JP4355621B2 - 鋼床版の補修方法および補強方法 - Google Patents

鋼床版の補修方法および補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、橋梁や高架道路等に用いられる鋼床版の補修方法および補強方法に関する。
一般に、橋梁や高架道路等における床版には、コンクリート床版と鋼床版とがある。鋼床版の概略構成は、横桁に直交する方向に延在して所定間隔で複数並設された縦リブと、縦リブに直交する方向(横桁に平行する方向)に延在して所定間隔で複数並設された横リブと、格子状に組まれた縦リブ及び横リブの上に形成されて上面にアスファルト舗装が施されるデッキプレートとからなる。縦リブとデッキプレート,縦リブと横リブ,及び横リブとデッキプレートとは、それぞれ溶接により接合されている。また、縦リブには、Uリブ等の閉断面リブとT形鋼等の開断面リブとの2種類の形状があり、近年では横リブ間隔を長くすることができる閉断面リブが主流になっている(例えば、特許文献1参照。)。
車両が通行する橋梁や高架道路等の鋼床版の場合、レーン直下(車両のタイヤが通り加重が集中される箇所)の鋼床版には、疲労損傷(亀裂)が発生する場合がある。疲労損傷は、活荷重により生じる応力変動に起因する現象であり、縦リブ等の各部材同士を溶接した溶着部(溶接ビード)や、溶着部周辺の各部材自体等に発生する。
疲労損傷が発生した場合に、鋼床版を補修する方法としては、以下の方法がある。
例えば、縦リブとデッキプレートとの溶着部に亀裂が発生した場合、亀裂が入った溶着部をガウジングやグラインダー等によって削り取り、その後削り取った箇所を再溶接によって埋め戻す方法がある。また、溶着部の亀裂が進展し、更にその亀裂が縦リブ自体にまで及んでいる場合は、亀裂の周りをグラインダー等で開先状に削り、削り取った箇所を再溶接によって埋め戻すことで補修できる。
また、亀裂が発生した箇所の縦リブを撤去し、新たに用意された縦リブと交換する方法もある。このとき、新たな縦リブの上端部にはデッキプレートの下面に重ね合わせられる鍔部を形成しておき、その鍔部とデッキプレートとをボルト固定することで、既存のデッキプレートと新たな縦リブとを接合する。また、隣接する縦リブとは、添接板を介してボルト固定することで繋ぎ合わせる。さらに、横リブと交差する箇所の縦リブを交換する場合、新たな縦リブの外周には横リブのウェブ面に重ね合わせられる鍔部を形成しておき、その鍔部と横リブとをボルト固定することで、既存の横リブと新たな縦リブとを接合する。
また、近年では、疲労損傷が発生する前に、鋼床版を補強する方法が提案されている。これは、閉断面状のリブ内に充填材を注入する方法である。この方法によれば、外側からでは補修が困難であった内側の疲労亀裂の発生を防止することができる(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−21819号公報 特開2001−248114号公報
しかしながら、上記した前者の従来の補修方法では、縦リブが開断面リブからなる場合はよいが、縦リブが閉断面リブからなる場合は、溶接作業を難しくする上向き姿勢の状態で裏当てをせずに表側から片側溶接をしなければならないという問題が存在する。一般に、片面からの完全溶込み溶接は、完全な裏波が得られることを目的として、隙間を設けた開先形状が用いられる。狭隘な場所で精度を要求される開先加工を行うことは大変困難な作業であり、また、上向き姿勢における、完全溶込み溶接は、溶込み過ぎると突き抜けてしまう虞があり、完全な裏波が得られる完全溶込み溶接は非常に難易度の高い溶接である。また、万一突き抜けてしまった場合、閉断面リブでは補修することができない。
また、上記した後者の従来の補修方法では、新たな縦リブの上端部に形成された鍔部とデッキプレートとをボルト固定するため、デッキプレート上のアスファルト舗装を撤去しなければならく、補修作業が大掛かりになるという問題が存在する。その結果、一度補修工事を始めたら、工事終了まで交通規制をしなければならず、この交通規制はアスファルト舗装を撤去するため、広範囲となる。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、閉断面状のリブに溶着された溶着部や当該リブ自体に亀裂が発生した場合に、亀裂が発生した部分に表側から片側溶接する際に裏当てを当てることができ、また表側からのみならず裏側からも溶接し、溶着部を母材に確実に溶け込ませ、補修した箇所の所定の溶接強度を確実に確保することができる鋼床版の補修方法を提供することを目的とする。