JP2005036704A - エンジンの気化ガス燃料供給装置 - Google Patents
エンジンの気化ガス燃料供給装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005036704A JP2005036704A JP2003273866A JP2003273866A JP2005036704A JP 2005036704 A JP2005036704 A JP 2005036704A JP 2003273866 A JP2003273866 A JP 2003273866A JP 2003273866 A JP2003273866 A JP 2003273866A JP 2005036704 A JP2005036704 A JP 2005036704A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vaporized gas
- engine
- amount
- heat exchanger
- throttle valve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/30—Use of alternative fuels, e.g. biofuels
Landscapes
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Abstract
【課題】 液体LPGを加熱気化して得た気化ガスをエンジンに供給する装置について、暖機運転時における吸入空気量が熱交換器の加熱気化能力に対応した量を超えないように規制して、エンジン不調やエンジン停止を回避しながら安定した運転を行えるようにする。
【解決手段】 エンジン冷却水を熱源とする主熱交換器5と電気ヒータを熱源とする熱交換器6、および気化ガスを所定圧力に調整する圧力調整機構4を設け、液体LPGを所定圧力の気化ガスとしてエンジン11の吸気管路12に送出するとともに、絞り弁10を電子制御式とし、アクセルペダル位置センサ21の信号を絞り弁10の電動モータ22の駆動信号に変換する電子式制御装置31が、二つの熱交換器5,6で生成可能な最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量を超えない吸気量に規制するように絞り弁10の開度を制限するものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】 エンジン冷却水を熱源とする主熱交換器5と電気ヒータを熱源とする熱交換器6、および気化ガスを所定圧力に調整する圧力調整機構4を設け、液体LPGを所定圧力の気化ガスとしてエンジン11の吸気管路12に送出するとともに、絞り弁10を電子制御式とし、アクセルペダル位置センサ21の信号を絞り弁10の電動モータ22の駆動信号に変換する電子式制御装置31が、二つの熱交換器5,6で生成可能な最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量を超えない吸気量に規制するように絞り弁10の開度を制限するものとする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液化LPGを所定圧力に減圧気化させて得た気化ガスをエンジンに供給する装置に関し、殊に、液体LPGの気化手段にエンジン冷却水を熱源とした主熱交換器と電気ヒータを熱源とした副熱交換器とを用い、低温始動から暖機運転の期間において運転を安定よく行わせるようにしたエンジンの気化ガス燃料供給装置に関する。
LPGは、古くから火花点火エンジンの燃料に用いられており、大気圧程度の気化ガスに調整して吸気管路に吸引させる周知の方式のほかに、特開平6−17709号公報などに記載されているように、液体LPGを所定正圧の気化ガスに調整して吸気管路に噴射させる方式が広く知られている。この方式は、噴射量を不安定にしないという利点をもっているため実用化に有利とされており、液体LPGを加熱気化させる手段として、エンジン冷却水の熱を利用することが慣用されている。
しかし、このようなエンジン冷却水を利用する加熱気化手段は、冷機時に冷却水が低温であるため液体LPGの気化が充分に行われない、という問題点がある。そこで、例えば特開平5−223014号公報や特開平11−324813号公報に記載されているように、LPGを気化・減圧するレギュレータ(ベーパライザ)において、エンジン冷却水の熱を利用することに加えて、LPG経路中に電気ヒータを配置し、冷却水が低温の場合においてもLPGを気化できるようにする手段が提案されている。
