JP4352284B2 - 光学部品保持装置及びプロジェクタ装置 - Google Patents

光学部品保持装置及びプロジェクタ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学部品保持装置及びプロジェクタ装置に関し、例えば透過型液晶プロジェクタ装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、透過型液晶プロジェクタ装置においては、供給される映像信号に基づく映像の青色成分、緑色成分及び赤色成分を3つの透過型液晶パネルにそれぞれ白抜きの状態で表示させると共に、これら各透過型液晶パネルに青色光、緑色光及び赤色光を照射し、当該青色光、緑色光及び赤色光が対応する透過型液晶パネルを透過することにより得られた映像の青色成分光、緑色成分光及び赤色成分光をプリズム等を用いて重ね合わせることによりカラー映像光を生成し得るようになされている。
【0003】
そしてこのような透過型液晶プロジェクタ装置では、青色光、緑色光及び赤色光の透過型液晶パネルに対する照明範囲を調整自在にするため、これら青色光、緑色光及び赤色光を傾き調整自在に保持されたミラーを介して透過型液晶パネルに導入するようになされていた。
【0004】
ここで図6〜図8は、このような透過型液晶プロジェクタ装置における従来のミラーの保持機構(以下、これをミラー保持機構1と呼ぶ)を示すものである。
【0005】
かかるミラー保持機構1においては、透過型液晶プロジェクタ装置の筐体本体の底面に突出形成されたダボ2Aと、当該ダボ2Aと距離を介して突出形成された板状のベース2Bと、保持対象のミラー3及びベース2B間に配設された第1の板ばね4とを有し、第1の板ばね4の弾性力によってミラー3をダボ2Aに押しつけるように付勢するようにして当該ミラー3の下端部における幅方向の中央部を保持し得るようになされている。
【0006】
またミラー保持機構1においては、筐体蓋体5に固定されたL字状のブラケット6と、ミラー3の幅方向の両端部にそれぞれ対応させて筐体蓋体5に固着された第2及び第3の板ばね7、8とを有し、第2及び第2の板ばね7、8の弾性力によってミラー3をブラケット6に付勢するようにして当該ミラー3の上端部を保持し得るようになされている。
【0007】
このときブラケット6は、ミラー3に近接又は離反する方向と平行に形成された一対の長穴6A、6Bをそれぞれ介してねじ9A、9Bを筐体蓋体5に螺着するようにして当該筐体蓋体5に固定されており、かくしてこれら両方のねじ9A、9Bを緩めることによって、ブラケット6を全体として長穴6A、6Bに沿ってミラー3に近接又は離反する方向に移動させ得、また一方のねじ9A、9Bのみを緩めることによって他方のねじ9B、9Aを中心として回転させ得るようになされている。
【0008】
これによりこのミラー保持機構1においては、ブラケット6を全体としてミラー3に近接又は離反させる方向(矢印x1 方向又はこれと逆方向)に平行移動させることによって、ミラー3をダボ2Aとの接点を支点として上下方向に傾けることができると共に、ブラケット6を一方のねじ7、8を中心として回転させることによって、当該ミラー3をダボ2Aとの接点を通る矢印z1 と平行な軸を中心として回転させるように横方向に傾けることができる。
【0009】
このように従来の透過型液晶プロジェクタ装置においては、ミラー保持機構1のブラケット6を操作することによってミラー3の傾き状態を当該ミラー3の反射面3Aにおける2軸方向に自在に回転させるように調整することができ、これにより当該ミラー3において反射する青色光、緑色光又は赤色光の透過型液晶パネルに対する照明範囲を調整し得るようになされていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところがかかる従来のミラー保持機構1では、上述のようにブラケット6をミラー3に近接又は離反させる方向に平行移動させるようにしてミラー3の1軸方向の傾きを調整し、当該ブラケット6を回転させるようにしてミラー3のもう1軸方向の傾きを調整するように構築されているため、ミラー3のこれら2軸方向の傾き調整を個別に独立して行い難く、また調整を自動化させ難い問題があった。
【0011】
またかかるミラー保持機構1では、筐体本体2に設けられたダボ2A及び第1の板ばね4によってミラー3の下端中央部を挟み込むように保持すると共に、当該ミラー3の上端部を筐体蓋体5に配設されたブラケット6と、第2及び第3の板ばね7、8とによって挟み込むように保持するようになされていたため、例えば筐体内の光学部品等を交換するときなどにおいて筐体蓋体5を筐体本体2から取り外すと、ミラー3の傾き調整がリセットされる問題があった。
