JP2018193526A - 水性多彩塗料 - Google Patents

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莉沙 大森
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Shunyu Rin
俊佑 林
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Abstract

【課題】塗装前に撹拌する場合においてもゲル状粒子が破損することなく、その形状安定性が良く、その塗料の安定性に優れた水性多彩塗料を提供する。【解決手段】 ゲル状粒子と分散液からなる水性多彩塗料であって、ゲル状粒子と分散液の比率が重量比で1:0.5〜3.0であり、ゲル状粒子中の揮発分と分散液中の揮発分の重量比が1:0.5〜1.5の範囲であるため、塗装前に撹拌する場合においてもゲル状粒子が破損することなく、又その形状安定性が良く、更にその塗料の安定性に優れたものになる。【選択図】 なし

Description

本開示は、建物などの構造物の壁面などに用いられる水性多彩塗料に関する。
構造物の壁面などの塗装に用いられる塗料は、多くの場合、単色のエナメル塗料や着色骨材などを用いた着色骨材含有塗料などがある。エナメル塗料などの単色塗料では、その仕上がりも単色で仕上げられ意匠的に乏しいことが多いものである。
着色骨材含有塗料の場合、混合された着色骨材の大きさにより塗膜の多彩感を表しているため、混合される着色骨材の大きさが1mm程度のもので、その多彩感には限界がある。
多彩模様を簡単に塗装することができる多彩塗料を用いられることが多くなってきている。この多彩塗料は、一色又は二色以上の着色した粒子を単色塗料、クリヤー塗料などの塗料中に分散させたものであり、その多彩塗料により形成された塗膜は、その粒子が塗膜中に粒状の形で存在した多彩感のある意匠を簡単に提供することができるものである。
この着色した粒子は、2mm以上のものが多く、その粒子が比較的大きいものであるため、その塗料により形成された塗膜に、しっかりとした粒状を表し、より多彩感のある仕上がりを得ることができるものである。
この着色した粒子は、分散液としての塗料と混ざらないように工夫されているものが多い。その一例として、粒子をゲル化膜が覆っているものがある(特許文献1,特許文献2参照)。又、この粒子をゲル化させて分散させたものもある(特許文献3)。
特開2008−044991号公報 特開2011−052052号公報 特開2003−041196号公報
着色した粒子をゲル化膜で覆われた塗料では、その塗料の使用時に攪拌機による撹拌を行った場合、ゲル化膜が破損し、着色粒子の中身が流出する場合があり、分散液としての塗料に混ざることになり、その多彩塗料により形成された塗膜に色が着くこともある。又、その流出に伴い粒子の大きさが変わり所望の大きさの模様を得ることができないことがある。
また、ゲル化膜に覆われた粒子,ゲル化した粒子では、塗料化した後その塗料を貯蔵した場合に、所定の大きさに保持できず、着色粒子の大きさが変化する場合があり、塗料の安定性が低下することもある。
本開示は、塗装前に撹拌する場合においてもゲル状粒子が破損することなく、又、その形状安定性が良く、更にその塗料の安定性に優れた水性多彩塗料を提供することにある。
ゲル状粒子と分散液からなる水性多彩模様塗料であって、ゲル状粒子と分散液の比率が重量比で1:0.5〜3.0の範囲であり、ゲル状粒子中の揮発分と分散液中の揮発分の重量比が1:0.5〜1.5の範囲であるため、塗装前に撹拌する場合においてもゲル状粒子が破損することなく、又その形状安定性が良く、更にその塗料の安定性に優れたものになる。
分散液に合成樹脂を含み、その粘度が2000〜6000mPa・sの範囲であるため、塗装適性に優れ、十分な膜厚を確保できるものである。
