JPH11155982A

JPH11155982A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JPH11155982A
Application number: JP9344446A
Authority: JP
Inventors: Daisuke Sanpei; 大輔三瓶; Hirato Shimazaki; 平人嶋崎; Makoto Kubota; 誠久保田; Yu Hasebe; 祐長谷部
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1997-11-28
Filing date: 1997-11-28
Publication date: 1999-06-15

Abstract

(57)【要約】【課題】心地良い打音と柔らかい打感を得るととも
に、低重心化とヒール及びトウの慣性モーメントを増大
させる。【解決手段】フェース部１を除くヘッドを構成する殻
体の各部分の少なくとも一部分例えばソール部２の中央
部２Ｃの肉厚を周辺２Ｂよりも薄い薄肉部７に形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ウッドタイプの
ゴルフクラブヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ウッドクラブのヘッドは、高強度
で而も高硬度の金属材料を採用して大型化されている。
フェース部のスイートエリアをできるだけ拡大してジャ
ストミート率を向上して、打球の飛距離と方向性とを向
上させるためである。また、特に一般プレーヤー向けの
クラブでは、打球を上がり易くして飛距離が増大するよ
うにヘッドの重心位置をできるだけ下位に設定したり、
また、打球の方向性を良くしようとしてヒールとトウの
慣性モーメントを増加するために、ヘッド各部の重量・
肉厚をソールやヒール及びトウに移すことが行われてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、ヘッドの大
型化のために、高強度・高硬度の金属材料を用いて中空
の殻体構造とされたことから、ヘッドのフェース部でボ
ールが打撃された際に、耳障りな鋭く大きい音が発生し
易く、さらに堅過ぎる打感となって肘や手首への衝撃を
気にする人が多々あるという問題が懸念されてきた。さ
らに、ヘッドの大型化が進み、殻体が極めて薄肉とされ
てきたために、ヘッドの低重心化やヒール・トウの慣性
モーメントの増大を実施しようとしても、ソール或いは
ヒール・トウに配分したい重量をこれ以上他の部分から
削り出すことが困難であるという問題があった。

【０００４】そこで、この発明は、心地良い打音と柔ら
かい打感が得られ、しかも一層の低重心化とヒール・ト
ウの慣性モーメントの増大が図れるゴルフクラブヘッド
を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、フェース部、ソール部、クラウン部、
両サイド部、バックサイド部の各部分を備えた金属製の
殻体からなる中空のゴルフクラブヘッドであって、フェ
ース部を除く各部分の少なくとも一部分の中央部の肉厚
を周辺よりも薄い薄肉部に形成したものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施態
様について図面を参照にして説明する。

【０００７】図１に示す第１の発明の実施態様では、金
属製の殻体からなる中空のゴルフクラブヘッドの断面を
示し、フェース部１、ソール部２、クラウン部３、バッ
クサイド部４を示し、図２において両サイド部５，６を
示している。これら各部分を備えた殻体のフェース部１
を除く各部分のうちソール部２の中央部２Ｃの肉厚を周
辺２Ｂよりも薄い薄肉部７に形成してある。この薄肉部
７が形成されるソール部２の中央部２Ｃの領域は、フェ
ース部１のトウ８からヒール９にわたる幅とほぼ同一幅
で、フェース部１からバックサイド部４にわたるソール
幅のほぼ３分の１以上の長さにわたる。なお、符号１０
は図示しないシャフトが挿入固着されるためのホーゼル
であり、殻体に一体成形してある。

【０００８】図１及び図２に示す第１の発明の実施態様
において、薄肉部７の最も肉厚が薄い部分は１mmとし、
薄肉部７のバックサイド部４寄りに両サイド部５，６に
わたってウェイト１１を設けてある。図２において符号
２Ｂはソール部２の周辺を示し、符号２Ｃは薄肉部７の
形成された中央部を示す。この実施態様では周辺２Ｂの
幅を８mmとした。図３は、ソール部２のみの断面図であ
り、ソール部２の内側からくぼんだ第１の発明の実施態
様の薄肉部７を示す。

【０００９】図４に示すソール部２は、外側から内側に
くぼんでソール部２の中央部２Ｃを薄肉部７としたもの
であり、図５は内側と外側の両側にくぼんで薄肉部７を
形成したものである。

