JP4349787B2 - 蓋本体と外蓋とから構成された合成樹脂製容器蓋 - Google Patents
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Description
本発明は、蓋本体と外蓋とから構成された容器蓋、更に詳しくは容器の口頸部に装着される蓋本体とこの蓋本体に対して着脱自在或いは開位置と閉位置との間を旋回自在である外蓋とから構成された容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体調味料等を収容した容器のための容器蓋として、蓋本体と外蓋とから構成された容器蓋が提案され、実用に供されている。蓋本体は閉鎖壁及び閉鎖壁から垂下する筒状スカート壁を含み、スカート壁の内周面には係止手段が配設されている。かような蓋本体は、係止手段を口頸部の外周面に形成されている保持手段に係合せしめることによって口頸部に装着され、閉鎖壁が口頸部の頂面を覆う。閉鎖壁には破断可能ラインによって区画された除去領域が配設されており、破断可能ラインを破断せしめて除去領域を除去することによって閉鎖壁に排出開口が形成される。外蓋は蓋本体に着脱自在に装着されて閉鎖壁の少なくとも除去領域を覆い、或いは閉鎖壁の少なくとも除去領域を覆う閉位置と除去領域を露呈せしめる開位置との間を旋回自在に蓋本体に連結されている。
【0003】
上述した形態の容器蓋においては、所謂タンパーエビデント特性(悪戯明示特性)を保持する等のために、容器の口頸部に装着された通常の状態においては、蓋本体は口頸部に充分確実に装着されていて、そのままの形態では口頸部から離脱することが実質上不可能であることが重要である。一方、内容物が消費された後にごみとして破棄する際には、ごみの分別収集の点から、切断具等の工具を必要とすることなく容器の口頸部から蓋本体を充分容易に離脱せしめることができることが重要である。かような要望を満たすために、蓋本体のスカート壁を、その上端又は下端から下端又は上端まで、下端又は上端における周方向に間隔をおいた複数個の切断可能部を残留せしめて、切断して内側壁とこの内側壁を囲繞する外側壁とに分離することが提案されている(特許文献1参照)。かような容器蓋においては、通常の状態においては、内側壁がこれを囲繞する外側壁によって補強され、従って内側壁は半径方向外側に変形せしめてその内周面に形成されている係止手段を口頸部の保持手段から離脱せしめることは実質上不可能である。一方、口頸部から蓋本体を離脱せしめる際には、スカート壁の外側壁を所要方向に引っ張って外側壁を内側壁に接続している破断可能部を切断し、その外側壁を少なくとも部分的に内側壁から離隔せしめる。かくすると、内側壁が外側壁によって補強されなくなり、充分容易に内側壁を半径方向外側に変形せしめてその内周面に形成されている係止手段を口頸部の保持手段から離脱せしめ、かくして、口頸部から蓋本体を離脱することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−59400号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上述したとおりの容器蓋には、次のとおりの解決すべき問題が存在する。即ち、容器の口頸部に蓋本体を装着する際等に、蓋本体のスカート壁における外側壁と内側壁とを接続している破断可能部が破断されてしまう虞が少なくない。破断可能部の早期破断を回避するためには、破断可能部の強度を大きくすることが意図され得るが、かくすると口頸部から蓋本体を離脱する際の破断可能部の破断が困難になってしまう。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、蓋本体の一部を破断せしめない限り口頸部から蓋本体を離脱せしめることが実質上不可能であると共に、口頸部から蓋本体を離脱する際には蓋本体の一部を充分容易に破断せしめて口頸部から蓋本体を充分容易に離脱せしめることが可能であり、加えて口頸部に蓋本体を装着する際等に蓋本体の一部が破断されてしまう虞がない、新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、蓋本体のスカート壁に周方向に連続して延びる環状溝を形成し、この環状溝に周方向に間隔をおいて複数個の突起を配設し、そしてスカート壁の下端から上方に向けて切断を遂行することによって、スカート壁における上記環状溝よりも下方に位置する下部を内側壁とこの内側壁を囲繞する外側壁とに分離すると共に、上記突起の少なくとも下部も内側部と外側部に分離し、外側壁は突起の外側部のみを介してスカート壁の環状溝よりも上方に位置する上部に接続される形態にせしめることによって、上記技術的課題を達成することができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明によれば、上記技術的課題を達成する容器蓋として、容器の口頸部に装着される蓋本体と、該蓋本体に対して着脱自在或いは開位置と閉位置との間を旋回自在である外蓋とから構成され、
