JP2008200319A - ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部およびサイド部を有し、フェース部、ソール部、クラウン部およびサイド部により外殻構造が構成されたものである。これらソール部、クラウン部およびサイド部のうち、少なくとも1つの部材は、フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を有する。この領域と略同一な平板部材が領域と所定の間隔を設けて領域に対向して設けられている。
【選択図】図2
Description
ゴルフクラブヘッドにおいて、CFRPを主材とするものは、打球音が小さい。また、ゴルフクラブヘッドにおいて、金属材料を主材とするものは、ゴルフボールを打撃する際の反発特性を向上するためにフェース部材の肉厚を薄くし、しかもゴルフクラブヘッドの体積を大きくしている。このため、ゴルファにとって好ましくない打球音となってしまう場合もある。
このため、ゴルフボール打撃時の音響特性がゴルファにとって好ましくない場合、ゴルフボールの打撃の良し悪しを判断することが困難となるほか、ゴルフボールの打撃に爽快感を求めることもできないものとなってしまう。
そこで、打球音の残響感を伸ばしたり、音色を調整するために、ゴルフクラブヘッドの内部にリブなどを設けて剛性変化をつけ、打球音を調節することがなされている。これ以外にも、打球音の残響感を伸ばしたり、音色を調整するために、様々な工夫が施されたゴルフクラブヘッドが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、本発明においては、前記領域の前記曲率半径は、最小曲率半径が300mm以上であり、前記領域の大きさが前記フェース面の面積の30〜120%であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記領域は、前記ソール部、前記クラウン部および前記サイド部のうち、設けられた少なくとも1つの部材について、その中心を含むものであることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記領域は、その外縁にリブが形成されるか、または前記外縁に肉盛部が形成されて、設けられた部材における他の領域と分離されており、前記平板部材の外縁が略全周に亘り前記リブまたは前記肉盛部に接合されていることが好ましい。
また、本発明においては、前記領域と前記平板部材とが平行に設けられていることが好ましい。
また、本発明においては、前記領域は、平面状に形成されていることが好ましい。
なお、本発明においては、ゴルフクラブヘッドを水平面上に通常のアドレスポジションに設置したとき、前記領域は、前記水平面と平行であることが好ましい。
ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部により中空の外殻構造が構成されるものであり、ソール部、クラウン部、およびサイド部のうち、少なくとも1つの部材について、フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を設け、この領域と略同一な平板部材を、領域に対して所定の間隔を設けて領域に対向して配置する構成にすることにより、ゴルフボールを打撃したときに、領域における部材と平板部材とがそれぞれ共振し、領域における部材と平板部材との振幅が大きくなり、打球音を大きくできるとともに、残響を伸ばすことができる。
ゴルフクラブヘッド20は、フェース部22、ソール部24、クラウン部26、サイド部28、29およびホーゼル部30を有する中空構造体である。このゴルフクラブヘッド20は、一般的にウッドタイプと呼ばれる種類のヘッドである。
なお、ゴルフクラブシャフト40は、ゴルフクラブヘッド20に必ずしもソケット42を用いて取り付けられる必要はなく、ゴルフクラブによっては、ソケットを用いることなく、ゴルフクラブヘッドに直接ゴルフクラブシャフトが固定されるものもある。
なお、フェース部22の形態は、平板状でもよく、一般にカップフェースと呼ばれている形態のものでもよい。
ここで、フェース部22のフェース面23の最小曲率半径とは、フェース面23のトウ−ヒール方向およびソール−クラウン方向等、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
また、本実施形態において、領域50の最小曲率半径がフェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
この隙間56は、領域50の全域に亘り一定であることが好ましい。すなわち、領域50と平板部材54とが互いの面が平行に設けられていることが好ましい。
また、領域50と、平板部材54との形状が同一であることが好ましい。このように、領域50と、平板部材54とを、同一形状とすることにより、モード形状が同じになるため、より共振が起こりやすくなる。
さらに、リブ52の高さ(隙間56の高さ)は、5mm以下であることが好ましい。これにより、効果的に打球音を大きくし、残響を長くすることができる。
なお、平板部材54は、ソール部24と材質が同じでも、異なっていてもよい。また、平板部材54は、その厚さについてもソール部24と同じでも、異なっていてもよい。
さらには、打球音を大きくすることができるため、打球音がもともと小さいゴルフクラブヘッドについて、その打球音を大きくすることができる。特に、打球音が小さいカーボン製のフェース部を有するゴルフクラブヘッドに対しては効果的である。
