JP4352377B2 - Lpgの熱交換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体のLPG(液化石油ガス)を加熱気化するとともに所定圧力に調整して吸気管路に送出することによりエンジンに供給するLPG供給装置に用いられるLPGの熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
LPGは従前より火花エンジンの燃料に用いられているが、ベーパライザ(レギュレータ)とミキサとを使用して大気圧程度に減圧した気化ガスとして吸気管路に吸引させてエンジンに供給する方式が一般に知られている。一方、この方式に代えて実開昭59−43659号公報などに記載されているように、液体のまま吸気管路に噴射させる方式も提案されたが、この方式は液体のLPGが温度の影響を受けて容易に気化することで噴射量が不安定になるため、実用化が困難である。
【0003】
これに対し、特開平6−17709号公報などに記載されているようなLPGを所定正圧の気化ガスに調整して吸気管路に噴射させる方式は、噴射量を不安定にしないため実用化に有利である。そして、液体のLPGを加熱気化させる手段としてエンジン冷却水を用いることが慣用されているが、このようなエンジン冷却水の熱を利用する加熱気化手段は、冷機時において液体LPGを充分に気化できない、という不都合がある。そこで、例えば特開平5−223014号公報や特開平11−324813号公報に記載されているように、LPGを気化して大気圧程度に減圧するベーパライザについて、エンジン冷却水の熱を利用することに加えて、LPG経路中に電気ヒータ(PTCヒータ)を配置し、冷却水が低温の場合でもLPGを気化可能とすることが提案されている。
【0004】
ところが、自動車エンジンの場合、蓄電池や発電機由来の電力を利用する電気ヒータの加熱能力は冷却水に比べて著しく低い。従って、エンジン冷却水で加熱気化されるLPGの同一経路中に電気ヒータを設置した前記手段では、低温始動直後にエンジン運転状態によっては電気ヒータの気化能力を超えた流量のLPGが液体のまま吸気管路に送出されて混合気過濃となりエンジンが停止して再始動が不能になる、という問題を生じる。
【0005】
また、前記各公報に記載されているPTCヒータ等の電気ヒータに重ねられてLPGを加熱する伝熱板は、電気ヒータの一表面のみをLPGの加熱気化に使用しているので、電気ヒータをLPGの圧力から保護するように耐圧製をもたせる必要がある。従って、これらの伝熱板が厚肉であることに加えて、熱が反対側の面から熱交換器外に放散しやすいため、LPG側の温度上昇が遅いばかりか熱効率も悪い。そのため、始動直後におけるLPGの気化が不十分となったり、電源から得られる電力では加熱能力不足が解消されなかったりすることが多い。また、加熱能力不足に対応するため電気ヒータの大型化や多数化を図ると、レギュレータや熱交換器の高価格化および消費電力量の増加を招く等の不都合も伴う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、液体のLPGを加熱気化するとともに所定圧力に調整して吸気管路に供給するLPG供給装置に用いられるエンジン冷却水と電気ヒータとを併用したLPG供給装置の熱交換器について、低温時などのLPGの気化が不可能または不十分となりやすい場合に、少ない電力消費量でも加熱開始から短時間でLPGを確実に気化させて送出し、低温始動性を高めることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、液体LPGを加熱気化するとともに所定圧力に調整してエンジンの吸気管路に送出するLPG供給装置における圧力調整器の入口側に配置されるLPGの熱交換器について、液体LPGを加熱気化する熱源をPTCヒータとし、前記PTCヒータの両表面に沿い所定流量のLPGが通過可能な間隔をもった空間を形成する流路規制手段を設け、且つ、前記空間を前記PTCヒータ両表面のそれぞれほぼ全面に沿い拡がっているものとした。
