JP4358334B2 - 多彩凹模様被覆組成物 - Google Patents
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Description
【産業の属する技術分野】
本発明は、多彩凹模様被覆組成物に関するものである。さらに詳しくは本発明は、媒体と媒質の乾燥時の収縮性の差を利用して大部分を占める平滑な面の中に凹模様を現出させることができる多彩凹模様被覆組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多彩模様塗料あるいは多彩塗料は、1回塗るだけで、いくつもの色が斑点や斑紋状の模様にちりばめた塗膜を与える塗料のことで、1つの塗料の中に、この塗料と溶け合わない色の違った塗料を懸濁させた非相溶形と着色したポリマー粒子や珪砂を着色骨材として用いたものがある。色調や光沢の組み合わせによりいろいろな意匠性をもった塗膜を得ることができるため、家電製品、建築材等に適用されている。
多彩模様塗料の水性タイプのもの、すなわち水性の多彩被覆組成物は、水媒体中に、媒質として非相溶性である有機溶剤に溶解した合成樹脂、または油脂もしくは脂肪酸と重縮合した高粘度合成樹脂に適当な着色剤を添加したものを懸濁させた組成物である。この組成物を吹き付け、またはコテ、ヘラで被塗面に被覆している。従来より水性の多彩被覆組成物は、例えば媒質としての有機溶剤に溶解した樹脂に顔料または着色剤が分散された組成を、水性溶媒体中に粒子状に懸濁分散しているため、吹き付け被覆時、ノズルより吐出し被塗面に到達したときの激突圧による広がり、次いで乾燥に至る過程での流動広がり性等により、ノズル口径の数倍の有彩粒子として視認でき好都合ではあるが、被覆された有彩粒子の粒子状態は不均一で粒子の大きさの制御に困難性があり必ずしも美しい多彩模様塗料とは言えない問題点を有している。
【0003】
最近では球状の有機、または無機質の着色粒子、ガラスバルウン等の合成物、天然無機質の焼成バルウン、合成樹脂バルウン等の着色球状粒子の色の組み合わせによる多彩被覆物が数多く開発されている。これらの被覆手段としての共通の要望は、美しい多彩模様、経済性、作業容易性、かつ、画一的な仕上がりであり、被覆手段として吹き付けによる被覆が一般になっている。
しかし、球状粒子自体も、天然石等の各色細粒子と同様に、ノズルより吐出する時に変形しないので、容易で安定した吹き付け施工を期待すれば、ノズル口径の1/2程度の粒子径を用いなければならないという点で制約がある。例えば、ノズル口径を1.5mmに固定したと仮定すれば、上記天然石等の各色細粒子にあっては0.5の粒子径となり、上記着色球状粒子においては0.7mm程度の粒子径となる。その結果、多色を組み合わせても、多彩被覆組成物を形成しても、各色が被覆後において視認できず、多彩の被覆物である本来的意義を失い玉虫色の感を呈する程度の色彩となるに過ぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、吹き付けまたはローラー塗布することで、明らかに凹模様で、かつ容易に視認できる多彩となる、該被覆面は今までに市場に有る通常の塗材とは異なり、塗膜面の大部分が平滑でありその中に異なった色相の粒子形状の凹部分ができた、感触はスムーズでありながら凹がありかつ多彩である多彩凹模様被覆組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と媒質由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
媒質が媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きいものであり、したがって本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。上記の媒体は塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整されたものであり、したがって本発明は、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。上記の媒体は、合成樹脂エマルジョンに、バルウンおよび/または体質顔料が添加され、一般塗材と比較し塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の少ないものであり、したがって本発明は、合成樹脂エマルジョンに、バルウンおよび/または体質顔料が添加され、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
【0006】
