JP5217181B2 - ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ - Google Patents

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本発明は、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部により外殻構造が構成された中空のゴルフクラブヘッドおよびこれを有するゴルフクラブに関し、特に、打球音が大きく、残響が長いゴルフクラブヘッドおよびこれを有するゴルフクラブに関する。
近年、中空構造のゴルフクラブヘッドとして、炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPという)を主材とするもの、およびチタン合金またはステンレス等の金属材料を主材とするものが種々提案されている。
ゴルフクラブヘッドにおいて、CFRPを主材とするものは、打球音が小さい。また、ゴルフクラブヘッドにおいて、金属材料を主材とするものは、ゴルフボールを打撃する際の反発特性を向上するためにフェース部材の肉厚を薄くし、しかもゴルフクラブヘッドの体積を大きくしている。このため、ゴルファにとって好ましくない打球音となってしまう場合もある。
一般に、ゴルファは、ゴルフボールの打撃時の打球音を、ゴルフボールの打撃が的確に成されたか否かの判断に用いる。また、ゴルファは、打球音、および残響にゴルフとしての爽快感を求めることもある。ゴルファにとって、好ましい打球音および残響があり、例えば、金属音の打球音が望まれる。
このため、ゴルフボール打撃時の音響特性がゴルファにとって好ましくない場合、ゴルフボールの打撃の良し悪しを判断することが困難となるほか、ゴルフボールの打撃に爽快感を求めることもできないものとなってしまう。
そこで、打球音の残響感を伸ばしたり、音色を調整するために、ゴルフクラブヘッドの内部にリブなどを設けて剛性変化をつけ、打球音を調節することがなされている。これ以外にも、打球音の残響感を伸ばしたり、音色を調整するために、様々な工夫が施されたゴルフクラブヘッドが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、中空ゴルフクラブヘッドのソール部を10以上の小さな平面ないし小さな曲率を有する曲面に分割し、ソール部の振動を起こりにくくしたゴルフクラブヘッドが開示されている。この特許文献1は、新たな部材を付加することなく、ソール部の形状を変更するのみという簡便な方法で、金属感あふれる良好な打球音を実現できるものである。
特許文献2には、フェース面をインピーダンスヘッドに固定して測定されるフェース部の1次固有振動数と、ソール面をインピーダンスヘッドに固定して測定されるソール部の1次固有振動数の比が、0.95〜1.05であるゴルフクラブヘッドが開示されている。
また、特許文献2には、インパルスハンマを用いたつり下げ打撃加振法による固有振動数測定を用いて、フェース面を打撃して測定されるフェース部の1次固有振動数と、ソール面を打撃して測定されるソール部の1次固有振動数の比が、0.95〜1.05であるゴルフクラブヘッドが開示されている。
さらには、特許文献2には、フェース部と、ソール部と、バック部とを備え、フェース部からバック部に向かう方向であるフェースバック方向におけるソール部の曲率半径を、8.89cm以上15.24cm以下として、フェース部の1次固有振動数にソール部の1次固有振動数を一致させるか、または近い値とするゴルフクラブヘッドが開示されている。
特開2004−89368号公報 特開2004−135858号公報
しかしながら、特許文献1のゴルフクラブヘッドにおいては、ソール部を10以上の小さな平面ないし小さな曲率を有する曲面に分割し、ソール部の振動を起こりにくくし、不要な振動を抑えているため、他の部位の変形が大きな領域を利用することができず、打球音の改善が十分ではなく、更に打球音を改善することが難しいという問題点がある。
また、特許文献2のゴルフクラブヘッドにおいては、フェース部の1次固有振動数と、ソール部の1次固有振動数の比を0.95〜1.05としている。このように、ソール部全体の1次固有振動数を所定の範囲にしなければならず、構成が複雑になり、製造が困難であるという問題点がある。
さらに、特許文献2に開示されたフェースバック方向におけるソール部の曲率半径が、8.89cm以上15.24cm以下のゴルフクラブヘッドでは、ソール部の曲率半径が小さいため、振動が生じにくく、十分な振幅が得られない。このため、特許文献2のゴルフクラブヘッドにおいても、打球音の改善が必ずしも十分ではないという問題点がある。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、打球音が大きく、残響が長いゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を有し、前記フェース部、前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部により外殻構造が構成されたゴルフクラブヘッドであって、前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部のうち、少なくとも1つの部材は、前記フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を有し、前記領域の共振周波数の値は、前記フェース面の共振周波数の値の±10%以内であることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供するものである。
本発明においては、前記フェース面の共振周波数は、1次共振周波数または2次共振周波数であることが好ましい。
また、本発明においては、前記領域の最小曲率半径が、前記フェース面の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