【0008】
このことにより、エンジン冷却水の温度が低くLPGの気化が不可能または不十分な場合でも、PTCヒータを熱源に使用することにより加熱気化することができる。即ち、熱交換器内に流入した液体LPGは流路規制手段により流量を規制されてPTCヒータ両表面に沿って形成された空間を流れることから、発生した熱が無駄なく液体LPGの加熱に働き、熱効率が良好となって消費電力量が少なくなるとともに、小形或いは少数のPTCヒータで充分に液体LPGを加熱気化できるものである。加えて熱効率の改善により、PTCヒータに通電してからLPGが気化するまでの時間も短縮され、低温始動性がきわめて良好となる。
【0009】
また、前述したLPGの熱交換器において、前記流路規制手段により形成された空間を、LPGの流量をPTCヒータのLPG気化能力以内に制限する容積とすれば、LPGがPTCヒータの気化能力を超えて液体のまま送出されるのを防ぐことができる。
【0010】
さらに、前述した各LPGの熱交換器において、PTCヒータを長方形の平板として横長かつ鉛直に配置し、その両表面のそれぞれに伝熱板を配置すれば伝熱面上のLPG加熱面積が大きくなるため熱効率がさらに良好となって液体LPGの気化がより確実となる。加えて、PTCヒータの下端側にLPG流入口を設け上端側にLPG流出口を設けるものとすれば、液体LPGが流出口から液体のまま流出するという不都合をなくすことができる。
【0011】
さらにまた、前述したPTCヒータ長方形の平板としたLPGの熱交換器において、流路規制手段を、前記伝熱板と、当該伝熱板と互いに向かい合って配置されこれらの間に前記所定流量のLPGが通過可能な間隔をもった空間を形成する壁体とからなるものとすれば、LPGが確実に伝熱板に沿って流れながら通過するLPG流路を容易に形成することができる。この場合、LPG流入口とLPG流出口をPTCヒータの対角位置に配置すれば、LPGの加熱区間を最も長くすることができるため、さらに熱効率が良くなってより確実な気化が期待できる。
【0012】
そして、このようなPTCヒータを少なくとも二枚以上並列に設け、各PTCヒータの両表面にそれぞれ伝熱板を配置するとともにこれら伝熱板との間に前述した空間を形成する壁体を設ければ、伝熱面の面積が増大して大量の気化LPGを送出できるようになる。
【0013】
加えて、前述したPTCヒータを平板状の長方形としたLPGの熱交換器において、伝熱板をPTCヒータに接するようにするとともに電極を兼ねるようにすれば、従来の電極を廃止して構造を簡易かつコンパクトにすることができ、その電極を兼ねた伝熱板を導電性の接着剤を介してPTCヒータに接着すれば、導電性がさらに向上するとともに確実な熱伝導も実現することができる。
【0014】
さらに、伝熱板を導電性の接着剤を介してPTCヒータに接着したLPGの熱交換器において、伝熱板と協働して流路規制手段を形成する壁体に向かって伝熱板に少なくとも一つの凸部を設けるとともにこの凸部の内側に導電性の接着剤を充填してPTCヒータと接着するようにすれば、壁体と伝熱板との間隔を一定に保持しやすくなるとともに接着時にこの接着剤が漏れて電流を短絡させる、という心配をなくすことができる。
【0015】
或いは、壁体の一部に伝熱板に向けて突出させた少なくとも一つの凸部を設け、この凸部により伝熱板をPTCヒータに密着固定させるものとすれば、伝熱板がPTCヒータに安定良く接触固定して伝熱効率がきわめて高い状態を形成させるとともに、前述した伝熱板の凸部と同様に壁体と伝熱板との間隔を一定に保持しやすくなる。
【0016】
