JP4358766B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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当初は、パーシモンを始めとする木製のヘッドが主流であったが、その後、製造技術や素材の進歩によりカーボン(CFRP)製が登場し、さらには鋳造技術,金型技術も進歩して金属(ステンレスやアルミニウム,チタン)製のヘッドが登場した。
しかし、ヘッドの大型化に伴い、製造技術も限界に近くなり、中空なヘッドの外殻体の肉薄化も限界に近づき、重心位置設計や適正ヘッド重量の設計の自由度もなくなりつつあったが、図11に示すように、昨今、チタンで形成された中空なヘッド本体1のクラウン部3にその周縁部5を残して開口部7を設けると共に、当該開口部7を覆ってカーボン繊維やガラス繊維を強化繊維とする繊維強化樹脂製のプレート部材9をクラウン部3に装着した複合ヘッド11が開示されており、斯様にクラウン部3の一部をヘッド本体1に比し比重の小さい繊維強化樹脂で構成することで、重量余力がでて設計の自由度が増し、重心位置の調整が容易となった(特許文献1参照)。
一方、図12のヘッド11-1は、開口部7-1を横断するブリッジ部13をヘッド本体1-1の前後方向に架設した構造上、クラウン部3-1の補強が図れ、また、ブリッジ部13に沿って振動がヘッド本体1-1の後方へと伝達されるため、上記ヘッド11に比しヘッドの打球音の残響効果が得られるものの、ブリッジ部13に当接するプレート部材9によって振動が減衰されるため、残響音が短く依然として心地良い金属音が得られないという不具合が指摘されている。
そして、請求項2に係る発明によれば、ヘッド本体のフェース部と直交してブリッジ部をヘッド本体の前後方向に設けることで、ブリッジ部を介して振動がヘッドのバック側に伝達し易くなるため、更に残響音を長くすることができ、また、請求項3に係る発明によれば、クラウン部の強度が偏らず、ブリッジ部を伝達する振動のバランスが良好となって心地良い打球音を得ることができる。
図1乃至図4は請求項1及び請求項2に係るヘッドの第一実施形態を示し、図1及び図2に於て、15はフェース部17とクラウン部(トップ部)19,ソール部21,サイド部(側壁部)23がチタン合金で一体に鋳造された中空なヘッド本体で、ヘッド本体15のヒール側には、クラウン部19からソール部21に亘ってシャフト止着孔25が貫通する筒状のシャフト止着部(図示せず)が、ヒール壁27とフェース部17との間に間隙を開けてヘッド本体15に一体成形されており、図2に示すようにシャフト止着部は、ヘッド本体15の上方へ突出してホーゼル部29を形成している。
また、図2及び図3に示すようにフェース部17の中央には、チタン等の高強度材で形成されたフェースプレート35が取り付く開口部37が設けられており、当該開口部37にフェースプレート35が溶接されてヘッド39の打球面が形成されている。そして、図1に示すようにフェースプレート35の表面には複数本のスコアライン41がトゥ,ヒール方向に設けられており、フェースプレート35とフェース部17で形成されるヘッド39の打球面は略同曲率の面とされている。
プレート部材47は、カーボン繊維やガラス繊維に、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂等のマトリックスを含浸した半硬化状のプリプレグシートを所定形状に裁断して積層した後、これらを炉内で所定の圧力下で焼成して形成されており、図3に示すようにプレート部材47は、ヘッド本体15と共にやや丸みを帯びたヘッド39の外形形状を形成するため、曲率半径R2の断面円弧状に形成されている。
図4に示すようにブリッジ部51は、ヘッド本体15のトゥ,ヒール方向の中心線上を、ヘッド本体15の前後方向へ一定幅mでフェース部17と直交して帯状(短冊状)に形成されており、ブリッジ部51はヘッド本体15の形成時にクラウン部19やサイド部23と一体に形成される。
また、図12及び図13のヘッド11-1では、ブリッジ部13に沿ってプレート部材9を形成して両者を接合しているが、一般的に周縁部3-1に比し内方(ブリッジ部13を設けた処)は形状が安定し難い。このため、図13の如くブリッジ部13でプレート部材9を支持した構成の場合、商品によってはブリッジ部13とプレート部材9との間に隙間が生じて商品毎に打球音が安定しなくなる不具合があるが、本実施形態によれば、斯かる不具合が発生することもない。