該蓋本体は閉鎖壁及び該閉鎖壁から垂下する筒状スカート壁を含み、該スカート壁の内周面には係止手段が配設されており、該係止手段を口頸部の外周面に形成されている保持手段に係合せしめることによって口頸部に装着されて該閉鎖壁が口頸部の頂面を覆い、該閉鎖壁には破断可能ラインによって区画された除去領域が配設されており、該破断可能ラインを破断せしめて該除去領域を除去することによって該閉鎖壁に排出開口が形成され、
該外蓋は該蓋本体に着脱自在に装着されて該閉鎖壁の少なくとも該除去領域を覆い、或いは該閉鎖壁の少なくとも該除去領域を覆う閉位置と該除去領域を露呈せしめる開位置との間を旋回自在に該蓋本体に連結されている、
合成樹脂製容器蓋において、
該蓋本体の該スカート壁には周方向に連続して延びる環状溝が形成され、該環状溝には周方向に間隔をおいて複数個の突起が配設されており、該スカート壁の下端から上方に向けて切断を遂行することによって、該スカート壁における該環状溝よりも下方に位置する下部が内側壁と該内側壁を囲繞する外側壁とに分離されていると共に、該突起の少なくとも下部も内側部と外側部とに分離されており、該外側壁は該突起の該外側部のみを介して該スカート壁の該環状溝よりも上方に位置する上部に接続されている、
ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。
【0009】
好ましくは、該突起はその下端から上端まで該内側部と該外側部とに分離されている。該係止手段は周方向に延びる突条であり、該環状溝は軸線方向において該突条の上部に対応して位置せしめられているのが好適である。該外側壁には軸線方向破断可能領域が配設されているのが好都合である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成されたタンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0011】
図1乃至図4には本発明に係る容器蓋の一実施例を図示している。全体を番号2で示す容器蓋は後に詳述する容器の口頸部に装着される蓋本体4と、かかる蓋本体4に対して着脱自在である外蓋6とから構成されている。蓋本体4及び外蓋6はポリプロピレン、ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から夫々別々に成形されている。
【0012】
蓋本体4は略円盤形状閉鎖壁8と、閉鎖壁8の上面における周縁部から上方に延びる筒状装着壁10と、装着壁10よりも半径方向内方における閉鎖壁8の上面から上方に延びるラッパ形状の排出壁12と、排出壁12と実質上同一の周方向位置における閉鎖壁8の下面から垂下する筒状シール壁14と、閉鎖壁8の下面における周縁から垂下する筒状スカート壁16と、閉鎖壁8の下面におけるシール壁14とスカート壁16との間を周方向に延びる環状突条17とを含んでいる。閉鎖壁8には破断可能ライン18によって適宜の形状でよい除去領域20が区画されており、かかる除去領域20の上面における周縁部には引張リング22が配設されている。装着壁10には、その外周面に雄螺条24が配設されている。
【0013】
図1と共に図2及び図5を参照して説明を続けると、図示の実施形態におけるスカート壁16には、その外周面に周方向に連続して延びる環状溝26が形成されており、かかる環状溝26には周方向に一定の間隔をおいて複数個の突起28が配設されている。また、スカート壁16には、その内周面に係止手段30が配設されている。かかる係止手段30は周方向に延びる突条であり、その上部は軸線方向において環状溝26に対応して位置せしめられているのが好適である。尚、環状溝26が位置せしめられる部位は、容器蓋2を後に詳述する容器の口頸部64に装着した際の、蓋本体4の口頸部64への保持力と、蓋本体4を口頸部64から離脱せしめる際の、蓋本体4の口頸部からの離脱容易性とを考慮して、係止手段30の上部か、係止手段20の下部かに適宜選択することができる。更に、図示の実施形態におけるスカート壁16には、その下端から上方に向けて環状の切断刃(図示していない)を作用せしめて、スカート壁16における環状溝26よりも下方に位置する下部32を内側壁34と、かかる内側壁34を囲繞する外側壁36とに分離し、次いで環状溝26に形成されている突起28も内側部38と外側部40とに分離し、そして更にスカート壁16における環状溝26よりも上方に位置する上部42の下端部も内壁44と、かかる内壁44とを囲繞する外壁46とに分離せしめられている。スカート壁16における環状溝26よりも下方に位置する下部32の外側壁36は突起28の外側部40のみを介してスカート壁16の環状溝26よりも上方に位置する上部42に接続されている。かように構成されたスカート壁16の外側壁36には軸線方向破断可能領域48が配設されているのが好適である。図示の軸線方向破断可能領域48は外側壁36の下端から軸線方向の略中間まで上方に延びるスリット50と、かかるスリット50の上端から外側壁36の上端まで上方に延びる薄肉部52から構成されている。