さらに加えて、伝熱板および壁体の両方に少なくとも一つの凸部を設けたものとしても、前記同様にPTCヒータの全表面に伝熱板に更に確実に密着させることができるともに、壁体と伝熱板との間隔を全体に亘って一定に保持しやすくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明すると、図1に概略の配置を示した燃料供給装置において、本実施の形態では、エンジン冷却水を熱源とする熱交換器を主熱交換器21、本発明に係るPTCヒータを熱源とする熱交換器を副熱交換器22とし、これらを並列配置してそのいずれかをLPGが通過するようにされており、その流路切換手段を切換器6としている。
【0018】
図1を参照して、ボンベ5に貯留されたLPGは液体LPG流路9A,気体LPG流路9Bを通ってエンジン4の吸気管路4bに設置した燃料噴射弁7に供給され、その経路中に切換器6、熱交換器2、圧力調整器3が配置されている。ボンベ5に液体の状態で貯留されているLPGは、液体LPG流路9Aを通って切換器6に送られる。ボンベ5には、温度センサ11aと圧力センサ12とが設置され、これらが検出したボンベ5内の液体LPGの温度と圧力とは電子式制御装置10に入力されるようになっている。
【0019】
切換器6は、液体LPG流路9Aが2つに分岐されてなる主流入路9aおよび副流入路9bにそれぞれ電磁駆動式の主開閉弁6aと副開閉弁6bとを設けたものであり、主流入路9aは後述する熱交換器2の主熱交換器21の底部に設けた流入口21aに接続され、副流入路9bは後述する熱交換器2の副熱交換器22の底部に設けた流入口22aに接続されている。また、これらの開閉弁6a,6bは電子式制御装置10により開閉制御されるようになっている。
【0020】
主熱交換器21と副熱交換器22とは全体として一個の熱交換器2を構成しており、主熱交換器21の内部に副熱交換器22を収装した二重構造とされている。主熱交換器21はその周囲を囲んでジャケット状に配置されエンジン冷却水が通過する冷却水室23を具えているとともに、液体LPGの流入口21aと内部で気化した気体LPGを圧力調整器3に送出する流出口21bとを対角線上の反対端部に備えている。
【0021】
エンジン4に設けられた冷却水ジャケット4a内のエンジン冷却水は、冷却水送出路8aを経由して冷却水室23に送入されるようになっている。そして、主熱交換器21でLPGを加熱したエンジン冷却水は、冷却水戻し路8bを経由して冷却水ジャケット4aに戻され循環するようになっている。
【0022】
図2乃至図5は、それぞれ図1における熱交換器2の拡大断面図を示し、図6,図7は熱交換器2の、殊に副熱交換器のそれぞれ異なる実施の形態を示すものであり、これらにおいては流路規制手段を壁体22c,22d,22c’,22d’,22lと伝熱板24d,24e,24f,24gとで構成している。
【0023】
図2を参照して、主熱交換器21は方形のハウジング21Eを有し、副熱交換器22は主熱交換器21のハウジング21Eとほぼ相似形状の方形のハウジング22Eを有し、副熱交換器22がその全外周に空間を有して主熱交換器21に収装されて、この空間が主熱交換室21Aを形成している。主熱交換器21内に収装された副熱交換器22は、主熱交換器21の流入口21aにほぼ隣接させて設けた流入口22aと、主熱交換器21の流出口21b内に開口させた流出口22bとを具え、二つの熱交換器21,22で生成した気体LPGは一つの出口から圧力調整器3の流入口3aに送られるようになっている。また、流入口22aには流量制限手段であるオリフィス22iが配置され、流路規制手段と協働して副熱交換器22の気化能力を超える液体LPGが流入・通過しないようになっている。尚、流出口22bは圧力調整器3の流入口3a付近で流出口21b内に開口させたことで、始動直後において低温の主熱交換器21の影響を受けにくくしている。
【0024】
