JP2008086351A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明はゴルフクラブヘッドに関し、打球音の改善を図ったゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【解決手段】 開口部を有する中空な金属製のヘッド本体と、当該開口部を覆って、ヘッド本体と共に中空外殻体構造を形成する繊維強化樹脂製のカバー部材とを有するヘッドであって、前記クラウン部と前記ソール部のバック側に、その端部が架設された複数の帯状部材を備えたことを特徴とする。そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のヘッドに於て、前記帯状部材を、ヘッド本体のトゥ,ヒール方向に比しクラウン,ソール方向が幅広な帯状に形成したことを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のヘッドに於て、前記帯状部材を、フェース部の打球面上に位置するスイートスポットを挟んで形成したことを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】 開口部を有する中空な金属製のヘッド本体と、当該開口部を覆って、ヘッド本体と共に中空外殻体構造を形成する繊維強化樹脂製のカバー部材とを有するヘッドであって、前記クラウン部と前記ソール部のバック側に、その端部が架設された複数の帯状部材を備えたことを特徴とする。そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のヘッドに於て、前記帯状部材を、ヘッド本体のトゥ,ヒール方向に比しクラウン,ソール方向が幅広な帯状に形成したことを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のヘッドに於て、前記帯状部材を、フェース部の打球面上に位置するスイートスポットを挟んで形成したことを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は中空外殻体構造のゴルフクラブヘッドに関し、詳しくは金属製ヘッド本体に設けた開口部を覆って、当該開口部に繊維強化樹脂製のカバー部材を装着したゴルフクラブヘッドに関する。
ウッドと称されるゴルフクラブのゴルフクラブヘッド(以下、「ヘッド」という)の素材は、時代と共に変化している。
当初は、パーシモンを始めとする木製のヘッドが主流であったが、その後、製造技術や素材の進歩によりカーボン(CFRP)製が登場し、更には鋳造技術,金型技術が進歩して金属(ステンレスやアルミニウム,チタン)製のヘッドが登場した。
当初は、パーシモンを始めとする木製のヘッドが主流であったが、その後、製造技術や素材の進歩によりカーボン(CFRP)製が登場し、更には鋳造技術,金型技術が進歩して金属(ステンレスやアルミニウム,チタン)製のヘッドが登場した。
また、素材の変化と共にヘッドの体積も大きくなり、打ち易いゴルフクラブとなってきている。そして、現在ではチタン製が主流で400cm3を超えるヘッドも登場し、パーシモン製のヘッドに比し2倍以上の大きさとなっている。
しかし、ヘッドの大型化に伴い、製造技術も限界に近くなり、中空なヘッドの外殻体の肉薄化も限界に近づき、重心位置設計や適正ヘッド重量の設計の自由度もなくなりつつあったが、昨今、チタンで形成された中空なヘッド本体のクラウン部にその周縁部を残して開口部を設けると共に、当該開口部を覆ってカーボン繊維やガラス繊維を強化繊維とする繊維強化樹脂製のプレート部材(カバー部材)をクラウン部に装着した複合ヘッドが特許文献1に開示されており、斯様にクラウン部の一部をヘッド本体に比し比重の小さい繊維強化樹脂で構成することで、重量余力がでて設計の自由度が増し、重心位置の調整が容易となった。
しかし、ヘッドの大型化に伴い、製造技術も限界に近くなり、中空なヘッドの外殻体の肉薄化も限界に近づき、重心位置設計や適正ヘッド重量の設計の自由度もなくなりつつあったが、昨今、チタンで形成された中空なヘッド本体のクラウン部にその周縁部を残して開口部を設けると共に、当該開口部を覆ってカーボン繊維やガラス繊維を強化繊維とする繊維強化樹脂製のプレート部材(カバー部材)をクラウン部に装着した複合ヘッドが特許文献1に開示されており、斯様にクラウン部の一部をヘッド本体に比し比重の小さい繊維強化樹脂で構成することで、重量余力がでて設計の自由度が増し、重心位置の調整が容易となった。
また、一般に、ヘッドの打球音は、ソール部やクラウン部の構造に大きく影響され、ゴルファが心地良く感じる打球音を有するヘッドは、高音でかつ残響音が長く発生しており、このような打球音を得るためには、金属製のヘッドのクラウン部及びソール部の厚さをより薄くし、より響きやすい構造とすることが良い。