【0014】
図1乃至図2を参照して説明を続けると、容器蓋2の外蓋6は円形天面壁54及び天面壁54の周縁から垂下する垂下壁56から構成されている。天面壁54の下面には筒状シール片58が形成されている。垂下壁56の内周面には雌螺条60が形成されており、垂下壁56の外周面には、そこに掛けられる指の滑りを阻止する凹凸形状62が形成されている。
【0015】
図1には上述したとおりの容器蓋2が装着される、ガラス或いは適宜の合成樹脂等から成形することができる容器の口頸部64も図示されている。かかる口頸部64は略円筒形状であり、その外周面には環状係止あご部でよい保持手段66が形成されている。
【0016】
容器内に内容物を充填した後に、容器の口頸部64を容器蓋2、即ち蓋本体4及び外蓋6によって密封する場合には、蓋本体4を適宜の手段によって固定する。次いで、固定された蓋本体4に外蓋6を被嵌し、外蓋6を閉回転方向、即ち図1の上方からみて時計方向に回転せしめる。かくすると、外蓋6の垂下壁56の内周面に形成されている雌螺条60が蓋本体4の装着壁10の外周面に形成されている雄螺条24に螺合せしめられ、外蓋6は装着壁10に沿って下降せしめられる。しかる後においては、蓋本体4の排出壁12の内周面に外蓋6の天面壁54の下面に形成されている筒状シール片58の外周面が密接せしめられる。かくして、蓋本体4に外蓋6が装着されて、蓋本体4の閉鎖壁8の除去領域20が外蓋6によって覆われる。その後、蓋本体4と外蓋6とが組み合わされた容器蓋2を内容物が充填された容器の口頸部64に被嵌し、下方に強制せしめる。かくすると、容器蓋2における蓋本体4のスカート壁16の内周面に配設された係止手段30が容器の口頸部64の外周面に形成された保持手段66を弾性的に乗り越えて、その下方に係合せしめられる。一方、蓋本体4の閉鎖壁8の下面に形成されている筒状シール壁14の外周面及び環状突条17が口頸部64の内周面上端部及び頂面に密着されて、容器の口頸部64が密封される。かくして、容器蓋2が容器の口頸部64に装着される。上述した場合においては、蓋本体4に外蓋6が装着された後において、容器の口頸部64が密封せしめられているが、これに代えて容器の口頸部64を蓋本体4によって密封した後において、容器の口頸部64に装着された蓋本体4に外蓋6を装着することもできる。
【0017】
容器内の内容物を消費する際には、容器の口頸部64に装着された容器蓋2の外蓋6を開回転方向、即ち図1において上方からみて反時計方向に回転せしめる。かくすると、容器蓋2の外蓋6と蓋本体4との螺合が漸次解除せしめられ、外蓋6は蓋本体4に対して上昇せしめられる。しかる後においては外蓋6が蓋本体4から離脱せしめられ、容器の口頸部64に装着されている蓋本体4の除去領域20が露呈せしめられる。その後、蓋本体4の引張リング22に指を掛けて上方に引っ張ると、蓋本体4の閉鎖壁8に形成された破断可能ライン18が破断されて、引張リング22及び破断可能ライン18によって区画された除去領域20が蓋本体4から離脱せしめられる。これによって蓋本体4の閉鎖壁8には排出開口が形成され、かかる排出開口を通して容器内の内容物を消費することができる。
【0018】
容器内の内容物を全て消費した後に、容器の口頸部64に装着されたままの蓋本体4を口頸部64から離脱せしめる際には、蓋本体4のスカート壁16の外側壁36における、軸線方向破断可能領域48の近傍を指で摘まみ半径方向外方に強制する。かくすると、軸線方向破断可能領域48が破断され、次いで環状溝26に間隔をおいて形成されている複数個の突起28の外側部40が順次破断される。これによってスカート壁16の環状溝26よりも下方に位置する下部32の外側壁36はスカート壁16から離脱せしめられ、スカート壁16の環状溝26よりも下方に位置する下部32の内側壁34は外側壁36によって補強されなくなる。しかる後において、外側壁36が離脱せしめられた蓋本体4を上方に強制せしめると、蓋本体4のスカート壁16の内側壁34は充分容易に半径方向外側に変形せしめられて、スカート壁16の内周面に形成されている係止手段30が容器の口頸部64の外周面に形成されている保持手段66を弾性的に乗り越えて、蓋本体4が容器の口頸部64から離脱せしめられる。