領域50の最小曲率半径、および平板部材54の最小曲率半径を、それぞれ300mm以上とし、領域50の大きさ(面積)および平板部材54の大きさ(面積)を、それぞれフェース面23の面積の30〜120%とすることにより、領域50および平板部材54が、それぞれ面として振動しやすくなり、十分な振幅が得られる。これにより、打球音がより大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも一層長くなる。
ここで、領域50および平板部材54における最小曲率半径とは、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
このように、設ける部材(ソール部24、クラウン部26、およびサイド部28、29)の中心を含めることにより、打球時に生じる大きな変形を利用することができ、打球音をより大きくでき、更には残響をより長くすることができる。
また、サイド部28における中心C1およびサイド部29における中心C2とは、それぞれ、ゴルフクラブヘッド20の高さH(図1(b)参照)の半分の位置を通る線H1(図1(b)参照)を含む水平面Bに水平な面とゴルフクラブヘッド20の長さL(図3参照)における半分の位置を通る線L1を含む水平面Bに垂直な面とが交わる交線と、各サイド部28、29とが交わる点のことである。
なお、ゴルフクラブヘッド20のヒールの最後端をはっきり決めにくい場合、ゴルフクラブヘッド20のヒールは、ゴルフクラブヘッド20において、水平面Bから0.875インチ(22.23mm)の上方のところと見なされる。
また、チタン合金として、JFEホールディング社製、SP700(商品名(組成:Ti−4.5Al−3V−2Mo−2Fe))を用いることができる。
さらには、チタン合金として、大同特殊鋼社製、VLTi(商品名(組成:Ti−6Al−1Fe))および大同特殊鋼社製、CATi(商品名(組成:Ti−3Al−13Cr−1F))ならびに新日本製鉄社製、51AF(商品名(組成:Ti−5Al−1Fe))を用いることができる。
ここで、図4は、本発明のゴルフクラブヘッドの打球音および残響を測定する測定システムを示す模式図である。
図4に示すように、測定システム100は、バイノーラル録音部102と、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)108と、アンプ110と、ヘッドフォン112とを有するものである。
バイノーラル録音部102では、人間の頭部を模したダミーヘッド104の外耳道入口部分104aにマイク106を設けることにより、任意の人物の頭部の位置がダミーヘッド104と同じ位置である場合に、この任意の人物の外耳道入口部分に到達する音情報と同様の音情報を、マイク106が受けることを可能としている。これにより、マイク106によって、任意の人物の頭部の位置がダミーヘッド104と同じ位置である場合に、任意の人物が聞く打球音の情報とほぼ同じ音の情報を表す電気信号を取得することができる。バイノーラル録音部102では、ダミーヘッド104の各マイク106それぞれにおいて音情報を取得し、各マイク106で取得された打球音の情報の電気信号は、PC108に送られる。
また、PC20は、打球音情報を解析する機能を有するものである。このPC108により、打球音のデジタル情報が解析されて、打球音の大きさ、および残響が算出される。
また、アンプ110を介してヘッドフォン112がPC108に接続されている。これにより、測定された打球音を測定者が聞くことができる。
さらに、本発明において、残響とは、得られた打球音の情報の全音域のエネルギーの合計を対数で表わしたとき、この対数で表わされる合計の最大値(全音域のエネルギーの合計)から30デシベル(dB)下がるまでの時間のことである。
なお、本発明の打球音および残響について測定することができるものであれば、測定システム100は上記構成に特に限定されるものではない。
また、バイノーラル録音部102としては、例えば、小野測器社製のSQ−3110を用いることができる。また、マイク106に、騒音計を用いることもできる。
図5は、本発明の実施形態のゴルフクラブヘッドの第1の変形例に係るゴルフクラブヘッドを示す模式的側断面図である。
なお、本第1の変形例において、図1〜図3に示す実施形態のゴルフクラブ10(ゴルフクラブヘッド20)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においても、領域70の最小曲率半径がフェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
さらに、本実施形態においても、領域70は、最小曲率半径を300mm以上とし、領域70の大きさ(面積)をフェース面23の面積の30〜120%とすることがより好ましい。これにより、領域70が面として振動しやすくなり、十分な振幅が得られる。このため、打球音がより大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも一層長くなる。
ここで、領域70における最小曲率半径とは、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
