリセットがかかる。なお、電源端子はグランドと接地されたコンデンサMC8と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5.2Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラントと接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−3.主制御水晶発振器]
主制御フィルタ回路4100gによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5.2Vは、図108に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。このVDD端子は、グランドと接地されたコンデンサMC9と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5.2Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5.2Vは、VDD端子のほかに、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にも入力されている。主制御水晶発振器MX0は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5.2Vが印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU4100aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。このクロック信号が入力された主制御MPU4100aは、そのE端子よりクロック信号を出力する。E端子は、主制御I/Oポート4100bのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、E端子から出力される24MHzのクロック信号が入力されている。主制御MPU4100aのE端子と主制御I/Oポート4100bのCLK端子との端子間は、プルアップ抵抗MR2により+5.2V側へ引き上げられている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランドと接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−4.主制御入力回路]
主制御入力回路4100cは、図98に示した、一般入賞口スイッチ3020,3020、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、磁気検出スイッチ304、カウントスイッチ2110、ゲートスイッチ2352からの検出信号のほかに、RAMクリアスイッチ4100eからの検出信号、図105に示した払出制御基板4110における停電監視回路4110bからの停電予告信号が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、RAMクリアスイッチ4100eからの検出信号が入力される回路と、停電予告信号が入力される回路と、について説明する。
[8−4−1.RAMクリアスイッチからの検出信号が入力される回路]
RAMクリアスイッチ4100eの出力ピンとしての3番ピンは、図108に示すように、プルアップ抵抗MR3により+5.2V側へ引き上げられているとともに、抵抗MR4を介して、トランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR4と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗MR5と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタMTR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗MR6により+5.2V側へ引き上げられて主制御I/Oポート4100bの入力ポートPAの入力ピンPA0と電気的に接続されている。RAMクリアスイッチ4100eの1番ピン及び2番ピンはグランドと接地されており、4番ピンは3番ピンと電気的に接続されている。これにより、RAMクリアスイッチ4100eが操作されていないときには、3番ピン及び4番ピンがプルアップ抵抗MR3により+5.2V側へ引き上げられる一方、RAMクリアスイッチ4100eが操作されているときには、3番ピン及び4番ピンが1番ピン及び2番ピンと電気的に接続されることによりグランド側へ引き下げられる。
トランジスタMTR0、抵抗MR4,MR5から構成される回路は、スイッチ回路であり、RAMクリアスイッチ4100eが操作されていないときには、プルアップ抵抗MR3により+5.2V側へ引き上げられた電圧がトランジスタMTR0のベース端子に印加されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御I/Oポート4100bの入力ピンPA0に入力される。一方、RAMクリアスイッチ4100eが操作されているときには、トランジスタMTR0のベース端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗MR6により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御I/Oポート4100bの入力ピンPA0に入力される。
[8−4−2.停電予告信号が入力される回路]
払出制御基板4110における停電監視回路4110bからの停電予告信号は、図108に示すように、プルアップ抵抗MR7により+12V側へ引き上げられているとともに、抵抗MR8を介して、トランジスタMTR1のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR1のベース端子は、抵抗MR8と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗MR9と電気的に接続されている。トランジスタMTR1のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタMTR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗MR10により+5.2V側へ引き上げられて主制御I/Oポート4100bの入力ポートPAの入力ピンPA1と電気的に接続されている。停電予告信号を出力する停電監視回路4110bは、エミッタ端子がグランドに接地されたオープンコレクタ出力タイプとして構成されており、プルアップ抵抗MR7により+12V側へ引き上げられている。これにより、停電予告信号が入力されていないときには、プルアップ抵抗MR7により+12V側へ引き上げられる一方、停電予告信号が入力されているときには、グランド側へ引き下げられる。
トランジスタMTR1、抵抗MR8,MR9から構成される回路は、スイッチ回路であり、停電予告信号が入力されていないときには、プルアップ抵抗MR7により+5.2V側へ引き上げられた電圧がトランジスタMTR1のベース端子に印加されることでトランジスタMTR1がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR1のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなった停電予告信号1が主制御I/Oポート4100bの入力ピンPA1に入力される。一方、停電予告信号が入力されているときには、トランジスタMTR1のベース端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられることでトランジスタMTR1がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR1のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗MR10により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなった停電予告信号1が主制御I/Oポート4100bの入力ピンPA1に入力される。
なお、RAMクリアスイッチ4100eからの検出信号は、プルアップ抵抗MR3により+5.2V側へ引き上げられているのに対して、停電予告信号は、プルアップ抵抗MR7により+12V側へ引き上げられている。これは、RAMクリアスイッチ4100eからの検出信号が主制御基板4100に入力されているのに対して、停電予告信号が払出制御基板4110を介して入力されているためである。つまり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5.2Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。これにより、主制御基板4100に入力される、一般入賞口スイッチ3020、上始動口スイッチ3022、及び下始動口スイッチ2109からの検出信号は、RAMクリアスイッチ4100eからの検出信号と同様に、プルアップ抵抗により+5.2V側へ引き上げられる一方、図98に示したパネル中継端子板4161を介して入力される、磁気検出スイッチ304、カウントスイッチ2110、一般入賞口スイッチ3020、及びゲートスイッチ2352からの検出信号は、払出制御基板4110からの停電予告信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられている。
[8−5.主制御I/Oポート等の各種入出力信号]
次に、主制御MPU4100a及び主制御I/Oポート4100bの各種入出力信号について説明する。主制御I/Oポート4100bのデータ入出力端子D0〜D7は、主制御MPU4100aのデータ入出力端子D0〜D7と、データバスを介して各種情報や各種信号のやり取りを行う。
主制御MPU4100aのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図98に示した払出制御基板4110からのシリアルデータが払主シリアルデータ受信信号として入力される。一方、主制御MPU4100aのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板4110に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号として出力し、TXB端子から、図98に示した周辺制御基板4140に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号として出力する。
主制御I/Oポート4100bの入力ポートPAの入力ピンPA2には、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板4110からの払主ACK信号が上述した主制御入力回路4100cを介して入力され、入力ポートPAの他の入力ピンやポートPB〜PEのうち、入力ポートに設定されているポートの入力ピンには、例えば、図98に示した上始動口スイッチ3022等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路4100cを介して入力されている。主制御I/Oポート4100bに入力された各種検出信号は、データバスを介して主制御MPU4100aに入力される。
一方、主制御MPU4100aは、データバスを介して主制御I/Oポート4100bの出力ポートPBの出力ピンPB0から上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号を出力し、ポートPB〜PEのうち、出力ポートに設定されているポートの出力ピンから、例えば、図98に示した、始動口ソレノイド2105への駆動信号を、主制御ソレノイド駆動回路4100dを介して、出力したり、図98に示した上特別図柄表示器1185等の各種表示器に駆動信号を出力したりする。
[8−6.主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路]
次に、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について、図109を参照して説明する。主制御基板4100は、図105に示した電源基板851からの+12V、及び+5.2Vが払出制御基板4110を介して供給されている。主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5.2Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、図109に示すように、主制御基板4100には、通信用インターフェース回路として、プルアップ抵抗MR20、抵抗MR21,MR22、お及びトランジスタMTR20を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板4140には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されている。)を主として構成されている。
主制御基板4100のダイオードMD20のアノード端子には、電源基板851から供給される+12Vが払出制御基板4110を介して印加されて、ダイオードMD20のカソード端子が、マイナス端子がグランドと接地された電解コンデンサMC20(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD20のカソード端子は、電解コンデンサMC20のプラス端子と電気的に接続されるほかに、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、図105に示した電源基板851からの電力が払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC20に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
ここで、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図108に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5.2Vとして印加されるため、この印加される+5.2Vにより主制御MPU4100aから周辺制御基板4140への送信される主周シリアルデータ送信信号は、少なくとも、主制御MPU4100aに内蔵された主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされた主周シリアルデータが送信完了することができるようになっている。主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5.2Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。つまり、停電又は瞬停が発生した場合に、主制御MPU4100aは、そのシリアル送信部の送信バッファレジスタにセットされた主周シリアルデータを送信完了することができるものの、この主周シリアルデータを制御基準電圧である+5.2Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号がトランジスタMTR20のベース端子に入力されても、+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号をトランジスタMTR20のコレクタ端子から出力することができない。そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC20に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるため、主制御MPU4100aのシリアル送信部の送信バッファレジスタにセットされた主周シリアルデータを、トランジスタMTR20のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を出力することができるようになっている。これにより、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく周辺制御基板4140で確実に受信されるようになっている。なお、本実施形態では、主制御MPU4100aに内蔵された主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ4100aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU4100aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10、そしてその配線(ハーネス)を介して、主制御基板4100のトランジスタMTR20のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板4140の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図108に示した主制御MPU4100aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、プルアップ抵抗MR20により+5.2V側に引き上げられているとともに、抵抗MR21を介して、トランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR21と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗MR22と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランドと接地されている。
抵抗MR21,MR22、及びトランジスタMTR20から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗MR20より+5.2V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板4140のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板851から供給される+5.2Vが払出制御基板4110、そして主制御基板4100を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランドと接地された電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるほかに、フォトカプラAICの電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランドに接地され、フォトカプラAICのコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5.2V側に引き上げられて周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851からの電力が払出制御基板4110、そして主制御基板4100を介して周辺制御基板4140に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5.2VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5.2Vが印加されることにより、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、少なくとも、主制御MPU4100aに内蔵された主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板4140で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5.2Vに引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される一方、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗MR20より+5.2V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
このように、本実施形態では、主制御フィルタ回路部4100gを介して各種電子部品に供給される+5.2V、つまり電源基板851の+5.2V作成回路851dが作成する基準制御電圧である+5.2Vが印加される+5.2V電源ラインと、ダイオードM20を介して印加される+12V、つまり+12V作成回路851fが作成する+12Vが通信制御電圧として印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して基準制御電圧及び通信制御電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU4100aに内蔵された主周シリアル送信ポート4100aeに対しては、+5.2V電源ラインと、主制御フィルタ回路部4100gの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5.2V電源ラインから印加される基準制御電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路部4100gの電解コンデンサMC2のプラス端子からの基準制御電圧が印加されることによって、基準制御電圧が印加された状態を維持することができるようになっているし、プルアップ抵抗MR20、抵抗MR21,MR22、及びトランジスタMTR20から構成されるインターフェース回路に対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信制御電圧としてダイオードM20のアノード端子に印加され、このダイオードMD20のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC20のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD20を介して印加される通信制御電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC20のプラス端子からの通信制御電圧が印加されることによって、通信制御電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板4140は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。したがって、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU4100aに内蔵された主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべて、プルアップ抵抗MR20、抵抗MR21,MR22、及びトランジスタMTR20から構成されるインターフェース回路を介して、周辺制御基板4140へ送信完了することができるように、電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC20の静電容量として220μFが設定されている。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路を介して周辺制御基板4140へ送信完了することができるため、周辺制御基板4140は、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
[9.払出制御基板の回路]
次に、図99に示した払出制御基板4110の回路等について、図110〜図114を参照して説明する。図110は停電監視回路を示す回路図であり、図111は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図112は払出制御入力回路を示す回路図であり、図113はCRユニット入出力回路を示す回路図であり、図114は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、停電監視回路4110bについて説明し、続いて払出制御フィルタ回路4110a、払出制御部4120部の回路、主制御基板4100との各種入出力信号、及び外部端子板784への各種出力信号について説明する。
[9−1.停電監視回路]
払出制御基板4110は、図105に示したように、電源基板851から+24V、+12V、及び+5.2Vが供給されており、+24V、及び+12Vが停電監視回路4110bに入力されている。停電監視回路4110bは、+24V、及び+12Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、払出制御部4120の払出制御MPU4120aのほかに、主制御MPU4100aに出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視について説明する。
[9−1−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路4110bは、図110に示すように、シャント式安定化電源回路PIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータPIC21、DタイプフリップフロップPIC22、トランジスタPTR20(本実施形態では、2SC1815)を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路PIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、+5.2Vが抵抗PR20を介して印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗PR20により制限されている。K端子は、コンパレータPIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力している。このリファレンス電圧Vrefは、グランドと接地されたコンデンサPC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC20は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、シャント式安定化電源回路PIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータPIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(PIC21A)は+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いられており、+端子に+24Vの監視電圧V1が入力され、−端子にリファレンス電圧Vrefが入力されている。残りの1つ(PIC21B)は+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いられており、+端子に+12Vの監視電圧V2が入力され、−端子にリファレンス電圧Vrefが入力されている。これらの比較結果はDタイプフリップフロップPIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップPIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(PIC22A)を本実施形態に用いている。なお、コンパレータPIC21の電源端子であるVcc端子に入力される+5.2Vは、グランドと接地されたコンデンサPC21によりリップルが除去されて平滑化されている。また、DタイプフリップフロップPIC22に入力される+5.2Vは、グランドと接地されたコンデンサPC22によりリップルが除去されて平滑化されている。
[9−1−2.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータPIC21のPIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vは、図110に示すように、抵抗PR21,PR22による抵抗比によって電圧が分配され、グランドと接地されたコンデンサPC23によりリップルが除去されてPIC21Aの+端子に入力されている(コンデンサPC23は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。抵抗PR21,PR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、その結果として論理がLOWとなるものの、コンパレータPIC21が上述したようにオープンコレクタ出力タイプであるため、プルアップ抵抗PR23により+5.2V側へ引き上げられ、その論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサPC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップPIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される(コンデンサPC24は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。このPR端子が負論理入力であるため、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きいときには、DタイプフリップフロップPIC22の出力端子である1Q端子から、図99に示した払出制御部4120の払出制御I/Oポート4120bに停電予告信号1が出力されない。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、その結果として論理がHIとなるものの、コンパレータPIC21がオープンコレクタ出力タイプであるため、その論理がLOWとなり、グランドと接地されたコンデンサPC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップPIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さいときには、DタイプフリップフロップPIC22の出力端子である1Q端子から払出制御I/Oポート4120bに停電予告信号1が出力される。
[9−1−3.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータPIC21のPIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vは、図110に示すように、抵抗PR24,PR25による抵抗比によって電圧が分配され、グランドと接地されたコンデンサPC25によりリップルが除去されてPIC21Bの+端子に入力されている(コンデンサPC25は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。抵抗PR24,PR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、その結果として論理がLOWとなるものの、コンパレータPIC21が上述したようにオープンコレクタ出力タイプであるため、プルアップ抵抗PR23により+5.2V側へ引き上げられ、その論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサPC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップPIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きいときには、DタイプフリップフロップPIC22の出力端子である1Q端子から、図99に示した払出制御部4120の払出制御I/Oポート4120bに停電予告信号1が出力されない。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、その結果として論理がHIとなるものの、コンパレータPIC21がオープンコレクタ出力タイプであるため、論理がLOWとなり、グランドと接地されたコンデンサPC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップPIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さいときには、DタイプフリップフロップPIC22の出力端子である1Q端子から払出制御I/Oポート4120bに停電予告信号1が出力される。
なお、DタイプフリップフロップPIC22の出力端子である1Q端子は、抵抗PR26を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は、抵抗PR26と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗PR27と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、図108に示した、主制御入力回路4100cのプルアップ抵抗MR7と電気的に接続されることより、1Q端子から出力する信号を+12V側へ引き上げて停電予告信号として主制御基板4100へ伝えている。つまり、トランジスタPTR20は、エミッタ端子がグランドに接地されたオープンコレクタ出力タイプとして構成されている。このように、DタイプフリップフロップPIC22の出力端子である1Q端子と払出制御I/Oポート4100bの入力端子との端子間においては、DタイプフリップフロップPIC22と払出制御I/Oポート4100bとが払出制御基板4110に実装されているため、制御基準電圧である+5.2Vを用いたON/OFF信号である停電予告信号1によって停電予告を行うのに対して、払出制御基板4110と主制御基板4100との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5.2Vよりも高い電圧である+12Vを用いたON/OFF信号である停電予告信号によって停電予告を行っている。
また、DタイプフリップフロップPIC22のクリア端子であるCLR端子には、図99に示した払出制御部4120の払出制御MPU4120aから、払出制御I/Oポート4210bを介して、停電クリア信号が入力されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、払出制御MPU4120aからの停電クリア信号は、払出制御I/Oポート4210bを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップPIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、払出制御MPU4120aからの停電クリア信号の出力が停止されると、払出制御I/Oポート4210bを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップPIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。なお、D入力端子である1D端子、クロック入力端子である1CK端子、接地端子であるGND端子は、グランドと接地されている。また、1Q端子の論理を反転した負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−2.払出制御フィルタ回路]
払出制御フィルタ回路4110aは、図111に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0は、その1番端子に図105に示した電源基板851からの+5.2Vが印加され、その2番端子がグランドと接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5.2Vが出力されている。1番端子に印加される+5.2Vは、グランド(GND)と接地された電解コンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5.2Vは、グランドと接地された、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2により、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5.2Vは、外部WDT4120cの電源端子であるVcc端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU4120aの電源端子であるVDD端子、払出制御I/Oポート4120bの電源端子であるVCC端子等にそれぞれ印加されている。
払出制御MPU4120aのVDD端子はグランドと接地されたコンデンサPC3と電気的に接続され、払出制御I/Oポート4120bのVCC端子はグランドと接地されたコンデンサPC4と電気的に接続されており、VDD端子及びVCC端子に入力される+5.2Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU4120aの接地端子であるVSS端子はグランドと接地され、払出制御I/Oポート4120bの接地端子であるGND端子はグランドと接地されている。
また、払出制御MPU4120aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、グランドと接地されたコンデンサPC5と電気的に接続されている。この払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC5と電気的に接続されるほかに、抵抗PR0を介して、図105に示した電源基板851のキャパシタBC1の+端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5.2Vは、払出制御MPU4120aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1の+端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図105に示した電源基板851の+5.2V作成回路851dからの電力が払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4120aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[9−3.払出制御部の回路]
払出制御部4120は、図111〜図113に示すように、払出制御MPU4120a、払出制御I/Oポート4120b、外部WDT4120c、払出モータ駆動回路4120d、払出制御入力回路4120e、CRユニット入出力回路4120fのほかに、周辺回路として、払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず外部WDT4120cについて説明し、続いて払出制御水晶発振器PX0、払出モータ駆動回路4120d、払出制御入力回路4120e、CRユニット入出力回路4120f、主制御I/Oポート等の各種入出力信号、払出制御I/Oポート等の各種入出力信号について説明する。
[9−3−1.外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)]
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5.2Vは、図111に示すように、外部WDT4120cの電源端子であるVcc端子に印加されている。外部WDT4120cは、払出制御MPU4120aにリセットをかけるものであり、ウォッチドックタイマが内蔵されている。外部WDT4120cは、Vcc端子に入力された+5.2Vの電圧を監視する機能と、払出制御MPU4120aが正常に動作しているか否かを監視する機能と、を有しており、Vcc端子に入力された+5.2Vの電圧がしきい値(本実施形態では、4.2Vに設定されている。)に達すると、負論理RESET端子からリセット信号を出力したり、払出制御MPU4120aから払出制御I/Oポート4120bを介して外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にCK端子に入力されないと、負論理RESET端子からリセット信号を出力したりする。
外部WDT4120cのTC端子はグランドと接地されたコンデンサPC6が電気的に接続されており、外部WDT4120cのRCT端子は+5.2V側へ引き上げられたプルアップ抵抗PR1が電気的に接続されている。上述したクリア信号解除時間は、コンデンサPC6の容量と、プルアップ抵抗PR1の抵抗値と、によって設定することができる。なお、本実施形態では、クリア信号解除時間として払出制御MPU4120aの割り込みタイマ(1.75ms)の20回分に相当する時間35ms(=1.75ms×20回)が設定されている。
外部WDT4120cの負論理RESET端子は、払出制御MPU4120aのリセット端子であるRST0端子、及び払出制御I/Oポート4120bのリセット端子であるRESETN端子と電気的に接続されている。負論理RESET端子はオープンコレクタ出力タイプであり、プルアップ抵抗PR2により+5.2V側へ引き上げられている。この+5.2V側へ引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサPC7によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサPC7は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。負論理RESET端子は、Vcc端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなって払出制御MPU4120aのRST0端子、及び払出制御I/Oポート4120bのRESETN端子に入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなって払出制御MPU4120aのRST0端子、及び払出制御I/Oポート4120bのRESETN端子に入力される。
また負論理RESET端子は、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONからOFFに切り替わって外部WDTクリア信号が解除されたときにはプルアップ抵抗PR2により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなって払出制御MPU4120aのRST0端子、及び払出制御I/Oポート4120bのRESETN端子に入力される一方、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONされたまま外部WDTクリア信号が解除されなかったときには論理がLOWとなって払出制御MPU4120aのRST0端子、及び払出制御I/Oポート4120bのRESETN端子に入力される。
払出制御MPU4120aのRST0端子、及び払出制御I/Oポート4120bのRESETN端子は負論理入力であるため、Vcc端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となったり、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONされたまま外部WDTクリア信号が解除されなかったときには、払出制御MPU4120a及び払出制御I/Oポート4120bにリセットがかかる。なお、外部WDT4120cのVs端子には、グランドと接地されたコンデンサPC8が電気的に接続されており、Vcc端子にはグランドと接地されたコンデンサPC9が電気的に接続されている。このコンデンサPC9によってVcc端子に入力される+5.2Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、外部WDT4120cの接地端子であるGND端子はグラントと接地されており、外部WDT4120cの正論理RESET端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−3−2.払出制御水晶発振器]
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5.2Vは、図111に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、グランドと接地されたコンデンサPC10と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5.2Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5.2Vは、VCC端子のほかに、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも入力されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5.2Vが入力されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラントと接地されている。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU4120aのクロック端子であるMCLK端子、及び払出制御I/Oポート4120bのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU4120a、及び払出制御I/Oポート4120bに入力されている。
[9−3−3.払出モータ駆動回路]
払出モータ駆動回路4120dは、図111に示すように、ドライブPIC1を主として構成されている。このドライブPIC1は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、エミッタ端子をグランドと接地させ、ベース端子に払出モータ駆動信号が入力されると、対応するコレクタ端子から励磁信号である駆動パルスが出力されるようになっている。
図105に示した電源基板851から供給された+24Vは、図111に示すように、ツェナーダイオードPZD0を介してドライブPIC1のカソード端子に入力されている。ツェナーダイオードPZD0のアノード端子は+24Vと電気的に接続されており、ツェナーダイオードPZD0のカソード端子がドライブPIC1のカソード端子と電気的に接続されている。ドライブPIC1のカソード端子に入力された+24Vは、払出モータ744の駆動電源となる。ドライブPIC1のベース端子は、払出制御I/Oポート4120bの出力ポートPCの出力ピンPC0〜PC3と電気的に接続されており、出力ピンPC0〜PC3から出力された払出モータ駆動信号に応じて対応するコレクタ端子から励磁信号である駆動パルスが抵抗PR3〜PR6、そして図99に示した賞球ケース内基板754を介して払出モータ744の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力される。これらの駆動パルスは、払出モータ744の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ744を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブPIC1の耐圧を超えると、ドライブPIC1が破損するため、保護として、ドライブPIC1のカソード端子と、ツェナーダイオードPZD0のカソード端子と、が電気的に接続されている。
[9−3−4.払出制御入力回路]
払出制御入力回路4120eは、図99に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、エラー解除スイッチ860a、球抜きスイッチ860bからの検出信号が入力される回路である。まず、扉枠開放スイッチ618からの検出信号が入力される回路について説明し、続いて本体枠開放スイッチ619からの検出信号が入力される回路、エラー解除スイッチ860aからの検出信号が入力される回路、球抜きスイッチ860bからの検出信号が入力される回路について説明する。
[9−3−4(a).扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、扉枠5が本体枠3から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の一端は、図112に示すように、図105に示した電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して印加されており、扉枠開放スイッチ618の他端は、抵抗PR30、そして抵抗PR31を介して、トランジスタPTR30のベース端子と電気的に接続されている。抵抗PR30と抵抗PR31との接続間には、グランドと接地された抵抗PR32と、グランドと接地された電解コンデンサPC30と、が電気的に接続されている。トランジスタPTR30のベース端子は、抵抗PR31と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗PR33と電気的に接続されている。トランジスタPTR30のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタPTR30のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR34により+5.2V側へ引き上げられて、抵抗PR35を介してトランジスタPTR31のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR36を介してトランジスタPTR32のベース端子と電気的に接続されている。
トランジスタPTR31のベース端子は、抵抗PR35と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗PR37と電気的に接続されている。トランジスタPTR31のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタPTR31のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR38により+5.2V側へ引き上げられて図111に示した払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPA,PEのうち予め定めた入力ピンと電気的に接続されている。トランジスタPTR31がON/OFFすることによりトランジスタPTR31のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。
一方、トランジスタPTR32のベース端子は、抵抗PR36と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗PR39と電気的に接続されている。トランジスタPTR32のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタPTR32のコレクタ端子は、図98に示した主制御基板4100と電気的に接続されており、トランジスタPTR32は、エミッタ端子がグランドに接地されたオープンコレクタ出力タイプとして構成されている。トランジスタPTR32のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、主制御基板4100に設けた図示しないプルアップ抵抗と電気的に接続されており、このプルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられている。トランジスタPTR32がON/OFFすることによりトランジスタPTR32のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が枠開放情報出力信号として主制御基板4100に入力される。
抵抗PR30,PR32、及び電解コンデンサPC30から構成される回路は、扉枠5が本体枠3から開放される際に、又は扉枠5が本体枠3に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収するためのチャタリング防止回路である。
抵抗PR31,PR33、及びトランジスタPTR30から構成される回路は、扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFする初段のスイッチ回路であり、抵抗PR35,PR37、及びトランジスタPTR31から構成される回路は、初段のスイッチ回路からのON/OFF信号によりON/OFFすることで扉開放信号を払出制御I/Oポート4120bに出力する最終段のスイッチ回路であり、抵抗PR36,PR39、及びトランジスタPTR32から構成される回路は、初段のスイッチ回路からのON/OFF信号によりON/OFFすることで枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力する最終段のスイッチ回路である。
扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、扉枠開放スイッチ618を介して供給される+12Vがチャタリング防止回路でチャタリングが吸収されて初段のスイッチ回路を構成するトランジスタPTR30のベース端子に印加されることでトランジスタPTR30がONし、初段のスイッチ回路がONすることとなる。初段のスイッチ回路がONすると、トランジスタPTR30のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられるため、最終段のスイッチ回路を構成するトランジスタPTR31,PTR32のベース端子に印加される電圧もグランド側へ引き下げられることでトランジスタPTR31,PTR32がOFFし、最終段のスイッチ回路も共にOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR31のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR38により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに出力し、トランジスタPTR32のコレクタ端子に印加される電圧が主制御基板4100に設けたプルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられて論理がHIとなった枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力することとなる。
一方、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、+12Vが扉枠開放スイッチ618で遮断されて初段のスイッチ回路を構成するトランジスタPTR30のベース端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられることでトランジスタPTR30がOFFし、初段のスイッチ回路がOFFすることとなる。初段のスイッチ回路がOFFすると、トランジスタPTR30のコレクタ端子に印加され電圧がプルアップ抵抗PR34により+5.2V側へ引き上げられるため、この電圧が最終段のスイッチ回路を構成するトランジスタPTR31,PTR32のベース端子に印加されることでトランジスタPTR31,PTR32がONし、最終段のスイッチ回路も共にONすることとなる。これにより、トランジスタPTR31のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに出力し、トランジスタPTR32のコレクタ端子に印加される電圧が引き下げられて論理がLOWとなった枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力することとなる。
このように、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、初段のスイッチ回路がONするとともに、最終段のスイッチ回路が共にOFFすることとなり、論理がHIとなった扉枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに出力し、論理がHIとなった枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力する一方、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、初段のスイッチ回路がOFFするとともに、最終段のスイッチ回路が共にONすることとなり、論理がLOWとなった扉枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに出力し、論理がLOWとなった枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力する。
[9−3−4(b).本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、本体枠3が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の一端は、図112に示すように、図105に示した電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して印加されており、本体枠開放スイッチ619の他端は、抵抗PR40、そして抵抗PR41を介して、トランジスタPTR33のベース端子と電気的に接続されている。抵抗PR40と抵抗PR41との接続間には、グランドと接地された抵抗PR42と、グランドと接地された電解コンデンサPC31と、が電気的に接続されている。トランジスタPTR33のベース端子は、抵抗PR41と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗PR43と電気的に接続されている。トランジスタPTR33のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタPTR33のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR44により+5.2V側へ引き上げられて、抵抗PR45を介してトランジスタPTR34のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR46を介してトランジスタPTR35のベース端子と電気的に接続されている。
トランジスタPTR34のベース端子は、抵抗PR45と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗PR47と電気的に接続されている。トランジスタPTR34のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタPTR34のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR48により+5.2V側へ引き上げられて図111に示した払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPA,PEのうち予め定めた入力ピンと電気的に接続されている。トランジスタPTR34がON/OFFすることによりトランジスタPTR34のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が本体枠開放信号として払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。
一方、トランジスタPTR35のベース端子は、抵抗PR46と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗PR49と電気的に接続されている。トランジスタPTR35のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタPTR35のコレクタ端子は、トランジスタPTR32のコレクタ端子と電気的に接続されるほか、図98に示した主制御基板4100と電気的に接続されており、トランジスタPTR35は、エミッタ端子がグランドに接地されたオープンコレクタ出力タイプとして構成されている。トランジスタPTR35のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、主制御基板4100に設けた図示しないプルアップ抵抗と電気的に接続されており、このプルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられている。トランジスタPTR35がON/OFFすることによりトランジスタPTR35のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が枠開放情報出力信号として主制御基板4100に入力される。この枠開放情報出力信号は、トランジスタPTR35のコレクタ端子から出力されるほか、トランジスタPTR32のコレクタ端子からも出力されるようになっており、トランジスタPTR35のコレクタ端子と、トランジスタPTR32のコレクタ端子と、によってOR回路が構成されている。
抵抗PR40,PR42、及び電解コンデンサPC31から構成される回路は、本体枠3が外枠2から開放される際に、又は本体枠3が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収するためのチャタリング防止回路である。
抵抗PR41,PR43、及びトランジスタPTR33から構成される回路は、本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFする初段のスイッチ回路であり、抵抗PR45,PR47、及びトランジスタPTR34から構成される回路は、初段のスイッチ回路からのON/OFF信号によりON/OFFすることで本体枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bに出力する最終段のスイッチ回路であり、抵抗PR46,PR49、及びトランジスタPTR35から構成される回路は、初段のスイッチ回路からのON/OFF信号によりON/OFFすることで枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力する最終段のスイッチ回路である。
本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、本体枠開放スイッチ619を介して供給される+12Vがチャタリング防止回路でチャタリングが吸収されて初段のスイッチ回路を構成するトランジスタPTR33のベース端子に印加されることでトランジスタPTR33がONし、初段のスイッチ回路がONすることとなる。初段のスイッチ回路がONすると、トランジスタPTR33のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられるため、最終段のスイッチ回路を構成するトランジスタPTR34,PTR35のベース端子に印加される電圧もグランド側へ引き下げられることでトランジスタPTR34,PTR35がOFFし、最終段のスイッチ回路も共にOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR34のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR48により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなった本体枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに出力し、トランジスタPTR35のコレクタ端子に印加される電圧が主制御基板4100に設けたプルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられて論理がHIとなった枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力することとなる。
一方、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、+12Vが本体枠開放スイッチ619で遮断されて初段のスイッチ回路を構成するトランジスタPTR33のベース端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられることでトランジスタPTR33がOFFし、初段のスイッチ回路がOFFすることとなる。初段のスイッチ回路がOFFすると、トランジスタPTR33のコレクタ端子に印加され電圧がプルアップ抵抗PR44により+5.2V側へ引き上げられるため、この電圧が最終段のスイッチ回路を構成するトランジスタPTR34,PTR35のベース端子に印加されることでトランジスタPTR34,PTR35がONし、最終段のスイッチ回路も共にONすることとなる。これにより、トランジスタPTR34のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなった本体枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに出力し、トランジスタPTR35のコレクタ端子に印加される電圧が引き下げられて論理がLOWとなった枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力することとなる。
このように、本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、初段のスイッチ回路がONするとともに、最終段のスイッチ回路が共にOFFすることとなり、論理がHIとなった本体枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに出力し、論理がHIとなった枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力する一方、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、初段のスイッチ回路がOFFするとともに、最終段のスイッチ回路が共にONすることとなり、論理がLOWとなった本体枠開放信号を払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに出力し、論理がLOWとなった枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力する。
本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、短絡時にでも例えば枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力することができため、図98に示した、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、扉枠5が本体枠3から開放された状態や本体枠3が外枠2から開放された状態を判断することができる。
なお、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618’、本体枠開放スイッチ619’)に替えると、扉枠開放スイッチ618’は、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619’は、本体枠3が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、扉枠開放スイッチ618’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、本体枠開放スイッチ619’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618’、本体枠開放スイッチ619’をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも例えば枠開放情報出力信号を主制御基板4100に出力することができ、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、扉枠5が本体枠3から開放された状態や本体枠3が外枠2から開放された状態を判断することができる。
[9−3−4(c).エラー解除スイッチからの検出信号が入力される回路]
エラー解除スイッチ860aの出力ピンとしての1番ピンは、図112に示すように、プルアップ抵抗PR50により+5.2V側へ引き上げられて、図111に示す払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPAの入力ピンPA0と電気的に接続されている。エラー解除スイッチ860aの1番ピンは2番ピンと電気的に接続され、3番ピン及び4番ピンはグランドと接地されている。これにより、エラー解除スイッチ860aが操作されていないときには、1番ピン及び2番ピンがプルアップ抵抗PR50により+5.2V側へ引き上げられる一方、エラー解除スイッチ860aが操作されているときには、1番ピン及び2番ピンが3番ピン及び4番ピンと電気的に接続されることによりグランド側へ引き下げられる。
エラー解除スイッチ860aは、払出制御I/Oポート4120bの入力ピンPA0と電気的に接続されるほかに、グランドと接地されたコンデンサPC32によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサPC32は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。エラー解除スイッチ860aが操作されていないときには、プルアップ抵抗PR50により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなったエラー解除検出信号が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンPA0に入力される一方、エラー解除スイッチ860aが操作されているときには、論理がLOWとなったエラー解除検出信号が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンPA0に入力される。
[9−3−4(d).球抜きスイッチからの検出信号が入力される回路]
球抜きスイッチ860bの出力ピンとしての1番ピンは、図112に示すように、プルアップ抵抗PR51により+5.2V側へ引き上げられて、図111に示す払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPAの入力ピンPA1と電気的に接続されている。球抜きスイッチ860bの1番ピンは2番ピンと電気的に接続され、3番ピン及び4番ピンはグランドと接地されている。これにより、球抜きスイッチ860bが操作されていないときには、1番ピン及び2番ピンがプルアップ抵抗PR51により+5.2V側へ引き上げられる一方、球抜きスイッチ860bが操作されているときには、1番ピン及び2番ピンが3番ピン及び4番ピンと電気的に接続されることによりグランド側へ引き下げられる。
球抜きスイッチ860bは、払出制御I/Oポート4120bの入力ピンPA1と電気的に接続されるほかに、グランドと接地されたコンデンサPC33によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサPC33は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。球抜きスイッチ860bが操作されていないときには、プルアップ抵抗PR51により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなった球抜き検出信号が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンPA1に入力される一方、球抜きスイッチ860bが操作されているときには、論理がLOWとなった球抜き検出信号が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンPA1に入力される。
[9−3−5.CRユニット入出力回路]
次に、図100に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路4120fについて説明する。払出制御基板4110は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図100に示した電源基板851から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される一方、払出制御基板4110から、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図113に示すように、フォトカプラPIC60〜PIC64(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR60を介して、フォトカプラPIC60のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC60のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC60の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC60のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC60がONする一方、フォトカプラPIC60のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC60がOFFするようになっている。フォトカプラPIC60のエミッタ端子は、グランドと接地され、フォトカプラPIC60のコレクタ端子は、抵抗PR61を介してトランジスタPTR60のベース端子と電気的に接続されるほかに、図示しないコネクタから配線(ハーネス)を介して発射制御基板4130と電気的に接続されており、外部出力信号として発射許可停止信号を出力することができるようになっている。フォトカプラPIC60のコレクタ端子は、抵抗PR61と電気的に接続されるほかに、+5.2V側へ引き上げられたプルアップ抵抗R63と電気的に接続されている。
トランジスタPTR60のベース端子は、抵抗PR61と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗PR64と電気的に接続されている。トランジスタPTR60のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタPTR60のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR65により+5.2V側へ引き上げられて図111に示した払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPA,PEのうち予め定めた入力ピンと電気的に接続されている。トランジスタPTR60がON/OFFすることによりトランジスタPTR60のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。
抵抗PR61,PR64、及びトランジスタPTR60から構成される回路は、スイッチ回路であり、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC60のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC60がOFFし、プルアップ抵抗PR63により引き上げられた電圧がトランジスタPTR60のベース端子に印加されることでトランジスタPTR60がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR60のコレクタ端子に印加される電圧は、グランド側へ引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC60のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC60がONし、トランジスタPTR60のベース端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられることでトランジスタPTR60がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR60のコレクタ端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗PTR65により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。
フォトカプラPIC60のコレクタ端子は、抵抗PR61を介してトランジスタPTR60のベース端子と電気的に接続されるほかに、図示しないコネクタから配線(ハーネス)を介して発射制御基板4130と電気的に接続されているため、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC60のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC60がOFFし、プルアップ抵抗PR63により+5.2V側へ引き上げられた電圧が図示しないコネクタと電気的に接続された発射制御基板4130への配線(ハーネス)に印加されることで論理がHIとなった発射許可停止信号が発射制御基板4130に入力される。一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC60のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC60がONし、フォトカプラPIC60によりグランド側へ引き下げられた電圧が図示しないコネクタと電気的に接続された発射制御基板4130への配線(ハーネス)に印加されることで論理がLOWとなった発射許可停止信号が発射制御基板4130に入力される。
なお、本実施形態では、上述したように、払出制御基板4110と発射制御基板4130とが払出制御基板ボックス860に共に収容されているため、払出制御基板4110と発射制御基板4130とが払出制御基板ボックス860により封印されるとともに、払出制御基板4110と発射制御基板4130との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)を短くすることができるため、払出制御基板4110と発射制御基板4130との基板間において信号を伝送する際に、+12Vの電位まで引き上げて、論理のHI,LOWにより払出制御基板4110から発射制御基板4130への信号(発射許可停止信号)を伝える制御方式を採用することなく、+5.2Vという+12Vより低い電位を採用して実現している。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC60のアノード端子のほかに、抵抗PR68を介して、フォトカプラPIC61のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC61のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR68は、フォトカプラPIC61の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC61のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC61がONする一方、フォトカプラPIC61のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC61がOFFするようになっている。フォトカプラPIC61のエミッタ端子は、グランドと接地され、フォトカプラPIC61のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR69により+5.2V側へ引き上げられて払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPA,PEのうち予め定めた入力ピンと電気的に接続されている。フォトカプラPIC61がON/OFFすることによりフォトカプラPIC61のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。
フォトカプラPIC61のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC61がONするため、フォトカプラPIC61のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。一方、フォトカプラPIC61のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC61がOFFするため、フォトカプラPIC61のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR69により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。このように、フォトカプラPIC61のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC60のアノード端子、及びフォトカプラPIC61のアノード端子のほかに、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC62のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC62のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR70は、フォトカプラPIC62の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC62のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC62がONする一方、フォトカプラPIC62のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC62がOFFするようになっている。フォトカプラPIC62のエミッタ端子は、グランドと接地され、フォトカプラPIC62のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR71により+5.2V側へ引き上げられて払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPA,PEのうち予め定めた入力ピンと電気的に接続されている。フォトカプラPIC62がON/OFFすることによりフォトカプラPIC62のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。
フォトカプラPIC62のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC62がONするため、フォトカプラPIC62のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。一方、フォトカプラPIC62のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC62がOFFするため、フォトカプラPIC62のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR71により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御I/Oポート4120bの入力ピンに入力される。このように、フォトカプラPIC62のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
図111に示した、払出制御I/Oポート4120bの出力ポートPBの出力ピンPB0から出力されるEXS信号は、抵抗PR72を介して、フォトカプラPIC63のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC63のアノード端子は、抵抗PR73を介して、+12Vが印加されている。抵抗PR73は、フォトカプラPIC63の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC63のアノード端子に抵抗PR73を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御I/Oポート4120bからのEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC63がONする一方、フォトカプラPIC63のアノード端子に抵抗PR73を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御I/Oポート4120bからのEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC63がOFFするようになっている。フォトカプラPIC63のエミッタ端子は、フォトカプラPIC60のカソード端子とともに、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC63のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR74により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC63がON/OFFすることによりフォトカプラPIC63のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC63のアノード端子に抵抗PR73を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御I/Oポート4120bからのEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC63がONするため、フォトカプラPIC63のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC63のアノード端子に抵抗PR73を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御I/Oポート4120bからのEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC63がOFFするため、フォトカプラPIC63のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR74により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC63のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御I/Oポート4120bからのEXS信号の論理と同一の論理となっている。
図111に示した、払出制御I/Oポート4120bの出力ポートPBの出力ピンPB1から出力されるPRDY信号は、抵抗PR75を介して、フォトカプラPIC64のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC64のアノード端子は、抵抗PR76を介して、+12Vが印加されている。抵抗PR76は、フォトカプラPIC64の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC64のアノード端子に抵抗PR76を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御I/Oポート4120bからのPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC64がONする一方、フォトカプラPIC64のアノード端子に抵抗PR76を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御I/Oポート4120bからのPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC64がOFFするようになっている。フォトカプラPIC64のエミッタ端子は、フォトカプラPIC60のカソード端子、及びフォトカプラPIC63のエミッタ端子とともに、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC64のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR77により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC64がON/OFFすることによりフォトカプラPIC64のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC64のアノード端子に抵抗PR77を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御I/Oポート4120bからのPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC64がONするため、フォトカプラPIC64のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC64のアノード端子に抵抗PR77を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御I/Oポート4120bからのPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC64がOFFするため、フォトカプラPIC64のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR77により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC64のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御I/Oポート4120bからのPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
[9−3−6.払出制御I/Oポートの各種入出力信号]
次に、払出制御I/Oポート4120bの各種入出力信号について説明する。払出制御I/Oポート4120bのデータ入出力端子D0〜D7は、払出制御MPU4120aのデータ入出力端子D0〜D7と、データバスを介して各種情報や各種信号のやり取りを行う。
払出制御I/Oポート4120bのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図111に示すように、主制御基板4100からのシリアルデータが主払シリアルデータ受信信号として入力されている。一方、払出制御I/Oポート4120bのシリアルデータ出力端子であるTXD端子から主制御基板4100に送信するシリアルデータが払主シリアルデータ送信信号として出力される。
払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPAの各入力ピンには、入力ピンPA0に、エラー解除スイッチ860aからのエラー解除検出信号が入力され、入力ピンPA1に、球抜きスイッチ860bからの球抜き検出信号が入力され、入力ピンPA2に、払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号が入力され、入力ピンPA3に、停電監視回路4110bからの停電予告信号1が入力されている。また払出制御I/Oポート4120bの入力ポートPA,PEの予め定めた各入力ピンには、CRユニット6からの1回の払出動作開始要求信号であるBRQ信号、CRユニット6からの貸球要求信号であるBRDY信号、及び払出制御基板4110とCRユニット6とが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号1等のCRユニット6からの各種信号、扉枠開放スイッチ618からの扉枠開放信号、本体枠開放スイッチ619からの本体枠開放信号のほかに、満タンスイッチ550からの検出信号等が入力されている。
一方、払出制御I/Oポート4120bの出力ポートPBの各出力ピンからは、出力ピンPB0から、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号が出力され、出力ピンPB1から、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号が出力され、出力ピンPB2から、停電監視回路4110bのDタイプフリップフロップPIC22のラッチ状態を解除するための停電クリア信号が出力され、出力ピンPB3から、主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号が出力され、出力ピンPB4から、外部WDT4120cへ外部WDTクリア信号が出力されている。また払出制御I/Oポート4120bの出力ポートPCの出力ピンPC0〜PC3からは、払出モータ駆動信号が出力され、払出制御I/Oポート4120bの出力ポートPDの各出力ピンからは、エラーLED表示器860cの駆動信号が出力されている。
[9−4.主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号]
次に、払出制御基板4110と主制御基板4100との各種入出力信号と、払出制御基板4110から外部端子板784への各種出力信号について、図114を参照して説明する。
[9−4−1.主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板4110は、主制御基板4100と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図114(a)に示すように、払出制御基板4110は、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、停電予告信号、枠開放情報出力情報等を、主制御基板4100に出力する。一方、払出制御基板4110は、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、RAMクリア信号のほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号を、主制御基板4100から入力される。
[9−4−2.外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板4110は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図114(b)に示すように、扉枠開放信号、本体枠開放信号のほかに、図71に示した払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数を示す賞球数情報出力信号、主制御基板4100から払出制御基板4110を介して、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号に加えて、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号等を、外部端子板784に出力する。
外部端子板784は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されており、遊技者の遊技等を監視している。なお、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ遊技機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ遊技機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。またパチンコ遊技機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力することにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握することができるようになっている。したがって、ホールコンピュータは、実際にパチンコ遊技機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法のほかに、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
[10.発射制御基板の回路]
次に、図99に示した発射制御基板4130の回路等について、図115を参照して説明する。図115は発射制御基板の回路を示す回路図である。発射制御基板4130は、図99に示したように、発射制御入力回路4130a、発信回路4130b、発射タイミング回路4130c、発射ソレノイド駆動回路4130d、球送ソレノイド駆動回路4130eから構成されている。ここでは、発射制御入力回路について、図115を参照して説明し、発射タイミング回路4130c等の構成についての詳細な説明を後述する。
[10−1.発射制御入力回路]
発射制御基板4130の発射制御入力回路4130aには、図115に示すように、ハンドル装置500のタッチスイッチ516からの検出信号と、ハンドル装置500の発射停止スイッチ518からの検出信号と、がハンドル中継端子板192、そして主扉中継端子板880を介して、入力されるとともに、払出制御基板4110からの発射許可停止信号が直接入力されている。タッチスイッチ516は、上述したように、図47に示したハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れているか否かを検出し、発射停止スイッチ518は、上述したように、図47に示したハンドル装置500の単発ボタン520が操作されることにより遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出している。まず、タッチスイッチ516からの検出信号が入力される回路について説明し、続いて発射停止スイッチ518からの検出信号が入力される回路、払出制御基板4110からの発射許可停止信号が入力される回路について説明する。
[10−1−1.タッチスイッチからの検出信号が入力される回路]