【0012】
そしてこのようにミラー3の傾き調整がリセットされた場合、透過型液晶パネルに対する青色光、緑色光及び赤色光の照明範囲が変化するために、透過型液晶パネルの映像表示面内に青色光、緑色光又は赤色光の全部又は一部が入射しなくなり、青色成分、緑色成分及び赤色成分の一部又は全部が欠落したカラー映像光が生成される。
【0013】
このためかかる従来の透過型液晶プロジェクタ装置では、部品交換時などのように筐体蓋体5を開けたときには、必ずミラー3をそれぞれ保持するミラー保持機構1のブラケット6を操作して高精度に各ミラー3の傾き調整を行う必要があり、このため部品の交換作業が煩雑化する問題があった。
【0014】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光学部品の傾き調整を容易化させ得る光学部品保持装置及びプロジェクタ装置を提案しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、光学部品を傾き調整自在に保持する光学部品保持装置において、互いに独立し所定の距離を介して光学部品面に配設された第1の保持手段、第2の保持手段及び第3の保持手段を用いることによって光学部品の上下方向及び横方向の傾きをそれぞれ独立に調整する光学部品保持手段を具え、第1の保持手段は、第1の偏心カムと、光学部品を第1の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間に配設された弾性力を有する第1の弾性部材とを具え、第1の偏心カムを回転させたときに第1の弾性部材が当該第1の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、所定の第1の軸を中心として光学部品の上下方向の傾きを調整し、第2の保持手段及び第3の保持手段は、それぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムと、光学部品をそれぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間にそれぞれ配設された弾性力を有する第2の弾性部材及び第3の弾性部材とを具え、それぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムを回転させたときに第2の弾性部材及び第3の弾性部材がそれぞれ当該第2の偏心カム及び当該第3の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、第1の軸と直交する第2の軸を中心として光学部品の横方向の傾きを調整するようにした。
【0016】
この結果この光学部品保持装置では、光学部品を、互いに独立した第1の保持手段、第2の保持手段及び第3の保持手段を用いて、2軸方向の傾きを個別に調整できるように保持することができる。
【0017】
また本発明においては、プロジェクタ装置において、互いに独立し所定の距離を介して光学部品面に配設された第1の保持手段、第2の保持手段及び第3の保持手段を用いることによって光学部品の上下方向及び横方向の傾きをそれぞれ独立に調整する光学部品保持手段を具え、第1の保持手段は、第1の偏心カムと、光学部品を第1の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間に配設された弾性力を有する第1の弾性部材とを具え、第1の偏心カムを回転させたときに第1の弾性部材が当該第1の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、所定の第1の軸を中心として光学部品の上下方向の傾きを調整し、第2の保持手段及び第3の保持手段は、それぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムと、光学部品をそれぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間にそれぞれ配設された弾性力を有する第2の弾性部材及び第3の弾性部材とを具え、それぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムを回転させたときに第2の弾性部材及び第3の弾性部材がそれぞれ当該第2の偏心カム及び当該第3の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、第1の軸と直交する第2の軸を中心として光学部品の横方向の傾きを調整するようにした。
