JP4044382B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、打球音を向上しうるゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、ゴルフクラブヘッドの開発は、飛距離の増大、方向性の安定化などの打球性能を主眼として行われてきたが、近年では打球音といった感性の部分についても種々研究がなされている。例えば特開2001−231892号公報や特開2001−231893号公報には、打球音の音圧レベルを規定することが記載されている。また特開平11−299937号公報には、ヘッドの内部に音響振動体や音響調整部材を配設して打球音を改善することが記載されている。さらに、特開平10−179817号公報には、フェース材料に所定の熱処理などを施すことによって、打球音残響性を高めることが記載されている。
【0003】
発明者らは、近年の大型ヘッドの打球音を分析して種々の実験を行ったところ、打球音の最大音圧レベルを示す周波数F1と、1次の振動モードの周波数F2とをそれぞれ一定範囲に規制すると、優れた打球音が得られることを見出した。
【0004】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、多くのゴルファにとって心地良い打球音を得ることができるゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、ゴルフボールを実打する打撃テストを行ない、打球音を、騒音計mにより採取するとともに、録音した打球音を、信号処理装置を用いて周波数分析することにより得られた打球音の最大音圧レベルを示す周波数F1が7000〜9000(Hz)であり、
かつフェース面の中心FCに加速度ピックアップPaを設け、フェース面の中心FCを通る垂直面Xとヘッド外面とが交わるヘッド周上にこのヘッド周上に沿う等長さSで複数の測定点Kを設定し、この測定点Kをそれぞれインパクトハンマーで打撃して、その出力(周波数応答)を前記加速度ピックアップPaで計測し、計測した信号を解析した周波数伝達関数から得た1次の振動モードの周波数F2が5000(Hz)以上であることを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0006】
前記打球音は、ゴルフクラブヘッドにシャフトを装着してゴルフクラブを製造し、図10に示すようにテストゴルファgによってゴルフボールbを実打する打撃テストを行なって採取する。打撃テストを行う場所は、屋内、屋外を問わないが、好適には屋外としかつ半径50m以内に音を反射させるような遮蔽物がない無風の状況で行うのが好ましい。またテストゴルファgにも特に制限は無いが、好適には身長150〜190cm程度、打球時のヘッドスピードが38〜48m/s程度の標準的なアベレージゴルファが好ましい。ゴルフボールは、ゴルフ競技に使用できるものであれば特に制限はない。なお打球音は、ヘッドスピードの大小、スイングのくせ、ゴルフボール(糸巻き、ソリッドの別)などによっては、実質的に変化しない。一方、ボールを打撃するフェース部の位置によっては、打球音は変化するため、打点位置が残るショットマークなどをフェース面に貼着し、フェース中心から半径5mmの円の中に打点の中心が入っている場合の打球音を採取する。また、ショットマークも実質的に打球音には影響がない。
【0007】
打球音は、騒音計mにより採取する。騒音計mの設置位置は、目標飛球線方向を通る垂直面aを介してテストゴルファgと反対側の向き合う位置でかつテストゴルファgの耳元の高さとする。また騒音計mのマイクロフォン部m1をゴルフボールbに向けるとともに、このマイクロフォン部m1の先端からゴルフボールbまでの直線距離が160cmとなるように調節する。160cmとしたのは、ゴルファーがアドレスした際、平均的な身長の人の耳の位置とボールの位置との距離に合わせたためである。また打球音の音圧校正は、精密音圧発生器(250Hz、114dB)にて行った。なお周波数補正は行わない。
【0008】
また騒音計から採取された音は、記憶媒体に記録される。本例ではデジタル録音とし、DATやハードディスクなどの記憶媒体に記録される。デジタル録音は、例えばサンプリング周波数44kHz 、周波数帯域0〜20kHz 、量子化ビット16ビットとした。録音時間は打球音が発生する時間(大凡0.05秒)よりも長ければ良く、通常はスイング開始からスイング終了までの連続した3ないし4秒間に設定するのが望ましい。