タッチスイッチ516の一端は、図115に示すように、図105に示した電源基板851からの+12Vが発射制御基板4130の抵抗HR0、主扉中継端子板880、そしてハンドル中継端子板192を介して印加されており、タッチスイッチ516の他端は、ハンドル中継端子板192に設けた図示しないプルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられ、主扉中継端子板880、そして発射制御基板4130に入力され、抵抗HR1を介して、トランジスタHTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタHTR0のベース端子は、抵抗HR1と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗HR2と、グランドと接地されたコンデンサHC0と、が電気的に接続されている。トランジスタHTR0のベース端子に印加される電圧は、コンデンサHC0によりノイズが除去されて平滑化されている。トランジスタHTR0のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタHTR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗HR3により+5.2V側へ引き上げられて発射タイミング回路4130cの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタHTR0がON/OFFすることによりトランジスタHTR0のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がタッチ検出信号として発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。
抵抗HR1,HR2、及びトランジスタHTR0から構成される回路は、タッチスイッチ516からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路であり、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れていないときには、ハンドル中継端子板192に設けたプルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられた電圧がトランジスタHTR0のベース端子に印加されることでトランジスタHTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタHTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなったタッチ検出信号が発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。一方、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れているときには、トランジスタHTR0のベース端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられてトランジスタHTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタHTR0のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗HR3により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなったタッチ検出信号が発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。
[10−1−2.発射停止スイッチからの検出信号が入力される回路]
発射停止スイッチ518の一端は、図115に示すように、図105に示した電源基板851からの+12Vが発射制御基板4130の抵抗HR4、主扉中継端子板880、そしてハンドル中継端子板192を介して印加されており、発射停止スイッチ518の他端は、ハンドル中継端子板192に設けた図示しないプルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられ、主扉中継端子板880、そして発射制御基板4130に入力され、抵抗HR5を介して、トランジスタHTR1のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタHTR1のベース端子は、抵抗HR5と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗HR6と、グランドと接地されたコンデンサHC1と、が電気的に接続されている。トランジスタHTR1のベース端子に印加される電圧は、コンデンサHC1によりノイズが除去されて平滑化されている。トランジスタHTR1のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタHTR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗HR7により+5.2V側へ引き上げられて発射タイミング回路4130cの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタHTR1がON/OFFすることによりトランジスタHTR1のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が発射停止検出信号として発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。
抵抗HR5,HR6、及びトランジスタHTR1から構成される回路は、発射停止スイッチ518からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路であり、単発ボタン520が操作されていないときには、ハンドル中継端子板192に設けたプルアップ抵抗により+12V側へ引き上げられた電圧がトランジスタHTR1のベース端子に印加されることでトランジスタHTR1がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタHTR1のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなった発射停止検出信号が発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。一方、単発ボタン520が操作されているときには、トランジスタHTR1のベース端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられてトランジスタHTR1がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタHTR1のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗HR7により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなった発射停止検出信号が発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。
[10−1−3.払出制御基板からの発射許可停止信号が入力される回路]
CRユニット6からの所定電圧VLが払出制御基板4110のフォトカプラPIC60のアノード端子に印加されていないときには、上述したように、フォトカプラPIC60がOFFし、プルアップ抵抗PR63により+5.2V側へ引き上げられた電圧が図示しないコネクタと電気的に接続された発射制御基板4130への配線(ハーネス)に印加されることで論理がHIとなった発射許可停止信号が発射制御基板4130に入力される一方、CRユニット6からの所定電圧VLが払出制御基板4110のフォトカプラPIC60のアノード端子に印加されているときには、上述したように、フォトカプラPIC60がONし、フォトカプラPIC60によりグランド側へ引き下げられた電圧が図示しないコネクタと電気的に接続された発射制御基板4130への配線(ハーネス)に印加されることで論理がLOWとなった発射許可停止信号が発射制御基板4130に入力されるようになっている。
払出制御基板4110からの発射許可停止信号を伝送する配線(ハーネス)が発射制御基板4130の図示しないコネクタと電気的に接続されると、発射許可停止信号を伝送するコネクタの端子は、抵抗HR8を介して、トランジスタHTR2のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタHTR2のベース端子は、抵抗HR8と電気的に接続されるほかに、グランドと接地された抵抗HR9と、グランドと接地されたコンデンサHC2と、が電気的に接続されている。トランジスタHTR2のベース端子に印加される電圧は、コンデンサHC2によりノイズが除去されて平滑化されている。トランジスタHTR2のエミッタ端子は、グランドに接地され、トランジスタHTR2のコレクタ端子は、プルアップ抵抗HR10により+5.2V側へ引き上げられて発射タイミング回路4130cの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタHTR2がON/OFFすることによりトランジスタHTR2のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。
抵抗HR8,HR9、及びトランジスタHTR2から構成される回路は、払出制御基板4110からの発射許可停止信号によりON/OFFするスイッチ回路であり、発射許可停止信号の論理がHIであるとき、つまりCRユニット6からの所定電圧VLが払出制御基板4110のフォトカプラPIC60のアノード端子に印加されずにフォトカプラPIC60がOFFしているときには、払出制御基板4110のプルアップ抵抗PR63により+5.2V側に引き上げられた電圧が配線(ハーネス)を介して、発射制御基板4130のトランジスタHTR2のベース端子に印加されることでトランジスタHTR2がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタHTR2のコレクタ端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。一方、発射許可停止信号の論理がLOWであるとき、つまりCRユニット6からの所定電圧VLが払出制御基板4110のフォトカプラPIC60のアノード端子に印加されてフォトカプラPIC60がONしているときには、払出制御基板4110のフォトカプラPIC60によりグランド側へ引き下げられた電圧が配線(ハーネス)を介して、トランジスタHTR2のベース端子に印加される電圧がグランド側へ引き下げられてトランジスタHTR2がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタHTR2のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗HR10により+5.2V側へ引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が発射タイミング回路4130cの入力端子に入力される。
[10−2.発射ソレノイドの駆動方法]
次に、図64に示した発射ソレノイド654の駆動方法について、図116〜図119を参照して説明する。図116は発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図であり、図117はシャントレギュレータ回路、及び増幅回路を示す回路図であり、図118はDC/DCコンバータの特性を示す図であり、図119は図116の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。まず、発射ソレノイド654の駆動システムについて説明し、続いてその駆動回路の所定点における、入出力電流、出力電圧、信号の論理及び波形等について説明する。
[10−2−1.発射ソレノイドの駆動システム]
発射ソレノイド654の駆動システムは、図116に示すように、主として、発射制御基板4130の発射制御入力回路4130a、発信回路4130b、発射タイミング回路4130c、発射ソレノイド駆動回路4130d、球送ソレノイド駆動回路4130e、発射制御MPU4130g、ポジション入力回路4130m、及びレベル表示部駆動回路4130nと、発射電源基板831のDC/DCコンバータ831a、及び電解コンデンサSC0と、電源基板851の力率改善回路851b、及び平滑化回路851cと、により構成されている。
発射制御入力回路4130aは、上述したように、CRユニット6が遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110と電気的に接続されると、CRユニット6がパチンコ遊技機1から電力(AC24V)供給を受けている旨を伝える信号が入力されることにより払出制御基板4110からの発射許可停止信号が入力されてCR接続信号として発射タイミング回路4130cに出力し、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れているか否かを検出するタッチスイッチ516からの検出信号が入力されると、タッチ検出信号として発射タイミング回路4130cに出力し、遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号が入力されると、発射停止検出信号として発射タイミング回路4130cに出力する。
発射タイミング回路4130cは、発射制御入力回路4130aからのCR接続信号、タッチ検出信号、及び発射停止検出信号に基づいて、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可したり、禁止したりする。具体的には、発射タイミング回路4130cは、CRユニット6が遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110と電気的に接続されていないために発射制御基板4130の発射制御入力回路4130aにおいて発射許可停止信号が入力されなくなってCR接続信号を発射タイミング回路4130cに出力できず、発射タイミング回路4130cにCR接続信号が入力されていないという第1のケース、タッチ検出信号がハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れていない旨を伝えているという第2のケース、発射停止検出信号が遊技球の打ち出しを強制的に停止する旨を伝えているという第3のケース、のうち、1つでも該当するときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを禁止する一方、すべてに該当しないときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可する。
発射タイミング回路4130cは、発信回路4130bからのクロック信号が入力されており、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときには、このクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が図96に示した遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4130dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍(本実施形態では、5倍)した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4130eに出力する。発射ソレノイド駆動回路4130dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、を併合した併合電流により打球発射装置650の発射ソレノイド654を駆動する。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4130eは、電源基板851からの+24Vによる球送ソレノイド585を駆動する。
発射ソレノイド駆動回路4130dは、主として、シャントレギュレータ回路4130da、増幅回路4130db、電圧比較回路4130dc、スイッチング回路4130dd、及び加算回路4130deから構成されている。シャントレギュレータ回路4130daは、電源基板851の+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが供給されており、この+5.2Vから安定化された直流+2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)を作成して増幅回路4130dbに供給している。
シャントレギュレータ回路4130daは、図117(a)に示すように、シャント式安定化電源回路HIC90を主として構成されている。このシャント式安定化電源回路HIC90は、周囲温度による温度ドリフトが低減されたものであり、負荷に対して一定電圧に保持される安定化電源を作成して供給することができる。シャント式安定化電源回路HIC90の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、+5.2Vが抵抗HR90を介して印加されており、この抵抗HR90によりREF端子に入力される電流が制限されている。K端子は増幅回路4130dbに+2.5Vを出力している。この+2.5Vは、グランドと接地されたコンデンサHC90によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサHC90は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、シャント式安定化電源回路HIC90のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
図116に戻り、増幅回路4130dbは、シャントレギュレータ回路4130daからの+2.5を2倍に増幅して直流+5.0V(DC+5.0V、以下、「+5.0V」と記載する。)を作成している。こ増幅回路4130dbで作成された+5.0Vは、電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100b(正確には、固定抵抗HR100aの一端が増幅回路4130dbと電気的に接続され、固定抵抗HR100aの他端が固定抵抗HR100bの一端と電気的に接続され、固定抵抗HR100bの他端がグランドと接地されている接続)により分圧され、この分圧された一定直流電圧が加算回路4130deに印加されている。
増幅回路4130dbは、図117(a)に示すように、オペアンプHIC91を主として構成されている。オペアンプHIC91は、非反転増幅回路として構成されており、オペアンプHIC91の非反転入力端子(+端子)にはシャントレギュレータ回路4130daのシャント式安定化電源回路HIC90からの+2.5Vが印加され、オペアンプHIC91の反転入力端子(−端子)には一端がグランドと接地された抵抗HR91の他端と電気的に接続されるとともに、オペアンプHIC91の出力端子と一端が電気的に接続された抵抗HR92の他端と電気的に接続されている。抵抗HR91,HR92の抵抗値は、オペアンプHIC91の増幅率(平ループ利得)が2倍となるように設定されている。オペアンプHIC91の出力端子から出力される+5.0Vは、グランドと接地されたコンデンサHC91によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサHC91は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、オペアンプHIC91の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサHC92によりリップルが除去されて平滑化されている。
図116に戻り、タッチセンサ部512は、その詳細な説明を後述するが、図47に示した、ハンドル本体506を正面から見て開口部506aの左側から、ハンドル本体506を正面から見て開口部506aの右側に向かって、所定の大きさを有する矩形状の領域が第0区画〜第18区画(全19区画)として連なって形成され、これらの第0区画〜第18区画からの検出信号が、まずハンドル中継端子板192、主扉中継端子板880、そしてポジション入力回路4130mを介して発射制御MPU4130gにそれぞれ入力される。発射制御MPU4130gは、タッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からのそれぞれの検出信号に基づいて、遊技者がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、その指の位置における区画番号に応じた(見合う)発射強度を設定する。この発射強度は、第0区画から第18区画に向かって区画番号が大きくなるに連れて大きくなるように設定されており、本実施形態では、第0区画を最小発射強度、第18区画を最大発射強度とし、第0区画から第18区画に向かって区画番号が大きくなるに連れて発射強度の増加割合が一定となるという正比例の関係に設定されている。なお、第0区画から第18区画に向かって区画番号が大きくなるに連れて発射強度の増加割合も大きくなるという関係に設定してもよいし、第0区画から第18区画に向かって区画番号が大きくなるに連れて発射強度の増加割合が小さくなるという関係に設定してもよい。
発射制御MPU4130gは、タッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からのそれぞれの検出信号に基づいて、遊技者がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、その指の位置における区画番号に応じた(見合う)発射強度を設定すると、この設定した発射強度を、内蔵するDAC(Digital to Analogue Converter)部(以下、「内蔵DAC部」と記載する。)において、アナログ信号に変換して加算回路4130deへ出力することにより、アナログ信号の電圧が加算回路4130deに印加される。なお、発射制御MPU4130gは、タッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からのそれぞれの検出信号に基づいて、遊技者がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18のうち、タッチセンサ部の第0区画からスライドさせた指の位置における区画番号までと対応するレベル表示部513を所定の発光態様に発光させるために、レベル表示部駆動回路4130nに駆動信号を出力する。例えば、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、タッチセンサ部512の第14区画に指があるときには、第0区画と対応するレベル表示器L0〜第14区画と対応するレベル表示器L14までを所定の発光態様で発光させるように、発射制御MPU4130gは、レベル表示部駆動回路4130n、主扉中継端子板880、そしてハンドル中継端子板192を介してレベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L14に駆動信号をそれぞれ出力する。
加算回路4130deは、発射制御MPU4130gからの演算停止信号が入力されていないときには、印加される、発射制御MPU4130gからのアナログ信号の電圧と、増幅回路4130dbで作成された+5.0Vが電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧と、を足し合わせるという演算を行う一方、発射制御MPU4130gからの演算停止信号が入力されているときには、演算を行わないようになっている。なお、この演算停止信号は、加算回路4130deによる演算を強制的に停止するものであり、発射制御MPU4130gから出力される。発射制御MPU4130gは、タッチセンサ部512からの検出信号に基づいて、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画に遊技者の指が触れていることを判断したり、第0区画から第18区画に向かってスライド開始されると判断したりするときに、加算回路4130deへの演算停止信号の出力を解除する一方、その遊技者の指がタッチセンサ部512から離れて、遊技者の指とタッチセンサ部512との接触が解除されると、加算回路4130deへの演算停止信号を出力開始する(演算停止信号が解除される条件が成立するまで出力を継続する)。また、発射制御MPU4130gは、電源投入時に、加算回路4130deへ演算停止信号を出力開始する(演算停止信号が解除される条件が成立するまで出力を継続する)。
加算回路4130deは、発射制御MPU4130gからの演算停止信号が入力された状態において、発射強度目標電圧としてゼロVを強制的に出力するようになっている。
打球発射装置650の発射ソレノイド654に流れている電流は、一端がグランドと接地された抵抗HR101を流れることでこの抵抗HR101が受け持つ電圧が発射制御電圧として電圧比較回路4130dcに印加される。電圧比較回路4130dcには、発射制御電圧が印加されるとともに、加算回路4130deからの発射強度目標電圧も印加されている。
電圧比較回路4130dcは、発射制御電圧と発射強度目標電圧とを大小比較する反転型の回路であり、その比較結果をスイッチング回路4130ddに出力する。電圧比較回路4130dcによる比較結果は、HI又はLOWという論理出力となっており、発射制御電圧が発射強度目標電圧より大きいときにはLOW(以下、「L」と記載する。)となる一方、発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さいときにはHI(以下、「H」と記載する。)となる。このように、電圧比較回路4130dcによる比較結果によって出力論理がH又はLとなるため、その出力信号がON/OFF信号としてスイッチング回路4130ddに入力されることとなる。
スイッチング回路4130ddは、発射タイミング回路4130cからの発射基準パルスが入力されるごとに、電圧比較回路4130dcからのON/OFF信号に従って、発射電源基板831に備える、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す。具体的には、スイッチング回路4130ddは、電圧比較回路4130dcからのON信号が入力されると、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す一方、電圧比較回路4130dcからのOFF信号が入力されると、発射ソレノイド654に流れている電流を遮断する。つまり、スイッチング回路4130ddは、電圧比較回路4130dcからのON信号が入力されて、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流しているときに、この発射ソレノイド654に流れている電流を、抵抗HR101に印加される電圧が発射制御電圧として発射強度目標電圧より大きくなると、電圧比較回路4130dcの出力論理がLとなり、OFF信号をスイッチング回路4130ddに出力し、スイッチング回路4130ddが発射ソレノイド654に流れている定電流を遮断する。この遮断により、発射ソレノイド654に電流が流れなくなることによって発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さくなり、電圧比較回路4130dcの出力論理が再びHとなり、ON信号をスイッチング回路4130ddに出力し、スイッチング回路4130ddが、上述したように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このように、電圧比較回路4130dcからのON/OFF信号に従ってスイッチング回路4130ddが、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、発射ソレノイド654に流したり、その定電流を遮断したりするため、スイッチング回路4130ddは、電圧比較回路4130dcからのON/OFF信号に自励発振して電流を発射ソレノイドに流す制御を行っている。つまり、スイッチング回路4130ddは、「自励発振定電流回路」として機能しており、発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけている。これにより、遊技者がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、その指の位置における区画番号に応じた(見合う)発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
なお、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れている状態においては、初期値であるゼロVに近い値が設定されるようになっている。発射制御MPU4130gの内蔵DAC部の分解能によるが、仮にゼロV〜5Vまでを10ビットという分解能で第0区画〜第18区画という全19区画を表現すると、一の区画番号が約0.263Vとなるため、第0区画では約0.263V、第1区画では約0.526V、・・・、第18区画では約4.997Vとなる。このように、第0区画では、ゼロVに最も近い値となるために、本実施形態では、初期値であるゼロVとしているが、発射制御MPU4130gの内蔵DAC部における最下位ビットの値は、通常値0か、値1か定まらず、ふらついているため、ほぼゼロVとなる。
発射制御MPU4130gは、タッチセンサ部512からの検出信号に基づいて、その内蔵DAC部において、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512に全く触れていないときに、アナログ信号に変換された際に、その電圧が初期値であるゼロVとなる。つまり、本実施形態では、発射制御MPU4130gは、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れている状態であっても、触れている状態を判断するのに用いるのみで、全く触れていない状態として内部演算により初期化され、その内蔵DAC部において、アナログ信号を変換した際に、その電圧が初期値であるゼロV(ほぼゼロV)としている。これは、遊技者が基準領域である第0区画に指(例えば、右手人差し指)を触れるという行為が遊技を開始するという意志表示である点から、その意志を発射制御MPU4130gが判断して加算回路4130deへの演算停止信号の出力を解除するトリガーとなっている。なお、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が基準領域である第0区画から第18区画に向かってスライド開始しない場合、例えば、第4区画から第18区画に向かってスライド開始する場合においては、発射制御MPU4130gが加算回路4130deへの演算停止信号の出力を解除することができないようになっている。つまり、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が基準領域である第0区画から第18区画に向かってスライド開始しない場合には、発射制御MPU4130gが加算回路4130deへの演算停止信号の出力を解除することができず、遊技球を発射することができないようになっている。
遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れている状態においては、上述したように、タッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からのそれぞれの検出信号に基づいて、発射制御MPU4130gの内蔵DAC部において、アナログ信号に変換すると、ほぼゼロボルト(ゼロV)に近い電圧となる。このとき、発射制御MPU4130gは、加算回路4130deへの演算停止信号の出力を解除する。加算回路4130deには、発射制御MPU4130gからのアナログ信号のほぼゼロVの電圧が印加されるとともに、上述したように、増幅回路4130dbで作成された+5.0Vが電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧も印加され、両者の電圧を足し合わせ、この足し合わされた電圧が発射強度目標電圧として電圧比較回路4130dcに印加される。換言すると、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れている状態においては、タッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からのそれぞれの検出信号に基づいて、発射制御MPU4130gの内蔵DAC部において、アナログ信号に変換すると、ほぼゼロボルト(ゼロV)に近い電圧となるため、加算回路4130deにおいて、発射制御MPU4130gからのアナログ信号の電圧が印加されても、このアナログ信号の電圧がほぼゼロVにより増幅回路4130dbで作成された+5.0Vが電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧が発射強度目標電圧として電圧比較回路4130dcに印加される。
この場合には、電圧比較回路4130dcからのON信号がスイッチング回路4130ddに出力されると、スイッチング回路4130ddは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このDC/DCコンバータ831aからの出力される電流が最小出力電流となる。このときの発射ソレノイド654の発射強度は、少なくとも、図1に示した発射レール660を飛び越えるものとなっている。つまり、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れている状態において、増幅回路4130dbで作成された+5.0Vが電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧が発射強度目標電圧であるときには、その電圧に見合う電流(DC/DCコンバータ831aから出力される最小出力電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流)が発射ソレノイド654に流れると、発射ソレノイド654によって打ち出された遊技球は、発射レール660を飛び越えることができても、図1に示した遊技盤4の外レール1111に沿って遊技領域1100に達することができないため、ファール球としてファール空間626の下部に位置する図1に示したファールカバーユニット540のファール球入口542eで受け入れて回収されこととなる。換言すると、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れている状態において、増幅回路4130dbで作成された+5.0Vが電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧が発射強度目標電圧として、電圧比較回路4130dcに印加されるときには、発射ソレノイド654に流れる電流が最小電流となっているものの、この最小電流が発射ソレノイド654に流れても、打ち出された遊技球がすべてファール球として回収されるようになっている。これにより、球送ソレノイド585によって発射レール660に送り出された遊技球と重複することを防止することができるため、発射ソレノイド654がその重複する遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことを防止することができるとともに、発射ソレノイド654への加負荷を防止することができ、故障を防止することもできる。
また、上述したように、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れている状態においては、最小発射強度を得るための電圧が設定されるため、最小発射強度で打球発射装置650により発射レール660そして外レール1111に沿って打ち出された遊技球は、ファール球としてファール空間626の下部に位置する、ファールカバーユニット540のファール球入口542eで受け入れてすべて回収されるようになっている。これにより、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れて、その遊技者の指を第18区画に向かってスライドさせる時点においては、仮に、遊技者がその指を基準領域である第0区画から次の第1区画に向かって発射強度を強めるためにスライドさせることができない場合であっても、すべての遊技球は発射レール660を飛び越えることができるようになっているため、発射レール660上で遊技球同士が衝突し合うことを回避することができるようになっている。このため、次の遊技球が発射ソレノイド654で打ち出される前に、遊技者がその指を基準領域である第0区画から第18区画に向かってスライドして発射強度を強めることにより、その発射強度で今回打ち出された遊技球を外レール1111に沿って下降してくる前回打ち出された遊技球に衝突させて、前回打ち出された遊技球とともに今回打ち出された遊技球を、遊技領域1100に飛び出させることができるし、仮に遊技領域1100に飛び出させることができなくてもファール球としてファール空間626の下部に位置する、ファールカバーユニット540のファール球入口542eで受け入れてすべて回収されることとなる。換言すると、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れて、その遊技者の指を次の第1区画に向かって発射強度を強めるためにスライドさせることができない場合であっても、発射レール660を飛び越えるだけの発射強度が与えられているため、打ち出された遊技球が発射レール660上で衝突し合って球詰まりが生ずることがない。また遊技者がその指を基準領域である第0区画から第18区画に向かってスライドして発射強度を強めたときに、その発射強度で今回打ち出された遊技球を外レール1111に沿って下降してくる前回打ち出された遊技球に衝突させて、前回打ち出された遊技球とともに今回打ち出された遊技球を遊技領域1100に飛び出させることができなくても、ファール球としてファール空間626の下部に位置する、ファールカバーユニット540のファール球入口542eで受け入れてすべて回収されるため、遊技者がその指を基準領域である第0区画から第18区画に向かってスライドして発射強度をさらに強めることで、球詰まりが生ずることなく遊技球を遊技領域1100に飛び出させることができる。つまり、今回打ち出された遊技球を外内レール1111に沿って下降してくる前回打ち出された遊技球に衝突させて、前回打ち出された遊技球とともに今回打ち出された遊技球を遊技領域1100に飛び出させることができず遊技者に不快な思いをさせる場合があっても、遊技者がその指を基準領域である第0区画から第18区画に向かってスライドして発射強度をさらに強めることで、球詰まりが生ずることなく遊技球を遊技領域1100に飛び出させることができるため、その不快を解消することができる。したがって、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れて、その遊技者の指を第18区画に向かってスライドさせる時点における球詰まりによる遊技者の不快を解消することができる。
本実施形態では、シャントレギュレータ回路4130daにシャント式安定化電源回路HIC90を採用することにより、電圧比較回路4130dcに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4130daからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4130dbで増幅された+5.0Vが電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧が加算回路4130deに印加されるとともに、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が一の区画番号に触れた状態が維持されているときには、タッチセンサ部512の第0区画〜第18区画からのそれぞれの検出信号に基づいて、発射制御MPU4130gの内蔵DAC部において、アナログ信号に変換すると、その電圧が維持されることにより変動が生じず一定電圧が加算回路4130deに印加されるため、これらの電圧が印加される加算回路4130deにおいて加算された発射強度目標電圧も変動が生じず一定となる。これにより、スイッチング回路4130ddが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が一の区画番号に触れた状態が維持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
また、パチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備は、複数のパチンコ遊技機から排出された遊技球を研磨して再びパチンコ遊技機に供給するという遊技球の循環システムが構築されている。このため、遊技球の研磨による熱、遊技球同士の衝突や摩擦による熱に加えて、パチンコ遊技機の電源基板や各種電飾による熱等によりパチンコ島設備内の温度は、極めて高くなっている。本実施形態では、上述したように、シャントレギュレータ回路4130daにシャント式安定化電源回路HIC90を採用することにより、パチンコ設備内に熱がこもる環境下にあっても、+2.5Vを安定化させて出力することができるようになっている。これにより、温度による+2.5Vの変動が抑制されることによって、電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧の「ゆらぎ」を抑えることができるとともに、発射強度目標電圧の「ゆらぎ」を抑えることもできるため、この「ゆらぎ」分の電圧を含めずに、電圧比較回路4130dcがスイッチング回路4130ddに制御信号を出力することができる。つまり、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が一の区画番号に触れた状態が維持されているときには、上述したように、発射制御MPU4130gの内蔵DAC部において、アナログ信号に変換すると、その電圧が維持されることにより変動が生じず一定電圧とすることができるし、パチンコ設備内に熱がこもる環境下にあっても電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧の「ゆらぎ」を抑えることもできるため、これらの電圧が印加される加算回路4130deにおいて加算された発射強度目標電圧も変動が生じず一定とすることができる。したがって、パチンコ設備内に熱がこもる環境下にあっても、遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度に「ムラ」を抑えることができるため、遊技球の「飛びムラ」を抑えることができる。
なお、発射制御MPU4130gは、タッチセンサ部512からの検出信号に基づいて、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画〜第18区画との接触が解除されていると(つまり全く触れていないと)判断すると、加算回路4130deに上述した演算停止信号を出力することにより、加算回路4130deは、増幅回路4130dbで作成された+5.0Vが電気的に直列接続された2つの固定抵抗HR100a,HR100bにより分圧された一定直流電圧が印加されていても、発射強度目標電圧としてゼロVを強制的に出力するため、ゼロVである発射強度目標電圧が電圧比較回路4130dcに印加される。これにより、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画〜第18区画との接触が解除されるまでの直前における基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドされたスライド量に見合う発射強度が自動的に破棄されるようになっている。
[10−3.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧]
次に、DC/DCコンバータ831aの入出力電流及び出力電圧について、図116に示した、TA点における入力電流、TB点における出力電流及び出力電圧について、図118を参照して説明する。TA点は、DC/DCコンバータ831aの入力電流Iinを参照するための点であり、TB点は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutを参照するための点である。なお、この出力電圧Voutは、グランドとの電位差である。
まずTB点の出力電圧Voutと出力電流Ioutとの関係は、図118(a)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であり、出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加し、出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加し、出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加している。なお、+5VからゼロV近傍では、出力電流Ioutはほぼ1010mAとなっている。
TA点の入力電流IinとTB点の出力電流Ioutとの関係は、図118(b)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて、入力電流Iinが減少するとともに出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であるのに対して、入力電流Iinが400mAから320mAまで約80mA減少している。この区間Aでは、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が触れた一の区画番号と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが大きいときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が未だ遊技領域1100に達することが困難な発射強度となっている一方、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が触れた一の区画番号と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが小さくなりだすときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が遊技領域1100に達する発射強度となっている。出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加するのに対して、入力電流Iinが320mAから260mAまで約60mA減少しており、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加するのに対して、入力電流Iinが260mAから210mAまで約50mA減少しており、区間Bと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加するのに対して、入力電流Iinが210mAから175mAまで約35mA減少しており、区間B、及び区間Cと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。
なお、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が360mAであるときには、この360mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最小電流、つまりハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画に触れている最小発射強度に設定されているときに発射ソレノイド654に流れる電流であるのに対して、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1010mAであるときには、この1010mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最大電流、つまりハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そして遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画からスライド操作開始して第18区画に触れている最大発射強度に設定されているときに発射ソレノイド654に流れる電流である。このように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、最小出力電流の値が360mAとなり、最大出力電流の値が1010mAとなる。DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1000mAを超える場合には、発射ソレノイド654の発射強度は、すでに、外レール1111に沿って遊技領域1100に飛び出した遊技球が衝止部1114に衝突して内周レール1113に沿って下流に向かって転動し、各種入賞口に入球することなく、アウト口1151で回収される程度にまで強くなっているため、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が取りうる範囲としては、360mAより大きく1000mAより小さく(360mA<出力電流Ioutの値<1000mA)、ミリアンペアオーダーの電流となっている。
[10−4.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧と発射タイミング回路からの発射基準パルスとの関係]
次に、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が触れた一の区画番号において、図116に示した、TB点におけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutと、TC点における発射タイミング回路4130cからの発射基準パルスT0と、について、図119を参照して説明する。TB点は、上述したように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Vout(グランドとの電位差)を参照するための点であり、TC点は、発射タイミング回路4130cからの発射基準パルスT0を参照するための点である。
発射タイミング回路4130cからの発射基準パルスT0は、上述したように、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときにおいて、1分当たり、つまり60000ms当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるように設定されているため、図119(a)に示すように、そのパルス幅が30ms、その周期Tが600msとなる。
ここで、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画からスライド操作開始して第18区画に触れている最大発射強度に設定されているときと、遊技者の指が基準領域である第0区画に触れている最小発射強度に設定されているときと、におけるDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutの波形について説明する。
ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画からスライド操作開始して第18区画に触れている最大発射強度に設定されているときには、発射タイミング回路4130cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4130dのスイッチング回路4130ddに入力されると、図119(b),(c)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最大電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最大電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図119に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が+5Vまで下がり、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最大出力電流である1010mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の出力電圧がゼロV近傍に達するまで放電が進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最大電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、図118に示したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最大電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、ゼロV近傍となっており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである1010mAという電流によって充電を開始し、そしてDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが+35V近傍まで回復してくると、360mAという電流によって充電を継続し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
これに対して、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画〜第18区画のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が基準領域である第0区画に触れている最小発射強度に設定されているときには、発射タイミング回路4130cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4130dのスイッチング回路4130ddに入力されると、図119(b),(d)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最小電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最小電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図119に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が若干下がるものの、図118に示した区間Aに属し、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最小出力電流である360mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の放電が少し進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最小電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、上述したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最小電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、若干下がるものの、区間Aに属しており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである360mAという電流によって充電を開始し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
このように、発射ソレノイド654に最大電流、最小電流が流れても、DC/DCコンバータ831aの特性によって、今回の発射基準パルスT0が入力されて30msという放電時間内において電解コンデンサSC0が放電した電荷を、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの残りの570msという充電時間内に充電を完了させることができる。
ここで、発射基準パルスT0が入力されて30ms経過するまでの期間内に電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に電流を流す制御方式を採用する場合について考えてみると、この制御方式では、DC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に流す電流が2A〜3.5A程度となるため、この電流が電源基板851から供給されることとなる。発射ソレノイド654を駆動するときには、瞬間的に2A〜3.5Aより大きい大電流が流れる。そうすると、30msという発射基準パルスT0が600msという周期Tで発生するごとに、電源基板への負荷もこの周期Tごとに増えることとなる。つまり、電源基板は、発射ソレノイド654が駆動される際に流れる瞬間的な大電流に加えて電子部品や、装飾に用いる電飾等にも所定電流を供給しているため、これらの総電力が電力供給上限値を超えると、安全のため電力供給を遮断することとなる。そこで、本実施形態では、発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間において、電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に引き延ばして、DC/DCコンバータ831aと電解コンデンサSC0とによる併合電流で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と、電解コンデンサSC0がDC/DCコンバータ831aからの電力を充電した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第2の電流」と、に分散することができる。これにより、電解コンデンサSC0が存在しない状態で発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、電解コンデンサSC0が存在する状態で発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と「第2の電流」とにより平均化することができる。したがって、発射ソレノイド654の駆動による瞬間的な大電流を供給するための負荷が電源基板851にかからなくすることができる。また、電源基板851の過負荷時の安全装置の作動条件の設計に時間を費やすことも解消することができる。
[10−5.発射タイミング回路からの発射基準パルスと球送基準パルスとの関係]
次に、発射タイミング回路4130cからの発射基準パルスT0と、球送基準パルスT1と、について、図119を参照して説明する。TC点は、上述したように、発射タイミング回路4130cからの発射基準パルスT0を参照するための点であり、図116に示したTD点は、発射タイミング回路4130cからの球送基準パルスT1を参照するための点である。
球送基準パルスT1は、発射基準パルスT0である30msの5倍である150ms(=T0(30ms)×5)が設定されている。発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4130dのスイッチング回路4130ddに入力されると、図119(a),(e)に示すように、球送基準パルスT1が発射ソレノイド駆動回路4130dの球送ソレノイド駆動回路4130eに入力され(タイミングt0、150ms経過すると、その入力が停止されるようになっている(タイミングt3)。これにより、球送ソレノイド585を駆動して球送ソレノイド585による球送制御を行うことにより、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間に、次に打ち出される遊技球のセットを完了することができ、発射基準パルスT0が入力されるごとに、遊技球を遊技領域1100に向かって連続して打ち出すことができる。
[10−6.タッチセンサ部]
次に、タッチセンサ部512とレベル表示部513について、図120を参照して説明する。図120はタッチセンサ部とレベル表示部との概略説明図である。タッチセンサ部512は、図47に示した、ハンドル本体506を正面から見て左側から、ハンドル本体506を正面から見て右側に向かって、ハンドル本体506の上側外周面に沿って配置され、この開口部506aを臨むようにハンドル本体506の内部から取り付けられることにより、ハンドル本体506の上半分の外周面に沿ってタッチセンサ部512が配置され、レベル表示部513は、ハンドル本体506の前面に固定される前端カバー508に、ハンドル本体506のタッチセンサ部512が取り付けられる近傍に形成されているが、両者とも曲面に配置されるため、分かりやすくするために平面に配置された状態として図120に示した。
タッチセンサ部512は、図120(a)に示すように、所定の大きさを有する矩形状の領域が第0区画G0〜第18区画G18(全19区画)として連なって形成されることにより、指が触れると、その位置(ポジション)が第0区画G〜第18区画G18のうち、どの区画番号にあるかを検出することができる。第0区画Gは、ハンドル本体506を正面から見て左側に外部に向かって突出して形成される板状の基準突出部507に最も近くに配置される領域であり基準領域として位置付けされている。タッチセンサ部512の表面は滑らかに形成されており、タッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を遊技者の指がスライドされる際に、そのスライドに伴う反発力がその遊技者の指に付勢されないようになっている。
レベル表示部513は、タッチセンサ部512の第0区画G0〜第18区画G18とそれぞれ対応する位置に、レベル表示器L0〜レベル表示器L18を、ハンドル本体506のタッチセンサ部512が取り付けられる近傍に配置されることにより形成されている。レベル表示器L0〜L18のそれぞれのレベル表示器は、ハンドル本体506のタッチセンサ部512が取り付けられる近傍からLEDが手前に向かって4個一列に並んでグルーピングされて配置されて構成されている。
ここで、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画G0から第18区画G18と、レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18と、の関連性について簡単に説明すると、遊技者が遊技を開始するために、ハンドル装置500のハンドル本体506の下半分の外周表面に遊技者の指や前端カバー508の外周表面を遊技者の手のひらが触れ、そしてタッチセンサ部512の第0区画G0〜第18区画G18のうち、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が基準領域である第0区画G0に触れると、図120(b)に示すように、これに連動してレベル表示部513のレベル表示器L0の4個のLEDが所定の発光態様で発光する。そして遊技者がタッチセンサ部512の基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて、タッチセンサ部512の第14区画G14において指を停止させると、図120(c)に示すように、これに連動して基準領域である第0区画G0と対応するレベル表示器L0〜第14区画G14と対応するレベル表示器L14までのそれぞれ4個のLEDが所定の発光態様で発光する。
このように、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内における基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドされると、これに連動して、そのスライド量に見合う発射強度で遊技球が遊技領域1100に向かって発射されるとともに、基準領域である第0区画G0と対応するレベル表示器L0からその遊技者の指がスライドされた位置における区画番号と対応するレベル表示器までのそれぞれ4個のLEDが所定の発光態様で発光する。そして、その遊技者の指(例えば、右手人差し指)が基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドされて停止された状態が維持されると、基準領域である第0区画G0からその停止された位置(例えば、図120(b),(c)において、遊技者の指が基準領域である第0区画G0から第14区画G14までスライドされ、この第14区画G14で停止される場合。)までのスライド量に見合う発射強度を維持し、この維持する発射強度で遊技球が遊技領域1100に向かって発射されるとともに、基準領域である第0区画G0と対応するレベル表示器L0からその遊技者の指がスライドされて停止する位置における区画番号と対応するレベル表示器までのそれぞれ4個のLEDが所定の発光態様で発光する状態が維持される(例えば、図120(b),(c)において、遊技者の指が基準領域である第0区画G0から第14区画G14までスライドされ、この第14区画G14で停止される場合に基準領域である第0区画G0と対応するレベル表示器L0〜第14区画G14と対応するレベル表示器L14までのそれぞれ4個のLEDが所定の発光態様で発光する状態が維持される)。そして、その遊技者の指(例えば、右手人差し指)がハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18との接触が解除されると(例えば、図120(c)において、遊技者の指が基準領域である第0区画G0から第14区画G14までスライドされ、この第14区画G14から遊技者の指が離れ、遊技者の指と第14区画G14との接触が解除される場合。)、これに連動して、その接触が解除されるまでの直前における基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドされたスライド量に見合う発射強度が破棄される(例えば、図120(c)において、遊技者の指が基準領域である第0区画G0から第14区画G14までスライドされ、この第14区画G14から遊技者の指が離れ、第14区画G14に見合う発射強度が破棄される。)とともに、遊技球の発射が停止され、レベル表示部512のレベル表示器L0〜L18が全消灯となるようになっている。このため、遊技者の指(例えば、右手人差し指)をハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内における基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドさせるという単純な1つのスライド操作によって、遊技球の発射の開始、遊技領域1100に向かっての遊技球の発射強度の設定、及び遊技球の発射の停止という3つの機能を実現することができるとともに、タッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を遊技者の指がスライドされる際に、そのスライドに伴う反発力がその遊技者の指に付勢されないようになっているため、遊技者の指や手首への負担が軽減されるようになっている。したがって、長時間に亘って遊技を行う場合に遊技者への負担を抑制することができる。
因みに、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル装置(発射操作装置)が操作されることにより、その操作に応じて遊技球を発射させる遊技球発射装置(打球発射装置)を備える遊技機としてのパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特開2011−115458号公報(段落[0029]、段落[0035]、段落[0038]、図6、及び図9(a),(b))。この文献に記載される遊技機の発射ハンドル装置においては、回転ハンドルの原位置に復帰するように常時付勢力を付与する復帰バネが取り付けられ、遊技者が回転ハンドルをつかんで回動操作して離すと、回転ハンドルが自動的に原位置に復帰するようになっている。ところが、この文献に記載される遊技機の発射ハンドル装置において、遊技領域に設けた始動口に遊技球を安定して入球させることにより遊技者に利益を付与する大当り遊技状態の発生確率を高めるためには、遊技者が回転ハンドルをつかんで所望の発射強度となるように回転ハンドルを回動操作して回転ハンドルの回転位置を維持する必要があり、復帰バネの付勢力に対抗した力を回転ハンドルに常に加え続けなければならず、長時間に亘って遊技を行う場合に遊技者の負担となっていた。
[10−7.タッチセンサ部の不具合検査]
次に、タッチセンサ部512の不具合検査について説明する。タッチセンサ部512に不具合が生じている場合には、遊技者の指を基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドさせても、そのスライド量に応じた(見合う)発射強度を得ることができなくなる。そこで、ホールの店員等は、例えばホールの開店前に、タッチセンサ部512に不具合が発生しているか否かを検査する必要がある。しかし、ホールには、極めて多くの多種多様なパチンコ遊技機が設置されているため、タッチセンサ部512の不具合検査を簡単にかつ短時間で行わなければならない。そこで、本実施形態では、上述したように、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内における基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドされると、これに連動して、基準領域である第0区画G0と対応するレベル表示器L0からその遊技者の指がスライドされた位置における区画番号と対応するレベル表示器までのそれぞれ4個のLEDが所定の発光態様で発光するようになっていることを利用することよりタッチセンサ部512に不具合が発生しているか否かの検査を行うことができるようになっている。
つまり、ホールの店員等は、ホールの開店前に、その指(例えば、右手人差し指)をハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内における基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドさせ、これに連動して、基準領域である第0区画G0と対応するレベル表示器L0からその指がスライドさせた位置における区画番号と対応するレベル表示器までのそれぞれ4個のLEDが所定の発光態様で発光するか否かを目視することにより、タッチセンサ部512に不具合が発生しているか否かの検査を行うことができる。
このように、操作者である遊技者の指(例えば、右手人差し指)がハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を接触しながらスライドされると、これに連動して、そのスライド量に見合う発射強度となるように打球発射装置650が制御されるとともに、その発射強度の大きさがレベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18で報知されるようになっている。これにより、操作者である遊技者は、遊技球を発射させる発射強度の大きさがどの程度の大きさであるのかを、レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18により報知される内容で確認する(具体的には、発光態様を目視して確認する)ことができる。これを利用して、ホールの店員等は、その指をハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を接触しながらスライドさせてそのスライド量に見合う所望の発射強度を得ることができるか否かというハンドル装置500の不具合検査(つまり、タッチセンサ部512の不具合検査)を行う際において、そのホールの店員等が操作者となることによって、その指をハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を接触しながらスライドさせるという簡単な操作で、そのスライド量に見合う発射強度の大きさが報知される、レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18の内容を確認する(つまり、発光態様を目視して確認する)ことにより、ハンドル装置500の不具合検査(タッチセンサ部512の不具合検査)を行うことができる。また、ホールの店員等は、ホールの開店前や閉店後(営業中においては、所定時間経過してもパチンコ遊技機1の対面に遊技者が着座していない場合)において、遊技盤4に区画形成される遊技領域1100内へ打ち込む遊技球が上皿301に貯留されている場合にその貯留されている遊技球が全て取り除かれた後であっても、上皿301に遊技球をいくつか入れて貯留させるという作業を全く行うことなく、ハンドル装置500の不具合検査(タッチセンサ部512の不具合検査)を行うことができるため、このハンドル装置500の不具合検査(タッチセンサ部512の不具合検査)を短時間で行うことができる。したがって、ハンドル装置500の不具合検査(タッチセンサ部512の不具合検査)を簡単にかつ短時間に行うことができる。
このような検査方法の利点としては、上述したように、タッチセンサ部512からの検出信号に基づいてレベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18への駆動制御は発射制御基板4130が主制御基板4100、払出制御基板4140、及び周辺制御基板4140から独立した基板である(つまり、主制御基板4100、払出制御基板4140、及び周辺制御基板4140からのコマンドに基づいて各種制御を開始したり、停止したりするというものではなく、発射強度や不具合の有無などをコマンドとして主制御基板4100、払出制御基板4140、及び周辺制御基板4140に対して出力する必要が全くない基板である)ため、主制御基板4100、払出制御基板4140、及び周辺制御基板4140に加えて発射制御基板4130に対して、タッチセンサ部512に不具合が発生しているか否かを検査するための特別なプログラム(不具合有無判定プログラム及び報知プログラム)をそれぞれ作成する必要が全くない。
なお、ホールの店員等は、このようなタッチセンサ部512の不具合検査を、ホールの開店前のほかに、営業中(所定時間経過してもパチンコ遊技機1の対面に遊技者が着座していない場合)や閉店後においても適宜行うことによりタッチセンサ部512に不具合が発生しているものを見つけ出すとともに、タッチセンサ部512に不具合が発生するおそれがあるもの(例えば、タッチセンサ部512の感度が少し劣化しているものの、遊技に支障を来すまでに至っていないもの)も発見することで、不具合が発生する蓋然性のあるパチンコ遊技機をリストアップすることができるため、優先的に検査するパチンコ遊技機がどのパチンコ遊技機でホールのどこに設置されているかというメンテナンス情報の管理に極めて役立つ。
また、ホールの店員等は、タッチセンサ部512の不具合検査を行うと、打球発射装置650の発射ソレノイド654が駆動されることにより発射ソレノイド654の駆動による振動がその指や前端カバー508の外周表面に触れている手のひら等から伝わることで発射ソレノイド654の駆動状態を確認することができるし、このとき、単発ボタン520を、例えば、右手親指で押圧すると、発射ソレノイド654の駆動を停止させることできるため、単発ボタン520に不具合が発生しているか否かを検査することもできる。
更に、パチンコ遊技機1の製造元の組立工場における、上述したハンドル装置500の不具合検査(つまり、タッチセンサ部512の不具合検査)工程において、その検査工程の作業者が操作者となることによって、その検査工程の作業者は、その指をハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を接触しながらスライドさせるという簡単な操作で、そのスライド量に見合う発射強度の大きさが報知される、レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18の内容(つまり、発光態様)を確認することにより、その検査工程で特別な検査機器を用いることなく、そのスライド量に見合う所望の発射強度を得ることができているか否かを、極めて簡単でかつ短時間に検査することができる。
更にまた、パチンコ遊技機1が複数設置されたホールにおいて、その複数のパチンコ遊技機1のうち、一のパチンコ遊技機1の対面に遊技者が着座していないにもかからわず、レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18が所定の発光態様で発光している場合には、ハンドル装置500のタッチセンサ部512やレベル表示部513、そして発射制御基板4130自身等が誤動作して、打球発射装置650がいわゆる「空打ち」を行っている状態であるため、レベル表示部513を構成するレベル表示器L0〜L18で発射強度の大きさを報知するという仕組みを採用することによって、ホールを巡回するホールの店員等により「空打ち」状態である旨を伝えることができ、このような「空打ち」状態となっているパチンコ遊技機1の早期発見に役立つ。
因みに、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル装置(発射操作装置)が操作されることにより、その操作に応じて遊技球を発射させる遊技球発射装置(打球発射装置)を備える遊技機としてのパチンコ遊技機が提案されている(例えば、文献(特開2011−115458号公報(段落[0029]、段落[0035]、段落[0038]、図6、及び図9(a),(b)))。この文献に記載される遊技機が設置されるホールにおいては、その店員等がホールの開店前や閉店後(営業中においては、所定時間経過しても遊技機の対面に遊技者が着座していない場合)において、遊技盤に区画形成される遊技領域内へ打ち込む遊技球が遊技球供給皿(球受け皿)に貯留されている場合にはその貯留されている遊技球を全て取り除いている。ところが、文献に記載される遊技機の発射ハンドル装置においては、回転ハンドルが回動操作されて遊技球が実際に発射されてみなければ、その回動操作による遊技球の発射強度がどの程度の大きさであるか分からないため、回転ハンドルを回動操作して所望の発射強度を得ることができるか否かという発射ハンドル装置(発射操作装置)の不具合検査を行う際に、ホールの店員等が遊技球供給皿(球受け皿)に遊技球をいくつか入れて貯留させ、そして回転ハンドルをつかんで回動操作して遊技球を実際に発射させて不具合の有無を確認しなければならず、発射ハンドル装置(発射操作装置)の不具合検査を簡単にかつ短時間に行うことができないという問題があった。
[11.サブ液晶駆動基板の回路]
次に、図101に示したサブ液晶駆動基板3425の回路等について、図121、及び図122を参照して説明する。図121はサブ液晶駆動基板の回路を示す回路図であり、図122(a)は輝度調整ボリュームの操作量(抵抗値)とサブ液晶表示装置のバックライトの輝度との関係(特性曲線)を示す図であり、図122(b)はサブ液晶表示装置のバックライトの輝度調整を示す概略図であり、図122(c)は輝度調整のバラツキを示す概略図であり、図122(d)は新規利用時及び再利用時におけるサブ液晶表示装置のバックライトの輝度バラツキ範囲に対する輝度調整ボリュームの回転角度の範囲を示す概略図である。まず、シリアル信号の受信等について説明し、続いてサブ液晶表示装置3450のバックライトの電源回路、バックライトの輝度調整作業、輝度調整のバラツキについて説明する。なお、図121においては、液晶出力基板3420とサブ液晶駆動基板3425との基板間を中継する図103に示したサブ液晶中継基板3422が省略して記載されている。
[11−1.シリアル信号の受信等]
サブ液晶駆動基板3425は、図106に示した、+3.3V作成回路3425a、及びバックライト電源回路3425bのほかに、図121に示すように、サブ液晶用レシーバICSDIC0を主として構成されている。
サブ液晶駆動基板3425は、図103に示した液晶出力基板3420のサブ液晶用トランスミッタIC3420aからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として、サブ液晶中継基板3422を介して、送信されると、コモンモードチョークコイルSDL0にそれぞれ入力され、このコモンモードチョークコイルSDL0によりプラス信号とマイナス信号とからノイズをそれぞれ分離することができるようになっている。ノイズが分離されたプラス信号とマイナス信号とは、サブ液晶用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力されている。RXIN+端子とRXIN−端子との間には抵抗SDR0が電気的に接続されている。この抵抗SDR0は、終端抵抗(ターミネータ)であり、プラス信号とマイナス信号とがRXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ反射するのを防ぎ、シリアル信号の乱れを防止している。
サブ液晶用レシーバICSDIC0は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、に復元する(つまり、シリアル化される前のパラレル信号に復元する)。なお、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号は、上述したように、音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビットであるものの、サブ液晶用トランスミッタIC3420aに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットの信号となっている。
サブ液晶駆動基板3425は、液晶出力基板3420のサブ液晶用トランスミッタIC3420aからの信号のほかに、上述したように、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵される液晶出力基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが液晶出力基板3420の差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号も入力されるようになっている。液晶出力基板3420の強制切替回路3420cは、上述したように、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、サブ液晶中継基板3422を介して、サブ液晶駆動基板3425に送信される一方、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号を伝送するように回路接続するため、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号が、サブ液晶中継基板3422を介して、サブ液晶駆動基板3425に送信される。
強制切替回路3420cは、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号、つまりサブ液晶用トランスミッタIC3420aからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として、サブ液晶中継基板3422を介して、コモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そしてサブ液晶用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される一方、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号が、サブ液晶中継基板3422を介して、コモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そしてサブ液晶用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される。サブ液晶用レシーバICSDIC0は、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、LOCKN信号の出力要求であることを判断して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を、サブ液晶中継基板3422、そして液晶出力基板3420を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力する。
なお、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵される液晶出力基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データは、上述したように、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間において、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、サブ液晶表示装置3450の動作確認要求として送信されるものである。本実施形態におけるLOCKN信号出力要求データは、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されるものの、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号、つまり上述したザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)とデータ形式が全く異なる構造としている。このため、LOCKN信号出力要求データがサブ液晶用レシーバICSDIC0で受信されると、サブ液晶用レシーバICSDIC0がサブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号でないものと判断し、異常なデータであるとして、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を出力することとなる。換言すると、本実施形態では、受信したデータが異常なデータであると判断したときにLOCKN信号を出力するというサブ液晶用レシーバICSDIC0の機能を利用して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を強制的に出力させるために、わざわざ、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号とデータ形式が異なる構造のLOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵される液晶出力基板用シリアルI/Oポートから出力することにより、サブ液晶用レシーバICSDIC0というデバイスが正常に動作しているか否かを確認することができるようになっている。これにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認することができる。
サブ液晶用レシーバICSDIC0のVDD端子、VDDO端子、LVDSVDD端子、PLLVDD端子、及びPDWN端子は、+3.3V作成回路3425aが作成した+3.3Vがそれぞれ供給され、サブ液晶用レシーバICSDIC0のGND端子、GNDO端子、LVDSGND願紙、PLLGND端子、EDGE端子、OE端子、MODE0、及びMODE1端子がそれぞれグランドに接地されている。
VDD端子は、デジタル回路用の電源端子であり、このデジタル回路用のグランドとなるGND端子との端子間にコンデンサSDC0が電気的に接続されており、VDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
VDDO端子は、TTL(Transistor−Transistor Logic)出力用の電源端子であり、このTTL出力用のグランドとなるGNDO端子との端子間にコンデンサSDC1が電気的に接続されており、VDDO端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
LVDSVDD端子は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)入力用の電源端子であり、このLVDS入力用のグランドとなるLVDSGND端子との端子間にコンデンサSDC2が電気的に接続されており、LVDSVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PLLVDD端子は、PLL(Phase Locked Loop)回路用の電源端子であり、このPLL回路用のグランドとなるPLLGND端子との端子間にコンデンサSDC3が電気的に接続されており、PLLVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PDWN端子は、+3.3Vが供給(印加)されることにより論理がHIとなって通常動作する旨を伝える一方、+3.3の供給が停止されて論理がLOWとなってパワーダウンする旨を伝える端子である。PDWN端子は、+3.3Vが抵抗SDR1を介して供給されるとともに、一端がグランドに接地されたバリスタSDZ0の他端と電気的に接続されている。このバリスタSDZ0は、抵抗SDR1を介して供給される+3.3Vの電電ラインのノイズや過電圧を抑えている。
EDGE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKに基づく各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、及びD0端子〜D17端子)から出力される各種信号の伝送を、立ち上がりエッジとする(論理がLOWからHIへ遷移する)場合、又は立ち下がりエッジとする(論理がHIからLOWへ遷移する)場合のいずれかを指定するための端子であり、本実施形態では、上述したように、EDGE端子をグランドに接地することにより立ち下がりエッジを指定している。因みに、EDGE端子を+3.3Vに接続すると、立ち上がりエッジを指定することができる。
OE端子は、後述する各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、D0端子〜D17端子、及びCLKOUT端子)の出力を許可するか否かを指示するものであり、本実施形態では、上述したように、OE端子をグランドに接地することにより、常に、出力可能状態としている。因みに、OE端子を+3.3Vに接続すると、出力することができない状態となる。
MODE0端子、及びMODE1端子は、動作モードを選択する端子であり、ともにグランドに接地することで動作モードを選択することができる。動作モードには、ノーマルモードとシェイクハンドモードとがある。ノーマルモードでは、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号にサブ液晶用レシーバICSDIC0が復元するという通常動作するモードである。シェイクハンドモードでは、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨をLOCKN端子からLOCKN信号を出力するモードである。このシェイクハンドモードは、自動的に切り替わるようになっている。
例えば、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号にサブ液晶用レシーバICSDIC0が復元したものが、何らかの理由により、異常なデータでサブ液晶表示装置3450に描画することが困難である場合には、ノーマルモードからシェイクハンドモードに自動的に切り替わってLOCKN端子からLOCKN信号を出力する。このLOCKN信号は、サブ液晶駆動基板3425のダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)である抵抗SDR2、サブ液晶中継基板3422、そして液晶出力基板3420を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに入力される。周辺制御MPU4150aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aに伝えるために、サブ液晶用トランスミッタIC3420aのINIT端子に接続確認信号を出力する。この接続確認信号がINIT端子に入力されると、サブ液晶用トランスミッタIC3420aは、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するための所定のデータパターン(SYNCパターン)をサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0に送信する。このような所定のデータパターン(SYNCパターン)がサブ液晶用レシーバICSDIC0で受信されることにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続を容易に回復することができるようになっている。所定のデータパターン(SYNCパターン)は、サブ液晶用トランスミッタIC3420aに予め記憶されている。なお、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aのINIT端子と、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子と、を電気的に直接接続してもよい。
LOCKN端子は、上述したように、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨を出力する端子である。LOCKN端子から出力されるLOCKN信号は、サブ液晶駆動基板3425のダンピング抵抗である抵抗SDR2、サブ液晶中継基板3422、そして液晶出力基板3420を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに入力される。
SYNC0端子〜SYNC2端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を出力する端子である。本実施形態では、復元された、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を使用しないため、SYNC0端子〜SYNC2端子が未接続端子となっている。
DE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号、データ出力端子であるD0端子〜D17端子から出力されるデータが有効又は無効であることを伝えるDE信号を出力する端子である。DE端子から出力されるDE信号は、ダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)である抵抗SDR3を介してサブ液晶表示装置3450に入力される。
CLKOUT端子は、サブ液晶用レシーバICSDIC0に内蔵されるPLL回路により生成されるクロック信号DCLKを出力する端子である。CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKは、ダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)である抵抗SDR4を介してサブ液晶表示装置3450に入力される。
D0端子〜D17端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)を出力するデータ出力端子である。D0端子〜D5端子という6ビットのデータ出力端子から青色映像信号B0〜B5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この青色映像信号B0〜B5の各信号線がダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)であるラダー抵抗SDRA0を介してサブ液晶表示装置3450にそれぞれ入力される。D6端子〜D11端子という6ビットのデータ出力端子から緑色映像信号G0〜G5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この緑色映像信号G0〜G5の各信号線がダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)であるラダー抵抗SDRA1を介してサブ液晶表示装置3450にそれぞれ入力される。D12端子〜D17端子という6ビットのデータ出力端子から赤色映像信号R0〜R5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この赤色映像信号R0〜R5の各信号線がダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)であるラダー抵抗SDRA2を介してサブ液晶表示装置3450にそれぞれ入力される。
なお、周辺制御基板4140、液晶出力基板3420、サブ液晶中継基板3422、サブ液晶駆動基板3425、及びサブ液晶表示装置3450のグランドは、電気的に接続されており、同一グランドとなっている。また、+3.3V作成回路3425aが作成した+3.3Vがサブ液晶表示装置3450に供給されている。
[11−2.サブ液晶表示装置のバックライトの電源回路]
次に、サブ液晶表示装置3450のバックライトの電源回路について説明する。サブ液晶駆動基板3425は、図121に示すように、サブ液晶表示装置3450のバックライト(本実施形態では、サブ液晶表示装置3450のバックライトが白色LEDのものを使用している。)に供給する電力を作成するためのバックライト電源回路3425bを備えている。このバックライト電源回路3425bは、白色LEDの定電流点灯に最適に設計されたLED電流調整回路3425fを主として構成されている。
LED電流調整回路3425fの電源端子に+3.3Vが供給されるとともに、GND端子がグランドに接地されている。電源端子とGND端子との端子間にコンデンサSDC4が電気的に接続されており、電源端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
LED電流調整回路3425fのSW端子は、+3.3VがコイルSDL1を介して供給されるとともに、ダイオードSDD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードSDD0のカソード端子は、LED電流調整回路3425fのOVD端子と電気的に接続されとともに、一端がグランドに接地されたコンデンサSDC5の他端と電気的に接続されている。
