JP2000160065A - 模様形成塗料およびその製造方法 - Google Patents

模様形成塗料およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一回の塗装で、複雑かつ変化に富んだ糸状模
様が形成できる模様形成塗料、およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 塗料もしくは分散媒中に、塗膜形成成分
および着色剤を少なくとも含有する液状着色塗料を糸状
物とし、かつ該糸状物が前記塗料もしくは分散媒に溶解
することなく、安定な分散状態で混合されていることを
特徴とし、塗膜形成成分および着色剤を少なくとも含有
する液状着色塗料を、該液状着色塗料を溶解することな
く安定な分散状態を形成し得る塗料もしくは分散媒中
に、細孔を通して糸状物として混入せしめることを特徴
とする模様形成塗料の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な塗膜外観が
得られる模様形成塗料およびその製造方法に関し、さら
に詳しくは、1回の塗装で被塗装物面に糸状模様を形成
することの出来る模様形成塗料およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】模様形成塗料の1つとして多彩模用塗料
が知られている。この多彩模用塗料は、油性または水性
の分散媒中に、この分散媒には溶解しない状態で、いく
つかの異なった色調の液状着色塗料を、肉眼で識別でき
る大きさ、例えば0.5〜数mmの大きさの粒子状態で
懸濁分散せしめてなるもので、1回の塗装で色調の異な
った斑点状、滴状、粒状等の組み合わせからなる、いわ
ゆる色散らし模様の得られる塗料であり、例えば、JI
S−K−5667に規定されている。
【0003】従来の多彩模様塗料は、前記したように色
調の異なった斑点状模様の組み合わせによる変化に富ん
だ模様塗膜を形成することが出来るので、主として建築
物の内外壁面等の塗装仕上げに用いられる場合が多い。
しかしこのような多彩模様塗料ではあるが、これから得
られる塗膜は、それぞれの色調の異なった着色塗料が、
粒子状もしくは斑点状に重なりあって形成される模様で
あり、全体としては画一化された平面的な多彩模様とな
るに過ぎず、特に近年、より装飾性ないし意匠性の高い
塗装仕上げが要求されている建築仕上げ分野において
は、その要求を充分に満たしているとは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、従来の多彩模用塗料が画一化的でかつ平面的で変化
に乏しい模様しか得られないという欠点を解決しようと
するもので、従来の多彩模様塗料に比較してさらに装飾
性ないし意匠性の高い模様を形成することの出来る塗料
の提供を目的とする。また、本発明は装飾性ないし意匠
性の高い模様を形成することの出来る塗料の製造方法の
提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、塗料もしく
は分散媒中に、塗膜形成成分および着色剤を少なくとも
含有する液状着色塗料を糸状物とし、かつ該糸状物が前
記塗料もしくは分散媒に溶解することなく、安定な状態
で混合せしめて成る模様形成塗料を提供することによっ
て達成できる。この模様形成塗料においては、液状着色
塗料の糸状物が少なくともその表層部がゲル化層を形成
してなるものが好ましい。
【0006】本発明における他の課題は、塗膜形成成分
および着色剤を少なくとも含有する液状着色塗料を、該
液状着色塗料を溶解することなく安定な分散状態を形成
し得る塗料もしくは分散媒中に細孔を通して糸状物とし
て混入せしめることから成る模様形成塗料の製造方法を
提供することによって達成できる。なお、この方法にお
いては、前記液状着色塗料がゲル形成成分を含有し、前
記塗料もしくは分散媒が、前記液状着色塗料中に含有せ
しめたゲル形成成分をゲル化させることの出来るゲル化
剤を含有してなるものであるのが好ましく、また、この
方法において塗料もしくは分散媒における分散媒が塗膜
