JP4355351B2 - 制御装置及び制御方法、ネットワークシステム及び制御装置用プログラム並びに情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【技術分野】
【0001】
本願は、制御装置及び制御方法、ネットワークシステム及び制御装置用プログラム並びに情報記録媒体の技術分野に属し、より詳細には、例えばバスに接続された被制御装置の動作を、当該シリアルバスを介した情報の授受により制御する制御装置及び当該制御装置を含むネットワークシステム、当該制御装置における制御方法、当該制御装置用プログラム並びに当該制御装置用プログラムが記録された情報記録媒体の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータに対して種々の外部機器を手軽に有線接続するための規格として、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格や、IEEE1394(IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394-1995 standard for High Performance Serial Bus)規格に準拠した製品が広く一般化しており、特に音響・映像機器同士又は当該音響・映像機器とパーソナルコンピュータとを有線接続するのに好適なものとして上記IEEE1394規格に準拠した製品が一般化している。そして、上記音響・映像機器等の被制御装置における情報再生又は情報記録等の動作を、当該IEEE1394規格に則って接続されているパーソナルコンピュータ等の制御装置を用いて遠隔的に制御することも可能とされており、この制御動作の際に準拠されるべき共通の規格を制定して普及させること等を目的とする団体として、いわゆる1394TA(1394 Trade Association, http://www.1394ta.org/)が設立されている。
【0003】
ここで、上記被制御装置の動作を制御装置から制御する際に当該被制御装置と制御装置との間で授受される制御情報(コマンド)として、AV/C(Audio Visual/Control)コマンドがあり、その仕様についても、上記1394TAにより規格化されているところである。より具体的には、上記AV/Cコマンドの仕様を定めた規格の一つとして、上記1394TAにより、「TA Document 2001012、AV/C Digital Interface Command Set General Specification Version 4.1」が公表されている。そして、当該規格において本願に関連する部分として、その11.4節に、非制御装置を一つの制御装置のみが他の制御装置を排して排他的に制御するためのコマンドとして、RESERVEコマンドが定義されている。すなわち、当該RESERVEコマンドが適用可能な被制御装置が、IEEE1394に準拠したネットワークに接続された制御装置からの当該RESERVEコマンドを受信した際には、当該RESERVEコマンドを出力した制御装置の装置識別情報(一般にはGUID(Global Unique ID)と称され、全世界的に見てその制御装置に固有の識別情報である)を認識し、以降当該装置識別情報を認識した制御装置からの制御用コマンドに記述された動作を、他の制御装置からの制御用コマンドに記述されている動作に対して優先して行うことが規格化されている。
【0004】
なお、当該RESERVEコマンドを用いた被制御装置の制御に関する従来技術(以下、当該従来技術を第1の従来技術と称する)として、以下の特許文献1に開示されている排他制御方法がある。
【特許文献1】
特開2001−53766号公報
【0005】
一方、上記IEEE1394規格を含めたネットワークによる複数の情報処理装置の接続に関する共通化、規格化を推進する団体としてHAVi推進協会(Home Audio Video interoperability, http://www.havi.org/)がある。
【0006】
ここで、当該HAVi推進協会により規格化されている仕様の一つにHAVi仕様(正式名称は、「HAVi SPECIFICATION Version 1.1」である)があるが、その3.5節(DEVICE CONTROL)には、上述した如きネットワーク内にある制御装置から被制御装置の動作を制御するための考え方として、「DCM(Device Control Modules)」の概念が記述されている。また、同じく3.8節(RESOURCE MANAGER)には、上記HAVi仕様における被制御装置を排他的制御するための仕組みが記述されている。
【0007】
すなわち、上記DCMは、ネットワークに接続されている被制御装置夫々を抽象化し、これらの動作を制御装置から遠隔的に制御制御するためのAPI(Application Program Interface)を定義したHAVi独自の概念のソフトウェアモジュールである。そして、当該DCMには、被制御装置を排他的制御するためのAPIとして、「reserve(その被制御装置を排他的に制御することを示す制御権の予約)」及び「release(当該制御権の開放)」の概念が夫々定義付けられており、当該DCMは被制御装置と同一の1394規格に準拠したシリアルバス上に存在する制御装置のうち選択された唯一の制御装置だけに備えられるものである。
【0008】
なお、当該DCMの概念では、排他制御情報(すなわち、どの被制御装置がいずれの制御装置から他の制御装置に対して排他的に制御されているかを示す排他制御情報)が被制御装置内に記憶される場合も許容されているが、当該被制御装置自体が当該排他制御情報に基づく動作に対応していない被制御装置である場合には、対応する排他制御情報は制御装置内に記憶されることになる。
【0009】
このとき、上記HAVi仕様書上では、複数の制御装置間における排他的制御のためのDCM概念下のAPIとして上記「reserve」の概念及び上記「release」の概念が定義付けられているのみであり、当該API自体を制御装置又は被制御装置が夫々どのような態様で実現するのかまでは明確に規定されてはいない。なお、上記HAVi仕様書の内容に準拠した排他的な制御方法の従来技術を、以下第2の従来技術と称する。
【0010】
他方、被制御装置と同一のネットワークに接続されている制御装置から当該被制御装置の動作を遠隔的に制御する他の従来技術(以下、第3の従来技術と称する)として、以下の特許文献2に記載されているものがある。
【特許文献2】
特開2003−116181号公報
【0011】
この特許文献2に開示されている第3の従来技術においては、ネットワーク内に唯一存在する制御サーバ自体がそのネットワーク内に接続されている全ての被制御装置の動作を制御する制御権を有している。そして、夫々の被制御装置に対応する当該各制御権を、制御サーバ以外の制御要求端末等に与える仕組みとなっている。また、制御サーバとして機能することが可能な制御装置が同一のネットワーク内に複数存在する場合は、最初に各制御装置間で制御権の獲得処理が行われ、これによりそのネットワーク内で唯一の制御サーバが設定されることになっている。すなわち、上記第3の従来技術においては、全ての被制御装置に対応する制御権を、そのネットワーク内に唯一存在する制御サーバで一元的に管理することとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した各従来技術には、夫々下記するような問題点があった。
すなわち、上記第1の従来技術の場合は、制御対象である被制御装置がそのRESERVEコマンドに対応していない限りその被制御装置の排他的な動作制御はできないことになるが、これまでに当該RESERVEコマンドを扱うための構成をその内部に備えている被制御装置は殆ど見られず、従って上記RESERVEコマンドを用いた排他的制御方法は現状では一般的には普及し難いという問題点があった。
【0013】
また、上記第2の従来技術の場合は、上記第1の従来技術と同様に、被制御装置自身が排他制御のための仕組みを持つということは実質的に現実的ではない。従ってこのような第2の従来技術では、制御装置自体がDCMに準拠した排他制御情報を記憶して被制御装置を制御する方法を取らざるを得ない。
【0014】
この場合、同一のシリアルバス上に制御装置とそれにより動作が制御される被制御装置との対が一つしか存在しない場合であれば問題ないが、同一のシリアルバス上に制御装置が複数存在する場合には、以下のような問題が発生する。すなわち、DCMとしての機能を有して上記排他制御情報が記憶されている制御装置が元のシリアルバスから切り離されてしまった場合には、被制御装置と同一のシリアルバス上に残った他の制御装置のいずれか一つがDCMとしての機能を新たに有する必要があるが、この際、元の(切り離されて既にそのシリアルバス上には存在しなくなった)制御装置からはそれが記憶していた排他制御情報を受け取ることは不可能であるため、それまで他の被制御装置及び制御装置が統一的に用いていた排他制御情報がネットワーク上から消失してしまうこととなり、元の被制御装置と制御装置との関係を復帰させるためには、長時間にわたってネットワーク内における情報の伝送そのものが不安定になってしまう(換言すれば、情報の伝送が断続する)という問題点がある。
【0015】
更に、上記第3の従来技術の場合についても、上記第2の従来技術と同様に、同一のシリアルバス上に制御装置と被制御装置の対が一つのみ存在する場合であれば問題ないが、同一のシリアルバス上に制御装置が複数存在する場合であって、且つ全体としての制御権を有する上記制御サーバが当該シリアルバスから切り離されてしまったときには、各被制御装置に対応する排他制御情報は元のシリアルバスを含むネットワーク上からは消失してしまい、その復帰のためには上記第2の従来技術と同様に長時間にわたってネットワーク内における情報の伝送そのものが不安定になってしまうという問題点がある。
[0016]
そこで、本願は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的の一例は、既存の被制御装置に新たな構成を追加することなく一つのネットワーク内での制御装置による排他制御を可能とすると共に、被制御装置又は制御装置のいずれかが元のネットワークから脱落した場合でも、元の排他制御状態を維持・継続することが可能な制御装置及び当該制御装置を含むネットワークシステム、当該制御装置における制御方法、当該制御装置用プログラム並びに当該制御装置用プログラムが記録された情報記録媒体を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
[0017]
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一又は複数の被制御装置と、一又は複数の制御装置と、を含むネットワークシステムであって、いずれかの前記被制御装置の動作をいずれかの前記制御装置から制御する際には、当該動作が制御される一の前記被制御装置と当該動作を制御する一の前記制御装置とが他の前記制御装置を排して一対一に対応付けられて当該動作が制御されるネットワークシステムに含まれる前記制御装置であって、各前記被制御装置の動作がいずれの前記制御装置により制御されているかを示す排他制御情報を、当該各被制御装置毎に記憶する排他制御情報保持部等の排他制御情報記憶手段を備え、前記記憶されている排他制御情報に基づいて、いずれかの前記被制御装置における前記動作を制御する制御装置が含まれているネットワークシステムであって、当該ネットワークシステムに含まれているいずれか一の前記制御装置が中央制御装置とされており、当該中央制御装置は、前記ネットワークシステムに含まれているいずれかの前記被制御装置における前記動作を前記中央制御装置が制御することを要求する旨の要求情報が入力されたとき、当該要求情報により示される前記被制御装置に対応して当該中央制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示され前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する排他制御情報設定部等の第1更新手段と、前記要求情報が入力されたとき、前記要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記中央制御装置以外の他の前記制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する排他制御情報設定部等の第2更新手段と、を備える。
[0018]
[0019]
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、一又は複数の被制御装置と、一又は複数の制御装置と、を含むネットワークシステムであって、いずれかの前記被制御装置の動作をいずれかの前記制御装置から制御する際には、当該動作が制御される一の前記被制御装置と当該動作を制御する一の前記制御装置とが他の前記制御装置を排して一対一に対応付けられて当該動作が制御されるネットワークシステムに含まれる前記制御装置であって、各前記被制御装置の動作がいずれの前記制御装置により制御されているかを示す排他制御情報を、各前記制御装置内の排他制御情報記憶手段に記憶させる記憶工程と、前記記憶されている排他制御情報に基づいて、いずれかの前記被制御装置における前記動作を制御する動作制御工程と、を含む制御方法が実行される制御装置が含まれている前記ネットワークシステムに含まれているいずれか一の前記制御装置である中央制御装置において実行される中央制御方法において、前記ネットワークシステムに含まれているいずれかの前記被制御装置における前記動作を前記中央制御装置が制御することを要求する旨の要求情報が入力されたとき、当該要求情報により示される前記被制御装置に対応して当該中央制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する第1更新工程と、前記要求情報が入力されたとき、前記要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記中央制御装置以外の他の前記制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する第2更新工程と、を含む。
[0020]
[0021]
[0022]
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から8のいずれか一項に記載の中央制御装置として機能させる。
[0023]
[0024]
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の中央制御装置用プログラムが前記コンピュータにより読取可能に記録されている。
【図面の簡単な説明】
[0025]
[図1]第1実施形態に係るバスシステムの構成を示すブロック図であり、(a)はその全体構成を示すブロック図であり、(b)は第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
[図2]第1実施形態において新たな被制御装置がバスに接続された場合の処理を示すフローチャートである。
[図3]第1実施形態に係るバスシステムにおける動作を説明する図であり、(a)はマスタ制御装置において制御権獲得要求が為された場合の動作を説明する図であり、(b)は個別制御部における制御権の設定処理を示すフローチャートである。
[図4]第1実施形態に係るマスタ制御装置において制御権獲得要求が為された場合の動作を示す流れ図である。
[図5]第1実施形態に係るスレーブ制御装置において制御権獲得要求が為された場合の動作を説明する図である。
[図6]第1実施形態に係るスレーブ制御装置において制御権獲得要求が為された場合の動作を示す流れ図である。
[図7]第1実施形態に係る個別制御部における制御権の解放処理を示すフローチャートである。
[図8]第2実施形態に係るバスシステムにおける動作を説明する図であり、(a)はマスタ制御装置がバスから脱落した場合の動作を説明する図であり、(b)は新たにマスタ制御装置がバスに接続された場合の動作を説明する図である。
【図9】第2実施形態において新たにマスタ制御装置がバスに接続された場合の動作を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0026】
C 被制御装置
CC 制御装置
B バス
S バスシステム
1 操作部
2 要求受付部
3 管理部
31 認識部
32 情報管理部
33 個別制御部生成部
34 排他制御情報設定部
4 個別制御部
4A 排他制御情報
41 制御コマンド発行部
42 排他制御情報保持部
5 ネットワーク通信部
MCC マスタ制御装置
SCC スレーブ制御装置
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本願を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、例えばIEEE1394規格に準拠したシリアルバス等のバスに対して上記した被制御装置と制御装置とが接続されている場合であって、一対一の関係をもって被制御装置の動作を制御装置により制御する場合に対して本願を適用したときの実施の形態である。
【0028】
(I)第1実施形態
始めに、本願に係る第1実施形態について、図1乃至図7を用いて説明する。
【0029】
なお、図1は第1実施形態に係るバスシステム等の概要構成を示すブロック図であり、図2は第1実施形態に係る制御装置において実行される処理を示すフローチャートであり、図3は第1実施形態に係る各制御装置において後述のマスタ制御装置によりバスに接続された被制御装置の動作を制御することを要求する旨の要求操作が実行された場合の動作を示す図であり、図4は図3に示す操作が実行された場合に制御装置において実行される処理を示す流れ図であり、図5は第1実施形態に係る各制御装置において後述のスレーブ制御装置によりバスに接続された被制御装置の動作を制御することを要求する旨の要求操作が実行された場合の動作を示す図であり、図6は図5に示す操作が実行された場合における各制御装置の処理の全体を夫々に示す流れ図であり、図7は後述の個別制御部4における制御権の解放処理を示すフローチャートである。
【0030】
以下に説明する各実施形態では、一つのバスに対して複数の被制御装置と複数の制御装置が接続されている場合において、一の被制御装置の動作を他の制御装置を排して一の制御装置のみから制御する場合について説明するものである。これに加えて、第1実施形態では、複数の制御装置において、夫々に上記要求操作が実行された場合について説明する。