媒質が着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子であり、したがって本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と媒質である着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい、媒質である着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい、媒質である着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、合成樹脂エマルジョンに、バルウンおよび/または体質顔料が添加され、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質である着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
【0007】
上記の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子は、繊維状および/または雨滴状の粒子であり、したがって本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と媒質である繊維状および/または雨滴状の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい、媒質である繊維状および/または雨滴状の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい、媒質である繊維状および/または雨滴状の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、合成樹脂エマルジョンに、バルウンおよび/または体質顔料が添加され、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質である繊維状および/または雨滴状の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
【0008】
媒質が、ジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた粒子であり、したがって本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
また本発明は、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、合成樹脂エマルジョンに、バルウンおよび/または体質顔料が添加され、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
また本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい、媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい、媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、合成樹脂エマルジョンに、バルウンおよび/または体質顔料が添加され、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
また本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた繊維状および/または雨滴状の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
本発明は、媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい、媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた繊維状および/または雨滴状の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい、媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた繊維状および/または雨滴状の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。また本発明は、合成樹脂エマルジョンに、バルウンおよび/または体質顔料が添加され、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整された媒体由来の大部分を占める平滑な面と、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きい媒質であるジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた繊維状および/または雨滴状の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子由来の比較的定形な凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物を要旨としている。