また、本発明においては、前記領域の前記曲率半径は、最小曲率半径が300mm以上であり、前記領域の大きさが前記フェース面の面積の30〜120%であることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を有し、前記フェース部、前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部により外殻構造が構成されたゴルフクラブヘッドであって、前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部のうち、1つの部材が、前記フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を複数有するか、または前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部のうち、少なくとも2つの部材が、前記フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を有するものであり、前記各領域の共振周波数の差は、前記各領域の共振周波数の小さい方の値の±10%以内であることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供するものである。
本発明において、前記共振周波数は、1次共振周波数であることが好ましい。
また、本発明において、前記各領域は、同一形状であることが好ましい。
また、本発明においては、前記各領域の最小曲率半径が、それぞれ、前記フェース面の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
さらに、本発明において、前記各領域の前記曲率半径は、それぞれ最小曲率半径が300mm以上であり、前記各領域の大きさは、それぞれ前記フェース面の面積の30〜120%であることが好ましい。
さらに、本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様のゴルフクラブヘッドまたは本発明の第2の態様のゴルフクラブヘッドと、前記ゴルフクラブヘッドに取り付けられるゴルフクラブシャフトとを有することを特徴とするゴルフクラブを提供するものである。
本発明の第1の態様のゴルフクラブヘッドおよび第3の態様のゴルフクラブによれば、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部およびサイド部により構成される中空の外殻構造を有するものとし、ソール部、クラウン部およびサイド部のうち、少なくとも1つの部材について、フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を設け、この領域の共振周波数の値を、フェース面の共振周波数の値の±10%以内とすることにより、ゴルフボールを打撃したときに、フェース面から発生する音と領域における部材から発生する音とが干渉して合成される。この合成された音は音圧が高く、音が大きいとともに、うなりを生じる。このため、打球音が大きくなり、残響も長いものとなる。
また、本発明の第2の態様のゴルフクラブヘッドおよび第3の態様のゴルフクラブによれば、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部およびサイド部により構成される中空の外殻構造を有するものとし、ソール部、クラウン部およびサイド部のうち、1つの部材について、フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を複数設けるか、またはソール部、クラウン部、およびサイド部のうち、少なくとも2つの部材に、フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を設け、各領域の共振周波数の差を、各領域の共振周波数の小さい方の値の±10%以内とすることにより、ゴルフボールを打撃したときに、複数の各領域から発生する各音が干渉して合成される。この合成された音は音圧が高く、音が大きいとともに、うなりを生じる。このため、打球音が大きくなり、残響も長いものとなる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブを示す分解斜視図であり、図2は、図1の模式的側断面図である。
図1に示すように、ゴルフクラブ10は、ゴルフクラブヘッド20と、ゴルフクラブシャフト40とを有する。
ゴルフクラブヘッド20は、フェース部22、ソール部24、クラウン部26、サイド部28、29およびホーゼル部30を有する中空構造体である。このゴルフクラブヘッド20は、一般的にウッドタイプと呼ばれる種類のヘッドである。
また、図1に示すように、ホーゼル部30は、ゴルフクラブシャフト40をゴルフクラブヘッド20に固定するものであり、クラウン部26に設けられている。このホーゼル部30には、ゴルフクラブシャフト40が挿入される開口部32が設けられている。ゴルフクラブシャフト40は、ゴルフクラブヘッド20にソケット42を介して取り付けられている。このソケット42には、ゴルフクラブシャフト40を挿通可能な開口部44が設けられている。
なお、ゴルフクラブシャフト40は、ゴルフクラブヘッド20に必ずしもソケット42を用いて取り付けられる必要はなく、ゴルフクラブによっては、ソケットを用いることなく、ゴルフクラブヘッドに直接ゴルフクラブシャフトが固定されるものもある。
本実施形態のゴルフクラブヘッド20では、フェース部22、ソール部24、クラウン部26およびサイド部28、29は、それぞれ板状に成形されており、これらの部材が相互に接合されて中空の外殻構造を構成している。また、ソール部24、クラウン部26およびサイド部28、29によりバック体が構成される。このバック体においては、ソール部24、クラウン部26およびサイド部28、29により開口部が形成される。この開口部にフェース部22が接合されている。
フェース部22は、その表面がゴルフボールを打撃するフェース面23となるものである。このフェース面23のトウ側からヒール側に向かう水平方向に伸びたスコアラインLが、例えば、3本平行に形成されている。
なお、フェース部22の形態は、平板状でもよく、一般にカップフェースと呼ばれている形態のものでもよい。
また、ソール部24には、フェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも、曲率半径が大きい、すなわち、平面に近い領域50が形成されている。この領域50は、例えば、円形状を呈するものであり、領域50の外縁に沿って、所定の高さを有するリブ52が形成されている。このリブ52により、領域50は、ソール部24の他の領域よりも剛性が高くなり、領域50の外縁を境界として、他の領域から独立した状態(分離された状態)で振動することができる。
