JP4355066B2 - バルコニー用壁パネル及びバルコニー用壁パネルと床部との接合構造 - Google Patents

バルコニー用壁パネル及びバルコニー用壁パネルと床部との接合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニーの壁を構成する壁パネルに関するものである。
【0002】
【背景の技術】
住宅の構築においては、その工業化が進み、例えば、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより、住宅を構築するといったパネル工法が一部に採用されている。
このパネル工法において、建物の壁を構築する場合に使用される壁パネルは、框材を矩形枠状に組み付け、その内側に補強桟材を縦、横もしくは縦横に組み付けてなる枠体の表裏両面に合板等の面材を取り付けることで構成されている。
【0003】
そして、例えば特開平6−57815号公報に示すように、このようなパネル工法により、バルコニーを施工する技術が知られている。
すなわち、この技術においては、パネル工法による2階建てや3階建てのプレファブ住宅において、1階等の下層階部分の上に、その建物本体の外壁パネルにバルコニー床パネル及びその上の左右のバルコニー側面壁パネルを接合するとともに、バルコニー正面壁パネルを接合し、これら側面壁パネル及び正面壁パネルの外側面と、バルコニー床パネルの端面とを覆うようにして、胴縁を介して外壁仕上材を設けることにより、バルコニーを施工している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、パネル工法についての工業化を進めるべく、工場等において予め外壁仕上材(サイディング)を壁パネルに取り付けておき、この外壁仕上材付き壁パネルを建築現場で組み立てることでバルコニーを施工したいという要望があった。
しかし、従来の技術では、以下に述べるような理由によって、バルコニーの施工に用いられる壁パネルに外壁仕上材を予め取り付けることができなかった。
すなわち、前述の通り、外壁仕上材はバルコニー床パネルの端面を覆うようにして設けられるため、外壁仕上材を予め壁パネルに取り付けるには、外壁仕上材の下端部が壁パネルの下端から下方に突出するようにして、外壁仕上材を壁パネルに取り付ける必要がある。
しかし、壁パネルを作業現場に運搬する際や、現場での作業の際に、この突出部分に外力が加わることにより、該突出部分に亀裂や割れが生じる可能性があった。特に、バルコニー用の壁パネルは、作業現場でクレーン等で吊上げてバルコニー施工場所に搬送されているので、この搬送中や設置する際に、外壁仕上材の突出部分が建築中の建物にぶつかる場合があり、この場合においても、外壁仕上材に亀裂や割れの生じる可能性があった。
そして、外壁仕上材に亀裂や割れが生じると、外壁仕上材を張り直す必要があり、非常に手間がかかることになるので、現状では、壁パネルに外壁仕上材を予め取り付けることは行っていなかった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、壁パネルに外壁仕上材を予め取り付けた状態でバルコニーを施工することができるバルコニー用壁パネル及びこのバルコニー用壁パネルと床部との接合構造を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項1記載のバルコニー用壁パネルは、例えば図1及び図3に示すように、バルコニーの壁を構成するバルコニー用壁パネルであって、
バルコニーの側壁を構成するバルコニー側壁用壁パネル10,10と、このバルコニー側壁用壁パネル10,10と接合されるバルコニー正面壁用壁パネル30とを備えており、
壁パネル11,31の表面(面材)11b,31b下端部に、延出板14,34が該壁パネル11,31の下端から下方に延出するようにして設けられており、
前記壁パネル11,31の表面に、外壁仕上材13,33が該壁パネル11,31の表面11b,31bを覆うように設けられており、
前記外壁仕上材13,33の下端部13a,33aは、前記壁パネル11,31の下端から下方に突出し、かつ、前記延出板14,34の下端より上方に配置されており、
前記バルコニー側壁用壁パネル10の壁パネル11に設けられる延出板14は、該バルコニー側壁用壁パネル10の壁パネル11の両側端から側方に延出するようにして設けられており、
これら双方の延出部分のうち、前記バルコニー正面壁用壁パネル30側に位置する延出部分は、前記バルコニー正面壁用壁パネル30の壁パネル31の厚みに相当する長さに設定されていることを特徴とする。
【0007】
ここで、壁パネル11としては、框材を矩形枠状に組み付け、その内側に補強桟材を縦、横もしくは縦横に組み付けてなる枠体11aの表裏両面に合板等の面材11b,11cを取り付けることで構成されているものが一般的である。また、このような壁パネルを複数枚連結した壁パネル31もある。
また、延出板14,34は、合板等で構成されている。そして、この延出板14,34は、前記壁パネル11,31の表面11b,31bの一方の側端から他方の側端にわたって連続的に設けられるのが好ましい。
また、外壁仕上材13,33の素材としては、例えば軽量気泡コンクリート等がある。
【0008】
請求項1記載のバルコニー用壁パネルにおいては、壁パネル11,31の表面下端部に、延出板14,34を該壁パネル11,31の下端から下方に延出するようにして設け、かつ、前記壁パネル11,31の下端から下方に突出した外壁仕上材13,33の下端部13a,33aは、前記延出板14,34の下端より上方に配置されているので、前記外壁仕上材13,33の下端部13a,33aがその裏側から延出板14,34によって補強されることになる。したがって、このようなバルコニー用壁パネル11,31を搬送したり取り扱う際に、外壁仕上材13,33の下端部13a,33aにある程度の外力が作用しても、この外力に耐えることができる。よって、外壁仕上材13,33を、その下端部13a,33aを壁パネル11,31の下端部から下方に突出させて壁パネル11,31に予め取り付けた状態で、バルコニー1を施工することができる。