ゲル状粒子の固形分が10〜40重量%の範囲で、樹脂分が5〜25重量%の範囲であり、その大きさが2〜20mmの範囲であるため、塗料中のゲル状粒子の形状安定性がより優れ、水性多彩塗料による塗膜においても鮮明な粒子を表現できるものである。
本開示の実施形態を説明する。本開示の水性多彩模様塗料は、ゲル状粒子と分散液からなる水性多彩模様塗料であって、ゲル状粒子と分散液の比率が重量比で1:0.5〜3.0の範囲であり、ゲル状粒子中の揮発分と分散液中の揮発分の重量比が1:0.5〜1.5の範囲である。
まず、ゲル状粒子とは、水性塗料をゲル状の粒子にしたものであり、その水性塗料の水分を含んだ柔らかい状態で形状を保持したものである。
この粒子は、球状に限らず、楕円形状,円盤状,円筒状,それらに類似した形のものや円形に近い不定形なものなど略球状のものも含まれる。
ゲル状粒子の大きさが2〜20mmの範囲のものが好ましく、色の異なったゲル状粒子が複数混在した場合の塗膜に陰影感が生じ立体感のある意匠性であり、鮮明な多彩模様と自然な風合いを有する優れたものとなる。その大きさが2mmより小さい場合では、その塗装面を5m程度離れてみた場合には、その存在が分からないことが多く、意匠的に劣ることがある。20mmより大きい場合では、塗装時にノズルに詰まるなど塗装適性に影響することがある。
また、ゲル状粒子の大きさが2〜20mmの範囲のものが、塗装面に60%以上を占めていることにより、水性多彩塗料の多彩感が良く表現できるものである。60%より少ない場合では、多彩感が若干劣ることもある。
この水性塗料は、一般的に使われる水性塗料であり、その多くは、合成樹脂エマルションを主成分としたものであり、必要に応じ着色成分を選択し、添加したものである。又、場合によっては、体質顔料などの成分も加えることができる。
合成樹脂エマルションは、ゲル状粒子を形成させるための重要な成分であり、後述するゲル化剤との組み合わせにより、そのゲル状粒子を形成するものである。又、ゲル状粒子が乾燥した乾燥粒子を塗膜中にその形を保持させることや被塗布物への付着性を向上させるためのものでもある。
さらに、ゲル状粒子を塗膜中に固めるためのものでもある。この合成樹脂エマルションは、そのゲル化剤と相性や乾燥後の乾燥粒子の要求される性能に応じ、適宜選択するもので特に限定されるものではなく、耐水性、耐アルカリ性及び耐候性に優れ、被塗物に対する付着性が良好なものが好ましい。
これらには、アクリル系,ウレタン系,アクリル・ウレタン系,アクリルシリコン系,シリコーン系,フッ素系,エポキシ系,エステル系,ビニル系の合成樹脂エマルションなどが挙げられ、天然又は合成ゴムやそれらの共重合体のエマルジョンなど一般に市販されている合成樹脂エマルジョンがあり、ゲル化剤によりゲル化が可能なものであればよい。中でも、アクリル系樹脂,アクリルシリコン樹脂系,ウレタン樹脂,フッ素系等の合成樹脂エマルションが好ましい。又、これらを二種以上用いたものであってもよい。
着色成分には、一般的に塗料の調色に用いられているものを使用することができ、顔料や染料があり、それぞれ無機系と有機系とのものがあり、更に、パール顔料,マイカ顔料,アルミニウム粉などの光輝性顔料が挙げられる。この中でも水性多彩模様塗料が塗膜になった場合の耐候性の点から無機顔料を用いるのが好ましく、これらを1種単独、又は、2種以上を併用してもよい。
これら着色成分には、二酸化チタン,カーボンブラック,酸化鉄,クロム酸鉛,カドミウムイエロー,カドミウムレッドなどの無機系の着色成分が挙げられ、他にも有機系の着色成分も挙げることができる。
体質顔料には、カオリン,硫酸バリウム,含水ケイ酸マグネシウム,クレー,タルク,珪藻土,炭酸カルシウムなどが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