ところが、自動車エンジンの場合、蓄電池や発電機で得られる電力を利用する電気ヒータの加熱気化能力は、冷却水の加熱気化能力に比べて著しく低いものである。従って、エンジン冷却水が低温で主として電気ヒータによる加熱気化を行っている段階においては、運転者はそのときの加熱気化能力を知らないことから、気化能力を超えた燃料流量を要求する運転を行う場合があることを避けられない。このようなとき、LPGが液体のまま吸気管路に送出され、混合気過濃となってエンジンが不調となったり或いは停止し更には再始動が困難になる、という問題を生じる。また、加熱気化能力不足に対応するため電気ヒータの大型化や多数化を図ると、レギュレータや熱交換器の高価格化および電力消費量の増加を招くなどの不都合を伴う。
一方、絞り弁をアクセルペダルに機械的に連動させる方式に替えて、特開平5−33712号公報などに記載されているように、絞り弁を電子的に制御する方式が知られている。この方式は、アクセルペダル踏み込み量をアクセルペダル位置センサで検知し、位置センサからの信号に基いて電子式制御装置が絞り弁のアクチュエータである電動モータに駆動信号を出力することにより絞り弁を開かせるものである。この方式は絞り弁の位置制御が電子的に行われるため、例えばアクセルペダルの踏み込み量とは無関係に電子的に制御が行われるアイドリング回転数制御や急速な加速度変化における動的な特性の制御を行う場合において有用であるとされている。
特開平6−17709号公報
特開平5−223014号公報
特開平11−324813号公報
特開平5−33712号公報
本発明は、運転者がレギュレータ(ベーパライザ)の加熱気化能力を知らないために、それ以上の燃料流量を要求する運転を行って混合気過濃によるエンジントラブルを生じさせやすい、という前述の問題点を解決しようとするものであり、液体LPGを加熱気化する熱源にエンジン冷却水と電気ヒータとを併用し、且つ絞り弁を電子制御方式としたものについて、低温始動後の暖機不充分な状態のときに液体LPGの加熱気化能力を超える燃料流量を要求する運転を行わせないようにし、エンジン不調やエンジン停止という不都合を招く心配なく安定した暖機運転が行えるようにすることを課題とする。
そこで、本発明は、エンジンの吸気管路に設置した絞り弁がアクセルペダル踏み込み量に応じて電子式制御装置が出力する駆動信号により駆動される電動モータによって開かれるものであり、吸気管路に送出する気化ガスが液体LPGを加熱気化したものであって、この気化ガス調整手段がエンジン冷却水を熱源とした主熱交換器および電気ヒータを熱源とした副熱交換器と、これら二つの熱交換器のいずれかまたは両方で作られた気化ガスを所定圧力に調整する圧力調整機構とを具えたものであるエンジンの気化ガス燃料供給装置において、電子式制御装置がエンジンの吸入空気量を二つの熱交換器でそれぞれ生成可能な最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下とするように絞り弁の開きを制限するものとした。尚、本発明における主熱交換器と圧力調整機構とを一体化したものは周知のレギュレータ(ベーパライザ)に相当し、これに副熱交換器を一体に付設したものは前記特許文献2,3に記載されているレギュレータ(ベーパライザ)に相当する。
これにより、エンジン冷却水を熱源とする主熱交換器の気化ガス生成能力が低く、従って二つの熱交換器のそれぞれが生成可能な最大気化ガス量の合計量が少ない暖機不充分な状態において、運転者が過剰にアクセルペダルを踏み込んでも絞り弁は吸入空気量を最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下に制限して適正空燃比の混合気をエンジンに供給し、液体LPGがそのまま供給されてエンジン不調やエンジン停止という不都合を生じる心配を伴うことなく安定した暖機運転を行わせることができるようになる。
また、前述したエンジンの気化ガス燃料供給装置の副熱交換器を、エンジン冷却水温度が設定温度よりも低い温度域で作動し液体LPGを加熱気化するものとし、その設定温度を主熱交換器でエンジン要求最大燃料流量の気化ガスを生成できる温度とすれば、主熱交換器が本来の気化ガス生成能力をもつときに副熱交換器を不作動とし、無駄な電力消費をなくすことができる。
さらに、前述したエンジンの気化ガス燃料供給装置の電子式制御装置が、エンジン冷却水温度に基いて主熱交換器で生成可能な最大気化ガス量を算出し、副熱交換器で生成可能な最大気化ガス量との合計量に対応する吸入空気量以下とするように絞り弁の開きを制限するものとした。これにより、主熱交換器が生成可能な最大気化ガス量を知ることができ、設計・製造段階で計算され或いは試験段階で測定される副熱交換器が生成可能な最大気化ガス量との合計量を正確に把握して絞り弁の開きを適切に制限することができる。
