JP3841968B2 - 合成樹脂製キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は合成樹脂製キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
容器体の口頚部に嵌着させる合成樹脂製のキャップとして、口頚部外周に装着筒を嵌合させて装着し、凹凸係合手段を介して抜け出しの防止を図ったものが知られている。
【0003】
これらは例えば、装着筒上端縁より延設した頂板により口頚部上端開口を閉塞し、また、頂板上面からは注出筒を立設するとともに、その内部の頂壁にプルリング付きの切り取り蓋を設けてなる本体と、本体後部に回動可能に後部を連結して注出筒を開閉可能に被覆する蓋体とからなるものが知られている。
【0004】
また、上記凹凸係合手段として、例えば、本体周壁に突周設した係合突条を口頚部外周に突周設した係止突条下面に強制的に乗り越え係合させることにより上方への抜け出しを防止する如く構成したものが挙げられる。
【0005】
従来のこれらのキャップは合成樹脂或いはガラス等により形成された容器体に装着したもので、容器体内の収納物を使い切った際にはそのまま廃棄する場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の廃棄物の処理事情では分別処理が主流をしめ、金属と合成樹脂或いはガラスと合成樹脂の分別処理は勿論、合成樹脂相互の分別処理も行われている。従って、容器体がガラス製や金属製の場合には勿論、合成樹脂製であってもキャップを形成する樹脂と材質の相違する場合には分離して廃棄することが要望される。
【0007】
従来のこの種のキャップは、使用時に口頚部から不用意に外れない様に比較的固く装着筒を口頚部に嵌合させている。従って、廃棄の際に容器体から取り外すのに時間が掛かり、道具を使用しなければ取り外すことが出来ない場合もある。装着筒の嵌合を外れ易いものとすれば廃棄の際には便利であるが、今度は容器使用時に不用意にキャップが外れる等の不都合が生じる虞がある
本発明はこの様な点を考慮してなされたもので、使用時には確実に容器体に固定されて誤って外れる等の虞がなく、しかも廃棄の際には簡単な操作で容易に容器体から取り外すことができる優れた合成樹脂製のキャップを提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、容器体口頚部3外周に装着筒4を嵌合させて装着するとともに、装着筒4内周面に突周設した係合突条5を口頚部3外周面に突周設した係止突条6下面に強制的に乗り越え係合させて抜け出しの防止を図った合成樹脂製のキャップであって、装着筒4の少なくとも係合突条5突設部分を含む部分に周方向多数の縦切り溝aを穿設するとともに、装着筒4外周下端部に薄肉の破断部23を介して内周下端部を一体に連結し、且つ、装着筒4外周に沿って延びる帯状部24を切り取り可能に設けた。
【0009】
また、第2の手段として、前記第1の手段に於いて、装着筒4上端縁より延設した頂板9中央上面より注出筒11を立設するとともに、その内部の頂板部に薄肉破断部12で囲成されたプルリング14付きの切り取り部9aを設けた本体7と、本体後部上端に後部下端をヒンジ19を介して回動可能に連結するとともに、注出筒11を開閉可能に被覆する蓋体8とを備え、装着筒4後部を除いた部分に縦切り溝a及び帯状部24を形成して、全体を合成樹脂の一体成形により形成可能とした。
した。
【0010】
また、第3の手段として、容器体口頚部3外周に第1装着筒4aを嵌合させて装着するとともに、第1装着筒4a内周面に突周設した係合突条5を口頚部3外周に突周設した係止突条6下面に強制的に乗り越え係合させて抜け出しの防止を図った合成樹脂製の注出口部材Aと、第1装着筒4a外周に第2装着筒4bを螺着させるとともに、第2装着筒4b後部上端に蓋体8後部下端を回動可能に連結して注出口部材A上部を開閉可能に被覆した合成樹脂製の蓋部材Bとを備え、第1装着筒4aの少なくとも係合突条5突設部分を含む部分に周方向多数の縦切り溝aを穿設し、第1装着筒4a下端部よりフランジ31を介して第2装着筒4b外周下部を囲繞する帯状部24を切り取り可能に設け、帯状部24内面と第2装着筒4b外面との間に螺合方向への一方的な回動が可能なラチェット機構32を設けた。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
第1の手段のキャップ1は、図1及び図2に示す如く、容器体2の口頚部3外周に装着筒4を嵌合させて装着するとともに、装着筒4内周面に突周設した係合突条5を口頚部3外周面に突周設した係止突条6下面に強制的に乗り越え係合させて抜け出しの防止を図った合成樹脂製のものである。
【0013】