形成成分を含有してなるものであるのが好ましい。
【0007】以上よりなる本発明の模様形成塗料は、基
本的には従来の多彩模用塗料と全く同様の材料を用いて
作ることが出来、またその製造方法についても同様であ
る。しかし、本発明の模様形成塗料と従来の多彩模用塗
料との最も大きな相違は、従来の多彩模用塗料が、塗料
中に分散、混合せしめる液状着色塗料を粒子状としてい
るのに対し、本発明ではこれを糸状物とした点である。
したがってこのような相違により、それぞれの塗料から
得られる模様においても、従来の多彩模用塗料が、単に
斑点状ないし粒子状の組み合わせ模様しか得られないの
に対し、本発明の模用形成塗料からは新規にしてかつユ
ニークな糸状模様が得られ、意匠性の点で両者に大きな
相違がある。特に本発明の模様形成塗料においては、液
状着色塗料を糸状物として混合、分散せしめる塗料もし
くは分散媒として、従来の多彩模様塗料を用いると、形
成される塗膜は、斑点状もしくは粒子状模様の中に糸状
模様が混在し、極めて装飾性の高い模用が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の模用形成塗料によ
り得られた塗膜模様を図面に基づいて説明する。図1
は、本発明の模様形成塗料において、液状着色塗料を分
散媒中に混合、分散せしめてなる塗料から形成された糸
状模様であり、図2は液状着色塗料を塗料中(従来の多
彩模用塗料中)に混合、分散せしめてなる塗料から形成
された糸状模様である。これら図1および図2におい
て、1は糸状模様、2は被塗装材面、3は多彩模用塗料
によって形成された斑点状模様である。
【0009】本発明の模様形成塗料を得るに際して用い
ることの出来る材料としては特に限定するものではな
く、塗料業界で公知の種々の材料から適宜に選択して用
いることが出来る。先にも述べたように従来の多彩模用
塗料の構成材料も本発明においては選択範囲内である。
【0010】本発明における液状着色塗料は、塗膜形成
成分(例えば、ニトロセルロース、アクリル樹脂、塩化
ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、アクリロ
ニトリル等の合成樹脂または天然ゴムもしくは合成ゴム
等の塗料用バインダー)を、水ないし水性溶媒、もしく
は適宜な有機溶媒(例えば、トルエン、キシレン、酢酸
エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルアルコール、ブチルアルコール、プロピルアルコ
ール、ブチルセロソルブ等)に溶解ないしは分散、また
は、エマルションとした樹脂液に、無機もしくは有機顔
料(例えば、二酸化チタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ク
ロムグリーン、紺青、カーボンブラック、ハンザイエロ
ー、レーキレッド、キナクリドンバイオレッド、銅フタ
ロシアニン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、
クレー等)および必要ならば塗料用として公知の種々の
添加剤(例えば、分散剤、消泡剤、レベリング剤、増粘
剤、造膜助剤、防カビ剤等)を慣用量で混合、分散せし
めることによって得られる。
【0011】上記液状着色塗料を分散せしめるための塗
料もしくは分散媒(以下、分散媒体という)としては、
有機溶媒系または水系の何れの分散媒体でも良く、上記
液状着色塗料の構成成分と同様な塗膜形成成分、着色剤
を含む着色塗料を分散媒体としても良い。また、従来の
多彩模用塗料を分散媒体としても良い。なお、上記液状
着色塗料自体に塗膜形成性能が備わっているため、分散
媒体への塗膜形成成分の添加は、本発明においては必須
の要件ではないが、分散媒体への塗膜形成成分の添加は
塗膜強度を強くすることが出来、かつ、被塗物への密着
強度も強くなるため有効な手段である。
【0012】本発明において、分散媒体として着色塗料
を用いた場合には、該着色塗料の背景色の中に糸状模様
が形成される。したがって着色塗料の色調と糸状模様の