ここで、フェース部22のフェース面23の最小曲率半径とは、フェース面23のトウ−ヒール方向およびソール−クラウン方向等、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
また、本実施形態において、領域50の最小曲率半径がフェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
なお、領域50は、他の領域から独立した状態(分離された状態)で振動することができれば、必ずしもリブ52を形成する必要はない。しかしながら、他の領域から独立した状態(分離された状態)で、領域50を振動させるためには、リブ52を形成することが好ましい。
また、領域50は、その共振周波数の値が、フェース部22のフェース面23の共振周波数の±10%以内に形成されているものである。この共振周波数は、例えば、1次共振周波数または2次共振周波数である。なお、共振周波数は、例えば、3次以上の高次の共振周波数であってもよい。
本実施形態において、例えば、フェース部22のフェース面23の1次共振周波数が5000Hzである場合、領域50の1次共振周波数は、4500Hz〜5500Hzの範囲内である。
なお、領域50の共振周波数は、例えば、厚さ、材質、および領域自体の形状による剛性を変更することにより、適宜設定することができる。
本発明における共振周波数は、以下のようにして測定されるものであり、この共振周波数の測定方法について説明する。
先ず、共振周波数の測定方法に用いられる第1の測定装置について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの共振周波数の第1の測定装置を示す模式図である。
図3に示すように、第1の測定装置100においては、ゴルフクラブヘッド20のフェース面23に対向する位置にマイクロフォン102が配置され、このマイクロフォン102に騒音計104が接続されている。この騒音計104はA/Dコンバータ106を介してパーソナルコンピュータ108(以下、パソコンという)に接続されている。
A/Dコンバータ106は、騒音計104から出力された音圧信号をデジタル信号に変換してパソコン108に送信する装置である。パソコン108は、デジタル化された音圧信号を周波数解析し、ゴルフクラブヘッド20のフェース面23の1次共振周波数を求めるための分析機器である。パソコン108において、公知の周波数分析により1次共振周波数が求められる。すなわち、フェース面23に振動を与えた際の音圧信号である応答信号を測定し、この応答信号から、共振周波数として、例えば、1次共振周波数が求められる。
次に、第1の測定装置100による共振周波数の測定方法について説明する。先ず、ゴルフクラブ10を用意する。マイクロフォン102の近傍に、ゴルフクラブ10のゴルフクラブヘッド20のホーゼル部を宙づりにするか、または軽く支持した状態でゴルフクラブ10を配置する。
この後、ゴルフクラブヘッド20のフェース面23をハンマ110で加振してフェース面23を振動させ、加振時の打撃音をマイクロフォン102を介して騒音計104で測定する。この騒音計104で測定された打撃音をA/Dコンバータ106を介してパソコン108に取り込み、公知の手法、例えばFFT(Fast Fourier Transformation)等を用いて、1次共振周波数、2次共振周波数などの共振周波数を求める。
なお、共振周波数を求める際、予め、共振周波数の範囲が分かっていれば、例えば、2000〜7000Hzの狭帯域で周波数分析を行うようにパソコン108を設定しておくこともできる。
共振周波数の測定方法として、打撃音から測定する測定方法について説明したが、これ限定されるものではなく、他の方法によって共振周波数を測定してもよい。例えば、インパクトハンマでゴルフクラブヘッドを叩き、そのときのフェース面の振動の加速度信号を応答信号として測定し、この加速度信号から共振周波数として、例えば、1次共振周波数を求めてもよい。
次に、共振周波数の測定方法に用いられる第2の測定装置について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの共振周波数の第2の測定装置を示す模式図である。
図4に示すように、第2の測定装置120は、ゴルフクラブヘッド20のフェース面23に加速度ピックアップ122を貼り付け、インパクトハンマ130を用いて、フェース面23にインパクト加振を行う。加速度ピックアップ122からアンプ124を介して得られる加速度信号と、インパクト加振の加振力を計測するインパクトハンマ130を用いてアンプ128を介して得られる加振力の加振信号とをFFTアナライザ126に取込み、FFTアナライザ126でインパクト加振力に対する加速度信号の関数、すなわち伝達関数を求める。その際、インパクトハンマ130による加振位置をゴルフクラブヘッド20のフェース面23上で分散させてインパクト加振を行い、伝達関数を加振位置別に求める。このようにして求められた複数の伝達関数において、加振位置にかかわらずフェース面23の1次共振周波数の振動モードの形態に起因した同一の位相を持つ急峻なピークが現れる。このピーク位置における周波数を共振周波数として取り出す。このように共振周波数を測定するようにしてもよい。また、2次共振周波数についても、1次共振周波数と同様に測定することができる。
なお、本発明においては、共振周波数の測定方法は、上述の測定方法に限定されるものではない。
本実施形態のゴルフクラブヘッド20においては、ソール部24に、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きく、共振周波数がフェース面23の共振周波数の±10%以内である領域50を設け、この領域50の外縁に沿ってリブ52を設ける構成とすることにより、ゴルフボールを打撃して衝撃を受け、ソール部24が変形した場合、領域50は、ソール部24の他の領域とは独立して変形して振動する。
このとき、フェース部22のフェース面23からの音と、ソール部24の領域50の振動による音とが生じる。これらの音は、周波数が近く、干渉して合成音が生じる。この合成音は、音圧の振幅が大きく、音が大きいとともに、うなりが生じ(図5(b)参照)、打球音が減衰する割合が従来よりも小さくなる。このため、本実施形態においては、ゴルフボールの打撃時において、打球音が大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも長くなる。このように、ゴルファにとって好ましい打球感を得ることができる。例えば、打球音について、金属音を大きくするとともに、金属音の残響を長くすることができる。