図2のX−X線に沿う熱交換器2の断面図を示す図3および、図2のY−Y線,Z−Z線に沿う熱交換器2の断面図を示す図4,図5を参照して、副熱交換器22の内部には長方形で平板状のPTCヒータ24cを具えた電熱器24Aが収装されている。この電熱器24AはPTCヒータ24cの両表面に重ねた伝熱板24d,24eと、これらの外側周縁部を囲んだ枠体24lとからなる気・液密構造である。伝熱板24d,24eはPTCヒータ24cが直接LPGに接触するのを避けるための保護壁であるとともに電極も兼ねている。また、枠体24lはゴムや合成樹脂などの電気絶縁材料で作られており、プラスの電極リード24kとマイナスの電極リード24jを通って伝熱板24d,24eを流れる電流が短絡することなくPTCヒータ24cに通電されるようになっている。尚、セラミックス製であるので強度に問題があると考えられるPTCヒータ24cの両表面に伝熱板24d,24eを重ね、それらの外側をLPGが通過するようにしたので、LPGの圧力がPTCヒータ24cの両表面に作用することとなり、そのため、伝熱板24d,24eが低強度であってもPTCヒータ24cは動いたり曲げられたりすることもなくLPGの圧力に対して安全であり、伝熱板24d,24eを薄く作って通電後短時間で伝熱面の温度を所定温度に上昇させることができる。
【0025】
また、副熱交換器22は、その内部に電熱器24Aを左右から挟んでその伝熱面との間にLPGが通る空間を形成する壁体22c,22dが収装されており、伝熱板24d,24eと壁体22c,22dとで形成される空間が副熱交換室22Aを構成する。この副熱交換室22Aは、壁体22c,22dがそれぞれ電熱器24A側の面を各伝熱板24d,24eに平行になるように配置されて、各伝熱板24d,24eの伝熱面との間に所定流量のLPGが通過可能な間隔をそれぞれ有するようになっている。また、壁体22c,22dには、それぞれ下端部と上端部の対角位置において、流入口22aと副熱交換器22Aとを連通させる通路22g,22g’および副熱交換室22Aと流出口22bを連通させる通路22h,22h’が設けられ(図4,図5参照)、LPGが長方形の伝熱面に最も長い経路に亘って流れ広い面積で加熱されるようになっている。また、壁体22c,22dの電熱器24A側の各面のほぼ中央位置に、凸部22j,22kが伝熱板24d,24eをPTCヒータ24cに押しつけて密着固定するように配置されている(図3,図4参照)。
【0026】
副熱交換器22は以上のような構成であり、その副熱交換室22Aに流入した液体LPGは電熱器24Aの伝熱面のほぼ全面で加熱されるため、高い熱効率で確実に気化ガスとなって流出する。また、壁体22c,22dの凸部22j,22kにより副熱交換室22Aが所定幅に保持されるとともに、伝熱板24d,24eがPTCヒータ24cに安定して密着させられるため、熱効率のよい加熱状態を安定して確保することができる。従って、始動直後でも短時間でLPGが確実に気化され、液体のまま吸気管路4bに供給されることを防ぐことができる。尚、壁体22c,22dと伝熱板24d,24eとで形成される空間をLPGの所定流量、即ち電熱器24AのLPG気化能力を超えない流量であってエンジン4の始動に要求される流量を確保できる最小限の大きさとすれば、副熱交換室22A自体が流量制限機能をもつこととなり、流入口22aのオリフィス22iは不要となる。また、壁体22c,22dでハウジング22Eを兼ねるようにすれば、少ない部品数で副熱交換器22を製作することができる。
【0027】
上述したように、本実施の形態の熱交換器2はコンパクトで簡易な構成であり、流入口21a,22aと流出口21b,22bとがそれぞれ対角線上に配置されて、各熱交換器21,22内でLPGが長い経路を流れその間に充分な熱交換を行って完全に気化することができる。殊に、副熱交換器22においては前述したように高効率であるため、PTCヒータ24cは小形或いは少数で済むことから、消費電力量が少ないという利点がある。尚、流入口21a,22aが各熱交換器21,22の底部に配置され、流出口21b,22bが頂部に配置されていることにより、比重の重い液体LPGは底部に溜まって頂部の流出口21b,22bから液体のまま圧力調整器3に送出されるという心配は全くない。