【００１０】上述した第１の発明の実施態様では、ソー
ル部２に薄肉部７を形成したが、クラウン部３に同様の
薄肉部７を形成することもできるし、さらに両サイド部
５，６やバックサイド部４に薄肉部７を形成することも
でき、これら各部分の薄肉部７を２以上組合せてもよ
い。なお、薄肉部７が形成された部分の最も厚い部分に
対する最も薄い部分の比率は、３０〜８０％の範囲内に
設定することが好ましい。

【００１１】図１及び図２に示すヘッドは、全体がチタ
ン合金製の殻体とされており、フェース部２の厚さを
２．７mm、クラウン部３及び両サイド部５，６並びにバ
ックサイド部４では全域１．５mmの肉厚とされている。
ソール部２は周辺２Ｂが最大の肉厚１．５mmとされ、而
もその中心部に向かってヘッド内側を弧状に薄くされて
中心部の最小肉厚が１．０mmとされている。また、ソー
ル部２の中央部２Ｃの薄肉化によって取除かれた体積・
重量を図１に示すように、ヘッドの後方に固着される棒
状のウェイト１１に転化して、ヘッドの重心を低くかつ
後方に移動するようにしている。なお、ソール部２の中
央部２Ｃの薄肉化により取除かれた体積・重量をヒール
９及びトウ８に追加配分して、これらの部位の慣性モー
メントを増大することもできる。

【００１２】図６は、第２の発明の一実施態様を示す断
面図であり、ソール部２は全体が１．５mmの肉厚であ
り、薄肉部７は形成されておらず、ヘッドの外側から内
側へ向けてへこんだ凹陥部１２を形成してある。ここ
で、フェース部１を代表する線分Ａとフェース部１寄り
のソール部２を代表する線分Ｂとに挟まれる角度θは、
７０°〜６０°の範囲が好ましく、この実施態様では６
６°に設定され、凹陥部１２のない場合に比べて約１２
°程度小さな角度とされている。凹陥部１２は、フェー
ス部１のスイートエリアの後方にトウ８からヒール９に
わたる幅とほぼ同一幅で、フェース部１からバックサイ
ド部４にわたるソール幅のほぼ３分の１以上の長さを有
する単一のものとされるのが好ましいが、この実施態様
ではソール幅のほぼ全幅の長さとされている。

【００１３】図７は、第３の発明の一実施態様を示す底
面図であり、ソール部２にフェース部１の輪郭線にほぼ
平行な溝１３が両サイド部５，６にわたって形成してあ
る。この溝１３の末端を両サイド部５，６側で開口して
ある。この溝１３の深さは、図８に示すように、ソール
部２の肉厚１．５mmに対し０．８mmとし、その幅を１０
mmとし、断面形状をＵ字型とした。この溝１３は２本以
上であってもよく、ソール幅の中点近傍に設けることが
好ましい。溝１３の断面形状は、円弧型であってもよ
い。ソール厚（ｔ）は、通常１．２〜１．５mmとされる
ことから、溝深さ（ｄ）はｄ＝（０．１〜０．８）×ｔ
で示される範囲内に、また溝幅は１〜３０mmの範囲内に
設定されるのが好ましい。また、前記溝１３を複数本設
ける場合には、溝ピッチを溝幅の３倍以下とするのが良
い。さらに、前記溝１３は、ソール部２の外側又は内側
或いはそのどちら側にも設置できる。しかも、前記溝１
３はその長手方向に直線状であるのが好ましいが、湾曲
した形状とすることも可能である。なお、図９に示すよ
うに、同一肉厚のソール部２を凹凸に曲折させ溝１３を
形成することもできる。

【００１４】第１の発明の前記実施態様のヘッドを採用
したドライバーウッドクラブの打音の効果を確認するた
めに、クラブのフェース部１でボールを打撃した際のソ
ール部２の振動挙動をソール部２に加速度計を貼り付け
て測定し、得られた波形を周波数分析した。図１０及び
図１１は、実施例、比較例（ソール部は均一の１．５mm
の肉厚）について縦軸を振動伝達函数、横軸を周波数と
した結果であって、比較例の一次共振周波数３９５０Ｈ
ｚに対し、実施例では３３００Ｈｚと低周波側にあり、
従来のヘッドの高い耳障りな打音が改善されているのが
判る。