SW端子は、LED電流調整回路3425f内蔵する、図示しないNch MOSFETによりスイッチングが行われる端子である。このスイッチングにより、スイッチがONすると、コイルSDL1にエネルギーを蓄える一方、スイッチがOFFすると、コイルSDL1に蓄えたエネルギーをダイオードSDD0を介して放出する。
OVD端子は、コイルSDL1に蓄えたエネルギーがダイオードSDD0を介して放出されると、この放出による電圧が過電圧となっているかを監視する端子である。過電圧を検出すると、上述したLED電流調整回路3425fに内蔵する、図示しないNch MOSFETによるスイッチングを停止する。なお、印加電圧が検出レベルを下回った場合にはスイッチングを再開する。
本実施形態では、サブ液晶表示装置3450のバックライトとして、白色LEDが8個電気的に直列接続されており、この初段(第1)の白色LEDのアノード端子に、上述したスイッチング動作により生成される電圧がLEDアノードとして供給される一方、最終段(第8)の白色LEDのカソード端子からLEDカソードとしてLED電流調整回路3425fのFB端子に入力される。LED電流調整回路3425fのIf調整端子は、初段(第1)の白色LED〜最終段(第8)の白色LEDを流れる電流Ifを調整するための輝度調整回路3425gと電気的に接続されている。この輝度調整回路3425gは、固定抵抗である抵抗SDR5,SDR6、及び半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0から構成されている。抵抗SDR6の一端と輝度調整ボリュームSDVR0の2つの固定端のうち1つの固定端とがグランドに接地される一方、抵抗SDR6の他端と輝度調整ボリュームSDVR0の残りの1つの固定端(グランドと接地されていない固定端)と電気的に接続されることにより、抵抗SDR6の両端と輝度調整ボリュームSDVR0の2つの固定端とが電気的に並列接続されるとともに、抵抗SDR5の一端が抵抗SDR6の他端と輝度調整ボリュームSDVR0の残りの1つの固定端(グランドと接地されていない固定端)と電気的に接続される一方、抵抗SDR5の他端が輝度調整ボリュームSDVR0の可変端と電気的に接続されている。SDR5の一端と抵抗SDR6の他端と輝度調整ボリュームSDVR0の残りの1つの固定端(グランドと接地されていない固定端)とがLED電流調整回路3425fのIf調整端子と電気的に接続されている。
輝度調整回路3425gは、上述したように、固定抵抗である抵抗SDR5,SDR6、及び半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0から構成されており、合成抵抗RSENSは、輝度調整ボリュームSDVR0の最小抵抗値から輝度調整ボリュームSDVR0の最大抵抗値に向かって輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されるに従い、その回動操作の操作量に対する合成抵抗RSENSの変化量が一定となる直線状となる特性を有するものではなく、その回動操作の操作量に対する合成抵抗RSENSの変化量が小さくなる曲線状に変化する特性を有している。LED電流調整回路3425fは、この特性と合致するように、初段(第1)の白色LED〜最終段(第8)の白色LEDを流れる電流Ifを調整するようになっている。つまり、LED電流調整回路3425fは、初段(第1)の白色LED〜最終段(第8)の白色LEDを流れる電流Ifを、輝度調整ボリュームSDVR0の最小抵抗値から輝度調整ボリュームSDVR0の最大抵抗値に向かって輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されるに従い、その回動操作の操作量に対する初段(第1)の白色LED〜最終段(第8)の白色LEDを流れる電流Ifの変化量が小さくなる曲線状に変化させる。
本実施形態では、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格電流(30mA(ミリアンペア))を超えないように、サブ液晶表示装置3450のバックライトに流す電流を15mA〜25mA程度に設定すると、固定抵抗である抵抗SDR5,SDR6、及び半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0から構成される合成抵抗RSENSは、12Ω〜20Ω程度となる。固定抵抗である抵抗SDR5として抵抗値を汎用品であって入手容易で安価な24Ωを選定し、固定抵抗である抵抗SDR6として抵抗値を汎用品であって入手容易で安価な27Ωを選定し、そして半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0として汎用品であって入手容易で安価な北陸電機工業製のチップ型サーメット皮膜セラミック半固定可変抵抗器VG039Nの100Ωを選定しており、回転角度を0°〜270°に回動操作することにより最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)から最大抵抗値である100Ωに向かって抵抗値を調整することができ、回転角度1°あたり抵抗値を約0.37Ωだけ可変することができる。後述するバックライトの輝度調整作業時における周囲温度において、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)と、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、の関係が、図122(a)の実線の曲線となるときには、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)であるときに、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度がサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約45%となるように、上述した固定抵抗である抵抗SDR5,SDR6の抵抗値が選定されており、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を最大抵抗値である100Ωに調整したとしても、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約85%となるようになっている。
バックライトの輝度調整作業時における周囲温度において、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)と、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、の関係が、図122(a)の実線の曲線となるときには、輝度調整ボリュームSDVR0を操作すると、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)と、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の変化量と、の関係(つまり、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)に対する図122(a)の実線の曲線の傾き)は、値0に向かって滑らかに小さくなる曲線となる。図122(a)の2点鎖線の曲線に示すように、輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作すると、輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の特性曲線の傾きが、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値0Ω(ゼロΩ)〜10Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.37%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値10Ω〜20Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.25%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値20Ω〜30Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.16%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値30Ω〜40Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.11%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値40Ω〜50Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.08%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値50Ω〜60Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.06%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値60Ω〜70Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.05%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値70Ω〜80Ω区間において約0.04%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値80Ω〜90Ω区間において約0.05%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値90Ω〜100Ω区間において約0.09%下がっている。
本実施形態では、バックライトの輝度調整作業において調整されるサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度として、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となるように輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を調整する。この場合、バックライトの輝度調整作業時の周囲温度において、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)と、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、の関係が、図122(a)の実線の曲線となるときには、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となる輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約38Ωとなる。
ところで、ホールには、複数のパチンコ遊技機がパチンコ島設備に背向かいで列設されているため、営業開始してから徐々にパチンコ島設備の内部温度が高くなる。このため、バックライトの輝度調整作業時の周囲温度において、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となる輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を上述した約38Ωと調整したとしても、温度ドリフトにより輝度も変化する。例えば、ホールが営業開始した直後においては、パチンコ島設備の内部温度がバックライトの輝度調整作業時の周囲温度も低く、仮に5%だけ抵抗値が小さくなってバックライトの輝度調整作業時の周囲温度における図122(a)の実線の曲線が下方に移動して図122(a)の1点鎖線の曲線となると、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が最大定格輝度に対して約72.5%よりも小さくなる。そして、ホールが営業開始してパチンコ島設備の内部温度がバックライトの輝度調整作業時の周囲温度まで上昇すると、図122(a)の実線の曲線によりサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が最大定格輝度に対して約72.5%となる。そして、パチンコ島設備の内部温度がさらに上昇し、仮に5%だけ抵抗値が大きくなってバックライトの輝度調整作業時の周囲温度における図122(a)の実線の曲線が上方に移動して図122(a)の破線の曲線となると、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が最大定格輝度に対して約72.5%よりも大きくなる。
ここで、固定抵抗である抵抗SDR5,SDR6、及び半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0から構成される輝度調整回路3425gを、固定抵抗である抵抗SDR6’と、半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0’と、が電気的に直列接続されて回路構成される輝度調整回路3425g’について検討してみる。輝度調整回路3425g’は、一端がグランドに接地された固定抵抗である抵抗SDR6’の他端が半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0’の可変端子と電気的に直列接続されるとともに、半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0’の固定端子がLED電流調整回路3425fのIf調整端子と電気的に接続されている。サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格電流(30mA)を超えないように、上述したように、サブ液晶表示装置3450のバックライトに流す電流を15mA〜25mA程度に設定すると、固定抵抗である抵抗SDR6’、及び半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0’から構成される合成抵抗RSENS’は、12Ω〜20Ω程度となる。固定抵抗である抵抗SDR6’として10Ωを選定すると、輝度調整ボリュームSDVR0’として10Ωを選定しなければならない。10Ωの半固定可変抵抗は、汎用品ではなく、入手容易ではなく高価となるばかりでなく、輝度調整ボリュームSDVR0’の最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)から輝度調整ボリュームSDVR0’の最大抵抗値である10Ωに向かって輝度調整ボリュームSDVR0’が回動操作されるに従い、回動操作の操作量に対する合成抵抗RSENS’の変化量が一定となる直線状となる特性を有している。
仮に、輝度調整ボリュームSDVR0’の抵抗値が最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)であるときにおけるサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、図122(a)の実線の曲線における輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)におけるサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、を同一とするとともに、輝度調整ボリュームSDVR0’の抵抗値が最大抵抗値である10Ωであるときにおけるサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、図122(a)の実線の曲線における輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が最大抵抗値である100Ωにおけるサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、を同一とすると、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度は、上述したように、輝度調整ボリュームSDVR0’の抵抗値が最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)であるときには最大定格輝度に対して約45%となるとともに、輝度調整ボリュームSDVR0’の抵抗値が最大抵抗値である10Ωであるときには最大定格輝度に対して約85%となる。
そうすると、輝度調整ボリュームSDVR0’の最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)から輝度調整ボリュームSDVR0’の最大抵抗値である10Ωに向かって輝度調整ボリュームSDVR0’が回動操作されるに従い、回動操作の操作量に対する合成抵抗RSENS’の変化量が常に一定となるため、図122(a)に示した曲線状とならず、直線状となる。つまり、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度は、輝度調整ボリュームSDVR0’の最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)から輝度調整ボリュームSDVR0’の最大抵抗値である10Ωに向かって輝度調整ボリュームSDVR0’が回動操作されるに従い、最大定格輝度に対して約45%から約85%に向かって一直線上に変化するという特性直線となるため、回動操作の全操作量に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の全変化量が約40%となる。
仮に、輝度調整ボリュームSDVR0’が輝度調整ボリュームSDVR0と同様に、回転角度0°〜270°とすると、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)に対する直線の傾きは約0.148%(=約40%/270°)となる。固定抵抗である抵抗SDR6’と、半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0’と、から構成される輝度調整回路3425g’が温度ドリフトにより仮に5%だけ抵抗値が大きくなった場合には、上述した特性直線が上方に移動することによりサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が5%だけ大きくなる一方、温度ドリフトにより仮に5%だけ抵抗値が小さくなった場合には、上述した特性直線が下方に移動することによりサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が5%だけ小さくなる。これに対して、本実施形態における輝度調整回路3425gにおいては、図122(a)の実線の曲線において、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が約72.5%となるように輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を約38Ωに調整された状態から温度ドリフトにより仮に5%だけ抵抗値が大きくなって図122(a)の破線の曲線となった場合には、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約40Ωとなり、この抵抗値におけるサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が約77%となり、約4.5%大きくなる一方、温度ドリフトにより仮に5%だけ抵抗値が小さくなって図122(a)の一点鎖線の曲線となった場合には、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約36Ωとなり、この抵抗値におけるサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が約68%となり、約4.5%小さくなる。
このように、本実施形態においては、温度ドリフトが生じたとしても、上述した特性曲線が上方又は下方に移動するものの、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の変化量を±約4.5%以内に抑えることができるため、固定抵抗である抵抗SDR6’と、半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0’と、が電気的に直列接続されて回路構成される輝度調整回路3425g’におけるサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の変化量(±5%以内)と比べて、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の変化量を1割も小さく抑えることができる。したがって、温度変化(温度ドリフト)によるバックライトの輝度の変動を抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を最大抵抗値である100Ωに調整したとしても、バックライトの輝度調整作業時の周囲温度における図122(a)の実線の曲線によりサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約85%となり、温度ドリフトによりパチンコ島設備の内部温度が上昇しても、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が最大定格輝度に対して約90%程度となるようになっている。換言すると、温度ドリフトが生じても、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が最大定格輝度に達しないようになっている。
因みに、上述した、固定抵抗である抵抗SDR6’と、半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0’と、が電気的に直列接続されて回路構成される輝度調整回路3425g’を有する技術としては、例えば、回転リールを照明するバックライトの輝度を遊技者が好みに応じて自由に調整することができる遊技機が提案されている(例えば、特開2007−267899号公報(段落[0035]、及び図4))。この文献に記載される遊技機においては、固定抵抗と可変抵抗とが電気的に直列接続されて回路構成されているため、操作部を操作することにより可変抵抗の抵抗値が可変されることに伴い、固定抵抗と可変抵抗とによる合成抵抗の抵抗値も可変されてバックライトの輝度を調整することができるようになっている。ところで、この文献に記載される遊技機においては、上述しように、固定抵抗と可変抵抗とが電気的に直列接続されて回路構成されており、可変抵抗の抵抗値の変化量が合成抵抗の抵抗値の変化量となるため、可変抵抗の抵抗値を最小抵抗値から最大抵抗値に向かって操作部が操作されるに従い、可変抵抗の抵抗値とバックライトの輝度との関係が、可変抵抗の抵抗値の変化量に対するバックライトの輝度の変化量が常に一定となる直線状となる。そうすると、可変抵抗の抵抗値の変化量に対するバックライトの輝度の変化量が常に一定であるため、可変抵抗の目標抵抗値の前後で操作部の少しの操作量で可変抵抗の抵抗値が急激に変動してバックライトの輝度の微調整が難しくなるという問題が生ずる。
[11−3.バックライトの輝度調整作業]
次に、バックライトの輝度調整作業について説明する。このバックライトの輝度調整作業では、パチンコ遊技機1にサブ液晶表示装置3450を装着する前に行われる作業であり、まだ一度もパチンコ遊技機1に装着されていない未使用のサブ液晶表示装置3450だけでなく、一度ホールに設置されたパチンコ遊技機1からサブ液晶表示装置3450を取り外して再利用する場合にも行われる。なお、サブ液晶表示装置3450を再利用する場合には、このサブ液晶表示装置3450を駆動していたサブ液晶駆動基板3425は廃棄され、まだ一度もパチンコ遊技機1に装着されていない未使用のサブ液晶駆動基板3425を用いるようになっている。
バックライトの輝度調整作業は、バックライトの輝度調整用作業工程において製造元の作業者により行われる。バックライトの輝度調整作業工程は、作業台に固定された各種ジグや各種装置等を用いて行う。具体的には、図122(b)に示すように、輝度測定装置MOLが取り付けられた取付台ARLと、サブ液晶表示装置3450を取り付けるジグARSLと、サブ液晶表示装置3450を駆動するサブ液晶駆動基板3425が収容されるサブ液晶駆動基板ボックス3430を取り付けるジグARSDと、が作業台にそれぞれ固定されている。取付台ARLに取り付けられた輝度測定装置MOLの測定面は、ジグARSLに取り付けられたサブ液晶表示装置3450の表示領域の中央と対向するとともに、取付台ARLに取り付けられた輝度測定装置MOLの測定面と、ジグARSLに取り付けられたサブ液晶表示装置3450の表示領域と、の距離寸法が所定距離dとなるように取付台ARLとジグARSLとが作業台にそれぞれ固定されている。輝度測定装置MOLが測定した輝度は、図示しない輝度表示器に表示されるようになっている。ジグARSLに取り付けられたサブ液晶表示装置3450は、ジグARSDに取り付けられたサブ液晶駆動基板ボックス3430のサブ液晶駆動基板3425からの各種配線が電気的に接続されている。ジグARSDに取り付けられたサブ液晶駆動基板ボックス3430のサブ液晶駆動基板3425は、さらに、サブ液晶表示装置3450の表示領域全体を白色に描画するための図示しないコントローラからの配線も電気的に接続されている。
サブ液晶駆動基板ボックス3430は、ベース部材と、このベース部材に組み合わされるカバー部材と、の間にサブ液晶駆動基板3425が収容されており、カバー部材及びベース部材が透明な合成樹脂材により形成されている。カバー部材には、サブ液晶駆動基板3425の輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作するための調整工具を挿入することができる調整孔3430aが形成されているほかに、上述した各種配線を電気的に接続するための配線口が形成されるとともに、サブ液晶駆動基板ボックス3430の内部空気を冷却するための通気孔が上辺及び下辺に沿ってそれぞれ複数形成されている。
製造元の作業者は、図示しないコントローラを操作してサブ液晶表示装置3450の表示領域全体を白色に描画するための描画データをサブ液晶駆動基板ボックス3430のサブ液晶駆動基板3425に送信すると、サブ液晶駆動基板3425は、サブ液晶表示装置3450の表示領域全体を白色一色で描画する。そして、例えば、まだ一度も使用されていないサブ液晶表示装置3450を利用(新規利用)するときにおいては、製造元の作業者は、ジグARSDに取り付けられたサブ液晶駆動基板ボックス3430の形成される調整孔3430aから調整工具を挿入にしてサブ液晶駆動基板ボックス3430に収容されるサブ液晶駆動基板3425の輝度調整ボリュームSDVR0の凹部SDVR0a(図122(d)を参照。)に嵌め合わせて、図示しない輝度表示器に表示される輝度を見ながら回動操作する。LED電流調整回路3425fは、輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されて輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約38Ωとなると、サブ液晶表示装置3450のバックライトの白色LED(初段(第1)の白色LED〜最終段(第8))を流れる電流Ifを新規利用調整時電流に調整することにより、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度がサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となる。なお、輝度調整ボリュームSDVR0は、サブ液晶駆動基板ボックス3430の形成される調整孔3430aから調整工具を挿入にして回動操作されるようになっているため、調整孔3430aに指を入れて直接触れることができないようになっている。換言すると、パチンコ遊技機1がホールに設置されても、ホールの店員等であっても輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作することができないようになっている。
バックライトの輝度調整作業時における周囲温度において、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)と、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、の関係が、図122(a)の実線の曲線となるときには、輝度調整ボリュームSDVR0を操作してサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を約38Ωに調整する必要がある。輝度調整ボリュームSDVR0の回動操作に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の特性曲線の傾きは、上述したように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値0Ω(ゼロΩ)〜10Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.37%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値10Ω〜20Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.25%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値20Ω〜30Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.16%下がり、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値30Ω〜40Ω区間において回転角度27°の回動操作に対して約0.11%下がるようになっているため、製造元の作業者は、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値として最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)から輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作すると、輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の変化量が輝度調整ボリュームSDVR0の目標抵抗値である約38Ωに近づくにつれて小さくなることで輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が目標抵抗値である約38Ωに近づくにつれて輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量が大きくなって輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値である約38Ωに徐々に近づけることができる。つまり、本実施形態では、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に近づくにつれて輝度調整ボリュームSDVR0の回動操作に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の特性曲線の傾きが滑らかに小さくなっているため、輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量を、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に近づくにつれて拡大させることができるようになっている。
ここで、上述した、固定抵抗である抵抗SDR6’と、半固定可変抵抗である輝度調整ボリュームSDVR0’と、が電気的に直列接続されて回路構成される輝度調整回路3425g’について検討してみると、輝度調整ボリュームSDVR0の回動操作に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の特性曲線の傾きは約0.148%と一定であるため、製造元の作業者は、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値として最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)から輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作しても、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度となるように、輝度調整ボリュームSDVR0’の抵抗値を素早く目標抵抗値に近づけることができず、調整し難い。これに対して、本実施形態における輝度調整回路3425gにおいては、上述したように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に近づくにつれて輝度調整ボリュームSDVR0の回動操作に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の特性曲線の傾きが滑らかに小さくなっているため、その傾きが目標抵抗値に近づく手前までやや大きく(輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値0Ω〜30Ω区間のうち、0Ω(ゼロΩ)〜10Ω区間における傾きが最も大きく、次に10Ω〜20Ω区間における傾きが大きく、そして20Ω〜30Ω区間における傾きが大きく)、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値の手前(約30Ω)まで素早く近づけることができるとともに、目標抵抗値の手前(約30Ω)まで近づけると、その傾きが目標抵抗値に近づくにつれて小さくなって(輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値30Ω以降における傾きが目標抵抗値に近づくにつれて小さく)、輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量を、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に近づくにつれて拡大させることにより、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に徐々に近づけることができ、調整し易い。したがって、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の微調整を容易に行うことができる。
なお、一度ホールに設置されたパチンコ遊技機1からサブ液晶表示装置3450を取り外して再利用する場合には、既に、本バックライトの輝度調整作業工程において、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値である約38Ωに調整しているものの、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が約8%程度劣化していると想定すると、製造元の作業者は、輝度測定装置MOLが測定した輝度が表示される図示しない輝度表示器を見ながらの作業となるため、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値である約38Ωに調整しても、実際には図122(a)の実線の曲線によれば、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約80.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を約65Ωに調整することとなる。
つまり、サブ液晶表示装置3450のバックライトの性能が劣化していると想定すると、サブ液晶表示装置3450を新規利用する場合と比べて、サブ液晶表示装置3450のバックライトを流れる電流Ifを大きくして新規利用時における輝度に戻す必要がある。このため、製造元の作業者は、未使用のサブ液晶表示装置3450の輝度を調整する際に調整された輝度調整ボリュームSDVR0の可変位置における抵抗値(約38Ω)から抵抗値を大きくするために輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作することとなる。LED電流調整回路3425fは、輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されて輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約64Ωとなると、サブ液晶表示装置3450のバックライトの白色LED(初段(第1)の白色LED〜最終段(第8))を流れる電流Ifを新規利用調整時電流より大きい電流である再利用調整時電流に調整することにより、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度がサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して実際には72.5%としている。この再利用調整時電流は、図122(a)の実線の曲線によれば、サブ液晶表示装置3450の新規利用時においてサブ液晶表示装置3450のバックライトの白色LED(初段(第1)の白色LED〜最終段(第8))を流れる電流IfとしてLED電流調整回路3425fにより調整されると、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が約80.5%となるものである。なお、仮に、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が約8%を超えて約10%程度劣化している場合には、製造元の作業者は、輝度測定装置MOLが測定した輝度が表示される図示しない輝度表示器を見ながらの作業となるため、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値である約38Ωに調整しても、実際には図122(a)の実線の曲線によれば、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約82.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を約76Ωに調整することとなる。
[11−4.輝度調整のバラツキ]
次に、輝度調整のバラツキについて簡単に説明する。上述したバックライトの輝度調整作業工程において、例えば、サブ液晶表示装置3450を新規利用するときにおいては、製造元の作業者は、ジグARSDに取り付けられたサブ液晶駆動基板ボックス3430の形成される調整孔3430aから調整工具を挿入にしてサブ液晶駆動基板ボックス3430に収容されるサブ液晶駆動基板3425の輝度調整ボリュームSDVR0の凹部SDVR0a(図122(d)を参照。)に嵌め合わせて、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となるように、図示しない輝度表示器に表示される輝度を見ながら回動操作する。
そこで、このような回動操作により調整されるサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対する輝度の分布として、平均値μ(ミュー)を72.5%、標準偏差(バラツキ)σ(シグマ)を1%とする正規分布すると考えると、輝度調整のバラツキ6σの範囲は、図122(a)の実線の曲線によれば、69.5%〜75.5%となる。この範囲を図122(a)の実線の曲線に対して輝度調整ボリュームSDVR0軸側へ投影すると、図122(c)に示すように、−3σからμまでの区間、つまり最大定格輝度に対する輝度が69.5%〜72.5%までの区間においては、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約31Ω〜約38Ωまで可変される区間W0となるとともに、μから+3σまでの区間、つまり最大定格輝度に対する輝度が72.5%〜75.5%までの区間においては、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約38Ω〜約46Ωまで可変される区間W1となる。区間W0における範囲は、約31Ω〜約38Ωまでの約7Ωであるのに対して、区間W1における範囲は、約38Ω〜約46Ωまでの約8Ωであるため、区間W0における範囲が区間W1の範囲より小さくなっている。これは、上述したように、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)と、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、の関係が、図122(a)の実線の曲線に示した特性曲線、つまり、輝度調整ボリュームSDVR0の最小抵抗値から輝度調整ボリュームSDVR0の最大抵抗値に向かって輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されるに従い、その回動操作の操作量に対する合成抵抗RSENSの変化量が小さくなる曲線状に変化する特性を有しているためである。
このように、サブ液晶表示装置3450を新規利用するときにおいては、バックライトの輝度調整作業工程において、輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されることにより調整されるサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対する輝度の分布として、平均値μ(ミュー)を72.5%、標準偏差(バラツキ)σ(シグマ)を1%とする正規分布すると考えた場合には、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約31Ω〜約46Ωまでの区間、つまり区間W0+区間W1となり、これを輝度調整ボリュームSDVR0の回動操作による回転角度に換算してみると、上述したように、回転角度1°あたり抵抗値を約0.37Ωだけ可変することができるため、約84°〜約124°となり、図122(d)に示すように、新規利用時における回転角度の範囲NRは約40°となる。
これに対して、上述したように、一度ホールに設置されたパチンコ遊技機1からサブ液晶表示装置3450を取り外して再利用する場合には、既に、バックライトの輝度調整作業工程において、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約72.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値である約38Ωに調整しているものの、約8%程度劣化していると想定すると、製造元の作業者は、再利用するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度を最大定格輝度に対して約72.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作すると、実際には図122(a)の実線の曲線によれば、サブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対して約80.5%となるように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を約65Ωに調整することとなる。サブ液晶表示装置3450を再利用するときにおいても、輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されることにより調整されるサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対する輝度の分布として、平均値μ(ミュー)を80.5%、標準偏差(バラツキ)σ(シグマ)を1%とする正規分布すると考えると、輝度調整のバラツキ6σの範囲は、図122(a)の実線の曲線によれば、77.5%〜83.5%となる。この範囲を図122(a)の実線の曲線に対して輝度調整ボリュームSDVR0軸側へ投影すると、−3σからμまでの区間、つまり最大定格輝度に対する輝度が77.5%〜80.5%までの区間においては、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約53Ω〜約65Ωまで可変される区間W0’となるとともに、μから+3σまでの区間、つまり最大定格輝度に対する輝度が80.5%〜83.5%までの区間においては、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約65Ω〜約82Ωまで可変される区間W1’となる。区間W0’における範囲は、約53Ω〜約65Ωまでの約12Ωであるのに対して、区間W1’における範囲は、約65Ω〜約82Ωまでの約17Ωであるため、区間W0’における範囲が区間W1’の範囲より小さくなっている。これは、上述したように、輝度調整ボリュームSDVR0の操作量(抵抗値)と、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度と、の関係が、図122(a)の実線の曲線に示した特性曲線、つまり、輝度調整ボリュームSDVR0の最小抵抗値から輝度調整ボリュームSDVR0の最大抵抗値に向かって輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されるに従い、その回動操作の操作量に対する合成抵抗RSENSの変化量が小さくなる曲線状に変化する特性を有しているためである。
サブ液晶表示装置3450を再利用するときにおいては、バックライトの輝度調整作業工程において、輝度調整ボリュームSDVR0が回動操作されることにより調整されるサブ液晶表示装置3450のバックライトの最大定格輝度に対する輝度の分布として、平均値μ(ミュー)を80.5%、標準偏差(バラツキ)σ(シグマ)を1%とする正規分布すると考えた場合には、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が約53Ω〜約82Ωまでの区間、つまり区間W0’+区間W1’となり、これを輝度調整ボリュームSDVR0の回動操作による回転角度に換算してみると、上述したように、回転角度1°あたり抵抗値を約0.37Ωだけ可変することができるため、約143°〜約221°となり、図122(d)に示すように、再利用時における回転角度の範囲RRは約78°となり、新規利用時における回転角度の範囲NR(約40°)と比べて約2倍となっている。つまり、サブ液晶表示装置3450を新規利用するとき及び再利用するときにおいても、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度が平均値μ(ミュー)が異なるものの、標準偏差(バラツキ)σ(シグマ)を1%とする正規分布すると考えた場合には、再利用時における回転角度の範囲RRが新規利用時における回転角度の範囲NRの約2倍となることことにより、製造元の作業者は、サブ液晶表示装置3450を再利用するときにおいては、バックライトの輝度調整作業工程において、サブ液晶表示装置3450を新規利用するときにおけるバックライトの輝度調整作業工程において輝度調整ボリュームSDVR0の回動操作と比べて、輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量を、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に近づくにつれてさらに拡大させることができるようになっているため、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に徐々に近づけることができ、調整し易い。
換言すると、サブ液晶表示装置3450を新規利用するとき及び再利用するときにおいては、サブ液晶表示装置3450のバックライトの白色LED(初段(第1)の白色LED〜最終段(第8))を流れる電流Ifが新規利用調整時電流と再利用調整時電流とでそれぞれ異なるものの、新規利用時における回転角度の範囲NRにおける新規利用調整時電流の変化量と、再利用時における回転角度の範囲RRにおける再利用調整時電流の変化量と、を同一にするとともに、新規利用時における輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量と比べて再利用時における輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量を大きくすることができるようになっている。したがって、サブ液晶表示装置3450を再利用するときにおいて、サブ液晶表示装置3450のバックライトの性能が劣化している場合であっても、新規利用時における回転角度の範囲NRにおける新規利用調整時電流の変化量と、再利用時における回転角度の範囲RRにおける再利用調整時電流の変化量と、を同一にするとともに、新規利用時における輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量と比べて再利用時における輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量を大きくすることにより、サブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の微調整を容易に行うことができる。
因みに、液晶表示装置のバックライトには、高輝度の白色LEDが複数個用いられており、各LEDが電流制限抵抗を介してドライバICに電気的に接続され、CPUがドライバICをPWM制御することによりバックライトの輝度の調整を行う遊技機が提案されている(例えば、特開2005−152227号公報(段落[0034]、[0035]、及び図7))。ところで、この文献に記載される遊技機においては、高輝度の白色LEDに流れる電流が電流制限抵抗により設定されているため、時間の経過にともないLEDの性能が劣化すると、バックライトの輝度が低下することとなる。液晶表表示装置を再利用する場合には、バックライトの輝度を高めるためにLEDに流す電流を大きくする必要があるため、電流制限抵抗をわざわざ取り外さなければならず、バックライトの輝度の調整を容易に行うことができないという問題が生ずる。
なお、本実施形態における輝度調整回路3425gにおいては、未使用のサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度を調整する際に調整された輝度調整ボリュームSDVR0の可変位置(この可変位置における輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値は、約38Ω。)から約65Ωに向かって可変されるに従い、上述したように、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に近づくにつれて輝度調整ボリュームSDVR0の回動操作に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の特性曲線の傾きが滑らかに小さくなっているため、その傾きが目標抵抗値に近づく手前までやや大きく(輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値30Ω〜60Ω区間のうち、30Ω〜40Ω区間における傾きが最も大きく、次に40Ω〜50Ω区間における傾きが大きく、そして50Ω〜60Ω区間における傾きが大きく)、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値の手前(約60Ω)まで素早く近づけることができるとともに、目標抵抗値の手前(約60Ω)まで近づけると、その傾きが目標抵抗値に近づくにつれて小さくなって(輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値60Ω以降における傾きが目標抵抗値に近づくにつれて小さく)、輝度調整ボリュームSDVR0を回動操作する操作量を、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に近づくにつれて拡大させることにより、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に徐々に近づけることができ、調整し易い。したがって、製造元の作業者が未使用のサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度を調整する場合においても、バックライトの輝度の調整を容易に行うことができる。
[12.装飾基板の回路]
次に、図96に示した遊技盤4に備える各種装飾基板の回路等について、図123及び図124を参照して説明する。ここで、各種装飾基板の回路は、ほぼ同一の回路であるため、装飾基板5000について説明する。なお、各種装飾基板の回路がほぼ同一の回路であるとは、後述するLED駆動ICが単一か複数かという違いであって回路の動作は同一であるという意味である(各種LEDは、装飾基板に実装されているものもあれば、コネクタから配線を介して電気的に接続されているものもある)。また後述するLED駆動ICは、ランプ駆動基板4170にも実装されており、各種装飾基板に実装されるLED駆動ICの動作と同一の動作となっている。図123は装飾基板の回路を示す回路図であり、図124は後続の各装飾基板の電気的な接続を示すブロック図である。
装飾基板5000は、図123に示すように、ノイズ除去回路NC、LED駆動ICDLIC0を主として構成されている。周辺制御基板4140から遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがランプ駆動基板4170を介して装飾基板5000の入力コネクタDLCN0に入力されるとともに、周辺制御基板4140から+5.25V、+12V、及び+24Vがランプ駆動基板4170を介して装飾基板5000の入力コネクタDLCN0に供給されている。また周辺制御基板4140からのグランド(GND)がランプ駆動基板4170を介して、装飾基板5000の入力コネクタDLCN0に入力されており、周辺制御基板4140、ランプ駆動基板4170、及び装飾基板5000が同一のグランド(GND)に接地されている。
ノイズ除去回路NCは、装飾基板5000に入力される遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKからノイズを除去するものであり、フィルタ回路5000a、シュミット付バッファ回路5000bを主として構成されている。遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、まずフィルタ回路5000aにおいてノイズ等の成分が除去されたのち、シュミット付バッファ回路5000bにおいて正常は波形に整形されるようになっている。
具体的には、装飾基板5000に入力された遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、まずフィルタ回路5000aに入力される。フィルタ回路5000aは、2つのローパスフィルタ回路A,Bを備えている。遊技盤側発光データSL−DATは、抵抗DLR0及びコンデンサDLC0から構成されるローパスフィルタ回路Aによりノイズ等の成分が除去されるとともに、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、抵抗DLR1及びコンデンサDLC1から構成されるローパスフィルタ回路Bによりノイズ等の成分が除去されるようになっている。
ノイズ等の成分が除去された遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、シュミット付バッファ回路5000bに入力されて正常な波形に整形される。ここで、「正常な波形」に整形するとは、フィルタ回路5000aにおいて遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKからノイズ等の成分が除去されると、高周波成分が除去されて波形がなまる(矩形波形の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジが緩やかとなる)ため、これを元の矩形波形に整形(つまり、立ち上がりエッジ、及び立ち下がりエッジを鋭く)することである。
シュミット付バッファ回路5000bは、第1のシュミット付バッファ回路5000ba、第2のシュミット付バッファ回路5000bbから構成されている。
第1のシュミット付バッファ回路5000baは、6つのシュミット付インバータA〜Fを備えるICである。遊技盤側発光データSL−DATは、第1のシュミット付バッファ回路5000baの前段のシュミット付インバータAで論理が反転されて第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータBで論理が反転されて論理が元に戻ってLED駆動ICDLIC0のシリアルデータ入力端子であるSDT端子に入力されるとともに、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、第1のシュミット付バッファ回路5000baの前段のシュミット付インバータCで論理が反転されて第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータDで論理が反転されて論理が元に戻ってLED駆動ICDLIC0のクロック信号入力端子であるSCLK端子に入力される。
遊技盤側発光クロック信号SL−CLKに同期して遊技盤側発光データSL−DATが入力されるLED駆動ICDLIC0は、出力チャンネル(ch)が9本あり、チャンネルごとに、最大80mA(ミリアンペア)の電流を出力することができるという9chの定電流LEDドライバICである。LED駆動ICDLIC0は、アドレス設定部DLIC0a、ロジック処理部DLIC0b、クロック生成部DLIC0c、データバッファ部DLIC0d、PWM部DLIC0e、定電流駆動部DLIC0fを主として構成されている。アドレス設定部DLIC0aは、3つのアドレス設定端子ID0〜ID2に印加される電圧の大きさにより64通りのアドレスをLED駆動ICDLIC0に設定することができるようになっている。3つのアドレス設定端子ID0〜ID2に印加される電圧は、+5.25V(Vcc)、2/3Vcc、1/3Vcc、及びグランド(GND)のいずれかであり、2/3Vcc及び1/3Vccは、+5.25Vとグランド(GND)との間を電気的に直列接続される抵抗DLR2〜DLR4により分圧されて取り出されている。
具体的には、抵抗DLR2の一端に+5.25Vが供給され、抵抗DLR2の他端が抵抗DLR3の一端と電気的に接続され、抵抗DLR3の他端が抵抗DLR4の一端と電気的に接続され、抵抗DLR4の他端がグランド(GND)に接地されており、抵抗DLR2〜DLR4の抵抗値が同一の抵抗値となっている。これにより、抵抗DLR3の他端と抵抗DLR4の一端とが電気的に接続される電圧が+5.25V(Vcc)に対して3分の1の電圧である1/3Vccとなり、抵抗DLR2の他端と抵抗DLR3の一端とが電気的に接続される電圧が+5.25V(Vcc)に対して3分の2の電圧である2/3Vccとなる。
本実施形態では、3つのアドレス設定端子ID0〜ID2のうち、アドレス設定端子ID0に2/3Vccが印加され、アドレス設定端子ID1に1/3Vccが印加され、アドレス設定端子ID2にグランド(GND)が接地されることにより、LED駆動ICDLIC0のアドレスとして値12という固定値がアドレス設定部DLIC0aにより設定される。このように、LED駆動ICDLIC0のアドレスは、3つのアドレス設定端子ID0〜ID2に印加される電圧というハードウェアの構成によってアドレス設定部DLIC0aにより設定されるようになっているため、ソフトウェアによるデータを受信して適宜設定されるものでない。
ロジック処理部DLIC0bは、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKに同期して遊技盤側発光データSL−DATを受信してデータバッファ部DLIC0dへ伝送する。データバッファ部DLIC0dは、アドレス設定部DLIC0aが設定するLED駆動ICDLIC0のアドレスに基づいて、ロジック処理部DLIC0bからの遊技盤側発光データSL−DATが自己に対するものであるか否かを判断し、遊技盤側発光データSL−DATに含まれるアドレスデータの内容(アドレス)と、アドレス設定部DLIC0aが設定するLED駆動ICDLIC0のアドレスと、が一致しているときには、ロジック処理部DLIC0bからの遊技盤側発光データSL−DATが自己に対するものであると判断して遊技盤側発光データSL−DATから各チャンネルのLEDの発光態様が規定される階調データを取り出し、この取り出した階調データに基づいて、各チャンネルにおける階調度をPWM部DLIC0eに設定する制御を行う一方、遊技盤側発光データSL−DATに含まれるアドレスデータの内容(アドレス)と、アドレス設定部DLIC0aが設定するLED駆動ICDLIC0のアドレスと、が一致していないときには、ロジック処理部DLIC0bからの遊技盤側発光データSL−DATが自己に対するものでないと判断して遊技盤側発光データSL−DATから各チャンネルのLEDの発光態様が規定される階調データを取り出さず、PWM部DLIC0eに設定される現状の内容を維持する制御を行う。
PWM部DLIC0eは、各チャンネルにおけるLEDの明るさ(階調度)を、消灯から点灯(最大輝度)までを階調度0〜127という合計128段階で階調制御することができるものであり、1つのチャンネルに対して1つのPWM階調制御部により階調制御されるようになっている。つまりPWM部DLIC0eには、0chにおけるLEDに対してPWM階調制御部0により階調制御され、1chにおけるLEDに対してPWM階調制御部1により階調制御され、・・・、そして8chにおけるLEDに対してPWM階調制御部8により階調制御されるという、合計9つのPWM階調制御部0〜8から構成されている。PWM階調制御部0〜8は、階調度がそれぞれ設定されると、クロック生成部DLIC0cからのクロック信号に基づいて、設定された階調度となる電流を流すように定電流駆動部DLIC0fの制御を行う。
定電流駆動部DLIC0fは、PWM階調制御部0〜8に設定される階調度となるように、1つのチャンネルに対して1つの定電流ドライバによりLEDに定電流を流すものであり、0chにおけるLEDに対して定電流ドライバ0により定電流が流れ、1chにおけるLEDに対して定電流ドライバ1により定電流が流れ、・・・、そして8chにおけるLEDに対して定電流ドライバ8により定電流が流れるという、合計9つの定電流ドライバ0〜8から構成されている。定電流ドライバ0〜2には、0ch〜2chまでの3つのチャンネルにおけるLEDに流す最大電流を設定する抵抗DLR5の一端が電気的に接続されるとともに抵抗DLR5の他端がグランド(GND)に接地され、定電流ドライバ3〜5には、3ch〜5chまでの3つのチャンネルにおけるLEDに流す最大電流を設定する抵抗DLR6の一端が電気的に接続されるとともに抵抗DLR6の他端がグランド(GND)に接地され、定電流ドライバ6〜8には、6ch〜8chまでの3つのチャンネルにおけるLEDに流す最大電流を設定する抵抗DLR7の一端が電気的に接続されるとともに抵抗DLR7の他端がグランド(GND)に接地されている。
定電流ドライバ0〜8からの定電流は、0ch〜8chにおける抵抗DLR8〜DLR16を介して出力コネクタDLCN1からLEDに流れるようになっている。この出力コネクタDLCN1から+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)を出力及び供給することができるようになっている。
なお、LED駆動ICDLIC0の電源端子であるVcc端子に+5.25Vが印加され、リセット端子であるRST端子、及びグランド端子であるGND端子にグランド(GND)が接地されている。
また、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータAで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DATは、後段のシュミット付インバータBのほかに、外部基板出力用の後段のシュミット付インバータEで論理が反転されて元に戻ってダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)である抵抗DLR17を介して出力コネクタDLCN2から後続の装飾基板である装飾基板5001に出力されるとともに、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータCで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、後段のシュミット付インバータDのほかに、外部基板出力用の後段のシュミット付インバータFで論理が反転されて元に戻ってダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)である抵抗DLR18を介して出力コネクタDLCN2から後続の装飾基板である装飾基板5001に出力される。このとき、遊技盤側発光データSL−DATは、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKに同期して後続の装飾基板である装飾基板5001に出力されるようになっている。また、遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKのほかに、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)も出力コネクタDLCN2から後続の装飾基板である装飾基板5001へ出力及び供給されるようになっている。
また、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータAで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DAT、及び第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータCで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、第2のシュミット付バッファ回路5000bbに入力されている。この第2のシュミット付バッファ回路5000bbは、第1のシュミット付バッファ回路5000baと同一回路であり、同一性能を有し、6つのシュミット付インバータA〜Fを備えるICである。第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータAで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DAT、及び第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータCで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを、出力コネクタDLCN3〜DLCN5から出力するためのものである。
具体的には、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータAで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DATは、後段のシュミット付インバータB,Eのほかに、第2のシュミット付バッファ回路5000bbのシュミット付インバータA,C,Eで論理が反転されて元に戻ってダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)である抵抗DLR19,21,23を介して出力コネクタDLCN3〜5からそれぞれ出力するとともに、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータCで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、後段のシュミット付インバータD,Fのほかに、第2のシュミット付バッファ回路5000bbのシュミット付インバータB,D,Fで論理が反転されて元に戻ってダンピング抵抗(反射ノイズを低減する抵抗)である抵抗DLR20,22,24を介して出力コネクタDLCN3〜5からそれぞれ出力される。このとき、遊技盤側発光データSL−DATは、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKに同期して出力コネクタDLCN3〜5からそれぞれ出力されるようになっている。また、遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKのほかに、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)も出力コネクタDLCN3〜5からそれぞれ出力及び供給されるようになっている。
本実施形態では、装飾基板5000の出力コネクタDLCN3と後続の装飾基板5011の入力コネクタとの基板間が配線により電気的に接続され(図124を参照。)、装飾基板5000の出力コネクタDLCN4と後続の装飾基板5024の入力コネクタとの基板間が配線により電気的に接続され(図124を参照。)、装飾基板5000の出力コネクタDLCN5が後続の装飾基板と未接続となっている。
このように、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータAで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DATは、第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータBで論理が反転されて元に戻ってLED駆動ICDLIC0のシリアルデータ入力端子であるSDT端子に入力される。これにより、第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータBで論理が反転されて元に戻った周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DATは、装飾基板に複数のLED駆動ICを実装している場合には、後段のシュミット付インバータBにおいて複数に分配することにより遊技盤側発光データSL−DATを伝送する信号にC成分(コンデンサ成分)が増加して信号の波形が少し鈍くなって劣化する場合であっても、第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータBにおいて分配された遊技盤側発光データSL−DATが後続の装飾基板に出力されないように構成されている。また、第1のシュミット付バッファ回路5000baの外部基板出力用の後段のシュミット付インバータEで論理が反転されて元に戻った周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DATが出力コネクタDLCN2から後続の装飾基板である装飾基板5001に出力されるとともに、第2のシュミット付バッファ回路5000bbの外部基板出力用のシュミット付インバータA,C,Eで論理が反転されて元に戻った周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DATが出力コネクタDLCN3〜5のうち、出力コネクタDLCN3,4から後続の装飾基板である装飾基板5011,5024にそれぞれ出力される(なお、出力コネクタDLCN5は後続の装飾基板と未接続となっている。)ように構成されているため、複数の装飾基板を介すごとに、第1のシュミット付バッファ回路のシュミット付インバータA,E、及び第2のシュミット付バッファ回路のシュミット付インバータA,C,Eにより遊技盤側発光データSL−DATの信号の波形が整えられ、周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DATを伝送する伝送路が複数の装飾基板を介して長くなる場合であっても遊技盤側発光データSL−DATを伝送する信号にC成分(コンデンサ成分)が増加して信号の波形が鈍くなって劣化することを防止することができるようになっている。また、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータAで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DATは、第1のシュミット付バッファ回路5000baの外部基板出力用の後段のシュミット付インバータEで論理が反転されて元に戻ってダンピング抵抗である抵抗DLR17を介して出力コネクタDLCN2から後続の装飾基板である装飾基板5001に出力されるとともに、第2のシュミット付バッファ回路5000bbの外部基板出力用のシュミット付インバータA,C,Eで論理が反転されて元に戻ってダンピング抵抗である抵抗DLR19,21,23を介して出力コネクタDLCN3〜5から後続の装飾基板(出力コネクタDLCN3から装飾基板5011、出力コネクタDLCN4から装飾基板5024(なお、出力コネクタDLCN4は後続の装飾基板と未接続となっている。))にそれぞれ出力されるため、仮に、第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータBの出力端子と、LED駆動ICDLIC0のシリアルデータ入力端子であるSDT端子と、の端子間においてノイズ等の影響が受けても、このノイズの影響を第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータBで遮断することにより、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータAの出力端子と第1のシュミット付バッファ回路5000baの外部基板出力用の後段のシュミット付インバータEの入力端子との端子間、及び第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータAの出力端子と第2のシュミット付バッファ回路5000bbの外部基板出力用のシュミット付インバータA,C,Eの入力端子との端子間に、その影響が伝わらないようになっている。
また、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータCで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータDで論理が反転されて論理が元に戻ってLED駆動ICDLIC0のクロック信号入力端子であるSCLK端子に入力される。これにより、第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータDで論理が反転されて元に戻った周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、装飾基板に複数のLED駆動ICを実装している場合には、後段のシュミット付インバータDにおいて複数に分配することにより遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを伝送する信号にC成分(コンデンサ成分)が増加して信号の波形が少し鈍くなって劣化する場合であっても、第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータDにおいて分配された遊技盤側発光クロック信号SL−CLKが後続の装飾基板に出力されないように構成されている。また、第1のシュミット付バッファ回路5000baの外部基板出力用の後段のシュミット付インバータFで論理が反転されて元に戻った周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKが出力コネクタDLCN2から後続の装飾基板である装飾基板5001に出力されるとともに、第2のシュミット付バッファ回路5000bbの外部基板出力用のシュミット付インバータB,D,Fで論理が反転されて元に戻った周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKが出力コネクタDLCN3〜5のうち、出力コネクタDLCN3,4から後続の装飾基板である装飾基板5011,5024にそれぞれ出力される(なお、出力コネクタDLCN5は後続の装飾基板と未接続となっている。)ように構成されているため、複数の装飾基板を介すごとに、第1のシュミット付バッファ回路のシュミット付インバータC,F、及び第2のシュミット付バッファ回路のシュミット付インバータB,D,Fにより遊技盤側発光クロック信号SL−CLKの信号の波形が整えられ、周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを伝送する伝送路が複数の装飾基板を介して長くなる場合であっても遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを伝送する信号にC成分(コンデンサ成分)が増加して信号の波形が鈍くなって劣化することを防止することができるようになっている。また、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータCで論理が反転された周辺制御基板4140からの遊技盤側発光クロック信号SL−CLKは、第1のシュミット付バッファ回路5000baの外部基板出力用の後段のシュミット付インバータFで論理が反転されて元に戻ってダンピング抵抗である抵抗DLR18を介して後続の装飾基板である装飾基板5001に出力されるとともに、第2のシュミット付バッファ回路5000bbの外部基板出力用のシュミット付インバータB,D,Fで論理が反転されて元に戻ってダンピング抵抗である抵抗DLR20,22,24を介して出力コネクタDLCN3〜5から後続の装飾基板(出力コネクタDLCN3から装飾基板5011、出力コネクタDLCN4から装飾基板5024(なお、出力コネクタDLCN4は後続の装飾基板と未接続となっている。))にそれぞれ出力されるため、仮に、第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータDの出力端子と、LED駆動ICDLIC0のクロック信号入力端子であるSCLK端子と、の端子間においてノイズ等の影響が受けても、このノイズの影響を第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータDで遮断することにより、第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータCの出力端子と第1のシュミット付バッファ回路5000baの外部基板出力用の後段のシュミット付インバータFの入力端子との端子間、及び第1のシュミット付バッファ回路5000baの初段のシュミット付インバータCの出力端子と第2のシュミット付バッファ回路5000bbの外部基板出力用のシュミット付インバータB,D,Fの入力端子との端子間に、その影響が伝わらないようになっている。
更に、一の装飾基板には、周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを伝送する信号にC成分(コンデンサ成分)が増加して信号の波形が鈍くなって劣化しない程度に所定個数のLED駆動ICを第1のシュミット付バッファ回路5000baの後段のシュミット付インバータB,Dの出力側に実装することができるという機能と、周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを伝送する伝送路が複数の装飾基板を介して長くなる場合であっても第1のシュミット付バッファ回路5000baのシュミット付インバータA,Eにより遊技盤側発光データSL−DATの信号の波形が整えられるとともに、第1のシュミット付バッファ回路5000baのシュミット付インバータC,Fにより遊技盤側発光クロック信号SL−CLKの信号の波形が整えられることによって伝送路が長くなることによるC成分(コンデンサ成分)の増加による信号の波形が鈍くなって劣化することを防止することができるという機能と、を1つのICに備える6つのシュミット付インバータA〜Fをすべて余すことなく使用することによって実現することができる。
更にまた、周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを伝送する伝送路が複数の装飾基板を介して長くなる場合であっても第1のシュミット付バッファ回路5000baに加えて、第2のシュミット付バッファ回路5000bbのシュミット付インバータA,C,Eにより遊技盤側発光データSL−DATの信号の波形が整えられるとともに、第2のシュミット付バッファ回路5000bbのシュミット付インバータB,D,Fにより遊技盤側発光クロック信号SL−CLKの信号の波形が整えられることによって伝送路が長くなることによるC成分(コンデンサ成分)の増加による信号の波形が鈍くなって劣化することを防止するという機能を1つのICに備える6つのシュミット付インバータA〜Fをすべて余すことなく使用することによって実現することができる。
[12−1.遊技盤側発光データの構造]
ここで、周辺制御基板4140から遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATの構造について簡単に説明する。遊技盤側発光データSL−DATは、スタートコマンド、アドレス、サブアドレス、PWM設定、及びピリオドコマンドから構成され、それぞれ8ビットの情報を有している。
スタートコマンドは、11111111B(「B」はビットを表す。以下、同じ。)であり、固定値となっている。各種装飾基板やランプ駆動基板4170に備えるLED駆動ICは、スタートコマンドにより遊技盤側発光データSL−DATを受信することを判断することができる。
スタートコマンドに続いて送信されるアドレスは、遊技盤側発光データSL−DATを取り込むLED駆動ICのアドレスを指定するものであり、例えば、上述したLED駆動ICDLIC0を指定する場合には、LED駆動ICDLIC0のアドレスが値12であるため、00001100Bが設定される。
アドレスに続いて送信されるサブアドレスは、出力チャンネル(ch)設定、全チャンネル(ch)設定、及び特別モード設定のうち、いずれかを指定するものである。出力チャンネル(ch)設定として、0chの場合には000000010Bが設定され、1chの場合には000000100Bが設定され、2chの場合には000000110Bが設定され、3chの場合には000001000Bが設定され、4chの場合には000001010Bが設定され、5chの場合には000001100Bが設定され、6chの場合には000001110Bが設定され、7chの場合には000010000Bが設定され、8chの場合には000010010Bが設定され、設定される出力チャンネル(ch)に対して取り込んだ遊技盤側発光データSL−DAT(PWM設定)が設定される。全チャンネル(ch)設定は、00100000Bであり、固定値となっており、全チャンネル(ch)に対して、取り込んだ遊技盤側発光データSL−DAT(PWM設定)が一度に設定される。全チャンネル(ch)設定では、同一のPWM設定となる。特別モード設定は、01100000Bであり、固定値となっており、全チャンネル(ch)設定と異なり、0ch〜8chという9chすべてに対して、個別のPWM設定が一度に設定される。
サブアドレスに続いて送信されるPWM設定は、階調度を規定するものである。階調度は、最下位ビットが0と固定されており、残りの7ビットで階調度0〜127という合計128段階の階調度が設定される。例えば、階調度0である場合には00000000Bが設定され、階調度1である場合には00000010Bが設定され、・・・、階調度126である場合には11111100Bが設定され、階調度127である場合には11111110Bが設定される。上述したサブアドレスとして出力チャンネル(ch)設定や全チャンネル(ch)設定である場合にはPWM設定に設定されるデータは1つ、つまり8ビットであるのに対して、特別モード設定である場合には、0ch〜8chという9chすべてのPWM設定が0chから8chに向かって続く、72ビット(=8ビット×9ch)という大きさを有して設定される。つまり、全チャンネル(ch)設定である場合には、1つのPWM設定が0ch〜8chという9chすべてに対して、一度に設定される一方、特別モード設定である場合には、0ch〜8chという9chすべてに対して、個別のPWM設定が一度に設定される。
PWM設定に続いて送信されるピリオドコマンドは、10000001Bであり、固定値となっている。各種装飾基板やランプ駆動基板4170に備えるLED駆動ICは、ピリオドコマンドにより遊技盤側発光データSL−DATをすべて受信したことを判断することができる。
[12−2.後続の各装飾基板]
次に、ランプ駆動基板4170に後続する各種装飾基板について簡単に説明する。周辺制御基板4140から遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DAT、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)は、ランプ駆動基板4170に入力されるとともに、ランプ駆動基板4170を介して、後続の各装飾基板に入力されるようになっている。具体的には、図124に示すように、ランプ駆動基板4170から、装飾基板5000、装飾基板5001、装飾基板5002、サイド入賞口部材2200のサイドランプ装飾基板3014、センター役物2300に備える各装飾基板(第1の装飾基板、第2の装飾基板、・・・、第5の装飾基板)、装飾基板5003、・・・、そして装飾基板5010という順番に後続の各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されている。
また、ランプ駆動基板4170から、装飾基板5000を介して装飾基板5001のほかに、装飾基板5000を介して装飾基板5011、・・・、そして装飾基板5023という順番に後続の各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されるとともに、装飾基板5000を介して装飾基板5024、・・・、そして装飾基板5033という順番に後続の各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されている。ランプ駆動基板4170から、装飾基板5000、・・・、サイド入賞口部材2200のサイドランプ装飾基板3014、そしてセンター役物2300に備える第1の装飾基板を介して第2の装飾基板のほかに、第1の装飾基板を介して第6の装飾基板、・・・、そして第10の装飾基板という順番に後続の各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されるとともに、第1の装飾基板を介して第11の装飾基板、・・・、そして第15の装飾基板という順番に後続の各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されている。ランプ駆動基板4170から、装飾基板5000、・・・、そして装飾基板5009を介して装飾基板5010のほかに、装飾基板5009を介して装飾基板5034という順番に後続の各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されるとともに、装飾基板5009を介して装飾基板5035という順番に後続の各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されている。
なお、各装飾基板は、上述した、ノイズ除去回路(フィルタ回路、第1のシュミット付バッファ回路及び第2のシュミット付バッファ回路から構成されるシュミット付バッファ回路)、及びLED駆動ICがそれぞれ実装されているとともに、1つの入力コネクタ(例えば、図123に示した装飾基板5000の入力コネクタDLCN0)に遊技盤側発光データSL−DAT、遊技盤側発光クロック信号SL−CLK、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)が入力される一方、4つの出力コネクタ(例えば、図123に示した装飾基板5000の出力コネクタDLCN2〜DLCN5)から遊技盤側発光データSL−DAT、遊技盤側発光クロック信号SL−CLK、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)が出力されるという、入出力のインターフェースが共通化されている。このため、例えば、上述した装飾基板5000、装飾基板5001、装飾基板5002、・・・、そして装飾基板5010という順番に後続の各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されている状態を、装飾基板5001と装飾基板5002とを入れ替えて装飾基板5000、装飾基板5002、装飾基板5001、・・・という順番に後続の各装飾基板を数珠繋ぎに電気的に接続することができる。また、仮に、何らかの理由により装飾基板5001に不具合が発生して使用することができなくなっても、装飾基板5000の出力コネクタDLCN2と装飾基板5001の入力コネクタとを電気的に接続する配線と、装飾基板5001の出力コネクタと装飾基板5002の入力コネクタとを電気的に接続する配線と、をそれぞれ取り外して、装飾基板5000と装飾基板5002との基板間を、不具合が発生して使用することができなくなった装飾基板5001を介さずに、装飾基板5000の出力コネクタDLCN2と装飾基板5002の入力コネクタとを配線で電気的に接続することにより、装飾基板5000、装飾基板5002、・・・という順番に後続の各装飾基板を数珠繋ぎに電気的に接続することができる。
このように、本実施形態では、後続の各種装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されるという構成(換言すると、後続の各種装飾基板に細分化した構成)を採用したことにより、各装飾基板において、フィルタ回路を介して、第1のシュミット付バッファ回路が周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを初段バッファであるシュミット付インバータA,Cでそれぞれ受けると、後段バッファであるシュミット付インバータB,Dを介して、LED駆動ICDLIC0にそれぞれ出力するとともに、後段バッファと異なる外部出力用の後段バッファであるシュミット付インバータE,Fを介して、後続の装飾基板に出力することができるようになっている。また、各装飾基板において、フィルタ回路を介して、第1のシュミット付バッファ回路が周辺制御基板4140からの遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを初段バッファであるシュミット付インバータA,Cでそれぞれ受けると、第2のシュミット付バッファ回路のシュミット付インバータA〜Fを介して、第1のシュミット付バッファ回路の外部出力用の後段バッファであるシュミット付インバータE,Fを介して出力される基板以外の他の装飾基板に出力することができるようになっている。つまり、一の装飾基板に4つの出力コネクタが設けられていることにより、一の装飾基板から最大で4つの後続の装飾基板に対して、遊技盤側発光データSL−DAT、遊技盤側発光クロック信号SL−CLK、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)を分配することができるようになっている。これにより、各種LEDが配置される近くに装飾基板を配置することができることにより各種LEDと装飾基板との配線を短くすることができ、配線を引き回すための空間を極めて小さくすることができる。これにより、後続の各種装飾基板から各種LEDへの配線を引き回すための空間を確保するために、装飾部材の配置やデザインの自由度が制限されることを抑制することができる。したがって、配線の引き回しによる装飾部材の配置の制限や装飾部材のデザインの自由度の制限を抑制することができる。
また、各種装飾基板を細分化した構成を採用したことにより、装飾基板のサイズを小さくすることができるとともに、装飾基板の形状も装飾部材に収容することができるものに形成することができるため、デザイン性豊かな装飾部材を遊技盤4に設けることができる。
更に、各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されているため、装飾基板に実装されるLED駆動ICのアドレスを指定して発光態様をテストすることにより、どの装飾基板以後の装飾基板がノイズの影響を受けて正しくLEDを発光することができないかを検査することができるとともに、ノイズの影響を受けやすい装飾基板を特定する(換言すると、ノイズの影響を受けやすい遊技盤4の領域を特定する)こともできる。
更にまた、各装飾基板が数珠繋ぎに電気的に接続されているとともに、各装飾基板に実装されるLED駆動ICをアドレスにより特定することができるため、仮に一の装飾基板においてノイズの影響を受けると、ノイズの影響を受けた一の装飾基板以降の後続の装飾基板において遊技盤側発光データSL−DATが化けて異常なものとして受信することとなるものの、少なくとも、ノイズの影響を受けた一の装飾基板の手前までの装飾基板において遊技盤側発光データSL−DATをLED駆動ICが正常に受信することできるため、ノイズの影響を受けた一の装飾基板の手前までの装飾基板に実装されるLED駆動ICによりLED又はコネクタを介して電気的に接続されるLEDを発光させることにより演出を進行することができる。
そして、各装飾基板は、1つの入力コネクタ(例えば、図123に示した装飾基板5000の入力コネクタDLCN0)に遊技盤側発光データSL−DAT、遊技盤側発光クロック信号SL−CLK、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)が入力される一方、4つの出力コネクタ(例えば、図123に示した装飾基板5000の出力コネクタDLCN2〜DLCN5)から遊技盤側発光データSL−DAT、遊技盤側発光クロック信号SL−CLK、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)を出力するという、入出力のインターフェースが共通化されているため、図124に示した後続の各種装飾基板のうち、何らかの理由により一の装飾基板に不具合が発生して使用することができなくなった場合においては、一の装飾基板の1つ前の装飾基板の出力コネクタと、一の装飾基板の1つ後の装飾基板の入力コネクタと、を配線で電気的に接続することで、一の装飾基板を介すことなく、遊技盤側発光データSL−DAT、遊技盤側発光クロック信号SL−CLK、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)を、一の装飾基板の1つ前の装飾基板と、一の装飾基板の1つ後の装飾基板と、を電気的に接続することができる。
このとき、一の装飾基板の1つ前の装飾基板の出力コネクタと、一の装飾基板の1つ後の装飾基板の入力コネクタと、を配線で電気的に接続することで、その配線が長く(その配線が、一の装飾基板の1つ前の装飾基板の出力コネクタと一の装飾基板の入力コネクタとを電気的に接続する配線、及び一の装飾基板の出力コネクタと一の装飾基板の1つ後の装飾基板の入力コネクタとを電気的に接続する配線と比べて長く)なることにより、ノイズの影響を受けやすくなる。そこで、本実施形態においては、各装飾基板にノイズ除去回路を設けることにより、配線に侵入してくるノイズを、一の装飾基板の1つ後の装飾基板に設けられたノイズ除去回路で除去することができるようになっているため、正常な遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを、一の装飾基板の1つ後の装飾基板に設けられた第1のシュミット付バッファ回路を介して一の装飾基板の1つ後の装飾基板に設けられたLED駆動ICへで伝送することができるとともに、一の装飾基板の1つ後の装飾基板に設けられた第1のシュミット付バッファ回路を介して一の装飾基板の1つ後の装飾基板の出力コネクタから後続の装飾基板へ伝送(例えば、図124に示した装飾基板5000の出力コネクタDLCN2から後続の装飾基板5001へ伝送)し、一の装飾基板の1つ後の装飾基板に設けられた第1,2のシュミット付バッファ回路を介して一の装飾基板の1つ後の装飾基板の出力コネクタから後続の装飾基板へ伝送(例えば、図124に示した装飾基板5000の出力コネクタDLCN3,4から後続の装飾基板5011,5024へそれぞれ伝送)することができる。したがって、数珠繋ぎに電気的に接続されるという後続の各種装飾基板のうち、何らかの理由により一の装飾基板に不具合が発生して使用することができなくなった場合でも、一の装飾基板の1つ前の装飾基板の出力コネクタと、一の装飾基板の1つ後の装飾基板の入力コネクタと、を配線で電気的に接続するという応急処置により、不具合が発生して使用することができなくなった一の装飾基板を除いて、後続の各種装飾基板に、遊技盤側発光データSL−DAT、遊技盤側発光クロック信号SL−CLK、+5.25V、+12V、+24V、及びグランド(GND)を確実に伝送することができる。
なお、このような応急処置に使用する、一の装飾基板の1つ前の装飾基板の出力コネクタと、一の装飾基板の1つ後の装飾基板の入力コネクタと、を電気的に接続する配線(つまり予備配線)は、遊技盤4の裏面の所定箇所に複数収納されており、パチンコ遊技機1の前面に着座する遊技者が全く触れることができないようになっている。遊技盤4の裏面には、予備配線を複数収納することができる収納空間が形成されていてもいいし、予備配線を複数収納するためのフック部が遊技盤4の裏面に設けられていてもいい。これにより、予備配線がパチンコ遊技機1と離れたところ(例えば、パチンコ遊技機1が設置されるホール内と別室の管理室)に収納されるのではなく、パチンコ遊技機1の遊技盤4の裏面の所定箇所に複数収納されることによって、ホールの店員等は、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、本体枠3を外枠2に対して開放し、遊技盤4の裏面の所定箇所から予備配線を取り出して配線作業を速やかに行うことができるようになっている。予備配線の長さは、少なくとも、一の装飾基板を跨ぐことができる長さに予め設定されているため、予備配線を遊技盤4の裏面の所定箇所にかさばらず、複数収納することができる。このように、上述した応急処置により、何らかの理由により不具合が発生して使用することができなくなった一の装飾基板を除いて、各種LEDによる点灯、点滅、及び階調点灯による電飾演出を行うことができるため、パチンコ遊技機1の製造メーカの修理担当者がホールに到着するまでパチンコ遊技機1をを稼働させることができる。したがって、不具合の発生に対して応急処置をすることにより製造メーカの修理担当者が到着するまで稼働させることができる。