更にまた、上記実施形態ではヘッド本体15をチタン合金で形成したが、ヘッド本体をチタンやアルミニウム,ステンレス合金等で形成してもよく、これらの各実施形態によっても、上記実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
図示するように2つのブリッジ部55,57は、ヘッド本体15-1のトゥ,ヒール方向の中心線を挟んで左右に、夫々、ヘッド本体15-1の前後方向へ前記ブリッジ部51と同一幅mでフェース部17と直交して一体に形成されている。そして、図6に示すように本実施形態に於ても、両ブリッジ部55,57はプレート部材47に比し大きな曲率半径R2(曲率半径R1>曲率半径R2)で形成されており、斯様にプレート部材47に比し両ブリッジ部55,57を大きな曲率半径R2で形成することで、プレート部材47との間に隙間を積極的に形成して、両ブリッジ部55,57をプレート部材47から離間させている。
而して、本実施形態によれば、既述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することができることは勿論、図8に示すようにブリッジ部61とプレート部材47との間に形成される空間を図1の実施形態に比し大きくすることができるため、ブリッジ部61が振動し易くなって、より良好な金属音を発生させることができる利点を有する。
図9は請求項1乃至請求項3の一実施形態に係るヘッドのヘッド本体を示し、本実施形態は、ヘッド本体15-3のクラウン部19に設けた開口部63を2つの分割開口部63-1,63-2に区画する1つのブリッジ部65を、図示しない前記プレート部材と離間してヘッド本体15-3の前後方向へフェース部17と直交して形成するに当たり、2つの分割開口部63-1,63-2の面積S1,S2が等しく(S1=S2)なるように、ブリッジ部65を同一幅nをもってバック側へ平面視円弧状に湾曲させたものである。
また、図10は請求項1及び請求項2の第四実施形態に係るヘッドのヘッド本体を示し、本実施形態は、ヘッド本体15-4のクラウン部19に設けた開口部67を2つの分割開口部67-1,67-2に区画する1つのブリッジ部69を、図示しない前記プレート部材と離間してヘッド本体15-4の前後方向へフェース部17と直交して形成するに当たり、ブリッジ部69の幅をフェース側からバック側へと順次幅広(x>y)に形成して、ブリッジ部69のバック側の剛性を上げると共に、フェース側を撓み易くしたものである。
また、ブリッジ部は帯状(短冊状)に限らず形状は任意で、断面T字状として内方へ向けてリブを形成してもよい。
而して、斯様にリブを設けることで、リブによる音質の調整ができ、また、ブリッジ部の強度が向上するため、幅方向での音質調整ができることとなる。
17 フェース部
19 クラウン部
35 フェースプレート
39,39-1,39-2 ヘッド
43 周縁部
45,53,59,63,67 開口部
45-1,45-2,53-1,53-2,53-3,59-1,59-2,63-1,63-2,67-1,67-2 分割開口部
47 プレート部材
49 突当部
51,55,57,61,65,69 ブリッジ部
Claims (3)
- クラウン部に開口部を有する中空なヘッド本体を金属材料で形成し、当該開口部を覆ってクラウン部に繊維強化樹脂製のプレート部材を装着した中空外殻体構造のゴルフクラブヘッドに於て、
上記開口部の縁部間に、当該開口部を複数に区画するブリッジ部を上記プレート部材と離間して架設したことを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - ブリッジ部は、ヘッド本体のフェース部と直交してヘッド本体の前後方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
- ブリッジ部で区画された複数の開口部は、同一の面積に区画されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
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