さらにまた、電子式制御装置が二つの熱交換器周囲の外気温度に基いてこの二つの熱交換器でそれぞれ生成可能な最大気化ガス量を補正し、それぞれの補正最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下とするように絞り弁の開きを制限するものとした。これにより、熱交換器周囲の外気温度が低いときに熱が放散することによる加熱気化能力の低下分が補正され、生成可能な最大気化ガス量を更に正確に把握して絞り弁の開きをより適切に制限することができる。
加えて、電子式制御装置が温度・圧力に基いて算出した液体LPGの組成に応じて二つの熱交換器でそれぞれ生成可能な最大気化ガス量を補正し、それぞれの補正最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下とするように絞り弁の開きを制限するようにした。これにより、使用する液体LPGの組成が不明または不定の場合にその正確な性状を知り、最大気化ガス量を組成に応じた量に補正して絞り弁の開きを更に適切に制限することができる。
さらに加えて、電子式制御装置がエンジンの吸入空気量に基いて絞り弁の開きを最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下とするように制限するものとすれば、実際の吸入空気量を検知して絞り弁の開きを二つの熱交換器が生成可能な最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量とするようにフィードバック制御が行われ、絞り弁の開きを一段と適切に制限することができる。
そして、電子式制御装置がエンジン冷却水温度の上昇による最大気化ガス量の合計量の増加に伴って吸入空気量を増大させるように絞り弁の開きを大きくするものとすれば、生成可能な最大気化ガス量の増加に応じてエンジン回転速度を高くするファスト・アイドルが行われ暖機途中でのエンジン回転を確実に維持させるとともに冷却水温度を短時間で上昇させることができ、また無負荷運転に限らず低負荷・部分負荷運転を行うことができるようになる。
本発明によると、液体LPGのエンジン冷却水による加熱気化が不充分となりやすい暖機運転途中において、吸入空気量が二つの熱交換器の合計加熱気化能力に対応した量を超えないように自動的に制御され、運転者が過剰なアクセル操作を行ってもエンジン不調やエンジン停止或いは再始動困難という不都合を招くことなく、限定された条件下で許される最大限以内の運転を安定よく行うことができるものである。
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、本実施の形態の気化ガス燃料供給装置を具えたエンジンの配置図を示す図1において、ボンベ1には液体LPGが貯留されており、ボンベ1から延び電磁駆動の遮断弁3が設置された送出管路2が、エンジン冷却水を熱源に用いた主熱交換器5が付設された圧力調整機構4に接続されている。圧力調整機構4は気化ガスを所定圧力の正圧に調整するものであって、その上流側には電気ヒータを熱源に用いた副熱交換器6が設置されている。これらの圧力調整機構4、主熱交換器5、副熱交換器6は液体LPGを気化ガスとする気化ガス調整手段7を構成している。また、圧力調整機構4から延びる供給管路9はエンジン11の吸気管路12に設置した燃料噴射弁8に接続されており、更に、吸気管路12の燃料噴射弁8の上流側には絞り弁10が配置されている。
圧力調整機構4およびその入口部分に付設されたエンジン冷却水を熱源とする主熱交換器5は一般的に用いられる周知のレギュレータと同じであり、エンジン11に設けられた図示しない冷却水ジャケットから図示しない冷却水通路を経由して冷却水が主熱交換器5に供給され、この冷却水の熱で加熱気化して生成した気化ガスが圧力調整機構4内で所定圧力の正圧に調整されて供給管路9に送出されるようになっている。
一方、副熱交換器6は、図2(A)の縦断面図、およびそのX―X線に沿う横断面図である図2(B)に示すように、電気ヒータである平板状のPTCヒータ6a,6bをその前後両面に伝熱板6c,6dを密着させて重ねるとともに周縁を周壁6eで囲むことにより気・液密状態としたものが、LPGの流入口6gおよび流出口6hを具えた筺状のハウジング6f内にその全外周に空間を有するように収装されており、この空間において熱交換を行うものである。尚、伝熱板6c,6dは電極も兼ねており、電源側および接地側に接続されている。
アクセルペダル20の踏み込み量はアクセルペダル位置センサ21で検出され、このアクセルペダル位置センサ21の出力信号は電子式制御装置31に入力される。そして、電子式制御装置31がこの踏込み量を基に絞り弁10の開度を決定してステッピングモータまたは直流モータからなる電動モータ22に駆動信号を出力することにより、絞り弁10の開閉を制御するようになっている。