【0009】
また録音された打球音は、信号処理装置を用いて周波数分析が行われ、図11に示すような打球音パワースペクトルを得ることができる。パワースペクトルから打球音の最大音圧レベルを示す周波数F1を読み取ることができる。表1には、本実施形態で使用した計測機器の一覧を示す。
【0010】
【表1】
【0011】
また打球音の1次の振動モードを示す周波数F2については、モーダル解析によって求める。モーダル解析は、図12に示すように、シャフトを除いたヘッド1のフェース面2の中心FCに加速度ピックアップPaを接着剤により固定するとともに、前記フェース面2の中心FCを通る垂直面Xとヘッド外面とが交わるヘッド周上にこのヘッド周上に沿う等長さSで複数の測定点Kを設定し、この測定点KをそれぞれインパクトハンマーIHで打撃する。本例では等長さSを20mmとし、ヘッド周上に17個の測定点Kを設けたが、測定点Kの数は特に限定されず10〜30個程度とすれば良い。なおヘッド1は、ネック部7に設けたシャフト差込孔7aの軸中心線CLを第1の垂直面VP1(図3に示す)内に位置させて規定のライ角α(図1に示す)で傾けるとともにフェース面2を前記第1の垂直面VP1に対して規定のフェース角β(図3に示す)で傾けたヘッド測定状態にある。また前記垂直面Xは第1の垂直面VP1に対して直角とする。
【0012】
インパクトハンマーIHで、一つの測定点Kを叩くことによりヘッド1に振動を入力し、その出力(周波数応答)をフェース面2の中心FCに設けた加速度ピックアップPaで計測する。このような計測を全ての測定点Kにて行う。そして計測された信号は解析されて図13に示すような周波数伝達関数が得られる。この周波数伝達関数から1次の振動モード(ピークの中で周波数が最も小さいもの)の周波数F2を読みとることができる。なお周波数伝達関数の測定に用いた機器の一例を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】
また請求項2記載の発明は、前記1次の振動モードの周波数F2は、5000〜7000(Hz)であることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッドである。
【0015】
また請求項3記載の発明は、前記1次の振動モードの周波数F2は、5000〜6000(Hz)であることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッドである。
【0016】
また請求項4記載の発明は、シャフト軸線を第1の垂直面内に位置させて規定のライ角で傾けかつフェース面を規定のフェース角に合わせてソール部を水平面に接地させるとともに、前記第1の垂直面と直角な第2の垂直面のうち、フェース面の下縁と、該下縁を通る水平線がバックフェース側でヘッド外面に交わるソール後端点との間の水平方向の距離であるソール長さLが最大となる第1の基準断面において、前記下縁とソール後端点との間のヘッド外面は、前記水平面に向かって凸となる滑らかな円弧状をなすとともに、前記ソール長さLと、前記ソール部が前記水平面に最も近接する最下方点と前記水平線との間の垂直距離であるソール突出高さh1との比(h1/L)を0.02〜0.1としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
【0017】
また請求項5記載の発明は、シャフト軸線を第1の垂直面内に位置させて規定のライ角で傾けかつフェース面を規定のフェース角に合わせてソール部を水平面に接地させるとともに、前記第1の垂直面と平行な第3の垂直面のうち、トウ側のソール端とヒール側のソール端とを結ぶ直線の長さであるソール巾Wが最大となる第2の基準断面において、前記ソール部の外面は、前記水平面に向かって凸となる滑らかな円弧状をなすとともに、前記ソール巾Wと、前記ソール部が前記水平面に最も近接する最下方点と前記直線との間の最短距離であるソール突出高さh2との比(h2/W)を0.1〜0.2としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本実施形態のゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1を規定のライ角α、フェース角β(図3に示す)として水平面HPに接地させたヘッド測定状態の正面図、図2はそれをトウ側から見た側面図、図3は図1の平面図、図4は図1をソール側から見た底面図をそれぞれ示している。