【００１５】上述した薄肉部７、凹陥部１２、溝１３を
夫々組合せた実施態様も可能であり、組合せ態様の一例
としては、クラウン部３に薄肉部を形成し、ソール部２
に凹陥部１２又は／及び溝１３を形成することができ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ヘッドの殻体を構成する部分、例えばソール部又は
／及びクラウン部において、その中央部の肉厚がその周
辺より相当に薄く設定される。このため、ゴルフボール
をヘッドのフェース部で打撃した際に、ヘッドが受ける
衝撃力は、ソール部又はクラウン部の中央部に設けられ
た前記薄肉部の局部的な歪みによって吸収緩和される。
この結果、打音の音質が変化して耳障りな音が低減する
とともに、プレーヤーの手や腕への衝撃の伝達が減少し
て打感も改良される。さらに、前記の如くして、肉厚を
薄く設定することによって創出された余分の重量を、ソ
ール部或いはヒールとトウに配分することによって、ヘ
ッドの低重心化とヒール・トウの慣性モーメント増大を
一層進めることができることから、打球の飛距離の増大
とジャストミート率（ボールがスイートエリアに当たる
割合）が向上し正確な方向性を得ることができる。

【００１７】また、ソール部の肉厚を一定にしながら
も、フェース部のスイートエリアの後方にトウからヒー
ルにわたる幅とほぼ同一幅で、フェース部からバックサ
イドにわたるソール幅のほぼ３分の１以上の長さを有す
る単一の凹陥部を外側から内側にくぼむように形成した
発明では、ボールをインパクトしたときの衝撃力は、こ
の凹陥部の挙動によって吸収緩和され、打音と打感とが
ともに改良される。

【００１８】さらに、ソール部等の部分に溝を形成した
ものでは、ボールをインパクトした時の衝撃力はそれら
の部分に設けられた打撃方向に交差して延在する溝を節
とする該部分の挙動や溝自体の形状変化に基づいて、前
記同様の吸収緩和がソール部内でなされるために、上述
したと同様の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の発明の実施態様を示す断面図。

【図２】図１の平面図。

【図３】ソール部の断面図。

【図４】ソール部の断面図。

【図５】ソール部の断面図。

【図６】第２の発明の実施態様を示す断面図。

【図７】第３の発明の実施態様を示す底面図。

【図８】図７のＳ−Ｓ線拡大断面図。

【図９】溝の変形例を示す拡大断面図。

【図１０】第１の発明の実施例におけるボール打撃時の
ソール部の振動挙動を測定して得られた波形を示すグラ
フ。

【図１１】比較例における図１０と同様のグラフ。

【符号の説明】

１フェース部２ソール部２Ｂソール部の周辺２Ｃソール部の中央部３クラウン部４バックサイド部５，６両サイド部７薄肉部８トウ９ヒール１２凹陥部１３溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者長谷部祐東京都品川区南大井６丁目22番７号ブリヂストンスポーツ株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フェース部、ソール部、クラウン部、両
サイド部、バックサイド部の各部分を備えた金属製の殻
体からなる中空のゴルフクラブヘッドであって、フェース部を除く各部分の少なくとも一部分の中央部の
肉厚を周辺よりも薄い薄肉部に形成したことを特徴とす
るゴルフクラブヘッド。
【請求項２】フェース部、ソール部、クラウン部、両
サイド部、バックサイド部の各部分を備えた金属製の殻
体からなる中空のゴルフクラブヘッドであって、ソール部又は／及びクラウン部にフェース部のスイート
エリアの後方にトウからヒールにわたる幅とほぼ同一幅
で、フェース部からバックサイド部にわたるソール幅の
ほぼ３分の１以上の長さを有する単一の凹陥部を外側か
ら内側にくぼむように形成したことを特徴とするゴルフ
クラブヘッド
【請求項３】フェース部、ソール部、クラウン部、両
サイド部、バックサイド部の各部分を備えた金属製の殻
体からなる中空のゴルフクラブヘッドであって、フェース部を除く各部分の少なくとも一部分に１本又は
２本以上の溝を形成したことを特徴とするゴルフクラブ
ヘッド。