さらには、本実施形態のゴルフクラブヘッド20においては、打球音を大きくすることができるため、打球音がもともと小さいゴルフクラブヘッドについて、その打球音を大きくすることができる。特に、打球音が小さいカーボン製のフェース部を有するゴルフクラブヘッド、およびクラウン部にCFPRなどの非金属材を用いたものに対しては効果的である。
また、本実施形態のゴルフクラブヘッド20においては、領域50の曲率半径は、最小曲率半径が300mm以上であり、領域50の大きさ(面積)は、フェース面23の面積の30〜120%であることがより好ましい。
領域50の最小曲率半径を300mm以上とし、領域50の大きさ(面積)をフェース面23の面積の30〜120%とすることにより、領域50が面として振動しやすくなり、十分な振幅が得られる。これにより、打球音がより大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも一層長くなる。
ここで、領域50における最小曲率半径とは、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
さらにまた、本実施形態のゴルフクラブヘッド20においては、領域50の構成により共振周波数を変えて、領域50の音と、フェース面23の音との干渉する程度を変えることにより、ゴルフクラブヘッドのもともとの打球音に対して、その打球音の音色を変えることもできる。これにより、ゴルファが好ましいと感じる打球音の音色にすることができる。
また、本実施形態のゴルフクラブヘッド20においては、ソール部24に、領域50およびリブ52を設けただけであり、ソール部24全体の共振周波数を調整するものではなく、簡素な構成とすることができる。このため、製造コストを低くすることができる。
また、本実施形態において、ソール部24に領域50を設けることにより、他のクラウン部26、およびサイド部28、29に設けるよりも低重心化を図ることができるために好ましい。しかしながら、領域50を設ける位置は、ソール部24に限定されるものではない。領域50を、ソール部24、クラウン部26、およびサイド部28、29のうち、少なくとも1つの部材に設ければよい。
さらに、本実施形態においては、フェース部22、ソール部24、クラウン部26、またはサイド部28、29は、例えば、チタン合金により形成される。このチタン合金としては、例えば、神戸製鋼所社製、KS120(商品名(組成:Ti−0.5Fe−0.3O−0.6Si))、神戸製鋼所社製、Ti−811−C(組成:Ti−8Al−1Mo−1V−0.15C)、およびTi−15V−3Cr−3Al−3Snの組成を有するチタン合金を用いることができる。
また、チタン合金として、JFEホールディング社製、SP700(商品名(組成:Ti−4.5Al−3V−2Mo−2Fe))を用いることができる。
さらには、チタン合金として、大同特殊鋼社製、VLTi(商品名(組成:Ti−6Al−1Fe))および大同特殊鋼社製、CATi(商品名(組成:Ti−3Al−13Cr−1F))ならびに新日本製鉄社製、51AF(商品名(組成:Ti−5Al−1Fe))を用いることができる。
本実施形態においては、図1および図2に示す第1の実施形態のゴルフクラブヘッドについて、図3に示す第1の測定装置100を用いて、打球音、および共振周波数を測定した。この結果を図5(a)および(b)に示す。
また、図1および図2に示す第1の実施形態のゴルフクラブヘッドに比して、ソール部の形状が通常である普通のゴルフクラブヘッドについても、図3に示す第1の測定装置100を用いて、打球音、および共振周波数を測定した。この結果を図6(a)および(b)に示す。
ここで、図5(a)は、縦軸に音圧をとり、横軸に周波数をとって、第1の実施形態のゴルフクラブヘッドの打球音の周波数分布を示すグラフである。図5(b)は、縦軸に音圧をとり、横軸に時間をとって、第1の実施形態のゴルフクラブヘッドの打球音の時間変化を示すグラフである。
また、図6(a)は、縦軸に音圧をとり、横軸に周波数をとって、普通のゴルフクラブヘッドの打球音の周波数分布を示すグラフである。図6(b)は、縦軸に音圧をとり、横軸に時間をとって、普通のゴルフクラブヘッドの打球音の時間変化を示すグラフである。
図5(a)に示すように、本実施形態のゴルフクラブヘッド20においては、打球音を周波数解析した結果、音圧レベルが略同じで、共振周波数の値が近い2つのピークP、Pが生じている。これにより、図5(b)に示すように、うなりbが生じる。このため、上述のように、本実施形態のゴルフクラブヘッドの打球音については、打球音が大きくなるとともに、残響も長くなる。
これに対して、図6(a)に示すように、普通のゴルフクラブヘッドにおいては、2つのピークQ、Qが得られるものの、共振周波数の値が離れており、かつ音圧レベルも異なる。これにより、図6(b)に示すように、うなりが生じず、音圧が単調に減少する。このため、普通のゴルフクラブヘッドは、打球音が大きくならず、かつ残響も短い。
次に、本発明の第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20の変形例について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態のゴルフクラブヘッドの変形例に係るゴルフクラブヘッドを示す模式的側断面図である。
なお、本変形例において、図1および図2に示す実施形態のゴルフクラブ10(ゴルフクラブヘッド20)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本変形例のゴルフクラブヘッド60は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20(図2参照)と比較して、ソール部24aの構成が異なり、それ以外の構成は実施形態のゴルフクラブヘッド20の構成と同様であるのでその詳細な説明は省略する。
本変形例のゴルフクラブヘッド60においては、ソール部24aに、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域62が、水平に形成されている。この領域62も円形状を呈するものである。
なお、ソール部24aは、材質などについては、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20のソール部24と同様の構成である。ゴルフクラブヘッド60の内部60aには、領域62の外縁に沿ってリブ52が形成されている。