電子式制御装置31には、主熱交換器5の冷却水通路に配置された温度センサ32が検知したエンジン冷却水温度が逐次入力されるようになっており、この温度データを用いて主熱交換器5では液体LPGの加熱気化が不可能または不充分、即ちエンジン最大要求燃料流量の気化ガスが生成不可能であるかどうかを判断し、不可能または不充分と判断した場合に、副熱交換器6に通電する指令を発するようになっている。そして、エンジン冷却水温度が上昇して主熱交換器5による加熱気化だけでエンジン最大要求燃料流量の気化ガスが生成可能であると判断したとき、副熱交換器6への通電を停止させるようになっている。
また、電子式制御装置31は、ボンベ1に配設された温度センサ33,圧力センサ34が検知した液体LPGの温度および圧力が入力されるようになっており、この温度・圧力データを用いてLPGの組成を算出するようになっている。そして、この組成データを用いて加熱気化能力を修正し、LPGの組成に対応した加熱気化能力を算出できるようになっている。即ち、LPGの成分であるプロパンとブタンとの比率により蒸気圧特性が異なることから、ボンベ1内の液体LPGのプロパンとブタンとの比率を計算して求め、その比率により定まる蒸気圧特性から加熱気化能力を算出するものである。このことは、使用する液体LPGの組成が不明または不定であるときに有用である。
さらに、電子式制御装置31は、前述の冷却水温度データおよび組成データに加えて、予め設計・製造段階で計算し或いは試験段階で求めたほぼ一定値で示される副熱交器6の加熱気化能力データを用いて、両熱交換器5,6による総合加熱気化能力を逐次算出し、この総合加熱気化能力に応じて生成可能な最大気化ガス量に対応した最大吸入空気量を算出する。そして、この最大吸入空気量を超える量とならないように、絞り弁10の開度を制限するように電動モータ22に駆動信号を出力する。
エンジン11の吸気管路12の絞り弁10上流側には吸入空気量を検知する流量センサ35が配置され、電子式制御装置31が吸気管路12内を流れる実際の吸入空気量を逐次検知し、これを基に絞り弁10の開度のフィードバック制御を行うようになっている。また、二つの熱交換器5,6付近にはその周囲の外気温度を検知する温度センサ36が配置され、電子式制御装置31が二つの熱交換器5,6周囲の外気温度に基いて両熱交換器5,6で生成可能な最大気化ガス量を補正し、それぞれの補正最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下とするように絞り弁10の開きを制限するようになっている。
次に、図3のブロック図を用いて、電子式制御装置31の構成および動作を説明する。図3(A)は、LPG組成を算出して主熱交換器5の加熱気化能力を算出し、副熱交換器6への通電を決定する手順を示すものであり、電子式制御装置31はLPG組成算出手段31a、気化能力算出手段31bを具えている。図3(B)は、算出したLPG組成と主熱交換器5および副熱交換器6の各加熱気化能力とに基いて総合気化能力を算出し、これを用いて最大吸気量を算出して任意運転の可否を決定する手順を示すものであり、電子式制御装置31は前記の各手段31a,31bに加えて総合気化能力算出手段31c、吸気量算出手段31d、任意運転可否決定手段31eを具えている。
図3(A)を参照して、エンジン11の始動に際し、例えばキイの一段時において温度センサ33および圧力センサ34が検知したボンベ1の液体LPGの温度および圧力を基に組成算出手段31aが液体LPGの組成を算出する(A1)。即ち、組成算出手段31aには液体LPGの組成に応じた蒸気圧特性が予め入力記憶させてあり、温度センサ33と圧力センサ34により検知した液体LPGの温度と圧力とによってLPG組成を推定することができる。
気化能力算出手段31bには冷却水温度に応じて生成可能な最大気化ガス量が液体LPGの組成別に記憶させてあり、組成算出手段31aで求めたLPG組成と、温度センサ32が検知した冷却水温度、更には温度センサ36が検知した外気温度とを用いて、そのときの冷却水温度で液体LPGの気化が不可能または不充分であるか或いは充分であるかを判断する(A2)。
液体LPGの気化が不可能または不充分な冷却水温度であると判断した場合(A3)、気化能力算出手段31bは副熱交換器6に通電するように指令して(A4)、液体LPGを電気的に加熱させる。一方、液体LPGの気化に充分な温度であると判断した場合(A5)、副熱交換器6への通電指令は行なわない(A6)。尚、副熱交換器6に通電している場合において、冷却水温度が液体LPGの気化に充分な温度になったと気化能力算出手段31bが判断した場合は、通電停止指令を行う。このことにより、低温時に副熱交換器6のみまたはこれと主熱交換器5とによる液体LPGの加熱気化を開始し、その後二つの熱交換器5,6による加熱気化を行って最終的に本来の主熱交換器5のみによる加熱気化が行われるようになる。