【0009】
また、このようなバルコニー用壁パネルを、バルコニー1の床部(バルコニー用床パネル)50の上面縁部に、前記延出板14,34を前記床部50の端面に当接した状態で設置し、この状態で前記床部50とバルコニー用壁パネルとを連結することで、前記外壁仕上材13,33の下端部13a,33aが床部の端面の少なくとも一部を覆った状態でバルコニー1の壁を構築することができる。したがって、現場で外壁仕上材13,33を設ける作業を省略または簡略化できる。
【0010】
また、前記外壁仕上材13,33の下端部13a,33aは、前記延出板14,34の下端より上方に配置されているので、すなわち、前記延出板14,34の下端には、前記外壁仕上材13,33の下端部13a,33aより下方に延出している露出部(下端部)14a,34aが設けられているので、前記延出板14,34を前記床部50の端面に当接した状態で、前記延出板14,34の露出部14a,34aから前記床部50の端面に向かって釘等の止着材(釘)14b,34bを打ち込むことで、前記延出板14,34を前記床部50に固定することができる。
【0011】
請求項2記載のバルコニー用壁パネルは、例えば図1及び図3に示すように、請求項1記載のバルコニー用壁パネルにおいて、
前記外壁仕上材13,33は、胴縁12,12,32,32を介して前記壁パネル11,31の表面に設けられており、
前記延出板14,34の厚さが、前記胴縁12,12,32,32の厚さ以下とされていることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載のバルコニー用壁パネルにおいては、前記外壁仕上材13,33が、胴縁12,12,32,32を介して前記壁パネル11,31の表面に設けられており、前記延出板14,34の厚さが、前記胴縁12,12,32,32の厚さ以下とされているので、前記壁パネル11,31の表面と、前記外壁仕上材13,33との間隔を前記胴縁12,12,32,32の厚さに揃えることができる。すなわち、前記外壁仕上材13,33を、胴縁12,12,32,32を介して前記壁パネル11,31の表面に設けることで、前記延出板14,34の厚さによらず前記壁パネル11,31に対する前記外壁仕上材13,33の位置を一定にできる。
【0013】
請求項3記載のバルコニー用壁パネルは、例えば図1及び図3に示すように、請求項1または2記載のバルコニー用壁パネルにおいて、
前記壁パネル11,31の表面上端部には、防水シート19,39が該壁パネル11,31の上端から上方に延出するようにして設けられていることを特徴とする。
ここで、防水シート19,39が前記壁パネル11,31の上端から上方に延出している部分の長さは、該延出部分19a,39aで前記壁パネル11,31の上側端面から裏面の少なくとも上端部にわたって覆うことができる程度の長さであればよい。
【0014】
請求項3記載のバルコニー用壁パネルにおいては、前記壁パネル11,31の表面上端部に、防水シート19,39が該壁パネル11,31の上端から上方に延出するようにして設けられているので、この防水シート19,39の延出部分19a,39aを、前記壁パネル11,31の上端部から裏面の少なくとも上端部にわたって覆うようにして取り付けることで、壁パネル11,31の上端部防水加工を容易に行うことができる。
【0015】
請求項4記載のバルコニー用壁パネルは、例えば図1及び図3に示すように、請求項1〜3のいずれかに記載のバルコニー用壁パネルにおいて、
前記壁パネル11,31の裏面下端部には、該壁パネル11,31を床部50に接合する際に、接合部材(胴差ボルト、座金、ナット)60,63,64,70,73,74を挿入し締め付け操作するための穴16・・・,36・・・が形成されていることを特徴とする。
ここで、接合部材60,63,64,70,73,74としては、例えば床部50の下面からバルコニー用壁パネルを貫通して、該バルコニー用壁パネルの内部に突出する連結ボルト(胴差ボルト)60,70及び該連結ボルト60,70に螺合するナット64,73を使用することができる。また、ナット64,73の締め付け操作にはラジェットレンチ等を用いることができる。
【0016】
請求項4記載のバルコニー用壁パネルにおいては、前記壁パネル11,31の裏面下端部には、該壁パネル11,31を床部に接合する際に、接合部材60,63,64,70,73,74を挿入し締め付け操作するための穴16・・・,36・・・が形成されているので、バルコニー1の床部50の上面縁部に、前記バルコニー用壁パネルを前記延出板14,34が前記床部50の端面に当接された状態で設置し、この状態で前記床部50とバルコニー用壁パネルとを接合するに際し、前記穴16・・・,36・・・から接合部材60,63,64,70,73,74を挿入して締め付けることで、前記床部50と前記バルコニー用壁パネルとを接合できる。
また、前記壁パネル11,31の裏面11c,31cは、バルコニー1の内側を向くので、作業者はバルコニー1の床部50上で接合作業を行うことができ、よって安全に接合作業を行うことができる。
【0017】
請求項5記載のバルコニー用壁パネルと床部50との接合構造は、例えば図5及び図6に示すように、請求項1〜4のいずれかに記載のバルコニー用壁パネルと、床部50との接合構造であって、
前記床部50の上面縁部には、前記バルコニー用壁パネルがその延出板14,34を前記床部50の端面に当接した状態で設置され、この状態で前記床部50とバルコニー用壁パネルとが接合されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載のバルコニー用壁パネルと床部との接合構造においては、前記床部50の上面縁部には、前記バルコニー用壁パネルがその延出板14,34を前記床部50の端面に当接した状態で設置されているので、床部50に対するバルコニー用壁パネルの位置決めを容易かつ確実に行うことができる。また、前記外壁仕上材13,33の下端部13a,33aが前記床部50の端面の少なくとも一部を覆った状態となっているので、現場で外壁仕上材13,33を設ける作業を省略または簡略化できる。