このような構成により、本変形例のゴルフクラブヘッド60においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本変形例においては、領域62の最小曲率半径がフェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
また、この領域62も、最小曲率半径を300mm以上とし、領域62の大きさ(面積)をフェース面23の面積の30〜120%とすることがより好ましい。これにより、領域62が面として振動しやすくなり、十分な振幅が得られる。このため、打球音がより大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも一層長くなる。
さらに、本変形例においても、リブ52は、第1の実施形態と同様に、必ずしも設ける必要はない。
なお、領域62における最小曲率半径とは、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す模式的側断面図である。
なお、本実施形態において、図1および図2に示す第1の実施形態のゴルフクラブ10(ゴルフクラブヘッド20)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のゴルフクラブヘッド70は、ソール部24、クラウン部72、およびサイド部28、29のうち、少なくとも2つの部材に、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域が形成されたものである。このゴルフクラブヘッド70は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20(図2参照)と比較して、クラウン部72の構成が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20の構成と同様であるのでその詳細な説明は省略する。
本実施形態のゴルフクラブヘッド70においては、クラウン部72に、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域74が形成されている。このクラウン部72は、材質などについては、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20のクラウン部26と同様の構成である。この領域74は、円形状を呈するものであり、領域50と同じ形状である。
また、領域74の外縁に沿って、所定の高さを有するリブ76が形成されている。このリブ76は、第1の実施形態のソール部24のリブ52と同様の機能を有し、かつ同様の構成である。
領域74においては、この領域74の外縁を境界として、クラウン部72の他の領域から独立した状態(分離された状態)で振動することができる。
また、領域50の最小曲率半径、および領域74の最小曲率半径は、それぞれフェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
また、領域50の共振周波数と領域74の共振周波数との差は、領域50および領域74のうち、共振周波数の値が小さい方の共振周波数の値の±10%以内である。この共振周波数は、例えば、1次共振周波数または2次共振周波数である。なお、共振周波数は、例えば、3次以上の高次の共振周波数であってもよい。
本実施形態においては、例えば、領域50の1次共振周波数が4400Hzであり、領域74の1次共振周波数が4800Hzである。
また、領域50と、領域74との形状は同一であることが好ましい。このように、領域50と、領域74とを、同一形状とすることにより、モード形状が同じになるため、より共振が起こりやすくなる。
本実施形態のゴルフクラブヘッド60においては、ゴルフボールを打撃して衝撃を受けると、ソール部24およびクラウン部72が変形する。これにより、領域50は、ソール部24の他の領域とは独立して変形して振動し、領域74も、クラウン部72の他の領域とは独立して変形して振動する。このとき、フェース部22のフェース面23からの音と、さらにソール部24の領域50の振動による音、およびクラウン部72の領域74の振動による音が生じる。
ソール部24の領域50の振動による音、およびクラウン部72の領域74の振動による音は、周波数が近く、干渉し合成音が生じる。この合成音の音は大きく、更には、うなりが生じ、音が減衰する割合が従来よりも小さくなる。
このため、本実施形態においても、ゴルフボールの打撃時において、打球音が大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも長くなる。これにより、ゴルファにとって好ましい打球感を得ることができる。例えば、打球音について、金属音を大きくするとともに、金属音の残響を長くすることができる。
また、本実施形態においては、領域50および領域74の共振周波数を、フェース面23の共振周波数に近づけることにより、フェース面23から発生する音を更に大きくすることができる。
なお、本実施形態においては、領域50から発生する音および領域74から発生する音により、打球音を大きくするとともに、残響を長くするものである。このため、領域50および領域74の共振周波数は、いずれもフェース面23の共振周波数の値に近くなくてもよい。
さらには、本実施形態においては、フェース面23に依らず、領域50と領域74とにより、打球音を大きくし、残響を長くするものであるため、領域50と領域74との共振周波数を適宜変えることにより、ゴルフクラブヘッドのもともとの打球音に対して、その打球音の音色を変えることもできる。これにより、ゴルファが好ましいと感じる打球音の音色にすることができる。
その他、本実施形態においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、領域50の曲率半径、および領域74の曲率半径は、それぞれ、最小曲率半径が300mm以上であり、領域50および領域74の大きさ(面積)は、それぞれフェース面23の面積の30〜120%であることがより好ましい。