また、デッキプレート上のアスファルト舗装を除去せずに補修・補強工事を行うことができ、補修・補強工事のための交通規制の期間および範囲を低減することができる鋼床版の補修方法および補強方法を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、デッキプレートと、該デッキプレートの下方に複数並設された閉断面状のリブとを有する鋼床版のうち、該リブに接合された溶着部または該溶着部周辺の前記リブ自体に発生した亀裂を補修する鋼床版の補修方法において、前記リブの一部を切り欠き切断し、前記リブを前記デッキプレートに溶接された本体部と該本体部から切り離された切取部とに分離させる切断工程と、前記亀裂を溶接により補修する補修工程と、前記切取部を基の位置に戻してボルト固定する閉塞工程とを備えることを特徴としている。
請求項1記載の発明は、デッキプレートと、該デッキプレートの下方に複数並設された閉断面状のリブとを有する鋼床版のうち、該リブに接合された溶着部または該溶着部周辺の前記リブ自体に発生した亀裂を補修する鋼床版の補修方法において、前記リブにボルト孔を形成する穿孔工程と、前記リブの一部を切り欠き切断し、前記リブを前記デッキプレートに溶接された本体部と該本体部から切り離された切取部とに分離させる切断工程と、前記亀裂を溶接により補修する補修工程と、前記切取部を基の位置に戻すと共に前記ボルト孔にボルトを挿入してボルト固定する閉塞工程とを備えることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の鋼床版の補修方法において、前記閉塞工程を行う前に、ボルト固定を行う際に手を入れるハンドホールを前記切取部または前記本体部にあけておくことを特徴としている。
このような特徴により、ハンドホールからリブ内に手を入れて、リブ内から切取部を固定するためのボルトを配置させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の鋼床版の補修方法において、前記切断工程後に、前記本体部の内側から該本体部の上端と前記デッキプレートとを補強溶接する補強工程を備えることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、デッキプレートと、該デッキプレートの下方に複数並設された閉断面状のリブとを有する鋼床版の補強方法において、前記リブの一部を切り欠き切断し、前記リブを前記デッキプレートに溶接された本体部と該本体部から切り離された切取部とに分離させる切断工程と、前記本体部の内側から該本体部の上端と前記デッキプレートとを補強溶接する補強工程と、前記切取部を基の位置に戻してボルト固定する閉塞工程とを備えることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、デッキプレートと、該デッキプレートの下方に複数並設された閉断面状のリブとを有する鋼床版の補強方法において、前記リブにボルト孔を形成する穿孔工程と、前記リブの一部を切り欠き切断し、前記リブを前記デッキプレートに溶接された本体部と該本体部から切り離された切取部とに分離させる切断工程と、前記本体部の内側から該本体部の上端と前記デッキプレートとを補強溶接する補強工程と、前記切取部を基の位置に戻すと共に前記ボルト孔にボルトを挿入してボルト固定する閉塞工程とを備えることを特徴としている。
本発明に係る鋼床版の補修方法によれば、リブの一部を切り欠き切断する切断工程と、亀裂を溶接により補修する補修工程と、切り取られた切取部を基の位置に戻してボルト固定する閉塞工程とを備えられており、溶接により補修する際、閉断面状のリブは一時的に開断面状になり、リブの一部を切り欠き切断して形成された開口部分からリブの内側の作業が行われるため、亀裂が発生した部分に表側から片側溶接する際に裏当てを当てることができ、また表側からのみならず裏側からも溶接し、溶着部を母材に確実に溶け込ませ、補修した箇所の所定の溶接強度を確実に確保することができる。また、デッキプレート上のアスファルト等の舗装層を除去せずに補修工事を行うことができ、補修工事のための交通規制の期間および範囲を低減することができる。
また、本発明に係る鋼床版の補強方法によれば、切断工程後に、本体部の上端とデッキプレートの下面とを内側から補強溶接する補強工程を行うため、デッキプレート下面とリブ上端とは両側から溶接されることとなり、疲労損傷の発生を防止することができる。また、デッキプレート上の舗装層を除去せずに補強工事を行うことができ、補強工事のための交通規制の期間および範囲を低減することができる。