【0019】
請求項6記載のバルコニー用壁パネルと床部との接合構造は、例えば図5及び図6に示すように、請求項4記載のバルコニー用壁パネルと、床部50との接合構造であって、
前記床部50の上面縁部には、前記バルコニー用壁パネルがその延出板14,34を前記床部50の端面に当接した状態で設置され、この状態で前記床部50とバルコニー用壁パネルとが接合されてなり、
この接合は、床部50の下面からバルコニー用壁パネルを貫通して、該バルコニー用壁パネルの内部に突出している連結ボルト(胴差ボルト)60,70に、前記穴16,36からナット64,73を挿入して該ナット64,73を螺合して締め付けることで行われていることを特徴とする。
【0020】
請求項6記載のバルコニー用壁パネルと床部50との接合構造においては、前記床部50の上面縁部には、前記バルコニー用壁パネルがその延出板14,34を前記床部50の端面に当接した状態で設置されているので、床部50に対するバルコニー用壁パネルの位置決めを容易かつ確実に行うことができる。また、前記外壁仕上材13,33の下端部13a,33aが前記床部50の端面の少なくとも一部を覆った状態となっているので、現場で外壁仕上材13,33を設ける作業を省略または簡略化できる。
【0021】
また、前記床部50の下面からバルコニー用壁パネルを貫通して、該バルコニー用壁パネルの内部に突出している連結ボルト60,70に、前記穴16,36からナット64,73を挿入して該ナット64,73を螺合して締め付けることにより、前記床部50と前記バルコニー用壁パネルとを容易かつ確実に接合できる。
また、前記壁パネル11,31の裏面11c,31cは、バルコニー1の内側を向くので、作業者はバルコニー1の床部50上で接合作業を行うことができ、よって安全に接合作業を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本実施の形態においては、図9に示すように、建物2の上階にバルコニー1を施工している。なお、図9はバルコニー1の外観を示した斜視図である。
建物2は、パネル工法により構築されるプレファブ住宅である。すなわち、建物2の壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより、建物2が構築される。
そして、バルコニー1は、建物2の外壁2aから突出するとともに、下層階の上に連続して構成されている。また、外壁2aがバルコニー1に面している部分には、開口4と、その開口4を開閉する窓4aが設けられている。
【0023】
ここで、外壁2aは、框材を矩形枠状に組み付け、その内側に補強桟材を縦、横もしくは縦横に組み付けてなる枠体の表裏両面に合板等の面材を取り付けることで構成されている壁パネルを複数接合してなる大型壁パネルの表面に、外壁仕上材を設けることで構成されている。
【0024】
バルコニー1は、図8及び図9に示すように、バルコニーの床部を構成するバルコニー用床パネル50、バルコニーの側壁を構成するバルコニー側壁用壁パネル(バルコニー用壁パネル)10,10、バルコニー正面壁用壁パネル(バルコニー用壁パネル)30等で構成されている。そして、これらバルコニー用床パネル50、バルコニー側壁用壁パネル10、バルコニー正面壁用壁パネル30は、工場で生産されるものである。
【0025】
以下、バルコニー1を構成する各要素の構成について図1〜図9に基づいて説明する。なお、図1はバルコニー正面壁用壁パネル30の縦断面図であり、図2はバルコニー正面壁用壁パネル30の正面図であり、図3はバルコニー側壁用壁パネル10の縦断面図であり、図4はバルコニー側壁用壁パネル10の正面図であり、図5は床パネル50とバルコニー正面壁用壁パネル30との接合部分を示した縦断面図であり、図6は床パネル50とバルコニー側壁用壁パネル10との接合部分を示した縦断面図であり、図7はバルコニー側壁用壁パネル10,10及びバルコニー正面壁用壁パネル30の平面図であり、図8はバルコニー1の施工場所にバルコニー正面壁用壁パネル30をクレーンで搬送する様子を示した斜視図である。
【0026】
バルコニー用床パネル50は、バルコニー1の床部を構成するものであって、建物2においてバルコニー1が設けられる階層の床部を構成する床パネルと連続または面一となって接合される。
そして、バルコニー用床パネル50は、框材51・・・を矩形枠状に組み付け、その内側に補強桟材を縦、横もしくは縦横に組み付けてなる枠体の表面に合板等の面材52を取り付けることで構成されている。
また、図示しないが、バルコニー用床パネル50には、バルコニー用壁パネル50をバルコニー施工場所に搬送するクレーンのワイヤーの先端に設けられたフックが挿入される吊り穴が形成されている。
【0027】
バルコニー正面壁用壁パネル30は、バルコニー1の正面側の壁を構成するものであり、壁パネル31、外壁仕上材32、延出板34、防水シート39等から構成されている。
壁パネル31は、框材を矩形枠状に組み付け、その内側に補強桟材を縦、横もしくは縦横に組み付けてなる枠体の表裏両面に合板等の面材を取り付けることで構成されている壁パネルを複数枚連結したものである。そして、この壁パネル31の端部を構成する框材からなる枠体を枠体31aとし、壁パネル31の表面を構成する面材を面材31bとし、壁パネル31の裏面を構成する面材を面材31cとする。
【0028】
壁パネル31の裏面を構成する面材31cの上端部には、壁パネル31をバルコニー施工場所に搬送するクレーンのワイヤー5の先端に設けられたフックが挿入される吊り穴38が2つ形成されており、面材31cの下端部には、壁パネル31をバルコニー床パネル50に接合する際に、接合部材(後述する胴差ボルト70、座金74、ナット73)を挿入し締め付け操作するための穴36が複数形成されている。
【0029】
延出板34は、合板で構成されており、壁パネル31の表面を構成する面材31bの下端部に、壁パネル31の下端から下方に延出しかつ壁パネル31の両側端から側方に延出するようにして設けられている。