【0031】
図1(a)に示すように、第1実施形態に係るバスシステムSは、複数の被制御装置Cと複数の制御装置CCとが夫々にバスBに接続された構成を有しており、この中の一の被制御装置は一の制御装置を用いてのみその動作が制御される。なお、被制御装置Cの構成は、従来においてバスBを介して排他的にその動作を制御することが可能な被制御装置の構成と同様である。
【0032】
バスシステムSにおける動作としてより具体的には、例えばバスシステムSを使用するユーザがこれらの制御装置CCに対しリモコン等を用いて必要な操作を行なうことにより、バスBを経由して当該操作に対応する操作コマンドが被制御装置Cに送信され、当該操作コマンドを受信した被制御装置Cが当該操作コマンドにより要求されている動作を行う。更に具体的には、例えば当該ユーザが制御装置に対し、ある被制御装置における録画動作の起動を予約する録画予約の設定を行なった場合には、所望の時刻に当該制御装置が起動し、更に当該被制御装置における「電源オン」や「録画開始」等の意味を有する上記操作コマンドが制御装置から被制御装置に送信され、これにより当該被制御装置Cにおける録画動作が開始されることとなる。
【0033】
ここで、第1実施形態に係る被制御装置の例としては光ディスクプレーヤ/レコーダ、デジタルビデオテーププレーヤ/レコーダ或いはハードディスクレコーダ等で挙げられ、一方制御装置の例としてはこれら被制御装置の動作を制御するデジタルテレビジョン装置、デジタルチュ−ナ又はパーソナルコンピュータ等が挙げられる。なお、第1実施形態に係る制御装置CCが例えば光ディスクプレーヤ内に含まれており、当該光ディスクプレーヤを用いて他の光ディスクレコーダ(被制御装置としての光ディスクレコーダ)の動作を制御する場合に対して第1実施形態を適用することも可能である。
【0034】
次に、制御装置CCの具体的な構成について、図1(b)を用いて説明する。なお、図1(b)は第1実施形態に係る制御装置CCの概要構成を示すブロック図であり、バスシステムSに含まれる各制御装置CCは、いずれも図1(b)に示す構成を備えている。
【0035】
図1(b)に示すように、第1実施形態に係る制御装置CCは、操作ボタン又は上記リモコン等を含む操作部1と、要求受付部2と、管理部3と、バスBに接続されている被制御装置Cに一対一に対応付けられており当該被制御装置Cの数と同数の個別制御部4と、バスBに直接接続されている監視手段及び出力手段としてのネットワーク通信部5と、ディスプレイ等からなる出力部6と、により構成されている。
【0036】
また、管理部3は、認識部31と、情報管理部32と、個別制御部生成部33と、更新手段並びに第1乃至第4更新手段としての排他制御情報設定部34と、により構成されている。
【0037】
更に、夫々の個別制御部4は、制御コマンド発行部41と、排他制御情報記憶手段としての排他制御情報保持部42と、により構成されている。なお、各個別制御部4は、バスBに接続されている被制御装置Cの数に応じ、予め制御装置CC内に備えられている物理メモリ及びロジック回路等を用いてソフトウェア的に実現されるものである。従って、当該個別制御部4の数は、上記被制御装置Cの数に応じて増減するものである。
【0038】
次に、動作を説明する。
第1実施形態に係る制御装置CCを用いていずれかの被制御装置Cの動作を制御する場合、その旨の操作がユーザにより操作部1において実行されると、要求受付部2は操作部1からその実行された操作に対応する操作信号を受信する。
【0039】
ここで、第1実施形態の場合、当該操作信号には、いずれかの被制御装置Cの動作を制御するための制御権を制御装置CCにおいて獲得する旨の要求である制御権獲得要求信号と、当該制御権獲得後において実際に被制御装置Cを制御する際に用いられる制御コマンドを発行する旨の要求である制御コマンド発行要求信号がある。このうち、受け付けられた制御獲得要求信号は管理部3内の排他制御情報設定部34に、制御コマンド発行要求信号は当該制御コマンドの宛先である被制御装置Cに対応する個別制御部4内の制御コマンド発行部41に、夫々出力される。
【0040】
なお、要求受付部2は、上記要求信号の夫々に対応する応答信号等が、制御獲得要求信号が出力された管理部3又は制御コマンド発行要求信号の対象である被制御装置Cから送信されてきた場合は、当該応答信号等を出力部6に出力することで、当該応答信号の内容を上記ユーザに告知する。
【0041】
なお、制御権獲得要求信号が入力された管理部3の動作の詳細及び制御コマンド発行要求信号が入力された個別制御部4の動作の詳細は、夫々に後述する。
【0042】
一方、ネットワーク通信部5は、バスB経由での情報の送受信処理やバスBを含むバスシステムS全体の構成の変化(例えば、いずれかの被制御装置C又は制御装置CCとバスBとの接続が切断されたこと、又は新たな被制御装置C又は制御装置CCが新たにバスBに接続されたことによるバスシステムS全体の構成の変化)を管理してその有無を管理部3等に通知する等の動作を行う。
【0043】
次に、各個別制御部4の動作を説明する。
上述したように、各個別制御部4は、バスシステムSに含まれている被制御装置Cに夫々一対一に対応しており、夫々に対応する被制御装置CがバスBに接続されている間にのみ制御装置CC内に構成されるものである。なお、個別制御部4は、同一種類・同一機種の被制御装置CがバスBに対して複数接続されている場合には、当該接続されている被制御装置Cの数だけ備えられるものである。
【0044】
個別制御部4内の排他制御情報保持部42は、バスB内に接続されている被制御装置C(すなわち、個別制御部4に対応する被制御装置C)の動作を制御するための当該被制御装置Cに対応した制御権が設定されているか否かを示す情報と、当該制御権が対応する被制御装置Cに設定されている場合においてその制御権が与えられている制御装置CC(又はその制御装置CCを使用して被制御装置Cの動作を制御しようとしているユーザ、或いは当該制御権が与えられている携帯型情報端末装置やリモコン装置等)を識別するための装置識別情報(具体的には、その制御装置CCを示す上記GUID等)と、を含む第1実施形態に係る排他制御情報が記憶されている。
【0045】
ここで、当該排他制御情報自体の生成は、管理部3内の後述する排他制御情報設定部34からの要求に基づいて行われる。また、上記識別情報についてより具体的には、当該識別情報の内容としては、上記ユーザ自体を示す識別情報でもよいし、携帯型情報端末装置や上記リモコン装置等自体を識別する識別情報であってもよい。また、操作部1上におけるいわゆるユーザインターフェースを実現するためのアプリケーションプログラム或いは予約録画動作を自動的に実行するアプリケーションプログラム等のソフトウェア(モジュール)を識別する識別情報を用いることもできる。
【0046】
一方、制御コマンド発行部41は上記操作部1を介したユーザ等からの被制御機器制御要求に応じ、ネットワーク通信部5を介してその動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して必要な制御コマンドを発行する。また、当該対象となっている被制御装置Cから通知された情報や当該被制御装置Cからの制御コマンドに対する応答情報を認識して処理し、必要に応じてユーザ等の制御要求元に対して返信又は通知等を行う。
【0047】
ここで、第1実施形態に係る制御コマンド発行部41においては、当該制御コマンド発行部41が操作部1を介して対応する被制御装置Cの動作制御要求を受けた際には、必要な上記制御コマンドの発行に先立ち、排他制御情報保持部42に記憶されている排他制御情報を参照し、制御コマンドの宛先である被制御装置Cに対する制御権の設定内容を確認する。そして、その結果として当該被制御装置Cに対する制御権の設定が行われていないことが認識された場合、又は当該制御権が設定されていて且つ被制御装置Cの動作制御要求を行ったユーザ等を示す識別情報が その排他制御情報内に記述されている場合に、対象となる被制御装置Cの動作制御に必要な制御コマンドを当該被制御装置Cに発行する。
【0048】
これに対し、当該制御権が設定されており且つ他のユーザ又は他の制御装置CC等を示す識別情報が参照した排他制御情報内に含まれている場合には、現在動作を説明している制御コマンド発行部41を含む制御装置CCから当該被制御装置Cの動作を制御する旨のユーザ等による操作要求は拒否され、その旨が出力部6からユーザ等に対して出力されると共に制御コマンド発行部41による制御コマンドの発行は為されない。
【0049】
次に、管理部3の動作を説明する。
先ず、管理部3内の認識部31は、ネットワーク通信部5からバスBに対して新たな被制御装置Cが追加された旨の通知を受けた際に、当該ネットワーク通信部5を介してその新たに接続された被制御装置Cと通信し、当該被制御装置Cから各種の情報を取得することによって当該新たに接続された被制御装置Cの種類及び内容等を特定し、取得した情報は情報管理部32においてデータベース化された上で記憶される。
【0050】
これに対し、いずれかの被制御装置CとバスBとの間の接続が切断された(すなわち、その被制御装置CがバスシステムSから脱落した)ことがネットワーク通信部5を介して認識されたときは、情報管理部32に記憶されていた対応する情報等の内容を更新する。
【0051】
次に、管理部3内の上記個別制御部生成部33は、認識部31において認識された被制御装置CのバスBに対する脱着の状況に応じて、新たな被制御装置CがバスBに追加接続された場合には、その新たに接続された被制御装置Cに対応する個別制御部4を生成し、一方、今までバスBに接続されていた被制御装置CがバスBから脱落した場合には、それまで動作していた対応する個別制御部4を制御装置CCから削除する。
【0052】
なお、上述してきた管理部3における動作を、特に新たな被制御装置CがバスBに追加接続された場合を例として図2に示すフローチャートを用いて纏めて説明する。
【0053】
図2に示すように、新たな被制御装置Cが追加された旨の通知を受けた認識部31は、先ず当該被制御装置Cと通信して各種の情報を取得し(ステップS1)、その取得した情報に基づいて新たに接続された被制御装置Cの種類及び内容等を特定して情報管理部32内においてデータベース化して記憶する(ステップS2)。
【0054】
次に、情報管理部32内に新たに記憶された情報に基づき、新たに接続された被制御装置Cに対応する個別制御部4を生成する(ステップS3)。なお、図2に示す新たな個別制御部4の生成処理は、制御装置CCが複数存在する図1のような場合には夫々の制御装置CCにて行なわれてもよいが、バスB上における情報伝送量を低減を考えるならば、新たに接続された被制御装置Cを示す情報の取得(図2ステップS1参照)からその種類等の決定(図2ステップS2参照)までの処理は、複数の制御装置CC内において代表となる一つ制御装置CC(以下、当該代表となる制御装置CCをマスタ制御装置MCCと称する)のみで実行し、マスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CC(以下、当該マスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CCをスレーブ制御装置SCCと称する)はマスタ制御装置MCCから上記特定した種類等を示す情報の提供を受けて、当該スレーブ制御装置SCC内における個別制御部4の生成処理のみを行うように構成することができる。なお、複数の制御装置CC内におけるマスタ制御装置MCCの決定方法については後述する。
【0055】
一方、排他制御情報設定部34は、ユーザ等からの要求受付部2を介した上記制御権獲得要求信号に基づいて、当該要求信号により示されている制御対象の被制御装置Cに対応する個別制御部4に対して当該被制御装置Cに対応する制御権を設定する旨の要求を行う。
【0056】
ここで、上記排他制御情報設定部34の動作は、上記制御権獲得要求信号がマスタ制御装置MCCの操作部1において実行されることで当該制御権をマスタ制御部MCC自体が獲得する第1の場合と、上記制御権獲得要求信号がスレーブ制御装置SCCの操作部1において実行されることで当該制御権をスレーブ制御部SCCが獲得する第2の場合と、では相互に異なるので、以下、夫々の場合について図3乃至図7を用いて説明する。
【0057】
(I−i)マスタ制御装置MCCが制御権を獲得する場合の実施形態
初めに、マスタ制御装置MCCの操作部1において上記制御権獲得要求のための操作が実行される上記第1の場合について、図3(a)を用いて説明する。
【0058】
図3(a)に示すように、同一のバスBにマスタ制御装置MCCとスレーブ制御装置SCCとが接続されており、更にバスBに接続されている被制御装置Cの動作をマスタ制御装置MCCにおいて制御する。この場合、ユーザ等からのマスタ制御装置MCCにおける操作部1を用いて被制御装置Cの動作についての制御権を獲得する旨の操作が為されると(ステップS5)、対応する制御権獲得要求信号を受信した管理部3内の排他制御情報設定部34は、同じマスタ制御装置MCCに含まれる個別制御部4(すなわち、動作の制御対象である被制御装置Cに対応してマスタ制御装置MCC内において予め生成されている個別制御部4)に対して要求されている制御権の設定を行わせる(ステップS6)。
【0059】
ここで、当該ステップS6としての制御権の設定処理について、より具体的に図3(b)を用いて説明する。
【0060】
当該制御権の設定処理としては、先ず当該設定が指示された個別制御部4内の排他制御情報保持部42に保持されている排他制御情報を参照することにより、現在その動作の制御が要求されている被制御装置Cについて既にマスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CCからその被制御装置Cの動作を制御する旨の制御権が設定されているか否かを確認する(ステップS61)。そして、既に他の制御装置CCから制御権が設定されている場合は(ステップS61;YES)、その旨を排他制御情報設定部34に返信し、当該返信を受けた排他制御情報設定部34は、出力部6を介してその旨をユーザに告知する(ステップS64)。
【0061】
一方、ステップS61の判定において、動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して他の制御装置CCから制御権の設定が未だ為されていない場合は(ステップS61;NO)、制御権設定要求の操作が為されたマスタ制御装置MCCを示す装置識別情報(上記GUID等の装置識別情報)を、対象の被制御装置Cに対する制御権を獲得する制御装置CCとして含むように当該被制御装置Cに対応する排他制御情報の内容を対応する個別制御部4において設定し(ステップS62)、更にその排他制御情報の内容をそれが対応する被制御装置Cに対する制御権が設定済みである旨に書き換えて(ステップS63)、当該個別制御部4における制御権の設定処理を終了する。
【0062】
次に、対象となる被制御装置Cに対する制御権がマスタ制御装置MCCである旨が当該マスタ装置MCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4において設定されると(ステップS6)、次に、もう一つの制御装置CCであるスレーブ制御装置SCCに対して、対象となる被制御装置Cに対する制御権が上記マスタ制御装置MCCに獲得されている旨に、当該スレーブ制御装置SCC内の当該被制御装置Cに対応する個別制御部4に記憶されている排他制御情報を書き換えることを依頼する制御権の設定依頼がバスBを介して行われる(ステップS7)。
【0063】
そして、マスタ制御装置MCCから制御権の設定依頼を受けたスレーブ制御装置SCCの管理部3内の排他制御情報設定部34は、当該スレーブ制御装置SCCに含まれる個別制御部4(すなわち、マスタ制御部MCCにその制御権が獲得された被制御装置Cに対応して生成されている個別制御部4)に対して要求されている制御権の設定を行わせる(ステップS8)。
【0064】
ここで、当該ステップS8としてスレーブ制御部SCCにおいて実行される制御権の設定処理については、基本的には図3(b)を用いて説明したものと同様である。
【0065】
すなわち、スレーブ制御装置SCCにおける当該制御権の設定処理としては、先ずマスタ制御装置MCCが制御権を獲得した被制御装置Cに対応する個別制御部4内の排他制御情報保持部42に保持されている排他制御情報を排他制御情報設定部34が参照することにより、現在その動作の制御が要求されている被制御装置Cについて既にマスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CCからその被制御装置Cの動作を制御する旨の制御権が設定されているか否かを確認する(ステップS61)。そして、何らかの理由で、スレーブ制御装置SCC内の個別制御部4において動作制御の対象となる被制御装置Cに対して既にマスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CCから制御権が設定されている場合は(ステップS61;YES。この場合は、マスタ制御装置MCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4に保持されている排他制御情報の内容とスレーブ制御装置SCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4に保持されている排他制御情報の内容とが齟齬していることになる)、その旨を元のマスタ制御装置MCCにバスBを介して通知する(ステップS64)。この後は、例えばその通知を受け取ったマスタ制御部MCCから当該排他制御情報の書き換えを要求する制御情報が伝送されて来ることに伴ってその排他制御情報の内容を書き換えてマスタ制御装置MCC内の対応する排他制御情報の内容と整合するようにすることが望ましい。
【0066】
一方、ステップS61の判定において、動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して他の制御装置CCから制御権の設定が未だ為されていない場合は(ステップS61;NO)、制御権を獲得したマスタ制御装置MCCを示す装置識別情報を、対象の被制御装置Cに対する制御権を獲得する制御装置CCとして含むように当該被制御装置Cに対応する排他制御情報の内容を対応する個別制御部4において設定し(ステップS62)、更にその排他制御情報の内容をそれが対応する被制御装置Cに対する制御権が設定済みである旨に書き換えて(ステップS63)、当該個別制御部4における制御権の設定処理を終了する。