図1は既存の鋼床版1を表す図である。図1に示すように、鋼床版1は、デッキプレート2と、デッキプレート2の下方に複数並設された閉断面状の縦リブ3と、デッキプレート2の下方に複数並設されて縦リブ3に直交する方向に延在する横リブ4とから構成されている。
デッキプレート2は、所定の厚さを有するフラットな鋼板からなり、デッキプレート2上にはアスファルトやコンクリートからなる舗装層5が形成されている。
縦リブ3は、いわゆる断面U字形の鋼材(Uリブ)からなり、開放された面が上方に向きになるように配置されている。また、縦リブ3とデッキプレート2とは、縦リブ3の上端外側面とデッキプレート2の下面との隅を連続的に片面隅肉溶接することで接合されており、縦リブ3とデッキプレート2との溶着部6は縦リブ3の上端両側で縦リブ3の軸方向に沿って延在されている。
横リブ4は、断面逆T字形の鋼材からなり、横リブ4のウェブ7がデッキプレート2に対して垂直になるように配置されている。また、縦リブ3と交差する箇所の横リブ4のウェブ7には、縦リブ3が嵌入されるように凹状の切欠部8が形成されている。切欠部8の上端部両側は円弧状に拡げられており、また切欠部8の下端部は長孔状に拡幅されている。横リブ4とデッキプレート2とは、横リブ4の上端両側面とデッキプレート2の下面との隅を連続的にそれぞれ両面隅肉溶接することで接合されており、横リブ4とデッキプレート2との溶着部9は横リブ4のウェブ7の上端両側で縦リブ3の軸に直交する方向に沿って延在されている。また、縦リブ3と横リブ4とは、縦リブ3の両側の外側面と切欠部8の両側辺とを連続的にそれぞれ両面隅肉溶接することで接合されており、縦リブ3と横リブ4との溶着部10は、円弧状に拡げられた切欠部8の上端部と長孔状に拡幅された切欠部8の下端部との間に形成されている。
上述した構成からなる既存の鋼床版1が高架道路等に用いられた場合、車両のタイヤが通過するレーン直下では、疲労損傷が発生する虞がある。例えば、図1に示すように、縦リブ3とデッキプレート2との溶着部6に溶着部6の延在方向に沿って疲労亀裂Cが発生し、さらには、この疲労亀裂Cの両端が縦リブ3の側部にまで進展するケースがある。
以下、上記した疲労亀裂Cが発生した鋼床版1の補修方法、および上述した構成からなる鋼床版1の補強方法について説明する。
まず、図2に示すように、後述するハイテンションボルト(H.T.B)19を挿通させるためのボルト孔11を形成するとともに、ハイテンションボルト19をボルト孔11に挿入する際に手を入れるハンドホール12を形成する穿孔工程を行う。具体的には、縦リブ3の表面に塗布された塗装を除去し、塗装が除去された縦リブ3の表面に図示せぬフィルムを用いてハンドホール12及び後述する切取部14の切断ラインの罫書きをし、ボルト孔11の位置にそれぞれポンチを付ける。そして、図示せぬ孔あけ機を用いてポンチ位置に所定の孔径のボルト孔11をそれぞれ形成するとともに、図示せぬ切断機を用いて罫書きに沿って縦リブを切断してハンドホール12をあける。ボルト孔11は、縦リブ3の両側部及び底部にそれぞれ形成されており、縦リブ3両側部のボルト孔11は両側方の横リブ4間の端から端まで2段等間隔で形成され、縦リブ3底部のボルト孔11は両端部に2列等間隔で形成されている。なお、このとき、鋼床版1上の車道は特に車両規制をする必要はなく、上記した穿孔工程は車両が通行している状態で作業可能である。
次に、図3に示すように、縦リブ3の一部を切り欠き切断し、縦リブ3をデッキプレートに溶接された本体部13と本体部13から切り離された切取部14とに分離させる切断工程を行う。具体的には、縦リブ3表面に罫書きされた切断ラインに沿って図示せぬ切断機を用いて切断する。また、縦リブ3は、横リブ4に近接する両端部を残して隣り合う横リブ4間の中央部の下側半分を切取部14として切り取っており、切取部14は溝形状に形成されている。
また、切断されずに残された両端部の長さ寸法は、本体部13内の溶接作業を行う際に横リブ4との交差位置まで溶接作業が出来る程度に短いことが望ましく、横リブ4の芯位置から200mmから250mm程度である。これによって、本体部13内の溶接作業を行う際に、横リブ4を跨いで連続的に行うことができ、溶接箇所の許容強度が大きくなる。
また、縦リブ3を切断する際、切断ラインを直角に屈曲させずに円弧状に屈曲させており、切取部14の角が円弧状に形成されている。これによって、屈曲した角から亀裂が入ることを防止することができる。
なお、このとき、鋼床版1上の車道は車両規制しておき、切断工程以降は車両が通行していない状態で作業する。