なお、延出板34からビス35・・・を壁パネル31に打ち込むことで、延出板34が壁パネル31に固定されている。なお、図2では、ビス35・・・の一部のみ示しているが、実際には、延出板の長さ方向に複数設けられている。
また、延出板34の厚さは、後述する胴縁32,32の厚さ以下となっている。
【0030】
外壁仕上材33は、胴縁32,32を介して面材31bに設けられており、その素材は軽量気泡コンクリートである。
外壁仕上材33は、面材31b及び桁材20の側面を覆っており、かつ、その下端部33aが壁パネル31の下端から下方に突出しているが、前記下端部33aは、前記延出板34の下端部34aより上方に配置されている。なお、図2では外壁仕上材33を一部省略して示している。
【0031】
防水シート39は、面材31bの上端部に、壁パネル31の上端から上方に延出するようにして設けられている。
そして、防水シート39が壁パネル31の上端から上方に延出している部分(延出部分39a)の長さは、延出部分39aで桁材20の上側端面から壁パネル31の面材31cの上端部にわたって覆い、かつ、吊り穴38,38を覆うことができる程度の長さになっている。
また、防水シート39は壁パネル31の両側端から側方に延出しているが、この側方延出部分は、バルコニー正面壁用壁パネル30をバルコニー側壁用壁パネル10に接合した際に、該接合部分を覆って防水加工するのに用いられる。
なお、延出部分39a及び側方延出部分は、現場でバルコニーの防水加工を行うまでは折り畳まれており、作業の邪魔にならないようになっている。
【0032】
また、壁パネル31の上側端面には、桁材40が該上側端面を覆うようにして設けられており、壁パネル31の両側端面には、接合桁41が壁パネル31の上端から下端にわたって設けられており、面材31cには、吊り穴38,38及び穴36・・・が形成されている部分を除いて、防水シート31dが貼設されている。
【0033】
バルコニー側壁用壁パネル10は、バルコニー1の側壁を構成するものである。
このバルコニー正面壁用壁パネル30の構成は、バルコニー側壁用壁パネル10の構成とほぼ同様となっている。すなわち、このバルコニー側壁用壁パネル10は、壁パネル11、外壁仕上材12、延出板14、防水シート19等から構成されている。
【0034】
壁パネル11は、框材を矩形枠状に組み付け、その内側に補強桟材を縦、横もしくは縦横に組み付けてなる枠体11aの表裏両面に合板等の面材11b,11cを取り付けることで構成されている。
そして、壁パネル11の裏面を構成する面材11cの上端部には、壁パネル11をバルコニー施工場所に搬送するクレーンのワイヤーの先端に設けられたフックが挿入される吊り穴18が2つ形成されており、面材11cの下端部には、壁パネル11をバルコニー床パネル50に接合する際に、接合部材(後述する胴差ボルト60、座金63、ナット64)を挿入し締め付け操作するための穴16が複数形成されている。
【0035】
延出板14は、合板で構成されており、壁パネル11の表面を構成する面材11bの下端部に、壁パネル11の下端から下方に延出しかつ壁パネル11の両側端から側方に延出するようにして設けられている。
なお、延出板14からビス15・・・を壁パネル11に打ち込むことで、延出板14が壁パネル11に固定されている。なお、図4ではビス15を省略して示している。
また、延出板14の厚さは、後述する胴縁12,12の厚さ以下となっている。
そして、延出板14の上方において、面材11bの一方の側端に、合板で構成されたガセット21が壁パネル11の一方の側端から側方に延出するようにして設けられており、面材11bの他方の側端に、当接板22が設けられている。
【0036】
そして、胴縁12,12が面材11bのガセット21の側縁部から当接板22の側縁部にわたって設けられており、外壁仕上材13は、この胴縁12,12を介して面材11bに設けられている。
外壁仕上材13は、面材11b及び桁材20の側面を覆っており、かつ、その下端部13aが壁パネル11の下端から下方に突出しているが、前記下端部13aは、前記延出板14の下端部14aより上方に配置されている。なお、図2では外壁仕上材13を省略して示している。なお、外壁仕上材13の素材は軽量気泡コンクリートである。なお、図4では外壁仕上材13を省略している。
【0037】
防水シート19は、面材11bの上端部に、壁パネル11の上端から上方に延出するようにして設けられている。
そして、防水シート19が壁パネル11の上端から上方に延出している部分(延出部分19a)の長さは、延出部分19aで桁材20の上側端面から壁パネル11の面材11cの上端部にわたって覆うことができ、かつ、吊り穴18,18を覆うことができる程度の長さになっている。
【0038】
また、防水シート19は壁パネル11の一方の側端から側方に延出しているが、この側方延出部分は、バルコニー側壁用壁パネル10をバルコニー正面壁用壁パネル30に接合した際に、該接合部分を覆って防水加工するのに用いられる。なお、延出部分19a及び側方延出部分は、現場でバルコニーの防水加工を行うまでは折り畳まれており、作業の邪魔にならないようになっている。
また、壁パネル11の上側端面には、桁材20が該上側端面を覆うようにして設けられており、面材11cには、吊り穴18,18及び穴16・・・が形成されている部分を除いて、防水シート11dが貼設されている。
【0039】
つぎに、バルコニー1の施工方法について図5〜図9に基づいて説明する。
バルコニー正面壁用壁パネル30、バルコニー側壁用壁パネル10,10、バルコニー用床パネル50は、クレーンで吊り上げてバルコニー1の施工場所に搬送される。
具体的には、図6に示すように、バルコニー正面壁用壁パネル30を搬送する場合であれば、吊り穴38,38にクレーンに取り付けられたワイヤー5の先端のフックを挿入して該フックを引っかけることによりワイヤー5をバルコニー側壁用壁パネル30に固定した後、クレーンでバルコニー正面壁用壁パネル30を吊り上げる。
【0040】