さらに、この水性塗料には、スルホン酸塩,リン酸塩,ケイ酸塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の分散剤やメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,ポリビニルアルコール等の粘性調整剤やアルカリ膨潤型粘性調整剤,無機系粘性調整剤,ウレタン会合型粘性調整剤などの粘性調整剤、シリコーン系,鉱物油系等の消泡剤、樹脂ビーズ等のつや消し剤、防腐剤、防黴剤などのような添加剤を必要に応じて適宜配合されるものである。
これらの水性塗料にゲル化剤を加え、ゲル状物を作る。このゲル化剤は、公知のものを用いることができ、マグネシウムモンモリロナイト粘土,ヘクトライト,ナトリウムペンタクロロフェノール,ホウ酸塩,タンニン酸,乳酸チタン,アルギン酸ナトリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム等を主成分にしたものや界面活性剤系のもの等が挙げられ、これらを元に合成したものなどがある。このゲル化剤は、これら複数のものを合成して作られたものなどある。又、これらゲル化剤は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このゲル化剤の種類,添加量は、水性塗料に使用されている合成樹脂エマルションの種類やそれに添加されている成分により異なるため、事前に検討する必要がある。又、ゲル状粒子の硬さや大きさを調整することができるため必要に応じ種類及び添加量を決める必要がある。
このゲル状粒子は、水性塗料にゲル化剤を添加し、撹拌して比較的大きな塊のゲル状物を得る。これは、容器に入れた水性塗料に撹拌しながらゲル化剤を添加し、ある程度水性塗料の粘度が上昇し、水性塗料の全体がゲル化したところで攪拌を停止することで得られる。
この攪拌に用いられる攪拌機は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法により混合すればよく、ディスパー、2軸ミキサー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー等の混合装置を用いて混合する方法を挙げることができる。
このゲル状物に水、又は水にゲル化剤を加えたゲル状粒子作製液を加え、再撹拌する。この再撹拌では、その攪拌機の回転数,撹拌速度や撹拌時間などによりゲル状粒子の大きさが決まる一つの要素のため、所望の大きさになるまで撹拌する。この攪拌においても前記同様の攪拌機を用いることができる。
ここでの撹拌では、その撹拌の回転数や速度などを調整することで、ゲル状粒子の大きさを調整することができる。例えば、回転数や速度を上げ激しくすれば、ゲル状粒子は小さくなり、撹拌を緩やかにすれば、比較的大きなものを得ることができる。又、撹拌時間を長くすることで、ゲル状粒子を小さくすることもできる。このように撹拌を調整することで、所望の大きさや形状に得たゲル状粒子は、ゲル状粒子作製液中に複数存在し、そのゲル状粒子が互いに着くことなく独立して存在することができる。
そのゲル状粒子作製液は、水にゲル化剤を加えた液体を用いる方法が好ましく、この液体中でゲル状粒子を作ることにより、そのゲル状粒子の表面のゲル化が進み比較的安定したものになる。このゲル化剤の添加量は、このゲル化剤の種類,水性塗料の種類、更には、得られるゲル状粒子の強度などにより調整する必要がある。
得られたゲル状粒子は、このゲル状粒子作製液中に保存することも可能であるが、保存期間が長期の場合では、そのゲル状粒子の形状に変化が起きる場合もあるため、なるべく早くに水性多彩塗料にすることが望ましい。
また、ゲル状粒子の大きさはメッシュなどを用い、ろ過することで調整することも可能である。