色調を変えることによって装飾効果は高まる。また分散
媒体として多彩模様塗料を用いた場合には、多彩模様の
背景色に糸状模様が組み合わされてさらに装飾性の高い
ものとなるので、このような着色塗料ないしは多彩模様
塗料を分散媒体として用いることは本発明にとっては好
ましい。
【0013】上記液状着色塗料の糸状物を分散媒体中に
安定状態で混合分散させておくためには相互に溶解しな
いようにする必要がある。一例としては、液状着色塗料
を水不溶性有機溶媒系の組成とし、これを水性系分散媒
体中に分散させる方法、または、液状着色塗料をゲルも
しくはゾル塗料として分散媒体中に分散させる方法、ま
たは、液状着色塗料の糸状物をカプセル化して分散させ
る方法等により行うことが出来る。特に本発明において
は、液状着色塗料の糸状物の分散安定性が優れているこ
と、および、製造が比較的容易であることなどから、該
糸状物の少なくとも表層部にゲル化層の形成された糸状
物とするのが好ましい。
【0014】液状着色塗料の糸状物の表層にゲル化層を
形成するには、特公昭51−6175号公報に記載され
ている方法によって行うことが出来る。すなわち、この
方法はポリビニルアルコールのような親水性コロイド形
成物質と、該コロイド物質を不溶化することの出来るホ
ウ酸塩のような不溶化剤(ゲル化剤)とが作用しあっ
て、一種の三次元的網状構造の形成されるゲル化反応を
利用するもので、このゲル化反応を、糸状物の表層部で
生じさせることにより、分散媒体中での分散安定性に優
れた糸状物とすることが出来る。
【0015】より具体的には、液状着色塗料の構成成分
の一つである塗膜形成成分を合成樹脂エマルションと
し、かつ、着色剤および親水性コロイド形成物質を含有
せしめて液状着色塗料とする。一方、分散媒体を水系と
すると共に、該分散媒体には前記親水性コロイド形成物
質をゲル化させることの出来るゲル化剤を含有せしめ、
この分散媒体中に前記液状着色塗料を混入せしめると、
混入と同時に糸状物の表層でゲル化反応が生じ、ゲル化
層が形成される。
【0016】ゲル化層の形成において用いることの出来
るコロイド形成物質およびゲル化剤並びにその組み合わ
せを例示すると下記表1のごときものである。
【0017】
【表1】
【0018】本発明に係わる模様形成塗料の製造方法と
しては、以上のような構成からなる液状着色塗料および
分散媒体を用い、該液状着色塗料を分散媒体中に糸状物
として混入せしめることからなる。液状着色塗料を糸状
物とするには、液状着色塗料を、細孔を有した治具の中
を自由落下方式、あるいはポンプによる圧送方式等によ
って通過させる方法によるものが好ましい。糸状物とな
った液状着色塗料は、これを分散媒体中に混入せしめ、
次いで適度なせん弾力の付加されるような分散機で分散
することにより、糸状物は模様形成に適度な長さに切断
され、分散媒体中に混合分散される。糸状物の大きさは
本発明において何ら限定されるものではなく、所望する
模様となるように、液状着色塗料もしくは分散媒体の粘
度、糸状物とする際に用いる治具の細孔径、該細孔を通
す際の圧力、分散媒中に混入せしめた後の分散条件を変
えることによって適宜とすることが出来る。
【0019】具体例としては、液状着色塗料を糸状物と
する際に用いる治具の細孔の大きさは直径0.2〜10
mmとするのが好ましく、特に0.5〜3mmの範囲で
あるのが好ましい。その細孔の大きさが0.2mmより
小さいと糸状物が細くなり過ぎ明瞭な糸状模様の現出が
難しく、また、液状着色塗料を押し出す時間が長くなり
生産性が悪くなる。また、10mmを超えると形成され
る糸状模様が太くなり過ぎ、高意匠性を得るのが難しく
なる。
【0020】液状着色塗料の粘度は10〜400dP
a.sの範囲とするのが好ましく、特に50〜300d
Pa.sの範囲であるのが好ましい。その粘度が10d
Pa.sより低いと、細孔を通した際に出てくる液状着
色塗料の糸状物が細すぎるため、本発明の目的とする糸
状模様がはっきりと分かる塗膜が得難くなり、また、柔
らかくなり、切れやすくなるため、糸状物としての形状
を保持するのが難しくなる。その粘度が400dPa.