【0019】
本実施形態のヘッド1は、ドライバー(#1)などのウッド型をなすものが例示されている。該ヘッド1は、ボールを打球する面であるフェース面2を外表面とするフェース部3と、フェース面2の上縁2aに連なりヘッド上面をなすクラウン部4と、フェース面2の下縁2bに連なりヘッド底面をなすソール部5と、クラウン部4とソール部5との間を継ぎフェース面2のトウ側縁2cからバックフェースを通りフェース面2のヒール側縁2dにのびるサイド部6と、フェース部3とクラウン部4とサイド部6とのヒール側の交わり部の近傍に配された本例では筒状のネック部7とを含む。
【0020】
前記ネック部7は、図示しないシャフトの一端が装着される円形のシャフト差込孔7aが内部に形成され、ヘッド1を規定のライ角αに傾ける際にはこのシャフト差込孔7aの軸中心線CLをシャフト軸線と仮定して行う。すなわち、シャフト差込孔7aの軸中心線CLを第1の垂直面VP1内に位置させて規定のライ角αで傾ける。なおフェース角βは、図3に示すように、後述するフェース面の中心FCを通る水平な接線Nとこの第1の垂直面VP1との挟む角度とする。
【0021】
ヘッド1は、金属材料から形成され、例えばチタン、チタン合金、ステンレス、アルミニウム合金などの材料が好適に使用される。またヘッド1は、例えばロストワックス精密鋳造法、鍛造、又はプレス加工などを用いて2以上のパーツを形成し、これらを溶接等により接合することで内部を中空として製造される。この中空部は、そのまま空洞とされていても良いし、全部ないし一部に発泡樹脂等を充填することもできる。ヘッド1のヘッド体積は、特に限定されないが、慣性モーメントの向上とスイートエリアの増大を図るべく、例えば300〜500cm3 、より好ましくは310〜400cm3 程度の大型ヘッドとして好ましく形成される。
【0022】
本発明のヘッド1は、打球音の最大音圧レベルを示す周波数F1が7000〜9000(Hz)であり、かつ1次の振動モードの周波数F2が5000(Hz)以上に設定される。発明者らの種々の実験の結果、このような規定を満たす打球音は、多くのゴルファにとって心地良く聞こえ、打球フィーリングを高め得ることが分かった。感覚的な表現では、打球音が従来に比してより高音化されかつ鋭くなる。従来市販されている金属製の大型ヘッドを種々テストしたところ、打球音の最大音圧レベルを示す周波数F1は、いずれも7000Hzよりも小さく、概ね4000〜6600Hz程度、また1次の振動モードを示す周波数F2は5000Hz未満で、具体的には3100〜4600Hz程度に設定されている。
【0023】
発明者らは、近年の多くのゴルファが比較的高音の打球音を好む傾向があること、そしてこのような打球音を得るためには、単に前記周波数F1を従来に比して高周波数帯域に移行させるのみならず、1次の振動モードを示す周波数F2についても高周波数帯域に移行することが必要であることを確かめ得た。
【0024】
前記周波数F1が7000Hz未満の場合には、従来の打球音と大差がなく、逆に9000Hzを超えると高周波音が発生しやすく耳障りな音へ変化しやすい。特に好ましくは周波数F1を7500〜8500Hz、さらに好ましくは8000〜8500Hzとするのが好ましい。なおこの周波数F1を示す最大音圧レベルの絶対値については特に限定されないが、小さすぎると他の周波数帯域の音圧レベルとの差が小さくなってノイズ化する傾向があり、逆に大きすぎても人間の耐えられる可聴領域を超えるなど不快感を与える傾向がある。このような観点より、前記周波数F1を示す最大音圧レベルは、好ましくは60〜130dB、さらに好ましくは70〜110dB、特に好ましくは80〜110dBであるのが望ましい。
【0025】