【0028】
そして、熱交換器2の出口に接続して配置されている圧力調整器3は(図1参照)、ダイヤフラム3eにより区画された調圧室3cおよび背室3dを有し、調圧室3cの圧力が設定圧力よりも低くなるとダイヤフラム3eが入口弁3fを開いて流出口21b,22bを接続した流入口3aから熱交換器2で生成した気体LPGを調圧室3cに流入させ、設定圧力よりも高くなると入口弁3fを閉じて調圧室3cへの流入を停止させることにより、調圧室3cに一定の正圧に減圧された気体LPGを保有させる、という従来のものと同様の装置である。圧力調整器3の流出口3bから送出された気体LPGは気体LPG流路9Bを経て、吸気管路4bに設置した燃料噴射弁7から噴射されるようになっている。
【0029】
本実施の形態においては、電気式制御装置10でボンベ5内の液体LPGの温度と圧力を基にしてプロパンとブタンの比率を求め、その比率を基に流路切り換え基準温度を決定するようにしている。即ち、電子式制御装置10は、ボンベ5に設けた温度センサ11aと圧力センサ12により検出されたLPGの温度および圧力から切り換え基準温度を算出し、冷却水ジャケット4aに設けた温度センサ11bで検出したエンジン冷却水温度と比較して、主熱交換器21経由の流路と副熱交換器22経由の経路との切り換えの要否を判断する。
【0030】
例えば、エンジン冷却水がLPGの気化に不可能または不十分な温度の場合、液体LPGを副熱交換器22に流入させPTCヒータ24cで加熱気化して圧力調整器3に送出させる。このとき、副熱交換器22は流路規制手段を有し、加えて本実施の形態ではその流入口22aに流量制限手段としてのオリフィス22iが設けられているため、副熱交換器22の気化能力を超える量のLPGは流入しない。従って、エンジンの低温始動直後に通常高負荷運転を行うことはできないが、熱交換器2におけるLPG流量を制限して吸気管路4bに液状のLPGが送出されて混合気過濃を招く、という不都合を防止することができる。
【0031】
そして、冷却水ジャケット4aの温度センサ11bで検出したエンジン冷却水の温度が気化に適した温度に達したら、電子式制御装置10の指令により副開閉弁6bを閉弁し主開閉弁6aを開弁させる。その際、副開閉弁6bを閉弁する前に主開閉弁6aを開弁して、液体LPGが両熱交換器21,22を同時に経由するオーバラップ時間が設けられるようになっている。
【0032】
即ち、切換器6は1個の方向切換弁による完全切り換え方式でも本発明の目的を達成することができるが、主熱交換器21および副熱交換器22の流入口側に主開閉弁6a,副開閉弁6bをそれぞれ具えたものとした本実施の形態によると、切り換え時にオーバラップ時間を設けることにより、燃料の供給途切れを防止できるという利点がある。さらに、高負荷運転時に主熱交換器21による熱交換では燃料供給が不足する事態を生じた場合、主熱交換器21に加えて副熱交換器22による熱交換を行なって要求燃料流量を確保することも可能となる。
【0033】
そして、エンジン始動後にエンジン冷却水が所定温度まで上昇したとき、LPGの流路は主熱交換器21経由に切り換えられるが、副熱交換器22の余熱が大気中に放出されずに主熱交換器21内部を加熱するので、エンジン冷却水が所定温度に達しているが比較的低温度の段階であっても完全に気化させることができ、エンジン運転を不調にすることなくエンジン冷却水温度が充分に上昇して安定した気化をおこなわせる状態に移行することができる。尚、主熱交換器21の外部に副熱交換器22を並列設置してもよいが、本実施の形態のように収装させた場合は、LPG流路を主熱交換器21におけるLPGの気化を完全なものとすることができる点で有利である。
【0034】