sより高くなると液状着色塗料を細孔より押し出す時間
が長くなり生産性が悪くなる他、塗布した際の糸状物の
フロー性が悪くなり、平滑性に優れた模様塗膜の形成が
難しくなる。
【0021】液状着色塗料を細孔を通して糸状物とし、
これを分散媒体中に安定に分散するためには、塗料業界
で一般的に用いられる円盤型の分散羽根を備えたディゾ
ルバー型の分散機などを用いることにより達成できる。
【0022】本発明の模様形成塗料において、液状着色
塗料は、該模様形成塗料中に5〜80重量%含まれるこ
とが好ましい。液状着色塗料が5重量%より少ないと、
形成される模用塗料中の糸状物の量が少なすぎて、塗装
により得られる模様塗膜中の糸状模様がわずかに存在し
たものとなり装飾性の乏しいものとなる。また、液状着
色塗料が80重量%以上となるると、形成される模様塗
膜中の糸状模様の量が多くなりすぎ、糸状模様の重なり
合いが生じ、糸状模様としては判別しにくく、装飾性の
乏しいものとなる。
【0023】以上のようにして得られた模様形成塗料
は、塗料業界で公知の各種塗装方法、例えば刷毛、スプ
レー、ローラー、カーテンフローコーター等の塗装法に
より種々の基材面に塗布し、糸状模様が形成される。特
に本発明の模様形成塗料によって最も効果的な糸状模様
が得られる塗装方法としてはスプレー塗装が好ましい。
【0024】本発明の模様形成塗料は、コンクリート
板、石綿セメント板、ハードボード、石膏ボード、石綿
パーライト板、ケイ酸カルシュウム板等の建築用ボード
類、ABS樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等のプラス
チック類、鉄板、アルミ板、ブリキ板、トタン板等の金
属類、木材、合成木材ガラス、セラミック等広範囲な材
料に塗装することが出来る。
【0025】本発明の模様形成塗料は、上記種々の基材
面に直接塗装しても良いが、これら基材面に予め装飾塗
装を施した後に塗装しても良い。このようにすると装飾
塗装面が背景色となり、これに本発明による糸状模様が
重なりあって極めて装飾性の高い模様が形成される。こ
の場合の装飾塗装は通常の着色塗料でも良く、また、従
来の多彩模用塗料であっても良い。更に、また、背景色
と糸状模様の色調を変える方法、糸状物の色調を2つま
たはそれ以上の複数色とし、これを混合する方法、ある
いはこれらを適宜に組み合わせることによって、さらに
複雑でかつ変化に富んだ高い装飾性ないし意匠性を有す
る模用の形成が可能となる。
【0026】
【実施例】本発明を以下の実施例により詳述する。
尚、以下に述べる配合例は全て重量部を示す。
【0027】 実施例 1 組成 A(分散媒体) マグネシウムモンモリロナイト粘土4%水分散液 25.0 重ホウ酸アンモニウム5%水溶液 5.0 ナトリウム・カーボキシメチルセルロース1%水溶液 25.0 以上の成分を配合し、激しく攪拌混合した後、水45部
を加えて希釈し分散媒体とした。
【0028】組成 B(液状着色塗料) B−1 以下の成分を充分に攪拌混合する。 アクリル・スチレン系エマルション(大日本インキ化学工業 社製、商品名:ボンコートEC−888、樹脂分50%) 35.0 グアルゴム誘導体1.5%水溶液(Stein Hall&Co.製、商品名:Jaguar J2S1) 28.5 B−2 以下の成分を充分に攪拌混合する。 黒色酸化鉄 5.7 タルク 6.7 クレー 6.7 アニオン性高分子分散剤(日本アクリル化学社製、商品名: オロタン731、不揮発分25%) 1.1 水 16.3 上記で得たB−1およびB−2を攪拌混合して黒色の液
状着色塗料とする。
【0029】容器に組成Aを40部取り、ディゾルバー
型の分散機で組成Aを攪拌しながら自由落下方式で組成
Bの60部を直径1.0mmを有する細孔を通し、糸状
物として混入させて糸状の液状黒色塗料を含む本発明に
係わる模様形成塗料を作成した。得られた模様形成塗料
を口径5mmのスプレーガンを使用し、空気圧2kg/
cm2で白色セメント板に塗装を行ったところ、白色セ
メント板の白地の上に黒色糸状の模様が形成された。
【0030】実施例 2 組成 C(黄褐色液状着色塗料) 実施例1の組成Bのうち黒色酸化鉄に代えて黄色酸化鉄
を使用した以外は全く同様な方法で黄褐色の液状着色塗
料を調整し組成Cとした。
【0031】模様形成塗料の作成 容器に実施例1で調整した組成Aを50部取り、ディゾ
ルバー型の分散機で組成Aを攪拌しながら、ポンプ圧で
組成Cの50部を直径1.0mmを有する細孔を通し、
糸状物として混入させて糸状の液状黄褐色塗料を含む模
様形成塗料を作製した。この糸状の液状黄褐色塗料を含
む模様形成塗料50部と、実施例1で作られた糸状の液
状黒色塗料を含む模様形成塗料50部を混合し、実施例