ゲル状粒子の硬さとしては、分散液中に加え、攪拌機などの機械的撹拌では粉砕しない程度であり、水性多彩塗料の塗装時には、塗装前の撹拌や塗装作業で変形や破損がない程度のものが必要になる。例えばスプレーガンを使用した場合では、そのスプレーガンの口径に引っかからない程度の柔らかさで、刷毛やローラーでの塗装では変形がない柔らかさの程度になる。
また、このゲル状粒子は、複数色を同時に作成することも可能で、その複数色のゲル状物を1つのゲル状粒子作製液に入れ、撹拌する。このような場合でも複数色のゲル状粒子は、混ざり合うことなく各色単独の色を維持し得ることができる。
つぎに、分散液とは、前記記載のゲル状粒子を均一に分散させ、水性多彩塗料とするものであり、ゲル状粒子作製液中にあるゲル状粒子を分散液に混ぜ、均一に分散させることにより塗料としての流動性を持たせ被塗布物に塗装することができる。
分散液は、水を単独で用いることも可能であるが、バインダー成分として、合成樹脂を添加したものが良く、この合成樹脂の形態としては、合成樹脂エマルションが好ましく用いられる。この合成樹脂エマルションは、前記ゲル状粒子に用いられるものと同様なものでよい。
しかし、この場合の合成樹脂エマルションは、ゲル状粒子を作製する際に用いられたゲル化剤を加えても、ゲル化しないものがよい。
また、この分散液は、適度の粘性を持たせることが好ましく、粘性を持たせることにより塗料としての作業性を調整することができ、分散液に分散されたゲル状粒子の分離を少なくすることができる。この粘性は、前記記載の粘性調整剤を用いることができる。
さらに、この分散液には、着色顔料や光輝性顔料を添加して、カラークリヤーとすることも可能である。顔料を添加することで、水性多彩塗料により形成された塗膜の多彩感を落ち着け全体としてまとまった仕上がりにすることができる。
上記のようにゲル状粒子作製液に存在するゲル状粒子と分散液とを混ぜ水性多彩塗料を調整する。このゲル状粒子は、水性多彩塗料中に2色以上のものが含まれていることが好ましく、塗膜とした際に複雑な深み感を有する模様が形成できる。
この調整された水性多彩塗料は、その塗料を構成するゲル状粒子と分散液の比率が重量比で1:0.5〜3.0の範囲であり、ゲル状粒子中の揮発分と分散液中の揮発分の重量比が1:0.5〜1.5の範囲である。この場合の分散液には、ゲル状粒子を作成するときに用いたゲル状粒子作製液も含まれることになる。
この範囲であれば、塗装前に撹拌する場合においてもゲル状粒子が破損することなく機械的撹拌に対する安定性がよく、その塗料の安定性に優れたものである。この塗装前の撹拌は、水性多彩塗料を塗装する場合、その塗装直前に粘性調整のための希釈や分離した各成分の再撹拌により一様にするためのものであり、多くの場合、ハンドミキサーなどにより行われる。
ゲル状粒子と分散液の比率が重量比で1:0.5より分散液が少ないとゲル状粒子の割合が高く、塗装前の撹拌時にゲル状粒子が潰れたりするため、ゲル状粒子の大きさが小さくなる。逆に1:3.0より分散液が多い場合では、ゲル状粒子の分離などが少なく、安定した水性多彩塗料となるが、ゲル状粒子により形成された粒状の多彩感が少なくなり意匠的に劣るものになる。
より好ましい範囲としては、ゲル状粒子と分散液の比率が重量比で1:1〜2の範囲である。この範囲内であれば、ゲル状粒子が撹拌時に大きさがあまり変わることなく、又、水性多彩塗料中で分離も少なくなるため、その塗料を用いた塗膜の模様がより安定した多彩模様を形成することができる。
同時にゲル状粒子中の揮発分と分散液中の揮発分の重量比が1:0.5〜1.5の範囲のものでもあり、塗装前に撹拌する場合においてもゲル状粒子が破損することなく、その塗料の安定性に優れたものである。この揮発分とは、ゲル状粒子又は分散液中の沸点が100℃以下のものであり、多くはその材料構成の中の水分にあたる。