装着する容器体は合成樹脂製のものやガラス製のもの或いは金属製のもの等種々のものが採用できる。また、キャップ1の形態は上記した装着筒4を備えるものであれば種々採用できるが、例えば、図示例の如く、合成樹脂により一体に成形した本体7と、蓋体8とを備えたものが採用できる。
【0014】
本体7は、容器体2の口頚部3外周に嵌合させた装着筒4の上端縁より延設した頂板9により口頚部上端開口を閉塞し、頂板9裏面中央から垂設したシール筒10を口頚部3内周に液密に嵌合させてこの部分からの液の漏出防止を図っている。また、頂板9上面からは注出筒11を立設するとともに、その内部の頂板9に薄肉破断部12により囲成された切り取り部9aを形成し、切り取り部9a上に立設した支柱13を介してプルリング14を水平に設けている。更に、注出筒11と離間した外方の頂板上に短筒15を立設し、その前面に蓋体を係止するための係止突起16を突設している。
【0015】
蓋体8は、本体7後部上端に後部下端を回動可能に連結して注出筒11を開閉可能に被覆したもので、頂板9上面周縁部に当接載置した周壁17上端縁より頂壁18を延設した下端開口の筒状をなし、周壁17後部下端を本体7の頂板9後端部にヒンジ19を介して一体に連結している。また、頂壁18裏面から垂設したシール筒20を注出筒11内周上端部に液密に嵌合させるとともに、周壁17前部内面に突設した係合突起21を係止突起16下面に係止させている。更に、周壁17前面下端部から前方へ指掛け突起22を突設している。
【0016】
本発明では、装着筒4の少なくとも係合突条5突設部分を含む部分に周方向多数の縦切り溝aを穿設するとともに、装着筒4外周下端部に薄肉の破断部23を介して内周下端部を一体に連結し、且つ、装着筒4外周に沿って延びる帯状部24を切り取り可能に設けている。
【0017】
この縦切り溝aを設けることにより廃棄の際、装着筒4の係合突条5の係合が容易に外れる如く構成している。縦切り溝aの穿設位置は、係合突条5突設部分を含む部分であれば良いが、図示例の如く、装着筒下面より係合突条5上方に至る部分に設けると廃棄の際に係合突条5と係止突条6との係合をより外れ易くすることが出来て良い。
【0018】
図示例では、フランジ25を介して装着筒4と帯状部24とに隙間をあけ、また、帯状部24上面一端部に指掛け用の突部26を突設して帯状部24の切り取りをより容易に構成している。また、縦切り溝a及び帯状部24を装着筒4後部を除いた部分に形成して、蓋体を開いた状態で全体を合成樹脂の一体成形により形成可能としている。尚、蓋体8を本体7と別体に形成して、蓋体後部に軸着,枢着等する如く構成する場合には、縦切り溝a及び帯状部24を全周に亘って形成しても良い。
【0019】
上記の如きキャップ1は、例えば、容器体2上方より打設して装着することができ、係合突条5と係止突条6との充分な係合強度を得られて、使用中にキャップ1が外れる等の不都合を生じない様に構成している。また、キャップ1を使用する場合には、蓋体8を開いてプルリング14を引き上げることにより薄肉破断部12を破断して切り取り部9aを切断除去し、注出筒11内の頂板9を開口して収納物の注出を行える。容器体内収納物を使い切った後廃棄する場合には、帯状部24を薄肉破断部23の部分から破断して除去した後、本体7を上方へ引き上げれば各縦切り溝a間の装着筒部分が外方へ弾性変形し、容易にキャップ1を取り外すことができる如く構成している。
【0020】
図3乃至図6は第3の手段の一実施例を示すもので、本実施例に於けるキャップ1は、合成樹脂製の注出口部材A及び蓋部材Bとを備えている。
【0021】
注出口部材Aは、容器体口頚部3外周に第1装着筒4aを嵌合させて装着するとともに、第1装着筒4a内周面に突周設した係合突条5を口頚部3外周に突周設した係止突条6下面に強制的に乗り越え係合させて抜け出しの防止を図っている。また、第1装着筒4a外周面には蓋部材Bを螺着させるための螺条27を周設している。図示例の注出口部材Aは、第1装着筒4a上端縁より頂板9を延設し、この頂板部分に図1の実施例に於ける頂板部分と実質的に同様の構成を配しており、従って、この部分の構成には同様の符号を付して説明を省略する。
【0022】
蓋部材Bは、第1装着筒4a外周に第2装着筒4bを螺着させるとともに、第2装着筒4b後部上端に蓋体8後部下端を回動可能に連結して注出口部材A上部を開閉可能に被覆している。図示例では、内周面に螺条28を周設した第2装着筒4b上端縁より内方へフランジ29を延設して本体7を構成し、また、フランジ29上面周縁部に下面を当接載置した周壁17上端縁より頂壁18を延設してなる下端開口の蓋体8後部をヒンジ19を介して本体7に連結するとともに、ヒンジ19両側に於いて上下を掛け渡したC字状の弾性板30により蓋体8を弾性反転可能に構成している。
【0023】