1と同様な条件で塗装したところ、黒色および黄褐色の
糸状模様が組み合わされたこれまでにはなかった新規な
模様を有する塗膜が得られた。
【0032】実施例 3 組成 D(白色の液状着色塗料) D−1 以下の成分を充分に混合攪拌する。 アクリル・スチレン系エマルション(大日本インキ化学工業 社製、商品名:ボンコートEC−888、樹脂分50%) 35.0 グアルゴム誘導体1.5%水溶液(Stein Hall&Co.製、商品名:Jaguar J2S1) 28.5 D−2 以下の成分を充分に攪拌混合する。 酸化チタン 19.1 アニオン性高分子分散剤(日本アクリル化学社製、商品名: オロタン731、不揮発分25%) 1.1 水 16.3 上記で得たD−1およびD−2を攪拌混合して白色の液
状着色塗料(組成D)とする。
【0033】実施例1で得た分散体(組成A)40部と
実施例3の組成D60部を混合し、組成Dの粒子サイズ
が3〜5mmになるまでゆるやかに攪拌し、白色の液状
塗料が粒子状で含有する多彩模様塗料を作製し塗料Eと
する。また同様に組成A40部と実施例1の組成B60
部を同様に混合し、組成Bの粒子サイズが3〜5mmに
なるまでゆるやかに攪拌し、黒色の液状塗料が粒子状で
含有する多彩模様塗料を作製し塗料Fとする。塗料E2
0部、塗料F20部を混合した中に更に実施例2で作製
した糸状の液状黄褐色塗料を含む糸状模様形成塗料60
部を混合した。このようしして得られた模様形成塗料を
コンクリート板の上に実施例1と同様な条件で塗装した
ところ、白、黒、の粒子状模様と黄褐色の糸状模様が組
み合わされたこれまでにない新規な模様を有する塗膜が
得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明の模様形成塗料は、塗料もしくは
分散媒中に糸状の液状着色塗料が安定に分散したもので
あるから、該塗料を塗装した場合、一回の塗装でこれま
でになかった新規な糸状模様を有する塗膜が得られるこ
とにより、新規な意匠性が要求される分野には有効とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】素材表面上に糸状の液状着色塗料を塗装して得
られる塗装表面。
【図2】糸状の液状着色塗料が多彩模様塗料中に分散さ
れた塗料を塗装して得られる塗装表面。
【符号の説明】
1 本発明模用形成塗料になる糸状模様 2 被塗装材面 3 多彩模用塗料による斑点状模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA022 BA082 BA112 BA192 CA012 CA022 CC032 CD032 CE022 CF022 CG002 CG162 DF022 EA011 HA116 HA156 HA476 HA556 JA23 KA03 KA06 KA08 LA03 MA05 MA07 MA08 NA01 PB05 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料もしくは分散媒中に、塗膜形成成分
    および着色剤をすくなくとも含有する液状着色塗料を糸
    状物とし、かつ該糸状物が前記塗料もしくは分散媒に溶
    解することなく、安定な分散状態で混合されていること
    を特徴とする模様形成塗料。
  2. 【請求項2】 前記液状着色塗料の糸状物が、少なくと
    もその表層部にゲル化層を形成してなるものである請求
    項1記載の模様形成塗料。
  3. 【請求項3】 前記塗料もしくは分散媒が塗膜形成成分
    を含有してなるものである請求項1または2記載の模様
    形成塗料。
  4. 【請求項4】 塗膜形成成分および着色剤を少なくとも
    含有する液状着色塗料を、該液状着色塗料を溶解するこ
    となく安定な分散状態を形成しうる塗料もしくは分散媒
    中に、細孔を通して糸状物として混入せしめることを特
    徴とする模様形成塗料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記液状着色塗料が、ゲル形成成分を含
    有してなり、前記塗料もしくは分散媒が、前記液状着色
    塗料中のゲル形成成分をゲル化することの出来るゲル化
    剤を含有してなるものである請求項4記載の模様形成塗
    料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記塗料もしくは分散媒が、塗膜形成成
    分を含有してなるものである請求項4または5記載の模
    様形成塗料の製造方法。
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