ゴルフクラブヘッド60の内部60aには、領域70の外縁にリブ52が形成されており、隙間56を設けて平板部材54が領域70と互いの面が平行に設けられている。
このような構成により、本第1の変形例のゴルフクラブヘッド60においても、実施形態と同様の効果を得ることができ、打球音が大きくかつ、打球音の残響が長い。
また、領域70と、平板部材54との形状が同一であることが好ましい。このように、領域70と、平板部材54とを、同一形状とすることにより、モード形状が同じになるため、より共振が起こりやすくなる。
図6は、本発明の実施形態のゴルフクラブヘッドの第2の変形例に係るゴルフクラブヘッドの要部を示す模式的部分側断面図である。
なお、本第2の変形例において、図1〜図3に示す実施形態のゴルフクラブ10(ゴルフクラブヘッド20)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
また、本第2の変形例においても、領域74の最小曲率半径がフェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
また、平板部材78においても、領域74による凹部76を覆うように接合することができれば、ソール部72の材質と同じであっても、また異なっていてもよい。平板部材78の曲率半径についても、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率が大きければ、領域74と同じでなくてもよい。また、平板部材78の最小曲率半径も、フェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
ここで、領域74および平板部材78における最小曲率半径とは、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
このようなことから、本第2の変形例のゴルフクラブヘッド62においても、実施形態と同様の効果を得ることができ、打球音が大きくかつ、打球音の残響が長い。
20、60、62 ゴルフクラブヘッド
22 フェース部
23 フェース面
24、24a、72 ソール部
26 クラウン部
28、29 サイド部
30 ホーゼル部
32、44 開口部
40 ゴルフクラブシャフト
50、70、74 領域
52 リブ
54、78 平板部材
54a、78a 外縁
76 凹部
100 測定システム
102 バイノーラル録音部
108 パーソナルコンピュータ(PC)
110 アンプ
112 ヘッドフォン
Claims (7)
- ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を有し、前記フェース部、前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部により外殻構造が構成されたゴルフクラブヘッドであって、
前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部のうち、少なくとも1つの部材は、前記フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を有し、
前記領域と略同一な平板部材が前記領域と所定の間隔を設けて前記領域に対向して設けられていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記領域の前記曲率半径は、最小曲率半径が300mm以上であり、前記領域の大きさが前記フェース面の面積の30〜120%である請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記領域は、前記ソール部、前記クラウン部および前記サイド部のうち、設けられた少なくとも1つの部材について、その中心を含むものである請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記領域は、その外縁にリブが形成されるか、または前記外縁に肉盛部が形成されて、設けられた部材における他の領域と分離されており、前記平板部材の外縁が略全周に亘り前記リブまたは前記肉盛部に接合されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記領域と前記平板部材とが平行に設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記領域は、平面状に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記請求項1〜6のいずれか1項のゴルフクラブヘッドと、前記ゴルフクラブヘッドに取り付けられるゴルフクラブシャフトとを有することを特徴とするゴルフクラブ。
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JP2007040638A JP2008200319A (ja) | 2007-02-21 | 2007-02-21 | ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ |
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- 2007-02-21 JP JP2007040638A patent/JP2008200319A/ja active Pending
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