同様に、バルコニー側壁用壁パネル10を搬送する場合であれば、吊り穴18,18にクレーンに取り付けられたワイヤーの先端のフックを挿入して該フックを引っかけることによりワイヤーをバルコニー側壁用壁パネル10に固定した後、クレーンでバルコニー側壁用壁パネル10を吊り上げる。また、バルコニー用床パネル50をバルコニー1の施工場所に搬送する場合も同様である。
【0041】
バルコニー1の施工場所に搬送されたバルコニー用床パネル50は、建物2においてバルコニー1が設けられる階層の床部を構成する床パネルと連続または面一となって接合される。そして、バルコニー用床パネル50端面のうち、バルコニー1の側面側の端面には胴差53,53が接合され、バルコニー1の正面側の端面には胴差54が接合される。
【0042】
そして、バルコニー正面壁用壁パネル30と、バルコニー用床パネル50とは以下のようにして接合される。なお、バルコニー正面壁用壁パネル30と、バルコニー用床パネル50とを接合する際に、バルコニー下壁パネル110がバルコニー用床パネル50に接合される。
【0043】
ここで、バルコニー下壁パネル110は、框材を矩形枠状に組み付け、その内側に補強桟材を縦、横もしくは縦横に組み付けてなる枠体の表裏両面に合板等の面材を取り付けることで構成されている壁パネルを複数枚連結した壁パネルの表面を構成する合板に、胴縁112,112を介して外壁仕上材113を取り付けたものである。また、壁パネルの表面上端部には外壁仕上材113によって覆われていない未艤装部分があり、この部分には胴縁111が設けられている。
【0044】
バルコニー用床パネル50の框材51と胴差54との接合部分に、該接合部分の上端部から下端部に連通するボルト穴58を形成する。一方、壁パネル31の下端部を構成する框材にボルト穴を形成しておくとともに、バルコニー下壁パネル110の上端部を構成する框材110aにボルト穴を形成しておく。また、バルコニー下壁パネル110の裏面上端部に、後述する胴差ボルト70等の接合部材を挿入し締め付け操作するための穴を形成しておく。
【0045】
そして、バルコニー下壁パネル110の上端面を、バルコニー床パネル50及び胴差54の下端面に、框材110aのボルト穴がボルト穴58と連通するようにして突き当てる。ついで胴差ボルト70を、バルコニー下壁パネル110の裏面の穴から挿入し、框材110aのボルト穴及びボルト穴58を通して、バルコニー用床パネル50の上端部から突出させる。
ついで、前記穴から座金71及びナット72を挿入し、胴差ボルト70に座金71を外挿するとともナット72を螺合して、ナット72を締め付ける。なお、締め付けにはラジェットレンチを用いる。
【0046】
ついで、バルコニー正面壁用壁パネル30を、胴差ボルト70の突出部が前記壁パネル31の下端部を構成する框材のボルト穴を貫通し、かつ延出板34が胴差54に当接した状態でバルコニー用床パネル50の上面縁部に設置し、胴差ボルト70をバルコニー正面壁用壁パネル30の内部に突出させる。
ついで、突出した胴差ボルト70に、前記穴36から座金74及びナット73を挿入して、座金74を胴差ボルト70に外挿するとともに、ナット73を螺合し、ラジェットレンチを穴36から挿入して締め付ける。
【0047】
ついで、バルコニー正面壁用壁パネル30の内側からバルコニー用床パネル50に向かって釘75を打ち込むとともに、延出板34の下端部34aから胴差54に向かって釘34bを打ち込む。
上記のような接合構造を複数箇所に形成することで、バルコニー正面壁用壁パネル30及びバルコニー下壁パネル110と、バルコニー用床パネル50とを接合する。
ここで、バルコニー正面壁用壁パネル30の穴36は、バルコニー1の内側を向くので、作業者はバルコニー用床パネル50上で接合作業を行うことができる。
【0048】
そして、バルコニー側壁用壁パネル10とバルコニー用床パネル50との接合は、前記バルコニー正面壁用壁パネル30とバルコニー用床パネル50との接合と同様に行う。なお、バルコニー側壁用壁パネル10と、バルコニー用床パネル50とを接合する際に、バルコニー下壁パネル120がバルコニー用床パネル50に接合される。
【0049】
ここで、バルコニー下壁パネル120は、框材を矩形枠状に組み付け、その内側に補強桟材を縦、横もしくは縦横に組み付けてなる枠体の表裏両面に合板等の面材を取り付けることで構成されている壁パネルを複数枚連結した壁パネルの表面を構成する合板に、胴縁122,122を介して外壁仕上材123を取り付けたものである。また、壁パネルの表面上端部には外壁仕上材123によって覆われていない未艤装部分があり、この部分には胴縁121が設けられている。
【0050】
バルコニー用床パネル50の框材51と胴差53との接合部分に、該接合部分の上端部から下端部に連通するボルト穴56を形成する。一方、壁パネル11の下端部を構成する框材にボルト穴を形成しておくとともに、バルコニー下壁パネル120の上端部を構成する框材120aにボルト穴を形成しておく。また、バルコニー下壁パネル120の裏面上端部に、後述する胴差ボルト60等の接合部材を挿入し締め付け操作するための穴を形成しておく。
【0051】
そして、バルコニー下壁パネル120の上端面を、バルコニー床パネル50及び胴差53の下端面に、框材120aのボルト穴がボルト穴56と連通するようにして突き当てる。ついで胴差ボルト60を、バルコニー下壁パネル120の裏面の穴から挿入し、框材120aのボルト穴及びボルト穴56を通して、バルコニー用床パネル50の上端部から突出させる。
ついで、前記穴から座金61及びナット62を挿入し、胴差ボルト60に座金61を外挿するとともナット62を螺合して、ナット62を締め付ける。なお、締め付けにはラジェットレンチを用いる。
【0052】
ついで、バルコニー側壁用壁パネル10を、胴差ボルト60の突出部が前記壁パネル11の下端部を構成する框材のボルト穴を貫通し、かつ延出板14が胴差53に当接した状態でバルコニー用床パネル50の上面縁部に設置し、胴差ボルト60をバルコニー側壁用壁パネル10の内部に突出させる。