【0018】
この結果このプロジェクタ装置では、光学部品を、互いに独立した第1の保持手段、第2の保持手段及び第3の保持手段を用いて、2軸方向の傾きを個別に調整できるように保持することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0020】
(1)本実施の形態による透過型液晶プロジェクタ装置の構成
図1において、10は全体として本発明を適用した透過型液晶プロジェクタ装置を示す。この通過型液晶プロジェクタ装置10では、光源ランプ11から発射された光ビームL1を第1及び第2のフライアイレンズ12、13において輝度を均一化した後、P/Sコンバータ15においてS偏光波に変換する。
【0021】
そしてこの光ビームL1を集光レンズ15及びミラー16を順次介して第1のダイクロイックミラー17に導入する共に、当該第1のダイクロイックミラー17において光ビームL1の青色成分を分離抽出し、得られた青色光LB1をミラー18を介して第1の透過型液晶パネル19に照射する。
【0022】
また第1のダイクロイックミラー17を透過した光ビームL2は、この後第2のダイクロイックミラー20に入射し、当該第2のダイクロイックミラー20において緑色成分が分離抽出される。そしてこの分離抽出された光ビームL2の緑色成分でなる緑色光LG1が第2の透過型液晶パネル21に入射する。
【0023】
さらに第2のダイクロイックミラー20を透過した光ビームL2の赤色成分でなる赤色光LR1は、この後ミラー22、集光レンズ23、ミラー24を順次介して第3の透過型液晶パネル24に入射する。
【0024】
このとき第1〜第3の透過型液晶パネル19、21、24には、それぞれ外部から与えられる映像信号に基づく映像の青色成分、緑色成分及び赤色成分でなる部分的な映像が白抜きの状態で表示される。
【0025】
この結果これら第1〜第3の透過型液晶パネル19、21、24にそれぞれ入射した青色光LB1、緑色光LG1及び赤色光LR1が対応する第1〜第3の透過型液晶パネル19、21、24において空間変調され、得られた映像青色成分光LB2、映像緑色成分光LG2及び映像赤色成分光LR2がそれぞれプリズム25に入射する。
【0026】
そしてこれら映像青色成分光LB2、映像緑色成分光LG2及び映像赤色成分光LR2は、この後プリズム25において重ね合わせられ、かくして得られた外部から供給された映像信号に基づくカラー映像光LC が投影レンズ26を介してスクリーン上に結像される。
【0027】
このようにしてこの透過型液晶プロジェクタ装置10においては、供給される映像信号に基づくカラー映像をスクリーンに投影し得るようになされている。
【0028】
(2)本実施の形態によるミラー保持機構の構成
ここでこの透過型液晶プロジェクタ装置10の場合、第1〜第3の透過型液晶パネル19、21、24に対する青色光LB1、緑色光LG1及び赤色光LR1の照明範囲調整用の各ミラー18、16、22は、それぞれ図2に示すミラー保持機構30により保持されている。
【0029】
この場合かかるミラー保持機構30においては、筐体本体31の底面に回転自在に植立された回転軸32A及び当該回転軸32Aの上端部に偏心させて形成された円板形状の原動節32Bからなる第1のカム32と、筐体本体31の底面に第1のカム32と距離を介して立設された板状のベース31Aと、ミラー18(16、22)及びベース31A間に配設された例えばゴム材からなる第1の弾性部材33Aとを有し、第1の弾性部材33Aの弾性力によってミラー18(16、22)を第1のカム32の原動節32Bに押しつけるようにして当該ミラー18(16、22)の下端中央部を保持し得るようになされている。
【0030】
また第1のカム32と同じミラー18(16、22)の反射面18A(16A、22A)側には、ミラー18(16、22)の幅方向の一端部に対向させて、筐体本体31の底面に回転自在に植立された回転軸34Aと、当該回転軸34Aの上端部に偏心させて形成された円板形状の原動節34Bとからなる第2のカム34が配設されると共に、ミラー18(16、22)の幅方向の他端部に対応させて、筐体本体31の底面に回転自在に植立された回転軸35Aと、当該固定軸35Aの上端部に偏心させて形成された円板形状の原動節35Bとからなる第3のカム35が配設されている。
【0031】