領域50の最小曲率半径、および領域74の最小曲率半径を、それぞれ300mm以上とし、領域50の大きさ(面積)、および領域74の大きさ(面積)を、それぞれフェース面23の面積の30〜120%とすることにより、領域50および領域74が、それぞれ面として振動しやすくなり、十分な振幅が得られる。これにより、打球音がより大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも一層長くなる。
ここで、領域74における最小曲率半径とは、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
また、本実施形態においては、ソール部24とクラウン部72とにそれぞれ領域50、72を設ける構成としたが、本発明は、これに限定されるものではなく、ソール部24、クラウン部72、およびサイド部28、29のうち、少なくとも2つの部材に、領域を設ける構成であれば、設ける位置については特に限定されるものではない。しかしながら、対向する2つの部材に向かい合うように、領域を設け、音を効果的に干渉させることが好ましい。
また、本実施形態においても、リブ52、リブ76は、第1の実施形態と同様に、必ずしも設ける必要はない。
次に、本発明の第2の実施形態のゴルフクラブヘッド70の変形例について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態のゴルフクラブヘッドの変形例に係るゴルフクラブヘッドを示す模式的側断面図である。
なお、本変形例において、図8に示す第2の実施形態のゴルフクラブヘッド70と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本変形例のゴルフクラブヘッド80は、第2の実施形態のゴルフクラブヘッド70(図8参照)と比較して、ソール部24aおよびクラウン部72aの構成が異なり、それ以外の構成は第2の実施形態のゴルフクラブヘッド70の構成と同様であるのでその詳細な説明は省略する。
本変形例のゴルフクラブヘッド80においては、ソール部24aに、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域62が、水平に形成されている。この領域62は、円形状を呈するものである。
なお、ソール部24aは、材質などについては、第2の実施形態のゴルフクラブヘッド70のソール部24と同様の構成である。
また、クラウン部72aには、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域82が、水平に形成されている。この領域82は、円形状を呈するものである。
さらに、本変形例において、領域62の最小曲率半径、および領域82の最小曲率半径が、それぞれフェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
また、本変形例においても、領域62の最小曲率半径、および領域82の最小曲率半径を、それぞれ300mm以上とし、領域62の大きさ(面積)、および領域82の大きさ(面積)を、それぞれフェース面23の面積の30〜120%とすることが好ましい。これにより、領域62および領域82が、それぞれ面として振動しやすくなり、十分な振幅が得られる。このため、打球音がより大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも一層長くなる。
なお、領域82における最小曲率半径とは、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
なお、クラウン部72aは、材質などについては、第2の実施形態のゴルフクラブヘッド70のクラウン部72と同様の構成である。
ゴルフクラブヘッド80の内部80aには、ゴルフクラブヘッド80の内部80aには、領域62の外縁にリブ52が形成されている。また、領域82の外縁にリブ76が形成されている。
このような構成により、本変形例のゴルフクラブヘッド80においても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本変形例においても、リブ52およびリブ76は、第2の実施形態と同様に、必ずしも設ける必要はない。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図10(a)は、本発明の第3の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを上側にソール部を向けた状態で示す模式的斜視図であり、(b)は、図10(a)のゴルフクラブヘッドの内部の状態を示す模式的上面図である。なお、図10(b)においては、ゴルフクラブヘッド90のクラウン部26の図示を省略している。
る。
なお、本実施形態において、図1および図2に示す第1の実施形態のゴルフクラブ10(ゴルフクラブヘッド20)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のゴルフクラブヘッド90は、ソール部24、クラウン部26、およびサイド部28、29のうち、少なくとも1つの部材に、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域が複数形成されたものである。このゴルフクラブヘッド90は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20(図2参照)と比較して、ソール部92の構成が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20の構成と同様であるのでその詳細な説明は省略する。
本実施形態のゴルフクラブヘッド90においては、ソール部92に、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域が、略円形状に形成されており、この領域の外縁を囲むように、所定の高さを有するリング状の第1リブ94aが形成されている。この第1リブ94aの中心を通り、第1リブ94aに囲まれた領域を2分割するように、所定の高さを有する直線状の第2リブ94bが形成されている。これにより、フェース面23の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい第1の領域96と、第2の領域98とが構成される。これらの第1の領域96、および第2の領域98は、いずれも半円状であり、形状が同一である。
このゴルフクラブヘッド90において、第1の領域96は、第1の領域96の外縁に位置する第1リブ94aおよび第2リブ94bを境界として、ソール部92の他の領域から独立した状態(分離された状態)で振動することができる。