【0009】
上記の合成樹脂エマルジョンは、合成樹脂アクリルエマルジョン、合成樹脂アクリルシリコン共重合体エマルジョンおよび合成樹脂アクリルウレタン共重合体エマルジョンからなる群から選ばれる1種以上のアクリル系合成樹脂エマルジョンからなる。
【0010】
【発明実施の態様】
《媒体》
本発明の多彩凹模様被覆組成物において、大部分を占める平滑な面は媒体由来である。媒体は塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整されたものであり、具体的には例えば合成樹脂エマルジョンにバルウンおよび体質顔料を添加することにより塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整する。
有機バルウンとしてはマイクロスフェヤーMLF〔粒径20または100ミクロン、比重0.2±0.05、松本油脂製薬(株)製〕を用いた。これは有機バルウンの表面を不活性無機粉体でコーティングしたもので、一般の樹脂バルウン単体であれば比重0.02〜0.05であり一般体質顔料の比重2.0〜4.0の100分の1であるのに対して、10分の1くらいに相当し、比重差が接近しているのでより配合組成が安定されて好ましい。すなわち一般の樹脂バルウン単体であれば比重が100分の1くらいに相当し、それを組成中に配合しても用途には供されるが、長期間性状を安定に保つためには比重差の10分の1と接近している不活性無機粉体のコーティング体が好ましい。
有機バルウンはポリアクリルニトリルを主成分とする高分子バルウンであり、その表面を炭酸カルシュウム、タルク、酸化チタンなどの不活性無機粉体でコーティングしたもので、媒体成分として滑度もあり好ましい。
媒体組成の色調を変える必要があれば、カオリンクレーの一部または全部を着色顔料に置き換えることができる。
【0011】
《媒質》
本発明の多彩凹模様被覆組成物において、比較的定形な凹模様部分は媒質由来である。媒質は媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きいものであり、例えば着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子であり、繊維状および/または雨滴状の粒子であることができる。上記の着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子は具体的には例えばジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた粒子である。その合成樹脂エマルジョンは、合成樹脂アクリルエマルジョン、合成樹脂アクリルシリコン共重合体エマルジョンおよび合成樹脂アクリルウレタン共重合体エマルジョンからなる群から選ばれる1種以上のアクリル系合成樹脂エマルジョンである。
すなわち、樹脂の系としては、着色含水ゲル粒子の安定性等考慮して、pH7〜8以下となるように調製すると、多彩凹模様被覆組成物としての安定性が保持される。合成樹脂エマルジョン中に、有機または無機バルウン並びに体質顔料としてカオリンクレー、タルク、または有色顔料が添加された組成を媒体とし、ジュランガムまたはアルギン酸ソーダの1〜5%の水溶液に合成樹脂アクリルエマルジョン、合成樹脂アクリルシリコン共重合体エマルジョン合成樹脂アクリルウレタンエマルジョン等の共重合体エマルジョン並びに着色顔料の水分散体により着色した混合物を、塩化カルシュウム0.1〜0.5%の水溶液をゲル化剤として使用し繊維状または雨滴状粒子にゲル化させる、添加する着色顔料の種類により異なった色相の着色粒子を媒質とし前記媒体中に混合する、ゲル粒子の一部または全部を透明粒子に置き換えることもできる。
上記のゲル化液を撹拌しながら上記の粒子組成を糸状にして添加する。撹拌速度および/または撹拌時間によって、着色含水ゲル粒子の粒子の大小、形状の変化、形状の均一化などが異なる。例えば、撹拌速度が速くなれば繊維状の着色含水ゲル粒子の形状は細く短くなり、撹拌速度が遅くなれば着色含水ゲル粒子の形状は次第に大きく繊維状より雨滴状に近い形状となる。
また、添加の方法、ゲル化剤としての塩化カルシウム濃度と粒子製造時の温度、回転速度によっても変化する。例えば、塩化カルシウムの濃度が低く回転速度が低い場合はより雨滴状に近い小粒子の着色含水ゲル粒子が作出される。着色含水ゲル粒子組成中のカーボンブラックに変えてシャアニングリーンまたは透明酸化鉄イエローに変えることでそれぞれの色調を呈した着色含水ゲル粒子を作出することができる。
本発明の組成物のゲル着色粒子は、以下に記載する方法で製造される。