本発明では、第1装着筒4aの少なくとも係合突条5突設部分を含む部分に周方向多数の縦切り溝aを穿設し、第1装着筒4a下端部よりフランジ31を介して第2装着筒4b外周下部を囲繞する帯状部24を切り取り可能に設けている。図示例では、フランジ31外周縁部に薄肉破断部23を設け、また、帯状部24をリング状に形成してその一部を縦断する薄肉破断部23a を設け、更に、薄肉破断部23a 近傍の帯状部上面よりリング状の指掛け用の突部26を突設している。
【0024】
本発明でも縦切り溝aの穿設位置は係合突条5突設部分を含む部分であれば良いが、第1装着筒4a下端部まで縦切り溝aを縦設した場合にはフランジ31にも連続する切り溝を設けても良い。また、破断部23をフランジ31内周縁部に設けて帯状部24をフランジごと切り取り可能に構成しても良い。
【0025】
また、帯状部24内面と第2装着筒4b外面との間に螺合方向への一方的な回動が可能なラチェット機構32を設けている。本実施例のラチェット機構32は図6に示す如く、第2装着筒4b外面に周方向間隔をあけて、且つ、平面視が直角三角形状をなす第1鉤状突起33を多数突設するとともに、帯状部24内周面に周方向間隔をあけて、且つ、各第1鉤状突起33とその垂直面が当接する如く配置された平面視が直角三角形状をなす第2鉤状突起34を多数突設することにより構成している。ラチェット機構32は全周に亘って設けてもよく、或いは図示例の如く部分的に設けることも可能である。図示例では、第2装着筒4bの前部及び後部にそれぞれラチェット機構を設けている。
【0026】
本実施例のキャップを廃棄する場合には、例えば、指掛け用の突部26を持って帯状部24をその破断部23の部分で切断して除去し、次いで、蓋部材Bを螺脱した後注出口部材Aを上方に引き上げることにより取り外すことができる。
【0027】
本実施例のキャップはまた、注出口部材と蓋部材とを別の合成樹脂材により形成できるため、その特性を生かしたキャップの形成ができ、例えば、注出口部材に切り取り部が存在する場合にはその破断が容易な樹脂の選択を行えるとともに、外側を覆う蓋部材にはその蓋体の弾性反転に便利な比較的剛性のある樹脂を選択する等の選択を行える。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明キャップは既述構成としたことにより、使用時には確実に容器体に固定されて誤って外れる等の虞がなく、しかも廃棄の際には簡単な操作で容易に容器体から取り外すことができ、分別処理を簡単に行えるものである。
【0029】
また、その構造も従来のこの種のキャップと比較して大幅な変更がなく、簡単に製造できる利点を兼ね備えている。
【0030】
また、第2の手段のキャップでは、注出筒内にプルリング付きの切り取り部を設けた形態の本体を備えたキャップを、蓋体と一体に形成できる如く構成したので、その製造が容易で安価にできる利点を兼ね備えている。
【0031】
また、第3の手段のキャップでは、注出口部材と蓋部材とを別の合成樹脂材により形成できるため、その特性を生かしたキャップの形成ができ利点を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図である
【図2】同実施例の斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す半断面図である。
【図4】同実施例の斜視図である。
【図5】同実施例の注出口部材を示す斜視図である。
【図6】同実施例のラチェット機構の部分の要部説明図。
【符号の説明】
2…容器体,3…口頚部,4…装着筒,4a…第1装着筒,4b…第2装着筒,
5…係合突条,6…係止突条,7…本体,8…蓋体,9…頂板,
9a…切り取り部,11…注出筒,14…プルリング,19…ヒンジ,31…フランジ,
32…ラチェット機構,A…注出口部材,B…蓋部材,a…縦切り溝
Claims (1)
- 容器体口頚部3外周に第1装着筒4aを嵌合させて装着するとともに、第1装着筒4a内周面に突周設した係合突条5を口頚部3外周に突周設した係止突条6下面に強制的に乗り越え係合させて抜け出しの防止を図った合成樹脂製の注出口部材Aと、第1装着筒4a外周に第2装着筒4bを螺着させるとともに、第2装着筒4b後部上端に蓋体8後部下端を回動可能に連結して注出口部材A上部を開閉可能に被覆した合成樹脂製の蓋部材Bとを備え、第1装着筒4aの少なくとも係合突条5突設部分を含む部分に周方向多数の縦切り溝aを穿設し、第1装着筒4a下端部よりフランジ31を介して第2装着筒4b外周下部を囲繞する帯状部24を切り取り可能に設け、帯状部24内面と第2装着筒4b外面との間に螺合方向への一方的な回動が可能なラチェット機構32を設けてなることを特徴とする合成樹脂製キャップ。
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