図6は副熱交換器の異なる実施の形態を示すものであって、本実施の形態における熱交換器2’は、図4に示した熱交換器2の副熱交換器22に代えて電熱器24Aを二台用いた副熱交換器22’を主熱交換器21’に収装したものである。尚、以下の各説明において、既に詳述したものと共通する構成部分について説明は省略するものとする。この副熱交換器22’は、壁体22c’,22d’に加えて、二つの電熱器24A,24Aの間に第三の壁体22lを具えており、外側の壁体22c’,22d’と電熱器24Aとの間の二つの空間、および中央の壁体22lと電熱器24Aとの間の二つの空間が副熱交換室22Bを形成している。また、中央の壁体22lの底部には流入口22aから流入したLPGを導入して左右の電熱器24A,24Aの各伝熱面に沿うように振り分ける通路22mが設けられ、頂部には気化したLPGを合流させて圧力調整器に流出させる図示しない通路が設けられている。
【0035】
本実施の形態の副熱交換器22’は、前述の熱交換器2における副熱交換器22の約2倍の面積の伝熱面を有しているので、大量の気化LPGを送出することができ、大排気量のエンジンへの適用や低温始動直後の高出力運転への対応が可能となる。尚、本実施の形態においても、流路規制手段を構成する壁体22c’,22d’,22lと伝熱板24d,24d,24e,24eの各伝熱面とで形成された空間を、全体としてLPGの流量をPTCヒータのLPG気化能力以内に制限する容積としている。
【0036】
図7は、副熱交換器の更に異なる実施の形態を示すものであって、本実施の形態における熱交換器2’’は図3に示す熱交換器2の副熱交換器22を符号22’’で示す副熱交換器に代えて主熱交換器21’’に収装したものである。この副熱交換器22’’は、その伝熱板24f,24gの中心位置に凸部24h,24iを設け、これらの凸部24h,24iを壁体22c,22dにそれぞれ密着させることにより伝熱板24f,24gと壁体22c,22dとの間に副熱交換室22Cを形成する空間を確保させるとともに、当該凸部24h,24iの内部である凹部に導電性且つ熱伝導性の高い接着剤(例えば銀エポキシ接着剤)を充填して、両伝熱板24f,24gとPTCヒータ24cとを接着した電熱器24Bを収装させたものである。
【0037】
この副熱交換器22’’における両伝熱板24f,24gは凸部24h,24iの内部に充填された導電性且つ熱伝導性の高い接着剤によりPTCヒータ24cに接着されているため、PTCヒータ24cと伝熱板24f,24gとの間に空隙が生じるのを防ぐことができる。従って、電極を兼ねる伝熱板24f,24gからPTCヒータ24への通電が確実になることに加えて、PTCヒータ24cから電熱面への熱伝導も確実になる。さらに、凸部24h,24iは副熱交換室22C内で壁体22c,22dに密着するように突出しており、副熱交換室22CにおけるLPG流路を正確に所定幅に保持する機能も有している。
【0038】
尚、伝熱板24f,24gの凸部24h,24iを複数個ずつ設けること、或いは図2〜図4に示した壁体22c,22dの凸部22j,22kについても複数個ずつとすること、または各実施の形態における伝熱板および壁体のそれぞれに少なくとも一つの凸部を設けることを妨げるものではなく、このように複数の凸部を設けて適宜位置に配置すると、PTCヒータ24cの全表面に伝熱板24f,24gを更に確実に密着させ熱効率を向上することができる。
【0039】
尚、本発明の熱交換器は従来品と同様にエンジン冷却水を熱源とする熱交換器の上流側に設置することができる。また、図1に示した実施の形態のように気体LPGを所定正圧に調整して燃料噴射弁に送るシステムにおけるレギュレータの入口側に配置されるものに限らず、大気圧程度に調整してミキサに送り吸気管路に吸引させるシステムについても、レギュレータの設定圧力を変更することによりそのまま適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によると、液体のLPGを加熱気化するとともに所定圧力に調整して吸気管路に供給するLPG供給装置に用いられるエンジン冷却水と電気ヒータとを併用したLPG供給装置の熱交換器について、低温時などのLPGの気化が不可能または不十分となりやすい場合に、少ない電力消費量でも通電開始から短時間で確実に気化させて送出し、低温始動性を高めたものとすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のLPGの熱交換器が配置された燃料供給装置の配置図。