このとき第2のカム34の回転軸34A及び第3のカム35の回転軸35Aの長さは、それぞれミラー18(16、22)の高さのほぼ半分程度に選定されており、かくして第2のカム34の原動節34B及び第3のカム35の原動節35Bがそれぞれミラー18(16、22)の高さの方向のほぼ半分の同じ高さ位置において当該ミラー18(16、22)の反射面18A(16A、22A)と接触し得るようになされている。
【0032】
さらにミラー18(16、22)及びベース31A間には、第2のカム34の原動節34B及び第3のカム35の原動節35Bにそれぞれ対応させて例えばゴム材からなる第2及び第3の弾性部材33B、33Cがそれぞれ配設されており、かくして第2の弾性部材33Bの弾性力によってミラー18(16、22)を第2のカム34の原動節34Bに押しつけるようにして当該ミラー18(16、22)の幅方向の一端部を保持し、かつ第3の弾性部材33Cの弾性力によってミラー18(16、22)を第3のカム35の原動節35Bに押しつけるようにして当該ミラー18(16、22)の幅方向の他端部を保持し得るようになされている。
【0033】
これによりこのミラー保持機構30においては、例えば図3に示すように、第1のカム32をその回転軸32Aを中心として矢印a方向に回転させることによって、第2のカム34の原動節34B及びミラー18(16、22)の反射面18A(16A、22A)の接点と、第3のカム35の原動節35B及びミラー18(16、22)の反射面18A(16A、22A)の接点とを通る矢印y2 方向と平行な第1の軸K1を中心として、ミラー18(16、22)を矢印b方向に回転させ得るようになされている。
【0034】
またこのミラー保持機構30においては、図4に示すように、第2、第3のカム34、35をその回転軸34A、35Aを中心として矢印c方向又は矢印d方向に回転させることによって、第1のカム32の原動節32Bとミラー18(16、22)との接点を通り、かつ第1の軸K1と直交する第2の軸K2を中心として、当該ミラー18(16、22)を矢印e方向に回転させ得るようになされている。
【0035】
このためこのミラー保持機構30においては、図5に示すように、第1〜第3のカム32、34、35の各原動節32B、34B、35Bの周側面32BX、34BX、35BXが円弧状に形成されており、かくして第1〜第3のカム32、34、35が回転されることによりミラー18(16、22)の傾きが変化した場合においても、これら第1〜第3のカム32、34、35の各原動節32B、34B、35Bの周側面32BX、34BX、35BXが確実に一点でミラー18(16、22)の反射面18A(16A、22A)と接触した状態を保ち得るようになされている。
【0036】
なおこの実施の形態の場合、図2及び図4からも明らかなように、各ミラー保持機構30の第1〜第3のカム32、34、35の各原動節32B、34B、35Bの上面にはそれぞれ十字状のドライバ用溝32BY、34BY、35BYが設けられており、かくしてこれら第1〜第3のカム32、34、35をドライバを用いて容易に回転駆動させることができるようになされている。
【0037】
またこの実施の形態の場合、図3からも明らかなように、筐体蓋体36には、各ミラー保持機構30の第1〜第3のカム32、34、35の各原動節32B、34B、35Bとそれぞれ対向させて開口部36Aが穿設されている。
【0038】
これによりこの透過型液晶プロジェクタ装置10では、筐体蓋体36の開口部36Aを介してドライバを挿入するようにして所望するミラー保持機構30の第1〜第3のカム32、34、35を回転駆動させることができ、かくして筐体蓋体36が筐体本体31に嵌め合わされた状態においてもミラー18(16、22)の傾き状態を自在に調整することができるようになされている。
【0039】
(3)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、この透過型液晶プロジェクタ装置10では、ミラー保持機構30の第1のカム32を回転させることによって当該ミラー保持機構30に保持されたミラー18、16、22の上下方向の傾き(矢印b方向の傾き)を調整することができ、またミラー保持機構30の第2及び又は第3のカム34、35を回転させることによって当該ミラー保持機構30に保持されたミラー18、16、22の横方向の傾き(矢印e方向の傾き)を調整することができる。
【0040】