また、第2の領域98は、第2の領域98の外縁に位置する第1リブ94aおよび第2リブ94bを境界として、ソール部92の他の領域から独立した状態(分離された状態)で振動することができる。
さらに、本実施形態においても、第1の領域96、および第2の領域98は、それぞれ最小曲率半径がフェース部22のフェース面23の最小曲率半径よりも大きいことが好ましい。
また、本実施形態において、ソール部92の材質などは、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20のソール部24と同様の構成である。
また、第1リブ94aおよび第2リブ94bは、第1の実施形態のソール部24のリブ52と同様の機能を有し、かつ同様の構成である。
また、本実施形態において、第1の領域96の共振周波数と、第2の領域98の共振周波数との差は、第1の領域96および第2の領域98のうち、共振周波数の値が小さい方の値の±10%以内である。この共振周波数は、例えば、1次共振周波数または2次共振周波数である。なお、共振周波数は、例えば、3次以上の高次の共振周波数であってもよい。
本実施形態において、例えば、第1の領域96の1次共振周波数が4400Hzであり、第2の領域98の1次共振周波数が4800Hzである。
また、本実施形態においても、第1の領域96と、第2の領域98との形状は同一であることが好ましい。このように、第1の領域96と、第2の領域98とを、同一形状とすることにより、モード形状が同じになるため、より共振が起こりやすくなる。
しかしながら、第1の領域96と、第2の領域98との形状は、半円に限定されるものではない。
さらに、本実施形態においても、第1の領域96の曲率半径、および第2の領域98の曲率半径は、それぞれ、最小曲率半径が300mm以上であり、第1の領域96の曲率半径、および第2の領域98のその大きさは、それぞれフェース面23の面積の30〜120%であることがより好ましい。
本実施形態においても、第1の領域96の最小曲率半径、および第2の領域98の最小曲率半径を、それぞれ300mm以上とし、第1の領域96の大きさ(面積)、および第2の領域98の大きさ(面積)を、それぞれフェース面23の面積の30〜120%とすることにより、第1の領域96および第2の領域98が、それぞれ面として振動しやすくなり、十分な振幅が得られる。これにより、打球音がより大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも一層長くなる。
なお、第1の領域96および第2の領域98における最小曲率半径とは、方向を問わず、曲率半径が最も小さいもののことである。
本実施形態のゴルフクラブヘッド90においては、ゴルフボールを打撃して衝撃を受け、ソール部92が変形し、第1の領域96および第2の領域98が、いずれもソール部92の他の領域とは独立して変形して振動する。
このとき、フェース部22のフェース面23からの音と、さらにソール部92の第1の領域96の振動による音、および第2の領域98の振動による音とが生じる。
ソール部24の第1の領域96の振動による音、および第2の領域98の振動による音は、周波数が近く、干渉して合成音が生じる。この合成音は、音圧が高く音が大きい。さらには、合成音は、うなりが生じ、音が減衰する割合が従来よりも小さくなる。
このため、本実施形態においても、ゴルフボールの打撃時において、打球音が大きくなるとともに、打球音の残響が従来よりも長くなる。これにより、ゴルファにとって好ましい打球感を得ることができる。例えば、打球音について、金属音を大きくするとともに、金属音の残響を長くすることができる。
また、本実施形態においては、第1の領域96および第2の領域98の共振周波数を、フェース面23の共振周波数に近づけることにより、フェース面23から発生する音を更に大きくすることができる。
なお、本実施形態においては、第1の領域96から発生する音および第2の領域98から発生する音により、打球音を大きくするとともに、残響を長くするものである。このため、第1の領域96および第2の領域98の共振周波数は、いずれもフェース面23の共振周波数の値に近くなくてもよい。
さらには、本実施形態においては、フェース面23に依らず、第1の領域96、および第2の領域98により、打球音を大きくし、残響を長くするものであるため、第1の領域96と第2の領域98との共振周波数を適宜変えることにより、ゴルフクラブヘッドのもともとの打球音に対して、その打球音の音色を変えることもできる。これにより、ゴルファが好ましいと感じる打球音の音色にすることができる。
その他、本実施形態においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、ソール部92に、第1の領域96、および第2の領域98を設ける構成としたが、本発明は、これに限定されるものではなく、ソール部92、クラウン部26、およびサイド部28、29のうち、少なくとも1つの部材に、複数の領域を設ける構成であれば、領域を設ける位置については特に限定されるものではない。
しかしながら、ソール部24に第1の領域96、および第2の領域98を設けることにより、他のクラウン部26、およびサイド部28、29に設けるよりも低重心化を図ることができるために好ましい。
また、本発明の第1の実施形態およびその変形例、本発明の第2の実施形態およびその変形例ならびに第3の実施形態においては、リブを設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、リブに代えて肉盛部を設ける構成でもよい。この肉盛部は、例えば、ビードにより形成されるものである。
また、本発明の第1の実施形態およびその変形例、ならびに本発明の第2の実施形態およびその変形例においては、領域を設け、この領域を円形状としたが、これに限定されるものではなく、共振周波数などに応じて、円形に代えて矩形など、適宜その形状は変更されるものである。
さらに、本発明の第1の実施形態の変形例、第2の実施形態の変形例および第3の実施形態においては、ゴルフクラブヘッド60、70、80、90について説明しているが、これらの第1の実施形態の変形例、第2の実施形態の変形例および第3の実施形態のゴルフクラブヘッド60、70、80、90を有するゴルフクラブについても、第1の実施形態のゴルフクラブと同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