特許文献1のヘッドは、クラウン部がカーボン繊維やガラス繊維を強化繊維とする繊維強化樹脂製のプレート部材で構成されているため、ヘッド本体全体を金属で形成したヘッドに比し、打球音がプレート部材により振動が減衰し、心地良い金属音が得られないという欠点を有する。
一方、特許文献1のヘッドには、更にクラウン部の開口部を横断するブリッジ部をヘッド本体の前後方向に架設して、開口部を覆うプレート部材を当該ブリッジ部で支持したヘッドも開示されており、開口部を横断するブリッジ部をヘッド本体の前後方向に架設した構造上、クラウン部の補強が図れ、また、ブリッジ部に沿って振動がヘッド本体の後方へと伝達されるため、ブリッジ部のないヘッドに比しヘッドの打球音の残響効果が得られる。
一方、特許文献1のヘッドには、更にクラウン部の開口部を横断するブリッジ部をヘッド本体の前後方向に架設して、開口部を覆うプレート部材を当該ブリッジ部で支持したヘッドも開示されており、開口部を横断するブリッジ部をヘッド本体の前後方向に架設した構造上、クラウン部の補強が図れ、また、ブリッジ部に沿って振動がヘッド本体の後方へと伝達されるため、ブリッジ部のないヘッドに比しヘッドの打球音の残響効果が得られる。
また、特許文献2には、打球音の周波数と音量を増加させて音響効果を高めるため、ソール面と側壁部内面に、切欠部を有する板状部材や角棒,丸棒等の棒状部材からなる打球音制御部材を設けたヘッドが開示されている。
しかし乍ら、特許文献1において、開口部を覆うプレート部材をブリッジ部で支持したヘッドは、クラウン部の補強を図ることを目的としており、また、ブリッジ部に当接するプレート部材によって振動減衰が大きく、残響音が短くなって依然として心地良い金属音が得られないという不具合が指摘されていた。
また、特許文献2の打球音制御部材は、ヘッドの特にバック部側の剛性を上げるもので、これを振動させて打球の残響音を長くすることができないのが実情であった。
而も、打球音制御部材は加振源たるヘッドの打球面から離れているため、打球時の振動が打球音制御部材に伝わり難く、また、板状部材や角棒,丸棒等の棒状部材は、打球時の衝撃で振動し難いため、残響音が短くなって心地良い金属音が得られないという不具合が指摘されている。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、打球音の改善を図り、残響音の効果を高め心地良い打球音を得ることができるヘッドを提供することを目的とする。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、打球音の改善を図り、残響音の効果を高め心地良い打球音を得ることができるヘッドを提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、打球面を構成するフェース部と、該フェース部周縁から後方に延設したソール部、クラウン部、及びサイド部と、クラウン部からサイド部に亘って形成された開口部とを有する中空な金属製のヘッド本体と、当該開口部を覆って、ヘッド本体と共に中空外殻体構造を形成する繊維強化樹脂製のカバー部材とを有するゴルフクラブヘッドであって、
前記クラウン部のフェース部周辺近傍と前記ソール部のフェース部周辺近傍からバック部側に、その端部が架設された複数の帯状部材を備えたことを特徴とする。
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のヘッドに於て、前記帯状部材を、クラウン部のフェース部周辺近傍からソール部のバック側に亘って架設すると共に、ヘッド本体のトゥ,ヒール方向に比しクラウン,ソール方向が幅広な帯状に形成したことを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のヘッドに於て、前記帯状部材を、フェース部の打球面上に位置するスイートスポットを挟んで形成したことを特徴とする。
前記クラウン部のフェース部周辺近傍と前記ソール部のフェース部周辺近傍からバック部側に、その端部が架設された複数の帯状部材を備えたことを特徴とする。
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のヘッドに於て、前記帯状部材を、クラウン部のフェース部周辺近傍からソール部のバック側に亘って架設すると共に、ヘッド本体のトゥ,ヒール方向に比しクラウン,ソール方向が幅広な帯状に形成したことを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のヘッドに於て、前記帯状部材を、フェース部の打球面上に位置するスイートスポットを挟んで形成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、開口部を金属製ヘッド本体のクラウン部からサイド部に亘って設けることで、重量余力が増して重量配分等の設計自由度が向上させつつ、ボールを打撃した際の振動を帯状部材により伝わり易く、帯状部材はこれを断面円形状や断面正方形状に形成した場合に比し容易に振動するため、複数の帯状部材間により振動を共鳴、干渉させ、打球音を残響させることができると共に、帯状部材をクラウン部のフェース部周辺近傍からソール部に架設したので、一端が加振源に近く、また、他端がソール部の振動抑制を図るため、音響調整が容易となり、打球音の向上が図れる。