また、後続の各種装飾基板のうち、一の装飾基板に不具合が発生して使用することが困難である場合においては、一の装飾基板の1つ前の装飾基板と、一の装飾基板の1つ後の装飾基板と、を予備配線で電気的に接続することにより、予備配線の長さが、一の装飾基板の1つ前の装飾基板の出力コネクタと一の装飾基板の入力コネクタとを電気的に接続する配線の長さと、一の装飾基板の出力コネクタと一の装飾基板の1つ後の装飾基板の入力コネクタとを電気的に接続する配線の長さと、に比べて長くなって予備配線がノイズの影響を受けやすくなっても、一の装飾基板の1つ後の装飾基板に備えるノイズ除去回路により遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKからノイズを除去することができるようになっている。そして、予備配線の長さは、少なくとも、一の装飾基板を跨ぐ長さに予め設定され、遊技盤4の裏面の所定箇所に収納されている。これにより、予備配線の長さが一の装飾基板を跨ぐことができる長さに予め設定されているため、予備配線を遊技盤4の裏面の所定箇所にかさばらず、複数収納することができるとともに、ホールの店員等は、何らかの理由により一の装飾基板に不具合が発生して使用することができなくなった場合に、遊技盤4の裏面の所定箇所から予備配線を取り出して、一の装飾基板の1つ前の発光制御手段の出力コネクタと、一の装飾基板の1つ後の装飾基板の入力コネクタと、を予備配線で電気的に接続するという配線作業(応急処置)を速やかに行うことができる。
因みに、シリアルデータを受信する複数のデジタルIC回路が複数のマルチカラーLEDの明るさを制御する遊技機が提案されている(例えば、特開2003−190416号公報(段落[0043]、及び図13))。この文献に記載される遊技機では、マルチカラーLEDにパルス電流を流すための時間を、所定時間要素の数によって管理することにより明るさを調整することができるようになっている。ところが、この文献に記載される遊技機では、複数のデジタルIC回路が実装される基板と、装飾部材に収容されるマルチカラーLEDと、が配線により電気的に接続されることにより、基板からマルチカラーLEDへの配線を引き回すための空間を確保するために装飾部材の配置やデザインの自由度が制限されるという問題があった。
また、主制御装置(遊技制御手段)からの情報(制御コマンド)に基づいて、演出制御装置(演出制御手段)が複数のLED駆動回路(発光制御手段)を介して各LED装置(発光手段)を制御する遊技機としてのパチンコ機が提案されている(例えば、特開2009−34391号公報(段落[0030]、[0044]〜[0047]、及び図11))。この文献に記載される遊技機における複数のLED駆動回路は、数珠繋ぎに電気的に接続されるデイジーチェーン接続されており、演出制御装置からのシリアルデータ、クロック信号、及びラッチ信号等に基づいて、受信したシリアルデータに基づいて各LED装置を発光させている。ところが、この文献に記載される遊技機では、複数のLED駆動回路がデイジーチェーン接続されているため、複数のLED駆動回路のうち、一のLED駆動回路に何らかの理由により不具合が発生して使用することが困難となると、一のLED駆動回路に続く後続のLED駆動回路において取り込まれるシリアルデータが一のLED駆動回路から伝送されなくなることにより、一のLED駆動回路から最終段のLED駆動回路までに亘って対応するLED装置による電飾演出を全く行うことができなくなる。ホールの店員等が、不具合が発生して使用することが困難となった一のLED駆動回路を取り除いて一のLED駆動回路と対応するLED装置による電飾演出を行わないように配線し直すと、複数のLED駆動回路がデイジーチェーン接続されていることによりシリアルデータのデータ長さが固定長となるため、LED駆動回路とLED装置との対応関係が崩れて意味不明な電飾演出となる。このため、一のLED駆動回路に何らかの理由により不具合が発生して使用することが困難となると、ホールの店員等は、遊技機の電源をOFFせざるを得ず、遊技機を稼働させることができなくなるという問題があった。
また、主制御装置(遊技制御手段)からの情報(制御コマンド)に基づいて、演出制御装置(演出制御手段)が複数のLED駆動回路(発光制御手段)を介して各LED装置(発光手段)を制御する遊技機としてのパチンコ機が提案されている(例えば、特開2009−34391号公報(段落[0030]、[0044]〜[0047]、及び図11))。この文献に記載される遊技機における複数のLED駆動回路は、数珠繋ぎに電気的に接続されるデイジーチェーン接続されており、演出制御装置からのシリアルデータ、クロック信号、及びラッチ信号等に基づいて、受信したシリアルデータに基づいて各LED装置を発光させている。ところが、この文献1に記載される遊技機では、複数のLED駆動回路がデイジーチェーン接続される1系統に対して、シリアルデータのデータ長さが決まり、LED駆動回路とLED装置との対応関係が崩れないようになっているため、一のLED駆動回路から分岐して複数の後続のLED駆動回路に対して、シリアルデータ、クロック信号、及びラッチ信号等を伝送すると、LED駆動回路とLED装置との対応関係が崩れて意味不明な電飾演出となる。このため、演出制御装置から複数のLED駆動回路がデイジーチェーン接続される各系統に対して、シリアルデータ、クロック信号、及びラッチ信号等をそれぞれ出力する必要がある。そうすると、演出制御装置に各系統の初段のLED駆動回路からの配線がすべて接続されることとなるため、演出制御装置からの配線が引き回されることにより装飾部材の配置やデザインの自由度が制限されるという問題があった。
[13.左側モータ駆動基板及び右側モータ駆動基板]
次に、左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190について、図125〜図128を参照して説明する。図125は左側モータ駆動基板及び右側モータ駆動基板の回路のブロック図であり、図126は左側モータ駆動基板の回路を示す回路図であり、図127は図126のつづきを示す回路図であり、図128は図126の左側モータ駆動基板の回路における所定点のタイミングチャートである。左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190は、ほぼ同一の回路構成であるため、ここでは、左側モータ駆動基板4180の回路について詳細に説明する。まず、左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190のブロック図について説明し、続いて左側モータ駆動基板4180の回路、その回路の所定点における信号波形について説明する。
[13−1.左側モータ駆動基板及び右側モータ駆動基板のブロック図]
左側モータ駆動基板4180は、図125に示すように、左入力側非反転型バッファICLMIC0、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6、左出力側非反転型バッファICLMIC7、左側駆動源駆動回路4180aを構成する左側+12V系駆動回路4180aa及び左側+24V系駆動回路4180ab、左側タイミング調整回路4180f、左側自動駆動停止回路4180gを主として構成されている。左入力側非反転型バッファICLMIC0、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5、及び左出力側非反転型バッファICLMIC7は、データ入力がそれぞれシュミット型となっている。
周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動データSM−DAT、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLAT、及び可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATがコネクタLMCN0を介して左入力側非反転型バッファICLMIC0に入力されている。
遊技盤側モータ駆動データSM−DATは、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するためのものであり、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ周辺制御基板4140から出力されている。また周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、及び右側モータ駆動基板4190は、周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、そして右側モータ駆動基板4190という順番で電気的に数珠繋ぎに接続されたデイジーチェーン接続されているため、遊技盤側モータ駆動データSM−DATは、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データに続いて、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データが出力されるように構成されている。遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATは、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力開始するための契機(遊技盤側モータ駆動用トリガ)となるものである。可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATは、遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号の有無を取得するための契機(可動体情報取得用トリガ)となるものである。
周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動データSM−DATが左入力側非反転型バッファICLMIC0に入力されると、上述したように、左入力側非反転型バッファICLMIC0のデータ入力がシュミット型であるため、波形が整形されて論理が反転されることなく、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1に出力される。
周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左入力側非反転型バッファICLMIC0に入力されると、上述したように、左入力側非反転型バッファICLMIC0のデータ入力がシュミット型であるため、波形が整形されて論理が反転されることなく、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1、左側タイミング調整回路4180f、左出力側非反転型バッファICLMIC7及び左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5にそれぞれ出力される。
左入力側非反転型バッファICLMIC0からの遊技盤側モータ駆動データSM−DAT及び遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側シリアルパラレル変換ICLMIC1にそれぞれ入力されると、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して遊技盤側モータ駆動データSM−DATを取り込む。周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、及び右側モータ駆動基板4190は、上述したように、周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、そして右側モータ駆動基板4190という順番で電気的に数珠繋ぎに接続されたデイジーチェーン接続されているため、遊技盤側モータ駆動データSM−DATは、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データに続いて、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データが出力されるように構成されている。これにより、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1は、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込むと、この右側モータ駆動基板4190に対する駆動データに続いて、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込むこととなるため、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込み開始すると、デイジーチェーン接続出力端子から遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データを、左側タイミング調整回路4180f、左出力側非反転型バッファICLMIC7、そしてコネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190に出力するようになっている。
左側タイミング調整回路4180fは、その詳細な説明は後述するが、基板間を電気的に接続する配線によるコンデンサ成分の増大による遊技盤側モータ駆動データSM−DATの劣化を遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて補正する回路であり、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のデイジーチェーン接続出力端子からの遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKの半周期だけシフト(つまり、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅だけシフト(遅延))させる回路である。左側タイミング調整回路4180fから出力される、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKの半周期だけシフト(つまり、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅だけシフト(遅延))された遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)は、コネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190に出力されるこにより、右側モータ駆動基板4190の右側シリアルパラレル変換ICRMIC1において、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を確実に取り込むことができるようになっている。このように、左側タイミング調整回路4180fは、右側モータ駆動基板4190の右側シリアルパラレル変換ICRMIC1が確実に取り込むことができるように(正確には、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の動作(トランジェント特性(セットアップ及びホールド))を良好とすることができるように)、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて、遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を調整する回路である。
周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが左入力側非反転型バッファICLMIC0に入力されると、上述したように、左入力側非反転型バッファICLMIC0のデータ入力がシュミット型であるため、波形が整形されて論理が反転されることなく、左側自動駆動停止回路4180g、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1、及び左出力側非反転型バッファICLMIC7にそれぞれ出力される。
左側自動駆動停止回路4180gは、その詳細な説明は後述するが、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力されると、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の出力端子がディスイネーブル(出力禁止)に設定されている状態を解除してイネーブル(出力許可)に設定するための駆動解除信号を出力する一方、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力されなくなって所定期間(本実施形態では、100ミリ秒(ms))経過後、駆動解除信号の出力を自動的に強制停止して左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の出力端子をイネーブル(出力許可)に設定されている状態から再びディスイネーブル(出力禁止)に設定する回路である。駆動解除信号の出力が停止されることにより、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の出力端子から出力される駆動信号を強制的に停止することができるようになっている。
周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、及び右側モータ駆動基板4190は、上述したように、周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、そして右側モータ駆動基板4190という順番で電気的に数珠繋ぎに接続されたデイジーチェーン接続されているため、遊技盤側モータ駆動データSM−DATは、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データに続いて、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データが出力されるように構成されている。これにより、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1は、左入力側非反転型バッファICLMIC0からの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、まず右側モータ駆動基板4190に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込み、続いて、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込む。左側シリアルパラレル変換ICLMIC1は、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込み開始すると、デイジーチェーン接続出力端子から遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データを左側タイミング調整回路4180fに出力する。そして、左側自動駆動停止回路4180gからの駆動解除信号、及び左入力側非反転型バッファICLMIC0からの遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATがそれぞれ入力されると、これを契機として、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1で取り込んだシリアルデータである遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データ)をパラレルデータに復元して、このパラレルデータと対応する左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の出力端子から、パラレルデータに従って駆動信号(例えば、パラレルデータを構成する複数ビット(例えば、8ビット)のうち、一のビットに値1がセットされた出力端子からON信号を出力する一方、一のビットに値0がセットされた出力端子からOFF信号を出力する。)を、左側駆動源駆動回路4180aを構成する左側+12V系駆動回路4180aa及び左側+24V系駆動回路4180abにそれぞれ出力する。左側+12V系駆動回路4180aaは、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の出力端子から出力された駆動信号に従って左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+12V系電気的駆動源であるモータやソレノイド等を駆動制御する。左側+24V系駆動回路4180abは、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の出力端子から出力された駆動信号に従って左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+24V系電気的駆動源であるモータやソレノイド等を駆動制御する。
周辺制御基板4140からの可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが左入力側非反転型バッファICLMIC0に入力されると、上述したように、左入力側非反転型バッファICLMIC0のデータ入力がシュミット型であるため、波形が整形されて論理が反転されることなく、左出力側非反転型バッファICLMIC7及び左側パラレルシリアル変換ICLMIC6にそれぞれ出力される。
左入力側非反転型バッファICLMIC0からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが入力される左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5は、そのほかの信号として、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力される。左入力側非反転型バッファICLMIC0からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、及び左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力されると、上述したように、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のデータ入力がシュミット型であるため、波形が整形されて論理が反転され、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6にそれぞれ出力される。
左側パラレルシリアル変換ICLMIC6の入力端子には、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5からの左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号がパラレル信号としてそれぞれ入力される。左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、左入力側非反転型バッファICLMIC0からの可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが入力されると、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6の入力端子にそれぞれ入力されるパラレル信号(左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号)に基づいてパラレルデータを取り込んで、この取り込んだパラレルデータをシリアルデータに変換(シリアル化)するようになっている。
具体的には、周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、及び右側モータ駆動基板4190は、上述したように、周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、そして右側モータ駆動基板4190という順番で電気的に数珠繋ぎに接続されたデイジーチェーン接続されているため、左側モータ駆動基板4180において、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータである左側可動体位置検出データに続いて、右側モータ駆動基板4190において、右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータである右側可動体位置検出データが出力されるように、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のデイジチェーン接続入力端子には、コネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190からの右側可動体位置検出データが入力されるようになっている。これにより、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ左側可動体位置検出データに続いて、デイジチェーン接続入力端子に入力される右側モータ駆動基板4190からの右側可動体位置検出データが左側パラレルシリアル変換ICLMIC6の出力端子から左入力側非反転型バッファICLMIC0、そしてコネクタLMCN0を介して、可動体位置検出データSEN−DATとして周辺制御基板4140に出力されるようになっている。
左側タイミング調整回路4180fからの遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)、左入力側非反転型バッファICLMIC0からの遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLAT、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、及び可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが左出力側非反転型バッファICLMIC7に入力されると、上述したように、左出力側非反転型バッファICLMIC7のデータ入力がシュミット型であるため、波形が整形されて論理が反転されることなく、コネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190にそれぞれ出力される。
次に、右側モータ駆動基板4190について簡単に説明する。上述したように、右側モータ駆動基板4190は左側モータ駆動基板4180とほぼ同一の回路構成となっており、右入力側非反転型バッファICRMIC0、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1、右側パラレルシリアル変換用反転型バッファICRMIC5、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6、右側駆動源駆動回路4190aを構成する右側+12V系駆動回路4190aa及び右側+24V系駆動回路4190ab、右側タイミング調整回路4190f、右側自動駆動停止回路4190gを主として構成されている。右入力側非反転型バッファICRMIC0の機能は左側モータ駆動基板4180の左入力側非反転型バッファICLMIC0の機能と同一であり、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の機能は左側モータ駆動基板4180の左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の機能と同一であり、右側パラレルシリアル変換用反転型バッファICRMIC5の機能は左側モータ駆動基板4180の左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5の機能と同一であり、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6の機能は左側モータ駆動基板4180の左側パラレルシリアル変換ICLMIC6の機能と同一であり、右側駆動源駆動回路4190aの機能は左側駆動源駆動回路4180aの機能と同一であり(正確には、右側+12V系駆動回路4190aaの機能は左側モータ駆動基板4180の左側+12V系駆動回路4180aaの機能と同一であり、右側+24V系駆動回路4190abの機能は左側モータ駆動基板4180の左側+24V系駆動回路4180abの機能と同一であり)、右側タイミング調整回路4190fの機能は左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4180fの機能と同一であり(つまり、基板間を電気的に接続する配線によるコンデンサ成分の増大による右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)の劣化を遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて補正する回路であり)、右側自動駆動停止回路4190gの機能は左側モータ駆動基板4180の左側自動駆動停止回路4180gの機能と同一である。
左側モータ駆動基板4180のコネクタLMCN10からの遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLAT、及び可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATは、右側モータ駆動基板4190のコネクタRMCN0に入力されている。
左側モータ駆動基板4180と右側モータ駆動基板4190との相違する点は、左側モータ駆動基板4180が左出力側非反転型バッファICLMIC7を備えているのに対して、これに相当する非反転型バッファICを右側モータ駆動基板4190が備えていない点と、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のデイジーチェーン接続出力端子から出力される遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)が左側タイミング調整回路4180fに入力されているのに対して、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6の出力端子から出力される右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)が右側タイミング調整回路4190fに入力されている点と、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のデイジーチェーン接続入力端子に右側モータ駆動基板4190からのシリアルデータである右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)が入力されているのに対して、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6のデイジーチェーン接続入力端子にはシリアルデータが入力されていない点と、である。
ここで、右側タイミング調整回路4190fは、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6の出力端子から出力される右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)を、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKの半周期だけシフト(つまり、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅だけシフト(遅延))させる回路である。右側タイミング調整回路4190fから出力される、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKの半周期だけシフト(つまり、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅だけシフト(遅延))された右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)は、右入力側非反転型バッファICRMIC0、そしてコネクタRMCN0を介して、左側モータ駆動基板4180に出力されることにより、左側モータ駆動基板4180の左側パラレルシリアル変換ICLMIC6において、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側可動体位置検出データを確実に取り込むことができるようになっている。このように、右側タイミング調整回路4190fは、左側モータ駆動基板4180の左側パラレルシリアル変換ICLMIC6が確実に取り込むことができるように(正確には、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6の動作(トランジェント特性(セットアップ及びホールド))を良好とすることができるように)、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて、右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)を調整する回路である。
右側自動駆動停止回路4190gは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力されると、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の出力端子がディスイネーブル(出力禁止)に設定されている状態を解除してイネーブル(出力許可)に設定するための駆動解除信号を出力する一方、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力されなくなって所定期間(本実施形態では、100ミリ秒(ms))経過後、駆動解除信号の出力を自動的に強制停止して右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の出力端子をイネーブル(出力許可)に設定されている状態から再びディスイネーブル(出力禁止)に設定する回路である。駆動解除信号の出力が停止されることにより、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の出力端子から出力される駆動信号を強制的に停止することができるようになっている。
右側シリアルパラレル変換ICRMIC1は、右入力側非反転型バッファICRMIC0からの遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込み、そして、右側自動駆動停止回路4190gからの駆動解除信号、及び右入力側非反転型バッファICRMIC0からの遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATがそれぞれ入力されると、これを契機として、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1で取り込んだシリアルデータである遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)をパラレルデータに復元して、このパラレルデータと対応する右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の出力端子から、パラレルデータに従って駆動信号(例えば、パラレルデータを構成する複数ビット(例えば、8ビット)のうち、一のビットに値1がセットされた出力端子からON信号を出力する一方、一のビットに値0がセットされた出力端子からOFF信号を出力する。)を、右側駆動源駆動回路4190aを構成する右側+12V系駆動回路4190aa及び右側+24V系駆動回路4190abにそれぞれ出力する。右側+12V系駆動回路4190aaは、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の出力端子から出力された駆動信号に従って右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+12V系電気的駆動源であるモータやソレノイド等を駆動制御する。右側+24V系駆動回路4190abは、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の出力端子から出力された駆動信号に従って右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+24V系電気的駆動源であるモータやソレノイド等を駆動制御する。
右側パラレルシリアル変換用反転型バッファICRMIC5は、右入力側非反転型バッファICRMIC0からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが入力されるほかに、右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力されて右側パラレルシリアル変換ICRMIC6にそれぞれ出力する。
右側パラレルシリアル変換ICRMIC6は、その入力端子に、右側パラレルシリアル変換用反転型バッファICRMIC5からの右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号がパラレル信号としてそれぞれ入力される。右側パラレルシリアル変換ICRMIC6は、右入力側非反転型バッファICRMIC0からの可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが入力されると、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6の入力端子にそれぞれ入力されるパラレル信号(右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号)に基づいてパラレルデータを取り込んで、この取り込んだパラレルデータをシリアルデータに変換(シリアル化)するようになっている。そして、右側パラレルシリアル変換用反転型バッファICRMIC5からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側パラレルシリアル変換ICRMIC6の出力端子から右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)を右側タイミング調整回路4190fに出力する。
このように、左側モータ駆動基板4180と右側モータ駆動基板4190とにおいて、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力されると、左側モータ駆動基板4180においては、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1が取り込んだ遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データ)をパラレルデータに復元して、このパラレルデータと対応する左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の出力端子から、パラレルデータに従って駆動信号を、左側+12V系駆動回路4180aa及び左側+24V系駆動回路4180abにそれぞれ出力するとともに、右側モータ駆動基板4190においては、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1が取り込んだ遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)をパラレルデータに復元して、このパラレルデータと対応する右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の出力端子から、パラレルデータに従って駆動信号を、右側+12V系駆動回路4190aa及び右側+24V系駆動回路4190abにそれぞれ出力するようになっているため、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+12V系電気的駆動源及び+24V系電気的駆動源と、右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+12V系電気的駆動源及び+24V系電気的駆動源と、の駆動を同期化することができるようになっている。
また、左側モータ駆動基板4180と右側モータ駆動基板4190とにおいて、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力されると、左側モータ駆動基板4180においては、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6の入力端子にそれぞれ入力されるパラレル信号(左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号)に基づいてパラレルデータを取り込んで、この取り込んだパラレルデータをシリアルデータに変換(シリアル化)するとともに、右側モータ駆動基板4190においては、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6の入力端子にそれぞれ入力されるパラレル信号(右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号)に基づいてパラレルデータを取り込んで、この取り込んだパラレルデータをシリアルデータに変換(シリアル化)するようになっているため、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置の検出と、右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置の検出と、を同期化することができるようになっている。
更に、周辺制御基板4140から初段のモータ駆動基板である左側モータ駆動基板4180、そして最終段のモータ駆動基板である右側モータ駆動基板4190までに亘ってそれぞれ電気配線を介して数珠繋ぎに電気的に接続されている構成において、左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190から構成される複数のモータ駆動基板は、最終段のモータ駆動基板である右側モータ駆動基板4190を除いて、電気配線によるコンデンサ成分の増大による遊技盤側モータ駆動データSM−DATの劣化を遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて補正する左側タイミング調整回路4180fを備えていることにより、左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190から構成される複数のモータ駆動基板のうち、一のモータ駆動基板である左側モータ駆動基板4180に後続する他のモータ駆動基板である右側モータ駆動基板4190において伝送される遊技盤側モータ駆動データSM−DATが他のモータ駆動基板である右側モータ駆動基板4190の1つ前の一のモータ駆動基板である左側モータ駆動基板4180において、一のモータ駆動基板である左側モータ駆動基板4180と一のモータ駆動基板である左側モータ駆動基板4180に後続する他のモータ駆動基板である右側モータ駆動基板4190とを電気的に接続する電気配線によるコンデンサ成分の増大による影響を考慮して一のモータ駆動基板である左側モータ駆動基板4180における左側タイミング調整回路4180fにおいて遊技盤側モータ駆動データSM−DATの劣化を遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて補正することができるようになっているため、一のモータ駆動基板である左側モータ駆動基板4180に後続する他のモータ駆動基板である右側モータ駆動基板4190において遊技盤側モータ駆動データSM−DATを確実に取り込むことができる。したがって、左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190から構成される複数のモータ駆動基板が数珠繋ぎに電気的に接続される構成においても各モータ駆動基板である左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190が遊技盤側モータ駆動データSM−DATをそれぞれ確実に取り込むことができる。
因みに、主制御装置(遊技制御手段)からの情報(制御コマンド)に基づいて、演出制御装置(演出制御手段)が複数のLED駆動回路を介して各LED装置(装飾部材)を制御する遊技機としてのパチンコ機が提案されている(例えば、特開2009−34391号公報(段落[0030]、[0035]、[0044]〜[0047]、及び図11))。この文献に記載される遊技機における複数のLED駆動回路がそれぞれ実装されるLED基板(駆動制御手段)は、数珠繋ぎに電気的に接続されるデイジーチェーン接続されており、演出制御装置からのシリアルデータ、クロック信号、及びラッチ信号等に基づいて、受信したシリアルデータに基づいて各LED装置を発光させている。ところで、この文献に記載される遊技機における各LED基板は、数珠繋ぎに電気的に接続されるデイジーチェーン接続されているため、各LED基板の基板間が電気配線を介して電気的に接続される。そうすると、電気配線のC成分(コンデンサ成分)が増大してシリアルデータの波形が鈍くなって劣化することにより一のLED基板に後続する他のLED基板におけるLED駆動回路において、クロック信号に基づいて、シリアルデータを確実に取り込むことができないという問題が発生するおそれがある。
[13−2.左側モータ駆動基板(右側モータ駆動基板)の回路]
左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190は、上述したように、ほぼ同一の回路構成であるため、ここでは、左側モータ駆動基板4180の具体的な回路について、図126及び図127を参照して詳細に説明する。
左側モータ駆動基板4180は、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動データSM−DAT、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLAT、及び可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATがコネクタLMCN0を介してそれぞれ入力される。
[13−2−1.左入力側非反転型バッファIC]
遊技盤側モータ駆動データSM−DATを伝える伝送ラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続される抵抗LMR0の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランドに接地される抵抗LMR1の他端と電気的に接続されることにより、抵抗LMR0,LMR1による抵抗比によって電圧が分配され、抵抗LMR2を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC0の他端と電気的に接続されるとともに、左入力側非反転型バッファICLMIC0のA1入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC0は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。
遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKを伝える伝送ラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続される抵抗LMR3の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランドに接地される抵抗LMR4の他端と電気的に接続されることにより、抵抗LMR3,LMR4による抵抗比によって電圧が分配され、抵抗LMR5を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC1の他端と電気的に接続されるとともに、左入力側非反転型バッファICLMIC0のA2入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC1は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。
遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATを伝える伝送ラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続される抵抗LMR6の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランドに接地される抵抗LMR7の他端と電気的に接続されることにより、抵抗LMR6,LMR7による抵抗比によって電圧が分配され、抵抗LMR8を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC2の他端と電気的に接続されるとともに、左入力側非反転型バッファICLMIC0のA3入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC2は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。
可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATを伝える伝送ラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続される抵抗LMR9の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランドに接地される抵抗LMR10の他端と電気的に接続されることにより、抵抗LMR9,LMR10による抵抗比によって電圧が分配され、抵抗LMR11を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC3の他端と電気的に接続されるとともに、左入力側非反転型バッファICLMIC0のA4入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC3は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。
左入力側非反転型バッファICLMIC0のA1入力端子は、データ入力がシュミット型であるため、A1入力端子に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y1出力端子から出力される。このY1出力端子は、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のシリアルデータ入力端子であるSI入力端子と電気的に接続されており、Y1出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動データSM−DATが左側シリアルパラレル変換ICLMIC1に伝送される。
左入力側非反転型バッファICLMIC0のA2入力端子も、A1入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A2入力端子に遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y2出力端子から出力される。このY2出力端子は、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のクロック信号入力端子であるSCK入力端子と電気的に接続されており、Y2出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側シリアルパラレル変換ICLMIC1に伝送される。またY2出力端子は、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のSCK入力端子と電気的に接続されるほかに、左側タイミング調整回路4180fの左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA8入力端子、及び左出力側非反転型バッファICLMIC7のA1入力端子とそれぞれ電気的に接続されており、Y2出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側シリアルパラレル変換ICLMIC1に伝送されるほかに、左側タイミング調整回路4180fの左側シュミットトリガ反転ICLMIC2A、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5、及び左出力側非反転型バッファICLMIC7にそれぞれ伝送される。なお、左側タイミング調整回路4180fの回路の詳細な説明については後述する。
左入力側非反転型バッファICLMIC0のA3入力端子も、A1入力端子及びA2入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A3入力端子に遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y3出力端子から出力される。このY3出力端子は、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のラッチ信号入力端子であるRCK入力端子と電気的に接続されており、Y3出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが左側シリアルパラレル変換ICLMIC1に伝送される。またY3出力端子は、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のRCK入力端子と電気的に接続されるほかに、左側自動駆動停止回路4180gの左側ワンショットICLMIC4Aの1B入力端子、及び左出力側非反転型バッファICLMIC7のA3入力端子とそれぞれ電気的に接続されており、Y3出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが左側シリアルパラレル変換ICLMIC1に伝送されるほかに、左側自動駆動停止回路4180gの左側ワンショットICLMIC4A、及び左出力側非反転型バッファICLMIC7にそれぞれ伝送される。なお、左側自動駆動停止回路4180gの回路の詳細な説明については後述する。
左入力側非反転型バッファICLMIC0のA4入力端子も、A1入力端子〜A3入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A4入力端子に可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y4出力端子から出力される。このY4出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のラッチ信号入力端子であるS/負論理L入力端子と電気的に接続されており、Y4出力端子からの整形された可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。またY4出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のS/負論理L入力端子と電気的に接続されるほかに、左出力側非反転型バッファICLMIC7のA4入力端子と電気的に接続されており、Y4出力端子からの整形された可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送されるほかに、左出力側非反転型バッファICLMIC7に伝送される。
左入力側非反転型バッファICLMIC0のA5入力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のQH出力端子と電気的に接続されており、QH出力端子からのシリアルデータLR−SEN−DATが入力される。左入力側非反転型バッファICLMIC0のA4入力端子に入力されるシリアルデータLR−SEN−DATは、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータである左側可動体位置検出データに続いて、右側モータ駆動基板4190において、右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータである右側可動体位置検出データが入力される。左入力側非反転型バッファICLMIC0のA5入力端子も、A1入力端子〜A4入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A5入力端子にシリアルデータLR−SEN−DATが入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y5出力端子から出力され、抵抗LMR40、そしてコネクタLMCN0を介して、可動体位置検出データSEN−DATとして周辺制御基板4140に出力される。
左入力側非反転型バッファICLMIC0のA6入力端子〜A8入力端子は、グランドに接地され、A6入力端子〜A8入力端子とそれぞれ対応するY6出力端子〜Y8出力端子は、電気的に未接続となっている。また左入力側非反転型バッファICLMIC0は、負論理G入力端子、及びCONT入力端子に入力される信号によりコントロールされるようになっており、負論理G入力端子がグランドに接地され、CONT入力端子が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されることにより、A1入力端子〜A8入力端子に入力された論理を反転することなく、A1入力端子〜A8入力端子とそれぞれ対応するY1出力端子〜Y8出力端子から出力するように設定されている。左入力側非反転型バッファICLMIC0のGND端子は、グランドに接地され、左入力側非反転型バッファICLMIC0のVCC端子は、+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。左入力側非反転型バッファICLMIC0のVCC端子は、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC4の他端とも電気的に接続されている。このグランドに接地されたコンデンサLMC4により、左入力側非反転型バッファICLMIC0に供給される+5.25Vから高周波成分が除去されている(コンデンサLMC4は、ローパスフィルタとして機能している)。なお、本実施形態では、左入力側非反転型バッファICLMIC0が非反転型バッファICとなっているが、これは、上述したように、CONT入力端子が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されているためであり、CONT入力端子をグランドに接地すると、非反転型バッファICから反転型バッファICへ切り替えることができるようになっている。
[13−2−2.左側シリアルパラレル変換IC]
左側シリアルパラレル変換ICLMIC1は、上述したように、SI入力端子に左入力側非反転型バッファICLMIC0のY1出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動データSM−DATが入力され、SCK入力端子に左入力側非反転型バッファICLMIC0のY2出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが入力され、RCK入力端子に左入力側非反転型バッファICLMIC0のY3出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力される。左側シリアルパラレル変換ICLMIC1は、その負論理G入力端子に入力される信号によりQA出力端子〜QH出力端子、及びデイジーチェーン接続出力端子であるQH’出力端子をイネーブル(出力許可)又はディスイネーブル(出力禁止)にコントロールされるようになっており、負論理G入力端子が左側自動駆動停止回路4180gの左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1Q出力端子と電気的に接続されており、負論理1Q出力端子からの駆動解除信号MS−ENAが入力されることで、駆動解除信号MS−ENAの論理によりQA出力端子〜QH出力端子、及びQH’出力端子がイネーブル(出力許可)又はディスイネーブル(出力禁止)に設定されるようになっている。
周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、及び右側モータ駆動基板4190は、上述したように、周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、そして右側モータ駆動基板4190という順番で電気的に数珠繋ぎに接続されたデイジーチェーン接続されているため、遊技盤側モータ駆動データSM−DATは、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データに続いて、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データが出力されるように構成されている。これにより、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1は、左入力側非反転型バッファICLMIC0からの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、まず右側モータ駆動基板4190に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込み、続いて、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込む。左側シリアルパラレル変換ICLMIC1は、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データを遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ取り込み開始すると、左側タイミング調整回路4180fの左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1D入力端子と電気的に接続されたQH’出力端子から遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データを左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aに出力する。そして、左側自動駆動停止回路4180gからの駆動解除信号、及び左入力側非反転型バッファICLMIC0からの遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATがそれぞれ入力されると、これを契機として、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1で取り込んだシリアルデータである遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、左側モータ駆動基板4180に対する駆動データ)をパラレルデータに復元して、このパラレルデータと対応する左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のQA出力端子〜QD出力端子から、パラレルデータに従って駆動信号(例えば、パラレルデータを構成する複数ビット(例えば、8ビット)のうち、一のビットに値1がセットされた出力端子からON信号を出力する一方、一のビットに値0がセットされた出力端子からOFF信号を出力する。)を、抵抗LMR12〜LMR15をそれぞれ介して、左側+12V系駆動回路4180aaに出力するとともに、このパラレルデータと対応する左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のQE出力端子〜QH出力端子から、パラレルデータに従って駆動信号(例えば、パラレルデータを構成する複数ビット(例えば、8ビット)のうち、一のビットに値1がセットされた出力端子からON信号を出力する一方、一のビットに値0がセットされた出力端子からOFF信号を出力する。)を、抵抗LMR16〜LMR19をそれぞれ介して、左側+24V系駆動回路4180abに出力する。このとき、右側モータ駆動基板4190においても、左側モータ駆動基板4180と同様に、右側自動駆動停止回路4190gからの駆動解除信号、及び右入力側非反転型バッファICRMIC0からの遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATがそれぞれ入力されると、これを契機として、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1で取り込んだシリアルデータである遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)をパラレルデータに復元して、このパラレルデータと対応する右側シリアルパラレル変換ICRMIC1のQA出力端子〜QD出力端子から、パラレルデータに従って駆動信号(例えば、パラレルデータを構成する複数ビット(例えば、8ビット)のうち、一のビットに値1がセットされた出力端子からON信号を出力する一方、一のビットに値0がセットされた出力端子からOFF信号を出力する。)を、抵抗RMR12〜RMR15をそれぞれ介して、右側+12V系駆動回路4190aaに出力するとともに、このパラレルデータと対応する右側シリアルパラレル変換ICRMIC1のQE出力端子〜QH出力端子から、パラレルデータに従って駆動信号(例えば、パラレルデータを構成する複数ビット(例えば、8ビット)のうち、一のビットに値1がセットされた出力端子からON信号を出力する一方、一のビットに値0がセットされた出力端子からOFF信号を出力する。)を、抵抗RMR16〜RMR19をそれぞれ介して、右側+24V系駆動回路4190abに出力する。
左側+12V系駆動回路4180aaの電源端子とツェナーダイオードLMZD0のカソード端子とが電気的に接続され、ツェナーダイオードLMZD0のアノード端子が+12Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。左側+12V系駆動回路4180aaは、+12VがツェナーダイオードLMZD0を介して左側+12V系駆動回路4180aaの電源端子に供給されており、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のQA出力端子〜QD出力端子から出力された駆動信号に従って、コネクタLMCN1を介して、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+12V系電気的駆動源であるモータやソレノイド等を駆動制御する。なお、コネクタLMC1は、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+12V系電気的駆動源に電力を供給するために、+12Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。
左側+24V系駆動回路4180abの電源端子とツェナーダイオードLMZD1のカソード端子とが電気的に接続され、ツェナーダイオードLMZD1のアノード端子が+24Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。左側+24V系駆動回路4180abは、+24VがツェナーダイオードLMZD1を介して左側+24V系駆動回路4180abの電源端子に供給されており、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のQE出力端子〜QH出力端子から出力された駆動信号に従って、コネクタLMCN2を介して、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+24V系電気的駆動源であるモータやソレノイド等を駆動制御する。なお、コネクタLMC2は、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体を作動させる+24V系電気的駆動源に電力を供給するために、+24Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。
左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の負論理SCLR端子は、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1が取り込んだシリアルデータをクリアするための端子であり、グランドに接地されると、クリアを実行する。本実施形態では、負論理SCLR端子が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されており、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1が取り込んだシリアルデータをクリアしないようになっている。左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のGND端子は、グランドに接地されている。左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のVCC端子は、+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のVCC端子は、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC5の他端とも電気的に接続されている。このグランドに接地されたコンデンサLMC5により、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1に供給される+5.25Vから高周波成分が除去されている(コンデンサLMC5は、ローパスフィルタとして機能している)。
[13−2−3.左側自動駆動停止回路]
左側自動駆動停止回路4180gは、左側ワンショットICLMIC4を主として構成されている。左側ワンショットICLMIC4は、左側ワンショットICLMIC4A、左側ワンショットICLMIC4Bという2つの左側ワンショットICを備えている。左側ワンショットICLMIC4Aの1B入力端子は、上述したように、左入力側非反転型バッファICLMIC0のY3出力端子と電気的に接続されており、Y3出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが左側ワンショットICLMIC4Aに伝送されるようになっている。左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1A入力端子及びGND端子はグランドに接地され、左側ワンショットICLMIC4Aの負論理CLR端子及びVCC端子は、+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。左側ワンショットICLMIC4AのVCC端子は、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC8の他端とも電気的に接続されている。このグランドに接地されたコンデンサLMC8により、左側ワンショットICLMIC4Aに供給される+5.25Vから高周波成分が除去されている(コンデンサLMC8は、ローパスフィルタとして機能している)。
そして、一端が5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続された抵抗LMR20の他端と、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC7の他端と、が電気的に直列接続されるとともに、抵抗LMR20の他端とコンデンサLMC7の他端とが左側ワンショットICLMIC4Aの1RX/CX端子とも電気的に接続されている。またグランドに接地されたコンデンサC7の一端が左側ワンショットICLMIC4Aの1CX端子とも電気的に接続されている。左側ワンショットICLMIC4Aは、抵抗LMR20の抵抗値とコンデンサLMC7の電気容量とによって、左側ワンショットICLMIC4Aの1B入力端子に入力された遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATのパルスをトリガとして、つまりトリガパルス1発に対して一定の時間幅を持ったパルスを、左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1Q出力端子から1発だけ出力している。このように、左側ワンショットICLMIC4Aは、その1B入力端子に入力された遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATのパルスを伸張して、その負論理1Q出力端子から出力しているような動作をする。
本実施形態では、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが左側ワンショットICLMIC4Aの1B入力端子にトリガパルスが1発入力されると、左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1Q出力端子から出力される一定の時間幅を持ったパルスは、100ミリ秒(ms)となるように、抵抗LMR20の抵抗値とコンデンサLMC7の電気容量とが予め選択されている。これにより、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが左側ワンショットICLMIC4Aの1B入力端子に入力されて、左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1Q出力端子から出力されるパルスの論理がHIからLOWへ立ち下がる(ダウンエッジする)ことにより、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のQA出力端子〜QH出力端子、及びデイジーチェーン接続出力端子であるQH’出力端子をディスイネーブル(出力禁止)に設定されている状態からイネーブル(出力許可)に設定する駆動解除信号SM−ENAを左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の負論理G入力端子に出力し、上述した100ms経過すると、左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1Q出力端子から出力されるパルスの論理がLOWからHIへ立ち上がる(アップエッジする)ことにより、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のQA出力端子〜QH出力端子、及びQH’出力端子をイネーブル(出力許可)に設定されている状態からディスイネーブル(出力禁止)に設定する(つまり、駆動解除信号SM−ENAを左側シリアルパラレル変換ICLMIC1の負論理G入力端子に出力している状態を停止する)。
このような制御方式を採用することにより、ノイズなどの影響を受けて左側シリアルパラレル変換ICLMIC1がQA出力端子〜QH出力端子、及びQH’出力端子から意味不明な信号を出力することを防止することができる。なお、左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1Q出力端子は、一端がグランドに接地された抵抗LMR21の他端と電気的に接続されており、左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1Q出力端子から出力されるパルスの論理がダウンエッジする際に、論理がHIからLOWへ速やかに行うことができるようになっている。また、左側ワンショットICLMIC4Aの1Q出力端子は、左側ワンショットICLMIC4Aの負論理1Q出力端子から出力される信号の論理を反転させたものが出力されるが、本実施形態では、電気的に未接続となっている。
[13−2−4.左側タイミング調整回路]
左側タイミング調整回路4180fは、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2、左側DタイプフリップフロップICLMIC3を主として構成されている。左側シュミットトリガ反転ICLMIC2は、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2A〜左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Fという8つの左側シュミットトリガ反転ICを備え、左側DタイプフリップフロップICLMIC3は、左側DタイプフリップフロップICLMIC3A、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Bという2つの左側DタイプフリップフロップICを備えている。
左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子は、上述したように、左入力側非反転型バッファICLMIC0のY2出力端子と電気的に接続されており、Y2出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aに伝送されるようになっている。遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKは、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aにおいて、更に波形が整形されて論理が反転される。左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子は、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1CK入力端子と電気的に接続され、更に波形が整形されて論理が反転された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aに伝送されるようになっている。なお、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2の図示しないVCC端子は、+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続され、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2の図示しないGND端子はグランドに接地されている。左側シュミットトリガ反転ICLMIC2の図示しないVCC端子は、一端がグランドに接地された図示しないコンデンサの他端とも電気的に接続されている。このグランドに接地された図示しないコンデンサにより、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2に供給される+5.25Vから高周波成分が除去されている(図示しないコンデンサは、ローパスフィルタとして機能している)。
左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの負論理PR端子はデータをプリセットするものであり、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの負論理CLR端子は、データをクリアする端子である。本実施形態では、負論理PR端子及び負論理CLR端子を+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続することにより、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1D入力端子と電気的に接続された左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のデイジーチェーン接続出力端子であるQH’出力端子から入力される、遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を、その論理を維持した状態で、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1CK入力端子と電気的に接続された左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から入力される、更に波形が整形されて論理が反転された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに基づいて、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1Q出力端子から出力するようになっている。つまり、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aは、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aにおいて、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが反転させているため、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から出力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと、では、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅だけズレた(シフトさせた)状態となる。
これにより、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち上がり波形が左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aを通過することにより、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち下がりとして出力されるため、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスが立ち上がってから立ち下がるまでのパルス幅だけの時間が経過しない限り、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスが立ち下がった状態から立ち上がらない。
左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aは、1D入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1CK入力端子に入力され、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスが立ち下がった状態から立ち上がある(アップエッジする)ごとに、1Q出力端子から出力する。
そうすると、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aは、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち上がり(つまり周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち上がり)からパルス幅だけ遅延して1D入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を1Q出力端子から出力する。1Q出力端子は、左出力側非反転型バッファICLMIC7のA2入力端子と電気的に接続されており、1Q出力端子から出力される、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅だけ遅延した遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)が左出力側非反転型バッファICLMIC7に伝送されるようになっている。
なお、左側DタイプフリップフロップICLMIC3AのVCC端子は、+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続され、左側DタイプフリップフロップICLMIC3AのGND端子はグランドに接地されている。左側DタイプフリップフロップICLMIC3AのVCC端子は、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC6の他端とも電気的に接続されている。このグランドに接地されたコンデンサLMC6により、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aに供給される+5.25Vから高周波成分が除去されている(コンデンサLMC6は、ローパスフィルタとして機能している)。また、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの負論理1Q出力端子は、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1Q出力端子から出力される信号の論理を反転したものが出力されるが、本実施形態では、電気的に未接続となっている。
[13−2−5.左側パラレルシリアル変換用反転型バッファIC]
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5には、左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号が入力されている。
第1の可動体の待機時原位置や演出時原位置は、待機時原位置検出スイッチSEN0、演出時第1の原位置検出スイッチSEN1、及び演出時第2の原位置検出スイッチSEN2により検出され、コネクタLMCN3を介して、待機時原位置検出スイッチSEN0からの検出信号L−SEN0が入力され、コネクタLMCN4を介して、演出時第1の原位置検出スイッチSEN1からの検出信号L−SEN1が入力され、コネクタLMCN5を介して、演出時第2の原位置検出スイッチSEN2からの検出信号L−SEN2が入力される。待機時原位置検出スイッチSEN0からの検出信号L−SEN0を伝送するラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続された抵抗LMR22の他端と電気的に接続され、抵抗LMR29を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC9の他端と電気的に接続されるとともに、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA1入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC9は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。演出時第1の原位置検出スイッチSEN1からの検出信号L−SEN1を伝送するラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続された抵抗LMR23の他端と電気的に接続され、抵抗LMR30を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC10の他端と電気的に接続されるとともに、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA2入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC10は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。演出時第2の原位置検出スイッチSEN2からの検出信号L−SEN2を伝送するラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続された抵抗LMR24の他端と電気的に接続され、抵抗LMR31を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC11の他端と電気的に接続されるとともに、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA3入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC11は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。なお、コネクタLMC3〜LMC5は、待機時原位置検出スイッチSEN0、演出時第1の原位置検出スイッチSEN1、及び演出時第2の原位置検出スイッチSEN2に電力を供給するために、+12Vの電源供給ラインと電気的にそれぞれ接続されるとともに、グランドにそれぞれ接地されている。ここで、第1の可動体は、待機時原位置を待機時原位置検出スイッチSEN0により検出され、演出時原位置を演出時第1の原位置検出スイッチSEN1、及び演出時第2の原位置検出スイッチSEN2によりそれぞれ検出されるようになっている。これは、第1の可動体が可動されて待機時原位置から離れて演出可動領域において演出動作を行っていると、周辺制御基板4140が制御して可動させている第1の可動体の可動位置と、第1の可動体の実際の可動位置と、にギャップが生じ、周辺制御基板4140が意図しない位置で第1の可動体を可動させていることとなるため、このギャップをゼロに修正するために、第1の可動体の演出可動領域に演出時原位置を設けることにより、演出可動領域の可動位置からわざわざ待機時原位置まで戻るという動作を行うことなく、長時間(例えば、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄を変動表示して停止表示するという停止表示結果を複数回)に亘って、演出可動領域において可動させることができるようになっている。第1の可動体には、演出時原位置を演出時第1の原位置検出スイッチSEN1、及び演出時第2の原位置検出スイッチSEN2によりそれぞれ検出されるようになっているため、第1の可動体の演出可動領域を大きく(例えば、液晶表示装置1900の表示領域全体)することができ、第1の可動体を複雑な動きに可動させて、周辺制御基板4140が制御して可動させている第1の可動体の可動位置と、第1の可動体の実際の可動位置と、にギャップが生じても、演出可動領域に設けられた、2つの演出時原位置うち、いずれかの演出時原位置に向かって可動させることで、そのギャップをゼロに修正することができ、周辺制御基板4140が意図する可動位置で第1の可動体を可動することができるようになっている。
第2の可動体の待機時原位置や演出時原位置は、待機時原位置検出スイッチSEN3、及び演出時原位置検出スイッチSEN4により検出され、コネクタLMCN6を介して、待機時原位置検出スイッチSEN3からの検出信号L−SEN3が入力され、コネクタLMCN7を介して、演出時原位置検出スイッチSEN4からの検出信号L−SEN4が入力される。待機時原位置検出スイッチSEN3からの検出信号L−SEN3を伝送するラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続された抵抗LMR25の他端と電気的に接続され、抵抗LMR32を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC12の他端と電気的に接続されるとともに、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA4入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC12は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。演出時原位置検出スイッチSEN4からの検出信号L−SEN4を伝送するラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続された抵抗LMR26の他端と電気的に接続され、抵抗LMR33を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC13の他端と電気的に接続されるとともに、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA5入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC13は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。なお、コネクタLMC6,LMC7は、待機時原位置検出スイッチSEN3、及び演出時原位置検出スイッチSEN4に電力を供給するために、+12Vの電源供給ラインと電気的にそれぞれ接続されるとともに、グランドにそれぞれ接地されている。ここで、第2の可動体は、待機時原位置を待機時原位置検出スイッチSEN3により検出され、演出時原位置を演出時原位置検出スイッチSEN4により検出されるようになっている。これは、第2の可動体が可動されて待機時原位置から離れて演出可動領域において演出動作を行っていると、周辺制御基板4140が制御して可動させている第2の可動体の可動位置と、第2の可動体の実際の可動位置と、にギャップが生じ、周辺制御基板4140が意図しない位置で第2の可動体を可動させていることとなるため、このギャップをゼロに修正するために、第2の可動体の演出可動領域に演出時原位置を設けることにより、演出可動領域の可動位置からわざわざ待機時原位置まで戻るという動作を行うことなく、長時間(例えば、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄を変動表示して停止表示するという停止表示結果を複数回)に亘って、演出可動領域において可動させることができるようになっている。