ついで、突出した胴差ボルト60に、前記穴16から座金63及びナット64を挿入して、座金63を胴差ボルト60に外挿するとともに、ナット64を螺合し、ラジェットレンチを穴16から挿入して締め付ける。
【0053】
ついで、バルコニー側壁用壁パネル10の内側からバルコニー用床パネル50に向かって釘65を打ち込むとともに、延出板14の下端部14aから胴差53に向かって釘14bを打ち込む。
上記のような接合構造を複数箇所に形成することで、バルコニー側壁用壁パネル10と、バルコニー用床パネル50とを接合する。
ここで、バルコニー側壁用壁パネル10の穴16は、バルコニー1の内側を向くので、作業者はバルコニー用床パネル50上で接合作業を行うことができる。
【0054】
そして、バルコニー正面壁用壁パネル30及びバルコニー側壁用壁パネル10,10と、バルコニー用床パネル50とを接合する一方で、バルコニー正面壁用壁パネル30とバルコニー側壁用壁パネル10,10とを接合する。
すなわち、図6に示すように、バルコニー正面壁用壁パネル30の側面の両縁部に、それぞれバルコニー側壁用壁パネル10の一方の側端面を、ガセット21がバルコニー正面壁用壁パネル30の接合桁41,41の側端面に当接した状態で当接するとともに当接部分を接着剤で固定する。
【0055】
ついで、バルコニー正面壁用壁パネル30からバルコニー側壁用壁パネル10,10にわたって釘等の止着材を打ち込むとともに、ガセット21,21から接合桁41,41に向かって釘等の止着材を打ち込む。
この作業により、バルコニー正面壁用壁パネル30とバルコニー側壁用壁パネル10,10とを接合する。
ついで、バルコニー側壁用壁パネル10,10の他方の側端面を、建物2の外壁2aに接合する。
【0056】
ついで、バルコニー1の防水加工を行う。
バルコニー1の壁部の上端部は、バルコニー正面壁用壁パネル30及びバルコニー側壁用壁パネル10,10の防水シート19,19,39の延出部分19a,19a,39aを、壁パネル11,11,31の上端部から面材11c,11c,31cの上端部にわたって覆うようにして、防水シート11d,11d,31dに取り付けることで、防水加工される。ここで、延出部分19a,19a,39aは、吊り穴18・・・,38,38を覆うようにして取り付ける。
また、バルコニー正面壁用壁パネル30及びバルコニー側壁用壁パネル10,10との接合部分の上端部は、防水シート19,19,39の側方延出部分を、前記接合部分の上端部に取り付けることで、防水加工される。
【0057】
バルコニー1の床部及びバルコニー1の壁部の下端部は、以下のようにして防水加工される。
すなわち、図5及び図6に示すように、上端部が長さ方向に勾配している勾配板材80を、その上端部がバルコニー正面壁用壁パネル30に向かって下向きに勾配するようにして、バルコニー用床パネル50上に複数設ける。ついで、勾配板材80・・・の先端部どうしを框材で連結し、一方、勾配板材80・・・の基端部どうしを框材で連結する。ここで、勾配板材80・・・は、バルコニー正面壁用壁パネル30との間に所定の隙間を開けて設けられるが、この隙間が排水溝81となる。なお、この排水溝81には、排水をバルコニー1外部に排出するための排出穴が一又は複数設けられる。
【0058】
ついで、勾配板材80・・・の上方から、勾配板材80を覆うようにして合板を取り付け、この合板の表面と、排出溝81と、バルコニー正面壁用壁パネル30及びバルコニー側壁用壁パネル10,10の面材11c,11c,31dの下端部とにわたって、すなわち、バルコニー1の床部の表面及び壁部の内側面の下端部にわたって、防水シート(塩ビシート)90を防水シート11d,31dに溶着することで、防水加工される。ここで、防水シート90は、面材11c,11c,31cに形成されている穴16・・・,36・・・を覆うようにして、溶着される。
【0059】
そして、バルコニー1の仕上げを行う。
すなわち、図9に示すように、バルコニー1の内側を向く面に内装仕上げ材を設け、外壁仕上材13,13,33の下方において、延出板14,14,34の下端部14a,14a,34a、胴差53,53,54、バルコニー下壁パネル110の未艤装部分及びバルコニー下壁パネル120の未艤装部分を覆うようにして、幕板100,100,101を設ける。さらに、バルコニー正面壁用壁パネル30の表面両側縁部に幕板102,102を設ける。
一方、バルコニー側壁用壁パネル10,10及びバルコニー正面壁用壁パネル30の上端部にわたって、手摺3を設ける。
以上の作業により、建物2にバルコニー1が施工される。
【0060】
以上により、本実施の形態によれば、バルコニー側壁用壁パネル10及びバルコニー正面壁用壁パネル30において、壁パネル11,31の面材11b,31bの下端部に、延出板14,34を壁パネル11,31の下端から下方に延出するようにして設け、かつ、壁パネル11,31の下端から下方に突出した外壁仕上材13,33の下端部13a,33aは、延出板14,34の下端より上方に配置されているので、外壁仕上材13,33の下端部13a,33aがその裏側から延出板14,34によって補強されることになる。したがって、バルコニー側壁用壁パネル10及びバルコニー正面壁用壁パネル30を搬送したり取り扱う際に、外壁仕上材13,33の下端部13a,33aにある程度の外力が作用しても、この外力に耐えることができる。よって、外壁仕上材13,33をその下端部13a,33aが壁パネル11,31の下端から下方に突出させて壁パネル11,31に予め取り付けた状態で、バルコニー1を施工することができる。
【0061】
また、外壁仕上材13,33が、胴縁12,12,32,32を介して壁パネル11,31の表面に設けられており、延出板14,34の厚さが、胴縁12,12,32,32の厚さ以下とされているので、壁パネル11,31の表面と、外壁仕上材13,33との間隔を胴縁12,12,32,32の厚さに揃えることができる。すなわち、外壁仕上材13,33を、胴縁12,12,32,32を介して壁パネル11,31の表面に設けることで、延出板14,34の厚さによらず壁パネル11,31に対する外壁仕上材13,33の位置を一定にできる。