従ってこの透過型液晶プロジェクタ装置10では、各ミラー18、16、22のその反射面18A、16A、22において直交する2軸方向の傾き状態をそれぞれ個別にかつ容易に調整することができ、かくして透過型液晶パネル19、21、24に対する青色光LB1、緑色光LG1及び赤色光LR1の照明範囲を2軸個別に調整することができる。
【0041】
この場合においてこの透過型液晶プロジェクタ装置10では、ミラー18、16、22を第1の軸K1を中心として回転自在に保持する第2及び第3のカム34、35が第2の軸K2を中心とする回転の調整機構となり、また当該ミラー18、16、22を第2の軸を中心として回転自在に保持する第1のカム32が第1の軸K1を中心とする回転の調整機構となっているため、ミラー保持機構30を簡易に構築することができる。
【0042】
またこの透過型液晶プロジェクタ装置10では、ミラー保持機構30の全ての構成部材が筐体本体31側に設けられているため、筐体蓋体36を開けた場合においても各ミラー18、16、22の傾き調整がリセットされることはない。
【0043】
さらにこの透過型液晶プロジェクタ装置10では、ミラー18、16、22の傾き調整をミラー保持機構30の第1〜第3のカム32、34、35を回転させるだけで行うことができるため、当該ミラー18、16、22の傾き調整(すなわち透過型液晶パネル19、21、24に対する青色光LB1、緑色光LG1及び赤色光LR1の照明範囲の調整)を専用の機器を用いて自動的に行い得るようにすることができる。
【0044】
以上の構成によれば、ミラー18、16、22を第1のカム32及び第1の弾性部材33Aにより第2の軸K2を中心として回転自在に保持すると共に、当該ミラー18、16、22を第2のカム34及び第2の弾性部材33Bと、第3のカム35及び第3の弾性部材33Cとにより第2の軸K2と直交する第1の軸K1を中心として回転自在に保持するようにしたことにより、ミラー18、16、22の2軸方向の傾き状態をそれぞれ個別に調整し得るようにすることができ、かくしてミラー18、16、22の傾き調整を容易化させ得る透過型液晶プロジェクタ装置を実現できる。
【0045】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を空間変調素子として透過型液晶パネル19、21、24を用いた透過型液晶プロジェクタ装置10に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、空間変調素子として反射型液晶パネルや、微小な鏡面素子が映像の画素配列と同様にマトリクス状に配列されてなる空間変調素子等が用いられたこの他種々のプロジェクタ装置に広く適用することができる。
【0046】
また上述の実施の形態においては、本発明による光学部品保持装置を透過型液晶プロジェクタ装置10におけるミラー保持機構30に適用するようにした場合について述べたが本発明はこれに限らず、この他種々の光学部品を保持する光学部品保持装置としてプロジェクタ装置以外にも広く適用することができる。
【0047】
さらに上述の実施の形態においては、ミラー保持機構30を筐体本体31に配設するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば筐体蓋体36側に配設するようにしても良く、要は、筐体を形成する第1及び第2の筐体半体のいずれか一方にのみ配設するようにすれば良い。
【0048】
さらに上述の実施の形態においては、ミラー18、16、22を第1の軸K1を中心として回転自在に保持する第1の光学部品保持手段を、第2のカム34及び第2の弾性部材33Bと、第3のカム35及び第3の弾性部材33Cとにより構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば第2及び第3のカム34、35に代えて2本のねじを、それぞれベース31Aの裏側から弾性部材等を介してミラー18、16、22における第2のカム34との接点位置の裏面側と、ミラー18、16、22における第3のカム35との接点位置の裏面側とに螺合するようにして当該ミラー18、16、22を第1の軸K1を中心として回転自在に保持するようにしても良く、第1の光学部品保持手段の構成としては、この他種々の構成を広く適用することができる。
【0049】
この場合において、第2、第3のカム34、35として偏心カム以外の例えば部分的に微小調整を行い得るように原動節の形状が設計されたカムを用いるようにしても良く、またミラー18、16、22を第2、第3のカム34、35に押しつけるように付勢する付勢手段としてゴム材以外の例えば圧縮コイルばねや、板ばね又はスポンジ等のこの他種々の弾性部材を広く適用することができる。