【0019】
図1乃至図5を参照して本発明の一実施例について説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなくて、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。例えば上記実施例においては、外蓋6が蓋本体4に対して着脱自在である所謂螺子式キャップを説明したが、外蓋が蓋本体に対して開位置と閉位置との間を旋回自在にせしめられたヒンジ式キャップにすることもできる。かかるヒンジ式キャップは容器の口頸部64に装着される蓋本体と、かかる蓋本体にヒンジを介して接続される外蓋とから構成されており、適宜の合成樹脂から一体に成形されている。外蓋は蓋本体に対してヒンジを旋回中心として開位置と閉位置との間を旋回自在にせしめられており、外蓋が蓋本体に対して閉位置にせしめられた際には、外蓋におけるヒンジが形成された部位に対向する位置に形成された係止突起と蓋本体におけるヒンジが形成された部位に対向する位置に形成された係合突起とが係合せしめられ、外蓋が蓋本体に対して固定される。その他の構成は図1乃至図5に図示する実施形態と実質上同一でよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明の蓋本体と外蓋とから構成された合成樹脂製容器蓋においては、蓋本体の一部を破断せしめない限り口頸部から蓋本体を離脱せしめることが実質上不可能であると共に、口頸部から蓋本体を離脱する際には蓋本体の一部を充分容易に破断せしめて口頸部から蓋本体を充分容易に離脱せしめることが可能であり、加えて口頸部に蓋本体を装着する際等に蓋本体の一部が破断されてしまう虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って構成された容器蓋の一実施形態を示す断面図。
【図2】 図1に示す容器蓋の正面図。
【図3】 図1に示す容器蓋の外蓋を蓋本体から離脱した状態を示す上面図。
【図4】 図1に示す容器蓋の底面図。
【図5】図1に示す容器蓋のスカート壁を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
2:容器蓋
4:蓋本体
6:外蓋
8:閉鎖壁
16:筒状スカート壁
18:破断可能ライン
20:除去領域
26:環状溝
28:突起
30:係止手段
32:下部
34:内側壁
36:外側壁
38:内側部
40:外側部
42:上部
48:軸線方向破断可能領域
64:口頸部
66:保持手段
Claims (4)
- 容器の口頸部に装着される蓋本体と、該蓋本体に対して着脱自在或いは開位置と閉位置との間を旋回自在である外蓋とから構成され、
該蓋本体は閉鎖壁及び該閉鎖壁から垂下する筒状スカート壁を含み、該スカート壁の内周面には係止手段が配設されており、該係止手段を口頸部の外周面に形成されている保持手段に係合せしめることによって口頸部に装着されて該閉鎖壁が口頸部の頂面を覆い、該閉鎖壁には破断可能ラインによって区画された除去領域が配設されており、該破断可能ラインを破断せしめて該除去領域を除去することによって該閉鎖壁に排出開口が形成され、
該外蓋は該蓋本体に着脱自在に装着されて該閉鎖壁の少なくとも該除去領域を覆い、或いは該閉鎖壁の少なくとも該除去領域を覆う閉位置と該除去領域を露呈せしめる開位置との間を旋回自在に該蓋本体に連結されている、
合成樹脂製容器蓋において、
該蓋本体の該スカート壁には周方向に連続して延びる環状溝が形成され、該環状溝には周方向に間隔をおいて複数個の突起が配設されており、該スカート壁の下端から上方に向けて切断を遂行することによって、該スカート壁における該環状溝よりも下方に位置する下部が内側壁と該内側壁を囲繞する外側壁とに分離されていると共に、該突起の少なくとも下部も内側部と外側部とに分離されており、該外側壁は該突起の該外側部のみを介して該スカート壁の該環状溝よりも上方に位置する上部に接続されている、
ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。 - 該突起はその下端から上端まで該内側部と該外側部とに分離されている、請求項1記載の合成樹脂製容器蓋。
- 該係止手段は周方向に延びる突条であり、該環状溝は軸線方向において該突条の上部に対応して位置せしめられている、請求項1又は2記載の合成樹脂製容器蓋。
- 該外側壁には軸線方向破断可能領域が配設されている、請求項1から3までのいずれかに記載の合成樹脂製容器蓋。
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