【0062】
さらに、壁パネル11,31の面材11b、31bの上端部に、防水シート19,39が壁パネル11,31の上端から上方に延出するようにして設けられているので、防水シート19,39の延出部分19a,39aを、壁パネル11,31の上端部から面材11c,31cの上端部にわたって覆うようにして取り付けることで、壁パネル11,31の上端部防水加工を容易に行うことができる。
【0063】
また、バルコニー1を施工するに際し、バルコニー用床パネル50の上面縁部に、バルコニー側壁用壁パネル10及びバルコニー正面壁用壁パネル30を、延出板14,34が胴差53,54の端面に当接した状態で設置したので、バルコニー用床パネル50に対するバルコニー側壁用壁パネル10及びバルコニー正面壁用壁パネル30の位置決めを容易かつ確実に行うことができる。また、この状態で、延出板14,34の下端部14a,34aから胴差53,54の端面に向かって釘14b,34bを打ち込むことで、延出板14,34を胴差53,54に固定することができる。さらに、この状態では、外壁仕上材13,33の下端部13a,33aが胴差54,55の端面の一部を覆っているので、現場で外壁仕上材を設ける作業を簡略化できる。
【0064】
また、切り欠き55,57からボルト穴56,58を通して、バルコニー側壁用壁パネル10、バルコニー正面壁用壁パネル30の内部に突出している連結ボルト60,70に、穴16,36からナット64,73を挿入してナット64,73を螺合してラジェットレンチで締め付けることにより、バルコニー用床パネル50とバルコニー側壁用壁パネル10及びバルコニー正面壁用壁パネル30とを容易かつ確実に接合できる。
また、面材11c,31cは、バルコニー1の内側を向くので、作業者はバルコニー1のバルコニー用床パネル50上で接合作業を行うことができ、よって安全に接合作業を行うことができる。
【0065】
なお、以上の実施の形態においては、バルコニー1の正面側の壁をバルコニー正面壁用壁パネル30を一つだけ用いて構築するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のバルコニー正面壁用壁パネルを用いてバルコニー1の正面側の壁を構築してもよい。
この場合、図10に示すように、バルコニー正面壁用壁パネル30において、壁パネル31の一方の側端面に接合桁41を設ける代わりに、合板で構成されたガセット42が、壁パネル31の一方の側端から側方に延出するようにして設けられたバルコニー正面壁用壁パネル30aを用いる。なお、図10は、バルコニー正面壁用壁パネル30aとバルコニー正面壁用壁パネル30bとの接合部分を示した図である。
【0066】
そして、他のバルコニー正面壁用壁パネル30bの一方の側端面に、このバルコニー正面壁用壁パネル30aの一方の側端面を、ガセット42の延出部分を他のバルコニー正面壁用壁パネル30bの表面に当接させた状態で当接し、接着剤や釘等の止着材で当接部分を固定するとともに、前記ガセット42の延出部分から他のバルコニー正面壁用壁パネル30bに釘等の止着材を打ち込むことで、バルコニー正面壁用壁パネルどうしを接合する。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明に係るバルコニー用壁パネルによれば、前記外壁仕上材の下端部がその裏側から延出板によって補強されることになるので、このようなバルコニー用壁パネルを搬送したり取り扱う際に、外壁仕上材の下端部にある程度の外力が作用しても、この外力に耐えることができる。よって、外壁仕上材をその下端部が壁パネルの下端部から下方に突出させた状態で壁パネルに予め取り付けた状態で、バルコニーを施工することができる。
【0068】
また、このようなバルコニー用壁パネルを、バルコニーの床部の上面縁部に、前記延出板を前記床部の端面に当接した状態で設置し、この状態で前記床部とバルコニー用壁パネルとを連結することで、前記外壁仕上材の下端部が床部の端面の少なくとも一部を覆った状態でバルコニーの壁を構築することができる。したがって、現場で外壁仕上材を設ける作業を省略または簡略化できる。また、前記延出板の下端には、前記外壁仕上材の下端部より下方に延出している露出部が設けられているので、前記延出板を前記床部の端面に当接した状態で、前記延出板の露出部から前記床部の端面に向かって釘等の止着材を打ち込むことで、前記延出板を前記床部に固定することができる。
【0069】
請求項2記載の発明に係るバルコニー用壁パネルによれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記外壁仕上材が、胴縁を介して前記壁パネルの表面に設けられており、前記延出板の厚さが、前記胴縁の厚さ以下とされているので、前記壁パネルの表面と、前記外壁仕上材との間隔を前記胴縁の厚さに揃えることができる。すなわち、前記外壁仕上材を、胴縁を介して前記壁パネルの表面に設けることで、前記延出板の厚さによらず前記壁パネルに対する前記外壁仕上材の位置を一定にできる。
【0070】
請求項3記載の発明に係るバルコニー用壁パネルによれば、請求項1または2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記防水シートの延出部分を、前記壁パネルの上端部から裏面の少なくとも上端部にわたって覆うようにして取り付けることで、壁パネルの上端部防水加工を容易に行うことができる。
【0071】
請求項4記載の発明に係るバルコニー用壁パネルによれば、請求項1〜3のいずれかと同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、バルコニーの床部の上面縁部に、前記バルコニー用壁パネルを前記延出板が前記床部の端面に当接された状態で設置し、この状態で前記床部とバルコニー用壁パネルとを接合するに際し、前記穴から接合部材を挿入して締め付けることで、前記床部と前記バルコニー用壁パネルとを接合できる。