【0050】
また第3のカム35に変えて位置出し用のピン等によりミラー18、16、22の他端側を支持し、第2のカム34を回転することによってミラー18、16、22をピンと当該ミラー18、16、22との接点を支点として横方向に回転させ得るようにしても良い。
【0051】
さらに上述の実施の形態においては、ミラー18、16、22を第2の軸K2を中心として回転自在に保持する第2の光学部品保持手段を第1のカム32及び第1の弾性部材33Aにより構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば第1のカム32に代えてベース31Aの裏側から弾性部材等を介してミラー18、16、22における第1のカム32との接点位置の裏面側に螺合するようにして当該ミラー18、16、22を第2の軸K2を中心として回転自在に保持するようにしても良く、第2の光学部品保持手段の構成としてはこの他種々の構成を広く適用することができる。
【0052】
この場合において、第1のカム32として偏心カム以外の例えば部分的に微小調整を行い得るように原動節の形状が設計されたカムを用いるようにしても良く、またミラー18、16、22を第1のカム32に押しつけるように付勢する付勢手段としてゴム材以外の例えば圧縮コイルばねや、板ばね又はスポンジ等のこの他種々の弾性部材を広く適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、光学部品を傾き調整自在に保持する光学部品保持装置において、互いに独立し所定の距離を介して光学部品面に配設された第1の保持手段、第2の保持手段及び第3の保持手段を用いることによって光学部品の上下方向及び横方向の傾きをそれぞれ独立に調整する光学部品保持手段を具え、第1の保持手段は、第1の偏心カムと、光学部品を第1の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間に配設された弾性力を有する第1の弾性部材とを具え、第1の偏心カムを回転させたときに第1の弾性部材が当該第1の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、所定の第1の軸を中心として光学部品の上下方向の傾きを調整し、第2の保持手段及び第3の保持手段は、それぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムと、光学部品をそれぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間にそれぞれ配設された弾性力を有する第2の弾性部材及び第3の弾性部材とを具え、それぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムを回転させたときに第2の弾性部材及び第3の弾性部材がそれぞれ当該第2の偏心カム及び当該第3の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、第1の軸と直交する第2の軸を中心として光学部品の横方向の傾きを調整するようにしたことにより、互いに独立した第1、第2及び第3の偏心カムとそれぞれに配設された第1、第2及び第3の弾性部材を有する第1の保持手段、第2の保持手段及び第3の保持手段を用いて直交する2軸方向の傾きを個別に調整自在に保持することができるので偏心カムを回転するだけで光学部品の直交する2軸方向の傾き状態を容易に調整することができ、かくして光学部品の傾き調整を容易化させ得る光学部品保持装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による透過型液晶プロジェクタ装置の構成を示す光路図である。
【図2】本実施の形態によるミラー保持機構の構成を示す略線的な斜視図である。
【図3】本実施の形態によるミラー保持機構の構成を示す略線的な上面図である。
【図4】本実施の形態によるミラー保持機構の構成を示す略線的な側面図である。
【図5】第1〜第3のカムの構成を示す側面図である。
【図6】従来のミラー保持機構の構成を示す略線的な斜視図である。
【図7】従来のミラー保持機構の構成を示す略線的な上面図である。
【図8】従来のミラー保持機構の構成を示す略線的な側面図である。
【符号の説明】