【0067】
次に、図3を用いて説明したマスタ制御装置MCCにおいて被制御装置Cに対する制御権を獲得するための処理について、これを時系列的に纏めて図4を用いて説明する。なお、図4は、図3に示すマスタ制御装置MCCにおいて被制御装置Cに対する制御権をそのマスタ制御装置MCCが獲得することを要求する操作が為された以降、実際に制御権がマスタ制御装置MCCにおいて獲得されるまでの処理を、図4中上から下に時系列的に示す流れ図である。また、図4において、図3に示した処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0068】
図4に示すように、マスタ制御装置MCCにおいて被制御装置Cに対する制御権の獲得要求のための操作が為されると(ステップS5)、管理部3において当該要求に基づく制御権の獲得まで他の要求操作を禁止する旨の処理を行う(ステップS5−1)。ここで、当該禁止処理が実行された後は、現在制御権の設定が行われている被制御装置Cに対する更に別の制御権獲得要求のための操作がマスタ制御装置MCCにおいて実行されても、その操作に対する処理は現在の処理が完了するまで保留されるか、或いはその操作が無効である旨が例えばマスタ制御装置MCCにおける出力部6等において表示されることとなる。
【0069】
ステップS5−1における禁止処理が完了すると、次に、管理部3からマスタ制御装置MCC内の個別制御部4に対して制御権の設定要求が為され(ステップS6)、当該要求に対応した制御権の設定処理(具体的には、対応する個別制御部4における排他制御情報の書き換え処理)が実行され(ステップS61乃至S64。図3(b)参照)、その設定処理が成功した旨が管理部3に返信される(ステップS65)。
【0070】
マスタ制御装置MCCにおける制御権の獲得処理が完了すると、次に、スレーブ制御装置SCC内の管理部3に対して同様の制御権獲得のための設定要求が為される(ステップS7)。そして、当該管理部3からスレーブ制御装置SCC内の個別制御部4(動作制御対象の被制御装置Cに対応する個別制御部4)に対して制御権の設定要求が為され(ステップS8)、当該要求に対応した制御権の設定処理がその個別制御部4において実行され(ステップS61乃至S64。図3(b)参照)、その設定処理が成功した旨がスレーブ制御装置SCCの管理部3を介してマスタ制御装置MCCの管理部3に返信される(ステップS65、S66)。
【0071】
その後、マスタ制御装置MCCの管理部3において実行されていた他の要求操作の禁止処理(ステップS5−1)が解除され(ステップS67)、更に最初にマスタ制御装置MCCへの制御権の獲得を要求したユーザに対してその獲得が成功した旨が出力部6等を用いて告知され(ステップS68)、一連の制御権獲得のための処理が完了する。
【0072】
(I−ii)スレーブ制御装置SCCが制御権を獲得する場合の実施形態
次に、スレーブ制御装置SCCの操作部1において、ある被制御装置Cに対する上記制御権獲得要求のための操作が実行される上記第2の場合について、図5を用いて説明する。
【0073】
図5に示すように、同一のバスBにマスタ制御装置MCCとスレーブ制御装置SCCとが接続されており、更にバスBに接続されている被制御装置Cの動作をスレーブ制御装置SCCにおいて制御する。この場合、ユーザ等からのスレーブ制御装置SCCにおける操作部1を用いて被制御装置Cの動作についての制御権を獲得する旨の操作が為されると(ステップS10)、対応する制御権獲得要求信号を受信した管理部3内の排他制御情報設定部34は、バスBを介して当該制御権獲得要求信号をマスタ制御装置MCCに含まれる管理部3内の排他制御情報設定部34に転送する(ステップS11)。
【0074】
そして、当該制御権獲得要求信号を受信したマスタ制御装置MCC内の排他制御情報設定部34は、同じマスタ制御装置MCCに含まれる個別制御部4(すなわち、スレーブ制御装置SCCからの動作制御の対象である被制御装置Cに対応して予めマスタ制御装置MCC内に生成されている個別制御部4)に対して要求されている制御権の設定を行わせる(ステップS13)。
【0075】
ここで、当該ステップS13としての制御権の設定処理については、基本的には上記図3(b)を用いて説明した場合と同様の処理が実行される。
【0076】
すなわち、当該制御権の設定処理としては、先ず当該設定が指示された個別制御部4内の排他制御情報保持部42に保持されている排他制御情報を参照することにより、現在その動作のスレーブ制御装置SCCからの制御が要求されている被制御装置Cについて既にスレーブ制御装置SCC以外の他の制御装置CCからその被制御装置Cの動作を制御する旨の制御権が設定されているか否かを確認する(図3(b)ステップS61参照)。そして、既に他の制御装置CCから制御権が設定されている場合は(図3(b)ステップS61;YES参照)、その旨をバスBを介してスレーブ制御装置SCCに返信し、当該返信を受けたスレーブ制御装置SCC内の排他制御情報設定部34は同じくスレーブ制御装置SC内の出力部6を介してその旨をユーザに告知する(図3(b)ステップS64参照)。
【0077】
一方、上記確認処理(図3(b)ステップS61参照)の判定において、スレーブ制御装置SCCからの動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して他の制御装置CCから制御権の設定が未だ為されていない場合は(図3(b)ステップS61;NO参照)、制御権設定要求の操作が為されたスレーブ制御装置SCCを示す装置識別情報(上記GUID等の装置識別情報)を、対象の被制御装置Cに対する制御権を獲得する制御装置CCとして含むように当該被制御装置Cに対応する排他制御情報の内容を対応する個別制御部4において設定し(図3(b)ステップS62参照)、更にその排他制御情報の内容をそれが対応する被制御装置Cに対する制御権が設定済みである旨に書き換えて(図3(b)ステップS63参照)、当該個別制御部4における制御権の設定処理を終了する。
【0078】
対象となる被制御装置Cに対する制御権がスレーブ制御装置SCCである旨がマスタ装置MCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4において設定されると(ステップS13)、次に、スレーブ制御装置SCC内のその動作制御の対象となる被制御装置Cに対応する個別制御部4に記憶されている排他制御情報を、当該被制御装置Cに対する制御権をスレーブ制御装置SCCが獲得する旨に書き換えることを依頼する制御権の設定依頼を、元のスレーブ制御装置SCCに対してバスBを介して行う(ステップS14)。
【0079】
そして、マスタ制御装置MCCから当該制御権の設定依頼を受けたスレーブ制御装置SCCの管理部3内の排他制御情報設定部34は、当該スレーブ制御装置SCCに含まれる個別制御部4(すなわち、当該スレーブ制御部SCCにその制御権が獲得される被制御装置Cに対応してスレーブ制御装置SCC内に予め生成されている個別制御部4)に対して要求されている制御権の設定を行わせる(ステップS15)。
【0080】
ここで、当該ステップS15としてスレーブ制御部SCCにおいて実行される制御権の設定処理については、基本的には図3(b)を用いて説明したものと同様である。
【0081】
すなわち、スレーブ制御装置SCCにおける当該制御権の設定処理としては、先ずスレーブ制御装置SCCが制御権を獲得することとなる被制御装置Cに対応する個別制御部4内の排他制御情報保持部42に保持されている排他制御情報を当該スレーブ制御装置SCC内の排他制御情報設定部34が参照することにより、現在その動作の制御が要求されている被制御装置Cについて既にスレーブ制御装置SCC以外の他の制御装置CCからその被制御装置Cの動作を制御する旨の制御権が設定されているか否かを確認する(図3(b)ステップS61参照)。そして、何らかの理由で、スレーブ制御装置SCC内の個別制御部4において動作制御の対象となる被制御装置Cに対して既にスレーブ制御装置SCC以外の他の制御装置CCから制御権が設定されている場合は(図3(b)ステップS61;YES参照。この場合は、スレーブ制御装置SCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4に保持されている排他制御情報の内容とマスタ制御装置MCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4に保持されている排他制御情報の内容とが齟齬していることになる)、その旨を元のマスタ制御装置MCCにバスBを介して通知する(図3(b)ステップS64)。この後は、例えばその通知を受け取ったマスタ制御部MCCから当該排他制御情報の書き換えを要求する制御情報が伝送されて来ることに伴ってその排他制御情報の内容を書き換えてマスタ制御装置MCC内の対応する排他制御情報の内容と整合するようにすることが望ましい。
【0082】
一方、上記確認処理(図3(b)ステップS61参照)の判定において、動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して他の制御装置CCから制御権の設定が未だ為されていない場合は(図3(b)ステップS61;NO参照)、制御権を獲得するスレーブ制御装置SCCを示す装置識別情報を、対象の被制御装置Cに対する制御権を獲得する制御装置CCとして含むように当該被制御装置Cに対応する排他制御情報の内容を対応する個別制御部4において設定し(図3(b)ステップS62参照)、更にその排他制御情報の内容をそれが対応する被制御装置Cに対する制御権が設定済みである旨に書き換えて(図3(b)ステップS63参照)、当該個別制御部4における制御権の設定処理を終了する。
【0083】
次に、図5を用いて説明したスレーブ制御装置SCCにおいて被制御装置Cに対する制御権を獲得するための処理について、これを時系列的に纏めて図6を用いて説明する。なお、図6は、図5に示すスレーブ制御装置SCCにおいて被制御装置Cに対する制御権をそのスレーブ制御装置SCCが獲得することを要求する操作が為された以降、実際に制御権がスレーブ制御装置SCCにおいて獲得されるまでの処理を、図6中上から下に時系列的に示す流れ図である。また、図6において、図5に示した処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0084】
図6に示すように、スレーブ制御装置SCCにおいて被制御装置Cに対する制御権の獲得要求のための操作が為されると(ステップS10)、スレーブ制御装置SCC内の管理部3から、バスBを介してマスタ制御装置MCC内の管理部3に対して、スレーブ制御装置SCCが制御権を有する旨の設定を行うための要求が為される(ステップS11)。
【0085】
次に、当該要求を受信したマスタ制御装置MCCの管理部3は、当該要求に基づく制御権の獲得までマスタ制御装置MCCに対する他の制御権の要求を禁止する旨の処理を行う(ステップS11−1)。ここで、当該禁止処理が実行された後は、現在制御権の設定が行われている被制御装置Cに対する更に別の制御権獲得要求のための操作がマスタ制御装置MCCにおいて実行されても、その操作に対する処理は現在の処理が完了するまで保留されるか、或いはその操作が無効である旨が例えばマスタ制御装置MCCにおける出力部6等において表示されることとなる。
【0086】
ステップS11−1における禁止処理が完了すると、次に、管理部3からマスタ制御装置MCC内の個別制御部4に対して制御権の設定要求が為され(ステップS13)、当該要求に対応した制御権の設定処理(具体的には、対応する個別制御部4における排他制御情報の書き換え処理)が実行され(ステップS61乃至S64。図3(b)参照)、その設定処理が成功した旨が管理部3に返信される(ステップS70)。
【0087】
マスタ制御装置MCCにおける制御権の獲得処理が完了すると、次に、スレーブ制御装置SCC内の管理部3に対して当該スレーブ制御装置SCCにおける制御権獲得のための設定要求が為される(ステップS14)。そして、当該スレーブ制御装置SCC内の管理部3からスレーブ制御装置SCC内の個別制御部4(動作制御対象の被制御装置Cに対応する個別制御部4)に対して制御権の設定要求が為され(ステップS15)、当該要求に対応した制御権の設定処理がその個別制御部4において実行され(ステップS61乃至S64。図3(b)参照)、その設定処理が成功した旨がスレーブ制御装置SCCの管理部3を介してマスタ制御装置MCCの管理部3に返信される(ステップS71、S72)。
【0088】
その後、マスタ制御装置MCCの管理部3において実行されていた他の要求操作の禁止処理(ステップS11−1)が解除され(ステップS73)、更にマスタ制御装置MCC内の管理部3からスレーブ制御装置SCCの管理部3及び出力部6を介して、最初にスレーブ制御装置SCCへの制御権の獲得を要求したユーザに対しその獲得が成功した旨が告知され(ステップS74、S75)、一連のスレーブ制御装置SCCにおける制御権獲得のための処理が完了する。
【0089】
なお、他の制御権の設定要求を禁止している(ステップS11−1。図6中太い矢印参照)最中において、図6左端に示すマスタ制御装置MCCのユーザからスレーブ制御装置SCCがその制御権を獲得している被制御装置Cに対する制御権を獲得する旨の要求が別途為された場合には(ステップSx)、要求受け付け禁止が解除される(ステップS73)まで要求は保留されるが、要求受け付け禁止が解除された後に当該要求がマスタ制御装置MCCの管理部3に受け付けられる。そして、当該要求に基づく制御権の獲得までマスタ制御装置MCCに対する他の制御権の要求を禁止する旨の処理を行い(ステップS11−1)、その後、制御権獲得要求が管理部3内の排他制御情報設定部34から当該被制御装置Cに対応する個別制御部4に転送される(ステップS80)こととなるが、このとき既に当該個別制御部4には、対象となる被制御装置Cの制御権がスレーブ制御装置SCCにおいて獲得されている旨の排他制御情報が保持されているので(ステップS61乃至64。図3(b)参照)、その旨、すなわち、当該ユーザによる要求が認められない旨の応答が当該個別制御部4から排他情報設定部34に為され(ステップS81)、更にマスタ制御装置MCCの出力部6を介してその旨がマスタ制御装置MCCを操作して被制御装置Cの制御権を獲得しようとした(ステップSx)ユーザに告知されることとなる(ステップS82)。
【0090】
なお、以上説明した第1実施形態において、一つのバスBに複数の制御装置CCが接続されている場合、その中のいずれの制御装置CCをマスタ制御装置MCCにするかの設定については、例えば当該バスBに接続されている制御装置CC夫々の装置識別情報の値自体を相互に比較し、その値が最も大きい一つの制御装置CCをマスタ制御装置MCCとすることが好ましい。
【0091】
ここで、例えば上記1394規格においては、一つの制御装置CCについてバスBに対する脱着があった際、その脱着後の各制御装置CCの装置識別情報を全ての制御装置CCが自ら把握することが規格化されているため、その把握した装置識別情報の値に応じて、自己を示す装置識別情報の値が他の制御装置CCを示す装置識別情報の値よりも大きい場合には、その制御装置CC自らが、自己がマスタ制御装置MCCとなるべきである旨を認識して当該マスタ制御装置MCCとして機能することになる。また同様に、把握した他の制御装置CCを示す装置識別情報の値に比して、自己を示す装置識別情報の値が小さい場合には、その制御装置CCは、自らはスレーブ制御装置SCCとなるべきである旨を認識して当該スレーブ制御装置SCCとして機能することになる。
【0092】
また、これからその動作の制御権を獲得しようとしている被制御装置Cに対して既にいずれかの制御装置CCからの制御権が設定されている場合(図3(b)ステップS61;NO参照)の処理につき、当該設定済みの制御権を解除して新たに設定し直す際には、元々設定されていた制御権をその時に制御権の獲得を要求している制御装置CCに対して解放する必要がある。
【0093】
この場合には、図7に示すように、解放すべき制御権が設定されている制御装置CC内の排他制御情報設定部3から対応する個別制御部4内の排他制御情報保持部42を参照し、当該個別制御部4に対応する被制御装置Cに対して既に制御権が設定されているか否かを確認する(ステップS85)。そして、何ら制御権が設定されていないときは(ステップS85;NO)、改めて解放する必要なないので、解放すべき要求自体に対してそれが失敗であった旨をその要求元に返信する(ステップS88)。
【0094】
一方、ステップS85の処理において、既にいずれかの制御装置CCによる制御権が設定されているときは(ステップS85;YES)、その制御権を解放すべく当該制御権を有していた制御装置CCを示す装置識別情報を対応する排他制御情報上から消去し(ステップS86)、更にその被制御装置Cがいずれの制御装置CCからも制御権が設定されていない旨に書き換えて(ステップS87)、当該解放のための処理を終了する。
【0095】
更に、それまでその動作がいずれかの制御装置CCから制御されていた被制御装置Cが上述したバスBから脱落した場合の処理については、当該脱落が発生すると、先ず各制御装置CCのネットワーク通信部5が当該被制御装置Cの脱落を夫々に検出し、同じ制御装置CC内に含まれている管理部3に通知する。そして、この通知を受けた管理部3は、バスBから脱落した(取り外された)被制御装置Cに対応する各制御装置CC内の個別制御部4を当該制御装置CC上から夫々に削除する。このとき、当該個別制御部4内に保持されていた排他制御情報等の全ての情報も同時に削除される。これらの処理により、各制御装置CCにおいて、当該脱落が認識されることとなる。
【0096】
以上夫々説明したように、第1実施形態に係るバスシステムSの動作によれば、各制御装置CCが各被制御装置C毎に排他制御情報を保持する排他制御情報保持部42を備え、当該保持されている排他制御情報に基づいて夫々が担当する被制御装置Cの動作を制御するので、被制御装置Cに新たな構成を何ら追加することなく被制御装置Cと制御装置CCとの間で一対一の関係を確立して各被制御装置Cの動作を排他的に制御することができる。
【0097】