第3の可動体の待機時原位置や演出時原位置は、待機時原位置検出スイッチSEN5、及び演出時原位置検出スイッチSEN6により検出され、コネクタLMCN8を介して、待機時原位置検出スイッチSEN5からの検出信号L−SEN5が入力され、コネクタLMCN9を介して、演出時原位置検出スイッチSEN6からの検出信号L−SEN6が入力される。待機時原位置検出スイッチSEN5からの検出信号L−SEN5を伝送するラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続された抵抗LMR27の他端と電気的に接続され、抵抗LMR34を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC14の他端と電気的に接続されるとともに、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA6入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC14は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。演出時原位置検出スイッチSEN6からの検出信号L−SEN6を伝送するラインは、一端が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続された抵抗LMR28の他端と電気的に接続され、抵抗LMR35を介して、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC15の他端と電気的に接続されるとともに、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA7入力端子と電気的に接続されている(コンデンサLMC15は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)。なお、コネクタLMC8,LMC9は、待機時原位置検出スイッチSEN5、及び演出時原位置検出スイッチSEN6に電力を供給するために、+12Vの電源供給ラインと電気的にそれぞれ接続されるとともに、グランドにそれぞれ接地されている。ここで、第3の可動体は、待機時原位置を待機時原位置検出スイッチSEN5により検出され、演出時原位置を演出時原位置検出スイッチSEN6により検出されるようになっている。これは、第3の可動体が可動されて待機時原位置から離れて演出可動領域において演出動作を行っていると、周辺制御基板4140が制御して可動させている第3の可動体の可動位置と、第3の可動体の実際の可動位置と、にギャップが生じ、周辺制御基板4140が意図しない位置で第3の可動体を可動させていることとなるため、このギャップをゼロに修正するために、第3の可動体の演出可動領域に演出時原位置を設けることにより、演出可動領域の可動位置からわざわざ待機時原位置まで戻るという動作を行うことなく、長時間(例えば、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄を変動表示して停止表示するという停止表示結果を複数回)に亘って、演出可動領域において可動させることができるようになっている。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA1入力端子は、データ入力がシュミット型であるため、A1入力端子に待機時原位置検出スイッチSEN0からの検出信号L−SEN0が入力されると、波形が整形されて論理が反転されて、Y1出力端子から出力される。このY1出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のA入力端子と電気的に接続されており、Y1出力端子からの、整形されて論理が反転された検出信号L−SEN0が左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA2入力端子は、A1入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A2入力端子に演出時第1の原位置検出スイッチSEN1からの検出信号L−SEN1が入力されると、波形が整形されて論理が反転されて、Y2出力端子から出力される。このY2出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のB入力端子と電気的に接続されており、Y2出力端子からの、整形されて論理が反転された検出信号L−SEN1が左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA3入力端子は、A1入力端子及びA2入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A3入力端子に演出時第2の原位置検出スイッチSEN2からの検出信号L−SEN2が入力されると、波形が整形されて論理が反転されて、Y3出力端子から出力される。このY3出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のC入力端子と電気的に接続されており、Y3出力端子からの、整形されて論理が反転された検出信号L−SEN2が左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA4入力端子は、A1入力端子〜A3入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A4入力端子に待機時原位置検出スイッチSEN3からの検出信号L−SEN3が入力されると、波形が整形されて論理が反転されて、Y4出力端子から出力される。このY4出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のD入力端子と電気的に接続されており、Y4出力端子からの、整形されて論理が反転された検出信号L−SEN3が左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA5入力端子は、A1入力端子〜A4入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A5入力端子に演出時原位置検出スイッチSEN4からの検出信号L−SEN4が入力されると、波形が整形されて論理が反転されて、Y5出力端子から出力される。このY5出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のE入力端子と電気的に接続されており、Y5出力端子からの、整形されて論理が反転された検出信号L−SEN4が左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA6入力端子は、A1入力端子〜A5入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A6入力端子に待機時原位置検出スイッチSEN5からの検出信号L−SEN5が入力されると、波形が整形されて論理が反転されて、Y6出力端子から出力される。このY6出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のF入力端子と電気的に接続されており、Y6出力端子からの、整形されて論理が反転された検出信号L−SEN5が左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA7入力端子は、A1入力端子〜A6入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A7入力端子に演出時原位置検出スイッチSEN6からの検出信号L−SEN6が入力されると、波形が整形されて論理が反転されて、Y7出力端子から出力される。このY7出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のG入力端子と電気的に接続されており、Y7出力端子からの、整形されて論理が反転された検出信号L−SEN6が左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA8入力端子は、上述したように、左入力側非反転型バッファICLMIC0のY2出力端子と電気的に接続されており、左入力側非反転型バッファICLMIC0のY2出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5に伝送される。左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のA8入力端子は、A1入力端子〜A7入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A8入力端子に左入力側非反転型バッファICLMIC0のY2出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが入力されると、波形が整形されて論理が反転されて、Y8出力端子から出力される。このY8出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のクロック信号入力端子であるCK入力端子と電気的に接続されており、Y8出力端子からの、整形されて論理が反転された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に伝送される。
左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5は、負論理G入力端子、及びCONT入力端子に入力される信号によりコントロールされるようになっており、負論理G入力端子、及びCONT入力端子がグランドに接地されることにより、A1入力端子〜A8入力端子に入力された論理を反転し、A1入力端子〜A8入力端子とそれぞれ対応するY1出力端子〜Y8出力端子から出力するように設定されている。左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のGND端子は、グランドに接地され、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のVCC端子は、+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のVCC端子は、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC16の他端とも電気的に接続されている。このグランドに接地されたコンデンサLMC16により、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5に供給される+5.25Vから高周波成分が除去されている(コンデンサLMC16は、ローパスフィルタとして機能している)。なお、本実施形態では、左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5が反転型バッファICとなっているが、これは、上述したように、CONT入力端子がグランドに接地されているためであり、CONT入力端子を+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続すると、反転型バッファICから非反転型バッファICへ切り替えることができるようになっている。
[13−2−6.左側パラレルシリアル変換IC]
左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、上述したように、A入力端子〜G入力端子に左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のY1出力端子〜Y7出力端子からの、整形されて論理が反転された検出信号L−SEN0〜L−SEN6がそれぞれ入力され、CK入力端子に左側パラレルシリアル変換用反転型バッファICLMIC5のY8出力端子からの、整形されて論理が反転された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが入力され、S/負論理L入力端子に左入力側非反転型バッファICLMIC0のY4出力端子からの整形された可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが入力される。また左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、そのデイジーチェーン接続入力端子であるSI端子に右側モータ駆動基板4190からのシリアルデータである右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)がコネクタLMCN10を介して、シリアルデータR−SEN−DAT−INとして入力される。
左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、左入力側非反転型バッファICLMIC0からの可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが入力されると、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のA入力端子〜G入力端子にそれぞれ入力される検出信号L−SEN0〜L−SEN6というパラレル信号(左側モータ駆動基板4180の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号)に基づいてパラレルデータを取り込んで、この取り込んだパラレルデータを左側可動体位置検出データとしてシリアルデータに変換(シリアル化)する。このとき、右側モータ駆動基板4190において、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6の各入力端子にそれぞれ入力されるパラレル信号(右側モータ駆動基板4190の制御対象となっている遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号)に基づいてパラレルデータを取り込んで、この取り込んだパラレルデータを右側可動体位置検出データとしてシリアルデータに変換(シリアル化)する。そして、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6及び右側パラレルシリアル変換ICRMIC6のCK入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ、QH出力端子から出力される。これにより、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、自身が取り込んだ左側可動体位置検出データをシリアル化したシリアルデータを、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつQH出力端子から出力するごとに、右側パラレルシリアル変換ICRMIC6が取り込んだ右側可動体位置検出データをシリアル化したシリアルデータを、コネクタLMCN10を介して、シリアルデータR−SEN−DAT−INとして、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ、SI入力端子から取り込むことにより、左側可動体位置検出データに続いて、右側可動体位置検出データをQH出力端子から出力することができるようになっている。
左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、A入力端子〜H入力端子までの8つの入力端子を有しているが、本実施形態では、H入力端子がグランドに接地させている。また左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、CKINH入力端子が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されると、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6へのクロック禁止入力を設定する。本実施形態では、CKINH入力端子がグランドに接地されており、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6へのクロック入力を常に許可した状態となるように設定されている。また左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のGND端子は、グランドに接地され、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のVCC端子は、+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のVCC端子は、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC17の他端とも電気的に接続されている。このグランドに接地されたコンデンサLMC17により、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6に供給される+5.25Vから高周波成分が除去されている(コンデンサLMC17は、ローパスフィルタとして機能している)。なお、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6の負論理QH出力端子は、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のQH出力端子から出力される信号の論理を反転したものが出力されるが、本実施形態では、電気的に未接続となっている。
[13−2−7.左出力側非反転型バッファIC]
左出力側非反転型バッファICLMIC7は、上述したように、A1入力端子に左入力側非反転型バッファICLMIC0のY2出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK(図126及び図127には、回路図を見易くするために、SM−CLK2と記載しているが、SM−CLK2とSM−CLKとは同一の信号である。)が入力され、A2入力端子に左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1Q出力端子からの、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅だけ遅延した遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)が入力され、A3入力端子に左入力側非反転型バッファICLMIC0のY3出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力され、A4入力端子に左入力側非反転型バッファICLMIC0のY4出力端子からの整形された可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが入力される。
左出力側非反転型バッファICLMIC7のA1入力端子は、データ入力がシュミット型であるため、A1入力端子に遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK(SM−CLK2)が入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y1出力端子から出力される。このY1出力端子は、抵抗LMR36を介して、LMCN10と電気的に接続されており、Y1出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK(SM−CLK2)が抵抗LMR36、そしてコネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190に伝送される。
左出力側非反転型バッファICLMIC7のA2入力端子も、A1入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A2入力端子に遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)が入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y2出力端子から出力される。このY2出力端子は、抵抗LMR37を介して、LMCN10と電気的に接続されており、Y2出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)が抵抗LMR37、そしてコネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190に伝送される。
左出力側非反転型バッファICLMIC7のA3入力端子も、A1入力端子及びA2入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A3入力端子に遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y3出力端子から出力される。このY3出力端子は、抵抗LMR38を介して、LMCN10と電気的に接続されており、Y3出力端子からの整形された遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−TLATが抵抗LMR38、そしてコネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190に伝送される。
左出力側非反転型バッファICLMIC7のA4入力端子も、A1入力端子〜A3入力端子と同様に、データ入力がシュミット型であるため、A4入力端子に可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが入力されると、波形が整形されて論理が反転されることなく、Y4出力端子から出力される。このY4出力端子は、抵抗LMR39を介して、LMCN10と電気的に接続されており、Y4出力端子からの整形された可動体情報取得ラッチ信号SM−RLATが抵抗LMR39、そしてコネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190に伝送される。
左出力側非反転型バッファICLMIC7のA5入力端子〜A8入力端子は、グランドに接地され、A5入力端子〜A8入力端子とそれぞれ対応するY5出力端子〜Y8出力端子は、本実施形態では、電気的に未接続となっている。また左出力側非反転型バッファICLMIC7は、負論理G入力端子、及びCONT入力端子に入力される信号によりコントロールされるようになっており、負論理G入力端子がグランドに接地され、CONT入力端子が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されることにより、A1入力端子〜A8入力端子に入力された論理を反転することなく、A1入力端子〜A8入力端子とそれぞれ対応するY1出力端子〜Y8出力端子から出力するように設定されている。左出力側非反転型バッファICLMIC7のGND端子は、グランドに接地され、左出力側非反転型バッファICLMIC7のVCC端子は、+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されている。左出力側非反転型バッファICLMIC7のVCC端子は、一端がグランドに接地されたコンデンサLMC18の他端とも電気的に接続されている。このグランドに接地されたコンデンサLMC18により、左出力側非反転型バッファICLMIC7に供給される+5.25Vから高周波成分が除去されている(コンデンサLMC18は、ローパスフィルタとして機能している)。なお、本実施形態では、左出力側非反転型バッファICLMIC7が非反転型バッファICとなっているが、これは、上述したように、CONT入力端子が+5.25Vの電源供給ラインと電気的に接続されているためであり、CONT入力端子をグランドに接地すると、非反転型バッファICから反転型バッファICへ切り替えることができるようになっている。
なお、コネクタLMCN11には、周辺制御基板4140からの、+5.25V、+12V、+24V、+37V、及びグランド(GND)が供給され、各電源供給ライン及びグランドラインがコネクタLMCN10と電気的に接続され、右側モータ駆動基板4190に供給することができるようになっている。
[13−3.所定点における信号波形]
次に、図126に示したTF点及びTG点における遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKの波形と、図126に示したTH点及びTI点における遊技盤側モータ駆動データSM−DATの波形と、の関係ついて、図128を参照して説明する。TF点は、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKの波形を参照するための点であり、TG点は、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から出力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKの波形を参照するための点であり、TH点は、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のシリアルデータ入力端子であるSI入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動データSM−DATの波形を参照するための点であり、TI点は、左側タイミング調整回路4180fを通過した遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1Q出力端子から出力される右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)の波形を参照するための点である。
図128(a)に示すTF点における左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKは、左入力側非反転型バッファICLMIC0において波形が整形されているものの、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと左入力側非反転型バッファICLMIC0を通過した遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKとに位相差が生じていない。つまり、TF点における左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKは、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同一となっている。
図128(d)に示すTG点における左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から出力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKは、図128(a)に示すTF点における左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKの波形が反転されている。
図128(b)に示すTH点における左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のシリアルデータ入力端子であるSI入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動データSM−DATは、左入力側非反転型バッファICLMIC0において波形が整形されているものの、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動データSM−DATと左入力側非反転型バッファICLMIC0を通過した遊技盤側モータ駆動データSM−DATとに位相差が生じていない。つまり、TH点における左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のシリアルデータ入力端子であるSI入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動データSM−DATは、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動データSM−DATと同一となっている。
図128(c)に示すTI点における左側タイミング調整回路4180fを通過した遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1Q出力端子から出力される右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)は、図128(b)に示すTH点における左側シリアルパラレル変換ICLMIC1のSI入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動データSM−DATと比べると、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスが立ち上がってから立ち下がるまでのパルス幅だけ遅延している。これは、上述したように、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち上がり波形が左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aを通過することにより、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち下がりとして出力されるため(タイミングLT0)、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスが立ち上がってから立ち下がるまでのパルス幅だけの時間が経過しない限り、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスが立ち下がった状態から立ち上がらない(タイミングLT1)。左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aは、上述したように、1D入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aの1CK入力端子に入力され、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスが立ち下がった状態から立ち上がある(アップエッジする)ごとに、1Q出力端子から出力する。そうすると、左側DタイプフリップフロップICLMIC3Aは、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち上がり(つまり周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち上がり)からパルス幅だけ遅延して1D入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を1Q出力端子から出力する。1Q出力端子は、左出力側非反転型バッファICLMIC7のA2入力端子と電気的に接続されており、1Q出力端子から出力される、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅だけ遅延した遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)が左出力側非反転型バッファICLMIC7に伝送される。
これにより、左側モータ駆動基板4180から右側モータ駆動基板4190には、TG点における左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの出力端子から出力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKが出力されるのではなく、TF点における左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK(つまり周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK)が出力されているため、右側モータ駆動基板4190の右側シリアルパラレル変換ICRMIC1において、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスがアップエッジすると(タイミングLT2)、このタイミングLT2よりST時間(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅の時間)前に、遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)が伝送された状態を作り出すことができる。したがって、遊技盤側モータ駆動データSM−DATの伝送に対して左側モータ駆動基板4180の後続基板となる右側モータ駆動基板4190の右側シリアルパラレル変換ICRMIC1において、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を確実に取り込むことができるように、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の動作(トランジェント特性(セットアップ及びホールド))を良好とすることができる。
このように、周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、及び右側モータ駆動基板4190が周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、そして右側モータ駆動基板4190という順番で電気的に数珠繋ぎに接続されたデイジーチェーン接続されている構成においては、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動データSM−DATは、左側モータ駆動基板4180において、左入力側非反転型バッファICLMIC0、左側シリアルパラレル変換ICLMIC1等のICを通過する際に、信号の波形が少し鈍くなって劣化したり、左側モータ駆動基板4180と右側モータ駆動基板4190との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)により、遊技盤側モータ駆動データSM−DATを伝える伝送ライン上にC成分(コンデンサ成分)が増加して信号の波形が少し鈍くなって劣化したり、右側モータ駆動基板4190において遊技盤側モータ駆動データSM−DATを伝える伝送ラインが、一端がグランドに接地されたコンデンサRMC0(左側モータ駆動基板4180のコンデンサLMC0に相当するコンデンサ。)の他端と電気的に接続されて右入力側非反転型バッファICRMIC0のA1入力端子に入力されている(コンデンサRMC0は、ローパスフィルタとしての役割を担っている)ため、右側モータ駆動基板4190における遊技盤側モータ駆動データSM−DATを伝える伝送ラインと電気的に接続されたコンデンサRMC0により、遊技盤側モータ駆動データSM−DATを伝える伝送ライン上にC成分(コンデンサ成分)が増加して信号の波形が少し鈍くなって劣化したりする場合が生ずる。そうすると、遊技盤側モータ駆動データSM−DATの伝送に対して左側モータ駆動基板4180の後続基板となる右側モータ駆動基板4190において、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、及び遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)に基づいて、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1で遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を取り込む際に、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1のトランジェント特性(セットアップ及びホールド)に余裕がなくなり、遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)の取りこぼしが生ずるという問題が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4180fにおいて、左側シュミットトリガ反転ICLMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、つまり周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち上がりからパルス幅だけ遅延した遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を、1Q出力端子から出力し、このパルス幅だけ遅延した遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を、左出力側非反転型バッファICLMIC7、そしてコネクタLMCN10を介して、右側モータ駆動基板4190に出力するという仕組みを採用した。これにより、右側モータ駆動基板4190の右側シリアルパラレル変換ICRMIC1において、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅の時間前に、遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190に対する駆動データR−SM−DAT)が伝送された状態を作り出すことができる。したがって、遊技盤側モータ駆動データSM−DATの伝送に対して左側モータ駆動基板4180の後続基板となる右側モータ駆動基板4190の右側シリアルパラレル変換ICRMIC1において、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(正確には、右側モータ駆動基板4190に対する駆動データ)を確実に取り込むことができるように、右側シリアルパラレル変換ICRMIC1の動作(トランジェント特性(セットアップ及びホールド))を良好とすることができる。
なお、本実施形態では、右側モータ駆動基板4190においても、左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4150fと同一の機能を有する回路が右側タイミング調整回路4190fとして設けられている。
左側モータ駆動基板4190の左側パラレルシリアル変換ICLMIC6は、上述したように、そのデイジーチェーン接続入力端子であるSI端子に右側モータ駆動基板4190からのシリアルデータである右側可動体位置検出データ(右側モータ駆動基板4190において、遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を検出するための各種検出スイッチからの検出信号に基づいてシリアル化したシリアルデータ。)がコネクタLMCN10を介して、シリアルデータR−SEN−DAT−INとして入力される。周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、及び右側モータ駆動基板4190が周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、そして右側モータ駆動基板4190という順番で電気的に数珠繋ぎに接続されたデイジーチェーン接続されている構成においては、右側モータ駆動基板4190からの右側可動体位置検出データは、右側モータ駆動基板4190において、右側モータ駆動基板4190と左側モータ駆動基板4180との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)により、右側可動体位置検出データを伝える伝送ライン上にC成分(コンデンサ成分)が増加して信号の波形が少し鈍くなって劣化したりする場合が生ずる。そうすると、右側可動体位置検出データの伝送に対して右側モータ駆動基板4190の後続基板となる左側モータ駆動基板4180において、周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、及び右側モータ駆動基板4190からの右側可動体位置検出データに基づいて、左側モータ駆動基板4190の左側パラレルシリアル変換ICLMIC6で遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側可動体位置検出データを取り込む際に、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6のトランジェント特性(セットアップ及びホールド)に余裕がなくなり、右側可動体位置検出データの取りこぼしが生ずるという問題が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、右側モータ駆動基板4190においても、左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4150fと同一の機能を有する右側タイミング調整回路4190fを設けることにより、右側シュミットトリガ反転ICRMIC2Aの入力端子に入力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、つまり周辺制御基板4140からの遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルスの立ち上がりからパルス幅だけ遅延した右側可動体位置検出データを、1Q出力端子から出力し、このパルス幅だけ遅延した右側可動体位置検出データを、右入力側非反転型バッファICRMIC0、そしてコネクタRMCN0を介して、左側モータ駆動基板4180に出力するという仕組みを採用した。これにより、左側モータ駆動基板4180の左側パラレルシリアル変換ICLMIC6において、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKのパルス幅の時間前に、右側可動体位置検出データ(つまり、シリアルデータR−SEN−DAT−IN)が伝送された状態を作り出すことができる。したがって、右側可動体位置検出データの伝送に対して右側モータ駆動基板4190の後続基板となる左側モータ駆動基板4180の左側パラレルシリアル変換ICLMIC6において、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKに同期して1ビットずつ右側モータ駆動基板4190からの右側可動体位置検出データを確実に取り込むことができるように、左側パラレルシリアル変換ICLMIC6の動作(トランジェント特性(セットアップ及びホールド))を良好とすることができる。
[14.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板4100から払出制御基板4110へ送信される各種コマンドと、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて、図129〜図132を参照して説明する。図129は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図130は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図131は図130の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図132は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板4100から払出制御基板4110へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板4100が受信する払出制御基板4110からの各種コマンドについて説明する。
[14−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図98に示した、一般入賞口スイッチ3020,3020、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びカウントスイッチ2110等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ遊技機1とCRユニット6(パチンコ遊技機1と通信して、パチンコ遊技機1(賞球装置740)の払出モータ744を駆動して貯留皿である、上皿301や下皿302に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「CR機」という。)、図129(a)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ遊技機1と球貸し機(遊技球を貯留皿である、上皿301や下皿302に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ遊技機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「一般機」という。)、図129(b)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図129(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板4110がCRユニット6との接続状態を確認する。
[14−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板4140に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図130及び図131に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図130及び図131に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[14−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図98に示した上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図130に示すように、図98に示した機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図98に示した下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図130に示すように、図98に示した機能表示基板1191の下特別図柄表示器1186に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図130に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(図96に示した、アタッカユニット2100の大入賞口2103のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(アタッカユニット2100の大入賞口2103のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個をカウントした旨(図98に示したカウントスイッチ2110によって検出された、大入賞口2103に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(アタッカユニット2100の大入賞口2103のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時、及び大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図130に示すように、電源投入という名称の各種コマンドから構成されている。この電源投入コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入コマンドは、RAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、図98に示したRAMクリアスイッチ4100eが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)。
電源投入コマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、RAMクリアスイッチ4100eが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入コマンドが送信される。
[14−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図98に示したゲートスイッチ2352からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図130に示すように、図98に示した機能表示基板1191の普通図柄表示器1189に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、図98に示した始動口ソレノイド2105の駆動により開閉される図96に示した一対の可動片2106に関するものであり、その区分には、図130に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(一対の可動片2106が始動口ソレノイド2105の駆動により左右方向へ拡開した状態、又は拡開する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(一対の可動片2106が始動口ソレノイド2105の駆動により左右方向へ拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図131に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、アタッカユニット2100の大入賞口2103に遊技球が入球してその遊技球をカウントスイッチ2110が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、カウントスイッチ2110等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図98に示した磁気検出スイッチ3024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉開放コマンドは、図99に示した、払出制御基板4110を介して入力される扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠3が外枠2に対して開放された状態である場合や、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態であるとともに、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板4100から払出制御基板4110へのコマンド送信時に払出制御基板4110からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、カウントスイッチ2110等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出スイッチ3024の異常を検知した時に送信され、扉開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して開放された状態である場合や、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合)に送信され、扉閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態であるとともに、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図131に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ、及び枠状態2という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、払出制御基板4110から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図131に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図131に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板4140の各種検査を指示するものである(例えば、図101に示した、周辺制御部4150の音源IC4150c、液晶制御部4160、液晶出力基板3420、サブ液晶駆動基板3425、ランプ駆動基板4170、左側モータ駆動基板4180、右側モータ駆動基板4190、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、RAMクリアスイッチ4100eが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
[14−2−10.その他]
その他の区分には、図131に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて上始動口2101に遊技球が入球した場合における演出の開始と、下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて下始動口2102に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(図96に示した上始動口2101に遊技球が入球して機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(図96に示した下始動口2102に遊技球が入球して機能表示基板1191の下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(図96に示したゲート部2350を遊技球が通過して機能表示基板1191の普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく上特別図柄表示器1185による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示基板1191の下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく下特別図柄表示器1186による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて上始動口2101に遊技球が入球した時や、下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて下始動口2102に遊技球が入球した時)に、図21に示したサイドスピーカ130,130、図29に示した右上部スピーカ222、図32に示した左上部スピーカ262や図79に示した下部スピーカ821から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(上始動口2101に遊技球が入球して機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに上始動口2101に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から上特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(下始動口2102に遊技球が入球して機能表示基板1191の下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに下始動口2102に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部2350を遊技球が通過して機能表示基板1191の普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部2350を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(上始動口2101に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(下始動口2102に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて上始動口2101に遊技球が入球した時や、下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて下始動口2102に遊技球が入球した時)に、サイドスピーカ130,130、右上部スピーカ222、左上部スピーカ262や下部スピーカ821から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図101に示した周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ遊技機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、サイドスピーカ130,130、右上部スピーカ222、左上部スピーカ262や下部スピーカ821から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ遊技機では、周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、サイドスピーカ130,130、右上部スピーカ222、左上部スピーカ262や下部スピーカ821から音声で報知しない仕様のものもある。
[14−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板4100が受信する払出制御基板4110からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板4110からの各種コマンドの区分には、図132に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンドには、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンドには、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、図99に示した計数スイッチ751の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS360のコマンド送信処理で送信される。
[15.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ遊技機1の遊技の進行に応じて、図98に示した主制御基板4100が行う各種制御処理について、図133〜図135を参照して説明する。図133は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図134は図133の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図135は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図168は初期値更新型のカウンタの動きを示す説明図(最大値側に寄った範囲)であり、図169は初期値更新型のカウンタの動きを示す説明図(最小値側に寄った範囲)である。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。
[15−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、この大当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための大当り判定用初期値決定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、図98に示した、上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図96に示した可動片2106を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図98に示した普通図柄表示器1189で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
例えば、大当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767)内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、大当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から大当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。大当り判定用初期値決定用乱数は、大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。また、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数も上述した大当り判定用乱数の更新方法と同一である。
なお、本実施形態では、大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲を、大当り判定用乱数を更新するカウンタがカウントアップし終えると、上述したように、大当り判定用初期値決定用乱数は初期値抽選処理を実行することにより更新されるようになっているが、図98に示したRAMクリアスイッチ4100eが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図98に示した主制御MPU4100aの主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合には、大当り判定用初期値決定用乱数は、図98に示した主制御MPU4100aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、大当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、大当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU4100aを製造したメーカによって主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを大当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤4を入手して分解し、主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、大当り判定用乱数を更新するカウンタの値と大当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤4’に備える主制御MPU4100a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤4’においては、大当り判定用乱数を更新するカウンタの値と大当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤4のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤4を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤4’、つまり他のパチンコ遊技機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、図96に示した、上始動口2101や下始動口2102に遊技球を入球させるという始動入賞を狙っても、大当り遊技状態を発生させることができない。
[15−2.初期値更新型のカウンタの動き]
初期値更新型のカウンタは、図168に示すように、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合(RAMクリア時)に主制御MPU4100aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる。初期値更新型のカウンタは、1サイクル目として、この固定値から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から固定値に向かってカウントアップする。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、大当り判定用初期値決定用乱数として大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行し、この抽選で得た値がセットされる。初期値更新型のカウンタは、2サイクル目として、抽選で得た値から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から抽選で得た値に向かってカウントアップする。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、再び、初期値抽選処理を実行し、この抽選で得た値がセットされ、初期値更新型のカウンタは、3サイクル目として、抽選で得た値から最大値に向かってカウントアップすることとなる。本実施形態では、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出されるようになっている。大当り判定用乱数を更新するカウンタは、本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767までに亘る予め定めた固定数値範囲を更新するようになっている。換言すると、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)は、低確率と高確率とのうち、どちらにおいても、最小値と最大値との中間値(値16384)から最大値側に寄った範囲に設定されている。
ここで、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値10〜値209が設定され、高確率では値10〜値339が設定されている場合について検討してみると、図169に示すように、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)が低確率と高確率とのうち、どちらにおいても、最小値と最大値との中間値(値16384)から最小値側に寄った範囲に設定されることとなる。このような場合には、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値10となる時期までに亘る期間と、この値10の次の値11から最大値(値32767)までに亘る期間と、を比べると、前者の期間の方が後者の期間と比べて上述した初期値抽選処理によって抽選される確率が極めて低い。換言すると、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最後の値(低確率では値209、高確率では値339)までに亘る範囲と、この最後の値の次の値(低確率では値210、高確率では値340)から最大値(値32767)となるまでに亘る範囲と、を比べると、前者の範囲の方が後者の範囲と比べて初期値抽選処理によって抽選される確率が極めて低い。そうすると、例えば、何らかの方法によって初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングを不正に取得して上始動口2101や下始動口2102に向かって電波を照射することにより遊技球が上始動口2101や下始動口2102に入球したかのように装う不正行為が行われると、初期値更新型のカウンタの値が大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)うち、いずれかの値となる確率が高いと言える。
これに対して、本実施形態のように、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)が低確率と高確率とのうち、どちらにおいても、最小値と最大値との中間値(値16384)から最大値側に寄った範囲に設定されている場合には、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値となる手前の値(低確率では値32667、高確率では値31767)となる時期までに亘る期間と、最初の値(低確率では値32668、高確率では値31768)から最大値(値32767)までに亘る期間と、を比べると、前者の期間の方が後者の期間と比べて上述した初期値抽選処理によって抽選される確率が極めて高い。換言すると、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値の手前の値(低確率では値32667、高確率では値31767)までに亘る範囲と、最初の値(低確率では値32668、高確率では値31768)から最大値(値32767)までに亘る範囲と、を比べると、前者の範囲の方が後者の範囲と比べて初期値抽選処理によって抽選される確率が極めて高い。そうすると、初期値更新型のカウンタは、値0から大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値の手前の値(低確率では値32667、高確率では値31767)までに亘る範囲のうち、いずれかの値が初期値抽選処理により抽選された値となって上述した大当り判定用初期値決定用乱数にセットされることとなるため、この抽選で得た値から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から抽選で得た値に向かってカウントアップすることとなる。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、再び、初期値抽選処理を実行し、この抽選で得た値がセットされ、初期値更新型のカウンタは、抽選で得た値から最大値に向かってカウントアップすることとなる。つまり、本実施形態のように、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)が低確率と高確率とのうち、どちらにおいても、最小値と最大値との中間値(値16384)から最大値側に寄った範囲に設定されている場合には、初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングから大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)のうち最初の値となる手前の値(低確率では値32667、高確率では値31767)となる時期までに亘る期間が不規則となり、ランダム性に富んだものとなっている。これにより、例えば、何らかの方法によって初期値更新型のカウンタの値が値0となるタイミングを不正に取得して上始動口2101や下始動口2102に向かって電波を照射することにより遊技球が上始動口2101や下始動口2102に入球したかのように装う不正行為が行われたとしても、初期値更新型のカウンタの値が大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)うち、いずれかの値となる確率が低いと言える。
なお、初期値更新型のカウンタは、図168、及び図169に示すように、最小値から最大値までの範囲を繰り返し更新される。初期値から大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)から2サイクル目においてカウンタが大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)となるまでに要する時間は時間T0となる。時間T0から3サイクル目においてカウンタが大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)となるまでに要する時間は時間T1となり、時間T0に比べて時間T1の方が短くなる。時間T1から4サイクル目においてカウンタが大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)となるまでに要する時間は時間T2となり、時間T1に比べて時間T2の方が短くなる。このように、初期値更新型のカウンタでは、更新されるカウンタが大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)の最小値(最初の値)となる時間に対してゆらぎを持たせることによって(周期性を排除した状態にすることによって)遊技者に察知されないようになっている。
[15−3.主制御側電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図133及び図134に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU4100aは、スタックポインタの設定を行う(ステップS10)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS10では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS10に続いて、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS12)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS14)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、払出制御基板4110の停電監視回路4110bから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、払出制御基板4110の停電監視回路4110bから停電予告信号が入力される。そこで、ステップS12のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS14の判定では、払出制御基板4110の停電監視回路4110bからの停電予告信号に基づいて行う。
ステップS14に続いて、図98に示したRAMクリアスイッチ4100eが操作されているか否かを判定する(ステップS16)。この判定は、主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100eが操作され、その操作信号(検出信号)が主制御MPU4100aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ4100eが操作されていると判定する一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ4100eが操作されていないと判定する。
ステップS16でRAMクリアスイッチ4100eが操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットし(ステップS18)、一方、ステップS16でRAMクリアスイッチ4100eが操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS20)。このRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS18及びステップS20でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU4100aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS18又はステップS20に続いて、ウェイトタイマ処理2を行う(ステップS22)。このウェイトタイマ処理2では、図101に示した、周辺制御基板4140の液晶制御部4160による液晶表示装置1900の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの時間(ブートタイマ)として2秒(s)が設定されている。
ステップS22に続いて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値が値0である否かを判定する(ステップS24)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS24でRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値が値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS26)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS26に続いて、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS28)。一致しているときには、バックアップフラグBK−FLGの値が値1であるか否かを判定する(ステップS30)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS30でバックアップフラグBK−FLGの値が値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS32)。この設定は、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットするほか、主制御MPU4100aに内蔵されたROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、高周波が照射されたことを検出してリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS32に続いて、電源投入時コマンド作成処理を行う(ステップS34)。この電源投入時コマンド作成処理では、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。
一方、ステップS24でRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、又はステップS28でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS30でバックアップフラグBK−FLGの値が値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS36)。具体的には、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う(なお、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい)。また、上述した大当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための大当り判定用初期値決定用乱数は、RAMクリアスイッチ4100eが操作されて遊技情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU4100aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この固定値がセットされる。
ステップS36に続いて、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS38)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS38に続いて、RAMクリア報知及びテストコマンド作成処理を行う(ステップS40)。このRAMクリア報知及びテストコマンド作成処理では、主制御内蔵RAMをクリアして初期設定を行った旨を報知するための図130に示した電源投入に区分される電源投入コマンドを作成するとともに、周辺制御基板4140の各種検査を行うための図131に示したテスト関連に区分されるテストコマンドを作成して、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にそれぞれ記憶する。
ステップS34又はステップS40に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では4msに設定されている。
ステップS42に続いて、割り込み許可設定を行う。(ステップS44)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS44に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットする(ステップS46)。このウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS46に続いて、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS48)。上述したように、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が払出制御基板4110の停電監視回路4110bから入力される。ステップS48の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS48で停電予告信号の入力がないときには非当落乱数更新処理を行う(ステップS50)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数を更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS50に続いて、再びステップS46に戻り、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットし、ステップS48で停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS50で非当落乱数更新処理を行い、ステップS46〜ステップS50を繰り返し行う。なお、このステップS46〜ステップS50の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS48で停電予告信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS52)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。
ステップS52に続いて、図98に示した、始動口ソレノイド2105、アタッカソレノイド2108、上特別図柄表示器1185、下特別図柄表示器1186、上特別図柄記憶表示器1184、下特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190等に出力している駆動信号を停止する(ステップS54)。
ステップS54に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS56)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS56に続いて、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS58)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS58に続いて、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS60)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS60に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、主制御MPU4100aにリセットがかかり、その後主制御MPU4100aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS52〜ステップS60の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ遊技機1(主制御MPU4100a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS28では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS30では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[15−4.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図133及び図134に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図135に示すように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Bをセットする(ステップS70)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)のステップS46においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS70に続いて、割り込みフラグのクリアを行う(ステップS72)。この割り込みフラグがクリアされることにより割り込み周期が初期化され、次の割り込み周期がその初期値から計時される。
ステップS72に続いて、スイッチ入力処理を行う(ステップS74)。このスイッチ入力処理では、主制御I/Oポート4100bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、図96に示した一般入賞口2104,2201に入球した遊技球を検出する図98に示した一般入賞口スイッチ3020,3020からの検出信号、図96に示した大入賞口2103に入球した遊技球を検出する図98に示したカウントスイッチ2110からの検出信号、図96に示した上始動口2101に入球した遊技球を検出する図98に示した上始動口スイッチ3022からの検出信号、図96に示した下始動口2102に入球した遊技球を検出する図98に示した下始動口スイッチ2109からの検出信号、図96に示したゲート部2350を通過した遊技球を検出する図98に示したゲートスイッチ2352からの検出信号、図98に示した磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出スイッチ3024からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを図98に示した払出制御基板4110が正常に受信した旨を伝える払出制御基板4110からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。また、上始動口2101に入球した遊技球を検出する上始動口スイッチ3022からの検出信号、下始動口2102に入球した遊技球を検出する下始動口スイッチ2109からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応する図131に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。つまり、上始動口スイッチ3022からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるし、下始動口スイッチ2109からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、一般入賞口2104,2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020,3020からの検出信号、大入賞口2103に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ2110からの検出信号、上始動口2101に入球した遊技球を検出する上始動口スイッチ3022からの検出信号、下始動口2102に入球した遊技球を検出する下始動口スイッチ2109からの検出信号、及びゲート部2350を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2352からの検出信号は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、一般入賞口スイッチ3020,3020、カウントスイッチ2110、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2352からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、一般入賞口スイッチ3020,3020、カウントスイッチ2110、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2352からの検出信号の信頼性を高めることができる。
ステップS74に続いて、タイマ減算処理を行う(ステップS76)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189が点灯する時間のほかに、主制御基板4100(主制御MPU4100a)が送信した各種コマンドを払出制御基板4110が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS76に続いて、当落乱数更新処理を行う(ステップS78)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図134に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS50の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。例えば、大当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767)内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。大当り判定用初期値決定用乱数から最大値(値32767)に向かってカウントアップし、続いて最小値(値0)から大当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。大当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲を、大当り判定用乱数を更新するカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。大当り判定用初期値決定用乱数は、大当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。普通図柄当り判定用乱数等は、上述した大当り判定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
本実施形態では、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図134に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS50の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS78の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS50の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS50の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS78に続いて、賞球制御処理を行う(ステップS80)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための図129に示した賞球コマンドを作成したり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続状態を確認するための図129に示したセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板4110に送信する。例えば、図96に示した大入賞口2103に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成して払出制御基板4110に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板4110が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板4110に送信したりする。
ステップS80に続いて、枠コマンド受信処理を行う(ステップS82)。払出制御基板4110は、図132に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。ステップS82の枠コマンド受信処理では、この各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板4110に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(図131の状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS82に続いて、不正行為検出処理を行う(ステップS84)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合にカウントスイッチ2110からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2103に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として図131に示した報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS84に続いて、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS86)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、上述した大当り判定用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、大当り図柄用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)にくらべて高く設定された高確率(確変時)に変化することである。本実施形態では、上述した大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出される。このように、ステップS86の特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数を更新するカウンタの値と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定するときには、大当り判定用乱数を更新するカウンタの値が大当り判定範囲に含まれているか否かにより行う。
これらの判定結果が上始動口スイッチ3022によるものである場合には図130に示した特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その抽選結果が下始動口スイッチ2109によるものである場合には図130に示した特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するするとともに、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186を点灯させるよう上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、図130に示した大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、図96に示した開閉部材2107を開閉動作させるようアタッカソレノイド2108への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2103が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、図92に示したラウンド表示器1190の2ラウンド表示ランプ1190aを点灯させるよう2ラウンド表示ランプ1190aへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、89に示したラウンド表示器1190の15ラウンド表示ランプ1190bを点灯させるよう15ラウンド表示ランプ1190bへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう遊技状態表示器1183への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS86に続いて、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS88)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートスイッチ2352からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートスイッチ2352からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として普通図柄記憶表示器1188を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶表示器1188の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片2106を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、一対の可動片2106が左右方向へ拡開した状態となることで下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、図130に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189を点灯させるよう普通図柄表示器1189への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、図130に示した普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片2106を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2105への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、図130に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189を点灯させるよう普通図柄表示器1189への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS88に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS90)。このポート出力処理では、主制御I/Oポート4100bの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。例えば、出力情報に基づいて主制御I/Oポート4100bの出力端子から、払出制御基板4110からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板4110に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2103の開閉部材2107の開閉動作を行うアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、可動片2106の開閉動作を行う始動口ソレノイド2105に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板4110に出力したりする。
ステップS90に続いて、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS92)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、図130に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図131に示した、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドが記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
ステップS92に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cをセットする(ステップS94)。ステップS94でウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、ステップS70においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS94に続いて、レジスタの切替(復帰)を行い(ステップS96)、このルーチンを終了する。ここで、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPU4100aは、ハード的に汎用レジスタの内容をスタックに積んで退避する。これにより、主制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。ステップS96では、スタックに積んで退避した内容を読み出し、もとのレジスタに書き込む。なお、主制御MPU4100aは、ステップS96による復帰の後に割り込み許可の設定を行う。
[16.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図99に示した払出制御基板4110が行う各種制御処理について、図136〜図154を参照して説明する。図136は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図137は図136の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図138は図137に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図139は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図140は球抜きスイッチ操作判定処理の一例を示すフローチャートであり、図141は回転角スイッチ履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図142はスプロケット定位置判定スキップ処理の一例を示すフローチャートであり、図143は球がみ判定処理の一例を示すフローチャートであり、図144は賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図145は貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図146はストック監視処理の一例を示すフローチャートであり、図147は払出球抜き判定設定処理の一例を示すフローチャートであり、図148は払出設定処理の一例を示すフローチャートであり、図149は球抜き設定処理の一例を示すフローチャートであり、図150は球がみ動作設定処理の一例を示すフローチャートであり、図151はリトライ動作監視処理の一例を示すフローチャートであり、図152は不整合カウンタリセット判定処理の一例を示すフローチャートであり、図153はエラー解除スイッチ操作判定処理の一例を示すフローチャートであり、図154は球貸しによる払出動作時の信号処理(ア)、CRユニットからの入力信号確認処理(イ)を示すタイミングチャートである。
まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理、球抜きスイッチ操作判定処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球抜き判定設定処理、払出設定処理、球がみ動作設定処理、球抜き設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除スイッチ操作判定処理について説明する。なお、球抜きスイッチ操作判定処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球抜き判定設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除スイッチ操作判定処理は、後述する払出制御部電源投入時処理におけるステップS562の主要動作設定処理の一処理として行われ、球抜きスイッチ操作判定処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除スイッチ操作判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、そして払出球抜き判定設定処理の順番で優先順位が設定されている。
[16−1.払出制御部電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図136〜図138に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPU4120aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPU4120aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU4120aのI/Oポートの入出設定等を行う。
ステップS502に続いて、図110に示した停電監視回路4110bに停電クリア信号の出力を開始する(ステップS504)。この停電監視回路4110bは、電圧比較回路と、DタイプフリップフロップICと、から構成されている。電圧比較回路は、+24Vとリファレンス電圧との電圧を比較したり、+12Vとリファレンス電圧との電圧を比較したりすることで、その比較結果を出力する。この比較結果は、停電又は瞬停が発生していない場合ではその論理がHIとなってDタイプフリップフロップPIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される一方、停電又は瞬停が発生した場合ではその論理がLOWとなってDタイプフリップフロップPIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるようになっている。ステップS504では、このDタイプフリップフロップPIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号は、払出制御部4120の払出制御I/Oポート4120bを介して、その論理がLOWとなってクリア端子に入力される。これにより、払出制御MPU4120aは、DタイプフリップフロップPIC22のラッチ状態を解除することができ、ラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップPIC22のプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
ステップS504に続いて、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路4110bから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると停電監視回路4110bから停電予告信号が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定でその停電予告信号が入力されているか否かの判定を行っている。この判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップPIC22の出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
ステップS508に続いて、DタイプフリップフロップPIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する(ステップS510)。この停電クリア信号の出力を停止することで、払出制御I/Oポート4120bを介して、その論理がHIとなってクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、払出制御MPU4120aは、DタイプフリップフロップPIC22をラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップPIC22は、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS510に続いて、RAMクリアスイッチ4100eが操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100eが操作され、その操作信号(検出信号)が払出制御MPU4120aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ4100eが操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ4100eが操作されていないと判定する。
ステップS512でRAMクリアスイッチ4100eが操作されているときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットし(ステップS514)、一方、ステップS512でRAMクリアスイッチ4100eが操作されていないときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU4120aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGの値が値0である否かを判定する(ステップS522)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGの値が値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。一致しているときには、払出バックアップフラグHBK−FLGの値が値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGの値が値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定は、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0をセットするほかに、払出制御MPU4120aに内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS526でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGの値が値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、1.75msに設定されている。
ステップS536に続いて、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり1.75msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。上述したように、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路4110bから入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540で停電予告信号の入力がないときには1.75ms経過フラグHT−FLGの値が値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この1.75ms経過フラグHT−FLGは、後述する、1.75msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542で1.75ms経過フラグHT−FLGの値が値0であるとき、つまり1.75ms経過していないときには、ステップS540に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542で1.75ms経過フラグHT−FLGの値が値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし(ステップS544)、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)4120cに外部WDTクリア信号を出力する(ONする、ステップS546)。この外部WDT4120cは、払出制御MPU4120aの動作(システム)を監視するものであり、外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間に停止されないときには払出制御MPU4120a及び払出制御I/Oポート4120bにリセット信号を出力してリセットをかける(払出制御MPU4120aのシステムが暴走していないかを定期的に診断している)。
ステップS546に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御I/Oポート4120bの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンド(図129に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ744への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ744が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器860cに表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御I/Oポート4120bの出力端子から、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板4100に出力したり、払出モータ744に駆動信号を出力したり、払出モータ744が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報信号として外部端子板784に出力したり(本実施形態では、払出モータ744が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板784に賞球数情報信号を出力している。)、エラーLED表示器860cに表示信号を出力したりする。
ステップS548に続いて、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御I/Oポート4120bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、エラー解除スイッチ860aの操作信号、回転角スイッチ752からの検出信号、計数スイッチ751からの検出信号、満タンスイッチ550からの検出信号、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板4100が正常に受信した旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、図71に示した払出回転体748による球がみ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、払出回転体748の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、図70に示した、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出する際に設定されている球抜き判定時間、図49に示したファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切れスイッチ750からの検出信号により賞球装置740の供給通路741aに取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が1.75msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、スキップ判定時間が22.75ms、球抜き判定時間が60060ms、満タン判定時間が504ms、球切れ判定時間が119ms、不整合カウンタリセット判定時間が7000s(約2時間)にそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニット6からの各種信号に基づいて、払出制御MPU4120aは、CRユニット6と各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、賞球装置740による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿301や下皿302に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPU4120aは、CR通信処理において、CRユニット6と各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿301や下皿302に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニット6と各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。このように、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、上述したように、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御I/Oポート4120bの出力端子からCRユニット6へ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球抜き判定設定処理において、CRユニット6へのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニット6と通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御I/Oポート4120bの出力端子からCRユニット6へ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御I/Oポート4120bの出力端子からCRユニット6へ出力することができ、CRユニット6に賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニット6からの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。またCR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ遊技機1が電源投入されているときであって、払出制御基板4110とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御I/Oポート4120bの出力端子からCRユニット6へ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ遊技機1が電源投入されているときであって、払出制御基板4110とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御I/Oポート4120bの出力端子からCRユニット6へ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板4110とCRユニット6とが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タンスイッチ550からの検出信号により上述したファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切れスイッチ750からの検出信号により上述した賞球装置740の供給通路741aに取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タンスイッチ550からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タンスイッチ550からの検出信号がONであるときには、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タンスイッチ550からの検出信号がOFFであるときには、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
賞球装置740の供給通路741aに取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切れスイッチ750からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチ750からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切れスイッチ750からの検出信号がONであるときには、賞球装置740の供給通路741aに取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切れスイッチ750からの検出信号がOFFであるときには、賞球装置740の供給通路741aに取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンド(図129に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板4110のエラーLED表示器860cに表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、賞球装置740の供給通路741aに取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて図131に示した状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板4100に送信したりする。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、賞球装置740の供給通路741aに取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板4100に送信したりする。
ステップS566に続いて、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)4120cに外部WDTクリア信号の出力を停止する(OFFする、ステップS568)。これにより、外部WDT4120cをクリアし、払出制御MPU4120a及び払出制御I/Oポート4120bにリセットがかからないようにする。また外部WDT4120cは、外部WDTクリア信号の出力が停止されると、クリア信号解除時間の計時を開始する。
ステップS568に続いて、再びステップS540に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS542で1.75ms経過フラグHT−FLGの値が値1であるか否かを判定し、この1.75ms経過フラグHT−FLGの値が値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、ステップS544で1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546で外部WDT4120cに外部WDTクリア信号を出力(ON)し、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568で外部WDT4120cに外部WDTクリア信号の出力を停止(OFF)し、ステップS540〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS540〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板4100による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU4120aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU4120aは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板4100に出力している。これにより、払出制御MPU4120aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540で停電予告信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。ステップS570に続いて、停電クリア信号を、払出制御I/Oポート4120bを介して、停電監視回路4110bのDタイプフリップフロップPIC22のクリア端子であるCLR端子に出力する(ステップS572)。これにより、停電クリア信号が出力されることによりDタイプフリップフロップPIC22はラッチ状態を解除することができる。ステップS572に続いて、払出モータ744への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。ステップS574に続いて、外部WDT4120cに外部WDTクリア信号を出力してその出力を停止する(ON/OFFする、ステップS576)。これにより、外部WDT4120cをクリアする。ステップS576に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。ステップS578に続いて、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。ステップS580に続いて、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。ステップS582に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、外部WDT4120cにクリア信号をON/OFFしない。このため、外部WDT4120cは、払出制御MPU4120a及び払出制御I/Oポート4120bにリセット信号を出力してリセットをかける。その後払出制御MPU4120aは、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[16−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図136〜図138に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、1.75ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図139に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、1.75ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この1.75経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり1.75msごとに1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS592に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。ステップS594に続いて、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[16−3.球抜きスイッチ操作判定処理]
次に、球抜きスイッチ操作判定処理について説明する。この球抜きスイッチ操作判定処理では、図99に示した球抜きスイッチ860bが操作されているか否かを判定する。
球抜きスイッチ操作判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図140に示すように、球抜きスイッチ860bが操作されているか否かを判定する(ステップS600)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で球抜きスイッチ860bからの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS600では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して球抜きスイッチ860bからの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に球抜きスイッチ860bからの検出信号があるときには、球抜きスイッチ860bが操作されていると判定する。一方、入力情報に球抜きスイッチ860bからの検出信号がないときには、球抜きスイッチ860bが操作されていないと判定する。
ステップS600で球抜きスイッチ860bが操作されているときには、球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットする(ステップS602)。この球抜きフラグRMV−FLGは、図70に示した、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS602に続いて、上述した球抜き判定時間を有効に設定し(ステップS604)、このルーチンを終了する。この球抜き判定時間が有効になることによって、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で球抜き判定時間の減算が行われる。
一方、ステップS600で球抜きスイッチ860bが操作されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS602でセットされた球抜きフラグRMV−FLGは、払出制御MPU4120aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
[16−4.回転角スイッチ履歴作成処理]
次に、回転角スイッチ履歴作成処理について説明する。この回転角スイッチ履歴作成処理では、図99に示した回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を作成する。
回転角スイッチ履歴作成処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図141に示すように、払出制御内蔵RAMから回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS610)。この回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTとして払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域に記憶されている。ステップS610では、この回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出している。
ステップS610に続いて、回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS612)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS612では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に回転角スイッチ752からの検出信号があるときには、図71に示した、払出回転体748の回転位置を把握する検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であると判定する。一方、入力情報に回転角スイッチ752からの検出信号がないときには、検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態と判定する。
ステップS612で検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であるときには、回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS614)。この回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理では、ステップS610で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS614に続いて、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS616)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS612で検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるときには、回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS618)。この回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理では、ステップS614の回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、ステップS610で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS618に続いて、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS620)、このルーチンを終了する。
このように、この回転角スイッチ履歴作成処理が行われるごとに、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態又は検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態に応じて最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を作成することができる。
[16−5.スプロケット定位置判定スキップ処理]
次に、スプロケット定位置判定スキップ処理について説明する。このスプロケット定位置判定スキップ処理は、図71に示した払出回転体748が定位置にあるか否かの判定を、所定の条件が成立しているときにスキップする。なお、払出回転体748の定位置判定は、賞球装置740による遊技球の払い出しが終了した際に行われるようにもなっている。これにより、球がみが発生していない状態で払出モータ744の回転軸744aの回転を確実に開始することができる。
スプロケット定位置判定スキップ処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図142に示すように、定位置判定スキップフラグSKP−FLGの値が値0であるか否かを判定する(ステップS630)。この定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出回転体748の定位置判定を行うか否かを示すフラグであり、払出回転体748の定位置判定を行わないとき(スキップするとき)値1、払出回転体748の定位置判定を行うとき(スキップしないとき)値0にそれぞれ設定される。
ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGの値が値0であるとき(スキップしないとき)、つまり払出回転体748の定位置判定を行うときには、払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出し(ステップS632)、定位置判定値と一致しているか否かを判定する(ステップS634)。この定位置判定値は、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS634の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ここで、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0が値1となる場合は、4回のタイマ割り込み周期で続けて、上述した、検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であることを意味している。この4回のタイマ割り込み周期の発生では、図99に示した払出モータ744が4ステップ回転している。払出モータ744の回転は、図71に示した、第1ギア745、第2ギア746、第3ギア747を介して回転検出盤749の払出回転体748の回転となる。これらの第1ギア745、第2ギア746、第3ギア747には遊び(バックラッシュ)があるため、払出回転体748が時計方向又は反時計方向に回転することとなるものの、このバックラッシュによる払出回転体748の回転は、払出モータ744の約2ステップの回転に相当する程度となるように設計されているため、本実施形態では、払出回転体748の定位置判定を行う場合には、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴、図141で示した回転角スイッチ履歴作成処理で回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを作成し、作成した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0、つまり最新の4回のタイマ割り込み周期の発生による回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて行っている。これにより、4回のタイマ割り込み周期では、払出モータ744が4ステップ回転しているため、バックラッシュによる払出回転体748の回転より多く回転しており、バックラッシュによる払出回転体748の回転を吸収することができる。したがって、バックラッシュによる払出回転体748の定位置の誤検出を防ぐことができるため、払出回転体748の回転位置を払出モータ744の回転位置で正しく管理することができる。なお、本実施形態では、4回のタイマ割り込み周期は7ms(=1.75ms×4回)であり、バックラッシュ吸収時間として設定されている。
ステップS634で、ステップS632で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに値1をセットする(ステップS636)。これにより、払出回転体748の定位置判定を行わない(スキップする)ように設定することができる。なお、払出制御MPU4120aは、ステップS636における払出回転体748の回転位置を払出回転体748の定位置に設定する。
ステップS636に続いて、スキップ判定時間を有効に設定し(ステップS638)、このルーチンを終了する。ここで、図72に示したように、検出スリット749aは、払出回転体748の凹部748aと同じ数の3個であり、回転検出盤749の外周に等分(120度ごと)に形成されている。また、払出モータ744の回転は、上述したように、第1ギア745、第2ギア746、第3ギア747を介して回転検出盤749の払出回転体748の回転となる。本実施形態では、回転検出盤749(払出回転体748)の各検出スリット749a間(120度)の回転は、払出モータ744の18ステップの回転に相当するように設計されている。
払出制御MPU4120aは、払出回転体748の回転位置を払出モータ744のステップ数に基づいて管理している。具体的には、(1)検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移し出す過渡状態(「エッジ検出状態」という。)と、(2)検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態(「定位置確定状態」という。)と、(3)検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態(「定位置判定スキップ状態」)と、の3つの状態で管理している。(1)のエッジ検出状態では払出モータ744の1ステップの回転に相当し、(2)の定位置確定状態では払出モータ744の4ステップの回転に相当し、(3)の定位置判定スキップ状態では払出モータ744の13ステップの回転に相当し、計18ステップの回転で回転検出盤749の各検出スリット749a間(120度)の回転位置、つまり払出回転体748の回転位置を管理している。
(3)の定位置判定スキップ状態では、検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるため、スキップ判定時間は、払出モータ744の13ステップ回転する時間が設定されている。上述したように、タイマ割り込み周期が1.75msに設定されているので、スキップ判定時間が22.75ms(=1.75ms×13ステップ)となる。
ステップS638でスキップ判定時間が有効になることによって、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理でスキップ判定時間の減算が行われる。なお、払出制御MPU4120aは、スキップ判定時間を減算し、その減算結果が値0になると、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに初期値0をセットする。
一方、ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGの値が値0でない(値1である)とき(スキップするとき)、つまり払出回転体748の定位置判定を行わないときには、又はステップS634で、ステップS632で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS636でセットされた定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出制御MPU4120aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
パチンコ島設備から供給された遊技球は、図70に示した、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留され、図71に示した賞球装置740の供給通路741aに取り込まれ、賞球装置740に導かれる。遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球装置740はノイズの影響を受けやすり環境下にある。図71に示した賞球装置740の回転角スイッチ基板753には、回転角スイッチ752が設けられており、この回転角スイッチ752からの検出信号は遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、払出制御基板4110と、図71に示した賞球装置740内の賞球ケース内基板754と、の基板間を接続する配線(ハーネス)も遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
そこで、本実施形態では、ノイズの影響による誤検出を抑制するために、上述した(3)の定位置判定スキップ状態、つまり検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態では、払出回転体748の定位置判定を行わないようにしている。これにより、払出回転体748の定位置判定の精度を高めている。なお、払出回転体748の定位置を検出するために必要な周期や期間は、上述したように、予め計算によって求めることができるため、スキップ判定時間を簡単に設定及び調整するこができる。
[16−6.球がみ判定処理]
次に、球がみ判定処理について説明する。この球がみ判定処理は、図71に示した払出回転体748による球がみ状態が生じているか否かを判定する。
球がみ判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図143に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS640)。
ステップS640に続いて、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS642)。この判定は、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS642の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS642で、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、検出スリット749aが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態、つまり払出回転体748が回転している状態であり、球がみ状態が生じていないとして、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS642で、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、球がみ中フラグPBE−FLGに値1をセットする(ステップS644)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体748による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS644に続いて、球がみ判定時間を有効に設定し(ステップS646)、このルーチンを終了する。この球がみ判定時間が有効になることによって、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で球がみ判定時間の減算が行われる。
[16−7.各種賞球ストック数加算処理]
次に、各種賞球ストック数加算処理について説明する。この各種賞球ストック数加算処理には、賞球用賞球ストック数加算処理と貸球用賞球ストック数加算処理とがあり、賞球用賞球ストック数加算処理は主制御基板4100からの後述する賞球コマンドに基づいて払い出す球数を加算する処理であり、貸球用賞球ストック数加算処理はCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて払い出す球数を加算する処理である。まず、賞球用賞球ストック数加算処理について説明し、続いて貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。なお、本実施形態では、賞球用賞球ストック数加算処理が優先的に行われるように設定されており、この賞球用賞球ストック数加算処理で加算された賞球ストック数に応じた遊技球が図71に示した賞球装置740で払い出されたあと、貸球用賞球ストック数加算処理を行うように設定されている。
[16−7−1.賞球用賞球ストック数加算処理]
賞球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図144に示すように、賞球コマンドがあるか否かを判定する(ステップS650)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS560のコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、その解析したコマンドは受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶されている。ステップS650では、この受信コマンド情報記憶領域から受信コマンド情報を読み出して賞球コマンドであるか否かの判定を行う。
ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドでないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドであるときには、この賞球コマンドに対応する賞球数PBVを、賞球数情報テーブルから読み出す(ステップS652)。この賞球数情報テーブルは、その詳細な説明は後述するが、賞球コマンドと賞球数PBVとを対応付けて払出内蔵ROMに予め記憶されている情報テーブルである。
ステップS652に続いて、払出制御内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出す(ステップS654)。この賞球ストック数PBSは、賞球装置740で遊技球を未だ払い出していない数、つまり未払い出しの球数を表しており、本実施形態では、2バイト(16ビット)の記憶容量を有している。これにより、賞球ストック数PBSは、0〜値32767個までの未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。なお、賞球ストック数PBSは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS652では、この賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出している。
ステップS654で読み出した賞球ストック数PBSにステップS652で読み出した賞球数PBVを加算し(ステップS656)、このルーチンを終了する。なお、ステップS656で加算したあと、ステップS650で読み出した賞球コマンドを受信コマンド情報記憶領域から消去する。
[16−7−2.貸球用賞球ストック数加算処理]
次に、貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。この貸球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図145に示すように、貸球要求信号があるか否かを判定する(ステップS660)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理でCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて行う。具体的には、その貸球要求信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS660では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して貸球要求信号があるか否かの判定を行う。
ステップS660で貸球要求信号がないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS660で貸球要求信号があるときには、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS662)、この賞球ストック数PBSに貸球数RBVを加算し(ステップS664)、このルーチンを終了する。貸球数RBVは固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、貸球数RBVとして値25が設定されている。なお、ステップS664で加算したあと、ステップS660で読み出した貸球要求信号を入力情報記憶領域から消去する。また、本実施形態では、賞球を優先している(賞球と貸球とを区別して管理している)ため、貸球要求信号があるときであっても、貸球要求信号を保持し、賞球の払い出しの完了をもって貸球の払い出しを行う。したがって、本実施形態では、賞球ストック数PBSが値0になってから貸球の払い出しを行うようになっている。
[16−8.ストック監視処理]
次に、ストック監視処理について説明する。このストック監視処理は、遊技者が遊技中に、図49に示したファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンにした状態(ストックした状態)で遊技を続けていないか監視する処理である。
ストック監視処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図146に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS670)、読み出した賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるか否かを判定する(ステップS672)。注意的しきい値THは、固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、注意的しきい値THとして値50が設定されている。
ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるときには、注意フラグCA−FLGに値1をセットし(ステップS674)、このルーチンを終了する。この注意フラグCA−FLGは、遊技者がファールカバーユニット540の収容空間546に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が注意的しきい値TH以上に達している旨を示すフラグであり、注意的しきい値TH以上に達しているとき値1、注意的しきい値TH以上に達していないとき値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH未満であるときには、注意フラグCA−FLGに値0をセットし(ステップS676)、このルーチンを終了する。
遊技状態が大当りとなり、遊技者がリラックスして図101に示した液晶表示装置1900で繰り広げられる演出に見入ったりしていると、遊技者は、うっかりして1ラウンドの間、賞球として払い出された遊技球を、図19に示した、下皿302から下皿球抜きボタン354を操作して抜かないことがある。この状態で遊技を続けると、下皿302が遊技球で満タンとなり、そしてファールカバーユニット540の収容空間546に遊技球が溜まり出す。ファールカバーユニット540の収容空間546が遊技球で満タンになると、上述したように、賞球ストック数PBSの値が増加して注意的しきい値TH以上となり、注意演出として図54に示した扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが点滅する。この点滅によって、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えることができる。これにより、ホールの店員は遊技者に下皿302から遊技球を抜く旨を伝えることができ、遊技者は下皿302(ファールカバーユニット540の収容空間546)に遊技球を満タンにした状態で遊技を継続することを防止することができる。
なお、本実施形態では、注意的しきい値THは、1バイト(8ビット)で表せる上限値255の約5分の1に相当する値50に設定されている。これにより、ホールの店員に対してできるだけ早い段階で遊技者の遊技に注意を促す旨を伝えることができるようになっている。
[16−9.払出球抜き判定設定処理]
次に、払出球抜き判定設定処理について説明する。この払出球抜き判定設定処理は、図71に示した払出モータ744で遊技球を、図19に示した、上皿301や下皿302に払い出すか、図70に示した、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球をパチンコ遊技機1から排出するか、球がみ動作を行うか、又はこのような払い出しや排出等を行わないか、いずれかに設定する処理である。
払出球抜き判定設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図147に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS680)。
ステップS680に続いて、図71に示した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS682)。この判定は、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS682の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS682で、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値1であるか否かを判定する(ステップS684)。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、後述するリトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
ステップS682で、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、又は、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値1でない(値0である)とき、つまりリトライ動作が異常動作していないときには、球がみ中フラグPBE−FLGの値が値1であるか否かを判定する(ステップS686)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体748による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS686で球がみ中フラグPEB−FLGの値が値1でない(値0である)とき、つまり球がみ動作を行っていないときには、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS688)、読み出した賞球ストック数PBSが値0より大きいか否かを判定する(ステップS690)。この判定は、払出モータ744による遊技球の払い出しにおいて未払い出しの球数があるか否かを判定している。
ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きいとき、つまり未払い出しの球数があるときには、図49に示したファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する(ステップS692)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS556の満タン及び球切れチェック処理で記憶された満タン情報に基づいて行う。具体的には、満タン情報は上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されている。ステップS692では、この状態情報記憶領域から満タン情報を読み出してファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する。
ステップS692でファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンでないときには、後述する払出設定処理を行い(ステップS694)、このルーチンを終了する。この払出設定処理では、上皿301や下皿302に遊技球を払い出す払出動作を行う。
一方、ステップS692でファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるときには、そのままこのルーチンを終了する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンになると、払出モータ744を強制停止する。この払出モータ744が強制停止中に賞球が発生すると、払出モータ744による未払い出しの球数が増え、図144に示した賞球用賞球ストック数加算処理によって賞球ストック数PBSが加算されて増加することとなる。
一方、ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きくない(値0である)とき、つまり未払い出しの球数がないときには、球抜きフラグRMV−FLGの値が値1であるか否かを判定する(ステップS696)。この球抜きフラグRMV−FLGは、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS696の判定は、図140に示した球抜きスイッチ操作判定処理におけるステップS600の判定結果に基づいて行う。つまり、図99に示した球抜きスイッチ860bからの操作信号(検出信号)が入力されると、球抜きスイッチ操作判定処理におけるステップS602で球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットする。
ステップS696で球抜きフラグRMV−FLGの値が値1であるとき、つまり賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出するときには、後述する球抜き設定処理を行い(ステップS698)、このルーチンを終了する。この球抜き設定処理では、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出する球抜き動作を行う。
このように、電源投入後に球抜きスイッチ860bを操作すると、この払出球抜き判定設定処理のステップS698で球抜き設定処理を行うこととなり、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出することができるようになっている。この排出を終了すると、球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットする。
一方、ステップS696で球抜きフラグRMV−FLGの値が値1でない(値0である)とき、つまり賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出しないときには、そのままこのルーチンを終了する。これにより、遊技球の払い出しや排出を行わない。
一方、ステップS686で球がみ中フラグPBE−FLGの値が値1、つまり球がみ動作を行っているときには、後述する球がみ動作設定処理を行い(ステップS700)、このルーチンを終了する。この球がみ動作設定処理では、賞球装置740の払出回転体748による球がみ状態を解消する球がみ動作を行う。
一方、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、払出モータ744への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS702)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS702に続いて、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定し(ステップS704)、このルーチンを終了する。ステップS704では、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御MPU4120aは、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図138の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部4120の払出制御I/Oポート4120bから遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図138の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御I/Oポート4120bから遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
[16−9−1.払出設定処理]
次に、払出設定処理について説明する。この払出設定処理では、図71に示した払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す設定を行う処理である。
払出設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図148に示すように、払出制御内蔵RAMから駆動指令数DRVを読み出す(ステップS710)。この駆動指令数DRVは、払出モータ744で払い出す遊技球の球数を指令するものであり、賞球ストック数PBSと同値である。なお、駆動指令数DRVは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS710では、この賞球情報記憶領域から駆動指令数DRVを読み出している。
ステップS710に続いて、駆動指令数DRVが値0であるか否かを判定する(ステップS712)。この判定は、払出モータ744で払い出す遊技球の球数が残っているか否かを駆動指令数DRVに基づいて判定する。
ステップS712で駆動指令数DRVが値0であるとき、つまり払出モータ744で払い出す遊技球の球数がゼロ個であるときには、払出モータ744への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS714)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS714に続いて、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS716)、実球計数PBを読み出す(ステップS718)。この実球計数PBは、払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数をカウントしたものである。このカウントは、その詳細な説明は後述するが、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で図71に示した計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行う。なお、実球計数PBは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS718では、この賞球情報記憶領域から実球計数PBを読み出している。
ステップS718に続いて、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSからステップS718で読み出した実球計数PBを引いた値を、賞球ストック数PBS及び駆動指令数DRVにセットし(ステップS720)、実球計数PBに値0をセットし(ステップS722)、このルーチンを終了する。なお、駆動指令数DRV及び実球計数PBが値0であるときには、ステップS722では、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSの値がそのまま駆動指令数DRVにセットされる。
一方、ステップS712で駆動指令数DRVが値0でないとき、つまり払出モータ744で払い出す遊技球の球数があるときには、払出モータ744への駆動信号の出力を設定する。(ステップS724)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS724に続いて、駆動指令数DRVから値1だけ引き(デクリメントし、ステップS726)、計数スイッチ751からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS728)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS728では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ751からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS728で計数スイッチ751からの検出信号があるときには、実球計数PBに値1だけ足し(インクリメントし、ステップS730)、このルーチンを終了する。ステップS730で実球計数PBをインクリメントすることで実球計数PBをカウントアップすることとなる。
一方、ステップS728で計数スイッチ751からの検出信号がないときには、そのままこのルーチンを終了する。このように、払出制御MPU4120aは、ステップS726で駆動指令数DRVをデクリメントする場合であって、ステップS728の判定で計数スイッチ751からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしない場合には、図72に示した払出回転体748の凹部748aに遊技球が受け止められていなかったために遊技球を1球が払い出すことができなかったと判断する。そこで、払出制御MPU4120aは、その払い出されるはずの1球をもう一度払い出すために、上述したステップS720で、賞球ストック数PBSから実球計数PBを引いた値を駆動指令数DRVにセットする。これにより、ステップS728の判定で計数スイッチ751からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしないときには、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSに含めることができ、換言すれば、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSにまるめ込むことができるため、その払い出されるはずの1球を再び払い出すリトライ動作を行うことができる。このリトライ動作を行うことによって、遊技者への遊技球の未払い出しが生ずるおそれを極めて小さくすることができ、遊技球の未払い出しによる遊技者の不利益を防止することができる。
[16−9−2.球抜き設定処理]
次に、球抜き設定処理について説明する。この球抜き設定処理では、図71に示した払出モータ744を駆動して、図70に示した、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出する球抜き動作を行う処理である。
球抜き設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図149に示すように、球抜き判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS740)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で更新された球抜き判定時間に基づいて行う。具体的には、その球抜き判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS740では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球抜き判定時間が経過したか否かを判定する。なお、球抜き判定時間中には払出モータ744は、球抜き動作を行う。この球抜き動作は、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出する。
ステップS740で球抜き判定時間が経過していないときには、球抜き動作を行うよう払出モータ744への駆動信号の出力を設定し(ステップS742)、このルーチンを終了する。この設定では、払出モータ744に駆動信号を出力する駆動情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
一方、ステップS740で球抜き判定時間が経過したときには、球抜き動作を終了するよう払出モータ744への駆動信号の停止を設定する(ステップS744)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS744に続いて、球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットし(ステップS746)、このルーチンを終了する。この球抜きフラグRMV−FLGは、上述したように、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定される。
[16−9−3.球がみ動作設定処理]
次に、球がみ動作設定処理について説明する。この球がみ動作設定処理では、図71に示した賞球装置740の払出回転体748による球がみ状態を解消する設定を行う処理である。
球がみ動作設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図150に示すように、球がみ判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS750)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で減算された球がみ判定時間に基づいて行う。具体的には、その球がみ判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS750では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球がみ判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS750で球がみ判定時間が経過していないときには、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS752)。
ステップS752に続いて、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS754)。この判定は、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS754の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS754で、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、球がみ動作を行うよう払出モータ744への駆動信号の出力を設定し(ステップS756)、このルーチンを終了する。この設定では、払出モータ744に駆動信号を出力する駆動情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
一方、ステップS754で、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出モータ744への駆動信号の停止を設定する(ステップS758)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS758に続いて、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS760)、このルーチンを終了する。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体748による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき(球がみ動作の終了)値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS750で球がみ判定時間が経過したときには、払出モータ744への駆動信号の停止を設定する(ステップS762)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS762に続いて、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定する(ステップS764)。ここでは、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御MPU4120aは、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図138の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部4120の払出制御I/Oポート4120bから遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図138の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御I/Oポート4120bから遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、上述したように、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
ステップS764に続いて、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS766)、このルーチンを終了する。
[16−10.リトライ動作監視処理]
次に、リトライ動作監視処理について説明する。このリトライ動作監視処理では、払い出されるはずの遊技球を再び払い出すリトライ動作が正常に行われているか否かを監視する処理である。
リトライ動作監視処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図151に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS770)。
ステップS770に続いて、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS772)。この判定は、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出制御内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS772の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS772で、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、不整合カウンタINCCに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS774)。この不整合カウンタINCCは、図72に示した、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御MPU4120aは、図148に示した払出設置処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。なお、不整合カウンタINCCは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS774では、この賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCをインクリメントしている。
ステップS774に続いて、又はステップS772で、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、計数スイッチ751からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS776)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS780のポート入力処理で計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は、上述したように、入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS776では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ751からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS776で計数スイッチ751からの検出信号があるときには、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCから値1だけ引く(デクリメントし、ステップS778)。
ステップS778に続いて、又はステップS776で計数スイッチ751からの検出信号がないときには、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かの判定する(ステップS780)。本発明のパチンコ遊技機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られており、本実施形態では、不整合しきい値INCTHとして値5が設定されている。図138の払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、復電時に、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに基づいてこのリトライ動作監視処理に使用する情報が設定される。この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における不整合カウンタINCC等の値に復元することができるようになっている。これにより、ステップS780の判定では、瞬停又は停電する直前まで行っていた、賞球装置740による遊技球の払出動作(リトライ動作)の監視を、復電時から継続することができるようになっている。このため、例えば、瞬停又は停電する直前において、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、リトライ動作が正常動作していると判断し、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が正常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で賞球装置740による遊技球の払出動作が正常状態であると判断することができる。一方、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断し、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断することができる。
ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860cに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。
ステップS782に続いて、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットする(ステップS784)。ステップS784では、不整合カウンタINCCは、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。なお、不整合カウンタINCCは、図98に示した主制御基板4100に実装されたRAMクリアスイッチ4100eが操作されると、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。RAMクリアスイッチ4100eが操作されると、図98に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上述したように、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報をすべて消去し、RAMクリア報知コマンドを、図98に示した周辺制御基板4140に出力する。これにより、図21に示したサイドスピーカ130,130、図29に示した右上部スピーカ222、図32に示した左上部スピーカ262や図79に示した下部スピーカ821からRAMクリア報知音が流れるようになっている。
ステップS784に続いて、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし(ステップS786)、このルーチンを終了する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
なお、払出制御MPU4120aは、ステップS782で払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域にセット(記憶)したリトライエラー情報を、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理でリトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信し、同処理におけるステップS564のLED表示データ作成処理でエラーLED表示器860cに表示する表示データを作成してLED表示情報として出力情報記憶領域に記憶し、同処理におけるステップS548のポート出力処理で出力情報記憶領域に記憶されたLED表示情報に基づいてエラーLED表示器860cに駆動信号を出力し、このエラーLED表示器860cに数字「5」を表示する。状態コマンドを受信した主制御基板4100は、図135に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板4140に送信し、周辺制御基板4140は、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させる、点灯信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドを図101に示した枠装飾駆動アンプ基板194に出力し、複数のLEDを所定の色で発光させる。この複数のLEDの発光に気付いたホールの店員等は、上述したように、本体枠3を外枠2に対して開放することで払出制御基板4110に実装されたエラーLED表示器860cに数字「5」が表示されることを目視することによって「リトライエラー」が発生していることを確認することができる。これにより、ホールの店員等は、その発生原因を調べるために、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等の確認作業を、複数のLEDの発光とエラーLED表示器860cの表示内容とが報知されない場合と比べると、極めて早く行うことができる。
また、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とすることによって、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させて、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われたとしても、上述した不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ遊技機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHと一致しても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は不整合しきい値INCTHと同一となるため、つまり5球であるため、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とする行為によるホールの損害を極めて小さく抑えることができる。
更に、不整合カウンタINCCは、上述したように、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となったという内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。これにより、不整合カウンタINCCは、例えば、図99に示したエラー解除スイッチ860aを操作したという外的要因が発生したことを契機として初期化されないようになっている。したがって、エラー解除スイッチ860a等を不正に改造して、その操作信号が払出制御MPU4120aに入力されるようにしても、このような不正行為によって、不整合カウンタINCCが強制的に初期化されることがない。
[16−11.不整合カウンタリセット判定処理]
次に、不整合カウンタリセット処理について説明する。この不整合カウンタリセット処理では、図72に示した、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出する不整合カウンタINCCを、リセットするか否かを判定する処理である。
不整合カウンタリセット判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図152に示すように、不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS790)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で更新された不整合カウンタリセット判定時間に基づいて行う。具体的には、その不整合カウンタリセット判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS790では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過していないときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過したときには、不整合カウンタリセット判定時間の初期化を行う(ステップS792)。この初期化によって、不整合カウンタリセット判定時間に初期値である7000s(約2時間)がセットされる。
ステップS792に続いて、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットし(ステップS794)、このルーチンを終了する。不整合カウンタINCCは、上述したように、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御MPU4120aは、図148に示した払出設置処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。本発明のパチンコ遊技機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られている。ここで、パチンコ遊技機1は、上述したように、遊技盤4と、遊技盤4が装着される本体枠3等の枠体と、からなり、遊技盤4を交換(新台入替)することにより遊技仕様を変更できるように構成されているため、図71に示した賞球装置740を制御する払出制御基板4110、賞球装置740の駆動電源や払出制御基板4110の制御電源を生成する図79に示した電源基板851は、共通の機能として枠体側に装備されている。払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、上述したように、不整合カウンタINCCを監視することによって、リトライ動作を繰り返し行っているか否かの異常動作を判定することができるようになっており、図138に示した払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理では電源遮断時に遮断直前の不整合カウンタINCCを記憶する一方、図137に示した払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の処理(RAM作業領域の復電時設定)では電源投入時にその記憶した不整合カウンタINCCから再び処理を開始するようになっている。そうすると、電源を遮断してパチンコ遊技機1に装着されている遊技盤4から、この遊技盤4と異なる他の遊技仕様の遊技盤4’に交換して電源を投入する場合には、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、遊技盤4がパチンコ遊技機1に装着されたときに記憶された不整合カウンタINCCから再び処理を開始することとなる。つまり、遊技盤4’が装着されたパチンコ遊技機1を遊技者が遊技すると、交換前の遊技盤4が装着されたパチンコ遊技機1における不整合カウンタINCCをそのまま受け継ぐこととなる。このため、遊技盤4’が装着されたパチンコ遊技機1を遊技者が遊技して、たまたま数百万分の1という確率で、つじつまの合わない遊技球の球数が生じて不整合カウンタINCCが増加し、この不整合カウンタINCCが上述した不整合しき値INCTH以上となると、遊技盤4から遊技盤4’に交換して短い期間で、払出制御MPU4120aによって、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。つまり、遊技盤4から遊技盤4’に交換されてから間もない期間で、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、突然、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。このように、遊技盤4から遊技盤4’に交換して短い期間でリトライ動作の異常動作として判定されると、交換された遊技盤4’は新しいにもかかわらず、故障しやすいという印象を遊技者に与えかねない。リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される数百万分の1という確率は、本発明のパチンコ遊技機1をホールに設置して、1週間、ホールの営業時間中、連続稼働させた場合における、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率と同一であるため、図151に示したリトライ動作監視処理におけるステップS778の処理で不整合カウンタINCCから数百万分の1の確率で値1だけ引かれない状態となる。そうすると、1週間では不整合カウンタINCCに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値1となり、2週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値2となり、3週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値3となり、4週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値4となり、5週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値5となって上述した不整合しきい値INCTHと一致することとなる。つまり5週間が経過すると、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHと一致するために、払出制御MPU4120aは、図151に示したリトライ動作監視処理におけるステップS776の判定で、計数スイッチ751からの検出信号がないものとして判定することとなり、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていると判断して、図151に示したリトライ動作監視処理におけるステップS782の処理で、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860cに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することとなる。
そこで、払出制御MPU4120aは、この不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS790の判定で不整合カウンタリセット判定時間が経過したと判定したときには、つまり7000s(約2時間)ごとに、繰り返し、不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS794の処理で不整合カウンタINCCに値0を強制的にセット、つまり強制的にリセットすることによって、上述した数百万分の1という確率で発生する不整合カウンタINCCのインクリメントを無効化している。これにより、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することを防止することができる。
なお、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とすることによって、払出回転体748の凹部748aに受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させ、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われても、計数スイッチ751を意図的に短時間繰り返し非作動状態とする場合では、上述したように、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ遊技機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。一方、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上とならないよう計数スイッチ751を意図的に長時間繰り返し非作動状態する場合では、7000s(約2時間)ごとに、不整合カウンタINCCがリセットされるものの、この間に、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は、上述したように、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHまでであり、計数スイッチ751を意図的に長時間繰り返し非作動状態としても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数を極めて少なくすることができる。
[16−12.エラー解除スイッチ操作判定処理]
次に、エラー解除スイッチ操作判定処理について説明する。このエラー解除スイッチ操作判定処理では、図99に示したエラー解除スイッチ860aが操作されているか否かを判定する。
エラー解除スイッチ操作判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図153に示すように、エラー解除スイッチ860aが操作されているか否かを判定する(ステップS800)。この判定は、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理でエラー解除スイッチ860aからの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS800では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出してエラー解除スイッチ860aからの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報にエラー解除スイッチ860aからの検出信号があるときには、エラー解除スイッチ860aが操作されていると判定する。一方、入力情報にエラー解除スイッチ860aからの検出信号がないときには、エラー解除スイッチ860aが操作されていないと判定する。
ステップS800でエラー解除スイッチ860aが操作されていないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS800でエラー解除スイッチ860aが操作されているときには、エラーフラグ状態確認処理を行う(ステップS802)。このエラーフラグ状態判定処理では、図71に示した賞球装置740に関する各種エラー情報に対応するエラーフラグの状態を確認する。例えば、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGの状態を確認する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、上述したように、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定されるため、払出制御MPU4120aは、リトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値0であるか、又は値1であるか、を確認している。
ステップS802に続いて、状態情報設定処理を行う(ステップS804)。この状態情報設定処理では、ステップS802で確認したエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応する状態情報を、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する。これにより、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、状態情報記憶領域から各種情報(状態情報)を読み出し、この読み出した状態情報に基づいて状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信することとなる。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を、払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)すると、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、リトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信することとなる。
なお、リトライエラー情報を受信した主制御基板4100は、図135に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板4140に送信し、周辺制御基板4140は、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライ動作エラー報知処理を行う。このリトライ動作エラー報知処理では、「賞球ユニットを確認してください。」、そして「払出制御基板のハーネスを確認してください。」のリトライ動作のエラー報知アナウンスを、所定回数(本実施形態では、2回。)繰り返し図21に示したサイドスピーカ130,130、図29に示した右上部スピーカ222、図32に示した左上部スピーカ262や図79に示した下部スピーカ821から流れることによって、ホールの店員等に報知するようになっている。このリトライ動作のエラー報知アナウンスを聞いたホールの店員等は、図71に示した計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等を、サイドスピーカ130,130、右上部スピーカ222、左上部スピーカ262、及び下部スピーカ821からリトライ動作のエラー報知アナウンスが流れない場合と比べると、極めて早く確認することができる。またリトライ動作エラー報知処理では、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させている。