またヘッドには、複数の振動モードが存在しており、その中で最も小さな振動数の共振変形状態(変形モード又は振動モード)を1次の振動モードと呼ぶ。そして、この1次の振動モードが5000Hz未満である従来のヘッドでは、打球音のパワースペクトルの中にも5000Hz未満のバンド幅に強いピークを持つ傾向が強いことが分かった。このようなピークは、最大音圧レベルを高周波域に移行させても、打球音を鈍くする傾向がある。一方、図13のように周波数F2を5000Hz以上とした本発明のヘッド1では、図11の打球音パワースペクトルから明らかなように、5000Hz未満に強いピークが全く現れていない。これは打球音の鈍化防止に役立つ。特に好ましくは、前記1次の振動モードの周波数F2を、5000〜7000Hz、より好ましくは5000〜6000Hzに設定することが望ましい。
【0026】
このような打球音を生じさせるヘッド1は、例えば次のようにして製造することが可能である。先ずヘッド1を前述のヘッド測定状態とするとともに、図3に示すように、第1の垂直面VP1と直角な第2の垂直面VP2(この垂直面VP2は多数存在し、その一例を図5に示す)のうち、フェース面2の下縁2bと、該下縁2bを通る水平線HLがバックフェース側でヘッド外面に交わるソール後端点5bとの間の水平方向の距離であるソール長さLが最大となる第1の基準断面VP2mを特定する。そして、この第1の基準断面VP2mにおいて、前記下縁2bとソール後端点5bとの外面は、水平面HPに向かって凸となる滑らかな円弧状で形成するとともに、ソール長さLと、ソール突出高さh1との比(h1/L)を0.02〜0.1の範囲で設定するのが良い。なおここで言うソール突出高さh1は、ソール部5が前記水平面HPに最も近接する最下方点5Pと前記水平線HLとの間の垂直距離である。
【0027】
第1の基準断面VP2mでは、前記ソール長さLが最も大となり、この断面形状は打球時の撓みないし振動に大きく影響を与える。このために本実施形態では、第1の基準断面VP2mにおけるソール部5の外面形状を規制している。前記外面形状は、ボールを打球した際にヘッドの振動を最適化し、例えば周波数F1を7000〜9000Hzの範囲に設定するのに役立つ。前記比(h1/L)が0.02未満では、ソール外面の曲率が小さくなって打球時にヘッドが振動しやすくなる。これは、前記周波数F1を7000Hz未満に移行させがちとなるため好ましくない。
【0028】
逆に前記比(h1/L)が0.1を超えると、打球時のヘッド1の振動が過度に抑制される。これは、周波数F1を9000Hzを超える高周波数域へと移行させる傾向がある。好ましくは、前記比(h1/L)は0.05以上である。
【0029】
またヘッド測定状態において、図3に示すように、第1の垂直面VP1と平行な第3の垂直面VP3(この垂直面VP3は多数存在し、その一例を図6に示す)のうち、トウ側のソール端5tとヒール側のソール端5hとを結ぶ直線Vの長さであるソール巾Wが最大となる第2の基準断面VP3mを特定する。そして、この第2の基準断面VP3mにおけるソール部5の外面は、前記水平面HPに向かって凸となる滑らかな円弧状で形成されるとともに、ソール巾Wとソール突出高さh2との比(h2/W)を0.1〜0.2に設定することが望ましい。なおここでのソール突出高さh2は、ソール部5が前記水平面HPに最も近接する最下方点5Pと前記直線Vとの間の最短距離である。なお、ソール端5t、5hが明瞭に特定できないときは、第3の垂直面VP3のトウ、ヒール方向の最大巾Wmax の0.88倍となる巾Wの位置をソール端5t、5hとして定める。このとき、ソール端5t、5hは夫々水平面HPから同高さとする。
【0030】
発明者らの実験の結果、第2の基準断面VP3mにおけるソール部5の形状は、1次の振動モードの周波数に影響を与えやすいことが判明している。すなわち、前記比(h2/W)が0.1未満では、ソール部5の外面の曲率が小さくなって打球時にヘッドが振動しやすくなる。これは、前記周波数F2を5000Hz未満に移行させがちとなるため好ましくない。逆に前記比(h2/W)が0.2を超えると、構えた際にソール部5を地面に接地させたときにトウ、ヒール方向で安定せず、構えずらくなる。特に好ましくは、前記比(h2/W)を0.11〜0.19、さらに好ましくは0.12〜0.18とし、前記比(h1/L)よりも大とすることが特に有効である。
【0031】
なお、この第1ないし第2の基準断面VP2m、VP3mにおけるソール部5の外面形状は、円弧状であるから、単一の円弧で形成されるもの、或いは曲率半径が異なる複数の円弧をつなげて形成されるもの、さらには部分的に円弧を用いたものなど、種々の態様で形成しうるのは言うまでもない。