そして、請求項2に係る発明によれば、帯状部材が上下方向に細長い帯状(短冊状)に形成されているため、打球時の振動で帯状部材が振動し易く、この結果、更に残響音の長い心地良い打球音を得ることができる利点を有する。
また、請求項3に係る発明によれば、前記帯状部材を、フェース部の打球面上に位置するスイートスポットを挟んで形成したので、スィートスポットでの打球時の振動を安定して帯状部材で残響することができ、トウ、ヒール方向に打点ずれした打球時のヘッドの変形を少なくでき、この結果、打点ずれしても、安定した打球音が得られ、音響効果が高まり打球音の向上が図れる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブ7の全体図を示す。
本実施形態のゴルフクラブ7は、例えば繊維強化樹脂あるいは金属で管状構造に形成したシャフト37の一端すなわち先端に基準水平面Pに対して規定のライ角αおよび図示しないロフト角に設定して中空構造のヘッド43を止着し、天然ゴムあるいは合成ゴム等の柔軟性部材や軟質材料で形成したグリップ5を基端に取り付けてあり、中空外殻体構造のウッド型ゴルフクラブとして形成してある。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブ7の全体図を示す。
本実施形態のゴルフクラブ7は、例えば繊維強化樹脂あるいは金属で管状構造に形成したシャフト37の一端すなわち先端に基準水平面Pに対して規定のライ角αおよび図示しないロフト角に設定して中空構造のヘッド43を止着し、天然ゴムあるいは合成ゴム等の柔軟性部材や軟質材料で形成したグリップ5を基端に取り付けてあり、中空外殻体構造のウッド型ゴルフクラブとして形成してある。
ここに、ライ角αは、後述するソール部あるいは基準水平面Pに対するシャフト37の中心軸であるシャフト軸線Sの角度であり、ヘッド43のソール部21および地面を通る基準水平面Pに対するシャフト37のシャフト軸線Sの角度を規定するものである。また、ロフト角は、フェース部の打球面10が、基準水平面Pに直交する垂直面との間に形成する角度である。
図1乃至図4に示すように、15はフェース部17やクラウン部(トップ部)19,ソール部21,サイド部(トゥ部23,ヒール部25,バック部27からなる側壁部)29がチタン合金で一体に鋳造された中空なヘッド本体で、ヘッド本体15のヒール部25側には、クラウン部19からソール部21に向かってシャフト止着孔31が形成された筒状のシャフト止着部(図示せず)が、ヒール部25とフェース部17との間に間隙を開けて一体形成されており、図3に示すようにシャフト止着部は、ヘッド本体15の上方へ突出してホーゼル部33を形成している。
ソール部とサイド部との境界に関し、稜線または曲率変化が明確な場合は、その稜線または曲率変化の中央で、明瞭でない場合は、基準水平面からの高さ5mmまでの範囲をソール部とする。
そして、図2に示すようにシャフト止着孔31に、樹脂製のスペーサやソケット35を介してシャフト37がヘッド本体15の上方からソール部21に向けて挿着されている。
また、図4に示すようにフェース部17の中央には、チタン等の高強度材で形成されたフェース部材39が取り付く開口部41が設けられており、当該開口部41にフェース部材39が溶接されてヘッド43の打球面10が形成されている。そして、図2に示すようにフェース部材39の表面には、複数本のスコアライン45がヘッド43のトゥ,ヒール方向に設けられており、フェース部材39とフェース部17で形成されるヘッド43の打球面10は略同曲率の面とされている。
また、図4に示すようにフェース部17の中央には、チタン等の高強度材で形成されたフェース部材39が取り付く開口部41が設けられており、当該開口部41にフェース部材39が溶接されてヘッド43の打球面10が形成されている。そして、図2に示すようにフェース部材39の表面には、複数本のスコアライン45がヘッド43のトゥ,ヒール方向に設けられており、フェース部材39とフェース部17で形成されるヘッド43の打球面10は略同曲率の面とされている。
更に、図2乃至図5に示すようにヘッド本体15には、クラウン部19からサイド部29に亘って開口部47が形成され、当該開口部47を繊維強化樹脂製のカバー部材49が覆って中空外殻体構造のヘッド43が形成されており、斯様にクラウン部19からサイド部29に亘って開口部47を設けてこれを繊維強化樹脂製のカバー部材49で覆うことで、重量余力が増し、重量配分等の設計自由度が増すこととなる。