また、各制御装置CCに含まれる排他制御情報保持部42の夫々に、全ての被制御装置Cに夫々対応する各排他制御情報が全て保持されているので、各制御装置CCにおいて同一の排他制御情報を共有することができ、いずれの制御装置CCがバスシステムSから脱落した場合でも、引き続き各被制御装置CC毎に対応する排他制御情報がバスシステムS内に残っている制御装置CCのいずれかに残置されることで、当該脱落後も被制御装置Cの動作制御を規格に則って秩序よく継続することができる。
【0098】
更に、マスタ制御装置MCCにおいていずれかの被制御装置Cの動作を制御する旨の要求情報が入力されたとき、当該要求情報により示される被制御装置Cとマスタ制御装置MCCとの関係となるように各制御装置CCにおける排他制御情報を更新するので、各被制御装置C及び各制御装置CC間で矛盾なく動作制御を行うことができる。
【0099】
更にまた、スレーブ制御装置SCCにおいていずれかの被制御装置Cの動作を制御する旨の要求情報が入力されたときでも、当該要求情報により示される被制御装置Cと制御装置CCとの関係となるように各制御装置CCにおける排他制御情報を更新するので、同様に各被制御装置C及び各制御装置CC間で矛盾なく動作制御を行うことができる。
【0100】
また、各制御装置CCを識別するGUID等の装置識別情報に基づき、いずれかの制御装置CCをマスタ制御装置MCCとして設定するので、他のスレーブ制御装置SCCとの関係で矛盾なくいずれかの制御装置CCをマスタ制御装置MCCとすることができる。
【0101】
(II)第2実施形態
次に、本願に係る他の実施形態である第2実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。なお、図8は第2実施形態に係るバスシステムの構成及び動作を示すブロック図であり、図9は第2実施形態に係るバスシステムの動作を示す流れ図である。また、図8及び図9において、第1実施形態に係るバスシステムSと同様の構成部材については同様の部材番号を付して細部の説明は省略する。
【0102】
上述した第1実施形態においては、バスBに接続されているいずれかの被制御装置Cにおける動作を、マスタ制御装置MCC又はスレーブ制御装置SCCのいずれか一方において制御するべくその制御権を獲得するための処理について説明したが、以下に説明する第2実施形態においては、第1実施形態に係るバスシステムSにおいて、マスタ制御装置MSS又は被制御装置CがバスBに対して脱着された場合における排他制御情報の取り扱いについて説明する。
【0103】
(II−i)マスタ制御装置MCCがバスBから取り外された場合の実施形態
先ず、第2実施形態において、マスタ制御装置MCCがバスBから取り外された(脱落した)場合の処理について、図8(a)を用いて説明する。なお、図8(a)の前提としては、バスBには、マスタ制御装置MCCとスレーブ制御装置SCCが一つずつ接続されており、更にこれらのいずれか一方により被制御装置Cの動作が制御されていたとする。
【0104】
図8(a)に示すように、バスBから取り外されたマスタ制御装置MCCにおいては、それまで形成されていた個別制御部4(排他制御情報保持部42内に保持されていた排他制御情報4Aを含む)は全て消失することとなる。
【0105】
これに対し、マスタ制御装置MCCが取り外された後にバスBに残っている(元の)スレーブ制御装置SCCでは、それまでマスタ制御装置MCCとして機能していた制御装置CCは取り外されたものの、その取り外されたマスタ制御装置MCC内に保持されていた排他制御情報4Aと全く同一の排他制御情報4Aが、(元の)スレーブ制御装置SCC内にも既に保持されているため、その保持されている排他制御情報4Aをそのまま用いて引き続き制御装置CCとしての機能を発揮する。
【0106】
ここで、バスB上に接続されている制御装置CCは一つだけになってしまっているので、(元の)スレーブ制御装置SCCが、今度はマスタ制御装置MCCとして機能を発揮することとなる。
【0107】
(II−ii)制御装置CCが新たにバスBに接続された場合の実施形態
次に、上記図8(a)に示すマスタ制御装置MCCがバスBから取り外された後、再度バスBに接続し直された場合の処理について、図8(b)を用いて説明する。
【0108】
マスタ制御装置MCCとなるべき装置識別情報を有する制御装置CCが新たにバスBに接続された場合には、制御装置CCが同一のバスB上に複数存在することになるため、いずれかの制御装置CCをマスタ制御装置MCCとするための処理が実行される。この処理は、具体的には、上述したようにマスタ制御装置MCCとなるべき制御装置CCが新たにバスBに接続された時点で、当該接続された制御装置CCを含む全ての制御装置CCにおいて装置識別情報の値の認識が夫々に実行され、それら認識した値の比較を自ら行うことで、各制御装置CCが、自らがマスタ制御装置MCCとなるべきかスレーブ制御装置SCCとなるべきかを判断し、自ら設定する。
【0109】
以上の処理により、図8(b)に示す場合は、向かって左の新たに接続された制御装置CCがマスタ制御装置MCCとして各制御装置CCにおいて設定され、向かって右の制御装置CCがスレーブ制御装置SCCとして各制御装置CCにおいて設定されたとする。
【0110】
そして、新たにマスタ制御装置MCCとなった制御装置CCでは、上記第1実施形態において説明した方法により、現在バスBに接続されている全ての被制御装置Cについて、夫々に対応する個別制御部4を当該マスタ制御装置MCCの内部に生成する。
【0111】
次に、それまでバスシステムSにおいて有効とされており、新たにスレーブ制御装置SCCとなった制御装置CCの各個別制御部4内に保持されている排他制御情報4Aについては、これを新たなマスタ制御装置MCCに取り込む必要がある。
【0112】
このため、第2実施形態に係るバスシステムSにおいては、マスタ制御装置MCC内の管理部3から他の制御装置CCの管理部3に対して、それが含まれている制御装置CC内にそれまで保持されていた排他制御情報4Aを、バスBを介して新たなマスタ制御装置MCCに送信する旨の取得要求が送付され(ステップS91)、これを受けたスレーブ制御装置SCC内の管理部3は、当該管理部3からスレーブ制御装置SCC内の全ての個別制御部4に対して夫々が保持する排他制御情報4Aを読み出す旨の要求が為され(ステップS92)、当該要求に対応した各個別制御部4は自らが保持している排他制御情報4Aを読み出してバスBを介して新たなマスタ制御装置MCCに送信する(ステップS95)。
【0113】
次に、当該排他制御情報4Aを受け取ったマスタ制御装置MCCの管理部3内の排他制御情報設定部34は、取得した排他制御情報4Aを夫々に保持する個別制御部4に設定し(ステップS96)、バス制御装置MCCとしての動作準備を整える。
【0114】
次に、図8(b)を用いて説明したマスタ制御装置MCC新規接続時の処理について、これを時系列的に纏めて図9を用いて説明する。なお、図9は、図8(b)に示すマスタ制御装置MCC新規接続時の処理を、図9中上から下に時系列的に示す流れ図である。また、図9において、図8(b)に示した処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0115】
図9に示すように、マスタ制御装置MCCが新たにバスBに接続されると、それに含まれる管理部3において当該新規接続に伴う処理が完了するまで他の要求操作を禁止する旨の処理を行う(ステップS90)。ここで、当該禁止処理が実行された後は、現在のマスタ制御装置MCCに対する何らかの要求操作がマスタ制御装置MCCにおいて実行されても、その操作に対する処理は現在の処理が完了するまで保留されるか、或いはその操作が無効である旨が、例えばマスタ制御装置MCCにおける出力部6等において表示されることとなる。
【0116】
ステップS90における禁止処理が完了すると、次に、管理部3からスレーブ制御装置SCC内の管理部3に対して当該スレーブ制御装置SCCが現在保持している排他制御情報4Aをマスタ制御装置MCCに送信する旨の要求が為される(ステップS91)。そして、これを受けたスレーブ装置SCCの管理部3は、当該管理部3からスレーブ制御装置SCC内の全ての個別制御部4に対して夫々が保持する排他制御情報4Aを読み出す旨の要求が為され(ステップS92)、当該要求に対応した各個別制御部4は自らが保持している排他制御情報4Aを読み出して(ステップS93)管理部3に夫々送信する(ステップS94)。
【0117】
次に、各個別制御部4から排他制御情報4Aの送信を受けた管理部3は、バスBを介してそれらマスタ制御装置MCC内の管理部3に送信する(ステップS95)。
【0118】
これにより、当該排他制御情報4Aを受け取った管理部3は、マスタ制御装置MCC内の各個別制御部4に対して当該受け取った排他制御情報4Aを保持する旨の要求を為し(ステップS96)、各個別制御部4は当該要求に対応した排他制御情報4の格納処理等を行い(ステップS97)、その格納処理等が成功した旨が管理部3に返信される(ステップS98)。
【0119】
そして、マスタ制御装置MCCの管理部3において実行されていた他の要求操作の禁止処理(ステップS90)が解除され(ステップS99)、マスタ制御装置MCCの新たな接続伴う一連の排他制御情報4Aの取得に関するの処理が完了する。
【0120】
これ以後は、上記第1実施形態と同様にして、各被制御装置Cに対する制御権の授受が、各制御装置CC間において実行されることで、各被制御装置Cに対する排他制御が可能となる。
【0121】
以上夫々説明したように、第2実施形態に係るバスシステムSの動作によれば、上記第1実施形態に係るバスシステムSの動作による効果に加えて、被制御装置CとバスBとの接続状態が監視され、それが変化したとき、当該変化後の接続状態に応じて各排他制御情報4Aが更新されるので、最新の接続状態に対応して確実に被制御装置Cの排他制御を実行することができる。
【0122】
また、それまでマスタ制御装置MCCとして機能していた制御装置CCがバスBから脱落したとき、新たなマスタ制御装置MCCが、それまでのスレーブ制御装置SCCのいずれかが設定変更されたものとして設定されるので、引き続きバスシステムS内の被制御装置Cと制御装置CCとの関係を矛盾なく維持することができる。
【0123】
更に、新たな制御装置CCが接続されたとき、その装置識別情報に基づいて新たなマスタ制御装置MCCが設定されると共に、それまで機能していたマスタ制御装置MCCからその排他制御情報4Aを引き継ぐので、新たに接続された制御装置CCがマスタ制御装置MCCとなった場合でも、他の制御装置CCとの関係で矛盾なく被制御装置Cを制御することができる。
【0124】
(III)変形形態
次に、本願に係る変形形態について説明する。
【0125】
先ず、第1の変形形態として、上記第1又は第2実施形態の構成に対して、排他制御情報設定の単位を、被制御装置C全体ではなく、当該被制御装置C内に構成されるサブユニット単位(例えばハードディスクドライブ内蔵型の光ディスクレコーダにおける当該ハードディスクドライブ部、光ディスクレコーダ部或いは放送受信チューナ部の夫々の如き単位)、或いは、放送ストリーム送受信のための論理的なプラグ単位等の、各被制御装置C内の機能要素毎に設定してもよい。
【0126】
この場合は、排他的な制御権設定の単位を機能要素毎にすることで、使用していない機能の制御権を他の制御装置CCに対して解放することができ、これによりあるユーザが光ディスクに記録されている情報を視聴している時に、バス経由で別のユーザが同時に放送番組の録画を要求・実行することが可能となると言ったことが可能となる。
【0127】
次に、第2の変形形態として、制御権が与えられているユーザ等を識別するための識別子を持った制御権設定の要求元(制御装置CC)に対して他の制御装置CCに対する優先度に関する属性を設定してもよい。制御装置CC自体に優先度の高低のレベルを表す属性を設定することにより、個別制御部4に排他的に制御権が設定されていても、より優先度の高い制御装置CCからの制御権獲得要求があった場合に当該制御権の強制獲得を可能とすることができる。
【0128】
従って、用途に応じた被制御装置Cの排他的な動作制御を実現ことができる。すなわち、例えば録画予約を実行する機能や緊急放送を受信して視聴させる機能等に高い優先度を与えることにより、重要な処理を確実に実行させることができるという効果が得られる。
【0129】
また、第3の変形形態として、同一のバスBに接続されている被制御装置Cと制御装置CCがある場合に加えて、例えば所謂ブリッジ装置を介して他のバスに接続されている制御装置CCが接続され、この制御装置CCにおいて被制御装置Cに対するユーザ等からの制御権獲得要求及び制御コマンド発行要求を当該ブリッジ装置経由で受け付けるようにしてもよい。この場合、他のバスに接続されている制御装置CC内には被制御装置Cに対応する個別制御部4が形成されないため、要求を受け付けた管理部3が被制御装置Cと同一のバスに接続されている制御装置CCの管理部3に対して要求を転送することにより、バス間での遠隔的な動作制御を実現することができる。
【0130】
この構成によれば、例えば、家庭内におけるネットワークを考えた場合、一つのバスBで複数の部屋間を接続することは、そのためのケーブル長や帯域幅の制限により現実的ではなく、部屋毎にバスBを構成して複数のバスBをブリッジ装置で接続するという方法考えられるが、上記各実施形態の構成によれば、ある部屋から別の部屋の被制御装置Cの動作を制御することを可能となる。よって、異なるバスBに接続されている制御装置CCからも排他的に被制御装置Cの動作が制御できることになる。
【0131】
最後に、第4の変形形態として、同一のバスBに接続されている被制御装置Cと制御装置CCがある場合に加えて、ブリッジ装置又はルータ装置を介して他のプロトコルにより通信を行う他の種類のネットワークに接続されている制御装置が接続され、その制御装置において各実施形態に係るバスBに接続されている被制御装置Cに対する動作制御を行う場合に本願を適用することも可能である。この場合、異なる種類のネットワークで接続された制御装置内には被制御装置Cに対応する個別制御部4は生成されないため、他のネットワーク上の制御装置からの要求を受け付けた管理部3が被制御装置Cと同一のバスBに接続されている制御装置CCの管理部3に対して要求を転送することにより実現することとなる。
【0132】
この場合には、各実施形態に係るバス以外のネットワーク上に接続されている制御装置からでも、排他的にバスBに接続されている被制御装置Cの動作制御が行える。
【0133】
更に、図2、図3(a)、図4、図6、図7又は図9に夫々示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク、半導体メモリ又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係る管理部3又は個別制御部4として活用することも可能である。
【0001】
本願は、制御装置及び制御方法、ネットワークシステム及び制御装置用プログラム並びに情報記録媒体の技術分野に属し、より詳細には、例えばバスに接続された被制御装置の動作を、当該シリアルバスを介した情報の授受により制御する制御装置及び当該制御装置を含むネットワークシステム、当該制御装置における制御方法、当該制御装置用プログラム並びに当該制御装置用プログラムが記録された情報記録媒体の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータに対して種々の外部機器を手軽に有線接続するための規格として、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格や、IEEE1394(IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394-1995 standard for High Performance Serial Bus)規格に準拠した製品が広く一般化しており、特に音響・映像機器同士又は当該音響・映像機器とパーソナルコンピュータとを有線接続するのに好適なものとして上記IEEE1394規格に準拠した製品が一般化している。そして、上記音響・映像機器等の被制御装置における情報再生又は情報記録等の動作を、当該IEEE1394規格に則って接続されているパーソナルコンピュータ等の制御装置を用いて遠隔的に制御することも可能とされており、この制御動作の際に準拠されるべき共通の規格を制定して普及させること等を目的とする団体として、いわゆる1394TA(1394 Trade Association, http://www.1394ta.org/)が設立されている。
【0003】
ここで、上記被制御装置の動作を制御装置から制御する際に当該被制御装置と制御装置との間で授受される制御情報(コマンド)として、AV/C(Audio Visual/Control)コマンドがあり、その仕様についても、上記1394TAにより規格化されているところである。より具体的には、上記AV/Cコマンドの仕様を定めた規格の一つとして、上記1394TAにより、「TA Document 2001012、AV/C Digital Interface Command Set General Specification Version 4.1」が公表されている。そして、当該規格において本願に関連する部分として、その11.4節に、非制御装置を一つの制御装置のみが他の制御装置を排して排他的に制御するためのコマンドとして、RESERVEコマンドが定義されている。すなわち、当該RESERVEコマンドが適用可能な被制御装置が、IEEE1394に準拠したネットワークに接続された制御装置からの当該RESERVEコマンドを受信した際には、当該RESERVEコマンドを出力した制御装置の装置識別情報(一般にはGUID(Global Unique ID)と称され、全世界的に見てその制御装置に固有の識別情報である)を認識し、以降当該装置識別情報を認識した制御装置からの制御用コマンドに記述された動作を、他の制御装置からの制御用コマンドに記述されている動作に対して優先して行うことが規格化されている。
【0004】
なお、当該RESERVEコマンドを用いた被制御装置の制御に関する従来技術(以下、当該従来技術を第1の従来技術と称する)として、以下の特許文献1に開示されている排他制御方法がある。
【特許文献1】
特開2001−53766号公報
【0005】
一方、上記IEEE1394規格を含めたネットワークによる複数の情報処理装置の接続に関する共通化、規格化を推進する団体としてHAVi推進協会(Home Audio Video interoperability, http://www.havi.org/)がある。
【0006】