ゲル状粒子中の揮発分と分散液中の揮発分の重量比が1:0.5より少ない場合、つまり分散液の揮発分の少ない場合では、分散液の水などの揮発分が少なく、ゲル状粒子中の水などの揮発分が分散液に移動し、ゲル状粒子が小さくなり、逆に、その重量比が1:1.5より大きくなると分散液中の揮発分がゲル状粒子に移動し、膨れたようになる。この範囲内であれば、見た目にゲル状粒子の大きさに変化が少なく、揮発分の移動で水性多彩塗料の粘度変化が少なく安定した塗料となる。
好ましくは、ゲル状粒子中の揮発分と分散液中の揮発分の重量比が1:0.7〜1.2の範囲のものでもあり、この範囲であれば、ゲル状粒子の大きさに変化がより少なく、揮発分の移動で水性多彩塗料の粘度変化がより少なく安定した塗料となる。1:1に近いものがより好ましいものである。
この分散液は、合成樹脂を含み、その粘度が2000〜6000mPa・sの範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、塗装適性に優れ、十分な膜厚を確保できるものである。この粘度は、B型粘度計によるものであり、この分散液は、ゲル状粒子作製液を含むものである。
粘度が2000mPa・sより低い場合では、塗料の流れが良く塗装適性には優れているが、被塗布物に塗装した時に塗料が流れて、安定した膜厚を得ることができないことがある。6000mPa・sより高い場合では、十分な膜厚を確保することはできるが、比較的固形分の少ない塗料であることが多いため、塗膜に割れを生じることがある。
さらに、6000mPa・sより高い場合では、分散液とゲル状粒子とを攪拌機で混ぜる時に、撹拌の力が必要になり、そのため、ゲル状粒子を破損してしまうことがある。この場合、ゲル状粒子の大きさが細かくなり所望の意匠を得ることができなくなることがある。
より好ましくは、2500〜5500mPa・sの範囲である。この範囲であれば、塗装時の塗料の流れがより少なく、十分な膜厚を確保することができ、水性多彩塗料の製造時にゲル状粒子の大きさを安定的に製造することができる。
ゲル状粒子の固形分が10〜40重量%の範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、塗料中のゲル状粒子の変化が少ない形状安定性に優れ、適度な柔らかさを有し、塗膜においてもハッキリとした粒子を表現できるものである。
固形分が10重量%より少ない場合では、ゲル粒子の強度が弱く、製造時,撹拌時,塗装時に壊れることが有り、塗膜の意匠的に安定しないことがある。
ゲル状粒子の固形分が40重量%より多い場合は、ゲル状粒子の強度が強く、柔軟性が少なくなり、スプレー塗装時にその塗装機のノズルに詰まることがる。相対的に分散液の濃度も高くなることで、塗装適性に影響することもある。
より好ましくは、15〜30重量%の範囲である。この範囲内であれば、ゲル状粒子の強度が適切な範囲になり、より意匠的に優れたものになる。
ゲル状粒子の樹脂分が5〜25重量%の範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、塗料中のゲル状粒子の変化が少なく、塗膜においてもハッキリとした粒子を表現できるものであり、上記同様この範囲より少ない場合では、ゲル状粒子の強度が弱くなり、塗膜の意匠的に安定しないことがある。
また、この範囲より多い場合では、ゲル状粒子の強度が強く、柔軟性が少なくなり、塗装適性に影響することもある。
より好ましくは、10〜25重量%の範囲であり、ゲル状粒子の強度や柔軟性が適切な範囲になり、より意匠的に優れたものになる。
ゲル状粒子の大きさが2〜20mmの範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、塗膜においてもハッキリとした粒子を表現できるものであり、その範囲のものが、塗装面に60%以上を占めていることがより好ましいものである。この範囲であれば、十分に多彩感のある壁面を作ることができる。