エンジン11の暖機運転時に、運転者は冷却水温度の上昇による主熱交換器5の加熱気化能力の増大に伴う二つの熱交換器5,6が生成可能な最大気化ガス量の合計量を把握することができないため、合計量に対応した吸入空気量以下とするように絞り弁10を操作することは事実上不可能である。
そこで、図3(B)を参照して、総合気化能力算出手段31cにおいて算出した主熱交換器5の加熱気化能力に副熱交換器6の加熱気化能力を加算して総合加熱気化能力、即ち二つの熱交換器5,6のそれぞれで生成可能な最大気化ガス量の合計量を逐次算出させ(B1)、そして、吸気量算出手段31dで合計量に対応する吸入空気量を逐次算出する(B2)。
運転者がアクセルペダル20を踏み込むと、アクセルペダル位置センサ21が踏み込み量を検出し、任意運転可否決定手段31eがこれを検知する(B3)。そして、任意運転可否決定手段31eは、運転者による踏み込み量、即ち要求吸入空気量と、吸気量算出手段31dで算出した吸入空気量とを対比して、この要求吸入空気量が算出した吸入空気量を超えない場合、任意運転を認める決定をし(B4)、要求どおり絞り弁10を開くように指令するが、超える場合は任意運転を認めない決定をして(B5)、絞り弁10の開度を算出した吸入空気量内に制限する指令を電動モータ22に発する(B6)。
このように、暖機運転時において二つの熱交換器5,6の加熱気化能力を把握できない運転者が、加熱気化能力に対応した吸入空気量を超える要求吸気量となるアクセル操作を行っても、電子式制御装置31がそのときの加熱気化能力およびこれに対応する吸入空気量を逐次算出して、絞り弁10をこの吸入空気量以下とする開度に自動的に制限することにより、運転者が過剰なアクセル操作を行ってエンジン不調やエンジン停止を招くことなく安定した暖機運転を行うことができる。
また、本実施の形態によると、吸気管路12に設置されている流量センサ36が検知した実際の吸入空気量が任意運転可否決定手段31eに入力され、二つの熱交換器5,6で生成可能な最大気化ガス量の合計量に応じて吸気量算出手段31dで算出した吸入空気量と比較し、実際吸入空気量が算出した吸入空気量以下とするように絞り弁10の開きをフィードバック制御するようにしている。このことにより、絞り弁10の開きを一段と適切に制限して液体LPGがそのまま吸気管路12に送出される、という不都合を完全に回避することができる。
更に、本実施の形態によると、二つの熱交換器5,6で生成可能な最大気化ガス量の合計量がエンジン冷却水温度の上昇により増加したとき、絞り弁10をアイドル開度に固定しておくことなく開きの制限を緩和し、合計量に対応する吸入空気量、即ち適正空燃比を与える吸入空気量と同一またはこれよりも少し少量の吸入空気量とするように絞り弁10の開きを大きくする指令を任意運転可否決定手段31eが発するようにしている。このことにより、ファスト・アイドルを行って暖機途中でのエンジン回転を確実に維持させること、或いは低負荷・部分負荷運転を行わせることができるものである。
尚、本発明のエンジンの気化ガス燃料供給装置において、副熱交換器6は主熱交換器5の上流に配置するものに限らず、主熱交換器5の下流で燃料噴射弁7の手前に配置するものであってもよく、或いは主熱交換器5や圧力調整機構4と一体品としてもよい。さらに、例えば液体LPGを大気圧程度の気化ガスに調整してミキサに送り吸気管路に吸引させるシステムについても、圧力調整機構4の設定圧力を変更することによりそのまま適用することができる。
1 ボンベ、4 圧力調整機構、5 主熱交換器、6 副熱交換器、6a,6b PTCヒータ、6c,6d 伝熱板、6e 周壁、6f ハウジング、6g 流入口、6h 流出口、7 気化ガス調整手段、8 燃料噴射弁、10 絞り弁、11 エンジン、12 吸気管路、20 アクセルペダル、21 アクセルペダル位置センサ、22 電動モータ、31 電子式制御装置、31a 組成算出手段、31b 気化能力算出手段、31c 総合気化能力算出手段、31d 吸気量算出手段、31e 任意運転可否決定手段、32,33,36 温度センサ、34 圧力センサ、35 流量センサ
Claims (8)
- エンジンの吸気管路に設置した絞り弁がアクセルペダル踏み込み量に応じて電子式制御装置が出力する駆動信号により駆動される電動モータによって開かれるものであり、前記吸気管路に送出する気化ガスが液体LPGを加熱気化したものであって、この気化ガス調整手段がエンジン冷却水を熱源とした主熱交換器および電気ヒータを熱源とした副熱交換器と、これら二つの熱交換器のいずれかまたは両方で作られた気化ガスを所定圧力に調整する圧力調整機構とを具えたものであるエンジンの気化ガス燃料供給装置において、