【図2】図1におけるLPGの熱交換器の拡大縦断面図。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図。
【図4】図2のY―Y線に沿う断面図。
【図5】図2のZ―Z線に沿う断面図。
【図6】本発明の異なる実施の形態の縦断面図。
【図7】本発明の更に異なる実施の形態の横断面図。
【符号の説明】
2,2’,2’’ 熱交換器、3 圧力調整器、3a,21a,22a 流入口、3b,21b,22b 流出口、3c 調圧室、3d 背室、3e ダイヤフラム、3f 入口弁、4 エンジン、4a 冷却水ジャケット、4b 吸気管路、5 ボンベ、6 切換器、6a 主開閉弁、6b 副開閉弁、7 燃料噴射弁、8a 冷却水送出路、8b 冷却水戻し路、9A 液体LPG流路、9B 気体LPG流路、9a 主流入路、9b 副流入路、10 電子式制御装置、11a,11b 温度センサ、12 圧力センサ、21 主熱交換器、21A 主熱交換室、21E,22E ハウジング、22,22’,22’’ 副熱交換器、22A,22B,22C 副熱交換室、22c,22c’,22d,22d’,22l 壁体、22e,22e’,22g,22g’,22h,22h’,22m 通路、22i オリフィス、22j,22k 凸部、23 冷却水室、24A,24B 電熱器、24c PTCヒータ、24d,24e,24f,24g 伝熱板、24h,24i 凸部、24j,24k 電極リード、24l 枠体

Claims (5)

  1. 液体LPGを加熱気化するとともに所定圧力に調整してエンジンの吸気管路に送出するLPG供給装置における圧力調整器の入口側に配置され液体LPGを加熱気化する熱源がPTCヒータであり、前記PTCヒータの両表面に沿い所定流量のLPGが通過可能な間隔をもった空間を形成する流路規制手段を有し、且つ、前記空間は前記PTCヒータ両表面のそれぞれほぼ全面に沿い拡がっているものとされているLPGの熱交換器において、前記PTCヒータは長方形の平板であって横長かつ鉛直に配置されているとともに前記PTCヒータの両表面にはそれぞれ伝熱板が配置され、且つ、前記空間のLPG流入口が前記PTCヒータの下端側に設けられLPG流出口が前記PTCヒータの上端側に設けられており、前記流路規制手段は、前記伝熱板と、当該伝熱板と互いに向かい合って配置されこれらの間に前記所定流量のLPGが通過可能な間隔をもった空間を形成する壁体とからなるものとされている、ことを特徴とするLPGの熱交換器。
  2. 前記PTCヒータの少なくとも二枚を並列に具え、前記各PTCヒータは両表面にそれぞれ前記伝熱板が配置されているとともに、前記伝熱板との間にそれぞれ前記空間を形成する前記壁体が前記各伝熱板と向かい合って配置されている、請求項1に記載したLPGの熱交換器。
  3. 前記伝熱板は前記PTCヒータに重ねられているとともに電極を兼ねていて前記PTCヒータに前記電熱板と協働して流路規制手段を形成する壁体側に少なくとも一つの凸部が設けられ、前記凸部の内側に充填した導電性の接着剤により接着されてる、請求項1または2に記載したLPGの熱交換器。
  4. 前記壁体は前記伝熱板側に一部を突出させて形成した少なくとも一つの凸部を有し、前記凸部が前記伝熱板を前記PTCヒータに密着固定させたものとされている、請求項3に記載したLPGの熱交換器。
  5. 前記伝熱板および壁体がそれぞれ少なくとも一つの凸部を有している、請求項3または4に記載したLPGの熱交換器。
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