【0032】
また上述のように、比(h1/L)、(h2/W)を規制したことにより、本例ではソール部5がほぼ球面状で突出するものを例示するが、例えば図7に示すように、前記第1ないし第2の基準断面近傍だけを部分的に突出させることにより、十字状の膨出部10を形成するものでも良い。このようなヘッド1においても、打球音を向上させることができる。
【0033】
また打球時のヘッド1の振動を最適化する上で、ソール部5の厚さを規定することも有効である。図5、図6において、ソール部5の厚さt1は、例えば0.5〜4.0mm、より好ましくは0.8〜2.0mm、さらに好ましくは0.9〜1.5mmとするのが望ましい。前記厚さt1が、0.5mm未満であると、ソール部5の剛性が低下して打球時に振動し易くなり、逆に4.0mmを超えると、振動が過度に抑制されて打球音の著しい高音化を招きやすくなる。なおソール部5の厚さt1は、クラウン部4の厚さt2とサイド部6の厚さt3よりも大としている。クラウン部4の厚さt2は、例えば0.45〜3.0mm、より好ましくは0.75〜1.8mmとし、またサイド部6の厚さt3は、例えば0.45〜3.0mm、より好ましくは0.75〜1.8mmとすることが望ましい。
【0034】
本発明の他の実施形態として、例えば、図8、図9に分解して示すように、前記第1の基準断面VP2m及び/又は第2の基準断面VP3mに沿って、ソール部5の厚さを増したリブ状部14をヘッド1に設けることによって、ソール部5の剛性を最適化することもできる。この場合、ソール部5の外面形状は平坦であっても良い。該リブ状部14は、本例では第1の基準断面VP2mに沿ってソール部内面をのびる第1のリブ状部12と、前記第2の基準断面VP3mに沿ってソール部内面をのびる第2のリブ状部13とを含むものが例示される。図8の態様では、各リブ状部12、13がそれぞれ矩形断面の幅広状をなすが、図9のものでは、それぞれが小巾かつ複数本のもので構成されたものが示されている。
【0035】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明のゴルフクラブヘッドは、打球音が上述の規定に適合すれば良く、そのための具体的な形状は、例示の形態に限定されることなく種々の態様が採用できるのは言うまでもない。
【0036】
【実施例】
表3の仕様に基づいて各種のウッド型のゴルフクラブヘッドを試作するととともに、これらに共通のカーボンシャフト(フレックスS)を装着して打球音を計測し、テスターによる官能評価を行った。なお打球音の周波数F1と1次の振動モードの周波数、F2の測定方法は前述の通りとした。また、打球音の官能評価は、DATに録音した打球音をWAVEファイルに変換し、スピーカを通して再生した音を20人のアベレージゴルファ(男性13人、女性7人)に聞いてもらい、各自の官能によって「心地よさ」、「好み」をそれぞれ5点法で評価し、総合点数で評価した。満点は200点(10点/人×20人)であり、特定が高いほど良好であることを示す。またヘッドの共通仕様は次の通りである。
ヘッド体積:310cm3
ヘッド質量:185g
ヘッド材料:Ti−6Al−4V
ロフト角 12度
フェース角 1.0度
ソール長さL:85mm
ソール巾:100mm
クラウン部の厚さ1.0mm、サイド部の厚さ1.2mm、フェース部の厚さ2.7mm
テストの結果などを表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
テストの結果、実施例のものは、比較例と比べていずれも良好な打球音が得られていることが確認できる。
【0039】
【発明の効果】
上述したように、本発明のゴルフクラブヘッドでは、打球音の最大音圧レベルを示す周波数F1を7000〜9000(Hz)とし、かつ1次の振動モードの周波数F2を5000(Hz)以上としたことにより、高音でかつ心地よい打球音を提供することができ、打球フィーリングを向上しうる。
【0040】
また請求項3ないし4記載の発明のように、ヘッドのソール部の形状を限定することによって、構造を複雑化することなく心地よい打球音を生じるゴルフクラブヘッドを提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すヘッド測定状態での正面図である。