前記電子式制御装置はエンジンの吸入空気量を前記二つの熱交換器でそれぞれ生成可能な最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下とするように前記絞り弁の開きを制御するものとされている、
ことを特徴とするエンジンの気化ガス燃料供給装置。 - 前記副熱交換器はエンジン冷却水温度が設定温度よりも低い温度域で作動し液体LPGを加熱気化するものとされている請求項1に記載のエンジンの気化ガス燃料供給装置。
- 前記設定温度は前記主熱交換器でエンジン要求最大燃料流量の気化ガスを生成できる温度である請求項2に記載のエンジンの気化ガス燃料供給装置。
- 前記電子式制御装置はエンジン冷却水温度に基いて前記主熱交換器で生成可能な最大気化ガス量を算出し、前記副熱交換器で生成可能な最大気化ガス量との合計量に対応する吸入空気量以下とするように前記絞り弁の開きを制限するものとされている請求項1に記載のエンジンの気化ガス燃料供給装置。
- 前記電子式制御装置は前記二つの熱交換器周囲の外気温度に基いて前記二つの熱交換器でそれぞれ生成可能な最大気化ガス量を補正し、それぞれの補正最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下とするように前記絞り弁の開きを制限するものとされている請求項1,2または4に記載のエンジンの気化ガス燃料供給装置。
- 前記電子式制御装置は温度・圧力に基いて算出した液体LPGの組成に応じて前記二つの熱交換器でそれぞれ生成可能な最大気化ガス量を補正し、それぞれの補正最大気化ガス量の合計量に対応する吸入空気量以下とするように前記絞り弁の開きを制限するものとされている請求項4または5に記載のエンジンの気化ガス燃料供給装置。
- 前記電子式制御装置はエンジンの吸入空気量に基いて前記絞り弁の開きを前記合計量に対応する吸入空気量以下とするように制限するものとされている、請求項1,4,5または6に記載のエンジンの気化ガス燃料供給装置。
- 前記電子式制御装置はエンジン冷却水温度の上昇による前記合計量の増加に伴って吸入空気量を増大させるように前記絞り弁の開きを大きくするものとされている請求項1,4,5,6または7に記載のエンジンの気化ガス燃料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003273866A JP2005036704A (ja) | 2003-07-14 | 2003-07-14 | エンジンの気化ガス燃料供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003273866A JP2005036704A (ja) | 2003-07-14 | 2003-07-14 | エンジンの気化ガス燃料供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005036704A true JP2005036704A (ja) | 2005-02-10 |
Family
ID=34210983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003273866A Pending JP2005036704A (ja) | 2003-07-14 | 2003-07-14 | エンジンの気化ガス燃料供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005036704A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007056679A (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-08 | Nikki Co Ltd | エンジンのlpg燃料供給装置 |
JP2008274894A (ja) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Nikki Co Ltd | Lpg燃料供給方法及びその装置 |
JP2009057873A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスエンジンの統合制御方法及び装置 |
JP2009057872A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスエンジンの統合制御方法及び装置 |