ステップS804に続いて、解除設定処理を行う(ステップS806)。この解除設定処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応するエラーが既に払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860cによって表示されている内容を強制的に停止したり、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、上述したPRDY信号の論理をHI、つまり立ち上げた状態を保持し、図99に示した、払出制御部4120の払出制御I/Oポート4120bから遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力したりする。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、既にエラーLED表示器860cによって表示されている「リトライエラー」である旨を報知する数字「5」を強制的に停止するために、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されているリトライエラー情報を、「正常」である旨を報知する図形「−」が表示される情報に強制的に上書きする。また、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、払出制御I/Oポート4120bから遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
ステップS806に続いて、エラーフラグ初期化処理を行い(ステップS808)、このルーチンを終了する。このエラーフラグ初期化処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグを初期化する。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値0をセットして初期化する。このとき、上述した、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、このPRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図138の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御I/Oポート4120bから遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。このように、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、図151に示したリトライ動作監視処理におけるステップS780の判定で、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として同処理のステップS786の処理でリトライエラーフラグRTERR−FLGに値1がセットされる一方、エラー解除スイッチ860aが操作されると、これを契機として、つまりこの外的要因が発生したことを契機としてリトライエラーフラグRTERR−FLGに値0がセットされて初期化されるようになっている。なお、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、図98に示した、主制御基板4100に実装されたRAMクリアスイッチ4100eが操作されると、これを契機として、つまりエラー解除スイッチ860aが操作された場合と同様に、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。
[16−13.CRユニットとの各種信号のやり取り]
次に、図138の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理についてタイミングチャートを用いて説明する。このCR通信処理では、図99に示した、払出制御基板4110とCRユニット6との各種信号のやり取りを行う。まず、球貸しによる払出動作時の信号処理について説明し、続けてCRユニット6からの入力信号確認処理について説明する。ここでは、金額として200円分の遊技球の球数(本実施形態では、50球であり、金額として100円分の25球の払出動作を2回行っている。)を貸球数として、図19に示した、上皿301や下皿302に払い出す場合について説明する。なお、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号は、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの読み出した入力情報に記憶されているものであり、CR通信処理は、割り込みタイマ周期である1.75msごとに、入力情報からBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号の論理の状態を確認している。
[16−13−1.球貸しによる払出動作時の信号処理]
払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、貸球を払い出すための払出動作が可能状である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、図154(d)に示すように、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理をHIとして、つまり立ち上げて保持して払出制御部4120の払出制御I/Oポート4120bから出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH0)。この状態で、例えば遊技者によって図17に示した貸球ユニット360の貸球ボタン361が押圧操作されると、球貸スイッチ365bのスイッチが入る(ONする)ようになっており、この球貸操作信号が図100に示したTDSとして度数表示板365から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力される。このTDSが入力されたCRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図154(a)に示すように、貸球要求信号であるBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH1)。このBRDYは、BRDY信号として払出制御I/Oポート4120bに入力される。
このBRDY信号が入力された払出制御MPU4120aは、図154(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HA(本実施形態では、20ミリ秒(ms)〜58msに設定されている。)が経過するまでに、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQが立ち上がるか否かを監視する。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、まず100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図154(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH2)。このBRQは、BRQ信号として払出制御I/Oポート4120bに入力される。
払出制御MPU4120aは、図154(c)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでにBRQ信号が立ち上がると、タイミングH2からBRQ要望了解ACK監視時間HB(本実施形態では、20ms±1msに設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を開始した旨を伝えるために、EXS信号の論理をHIとして、つまり立ち上げた状態を保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH3)。
このEXSが入力されたCRユニット6は、図154(b)に示すように、タイミングH3から貸出指示監視時間HC(本実施形態では、20ms〜58msに設定されている。)が経過するまでに、タイミングH2から立ち上げて保持したBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH4)。
払出制御MPU4120aは、図154(c)に示すように、タイミングH4から払出監視時間HD(本実施形態では、球払出時間に設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を行って所定の貸球数だけ、つまり100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出す。そして払出監視時間HDが経過すると、タイミングH3から立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH5)。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図154(b)に示すように、タイミングH5から次要求確認タイミングHE(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH6)。
払出制御MPU4120aは、上述した方法を用いて同様に、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すと、図154(c)に示すように、立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH7)。
CRユニット6は、タイミングH7からCRユニット貸出完了監視時間HF(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、図154(a)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH8)。
上述した、貸出要望監視時間HA、BRQ要望了解ACK監視時間HB、貸出指示監視時間HC、払出監視時間HD、次要求確認タイミングHE、CRユニット貸出完了監視時間HFは、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
なお、払出制御MPU4120aは、球切れ、球がみ、計数スイッチエラー、リトライエラー、満タン等が生じているとき場合には、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)には、図154(d)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH9)。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)には、図示しないが、EXS信号の論理の状態を維持し、払出制御I/Oポート4120bから出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する。「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
このように、CRユニット6は、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aと各種信号のやり取りを行い、払出制御MPU4120aが金額として200円分の遊技球の球数を、金額として100円分の25球の払出動作を2回行うことによって、貸球数が50球となる遊技球を上皿301や下皿302に払い出している。なお、CRユニット6の正面側に設けられている、図示しない設定部をホールの店員等が操作して、例えば、金額として100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を1回行い、金額として500円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を5回行い、金額として1000円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を10回行うこととなる。
[16−13−2.CRユニットからの入力信号確認処理]
払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、上述した貸出要望監視時間HAが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述した貸出指示監視時間HCが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げていない場合や、上述した次要求確認タイミングHEが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述したCRユニット貸出完了監視時間HFが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げていない場合には、上述した、PRDY及びEXSを用いて、BRQ及びBRDYが正常であるか否かの確認を行う。具体的には、払出制御MPU4120aは、図154(e),(f)に示すように、BRQ及びBRDYが正常でないと判断すると(タイミングJ0)、このタイミングJ0から所定期間JA(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、PRDY信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御部4120の払出制御I/Oポート4120bから出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、EXS信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ1)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ1から所定期間JB(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ1から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ2)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ2から所定期間JC(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ2から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ3)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ3から所定期間JD(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ3から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ4)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ4から所定期間JE(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ4から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ5)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ5から所定期間JF(本実施形態では、10000ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ5から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御I/Oポート4120bから出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ6)。
上述した、所定期間JA〜所定期間JFは、図138に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
[17.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図98に示した、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板4140の各種処理について、図155〜図160、及び図164〜図167を参照して説明する。図155は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図156は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図157は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図158は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図159は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図160は回転検出スイッチ履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図164はLOCKN信号履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図165は接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートであり、図166は接続回復処理の一例を示すフローチャートであり、図167はサブ液晶用トランスミッタICのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングを説明するタイミングチャートである。
周辺制御基板4140は、図101に示したように、周辺制御部4150と液晶及び音制御部4160とから構成されており、ここでは、周辺制御部4150の各種制御処理について説明する。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理、回転検出スイッチ履歴作成処理、LOCKN信号履歴作成処理、接続不具合判定処理、接続回復処理について説明する。回転検出スイッチ履歴作成処理は、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1108の操作ユニット情報取得処理の一処理として実行され、LOCKN信号履歴作成処理は、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行され、接続不具合判定処理及び接続回復処理は、後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行され、接続不具合判定処理に続いて接続回復処理が実行されるようになっている。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
[17−1.周辺制御部の各種制御処理]
[17−1−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図155を参照して説明する。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、図101に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図155に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御MPU4150aは、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理は、周辺制御MPU4150a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。周辺制御MPU4150aは、まず自身を初期化する処理を行うが、この周辺制御MPU4150aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU4150aを初期化することができる。これにより、周辺制御MPU4150aは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板4100から出力される、図130及び図131に示した、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ遊技機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図102に示した周辺制御RAM4150cついては、そのバックアップ第1エリア4150cbにおける、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、そのバックアップ第2エリア4150ccにおける、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、この比較した内容が一致しているときには図102に示した周辺制御RAM4150cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)に対してBank1(1fr)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1fr)と、Bank0(1ms)に対してBank1(1ms)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1ms)と、をそれぞれコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御RAM4150cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)に対してそれぞれ値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。
またホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図102に示した周辺制御SRAM4150dについても、そのバックアップ第1エリア4150dbにおける、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較するとともに、そのバックアップ第2エリア4150dcにおける、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較する。この比較した内容が一致しているときには図102に示した周辺制御SRAM4150dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対してBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(SRAM)をコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御SRAM4150dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対して値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。このようなホットスタート又はコールドスタートに続いて、図102に示した周辺制御RAM4150cのバックアップ非管理対象ワークエリア4150cfに対して値0を強制的に書き込んでゼロクリアする。そして周辺制御MPU4150aは、この初期化設定処理を行った後に、図102に示した周辺制御内蔵WDT4150afと、図101に示した周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1000に続いて、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図101に示したRTC制御部4165のRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aaから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、図102に示した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadに、現在のカレンダー情報としてカレンダー情報記憶部にセットするとともに、現在の時刻情報として時刻情報記憶部にセットする。また、現在時刻情報取得処理では、液晶表示装置の輝度設定処理も行う。この液晶表示装置の輝度設定処理では、周辺制御MPU4150aがRTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得して、この取得した輝度設定情報に含まれるLEDの輝度となるように、液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯する処理を行う。輝度設定情報は、上述したように、液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている液晶表示装置1900のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものである。液晶表示装置の輝度設定処理では、具体的には、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯し、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が80%で液晶表示装置1900のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて液晶表示装置1900のバックライトの輝度を調節して点灯する。なお、この液晶表示装置の輝度設定処理では、上述した、液晶表示装置1900の使用時間に応じて液晶表示装置1900の輝度を補正するための輝度補正プログラムと同様な補正が全く行われないようになっている。これは、この液晶表示装置の輝度設定処理に輝度補正プログラムと同様な補正プログラムが組み込まれることにより、液晶表示装置の輝度設定処理が実行されるごとに、LEDの輝度が100%に向かって補正されるのを防止するためである。本実施形態では、周辺制御MPU4150aがRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPU4150aは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1006)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006に続いて、Vブランク信号検出フラグVB−FLGの値が値1であるか否かを判定する(ステップS1008)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGの値が値1でない(値0である)ときには、再びステップS1008に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGの値が値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGの値が値1であるか否かを判定した後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGの値が値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行するときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1009)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1009に続いて、1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、ランプデータ出力処理を行う(ステップS1012)。このランプデータ出力処理では、図101に示したランプ駆動基板4170へのDMAシリアル連続送信を行う。ここでは、図102に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図102に示した周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに、図96に示した遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLED及び/又は図96に示したサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。図102に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの先頭アドレスに格納された遊技盤側発光データSL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。周辺制御DMAコントローラ4150acは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに格納された残りの遊技盤側発光データSL−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またランプデータ出力処理では、図101に示した枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用して枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図102に示した周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに、図54に示した扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの先頭アドレスに格納された扉側発光データSTL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。周辺制御DMAコントローラ4150acは、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに格納された残りの扉側発光データSTL−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1012に続いて操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における操作ユニット情報取得処理において、図43に示した操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる図102に示した周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに基づいて、ダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作有無を監視し、ダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
ステップS1014に続いて、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理で音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP4160aが図103に示したチャンネルCH1から液晶表示装置1900、及び/又は図103に示したチャンネルCH2から液晶出力基板3420に出力する。これにより、液晶表示装置1900及び/又はサブ液晶表示装置3450にさまざまな画面が描画される。なお、表示データ出力処理では、音源内蔵VDP4160aの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶表示装置1900及び/又はサブ液晶表示装置3450に出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、ステップS1012のランプデータ出力処理による、図96に示した遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLED、及び図54に示した扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDによる演出と、後述する音データ出力処理による、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出と、の同期を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、後述する音データ作成処理で音源内蔵VDP4160aに設定された音楽及び効果音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力したり、音楽及び効果音のほかに報知音や告知音の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力したりする。このオーディオデータ送信IC4160cは、音源内蔵VDP4160aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されたりするほかに報知音や告知音もステレオ再生されたりする。
ステップS1018に続いて、スケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、図102に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光態様データのうち、先頭の発光態様データから何番目の発光態様データを各種LEDの発光態様とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において強制的に本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、主制御基板4100から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信してその受信した各種コマンドの解析を行う。主制御基板4100からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて図102に示した周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、受信コマンド記憶領域4150cacに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、図130に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図131に示した、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ステップS1022に続いて、警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、図131に示した報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。また、警告処理では、図103に示した液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、図121に示したサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているときには、その不具合を解消して接続を回復するための後述する接続回復処理を行うようにもなっている。また、警告処理では、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間において、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、サブ液晶表示装置3450の動作確認要求として、周辺制御MPU4150aに内蔵する液晶出力基板用シリアルI/OポートからLOCKN信号出力要求データを送信し、サブ液晶用レシーバICSDIC0がLOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU4150aに出力し、このLOCKN信号が入力されているときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとしてサブ液晶表示装置3450に不具合が発生していないと判断する一方、LOCKN信号が入力されていないときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとしてサブ液晶表示装置3450に不具合が発生していると判断し、その旨を、後述する接続回復処理における通信エラー表示処理(例えば、報知画像(例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)が液晶表示装置1900の表示領域に表示されるように制御するとともに、報知音(例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しています。」)が扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から繰り返し流れるように制御する。このとき、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LED(各種装飾基板と配線を介して電気的に接続される各種LED)をすべて点灯するように制御してもよい。)において報知するようにもなっている。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
ステップS1024に続いて、RCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して図102に示した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにセットした、カレンダー情報記憶部に記憶されたカレンダー情報と時刻情報記憶部に記憶された時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、時刻情報記憶部に記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいてカレンダー情報記憶部に記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、ランプデータ作成処理を行う(ステップS1028)。このランプデータ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光態様データのうち、そのポインタが指示する発光態様データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから発光態様データが入力されると、この入力された発光態様データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bから発光データを抽出して1画面分(1フレーム分)の描画データとして、図104(c)に示した内蔵VRAMの画面外領域VRGN1に生成されることにより、各種LEDの系統の階調度としてそれぞれ生成される。そして、周辺制御MPU4150aは、音源内蔵VDP4160aにより内蔵VRAMの画面外領域VRGN1において生成された各種LEDの系統の階調度のうち、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aに対するものについては、図102に示したランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED及び/又はサブ液晶ユニット3400の複数の装飾LED3400aに対する点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATとしてセットするとともに、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等に対するものについては、図102に示した枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATとしてセットする。
ステップS1028に続いて、表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して液晶表示装置1900及び/又はサブ液晶表示装置3450に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM(例えば、液晶表示装置1900の表示領域に各種画像を描画するためのメイン液晶用キャラクタデータは、図104(c)に示した音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAMの画面領域VRGN0、サブ液晶表示装置3450の表示領域に各種画像を描画するためのサブ液晶用キャラクタデータは、音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAMの画面領域VRGN2)に生成する。
また、この表示データ作成処理では、ステップS1024の警告処理の一処理として実行される後述する接続不具合判定処理において、図121に示したサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴に基づいて、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを判定し、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生していると判定したときには、液晶表示装置1900の表示領域に表示される画面(画像)と、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示される画面(画像)と、をそれぞれ生成するように音源内蔵VDP4160aを制御する場合に、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべき画面(画像)を、液晶表示装置1900の表示領域に表示される画面(画像)に合成する合成画面(合成画像)を生成するように音源内蔵VDP4160aを制御する。具体的には、周辺制御MPU4150aは、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している場合には、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべき画面(画像)を、液晶表示装置1900の表示領域に表示される画面(画像)に合成する合成画面(合成画像)を生成するように、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタを更新して、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。
音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出して、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべき1画面分(1フレーム分)のスプライトデータを作成するとともに、液晶表示装置1900の表示領域に表示される1画面分(1フレーム分)のスプライトデータを作成し、これらのスプライトデータに基づいて、合成画面(合成画像)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。この生成された合成画面(合成画像)の描画データは、上述したステップS1016の表示データ出力処理において、音源内蔵VDP4160aが図103に示したチャンネルCH1から液晶表示装置1900に出力する。これにより、液晶表示装置1900の表示領域に合成画面(合成画像)が描画される。
なお、本実施形態では、合成画面(合成画像)の描画データを生成する際に、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべきスプライトが液晶表示装置1900の表示領域に表示されるスプライトと比べて優先順位の高くなるように設定されている。これにより、合成画面(合成画像)の描画データを生成する際に、仮にスプライトオーバーが発生したとしても、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべきスプライトによって隠れて視認することができない液晶表示装置1900の表示領域に表示されるスプライトがスプライトオーバーとなるなるだけであり、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべきスプライトが必ず視認することができる描画データに内蔵VRAM上に生成されるようになっている。
ステップS1030に続いて、音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから音指令データが入力されると、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、図102に示した周辺制御A/Dコンバータ4150akを起動し、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理しており、基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aを制御して、上述したステップS1018の音データ出力処理で音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力することにより、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から音楽や効果音が流れるようになっている。また、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aを制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて液晶表示装置1900及び/又はサブ液晶表示装置3450で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、バックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbと、バックアップ第2エリア4150ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbと、バックアップ第2エリア4150dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM4150cについて、図102に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1fr)に含まれる、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cab、受信コマンド記憶領域4150cac、RTC情報取得記憶領域4150cad、及びスケジュールデータ記憶領域4150caeに記憶されている内容である演出情報(1fr)を、演出バックアップ情報(1fr)として、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1fr)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図102に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
またバックアップ処理では、周辺制御SRAM4150dについて、図102に示した、バックアップ対象ワークエリア4150daにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出情報(SRAM)を、演出バックアップ情報(SRAM)として、バックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(SRAM)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図102に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbのBank2(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150dbのBank2(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150dcのBank4(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150dcのBank4(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1034に続いて、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1006に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1008の判定を繰り返し行う。つまりステップS1008では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGの値が値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1006に戻る。このように、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGの値が値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1009〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。この周辺制御部定常処理は、まずステップS1009で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1012、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGの値が値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[17−1−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、図101に示した、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図156に示すように、定常処理中フラグSP−FLGの値が値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図155の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1009〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であるときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGの値が値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGの値が値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図155の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図155の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1009で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図155の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGの値が値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図155の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図155の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[17−1−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図155の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、図101に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図157に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図155の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンターである。本実施形態では、液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板4140のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図155の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、図101に示した、枠装飾駆動アンプ基板194、左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190のモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
具体的には、モータ及びソレノイド駆動処理では、枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでは、図102に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用して枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図43に示した操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成するとともに、図102に示した周辺制御RAM4150cの枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafにセットする。そして周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動データSTM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。周辺制御DMAコントローラ4150acは、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafに格納された残りの扉側モータ駆動データSTM−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またモータ及びソレノイド駆動処理では、左側モータ駆動基板4180そして右側モータ駆動基板4190へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、図102に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用してモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図96に示した遊技盤4に設けられる各種可動体を可動させるためのモータやソレノイドへの駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成するとともに、図102に示した周辺制御RAM4150cのモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagにセットする。そして周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にモータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの先頭アドレスに格納された遊技盤側モータ駆動データSM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。周辺制御DMAコントローラ4150acは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagに格納された残りの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1104に続いて、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤4に設けた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの可動体情報取得記憶領域4150cahにセットする。この可動体情報取得記憶領域4150cahにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から遊技盤4に設けた各種可動体の待機時原位置や演出時原位置を取得することができる。
ステップS1106に続いて、操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この操作ユニット情報取得処理では、図43に示した操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)を作成し、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiにセットする。この操作ユニット情報取得記憶領域4150caiにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報からダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作有無を取得することができる。
ステップS1108に続いて、描画状態情報取得処理を行う(ステップS1110)。この描画状態情報取得処理では、図121に示したサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴情報を作成し、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの描画状態情報取得記憶領域4150cakにセットする。LOCKN信号は、上述したように、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0が、図121に示した液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。描画状態情報取得記憶領域4150cakにセットされるLOCKN信号の履歴情報からサブ液晶駆動基板3425とサブ液晶駆動基板3425との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得してサブ液晶表示装置3450の描画状態をを取得することができる。
ステップS1110に続いて、バックアップ処理を行い(ステップS1112)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbと、バックアップ第2エリア4150ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbと、バックアップ第2エリア4150dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM4150cについて、図102に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおける、1ms割り込みタイマが発生するごとに、つまり本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1ms)に含まれる、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cag、可動体情報取得記憶領域4150cah、及び操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに記憶されている内容である演出情報(1ms)を、演出バックアップ情報(1ms)として、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1ms)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図102に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図155の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1012〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、液晶表示装置1900及びサブ液晶表示装置3450の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPU4150aと音源内蔵VDP4160aとが実装された周辺制御基板4140の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板4140のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[17−1−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板4100からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。図101に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として主周シリアルデータを周辺制御MPU4150aに内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図158に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であるときには、周辺制御MPU4150aの内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板4100からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ遊技機1は、パチンコ島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ遊技機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。そこで、本実施形態では、周辺制御部4150側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板4100からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cacに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。この受信コマンド記憶領域4150cacは、リングバッファとして用いており、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとは、受信コマンド記憶領域4150cacの周辺制御部受信リングバッファに記憶される。この「周辺制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。なお、周辺制御MPU4150aは、ステップS1216で周辺制御部受信リングバッファに記憶する際に、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を対応付けて記憶しており、3バイト目として割り振られたサム値を破棄する。
一方、ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えているときには、又はステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[17−1−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、図105に示した、払出制御基板4110の停電監視回路4110bからの停電予告信号が主制御基板4100を介して入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると、図101に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。この判定で停電予告信号が入力されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302で停電予告信号が入力されているときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304で2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されているときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304で本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、液晶表示装置1900のバックライトの消灯、遊技盤4に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ遊技機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ遊技機1の電力が遮断されても周辺制御MPU4150aが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板4100が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPU4150aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cac(周辺制御部受信リングバッファ)に受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、図102に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおけるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図102に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1310に続いて、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。この判定で停電予告信号が入力されているときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、周辺制御MPU4150aは、図102に示した周辺制御内蔵WDT4150afと、図101に示した周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されていないとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312で停電予告信号が入力されていないときには、周辺制御MPU4150aは、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPU4150aにリセットがかかる一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されているときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPU4150aにリセットがかからない。なお、周辺制御MPU4150aにリセットがかかると、図155に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPU4150aにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[17−1−6.回転検出スイッチ履歴作成処理]
次に、図157に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1108の操作ユニット情報取得処理の一処理として実行する回転検出スイッチ履歴作成処理について説明する。この回転検出スイッチ履歴作成処理は、図43に示した、ダイヤル操作部401の回転を検出する一対の回転検出スイッチ432a,432bからの検出信号の履歴をそれぞれ作成する。
回転検出スイッチ履歴作成処理が開始されると、図101に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図160に示すように、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiから回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTを読み出す(ステップS1400)。この回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTは、それぞれ1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、回転検出スイッチ432aからの検出信号の履歴が回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTとして操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに記憶され、回転検出スイッチ432bからの検出信号の履歴が回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTとして操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに記憶されている。
ステップS1400に続いて、回転検出スイッチ432a,432bからの検出信号があるか否かを判定する(ステップS1402)。この判定は、回転検出スイッチ432aからの検出信号があるときには、図44に示した、ダイヤル操作部401に連結された従動ギア410に一定間隔で列設された複数の回転検出片410cのうちの一の回転検出片が回転検出スイッチ432aの光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であると判定する一方、回転検出スイッチ432aからの検出信号がないときには、一の回転検出片が回転検出スイッチ432aの光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態と判定する。また、回転検出スイッチ432bからの検出信号があるときには、一の回転検出片が回転検出スイッチ432bの光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であると判定する一方、回転検出スイッチ432bからの検出信号がないときには、一の回転検出片が回転検出スイッチ432bの光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態と判定する。
ステップS1402で回転検出スイッチ432aからの検出信号があるとき、又は回転検出スイッチ432bからの検出信号があるときには、回転検出スイッチ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1404)。この回転検出スイッチ検出履歴情報のシフト処理では、回転検出スイッチ432aからの検出信号があるときには、ステップS1400で読み出した回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする一方、回転検出スイッチ432bからの検出信号があるときには、ステップS1400で読み出した回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1404で回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTをシフトした場合には回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTの最下位ビットB0に値1をセットする一方、回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTをシフトした場合には回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS1406)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1402で回転検出スイッチ432aからの検出信号がないとき、又は回転検出スイッチ432bからの検出信号がないときには、回転検出スイッチ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1408)。この回転検出スイッチ検出履歴情報のシフト処理では、ステップS1404の回転検出スイッチ検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、回転検出スイッチ432aからの検出信号がないときには、ステップS1400で読み出した回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする一方、回転検出スイッチ432bからの検出信号がないときには、ステップS1400で読み出した回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1408で回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTをシフトした場合には回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTの最下位ビットB0に値0をセットする一方、回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTをシフトした場合には回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS1410)、このルーチンを終了する。
このように、この回転検出スイッチ履歴作成処理が実行されるごとに、回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、回転検出スイッチ432a,432bからの検出信号の履歴を作成することができる。
次に、上述した回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTから、ダイヤル操作部401が停止している状態であるか(換言すると、ダイヤル駆動モータ414が脱調している状態であるか)、時計方向に回転している状態であるか、反時計方向に回転している状態であるか、を判定する方法について、図161〜図163を参照して説明する。図161は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検出片と一対の回転検出スイッチとの位置関係を示す説明図であり、図162は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検出片と一対の回転検出スイッチとの位置関係を示す説明図であり、図163(A)は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う一対の回転検出スイッチのON/OFFを示す一覧表図であり、図163(B)はダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う一対の回転検出スイッチのON/OFFを示す一覧表図である。
回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTは、上述したように、それぞれ1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、回転検出スイッチ432aからの検出信号の履歴が回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTとして図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに記憶され、回転検出スイッチ432bからの検出信号の履歴が回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTとして周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに記憶されている。このため、ダイヤル操作部401が停止している状態であるか(換言すると、ダイヤル駆動モータ414が脱調している状態であるか)、時計方向に回転している状態であるか、反時計方向に回転している状態であるか、を判定する場合には、操作ユニット情報取得記憶領域4150caiから回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTを読み出し、検出判定値と一致しているか否かにより行う。この検出判定値は、図101に示した周辺制御ROM4150bに予め記憶されており、図102に示した周辺制御RAM4150cの周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて使用されるようになっている。検出判定値として予め設定されたデータは、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。つまり、この判定では、回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HIST,DSW1−HISTの下位4ビットB3〜B0と検出判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かにより行う。
具体的には、回転検出スイッチ検出履歴情報DSW0−HISTの下位4ビットB3〜B0が値1となる場合は、4回の1msタイマ割り込みの発生で続けて、回転検出スイッチ432aがダイヤル操作部401と一体的に回転する従動ギア410の回転検出片410cを検出したことを意味し、回転検出スイッチ検出履歴情報DSW1−HISTの下位4ビットB3〜B0が値1となる場合は、4回の1msタイマ割り込みの発生で続けて、回転検出スイッチ432bがダイヤル操作部401と一体的に回転する従動ギア410の回転検出片410cを検出したことを意味している。
次に、ダイヤル操作部401の回転方向の検出について説明する。回転検出スイッチ432a,432bは、上述したように、ダイヤル操作部401と一体的に回転する従動ギア410の回転検出片410cを検出することにより、ダイヤル操作部401の回転方向を検出するようになっている。なお、図161〜図163中には、回転検出スイッチ432aを「A」と記載すると共に、回転検出スイッチ432bを「B」と記載する。また、以下に示すステップ1〜ステップ4は、それぞれ回転検出スイッチ432a,432bを基準としたダイヤル操作部401の4種類の回転位置のことであり、ダイヤル操作部401が回転することで、ステップ1、ステップ2、ステップ3、そしてステップ4へと順次、回転位置が移行するものであり、ステップ4へ移行した後は、再度ステップ1へ戻る。
ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する場合は、図161に示すように、ステップ1として、回転検出スイッチ432a,432bが従動ギア410の回転検出片410cを検出し、その後、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ2への移行により、回転検出スイッチ432aが回転検出片410cを検出する一方、従動ギア410のスリット410dが回転検出スイッチ432bへ移動して回転検出スイッチ432bが回転検出片410cを検出しないステップへ移行する。その後、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ3への移行により、従動ギア410のスリット410dが各回転検出スイッチ432a,432bへ移動して回転検出スイッチ432a,432bが共に回転検出片410cを検出しないステップへ移行する。そして、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ4への移行により、従動ギア410のスリット410dが回転検出スイッチ432aへ移動して回転検出スイッチ432aが回転検出片410cを検出しない一方、回転検出スイッチ432bが回転検出片410cを検出するステップへ移行する。
一方、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する場合は、図162に示すように、ステップ1として、両方の回転検出スイッチ432a,432bが従動ギア410の回転検出片410cを検出し、その後、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ2への移行により、従動ギア410のスリット410dが回転検出スイッチ432aへ移動して回転検出スイッチ432aが回転検出片410cを検出しない一方、回転検出スイッチ432bが回転検出片410cを検出するステップへ移行する。その後、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ3への移行により、従動ギア410のスリット410dが各回転検出スイッチ432a,432bへ移動して回転検出スイッチ432a,432bが共に回転検出片410cを検出しないステップへ移行する。そして、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ4への移行により、回転検出スイッチ432aが回転検出片410cを検出する一方、従動ギア410のスリット410dが回転検出スイッチ432bへ移動して回転検出スイッチ432bが回転検出片410cを検出しないステップへ移行する。
つまり、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する場合の回転検出スイッチ432a,432bのON(回転検出片410cの検出あり)/OFF(回転検出片410cの検出なし)動作は、図163(A)に示すように、ステップ1で回転検出スイッチ432a,432bが共に「ON」であり、ステップ2で回転検出スイッチ432aが「ON」を継続する一方、回転検出スイッチ432bが「OFF」となる。その後、ステップ3で回転検出スイッチ432a,432bが共に「OFF」となった後に、ステップ4で回転検出スイッチ432aが「OFF」を継続する一方、回転検出スイッチ432bが「ON」となる。その後は、再度、ステップ1に戻り、回転検出スイッチ432a,432bが共に「ON」となる。
一方、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する場合の回転検出スイッチ432a,432bのON/OFF動作は、図163(B)に示すように、ステップ1で回転検出スイッチ432a,432bが共に「ON」であり、ステップ2で回転検出スイッチ432bが「ON」を継続する一方、回転検出スイッチ432aが「OFF」となる。その後、ステップ3で回転検出スイッチ432a,432bが共に「OFF」となった後に、ステップ4で回転検出スイッチ432bが「OFF」を継続する一方、回転検出スイッチ432aが「ON」となる。その後は、再度、ステップ1に戻り、回転検出スイッチ432a,432bが共に「ON」となる。
なお、ダイヤル操作部401が時計方向、又は反時計方向へ回転していない停止した場合には、回転検出スイッチ432a,432bからの検出に変化が生じなくなるため、ステップ1〜ステップ4において回転検出スイッチ432a,432bによるON/OFF動作の切替りがまったくなくなる。
このように、回転検出スイッチ432a,432bは、上述した各ステップ1〜ステップ4でのON/OFFに基づいてダイヤル操作部401の回転方向を検出することができるようになっている。遊技者の操作によってダイヤル操作部401が操作された場合には、回転検出スイッチ432a,432bのON/OFF状態の切替りを検出することによりダイヤル操作部401が回転操作されたことを検出して回転方向を把握することができるし、回転検出スイッチ432a,432bのON/OFF状態の切替りがまったくないことを検出することによりダイヤル操作部401が停止している状態であることを把握することができる。
また、周辺制御MPU4150aは、ダイヤル操作部401を時計方向、又は反時計方向へ回転させている制御を実行している場合に、遊技者が指や手のひらでダイヤル操作部401を押さえてダイヤル操作部401の回転を強制的に停止させたときには、回転検出スイッチ432a,432bのON/OFF状態の切替りがまったくないことを検出することにより、ダイヤル操作部401を時計方向、又は反時計方向へ回転させる、ステッピングモータであるダイヤル駆動モータ414が脱調している状態であることを把握することができる。
[17−1−7.LOCKN信号履歴作成処理]
次に、図157に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行するLOCKN信号履歴作成処理について説明する。このLOCKN信号履歴作成処理では、図121に示したサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴を作成する。このLOCKN信号は、上述したように、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0が、図103に示した液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
LOCKN信号履歴作成処理が開始されると、図101に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図164に示すように、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの描画状態情報取得記憶領域4150cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1500)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTとして描画状態情報取得記憶領域4150cakに記憶されている。
ステップS1500に続いて、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1502)。この判定は、サブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、サブ液晶用レシーバICSDIC0が、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであると判断して、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していると判定する一方、サブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、サブ液晶用レシーバICSDIC0が、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータでない(正常なデータである)と判断して、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していないと判定する。
ステップS1502でサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1504)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、サブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1504でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS1506)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1502でサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1508)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、ステップS1504のLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、サブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1508でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS1510)、このルーチンを終了する。
このように、このLOCKN信号履歴作成処理が実行されるごとに、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、サブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号の履歴を作成することができる。
[17−1−8.接続不具合判定処理]
次に、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続不具合判定処理について説明する。この接続不具合判定処理では、図121に示したサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴に基づいて、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否か判定する。
接続不具合判定処理が開始されると、図101に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図165に示すように、図102に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの描画状態情報取得記憶領域4150cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1520)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTには、上述したように、図121に示したサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴が記憶されている。このLOCKN信号は、上述したように、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0が、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
ステップS1520に続いて、サブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1522)。この判定は、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているか否かを判定する。この接続確認判定値は、図101に示した周辺制御ROM4150bに予め記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS1522の判定では、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していない状態であると判定して、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定して通信チェックカウンタCC−CNTに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1524)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、本ルーチンが実行されるごとに、ステップS1522の判定において、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。なお、通信チェックカウンタCC−CNTは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信チェックカウンタCC−CNTの値に復元されるようになっている。
ステップS1524に続いて、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいか否かを判定する(ステップS1526)。この判定では、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないと判定する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)ときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していると判定する。
ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、通信異常フラグCC−FLGに値0をセットし(ステップS1528)、このルーチンを終了する。一方、ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときには、通信異常フラグCC−FLGに値1をセットし(ステップS1530)、このルーチンを終了する。通信異常フラグCC−FLGは、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
[17−1−9.接続回復処理]
次に、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続回復処理について説明する。この接続回復処理では、図165に示した接続不具合判定処理に続いて実行され、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するために所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続が異常であるときにその旨を報知する。
接続回復処理が開始されると、図101に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図166に示すように、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図102に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた各種スケジュールデータのうち、画面生成用スケジュールデータを起動中であるか否かを判定する(ステップS1540)。この判定では、スケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているか否かを判定する。換言すると、スケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であると判定する一方、画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているときには画面生成用スケジュールデータが未起動であると判定する。なお、この判定では、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間であるか否かを、画面生成用スケジュールデータに基づいて判断することができるようになっており、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間であるときには、後述するステップS1542へ進む一方、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間でないとき(単なる、客待ちの待機した状態であるとき)には、そのままこのルーチンを終了するようになっている。
ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが起動中であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが未起動であるときには、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないか否かを判定する(ステップS1542)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、上述したように、図165に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、同処理におけるステップS1522の判定において、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。この判定では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったか否かを判定する。
ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるか否かを判定する(ステップS1544)。この通信異常フラグCC−FLGは、上述したように、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を行い(ステップS1546)、このルーチンを終了する。このSYNCパターン出力処理では、周辺制御MPU4150aが液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aのINIT端子に対して接続確認信号を出力することにより、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aがサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0に対して所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する。この所定のデータパターン(SYNCパターン)は、サブ液晶用トランスミッタIC3420aに予め記憶されているものであってサブ液晶用レシーバICSDIC0に対して出力されるものであり、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するものである。
一方、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、通信エラー表示処理を行い(ステップS1548)、このルーチンを終了する。この通信エラー表示処理では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している旨を伝えるために、図96に示した遊技盤4に備える液晶表示装置1900の表示領域に描画する処理を行う。例えば、液晶表示装置1900の表示領域に「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示される。また、通信エラー表示処理では、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間において、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、サブ液晶表示装置3450の動作確認要求として、周辺制御MPU4150aに内蔵する液晶出力基板用シリアルI/OポートからLOCKN信号出力要求データを送信し、サブ液晶用レシーバICSDIC0がLOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU4150aに出力し、このLOCKN信号が入力されていないときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとしてサブ液晶表示装置3450に不具合が発生していると判断し、その旨を、報知画像(例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)が液晶表示装置1900の表示領域に表示する処理を行うとともに、報知音(例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しています。」)が扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から繰り返し流れる処理を行う。このとき、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LED(各種装飾基板と配線を介して電気的に接続される各種LED)をすべて点灯する処理を行うようにしてもよい。
次に、周辺制御MPU4150aが図103に示した液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングについて図167のタイミングチャートを用いて説明する。
まず、図96に示した遊技盤4に備える液晶表示装置1900の表示領域に変動表示される装飾図柄について簡単に説明すると、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理等により装飾図柄の変動表示が実行されるようになっており、図98に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aよる図134に示した主制御側電源投入時処理の主制御側メイン処理や図135に示した主制御側タイマ割り込み処理等により図96に示した上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は図96に示した下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果が「大当り」となると、図96に示した大入賞口2103の開閉動作の繰返し回数(ラウンド数)が1ラウンド〜15ラウンドまでの計15ラウンドとなり、各ラウンドでは、所定時間(例えば、30秒間)内において、大入賞口2103に遊技球が入球して、その球数が所定個数(例えば、9球)となると、そのラウンドが消化するようになっており、大入賞口2103に遊技球が1球入球するごとに、所定個数(例えば、15球)の遊技球が払い出されるようになっている。
上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果は、主制御基板4100からのコマンドに基づいて、周辺制御基板4140の周辺制御部4150が液晶及び音制御部4160を制御することにより、液晶表示装置1900の表示領域の左側には装飾図柄1900a、中央には装飾図柄1900b、そして右側には装飾図柄1900cの変動表示が開始され、所定時間経過した後に装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が停止されて第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を遊技者が認識することができるようになっており、このとき、図92に示した機能表示ユニット1180の上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186で表示された第一特別図柄又は第二特別図柄においても第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を確認することができるようになっている。装飾図柄1900a〜1900cが変動表示されているときには背景画像が視認できる程度に装飾図柄1900a〜1900cが半透明な態様となり、装飾図柄1900aは表示領域の左上側から左下側に向かって、装飾図柄1900bは表示領域の中央上側から中央下側に向かって、装飾図柄1900cは表示領域の右上側から右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示されるとともに、装飾図柄1900a〜1900cが停止表示されると、停止表示された装飾図柄1900a〜1900cと対応する位置における背景画像が視認困難となるように装飾図柄1900a〜1900cが不透明な態様となるようになっている。このように、図92に示した機能表示ユニット1180の上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において変動表示開始されて停止表示される第一特別図柄又は第二特別図柄と、液晶表示装置1900の表示領域で変動表示開始されて停止表示される装飾図柄1900a〜1900cと、が同期化されている。
周辺制御基板4140の周辺制御部4150は、上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を伝える主制御基板4100からのコマンドを受信すると、この受信したコマンドに基づいて、液晶及び音制御部4160を制御することにより、図167に示すように、図96に示した液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されると(タイミングK0)、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図102に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているため、つまりスケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であり、画面生成用スケジュールデータが起動中である間、つまり装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理において、図166に示した接続回復処理を実行しても、この接続回復処理におけるステップS1540の判定で、そのままルーチンを強制的に終了するようようになっている。
これにより、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、液晶表示装置1900の表示領域に「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであることを伝えるサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、サブ液晶表示装置3450は、サブ液晶用レシーバICSDIC0がサブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されて停止表示されると(タイミングK1)、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図102に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているため、つまりスケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータが未起動であり、画面生成用スケジュールデータが未起動である間においては、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する図166に示した接続回復処理におけるステップS1540の判定で、同処理におけるステップS1542の処理へ進み、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままルーチンを終了する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、同処理におけるステップS1544の処理へ進み、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、同処理におけるステップS1546の処理へ進み、上述したSYNCパターン出力処理を行い、ルーチンを終了する一方、通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、同処理におけるステップS1548の処理へ進み、上述した通信エラー表示処理を行い、ルーチンを終了する。換言すると、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cが停止表示されている間においては、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、液晶表示装置1900の表示領域に「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっており、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであることを伝えるサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を有効化している。
液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されて停止表示され、再び装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cが停止表示されている間であるため、上述したように、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであることを伝えるサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化され、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、液晶表示装置1900の表示領域に「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっている。
再び装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されると(タイミングK2)、上述したように、画面生成用スケジュールデータが起動中であるため、装飾図柄1900a〜1900cが停止表示される(タイミングK3)までの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、液晶表示装置1900の表示領域に「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであることを伝えるサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、サブ液晶表示装置3450は、サブ液晶用レシーバICSDIC0がサブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
このように、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されて停止表示され、再び装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであることを伝えるサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化される一方、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであることを伝えるサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が無効化されるようになっている。これは、液晶表示装置1900の表示領域において装飾図柄1900a〜1900cの停止表示される組み合わせ結果が遊技者には最も関心のある情報であり、遊技者に利益が付与される大当り遊技状態が発生するか否かを遊技者が判断することができるため、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cが変動表示されると、装飾図柄1900a〜1900cが停止表示されるまでは、サブ液晶表示装置3450の表示領域に描画される演出の画像がノイズの影響等により乱れて正しく描画できない状態となったとしても、途中で演出を中断し、正しく描画できる状態に回復する処理を行うのではなく、液晶表示装置1900の表示領域に装飾図柄1900a〜1900cを停止表示させることにより、遊技者の最も関心のある情報を描画完了させている。
この点においては、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aが、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間において、内蔵する液晶出力基板用シリアルI/OポートからLOCKN信号出力要求データを、液晶出力基板3420の差動化回路3420dに送信する場合と大きく異なっている。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御MPU4150aに内蔵する液晶出力基板用シリアルI/Oポートから送信されるものであって、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、サブ液晶表示装置3450の動作確認要求として送信されるものである。
周辺制御MPU4150aに内蔵される液晶出力基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されると、上述したように、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が強制切替回路3420cに入力される。強制切替回路3420cは、差動化回路3420dにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、サブ液晶中継基板3422を介して、サブ液晶駆動基板3425に送信される。そしてサブ液晶駆動基板3425のサブ液晶用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号が液晶出力基板用シリアルI/OポートからのLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、そもそも、LOCKN信号出力要求データは、上述したように、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから出力される信号とデータ形式が異なる構造であるため、異常なデータであると判断され、LOCKN信号を、サブ液晶中継基板3422、そして液晶出力基板3420を介して、周辺制御MPU4150aに出力する。これにより、周辺制御MPU4150aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとしてサブ液晶駆動基板3425に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとしてサブ液晶駆動基板3425に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP4160aを制御して液晶出力基板3420を介して、液晶表示装置1900に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP4160aを制御してオーディオデータ送信IC4160cに出力することにより扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から報知音が流れる。これにより、液晶表示装置1900の表示領域に表示される報知画像と、扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LED(各種装飾基板と配線を介して電気的に接続される各種LED)をすべて点灯してもよい。
このように、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、その内蔵する液晶出力基板用シリアルI/OポートからシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データを送信すると、強制切替回路3420cがLOCKN信号出力要求データをサブ液晶用レシーバICSDIC0で受信することができるように回路接続し、LOCKN信号出力要求データを受信したサブ液晶用レシーバICSDIC0が応答信号としてサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU4150aに出力するようになっているため、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとしてサブ液晶表示装置3450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとしてサブ液晶表示装置3450に不具合が発生していると判断することができる。そして、周辺制御MPU4150aは、サブ液晶表示装置3450に不具合が発生していると判断したときには報知処理として、図166の接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を実行することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU4150aは、サブ液晶表示装置3450の不具合を発見すると、その旨を、報知処理を実行することにより、ホールの店員等に報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、遊技者が遊技を行う前に、サブ液晶表示装置3450に不具合が発生しているか否かを極めて簡単にチェックすることができ、そのチェックに手間がかからないようになっている。したがって、サブ液晶表示装置3450の不具合を手間をかけずに発見することができる。
また、LOCKN信号は、上述したように、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0が、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号であるため、サブ液晶用レシーバICSDIC0は、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから送信される画像を正常に受信できないときにはサブ液晶用レシーバICSDIC0とサブ液晶用トランスミッタIC3420aとの画像通信間において通信不具合が発生して受信した描画データが異常なデータとなる旨を伝えるために、LOCKN信号を周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力することができるようになっている。これにより、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU4150aは、所定のデータパターン(SYNCパターン)をサブ液晶用トランスミッタIC3420aからサブ液晶用レシーバICSDIC0へ送信開始する旨を伝える接続確認信号をサブ液晶用トランスミッタIC3420aに出力することにより、画像通信間における通信不具合を解消させることができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU4150aは、画像通信間における通信不具合によるサブ液晶表示装置3450の不具合を早期に発見して、その不具合を解消させるようにサブ液晶用トランスミッタIC3420aに働きかけることができるようになっている。したがって、サブ液晶表示装置3450の不具合を発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更に、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから送信される画像を受信してサブ液晶表示装置3450に出力するサブ液晶用レシーバICSDIC0は、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから送信される画像を正常に受信できないときにはサブ液晶用レシーバICSDIC0とサブ液晶用トランスミッタIC3420aとの画像通信間において通信不具合が発生している旨を伝える通信不具合発生信号であるLOCKN信号を演出制御マイクロプロセッサである周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力することができるようになっているため、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU4150aは、液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aを制御して通信不具合が発生している旨を伝える画像である、図170(c)の「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージMGAを生成し、この生成した画像を液晶表示装置1900の表示領域の下側に表示して報知することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU4150aは、画像通信間における通信不具合によるサブ液晶表示装置3450の不具合を早期に発見して、その旨を、パチンコ遊技機1の前面に着座する遊技者に報知してその遊技者がホールの店員等に伝えたり、パチンコ遊技機1の前をたまたま通りかかったホールの店員等に直接報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、その不具合が発生して早い段階でその不具合を解消するための作業に取り掛かることができる。したがって、サブ液晶表示装置3450の不具合を早期発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更にまた、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)をサブ液晶用トランスミッタIC3420aからサブ液晶用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号をサブ液晶用トランスミッタIC3420aに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けることができるようになっている。これにより、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けることができるため、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができる。
そして、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)をサブ液晶用トランスミッタIC3420aからサブ液晶用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号をサブ液晶用トランスミッタIC3420aに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けている際に、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したときには接続確認信号の出力を停止し、サブ液晶用トランスミッタIC3420aは、周辺制御MPU4150aから出力される接続確認信号が停止されて接続確認信号が入力されなくなると、所定のデータパターン(SYNCパターン)をサブ液晶用レシーバICSDIC0に送信するのを停止して液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aが生成する画像をサブ液晶用レシーバICSDIC0に出力することができるようになっている。これにより、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し不具合解消信号である接続確認信号を出力し続けることにより、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができるようになっているため、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けている際に、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したとしても、サブ液晶表示装置3450の表示画面において進行する演出の歪み(画像の乱れ)は、主制御基板4100の主制御MPU4100aが遊技の進行を再び実行開始して終了するごと(タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)となるごと)に、解消する方向へ向かわせることができる。
因みに、液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3450等の画像表示装置の表示領域にさまざまな画像を表示することにより、この表示領域に繰り広げられる演出を遊技者に楽しませる遊技機が提案されている(例えば、特開2012−30058号公報(図18〜図24))。ところで、この文献1に記載される遊技機における画像表示装置においては、例えば、遊技者に利益を付与する大当り遊技状態が発生する期待度が高い演出が画像表示装置の表示領域で繰り広げられている際に、何らかの原因により画像表示装置に不具合が発生し、この演出が歪んで表示されたりすることになって遊技者の遊技意欲を低下させるという問題が生ずる。
また、第1の表示手段である特別図柄表示装置の表示領域にさまざまな画像を表示することにより、この表示領域に繰り広げられる演出を遊技者に楽しませる遊技機が提案されている(例えば、特開2011−240151号公報(段落[0044]、[0050]、及び図10〜図12))。この文献に記載される遊技機の扉枠には、上受け皿の左下方位置に第2の表示手段であるサブ表示装置が配置され、サブ表示装置の表示領域に遊技情報に関する所定の状況が表示されている。ところで、この文献に記載される遊技機では、遊技情報に関する所定の状況をサブ表示装置の表示領域に表示しているため、サブ表示装置に不具合が発生すると、サブ表示装置の表示領域に表示されている画像が乱れることにより、表示されている内容を遊技者が理解することが困難となって遊技意欲が低下するというおそれがある。
更に、第1の表示手段である特別図柄表示装置の表示領域にさまざまな画像を表示することにより、この表示領域に繰り広げられる演出を遊技者に楽しませる遊技機が提案されている(例えば、特開2011−240151号公報(段落[0044]、[0050]、及び図10〜図12))。この文献に記載される遊技機の扉枠には、上受け皿の左下方位置に第2の表示手段であるサブ表示装置が配置され、サブ表示装置の表示領域に遊技情報に関する所定の状況が表示されている。ところが、この文献に記載される遊技機では、遊技情報に関する所定の状況をサブ表示装置の表示領域に表示しているため、サブ表示装置に不具合が発生すると、サブ表示装置の表示領域に表示されている画像が乱れることにより、表示されている内容を遊技者が理解することが困難となって遊技者の遊技意欲が低下するおそれがあり、ホールの店員等は、遊技者が遊技を行う前に、サブ表示装置に不具合が発生しているか否かをチェックしなければならず、手間がかかるという問題が生ずる。
[18.演出]
次に、図96に示した遊技盤4に備える液晶表示装置1900の表示領域に表示される演出について簡単に説明する。ここでは、図165に示した接続不具合判定処理におけるステップS1530の処理において、通信異常フラグCC−FLGに値1がセットされたことにより、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときに、その不具合により、図96に示した遊技盤4のサブ液晶ユニット3400に備えるサブ液晶表示装置3450に不具合が発生して使用することができなくなって、サブ液晶表示装置3450の表示領域で繰り広げられる演出を、液晶表示装置1900の表示領域の一部の領域を代用して実行する演出について簡単に説明する。
液晶表示装置1900の表示領域に表示される演出は、図155に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理等により実行されるようになっている。図170は演出の一例を示す図である。図98に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aよる図134に示した主制御側電源投入時処理の主制御側メイン処理や図135に示した主制御側タイマ割り込み処理等により図96に示した上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は図96に示した下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果が「大当り」となると、図96に示した大入賞口2103の開閉動作の繰返し回数(ラウンド数)が1ラウンド〜15ラウンドまでの計15ラウンドとなり、各ラウンドでは、所定時間(例えば、30秒間)内において、大入賞口2103に遊技球が入球して、その球数が所定個数(例えば、9球)となると、そのラウンドが消化するようになっており、大入賞口2103に遊技球が1球入球するごとに、所定個数(例えば、15球)の遊技球が払い出されるようになっている。
上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果は、主制御基板4100からのコマンドに基づいて、周辺制御基板4140の周辺制御部4150が液晶及び音制御部4160を制御することにより、図170(a)に示すように、液晶表示装置1900の表示領域の左側には装飾図柄1900a、中央には装飾図柄1900b、そして右側には装飾図柄1900cの変動表示が開始され、所定時間経過した後に装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が停止されて第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を遊技者が認識することができるようになっており、このとき、図92に示した機能表示ユニット1180の上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186で表示された第一特別図柄又は第二特別図柄においても第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を確認することができるようになっている。装飾図柄1900a〜1900cが変動表示されているときには背景画像が視認できる程度に装飾図柄1900a〜1900cが半透明な態様となり、装飾図柄1900aは表示領域の左上側から左下側に向かって、装飾図柄1900bは表示領域の中央上側から中央下側に向かって、装飾図柄1900cは表示領域の右上側から右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示されるようになっている。
装飾図柄1900a〜1900cの変動表示が開始され、所定時間経過した後に装飾図柄1900a,1900cの変動表示が同一の装飾図柄で停止されて、リーチが形成されると、液晶表示装置1900の表示領域の右側の領域に矩形の代用表示領域1900eが形成されて、この代用表示領域1900eに、不具合により使用することできないサブ液晶表示装置3450の表示領域で表示される演出が表示される。このリーチ演出では、サブ液晶表示装置3450に不具合がなければ、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるキャラクタCHRが屈んだ姿勢から、液晶表示装置1900の表示領域に向かって飛び跳ねる動作をし、これに連動して、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるキャラクタCHRが液晶表示装置1900の表示領域に飛び出して着地するという演出が実行される。
リーチが形成されると、装飾図柄1900a〜1900cは、液晶表示領域1900の表示領域から消えて、液晶表示装置1900の表示領域の右側に形成される代用表示領域1900eに、図170(b)に示すように、キャラクタCHRが表示される。このキャラクタCHRは、屈んだ姿勢から飛び跳ねる動作をし、この代用表示領域1900eを飛び越えて、液晶表示装置1900の表示領域の左側に向かって飛び出して着地する。キャラクタCHRが代用表示領域1900eを飛び越えると、キャラクタCHRが飛び跳ねた軌道を遊技者に注視させるために、代用表示領域1900eの表示が液晶表示装置1900の表示領域から消えるようになっている。
キャラクタCHRが着地すると、図170(c)に示すように、装飾図柄1900a〜1900cが停止表示されて、装飾図柄1900a〜1900cと対応する位置における背景画像が視認困難となるように装飾図柄1900a〜1900cが不透明な態様となるとともに、液晶表示装置1900の表示領域の下側に、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージMGAが表示されるようになっている。このメッセージMGAは、サブ液晶表示装置3450に不具合が発生して使用することができなくなった際に、液晶表示装置1900の表示領域において装飾図柄1900a〜1900cが停止表示されているときに表示されるものであり、装飾図柄1900a〜1900cが変動開始されると、液晶表示装置1900の表示領域から消えるようになっている。
本実施形態では、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、その不具合により、図96に示した遊技盤4のサブ液晶ユニット3400に備えるサブ液晶表示装置3450に不具合が発生して使用することができなくなるため、サブ液晶表示装置3450の表示領域で繰り広げられる演出を、液晶表示装置1900の表示領域の一部の領域を代用して実行するようになっている。具体的には、上述したように、図155の周辺制御部電源投入処理の周辺制御部定常処理におけるテップS1024の警告処理の一処理として実行される図165の接続不具合判定処理において、図121に示したサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴に基づいて、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを判定し、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生していると判定したときには、図155の周辺制御部電源投入処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1030の表示データ作成処理において、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべき画面(画像)を、液晶表示装置1900の表示領域に表示される画面(画像)に合成する合成画面(合成画像)を生成するように、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタを更新して、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。
音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出して、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべき1画面分(1フレーム分)のスプライトデータを作成するとともに、液晶表示装置1900の表示領域に表示される1画面分(1フレーム分)のスプライトデータを作成し、これらのスプライトデータに基づいて、図170(b)に示した合成画面(合成画像)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。この生成された合成画面(合成画像)の描画データは、図155の周辺制御部電源投入処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1016の表示データ出力処理において、音源内蔵VDP4160aが図103に示したチャンネルCH1から液晶表示装置1900に出力する。これにより、液晶表示装置1900の表示領域に図170(b)に示した合成画面(合成画像)が描画される。
このように、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから送信される画像を受信してサブ液晶表示装置3450に出力するサブ液晶用レシーバICSDIC0は、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから送信される画像を正常に受信できないときにはサブ液晶用レシーバICSDIC0とサブ液晶用トランスミッタIC3420aとの画像通信間において通信不具合が発生している旨を伝える通信不具合発生信号であるLOCKN信号を演出制御マイクロプロセッサである周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力することができるようになっているため、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU4150aは、液晶表示装置1900の表示領域に表示される画面(画像)と、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示される画面(画像)と、をそれぞれ生成するように音源内蔵VDP4160aを制御する場合に、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべき画面(画像)を、液晶表示装置1900の表示領域に表示される画面(画像)に合成する合成画面(合成画像)を生成するように音源内蔵VDP4160aを制御することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU4150aは、画像通信間における通信不具合によるサブ液晶表示装置3450の不具合を発見すると、サブ液晶表示装置3450の表示領域に表示されるべき画面(画像)を、液晶表示装置1900の表示領域に表示される画面(画像)に合成する合成画面(合成画像)を生成するように音源内蔵VDP4160aを制御することにより、サブ液晶表示装置3450の不具合によってサブ液晶表示装置3450の表示領域において画面(画像)を表示することができない場合であっても、このサブ液晶表示装置3450に表示されるべき画面(画像)が液晶表示装置1900の表示領域に表示される画面(画像)と合成されて液晶表示装置1900の表示領域に表示されるため、サブ液晶表示装置3450の表示領域で表示されるはずの画面(画像)がサブ液晶表示装置3450の不具合により遊技者に提供されなくなることを防止することができるようになっている。したがって、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
因みに、遊技盤の遊技領域のほぼ中央位置に2つの液晶表示器が設けられる遊技機が提案されている(特開2005−319221号公報(段落[0035]、及び図1))。この文献に記載される遊技機では、2つの液晶表示器の表示部における特図ゲームの実行に合わせて飾り図柄が変動表示され、特図ゲームの結果の導出に合わせて表示結果が導出されるようになっている。ところが、この文献に記載される遊技機における2つの液晶表示パネルのうち、1つの液晶表示パネルに不具合が発生して演出表示を行うことができなくなると、2つの液晶表示パネルによる演出表示を行うことができなくなって遊技者の遊技意欲を低下させるという問題があった。
以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、図98の発射制御基板4130を備えている。発射制御基板4130は、図47のハンドル装置500が操作されることにより図95及び図174の遊技盤4に区画形成される図95及び図174の遊技領域1100に向かって図1の打球発射装置650による図20の上皿301に貯留された遊技球の発射を制御するものである。
ハンドル装置500は、少なくとも、図47のハンドル本体506を備えている。ハンドル本体506は、遊技者の操作によりその操作量に見合う発射強度を設定することができるものである。具体的には、遊技者の指(例えば、右手人差し指)がハンドル装置500のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内における基準領域である第0区画G0から第18区画G18に向かって接触しながらスライドされると、これに連動して、そのスライド量に見合う発射強度で遊技球が遊技領域1100に向かって発射されるようになっている。つまりスライド量に見合う発射強度を設定することができるようになっている。
発射制御基板4130は、ハンドル本体506を遊技者が操作してその操作量に見合う発射強度となるように打球発射装置650を制御することができるようになっている。これにより、遊技球は、遊技者の所望の発射強度で遊技領域1100に向かって打球発射装置650によって発射される。具体的には、タッチセンサ部512からの検出信号に基づいて、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が予め定めた検出領域である、図120(a)のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を接触しながらスライドされると、これに連動して、そのスライド量に見合う発射強度となるように打球発射装置650を制御するようになっている。
ハンドル本体506は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動されることができるようになっている。具体的には、遊技者は、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて停止させた指の位置において、手首に疲れを感じ難い位置となるように、図48(a),(b)に示した、ハンドル本体506の基準突出部507がハンドル本体506を正面から見て左側であって水平となっている位置を回転基準位置(基準:0度(ゼロ度))として、例えば右手親指で基準突出部507を押し上げる方向に力を加えると、ハンドル本体506と、ハンドル本体506に形成される基準突出部507と、回転前端カバー508bと、が一体となってハンドルベース502と固定前端カバー508aとに対して回転基準位置から時計回りに最大10度(回転基準位置から最大+10度)まで回転させることができるようになっている一方、例えば右手親指で基準突出部507を押し下げる方向に力を加えると、ハンドル本体506と、ハンドル本体506に形成される基準突出部507と、回転前端カバー508bと、が一体となってハンドルベース502と固定前端カバー508aとに対して回転基準位置から反時計回りに最大45度(回転基準位置から最大−45度)まで回転させることができるようになっている。つまり遊技者は、タッチセンサ部512の基準領域である第0区画から第18区画に向かって指(例えば、右手人差し指)をスライドさせて停止させた指の位置において、手首に疲れを感じ難い位置となるように、ハンドル本体506を回転させることができるようになっている。
このように、ハンドル本体506は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動されることができるようになっているため、遊技者は、長時間に亘って遊技を行っても、手首に疲れを感じると、その疲れを解消することができる位置へハンドル本体506を可動させることができる。したがって、遊技者の手首に負担を抑制することにより長時間に亘って遊技を行うことができる。
また、ハンドル本体506は、少なくとも、図47のタッチセンサ部512を備えている。タッチセンサ部512は、ハンドル装置500における予め定めた検出領域である、図120(a)の第0区画G0〜第18区画G18内における遊技者の指が触れている位置を検出することができるものであり、図120(a)の第0区画G0〜第18区画G18内を遊技者の指がスライドされる際に、そのスライドに伴う反発力がその遊技者の指に付勢されないようになっている。そして発射制御基板4130は、タッチセンサ部512からの検出信号に基づいて、遊技者の指(例えば、右手人差し指)が予め定めた検出領域である、図120(a)のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を接触しながらスライドされると、これに連動して、そのスライド量に見合う発射強度となるように打球発射装置650を制御するようになっている。これにより、タッチセンサ部512における予め定めた検出領域である、図120(a)のタッチセンサ部512における第0区画G0〜第18区画G18内を遊技者の指がスライドされる際に、そのスライドに伴う反発力がその遊技者の指に付勢されないようになっているため、遊技者の指や手首への負担を軽減することができる。したがって、長時間に亘って遊技を行う場合に遊技者への負担を抑制することができる。
[19.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、右側モータ駆動基板4190が最終段のモータ駆動基板となるため、右側モータ駆動基板4190に後続するモータ駆動基板が存在しないため、右側モータ駆動基板4190には、左側タイミング調整回路4180fと同一の機能を有するタイミング調整回路を設けていないが、左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4180fと同一の機能を有するタイミング調整回路を設けてもよい。また、左側モータ駆動基板4180には右側タイミング調整回路4190fと同一の機能を有するタイミング調整回路を設けていないが、周辺制御基板4140と左側モータ駆動基板4180とは電気配線により電気的に接続されているため、電気配線によるコンデンサ成分の増大による影響を考慮して右側モータ駆動基板4190の右側タイミング調整回路4190fと同一の機能を有するタイミング調整回路を設けてもよい。換言すると、左側モータ駆動基板4180には、タイミング調整回路4180fと、右側モータ駆動基板4190の右側タイミング調整回路4190fと同一の機能を有するタイミング調整回路と、を設け、右側モータ駆動基板4190には、タイミング調整回路4190fと、左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4180fと同一の機能を有するタイミング調整回路と、を設けるように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、複数のモータ駆動基板が左側モータ駆動基板4180及び右側モータ駆動基板4190から構成されていたが、右側モータ駆動基板に続いて、第1の右側後続モータ駆動基板、第2の後続右側モータ駆動基板、・・・、第5の右側後続モータ駆動基板が周辺制御基板4140、左側モータ駆動基板4180、右側モータ駆動基板4190、第1の後続右側モータ駆動基板、第2の後続右側モータ駆動基板、・・・、そして第5の後続右側モータ駆動基板という順番で数珠繋ぎに電気的に接続されていてもよい。この場合、右側モータ駆動基板、第1の後続右側モータ駆動基板〜第4の後続モータ駆動基板には、図124の左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4180fと同一の機能を有するタイミング調整回路をそれぞれ設ける一方、第5の後続右側モータ駆動基板には複数のモータ駆動基板の最終段のモータ駆動基板となるため、第5の後続右側モータ駆動基板に後続するモータ駆動基板が存在せず、左側タイミング調整回路4180fと同一の機能を有するタイミング調整回路を設けない。また、第1の後続右側モータ駆動基板〜第5の後続右側モータ駆動基板には、図124の右側モータ駆動基板4190の右側タイミング調整回路4190fと同一のタイミング調整回路も設けられる。これは、第1の後続右側モータ駆動基板〜第5の後続右側モータ駆動基板に入力される各種検出スイッチからの検出信号の有無を各パラレルシリアル変換ICでシリアル化して第5の後続右側モータ駆動基板から第1の後続右側モータ駆動基板、右側モータ駆動基板4190、左側モータ駆動基板4180、そして周辺制御基板4140に向かって伝送するためである。このような構成においては、右側モータ駆動基板4190、第1の後続右側モータ駆動基板〜第4の後続モータ駆動基板には、左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4180fと同一のタイミング調整回路と、右側モータ駆動基板4190の右側タイミング調整回路4190fと同一のタイミング調整回路と、をそれぞれ有している一方、第4の後続モータ駆動基板には、右側モータ駆動基板4190の右側タイミング調整回路4190fと同一のタイミング調整回路のみを有している。なお、最終段のモータ駆動基板である第5の後続右側モータ駆動基板には、後続するモータ駆動基板が存在しないが、左側モータ駆動基板4180の左側タイミング調整回路4180fと同一の機能を有するタイミング調整回路を設けることにより、右側モータ駆動基板4190、第1の後続右側モータ駆動基板〜第5の後続モータ駆動基板を同一仕様の基板としてもよい。こうすれば、右側モータ駆動基板4190、第1の後続右側モータ駆動基板〜第4の後続モータ駆動基板を一の生産ラインで生産し、第5の後続モータ駆動基板を他の生産ラインで生産することにより、生産量を別々に管理する必要がなくなるとともに、1つの生産ラインで右側モータ駆動基板4190、第1の後続右側モータ駆動基板〜第5の後続モータ駆動基板を生産することができる。
更に、上述した実施形態では、右側モータ駆動基板4190fに右側タイミング調整回路4190fを設けていたが、図43に示した、操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチ432a,432bからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチ432cからの検出信号が枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して周辺制御MPU4150aの操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されているため、右側モータ駆動基板4190の右側タイミング調整回路4190fと同一の機能を有するタイミング調整回路を枠装飾駆動アンプ基板194に設けてもよい。この場合、右側モータ駆動基板4190の右側タイミング調整回路4190fと同一の機能を有するタイミング調整回路には、扉側シリアル送信回路からのシリアルデータである操作ユニット検出データと、扉側シリアル送信回路に入力される周辺制御基板4140からのクロック信号と、が入力される。周辺制御基板4140、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、及び枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺制御基板4140、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして枠装飾駆動アンプ基板194という順番でそれぞれ電気配線を介して数珠繋ぎに電気的に接続されるため、これら電気配線によるC成分(コンデンサ成分)の増大による操作ユニット検出データの劣化を、右側モータ駆動基板4190の右側タイミング調整回路4190fと同一の機能を有するタイミング調整回路において、補正することができる。
更にまた、上述した実施形態では、予備配線の長さは、少なくとも、一の装飾基板を跨ぐ長さに予め設定されたが、この予備配線のほかに、図123に示した後続の各装飾基板のうち、初段の装飾基板5000と、この初段の装飾基板5000から最も遠く離れて配置される後続の装飾基板と、を電気的に接続することができる長さを有する第2予備配線が遊技盤4の裏面の所定箇所に設けられていてもよい。複数の装飾基板である後続の各種装飾基板は、遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKの入出力が入力コネクタ及び出力コネクタにより共通化され、識別情報である遊技盤側発光データSL−DATに含まれるアドレスデータの内容(アドレス)に基づいて自己に対するデータ(遊技盤側発光データSL−DATが自己に対するデータ)であるか否かをそれぞれ判断することができようになっているため、初段の装飾基板5000から最も遠く離れて配置される後続の装飾基板と、を電気的に接続することができる長さを有する第2予備配線であれば、複数の装飾基板のいずれの装飾基板に不具合が発生して使用することが困難となった場合でも、初段の装飾基板5000からその使用することが困難となった装飾基板の1つ前の装飾基板までのうち、一の装飾基板の出力コネクタ(例えば、初段の装飾基板5000の出力コネクタ)と、その使用することが困難となった装飾基板の1つ後の装飾基板の入力コネクタと、を第2予備配線により電気的に接続することによって、その使用することが困難となった装飾基板を除いて、複数の装飾基板である後続の各種装飾基板に、遊技盤側発光データSL−DAT、及び遊技盤側発光クロック信号SL−CLKを伝送することができる。
そして、上述した実施形態では、LOCKN信号出力要求データは、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を液晶表示装置1900に表示している期間や、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御MPU4150aに内蔵する液晶出力基板用シリアルI/Oポートから送信されていたが、遊技者が遊技中において、装飾図柄1900a〜1900cが停止表示された際に、図165の接続回復処理におけるステップS1546でSYNCパターン出力処理を実行した累積回数が所定回数に達したときに、送信されるようにしてもよい。SYNCパターン出力処理は、上述したように、周辺制御MPU4150aが液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aのINIT端子に対して接続確認信号を出力することにより、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aがサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0に対して所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する。この所定のデータパターン(SYNCパターン)は、サブ液晶用トランスミッタIC3420aに予め記憶されているものであってサブ液晶用レシーバICSDIC0に対して出力されるものであり、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するものである。このため、SYNCパターン出力処理が繰り返し実行されることにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に何らかのトラブルが発生して可能性がある。そこで、サブ液晶用レシーバICSDIC0というデバイスが正常に機能しているかをチェックするために、周辺制御MPU4150aに内蔵する液晶出力基板用シリアルI/OポートからLOCKN信号出力要求データを送信して、このLOCKN信号出力要求データを受信したサブ液晶用レシーバICSDIC0が応答信号としてLOCKN信号を周辺制御MPU4150aに出力すれば、周辺制御MPU4150aがサブ液晶用レシーバICSDIC0というデバイスが正常に機能していることを判断することができる。このとき、図165の接続回復処理におけるステップS1548で実行される通信エラー表示処理において、報知画像として、例えば、「サブ液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。なお、サブ液晶用レシーバICに不具合はありません。」)が液晶表示装置1900の表示領域に表示されるように制御するようにするとよい。
また、上述した実施形態では、図164に示した接続不具合判定処理においては、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力の有無を判定していたが、接続不具合判定処理が実行されるごとに、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号が入力されているか否かを直接判定してもよい。図170(a)はLOCKN信号の入力を直接判定する場合における接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートであり、図170(b)はLOCKN信号の入力を直接判定する場合における接続回復処理の一例を示すフローチャートである。
図170(a)に示すLOCKN信号の入力を直接判定する場合における接続不具合判定処理は、図164に示したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力の有無を判定する接続不具合判定処理と似たフローチャートであり、同一処理を行う処理については、図164に示した接続不具合判定処理におけるステップ番号を付した。ここでは、相違する点について詳細に説明する。LOCKN信号の入力を直接判定する場合における接続不具合判定処理が開始されると、図100に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図170(a)に示すように、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1522)。この判定は、サブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、サブ液晶用レシーバICSDIC0が、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータであると判断して、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していると判定する一方、サブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、サブ液晶用レシーバICSDIC0が、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから受信した描画データが異常なデータでない(正常なデータである)と判断して、サブ液晶用トランスミッタIC3420aとサブ液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していないと判定する。ステップS1522でサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、ステップS1528で通信異常フラグCC−FLGに値1をセットし、このルーチンを終了する一方、ステップS1522でサブ液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、ステップS1530で通信異常フラグCC−FLGに値0をセットし、このルーチンを終了する。
ここでは、通信異常フラグCC−FLGは、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であるとき値1、不具合が発生していない状態であるとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
図170(b)に示すLOCKN信号の入力を直接判定する場合における接続不具合判定処理に続いて実行される接続回復処理は、図164に示したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力の有無を判定する接続不具合判定処理に続いて実行される図165に示した接続回復処理と似たフローチャートであり、同一処理を行う処理については、図165に示した接続回復処理におけるステップ番号を付した。ここでは、相違する点について詳細に説明する。LOCKN信号の入力を直接判定する場合における接続不具合判定処理に続いて接続回復処理が開始されると、図100に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図170(b)に示すように、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが起動中であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが未起動であるときには、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGが値0であるか否かを判定する。
ここでは、通信異常フラグCC−FLGは、上述したように、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であるとき値1、不具合が発生していない状態であるとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGが値0であるとき、つまり液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生していない状態であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGが値0でない(値1である)とき、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生しているときには、ステップS1548で上述した通信エラー表示処理を行い、このルーチンを終了する。
更に、上述した実施形態では、図164に示した接続不具合判定処理においては、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力の有無を判定していたが、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間MT−SPN内に、接続不具合判定処理が実行されるごとに、LOCKN信号の入力があると判定された回数(累積回数)が累積回数上限値CC−LMTに達したか否かを判定してもよい。図171はLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間MT−SPN内に、本処理が実行されるごとに、LOCKN信号の入力があると判定された回数(累積回数)が累積回数上限値CC−LMTに達したか否かを判定する場合における接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートである。
図171に示す、LOCKN信号検出履歴情報に基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間MT−SPN内に、本処理が実行されるごとに、LOCKN信号の入力があると判定された回数(累積回数)が累積回数上限値CC−LMTに達したか否かを判定する場合における接続不具合判定処理は、図164に示したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力の有無を判定する接続不具合判定処理と似たフローチャートであり、同一処理を行う処理については、図164に示した接続不具合判定処理におけるステップ番号を付した。ここでは、相違する点について詳細に説明する。LOCKN信号検出履歴情報に基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間MT−SPN内に、本処理が実行されるごとに、LOCKN信号の入力があると判定された回数(累積回数)が累積回数上限値に達したか否かを判定する場合における接続不具合判定処理が開始されると、図100に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図171に示すように、監視フラグM−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1515)。この監視フラッグM−FLGは、前回の本ルーチンである接続不具合判定処理においてLOCKN信号検出履歴情報に基づいてLOCKN信号の入力の有無を示すフラグであり、LOCKN信号の入力があると判定されたとき値1、LOCKN信号の入力がないと判定されたとき値0がそれぞれ設定される。ステップS1515で監視フラグM−FLGが値1であるとき、つまり前回の本ルーチンである接続不具合判定処理においてLOCKN信号検出履歴情報に基づいてLOCKN信号の入力があると判定されたときには、監視タイマカウンタMT−CNTに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1517)。この監視タイマカウンタMT−CNTは、LOCKN信号の入力があると判定されたときから本ルーチン(本処理)が実行されるごとに、カウントアップされるカウンタであり、本ルーチンが、上述したように、図154に示した周辺制御部電源投入時処理における周辺制御定常処理のステップS1024の警告処理の一処理として実行され、この周辺制御定常処理が16msごとに繰り返し実行されるため、監視タイマカウンタMT−CNTの値に16msを掛け合わせた値がLOCKN信号の入力があると判定されたときからの経過時間となる。
ステップS1517に続いて、又はステップS1515で監視フラグM−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり前回の本ルーチンである接続不具合判定処理においてLOCKN信号検出履歴情報に基づいてLOCKN信号の入力がないと判定されたときには、ステップS1520で、図101に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの描画状態情報取得記憶領域4150cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出し、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているか否かを判定する。ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているときには、監視フラッグM−FLGに値1をセットし(ステップS1523)、ステップS1524で、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定して通信チェックカウンタCC−CNTに値1だけ足し(インクリメントし)、監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間MT−SPN内であるか否かを判定する(ステップS1525)。
監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間MT−SPN内であるときには、ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTが累積回数上限値CC−LMTより小さいか否かを判定する。通信チェックカウンタCC−CNTが累積回数上限値CC−LMTより小さいとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、ステップS1528で通信異常フラグCC−FLGに値0をセットし、このルーチンを終了する一方、通信チェックカウンタCC−CNTが累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときには、ステップS1530で通信異常フラグCC−FLGに値1をセットし、監視フラグM−FLGに値0をセットし(ステップS1532)、監視タイマカウンタMT−CNTに値0をセットし(ステップS1534)、このルーチンを終了する。
ここで、通信異常フラグCC−FLGは、図164において説明したように、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
ステップS1532で監視フラグM−FLGに値0がセットされ、ステップS1534で監視タイマカウンタMT−CNTに値0がセットされることにより、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間MT−SPN内に、本処理が実行されるごとに、LOCKN信号の入力があると判定された回数(累積回数)が累積回数上限値CC−LMTに達したか否かを繰り返し判定することができる。これにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときであっても、本処理が実行されるごとに、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを再び監視することができるようになっている。
一方、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致していないときには、監視フラグM−FLGに値0をセットし(ステップS1536)、監視タイマカウンタMT−CNTに値0をセットし(ステップS1538)、このルーチンを終了する。またステップS1525で監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間MT−SPN内でないとき、つまり監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間MT−SPNを超えたときにおいても、ステップS1538で監視タイマカウンタMT−CNTに値0をセットし、このルーチンを終了する。ステップS1536で監視フラグM−FLGが値0がセットされ、ステップS1538で監視タイマカウンタMT−CNTが値0がセットされることにより、本処理が実行されるごとに、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを再び監視することができるようになっている。
LOCKN信号検出履歴情報に基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間MT−SPN内に、本処理が実行されるごとに、LOCKN信号の入力があると判定された回数(累積回数)が累積回数上限値CC−LMTに達したか否かを判定する場合における接続不具合判定処理に続いて図165に示した接続回復処理が実行されるようになっている。なお、監視フラグM−FLG、監視タイマカウンタMT−CNT、及び通信チェックカウンタCC−CNTは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の監視フラグM−FLG、監視タイマカウンタMT−CNT、及び通信チェックカウンタCC−CNTの値にそれぞれ復元されるようになっている。
このように、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間MT−SPN内であっても、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力がないと一度でも判定されると、ステップS1536で監視フラグM−FLGに値0がセットされ、ステップS1538で監視タイマカウンタMT−CNTに値0がセットされることにより、本処理が実行されるごとに、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを再び監視することができるようになっている。なお、ステップS1525で監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間MT−SPN内でないとき、つまり監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間MT−SPNを超える(タイムアウトする)と、ステップS1538で監視タイマカウンタMT−CNTに値0がセットされるようになっているが、実際には、ステップS1525でタイムアウトするまえに、ステップS1522でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力がないと一度でも判定されると、ステップS1538で監視タイマカウンタMT−CNTがセットされるし、又は、ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTが累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときには、ステップS1534で監視タイマカウンタMT−CNTに値0がセットされるようになっている。
更にまた、上述した実施形態では、図164に示した接続不具合判定処理においては、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力の有無を判定していたが、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定してもよい。図172(a)はLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定する場合における接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートであり、図172(b)はLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定する場合における接続回復処理の一例を示すフローチャートである。
図172(a)に示す、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、本処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定する場合における接続不具合判定処理は、図164に示したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力の有無を判定する接続不具合判定処理と似たフローチャートであり、同一処理を行う処理については、図164に示した接続不具合判定処理におけるステップ番号を付した。ここでは、相違する点について詳細に説明する。LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、本処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定する場合における接続不具合判定処理が開始されると、図100に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図172(a)に示すように、ステップS1520で、図101に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの描画状態情報取得記憶領域4150cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出し、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているか否かを判定する。ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているときには、監視タイマカウンタMT−CNTに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1524’)。この監視タイマカウンタMT−CNTは、LOCKN信号の入力があると判定されたときから本ルーチン(本処理)が実行されるごとに、カウントアップされるカウンタであり、本ルーチンが、上述したように、図154に示した周辺制御部電源投入時処理における周辺制御定常処理のステップS1024の警告処理の一処理として実行され、この周辺制御定常処理が16msごとに繰り返し実行されるため、監視タイマカウンタMT−CNTの値に16msを掛け合わせた値がLOCKN信号の入力があると判定されたときからの経過時間となる。
ステップS1524’に続いて、監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間LMT内であるか否かを判定する(ステップS1527)。この判定では、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、本処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があり、このLOCKN信号が入力されている時間が所定期間LMTに達しているか否かを判定する。
ステップS1527で監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間LMT内であるとき、つまりLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、本処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があり、このLOCKN信号が入力されている時間が所定期間LMTに達していないときには、ステップS1528で通信異常フラグFLGに値0をセットし、このルーチンを終了する一方、ステップS1527で監視タイマカウンタMT−CNTの値に基づいて換算した時間が所定期間LMT内でないとき、つまりLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、本処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があり、このLOCKN信号が入力されている時間が所定期間LMTに達しているときには、ステップS1530で通信異常フラグFLGに値1をセットし、監視タイマカウンタMT−CNTに値0をセットし(ステップS1534)、このルーチンを終了する。
ここでは、通信異常フラグCC−FLGは、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、図172(a)に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるとき値1、連続してLOCKN信号の入力がないとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
ステップS1534で監視タイマカウンタMT−CNTに値0がセットされることにより、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、本処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを繰り返し判定することができる。これにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が所定期間LMT継続しているときであっても、本処理が実行されるごとに、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを再び監視することができるようになっている。
一方、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致していないときには、監視タイマカウンタMT−CNTに値0をセットし(ステップS1538)、このルーチンを終了する。ステップS1538で監視タイマカウンタMT−CNTが値0がセットされることにより、本処理が実行されるごとに、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを再び監視することができるようになっている。なお、監視タイマカウンタMT−CNTは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の監視タイマカウンタMT−CNTの値にそれぞれ復元されるようになっている。
図172(b)に示す、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定する場合における接続不具合判定処理に続いて実行される接続回復処理は、図164に示したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力の有無を判定する接続不具合判定処理に続いて実行される図165に示した接続回復処理と似たフローチャートであり、同一処理を行う処理については、図165に示した接続回復処理におけるステップ番号を付した。ここでは、相違する点について詳細に説明する。LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるか否かを判定する場合における接続不具合判定処理に続いて接続回復処理が開始されると、図100に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図172(b)に示すように、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが起動中であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが未起動であるときには、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGが値0であるか否かを判定する。
ここでは、通信異常フラグCC−FLGは、上述したように、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、図172(a)に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるとき値1、連続してLOCKN信号の入力がないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGが値0であるとき、つまり液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、図172(a)に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力がないときには、ステップS1546で上述したSYNCパターン出力処理を行い、このルーチンを終了する一方、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGが値0でない(値1である)とき、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aと、サブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTに基づいてLOCKN信号の入力があると判定されてから所定期間LMTだけ、図172(a)に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、連続してLOCKN信号の入力があるときには、ステップS1548で上述した通信エラー表示処理を行い、このルーチンを終了する。
そして、上述した実施形態では、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値とサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度との関係は、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)から最大抵抗値である100Ωに向かって可変されるに従い、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値の変化量に対する合成抵抗値の変化量が小さくなることによりサブ液晶表示装置3450のバックライトに流れる電流の変化量を小さくして輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値の変化量に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の変化量が小さくなる曲線状に変化するという特性(図121(a)の実線の曲線に示した特性曲線)を有していたが、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値とサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度との関係は、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が最大抵抗値である100Ωから最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)に向かって可変されるに従い、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値の変化量に対する合成抵抗値の変化量が小さくなることによりサブ液晶表示装置3450のバックライトに流れる電流の変化量を小さくして輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値の変化量に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の変化量が小さくなる曲線状に変化するという特性(特性曲線)を有するようにLED電流調整回路3425f、及び輝度調整回路3425gをそれぞれ構成してもよい。このように構成しても、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値が最大抵抗値である100Ωから最小抵抗値である0Ω(ゼロΩ)に向かって可変されるに従い、輝度調整ボリュームSDVR0の可変操作に対するサブ液晶表示装置3450のバックライトの輝度の特性曲線の傾きが小さくなることで、本願発明と同様に、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値である約38Ωの手前まで素早く近づけることができるとともに、目標抵抗値である約38Ωの手前まで近づけると、特性曲線の傾きが目標抵抗値に近づくにつれて小さくなって、輝度調整ボリュームSDVR0を可変操作する操作量を、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値に近づくにつれて拡大させることにより、輝度調整ボリュームSDVR0の抵抗値を目標抵抗値である約38Ωに徐々に近づけることができ、調整し易い。したがって、バックライトの輝度の微調整を容易に行うことができる。
また、上述した実施形態では、扉枠5における皿ユニット300の上部中央に操作ユニット400が取付けられているたが、皿ユニット300の上部中央に操作ユニット400が取付けられると共に、皿ユニット300の右側に図95に示したサブ液晶表示装置3450が上皿側液晶表示装置470として取付けられていてもよい。図173は、図20等の例とは異なる実施形態の扉枠を左前方から見た斜視図であり、皿ユニット300の上部中央に操作ユニット400が取付けられると共に、皿ユニット300の右側に上皿側液晶表示装置470が取付けられる扉枠5’
を左前方から見た斜視図である。扉枠5’における皿ユニット300について簡単に説明すると、図173に示すように、皿ユニット300の上部中央には、操作ユニット400が取付けられる操作ユニット取付部314cが形成され、この操作ユニット取付部314cの右側に上皿側液晶表示装置470を取付けるための液晶取付部314dが形成される。液晶取付部314dが形成される上皿上部パネル314の形状は、板状に形成されており、この部分を例えば遊技者が手で下に向かって押しつけると下方向にたわむようになっており、その押しつける力が所定の力を超えると、上皿上部パネル314が壊れるようになっている。これは、上皿側液晶表示装置470が高価なものであるため、上皿側液晶表示装置470の画面を遊技者が手を押しつけた際に、その力を上皿上部パネル314で受けることにより上皿上部パネル314をたわませることで上皿側液晶表示装置470が破損しないようにしている。つまり、上皿側液晶表示装置470が破損する前に上皿上部パネル314が先に破損するという構造が採用されている。扉枠5と扉枠5’との相違点は、上述したように、扉枠5における皿ユニット300の上部中央に操作ユニット400が取付けられているのに対し、扉枠5’における皿ユニット300の上部中央に操作ユニット400が取付けられると共に、皿ユニット300の右側に上皿側液晶表示装置470が取付けられた点である。上記以外の小さな相違点は、扉枠5における皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400のカバー本体426及び表面カバー428の形状が上皿側液晶表示装置470と干渉しないように形成されている点と、これに伴い扉枠5における皿ユニット300の上部中央に形成される操作ユニット取付部314cの形状も上皿側液晶表示装置470と干渉しないように形成されている点と、扉枠5における皿ユニット300の上皿前部装飾部材316、上皿上部レンズ318、及び上皿上部インナーレンズ319等の形状が上皿側液晶表示装置470と干渉しないように形成されている点であり、上記以外の相違点はほとんどない。
この場合、サブ液晶表示装置3450を駆動するためのサブ液晶駆動基板3425が収容されるサブ液晶駆動基板ボックス3430は遊技盤4から扉枠5’に備えられることとなるため、図100及び図102に示したように、液晶出力基板3420、サブ液晶中継基板3422、そしてサブ液晶駆動基板3425までの経路は、液晶出力基板3420、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そしてサブ液晶駆動基板3425という経路となり、チャンネルCH2からサブ液晶表示装置3450までの経路に要する配線の長さが極めて長くなる。このため、ノイズの影響を極めて受けやすくなる。このように、描画データを送るための配線の長さが長くなるというチャンネルCH2に対しては、上述したように、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。なお、サブ液晶中継基板3422は、遊技盤4側に備えることとなる。
遊技盤4を新しい遊技仕様のものに交換することで遊技盤自体を所定期間(例えば、3ヶ月や6ヶ月)ごとに交換されるが、皿ユニット300の右側にサブ液晶表示装置3450が上皿側液晶表示装置470として取付けられることにより、工場出荷して廃棄処分されるまでの間、上皿側液晶表示装置470が交換されることがないため、液晶出力基板3420、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そしてサブ液晶駆動基板3425という経路、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aからサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0までに亘る経路、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生したとしても、上述したように、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから送信される画像を受信してサブ液晶表示装置3450に出力するサブ液晶用レシーバICSDIC0は、サブ液晶用トランスミッタIC3420aから送信される画像を正常に受信できないときにはサブ液晶用レシーバICSDIC0とサブ液晶用トランスミッタIC3420aとの画像通信間において通信不具合が発生している旨を伝える通信不具合発生信号であるLOCKN信号を演出制御マイクロプロセッサである周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力することができるようになっているため、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU4150aは、所定のデータパターン(SYNCパターン)をサブ液晶用トランスミッタIC3420aからサブ液晶用レシーバICSDIC0へ送信開始する旨を伝える接続確認信号をサブ液晶用トランスミッタIC3420aに出力することにより、画像通信間における通信不具合を解消させることができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU4150aは、画像通信間における通信不具合によるサブ液晶表示装置3450の不具合を早期に発見して、その不具合を解消させるようにサブ液晶用トランスミッタIC3420aに働きかけることができるようになっている。これにより、工場出荷して廃棄処分されるまでの間、交換されることがない上皿側液晶表示装置470に対して、液晶出力基板3420に備えるサブ液晶用トランスミッタIC3420aからサブ液晶駆動基板3425に備えるサブ液晶用レシーバICSDIC0までに亘る経路、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生したとしても、自動的にその不具合を解消することができるようになっているため、扉枠5’を長く使用することができるし、また扉枠5’が中古商品として出回るようになったとしても、扉枠5’を長く使用することができ、扉枠5’の寿命を長くすることができる。なお、詳細に説明した、図154〜図166、及び図169〜図172における各処理や演出等を、皿ユニット300の右側にサブ液晶表示装置3450が上皿側液晶表示装置470として取付けられる場合においても、実施し得ることはいうまでもない。
更に、上述した実施形態では、パチンコ遊技機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。
1…パチンコ遊技機(遊技機)、2…外枠、3…本体枠、4…遊技盤、5…扉枠、130…サイドスピーカ、222…右上部スピーカ、262…左上部スピーカ、301…上皿(球受け皿)、821…下部スピーカ、400…操作ユニット、401…ダイヤル操作部、405…押圧操作部、500…ハンドル装置(発射操作装置)、506…ハンドル本体(発射操作本体)、512…タッチセンサ部(接触位置検出手段)、513…レベル表示部、650…打球発射装置(打球発射装置)、1100…遊技領域、1900…液晶表示装置、2101…上始動口、2102…下始動口、3420…液晶出力基板、3420a…サブ液晶用トランスミッタIC、3420c…強制切替回路、3420d…差動化回路、3425…サブ液晶駆動基板、3425b…バックライト電源回路、3425f…LED電流調整回路、3425g…輝度調整回路、3430…サブ液晶駆動基板ボックス、3430a…調整孔、3450…サブ液晶表示装置、4100…主制御基板、4100a…主制御MPU、4110…払出制御基板、4110b…停電監視回路、4130…発射制御基板(発射制御手段)、4140…周辺制御基板、4140a…音量調整ボリューム、4150…周辺制御部、4150a…周辺制御MPU、4150b…周辺制御ROM、4150c…周辺制御RAM、4160…液晶及び音制御部、4160a…音源内蔵VDP、4160b…液晶及び音制御ROM、4170…ランプ駆動基板、4180…左側モータ駆動基板、4180f…左側タイミング調整回路、4190…右側モータ駆動基板、5000…装飾基板、5000a…フィルタ回路、5000b…シュミット付バッファ回路、5000ba…第1のシュミット付バッファ回路、5000bb…第2のシュミット付バッファ回路、DLCN0…入力コネクタ、DLCN1…出力コネクタ、DLCN2〜DLCN5…出力コネクタ、DLIC0…LED駆動IC、NC…ノイズ除去回路、SDIC0…サブ液晶用レシーバIC、SDR5…抵抗、SDR6…抵抗、SDVR0…輝度調整ボリューム、VRGN0…音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAMの画面領域、VRGN1…音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAMの画面外領域。

Claims (1)

  1. 発射操作装置が操作されることにより遊技盤に区画形成される遊技領域に向かって打球発射装置による球受け皿に貯留された遊技球の発射を制御する発射制御手段を備える遊技機であって、
    前記発射操作装置は、少なくとも、
    遊技者の操作によりその操作量に見合う発射強度を設定することができる発射操作本体
    を備え、
    前記発射制御手段は、前記発射操作本体を遊技者が操作してその操作量に見合う発射強度となるように前記打球発射装置を制御し、
    前記発射操作本体は、遊技者により操作された状態で、その遊技者が手首に疲れを感じ難くい位置へ可動されることを特徴とする遊技機。
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