以上、本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブについて説明したが、本発明は上述の実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変更を行ってもよいのは、もちろんである。
本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブを示す分解斜視図である。 図1の模式的側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの共振周波数の第1の測定装置を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの共振周波数の第2の測定装置を示す模式図である。 (a)は、縦軸に音圧をとり、横軸に周波数をとって、第1の実施形態のゴルフクラブヘッドの打球音の周波数分布を示すグラフであり、(b)は、縦軸に音圧をとり、横軸に時間をとって、第1の実施形態のゴルフクラブヘッドの打球音の時間変化を示すグラフである。 (a)は、縦軸に音圧をとり、横軸に周波数をとって、普通のゴルフクラブヘッドの打球音の周波数分布を示すグラフであり、(b)は、縦軸に音圧をとり、横軸に時間をとって、普通のゴルフクラブヘッドの打球音の時間変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態のゴルフクラブヘッドの変形例に係るゴルフクラブヘッドを示す模式的側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す模式的側断面図である。 本発明の第2の実施形態のゴルフクラブヘッドの変形例に係るゴルフクラブヘッドを示す模式的側断面図である。 (a)は、本発明の第3の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを上側にソール部を向けた状態で示す模式的斜視図であり、(b)は、図10(a)のゴルフクラブヘッドの内部の状態を示す模式的上面図である。
符号の説明
10 ゴルフクラブ
20、60、70、80、90 ゴルフクラブヘッド
22 フェース部
23 フェース面
24、24a、92 ソール部
26、72、72a クラウン部
28、29 サイド部
30 ホーゼル部
32、44 開口部
40 ゴルフクラブシャフト
50、62、74、82 領域
52、64 リブ
94a 第1リブ
94b 第2リブ
96 第1の領域
98 第2の領域
100 第1の測定装置
120 第2の測定装置

Claims (9)

  1. ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を有し、前記フェース部、前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部により外殻構造が構成されたゴルフクラブヘッドであって、
    前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部のうち、少なくとも前記ソール部は、前記フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を有し、
    前記領域は、外縁に沿ってリブまたは肉盛部が形成されて前記リブまたは前記肉盛部で囲まれており、
    前記外縁が前記リブまたは前記肉盛部で囲まれた前記領域の共振周波数の値は、前記フェース面の共振周波数の値の±10%以内であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記フェース面の共振周波数は、1次共振周波数または2次共振周波数である請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記領域の前記曲率半径は、最小曲率半径が300mm以上であり、前記領域の大きさが前記フェース面の面積の30〜120%である請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を有し、前記フェース部、前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部により外殻構造が構成されたゴルフクラブヘッドであって、
    前記ソール部が、前記フェース面よりも曲率半径が大きい領域を複数有するか、または前記ソール部、前記クラウン部、および前記サイド部のうち、少なくとも前記ソール部を含む2つの部材が、前記フェース面の最小曲率半径よりも曲率半径が大きい領域を有するものであり、
    前記各領域は、外縁に沿ってリブまたは肉盛部が形成されて前記リブまたは前記肉盛部で囲まれており、
    前記外縁が前記リブまたは前記肉盛部で囲まれた前記各領域の共振周波数の差は、前記各領域の共振周波数の小さい方の値の±10%以内であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  5. 前記1つの部材が前記フェース面よりも曲率半径が大きい領域を複数有する場合、曲率半径が大きい領域の外縁を囲むように形成された第1のリブまたは第1の肉盛部と、前記領域を2分割するように形成された第2のリブまたは前記第2の肉盛部とにより、前記フェース面よりも曲率半径が大きい第1の領域と第2の領域とが構成される請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記共振周波数は、1次共振周波数または2次共振周波数である請求項4または5に記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記各領域は、同一形状である請求項4〜6のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記各領域の前記曲率半径は、それぞれ最小曲率半径が300mm以上であり、前記各領域の大きさは、それぞれ前記フェース面の面積の30〜120%である請求項4〜7のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記請求項1〜8のいずれか1項のゴルフクラブヘッドと、前記ゴルフクラブヘッドに取り付けられるゴルフクラブシャフトとを有することを特徴とするゴルフクラブ。
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