ここで、当該HAVi推進協会により規格化されている仕様の一つにHAVi仕様(正式名称は、「HAVi SPECIFICATION Version 1.1」である)があるが、その3.5節(DEVICE CONTROL)には、上述した如きネットワーク内にある制御装置から被制御装置の動作を制御するための考え方として、「DCM(Device Control Modules)」の概念が記述されている。また、同じく3.8節(RESOURCE MANAGER)には、上記HAVi仕様における被制御装置を排他的制御するための仕組みが記述されている。
【0007】
すなわち、上記DCMは、ネットワークに接続されている被制御装置夫々を抽象化し、これらの動作を制御装置から遠隔的に制御制御するためのAPI(Application Program Interface)を定義したHAVi独自の概念のソフトウェアモジュールである。そして、当該DCMには、被制御装置を排他的制御するためのAPIとして、「reserve(その被制御装置を排他的に制御することを示す制御権の予約)」及び「release(当該制御権の開放)」の概念が夫々定義付けられており、当該DCMは被制御装置と同一の1394規格に準拠したシリアルバス上に存在する制御装置のうち選択された唯一の制御装置だけに備えられるものである。
【0008】
なお、当該DCMの概念では、排他制御情報(すなわち、どの被制御装置がいずれの制御装置から他の制御装置に対して排他的に制御されているかを示す排他制御情報)が被制御装置内に記憶される場合も許容されているが、当該被制御装置自体が当該排他制御情報に基づく動作に対応していない被制御装置である場合には、対応する排他制御情報は制御装置内に記憶されることになる。
【0009】
このとき、上記HAVi仕様書上では、複数の制御装置間における排他的制御のためのDCM概念下のAPIとして上記「reserve」の概念及び上記「release」の概念が定義付けられているのみであり、当該API自体を制御装置又は被制御装置が夫々どのような態様で実現するのかまでは明確に規定されてはいない。なお、上記HAVi仕様書の内容に準拠した排他的な制御方法の従来技術を、以下第2の従来技術と称する。
【0010】
他方、被制御装置と同一のネットワークに接続されている制御装置から当該被制御装置の動作を遠隔的に制御する他の従来技術(以下、第3の従来技術と称する)として、以下の特許文献2に記載されているものがある。
【特許文献2】
特開2003−116181号公報
【0011】
この特許文献2に開示されている第3の従来技術においては、ネットワーク内に唯一存在する制御サーバ自体がそのネットワーク内に接続されている全ての被制御装置の動作を制御する制御権を有している。そして、夫々の被制御装置に対応する当該各制御権を、制御サーバ以外の制御要求端末等に与える仕組みとなっている。また、制御サーバとして機能することが可能な制御装置が同一のネットワーク内に複数存在する場合は、最初に各制御装置間で制御権の獲得処理が行われ、これによりそのネットワーク内で唯一の制御サーバが設定されることになっている。すなわち、上記第3の従来技術においては、全ての被制御装置に対応する制御権を、そのネットワーク内に唯一存在する制御サーバで一元的に管理することとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した各従来技術には、夫々下記するような問題点があった。
すなわち、上記第1の従来技術の場合は、制御対象である被制御装置がそのRESERVEコマンドに対応していない限りその被制御装置の排他的な動作制御はできないことになるが、これまでに当該RESERVEコマンドを扱うための構成をその内部に備えている被制御装置は殆ど見られず、従って上記RESERVEコマンドを用いた排他的制御方法は現状では一般的には普及し難いという問題点があった。
【0013】
また、上記第2の従来技術の場合は、上記第1の従来技術と同様に、被制御装置自身が排他制御のための仕組みを持つということは実質的に現実的ではない。従ってこのような第2の従来技術では、制御装置自体がDCMに準拠した排他制御情報を記憶して被制御装置を制御する方法を取らざるを得ない。
【0014】
この場合、同一のシリアルバス上に制御装置とそれにより動作が制御される被制御装置との対が一つしか存在しない場合であれば問題ないが、同一のシリアルバス上に制御装置が複数存在する場合には、以下のような問題が発生する。すなわち、DCMとしての機能を有して上記排他制御情報が記憶されている制御装置が元のシリアルバスから切り離されてしまった場合には、被制御装置と同一のシリアルバス上に残った他の制御装置のいずれか一つがDCMとしての機能を新たに有する必要があるが、この際、元の(切り離されて既にそのシリアルバス上には存在しなくなった)制御装置からはそれが記憶していた排他制御情報を受け取ることは不可能であるため、それまで他の被制御装置及び制御装置が統一的に用いていた排他制御情報がネットワーク上から消失してしまうこととなり、元の被制御装置と制御装置との関係を復帰させるためには、長時間にわたってネットワーク内における情報の伝送そのものが不安定になってしまう(換言すれば、情報の伝送が断続する)という問題点がある。
【0015】
更に、上記第3の従来技術の場合についても、上記第2の従来技術と同様に、同一のシリアルバス上に制御装置と被制御装置の対が一つのみ存在する場合であれば問題ないが、同一のシリアルバス上に制御装置が複数存在する場合であって、且つ全体としての制御権を有する上記制御サーバが当該シリアルバスから切り離されてしまったときには、各被制御装置に対応する排他制御情報は元のシリアルバスを含むネットワーク上からは消失してしまい、その復帰のためには上記第2の従来技術と同様に長時間にわたってネットワーク内における情報の伝送そのものが不安定になってしまうという問題点がある。
[0016]
そこで、本願は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的の一例は、既存の被制御装置に新たな構成を追加することなく一つのネットワーク内での制御装置による排他制御を可能とすると共に、被制御装置又は制御装置のいずれかが元のネットワークから脱落した場合でも、元の排他制御状態を維持・継続することが可能な制御装置及び当該制御装置を含むネットワークシステム、当該制御装置における制御方法、当該制御装置用プログラム並びに当該制御装置用プログラムが記録された情報記録媒体を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
[0017]
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一又は複数の被制御装置と、一又は複数の制御装置と、を含むネットワークシステムであって、いずれかの前記被制御装置の動作をいずれかの前記制御装置から制御する際には、当該動作が制御される一の前記被制御装置と当該動作を制御する一の前記制御装置とが他の前記制御装置を排して一対一に対応付けられて当該動作が制御されるネットワークシステムに含まれる前記制御装置であって、各前記被制御装置の動作がいずれの前記制御装置により制御されているかを示す排他制御情報を、当該各被制御装置毎に記憶する排他制御情報保持部等の排他制御情報記憶手段を備え、前記記憶されている排他制御情報に基づいて、いずれかの前記被制御装置における前記動作を制御する制御装置が含まれているネットワークシステムであって、当該ネットワークシステムに含まれているいずれか一の前記制御装置が中央制御装置とされており、当該中央制御装置は、前記ネットワークシステムに含まれているいずれかの前記被制御装置における前記動作を前記中央制御装置が制御することを要求する旨の要求情報が入力されたとき、当該要求情報により示される前記被制御装置に対応して当該中央制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示され前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する排他制御情報設定部等の第1更新手段と、前記要求情報が入力されたとき、前記要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記中央制御装置以外の他の前記制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する排他制御情報設定部等の第2更新手段と、を備える。
[0018]
[0019]
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、一又は複数の被制御装置と、一又は複数の制御装置と、を含むネットワークシステムであって、いずれかの前記被制御装置の動作をいずれかの前記制御装置から制御する際には、当該動作が制御される一の前記被制御装置と当該動作を制御する一の前記制御装置とが他の前記制御装置を排して一対一に対応付けられて当該動作が制御されるネットワークシステムに含まれる前記制御装置であって、各前記被制御装置の動作がいずれの前記制御装置により制御されているかを示す排他制御情報を、各前記制御装置内の排他制御情報記憶手段に記憶させる記憶工程と、前記記憶されている排他制御情報に基づいて、いずれかの前記被制御装置における前記動作を制御する動作制御工程と、を含む制御方法が実行される制御装置が含まれている前記ネットワークシステムに含まれているいずれか一の前記制御装置である中央制御装置において実行される中央制御方法において、前記ネットワークシステムに含まれているいずれかの前記被制御装置における前記動作を前記中央制御装置が制御することを要求する旨の要求情報が入力されたとき、当該要求情報により示される前記被制御装置に対応して当該中央制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する第1更新工程と、前記要求情報が入力されたとき、前記要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記中央制御装置以外の他の前記制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する第2更新工程と、を含む。
[0020]
[0021]
[0022]
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から8のいずれか一項に記載の中央制御装置として機能させる。
[0023]
[0024]
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の中央制御装置用プログラムが前記コンピュータにより読取可能に記録されている。
【図面の簡単な説明】
[0025]
[図1]第1実施形態に係るバスシステムの構成を示すブロック図であり、(a)はその全体構成を示すブロック図であり、(b)は第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
[図2]第1実施形態において新たな被制御装置がバスに接続された場合の処理を示すフローチャートである。
[図3]第1実施形態に係るバスシステムにおける動作を説明する図であり、(a)はマスタ制御装置において制御権獲得要求が為された場合の動作を説明する図であり、(b)は個別制御部における制御権の設定処理を示すフローチャートである。
[図4]第1実施形態に係るマスタ制御装置において制御権獲得要求が為された場合の動作を示す流れ図である。
[図5]第1実施形態に係るスレーブ制御装置において制御権獲得要求が為された場合の動作を説明する図である。
[図6]第1実施形態に係るスレーブ制御装置において制御権獲得要求が為された場合の動作を示す流れ図である。
[図7]第1実施形態に係る個別制御部における制御権の解放処理を示すフローチャートである。
[図8]第2実施形態に係るバスシステムにおける動作を説明する図であり、(a)はマスタ制御装置がバスから脱落した場合の動作を説明する図であり、(b)は新たにマスタ制御装置がバスに接続された場合の動作を説明する図である。
【図9】第2実施形態において新たにマスタ制御装置がバスに接続された場合の動作を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0026】
C 被制御装置
CC 制御装置
B バス
S バスシステム
1 操作部
2 要求受付部
3 管理部
31 認識部
32 情報管理部
33 個別制御部生成部
34 排他制御情報設定部
4 個別制御部
4A 排他制御情報
41 制御コマンド発行部
42 排他制御情報保持部
5 ネットワーク通信部
MCC マスタ制御装置
SCC スレーブ制御装置
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本願を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、例えばIEEE1394規格に準拠したシリアルバス等のバスに対して上記した被制御装置と制御装置とが接続されている場合であって、一対一の関係をもって被制御装置の動作を制御装置により制御する場合に対して本願を適用したときの実施の形態である。
【0028】
(I)第1実施形態
始めに、本願に係る第1実施形態について、図1乃至図7を用いて説明する。
【0029】
なお、図1は第1実施形態に係るバスシステム等の概要構成を示すブロック図であり、図2は第1実施形態に係る制御装置において実行される処理を示すフローチャートであり、図3は第1実施形態に係る各制御装置において後述のマスタ制御装置によりバスに接続された被制御装置の動作を制御することを要求する旨の要求操作が実行された場合の動作を示す図であり、図4は図3に示す操作が実行された場合に制御装置において実行される処理を示す流れ図であり、図5は第1実施形態に係る各制御装置において後述のスレーブ制御装置によりバスに接続された被制御装置の動作を制御することを要求する旨の要求操作が実行された場合の動作を示す図であり、図6は図5に示す操作が実行された場合における各制御装置の処理の全体を夫々に示す流れ図であり、図7は後述の個別制御部4における制御権の解放処理を示すフローチャートである。
【0030】
以下に説明する各実施形態では、一つのバスに対して複数の被制御装置と複数の制御装置が接続されている場合において、一の被制御装置の動作を他の制御装置を排して一の制御装置のみから制御する場合について説明するものである。これに加えて、第1実施形態では、複数の制御装置において、夫々に上記要求操作が実行された場合について説明する。
【0031】
図1(a)に示すように、第1実施形態に係るバスシステムSは、複数の被制御装置Cと複数の制御装置CCとが夫々にバスBに接続された構成を有しており、この中の一の被制御装置は一の制御装置を用いてのみその動作が制御される。なお、被制御装置Cの構成は、従来においてバスBを介して排他的にその動作を制御することが可能な被制御装置の構成と同様である。
【0032】
バスシステムSにおける動作としてより具体的には、例えばバスシステムSを使用するユーザがこれらの制御装置CCに対しリモコン等を用いて必要な操作を行なうことにより、バスBを経由して当該操作に対応する操作コマンドが被制御装置Cに送信され、当該操作コマンドを受信した被制御装置Cが当該操作コマンドにより要求されている動作を行う。更に具体的には、例えば当該ユーザが制御装置に対し、ある被制御装置における録画動作の起動を予約する録画予約の設定を行なった場合には、所望の時刻に当該制御装置が起動し、更に当該被制御装置における「電源オン」や「録画開始」等の意味を有する上記操作コマンドが制御装置から被制御装置に送信され、これにより当該被制御装置Cにおける録画動作が開始されることとなる。
【0033】
ここで、第1実施形態に係る被制御装置の例としては光ディスクプレーヤ/レコーダ、デジタルビデオテーププレーヤ/レコーダ或いはハードディスクレコーダ等で挙げられ、一方制御装置の例としてはこれら被制御装置の動作を制御するデジタルテレビジョン装置、デジタルチュ−ナ又はパーソナルコンピュータ等が挙げられる。なお、第1実施形態に係る制御装置CCが例えば光ディスクプレーヤ内に含まれており、当該光ディスクプレーヤを用いて他の光ディスクレコーダ(被制御装置としての光ディスクレコーダ)の動作を制御する場合に対して第1実施形態を適用することも可能である。
【0034】
次に、制御装置CCの具体的な構成について、図1(b)を用いて説明する。なお、図1(b)は第1実施形態に係る制御装置CCの概要構成を示すブロック図であり、バスシステムSに含まれる各制御装置CCは、いずれも図1(b)に示す構成を備えている。
【0035】
図1(b)に示すように、第1実施形態に係る制御装置CCは、操作ボタン又は上記リモコン等を含む操作部1と、要求受付部2と、管理部3と、バスBに接続されている被制御装置Cに一対一に対応付けられており当該被制御装置Cの数と同数の個別制御部4と、バスBに直接接続されている監視手段及び出力手段としてのネットワーク通信部5と、ディスプレイ等からなる出力部6と、により構成されている。
【0036】
また、管理部3は、認識部31と、情報管理部32と、個別制御部生成部33と、更新手段並びに第1乃至第4更新手段としての排他制御情報設定部34と、により構成されている。
【0037】
更に、夫々の個別制御部4は、制御コマンド発行部41と、排他制御情報記憶手段としての排他制御情報保持部42と、により構成されている。なお、各個別制御部4は、バスBに接続されている被制御装置Cの数に応じ、予め制御装置CC内に備えられている物理メモリ及びロジック回路等を用いてソフトウェア的に実現されるものである。従って、当該個別制御部4の数は、上記被制御装置Cの数に応じて増減するものである。
【0038】
次に、動作を説明する。
第1実施形態に係る制御装置CCを用いていずれかの被制御装置Cの動作を制御する場合、その旨の操作がユーザにより操作部1において実行されると、要求受付部2は操作部1からその実行された操作に対応する操作信号を受信する。
【0039】
ここで、第1実施形態の場合、当該操作信号には、いずれかの被制御装置Cの動作を制御するための制御権を制御装置CCにおいて獲得する旨の要求である制御権獲得要求信号と、当該制御権獲得後において実際に被制御装置Cを制御する際に用いられる制御コマンドを発行する旨の要求である制御コマンド発行要求信号がある。このうち、受け付けられた制御獲得要求信号は管理部3内の排他制御情報設定部34に、制御コマンド発行要求信号は当該制御コマンドの宛先である被制御装置Cに対応する個別制御部4内の制御コマンド発行部41に、夫々出力される。