カバー部材49は、カーボン繊維やガラス繊維に、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂等のマトリックスを含浸した半硬化状のプリプレグシートを所定形状に裁断して積層した後、これらを炉内で所定の圧力下で焼成して形成した積層体で、図2乃至図4に示すようにカバー部材49は、前記クラウン部19と面一にヘッド43のクラウン部を形成する上面部49aと、これに一体形成されて前記サイド部29と面一にヘッド43のサイド部を形成する周壁部49bとで構成され、上面部49aと周壁部49bは、ヘッド本体15と共にやや丸みを帯びたヘッド43の外形形状を形成するように所定の曲率半径で形成されている。
一方、図3乃至図6に示すようにヘッド本体15の外周には、開口部47の周縁部全周に亘って、カバー部材49の周縁部をヘッド本体15に面一に載置する凹状の載置部51が一定の幅を以って形成されており、図6に示すように当該載置部51にカバー部材49が接着剤Zで接合されている。
そして、本実施形態は、上述の如き構成に加え、クラウン部19のフェース部周辺近傍とソール部21のフェース部周辺近傍のバック部側の間に、前記カバー部材49と離間させて帯状部材53をヘッド本体15の上下方向に架設したことを特徴とする。
図4および図5に示すように、SSは、ヘッド43のスィートスポットであり、ヘッド内重心G位置よりフェース面に対し垂直に下ろした点であり、打球時に置いて、ボールに対し最も効率良くエネルギーを伝達させ得るフェース面上の位置である。
帯状部材53は、図4において、クラウン部19のフェース部周辺近傍からソール部21に亘ってヘッド本体の上下方向へ一定幅wを以て、図5において、フェース部17に対して直交する前後方向へ一定幅tを以て形成されている。そして、図6に示すように帯状部材53のフェース部17側は、前記載置部51裏面に接続されると共に、フェース部17の裏面側へオフセットして、開口部47の縁部の内側部に接続されている。
一方、帯状部材53の他端側は、打球面10からバック部17の方向の前後方向の全長の半分よりバック部17側のソール部21に接続されており、帯状部材53はヘッド本体15の形成時にクラウン部19やソール部21と一体に形成される。
そして、既述したように帯状部材53は、ヘッド本体15の前後方向へ一定幅tで形成されているが、図4及び図5に示すように帯状部材53は、ヘッド本体15のトゥ,ヒール方向の幅tに比しクラウン,ソール方向の幅wが幅広な上下方向に細長い帯状(短冊状)に形成されて断面形状の縦横バランスが崩されており、斯様に縦横バランスを崩すことで、帯状部材53を断面円形状や断面正方形状に形成した場合に比し、打球時の衝撃で帯状部材が53が振動し易くなる。
そして、既述したように帯状部材53は、ヘッド本体15の前後方向へ一定幅tで形成されているが、図4及び図5に示すように帯状部材53は、ヘッド本体15のトゥ,ヒール方向の幅tに比しクラウン,ソール方向の幅wが幅広な上下方向に細長い帯状(短冊状)に形成されて断面形状の縦横バランスが崩されており、斯様に縦横バランスを崩すことで、帯状部材53を断面円形状や断面正方形状に形成した場合に比し、打球時の衝撃で帯状部材が53が振動し易くなる。
帯状部材53をソール部へ接続し、振動するソール部面を細かく分割することにより、打球音が低く、残響音が短くなるソール部自体の大きな振動をとなり、打球音が低く、残響音が短くなることを抑制し、音響効果を高め、打球音の向上する。
また、図4および図5に示すように、SSは、ヘッド43のスィートスポットであり、ヘッド内重心G位置よりフェース面に対し垂直に下ろした点であり、打球時に置いて、ボールに対し最も効率良くエネルギーを伝達させ得るフェース面上の位置である。
帯状部材53は、このスィートスポットSSと重心Gとを結ぶ線分Hを挟む様に2本形成されている。
帯状部材53は、このスィートスポットSSと重心Gとを結ぶ線分Hを挟む様に2本形成されている。
本実施形態はこのように構成されており、クラウン部19からサイド部29に亘って開口部47を設けてこれを繊維強化樹脂製のカバー部材49で覆った結果、重量余力が増して重量配分等の設計自由度が増すと共に、クラウン部19の一部を軽量な繊維強化樹脂製のカバー部材49で置き換え、且つ図6で既述したように帯状部材53をソール部21に接続したことで、ヘッド43の低重心化が図れる。
そして、斯かる帯状部材53をフェース部17に対して直交するヘッド本体15の前後方向へ設けたことで、打球時の振動が帯状部材53に沿ってヘッド本体15の後方へと良好に伝達し、而も、帯状部材53がカバー部材49と離間しているため、当該帯状部材53に沿って後方へと伝達する振動がカバー部材49によって減衰されることがなく、心地良い金属音が発生する。