次に、図4(a),図5(a)に示すように、溶着部6や縦リブ3(本体部13)に形成された疲労亀裂Cを溶接により補修する補修工程を行う。具体的には、溶着部6に形成された疲労亀裂Cは、図4(b)に示すように、疲労亀裂Cが入った溶着部6をガウジングやグラインダー等で除去し、図4(c)に示すように、裏側から図示せぬ裏当てを当てて補修溶接を行って新たな溶着部(補修溶着部)6´を形成する。このとき、新たな溶着部6´は、縦リブ3に対して必要な溶け込み量を確保するべく、補修溶接する際に開先を形成してから溶接してもよい。
また、縦リブ3自体に形成された疲労亀裂Cを溶接により補修する場合、図5(b)に示すように、先ず、表側(本体部13の外側)から疲労亀裂Cの周りをガウジング等で除去して開先15aを形成する。そして、図5(c)に示すように、裏側から図示せぬ裏当てを当てて開先15aに補修溶接を行って表側の補修溶着部16aを形成し、当該開先15aを埋める。次に、図5(d)に示すように、裏側(本体部13の内側)から補修溶着部16aの箇所をガウジング等で除去して開先15bを形成する。そして、図5(e)に示すように、開先15bに補修溶接を施して裏側の補修溶着部16bを形成し、当該開先15bを埋める。
また、本体部13の上端とデッキプレート2の下面とを本体部13の内側から補強溶接する補強工程を行う。具体的には、図6に示すように、本体部13の上端部内側面とデッキプレート2の下面と入隅部に隅肉溶接して補強溶着部17を形成する。補強溶接は、疲労亀裂Cの発生を防止する溶接であり、横リブ4を跨いで延在する(縦リブ3)本体部13内で縦リブ3の軸方向に沿って連続的に行う。
次に、新たな溶着部6´,補修溶着部16a,16b及び補強溶着部17の外観検査及び非破壊検査をそれぞれ行い、必要に応じて再溶接を行う。そして、溶着部6´,16a,16b,17の確認が終わった後、本体部13及び切取部14の内側面に防錆の塗装をそれぞれ塗布する。
次に、図7,図8に示すように、切取部14を基の位置に戻してボルト固定する閉塞工程を行う。具体的には、本体部13下部の開口に切取部14を被せ、ボルト孔11に対応する孔があいた鋼板からなる添接板18を介してハイテンションボルト19で固定する。ハイテンションボルト19は、ハンドホール12から本体部13内に手を入れて本体部13の内側からボルト孔11に挿入し、図示せぬ締結機を使って締め付ける。
閉塞工程完了後、鋼床版1上の車両規制を解除して、縦リブ3の外周面に防錆の塗装を塗布する。なお、補修・補強工程が途中であっても、本体部13下部の開口に切取部14を被せ、添接板18を介して図示せぬ仮止めボルトで仮固定することで一時的に鋼床版1上の車両規制を解除することはできる。したがって、夜間のみ工事を行い、日中は切取部14を仮固定することで車両規制を解除することが可能である。また、車両規制の解除を急ぐ場合には、縦リブ3の内周面に塗装を塗布する作業を、閉塞工程完了後にハンドホール12から手を入れて行ってもよい。また、溶接の熱によってアスファルト等の舗装層5が損傷した場合、補修・補強工事終了後に一括して損傷した舗装層5の補修を行なう。これによって、交通規制の期間を低減することができる。
上記した構成からなる鋼床版1の補修方法および補強方法によれば、縦リブ3の一部を切り欠き切断する切断工程と、疲労亀裂Cを溶接により補修する補修工程と、切り取られた切取部14を基の位置に戻してボルト固定する閉塞工程とを備えられており、溶接により補修する際、閉断面状の縦リブ3は一時的に開断面状になり、縦リブ3の一部を切り欠き切断して形成された本体部13の開口から補修・補強作業が行われるため、疲労亀裂Cが発生した部分に表側から溶接する際に裏当てを当てることができ、また表側からのみならず裏側からも溶接し、溶着部6,16a,16bを母材に確実に溶け込ませ、補修した箇所の所定の溶接強度を確実に確保することができる。
また、デッキプレート2上のアスファルト等の舗装層5を除去せずに補修・補強工事を行うことができ、補修・補強工事のための交通規制の期間および範囲を低減することができる。また、切取部14はボルト固定されているため、閉塞工程完了後でも再び取り外すことができ、補修・補強工事終了後に疲労亀裂Cが発生した場合には、切取部14を取り外して補修・補強溶接することができる。
また、穿孔工程時に、ボルト固定を行う際に手を入れるハンドホール12を切取部14にあけているため、閉塞工程を行う際、ハンドホール12から縦リブ3内に手を入れて、ハイテンションボルト19をボルト孔11に挿入することができ、切取部14のボルト固定作業を容易に行うことができる。また、閉塞工程完了後は、ハンドホール12を検査窓として利用することもでき、縦リブ3内の疲労亀裂Cの有無等を目視検査することができる。