【0040】
なお、要求受付部2は、上記要求信号の夫々に対応する応答信号等が、制御獲得要求信号が出力された管理部3又は制御コマンド発行要求信号の対象である被制御装置Cから送信されてきた場合は、当該応答信号等を出力部6に出力することで、当該応答信号の内容を上記ユーザに告知する。
【0041】
なお、制御権獲得要求信号が入力された管理部3の動作の詳細及び制御コマンド発行要求信号が入力された個別制御部4の動作の詳細は、夫々に後述する。
【0042】
一方、ネットワーク通信部5は、バスB経由での情報の送受信処理やバスBを含むバスシステムS全体の構成の変化(例えば、いずれかの被制御装置C又は制御装置CCとバスBとの接続が切断されたこと、又は新たな被制御装置C又は制御装置CCが新たにバスBに接続されたことによるバスシステムS全体の構成の変化)を管理してその有無を管理部3等に通知する等の動作を行う。
【0043】
次に、各個別制御部4の動作を説明する。
上述したように、各個別制御部4は、バスシステムSに含まれている被制御装置Cに夫々一対一に対応しており、夫々に対応する被制御装置CがバスBに接続されている間にのみ制御装置CC内に構成されるものである。なお、個別制御部4は、同一種類・同一機種の被制御装置CがバスBに対して複数接続されている場合には、当該接続されている被制御装置Cの数だけ備えられるものである。
【0044】
個別制御部4内の排他制御情報保持部42は、バスB内に接続されている被制御装置C(すなわち、個別制御部4に対応する被制御装置C)の動作を制御するための当該被制御装置Cに対応した制御権が設定されているか否かを示す情報と、当該制御権が対応する被制御装置Cに設定されている場合においてその制御権が与えられている制御装置CC(又はその制御装置CCを使用して被制御装置Cの動作を制御しようとしているユーザ、或いは当該制御権が与えられている携帯型情報端末装置やリモコン装置等)を識別するための装置識別情報(具体的には、その制御装置CCを示す上記GUID等)と、を含む第1実施形態に係る排他制御情報が記憶されている。
【0045】
ここで、当該排他制御情報自体の生成は、管理部3内の後述する排他制御情報設定部34からの要求に基づいて行われる。また、上記識別情報についてより具体的には、当該識別情報の内容としては、上記ユーザ自体を示す識別情報でもよいし、携帯型情報端末装置や上記リモコン装置等自体を識別する識別情報であってもよい。また、操作部1上におけるいわゆるユーザインターフェースを実現するためのアプリケーションプログラム或いは予約録画動作を自動的に実行するアプリケーションプログラム等のソフトウェア(モジュール)を識別する識別情報を用いることもできる。
【0046】
一方、制御コマンド発行部41は上記操作部1を介したユーザ等からの被制御機器制御要求に応じ、ネットワーク通信部5を介してその動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して必要な制御コマンドを発行する。また、当該対象となっている被制御装置Cから通知された情報や当該被制御装置Cからの制御コマンドに対する応答情報を認識して処理し、必要に応じてユーザ等の制御要求元に対して返信又は通知等を行う。
【0047】
ここで、第1実施形態に係る制御コマンド発行部41においては、当該制御コマンド発行部41が操作部1を介して対応する被制御装置Cの動作制御要求を受けた際には、必要な上記制御コマンドの発行に先立ち、排他制御情報保持部42に記憶されている排他制御情報を参照し、制御コマンドの宛先である被制御装置Cに対する制御権の設定内容を確認する。そして、その結果として当該被制御装置Cに対する制御権の設定が行われていないことが認識された場合、又は当該制御権が設定されていて且つ被制御装置Cの動作制御要求を行ったユーザ等を示す識別情報が その排他制御情報内に記述されている場合に、対象となる被制御装置Cの動作制御に必要な制御コマンドを当該被制御装置Cに発行する。
【0048】
これに対し、当該制御権が設定されており且つ他のユーザ又は他の制御装置CC等を示す識別情報が参照した排他制御情報内に含まれている場合には、現在動作を説明している制御コマンド発行部41を含む制御装置CCから当該被制御装置Cの動作を制御する旨のユーザ等による操作要求は拒否され、その旨が出力部6からユーザ等に対して出力されると共に制御コマンド発行部41による制御コマンドの発行は為されない。
【0049】
次に、管理部3の動作を説明する。
先ず、管理部3内の認識部31は、ネットワーク通信部5からバスBに対して新たな被制御装置Cが追加された旨の通知を受けた際に、当該ネットワーク通信部5を介してその新たに接続された被制御装置Cと通信し、当該被制御装置Cから各種の情報を取得することによって当該新たに接続された被制御装置Cの種類及び内容等を特定し、取得した情報は情報管理部32においてデータベース化された上で記憶される。
【0050】
これに対し、いずれかの被制御装置CとバスBとの間の接続が切断された(すなわち、その被制御装置CがバスシステムSから脱落した)ことがネットワーク通信部5を介して認識されたときは、情報管理部32に記憶されていた対応する情報等の内容を更新する。
【0051】
次に、管理部3内の上記個別制御部生成部33は、認識部31において認識された被制御装置CのバスBに対する脱着の状況に応じて、新たな被制御装置CがバスBに追加接続された場合には、その新たに接続された被制御装置Cに対応する個別制御部4を生成し、一方、今までバスBに接続されていた被制御装置CがバスBから脱落した場合には、それまで動作していた対応する個別制御部4を制御装置CCから削除する。
【0052】
なお、上述してきた管理部3における動作を、特に新たな被制御装置CがバスBに追加接続された場合を例として図2に示すフローチャートを用いて纏めて説明する。
【0053】
図2に示すように、新たな被制御装置Cが追加された旨の通知を受けた認識部31は、先ず当該被制御装置Cと通信して各種の情報を取得し(ステップS1)、その取得した情報に基づいて新たに接続された被制御装置Cの種類及び内容等を特定して情報管理部32内においてデータベース化して記憶する(ステップS2)。
【0054】
次に、情報管理部32内に新たに記憶された情報に基づき、新たに接続された被制御装置Cに対応する個別制御部4を生成する(ステップS3)。なお、図2に示す新たな個別制御部4の生成処理は、制御装置CCが複数存在する図1のような場合には夫々の制御装置CCにて行なわれてもよいが、バスB上における情報伝送量を低減を考えるならば、新たに接続された被制御装置Cを示す情報の取得(図2ステップS1参照)からその種類等の決定(図2ステップS2参照)までの処理は、複数の制御装置CC内において代表となる一つ制御装置CC(以下、当該代表となる制御装置CCをマスタ制御装置MCCと称する)のみで実行し、マスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CC(以下、当該マスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CCをスレーブ制御装置SCCと称する)はマスタ制御装置MCCから上記特定した種類等を示す情報の提供を受けて、当該スレーブ制御装置SCC内における個別制御部4の生成処理のみを行うように構成することができる。なお、複数の制御装置CC内におけるマスタ制御装置MCCの決定方法については後述する。
【0055】
一方、排他制御情報設定部34は、ユーザ等からの要求受付部2を介した上記制御権獲得要求信号に基づいて、当該要求信号により示されている制御対象の被制御装置Cに対応する個別制御部4に対して当該被制御装置Cに対応する制御権を設定する旨の要求を行う。
【0056】
ここで、上記排他制御情報設定部34の動作は、上記制御権獲得要求信号がマスタ制御装置MCCの操作部1において実行されることで当該制御権をマスタ制御部MCC自体が獲得する第1の場合と、上記制御権獲得要求信号がスレーブ制御装置SCCの操作部1において実行されることで当該制御権をスレーブ制御部SCCが獲得する第2の場合と、では相互に異なるので、以下、夫々の場合について図3乃至図7を用いて説明する。
【0057】
(I−i)マスタ制御装置MCCが制御権を獲得する場合の実施形態
初めに、マスタ制御装置MCCの操作部1において上記制御権獲得要求のための操作が実行される上記第1の場合について、図3(a)を用いて説明する。
【0058】
図3(a)に示すように、同一のバスBにマスタ制御装置MCCとスレーブ制御装置SCCとが接続されており、更にバスBに接続されている被制御装置Cの動作をマスタ制御装置MCCにおいて制御する。この場合、ユーザ等からのマスタ制御装置MCCにおける操作部1を用いて被制御装置Cの動作についての制御権を獲得する旨の操作が為されると(ステップS5)、対応する制御権獲得要求信号を受信した管理部3内の排他制御情報設定部34は、同じマスタ制御装置MCCに含まれる個別制御部4(すなわち、動作の制御対象である被制御装置Cに対応してマスタ制御装置MCC内において予め生成されている個別制御部4)に対して要求されている制御権の設定を行わせる(ステップS6)。
【0059】
ここで、当該ステップS6としての制御権の設定処理について、より具体的に図3(b)を用いて説明する。
【0060】
当該制御権の設定処理としては、先ず当該設定が指示された個別制御部4内の排他制御情報保持部42に保持されている排他制御情報を参照することにより、現在その動作の制御が要求されている被制御装置Cについて既にマスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CCからその被制御装置Cの動作を制御する旨の制御権が設定されているか否かを確認する(ステップS61)。そして、既に他の制御装置CCから制御権が設定されている場合は(ステップS61;YES)、その旨を排他制御情報設定部34に返信し、当該返信を受けた排他制御情報設定部34は、出力部6を介してその旨をユーザに告知する(ステップS64)。
【0061】
一方、ステップS61の判定において、動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して他の制御装置CCから制御権の設定が未だ為されていない場合は(ステップS61;NO)、制御権設定要求の操作が為されたマスタ制御装置MCCを示す装置識別情報(上記GUID等の装置識別情報)を、対象の被制御装置Cに対する制御権を獲得する制御装置CCとして含むように当該被制御装置Cに対応する排他制御情報の内容を対応する個別制御部4において設定し(ステップS62)、更にその排他制御情報の内容をそれが対応する被制御装置Cに対する制御権が設定済みである旨に書き換えて(ステップS63)、当該個別制御部4における制御権の設定処理を終了する。
【0062】
次に、対象となる被制御装置Cに対する制御権がマスタ制御装置MCCである旨が当該マスタ装置MCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4において設定されると(ステップS6)、次に、もう一つの制御装置CCであるスレーブ制御装置SCCに対して、対象となる被制御装置Cに対する制御権が上記マスタ制御装置MCCに獲得されている旨に、当該スレーブ制御装置SCC内の当該被制御装置Cに対応する個別制御部4に記憶されている排他制御情報を書き換えることを依頼する制御権の設定依頼がバスBを介して行われる(ステップS7)。
【0063】
そして、マスタ制御装置MCCから制御権の設定依頼を受けたスレーブ制御装置SCCの管理部3内の排他制御情報設定部34は、当該スレーブ制御装置SCCに含まれる個別制御部4(すなわち、マスタ制御部MCCにその制御権が獲得された被制御装置Cに対応して生成されている個別制御部4)に対して要求されている制御権の設定を行わせる(ステップS8)。
【0064】
ここで、当該ステップS8としてスレーブ制御部SCCにおいて実行される制御権の設定処理については、基本的には図3(b)を用いて説明したものと同様である。
【0065】
すなわち、スレーブ制御装置SCCにおける当該制御権の設定処理としては、先ずマスタ制御装置MCCが制御権を獲得した被制御装置Cに対応する個別制御部4内の排他制御情報保持部42に保持されている排他制御情報を排他制御情報設定部34が参照することにより、現在その動作の制御が要求されている被制御装置Cについて既にマスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CCからその被制御装置Cの動作を制御する旨の制御権が設定されているか否かを確認する(ステップS61)。そして、何らかの理由で、スレーブ制御装置SCC内の個別制御部4において動作制御の対象となる被制御装置Cに対して既にマスタ制御装置MCC以外の他の制御装置CCから制御権が設定されている場合は(ステップS61;YES。この場合は、マスタ制御装置MCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4に保持されている排他制御情報の内容とスレーブ制御装置SCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4に保持されている排他制御情報の内容とが齟齬していることになる)、その旨を元のマスタ制御装置MCCにバスBを介して通知する(ステップS64)。この後は、例えばその通知を受け取ったマスタ制御部MCCから当該排他制御情報の書き換えを要求する制御情報が伝送されて来ることに伴ってその排他制御情報の内容を書き換えてマスタ制御装置MCC内の対応する排他制御情報の内容と整合するようにすることが望ましい。
【0066】
一方、ステップS61の判定において、動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して他の制御装置CCから制御権の設定が未だ為されていない場合は(ステップS61;NO)、制御権を獲得したマスタ制御装置MCCを示す装置識別情報を、対象の被制御装置Cに対する制御権を獲得する制御装置CCとして含むように当該被制御装置Cに対応する排他制御情報の内容を対応する個別制御部4において設定し(ステップS62)、更にその排他制御情報の内容をそれが対応する被制御装置Cに対する制御権が設定済みである旨に書き換えて(ステップS63)、当該個別制御部4における制御権の設定処理を終了する。
【0067】
次に、図3を用いて説明したマスタ制御装置MCCにおいて被制御装置Cに対する制御権を獲得するための処理について、これを時系列的に纏めて図4を用いて説明する。なお、図4は、図3に示すマスタ制御装置MCCにおいて被制御装置Cに対する制御権をそのマスタ制御装置MCCが獲得することを要求する操作が為された以降、実際に制御権がマスタ制御装置MCCにおいて獲得されるまでの処理を、図4中上から下に時系列的に示す流れ図である。また、図4において、図3に示した処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0068】
図4に示すように、マスタ制御装置MCCにおいて被制御装置Cに対する制御権の獲得要求のための操作が為されると(ステップS5)、管理部3において当該要求に基づく制御権の獲得まで他の要求操作を禁止する旨の処理を行う(ステップS5−1)。ここで、当該禁止処理が実行された後は、現在制御権の設定が行われている被制御装置Cに対する更に別の制御権獲得要求のための操作がマスタ制御装置MCCにおいて実行されても、その操作に対する処理は現在の処理が完了するまで保留されるか、或いはその操作が無効である旨が例えばマスタ制御装置MCCにおける出力部6等において表示されることとなる。
【0069】
ステップS5−1における禁止処理が完了すると、次に、管理部3からマスタ制御装置MCC内の個別制御部4に対して制御権の設定要求が為され(ステップS6)、当該要求に対応した制御権の設定処理(具体的には、対応する個別制御部4における排他制御情報の書き換え処理)が実行され(ステップS61乃至S64。図3(b)参照)、その設定処理が成功した旨が管理部3に返信される(ステップS65)。
【0070】
マスタ制御装置MCCにおける制御権の獲得処理が完了すると、次に、スレーブ制御装置SCC内の管理部3に対して同様の制御権獲得のための設定要求が為される(ステップS7)。そして、当該管理部3からスレーブ制御装置SCC内の個別制御部4(動作制御対象の被制御装置Cに対応する個別制御部4)に対して制御権の設定要求が為され(ステップS8)、当該要求に対応した制御権の設定処理がその個別制御部4において実行され(ステップS61乃至S64。図3(b)参照)、その設定処理が成功した旨がスレーブ制御装置SCCの管理部3を介してマスタ制御装置MCCの管理部3に返信される(ステップS65、S66)。
【0071】
その後、マスタ制御装置MCCの管理部3において実行されていた他の要求操作の禁止処理(ステップS5−1)が解除され(ステップS67)、更に最初にマスタ制御装置MCCへの制御権の獲得を要求したユーザに対してその獲得が成功した旨が出力部6等を用いて告知され(ステップS68)、一連の制御権獲得のための処理が完了する。
【0072】
(I−ii)スレーブ制御装置SCCが制御権を獲得する場合の実施形態
次に、スレーブ制御装置SCCの操作部1において、ある被制御装置Cに対する上記制御権獲得要求のための操作が実行される上記第2の場合について、図5を用いて説明する。
【0073】
図5に示すように、同一のバスBにマスタ制御装置MCCとスレーブ制御装置SCCとが接続されており、更にバスBに接続されている被制御装置Cの動作をスレーブ制御装置SCCにおいて制御する。この場合、ユーザ等からのスレーブ制御装置SCCにおける操作部1を用いて被制御装置Cの動作についての制御権を獲得する旨の操作が為されると(ステップS10)、対応する制御権獲得要求信号を受信した管理部3内の排他制御情報設定部34は、バスBを介して当該制御権獲得要求信号をマスタ制御装置MCCに含まれる管理部3内の排他制御情報設定部34に転送する(ステップS11)。
【0074】
そして、当該制御権獲得要求信号を受信したマスタ制御装置MCC内の排他制御情報設定部34は、同じマスタ制御装置MCCに含まれる個別制御部4(すなわち、スレーブ制御装置SCCからの動作制御の対象である被制御装置Cに対応して予めマスタ制御装置MCC内に生成されている個別制御部4)に対して要求されている制御権の設定を行わせる(ステップS13)。