アルギン酸ソーダ、アルブメン、カゼイン、ポリビニールアルコール等の水溶性高分子化合物の水溶液を、製造過程のゲル化に影響を及ぼさない顔料、レーキ、染料等またはそれらの水分散体で着色する。これに、使用する用途に合致する合成樹脂エマルジョンを選択して添加撹拌して粘調なコロイド液とする。合成樹脂エマルジョンは、ゲル粒子の接着に大きく関与するので、用途、要求物性に応じて選択する必要がある。
着色含水ゲル粒子にすべく塩化カルシュウム、塩化マグネシュウム等のゲル化剤の0.1〜0.5%の水溶液中または塩酸等でpHを調整したゲル化液で含水ゲル粒子にする。その粘調なコロイド液を粒子ガンを用いて粒子状に吹き付け、乾燥しないうちに該コロイド液をゲル化せしめる。適当なゲル化液に浸漬し、鱗片状ゲル粒子を形成する。具体的には、例えば脱泡の後、粒子状吹き付けガンを用いて吹き付け、直ちにギ酸、または塩酸の水溶液中に浸漬してゲル化させる。
ゲル化した有色ゲル粒子は、アルギン酸ソーダの添加量の増減またはカラギーナンの一部併用等により、そのゲル強度を調節することができる。
また、有色ゲル粒子の大きさは通常0.1〜0.2mm程度であるが、上記組成物の粘度を増粘することで、有色ゲル粒子の厚みを厚くすることができるし、粒子ガンで吹き付けてからゲル化液に浸漬するまでに少し時間を置くことで、薄い鱗片状ゲル粒子を作出することができる。
このようにして製造したゲル粒子を、金属網でロ別し、なお長期に該ゲル粒子の安定化を図る目的で、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、塩化バリウム、グリオキザール等の水溶液に浸漬、放置し水洗する。水洗後の鱗片状着色ゲル粒子は金属網で鱗片状着色ゲル粒子が安定な程度の水分を残す状態までロ別脱水する。水洗、ロ別、脱水後アルギン酸の有色ゲル粒子を得る。
【0012】
【作用】
これらの混合物を吹き付けまたはローラー塗布することで、明らかに凹模様で、かつ容易に視認できる多彩となる、該被覆面は今までに市場に有る通常の塗材とは異なり、塗膜面の大部分である媒体部分が平滑であり、粒子部分が異なった色相の粒子形状の凹部分ができ感触はスムーズで有りながら凹が有りかつ多彩である。従って、従来にない美麗な被覆ができる。
従来の凹凸模様塗料と本願多彩凹模様被覆組成物の相違点は、従来の凹凸模様塗料はローラー、または吹き付けて凹凸を作出せしめるもので凸部分で模様が構成されているが、該多彩凹模様被覆組成物は全体を占める面積の大部分が平滑であり凹部分で比較的定形な模様が作出せしめる組成で従来この様な多彩で凹部分が模様になる被覆組成物は無かった、ましてや凹部分が異なった色調である多彩の凹模様で被覆される組成物は皆無である。
一部に散見されるものとしては手間を要する手仕事か、高度なエンボス加工に見ることができる。
ここで本願組成上特徴付けられるものは比較的に塗布された時点から乾燥に至るまでに全体を占める大方の部分が体積変化が少なく平滑に乾燥する収縮の少ない媒体と、これに反し体積変化の極端に大きな着色含水ゲル粒子を組み合わせる事で従来の塗布材では無かった美麗で汚染の少ない被覆がなされる。
【0013】
【実施例】
本発明を実施例で詳細に説明する。本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0014】
実施例1
《媒体》
媒体として表1の組成のものを調製した。
樹脂の系としては、着色含水ゲル粒子の安定性等考慮して、pH7〜8以下となるように調製すると、多彩凹模様被覆組成物としての安定性が保持される。
媒体組成の色調を変える必要があれば、カオリンクレーの一部または全部を着色顔料に置き換えることができる。
有機バルウンとしてはマイクロスフェヤーMLF〔粒径20または100ミクロン、比重0.2±0.05、松本油脂製薬(株)製〕を用いた。これは有機バルウンの表面を不活性無機粉体でコーティングしたもので、一般の樹脂バルウン単体であれば一般体質顔料の比重の100分の1であるのに対して、10分の1くらいに相当し、比重差が接近しているのでより配合組成が安定されて好ましい。有機バルウンはポリアクリルニトリルを主成分とする高分子バルウンであり、その表面を炭酸カルシュウム、タルク、酸化チタンなどの不活性無機粉体でコーティングしたもので、媒体成分として滑度もあり好ましい。
【0015】
【表1】
【0016】
《媒質》
A)着色含水ゲル粒子組成(グレー)
水を撹拌しながらジュランガム、クエン酸ナトリウムを分散し90℃に加熱溶解する。常温近くに冷却後、合成樹脂アクリルエマルジョン10.0重量部、防腐剤0.1重量部、酸化チタン60%水分散体5.0重量部、カーボンブラック20%水分散体0.1重量部の合計114.3重量部を均一に分散する。
B)ゲル化液
水500.0重量部に塩化カリウム2.0重量部を加え、塩酸でpHを6〜5程度に調整してゲル化液とする。