上記記載のように構成される水性多彩塗料は、建築物の壁面を構成するコンクリート,モルタル,ALCパネル,サイディングボード,押出成型板,石膏ボード,スレート,セラミック,プラスチック,木材,石材,タイル等の種々の対象物に塗布することが可能である。その塗装方法は、刷毛,ローラー,スプレーガン塗装等により塗装することができ、常温乾燥や加熱乾燥することができる。
この水性多彩塗料の塗布量は、150〜800g/mとなるように塗布するのが好ましく、この範囲内であれば、ゲル状粒子により形成されたものだけではなく、立体感、陰影感を有し、かつ、下地も透けて見え、複雑な深みのある意匠的に優れたものとなる。
また、この水性多彩塗料により形成された塗膜の厚みは、20〜500μmの範囲が好ましく、被塗物を十分に被覆することができ、耐候性に優れた塗装物を得ることができる。
本開示の水性多彩塗料を実施例により具体的に説明する。
まず、水性塗料、分散液の配合を下記に示す。
水性塗料
水 62.1重量部
アクリル系合成樹脂エマルション 31.7重量部
造膜助剤(テキサノール) 2.1重量部
酸化チタン 2.1重量部
増粘剤(メチルセルロース系) 1.3重量部
消泡剤(シリコーン系) 0.3重量部
分散剤(カルボキシル系) 0.2重量部
PH調整剤 0.2重量部
分散液
シリコンアクリル系合成樹脂エマルション 80.5重量部
水 11.8重量部
造膜助剤(テキサノール) 4.9重量部
防凍剤(エチレングリコール) 2.0重量部
増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース系) 0.6重量部
消泡剤(シリコーン系) 0.1重量部
PH調整剤 0.1重量部
この配合に記載されているアクリル系合成樹脂エマルションの固形分は、50%であり、シリコンアクリル系合成樹脂エマルションの固形分は、35%であった。水性塗料の固形分は、19.5%で、その樹脂分は、15.9%であり、分散液の固形分は、28.0%であった。分散液の粘度は、4500mPa・sであった。
ゲル化剤には、粉状のヘクトライトを合成したものを用いた。このゲル化剤は、事前に合成樹脂エマルションや水性塗料,分散液との相性を確認し、選択したもので、同時に添加量の確認も行った。
まず、水性塗料にゲル化剤を2重量部添加し、ゲル状物を作製した。この場合、攪拌機にディゾルバーを用い撹拌を行った。
このゲル状物100重量部に対してゲル状粒子作製液を50重量部加え、攪拌機で撹拌しゲル状粒子を得た。この攪拌は、ミキサーとしてディゾルバーを用い、1分間,1000回転/分で撹拌を行った。このゲル状粒子作製液は、水に前記ゲル化剤を5%加えて作成したものである。
このゲル状粒子作製液とゲル状粒子とを分散液に入れ、混合し水性多彩塗料を調整した。このゲル状粒子とゲル状粒子作製液と分散液の比率は、2:1:1とし、前記記載したようにゲル状粒子作製液は、分散液に含まれることになり、ゲル状粒子:分散液=1:1の比率となった。この水性多彩塗料を実施例の水性多彩塗料Aとし、この塗料、又は配合を元に比較例の塗料を調整する。
水性多彩塗料
比率(重量部) ゲル状粒子:分散液=1:1
揮発分の重量比 ゲル状粒子:分散液=80.5:86.0=1:1.06
粘度 4500mPa・s
ゲル状粒子の固形分 19.5% 樹脂分15.9%
ゲル状粒子の大きさ 1〜2mmのものが70%程度
上記配合の水性塗料,分散液を調整し、比較例として、下記のように水性多彩塗料1〜水性多彩塗料5を作製した。
水性多彩塗料1
比率(重量部) ゲル状粒子:分散液=1:3.5
揮発分の重量比 ゲル状粒子:分散液=1:2
粘度 1800mPa・s
ゲル状粒子の固形分 19.5% 樹脂分15.9%
ゲル状粒子の大きさ 1〜2mm程度のものが約70%
水性多彩塗料2
比率(重量部) ゲル状粒子:分散液=1:0.3
揮発分の重量比 ゲル状粒子:分散液=1:0.3
粘度 7000mPa・s
ゲル状粒子の固形分 40.0% 樹脂分25.0%