【0075】
ここで、当該ステップS13としての制御権の設定処理については、基本的には上記図3(b)を用いて説明した場合と同様の処理が実行される。
【0076】
すなわち、当該制御権の設定処理としては、先ず当該設定が指示された個別制御部4内の排他制御情報保持部42に保持されている排他制御情報を参照することにより、現在その動作のスレーブ制御装置SCCからの制御が要求されている被制御装置Cについて既にスレーブ制御装置SCC以外の他の制御装置CCからその被制御装置Cの動作を制御する旨の制御権が設定されているか否かを確認する(図3(b)ステップS61参照)。そして、既に他の制御装置CCから制御権が設定されている場合は(図3(b)ステップS61;YES参照)、その旨をバスBを介してスレーブ制御装置SCCに返信し、当該返信を受けたスレーブ制御装置SCC内の排他制御情報設定部34は同じくスレーブ制御装置SC内の出力部6を介してその旨をユーザに告知する(図3(b)ステップS64参照)。
【0077】
一方、上記確認処理(図3(b)ステップS61参照)の判定において、スレーブ制御装置SCCからの動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して他の制御装置CCから制御権の設定が未だ為されていない場合は(図3(b)ステップS61;NO参照)、制御権設定要求の操作が為されたスレーブ制御装置SCCを示す装置識別情報(上記GUID等の装置識別情報)を、対象の被制御装置Cに対する制御権を獲得する制御装置CCとして含むように当該被制御装置Cに対応する排他制御情報の内容を対応する個別制御部4において設定し(図3(b)ステップS62参照)、更にその排他制御情報の内容をそれが対応する被制御装置Cに対する制御権が設定済みである旨に書き換えて(図3(b)ステップS63参照)、当該個別制御部4における制御権の設定処理を終了する。
【0078】
対象となる被制御装置Cに対する制御権がスレーブ制御装置SCCである旨がマスタ装置MCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4において設定されると(ステップS13)、次に、スレーブ制御装置SCC内のその動作制御の対象となる被制御装置Cに対応する個別制御部4に記憶されている排他制御情報を、当該被制御装置Cに対する制御権をスレーブ制御装置SCCが獲得する旨に書き換えることを依頼する制御権の設定依頼を、元のスレーブ制御装置SCCに対してバスBを介して行う(ステップS14)。
【0079】
そして、マスタ制御装置MCCから当該制御権の設定依頼を受けたスレーブ制御装置SCCの管理部3内の排他制御情報設定部34は、当該スレーブ制御装置SCCに含まれる個別制御部4(すなわち、当該スレーブ制御部SCCにその制御権が獲得される被制御装置Cに対応してスレーブ制御装置SCC内に予め生成されている個別制御部4)に対して要求されている制御権の設定を行わせる(ステップS15)。
【0080】
ここで、当該ステップS15としてスレーブ制御部SCCにおいて実行される制御権の設定処理については、基本的には図3(b)を用いて説明したものと同様である。
【0081】
すなわち、スレーブ制御装置SCCにおける当該制御権の設定処理としては、先ずスレーブ制御装置SCCが制御権を獲得することとなる被制御装置Cに対応する個別制御部4内の排他制御情報保持部42に保持されている排他制御情報を当該スレーブ制御装置SCC内の排他制御情報設定部34が参照することにより、現在その動作の制御が要求されている被制御装置Cについて既にスレーブ制御装置SCC以外の他の制御装置CCからその被制御装置Cの動作を制御する旨の制御権が設定されているか否かを確認する(図3(b)ステップS61参照)。そして、何らかの理由で、スレーブ制御装置SCC内の個別制御部4において動作制御の対象となる被制御装置Cに対して既にスレーブ制御装置SCC以外の他の制御装置CCから制御権が設定されている場合は(図3(b)ステップS61;YES参照。この場合は、スレーブ制御装置SCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4に保持されている排他制御情報の内容とマスタ制御装置MCC内のその被制御装置Cに対応する個別制御部4に保持されている排他制御情報の内容とが齟齬していることになる)、その旨を元のマスタ制御装置MCCにバスBを介して通知する(図3(b)ステップS64)。この後は、例えばその通知を受け取ったマスタ制御部MCCから当該排他制御情報の書き換えを要求する制御情報が伝送されて来ることに伴ってその排他制御情報の内容を書き換えてマスタ制御装置MCC内の対応する排他制御情報の内容と整合するようにすることが望ましい。
【0082】
一方、上記確認処理(図3(b)ステップS61参照)の判定において、動作制御の対象となっている被制御装置Cに対して他の制御装置CCから制御権の設定が未だ為されていない場合は(図3(b)ステップS61;NO参照)、制御権を獲得するスレーブ制御装置SCCを示す装置識別情報を、対象の被制御装置Cに対する制御権を獲得する制御装置CCとして含むように当該被制御装置Cに対応する排他制御情報の内容を対応する個別制御部4において設定し(図3(b)ステップS62参照)、更にその排他制御情報の内容をそれが対応する被制御装置Cに対する制御権が設定済みである旨に書き換えて(図3(b)ステップS63参照)、当該個別制御部4における制御権の設定処理を終了する。
【0083】
次に、図5を用いて説明したスレーブ制御装置SCCにおいて被制御装置Cに対する制御権を獲得するための処理について、これを時系列的に纏めて図6を用いて説明する。なお、図6は、図5に示すスレーブ制御装置SCCにおいて被制御装置Cに対する制御権をそのスレーブ制御装置SCCが獲得することを要求する操作が為された以降、実際に制御権がスレーブ制御装置SCCにおいて獲得されるまでの処理を、図6中上から下に時系列的に示す流れ図である。また、図6において、図5に示した処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0084】
図6に示すように、スレーブ制御装置SCCにおいて被制御装置Cに対する制御権の獲得要求のための操作が為されると(ステップS10)、スレーブ制御装置SCC内の管理部3から、バスBを介してマスタ制御装置MCC内の管理部3に対して、スレーブ制御装置SCCが制御権を有する旨の設定を行うための要求が為される(ステップS11)。
【0085】
次に、当該要求を受信したマスタ制御装置MCCの管理部3は、当該要求に基づく制御権の獲得までマスタ制御装置MCCに対する他の制御権の要求を禁止する旨の処理を行う(ステップS11−1)。ここで、当該禁止処理が実行された後は、現在制御権の設定が行われている被制御装置Cに対する更に別の制御権獲得要求のための操作がマスタ制御装置MCCにおいて実行されても、その操作に対する処理は現在の処理が完了するまで保留されるか、或いはその操作が無効である旨が例えばマスタ制御装置MCCにおける出力部6等において表示されることとなる。
【0086】
ステップS11−1における禁止処理が完了すると、次に、管理部3からマスタ制御装置MCC内の個別制御部4に対して制御権の設定要求が為され(ステップS13)、当該要求に対応した制御権の設定処理(具体的には、対応する個別制御部4における排他制御情報の書き換え処理)が実行され(ステップS61乃至S64。図3(b)参照)、その設定処理が成功した旨が管理部3に返信される(ステップS70)。
【0087】
マスタ制御装置MCCにおける制御権の獲得処理が完了すると、次に、スレーブ制御装置SCC内の管理部3に対して当該スレーブ制御装置SCCにおける制御権獲得のための設定要求が為される(ステップS14)。そして、当該スレーブ制御装置SCC内の管理部3からスレーブ制御装置SCC内の個別制御部4(動作制御対象の被制御装置Cに対応する個別制御部4)に対して制御権の設定要求が為され(ステップS15)、当該要求に対応した制御権の設定処理がその個別制御部4において実行され(ステップS61乃至S64。図3(b)参照)、その設定処理が成功した旨がスレーブ制御装置SCCの管理部3を介してマスタ制御装置MCCの管理部3に返信される(ステップS71、S72)。
【0088】
その後、マスタ制御装置MCCの管理部3において実行されていた他の要求操作の禁止処理(ステップS11−1)が解除され(ステップS73)、更にマスタ制御装置MCC内の管理部3からスレーブ制御装置SCCの管理部3及び出力部6を介して、最初にスレーブ制御装置SCCへの制御権の獲得を要求したユーザに対しその獲得が成功した旨が告知され(ステップS74、S75)、一連のスレーブ制御装置SCCにおける制御権獲得のための処理が完了する。
【0089】
なお、他の制御権の設定要求を禁止している(ステップS11−1。図6中太い矢印参照)最中において、図6左端に示すマスタ制御装置MCCのユーザからスレーブ制御装置SCCがその制御権を獲得している被制御装置Cに対する制御権を獲得する旨の要求が別途為された場合には(ステップSx)、要求受け付け禁止が解除される(ステップS73)まで要求は保留されるが、要求受け付け禁止が解除された後に当該要求がマスタ制御装置MCCの管理部3に受け付けられる。そして、当該要求に基づく制御権の獲得までマスタ制御装置MCCに対する他の制御権の要求を禁止する旨の処理を行い(ステップS11−1)、その後、制御権獲得要求が管理部3内の排他制御情報設定部34から当該被制御装置Cに対応する個別制御部4に転送される(ステップS80)こととなるが、このとき既に当該個別制御部4には、対象となる被制御装置Cの制御権がスレーブ制御装置SCCにおいて獲得されている旨の排他制御情報が保持されているので(ステップS61乃至64。図3(b)参照)、その旨、すなわち、当該ユーザによる要求が認められない旨の応答が当該個別制御部4から排他情報設定部34に為され(ステップS81)、更にマスタ制御装置MCCの出力部6を介してその旨がマスタ制御装置MCCを操作して被制御装置Cの制御権を獲得しようとした(ステップSx)ユーザに告知されることとなる(ステップS82)。
【0090】
なお、以上説明した第1実施形態において、一つのバスBに複数の制御装置CCが接続されている場合、その中のいずれの制御装置CCをマスタ制御装置MCCにするかの設定については、例えば当該バスBに接続されている制御装置CC夫々の装置識別情報の値自体を相互に比較し、その値が最も大きい一つの制御装置CCをマスタ制御装置MCCとすることが好ましい。
【0091】
ここで、例えば上記1394規格においては、一つの制御装置CCについてバスBに対する脱着があった際、その脱着後の各制御装置CCの装置識別情報を全ての制御装置CCが自ら把握することが規格化されているため、その把握した装置識別情報の値に応じて、自己を示す装置識別情報の値が他の制御装置CCを示す装置識別情報の値よりも大きい場合には、その制御装置CC自らが、自己がマスタ制御装置MCCとなるべきである旨を認識して当該マスタ制御装置MCCとして機能することになる。また同様に、把握した他の制御装置CCを示す装置識別情報の値に比して、自己を示す装置識別情報の値が小さい場合には、その制御装置CCは、自らはスレーブ制御装置SCCとなるべきである旨を認識して当該スレーブ制御装置SCCとして機能することになる。
【0092】
また、これからその動作の制御権を獲得しようとしている被制御装置Cに対して既にいずれかの制御装置CCからの制御権が設定されている場合(図3(b)ステップS61;NO参照)の処理につき、当該設定済みの制御権を解除して新たに設定し直す際には、元々設定されていた制御権をその時に制御権の獲得を要求している制御装置CCに対して解放する必要がある。
【0093】
この場合には、図7に示すように、解放すべき制御権が設定されている制御装置CC内の排他制御情報設定部3から対応する個別制御部4内の排他制御情報保持部42を参照し、当該個別制御部4に対応する被制御装置Cに対して既に制御権が設定されているか否かを確認する(ステップS85)。そして、何ら制御権が設定されていないときは(ステップS85;NO)、改めて解放する必要なないので、解放すべき要求自体に対してそれが失敗であった旨をその要求元に返信する(ステップS88)。
【0094】
一方、ステップS85の処理において、既にいずれかの制御装置CCによる制御権が設定されているときは(ステップS85;YES)、その制御権を解放すべく当該制御権を有していた制御装置CCを示す装置識別情報を対応する排他制御情報上から消去し(ステップS86)、更にその被制御装置Cがいずれの制御装置CCからも制御権が設定されていない旨に書き換えて(ステップS87)、当該解放のための処理を終了する。
【0095】
更に、それまでその動作がいずれかの制御装置CCから制御されていた被制御装置Cが上述したバスBから脱落した場合の処理については、当該脱落が発生すると、先ず各制御装置CCのネットワーク通信部5が当該被制御装置Cの脱落を夫々に検出し、同じ制御装置CC内に含まれている管理部3に通知する。そして、この通知を受けた管理部3は、バスBから脱落した(取り外された)被制御装置Cに対応する各制御装置CC内の個別制御部4を当該制御装置CC上から夫々に削除する。このとき、当該個別制御部4内に保持されていた排他制御情報等の全ての情報も同時に削除される。これらの処理により、各制御装置CCにおいて、当該脱落が認識されることとなる。
【0096】
以上夫々説明したように、第1実施形態に係るバスシステムSの動作によれば、各制御装置CCが各被制御装置C毎に排他制御情報を保持する排他制御情報保持部42を備え、当該保持されている排他制御情報に基づいて夫々が担当する被制御装置Cの動作を制御するので、被制御装置Cに新たな構成を何ら追加することなく被制御装置Cと制御装置CCとの間で一対一の関係を確立して各被制御装置Cの動作を排他的に制御することができる。
【0097】
また、各制御装置CCに含まれる排他制御情報保持部42の夫々に、全ての被制御装置Cに夫々対応する各排他制御情報が全て保持されているので、各制御装置CCにおいて同一の排他制御情報を共有することができ、いずれの制御装置CCがバスシステムSから脱落した場合でも、引き続き各被制御装置CC毎に対応する排他制御情報がバスシステムS内に残っている制御装置CCのいずれかに残置されることで、当該脱落後も被制御装置Cの動作制御を規格に則って秩序よく継続することができる。
【0098】
更に、マスタ制御装置MCCにおいていずれかの被制御装置Cの動作を制御する旨の要求情報が入力されたとき、当該要求情報により示される被制御装置Cとマスタ制御装置MCCとの関係となるように各制御装置CCにおける排他制御情報を更新するので、各被制御装置C及び各制御装置CC間で矛盾なく動作制御を行うことができる。
【0099】
更にまた、スレーブ制御装置SCCにおいていずれかの被制御装置Cの動作を制御する旨の要求情報が入力されたときでも、当該要求情報により示される被制御装置Cと制御装置CCとの関係となるように各制御装置CCにおける排他制御情報を更新するので、同様に各被制御装置C及び各制御装置CC間で矛盾なく動作制御を行うことができる。
【0100】
また、各制御装置CCを識別するGUID等の装置識別情報に基づき、いずれかの制御装置CCをマスタ制御装置MCCとして設定するので、他のスレーブ制御装置SCCとの関係で矛盾なくいずれかの制御装置CCをマスタ制御装置MCCとすることができる。
【0101】
(II)第2実施形態
次に、本願に係る他の実施形態である第2実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。なお、図8は第2実施形態に係るバスシステムの構成及び動作を示すブロック図であり、図9は第2実施形態に係るバスシステムの動作を示す流れ図である。また、図8及び図9において、第1実施形態に係るバスシステムSと同様の構成部材については同様の部材番号を付して細部の説明は省略する。
【0102】
上述した第1実施形態においては、バスBに接続されているいずれかの被制御装置Cにおける動作を、マスタ制御装置MCC又はスレーブ制御装置SCCのいずれか一方において制御するべくその制御権を獲得するための処理について説明したが、以下に説明する第2実施形態においては、第1実施形態に係るバスシステムSにおいて、マスタ制御装置MSS又は被制御装置CがバスBに対して脱着された場合における排他制御情報の取り扱いについて説明する。
【0103】
(II−i)マスタ制御装置MCCがバスBから取り外された場合の実施形態
先ず、第2実施形態において、マスタ制御装置MCCがバスBから取り外された(脱落した)場合の処理について、図8(a)を用いて説明する。なお、図8(a)の前提としては、バスBには、マスタ制御装置MCCとスレーブ制御装置SCCが一つずつ接続されており、更にこれらのいずれか一方により被制御装置Cの動作が制御されていたとする。
【0104】
図8(a)に示すように、バスBから取り外されたマスタ制御装置MCCにおいては、それまで形成されていた個別制御部4(排他制御情報保持部42内に保持されていた排他制御情報4Aを含む)は全て消失することとなる。
【0105】
これに対し、マスタ制御装置MCCが取り外された後にバスBに残っている(元の)スレーブ制御装置SCCでは、それまでマスタ制御装置MCCとして機能していた制御装置CCは取り外されたものの、その取り外されたマスタ制御装置MCC内に保持されていた排他制御情報4Aと全く同一の排他制御情報4Aが、(元の)スレーブ制御装置SCC内にも既に保持されているため、その保持されている排他制御情報4Aをそのまま用いて引き続き制御装置CCとしての機能を発揮する。
【0106】
ここで、バスB上に接続されている制御装置CCは一つだけになってしまっているので、(元の)スレーブ制御装置SCCが、今度はマスタ制御装置MCCとして機能を発揮することとなる。
【0107】
(II−ii)制御装置CCが新たにバスBに接続された場合の実施形態
次に、上記図8(a)に示すマスタ制御装置MCCがバスBから取り外された後、再度バスBに接続し直された場合の処理について、図8(b)を用いて説明する。
【0108】