10……透過型液晶プロジェクタ装置、16、18、22……ミラー、16A、18A、22A……反射面、19、21、24……液晶パネル、30……ミラー保持機構、31……筐体本体、31A……ベース、32、34、35……カム、32A、34A、35A……回転軸、32B、34B、35B……原動節、32BX、34BX、35BX……周側面、32BY、34BY、35BY……溝、33A〜33C……弾性部材、L1……光ビーム、LB1……青色光、LG1……緑色光、LR1……赤色光、LB2……映像青色成分光、LG2……映像緑色光、LR2……映像赤色光。

Claims (5)

  1. 光学部品を傾き調整自在に保持する光学部品保持装置において、
    互いに独立し所定の距離を介して上記光学部品面に配設された第1の保持手段、第2の保持手段及び第3の保持手段を用いることによって上記光学部品の上下方向及び横方向の傾きをそれぞれ独立に調整する光学部品保持手段を具え、
    上記第1の保持手段は、
    第1の偏心カムと、
    上記光学部品を上記第1の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間に配設された弾性力を有する第1の弾性部材とを具え、
    上記第1の偏心カムを回転させたときに上記第1の弾性部材が当該第1の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、所定の第1の軸を中心として上記光学部品の上下方向の傾きを調整し、
    上記第2の保持手段及び上記第3の保持手段は、
    それぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムと、
    上記光学部品をそれぞれ上記第2の偏心カム及び上記第3の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間にそれぞれ配設された弾性力を有する第2の弾性部材及び第3の弾性部材とを具え、
    それぞれ上記第2の偏心カム及び上記第3の偏心カムを回転させたときに上記第2の弾性部材及び上記第3の弾性部材がそれぞれ当該第2の偏心カム及び当該第3の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、上記第1の軸と直交する第2の軸を中心として上記光学部品の横方向の傾きを調整する
    学部品保持装置。
  2. 上記光学部品は、ミラーでなる
    求項1に記載の光学部品保持装置。
  3. 上記第1の弾性部材、上記第2の弾性部材及び上記第3の弾性部材は、ゴム、圧縮コイルばね又は板ばねでなる
    請求項1に記載の光学部品保持装置。
  4. 供給される映像信号に基づいて光ビームを空間変調し、得られた映像光を投影レンズを介して外部に発射するプロジェクタ装置において、
    上記映像信号に基づいて上記光ビームを上記空間変調する空間変調素子と、上記光ビームを上記空間変調素子に向けて偏向する光学部品と、
    互いに独立し所定の距離を介して上記光学部品面に配設された第1の保持手段、第2の保持手段及び第3の保持手段を用いることによって上記光学部品の上下方向及び横方向の傾きをそれぞれ独立に調整する光学部品保持手段を具え、
    上記第1の保持手段は、
    第1の偏心カムと、
    上記光学部品を上記第1の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間に配設された弾性力を有する第1の弾性部材とを具え、
    上記第1の偏心カムを回転させたときに上記第1の弾性部材が当該第1の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、所定の第1の軸を中心として上記光学部品の上下方向の傾きを調整し、
    上記第2の保持手段及び上記第3の保持手段は、
    それぞれ第2の偏心カム及び第3の偏心カムと、
    上記光学部品をそれぞれ上記第2の偏心カム及び上記第3の偏心カムに押し付けるように当該光学部品と光学部品保持機構の筐体との間にそれぞれ配設された弾性力を有する第2の弾性部材及び第3の弾性部材とを具え、
    それぞれ上記第2の偏心カム及び上記第3の偏心カムを回転させたときに上記第2の弾性部材及び上記第3の弾性部材がそれぞれ当該第2の偏心カム及び当該第3の偏心カムの形状に合わせて変形することにより、上記第1の軸と直交する第2の軸を中心として上記光学部品の横方向の傾きを調整する
    ロジェクタ装置。
  5. 上記光学部品は、ミラーでなる
    求項に記載のプロジェクタ装置。
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