JP2010048088A (ja) * | 2008-08-19 | 2010-03-04 | Nikki Co Ltd | エンジンのガス燃料供給装置 |
-
2003
- 2003-07-14 JP JP2003273866A patent/JP2005036704A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007056679A (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-08 | Nikki Co Ltd | エンジンのlpg燃料供給装置 |
JP2008274894A (ja) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Nikki Co Ltd | Lpg燃料供給方法及びその装置 |
JP2009057873A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスエンジンの統合制御方法及び装置 |
JP2009057872A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスエンジンの統合制御方法及び装置 |
JP4599378B2 (ja) * | 2007-08-30 | 2010-12-15 | 三菱重工業株式会社 | ガスエンジンの統合制御方法及び装置 |
JP2010048088A (ja) * | 2008-08-19 | 2010-03-04 | Nikki Co Ltd | エンジンのガス燃料供給装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7451747B2 (en) | Heating system for liquefied gas fuel supply apparatus and fuel supply appartus for liquefied gas engine | |
JP4137018B2 (ja) | 液化ガス燃料供給システムの加熱装置 | |
US6976455B2 (en) | Fuel system for an LPG engine | |
JP2010038024A (ja) | 内燃機関の燃料温度制御装置 | |
JP4416539B2 (ja) | 燃料ガスによって運転される内燃機関のための燃料装置の運転法 | |
JP2010007595A (ja) | Lpgエンジンの燃料供給装置 | |
JP2005036704A (ja) | エンジンの気化ガス燃料供給装置 | |
JP4284591B2 (ja) | Lpgの熱交換器 | |
JP4478936B2 (ja) | エンジンの気化ガス燃料供給装置 | |
KR20060019069A (ko) | 엔진의 기화가스연료 공급장치 | |
JP2004332592A (ja) | Lpgの熱交換器 | |
JP4521826B2 (ja) | ガス燃料供給装置 | |
JP2007056679A (ja) | エンジンのlpg燃料供給装置 | |
WO2002050418A1 (fr) | Alimentation en gaz d'un moteur a combustion interne | |
KR20070022571A (ko) | 엔진의 lpg 연료 공급 장치 | |
JP2006046211A (ja) | エンジンのlpg燃料供給方法および装置 | |
JP2008121645A (ja) | エンジンのlpg燃料供給装置 | |
JP4424616B2 (ja) | ガス燃料供給装置 | |
JPH06129313A (ja) | Lpg内燃機関の燃料供給装置 | |
JP5698441B2 (ja) | ガス燃料供給装置 | |
JP4488361B2 (ja) | ガス燃料供給装置 | |
JP3168524B2 (ja) | 気体燃料エンジン用燃料供給装置 | |
JP4352376B2 (ja) | エンジンの液化ガス燃料供給装置 | |
JP2005023869A (ja) | エンジンの液化ガス燃料供給装置 | |
JPH0223815Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060714 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081007 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081208 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090707 |