マスタ制御装置MCCとなるべき装置識別情報を有する制御装置CCが新たにバスBに接続された場合には、制御装置CCが同一のバスB上に複数存在することになるため、いずれかの制御装置CCをマスタ制御装置MCCとするための処理が実行される。この処理は、具体的には、上述したようにマスタ制御装置MCCとなるべき制御装置CCが新たにバスBに接続された時点で、当該接続された制御装置CCを含む全ての制御装置CCにおいて装置識別情報の値の認識が夫々に実行され、それら認識した値の比較を自ら行うことで、各制御装置CCが、自らがマスタ制御装置MCCとなるべきかスレーブ制御装置SCCとなるべきかを判断し、自ら設定する。
【0109】
以上の処理により、図8(b)に示す場合は、向かって左の新たに接続された制御装置CCがマスタ制御装置MCCとして各制御装置CCにおいて設定され、向かって右の制御装置CCがスレーブ制御装置SCCとして各制御装置CCにおいて設定されたとする。
【0110】
そして、新たにマスタ制御装置MCCとなった制御装置CCでは、上記第1実施形態において説明した方法により、現在バスBに接続されている全ての被制御装置Cについて、夫々に対応する個別制御部4を当該マスタ制御装置MCCの内部に生成する。
【0111】
次に、それまでバスシステムSにおいて有効とされており、新たにスレーブ制御装置SCCとなった制御装置CCの各個別制御部4内に保持されている排他制御情報4Aについては、これを新たなマスタ制御装置MCCに取り込む必要がある。
【0112】
このため、第2実施形態に係るバスシステムSにおいては、マスタ制御装置MCC内の管理部3から他の制御装置CCの管理部3に対して、それが含まれている制御装置CC内にそれまで保持されていた排他制御情報4Aを、バスBを介して新たなマスタ制御装置MCCに送信する旨の取得要求が送付され(ステップS91)、これを受けたスレーブ制御装置SCC内の管理部3は、当該管理部3からスレーブ制御装置SCC内の全ての個別制御部4に対して夫々が保持する排他制御情報4Aを読み出す旨の要求が為され(ステップS92)、当該要求に対応した各個別制御部4は自らが保持している排他制御情報4Aを読み出してバスBを介して新たなマスタ制御装置MCCに送信する(ステップS95)。
【0113】
次に、当該排他制御情報4Aを受け取ったマスタ制御装置MCCの管理部3内の排他制御情報設定部34は、取得した排他制御情報4Aを夫々に保持する個別制御部4に設定し(ステップS96)、バス制御装置MCCとしての動作準備を整える。
【0114】
次に、図8(b)を用いて説明したマスタ制御装置MCC新規接続時の処理について、これを時系列的に纏めて図9を用いて説明する。なお、図9は、図8(b)に示すマスタ制御装置MCC新規接続時の処理を、図9中上から下に時系列的に示す流れ図である。また、図9において、図8(b)に示した処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0115】
図9に示すように、マスタ制御装置MCCが新たにバスBに接続されると、それに含まれる管理部3において当該新規接続に伴う処理が完了するまで他の要求操作を禁止する旨の処理を行う(ステップS90)。ここで、当該禁止処理が実行された後は、現在のマスタ制御装置MCCに対する何らかの要求操作がマスタ制御装置MCCにおいて実行されても、その操作に対する処理は現在の処理が完了するまで保留されるか、或いはその操作が無効である旨が、例えばマスタ制御装置MCCにおける出力部6等において表示されることとなる。
【0116】
ステップS90における禁止処理が完了すると、次に、管理部3からスレーブ制御装置SCC内の管理部3に対して当該スレーブ制御装置SCCが現在保持している排他制御情報4Aをマスタ制御装置MCCに送信する旨の要求が為される(ステップS91)。そして、これを受けたスレーブ装置SCCの管理部3は、当該管理部3からスレーブ制御装置SCC内の全ての個別制御部4に対して夫々が保持する排他制御情報4Aを読み出す旨の要求が為され(ステップS92)、当該要求に対応した各個別制御部4は自らが保持している排他制御情報4Aを読み出して(ステップS93)管理部3に夫々送信する(ステップS94)。
【0117】
次に、各個別制御部4から排他制御情報4Aの送信を受けた管理部3は、バスBを介してそれらマスタ制御装置MCC内の管理部3に送信する(ステップS95)。
【0118】
これにより、当該排他制御情報4Aを受け取った管理部3は、マスタ制御装置MCC内の各個別制御部4に対して当該受け取った排他制御情報4Aを保持する旨の要求を為し(ステップS96)、各個別制御部4は当該要求に対応した排他制御情報4の格納処理等を行い(ステップS97)、その格納処理等が成功した旨が管理部3に返信される(ステップS98)。
【0119】
そして、マスタ制御装置MCCの管理部3において実行されていた他の要求操作の禁止処理(ステップS90)が解除され(ステップS99)、マスタ制御装置MCCの新たな接続伴う一連の排他制御情報4Aの取得に関するの処理が完了する。
【0120】
これ以後は、上記第1実施形態と同様にして、各被制御装置Cに対する制御権の授受が、各制御装置CC間において実行されることで、各被制御装置Cに対する排他制御が可能となる。
【0121】
以上夫々説明したように、第2実施形態に係るバスシステムSの動作によれば、上記第1実施形態に係るバスシステムSの動作による効果に加えて、被制御装置CとバスBとの接続状態が監視され、それが変化したとき、当該変化後の接続状態に応じて各排他制御情報4Aが更新されるので、最新の接続状態に対応して確実に被制御装置Cの排他制御を実行することができる。
【0122】
また、それまでマスタ制御装置MCCとして機能していた制御装置CCがバスBから脱落したとき、新たなマスタ制御装置MCCが、それまでのスレーブ制御装置SCCのいずれかが設定変更されたものとして設定されるので、引き続きバスシステムS内の被制御装置Cと制御装置CCとの関係を矛盾なく維持することができる。
【0123】
更に、新たな制御装置CCが接続されたとき、その装置識別情報に基づいて新たなマスタ制御装置MCCが設定されると共に、それまで機能していたマスタ制御装置MCCからその排他制御情報4Aを引き継ぐので、新たに接続された制御装置CCがマスタ制御装置MCCとなった場合でも、他の制御装置CCとの関係で矛盾なく被制御装置Cを制御することができる。
【0124】
(III)変形形態
次に、本願に係る変形形態について説明する。
【0125】
先ず、第1の変形形態として、上記第1又は第2実施形態の構成に対して、排他制御情報設定の単位を、被制御装置C全体ではなく、当該被制御装置C内に構成されるサブユニット単位(例えばハードディスクドライブ内蔵型の光ディスクレコーダにおける当該ハードディスクドライブ部、光ディスクレコーダ部或いは放送受信チューナ部の夫々の如き単位)、或いは、放送ストリーム送受信のための論理的なプラグ単位等の、各被制御装置C内の機能要素毎に設定してもよい。
【0126】
この場合は、排他的な制御権設定の単位を機能要素毎にすることで、使用していない機能の制御権を他の制御装置CCに対して解放することができ、これによりあるユーザが光ディスクに記録されている情報を視聴している時に、バス経由で別のユーザが同時に放送番組の録画を要求・実行することが可能となると言ったことが可能となる。
【0127】
次に、第2の変形形態として、制御権が与えられているユーザ等を識別するための識別子を持った制御権設定の要求元(制御装置CC)に対して他の制御装置CCに対する優先度に関する属性を設定してもよい。制御装置CC自体に優先度の高低のレベルを表す属性を設定することにより、個別制御部4に排他的に制御権が設定されていても、より優先度の高い制御装置CCからの制御権獲得要求があった場合に当該制御権の強制獲得を可能とすることができる。
【0128】
従って、用途に応じた被制御装置Cの排他的な動作制御を実現ことができる。すなわち、例えば録画予約を実行する機能や緊急放送を受信して視聴させる機能等に高い優先度を与えることにより、重要な処理を確実に実行させることができるという効果が得られる。
【0129】
また、第3の変形形態として、同一のバスBに接続されている被制御装置Cと制御装置CCがある場合に加えて、例えば所謂ブリッジ装置を介して他のバスに接続されている制御装置CCが接続され、この制御装置CCにおいて被制御装置Cに対するユーザ等からの制御権獲得要求及び制御コマンド発行要求を当該ブリッジ装置経由で受け付けるようにしてもよい。この場合、他のバスに接続されている制御装置CC内には被制御装置Cに対応する個別制御部4が形成されないため、要求を受け付けた管理部3が被制御装置Cと同一のバスに接続されている制御装置CCの管理部3に対して要求を転送することにより、バス間での遠隔的な動作制御を実現することができる。
【0130】
この構成によれば、例えば、家庭内におけるネットワークを考えた場合、一つのバスBで複数の部屋間を接続することは、そのためのケーブル長や帯域幅の制限により現実的ではなく、部屋毎にバスBを構成して複数のバスBをブリッジ装置で接続するという方法考えられるが、上記各実施形態の構成によれば、ある部屋から別の部屋の被制御装置Cの動作を制御することを可能となる。よって、異なるバスBに接続されている制御装置CCからも排他的に被制御装置Cの動作が制御できることになる。
【0131】
最後に、第4の変形形態として、同一のバスBに接続されている被制御装置Cと制御装置CCがある場合に加えて、ブリッジ装置又はルータ装置を介して他のプロトコルにより通信を行う他の種類のネットワークに接続されている制御装置が接続され、その制御装置において各実施形態に係るバスBに接続されている被制御装置Cに対する動作制御を行う場合に本願を適用することも可能である。この場合、異なる種類のネットワークで接続された制御装置内には被制御装置Cに対応する個別制御部4は生成されないため、他のネットワーク上の制御装置からの要求を受け付けた管理部3が被制御装置Cと同一のバスBに接続されている制御装置CCの管理部3に対して要求を転送することにより実現することとなる。
【0132】
この場合には、各実施形態に係るバス以外のネットワーク上に接続されている制御装置からでも、排他的にバスBに接続されている被制御装置Cの動作制御が行える。
【0133】
更に、図2、図3(a)、図4、図6、図7又は図9に夫々示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク、半導体メモリ又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係る管理部3又は個別制御部4として活用することも可能である。
Claims (10)
- 一又は複数の被制御装置と、一又は複数の制御装置と、を含むネットワークシステムであって、いずれかの前記被制御装置の動作をいずれかの前記制御装置から制御する際には、当該動作が制御される一の前記被制御装置と当該動作を制御する一の前記制御装置とが他の前記制御装置を排して一対一に対応付けられて当該動作が制御されるネットワークシステムに含まれる前記制御装置であって、
各前記被制御装置の動作がいずれの前記制御装置により制御されているかを示す排他制御情報を、当該各被制御装置毎に記憶する排他制御情報記憶手段を備え、
前記記憶されている排他制御情報に基づいて、いずれかの前記被制御装置における前記動作を制御する制御装置が含まれているネットワークシステムであって、
当該ネットワークシステムに含まれているいずれか一の前記制御装置が中央制御装置とされており、
当該中央制御装置は、
前記ネットワークシステムに含まれているいずれかの前記被制御装置における前記動作を前記中央制御装置が制御することを要求する旨の要求情報が入力されたとき、当該要求情報により示される前記被制御装置に対応して当該中央制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する第1更新手段と、
前記要求情報が入力されたとき、前記要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記中央制御装置以外の他の前記制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する第2更新手段と、
を備えることを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項1に記載のネットワークシステムにおいて、
各前記制御装置に含まれる前記排他制御情報記憶手段の夫々に、全ての前記被制御装置に夫々対応する各前記排他制御情報が全て記憶されていることを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項1又は2に記載のネットワークシステムにおいて、
前記制御手段が、
前記被制御装置と前記ネットワークシステムとの接続状態を監視する監視手段と、
前記接続状態が変化したとき、当該変化した接続状態に対応して各前記排他制御情報を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のネットワークシステムにおいて、
前記他の制御装置は、
前記ネットワークシステムに含まれているいずれかの前記被制御装置における前記動作を当該他の制御装置が制御することを要求する旨の第2要求情報が入力されたとき、当該第2要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記中央制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該第2要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記他の制御装置が排他的に制御する旨に更新する第3更新手段と、
前記中央制御装置から更新要求情報が入力されたとき、当該更新要求情報に基づいて、前記第2要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記他の前記制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該第2要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を当該他の制御装置が排他的に制御する旨に更新する第4更新手段と、を備え、
前記中央制御装置は、
前記他の制御装置に前記第2要求情報が入力されると共に当該第2要求情報により示される前記被制御装置に対応して当該中央制御装置内に記憶されている前記排他制御情報が更新されたとき、前記第2要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記他の制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該第2要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を当該他の制御装置が排他的に制御する旨に更新するための前記更新要求情報を前記他の制御装置に出力する
出力手段を備えることを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項1から3又は5のいずれか一項に記載のネットワークシステムにおいて、
各前記排他制御情報は、当該各制御装置を他の前記制御装置から識別するための識別情報を夫々に記憶しており、
前記識別情報に基づき、いずれか一の前記制御装置を前記中央制御装置として設定する設定手段を更に備えることを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項1から3、5又は6のいずれか一項に記載のネットワークシステムにおいて、
前記中央制御装置と前記ネットワークシステムとの接続が切断されたとき、いずれか他の前記制御装置が新たな前記中央制御装置として設定されると共に、
当該新たな中央制御装置が前記第1更新手段及び第2更新手段を備えることを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項6に記載のネットワークシステムにおいて、
新たな前記制御装置が前記ネットワークシステムに接続されたとき、前記設定手段は、当該新たに接続された制御装置が前記中央制御装置となるべきか否かを、当該新たに接続された制御装置に記憶されていた前記識別情報に基づいて判断すると共に、
当該新たに接続された制御装置が前記中央制御装置として機能するとき、当該新たな中央制御装置は、他の前記制御装置のいずれかから前記排他制御情報を取得する取得手段を備えることを特徴とするネットワークシステム。 - 一又は複数の被制御装置と、一又は複数の制御装置と、を含むネットワークシステムであって、いずれかの前記被制御装置の動作をいずれかの前記制御装置から制御する際には、当該動作が制御される一の前記被制御装置と当該動作を制御する一の前記制御装置とが他の前記制御装置を排して一対一に対応付けられて当該動作が制御されるネットワークシステムに含まれる前記制御装置であって、
各前記被制御装置の動作がいずれの前記制御装置により制御されているかを示す排他制御情報を、各前記制御装置内の排他制御情報記憶手段に記憶させる記憶工程と、
前記記憶されている排他制御情報に基づいて、いずれかの前記被制御装置における前記動作を制御する動作制御工程と、
を含む制御方法が実行される制御装置が含まれている前記ネットワークシステムに含まれているいずれか一の前記制御装置である中央制御装置において実行される中央制御方法において、
前記ネットワークシステムに含まれているいずれかの前記被制御装置における前記動作を前記中央制御装置が制御することを要求する旨の要求情報が入力されたとき、当該要求情報により示される前記被制御装置に対応して当該中央制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する第1更新工程と、
前記要求情報が入力されたとき、前記要求情報により示される前記被制御装置に対応して前記中央制御装置以外の他の前記制御装置内に記憶されている前記排他制御情報を、当該要求情報により示される前記被制御装置の前記動作を前記中央制御装置が排他的に制御する旨に更新する第2更新工程と、
を含むことを特徴とする中央制御方法。 - コンピュータを、請求項1から8のいずれか一項に記載の中央制御装置として機能させることを特徴とする中央制御装置用プログラム。
- 請求項12に記載の中央制御装置用プログラムが前記コンピュータにより読取可能に記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
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