而も、既述したように帯状部材53は、ヘッド本体15のトゥ,ヒール方向の幅tに比しクラウン,ソール方向の幅wが幅広な上下方向に細長い帯状(短冊状)に形成されているため、打球時の振動で帯状部材53が振動し易く、また、帯状部材53が打球時の振動の伝わり易いヘッド本体15の前後方向へ帯状に形成されて、かつ、帯状部材間により振動を共鳴、干渉させ、打球音を残響させることができることも相俟って、心地良い金属音の残響音が長くでき、音響効果を高め、打球音の向上が図れる。
また、打球時の衝撃で、開口部47のフェース部側周辺近傍を外方へ変形させようとする応力がヘッド本体15にかかるが、上下方向に細長く帯状に形成された帯状部材53がクラウン部19のフェース部周辺近傍に架設されているため、帯状部材53が斯かる応力に抗して変形を防止し、開口部49の周縁部を補強する。而も、既述したように帯状部材53は、ソール部21のフェース部周辺近傍より後方に接続されているため、クラウン部19の補強が図れ、強度が向上し、薄肉化等が行える。
又、帯状部材53は、このスィートスポットSSと重心Gとを結ぶ線分Hを挟む様に2本形成されているため、スィートスポットでの打球時の振動を安定して帯状部材で残響することができ、トウ、ヒール方向に打点ずれした打球時のヘッドの変形を少なくでき、この結果、打点ずれしても、安定した打球音が得られ、音響効果が高まり打球音の向上が図れる。
本実施形態のおいては、帯状部材53をスィートスポットを挟むように、2本平行に形成したが、少なくとも2本がスィートスポットを挟んで対称に配置していればよく、それ以外にスィートスポット位置に配置されたものがあっても、4本以上形成しても良く、音響調整ができ、音響効果を高めることができる。
図6で既述したように帯状部材53のフェース部17側が、クラウン部19の裏面側へオフセットして開口部47の縁部の内側部に接続された構造上、接着剤Sによるカバー部材49の接合によって接合部位に接着剤溜まりZ1が形成されても、接着剤溜まりZ1が帯状部材53に被さることがなく、接着剤溜まりZ1によって帯状部材53の振動が妨げられることがない。
表1の仕様に基づいてウッド型のゴルフクラブヘッドを複数種類試作するとともに、これらの同一のカーボンシャフトを装着して実際にゴルフボールを打撃して打球音テストを行った。打球音テストは、ハンディキャップ2〜30の50名のゴルファーによる官能評価とした。最高点を5点として打球音の大きさ(大きいほど得点が高い)、打球音の高さ(高いほど得点が高い)、残響度合い(残響が長いものほど得点が高い)、好み(好みに近いほど得点が高い)の4つの評価を行ない、平均点で評価した。
なお比較例1として、図7に示すように、帯状部材をフェース部周辺近傍からバック部に架設したもの、比較例2として、帯状部材を形成しないものについてそれぞれ同様のテストを行った。なお、いずれも帯状部材を除いてヘッド形状、材料(Ti−6Al−4V)は同一のものを採用している。
テストの結果を表1に示す。
テストの結果を表1に示す。
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べると、打球音の音が大きく、澄んだ音となり、金属製ヘッドと変わらない音となったことが確認できる。一方、バック部に帯状部材を架設したものは、打球後に残響音だけが残り、明らかに打球音の悪化が見られる。
15 ヘッド本体
17 フェース部
19 クラウン部
21 ソール部
23 トゥ部
25 ヒール部
27 バック部
29 サイド部
39 フェース部材
43 ヘッド
47 開口部
49 カバー部材
51 載置部
53 帯状部材
Z 接着剤
Z1 接着剤溜まり
17 フェース部
19 クラウン部
21 ソール部
23 トゥ部
25 ヒール部
27 バック部
29 サイド部
39 フェース部材
43 ヘッド
47 開口部
49 カバー部材
51 載置部
53 帯状部材
Z 接着剤
Z1 接着剤溜まり
Claims (3)
- 打球面を構成するフェース部と、該フェース部周縁から後方に延設したソール部、クラウン部、及びサイド部と、クラウン部からサイド部に亘って形成された開口部とを有する中空な金属製のヘッド本体と、当該開口部を覆って、ヘッド本体と共に中空外殻体構造を形成する繊維強化樹脂製のカバー部材とを有するゴルフクラブヘッドであって、
前記クラウン部のフェース部周辺近傍と前記ソール部のフェース部周辺近傍からバック部側に、その端部が架設された複数の帯状部材を備えたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記帯状部材を、ヘッド本体のトゥ,ヒール方向に比しクラウン,ソール方向が幅広な帯状に形成したことを特徴とする請求項1のゴルフクラブヘッド。
- 前記帯状部材を、フェース部の打球面上に位置するスイートスポットを挟んで形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
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