また、切断工程後に、本体部13の内側から本体部13の上端内側面とデッキプレート2の下面との入り隅に補強溶接をする補強工程を行うため、デッキプレート2下面と縦リブ3上端とは両側から溶接されることとなり、疲労亀裂Cの発生を防止することができる。
以上、本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、断面形状が台形のUリブからなる縦リブ3の場合について説明しているが、本発明は、断面形状がY形やV形,半丸形等のその他の閉断面リブであってもよい。
また、上記した実施の形態では、縦リブ3とデッキプレート2との溶着部6に溶着部6の延在方向に沿って疲労亀裂Cが発生し、さらに、この疲労亀裂Cの両端が縦リブ3の側部にまで進展している場合の補修・補強方法について説明しているが、本発明は、縦リブと端ダイアとの溶着部に発生した疲労亀裂を補修してもよい。また、疲労亀裂が発生していない場合であっても、疲労亀裂の発生を防止するために補強工事だけを行ってもよい。
本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態における施工前の鋼床版の斜視図である。 本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態における穿孔工程を説明するための鋼床版の斜視図である。 本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態における切断工程を説明するための鋼床版の斜視図である。 本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態における補修溶接の工程を示す部分詳細図である。 本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態における補修溶接の工程を示す部分詳細図である。 本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態における補強溶接を表す部分斜視図である。 本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態における閉塞工程を説明するための鋼床版の斜視図である。 本発明に係る鋼床版の補修方法および補強方法の実施の形態における閉塞工程を説明するための縦リブの断面図である。
符号の説明
1 鋼床版
2 デッキプレート
3 リブ
6 溶着部
12 ハンドホール
13 本体部
14 切取部
C 亀裂

Claims (4)

  1. デッキプレートと、該デッキプレートの下方に複数並設された閉断面状のリブとを有する鋼床版のうち、該リブに接合された溶着部または該溶着部周辺の前記リブ自体に発生した亀裂を補修する鋼床版の補修方法において、
    前記リブにボルト孔を形成する穿孔工程と、
    前記リブの一部を切り欠き切断し、前記リブを前記デッキプレートに溶接された本体部と該本体部から切り離された切取部とに分離させる切断工程と、
    前記亀裂を溶接により補修する補修工程と、
    前記切取部を基の位置に戻すと共に前記ボルト孔にボルトを挿入してボルト固定する閉塞工程とを備えることを特徴とする鋼床版の補修方法。
  2. 請求項1記載の鋼床版の補修方法において、
    前記閉塞工程を行う前に、ボルト固定を行う際に手を入れるハンドホールを前記切取部または前記本体部にあけておくことを特徴とする鋼床版の補修方法。
  3. 請求項1または2記載の鋼床版の補修方法において、
    前記切断工程後に、前記本体部の内側から該本体部の上端と前記デッキプレートとを補強溶接する補強工程を備えることを特徴とする鋼床版の補修方法。
  4. デッキプレートと、該デッキプレートの下方に複数並設された閉断面状のリブとを有する鋼床版の補強方法において、
    前記リブにボルト孔を形成する穿孔工程と、
    前記リブの一部を切り欠き切断し、前記リブを前記デッキプレートに溶接された本体部と該本体部から切り離された切取部とに分離させる切断工程と、
    前記本体部の内側から該本体部の上端と前記デッキプレートとを補強溶接する補強工程と、
    前記切取部を基の位置に戻すと共に前記ボルト孔にボルトを挿入してボルト固定する閉塞工程とを備えることを特徴とする鋼床版の補強方法。
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