【図2】そのトウ側から見た側面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1の底面図である。
【図5】第1の基準断面のヘッド断面図である。
【図6】第2の基準断面のヘッド断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す底面から見たヘッドの斜視図である。
【図8】本発明の他の実施形態としてヘッドの内部を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の他の実施形態としてヘッドの内部を示す分解斜視図である。
【図10】打球音の測定方法を説明する線図である。
【図11】打球音のパワースペクトルである。
【図12】(A)、(B)は、ヘッドの1次の振動モードの測定方法を説明する正面図とそのX断面図である。
【図13】ヘッドの周波数伝達関数を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース面
3 フェース部
4 クラウン部
5 ソール部
6 サイド部
7 ネック部
7a シャフト差込孔
F1 打球音の最大音圧レベルを示す周波数
F2 ヘッドの1次の振動モードの周波数
VP1 第1の垂直面
VP2m 第1の基準断面
VP3m 第2の基準断面
Claims (5)
- ゴルフボールを実打する打撃テストを行ない、打球音を、騒音計mにより採取するとともに、録音した打球音を、信号処理装置を用いて周波数分析することにより得られた打球音の最大音圧レベルを示す周波数F1が7000〜9000(Hz)であり、
かつフェース面の中心FCに加速度ピックアップPaを設け、フェース面の中心FCを通る垂直面Xとヘッド外面とが交わるヘッド周上にこのヘッド周上に沿う等長さSで複数の測定点Kを設定し、この測定点Kをそれぞれインパクトハンマーで打撃して、その出力(周波数応答)を前記加速度ピックアップPaで計測し、計測した信号を解析した周波数伝達関数から得た1次の振動モードの周波数F2が5000(Hz)以上であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記1次の振動モードの周波数F2は、5000〜7000(Hz)であることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記1次の振動モードの周波数F2は、5000〜6000(Hz)であることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
- シャフト軸線を第1の垂直面内に位置させて規定のライ角で傾けかつフェース面を規定のフェース角に合わせてソール部を水平面に接地させるとともに、前記第1の垂直面と直角な第2の垂直面のうち、フェース面の下縁と、該下縁を通る水平線がバックフェース側でヘッド外面に交わるソール後端点との間の水平方向の距離であるソール長さLが最大となる第1の基準断面において、
前記下縁とソール後端点との間のヘッド外面は、前記水平面に向かって凸となる滑らかな円弧状をなすとともに、
前記ソール長さLと、前記ソール部が前記水平面に最も近接する最下方点と前記水平線との間の垂直距離であるソール突出高さh1との比(h1/L)を0.02〜0.1としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。 - シャフト軸線を第1の垂直面内に位置させて規定のライ角で傾けかつフェース面を規定のフェース角に合わせてソール部を水平面に接地させるとともに、前記第1の垂直面と平行な第3の垂直面のうち、トウ側のソール端とヒール側のソール端とを結ぶ直線の長さであるソール巾Wが最大となる第2の基準断面において、
前記ソール部の外面は、前記水平面に向かって凸となる滑らかな円弧状をなすとともに、
前記ソール巾Wと、前記ソール部が前記水平面に最も近接する最下方点と前記直線との間の最短距離であるソール突出高さh2との比(h2/W)を0.1〜0.2としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
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