ゲル状粒子の大きさ 1mm程度のものが約70%
水性多彩塗料3
比率(重量部) ゲル状粒子:分散液=1:2
揮発分の重量比 ゲル状粒子:分散液=1:2
粘度 4000mPa・s
ゲル状粒子の固形分 45.0% 樹脂分 20.5%
ゲル状粒子の大きさ 2〜3mm程度のものが約60%
水性多彩塗料4
比率(重量部) ゲル状粒子:分散液=1:1
揮発分の重量比 ゲル状粒子:分散液=80.5:86.0=1:1.06
粘度 1000mPa・s
ゲル状粒子の固形分 19.5% 樹脂分15.9%
ゲル状粒子の大きさ 1〜2mmのものが70%程度
水性多彩塗料5
比率(重量部) ゲル状粒子:分散液=1:1
揮発分の重量比 ゲル状粒子:分散液=80.5:86.0=1:1.06
粘度 1000mPa・s
ゲル状粒子の固形分 19.5% 樹脂分4.2%
ゲル状粒子の大きさ 1mm程度のものが70%程度
比較例の水性多彩塗料1は、分散液が多く、分散液中の揮発分が多いものであり、水性多彩塗料2は、分散液が少なく、分散液中の揮発分が少ないものであった。水性多彩塗料3は、ゲル状粒子が水性多彩塗料に比べて少なく、分散液中の揮発分が多いものであった。
また、水性多彩塗料4は、分散液の粘度が低いものであり、水性多彩塗料5は、ゲル状粒子の樹脂分を減らしたものであった。
水性多彩塗料と水性多彩塗料1〜5について、貯蔵安定性試験を行った。
これらの塗料を各1Kg程度瓶に入れ、50℃の雰囲気下に1週間静置した後、ブランクの塗料と比較を行った。
多少の材料の分離はあるものの、塗料が固まるなどは無かった。これらの塗料の粘度を測定したところ、水性多彩塗料と比較例の水性多彩塗料4,5については、ほとんど粘度の変化はなかった。水性多彩塗料1,水性多彩塗料3は、粘度の低下が確認され、水性多彩塗料2では、粘度の上昇が確認された。
また、ゲル状粒子の大きさを安定性試験前と比較したところ、水性多彩塗料1,水性多彩塗料3のゲル状粒子が小さくなっていることが確認でき、水性多彩塗料2では、大きくなっていることを確認することができた。
さらに、これらの塗料を用いて塗装を行った。まず、これら塗料をハンドミキサーで30秒程度撹拌を行い、ゲル状粒子の大きさを確認した。水性多彩塗料2では、ゲル状粒子の揮発分が多いことや分散液の粘度が高いことにより、この攪拌でそのゲル状粒子が細かくなっていた。
これら塗料をリシンガンにより塗装を行った。水性多彩塗料4は、粘度が低いことにより、塗装した塗料が重力により下に流れ、塗装板を作ることが出来なかった。
水性多彩塗料で仕上がった塗装板は、予定した意匠感のあるものを得ることができたが、水性多彩塗料1,水性多彩塗料3のものでは、ゲル状粒子が小さくなったことにより、実施例のものとは異なったものとなった。又、水性多彩塗料1においては、粘度が低いことが影響し膜厚も薄いものであった。
また、水性多彩塗料5では、塗装時においてゲル状粒子が潰れるものがあり、その鮮明さに欠けるものであった。
水性多彩塗料2のものでは、撹拌によりゲル状粒子が変化してしまったため、実施例のものとは異なったものであった。

Claims (3)

  1. ゲル状粒子と分散液からなる水性多彩塗料であって、
    ゲル状粒子と分散液の比率が重量比で1:0.5〜3.0の範囲であり、
    ゲル状粒子中の揮発分と分散液中の揮発分の重量比が1:0.5〜1.5の範囲である水性多彩塗料。
  2. 請求項1に記載の水性多彩模様塗料であって、
    分散液に合成樹脂を含み、その粘度が2000〜6000mPa・sの範囲である水性多彩塗料。
  3. 請求項1又は2に記載の水性多彩塗料であって、
    ゲル状粒子の固形分が10〜40重量%の範囲で、樹脂分が5〜25重量%の範囲であり、その大きさが2〜20mmの範囲である水性多彩模様塗料。

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