上記のゲル化液B)を撹拌しながら上記の粒子組成A)を糸状にして添加する。撹拌速度および/または撹拌時間によって、着色含水ゲル粒子の粒子の大小、形状の変化、形状の均一化などが異なる。例えば、撹拌速度が速くなれば繊維状の着色含水ゲル粒子の形状は細く短くなり、撹拌速度が遅くなれば着色含水ゲル粒子の形状は次第に大きく繊維状より雨滴状に近い形状となる。
また、添加の方法、ゲル化剤としての塩化カルシウム濃度と粒子製造時の温度、回転速度によっても変化する。例えば、塩化カルシウムの濃度が低く回転速度が低い場合はより雨滴状に近い小粒子の着色含水ゲル粒子が作出される。着色含水ゲル粒子組成中のカーボンブラックに変えてシャアニングリーンまたは透明酸化鉄イエローに変えることでそれぞれの色調を呈した着色含水ゲル粒子を作出することができる。
【0017】
《多彩凹模様被覆組成物》
前記の媒体組成70.0重量部および前記の媒体である着色含水ゲル粒子組成(グレー)30.0重量部で多彩凹模様被覆組成物を調製した。
上記の媒体組成は塗布されて乾燥に至るまでの体積変化が少なく10〜20%程度以内で収縮するに過ぎない。これに反して、着色含水ゲル粒子は90%以上の体積変化がある。したがって、多彩凹模様被覆組成物を吹き付け塗布した場合、収縮の少ない大方の面積を占める部分は平滑になり、収縮の大きい着色含水ゲル粒子部分は各色に呈色され陥没し、従来塗布物では得られなかった感触の大方は平滑であり陥没した部分が単色並びに各色に呈色された美麗な被覆がなされる。なお、着色含水ゲル粒子は弾性があり、3〜4mm程度の大きさの粒子でも2〜2.5mmの口径のノズルを持った一般市売の塗装用具で容易に被覆することができる。
【0018】
実施例2
《媒質》
A)着色含水ゲル粒子組成(赤サビ色)
水96.0重量部を撹拌しながらアルギン酸ソーダ重量部3.0重量部を添加し溶解する。溶解を促進する目的で加温することも有効である。冷却後、合成樹脂アクリルエマルジョン10.0重量部、防腐剤0.1重量部、酸化チタン60%水分散体5.0重量部、赤色酸化鉄40%水分散体1.0の合計115.1重量部を均一に分散する。
B)ゲル化液
水500.0重量部に塩化カリウム2.0重量部を加え、塩酸でpHを6〜5程度に調整してゲル化液とする。
上記のゲル化液B)を撹拌しながら上記の粒子組成A)を糸状にして添加する。着色含水ゲル粒子の形状は前述に類似する。
【0019】
《多彩凹模様被覆組成物》
前記の媒体組成70.0重量部および前記の媒体である着色含水ゲル粒子組成(赤サビ色)30.0重量部で多彩凹模様被覆組成物を調製した。
ジュランガムとアルギン酸ソーダの差異は、でき上がった着色含水ゲル粒子の硬度の異なりでジュランガムによる着色含水ゲル粒子は吹きつけ塗布に適し強度と弾性が有り、アルギン酸ソーダによる着色含水ゲル粒子は硬度が高く0.5〜1程度の大きさの着色含水ゲル粒子で有れば媒体組成に30%混入しローラー塗布も可能で広範囲な用途展開ができる。
なお、全体の平滑な表面を多くする場合は媒体組成の配合比率を多く、凹の面積を多く希望すれば着色含水ゲル粒子の添加量を多く配合することで変化させることができる。
【0020】
【発明の効果】
これらの混合物を吹き付けまたはローラー塗布することで、明らかに凹模様で、かつ容易に視認できる多彩となる、該被覆面は今までに市場に有る通常の塗材とは異なり、塗膜面の大部分である媒体部分が平滑であり、粒子部分が異なった色相の粒子形状の凹部分ができ感触はスムーズで有りながら凹が有りかつ多彩である。従って、従来にない美麗な被覆ができる。
Claims (1)
- 下記の媒体と媒質からなり、媒体由来の70%の平滑な面と媒質由来の30%の凹模様部分からなる塗膜面を形成する多彩凹模様被覆組成物。
媒体:合成樹脂エマルジョンにバルウンおよび体質顔料を添加した、塗布してから乾燥に至るまでの体積変化が小さくなるように調整されたものである。
媒質:ジュランガムの水溶液および/またはアルギン酸ソーダの水溶液と、合成樹脂アクリルエマルジョン、合成樹脂アクリルシリコン共重合体エマルジョンおよび合成樹脂アクリルウレタン共重合体エマルジョンからなる群から選ばれる1種以上のアクリル系合成樹脂エマルジョンからなる合成樹脂エマルジョンと着色顔料の水分散体との混合物をゲル化させた粒子からなる、繊維状および/または雨滴状の粒子である着色含水ゲル粒子および/または透明着色含水ゲル粒子であり、媒体よりも塗布してから乾燥に至るまでの体積変化の大きいものである。
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JP33221598A JP4358334B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 多彩凹模様被覆組成物 |
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