また、前記壁パネルの裏面は、バルコニーの内側を向くので、作業者はバルコニーの床部上で接合作業を行うことができ、よって安全に接合作業を行うことができる。
【0072】
請求項5記載の発明に係るバルコニー用壁パネルと床部との接合構造によれば、前記床部の上面縁部には、前記バルコニー用壁パネルがその延出板を前記床部の端面に当接した状態で設置されているので、床部に対するバルコニー用壁パネルの位置決めを容易かつ確実に行うことができる。また、前記外壁仕上材の下端部が前記床部の端面の少なくとも一部を覆った状態となっているので、現場で外壁仕上材を設ける作業を省略または簡略化できる。
【0073】
請求項6記載の発明に係るバルコニー用壁パネルと床部との接合構造によれば、前記床部の上面縁部には、前記バルコニー用壁パネルがその延出板を前記床部の端面に当接した状態で設置されているので、床部に対するバルコニー用壁パネルの位置決めを容易かつ確実に行うことができる。また、前記外壁仕上材の下端部が前記床部の端面の少なくとも一部を覆った状態となっているので、現場で外壁仕上材を設ける作業を省略または簡略化できる。
【0074】
また、前記床部の下面からバルコニー用壁パネルを貫通して、該バルコニー用壁パネルの内部に突出している連結ボルトに、前記穴からナットを挿入して該ナットを螺合して締め付けることにより、前記床部と前記バルコニー用壁パネルとを容易かつ確実に接合できる。
また、前記壁パネルの裏面は、バルコニーの内側を向くので、作業者はバルコニーの床部上で接合作業を行うことができ、よって安全に接合作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としてのバルコニー正面壁用壁パネルの縦断面図である。
【図2】同、バルコニー正面壁用壁パネルの正面図である。
【図3】同、バルコニー側壁用壁パネルの縦断面図である。
【図4】同、バルコニー側壁用壁パネルの正面図である。
【図5】同、バルコニー用床パネルとバルコニー正面壁用壁パネルとの接合部分を示した縦断面図である。
【図6】同、バルコニー用床パネルとバルコニー側壁用壁パネルとの接合部分を示した縦断面図である。
【図7】同、バルコニー側壁用壁パネル及びバルコニー正面壁用壁パネルの平面図である。
【図8】同、バルコニーの施工場所にバルコニー正面壁用壁パネルをクレーンで搬送する様子を示した斜視図である。
【図9】バルコニーの外観を示した斜視図である。
【図10】実施の形態の例外としての、バルコニー正面壁用壁パネルどうしの接合部分を示した図である。
【符号の説明】
1 バルコニー
10 バルコニー側壁用壁パネル(バルコニー用壁パネル)
11,31 壁パネル
11b,31b 面材(表面)
11c,31c 面材(裏面)
12,32 胴縁
13,33 外壁仕上材
13a.33a 外壁仕上材の下端部
14,34 延出板
16,36 穴
19,39 防水シート
30,30a,30b バルコニー正面壁用壁パネル(バルコニー用壁パネル)
60,70 胴差ボルト(接合部材)
63,74 座金(接合部材)
64,73 ナット(接合部材)

Claims (6)

  1. バルコニーの壁を構成するバルコニー用壁パネルであって、
    バルコニーの側壁を構成するバルコニー側壁用壁パネルと、このバルコニー側壁用壁パネルと接合されるバルコニー正面壁用壁パネルとを備えており、
    壁パネルの表面下端部に、延出板が該壁パネルの下端から下方に延出するようにして設けられており、
    前記壁パネルの表面に、外壁仕上材が該壁パネルの表面を覆うように設けられており、
    前記外壁仕上材の下端部は、前記壁パネルの下端から下方に突出し、かつ、前記延出板の下端より上方に配置されており、
    前記バルコニー側壁用壁パネルの壁パネルに設けられる延出板は、該バルコニー側壁用壁パネルの壁パネルの両側端から側方に延出するようにして設けられており、
    これら双方の延出部分のうち、前記バルコニー正面壁用壁パネル側に位置する延出部分は、前記バルコニー正面壁用壁パネルの壁パネルの厚みに相当する長さに設定されていることを特徴とするバルコニー用壁パネル。
  2. 請求項1記載のバルコニー用壁パネルにおいて、
    前記外壁仕上材は、胴縁を介して前記壁パネルの表面に設けられており、
    前記延出板の厚さが、前記胴縁の厚さ以下とされていることを特徴とするバルコニー用壁パネル。
  3. 請求項1または2記載のバルコニー用壁パネルにおいて、
    前記壁パネルの表面上端部には、防水シートが該壁パネルの上端から上方に延出するようにして設けられていることを特徴とするバルコニー用壁パネル。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のバルコニー用壁パネルにおいて、
    前記壁パネルの裏面下端部には、該壁パネルを床部に接合する際に、接合部材を挿入し締め付け操作するための穴が形成されていることを特徴とするバルコニー用壁パネル。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のバルコニー用壁パネルと、床部との接合構造であって、
    前記床部の上面縁部には、前記バルコニー用壁パネルがその延出板を前記床部の端面に当接した状態で設置され、この状態で前記床部とバルコニー用壁パネルとが接合されていることを特徴とするバルコニー用壁パネルと床部との接合構造。
  6. 請求項4記載のバルコニー用壁パネルと、床部との接合構造であって、
    前記床部の上面縁部には、前記バルコニー用壁パネルがその延出板を前記床部の端面に当接した状態で設置され、この状態で前記床部とバルコニー用壁パネルとが接合されてなり、
    この接合は、床部の下面からバルコニー用壁パネルを貫通して、該バルコニー用壁パネルの内部に突出している連結ボルトに、前記穴からナットを挿入して該ナットを螺合して締め付けることで行われていることを特徴とするバルコニー用壁パネルと床部との接合構造。
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